モバイルバッテリーシェアリング「ChargeSPOT」を手がけるINFORICHが累計108億円の資金調達

モバイルバッテリーシェアリング「ChargeSPOT」(チャージスポット。Android版iOS版)を展開するINFORICH(インフォリッチ)は11月18日、59億円の資金調達が完了し、累計総額は108億円になったと発表した。引受先は、MRA Investments、SBSホールディングス、NEXTBLUE1号投資事業有限責任組合、ネクストユニコーン第2号投資事業有限責任組合、P&Eディレクションズなど。調達した資金により、ChargeSPOT事業をさらに強化する。

INFORICHは、2018年4月よりChargeSPOTを提供。現在では、日本全国約3万台、台湾約4300台、香港約3000台、タイ約1000台(2021年11月時点)の設置が完了しているという。国内において年内3万5000台、2022年に6万台、2023年に10万台と設置を拡大し、日常生活には必要不可欠な生活インフラ化を目指すという。

ChargeSPOTでのレンタル方法は、LINE・d払い、PayPay・au PAYなど各種ChargeSPOT対応アプリでバッテリースタンドのQRをスキャンするだけでOK。また、対応アプリで自宅や職場など近所のバッテリースタンドを探してバッテリーを借り、別のバッテリースタンドに返却することもできる。

モバイルバッテリーシェアリング「ChargeSPOT」を手がけるINFORICHが累計108億円の資金調達

小売・製造・物流・介護などデスクレスワーカーが働く現場向け動画教育サービスのTebikiが8億円のシリーズA調達

現場向け動画教育プラットフォーム「tebiki」を運営するTebikiは11月16日、シリーズAラウンドにおいて、第三者割当増資による8億円の資金調達を発表した。引受先はグロービス・キャピタル・パートナーズ。調達した資金は、主にチームの拡大にあて、開発・営業・カスタマーサクセス・マーケティング・デザイナーなどの全職種で積極採用を行う。

tebikiは、小売・サービス・製造・物流・介護・飲食といった、デスクを持たない社員(デスクレスワーカー)が働く「現場」向けクラウド型動画教育プラットフォーム。

難しいシステム操作を現場に強いるのではなく、作成から編集まで誰でも最新動画技術を直感的に使いこなせるUIを採用。現場のOJTをスマホで撮影するだけで、音声認識技術で字幕が自動生成され、シーンの削除・静止などの動画編集、音声吹き込みや図形挿入、自動翻訳が可能。また、動画閲覧データを自動分析し誰がどこまで習熟したかを可視化し、リアルタイムで教育の進捗を管理できるという。

島根県、Rubyプログラミングを学べる25歳以下対象のオンライン合宿「Ruby合宿」参加者を募集

ヤフー主催の学生ハッカソン「HACK U 2021」の最優秀作品2点発表、傾向の変化も解説

島根県、Rubyプログラミングを体験できる25歳以下対象のオンライン合宿「Ruby合宿」参加者を募集島根県は11月15日、チームで3Dシューティングゲームを作るというプログラミングのオンライン合宿「Ruby合宿」の参加者募集を開始した。対象は学生や25歳以下の者。開催期間は令和4年(2022年)3月7日~11日の5日間。募集締め切りは2022年1月18日。

これは、2008年から行われている、主に就職前の若者のプログラミングスキル向上を目指した企画だが、今回はコロナ禍によりオンライン開催となった。使用するプログラミング言語はRuby。数名でチームを組み、サンプルプログラムを参考に3Dシューティングゲームを作る。最終日には、発表会で各チームのプログラム作品を披露する。Ruby開発者まつもとゆきひろ氏の講演会や、島根県内のIT企業の視察、IT企業との交流会もある。

「Ruby合宿」概要

  • 募集期間:2021年11月15日~1月18日
  • 開催日時:2022年3月7日~11日
  • 会場:オンライン(Zoom)
  • 対象:学生(大学、高専、専門学校、高校など。25歳以上でも可)または25歳未満(2021年4月1日時点)の求職中の方で、以下の条件をすべて満たす者
    ・チーム開発に興味がある
    ・将来、ソフト系IT産業で働きたいと考えている
    ・主催者が行うメールなどでのアンケートに協力できる
    ・安定したインターネット接続環境がある(固定回線を推奨)
    (ただし、応募多数の場合は島根県在住または島根県出身者を優先)
  • 参加費:無料
  • 定員:30名程度
  • 応募方法:公式サイト「Ruby合宿」より申し込む

また2022年3月1日に、Git入門、プログラム作成のポイントについての事前講義(Zoomを利用)を実施する。詳しくはこちらをどうぞ。

  1. 島根県、Rubyプログラミングを体験できる25歳以下対象のオンライン合宿「Ruby合宿」参加者を募集

  2. 島根県、Rubyプログラミングを体験できる25歳以下対象のオンライン合宿「Ruby合宿」参加者を募集

認知症領域の課題解決を目指す医療AIスタートアップSplinkが11.2億円調達、脳ドック用AIプログラムの全国普及・拡大推進

VRリハビリ機器を提供する「mediVR」が5億円のシリーズB調達、「成果報酬型自費リハ施設」開設を計画

認知症領域の課題解決を目指す医療AIスタートアップSplinkが11.2億円調達、脳ドック用AIプログラムの全国普及・拡大を推進認知症領域の課題解決を目指す医療AIスタートアップSplinkは11月17日、総額約11億2000万円の資金調達を発表した。引受先はジャフコ グループ、東京海上日動火災保険、三菱UFJキャピタル、博報堂DYホールディングス、個人投資家。調達した資金により、引受先とのシナジーを活用するとともに製品化・事業化を加速する。

Splinkは、2017年の創業以来、認知症予防の促進を目指し、脳ドック用AIプログラムとして「Brain Life Imaging」の提供を進めてきた。都内を中心に様々な医療機関が利用しており、今後全国への普及・拡大を推進するという。また、この先行サービスで得られた知見を活用し、開発を進めてきた「脳画像解析プログラムBraineer」では、診断・治療フェーズにおける認知症見逃しを防ぐ医療機器プログラムとして2021年6月に薬事認可を取得した。

同社は、今回の増資により主力製品Brain Life ImagingおよびBraineerの製品強化を引き続き進めるという。さらに、複数アカデミアとの共同研究を通じて開発パイプラインの製品化に向けた投資も実施する。認知症という高齢化社会における課題に対し、健常段階の予防から発症後の病気と共生できる社会に寄与すべく、認知症の予防から診断まで一貫したソリューションをワンストップで提供するとしている。

デジタル教材プラットフォームのLibryがシリーズC累計で約3.4億円調達、プロダクト開発・営業体制強化

中高生向けデジタル教材プラットフォーム「Libry」(リブリー)を提供するLibryは11月17日、LITALICO(リタリコ)を引受先とした第三者割当増資による資金調達を発表した。同エクステンションラウンドを含めたシリーズCラウンドの累計調達額は約3億4000万円となり、2017年のサービス提供開始からの累計調達額は8億円を超えた。

リブリーは、デジタル教材とAIドリルの特性を併せ持つデジタル教材プラットフォームで、全国の高校・中学を中心に600校以上(2021年11月15日現在)で導入されている。大手出版社・教科書会社と提携し、既存の教科書や問題集をそのままデジタル化しているため、教師と生徒が「これまで通りの教材」として利用できるという。1つの端末で複数の教材・問題集を管理できるほか、生徒ひとりひとりの学習履歴に基づいた「類似問題」「苦手問題」機能などで生徒の学習状況や理解度に合わせた個別最適化学習を実現する。宿題の配信・回収・集計を自動で行なう「宿題管理ツール」や、クラスの学習状況をExcelデータで出力できる機能など、教師をサポートする機能も用意している。

日本の学校教育は、コロナ禍の影響もあり、急速にICT化が進んでいる。小・中学校では、2021年3月末までに全国97.6%の自治体でPC・タブレット1人1台環境が整備され、高校でも47都道府県のうち42自治体(89.4%)で生徒1人1台の端末整備を目標としている。そのような状況の中で、リブリーは2021年10月末時点で17社の出版社と提携。数学・物理・化学・生物・地学・英語の6科目で400冊を超えるデジタル教科書・デジタル問題集を提供している。

「一人ひとりが自分の可能性を最大限に発揮できる社会をつくる」をビジョンに掲げるリブリーは、2022年4月に学習者用デジタル教科書への対応を予定。調達した資金により、プロダクト開発・営業体制を強化し、日本の教育のデジタル化を牽引する教材プラットフォームとしてさらなる成長を目指す。今後はLITALICOとの協業の可能性についても検討を開始するという。

シード特化のYazawa Venturesが女性起業家向けインキュベーションプログラム「アントレジェネレーター」参加者募集

シード特化のベンチャーキャピタル(VC)「Yazawa Ventures」は11月16日、女性起業家を多数輩出すべく、起業直前・直後の女性に特化した、出資と事業計画・プロダクト構築支援をセットで提供する「Yazawa アントレジェネレーター」インキュベーションプログラムの募集を開始したと発表した。募集期間は12月5日23時59分まで。プログラム実施期間は、2022年1月15日〜4月15日の4カ月間。

Yazawa アントレジェネレーターは、起業して世界に大きなインパクトを出せる事業創造に挑戦する女性に対して、起業前もしくは起業直後に出資を行い、事業計画・プロダクト構築支援など創業期を伴走する4カ月間のインキュベーションプログラム。

アントレジェネレーターという名称の由来は、「Entrepreneur(起業家)」+「Generator(生み出す)」という。また「Entre」には「Enter」という意味もあることから、優秀な女性起業家がたくさんスタートアップへEnterできる環境を構築してきたいと思い、名付けたそうだ。

プログラムスケジュール

  • 募集期間:2021年12月5日23時59分まで
  • 審査期間:2021年12月6日〜27日
  • プログラム期間:2022年1月15日〜4月15日
  • 採択社数:3〜5社(目安)
  • 対象者:起業前・起業検討中の女性で、世界に大きくインパクトをもたらす事業を興したい女性(学生・社会人)
  • 事業テーマ
    ・「働く」を変革するスタートアップ(DX/SaaSなど産業や企業内の生産性・および効率性に寄与する事業。ヘルスケアや教育などを含め「個」の多様な活躍を推進するスタートアップ
    ・女性の社会進出における課題を解決するスタートアップ
  • 応募条件:「Yazawa Venturesからの支援によって起業し、事業価値の高いスタートアップへ挑戦したい起業前の女性」「創業して半年以内、他社からの支援を受けていない女性起業家」「解決したい課題があり、IT技術を活用した課題解決で創業しようとしていること」など。詳細は募集ページ参照
  • 応募方法募集ページを確認の上、応募フォームより申し込み

参加者のメリット

  • 採択後に500〜750万円の出資(第三者割当増資)
  • 4カ月でPMF(Product Market Fit。プロダクトマーケットフィット)の達成支援(およびメンタリング)
  • 各領域の経営者、専門家からのアドバイス
  • オフィススペースやスタートアップコミュニティの提供

またプログラムの詳細について、オンライン説明会を実施する。インキュベーションプログラムのコンセプト、募集する事業領域やスケジュールなどの詳細を説明するという。説明会の実施時期は、第1回は11月22日17:30~18:30、第2回が12月1日17:30~18:30。「『Yazawa アントレジェネレーター』始動!オンライン説明会【参加無料】」より申し込める。

オンライン説明会

自動車フリマ「カババ」を運営するアラカンが資金調達、累計調達額が4億円に到達

面倒な手続きなどをプロが完全代行する自動車フリーマーケット「カババ」を運営するアラカンは11月15日、シリーズAラウンドにて第三者割当増資による資金調達を発表した。引受先は三菱UFJキャピタル、Z Venture Capital 、名古屋テレビ・ベンチャーズ。累計調達額は4億円となった。調達した資金は、関東・関西・中部エリアにおける人材投資、認知度向上のためのプロモーションの強化へあてる。

カババは、車を売りたい人と買いたい人をマッチングするプラットフォームサービス。ネット上のみで完結するほか、自動車の個人間売買における鑑定ほか面倒な手続きなどを完全代行することで、車を売りたい人・買いたい人の双方にメリットを提供するという。

車を売りたい人のメリット

・面倒な手続きはプロが完全代行
・手数料は一切かからない
・相手(買手)と会わずに完結できる

車を買いたい人のメリット

・価格も品質も全車、プロが鑑定済み
・個人売買なのに、ローンでも購入可能
・相手(売手)と会わずにネット上のみで完結

アラカンによると、店舗や常駐営業スタッフなし、在庫リスクなしという仕組みにより固定費を最小限に抑えており、買い手の手数料を安価に設定しているという。

LINEアプリからスクールランチを予約注文、福岡拠点の給食スタートアップPECOFREEが総額6100万円の資金調達

LINEアプリからスクールランチを予約注文できるサービス「PECOFREE」(ペコフリー)を開発・運営するPECOFREEは11月15日、資金調達を行なったことを発表した。引受先はSun Asterisk、RKB毎日放送、テノ.ホールディングス。また9月に実施したNCBベンチャーキャピタルからの資金調達と合わせて、総調達額は6100万円となった。調達した資金は、システム開発、サービス認知拡大のためのマーケティング、人材採用の拡充に充てる。

PECOFREEは、学校で食べる食事をスマートフォンで予約注文(モバイルオーダー)できるサービス。学校単位での導入が可能。栄養士が監修した献立の弁当を毎日3種類用意しており、生徒が食べたいものを前日までにLINE上のLINEミニアプリで選択・予約注文すると、学校内に配置された受け取り・返却ボックスに当日配送を行う。

価格は1食(弁当)あたり税込450円(価格変更可能)で、支払いは保護者がチャージしたポイントから行なわれる。アプリからの注文は、学校が配布するログインコードをLINEアプリに入力するだけで誰でも開始できる。氏名や連絡先などの個人情報、さらに支払時のカード情報はシステムに保存されないため、保護者としても安心して利用できるとしている。

2021年2月設立のPECOFREEは、福岡を拠点とする給食領域のスタートアップ。「お腹を空かせた(ペコペコ)学生へ自由(フリー)な食事を!」をスローガンに、全国の高等学校を対象とした高校生のための給食(お弁当)モバイルオーダーサービスとして、2021年4月より同サービスを開始した。

リリース後、高校以外にも幼稚園・小中学校、専門学校、大学、塾などから問い合わせがあるという。現在は小学校学童施設、専門学校などを含めて県内外を含め約70校以上の導入が決定しており、学校寮の朝食・夕食の提供や自治体、市の給食への導入検討も進めているそうだ。

病気概要など医師の定型説明箇所を動画で効率化するインフォームド・コンセント支援クラウドのコントレアが1.4億円調達

病気概要など医師の定型説明箇所を動画で効率化するインフォームド・コンセント支援クラウドのコントレアが1.4億円調達動画を活用したインフォームド・コンセント支援システム「MediOS」(メディオス)を提供するコントレア(Contrea)は11月16日、プレシリーズAラウンドにおいて、J-KISS型新株予約権発行による総額1億4000万円の資金調達を完了したと発表した。引受先はCoral Capital、千葉道場ファンド、個人投資家。調達した資金は、システムおよび動画コンテンツの開発強化、営業・マーケティング体制の強化にあて、2024年の医師の働き方改革に向けた医療現場のDXを推進する。

インフォームド・コンセント(医療従事者が患者に診療目的・内容を説明し患者の同意を得ること)の内容には、病気の概要や治療方法、合併症など前提となる知識を伝える「講義」の部分と、患者の気持ちのサポートや意思決定の支援、質疑応答などの「対話」の部分にわけられるという。

医師はどちらも口頭で説明するものの、医療知識を有さない患者への説明では多くの時間を要するため、がんなどの場合では1時間以上かかることも少なくないそうだ。その結果、厚生労働省の調査では医師の時間外労働の発生原因の第3番目に「患者への説明対応」が挙がるなど、全国的な課題として顕在化している。

一方、患者側は時間をかけて説明を受けても、「講義」の部分は専門性が特に高く一度で理解することは容易ではない。「対話」の部分にたどり着く頃には頭が「パンク」していることがあり、その場では質問が浮かばずに帰宅してから聞きたいことが出てくることもある。コントレアは、インフォームド・コンセントにおいて、医師・患者の双方に課題があると指摘する。

同社のMediOSは、「講義」ではなく、患者との「対話」に注力できるようにするための、医師・患者間のコミュニケーション支援システムという。病気の概要や治療方法・合併症などの「講義」に該当する部分は患者個別性が少なく、医師にとっては標準的で繰り返しの説明となるため、MediOSが「講義」部分をアニメーションを用いた動画でサポートする。

病気概要など医師の定型説明箇所を動画で効率化するインフォームド・コンセント支援クラウドのコントレアが1.4億円調達

医師は、患者の病状や治療法に応じて動画を組み合わせることで、患者ごとにカスタムされた動画を発行できる。また患者側は、医師から発行された動画を自分の都合のいい場所・時間に何度でも繰り返し視聴可能だ。さらに、システム内において事前に質問を登録できるため、医師への質問や疑問点の伝え忘れを防止できる。患者の自宅や病院内の待ち時間などでMediOSを利用することで、診察室を拡張可能としている。

患者の理解度が高まった状態で医師との対面の説明にのぞむことで、医師の「講義」の効率化、またより本質的な「対話」に注力できるようになり、信頼関係の強化にもつながるという。コントレアは、これまで人力に頼っていた領域にデジタルのエッセンスを加えることで、医療現場の効率化と患者エンゲージメント向上を両立できるプロダクトを目指しているとした。

MediOSは2021年1月にβ版をローンチし、大学病院を始めとした200~700床の病院で導入済みという。導入効果として医師の説明時間が患者1人あたり33%短縮された。また、高齢者が多い中にあっても7割以上の患者が自力で動画視聴を完了し、理解度も4.6点(5段階中)を取得するなど、医師および患者の双方に効果が出ているそうだ。

話し方・表情・言葉の内容からモテ因子「魅力的な個性」を見つけるアプリMOTESSENSEをNTTが開発・実証実験を開始

話し方・表情・仕草からモテ因子・魅力的な個性を見つけるアプリ「MOTESSENSE」をNTTが開発・実証実験を開始NTT(日本電信電話)は11月15日、人の個性をAIで診断し、その人の個性的な魅力を発見するアプリケーション「MOTESSENSE」(モテッセンス)を開発したことを発表した。多様なジャンルの個性的な人たちに使ってもらい、個性の発見に役立つかどうかを検証する実証実験も開始する。

シチュエーションに応じたロールプレイを行い、その様子をカメラとマイクが記録する。そこから、話し方、表情、仕草、言葉の内容などを総合的にAIで診断することで、「モテ因子」(魅力的な個性に関する因子)を見つけ出すという。魅力は、NTTによれば「見た目や地位などに対して、画一的に定義される」ことがあるが、このアプリケーションは、他人と比較して個性的な点にこそ魅力があると考える。この自動診断には、先日NTTが発表した、音声音響、画像映像、自然言語といったマルチメディアを統合的に扱うことで、人間に近い情報処理機構を実現する次世代メディア処理AI「MediaGnosis」(メディアノーシス)が使われている。

これは、多様性の尊重が「互いを受け入れ、個性や価値観の違いを受け入れるだけでなく、それらを融合させ、高め合うことで、社会を前進させるための鍵になる」と考えるNTTが、多様性の時代における個人の幸福の形成を目指すものとして開発したものだ。実証実験では、「診断結果について世の中の人に知ってもらうことにより、社会の多様性を再認識してもらう」ことを目指すとNTTでは話している。

ビジネス動画編集クラウドVideo BRAINが視聴分析含む動画配信機能追加、作成した動画を自社サイトなどに埋め込み可能に

オープンエイトは11月15日、クラウド型ビジネス動画編集「Video BRAIN」(ビデオブレイン)に、作成した動画を自社サイトなどへ表示させることができる配信機能と視聴回数や平均視聴時間などが分析できる機能をリリースした。

Video BRAINは、AIのサポートにより誰でも簡単にストーリー性のある動画を制作できるクラウドサービス。今回追加された機能により、Video BRAIN上で発行されたHTML埋め込みタグを自社サイトなどに貼り付けるだけで動画プレイヤーが設置できるようになり、閲覧者側は再生ボタンをタップするだけで視聴可能となる。動画投稿サイトの埋め込み動画とは違い、広告が表示されたり、関係のない動画がリコメンド表示されたりといったことはない。動画ファイルはVideo BRAIN側のセキュアな環境で保存されるため、動画コンテンツを保存しておくストレージや配信用のサーバーを用意する必要もない。

また、SNS投稿・分析サービス「Insight BRAIN」が動画視聴分析にも対応。HTML埋め込みタグを利用し公開した動画や公開用URLにより発行した動画に関して、視聴回数や平均視聴時間など視聴に関するKPIがリアルタイムに可視化および分析可能になった。分析情報は、CSV形式ファイルとして書き出し可能。

これら機能による配信と分析の利用イメージとしては、自社サイトでの動画版プレスリリース公開、またメディア側にHTML埋め込みタグを送付し記事内に貼り付けてもらうなどを挙げている。採用向けHRコンテンツ、オンラインイベント向け資料動画、マニュアル動画などの配布と視聴ログ計測などにも活用できるという。

2015年4月設立のオープンエイトは、「AI × SaaSであらゆる企業の情報流通戦略の成長ドライバーとなる」ことをコンセプトとするコンテンツテクノロジーカンパニー。動画広告事業および動画メディア事業で培った動画コンテンツ制作・配信ノウハウとAI技術を組み合わせ、Video BRAINやInsight BRAINを開発した。また、自然言語処理とコンピュータービジョンを中心とする独自のAI技術を有し、「OPEN8 CORE TECHNOLOGY」としてアルゴリズム・ソフトウェアモジュール群をAPIの体裁で提供している。

Synamonが「エンタープライズ向けメタバース構築支援サービス」提供開始、プロモーション・ブランディング活用支援

VR/AR/MR企画・開発のSynamonが2.5億円を調達、人材採用・先端技術活用の価値創出を推進

VR・ARを含むXRやメタバース市場の創造に取り組むSynamon(シナモン)は11月15日、「エンタープライズ向けメタバース構築支援サービス」の提供開始を発表した。

Synamonによると、昨今メタバースに対する注目からその活用例が増えてきたものの、「空間構築やユーザー体験設計などをどのように行えばいいかわからない」「プロジェクト全体をどのように企画し、制作をディレクションするべきか不安」といった声があるという。同社は、そうした企業に応えるため、エンタープライズ向けにXR技術を活用したバーチャル空間構築、またそれら空間内での体験設定を行なってきた技術力を活かし、プロモーションやブランディングへの活用を中心に、高品質なメタバース体験の構築を支援するサービスの提供を行うとした。

提供サービス概要

  • メタバース空間構築によるブランディング支援:実在するショールームの再現から架空のコンセプト空間の創出など、バーチャル上に3D CGを活用した自由なメタバース空間を構築し、企業・サービスのブランド価値向上に貢献
  • コンテンツ制作によるイベントプロモーション支援:展示会や自社イベントなど、来場者に向けた記憶に残るコンテンツを制作することで、体験者に驚きや感動を与えるイベントプロモーションを実現
  • XR技術を活用したリアル×メタバースのユーザー体験の創出:VR単体だけでなくAR・MRといったXR技術をかけ合わせ、リアル空間とバーチャルコンテンツを融合した新しいユーザー体験を創出
  • 先進技術の活用や新規事業への立ち上げ支援:AIやNFTなど先進技術との組み合わせや自社アセットを活用した新規事業の検討など、技術調査やビジネス企画の段階からの支援

また、著名IPに関わった経験を有するクリエイターによる監修、外部プラットフォームに依存しないSynamon独自開発アプリ活用などにより企業ブランドの世界観を最大限反映した体験を創出できるという。Oculus Quest2などのXRデバイスのほか、PCやスマートフォンまで含むマルチデバイスに対応可能。同社が強みとするマルチプレイ技術により、複数人が同時共有するメタバース空間において優れたユーザー体験を設計できるとしている。

VRイベント「バーチャルマーケット」を手がけるHIKKYが65億円調達、オープンメタバース開発とグローバル事業展開を加速

VRイベント「バーチャルマーケット」などVRサービスの開発ソリューションを提供するHIKKYは11月15日、シリーズAラウンドのファーストクローズにおいて、第三者割当増資による65億円の資金調達を発表した。引受先はNTTドコモ。また、両社は2021年10月20日に資本・業務提携を締結したと明らかにした。現在、同ラウンドのセカンドクローズも検討しているが、当該両クローズによる資金調達後も、HIKKYの独立性が維持される予定。

調達した資金は、「オープンメタバースの開発、サービス提供」、またHIKKYの開発するスマートフォンおよびPCブラウザー上で動くVRコンテンツ開発エンジン「Vket Cloud」(ブイケット クラウド)のエンジンの開発体制強化、「バーチャルマーケット事業の開発体制の強化」「海外展開を含めた事業拡大」などに充当する方針。

なお、HIKKYが提唱するオープンなメタバースとは、以下を実現するサービスという。
・プラットフォームの壁を超えて人々が行き交う環境
・オープンワールドにおける大人数での体験やコミュニケーション
・独自ドメインでオリジナルのコンテンツ展開
・デバイスフリー&アプリレスでの簡単なアクセス

今後同社は、バーチャルマーケット事業によってつながったクリエイターや、パートナー企業の力を借りながら、自社開発エンジンであるVket Cloudを用いて「オープンメタバース」の開発・サービス展開を行う。また、オープンなメタバースにおいて、これまでの社会では評価されることのなかったあらゆる人の創造性やコミュニケーションが新しい価値として認められ、新たな経済圏とするべく様々なサービスを提供する。

 

780社以上が利用、企業の福利厚生で使えるAI恋愛ナビAill goenが全国版・九州版に続き関西エリアでもサービス開始

企業の福利厚生で使えるAI恋愛ナビAill goenが全国版・九州版に続き関西エリアでもサービス開始Aill(エール)は11月15日、企業の福利厚生サービスとして利用可能なAI縁結びナビゲーションアプリ「Aill goen」(旧Aill)の全国版九州版に加え、同日より関西版を開始することを発表した。これにより、これまでの関東、九州、東北に加えて対象地域が拡大する。

Aillは、ウェルビーイング(=心も身体も健康な状態)が浸透する社会を目指し、幸福度の高い「ワークライフシナジー」を実現する一助として、公的・私的承認が満たされる重要性に着目。公的承認は、仕事(ワーク)などの社会活動によって得られるものの、仕事をがんばることでプライベートの時間・出会いの機会が少なくなり、パートナーシップや家族との関り(ライフ)によって得られる私的承認が満たされにくいという状況が課題となっているという。

そこで同社は、勤務先企業を通じて審査を受けた安心・安全なユーザーが集まるコミュニティを形成し、AIが出会いとコミュニケーションに伴走することで、信頼をともに育むライフパートナーの縁結びを提供している。Aill goenにより、社外の良縁とAIのテクノロジーの力で先の課題を解決すると同時に、社員の幸福度向上をアシストするという。

Aill goenは、福利厚生サービスとしてAillと提携した企業の独身社員のみが利用可能。社員の「ワーク」だけでなく「ライフ」もサポートする福利厚生サービスとして、現在780社以上の企業に利用されている。Aill goenには、生活サイクルやキャリアプランを軸に価値観が近い相手をAIが探す「紹介ナビゲーション」、AIがチャットをアシストする「会話ナビゲーション」、相手の好感度をAIが可視化する「好感度ナビゲーション」の機能を搭載。無料のトライアルプランのほか、紹介人数とチャット人数が充実した有料のスタンダードプランが用意されている。企業の福利厚生で使えるAI恋愛ナビAill goenが全国版・九州版に続き関西エリアでもサービス開始

「AIでウェルビーイングな社会をつくる」をミッションに掲げるAillは、今回のサービス地域の拡大により、利用者のさらなる良縁サポートに貢献したいという。

 

Pocket RDが4.5億円調達、メタバース向け3Dアバターの自動生成・編集システムやNFT 3DCGマーケットプレイス開発強化

PocketRDが3DCGデータの二次流通・二次創作が可能なブロックチェーン活用サービスのβ版公開

Pocket RDは、シードBラウンドにおいて、第三者割当増資による4億5000万円の資金調達を発表した。引受先は、リード投資家のKDDI Open Innovation Fund 3号(グローバル・ブレイン)、また講談社、大日本印刷(DNP)、SMBCベンチャーキャピタルが運営するSMBCベンチャーキャピタル6号投資事業有限責任組合。これにより、同社の資本業務提携先はスクウェア・エニックス、KDDI、講談社、大日本印刷の計4社となった。

調達した資金は、アバターの自動生成・編集システム「AVATARIUM」と、ブロックチェーン技術を活用したNFT 3DCGマーケットプレイス「Pocket Collection」の開発強化にあてる。また、資本提携先のKDDI、講談社、大日本印刷との業務提携による事業推進強化を行う。

すでにKDDIとは事業連携を開始しており、AVATARIUMスキャナーをGINZA456 powered by KDDIやau Style SHIBUYA MODIなどへ設置、オリジナルアバターと「バーチャル渋谷」が連携させた。「バーチャル渋谷 au 5G ハロウィーンフェス 2021 ~Fun for Good~」においてコラボレーションを行い、ユーザー自身をデフォルメしたアバターや、有名キャラクターの衣装を提供し、オリジナルアバターでバーチャルハロウィーンを楽しめるようにした。

今後は、アバター生成技術やブロックチェーンを活用したマーケットプレイスをau版メタバースで活用してもらい、リアルとバーチャルが連携した「バーチャルシティ」でユーザーだけのオリジナルアバターで楽しめる体験や、生活者自身のデジタルデータを両社で協力し生み出すという。

アバターの自動生成・編集システム「AVATARIUM」

AVATARIUMは、撮影から用途に合わせたアバターをすべて同時に自動生成することを可能とし、外部環境へもシームレスなエクスポートを実現するという。エクスポート時の対応ファイル形式は、OBJ、FBX、PLY、glTF、VRMを実装。特殊なアバターを活用するメタバースの対応も完了しており、今後も業界ニーズに合わせて順次機能追加するとしている。Pocket RDが4.5億円調達、メタバース向け3Dアバターの自動生成・編集システムやNFT 3DCGマーケットプレイス開発強化

ブロックチェーン技術活用のNFT 3DCGマーケットプレイス「Pocket Collection」

Pocket Collectionは、ブロックチェーンを活用し、3D技術を活用したアートワークなど、デジタル創作物全般の大量保存・2次創作・2次流通・販売が可能なサービス。作品の2次創作・2次流通においても権利を管理し、利益分配を行える。クリエイターの創作活動における中心的なプラットフォームとなれるように大容量ストレージ機能によるポートフォリオ掲載機能、プロジェクトマネジメント機能によるグループによる制作活動、マーケットプレイス機能による購入・販売も可能にし、創作活動を全面的に支援するとしている。Pocket RDが4.5億円調達、メタバース向け3Dアバターの自動生成・編集システムやNFT 3DCGマーケットプレイス開発強化Pocket RDが4.5億円調達、メタバース向け3Dアバターの自動生成・編集システムやNFT 3DCGマーケットプレイス開発強化

イスラエル国防軍出身CTO開発、企業向け標的型攻撃シミュレーション・訓練プラットフォームのAironWorksが9000万円調達

サイバーセキュリティSaaS「AironWorks」を提供するAironWorksは11月12日、第三者割当増資による約9000万円の資金調達の実施を発表した。引受先は、リード投資家のALL STAR SAAS FUND、また日本ベンチャーキャピタル、京都エンジェルファンド。調達した資金により、AironWorksの特徴である企業分析により高度に最適化された標的型攻撃を生成・実行するAIの開発強化と、日本市場でのデファクトスタンダードとなることを目指して事業成長を加速させるとしている。

AironWorksサービスは、イスラエル国防軍「8200部隊」(Unit 8200)出身のエンジニアが開発した、「企業向け標的型攻撃シミュレーション・訓練プラットフォーム」。従来のような標的型メール訓練ではカバーできないSNSやSMS攻撃などの、多様なベクトルからの攻撃に対する訓練が可能。標的に応じて個別最適化された現在のサイバー攻撃に対応できるよう、継続的でより実践的な訓練を行なえるシステムとなっている。

さらに、イスラエル国防軍の教育メソッド+ゲーミフィケーションを活用した「オリジナル教育プログラム」を実装しており、高い教育効果を実現しているという。

AironWorksは、イスラエルと日本を拠点にイノベーションプラットフォーム・アドバイザリーサービスを提供するAniwoによる支援のもと、2021年8月創業。「働く人々・チームをエンパワーメントすること(Enhancing Teams with AI)」 をミッションに掲げ、イスラエルで開発した先進的な技術をコアに、日本から世界市場を目指している。

なお、共同創業者兼CTOのGonen Krak氏は、イスラエル国防軍のインテリジェンス部隊Unit 8200においてサイバーセキュリティ実務に取り組み、複数の重要プロジェクトのマネジメント、若手ハッカーの育成に従事したという。大学在学中に独自アプリ開発、フルスタックエンジニアとしてのスキルも有する。AironWorksでは、コアとなる技術開発、アルゴリズム設計、AIの開発責任者も兼任している。

イスラエル国防軍出身CTOが開発、企業向け標的型攻撃シミュレーション・訓練プラットフォームのAironWorksが9000万円調達

公的介護保険では支援が受けられない在宅介護ニーズと介護士をマッチングする「イチロウ」のLINKが1億円調達

オーダーメイド介護サービス「イチロウ」を提供するLINKは11月11日、プレシリーズAラウンドとして、政策金融公庫の融資を含め総額1億円の資金調達の実施を発表した。引受先は、既存投資家のブラッククローキャピタル、三井住友海上キャピタル、マネックスベンチャーズに、コムレイズインキュベート、LITALICOが加わっている。調達した資金により、オペレーション構築・システム開発といったサービス基盤とマーケティングの強化を加速する。

イチロウは、公的介護保険では支援が受けられない在宅介護ニーズに対して、オンライン上で介護士をマッチングし派遣するサービス。インターネットを活用した効率的なオペレーションで最短5分という素早いマッチングに加えて、公的介護保険適用外への対応に特化することで、利用制限のない介護サービスを提供する。これまで4500回以上のマッチングを行ない、99%というマッチング率を実現しているという。

同社によると、公的介護保険による訪問介護サービスは、介護保険法により内容が定められており介護を希望する本人や家族の求めるニーズに応えきれていないという。例えば、1時間以上の介護を受けたりできず、電球の交換など介護保険法で認められていないサービス内容は利用できない。またアナログな仕組みにより、サービスを利用するまでに1週間以上かかるなど、リアルタイム性が求められる在宅介護におけるニーズに応えられていない。イチロウは、こうした公的介護保険では対応しきれなかった介護のラストワンマイルをかなえるための取り組みを続けていくとしている。

LINKは、介護現場を10年以上経験した水野友喜氏が2017年4月に設立したスタートアップ。「年間10万人の介護離職の課題」「介護士の低所得・人材不足の課題」といった介護の社会問題をインターネットを活用したデジタル視点で解決することを目指し、介護業界のDXに取り組んでいる。

ARグラス用ディスプレイ・モジュール開発などのCellidが5億円調達、研究開発強化や量産開始に向け組織・開発体制の強化

ARグラス用ディスプレイ・モジュールや空間認識ソフトウェアの開発などを手がけるCellidは11月11日、第三者割当増資による総額5億円の資金調達実施を発表した。これにより累計調達額は7億円となった。引受先はアクサ生命、エプコ、一般事業会社(社名非公開)。調達した資金により、ディスプレイ・モジュール研究開発の強化、本格的マーケティング活動の開始、量産開始に向けた組織体制・開発体制の強化にあてるという。2022年には、ディスプレイ・モジュール試作品の製造から、量産化へと開発フェーズの移行も予定している。

Cellidは、独自AR技術「Cellid SLAM」の2020年12月ローンチ以後、SLAMを応用した「Position Finder」や「AR Tag」の実用に向けた技術検証を建設業や製造業など領域で進めているという。Position Finderは、単眼カメラの映像から、作業者の3次元位置情報を可視化できるサービスで、AR Tagは3Dモデル上にデジタル情報を付与できるサービスだ。

また2021年11月に、薄型化・広視野角化を達成できる表示方式「Waveguide」(ウェイブガイド)を用いて、対角視野角(FOV)60度を実現したシースルー・ディスプレイと、約1.2cm立方センチの超小型プロジェクターを組み合わせたディスプレイ・モジュール「Cellid Waveguide 60」をサンプル出荷。国内外の顧客へ販売を開始した。2022年1月5日(現地時間)から開催のCESにおいて、Cellid Waveguide 60を内蔵したメガネ型モックアップの出展を行う。米国を中心とした本格的なマーケティングを予定しているという。

ARグラス用ディスプレイ・モジュール開発などのCellidが5億円調達、研究開発や量産開始に向けた組織体制・開発体制を強化

「Cellid Waveguide 60」

マネーツリーがオルタナティブデータ活用促進の新事業「データリサーチ部門」、匿名化した消費者の金融行動データ提供

個人向け資産管理サービス「Moneytree」(Android版iOS版)運営のマネーツリーは11月10日、グローバル金融業界から注目の高まるオルタナティブデータの活用を事業化する「データリサーチ部門」の新設を発表。統計データ化された消費者の金融行動データの一部をオルタナティブデータとして外部へ提供することで、金融市場、経済活動における金融データの新たな活用方法の普及を推進する。

多様なデータ収集の基盤整備が進む中、新たなデータ活用・分析の糸口となるオルタナティブデータが注目を集めていることを背景に、マネーツリーは非個人情報として扱える統計データをオルタナティブデータとして提供。資産管理サービス「Moneytree」「Moneytree ID」に紐づくデータを、個人が特定されないよう匿名化処理を施し照合性をなくし、データプライバシーを守った状態で提供する。

マネーツリーは、オルタナティブデータと公的データの掛け合わせにより消費者行動をデータ分析することで、市場調査、事業会社などにおける新規事業の立案、投資調査、学術研究、公共政策の策定に貢献したいという。また、国内でのオルタナティブデータに対する責任ある活用の推進に向け、11月10日をもって「一般社団法人オルタナティブデータ推進協議会」に正式加盟したことも発表した。

データリサーチ部門の新設にあたって、今後はオルタナティブデータの活用推進と事業との相乗効果に注目し、ユーザーのプライバシー保護を重視しつつ金融データエコシステムのさらなる拡張、顧客体験(UX)向上への貢献と高度化、将来的な新規ビジネス創出の活性化を目指したいという。

現在、オルタナティブデータは投資判断をより適切に実行するためのデータセットの1つと認識されており、今後はより広範囲での活用の可能性が期待されているという。すでに、POSデータや購買データ、人工衛星で取得した画像データの解析において、既存の公的な統計データを越えた新たなデータの利活用も進行している。

PETボトルを常温で分解し原料を高純度で回収する方式を産総研が開発、原料化温度を従来の200度以上から常温まで低下

産業技術総合研究所(産総研)は11月8日、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂を常温で効率的に分解し、再利用を可能にする技術の開発を発表した。環境負荷やエネルギーコストが大幅に削減され、ペットボトルから新しい高品質なペットボトルを再生産する道が拓かれる。

PETボトルの再生方法には、熱で溶かして再成形する「マテリアルリサイクル」と、化学的に低分子化合物に分解して新たに製品化する「ケミカルリサイクル」とがある。マテリアルリサイクルは、回収されたPETボトルを分別して熱で溶解するが、不純物が混じり込むことが多く、溶解前の製品と同品質にすることが難しい。また、ケミカルリサイクルでは、一般に大量の薬剤や高温処理が必要であったため、コストも高く環境負荷も大きい。

PETボトルからまたPETボトルを作る「ボトルtoボトル」を実現するには、高純度な原料を高効率で回収できなければならない。それが可能なのはケミカルリサイクルだ。ケミカルリサイクルでは、PET樹脂はテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールとに分解される。しかし、この2つの原料は分解時と同じ条件で再び結合してPET樹脂に戻ってしまう。そのため、この2つを反応させないための工夫が必要となる。その反応を止めるには、大量の反応剤を投入する方法と、200度という高熱をかけてエチレングリコールを取り除く方法とがあるが、どちらも非効率だ。

今回、産総研が開発した方式はケミカルリサイクルだが、大量の薬剤も高温処理も必要としない。市販の飲料用PETボトルをフレーク状に粉砕した試料に、メタノール、炭酸ジメチル、アルカリ触媒であるリチウムメトキシドを適切な比率で混合し3時間ほど室温に置くことで90%以上が分解できるというものだ。反応温度を50度にすると、すべてのPETが分解した。この方法では、テレフタル酸ジメチルは簡単な精製によって99%以上が分離できる。また、エチレングリコールは炭酸ジメチルに捕捉され、高い割合で回収ができる。PETボトルを常温で分解し原料を高純度で回収する方式を産総研が開発、原料化温度を従来の200度以上から常温まで低下

分離したテレフタル酸ジメチルはPET樹脂に加工でき、テレフタル酸ジメチルはリチウムイオン電池の電解液などに再利用できる。リチウムメトキシドは反応後は不溶物として沈殿するため、簡単に分離、回収ができる。

今後は、このリサイクル方法の社会実装を目指し、触媒の改良、反応のスケールアップ、PET含有製品への適用可能性を検討するとしている。