たしかに暗号資産には多くの大量の通貨が必要だ

スタートアップとマーケットの週刊ニュースレター「The TechCrunch Exchange」へようこそ。

準備OK?ここではお金の話、スタートアップの話、IPOの噂話などをお伝えする。

こんにちは、米国では5月最終月曜日はメモリアルデーという祝日だ。今回のExchangeはメモリアルデーを記念して、新しい試みとして簡潔にまとめてみよう。

暗号資産(仮想通貨)の話は聞き飽きたという読者には、悪いお知らせだ。彼らは消えて行かないどころか、彼らの進撃のために戦場を整える役割を果たした金融砲が、さらに多くの金融弾を装填しているのだ。

少なくとも、Eric Newcomer(エリック・ニューカマー)氏は「a16z Crypto Fund Balloons to $2 Billion」(a16z(アンドリーセン・ホロウィッツ)の暗号資産ファンドが20億ドル(約2178億6000万円)に膨張)と題した先週の投稿で、そのように書いている。

ここにはいくつかのポイントがある。第1に!20億ドル(約2178億6000万円)規模の暗号資産ファンドに出資できるだけのLP(リミテッドパートナー)需要があること。第2に!20億ドルを投じる価値のある、ホットな暗号資産のアイデアが十分に存在すること。

前者の存在は確信できるが、後者はちょっと考えてしまう。ブロックチェーンの分野に優れた企業が存在しないわけではない。Coinbase(コインベース)の第1四半期の収益を見れば、暗号資産を使ってお金を稼ぐことは可能だ。しかし、これまでに最も成功を収めている企業は、従来の銀行の世界と暗号資産の世界を融合させた企業たちであり、後者に完全に属している企業ではないようだ。

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しかし、そのようなアイデアが次々に掘り起こされていく中で、より実験的な暗号資産のアイデアを追いかける資金が出てくることは予想できる。先のDaily Crunchでも述べたように、こうした市場にはすでに多くの資金が投入されている。

ノン・ファンジブル・トークン(NFT)という言葉を聞いたことがあるだろう。すでにNBA TopShot(NBAトップショット)の誇大広告をなんとかしのげたとしても、さらに気を引き締めて欲しい。NFTの世界ではさらに多くの企業が構築を進めているのだ。その中には、NFTにAR(拡張現実)を導入し、Coinbaseから新たな資金を調達したばかりのAnima(アニマ)や、NFTを実生活に取り込むために600万ドル(約6億6000万円)を調達したばかりのInfinite Objects(インフィニット・オブジェクツ)などがある。

ここが、暗号資産へのベンチャー投資、そしてあの巨大なa16zファンドが興味を持つ点だ。

確かに、暗号資産の取引でも儲けることができる。しかし、さらに未来の暗号資産経済はどうなるのだろうか?彼らは現実世界が理解できる実質的な収益を生み出し、公開企業となることができるのだろうか?(いや、そもそも彼らは公開したいと思っているのだろうか?)。

他人が、失敗するかもしれないアイデアに他人のお金を賭けるのを眺めているのは楽しいものだ。表なら彼らの負け、裏なら私たちの勝ちだ。悪くない!

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Twitterのサブスクリプション(とメディア?)の盛り上がり

Twitter(ツイッター)のサブスクリプション製品「Blue」(ブルー)が、徐々に市場に迫っている。それがどのようなものだろうと使うつもりだ。

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しかし、私の頭から離れないのは、Twitterがクリエイターにとっての涅槃(理想の地)のようなものを生み出すのに絶好の位置にいるということだ。なにしろ作家やジャーナリスト、アーティストの多くがすでに集まっているのがTwitterという場所なのだ。すでにファンがいる場所だ。私たちのような変人たちがプラットフォームに費やす時間を、活用できるようにしない理由はない。

これがどのような規模になるかは想像できるだろう。TwitterがスタートアップのRevue(レベニュー)とScroll(スクロール)を買収したことで、Blueのサブスクライバーの収益を、プラットフォーム上のライターたちに分配するニュースレタープラットフォームを構築できるようになった。あるいは、先日友人が私に提案したように、TwitterがMedium(メディウム)を買収することも考えられる。Mediumは膨大なサブスクライバーを抱えており、TwitterはそれをBlueに統合することで、作家やその他のクリエイターたちに一種の追加SNSネットワークを提供することができる。だよね?

もし私が数十億ドル(数千億円)の資金と数千人のエンジニアを自由にできる立場で、株主たちから成長しろと命令されたら、私は猪突猛進で思い切ったことをやるだろう。Twitterが何を考え出すかが見ものだが、それが小手先の計画ではないことを期待しよう。

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:The TechCrunch Exchange暗号資産NFTTwitterサブスクリプション

画像クレジット:Nigel Sussman

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:sako)

分散型投資組織「Komorebi Collective」が女性・ノンバイナリーの暗号分野創業者を支援するために発足

ここ数カ月、分散型通貨の伸びにともない、投資家グループがユニットとして資金を投入し、その投資に対し集合的に議決権を行使する手段として、DAO(Decentralized Autonomous Organizations、分散型自律組織)が注目されている。DAOは、ブロックチェーンの精神に基づき、投資意思決定の透明性を高めることを目的としている。

暗号資産ブームの熱気が高まる中、ここ数カ月の間にハイプロファイルのDAOが続々と誕生している。米国時間5月21日に発足した「Komorebi Collective」(日本語の「木漏れ日」から取ったもの)は、ブロックチェーン分野の女性たちによって設立された新しい組織だ。創設メンバーのManasi Vora(マナシ・ヴォラ)氏がTechCrunchに語ったところによると「卓越した女性およびノンバイナリーの暗号分野創業者」に限定して投資を行うとのこと。

このグループはヴォラ氏をはじめ、Eva Wu(エヴァ・ウー)氏、Kristie Huang(クリスティー・ファン)氏、Medha Kothari(メダ・コータリ)氏、Kinjal Shah(キンジャル・シャー)氏など、主にブロックチェーン関連の非営利団体she256Women in Blockchainの組織から集められたコアチームメンバーで構成されており、彼女らが集団として、投資先を見つけグループに提示するための大部分の作業を行う。厳選されたその他のメンバーは最低5000ドル(約54万円)をコミットしているが、より軽いコミットメントとなる。

それぞれの投資案件は、大多数が女性の主要メンバー36名の投票によって決定される。

暗号資産VC企業Blockchain Capitalの投資家でもあるシャー氏はこう語った。「DAOは、みんなが議決権を持てるようにすることで、ベンチャーファンドのヒエラルキーをより公平にします。私たちは、本当にミッションが合致した支援者にアプローチするよう細心の注意をはらっています」。

DAOの他のメンバーには、Kleiner Perkins(クライナー・パーキンス)、Mechanism Capital、Dragonfly Capital、IDEO CoLab Ventures、Stacks Acceleratorなどの企業に加え、Twitter(ツイッター)、Coinbase(コインベース)、Skynet Labs、Celo Labs、Gitcoinなどで働く多くの個人や創業者が含まれている。

組織自体は、Komorebi Collectiveと一部支援者が共通するプロジェクトであるSyndicate Protocolをベースに構築されている。

同グループは、自分たちの組織の構造が、DAOモデルの持続可能性を証明すると同時に、暗号資産分野における多様性を向上させるようなミッション・ベースのアプローチを取れるようになることを期待している。ここ1年でスタートアップへの投資は爆発的に増加したにもかかわらず、女性が率いるスタートアップは2020年に投資されたベンチャー資金のわずか2.3%しか受け取っていないことが、HBRの調査で明らかになった。

シャー氏はTechCrunchに語った。「女性の創業者が資金を得ることに関しては、まだまだ成長の余地があり、私はそのソリューションの一部になりたいと思っています」。

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タグ:Komorebi Collective女性ジェンダー暗号資産

画像クレジット:James A. Guilliam/Taxi / Getty Images

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(文:Lucas Matney、翻訳:Aya Nakazato)

ネムグループがNEM Symbolを基盤にマンチェスター・シティFCのリヤド・マフレズ選手などのNFT発行

エンタープライズブロックチェーン「NEM Symbol」の開発をサポートするネムグループは5月21日、NFT(ノン・ファンジブル・トークン)領域に参入すると発表した。

ネムグループは、次世代PoS(Proof-of-Stake)パブリック・ブロックチェーンのNEM Symbolを通して、スポーツ界のスターたちのデジタルコレクション(デジタルコレクタブル)を手がける。その先駆けとして、サッカー界のレジェンド、キング・ケニーことケニー・ダルグリッシュ氏とマンチェスター・シティの現役スター選手、リヤド・マフレズ氏のデジタルコレクションをNEM Symbol上で発行する。

ダルグリッシュ氏はリバプールFCの選手として欧州チャンピオンズリーグを2度制覇し、1985年にはリバプールFCの監督として初めてリーグ戦とカップ戦の2冠を達成。さらに、名誉ある「年間最優秀監督」のタイトルを3度も獲得した経歴を持つ。またマフレズ選手は2016年に「アフリカ年間最優秀選手賞」を受賞し、現在マンチェスター・シティFCの主力メンバーとして活躍している。

NEMのNFT領域への進出は、ファンやサポーターが愛するブランドやアイコンをより身近に感じ取れるプレミアムな製品体験を提供することに重点を置いており、NEM Symbol上で発行されるデジタルコレクションには、ダルグリッシュ氏をはじめ一流のスポーツスターたちが参加するそうだ。

Symbolは、こうした新しいトークン化エコノミー、特にNFTを作成・販売するのに最適なプラットフォームという。個別に設定可能な資産と高速でスムーズな送金を特徴とするほか、唯一無二のデジタル資産の作成において、簡単で安全・信頼性の高い体験を提供するとしている。

ネムグループは、NEM Software、NEM Trading、NEM Venturesという3つの独立した事業体で構成しており、NEM Symbolの開発をサポートしている。NEMはあらゆるビジネスプロセスを効率化し、データとイノベーションの流れを増加させ、資産の創造・交換・保護を促進するという。

NEM Softwareのマネージングディレクターであるマイク・ソティラコス氏は今回のNFT領域への参入について、「ブロックチェーン技術により、クリエイターと消費者との距離を縮め、まったく新しいトークン化エコノミーへのアクセスを促進します」と語っている。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:暗号資産 / 仮想通貨(用語)スポーツ(用語)NEM(製品・サービス)NEM Symbol(製品・サービス)ブロックチェーン(用語)

暗号資産「$ASS」についてツイートしてはいけない

私は要領の良い人間ではない。

米国時間5月20日、私は$ASSについてツイートした。犬の名前が由来の暗号資産(仮想通貨)だ。具体的にはオーストラリアン・シェパード。そしてその明らかに愚かな行動を起こした後、、私のTwitter(ツイッター)フィードは$ASSに関係する山のような画像とミームで溢れかえり、$ASSコイン熱狂者たちは私を罵倒した。

それは非常にうっとうしい状況で、なぜなら私は仕事用のノートパソコンでTweetdeckを動かしているのだが、送られて来るものを考えると、今や非常に危険な状態にある。

ちなみに、$ASSはAustralian Safe Shepherdの略だ。暗号資産であるが、Dogecoin(ドージコイン)と同じくこれはジョークに違いない。

ただし自身のウェブサイトはジョークであるとは捉えていない。例えばAssFinanceに行くと、$ASSの技術基盤の非常に詳しい説明と将来計画が書かれている。

私はとてもおもしろいと思った。だからツイートした。すると$ASSワールドの全員が私のTwitterを攻撃し始めた。プロからのアドバイス:これは真に受けるうまい方法ではない。しかし$ASSが真に受けてもらおうとしていないのに、そんなの関係ある?

このコインは、アーリーアダプターに口コミで広めさせ、そこで持ち続けるように作られた暗号資産だ。その経済はそういうゴールのためだけに作られている。


しかし、それにしてもなぜ$ASSを気にするのか?いくつか理由がある。

  • この手の金融のデタラメはおもしろいが、一般人の中にはやけどする人がいる。
  • $ASS現象は、今の暗号資産世界における憶測のレベルを示唆するものであり、より重要なプロジェクトの信頼性の欠如につながっている可能性が高い。そしてなぜBitcoinが最近価格の上昇を維持しているのかの説明にもなっている。
  • $ASSコインはCoinGeckoによると最近14日間で1794.3%値上がりしている。これが今の最大の魅力であるに違いない。人はタダのお金が大好きで、過去の利得は将来のリターンに対する自分への魅力的な嘘になる。

概念として、$ASSは私のつたない展望とよく一致している。今の20代から30代の人たちは、低賃金で医療不十分で労働に優しくない得今の経済が提供しようとしている生活よりも中流階級の生活に足場を築きたい気持ちが強く、投機的なでたらめの大当たりは、家を買うのがもっと簡単だった米国史の別の時代と比べても、より大きな魅力がある。

そして、犬をテーマにしたインタネットマネーについて真剣になるのは難しいものの、$ASSは、まあ、実に2021年的だ。それにしても、我々は誰に対してBitcoinについて書くよりも意味があるふりをしているのだろう。あざ笑うだけではあるが。

Bloombergが$ASSについてもっと詳しく書いている。もし、不真面目プロジェクトをもっと真面目に考えたいのなら。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:暗号資産

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nob Takahashi / facebook

米財務省が暗号資産の報告義務を提示、富裕層の税逃れ対策を強化

バイデン大統領のIRS(内国歳入庁)の権限を強化するというビジョンは、暗号資産(仮想通貨)取引に大きな影響を及ぼす準備ができているようだ。

米財務省の新しい報告書によると、バイデン政権は暗号資産を含む金がどのように動いているかを政府が簡単に把握できるよう、新しい義務を課す考えだ。報告書は、暗号資産が「かなりの検知の問題」を抱え、税金を逃れたい高所得者によって頻繁に使われていると指摘している。

提案されている変更では、納税者が稼いだ利子を申告するのに使っている既存の1099-INTフォームのフレームワークをベースに新たに報告義務を設ける。暗号資産取引と管理者には、口座を通じて動く資金の「全体の流入と流出」についての詳細な情報の報告を義務づける。事業者は、1万ドル(約109万円)以上の暗号資産の送金も報告しなければならない。

「現在の商取引における暗号資産の割合は小さいが、そうした包括的な報告は収入を新たな報告体制からシフトする動機づけや機会を最小限にするために必要だ」と報告書にはある。

財務省は、IRSが現在ディスララプトするリソースを持たない複雑なスキームを通じ、富裕税フィルターは往々にして相応の納税を逃れることができるとも指摘している。報告書によると、IRSは賃金による税金の99%を徴収しているが、この数字は非労働収入に関しては45%と低くなる。これは「見えにくい」収入源を持つ高所得者が大きな恩恵を受けるという矛盾だ。いくつかの報告義務があるものの、規制上グレーゾーンのほぼ見えないところで運用されている暗号資産はかなり懸念されるものだ、と財務省は指摘している。

「そうした機会は特に、オフショアリングや複雑な提携ストラクチャの構築、課税対象資産の暗号資産エコノミーへの移動といった洗練された戦略を通じて税を逃れることができる高所得者が利用できます」と財務省は書いている。

報告書には、向こう10年で税収入を7000億ドル(約76兆円)増やすことにつながる、IRSの執行力強化のための複数年にわたる取り組みの詳細も記されている。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:暗号資産米財務省IRSアメリカジョー・バイデン

画像クレジット:Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

ビットコイン暴落、投資家は暗号資産の強気相場終焉を懸念

Bitcoin(ビットコイン)、Ethereum(イーサリアム)、そして多数のAltcoinsは米国時間5月18日の夜と翌19日の朝に大量の下落に見舞われ、数カ月の利益と数千億ドル(数十兆円)の時価総額が失われた。暗号資産トラッカーのCoinMarketCapによると、暗号資産(仮想通貨)市場全体は過去24時間で20%以上縮小したという。

この下落の背景には何があるのだろうか?Dogecoin(ドージコイン)のような投機的で技術的に目立たないプロジェクトに投資家が殺到し、市場が太陽に近づきすぎたというかもしれない。またElon Musk(イーロン・マスク)氏は、Tesla(テスラ)が今後ビットコインを受け付けないと発表したことで、投資家たちは、ビットコインをバランスシートに載せようとしている企業が反発するのではないかと懸念したことも原因の1つとして考えられる。

すべての暗号資産が同じ運命を辿っているわけではない。ビットコインは3万1000ドル()近くまで下落し、史上最高値の半分以上を記録した一方で、イーサリアムは2021年4月初めて到達した価格まで下落しました。最大の損失のいくつかは、DfinityのInternet Computerトークンで、先週で60%近くの価値を失っている。一方、マルチチェーン開発プラットフォームのPolygonは、全体的な暴落の中で急上昇し、今週88%上昇した。

一般市場の投資家は、Coinbaseの株価が米国時間5月19日水曜日の朝に5%下落、一時的に達成した史上最高値から47%以上下落し、直接の上場目標価格よりも10%低くなったことで、暗号市場のボラティリティを味わうことになった。

関連記事:イーロン・マスク氏がビットコインでのテスラ車購入停止を指示、ツイート後ビットコインは下落中

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:暗号資産BitcoinEthereum

画像クレジット:Rihardzz / Shutterstock

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(文:Lucas Matney、翻訳:Katsuyuki Yasui)

NFTアート:何が価値の源泉なのか? 新たな投資スタイルへの道を歩むNFT

NFTアート:何が価値の源泉なのか? 新たな投資スタイルへの道を歩むNFT

編集部注:この原稿は千野剛司氏による寄稿である。千野氏は、暗号資産交換業者(取引所)Kraken(クラーケン)の日本法人クラーケン・ジャパン(関東財務局長第00022号)の代表を務めている。Krakenは、米国において2011年に設立された老舗にあたり、ビットコインを対象とした信用取引(レバレッジ取引)を提供した最初の取引所のひとつとしても知られる。

現在、NFT(ノン・ファンジブル・トークン)がここまで注目される理由のひとつは、投資手段としてのアートの可能性を拡大させたことにあるでしょう。ネアンデルタール人によって6万5000年以上前に描かれた洞窟壁画が世界最古のアートといわれていますが、その後、歴史の中で様々な手法、技術そして媒体が生み出されてきました。アートをコンピューターファイルとして簡単にシェアできるデジタルアートは、最新の媒体のひとつです。

歴史的にアートは、鑑賞目的だけではなく投資家から代替的な価値保存手段として人気を集めてきました。インターネットが登場し、アートの形がデジタルに変わってもすぐにはフィジカルなアートと同様に投資対象とみなされませんでした。なぜならインターネットにはコピペ文化という問題が存在したからです。このデジタルアートの問題をデジタル領域における所有権の確立によって解消したのがNFTでした。

本稿では、NFTの意義をデジタル領域における所有権の確立という観点から解説し、投資対象としてのNFTを考察します。

クラーケンとNFTの関係は?

その前にまず、クラーケンとNFTの関係について少しお話をしたいと思います。NFTは2021年2月ころから一大ブームを巻き起こしていますが、実はクラーケンはブームの前からNFT関連事業を拡大してきました。

例えば、2020年12月23日、Ethereum(イーサリアム)基盤の3D仮想空間プラットフォーム「Decentraland」(ディセントラランド)で著名DJの3LAU(ブラウ)を招いてクリスマスパーティーを開催。参加者に限定盤のNFTウェアラブル(アバターが着る服など)を配りました。また、2021年1月には、NFTブームの中でもNo.1ヒットといえる「NBA Top Shot」(NBAトップショット)が基盤にするブロックチェーン「Flow」(フロー)を世界の取引所に先駆けて上場させました。

また創業者のJesse Powell(ジェシー・パウエル)は、創業前の2008年にカリフォルニア州のサクラメントでVergeという美術館を設立し、新進気鋭のアーティストをサポートしていました。ブロックチェーン技術の結晶であるNFTとデジタルアートは相性抜群です。こうした事情もあり、クラーケンではNFTの未来について高い関心を持ち日夜研究を続けています。

デジタル領域における所有権

NFTとは、暗号資産と同じように仲介業者を使わずにインターネット上で売買・交換が可能な暗号技術を基盤にしたトークンを指します。他の暗号資産と同じように偽造不可能で取引履歴の追跡が容易であるなどブロックチェーンならではの特徴がある一方、固有の価値を持つ点が異なります。NFTの場合、世の中に同じ価値をもたらすものはふたつとありません。

インターネットが誕生してもデジタルアートが普及しなかった背景にあるのは、いわゆる「コピペ」文化の存在です。

30年前にインターネットが誕生して以来、アーティストやコンテンツ制作者は、画廊やレコード会社を経由することなく、作品を直接公共の場で共有できるようになりました。2009年の暗号資産誕生前から、SNSや動画投稿サイトなどを使って仲介業者なしでアートを共有することは可能だったのです。

しかし、インターネットは諸刃の剣でもありました。インターネットを使える人なら誰でも簡単にアート作品のファイルをダウンロードしてコピーし拡散することが可能だったからです。所有権の帰属先は曖昧になり、最も成功するアーティストでさえ収益化に苦戦するのが現状でした。解決策は、仲介業者を元に戻し、サブスクリプションなどの仕組みを導入することでしたが、結局、仲介業者に多くの手数料を取られる構造は変えられませんでした。

この状況を変えたのがNFTです。NFTの登場後も、インターネット時代と同じように、誰でもアートをオンラインで見ることができ、自分のスクリーンセイバーに使うこともできます。しかし、インターネット時代と異なり、NFTによって、アートが希少なものとしてブロックチェーン上に記録され、それを「所有」できる人は限られた人になりました。

例えばモナリザの絵のコピーを家の壁に掛けても、それはモナリザの絵を持っているということになりません。多くの人はモナリザの絵のコピーを家やネットで見るだけで満足するかもしれませんが、一部の人は数億円払ってでも保有することに価値を感じます。私たちはモナリザのような有名な絵はだいたい知っていますし、オンラインで画像をいくらでも見ることができます。しかし、「本物」は確かに存在し、所有者は公式の文書で公式のライセンスを持っている人だけになります。NFTは、ブロックチェーン技術を使って限られた所有権のライセンスをデジタル上で確立したものなのです。

そして、NFTがデジタル所有権を確立したからこそ、これまでフィジカルのアートだけが対象だった投資の世界にデジタルも加わることになりました。誰もが参加できるブロックチェーン技術によって、アート作品の所有権が証明可能なものになったからこそ、「本物」と偽る詐欺の可能性がなくなり、投資対象としてデジタルアートが価値を持つようになりました。

数字で振り返るNFTの熱狂

NFTの売り買いを行うマーケットプレースにおける取引高は、2月26日に過去最高の2600万ドル(約28億円)に到達した後も勢いを持続し、3月11日には3400万ドル(約37億円)と過去最高記録を塗り替えました。その後、熱狂度合いがやや落ち着き、2021年第1四半期は結局1300万ドル(約14億円)で終えました。

NFTマーケットプレイスの取引高

出典:Kraken Intelligence「NFTマーケットプレイスの取引高」

主なNFT作品の販売実績としては、デジタルアーティストBeepleの「The First 5000 Days」が米老舗オークションハウスのクリスティーズで6900万ドル(約76億円)で落札された他、米国出身バンドのKings of Leon(キングス・オブ・レオン)が初めてNFTとしてアルバムをリリース、ツイッター創業者Jack Dorsey(ジャック・ドーシー)の最初のツイートが50万ドル(約5500万円)で落札、NFTスターRob Gronkowski(ロブ・グロンコウスキー)が自身のプレイシーンをNFTで販売するなど、音楽界とスポーツ界を中心に複数あります。

これらNFT作品の購入者は、初期投資以上に作品の価値が上昇すると見込んでいるから投資をしたわけです。NBAトップショットでは、LeBron James(レブロン・ジェームズ)のハイライトシーンを20万8000ドル(約2300万円)で購入したバスケットボールファンもいました。このファンは、将来的にさらに値上がりすると見込んでいるから投資をしたのかもしれません。

NFTアート:何が価値の源泉になるのか?

前述のように、NFTによってアートへの新たな投資手法が生み出されたということは確かでしょう。所有権の売買だけではなく、例えばblueboxのように、NFT投資家が音楽のストリーミングストアから印税を毎月得られる仕組みも構築されています。

ただ、NFTは誰にでも作りやすく、投機の対象になる可能性があることにも注意が必要です。

重要なのは「何が価値の源泉なのか?」という点です。例えば作品を作るのに費やした労働コストなど普遍の物差しがあるわけではなく、「投資家が価値があると思うから価値がある」というのがNFT作品の価値を決める軸になっています。「個人的にアーティストが好きだから」という一点でアートの購入を決める富裕層もいます。NFTのアート作品に「本源的な価値」(Intrinsic Value)があるのか、疑問視されています。

実はBitcoin(ビットコイン)も「本源的な価値がない」と批判されます。Bitcoinは一時6万ドル(約653万円)まで上昇しましたが、「その根拠は何か」「適正価格はどうやって出すのか」という視点です。

ただ「自分が価値があると思うから価値がある」という主観価値説が間違っていないという立場を取ることもできます。そうなると、物事の価値というのはマーケットにおいて需給の結果決まるという立場につながります。

フィジカル版アートへの投資が歴史的に成立してきたように、NFTによって可能となったデジタル版のアートへの投資も存続し続けるでしょう。ただ、「現在のNFTがバブルなのか?」という問いに関しては慎重に答える必要がありそうです。自分が価値があると思うものに価値が生まれるといっても、先述のBeepleが指摘するように「とんでもない価格をガラクタに付けてしまうこと」もあり得るかもしれません。

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エネルギー事業で余った天然ガスを利用し暗号資産のマイニングに電力供給するCrusoe Energy

Crusoe Energy(クルーソーエナジー)の2人の創業者が、今日の地球が直面している2つの大きな問題、すなわちハイテク産業のエネルギー使用量の増加と、天然ガス産業に関連した温室効果ガスの排出に対する解決策を見つけたかもしれない。

エネルギー事業で余った天然ガスを利用してデータセンターや暗号資産のマイニング事業に電力を供給するクルーソーは、事業の拡大に向けて、つい最近ベンチャーキャピタル業界のトップ企業から1億2800万ドル(約139億6396万円)の新規資金を調達したところであり、これはこれ以上なく良いタイミングだ。

温室効果ガスの排出量を削減し、地球温暖化をパリ協定で定められた1.5℃以内に抑えることを目指す研究者や政策立案者にとって、メタンガスの排出は新たな注目分野となっている。クルーソーエナジーはまさにこのメタンガス排出を使用してデータセンターやビットコインマイニングへの電力供給を行おうとしている。

メタンの排出量を削減することが短期的に非常に重要である理由は、メタンの温室効果ガスは二酸化炭素の温室効果ガスに比べてより多くの熱を閉じ込め、またより早く消散するからだ。そのため、メタンの排出量を劇的に削減できれば、人間の産業が環境に与えている地球温暖化の負荷を短期間で緩和することができる。

メタンを排出する最大の原因は、石油・ガス産業だ。クルーソーエナジーの共同設立者であるChase Lochmiller(チェース・ロックミラー)によると、米国だけでも毎日約3964万立方メートルの天然ガスが焼却されているという。焼却量のうち約3分の2はテキサス州で、さらに約1415万立方メートルはクルーソーがこれまで事業を展開してきたノースダコタ州で焼却されている。

米国の大手金融機関でクオンツトレーダーとして活躍していたロックミラーと、石油・ガス業界の3代目社長であるCully Cavness(カリー・カブネス)にとって、回収した天然ガスをコンピューターに利用することは、金融工学と環境保全という2人の関心が自然に結びついたものだった。

ノースダコタ州ニュータウン。2014年8月13日、ノースダコタ州ニュータウン近くのフォート・バートホールド・リザベーションにて、3つの油井と天然ガスのフレアリングの様子。1カ月に約1億ドル(約108億9600万円)相当の天然ガスが焼却されるのは、それを回収して安全に輸送するパイプラインシステムがまだ整備されていないからだという。フォート・バートホールドにある近親三部族は、マンダン族、ヒダーツァ族、アリカラ族から成る。ここは、フラッキングと、そこに住む多くのネイティブアメリカンに石油使用による収益をもたらしていた石油ブームの震源地でもある(画像クレジット:Linda Davidson / The Washington Post via Getty Images)

デンバー出身の2人は、予備校で出会い、その後も友人として付き合っていた。ロックミラーがマサチューセッツ工科大学に、キャブネスがミドルベリー大学に進学したときには、まさか一緒にビジネスを立ち上げることになるとは思ってもいなかった。しかし、ロックミラーは大規模なコンピュータや金融サービス業界に触れ、キャブネスは家業を継いだことで、天然ガスの大量廃棄に対処するためのより良い方法があるはずだという結論に達した。

クルーソーエナジーにまつわる会話は、2018年にロッキー山脈にロッキー・クライミングに行った際に、ロックミラーがエベレストに行った話をしたことから始まった。

2人がビジネスを構築し始めたとき、最初に注目したのは、ビットコインのマイニングで発生するエネルギー・フットプリントに対処するための環境に優しい方法を見つけることだった。この試みが、Olaf Carlson-Wee(オラフ・カールソン-ウィー、ロックミラーの元雇用主)が立ち上げた投資会社Polychain(ポリチェーン)や、Bain Capital Ventures(ベインキャピタル・ベンチャーズ)、新たな投資家であるValor Equity Partners(ヴェイラー・エクイティ・パートナーズ)などの目に留まった。

(この試みについては、私が同社のシードラウンドを取材する際にロックミラーが言及していた。当時、私はこの会社の前提に懐疑的で、この事業は炭化水素の使用を長引かせ、政府の崩壊に対する投機的なヘッジ目的以外には実用性が限られている暗号資産を支えているだけではないかと心配していた。しかし、少なくとも私の懐疑のうちの1つは間違っていたと言える)

ヴェイラー・エクイティの広報担当者はメールで以下のように述べている。「持続可能性についての質問ですが、クルーソーには、排出量を実質削減するプロジェクトのみを追求するという明確な基準があります。通常、クルーソーが担当する油井はすでにフレアリングしており、クルーソーのソリューションがなければフレアリングが続くでしょう。同社は、従来のパイプラインから低コストのガスを購入することになる数多くのプロジェクトを断ってきました。その需要と排出量の実質増加を望んでいないためです。さらに、マイニングは再生可能エネルギーへの移行が進んでおり、座礁資産であるエネルギーに対するクルーソーのアプローチは、座礁資産であり限界のある再生可能エネルギーの経済的価値を向上させ、最終的には再生可能エネルギーをより多く取り入れることができます。マイニングは、電力の需要が増加したときに削減できる中断可能なベースロード需要を提供することができるため、全体として、より多くの再生可能エネルギー源をグリッドに追加する動機付けとなる効果があります」。

その後、Lowercarbon Capital、DRW Ventures、Founders Fund、Coinbase Ventures、KCK Group、Upper90、Winklevoss Capital、Zigg Capital、Tesla(テスラ)の共同創業者であるJB Straubel(J.B.ストラウベル)といった投資家が加わっている。

同社は現在、ノースダコタ州、モンタナ州、ワイオミング州、コロラド州で、廃棄された天然ガスを動力源とする40のモジュール型データセンターを運営している。来年は、クルーソーがテキサス州やニューメキシコ州などの新しい市場に参入するため、その数は100ユニットに拡大する見込みだ。2018年の立ち上げ以来、クルーソーは、ビットコインマイニング、レンダリング、人工知能のモデルトレーニング、さらには新型コロナウイルス感染症の治療法研究のためのタンパク質のフォールディングシミュレーションなどのエネルギー集約型コンピューティングによってフレアを削減する、スケーラブルなソリューションとして登場した。

クルーソーは、メタンガスの燃焼効率が99.9%であることを誇っており、さらにデータセンターやマイニング現場でのネットワーク構築という新たなメリットももたらしている。将来的にはクルーソーの事業所周辺の農村地域の接続性向上にもつながる可能性がある。

現在、同社の業務の80%はビットコインマイニングに関するものだが、データセンター業務での使用の需要も高まっており、ロックミラーの母校であるMITをはじめとするいくつかの大学が、自校のコンピュータのニーズのために同社の製品を検討している。

ロックミラーはこう述べている。「今はまだ潜伏期の段階です。プライベート・アルファ版には、何人かのテストを行う顧客がいますが、2021年後半には一般のお客様にもご利用いただけるようになるでしょう」。

クルーソー・エナジー・システムズのデータセンターの運用コストは世界で最も低いはずだと、ロックミラーは述べている。同社は、データを顧客に届けるために必要なインフラ構築をサポートするために費用をかけるつもりだが、エネルギー消費量に比べれば、それらの費用は無視できるレベルだという。

これはビットコインマイニングにおいても同様で、中国で石炭を使ったマイニングを行う代わりに、(送電網の整備に使用されるのではない)再生可能エネルギーを使った新たな設備の建設という選択肢を提供できる。暗号資産業界は、その生成と流通にともなうエネルギー使用に対する批判をかわす方法を探しており、クルーソーはすばらしいソリューションとなる。

また、制度や規制面での追い風も同社を後押ししている。最近では、ニューメキシコ州が来年4月までにフレアリングとガス放散を事業者の生産量の2%以下に制限する新しい法律を可決した一方で、ノースダコタ州は現場でのフレアガス回収システムを支援するインセンティブを推進し、ワイオミング州はビットコインマイニングに適用されるフレアガス削減のインセンティブを設ける法律に署名した。世界最大の金融サービス企業もフレアガス対策に取り組んでおり、BlackRock(ブラックロック)は2025年までに日常的なフレアガスの発生をなくすよう呼びかけている。

ロックミラーは「電力消費量については、プロジェクトの評価段階で、石油・ガスプロジェクトの排出量を削減するための明確な線引きをしています」と語った。

カテゴリー:EnviroTech
タグ:Crusoe Energy温室効果ガス暗号資産データセンター資金調達電力

画像クレジット:Spencer Platt / Getty Images

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Dragonfly)

PayPalと提携したPaxosが暗号資産インフラとサービス拡大で約326億円を調達

Paxos(パクソス)はOak HC/FTがリードしたシリーズDラウンドで3億ドル(約326億円)を調達した。これによりPaxosの評価額は現在、24億ドル(約2612億円)だ。同社は顧客に暗号資産(仮想通貨)プロダクトを提供したい法人顧客のためのインフラ構築とホワイトラベルのサービスを手がけてきた。

中でも、Paxosは暗号資産機能でPayPal(ペイパル)と提携した。2020年10月以来、PayPalの顧客はBitcoin(ビットコイン)、Ethereum(イーサリアム)、Bitcoin Cash(ビットコインキャッシュ)、Litecoin(ライトコイン)の購入、保持、売却ができる。PayPalの子会社Venmo(ベンモ)はちょうど数日前に同じ暗号資産機能を加えた

関連記事:PayPalが仮想通貨の売買サービスを米国で開始、Paxosと提携

PaxosのシリーズDラウンドにはDeclaration Partners、PayPal Ventures、Mithril Capital、Senator Investment Group、Liberty City Ventures、WestCapが参加した。

Paxosは暗号資産取引や決済、管理、トークン発行能力などさまざまなプロダクトを提供している。専門とする顧客はRevolut、Crédit Suisse、Société Générale、StoneXなど主に大企業だ。

Paxosは可能な限り規則を順守しようとしている。そしていくつかの国や分野の規制に引き続き従うつもりだ。

例えば同社はPaxos National Trust Bankを立ち上げて米国の証券取引委員会の清算機関登録に申し込む計画だ。シンガポールでは、主要決済機関ライセンスに申し込んでいる。この規制関係の取り組みは、安全な暗号資産の機会を求めているより多くの法人顧客との提携を育む。

同社はまた、Paxos Standard (PAX)という自前のステーブルコインも立ち上げた。ステーブルコインはBTCやETHのような暗号資産だ。しかしPAXの価値はUSD(米国ドル)で示される。いつでも1PAXは1USDだ。他の人気のステーブルコインとしてはTetherとUSDCがある。

Paxosはまた、独自ブランドのステーブルコインの発行も可能にしている。例えばBinanceは自社プラットフォームでBUSDを発行するのにPaxosと協業した。想像がつくだろうが、1BUSDの価値は1USDだ。

Paxosは金に支えられたデジタル資産であるPAX Goldでも知られている。Ethereumブロックチェーンで機能する限り効率的であるはずの金ETFの代替だ。

最後にPaxosはitBitという自前の暗号資産取引所を持っている。CoinMarketCapによると、itBitは一握りのものだけを扱う。消費者向けではなく、Paxosの他のプロダクトを動かしている。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Paxos資金調達暗号資産

画像クレジット:Andriy Onufriyenko / Getty Images

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(文:Romain Dillet、翻訳:Nariko Mizoguchi

安全性重視の暗号資産ウォレットZenGoが約21.7億円調達、デビットカードも近く提供

暗号資産(仮想通貨)を管理するモバイルアプリのZenGoは、Insight Partnersが主導する2000万ドル(約21億7000万円)のシリーズA資金調達ラウンドを実施した。ZenGoは自己管理ウォレット(non-custodial wallet)で、同社がユーザーの暗号資産を管理するのではなく、秘密鍵とデジタル資産の管理は自分で行うことを意味する。

他の投資家には、Distributed GlobalとAustin Rief Venturesが含まれる。また、既存投資家であるBenson Oak、Samsung Next、Elron、Collider Ventures、FJ Labsなどもイスラエル時間4月27日に行われた資金調達ラウンドに参加した。

ZenGoが他のウォレットアプリと異なるのは、シンプルで使いやすく理解しやすい商品を維持しながら、一般的な暗号資産ウォレットよりも安全性の高いものを構築しようとしている点だ。同社はCoinbase Wallet(Coinbase.comとは異なる)やArgentなど、他の自己管理ウォレットと競合している。

具体的には、ZenGoはマルチパーティ計算(MPC)をベースにしている。最初にウォレットを作成する際、ZenGoは複数の秘密鍵(シークレットキー)を生成し、それらを異なる方法で保存・暗号化する。つまり、同社はユーザーのトークンに直接アクセスできず、ユーザーは携帯電話を紛失してもウォレットを復元することができる。

インフラや企業顧客に焦点を当てている他の暗号資産企業も、セキュリティモデルとしてMPCを選択している。最近1億3300万ドル(約145億円)を調達したFireblocksはその一例だ。

関連記事:暗号資産インフラプロバイダーのFireblocksがシリーズCで約145億円を調達、BNYメロンも出資

しかし、ZenGoが作っているのは消費者向けのアプリだ。同社は2020年には、10万人のユーザーから1億ドル(約109億円)以上の暗号資産取引を処理している。ZenGoは2021年の最初の3カ月で同じマイルストーンに到達し、新たに10万人のユーザーを増やしている。

また、ZenGoを通じてDeFiプロジェクト(DeFi:decentralized finance、分散ファイナンス)を閲覧し、貯蓄プールにアクセスすることもできる。同社は、これらの投資から利益を得ている。

今回の資金調達により、ZenGoは同じ哲学を念頭に置いて事業を拡大していく予定だ。より多くのチェーンやアセットのサポート、より多くのパートナーシップ、暗号資産を購入して不換紙幣に変換するオプションなどが期待できるという。

同社は最近、デビットカードの提供を開始する計画を発表した。これにより、ユーザーは暗号資産を変換した後、Visaカードが使える場所であればどこでも支払いに使えるようになる。つまり、ZenGoはセキュリティを重視した暗号資産スーパーアプリを構築しているということだ。

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画像クレジット:ZenGo

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:ZenGo暗号資産資金調達デビットカード

画像クレジット:ZenGo

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(文:Romain Dillet、翻訳:Aya Nakazato)

テスラにとってビットコインはすばやく現金にアクセスできる重要な金融ツール

Tesla(テスラ)のBitcoin(ビットコイン)に対する気持ちは戯れではないようだ。同社のCFO(最高財務責任者)で「Master of Coin(コインの達人)」との肩書を持つZach Kirkhorn(ザック・カークホーン)氏が、米国時間4月26日の決算説明会で述べたコメントによると、テスラはビットコインの変動性にもかかわらず、その長期的な価値を信じているという。

テスラは今四半期に15億ドル(約1624億円)をビットコインに投資し、そのあとポジションを10%切り下げたと、同社の四半期決算説明会でカークホーン氏は語った。その売却により、第1四半期の同社の収益に1億100万ドル(約109億3000万円)の「プラスの影響」があったと、同氏は続けた。テスラは顧客がビットコインで車両代金や予約金を支払うことも可能にしている。

テスラがビットコインに目をつけたのは、現金の保管場所としてすぐにアクセスでき、しかも中央銀行がバックアップする伝統的な安全資産よりも優れた投資収益率を可能にするからだ。もちろん、変動の激しいデジタル資産がもたらす高い利回りには、高いリスクがともなう。

連邦準備制度理事会(FRB)のJay Powell(ジェイ・パウエル)議長は、2021年3月に国際決済銀行がバーチャル開催したサミットで、暗号化された投機的な資産は変動が激しく、価値の保存には適さないとFRBは考えていると指摘したが、このような警戒を高める風潮にテスラは反対している。通貨の基本的な機能は価値を保存する能力であるため、FRBの警告は重要なことだ。また、パウエル議長はデジタル通貨には何の裏づけもないことを指摘し、ドルではなく金に例えた。

カークホーン氏は以下のように述べている。

Elon(イーロン・マスク氏)と私は、すぐに使わない現金を保管する場所を探していました。ある程度のリターンを得ながら、流動性も確保したいと私たちは考えていました。特にオースティンとベルリンに新設した工場の稼働を控え、半導体や港のキャパシティに不安がある中、すぐに現金にアクセスできることは、今の私たちにとって非常に重要なのです。

そしてご存知のように、そのようなことができる伝統的な機会は多くありません。特に余計なリスクを負うことがなく、流動性も犠牲にしないとなると、少なくとも私たちは見つけることができず、他の人に聞いても良い答えは得られませんでした。当時、ビットコインは日常業務にすぐに使用しない、あるいは年末まで必要としない現金を保管する場所に適しており、ある程度のリターンが見込めるように思われました。これまでのところ、その判断が正しかったことが証明されています。

テスラはこのデジタル通貨を注視しており、多くの楽観的な材料があるとカークホーン氏は述べている。

「企業財務の観点から考えると、ビットコイン市場の流動性の高さには非常に満足しています」と、同氏はいう。「最初のポジションは非常に早く構築できました。3月下旬に売却を行った際も、非常に迅速に実行することができました。このように、リスクマネジメントの観点から事業に対するグローバルな流動性を考えると、市場に現金を出し入れできることは、当社にとって非常に重要なことだと思います」。

テスラは2021年3月にポジションを縮小したものの、同社の意図は手持ちのビットコインを長期的に保有し、顧客が車両を購入する際の取引からビットコインを蓄積し続けることだと、カークホーン氏は付け加えた。同社の「Technoking(テクノキング)」を名乗るMusk(マスク)氏は、3月にテスラが米国での支払い手段としてビットコインを受け入れると発表した。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Tesla暗号資産Bitcoinデジタル通貨決算発表イーロン・マスク

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Rebecca Bellan, Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

イーサリアムの「最古のNFTプロジェクト」CryptoPunksをめぐる驚くべき熱狂

2021年3月、小さな帽子をかぶった宇宙人の24×24ピクセルの1組のポートレートがそれぞれ約750万ドル(約8億2000万円)で販売されたのは、Beeple(ビープル)がNFTを6900万ドル(約75億7000万円)で売却したというニュースが全米の新聞の一面を飾る数時間前のことだった。

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この宇宙人のポートレートは片方が売れてからもう片方が売れるまで20時間ほどしかかからなかったのだが、Beepleのオークションのようにメディアをにぎわせることはなかったが、片方がデザインソフトウェアのスタートアップFigma(フィグマ)のCEOであるDylan Field(ディラン・フィールド)氏によって販売されたため、テックメディアで少し取り上げられた。販売後のクラブハウスでの会話で、フィールド氏は、ブロックノイズのように角ばった輪郭で描かれているこの作品が、今から1世紀後には「デジタルアートのモナリザ」になることを願っていると述べた。

Punk #7804、最近4200イーサ(販売時点で約8億2000万円)で販売された

ピクセルで作成された宇宙人のポートレートは、CryptoPunks(クリプトパンク)と呼ばれるNFTプラットフォームで所有されていた。NFTの世界では、このプラットフォームはかなり古い時代のもの、つまりほぼ4年以上前のものだ。登録されている1万体のパンクはすべて手順通りに作成され、プロジェクトが開始された2017年には無料で配布されていた。

それ以来、これらの画像の取引を中心に築かれた経済は、少なくとも数カ月前までは、小さいながらも情熱的なコミュニティとともに成長してきた。それが突然、ピリピリしたシリコンバレーのCEOや著名なベンチャー投資家、有名なYouTuber、ポーカーの有名なプロなど、主要な実業家を巻き込んで急成長した。NFTの追跡サイトCryptoSlam(クリプトスラム)によると、同プラットフォームでは、ローンチ以来、正式な取引で2億ドル(約217億9000万円)相当の取引が行われているという。これは過去数カ月で、NFTの取引の98%が同プラットフォームを経由して行われたということだ。

「パンク」(クリプトパンクで取引される画像)の価格が急上昇したのは、暗号資産の価格上昇、Dapper Labs(ダッパーラボ)のNBA Top Shot(NBAトップショット)の人気上昇、物理的な収集品市場の復活などをきっかけとしてNFTに対する関心が急に高まったことが主な原因だが、こうした状況により、デジタル商品への投資に対する心理的なハードルが低くなった投資家が増えた。

現在、最も安価なパンクはEthereum(イーサリアム)暗号資産で約3万ドル(約329万円)、希少価値が最も高いものになると1000万ドル(約11億円)弱の値が付くようだ。

クリプトパンクは大いに注目を集めている。しかし、あらゆる目がプロジェクトに注がれているにもかかわらず、人々は自分が何に注目しているのか、まだはっきりとわかっていない。

Sotheby(サザビー)のCEOであるCharles Stewart(チャールズ・スチュワート)氏はTechCrunchとのインタビューで「NFTの世界では、Jack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏のツイートの販売、トップショット、Beepleが同じ文脈の中で語られています」と話している。「境界線が曖昧になっている可能性があります。クリプトパンクは芸術なのでしょうか。収集品なのでしょうか。正確には何でしょう」と同氏は付け加えた。

画像クレジット:Lucas Matney

「より公正な」株式市場

2017年の初め、John Watkinson(ジョン・ワトキンソン)氏とMatt Hall(マット・ホール)氏は、自分たちが作ったピクセルキャラクター作成ツールで遊び、自分たちが考え出したおもしろい小さなポップアートのポートレートにかなり夢中になっていた。6月までに、新興のイーサリアムブロックチェーンでホストされるクリプトパンクと呼ばれるプロジェクトのために、さまざまなヘアスタイル、帽子、メガネを持つ1万体のキャラクターを作成した。パンクの中にはいくつかの属性を持つものもいれば、属性を持たないものあり、類人猿や宇宙人のパンクもあった。クリエイターはいくつかの要素をキュレートしていたが、どんなパンクになるかはツール次第だった。

クリプトパンクは、ブロックチェーン愛好家の小さなコミュニティからささやかな関心を集めた。イーサリアムの「ガス代」(取引手数料)を数セント(数円)だけ払えば自分のパンクを所有できるからだ。クリプトパンクは、NFTプラットフォームCryptoKitties(クリプトキティ)が誕生する数カ月前、またNBAトップショットが誕生する数年前から存在する斬新なアイデアだったが、イニシャル・コイン・オファリングの初期段階に、2017年の暗号資産の波がやってきた。この頃は詐欺が多く、なかなか注目を集められなかった。ホール氏によると、ローンチの数日後に購入されたパンクは20〜30体だった。

それから1週間後、発足したばかりの暗号アートプロジェクトに関する記事がMashable(マッシャブル)に掲載されると、数時間後にはパンクは売り切れた。

中にはすぐにうまくいかなくなったユーザーもいた。hembaというユーザー名を使い、クリプトパンクコミュニティの要注意人物だったあるユーザーは、ローンチ時に1000体以上のパンクを購入し、この年、市場が上昇する前に1つ残らず売却したため、現在の価格で数千万ドル(数十億ドル)の利益を逃すことになった。mr703という別のユーザーは、ローンチ時に合計で703体ものパンクを購入し、そのうち数百体を数千万ドル(数十億ドル)相当のコレクションとして数年後も保有している。

ペンネームmr703とのディスコードチャットで「もう十分だと感じているか、あるいは、今後もパンクを買う予定か」と尋ねたところ「本当に欲しいパンクはすべて所有している」という答えが返ってきた。彼らが公開しているウォレットを見ると、私たちの質問に答えるまでの数分間で1体のパンクを3万7000ドル(約404万円)以上で購入し、その数時間後には、別のパンクを3万5000ドル(約383万円)で購入していた。

リスクの高い暗号資産を全面的に支援している一部の投資家は、NFTは暗号資産の保有手段を多様化する方法だと考えている。またクリプトパンクをどちらかというとゲームだと捉える投資家もいる。

クリプトパンクのクリエイターであるマット・ホール氏とジョン・ワトキンソン氏

「年々、ギャンブルと投資の違いが曖昧になってきているように思います」と、最近初めてパンクを購入したプロのポーカープレイヤーMike McDonald(マイク・マクドナルド)氏(31歳)は話す。

数万ドル(数百万円)の値が付くパンクもあれば、数百万ドル(数億円)の値が付くパンクもある。それはなぜだろう。盛り上がりを見せるクリプトパンクのディスコードコミュニティのユーザーは、デザイン属性の希少性に対する客観的分析とパンクの「美学」に対する主観的な印象に基づいて、パンクの価格を自分たちで決定する必要があった。

物事は常に予測できるとは限らない。パンクの属性として最も一般的な、イヤリングを付けたパンクは、最もレアな属性であるビーニー帽をかぶったパンクよりもはるかに低い価格で取引されている。しかし3Dメガネをかけた何百ものパンクは、数が少ない緑色のピエロの髪をしたパンクよりも高額のプレミアムを獲得する傾向にある。市場での勢いが不規則に増す属性もある。例えばここ数週間、パーカーを着たパンクの市場が特に過熱している。

「言うまでもなく、これは非常に投機的な市場です。しかし株式市場よりは公正だと思います」とユーザーのMax Orgeldinger(マックス・オゲルディンガー)氏はTechCrunchに語っている。「Elon Musk(イーロン・マスク)氏は称賛に値しますし、私はTesla(テスラ)の大ファンですが、株式市場には株価を支える原理はありません。GameStop(ゲームストップ)を見ても同じです。株式市場には誰も理解できない非常に複雑な数学が存在すると多くの人が考えていますが、NFTコミュニティにはそういう考えに騙される人はいないため、より公正な取引が行われています。つまりNFTコミュニティで人々が行うことは価格の決定だけであり、支払いたければそれが価格になり、支払いたくなければ価格になりません」。

価格が高騰したため、クリプトパンクの限定品を所有していること自体が「デジタル財産」になる。ソーシャルメディアサイトでアバターとして使う場合は特にそうだ、と数人のパンク所有者はTechCrunchに語った。ブロックチェーンの世界以外でも多くの富裕層がパンクを購入している。YouTuberのLogan Paul(ローガン・ポール)氏のようなインフルエンサーは、2021年3月、複数のパンクを17万ドル(約1860万円)で購入したときの動画をアップロードしている。

「パンクを持っていなければ、エコシステムは、このようなアバターを購入する余裕のある1万人のジェントルメンズ・クラブのようなものです」とマクドナルド氏はいう。

コミュニティの間では、このような外部からの注目は価格の暴落が起きる兆候でないかという懸念があるが、多くの投資家はNFTにおけるクリプトパンクの歴史的な価値に安心感を持っている。とはいえ、一部の投資家は、自分たちがやっていることは決して無謀ではないと周囲の人々を説得するのに苦労している。

「ガールフレンドが自分の家よりも高い金額をパンクにつぎこんだことに憤慨していた」というのは、最近6桁の金額のパンクを購入したユーザーであるChris Minter(クリス・ミンテン)氏だ。「彼女によると、パンクを購入する人々はお金の価値を正しく理解していないインターネットオタクの集まりだそうです。そうした人々にとってお金はただのゲームであり、画面上の数字にすぎないのです」と彼はTechCrunchに語った。

クリプトパンクを取り巻くコミュニティは、主にチャットアプリのディスコードの専用グループで活動している。このグループでは、パンク所有者であると確認されたユーザーが会話を盛り上げる傾向にあり、彼らが投資している有望なNFTプロジェクトへの注目を集めることができる。

「これはちょっとしたカルト集団です」とユーザーのthebeautyandthepunkはインタビューの中で述べている。

多くの初期のユーザーと同様に、thebeautyandthepunkは、ローンチ時に数十のパンクを購入してから偽名を使い続けており、数百万ドル(数億円)の価値があると思われるNFTコレクションを所有していることは、自分の会計士以外は誰も気づかないだろう、とTechCrunchに語っている。彼女は最近、圧倒的に男性が多いクリプトパンクコミュニティに、ローンチ当初から参加していた数少ない女性トレーダーの1人であることを公表することを決めた。

「私は現実の生活と暗号資産の生活を完全に分けようとしています」と彼女はいう。「しかし、女性はしばらくこの分野で活躍してきたこと、そして女性がこの分野から去ることはないということを、人々は知る必要があります」。

暗号資産トラッカーのEtherscan(イーサスキャン)によると、現在、1万体のパンクが1889個のウォレットに分散している。これらのアカウントの中には使用されていないものや、失効したと見られているものがあり、その中のパンクはブロックチェーン上で永遠に消えてしまうことになる。現在、パンク用の最大のウォレットを所有しているのは、NFTプラットフォームのクリエイターであり、488ものパンクを持っている。ほとんどの仕組みがすでにでき上がっているブロックチェーンベースのマーケットプレイスにおいて、クリエイターが唯一「所有」できるものがパンクなのだ。

「今は私たちもユーザーにすぎません。私たちのウェブサイトでは、私たちがこのプロジェクトを作ったということに言及していません」とワトキンソン氏はTechCrunchに話す。「所有しているパンクから取得しているものが、私たちの唯一の持ち分です。市場から分け前を取ることはありません」。

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巨額の金が動くNFTの世界

現在、クリプトパンクのクリエイターたちはNFTに専念している。クリプトパンクの契約に根本的な変更を加えることはできないが、Discordのグループに参加し、増え続けるユーザーのコミュニティを見守りながら、ウェブサイトのマーケットプレイスを改善しようとしている。

「これを私たちの仕事にしようと思ったことは一度もありませんでした」とワトキンソン氏はいう。

2019年に、ホール氏とワトキンソン氏は、ブロックチェーンにジェネレーティブアートをもたらす「Autoglyphs(オートグリフ)」という後続プロジェクトを発表した。オートグリフは、クリプトパンクのようなポップな美的感覚を備えていないが、ブロックチェーンアートの探求をさらに深めた。ホール氏とワトキンソン氏は、さまざまなプロジェクトを中心としたLarva Labs(ラルバ・ラボ)という会社を発足した。現在、彼らは新しいNFTプロジェクトを立ち上げているが、そのプロジェクトはクリプトパンクやオートグリフよりも参入障壁が低くなると期待されている。

「クリプトパンクはますます高価になり、参入が難しくなっています」とホール氏はいう。

公式マーケットプレイスでのクリプトパンクの販売総額は約2億ドル(約218億円)で、その生涯総売上数は、Dapper Labs(ダッパーラボ)のNBAトップショットが過去数カ月で達成した売上数の約40%に相当する。ただしクリプトスラムによると、クリプトパンクはトップショットの総取引数の0.35%、つまりトップショットの330万件以上の取引に対し1万2000件以下の取引でこの売上を実現したことになる。多数の取引が数百万ものNFTに分散しているため、トップショットの取引当たり価格ははるかに低いが、アクティブユーザーの数ははるかに多いということだ。

3月、ダッパーラボは26億ドル(約2829億円)の評価額で3億500万ドル(約332億円)を調達したと発表した。注目を集めるパートナーシップを通じて、プライベートなフローブロックチェーンを他のブロックチェーンの「ゲーム」に拡大しようとしているためだ。ホール氏とワトキンソン氏は、ダッパーラボの成功の行方を見守っているが、NFTの次のステージを今後も模索するために、ラルバ・ラボにベンチャー資金が必要になるとは考えていない。

関連記事:NFTトレカゲーム「NBA Top Shot」のDapper Labsはマイケル・ジョーダンやハリウッドに支援され評価額2879億円に

「大企業になってNBAと契約するといったことよりも、技術的な可能性を探求し続けることを楽しみにしています」とワトキンソン氏はいう。「クリプトパンクで気に入っているのは行動です。私たちはそうしたレベルの行動を取り戻す方法を見つけたいと思っています。私たちの次のプロジェクトでは、取引の流れを持続させる方法を見つけます」。

彼らは、2021年「比較的早い時期」に公開すると言っている新しいプロジェクトについて、ほとんど詳細を明らかにしていない。

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種の起源

クリプトパンク伝説は、クリプトパンクはイーサリアムブロックチェーンで最古のNFTプロジェクトであるという主張に深く根差している。これは、私が話をしたパンク所有者のほぼ全員が、このプラットフォームに数十万ドル(数千万円)を投資した最大の理由として口にした言葉である。ポール氏は、最近のYouTube動画で、懐疑的な友人たちに「クリプトパンクは初のNFTプロジェクトである。だからクリプトパンクは特別なのだ」と言って価格を正当化した。

しかしここ数週間で、この伝説に穴が開き始めた。「暗号の考古学者」が、イーサリアムの創成期に作成され、後に放棄されたNFTプロジェクトを発掘し始めている。そのうち少なくとも1つはクリプトパンクより前のものだ。私たちは最近「Etheria(イーサリア)」というプロジェクトのクリエイターであるCyrus Adkisson(サイラス・アドキソン)氏に話を聞いた。同氏は、イーサリアムのメインネットが稼働してからわずか3カ月後の2015年にEtheriaを公開した。このプロジェクトでは、ユーザーは大きな地図上で六角形のデジタルの土地を購入、販売し、その上に建築することができた。ローンチ当初はファンがあまり増えず、イーサリアムのブロックチェーンに何年も放置されていたが、アドキソン氏は、NFT周辺での「異様な盛り上がり」を見て、古いアカウントのパスコードを探し始めた。

「私は2月の終わり頃に両親に電話して、金鉱の上に座っているかもしれない、と言ったのを覚えています」とアドキソン氏はTechCrunchに語った。

アドキソン氏は、最終的に自分のEtheriaアカウントにアクセスし、長い間停止していたEtheriaのTwitterアカウントからいくつかのツイートを発信し、外部で取引可能な2つのバージョンの914タイルの大半が入手可能であり、1タイル1エーテルで購入できることを説明した。アドキソン氏によると、その週末の終わりには、空っぽだったウォレットが140万ドル(約1億5000万円)相当のイーサリアムで満たされたという。

古いというだけでEtheriaはヒットしない。ここからの大きな課題は、多くのユーザーを取り込み土地タイルの価格を押し上げる、プロジェクトを中心としたコミュニティを構築することだ。最近では、1枚のタイルが約2万5000ドル(約272万円)相当のイーサーで売り出されたが、早期にEtheriaに参入していた人たちは、市場の発展を待ちながら、新しいユーザーが参入でき、プロジェクトの注目度が上がるようにタイルを調整することに苦労している。

「これらのプロジェクトには、確かに歴史的な流れがありますが、今はコミュニティとの強固な基盤を構築する必要があります。実際の指標は現在にあるのではなく、1年後のコミュニティの状況、規模、エンゲージメントにあるからです」と、NFTの熱心な支持者であるAllen Hena(アレン・ヘナ)氏は語る。同氏は3月、一連のブログ記事を投稿して、Etheriaのコミュニティに注目を集めるのに貢献した。

このプロジェクトが復活してから数日のうちに、若いコミュニティには意見の相違や内輪もめが数多く見られた。アドキソン氏が、すでに多くの人が手を引くことを決めているプラットフォームに対し、ある程度のコントロールを維持しようとしているためだ。オーナーが主に不満を抱いているのは、アドキソン氏が旧バージョンのEtheriaの外部取引を可能にしようとしていることだ。これにより、既存契約の土地タイルの価格が大幅に下落する可能性がある。TechCrunchのインタビューの後、アドキソン氏はEtheria 1.0の方向性を決定するために、Etheriaのディスコードサーバーから退出し、グループの管理者たちは彼抜きで活動を続けることを明言した。

私たちが話を聞いたパンクオーナーたちは、新たに再浮上したプロジェクトに注目しているが、Etheriaの「古さ」がNFTの歴史におけるクリプトパンクの価値に大きな影響を与えるという考えには懐疑的だ。

「理論上はクールに見えますが、実際にはコミュニティのためになることはありませんでした」と、ユーザーのDaniel Maegaard(ダニエル・マエガード)氏はいう。「難しい作業すべてを実行したのはクリプトパンクなのです」。

Punk #6487、最近、ダニエル・マエガード氏が550イーサーで販売(販売時点で約1億1442万円相当)

30歳の暗号投資家であるマエガード氏はオーストラリアのブリスベンを拠点とし、クリプトパンクの価値に誰よりも投資している。彼は最近、特に珍しい「属性のない」女性のパンクを100万ドル(約1億1000万円)以上で販売した。彼は、最も希少なパンクの1つ(最も希少という人もいる)のオーナーでもある。このパンクは、7つのユニークな属性を持つことから「7-atty」という異名を取り、パンク伝説の聖地になっている。2020年、彼がイーサリアムでこのパンクを買った時の値段は、過去最高額の約1万8000ドル(約196万円)だった。彼はすぐには手放す気はないようで、最近、NFTをトークン化し、その一部を他のユーザーに販売したいという投資家グループからの420万ドル(約4億5700万円)のプライベートオファーを断ったと言っている。そのパンクを持っているとさらなる利益が得られる可能性があるというのも理由の1つであるが、本当の理由は、デジタルファイルのコレクションとの感情的な結びつきを感じ始めているからだ。

「この小さなピクセルでできた顔は、簡単に手放せます。私はいくつかのパンクを売ったことがありますが、いつも後悔します。属性のないパンクを売ったときも後悔しました」とマエガード氏はいう。「100万ドル(1億1000万円)はすごい額ですが、私は彼女のことが本当に好きだったみたいです」。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:NFTCryptoPunksEthereumCryptoKitties暗号資産

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(文:Lucas Matney、翻訳:Dragonfly)

ビットコインを筆頭に暗号資産市場が急降下

Bitcoin(ビットコイン)を筆頭に暗号資産(仮想通貨)の価格は米国時間4月23日の金曜日も下落を続け、同通貨の価格は2021年3月初旬以来初めて5万ドル(約540万円)を下回った。

ビットコインは前週比で約20%、先週初めの史上最高値である約6万5000ドル(約700万円)からは約30%下落した。ビットコインの時価総額は1兆ドル(約110兆円)を下回っている。Ethereum(イーサリアム)は米国時間4月22日に史上最高値を記録したが、その後に市場全体が回復したたため13%の下落となり、下落幅はそれほど大きくなかった。

また、多くのアルトコインも打撃を受けている。Dogecoinは先週末に急上昇した後、今週の猛烈な上昇を帳消しにし、価格がほぼ半減した。XRPは前週比で35%減、Stellarは30%減、Polkadotは25%減となっている。

Coinmarketcapは全体として、過去24時間で世界の暗号市場が約10%縮小したと推定している。

暗号資産の価格は過去数カ月にわたって上昇してきたが、先週は価格上昇を修正する明確な兆候が見られた。しかし多くの人は、Joe Biden(ジョー・バイデン)大統領がキャピタルゲイン税の引き上げを調整したというニュースが、市場の下落の最も明白な理由であると考えている。投資家はルールの遡及適用によって、自分の利益に影響が出ないことを願ってキャッシュアウトしている。

先週に直接上場したCoinbase(コインベース)は今週に株価を約10%下げたが、金曜日の日中取引ではほとんど影響を受けなかった。

ここ7日間でのBitcoinの価格(グラフ作成:CoinMarketCap)

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:暗号資産BitcoinEthereumジョー・バイデンCoinbase

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(文:Lucas Matney、翻訳:塚本直樹 / Twitter

若者がビットコインのかけらに少額投資できる印CoinSwitchをTiger Globalが540億円超の評価で支援

インドの若年層ユーザーが暗号資産(仮想通貨)に投資できるようにするスタートアップCoinSwitch Kuber(コインスイッチ)は、世界第2位のインターネット市場であり、今のところ民間の暗号資産の将来が不透明な場所でもある同国での事業拡大に向けて、新たな資金調達ラウンドで2500万ドル(約27億円)を獲得したとインド時間4月22日に発表した。

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Tiger Global(タイガー・グローバル)は、CoinSwitch KuberのシリーズB資金調達ラウンド全額を出資し、設立3年になるインドの同スタートアップを5億ドル(約540億円)以上と評価した。シリーズBの発表は、CoinSwitchがRibbit Capital、Sequoia Capital India、Kunal Shahから出資を受けた1500万ドル(約16億2000万円)のシリーズAラウンドをクローズしてからわずか3カ月後に行われた。バンガロールを拠点とするCoinSwitchは、これまでに総額4150万ドル(約44億9000万円)を調達している。

TechCrunchは先日、ニューヨークに本社を置くテクノロジーヘッジファンドであるTiger Globalが、CoinSwitchを含む多くのインドのスタートアップへの投資をすでに主導したか、あるいは主導する交渉が進んでいると報じた。

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CoinSwitch Kuberは現在、暗号資産分野で活動しているひと握りのスタートアップの1つだ。この暗号資産取引所では、ユーザーはいくつかの人気のある暗号資産の小片を購入することができる。例えばCoinSwitchのユーザーは、ビットコインなどの小袋を100インドルピー(約140円)という低価格で購入できる。

同社は450万人以上のユーザーを集めており、その半数以上は25歳以下だという。過去11カ月間で、CoinSwitch Kuberは50億ドル(約5406億円)以上の取引を処理した。

しかし、2021年末までに550万人のユーザーを増やすことを目標としているこのスタートアップが今後どのように業績を上げていくかは、完全に同社次第というわけではない。

インドでは現在、Bitcoin(ビットコイン)といった民間の暗号資産の取引が合法とされているが、政府当局が民間暗号資産をすべて禁止する法律を導入することが広く予想されている。

CoinSwitch Kuberの共同創業者兼CEOであるAshish Singhal(アシシュ・シンハル)氏は、インドが民間暗号資産を禁止しないことを楽観視しているとしながらも、同社がTiger Globalとの資金調達ラウンドをクローズしたのは、政府が法律の策定を示唆する前だったと述べている。

「今回の投資ラウンドにより、当社は世界で最も注目されている暗号資産企業と肩を並べることができ、長期的な展望を持つことができました」とシンハル氏は述べている。

ここ数カ月、インドの一部の暗号資産スタートアップは、同国が国内での暗号資産取引を禁止することになった場合の緊急時対策を検討し始めた。多数のスタートアップが現在インドで事業を展開しているが、その多くは海外の顧客へのサービスに重点を置いている。

Tiger GlobalのパートナーであるScott Shleifer(スコット・シュライファー)氏は、声明の中で次のように述べた。「CoinSwitchは、インドを代表する暗号資産プラットフォームを構築しており、個人投資家の間で高まっている暗号資産への多大な関心をとらえる態勢を整えています。当社は、CoinSwitchがこの新興資産クラスで革新を起こす際にパートナーとなれることを楽しみにしています」。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:CoinSwitch Kuberインド暗号資産資金調達Tiger Global

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(文:Manish Singh、翻訳:Aya Nakazato)

double jump. tokyoが「NBA Top Shot」のDapperLabsと提携、「Flow」ブロックチェーンの日本進出支援

doublejump. tokyoがNBA Top ShotやCryptokittiesのDapperLabsと提携、「Flow」ブロックチェーンの日本進出支援

ブロックチェーン技術を用いたアプリ開発を行うdouble jump.tokyoは4月22日、「Cryptokitties」(クリプトキティ)や「NBA Top Shot」(NBAトップショット)を手がけるDapperLabs(ダッパーラボ)と提携したと発表した。DapperLabsが開発するブロックチェーン「Flow」(フロー)に関するNFTおよびブロックチェーンゲームなどの対応、トランザクションが正しいかどうかを検証・合意形成を行うValidatorNode(バリデーターノード)の運用を開始する。

Flowは、NFTを世に広めた初のコンテンツ「Cryptokitties」などのDapperLabsが手がけている、新たなブロックチェーン。現在は、Flow上で動作する同社開発・運営のNFTトレーディングカードゲーム「NBA Top Shot」が人気で、サービス開始後の流通取引総額が約400億円となったことから第2のNFTブームを生み出すきっかけのひとつとなっている。

double jump.tokyoは今回のパートナー提携により、Flowを通じたNFT・ブロックチェーンゲームの海外展開の推進、またFlowの日本進出を支援する。同時に、ValidatorNodeの運用を開始することで、Flowチェーンの地理的な分散性に貢献する。

またdouble jump.tokyoが開発してきた、AWS Key Management Service(AWS KMS)を使ったビジネス向け「Flow Wallet SDK」をオープンソース(MITライセンス)として提供開始。すでに「AWS KMS authorizer (signer) for Flow blockchain」としてGitHub上で公開している。Flowでサービス展開を行う企業に広く使用してもらうことでFlowエコシステムに貢献するとしている。

Ethereum上のNFT標準規格「ERC-721」の生みの親「DapperLabs」がFlowを新規開発

Flowは、Cryptokittiesと、Ethereum上のNFT標準規格ERC-721を生み出したDapperLabsが、新たなブロックチェーンとして開発した。

doublejump. tokyoがNBA Top ShotやCryptokittiesのDapperLabsと提携、「Flow」ブロックチェーンの日本進出支援

現在のEthereumは、ガス代の高騰をはじめとするスケーリング問題に直面していること、コンシューマー向けのレイヤー1ブロックチェーンが存在しないことなどの課題が広く知られており、これに対してFlowは、DapperLabsがゲームやアプリ、またNFTなどのためにゼロから開発したブロックチェーン基盤と位置付けている。

Flowのユースケースとしては、先のNBA Top Shotが挙げられる。NBA Top Shotでは、ローンチしてから2021年2月末までの5カ月間で2億3000万ドルの取引が行われており、世界中から話題を集めている。

double jump.tokyo

2018年4月設立のdouble jump.tokyoは、ブロックチェーン技術を用いたゲームおよびアセットの開発・運営・販売を手がけるブロックチェーンゲーム専業開発会社。

数多くのゲーム(モバイルソーシャルゲーム、PCオンラインゲーム、家庭用ゲームなど)およびプラットフォームの開発・運営、ブロックチェーン技術および暗号資産を含むファイナンスにおけるノウハウを有するメンバーが参画している。

同社のブロックチェーンゲーム「My Crypto Heroes」(マイクリプトヒーローズ)は2019年8月、DappRadarにおいて、ブロックチェーンゲームとして世界No.1のユーザー数、トランザクション数を記録した。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:暗号資産 / 仮想通貨(用語)Amazon Web Services / AWS(製品・サービス)Ethereum(製品・サービス)ERC-721(用語)NFT / 非代替性トークン / クリプトアート(用語)Dapper Labs(企業)
double jump.tokyo(企業)Flow(製品・サービス)ブロックチェーン(用語)日本(国・地域)

【インタビュー】「ブロックチェーンとそのテックは政治から切り離すべき」元米通貨監督庁長官が語る可能性

Brian Brooks(ブライアン・ブルックス)氏は若い頃、生活費や教育費をクレジットで借りて賄った。今の同氏があるのはそのような信用貸しをする消費者向け金融サービスのおかげである。

ブルックス氏はコロラド州の小さな町の出身だ。この町は、経済を牽引していた唯一の製鉄所が閉鎖されて大きな打撃を受けた。数年後、彼が14才のときに父親が他界し「まっとうな人生」を送りたいなら自身で道を切り開くしかないと悟った。彼は大学とロースクールに行くために学費を稼ぎ、8%という高金利で10万ドル(約1100万円)以上の学費ローンを受けた。

彼はこの経験について苦々しく思うどころか、チャンスを得られたことに対して感謝している。

「クレジットがあれば、現金を出す余裕がないときでも、欲しいものを手に入れられる」とブルックス氏はいう。

その後同氏は、世界最大のデジタル通貨プラットフォームとなった時価総額数十億ドル(数千億円)のシリコンバレー発スタートアップCoinbase(コインベース)の最高法務責任者(CLO)を務めた。ブロックチェーンと暗号資産(仮想通貨)は、同氏が常に心にとめている目標である「ファイナンシャル・インクルージョン(金融包摂)」を推し進めるための大きな潜在力を秘めた技術だ。

2020年5月、ブルックス氏は民間企業から公的機関へと移り、連邦通貨監督庁(OCC)長官代理の職に就いた。連邦通貨監督庁での在職期間は短かったが、そこでさまざまな経験をする。具体的には、当時法制化に関してさまざまな論争があった銀行設立免許、暗号資産、融資に関する法律の制定に尽力した。そして2021年1月、同氏は同職を辞任し、民間企業に戻ることになった。

2021年3月、ブルックス氏はデータ共有スタートアップSpring Labs(スプリング・ラブズ)に初代独立取締役として就任した。同氏は実は5年前にSpring Labsのアイデアを最初に思いついたグループの一員だったため、今回の就任はさまざまなキャリアを一巡してスタートに戻るかたちとなった。

同氏のSpring Labsでの目的は、革新的なマインドセットと、フィンテック企業が一変させようとしている旧態依然たる銀行システムに関する知識の両方を持つ同氏の経験を業務に活かすことだ。銀行システムの運営に実際に携わったことのある同氏は「何が問題なのかをよく理解している」と確信している。

「すばらしいアイデアを持ってはいるものの、自分たちが改善しようとしている分野の専門知識が不足しているテック企業が本当に多いと思う。私の場合、銀行とクレジット基盤システム運営組織の内部でかなりの期間キャリアを積んだため、改善する必要がある部分を明確に把握している。それは、安全面と匿名のデータ共有だ」と同氏はいう。

民間企業に戻ること、ブロックチェーンでファイナンシャル・インクルージョンを実現できる理由、政治をテクノロジーから切り離す必要があると考える理由について、同氏に聞いた。

このインタビューはわかりやすくするために編集されている。

TC:Spring Labsの業務について教えてください。

ブルックス氏:Spring Labsの目的は、ブロックチェーンを使って、データのネットワーク効果を強化することです。これにより、従来の信用調査システムでは排除されてしまう人たちの 弁済能力を信用調査機関等が予測できるようになります。すべてのブロックチェーンがオープンソースのノードネットワークであることを考えると、これはブロックチェーンが持つすばらしい潜在性の1つだと思います。

このネットワークに接続できるデータソースの数が増えるほど、利用者の弁済能力を査定するための環境が強化されます。Spring Labsが成功して規模が十分に拡大すれば、40億~50億人の人たちをクレジットシステムから排除せずに済むようになります。十分なデータがあるため、特定の個人について、信用リスクが低く、クレジットカードを発行しても問題ないと予測できるようになるからです。住宅ローンやクレジットカードの有無は関係ありません。当社の中核となる使命は、より多くの人たちがクレジットカードを使えるようにすることです。

TC:豊富なデータというのは、家賃を滞納せずに支払っているとかそういうことでしょうか。

ブルックス氏:はい、そういったことです。例えば、銀行の口座で繰り返される入出金に関する情報などもそうですし、サブクスリプション料の支払い、定期的に発生する支払い、資産や所得に関する情報などもそうです。これらはすべて、その人の信用リスクの判断材料になります。

TC:なるほど。同じような使命を掲げた他のスタートアップに関する記事をいくつか書いたことがあります。

ブルックス氏:ええ。ただ、私がここ4~5年、暗号資産とブロックチェーンに関する仕事に多くの時間を費やしてきたのは、分散ネットワークの方が、例えば米国のすべての家主に登録してもらって、家賃の支払い状況を追跡できるデータ共有サービスを提供するよりも、常に多くのデータを収集できるという考え方が基盤にあるからです。つまり、家賃の支払いは信用リスクを判断する点で確かに良い材料になりますが、他にも数百に及ぶ適切な判断材料があるということです。

クルマの所有者であれば、クレジットで購入したかどうかは弁済可能性に関する適切な判断材料です。近隣の不動産価格が上がっているか下がっているかといった情報も、良い判断材料になります。重要なのは、データの種類にとらわれず、特定の判断材料の有無に関係なく、どのような人でも査定できる豊富なデータ環境を生成することです。将来のクレジット支払い状況を予測するデータ要素もあります。こうしたデータは精緻化され、ネットワーク上にあらゆるデータが構築されていきます。これはいわばSpring Labsの秘密兵器とも言えるものです。

TC:OCCの在職期間中に成し遂げた最も大きな仕事は何ですか。

ブルックス氏:OCCを運営していたときに2つの規制を法制化しました。1つは「貸付時の利率を有効とする(Valid When Made)」ルール、もう1つは「真の貸し手(True Lender)ルール」と呼ばれるルールです。これらのルールの目的は透明性を強化することです。

私が在職中に行ったもう1つの仕事は、Anchorage(アンカレジ)という暗号資産企業に最初の設立許可を与えたことです。また、暗号資産の取り扱いが許可される銀行に関するガイダンスも作成しました。このガイダンスは、この1年で暗号資産の採用が促進されたことと大きな関係があると思っています。

暗号資産世界で最大の課題の1つは、暗号資産で取引している人が、暗号資産を使ってテロリストへの送金や資金洗浄を行っていないことを確認することです。これが問題となるのは、暗号資産は銀行による制限を受けることなく(銀行を介さずに)直接取り引きできるためです。通常、小切手を切ると、銀行のシステムの中で受取人について確認が行われ、その人物が何かのブラックリストに掲載されていないかチェックされます。現金を使用する場合は、現金取引報告書に記入する必要があります。しかし、暗号資産の場合はそのようなチェックはありません。ブロックチェーンによる検証の話に戻りますが、Spring Labsが構築した仕組みの1つは、政府も含め、取引を処理する人が「このビットコイン取引の送信先が誰であるかを確認できない」と言えるようにするソリューションです。

Spring Labsのソリューションを使えば、相手を特定できなくても、相手が悪意のある人物ではないことを確認できます。Spring Labsではデータを匿名化するため、相手の氏名は分かりません。しかし、当社のブロックチェーンには大量の個人識別情報が登録されているため、相手が安全かどうかは判断できます。しかも、通常ブロックチェーン上で保証される匿名性の基本原則に違反することもありません。匿名化データ共有の実現がフィンテック業界で最も重要なブレークスルーの1つであると言われる所以です。

TC:相手に悪意があるかどうかをどのようにして見分けるのですか。

ブルックス氏:ブロックチェーンの本人確認では、大量のデータに基づいて確率的判断を下します。そのため、例えばあなたがVladimir Putin(ウラジミール・プーチン)ではないことを確実に判定することはできません。ですが、あなたは、昨日パロアルトのスターバックスでラテを買った人であるとか、Netflixのサブスクリプション料を23カ月間支払い続けている人であるといったことは分かるわけです。確率的判断を下すというのは、あなたが何らかの違法行為に関わっている可能性が統計的に低いという判断ができるようにする、ということです。実はこの方法は、公的な機関のリストにあなたが掲載されているかどうかを調べるよりも、正確である確率がはるかに高いことが分かっています。公的機関のリストでは、タイポやミススペル、ときには、名前の姓と名が逆になっているなど、さまざまな間違いが含まれている場合があります。

TC:ある創業者が「今の若い世代は銀行システムに対して不信感を持っている。彼らがこうした新しいデジタルソリューションやネオバンクといったものを受け入れる理由もそこにある」と話していました。若い世代が銀行システムに対して不信感を持っているというこの指摘についてどう思いますか。

ブルックス氏:若い世代に限らず、もっと上の年代の人でも銀行に対して不信感を持っている人はたくさんいると思います。金融危機を体験した人なら誰しもそうした感覚を持っているでしょう。個人的に、銀行システムは、システムとしては強力で人々の信頼に値すると思っています。私がかつて率いていたOCCやその他の機関には数千人の経験豊富なプロフェッショナルたちがいて、銀行の安全性、確実性、コンプライアンスを毎日のようにチェックしているからです。間違いや違法行為があれば、リアルタイムで指摘されます。その点は確信があります。

しかし問題があります。これは金融の特性ですが、例えば、5年前にクレジットカードの返済遅延があるため、一定期間、融資を受ける際の利子率が大幅に高くなるといったことが起こります。こうしたことは、クレジット管理会社や銀行業務の本質的な部分であり、多くの人、特に若者が疎外感を覚える理由でもあります。

例えば、あなたが、2020年パンデミックの最中に大学を卒業したばかりの若者だとします。仕事も見つからず、信用(弁済能力)もないため、車を買ったり、クレジットカードを作るのも困難な状態です。こうなると、銀行システム全体があなたを何らかの方法で排除するために存在していると感じるようになります。このような銀行システムに不快感を覚える一方で、あなたでもクレジットを利用できる(銀行を介さない)直接融資プラットフォームや分散型ファイナンスプラットフォームの存在を知ると、当然ながらそのようなフィンテックに目を向けるようになります。フィンテックは、従来の銀行システムが残した(差別的な)ギャップを埋めるために存在しているのです。

銀行は信頼できますが、銀行のサービスを利用できるのは社会の6~7割くらいの人たちです。若者、低所得者、マイノリティ、移民といった人たちが銀行を利用しようとすると、大きなギャップに悩まされることになります。それこそ我々が改善しようとしている点です。銀行はこの国の標準層にサービスを提供するために存在しており、フィンテックは市場の意欲をうまくコントロールして、標準層から除外された人たちに向けたサービスを構築しています。

フィンテックが政治的論争の的にされた理由が理解できないと私が言っているのはそのためです。フィンテックを巡って戦いが起こっているようですが、これが一体どこから起こったのかよく分かりません。ある種の超党派の戦いのようです。少し前の話になりますが、米下院金融サービス委員会議長Maxine Waters(マキシン・ウォーターズ)氏がバイデン政権の移行チームに送った手紙を見ると、新政権への要望がいろいろ書かれているのですが、その中に旧政権がフィンテックに対して行った政策をすべて白紙に戻すこと、というのがあります。これを読んで私は「なぜ」と思いました。確かに、旧政権ではいくらか政治的な措置も行ってきたことは分かっていますが「Stripe(ストライプ)に銀行設立認可を与えるべきだと思う」という発言がなぜ政治的なのでしょうか。この発言のどの部分が政治的なのでしょう。Stripeは大規模な金融仲介サービスに従事している会社であり、銀行設立免許というのはまさにそうした企業に与えるものです。これのどこが政治的なのでしょうか。ここから、銀行設立認可や、先ほど触れた真の貸し手ルールへと話は拡大していきます。

TC:フィンテックが政治的論争の的になった背景について説明していただけますか。

ブルックス氏:どうやら、フィンテックを気に入らない人たちがいるようなのです。とりわけ民主党員に多いようです。私の前職の後任に特定の候補者がいたのですが、フィンテックについて肯定的な発言をしたために就任を拒否されたようです。これもそういう背景があったからだと考えられます。フィンテックの本質は、銀行システムからまともなサービスが受けられない人たちを救うことですよね。

例えば、米国人が本当に化石燃料を禁止すべきだと思っているなら、そうすべきです。政治家はそれを法制化し、それが人々が望んでいたものと違っていたら責任を持って対処するべきです。誰に融資するかの判断を、銀行のCEOが社会の代表として行うというのは望ましくありません。テクノロジーから政治を切り離す必要があります。

我々はみな、さまざまなことを行っていますが、それが隣近所で評判が良い行動なのかどうか、あるいは銀行の頭取に高く評価されて信用評価の向上につながっているかどうかといったことはまったくわかりません。自分が共和党員であるがために地元の銀行の頭取に住宅ローンを拒否されているように感じることなど起きてはならないのです。

TC:この国でファイナンシャル・インクルージョンを実現するというあなたの願望は、ご自分が大人になるまでの経験と関係があるのかもしれないという記事を読みました。その辺りについてお話しいただいてもよろしいでしょうか。

ブルックス氏:かまいませんよ。私がクレジットで借り入れをして若い頃の生活費や教育資金を調達したというのは秘密でも何でもありません。私は小さな町で育ちました。この話をするときはいつも、私の人生に大きな影響を与えた2つの悲劇についての話になります。悲しい言い方になりますが、私が子どもの頃にこの町は「死んでしまった」のです。私は幼少期をコロラドの活気のある工場都市で過ごしました。町はきれいで、鉄鋼労働者の組合が組織されていたため高い雇用水準を維持していました。すばらしい時代でした。ところが私が11才か12才の頃、工場が閉鎖され、突然、活気のある愛すべき小さな町は2桁台の高失業率を記録するまでになってしまったのです。最悪でしたし本当に悲しい思いをしました。

その2年後、父が他界しました。ですから、町が死んだ後すぐ、父も亡くなったのです。まっとうな人生を送るつもりなら、16才になったらすぐに仕事を見つける必要がありました。また、大学とロースクールへ行くための高額な学費も借りる必要がありました。これは公言していることですが、この学費は国の補助利率では借りることができませんでした。当時、所得税に基づいて学生ローンが減免されることはなかったため、数十万ドルの学生ローンを8%の利子で返済しなければなりませんでした。それでも、ローンが組めるだけでありがたかったのです。

そのため、私はクレジットで支払うことを悪いことだと思っている人たちとは違います。さまざまな研究によると、クレジットの利用額が多いほど貧困は少なくなることが分かっています。ツイッターなどでこのような発言をすると、政治に関心のある人から「いやそうじゃない。クレジットの利用額が多いほど借金が増えるのだ」という反応がありますが、これに対して私は次のように返します。「それは意味が分かりませんね。クレジットと借金は同じことでしょう。私が言いたいのは、クレジットを利用すれば、現金がなくて支払えない場合でも欲しいものを手に入れることができるということです。教育費、起業資金、住宅購入資金など、あらゆるものにクレジットが使えます」。

私は、実際、こうしたものすべてにクレジットを利用してきた人間として、他の人も自分でリスクを負うことができるようにすべきだという道徳的で偉そうなエリート主義的な立場は取りません。私は8%の利子というリスクを引き受けた結果、今の人生を手に入れることができました。ですから、そのようなリスクを負うべきではないなどと他の人に伝えることが私の義務だとは思いません。私はクレジットの利用を大いに勧めたいと思っています。クレジット利用額が大きいほど社会は良くなると信じています。フィンテックには、銀行システムからまともなサービスが提供されない人たちに然るべきサービスを提供できる可能性が十分にあります。私は、分散ネットワークによって(金融システムの利用者に対する)こうした差別の一部が解消されると考えています。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:暗号資産Coinbase金融包摂Spring Labsインタビュー

画像クレジット:Bryce Durbin

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Dragonfly)

暗号資産取引所Coinbaseが上場、初値は381ドル、時価総額は一時11.3兆円超

米国時間4月14日、直接上場したCoinbase(コインベース)の取引が始まった。基準価額250ドルだったCoinbase株の初値は1株当たり381ドルと約52%上昇した。この時点のCoinbaseの時価総額は完全希薄化ベースで996億ドル(約10兆8230億円)だった。本稿執筆時点でCoinbaseはさらに値上がりして1株あたり400ドルを超え、時価総額は1040億ドル(約11兆3040億円)を超えた。

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Coinbaseが直接上場の基準価額を1株あたり250ドルとし時価総額7兆円超に跳ね上がる

Coinbaseの基準価額に基づく時価総額は完全希薄化ベースで653億ドル(約7兆960億円)だった。

Coinbaseの市場デビューは、拡大する暗号資産(仮想通貨)経済を追い風に大きな期待を受け、莫大な価値を生み出している。同社の非上場企業時代には未公開株投資家らが資産を投じ企業価値は最大80億ドル(約8700億円)に上った。

同社の新たな価値は以前の数字を小さく見せるものであり、長年の出資者への大きなリターンを暗示している。今日からは一般投資家も同社の株式に手を出すことが可能になり、多くの人々がその権利を行使しようとしている。TechCrunchはこの上場について読者に尋ねた。取引開始前の調査結果は暗号資産ユニコーン株の行方を示す逆指標となっている。

Coinbaseに1株当り250ドルより多く払うか少なく払うか?

Coinbaseの前途は興味深い。同社は豊富な資産を有し、直近の四半期で莫大な利益を上げた。しかしCoinbaseは、暗号資産の価格水準とその結果による取引規模の影響と切り離し、Bitcoinなどの価値が下落した際の成長と収入の後退に耐えられる未来をまだ描いていない。

しかし暗号資産信者にとって、Coinbaseの上場は勝利だ。従来型取引所での伝統的企業上場が暗号化経済の記念すべき瞬間である、というのは皮肉だが、何ごとも段階的に進んでいくものだ。おそらく次の主要暗号資産企業の市場デビューは、分散型取引所で起きるだろう。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Coinbase新規上場暗号資産

画像クレジット:Steve Jennings / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Coinbaseが直接上場の基準価額を1株あたり250ドルとし時価総額7兆円超に跳ね上がる

米国最大の暗号資産取引所であるCoinbaseが、その直接上場の基準価額を1株あたり250ドルに設定した。最新のSEC提出書類によると、同社の完全希釈後の株数は2億6130万株で、評価額は653億ドル(約7兆1110億円)になる。同社の最新のS-1/A文書による単純株数196,760,122(1億9676万余)では、Coinbaseの価値は492億ドル(約5超3580億円)とやや細くなる。

どちらの株数を使って計算しても同社の価値は、2018年の80億ドル(約8710億円)を大きく上回る。

同社の直接上場基準価額の発表直後には「もっと安くてもいい」という声が多かった。Coinbaseは新株発行で株を売ってはいないため、その株価が急上昇してもベンチャーキャピタルから責められることはないが、でも設定した基準価額が、同社の価値の保守的すぎる予想に対する反応なら、ややユーモラスではある。

いずれにしても、同社の非上場時からの投資者にとっては大当たりだ。およそ4年前の2017年には、CrunchbaseのデータによるとCoinbaseの価値はわずかに16億ドル(約1740億円)だ。そのときのラウンドの投資家や、もちろんもっと初期からの資金調達に対しては、1株250ドルの株価はそのときの彼らの出資額の約40倍に相当する。

Coinbaseの直接上場は、同社が2021年第1四半期決算報告の初見を発表したときギアがトップに入った。そのときTechCrunchは、同社の最近の成長は驚異的で、売上は2020第4四半期の5億8510万ドル(約640億円)から、2021年の最初の3カ月は18億ドル(約1960億円)にスケールした、と報じた。その新しい数字は、すでにホットな企業の上場デビューにさらに火をつけた。

今度のCoinbaseがどれぐらいから始まり、どこまで企業価値が高くなるか、この際、賭けてみよう。すごい見せ場になるだろう。

関連記事:上場間近のCoinbase、絶好調の2021年第1四半期決算を読み解く

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タグ:Coinbase新規上場暗号資産

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Hiroshi Iwatani)

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アフリカでの暗号資産の利用急増でLunoの顧客リーチは700万規模に

暗号資産(仮想通貨)は、価値の保存手段としてBitcoin(ビットコイン)を受け入れ出した機関投資家の参入による強烈な刺激を受け、全体として力強い成長の年を迎えた。2020年に起きたビットコインの急騰も、2020年第3四半期には1億人を突破した世界中の暗号資産ユーザーが、国際的にそれを受け入れ始めたことで加速された。

2013年、Marcus Swanepoel(マーカス・スウェインポール)氏とTimothy Stranex(ティモシー・ストラネクス)氏によって創設された英国の暗号資産取引企業Luno(ルノ)の場合、2020年1月から2021年1月の間に顧客が600万人に膨れ上がった。だが、それ以後さらに700万人に増えている。現在、ロンドンに本社を置く同社は、南アフリカ、マレーシア、インドネシア、ナイジェリア、シンガポールにも400人近い従業員を擁し、世界40カ国に顧客がある。

CEOのスウェインポール氏によれば、Lunoの数字はこの7年連続で前月比を上回る増加を見せているという。しかし、これだけの勢いの加速を経験するのは初めてのことだ。

Lunoの数字が急増した理由はいくつかある(どの暗号資産取引スタートアップも同じだが)。一般的に、ビットコインは暗号資産愛好家が日常的に使っているとか、BNY Mellon(バンク・オブ・ニューヨーク・メロン)、Mastercard(マスターカード)、Tesla(テスラ)などの機関投資家が興味を示しているといった話とは裏腹に、それが主流になるのはまだまだ先の話だ。

今のところ、暗号資産は主に投資目的で使われている。このたった1つの要因が、アフリカ人の間で大きな人気を呼んでいるのだ。彼らが、Lunoの成長と強大なトラクションの大半を支えるユーザー層となっている。

2020年、同社は現在の事業の対象となっている市場でアンケート調査を実施し、南アフリカ、英国、フランス、イタリア、インドネシア、マレーシア、ナイジェリアから1万5000件の回答を集めた。これによりLunoは、現在の金融システムにパンデミックがどれだけの影響を及ぼしたかを理解できた。調査の結果、アフリカ人の54パーセントは、すでに国際的なデジタル資産を1つ利用していた。これに対してアジアでは41パーセント、ヨーロッパでは35パーセントだった。

アフリカの優位性は、その数字にも現れている。同社が世界で有している700万人の顧客のうち、470万人がアフリカにいる。この数は、2020年1月には230万人だった。アフリカ大陸全体でのLunoアプリのダウンロード数は同じ期間内に271パーセント増加した。取引数は21倍に跳ね上がり、5億550万ドル(約607億円)から70億ドル(約7660億円)に拡大した。そこからわかるのは、Lunoの取引高は83億ドル(約9077億円)に達しているということだ。

だがこの成長は、市場でのLunoの初動によるところが大きい。この数年間、それまで暗号資産市場に対応できていなかった世界各地のインフラは、大幅に改善された。Lunoは、最初のプラットフォームの1つとして、現地の通貨を採り入れることで暗号資産市場の体験を向上させるという大きな役割を果たしている。また、人々にデジタル資産啓蒙のための下地作りにも貢献した。

「前回、2020年のようにビットコインが高騰したのは2017年と2018年でした。ほとんどが小売りによってもたらされましたが、そのころはまだ暗号資産の購入が困難でした。当時は信頼性の問題があり、アカウントの承認や、ウォレットの準備にさえ数日かかったものです」とスウェインポール氏はTechCrunchに話した。「今では、この3年の間に、私たちのような企業が、特にアフリカにおいて、インフラ、KYC、新しい決済方法、顧客エクスペリエンスとサポートを確立しました。エクスペリエンスはずっと向上し、教育レベルもうんと上がりました。私に言わせてもらえれば、これがあの大陸での暗号資産の受け入れに大きく貢献したと思います」。

2020年9月、Lunoはブロックチェーン企業の創設、買収、投資を行うDigital Currency Group(DCG、デジタル・カレンシー・グループ)に買収された。同社のポートフォリオ企業には、Coindesk(コインデスク)、Genesis(ジェネシス)、Grayscale Investments(グレースケール・インベストメンツ)なども含まれている。Lunoを買収する前に、DCGは2014年のシードラウンドで始めてLunoに投資した。そして2020年、とてつもない成長とプラットフォームでの取引量を目の当たりにして、Lunoの規模拡大の機会を感じたとスウェインポール氏は話している。

「最初の5年から6年は小規模な事業でしたが、今は大きく出たいと思っています。そこでDCGのようなグローバルなプラットフォームの力が役に立ちます。彼らには豊富な資本があり、他の大陸と同様に、アフリカへの投資にも取り組んでいるからです」と彼は述べた。

さらにスウェインポール氏は、DCGは暗号資産業界とそのトレンドに明るいと話す。この買収は、Lunoにとれば、単にDCGの見識を利用して時代を先取りするためのものであり、その努力は報われたように見える。買収以来、Lunoのアクティブユーザー数は167パーセント増加した。1月の時点で、ユーザーは平均してウォレットに7000ドル(約77万円)以上入れている。これは2020年12月から56パーセントの伸びだ。

永遠に続くものなどない。しかし、もし暗号資産市場の突進が続けば、暗号資産はかつて思われていたような一時的な流行などでないことがわかる。2021年第1四半期、Coinbase(米国時間4月14日に上場予定)やRobinhood(ロビンフッド)などの企業は怪物のような数字を示し、力強い成長予測が立てられた。急成長の継続を期待するLunoの場合、その軌道は2030年に顧客数10億人という大台に定められている。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Luno暗号資産アフリカ

画像クレジット:Dan Kitwood / Getty Images

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(文:Tage Kene-Okafor、翻訳:金井哲夫)

【コラム】もしものときにNFTや暗号資産を失わないようにする方法

本稿の著者Erin Bury(エリン・ベリー)氏は、トロントに拠点を置く総合的なオンライン不動産計画サービスWillfulのCEOで共同創業者。

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消費者が富を築く場合、その内容はたいてい、現金、投資、不動産、自動車、宝飾品、美術品をはじめとする「有形の」資産である。しかし、最近は新たなタイプの資産も増えている。暗号資産(仮想通貨)や、最近注目され始めたNFTなどの「デジタル資産」だ。

我々は今、史上最も大規模な「富の移転」を経験している。今後数十年で、16兆ドル(約1745兆円)に相当する資産の所有権が移転すると予測されているのだ。物理的な資産であれば、緊急時や死亡時にその所有権を比較的容易に移転できるが、デジタル資産の場合はそうはいかない。

カナダのオンライン遺書作成サービスWillful(ウィルフル)から委託されてAngus Reid(アンガス・リード研究所)が実施した最新の調査によると、自分のパスワードとアカウントに関する全情報を自分以外の誰かに伝えてある消費者はわずか4人に1人だったという。この調査結果を考えると「消費者はデジタル資産を相続させる準備ができるのだろうか、何十億ドル(何千億円)にも相当する暗号資産が誰にも受け継がれずにデジタルの世界に取り残されることになるのだろうか」と疑問に思わずにはいられない。

物理的な資産であれば、緊急時や死亡時にその所有権を比較的容易に移転できるが、デジタル資産の場合はそうはいかない。

2021年のニュースはデジタル資産に関する話題でもちきりだ。暗号資産は目新しいものではないが、その価値が急騰したり、Elon Musk(イーロン・マスク)氏などの億万長者が暗号資産を支持する発言をしたり、米大手銀行Morgan Stanley(モルガン・スタンレー)をはじめとする従来型の金融機関がBitcoin(ビットコイン)の取引を取り扱うようになったりしたことで、2020年あたりから暗号資産への注目度が高まっている。何らかの形態の暗号資産を所有している場合、それにアクセスするには64桁のパスコードで構成されるプライベートキーを使うしかない。このプライベートキーがわからなければ、暗号資産にアクセスすることはできない。

ビットコインを購入した後にハードドライブを破棄したりプライベートキーを紛失したりしなければ、今頃は大金持ちになっていたのに、という体験談は数多くある。有名なのは、暗号資産取引所Quadriga(クアドリガ)を創設したGerald Cotten(ゲラルド・コットン)氏の例だ。コットン氏が2018年に急死した当時、同氏は顧客から預かった2億5000万ドル(約272億7000万円)以上の暗号資産を運用していたが、プライベートキーを知っているのが死亡した本人だけだったため、それらの暗号資産資産が実質的に凍結されてしまったのだ。

暗号資産と同じくブロックチェーンによってホストされるNFT(非代替性トークン)という形態のデジタル資産についても、最近、さまざまなニュースを見聞きする。中でも度肝を抜かれたのは、Beeple(ビープル)というアーティストのNFT作品が老舗オークションハウスChristie’s(クリスティーズ)に出品され6900万ドル(約75億円)で落札されたというニュースだ。他にも、トロントでNFTのバーチャル住宅が60万ドル(約6600万円)以上で売れたとか、昔流行ったNBA選手のトレーディングカード遊びのような感覚でNBA選手のプレー中の写真や動画を取引できるプラットフォームの取引高が2億ドル(約219億円)を超えたというニュースもあった。最近注目され始めたこのNFTという資産形態は、デジタル資産に、有形資産と同じか、場合によっては有形資産よりも高い価値が付される可能性があることを証明している。そして、暗号資産と同じように、NFT資産にアクセスする場合にもプライベートキーが必要のようだ。

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生前に遺言書が作成されていれば、故人の資産はその遺言に基づいて分配されるし、遺言書が作成されていない場合は法定相続割合に基づいて分配される。遺言書には、誰がどの資産を相続するか、という概要が記されていることはあっても、最新の資産目録や、パスワード、アクセスキーなどの情報が記載されていることはほとんどない。遺族または遺言執行人が故人のアカウント情報を知らないために引き取り手がおらず、銀行で眠っている資産は何百億ドル(何兆円)にものぼる

銀行口座であれば、遺言執行人が金融機関に連絡し、遺言書の写しや死亡証明書の提出等の必要な手続きを行えば、故人の口座の有無を確認したり、口座内の資産を動かしたりすることは可能だ。しかし、デジタル資産の場合はそう簡単ではない。遺族が銀行に連絡して、故人がNFT資産を所有していたかを問い合わせることはできない。NFTや暗号資産の全体目録のようなものは存在しないし、すべてを統括している中央管理組織もない。そもそも、意図的に分散化されている仕組みなのだ。これは、プライバシー保護の点では理想的なのだが、故人が価値あるデジタル資産を所有していたかどうかを知りたい遺族にとっては少し厄介な仕組みだ。

さらに言えば、故人がデジタル資産を持っていたかどうかを確認するだけでは不十分だ。その資産にアクセスする方法も知る必要がある。Angus Reid Forum(アンガス・リード・フォーラム)がWillfulの委託を受けて実施した最近の調査によると、35歳以下の消費者のうち家族や恋人にアカウント情報を伝えている人の割合は19%で、他の年齢層よりも低かった(ちなみに、55歳以上の消費者のうち家族や恋人にアカウント情報を伝えている人の割合は32%だった)。これは当然のことだ。年齢が若ければ、自分が死ぬことや死亡後の財産分与について考えることは少ないだろう。しかし、テクノロジーを使い慣れている若い世代こそ、その身に何かあった場合に、残された資産のせいで家族を困らせてしまう可能性がある。

では、デジタル資産を守るために消費者は何をすべきなのだろうか。第1に、1Password(ワンパスワード)などのパスワード管理ツールを使用することだ。このようなツールを使えば、アカウントに関するあらゆる情報、ログイン情報、デジタル資産用のプライベートキー、その他の重要な情報すべてをまとめておくことができ、管理者アクセス用パスワード1つを遺言執行人に伝えるか、自分の遺言書に記すだけで済む。

この方法を使えば、自分の身に何かがあった場合に、家族や遺言執行人が自分のアカウントに簡単にアクセスできる。しかし同時に、家族や遺言執行人にリスクを負わせる場合もある、とDirective Communication Systems(DCS、ディレクティブ・コミュニケーション・システムズ)の創業者Lee Poskanzer(リー・ポスカンザー)氏は指摘する。多くのウェブサイトやアプリではパスワードの共有が利用規約の中で明示的に禁止されており、一部の国や地域のプライバシー保護法ではアカウント所有者へのなりすましが禁止されているためだ(米国では「蓄積通信法」と「電子通信プライバシー法」がそれに相当する)。いうまでもないことだが、二要素認証を求められるアカウントが増えており、遺言執行人が故人のスマホにアクセスできなければ、二要素認証に必要な情報を確認するのは困難だろう。

DCSは、死亡時のデジタル資産移転をサポートするプラットフォームだ。しかも、そのためにDCSにパスワードを提出する必要はない、とポスカンザー氏はいう。DCSは遺産管理者と協力して、Google(グーグル)やソーシャルメディアなどのコンテンツプロバイダーに必要書類(死亡証明書、お悔やみ欄の記事、身分証明書など)を提出する。必要書類の内容はコンテンツプロバイダーによって異なるが、それを提出すると、コンテンツプロバイダーからDCSに対し、対象アカウントのコンテンツのデータダンプがクラウド経由で提供される。

第2に、デジタルウォレットやデジタル取引所を使ってデジタル資産を保管することを検討できる。家族がそのウォレットや取引所にアクセスにできれば(この場合でもプライベートキーは必要だが)、ウォレットまたは取引所が独自に定めている死亡手続きを実行できるかもしれない。

例えば、Coinbase(コインベース)は、アカウント所有者が死亡した場合に個人のデジタル資産を遺言執行人または遺族に払い戻すための手順を明確に定めている。万一の場合に備えて、プライベートキーを物理的な紙に書き、それを貸金庫や耐火金庫などの安全な場所に保管して、自分の死亡時に遺言執行人がその保管場所にアクセスできるようにしておくこともできる。

第3に、最新の資産目録を作成し、遺言執行人や家族の中でも特に親しい人物がその目録を見られるようにしておくことだ。この目録には、物理的な資産とデジタル資産の両方を記載し、年に一度か、あるいは新たな資産を取得したときや金融機関を変更したときなどに、定期的に見直して更新する必要がある。最後に、遺言書を作成して自分の資産をどのように分配したいかを明確に記し、デジタル資産の分配方法についても具体的な指示を書いておくことだ。

遺言書の作成は、種類を問わずあらゆる資産を守るため、あるいは未成年者の後見人などの重要な指名を行うためのベストプラクティスであるだけでなく、アカウント内の資産を遺族に引き渡してもらうためにも必要なステップだ(例えば、コインベースでは、故人のアカウント内の資産を遺産管理者に引き渡してもらうには、遺言書の写しを提出しなければならない)。

莫大な富が次の世代へと移転されていくにつれて、銀行、フィンテック企業、暗号資産取引所、ソーシャルメディアプラットフォームをはじめとするコンテンツプロバイダーは、死亡手続きを明確に定めるようになり、デジタル資産の有無を生前に誰かに伝えることや、遺族がそのような資産にアクセスすることは今よりも容易になっていくだろう。そうなるまでは、本記事で紹介した方法を実行することによって、自分が希望する人物や組織に遺産を確実に分配し、自分のデジタル資産が行き場を失ってデジタル煉獄に閉じ込められるのを防ぐことができる。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:NFT暗号資産コラムWillful遺言終活デジタル遺産資産管理

画像クレジット:Brankospejs / Getty Images

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(文:Erin Bury、翻訳:Dragonfly)