アマゾン、Android 12端末でアプリが起動しない問題を認め同社アプリストアの不具合を修正

Amazon(アマゾン)は、同社のAmazon Appstoreにおいて、モバイル端末をAndroid 12にアップグレードした顧客のアプリ起動に問題を引き起こしていた不具合を修正したと発表した。2021年12月初め、秋にリリースされたAndroid 12において、Amazon Appstoreがまだ機能していないという報道が出始めた。ユーザーからは、AppStore自体が動作しないだけでなく、AppStoreからインストールしたアプリやゲームも動作しなくなったとの報告があった。

同社は、Amazonのデジタルデバイスフォーラムでユーザーからの苦情に対応していたが、技術チームがまだ調査中であるとだけ述べていた。しかし、この問題を詳しく紹介したLiliputing.comの記事が話題になり、より多くニュースサイトで取り上げられたことで、Amazonは不具合について公式にコメントすることを強いられた。同社はその後、「Android 12にアップグレードした少数のAmazon Appstoreユーザー」に影響を与えていた「アプリのパフォーマンスと起動」に関する問題の修正に取り組んでいると発表した。同社は当時、この問題はAmazon Fire TVデバイスやAmazon Fireタブレットには影響しないと述べていた。

米国時間12月17日にAmazonは、修正プログラムが稼動したと発表したが、何が問題だったのか、どのように問題に対処したのか、より具体的には説明しなかった。

同社の広報担当者は、メディアと共有した声明の中でこう述べた。「モバイル端末をAndroid 12にアップグレードしたAmazon Appstoreのお客様のアプリ起動に影響を与える問題の修正プログラムをリリースしました。現在、お客様にはAppStoreエクスペリエンスのアップデート手順をご案内しています。このような事態を招いたことをお詫び申し上げます」。

あるユーザーが発見した回避策は、AndroidアプリのAPKファイルを逆コンパイルし、DRMに関連する行をコメントアウトするなどの技術的な手順を踏んでいたことから、Appstoreの問題は内蔵されたDRMとAndroid 12に関連しているのではないかという憶測もあった(だが、これは明らかにメインストリームのユーザーが利用できる解決策ではなかった)。

Amazonがこの問題に何週間も取り組まなかったことは、同社のAppstoreがAndroid端末でいかに支持されていないかを浮き彫りにしている。Google Play以外でアプリを購入する必要性を感じているユーザーはほとんどおらず、それに加えてAndroidのアップグレードサイクルがいかに遅いかを示している。Amazonにとって、この問題に緊急性を持って取り組むことは単に優先事項ではなかったようだ。

最近では、AmazonのAppStoreに対する関心は、Windows 11ユーザーにアプリを配信するためにどう利用できるかということに移っている。Microsoft(マイクロソフト)とAmazonは2021年、Amazonが同社のサードパーティアプリストアをMicrosoft Storeで提供し、それを通してWindowsユーザーがAndroidアプリをPCにダウンロードできるようにするという新たな取り組みで提携することに合意した。

関連記事:AndroidアプリがAmazonアプリストア経由でWindows 11に登場、ウィンドウとして動作

画像クレジット:Dinendra Haria/SOPA Images/LightRocket / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)

配管工、電気工事士、機械工向けビジネス管理ツールを提供するFuzey

ロンドンを拠点とし、中小企業や個人事業主向けに「デジタル・ワンストップ・ショップ」と呼ばれるサービスを提供しているFuzey(フュージー)が、450万ドル(約5億1000万円)のシード資金を調達した。

このラウンドは、byFounders(バイファウンダーズ)が主導し、Flash Ventures(フラッシュ・ベンチャーズ)、Global Founders Capital(グローパル・ファウンダーズ・キャピタル)、Ascension(アセンション)の他、Index Ventures(インデックス・ベンチャーズ)のベンチャーパートナーであるStephane Kurgan(ステファン・クルガン)氏、Amplo VC(アンプロVC)の創業者兼CEOであるSheel Tyle(シール・タイル)氏などのエンジェル投資家グループが参加した。

今回のラウンドにより、同社はHenrik Lysgaard Jensen(ヘンリク・リスガード・ジェンセン)氏とAlex Boyce(アレックス・ボイス)氏が2020年に設立以来、総額520万ドル(約5億9000万円)の資金調達を行ったことになる。また、この投資の一環として、byFoundersの投資家であるSara Rywe(サラ・ライウェ)氏と、Flash VenturesのパートナーであるLorenzo Franzi(ロレンツォ・フランジ)氏が、同社の取締役に就任した。

CEOのリスガード・ジェンセン氏とCOOのボイス氏は約2年ほど前に出会い、中小企業のデジタル化を支援することで意気投合した。配管工、電気工事士、機械工などの小規模事業者をターゲットにしている理由について、リスガード・ジェンセン氏は「ローカルビジネスはすべてのコミュニティのバックボーンである」と信じているが、ビジネス管理用に開発されたツールの多くは、このような事業者には手が届かないし、またこのような事業者を念頭に置いて設計されてもいないからだ。

他にもこのような種類の事業に注目しているスタートアップ企業はある。11月に1500万ドル(約17億円)を調達したPuls Technologies(プラス・テクノロジーズ)のモバイルアプリは、職人とオンデマンドの住宅修理サービスをつなぐものだ。また、2021年初めに6000万ドル(約68億円)の資金調達を発表したJobber(ジョバー)のように、もっと規模の大きな企業もこの分野には存在する。

ボイス氏にとって、個人的にも特にこの分野には思い入れがあるという。同氏の母親は中小企業の経営者で、革製のノートを使ってビジネスを行っていたが、常にノートの紛失を恐れていたと説明する。

「これらは私たちが取り組んでいるテーマです」と、ボイス氏はTechCrunchに語った。「新型コロナウイルス感染症の流行期間中に、どうすれば私たちは変革の担い手になれるかを考えました。消費者の需要が変化し、人々がテクノロジーをより重視するようになり、地元の商店とさまざまな方法で関わりたいと思っている状況を見て目が覚めたのです」。

そうして同社が作り上げたツールは、請求書など従来は手作業で紙に書いて行っていたことを、中小企業向けにデジタル化するものだ。顧客とのコミュニケーション、支払い、マーケティング、カレンダーなどを1つのダッシュボードにまとめ、事業を管理し、オンラインのプロフィールを充実させることができる。

ユーザーの中小企業は、メッセージングからソーシャルメディアまで、さまざまな方法で顧客とコミュニケーションをとることができる。また、請求書を作成して即時に支払いを処理したり、リードジェネレーション(見込み顧客を獲得するための取り組み)を洞察する機能も用意されている。さらに、Fuzeyは文書のテンプレートやワンクリックカスタマーレビューも提供しており、簡単に顧客がレビューを残せるようにすることができる。

「レスポンスタイムは重要です。当社では、あらかじめ質問やコメントが定義されたレスポンステンプレートも用意しているので、顧客に迅速に対応することができます」と、リスガード・ジェンセン氏は述べている。「私たちは、この機能が20、30、40の時間的効果をもたらすと確信しています」。

6月に製品の販売を開始した同社は、今回の資金調達を製品開発と地域の拡大に活用する予定だ。Fuzeyはすでに、欧州、米国、カナダの一部の市場で事業を展開している。従業員数は現在10名で、顧客数、売上高ともに前月比で2桁の伸びを示している。

画像クレジット:Fuzey / Fuzey co-founders Alex Boyce and Henrik Lysgaard Jensen

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(文:Christine Hall、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

フェイスブックやツイッターの元幹部が出資するTaggはZ世代向けの「ソーシャルブランディング」アプリ

Z世代は、自分たちが育ってきたソーシャルメディアに満足せず自分たちが使いたいアプリを作っている。クリエイティブな10代、20代の若者向け「ソーシャルブランディング」アプリである「Tagg(タッグ)」は、米国時間12月17日、シードラウンドで200万ドル(約2億3000万円)を調達したことを発表した。出資したのは、Twitter(ツイッター)共同創業者のBiz Stone(ビズ・ストーン)氏、Facebook(フェイスブック)の元インターナショナルグロース担当VPだったEd Baker(エド・ベーカー)氏、TripAdvisor(トリップアドバイザー)の創業者であるStephen Kaufer(スティーヴン・カウファー)氏、Pillar VC(ピラーVC)などだ。

Brown University(ブラウン大学)と近隣のRhode Island School of Design(ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン)の卒業生によって設立されたTaggは、まだプライベートベータ版だが、数千人のユーザーが利用しており、さらに数千人がウェイティングリストに申請している。Taggはいわゆるlink in bio(リンク・イン・バイオ)サービスのようなものだが、若いクリエイティブな人たちがつながり、協力し合い、友人関係を築くことを促進するソーシャルな要素が含まれている。

「デジタルの世界では、あなたのブランドが本物であればあるほど、あなたのつながりも本物になります。現在のソーシャルプラットフォームは、このブランドとつながりの進化する交点に対応できるように作られていません」と、同社は説明している。「Taggは、制限もスティグマ(偏見や差別)もない、自分自身の完全な創造的表現を可能にする環境を構築して、成長させています」。

Taggでは、自分のプロフィールを何に使いたいか(ソーシャルなプロフィールにしたいのか、自分のアートを宣伝してネットワークを広げたいのか)に応じて、アプリにログインしたときに5つのプロフィールスキンから選ぶことができる。そこから自分のページをカスタマイズし、他のSNSアプリでやるように、誰かをフォローしたり、コンテンツを投稿したりすることができる。しかし、Taggでは、投稿に「いいね!」の数が表示されない。これは意図的に選ばれた仕様だ。

「Taggに『いいね!』はありません。コメントやシェア、ビューだけです。なぜなら、クリエイティブな人たちには、自分の好きなものを、スティグマを気にすることなく、好きなように表現することに集中して欲しいからです」と、Taggの共同設立者であるVictor Loolo(ビクター・ルーロ)氏はTechCrunchに語っている。

特にTaggが対象としているZ世代では、ユーザーは「いいね!」の数を必ずしも求めていない。なぜなら「いいね!」の数は、表面的な形で仲間と自分を比較することを助長する可能性があるとわかっているからだ。米国の上院議員であるEd Markey(エド・マーキー)氏(民主党・コネティカット州選出)や、Richard Blumenthal(リチャード・ブルーメンタール)氏(民主党・マサチューセッツ州選出)も、10代の若者の精神衛生に悪影響を及ぼす可能性があるとして、16歳未満のソーシャルメディアユーザーには「いいね!」のカウントを禁止する法案を提出している。

画像クレジット:Tagg

Taggの「ソーシャルブランディング」というマーケティングは、一見すると直感に反したものに思えるかもしれない。また、このブランディングという概念は、自分自身を箱の中に入れてしまうことのように聞こえるかもしれない。しかし、Taggは、ユーザーが自分の居心地の良い場所から抜け出すことを促すようにデザインされている。ユーザーはあらかじめ用意されたスキンを使ってプロフィールを作成するが、これはあくまでも提案であり、もしユーザーが、白紙の状態からプロフィールを作成したり、独自のカテゴリーを作成してコンテンツを整理したいなら、それも可能だ。

「プロフィールはいかようにも見せることができる、それが魅力です。私たちは、すべてのソーシャルアプリに備わる伝統的で制限の多い、型にはまったプロフィールから脱却したいと考えました。なぜならZ世代の私たちは、表現の自由と独自性に大きな価値を置くからです」と、ルーロ氏は説明する。「私たちは、伝統的なプロフィールと真っ白なページの間で、心地よくユーザーフレンドリーな場所を見つけたかったのですが、それは多くの人にとって難しいことでした。そこで私たちは、プロフィールスキンを採用することにしたのです」。

Taggは、ブラウン大学でフットボール選手だったルーロ氏自身の経験からインスピレーションを得たものだ。同氏は当時、学生アスリートとしてのアイデンティティ以外で、自分を定義することは難しいと感じていた。そのことが、共同設立者のBlessing Ubani(ブレッシング・ウバニ)氏とSophie Chen(ソフィー・チェン)氏とともに、Taggを起ち上げる切っ掛けとなった。

「人は1つの枠にはめられてしまうものです。例えば、私がTikTok(ティックトック)で料理動画を配信しているとしましょう。そうすると、人は私のことを『料理動画を配信している男』という枠にはめて見ますが、しかし、私は同時に、ビデオゲームやその他のことを楽しんでいるかもしれないのです」と、ルーロ氏はTechCrunchに語った。「私たちは、そのような状況を打破し、クリエイティブな人たちが自分自身をより全体論的に表現できるようにしたかったのです」。

画像クレジット:Tagg

Taggのユーザーは現在、このプラットフォームに参加することでポイントを獲得するようになっている。このポイントは今のところ、特に価値のない機能に過ぎないが、ルーロ氏はこれをアプリの将来的な可能性として捉えている。

「Taggは現在、分散化やトークン化されていませんが、私たちのプラットフォームの原則は、Web3.0の価値観を反映しています」と、ルーロ氏は語る。「私たちの目標の1つは、コンテンツ共有やコミュニティへの参加から直接報酬を得られることが、クリエイター経済の問題を解決する手段であると、クリエイティブな人々に理解してもらうことです。それは、現状のクリエイターに対する支払い不足や、一貫性のないブランドとの提携とは相対するものです」。

将来的にTaggは、ユーザーが価値のあるコインやトークンを獲得できるようになる可能性もある。しかし今のところ、Taggはウェイティングリストからより多くのユーザーを参加させること、より多くのユーザーを獲得することに注力している。

2020年に大学を卒業した後、チームはベイエリアに移り、そこでアプリの開発を続けてきた。今回調達した資金を使って、Taggはチームを拡大するために採用活動を行っている。最近では、15年のエンジニアリング経験を持つSteven Fang(スティーブン・ファン)氏が、CTO兼共同設立者としてTaggに参加した。

画像クレジット:Tagg

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

アップル、iPad上でアプリ開発ができるSwift Playgrounds 4をリリース

Apple(アップル)が、Swift Playgrounds 4の公式ローンチを発表した。最初の発表と予告は、2021年6月のWWDCで行われている。今回のローンチにより、ユーザーはSwiftUIによるiPhoneやiPadのアプリの作成を直接iPad上で行えるようになり、アプリに変更を加えた場合、その結果をリアルタイムでプレビューできるようになる。Appleによると「App Store Connect」が統合されているため、完成したアプリをApp Storeにアップロードすることもできる。

「Swift Playgroundsは、プログラミングを学ぶ最良で、最も簡単な方法です。あなたが書いたコードは、アプリの制作と並行してライブの(リアルタイムの)プレビューにすぐ反映され、アプリをフルスクリーンで表示しながら実行できます。Swiftのパッケージに基づく新しいオープンプロジェクトフォーマットは、iPad用のSwift Playgroundsの中でオープンしエディットできますが、同じくMac上のXcode内でも行えるため、iPadとMacの両方で使用できるアプリを開発できる幅広い多機能性が提供されます」とブログで語られている。

画像クレジット:Apple

Appleによると、このソフトウェアにはインラインコードの提案機能があるため、コードをより速く正確に書くことができる。検索機能は個別のファイルではなくプロジェクト全域を対象とするので、一度に複数のファイルを検索できる。また、Swiftパッケージのサポートにより、ユーザーは公開されているコードを含めてアプリを強化することができるとしている。なお、このソフトウェアの「Snippets Library」は、何百種類ものSwiftUIのコントロールやシンボル、カラーなどをユーザーに提供する。

Swift Playgrounds 4の狙いは、iPhoneとiPadの新人デベロッパーがMacを使わなくても容易にアイデアを試せることだ。新機能を利用するためには、iPadOS 15.2以上が必要となる。Swift Playgrounds 4は、現在、iPad向けのApp Storeでアクセス可能だ。

画像クレジット:Apple

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(文:Aisha Malik、翻訳:Hiroshi Iwatani)

オンラインの部屋を作って集まれるサービスcoromを運営するworkeasyが5000万円調達、スマホ版を強化

オンラインの部屋を作って集まれるアプリ「corom」(コロム)を開発・提供するworkeasyは12月15日、5000万円の資金調達を行ったことを発表した。引受先は千葉道場ファンド、Gx partners。調達した資金は、誰もが利用しやすくなり場所を選ばずコミュニティに参加できるようスマートフォン用アプリの開発にあて強化する。

coromは、オンラインの部屋を無料の作れ、会話を楽しめるというコミュニティアプリ。2021年2月にリリースされた「workle」を前身としている。workleはリテラシーの高いIT企業のリモートオフィスを市場参入ターゲットとしていたのだが、「みんなで集まって話す」「近づいてコソコソ話す」「手を振って合図する」といったリアルに近いコミュニケーションが取れるUXにこだわったことから、「お悩み相談」「占い」などビジネスシーン以外でのコミュニティ形成の手段として利用されるようになったという。

これを受け同社はcoromへとリブランディング。これまでのウェブ版に加えてスマートフォンアプリ(Android版iOS版)をリリースした。今後は、「誰でも簡単にオンラインの部屋をつくって集まれるアプリ」として、ユーザーの獲得、ユーザビリティの改善、東南アジアへの進出などを行う。

coromでは、同じ部屋に入るだけで音声通話が始まり、その場に居るように同時に複数ユーザーで会話できる(マイク必須)。また、ユーザーを示すアイコンの距離によって音量が変わるようになっており、他のユーザーに近づくだけでコソコソ話も行え、ちょっとした悩み事やプライベートなことも話しやすい。これら会話にはカメラが必要ないためお互い気軽に話しやすく、拡声器機能で部屋にいるユーザー全員に話しかけることもできる。

アップル、正体不明のAirTagを発見するAndroidアプリ「Tracker Detect」をリリース

Apple(アップル)は、プライバシー保護の観点から、アップル製品を所有していない人が近くにある身に覚えのないAirTag(エアタグ)を特定できるようにするための新しいAndroidアプリ「Tracker Detect」をリリースした。追跡されているかもしれないと思ったユーザーは、このアプリを使って近くにあるAirTagをスキャンすることができる。もし見つかったら「unknown AirTag」としてフラグが立てられる。検出されたアイテムトラッカーが10分以上アプリユーザーと一緒に移動していることがわかった場合、ユーザーは検出されたアイテムトラッカーから音を出して、その場所を特定することができる。そこから、そのアイテムトラッカーについて詳しく知る方法と、バッテリーを取り外して無効にする方法が案内される。

「Tracker Detectは、所有者から離れた、AppleのFind Myネットワークに対応しているアイテムトラッカーを探します」とアプリの説明にある。「対象となるアイテムトラッカーには、AirTagや他の企業が提供する互換性のあるデバイスが含まれます。誰かがAirTagや他のデバイスを使ってあなたの位置を追跡していると思われる場合、スキャンしてそれを見つけることができます」。

差し当たって、Google Play StoreのTracker Detectアプリは、AppleのAirTagやChipolo ONE Spotを含む、Find Myネットワークをサポートしているアイテムトラッカーと互換性がある。例えばTile(タイル)のような、Find Myネットワークと互換性のない他のトラッカーは対象外だ。

また、このアプリではAppleアカウントに関連付けられたAirTagをユーザーが追跡することはできないため、実際にはAirTagの機能をフル活用できていない。

「AirTagは業界をリードするプライバシーとセキュリティ機能を提供し、今日、当社はAndroidデバイスに新しい機能を持ってきます」とAppleの広報担当は電子メールでTechCrunchに述べ、 新アプリの提供開始を認めた。「Tracker Detectは、Androidユーザーが、知らないうちに自分と一緒に動いているかもしれないAirTagまたはFind Myをサポートしているアイテムトラッカーをスキャンできるようにします」。

もしユーザーが身に覚えのないAirTagを見つけた場合、iPhoneや他のNFC対応デバイスでそれをタップすると、AirTagを無効にする方法が案内される。Tracker Detectアプリのユーザーは、アプリ内でAirTagの詳細とそれらを無効化する方法を確認することができる。

この新しいアプリの導入は、AppleのAirTagが、バッグやコートの中に入れておけるほど小さいため、密かに人を追跡するために使われるのではないかという懸念を受けてのことだ。2021年初めのワシントン・ポストの報道では、AppleのAirTagによって、相手に気づかれずにストーキングすることが容易になる可能性がある、とされている。他にも、この追跡デバイスが個人を密かに監視するために使われる可能性があると主張する報道が多くあった。

こうした報道を受けてAppleは、所有者の元を離れたAirTagが動いたときに音が鳴るまでの期間を更新した。発売当初は3日間としていたが、8〜24時間の間でランダムに設定できるように変更した。また、ユーザーのiPhoneは、近くに身に覚えのないAirTagを検出した場合、「Item Detected Near You」というメッセージを表示するようになった。つまり、iOSユーザーは見知らぬAirTagを見つけるために別のアプリを必要としない。

しかし、Androidユーザーが近くにある見知らぬAirTagを発見する方法がなかったため、Appleはユーザーが一緒に移動しているかもしれないAirTagを検出できるAndroidアプリを発表する予定であることも発表していた。

AirTagに対する懸念はあるものの、Appleがトラッカーのスキャンをサポートしたことで、まだストーカー対策機能を提供していない競合他社をリードすることになった。この発表を受けて、競合するTileは、誰でもTileアプリを使っていつでも手動スキャンを行えるようにすると述べた。この機能は2022年初めに提供される予定だ。

Appleは2021年4月にAirTagを発売した。価格は1個29ドル(日本での価格は税込3800円)、4個入りで99ドル(税込1万2800円)となっている。アイテムの追跡には、同社が「Precision Finding」と呼ぶ、同社独自の超広帯域チップ「U1」が使用されている。また、Bluetooth LE(低消費電力)も採用している。

画像クレジット:Apple

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(文:Aisha Malik、翻訳:Nariko Mizoguchi

元Snap社員が会話型コマースのスタートアップWhymが4.9億円調達

元Snapの社員たちが作った会話型のコマースサービスWhymは、モバイルデバイスからの買い物をもっと簡単にしようとしている。チェックアウトのフォームに長々と記入したり、決済カードの詳細を手で入力する代わりに、Whymでは1回のタップでApple PayやGoogle Pay、あるいは単なるテキストメッセージでチェックアウトを終えることができる。同社は、一般消費者製品や健康グッズ、美容製品などで成功し、このほど430万ドル(約4億9000万円)のシード資金獲得を発表した。

ラウンドはDeciens Capitalがリードし、DNX VenturesやReciprocal Ventures、Unusual Ventures、Chaos Ventures、Magic Fundらが参加、またSequoiaやLightspeed、Canaan Partnersらも小額を投資した。さらにStripeやPayPal、Venmo、Microsoft、Salesforce、Google、Facebook、Twitter、TikTok、Snapchat、Uber、Airbnb、Red BullそしてSpotifyなどの創業者や役員からのエンジェル投資もある。

同社は2017年にCEOのKelly Nyland(ケリー・ナイランド)氏とCOOのRhenee Bartlett(レニー・バートレット)氏が創業した。2人はともに、Snapに在籍していた。ナイランド氏はSnapの消費者プロダクトとマーケティングのトップとして、SnapのARサングラスSpectaclesの市場開拓戦略をつくった。バートレット氏はSpectaclesのイベントマーケティングとパートナーシップを担当。Whymの創業に加わりエンジニアリングのVPになったRyan Hornberger(ライアン・ホーンバーガー)氏は、彼のスタートアップであるScan, Inc.が買収されたあとSnapで働き、SnapchatのSnapcodeの基本を作った。

画像クレジット:Whym

Snapにいたときナイランド氏は、ユーザーの多くが、毎日、DM(ダイレクトメッセージ)の画面からSnapを利用し始めることに気づいた。そこで彼女は同社に、アプリ機能の一部として、ブランドと消費者がSnapの上で直接コミュニケーションできるようにしたらどうか、と提案した。

「その経験から、未来のソーシャルショッピングではメッセージングがとても重要だと確信しました」とナイランド氏はいう。

Whymのチームは、メッセージングとコマースを一体化して、テキスト(SMS)やDMのスレッドでショッピングができるようにすれば、ソーシャルショッピングの新しいかたちになると確信し、2018年にベータでローンチした。それによりブランドは、テキストメッセージで「買い物行動に対する応答」ができるようになった。

その後、Whymは小さな店を提供し、それをテキストによるキャンペーンと組み合わせて、その場で商品を買えるようにしている。テキストのやり取りで色やサイズなどを指定することができ、チェックアウトもできる。ブランドはソーシャルメディアやメッセージングアプリで、他の場所のリンクを宣伝してもよい。それを、リンクインバイオやスワイプアップ(Instagramのリンクステッカーなど)、メッセージングアプリなどで展開できる。

画像クレジット:Whym

消費者は、これまでのようにモバイルサイトをあちこちクリックしなくても、簡単かつ迅速に精算できる。小さな店に行ってカートをカスタマイズし、それからApple PayやGoogle Payをタップして買い物が終わる。Whymは初期のようにテキストでチェックアウトもできるが、今後は消費者の電話番号を使う方法も導入する。つまり2022年から、消費者は商品を選んで電話番号を入力すると、それだけでその商品に対する関心や近く買う意思を示せる。従来のようにウェブサイトのリンクを送ったり、スクリーンショットを撮ったりしなくてもいい。

今後は、Whymが顧客にユニバーサルカートを提供して、いろいろなブランドから買い物できるようにし、またブランド側はユーザーに、案内メッセージを送れるようにする。

「中心的な業種は、新進気鋭のD2Cブランドや美容、ウェルネスなどとなります。リピートの多いブランドを重視したい。Whymにできることは顧客のカートを個別一対一で再構築して、そうしたブランドのための「買い物によるリプライ」(リプライの一環として購入アクションがある)を作っていくことです。そのためにはバックグラウンドでテキストメッセージングのパワーを利用して、ブランドと消費者に生じるリピート購入体験を自動化していきます」とナイランド氏はいう。

Whymを利用しているブランドは今数百社で、1回のオーダーにつき3%+10セント(約11円)の手数料を払っている。今同社は年間総取引額が5000万ドル(約56億8000万円)から2億5000万ドル(約284億円)という高級で高額なブランドに注力し、段階的な料金制を導入しようとしている。まだ、そのレートは発表されていない。

自分のブランドをWhymに統合したい人は、その処理の一部始終をセルフサービスでできるが、約10分間かかる。同社の営業チームが、Whymのデモをしたり、Whym統合や最初のキャンペーンを手伝ってくれる。

現在、同社は社員が50名ほどで、今回の資金は新しいブランド顧客の開拓とプロダクトの機能強化に充てる。新しい機能の多くは、顧客の要望によるものだ。これまでWhymは、700万ドル(約8億円)を調達している。

画像クレジット:skaman306/Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

新興ブランドと小売業者を繋ぐPod Foodsが食料品のサプライチェーンを改革

Pod Foods(ポッドフーズ)は、消費者が求める新興の食品ブランドを小売店の棚に並べている企業間デジタル卸売市場だ。同社はそのサービスの開発を継続するため、シリーズAラウンドによる1000万ドル(約11億4000万円)と未発表のシードラウンドにおける300万ドル(約3億4000万円)、合わせて1300万ドル(約14億8000万円)の資金調達を行ったと、米国時間12月9日に発表した。

オースティンを拠点とする同社の創業者、Larissa Russell(ラリッサ・ラッセル)氏とFiona Lee(フィオナ・リー)氏については、2019年にMoment Ventures(モメント・ベンチャーズ)が主導し、M12も参加したラウンドで300万ドルを調達した際にTechCrunchでも紹介した。同社の技術は、データを活用したアプローチで、小売店がブランドから調達するプロセスを効率化するとともに、新進気鋭のブランドを含むより多様な商品と消費者を結びつけるものだ。

シードラウンド後、Pod Foodsはシカゴ、ニューヨーク、ロサンゼルスでサービスを開始。また、適切な商品を適切な小売店にマッチさせる在庫管理をより容易にするモバイルアプリも発表した。

その後、新型コロナウイルス感染流行が世界中を襲った。小売店では店頭の在庫を確保するために、Pod Foodsが注力しているニッチな新興ブランドの品が、有名ブランドに押されて店頭から消えていることに同社は気づいた。そこで同社は、ブランドの認知度を高めることに乗り出した。

「それは加速度を生み、私たちが変えようとしたすべてのことを増幅させました」と、ラッセル氏はTechCrunchの取材に語った。「私たちは2020年、ウイルス感染流行拡大の結果として生じた課題に取り組み、事業に邁進したのです」。

Industrious Ventures(インダストリアス・ベンチャーズ)が主導した今回のシリーズAでは、M12とMoment Venturesが再び参加した他、Unshackled Ventures(アンシャックルド・ベンチャーズ)、Barrel Ventures(バレル・ベンチャーズ)、Relish Works(レリッシュ・ワークス)、X Factor Ventures(Xファクター・ベンチャーズ)、XRC Labs(XRCラブズ)、K2 Global(K2グローバル)、Graphene Ventures(グラフェン・ベンチャーズ)などの投資家が参加。Pod Foodsが調達した資金の総額は1600万ドル(約18億2000万円)となった。

今回の投資は、Pod Foodsの成長軌道に沿ったものだとラッセル氏は述べている。同社はすでに7都市で展開しており、今後10都市に拡大する予定だ。ウイルス感染流行前のデータと比較すると、現在はブランドのリピート購入が20%増加しているという。

Pod FoodsはこのシリーズAで調達した資金を使って、2020年12月には33名だった従業員を58名に増員することができた。さらに同社は、Google(グーグル)、Amazon(アマゾン)、Walmart(ウォルマート)での経験を持つTimothy Wee(ティモシー・ウィー)氏という最高技術責任者も確保し、新しいサービスや製品を構築するためのデータにも投資していくと、リー氏は述べている。

デリバリーサービスは、より早く商品を届けて欲しいという消費者の期待を背景に、過去2年間で急速に成長し、小売業者が需要に追いつくのに苦労する原因となっている。その結果、Pod Foodsは2019年以降、売上高と顧客数の両方が前年比で3倍に増加したという。同社では、何が売れて何が売れないかというデータに基づき、小売業者がより早く商品をリセットできる状況が作れるように支援していると、ラッセル氏は述べている。

「私たちは適応する必要がありました」と、リー氏は付け加えた。「以前は買ったらそのまま食べられるような食品が売れていましたが、ウイルス感染流行の際には、冷凍食品や飲料などの商品が売れました。迅速に方向転換する必要がありましたが、私たちは小規模で機動力があるため、お客様の要望をすぐに伝え、ブランドを採用し、小売店の棚を確保することができました」。

Pod Foods 2021 from Blank Space Studio on Vimeo.

Pod Foodsは今後、太平洋岸北西部や、同社最大の市場であるニューヨークとシカゴの拠点周辺、さらにはフロリダでの事業拡大を計画している。

Industrious VenturesのパートナーであるChristian Gammill(クリスティアン・ガミル)氏は、Pod Foodsのアプローチについて「食料品のサプライチェーンを全面的に見直し、小売店とブランドの両方が繁栄できる真のエンド・ツー・エンドのシステムを構築するために必要な物流インフラを提供する初めての企業」であると述べている。

コマースがサプライチェーンの基調を決定づける中、Pod Foodsはデジタルを最優先し、データを活用したインテリジェントなオペレーションを構築することで、差し迫った変曲点を利用しようとしている。同社のような企業がデータプレーを正しく行うことができれば、顧客やブランドの助けになるだろうと、ガミル氏はいう。

「ラリッサとフィオナはすばらしい2人組で、互いに相性の良いスキルを持っています」と、ガミル氏は付け加えた。「この分野はあまり注目されていませんでしたが、他のサプライチェーンは多大な注目を集めています。だからこそ、私たちはこの分野に参入しようと思ったのです」。

画像クレジット:Pod Foods / Pod Foods co-founders Fiona Lee and Larissa Russell

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(文:Christine Hall、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

新興ブランドと小売業者を繋ぐPod Foodsが食料品のサプライチェーンを改革

Pod Foods(ポッドフーズ)は、消費者が求める新興の食品ブランドを小売店の棚に並べている企業間デジタル卸売市場だ。同社はそのサービスの開発を継続するため、シリーズAラウンドによる1000万ドル(約11億4000万円)と未発表のシードラウンドにおける300万ドル(約3億4000万円)、合わせて1300万ドル(約14億8000万円)の資金調達を行ったと、米国時間12月9日に発表した。

オースティンを拠点とする同社の創業者、Larissa Russell(ラリッサ・ラッセル)氏とFiona Lee(フィオナ・リー)氏については、2019年にMoment Ventures(モメント・ベンチャーズ)が主導し、M12も参加したラウンドで300万ドルを調達した際にTechCrunchでも紹介した。同社の技術は、データを活用したアプローチで、小売店がブランドから調達するプロセスを効率化するとともに、新進気鋭のブランドを含むより多様な商品と消費者を結びつけるものだ。

シードラウンド後、Pod Foodsはシカゴ、ニューヨーク、ロサンゼルスでサービスを開始。また、適切な商品を適切な小売店にマッチさせる在庫管理をより容易にするモバイルアプリも発表した。

その後、新型コロナウイルス感染流行が世界中を襲った。小売店では店頭の在庫を確保するために、Pod Foodsが注力しているニッチな新興ブランドの品が、有名ブランドに押されて店頭から消えていることに同社は気づいた。そこで同社は、ブランドの認知度を高めることに乗り出した。

「それは加速度を生み、私たちが変えようとしたすべてのことを増幅させました」と、ラッセル氏はTechCrunchの取材に語った。「私たちは2020年、ウイルス感染流行拡大の結果として生じた課題に取り組み、事業に邁進したのです」。

Industrious Ventures(インダストリアス・ベンチャーズ)が主導した今回のシリーズAでは、M12とMoment Venturesが再び参加した他、Unshackled Ventures(アンシャックルド・ベンチャーズ)、Barrel Ventures(バレル・ベンチャーズ)、Relish Works(レリッシュ・ワークス)、X Factor Ventures(Xファクター・ベンチャーズ)、XRC Labs(XRCラブズ)、K2 Global(K2グローバル)、Graphene Ventures(グラフェン・ベンチャーズ)などの投資家が参加。Pod Foodsが調達した資金の総額は1600万ドル(約18億2000万円)となった。

今回の投資は、Pod Foodsの成長軌道に沿ったものだとラッセル氏は述べている。同社はすでに7都市で展開しており、今後10都市に拡大する予定だ。ウイルス感染流行前のデータと比較すると、現在はブランドのリピート購入が20%増加しているという。

Pod FoodsはこのシリーズAで調達した資金を使って、2020年12月には33名だった従業員を58名に増員することができた。さらに同社は、Google(グーグル)、Amazon(アマゾン)、Walmart(ウォルマート)での経験を持つTimothy Wee(ティモシー・ウィー)氏という最高技術責任者も確保し、新しいサービスや製品を構築するためのデータにも投資していくと、リー氏は述べている。

デリバリーサービスは、より早く商品を届けて欲しいという消費者の期待を背景に、過去2年間で急速に成長し、小売業者が需要に追いつくのに苦労する原因となっている。その結果、Pod Foodsは2019年以降、売上高と顧客数の両方が前年比で3倍に増加したという。同社では、何が売れて何が売れないかというデータに基づき、小売業者がより早く商品をリセットできる状況が作れるように支援していると、ラッセル氏は述べている。

「私たちは適応する必要がありました」と、リー氏は付け加えた。「以前は買ったらそのまま食べられるような食品が売れていましたが、ウイルス感染流行の際には、冷凍食品や飲料などの商品が売れました。迅速に方向転換する必要がありましたが、私たちは小規模で機動力があるため、お客様の要望をすぐに伝え、ブランドを採用し、小売店の棚を確保することができました」。

Pod Foods 2021 from Blank Space Studio on Vimeo.

Pod Foodsは今後、太平洋岸北西部や、同社最大の市場であるニューヨークとシカゴの拠点周辺、さらにはフロリダでの事業拡大を計画している。

Industrious VenturesのパートナーであるChristian Gammill(クリスティアン・ガミル)氏は、Pod Foodsのアプローチについて「食料品のサプライチェーンを全面的に見直し、小売店とブランドの両方が繁栄できる真のエンド・ツー・エンドのシステムを構築するために必要な物流インフラを提供する初めての企業」であると述べている。

コマースがサプライチェーンの基調を決定づける中、Pod Foodsはデジタルを最優先し、データを活用したインテリジェントなオペレーションを構築することで、差し迫った変曲点を利用しようとしている。同社のような企業がデータプレーを正しく行うことができれば、顧客やブランドの助けになるだろうと、ガミル氏はいう。

「ラリッサとフィオナはすばらしい2人組で、互いに相性の良いスキルを持っています」と、ガミル氏は付け加えた。「この分野はあまり注目されていませんでしたが、他のサプライチェーンは多大な注目を集めています。だからこそ、私たちはこの分野に参入しようと思ったのです」。

画像クレジット:Pod Foods / Pod Foods co-founders Fiona Lee and Larissa Russell

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(文:Christine Hall、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

アドビ、同社コアアプリの機能やAIツールをそれぞれ必要十分なだけ利用する新ツール「Creative Cloud Express」を発表

Adobe(アドビ)は米国時間12月13日、Creative Cloud Expressの提供を開始した。これは、広範をカバーするCreative Cloud SuiteとAcrobat PDFツールの優れた機能を1つに統合したモバイルとウェブの新アプリで、ソーシャルメディアへの投稿からプロモーション用のポスターや動画まで、あらゆるものをすばやく作成することができる。

Creative Cloud Expressは、テンプレートファーストのアプローチを採用し、ストック画像やその他のアセットへのアクセスが組み込まれているため、個々のCreative Cloudアプリよりもはるかに利用しやすいものとなっている。このアプリには、無料版と、より複雑なテンプレートのライブラリや機能を追加した月額9.99ドル(約1130円)の有料版が用意されている。この新しいアプリへのアクセスは、AdobeのCreative Cloud All Appsとフラッグシップのシングルアプリプランにも含まれる。

画像クレジット:Adobe

ウェブアプリの他に、無料のアプリがAppleのアプリストア、Google Play、Microsoft Storeで提供されている。

Creative Cloud Expressの一般的な考え方は、プロではない人に自分のビジョンに命を吹き込むために必要なツールを提供することだ。AdobeのAshley Still(アシュリー・スティル)氏が指摘したように、同社は近年、プロではないユーザーを増やしてきた。しかし、これらのユーザーの多くは、最初はCreative Cloudのフルアプリの精度とコントロールが欲しいと考えるかもしれないが、実際には同じタスクを迅速かつ簡単に実行できる方法を求めていることが多い。

「Creative Cloud Expressで行っていることは、幅広いウェブアプリやモバイルアプリ、そしてPhotoshopや画像、動画などのCreative Cloudのコアテクノロジーから得られた知見を、Creative Cloud Expressという統一されたサービスに集約することです。これは、プロセスではなく結果を重視する人たちのためのものです。彼らは真っ白なページからではなく、1億7500万ものAdobe Stockライブラリから画像を選んで始めたいのです。フォントを作成するのではなく、Adobe Fontライブラリにある2万種類のすばらしいフォントにアクセスするのです。チラシを作るために複数のアプリを使い、そして印刷できるようPDFを作成したりはしたくありません。1つの場所ですべての作業ができるようにしたいのです」。

画像クレジット:Adobe

実際には、膨大な数のテンプレートにアクセスできるようになるだけでなく、画像から背景を削除したり、Photoshopスタイルのフィルターやエフェクトを適用したりするツールも利用可能だ。また、Creative Cloud Librariesとの統合により、同僚が作成したPhotoshopやIllustratorの作品を、Creative Cloud Expressアプリで再利用することもできる。

また、動画をGIFに変換したり、文書をPDFに変換したりするツールもある。ここで興味深いのは、Adobe Stockの統合だ。Adobe Stockには無料プランはないが、Creative Cloud Expressの無料版に(いくつかの制限付きで)統合されている。無料プランのユーザーは、約100万点の画像やその他のアセットにアクセスできる。プレミアムプランのユーザーは、1億7500万点のAdobe Stockの写真、2万点のフォント、Photoshop ExpressとPremiere Rushへのアクセスが可能になる。

「Creative Cloud Expressでは、『Less is more(少ない方が豊か)』です」とスティル氏は話す。「Photoshopですべてのことができる必要はありません。例えば、ニューラルフィルターは必要ではなくても、背景の削除や画像の簡単な編集など、いくつかの簡単なことができなければなりません。Acrobatでは、PDFをパスワードで保護する必要はなく、PDFを作成したり編集したりすることができれば十分です。シンプルさの多くは、人々が達成しなければならない最も重要なことは何かということを、私たち自身が編集することで実現しています。彼らの意図は何なのでしょう?」。

Creative Cloud Expressは、ソーシャルグラフィックスや短編動画、ウェブサイトを構築するツールであるSparkを少しだけ進化させたようなもののように感じるかもしれない。Adobeはそうは言わないだろうが、もしSparkが強化されたものとあなたが考えるなら、それは大きな間違いではないと筆者は思う。なぜなら、Creative Cloud Expressは、ユーザーインターフェイスのデザインや全体的な哲学の多くを共有しているからだ。実際、発売前にadobe.com/expressにアクセスすると、Sparkのホームページにリダイレクトされていた。

しかし、スティル氏が述べたように、同社はこれをSpark、Photoshop Express、Premiere Rushなどのアプリの代替とは考えていない。これらのアプリはすべて、Adobeのコア機能やAIツールをより利用しやすくするためのものでもある。

また、Creative Cloud Expressの対象ユーザーはもう少し広い。Adobeは、Creative Cloud Expressを、学生から中小企業の経営者まで、誰もが気軽に利用できるコンテンツ制作ツールにしたいと考えている。

AdobeのCreative Cloud部門の最高製品責任者で執行副社長のScott Belsky(スコット・ベルスキー)氏は「誰もが伝えたいストーリーを持っており、誰もが自分のアイデアを表現できるようにすることが我々の使命です。何百万人もの人々が個人やプロフェッショナルのブランドを構築しているこのユニークな時代に、Creative Cloud Expressを発表できることをうれしく思います。創造、コラボレーション、共有のプロセスを統一するシンプルなテンプレートベースのツールで、誰もが簡単に作成できるようになります」。

画像クレジット:Adobe

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Nariko Mizoguchi

アドビ、同社コアアプリの機能やAIツールをそれぞれ必要十分なだけ利用する新ツール「Creative Cloud Express」を発表

Adobe(アドビ)は米国時間12月13日、Creative Cloud Expressの提供を開始した。これは、広範をカバーするCreative Cloud SuiteとAcrobat PDFツールの優れた機能を1つに統合したモバイルとウェブの新アプリで、ソーシャルメディアへの投稿からプロモーション用のポスターや動画まで、あらゆるものをすばやく作成することができる。

Creative Cloud Expressは、テンプレートファーストのアプローチを採用し、ストック画像やその他のアセットへのアクセスが組み込まれているため、個々のCreative Cloudアプリよりもはるかに利用しやすいものとなっている。このアプリには、無料版と、より複雑なテンプレートのライブラリや機能を追加した月額9.99ドル(約1130円)の有料版が用意されている。この新しいアプリへのアクセスは、AdobeのCreative Cloud All Appsとフラッグシップのシングルアプリプランにも含まれる。

画像クレジット:Adobe

ウェブアプリの他に、無料のアプリがAppleのアプリストア、Google Play、Microsoft Storeで提供されている。

Creative Cloud Expressの一般的な考え方は、プロではない人に自分のビジョンに命を吹き込むために必要なツールを提供することだ。AdobeのAshley Still(アシュリー・スティル)氏が指摘したように、同社は近年、プロではないユーザーを増やしてきた。しかし、これらのユーザーの多くは、最初はCreative Cloudのフルアプリの精度とコントロールが欲しいと考えるかもしれないが、実際には同じタスクを迅速かつ簡単に実行できる方法を求めていることが多い。

「Creative Cloud Expressで行っていることは、幅広いウェブアプリやモバイルアプリ、そしてPhotoshopや画像、動画などのCreative Cloudのコアテクノロジーから得られた知見を、Creative Cloud Expressという統一されたサービスに集約することです。これは、プロセスではなく結果を重視する人たちのためのものです。彼らは真っ白なページからではなく、1億7500万ものAdobe Stockライブラリから画像を選んで始めたいのです。フォントを作成するのではなく、Adobe Fontライブラリにある2万種類のすばらしいフォントにアクセスするのです。チラシを作るために複数のアプリを使い、そして印刷できるようPDFを作成したりはしたくありません。1つの場所ですべての作業ができるようにしたいのです」。

画像クレジット:Adobe

実際には、膨大な数のテンプレートにアクセスできるようになるだけでなく、画像から背景を削除したり、Photoshopスタイルのフィルターやエフェクトを適用したりするツールも利用可能だ。また、Creative Cloud Librariesとの統合により、同僚が作成したPhotoshopやIllustratorの作品を、Creative Cloud Expressアプリで再利用することもできる。

また、動画をGIFに変換したり、文書をPDFに変換したりするツールもある。ここで興味深いのは、Adobe Stockの統合だ。Adobe Stockには無料プランはないが、Creative Cloud Expressの無料版に(いくつかの制限付きで)統合されている。無料プランのユーザーは、約100万点の画像やその他のアセットにアクセスできる。プレミアムプランのユーザーは、1億7500万点のAdobe Stockの写真、2万点のフォント、Photoshop ExpressとPremiere Rushへのアクセスが可能になる。

「Creative Cloud Expressでは、『Less is more(少ない方が豊か)』です」とスティル氏は話す。「Photoshopですべてのことができる必要はありません。例えば、ニューラルフィルターは必要ではなくても、背景の削除や画像の簡単な編集など、いくつかの簡単なことができなければなりません。Acrobatでは、PDFをパスワードで保護する必要はなく、PDFを作成したり編集したりすることができれば十分です。シンプルさの多くは、人々が達成しなければならない最も重要なことは何かということを、私たち自身が編集することで実現しています。彼らの意図は何なのでしょう?」。

Creative Cloud Expressは、ソーシャルグラフィックスや短編動画、ウェブサイトを構築するツールであるSparkを少しだけ進化させたようなもののように感じるかもしれない。Adobeはそうは言わないだろうが、もしSparkが強化されたものとあなたが考えるなら、それは大きな間違いではないと筆者は思う。なぜなら、Creative Cloud Expressは、ユーザーインターフェイスのデザインや全体的な哲学の多くを共有しているからだ。実際、発売前にadobe.com/expressにアクセスすると、Sparkのホームページにリダイレクトされていた。

しかし、スティル氏が述べたように、同社はこれをSpark、Photoshop Express、Premiere Rushなどのアプリの代替とは考えていない。これらのアプリはすべて、Adobeのコア機能やAIツールをより利用しやすくするためのものでもある。

また、Creative Cloud Expressの対象ユーザーはもう少し広い。Adobeは、Creative Cloud Expressを、学生から中小企業の経営者まで、誰もが気軽に利用できるコンテンツ制作ツールにしたいと考えている。

AdobeのCreative Cloud部門の最高製品責任者で執行副社長のScott Belsky(スコット・ベルスキー)氏は「誰もが伝えたいストーリーを持っており、誰もが自分のアイデアを表現できるようにすることが我々の使命です。何百万人もの人々が個人やプロフェッショナルのブランドを構築しているこのユニークな時代に、Creative Cloud Expressを発表できることをうれしく思います。創造、コラボレーション、共有のプロセスを統一するシンプルなテンプレートベースのツールで、誰もが簡単に作成できるようになります」。

画像クレジット:Adobe

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Nariko Mizoguchi

Twilioが次世代アプリ開発を支援する約57億円のファンドを設立

Twilio(トゥイリオ)は開発者と直接仕事をする企業であり、Twilioを利用して企業を設立する開発者を支援する社内投資部門を持つことは非常に理に適っている。通信API企業であるTwilioは米国時間12月8日、同社を利用している企業や、革新的なアイデアに取り組んでいる企業への投資を目的とした5000万ドル(約57億円)のファンド、Twilio Venturesの設立を発表した。

この新しい投資部門の責任者である経営企画担当上級副社長Bryan Vaniman(ブライアン・ヴァニマン)氏は、ファンドを設立して投資を開始するというミッションを持って、3月にAdobe(アドビ)から移ってきた。多くの企業のように資金調達の仕組みを持つことは、アプリケーションをより早く構築するためのツールを開発者に提供するというTwilioのミッションの自然な延長線上にあるものだとヴァニマン氏は話す。

「このファンドは、次世代のカスタマーエンゲージメントアプリケーションを構築する開発者やスタートアップを支援するためのものです。当初から開発者を第一に考えていた当社にとって、これは自然な流れだと思います」と述べた。

同社は2020年、32億ドル(約3640億円)を投じてSegment(セグメント)を買収したが、Twilio Venturesが出資する企業を探す際には、顧客エクスペリエンスが大きな焦点となっている。

「何よりもまず、開発者と顧客エンゲージメントアプリケーションのための次世代機能を構築しているエキサイティングな企業を支援することで、そのエコシステム内での当社のリーチと影響力を拡大する機会だと考えています」とヴァニマン氏は話した。

同氏によると、Twilio Venturesは多くの場合、シリーズAラウンドに投資するが、企業との相性が良ければそれ以降、またはそれ以前にも投資する。通常、出資額は100万ドルから300万ドル(約1億1000万〜3億4000万円)の範囲となる。

画像クレジット:Twilio

予想通り、Twilio VenturesはすでにTwilioと共通点の多い企業数社に投資している。「当社が行なったいくつかの投資をみると、Algolia(アルゴリア)は我々と非常によく似た開発者の精神を共有する企業の好例です。Algoliaは、開発者がすばらしい検索推薦体験を構築できるようなAPIを開発しました」とヴァニマン氏は述べた。

これらの企業への正確な投資額は明かさないが、セカンダリーの戦略的投資家だと同氏は話す。これらの企業に対しては、社内リソースへのアクセスを提供したり、営業やマーケティングを支援したりするなど、有用なパートナーとしての役割を果たすことを計画しているが、ほとんどの場合、取締役会に役員を送らない。

投資先の企業を買収することも考えられるが、それはこのファンドの主要な目的ではない。「それは、どちらかというと副次的な利益でしょう。このプログラムの本義ではなく、投資をして企業に近づき、関係を築くことで、将来的にはより深い関係につながる可能性があるというメリットがありますが、それが主な目的ではありません」と述べた。

Salesforce(セールスフォース)、Zoom(ズーム)、Hubspot(ハブスポット)、Workday(ワークデイ)、Okta(オクタ)など他のSaaS企業も投資部門の設立という同様のアプローチを取っている。

画像クレジット:Robert Alexander/Getty Images / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

アプリストアの2021年消費者支出は過去最高約15兆円、新規インストールは1436億回を記録

アプリエコノミーは、2021年に再び新しい記録を打ち立てようとしている。米国時間12月7日に発表された、Sensor Towerによる2021年のグローバルアプリエコシステムのレビューによると、アプリの初回インストール回数は2021年、1436億回に達し、前年比0.5%増となったが、アプリでの消費者支出は同19.7%増の1330億ドル(約15兆円)と大幅に増加した。この数字には、Apple App StoreとGoogle Playにおけるアプリ内購入、プレミアムアプリ、サブスクリプションでの支出が含まれるが、中国にあるようなサードパーティのアプリストアは含まれない。

画像クレジット:Sensor Tower

この成長率は、消費者支出が21%急増して1111億ドル(約12兆6400億円)に達した2020年とほぼ同じだとSensor Towerは指摘する。

もちろん2020年には新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の直接の影響を受けて消費者は自宅で仕事をしたり、オンラインで買い物をしたり、友人とバーチャルにつながったり、より多くの娯楽コンテンツをストリーミングしたり、オンラインで授業を受けたりと、さまざまな行動上の変化を余儀なくされたためだ。こうした変化は、2020年には消費者のアプリ利用と支出の面で現れた。パンデミックがモバイルアプリの世界に影響を与えたこともあり、世界のアプリ収入は2020年上半期に500億ドル(約5兆6900億円)にまで急増したと、当時TechCrunchは報じた。

画像クレジット:Sensor Tower

こうしたパンデミックに起因する個人消費の変化は、2020年の新型コロナによる政府のロックダウンを超えて、2021年のモバイルトレンドに影響を与え続けるだろうというシグナルが早くからあった。例えば米国では、iPhoneアプリでの消費者支出は、2020年の平均136ドル(約1万5500円)から2021年には平均180ドル(約2万500円)に達する見込みだと、Sensor Towerは指摘していた。しかし、最終的には165ドル(約1万8800円)にとどまったとのことだ。また、2021年上半期の消費者支出はすでに新記録を達成し、世界全体では649億ドル(約7兆3900億円)に達した。

Sensor Towerが発表したところによると、世界全体で1330億ドルという記録的な支出の内訳は、App Storeでの支出が851億ドル(約9兆6900億円)で、2020年の723億ドル(約8兆2300億円)に比べて前年比17.7%増となった。また、Google Playの消費者支出は479億ドル(約5兆4500億円)で、2020年の388億ドル(約4兆4200億円)から23.5%増加している。App Storeの売上高はGoogle Playの約1.8倍と引き続き上回り、これは例年通りだ。

ゲーム以外では、2021年に世界で売上最多だったアプリは、中国版Douyinを含むTikTokだった。ByteDanceの短編動画アプリの各バージョンを合わせると、2021年は11月までに20億ドル(約2280億円)の売上高を突破し、年末までに23億ドル(約2620億円)に達する見込みだ。これにより、累計売上高は38億ドル(約4330億円)に達する。

同アプリは、App Storeのグローバルの支出額でもトップだったが、Google Playでは、TikTokは消費者支出額で第4位にとどまった。Googleの自社サービスであるGoogle Oneが第1位だった。年末までにGoogle Oneの消費者支出は10億ドル(約1140億円)に達し、2020年の4億4850万ドル(約510億円)から123%増だ。

画像クレジット:Sensor Tower

一方、世界のアプリのダウンロード数は伸び悩み始めている。全体としては、2020年の1429億回から1436億回へと0.5%増えているが、これは主にGoogle PlayでのAndroidアプリのダウンロードの伸びによるものだ。Google Playでのインストール数は、2020年の1085億回から2.6%増の1113億回に達した。

しかし、AppleのApp Storeでは、新規アプリインストール数が減少した。2021年のダウンロード数は、2020年の344億回から323億回へと6.1%減少するとSensor Towerは予想している。

TikTokのインストール数は、2020年の9億8070万回から減少したものの、世界全体で7億4590万回となり、引き続き最もダウンロードされたアプリだった(Appleは先日、iPhoneの無料アプリチャートで、TikTokが米国で年間トップのダウンロード数を記録したことを明らかにした)。Google Playでは、Facebookが5億90万回でトップとなり、Androidが普及している多くの新興市場で、同アプリが人気を博していることを示している。しかし、2つのアプリストア合計で2021年のFacebookのインストール数は6億2490万回で、2020年の7億780万回に比べて12%減となる見込みだ。

関連記事:アップルが2021年の米App Store Award受賞者と年間最もダウンロードされたアプリを発表

画像クレジット:Sensor Tower

モバイルゲームは、例年通り世界のアプリ売上高の中で大きなシェアを占めている。2021年のモバイルゲームへの支出は、App StoreとGoogle Playを合わせて896億ドル(約10兆2000億円)に達し、2020年の796億ドル(約9兆620億円)から12.6%増となる見込みだ。

しかし継続的な流れとして、パイ全体に占めるゲームの割合は縮小している。2019年には、アプリ全体の支出のうちゲームが74.1%を占めていたが、2020年には71.7%に低下した。2021年は再び低下し、アプリ内支出全体の67.4%にとどまっている。この変化は、ゲーム以外のサブスクリプションベースのアプリの増加によるもので、2021年は特にパンデミックから経済的恩恵を受けたストリーミングやエンターテインメントアプリの成長が顕著だ。

画像クレジット:Sensor Tower

App Storeでは、ゲームの2021年の消費者支出は523億ドル(約5兆9540億円)で、2020年から9.9%増だ。iOSにおけるゲームマーケットを牽引するのは、Tencentの「Honor of Kings(王者栄耀)」で、2020年の25億ドル(約2850億円)から16%増の29億ドル(約3300億円)だった。

Google Playでは、最高の売上を記録したのはやはりMoon Activeの「Coin Master」で、前年比13%増の約9億1200万ドル(約1040億円)に達した。全体として、Google Playでのゲーム支出はグローバルで2020年の320億ドル(約3兆6400億円)から16.6%増の373億ドル(約4兆2480億円)となる。

画像クレジット:Sensor Tower

ゲームのインストール数は、他のモバイルアプリのインストール数と同様に、App Storeでは前年比で減少し、2020年の101億回から2021年は86億回に減った。中国版「Game of Peace」を含む「PUBG Mobile」は、最多のダウンロード数(4750万回)を獲得した。Google Playでは、ゲームのインストール数は、2020年の461億回から2021年は467億回へと1.3%増加し、Garena Free Fireがダウンロード数最多となった(2億1880万回)。

2021年のトレンドは、2020年に異常なほどの盛り上がりを見せた後、ある程度、少し正常化した。しかし、例えば、消費者支出のうちゲームが占める割合が減少していることや、ダウンロード数ではAndroidがiOSを上回っているが売上高ではそうではないことなど、その他の傾向は変わっていない。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

Snapがより高度なAR体験を可能にするクリエーター向け新機能やツールを発表、年次イベント「Lens Fest」で

Snap(スナップ)のクリエイターたちが、新しいAR(拡張現実)ハードウェア「Spectacles(スペクタクル)」を使って実験を始める中、同社はAR制作ソフトウェア「Lens Studio(レンズスタジオ)」の機能をより深く掘り下げ、より一体感があり、よりリアルで、より未来的なARフィルターを作成できるようにした。Snapは年次イベント「Lens Fest(レンズフェスト)」で、同社の「Lense(レンズ)」作成ソフトウェアに導入される多くの新機能を発表している。これらの変更点には、外部のメディアやデータを統合する取り組みから、未来的なメガネを念頭に置いて設計された、よりARに特化した機能まで、多岐にわたっている。

メディア面については、Snapは新しいサウンドライブラリを用意し、同社がライセンスを取得した数百万曲の楽曲やオーディオクリップを、クリエーターが自分で作成したレンズに直接追加することができるようにした。また、AccuWeather(アキュウェザー)の天気情報やFTXの暗号資産価格など、他の情報ソースから取得した常に変化する情報を、APIライブラリを通じてリアルタイムでレンズに取りこむことも可能になる。大規模な機能アップデートの1つとしては、ユーザーがレンズ内にリンクを埋め込み、閲覧者を特定のウェブページに誘導することもできるようになった。

画像クレジット:Snap

自分の顔をおかしな動物に変えたりするSnapの自撮り用フィルターは、以前から拡張現実を視野に入れていた同社にとって、依然として大きな成長機会となっている。Snapによれば、現在25万人以上のクリエーターが250万個以上のレンズを作成しており、これらのレンズは合計で3兆5000億回以上もユーザーに閲覧されているという。Snapは「Ghost」と呼ばれる社内の「ARイノベーションラボ」を設けており、可能性の限界を超えようとしているレンズデザイナーをサポートし、個々のプロジェクトに最大15万ドル(約1700万円)の助成金を提供している。

また、同社はレンズをより優れたものにしようとするのと同時に、技術的にもより能力が高いものにしようとしている。

新しいデータタイプを統合するだけでなく、Snapは基盤となるAR技術にも目を向け、低価格帯の携帯電話を使用するユーザーにも楽しめるレンズを提供できるようにした。同社のWorld Mesh(ワールドメッシュ)機能は、レンズにARを活用し、より現実的なジオメトリデータを統合することで、レンズ内でより現実感のあるデジタルオブジェクトを体験することができるというものだ。Snapは、これまでハイエンドなスマートフォンでしか実現できなかったこの機能を、よりベーシックなデバイスでも可能にした。

画像クレジット:Snap

同様にSnapは、デジタルオブジェクトをよりリアルに反応させるためのツールも展開しており、現実世界とより深く相互作用するだけでなく、重力や衝突といった物理的な力にも対応し、よりダイナミックなレンズを可能にするレンズ内物理エンジンを導入した。

Snapはモバイル向けにより高度なレンズ作成ツールの開発に取り組んでいるが、それと同時に、開発者が新しいSpectaclesで、ハンズフリーのメガネ体験をデザインする際に必要となるツールをサポートすることも、将来的には目指している。クリエイターたちは、何カ月もかけてこの新しいハードウェアを使った体験を作成しているが、Snapはこの懸念に対処し、新たな機会を生み出すために、新しいレンズ機能の開発に取り組んでいる。

画像クレジット:Snap

結局のところ、Snapのメガネはまだ明らかに開発者モードであり、同社は統合されたAR機能を備えた製品を消費者向けにいつ出荷するかというタイムラインを提示していないため、理論的にはバックグラウンドで開発する時間が十分にあるとも言える。

Snapが静かに構築してきたツールの中には、Connected Lenses(コネクテッドレンズ)というものもある。これはレンズ内で共有体験を可能にするもので、複数のユーザーがSpectaclesを着用して同じコンテンツに接することができる。

開発者向けの段階では、Spectaclesのバッテリー寿命は最長のものではない。つまり、Snapは、Spectaclesが必要なときに必要なだけ作動し、持続的に動作しないように工夫する必要があった。新たに導入されたEndurance(エンデュランス)モードでは、レンズが予め設定されたGPS位置に到達するなどの特定のトリガーを待っている間、ディスプレイをオフにしてバックグラウンドで実行し続けることができるようになった。

画像クレジット:Snap

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

クリエイターのコミュニティ形成を支援するPlayground、ベータ版の展開を開始

米国時間12月2日よりベータ版の展開が始まったPlayground(プレイグラウンド)は、人々がコミュニティを発見し、発展させることを支援するとともに、クリエイターには視聴者の収益化を可能にさせることを目指すソーシャルプラットフォームだ。すでにそのウェブサイトでは、Museum of Modern Art(近代美術館)や、コメディ司会者のAlexis Gay(アレクシス・ゲイ)氏、Aboritionist Teaching Network(アボリショニスト・ティーチング・ネットワーク)、活動家のNupol Kiazolu(ヌポル・キアゾル)氏、マレーシアのバーチャルダンスクラブなど、さまざまなユーザーが名を連ねている。現在のところ、ベータ版はカルチャー分野(アート、音楽、ウェルネス、ゲームなど)の一部のクリエイターにのみ公開されており、コミュニティメンバーに関してはウェイティングリストが用意されている。

台湾系米国人の娘という移民として、文化的に多様性のあるサンタフェ地域で育った創業者のJia Ling Yang(ジアリン・ヤン)氏は、人々を結びつけることの価値を理解している。しかし、フリーランスのクリエイティブディレクターとして、Facebook(フェイスブック)、Google Play(グーグル・プレイ)、E! Entertainment(E!エンタテインメント)などのブランドと仕事をしているうちに、彼女は新しい方法でオンラインコミュニティの構築に貢献したいと思うようになった。もちろん、ソーシャルメディアでは、地域における本の交換グループから、One Direction(ワン・ダイレクション)の熱狂的ファンによるTwitter(ツイッター)まで、すでにさまざまなコミュニティが生まれている。しかし、オンライン生活では孤立してしまうこともある。

「スクロールしてお互いの生活を見るのではなく、一緒にバタバタしようよと言っているのです。一緒にフィリピン料理を作ったり、一緒にトレーニングしたりしましょう」と、ヤン氏は語る。

画像クレジット:Playground

現在のところ、Playgroundではユーザーが文化機関やクリエイターと一緒に参加できるイベントを、オンラインと対面の両方で見つけられるようになっている。最終的には、ヤン氏はPlaygroundを、クリエイターがビジネスを運営できるオールインワン&エンド・ツー・エンドのプラットフォームにしたいと考えている。つまり、クリエイターはPlaygroundを利用して、ファンのサブスクリプション管理、ニュースレターの送信、イベントや記事やポッドキャストの投稿、分析結果の閲覧、物販などが可能になるということだ。ヤン氏と9人のチームは現在、コミュニティのメンバー同士が互いにつながることを手助けするソーシャルツールを開発中だ。

「私たちは、メンバー間で議論するためのフォーラムを作りたいと考えています」と、ヤン氏はTechCrunchに語った。「単にコンテンツを押し付けるだけのオーディエンスと、コミュニティとの違いは、メンバーが主催者の外で実際に交流できるかどうかということです」。

クリエイターにとって、1つのアカウントで管理できるオールインワンのプラットフォームは価値がある。Discord(ディスコード)、Patreon(パトレオン)、Eventbrite(イベントブライト)、Mailchimp(メールチンプ)など複数のアカウントを使い分けるよりも楽だからだ。しかし、ビジネスの全体像をスタートアップ企業に委ねることには、それなりのリスクもともなう。だが、Playgroundでは、クリエイターがサブスクリプション会員のリストとその連絡先を完全にコントロールできるため、ファンへのアプローチに関して、Playgroundのプラットフォームに依存することはない。

「自分のコミュニティを自分のものにできないことは、本当にフラストレーションが溜まります」と、ヤン氏はいう。「例えば、Clubhouse(クラブハウス)などでファンを獲得した後、そのプラットフォームがなくなってしまったらどうでしょう? そうなると、あなたのファンは、Instagram(インスタグラム)のDMであなたにメッセージを送ってきた人だけになってしまいます」。

クリエイターはPlaygroundのプラットフォームを無料で利用できるが、有料チケットや会員プログラムなどのマネタイズ機能を利用するには、希望するカスタマイズのレベルに応じて、月額15ドル(約1700円)または30ドル(約3400円)を支払う必要がある。

画像クレジット:Playground

ヤン氏は、Web3がPlaygroundの将来にどのように関わってくるかについても考えている。彼女の会社は設立以来、Animoca(アニモカ)、SoGal(ソーギャル)、Gaingels(ゲインジェルズ)、Anomaly(アノマリー)から230万ドル(約2億6000万円)のシード資金を調達している。出資している企業の1社であるAnimocaは、ブロックチェーンベースのプロジェクトに投資していることで知られているが、Playgroundがターゲットとしている文化系クリエイターの間では、暗号資産に対する反感も目立つ。NFT(非代替性トークン)の可能性を歓迎するアーティストがいる一方で、環境コストや規制のない市場で詐欺の蔓延を心配するアーティストもいる。しかしヤン氏は、暗号資産の世界にはコミュニケーションの問題があると考えている。

「この世界では文化が語られていません」と、彼女はTechCrunchに語った。「文化的なクリエイターは、自分で自分のアートを所有し、コミュニティを収益化し、コミュニティの統治方法を自分で決めることができる、そんなコンセプトを好みます。これらはすべて、クリエイターが本当に夢中になれる原則であり、私たちはその会話を、少しだけ橋渡ししているだけだと感じています」。

ヤン氏は、ブロックチェーンを利用したPlaygroundの将来性に興味を持っているものの、今はベータ版のローンチ後、クリエイターやコミュニティメンバーを育成することに注力している。

画像クレジット:Playground

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

乗客とドライバーが安心感が得られるようにUberが乗車中の音声録音などの安全機能を米国で導入

Uber(ウーバー)は、アプリにいくつかの新しい安全機能を追加する。乗客にシートベルト着用を促す音声リマインダー、乗客またはドライバーが乗車中に音声を録音できる機能、予期せぬルート変更や最終目的地前での停車を検知する機能などだ。今回のアップデートは、乗客とドライバーの双方がより安心感を得られるようにするためのものとのことだ。

Uberの道路安全公共政策マネージャーであるKristin Smith(クリスティン・スミス)氏は、TechCrunchに次のように話した。「多くの人が、特に短い乗車では後部座席でいつもシートベルトを締めていないことを認めており、それはドライバーにとって不快な状況を作り出す可能性があります。音声による注意喚起を行うことで、すべての座席で毎回シートベルトを着用する必要があるというメッセージを強化できると考えています。この機能は、過去数年にわたって実施してきたシートベルト着用啓発キャンペーンに基づいています。当社は、GHSA(州知事高速道路安全協会)と提携して 『Make It Click』キャンペーンを実施し、乗客やドライバーにシートベルト着用の重要性を啓発してきました」。

同社の広報担当によると、シートベルト機能は12月末から一部のユーザーに提供され、2022年初めには全国拡大される予定だ。また、この音声による警告のきっかけは、違反切符の支払い責任を負うドライバーからのフィードバックだという。運転開始時にドライバーの携帯電話からシートベルト着用を促す音声が流れるとともに、乗客の携帯電話にはプッシュ通知が送られる。

音声録音機能は中南米で約2年前から展開されているもので、米国では来週からカンザスシティ、ルイビル、ローリー・ダーラムで試験的に導入される。ドライバーと乗客は、地図画面上の盾のアイコンをタップし「Record Audio」を選んで音声録音を選択することができる。ドライバーがこの機能を選択した場合、乗客は移動開始前にアプリ内で通知を受け取る。

同社によると、音声ファイルは暗号化されて乗客またはドライバーのデバイスに保存され、Uberを含め、誰も録音を聞くことはできない。ユーザーがUberに安全報告書を提出する際には、その報告書に音声ファイルを添付することができ、訓練を受けたUberの安全担当者が、何が起こったのか、次に何をすべきかを判断するための証拠として、録音を復号して確認する。

最後に、Uberは12月2日からRideCheckを全米で強化する。RideCheckは、同社が2019年に追加した機能で、ドライバーのスマートフォンのGPSデータとセンサーを使って、旅行中に起こりうる衝突や異常に長い停車を検知するものだ。現在、RideCheckは、最終目的地に着く前に移動が予期せず終了した場合や、ドライバーがコースを外れた場合を検知するようにもなっている。

システムが問題の可能性を検出すると、乗客とドライバーの両方にRideCheckの通知が届き、アプリを通じて問題がないことをUberに知らせたり、緊急ボタンを押したり、問題を報告するなどの対応を促す。

この夏、カリフォルニア州のいくつかの法律事務所が数十人の原告女性に代わって、米国の複数の州でドライバーによる性的暴行を受けたとしてUberを提訴した。Bloomberg Lawによると、UberLyft(リフト)の両社は、長年にわたりドライバーによる乗客への暴行の訴えに直面してきたが、両社は一貫して責任を否定してきたため、これらの訴訟は任意解雇または和解に終わっている。

関連記事:Uberが昨年の性的暴力事例2936件を公表

前述のカリフォルニア州で訴訟を起こした法律事務所によると、Uberに対する新たな訴えの多くは過失に基づくもので、Uberがドライバーによる性的暴行の危険性を認識していたにもかかわらず、合理的な防止策を講じていなかったと主張している。一部の法律事務所は、Uberはカリフォルニア州の法律で輸送会社として分類されているため、乗客に対しなおさら注意義務を負っているとして「一般運輸事業者」の過失を主張している。また、Uberの製品である乗客とドライバーをつなぐアプリベースのプラットフォームが乗客の安全を確保できていないとして、製造物責任を主張しているケースもある。

今回の新しい安全機能、特に音声記録とRideCheckの更新は、訴訟の真っ只中にある配車サービス大手のUberが、自らの基盤を守るために行ったものかもしれない。Uberは、自社に対するクレームについてはコメントせず、代わりに、音声録音機能は2019年から中南米の14カ国に存在しており、リオデジャネイロで調査した乗客とドライバーの70%が、この機能のおかげでUberを利用する際に安全だと感じたと回答したことを指摘している。

また、2019年には、Uberは安全透明性に関する報告書を発表し、その中で2017年と2018年に同社のプラットフォーム上で約6000件の性的暴行の報告を受けていたことを明らかにし、炎上した。この報告書は、カリフォルニア公益事業委員会(CPUC)の調査につながり、後にCPUCは、ドライバーや性的暴行を受けた乗客に関するデータの引き渡しを拒否したとして、Uberに15万ドル(約1700万円)の罰金を科した(Uberはまた、カリフォルニア州における身体的・性的暴力への対応に使われる900万ドル=約10億円=をCPUCに支払うことにも合意した)。CPUCが特に求めていたのは、暴行の日時と場所を含む事件の詳細で、これはUberのGPS機能や、乗車時間の短縮に関する報告といったこれらの新しい安全機能が提供できる可能性のある情報だ。

Uberの広報担当者はTechCrunchに対し、RideCheckの機能強化を促したものは特にないと述べている。

「技術的な準備が整い、乗客が戻ってきているため、機能を追加する状況になっただけです」と話した。

画像クレジット:Uber

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

アップルが2021年のApp Store Award受賞者と年間最もダウンロードされたアプリを発表

Apple(アップル)は米国時間12月2日、iPhone、iPad、Mac、Apple TV、Apple Watchの各分野において、楽しみにされていた年間で最も優れたアプリとゲームを紹介するリストを発表した。2021年は、子ども向けアプリメーカーのToca Bocaが「Toca Life:World」でベストiPhone Appを受賞した他、Riot Gamesの「リーグ・オブ・レジェンド:ワイルドリフト」がベストiPhoneゲームを受賞した。

その他、ベストiPad AppをLumaTouchの「LumaFusion」、ベストiPad ゲームをNetmarbleの「MARVELフューチャーレボリューション」、ベストMac AppをLuki Labs Limitedの「Craft – ドキュメントとメモエディタ」、ベストMacゲームをCyanの「Myst」、ベストApple TV AppをDAZN Groupの「DAZNスポーツをライブ中継」、ベストApple TVゲームをPixelbiteの「Space Marshals 3」、ベストApple Watch AppをGrailrの「Carrot Weather」、そしてベストApple ArcadeゲームをMistwalkerの「FANTASIAN」が受賞した。

通常、受賞作品は、App Storeに登場して間もない作品や、Appleのテクノロジーを興味深い形で活用した作品、あるいはその年に特に注目を集めた作品などが対象となることが多い。例えば、2020年の受賞作品は、パンデミックの影響がアプリの業界にも反映しており、iPhoneではホームワークアウトアプリ「Wakeout! – 運動療法」、iPadでは「ZOOM Cloud Meetings」が受賞した。

しかし、2021年のベストiPhone Appに選ばれた「Toca Life:World」は、別の理由で興味深い作品だ。このアプリのメーカーであるToca Bocaは、2021年の3月で10周年を迎えたことを祝っていた。最初のアプリをリリースして以来、同社は40以上の子ども向けアプリをリリースしてきた(Toca Bocaではデジタルトイと呼んでいる)。「Toca Life:World 」は、これまでの「Toca Life 」アプリを1つにまとめた集大成とも言える作品だ。

Appleは、この賞を受賞したToca Bocaについて「10年経った今でも、子どもたちの遊びと自己表現の芸術を見事に反復している」と賞賛している。

今回の受賞は、App Storeへの反発や動揺が見られたこの年に、デベロッパーがApp Storeで長期的なビジネスを構築していること、そしてAppleはこのような賞の受賞を含め、その成功をサポートする役割を果たしていることをさりげなく示すものでもある。

また、ストリーミングサービスの「DAZNスポーツをライブ中継」がローカルのスポーツ文化を世界的に広めたことを紹介するなど、他の受賞者も称賛した。一方で、AppleはApple TVやiOSアプリ向けのSportsKitフレームワークを静かに構築しており、DAZNもいつか活用することができるかもしれない。

Appleはまた「Carrot Weather」が誇る最高峰の気象予報精度をアピールした。これは、Appleのデフォルトの天気予報アプリと競合するもので、Appleが所有する「Dark Sky Weather」のデータを使用している。Appleは「LumaFusion」のより速く、煩わしさなくビデオ編集ができるようになる能力を紹介し、ドキュメントエディタの「Craft – ドキュメントとメモエディタ」が「効率性と芸術性」を兼ね備えていることについてもアピールした。しかし、これらのアプリがApple製品(それぞれiMovieとiWorkのPages)と競合していることも無視できない。どちらかというと、このリストの多くは、サードパーティ製アプリの運命が、Appleのソフトウェア開発といかに密接に結びついているかを思い起こさせるものでもある。

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2020年は、App Storeにとって過渡期の年だった。規制当局の監視が強化され、世界各地で新たな法律が制定され、App Storeのコミッションベースのビジネスモデルをめぐるさまざまな訴訟に直面した(現在、控訴中のEpic Gamesとの訴訟を含む)。その結果、Appleは、市場の要求や和解合意に応じて、ポリシーを調整明確化し、場合により手数料の引き下げも行った。

このような変化にもかかわらず、アワード受賞者を含む多くのアプリの成功と品質は依然として高い水準にある。

また、Appleは年末の受賞者を発表するにあたり「つながり」を2021年のトレンドのトップに掲げ、このテーマを念頭に置いて人々の生活に長く続く影響を与えた数多くのアプリやゲームを称えた。このリストには、InnerSlothの協力・対戦型ゲーム「Among Us!」、デート・ネットワーキングアプリ「Bumble – 誠実なマッチングアプリ」(そのトップライバルである「Match 婚活・マジメな出会いマッチング アプリ」は、たまたまApp Storeの批評家として注目されている)、デザインリソース「Canva-インスタストーリー,年賀状デザイン作成や写真編集」、黒人経営のビジネスに焦点を当てた地元の食べ歩きガイド「EatOkra」、2021年から音声チャットルームを開始した女性向けソーシャルネットワーク「Peanut:Find Friends & Support」などが含まれている。

AppleのCEOであるTim Cook(ティム・クック)氏は、声明の中で「2021年にApp Store Awardsを受賞した開発者たちは、自らの意欲とビジョンを活かして、その年の最高のアプリやゲームを提供し、世界中の何百万人ものユーザーの創造性と情熱を刺激しました。独学で学んだインディーズのコーダーから、グローバルビジネスを構築する刺激的なリーダーまで、傑出したデベロッパーの方々はAppleのテクノロジーで革新を起こし、その多くが2021年必要とされた深い一体感の醸成に貢献しました」と述べている。

受賞者には、Apple製品の製造に使用されている100%リサイクルのアルミニウムに、App Storeの象徴である青いアイコンがはめ込まれ、反対側に受賞者の名前が刻まれた現物のApp Storeアワードが届くことになっている。

また、Appleは例年通り、その年に最もダウンロードされたアプリのリストも発表した。米国では、最もダウンロードされたアプリは以下のとおりだ。

トップ無料iPhoneアプリ

  • TikTok
  • YouTube:Watch, Listen, Stream
  • Instagram
  • Snapchat
  • Facebook
  • Messenger
  • Google Maps
  • Gmail – Email by Google
  • ZOOM Cloud Meetings
  • Amazon Shopping

トップ有料iPhoneアプリ

  • Procreate Pocket
  • HotSchedules
  • The Wonder Weeks
  • TouchRetouch
  • Facetune
  • Shadowrocket
  • 75 Hard
  • Dark Sky Weather
  • Autosleep Track Sleep on Watch
  • SkyView®

トップ無料iPhoneゲーム

  • Among Us!
  • Roblox
  • Project Makeover
  • Call of Duty®:Mobile
  • Subway Surfers
  • High Heels!
  • Magic Tiles 3:Piano Game
  • Water Sort Puzzle
  • Shortcut Run
  • Bridge Race

トップ有料iPhoneゲーム

  • Minecraft
  • Heads Up!
  • Bloons TD 6
  • Monopoly
  • Geometry Dash
  • My Child Lebensborn
  • Plague Inc.
  • True Skate
  • Grand Theft Auto:San Andreas
  • Incredibox

トップ無料iPadアプリ

  • YouTube
  • ZOOM Cloud Meetings
  • Disney+
  • Netflix
  • TikTok ティックトック
  • Google Chrome ウェブブラウザ
  • HBO Max:Stream TV & Movies
  • Hulu / フールー 人気ドラマや映画、アニメなどが見放題
  • Amazon Prime Video
  • Gmail – Google のメール

トップ有料iPadアプリ

  • Procreate
  • GoodNotes 5
  • Notability
  • Duet Display
  • Toca Kitchen 2
  • Toca Life:Hospital
  • LumaFusion
  • Shadowrocket
  • Affinity Designer
  • Toca Life:Vacation

トップ無料iPadゲーム

  • Among Us!
  • ROBLOX
  • Project Makeover
  • Phone Case DIY
  • Subway Surfers
  • Hair Challenge
  • 魔法のタイルズ3
  • タイルホップ:音楽ゲーム
  • Blob Runner 3D
  • Bridge Race

トップ有料iPadゲーム

  • Minecraft
  • Bloons TD 6
  • Geometry Dash
  • Monopoly
  • Five Nights at Freddy’s
  • Stardew Valley「スターデューバレー」
  • Plague Inc. -伝染病株式会社-
  • ヒューマン フォール フラット
  • Ultimate Custom Night
  • Grand Theft Auto:San Andreas

トップApple Arcadeゲーム

  • The Oregon Trail
  • NBA 2K21 Arcade Edition
  • 忍び足のサスクワッチ
  • ソニックレーシング
  • SpongeBob:Patty Pursuit
  • Skate City
  • パックマンパーティロワイヤル
  • Cut the Rope Remastered
  • Hot Lava :灼熱のホットラバ
  • Angry Birds Reloaded

画像クレジット:Apple

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(文:Sarah Perez、翻訳:Akihito Mizukoshi)

Reddit、タイピングやコメント表示などのリアルタイム新機能を導入

Reddit(レディット)は投票、コメント数のアニメーション、タイピングインジケーター、閲覧インジケーター、新規コメントインジケーターなど、いくつかの新しいリアルタイム機能を展開している。この新機能は、本日よりRedditのデスクトップ、iOS、Androidアプリで世界中に展開される。

Redditによると、今回のアップデートにより、投票は投稿やフィード上の固定された数字ではなくなり、リアルタイムで投票数の増減に応じたダイナミックなアニメーションで表示されるようになる。同様に、投稿のコメント数も、新しいコメントが投稿されるとアニメーションで表示されるようになる。

新しいタイピングインジケーターは、何人のユーザーがタイピングしているかを表示する。この表示は、コメントウィンドウに表示される匿名のアバター数によって示される。Redditは、タイピングしている人のユーザー名は表示されないとしている。この機能の目的は、ユーザーがより頻繁にコンテンツと交流するようにすることだ。閲覧インジケーターも同様の仕組みで、2人以上のユーザーが投稿を読んでいる場合に表示される。

また、投稿を閲覧しているときに、新しいコメントが投稿された場合、ユーザーはそれを見ることができるようになる。ユーザーが新規コメントインジケーターをクリックすると、コメントが新しい順に表示され、リアルタイムにライブコメントがハイライトされる。

「これらの機能は、Reddit全体のエンゲージメントを高めることを目的としています。これらの機能は、他のユーザーが同じコンテンツを見ていることを知れば、ユーザーはより貢献しやすくなるのではないか、という私たちの疑問に答えています。その答えはイエスでした。これらの機能により、より良いユーザー体験が生まれ、Redditはリッチメディアとリアルタイム機能を備えたプラットフォームになります」と同社は声明で述べている。

この新しいリアルタイム機能の開始は、Redditが最近多くの新しいビデオツールを導入したことに関連している。先週、Redditは、TikTok(ティックトック)のような短編動画プラットフォームDubsmash(ダブスマッシュ)を、2022年2月22日に停止することを発表した。同社は2020年12月にDubsmashを買収し、同社の動画作成ツールをRedditに統合するとしていた。統合の一環として、RedditはDubsmashチームが開発したいくつかの新しい動画作成ツールを導入した。

関連記事:Redditがショート動画のDubsmashを停止、動画ツールを自社アプリに統合

新しいカメラ機能は、録画速度の変更やタイマーの設定を含んでいる。また、ユーザーは、ランドスケープ、ポートレートモード、フィルで動画をアップロードできる他、複数のクリップの調整やトリミングも可能になった。同社は、テキストステッカー、ドローイングツール、フィルターを含む新しい編集画面も追加した。ユーザーは編集画面上で直接ナレーションを追加したり、音量を調整したりすることもできる。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

現実世界への影響とポジティブな変化に焦点を当てたソーシャルアプリ「Alms」

多くのスタートアップが、より良いソーシャルアプリとはどのようなものかを試行錯誤している。Alms(アルムス)というスタートアップの場合、その答えは、個人の成長や持続可能性など、ポジティブな影響を与えるクリエイター主導のチャレンジに参加することで、ユーザーのウェルビーイングに焦点を当てるソーシャルネットワークだ。他のソーシャルアプリのように「いいね!」を集めるのではなく、Almsはチャレンジと、それにともなう具体的なステップや行動を通じて、現実世界での活動を促すことを目指している。

Almsの創業者、Alexander Nevedovsky(アレクサンダー・ネヴェドフスキー)氏は、アプリを利用するとき、ユーザーがより幸せで有意義な人生を送れるようなものにすることを目指している。それは、現代のソーシャルプラットフォームでは約束できないことだ。

このプロジェクトは、2020年のパンデミック初期に始まったとネヴェドフスキー氏は話す。

「私たちの多くは、友人や家族にあまり会えず、家で落ち込んだり悲しんだりしていました。世界は、単なる瞑想や日記、気分のトラッキングを超えた何かを本当に必要としていると感じました。そうしたアプリやテクニックはどれもすばらしいものですが、現実の世界でやり取りしながら日々の生活を改善するためのものではありません」。

しかし、2020年リリースされたAlmsのオリジナルバージョンには、アプリを「粘着質なもの」にするための何かが欠けていた。ユーザーは、コンセプトが気に入って登録しても、ある時点で脱落し、アクティビティに参加しなくなってしまう。Almsは、ユーザーを自分の旅に結びつけるための何かが必要だと考え、現在ではよりソーシャルなコミュニティへと移行している。

画像クレジット Alms

まず、新デザインのAlmsアプリを起動すると、簡単なオンボーディングプロセスを経て「個人の成長」「持続可能性」「インパクト」という3つの主要なトピックエリアから興味のあるものを選択する。例えば「個人の成長」には、メンタルヘルス、ウェルネス、スピリチュアリティ、人間関係などが含まれている。「持続可能性」では、環境や自然に関連した関心事を取り上げる。そして「インパクト」には、アクティビズム、ボランティア活動、地域コミュニティなどが含まれる。

設定が完了したら、チャレンジを投稿しているクリエイターをフォローしたり、個々のチャレンジに参加することができる。それぞれのチャレンジには、完全にクリアするために必要な一連のステップが設定されている。例えば、在宅ワークのライフスタイルを改善するためのチャレンジでは、ワークスペースやワークライフバランスを改善するためのステップ(休憩時間を設けたり、休みを挟んだりするなど)や、日常のルーティーンに身体活動を取り入れることなど、具体的な行動が示される。

チャレンジに参加して各ステップをクリアしてチェックを入れると、そのステップに関するストーリーをそのチャレンジのフィードに投稿するよう促される。他の人に刺激を与えることができ、励ましのコメントが付けられることもある。しかし「いいね!」やコメントを集めることがAlmsの目的ではないとネヴェドフスキー氏はいう。

「私たちは、個人の成長、持続可能性、さまざまな種類のインパクトなど、これらのテーマに精通した多くの人々が、基本的に私たちと一緒にそのインパクトを拡大しようとすることに大きな可能性を感じています。私たちは、彼らの知識やコンテンツをすべて拡張可能な方法で提供し、人々がそれを気に入ったり、コメントしたりするのではなく、実際にそれを繰り返してみることができるようにしています」。

Almsでは現在、約30人のクリエイターがアプリ上でチャレンジ形式でコンテンツを共有しており、さらに15人のクリエイターが参加を予定している。今後数カ月のうちに数百人に拡大したいと同社は考えている。これまでのところ、アプリの新バージョンは数千人のユーザーを引きつけている。

画像クレジット:Alms

このアプリでの多くのチャレンジには数百人のユーザーが参加し、クリックして参加すると、より大きなイベントに参加しているという感覚がある。ただし、筆者は個人的には、ストーリーの投稿とフィードへの共有が任意であることが望ましいと考える。すべてのステップが独自の投稿に値するわけではないと感じているからだ(また、完了した些細なステップについて何もいうことがない場合もあり、あまり役に立たない投稿でフィードを混乱させてしまったように感じることもある)。

Almsは、Flo.Health、Simple Fasting、Zing Fitness Coachなどのアプリを提供するスタートアップスタジオPaltaと共同で設立された。PaltaはAlmsの株式の過半数を所有しており、その他外部からの投資はない。14人のチームが遠隔地に分散してAlmsのアプリを開発しているが、現在は収益をあげていない。

ネヴェドフスキー氏によると、チームは何らかのトークンベースの経済や、現実世界の報酬を伝えるDAOを追加することを検討しているという。例えば、Almsのガバナンスに参加できたり、クリエイターファンドに参加できたりといったものだ。このトークンは、少なくとも短期的には取引できない。同社は、アプリ内チップのような、よりシンプルなアイデアも検討するかもしれない。しかし、Almsは現時点では製品と市場の適合性や、ユーザーベースの拡大に取り組んでいるため、まだ何も決まっていない。

全体的に、Almsはソーシャルアプリでの時間の使い方にもっと気を配り、影響を与えたいと思っている人や、より具体的な方向性を持ったインスピレーションを求めている人にアピールできそうだ。

「人は多くの場合、実際に影響を与えることなく、将来起こることに期待を寄せていると思います。ですので、自分が何を共有し、何を推奨しているかを知っている人たちから、アイデアやインスピレーションを得られるアプリがあると、とても助かると思います。特にサポートに関してはそうです」とネヴェドフスキー氏は指摘する。「(Almsの人々は)実際に気にかけてくれています」。

このアプリはよくできており、魅力的なデザインだ。しかし、今日のモバイルデバイスにおけるスクリーンタイムの競争を考えると、新しいソーシャル要素にもかかわらず、ユーザーが脱落してしまうという当初の問題に直面する可能性がある。

Almsは当面、iOS版のみの展開で、無料でダウンロードできる。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

米Google Playベストオブ2021でメディテーションアプリ「Balance」が年間ベストに、「ポケモンユナイト」がベストゲームに

Google(グーグル)は米国時間11月29日、同社とユーザーが選んだ過去1年間のベストアプリとゲームを紹介する「Best of 2021(ベスト オブ 2021)」の受賞アプリを発表した。2021年はアワードのラインナップが拡大され、タブレットやWear OS、Google TV向けのアプリやゲームを対象とした賞も増設された。米国ではメディテーションアプリ「Balance(バランス)」が年間ベストアプリに、そして「Pokémon UNITE(ポケモンユナイト)」がベストゲームに選ばれた。一方、ユーザーの投票によって選ばれるユーザーズチョイス賞は「Paramount+(パラマウントプラス)」と「Garena Free Fire MAX(ガレナ・フリー・ファイア・マックス)」が受賞した。

2020年には、新型コロナウイルス感染拡大に見舞われた世界を反映し、ベストアプリに選ばれた睡眠アプリ「Loóna(ルーナ)」や、逃避的なゲームの「GENSHIN IMPACT(原神)」など、ストレスを抱えたユーザーがリラックスするために利用するようなアプリやゲームの人気が高かった。

コロナ禍の初期段階が過ぎた2021年は、リラックスや逃避ではなく、自己成長や創造性に焦点を当てたアプリも受賞作に含まれている。これもまた、我々の社会的な状況を反映しているように思われる。この1年、米国では、やりがいのない仕事や低賃金の仕事を自発的に辞めてもっと良い仕事を探す「大辞職」が起こり、情熱を追求する人々によるクリエイター経済のブームが巻き起こり始めた。

2021年の最優秀賞に選ばれた個人向け瞑想アプリのBalanceの他にも、受賞作には自己開発をテーマにしたアプリが多く含まれている。「月の満ち欠け周期に生活を調和させる」アプリの「Moonly(ムーンリー)」「コメディによるリラクゼーション」アプリの「Laughscape(ラフスケープ)」、女性向け催眠療法アプリの「Clementine(クレメンタイン)」、快眠アプリの「Sleep Cycle(スリーブ・サイクル)」、メンターシップコミュニティ「Mentor Spaces(メンター・スペイシズ)」、習慣追跡・計画ツール「Rabit(ラビット)」、喪失の悲しみを癒すアプリ「Empathy(エンパシー)」などだ。

その他の受賞作にも、音声チャットルーム「Clubhouse(クラブハウス)」や、スクリーンの使用時間を短縮する「Speechify(スピーチファイ)」のようなツール、自然とのつながりを取り戻すための「Blossom(ブロッサム)」など、我々がコロナ禍の生活にどのように適応しているかを示すものが含まれている。

ベストアプリのBalanceの他、米国版Google Play Best of 2021の各部門で受賞したアプリは以下の通り。

Best Apps for Good(生活向上アプリ部門)

Best Everyday Essentials(生活に必須なアプリ部門)

Best for Fun(楽しみのためのアプリ部門)

Best Hidden Gems(隠れた名作アプリ部門)

Best for Personal Growth (自己改善アプリ部門)

Best for Tablets(最優秀タブレット向けアプリ部門)

Best for Wear (最優秀ウェアブルデバイス向けアプリ部門)

Popular on Google TV(Google TV向け人気アプリ部門)

2021年のベストゲームは、クロスプラットフォームに力を入れた当てたポケモンユナイトが受賞した。

「ポケモンユナイトは、 The Pokémon Company(株式会社ポケモン)とTiMi Studios(ティミ・スタジオ)が共同開発した、ポケモン初のチーム戦略バトルゲームです。私たちは、MOBAというジャンルの良いところを抽出して、新しいゲームを作ろうとしましたが、正直いうと、それが世界中のプレイヤーに受け入れられるかどうかはわかりませんでした」と、ポケモンユナイトのプロデューサーである星野正昭氏は声明文に記している。「今回の受賞は、私たちのゲームがファンやメディアから好意的に受け止められていることを示しており、大変安心したと同時に、今後もポケモンユナイトが、プレイヤーのみなさまの期待に応えられるような、よりエキサイティングな体験を提供できるように、最善を尽くしていく決意を新たにしています」と、星野氏は続けている。

その他の受賞作には「世界で最も孤独な鳥」と友達になることに挑戦する、内省的な「Bird Alone(バード・アローン)」などのインディーズゲームも含まれている。Annapurna Interactive(アンナプルナ・インタラクティブ)の「Donut County(ドーナツ カウンティ)」は、物理ベースのパズルゲームとして評価された。

米国版Google Play Best of 2021の各部門で受賞したゲームは以下のとおり。

Best Competitive(対戦ゲーム部門)

Best Game Changers(ゲームチェンジャー部門)

Best Indies(インディー部門)

Best Pick Up & Play(ピックアップ&プレイ部門)

Best for Tablets(最優秀タブレット向けゲーム部門)

各国の受賞アプリやゲームは、Playストアに新たに表示される「ベスト オブ 2021」セクションに掲載されている。上記はGoogle Playの米国における受賞作だ。

画像クレジット:Google

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)