膨大な量の所蔵品(展示不可能)を抱える美術館がスマホアプリですべてを見せる

美術のファンのための、楽しい仕掛けがある。サンフランシスコ現代美術館(San Francisco Museum of Modern Art, SFMOMA)(572-51)にテキストすると、同館が所蔵する作品で返事が来る。

送ったメッセージ中のキーワードを見て、その言葉にマッチする作品を送ってくる。色の名前、テーマ、ムード、それに絵文字でもよい。

このサービスはSFMOMAの所蔵品APIを使って、その35000点あまりの作品に付けられているデータを調べる。そして絵やアーチストや日付などの中にリクエストのキーワードに関連する何かを見つけたら、その作品を送り返す。候補作品からの選択はランダムに行われているから、同じリクエストを繰り返すと、毎回違う作品が来る。

昨年スタートしたときは10桁の番号だったが、その後、大量のトラフィックをさばきやすい5桁の番号に変えた。5桁になると、テキストサービス界のセレブを意味するステータスシンボルである。

その番号が572-51、今ちょっと試してみるとよい。“send me”に続けてキーワードを書く。すると美術作品が返ってくる。サービスは無料だが、テキスティングは、あなたとキャリアとの契約にもよるが、たぶん有料だろう。

同館によると、実際に館内に展示できるのは全所蔵品のわずか5%だ。でもこのSend meのサービスなら、展示されていないものも含め、全所蔵品が対象になる。今日の巨大化した美術館を訪れるための、賢い方法である。

でも最近ではこのサービスの人気が沸騰しているから、遅い。本誌TeckCrunchで試したかぎりでは、全員が、まあまあだったけどね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebookの育成事業FbStartのアプリコンテストでP2Pプログラミング教育のSoloLearnが優勝

Facebookが、今年の“FbStart Apps of the Year”賞を発表した。これはグローバルなスタートアップ育成事業FbStartでもっとも成功したアプリケーションを認定する賞で、今年の優勝作品はプログラミング入門のモバイルアプリSoloLearn(iOS/Android)だ。

SoloLearnのCEOで協同ファウンダーのDavit Kocharyanは、故国のアルメニアで人びとにプログラミングを教えるためにこのアプリを発想した。アメリカ、カリフォルニアに拠を構えた今も、チームの多くはアルメニアにいる。

このアプリはプログラミングを教えるためにゲームの仕組みや、ピアツーピアの共有、それにユーザー自身が作るコンテンツ、といったコンセプトを利用している。SoloLearnのユーザーコミュニティはお互いに勝負をしたり、隠れレッスンを探しだしたりする。無料の12のコースで、JavaScript, Swift, Python, C++, そしてHTML/CSSを学ぶ。

協同ファウンダーのYeva Hyusyanによると、SoloLearnのこれまでの成長には二つの段階があり、最初はピア学習者たちの“もっともフレンドリーな”コミュニティになったこと。知りたいことは数分以内に、Q&Aフォーラムで仲間から答をもらえる。またこれまでに集積した50万あまりの公開コードも、ピアツーピアの優れた教材になる。ゲーム的で対話的な競争/勝負…問題を解くゲーム的競争…は毎日何万件も行われている。

そして第二の段階は、ユーザー自身が大量のコンテンツを作り出すようになったことだ。

アプリのファンも増えて、今ではプロフィールを登録しているユーザーが500万あまり、小テストの回答提出件数は毎日150万、コンパイルされるコードは毎秒3件、質問への回答は毎日1000を超えている。ユーザーの40%はインド、25%がアメリカ、残りがヨーロッパだ。

FbStartに参加したのは、10万ドルの賞金で事業の拡大を目指したからだ。結局応募作品は87か国から900点を数えた。

SoloLearn以外の入賞作品は:

ヨーロッパ中東アフリカ地区: Mondly(iOS/Android) – “初めてのVRを利用する言語学習プラットホームで、音声認識やチャットボットの技術を利用”。

アジア太平洋地区: Maya(iOS/Android) – “無料の使いやすい生理モニタアプリ。関連症状の検出や、妊娠の検出、各種の健康関連リマインダー、専門医への相談、などの機能があり、190か国で計700万ダウンロードされている”。

ラテンアメリカ: ReservaTurno(iOS/Android) – “外出先から美容院などに予約できるモバイルアプリ”。

社会貢献: Golden(iOS/Android) – “とくに専門的なスキルのない人でも楽しく参加できるボランティア活動の機会を各ユーザーの地元に見つけるグローバルなプラットホーム”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Twitter、荒らしを防ぐ新オプションを公開――フォローしてないユーザーをミュートできる

トロルが無作法なユーザー名を使って悪意あるリプライを通知タイムラインに割り込ませるようなことが続けば普通のユーザーはTwitterの利用そのものを止めてしまう可能性がある。そこで今日(米国時間7/10)、Twitterでは通知をコントロールする詳細フィルターを強化した。

新しいオプションでは、フォローしていないアカウント一般、フォローしておらず最近登録されたアカウント、フォローしてもフォローされてもいないアカウント等からのリプライを表示させないよう設定できる。下のアニメのように、ミュートしたい相手を「設定」メニューの「詳細設定」から選べる(クオリティフィルターをオンにしてあること)。

これらは3月にTwitterが公開した特定の相手からの通知をミュートできるオプションに追加された。このオプションでこれまでも有効なメールアドレスや電話番号を登録していない相手、プロフィール画像を登録していない相手からのリプライをミュートできた。Twitterは最近、フォローしていないユーザーからダイレクト・メッセージをそのまま表示せず、「リクエスト」フォルダーにまとめるようにしている。

Twitterはユーザーがトロル〔荒らし〕を報告するよう以前から勧めてきた。しかし最近のTwitterのトロルへの対策は、こうした不愉快なユーザーのアカウントを停止し積極的に根絶を図るというより、ミュートすることによって被害者を守る方向にあるようだ。

今日追加されたオプションは正当なユーザーに嫌がらせや脅迫をするようなトロルを追放する役には立たない。しかしトロルは他のユーザーを攻撃する場合新しいアカウントを登録するのが普通だ。またトロルは被害者をフォローすることは少ない。ましてフォローし返されることはまずない。そこでそうしたユーザーからのリプライをミュートできれば被害を局限することはできる。

しかしTwitterがユーザー数、影響力を現在のレベル以上に成長させたいなら、インターネットのごく普通のユーザーが使いやすく、また受け入れられるものにする必要がある。こうした普通のユーザーはメニューの奥深い層に埋め込まれたオプションを探し出して適切に設定したりしないし、ユーザーインターフェイス特有の専門用語も知らない。しかしトロルのリプライは見ればそれと分かるし、そんなサービスには長く我慢していないだろう。

それでもTwitterの本質は世界のさまざまな分野の最新情報をそれぞれの専門家が短くわかりやすい言葉で伝え、また誰もが会話に加われるメディアだ。この目的を達成する上でTwitterは使い方をシンプルに保ちながら安全性を高めねばならない。その間、長年のTwittrユーザーの反感を買う危険性もある。またスパム・ボットやトロルを追い出しつつ、ユーザー数を増やしていいくという.難しい舵取りを求められるだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

糖尿病プラットフォームのmySugrがRocheに最大1億ドルで買収された

数年前にオーストリアで設立された、人気のデジタル糖尿病管理プラットフォームmySugrが、健康産業の巨人Rocheによって買収された。現在はRoche Diabetes Care(Roche糖尿病ケア)の、新しい患者中心デジタル健康サービスの中心となっている。Rocheは、その買収を通して、プラットフォームを、健康保険会社、医療技術企業、製薬会社向けのオープンで独立したものとして運営していく予定だ。

mySugrアプリは、血糖値、投薬量、活動レベルを追跡するための、糖尿病患者の日録として役立ち、保険会社と協調して動作する。2014年以来Rocheと協力しており、RocheのVenture Fundから出資も受けていた。

売上高は明らかにされていなかったが、おそらく現在ヨーロッパ最大のヘルステック企業の1つであり、オーストリアのスタートアップシーンにとっても重要なものだ。

一部の観測筋によれば、mySugrの評価額は7500万ドルから1億ドルの間、とのことだ。

mySugrの競合相手であるLivongoは7000万ドルを調達し、glookoは最近3500万ドルを調達した。

mySugrはFredrik Debong、Gerald Stangl、Michael Forisch、Frank Westermannによって2012年に設立された。現在、100万人のユーザーにサービスを提供しており、この分野のマーケットリーダーだと考えられている。現在は、52カ国13言語で利用可能だ。

「専門知識とRocheのグローバルネットワークのおかげで、mySugrは糖尿病患者の生活を楽にするための不可欠な仲間になるでしょう」と、mySugrのCEOで共同創業者のFrank Westermannは述べている。

2015年3月にもRocheは、既に投資を行っていたXLHealthとiSeedVenturesと共に、このスタートアップに420万ユーロを投資している。

創業者たちは、ここまでの経緯を詳しく説明していた。

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(翻訳:Sako)

Facetuneのメーカーからの新アプリは、強力な画像編集ソフトのEnlight Photofox

人気のセルフィー修正アプリFacetuneを提供するLightricksは、本日(米国時間7月6日)新しい写真アプリEnlight Photofoxをデビューさせた。Lightricksが既存のアプリを作り直して、全く新しいスタンドアロンアプリ第2世代としてリリースするのは2回目だ。こうしたやりかたはMonument 2やCandy Crush Soda Sagaのようなゲームの続編を除けば、現在のApp Storeでは珍しい戦略だ。

通常のアプリメーカーは、その代わりに、少なくとも彼らのアプリのユーザーベースに沿って、既存のユーザーへアップグレードを展開して行こうとする場合が多い。しかし大きなアップグレード、たとえば全体的な再デザイン、機能拡張、特にiPad版の作成などに注ぎ込まれる時間とエネルギーを考えれば、そのやり方がいつでも正しいとも言えない。

App Storeの有料アップグレード機能の欠如を、なんとか回避する方法を編み出している開発者たちもいる。たとえば、Tweetbotが新しいバージョンのTwitterアプリケーションをリリースしたとき、旧版と新版を「バンドル」としてパッケージし、既存のユーザーは新しいリリースへのアップグレードを「コンプリート・マイ・バンドル」機能を通して行なうことができるようにした。

一方、Lightricksは違うやり方を選択した。

昨年Facetuneの続編を発表したとき、同社は新しいビジネスモデルも導入した。そのオリジナルのアプリはアプリ内購入は無しで3.99ドルの有料ダウンロードだったが、Facetune2はダウンロードを無料にして個々の機能をアプリ内購入とした。そして全ての機能とコンテンツにアクセスできるサブスクリプションモデルも提供している。

Enlight Photofoxも同様に、Lightricksの既存アプリEnlightの大掛かりなアップグレードだ。

なおオリジナルのアプリは、2015年にはAppleのThe App of the Yearに選ばれ、2016年に発売されたiOSアプリの11位、2017年にはApple Design Awardを受賞している。

Photofoxは、新しいアプリケーションの基本バージョンで無償で提供される編集ツールセットに加えて、Photoshopのレイヤーシステムにインスピレーションを得た、複数の写真を組み合わせて、それらをブレンドし、それをマージする機能を提供している。

個々のレイヤーを編集したり、背景からアイテムを消去したり、イメージの不透明度をコントロールしたり、形や、サイズや、パースペクティブを変更したり、レイヤーを垂直または水平にフリップしたり、レイヤーを色やパターンなどで塗りつぶしたりといったことが可能だ。

また一方、新しい暗室機能では、トーン、コントラスト、イメージの詳細などの調整をきめ細かくコントロールできる。

Photofoxのツールのいくつかは無償で提供される。例えばキャンバスサイズを定義したり、ビネットやブラーを追加したり、アナログライトを模倣したり機能などだ。それ以外の例えば画像の傷の修正やオブジェクトの変形などの機能は有償となる。

さらに、Photofoxには、画像に適用できるフォント、グラフィック要素、プリセットなどの新しいコンテンツが付属している。このコレクションはサブスクリプションによって利用可能となり、定期的に更新される。

  1. 5_presets.jpg

  2. 3_layers.jpg

  3. 4_mask.jpg

  4. 2_elements.jpg

  5. 1_doublex.jpg

新しい機能とツールは、Facetune 2のときと同様に、より高度なユーザーに対応するようにデザインされている。無料のアプリ自身も十分強力だが、月額3.99ドル、または年間19.99ドルの料金を支払うことで、新機能のすべてにフルアクセスできる。あるいは一括で39.99ドルを支払えば、その後一生涯利用可能になる。

Facetune 2を発売するまでは、LightricksはFacetuneとEnlightアプリ単体の有料販売にのみ焦点を合わせていた。サブスクリプション制への移行の前には、同社は年間約1000万ドルの収益を上げていた(これまでの有料アプリのダウンロード回数は1100万に達している)。

「この(サブスクリプションへの)シフトは、初期データとしても素晴らしいものを示しています、これまでのビジネスモデルに比べても生涯買取が桁違いに増えています、このことで会社も更に、モバイルカスタマーの需要を満たす、信頼性が高く複雑なツールとテクノロジーを開発することが可能になります」と、Lightricksの担当者は説明した。

同社はまた、2017年には収益の大幅な増加を見込んでいるとは述べたが、数字を話すにはまだ早すぎると答えた。将来は、サブスクリプションビジネスモデルでさらに多くのアプリをリリースする予定だ。

Enlight Photofoxは、App Storeから無料でダウンロードすることができる

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(翻訳:Sako)

Googleから3Dモデリングツール、Blocks――Vive版とRift版あり

Googleは仮想現実環境でのコンテンツ制作が誰でも簡単にできるようにしようとしている。

たとえばGoogleの成功を収めたTilt Brushは非常に洗練されたVRペイント・ツールだ。今日(米国時間7/6)、 GoogleはVRプラットフォーム中で3Dオブジェクトを構築する新しいツールを公開した。

Blocksは無料で今日から利用可能だ。HTC Vive版とOculus Rift版が選択できる(GoogleのDaydream版はない)。使い方はTilt Brushを受け継いで非常にシンプルで、3Dモデリングが簡単にできる。ユーザーは作成したクールなオブジェクトをエクスポートしたりウェブで共有することも可能だ。

現在のVRタイトルに関していちばん多く聞かれる不満はリアルさに欠ける点だ。これはごく単純な形状のオブジェクトであっても3Dモデルをレンダリングするために膨大なコンピューティング・パワーを必要とするためだ。Blocksはこの点の改善も狙っている。デベロッパーはポリゴン・オブジェクトを手軽に作成し、ARないしVRプラットフォームにそのままエクスポートできる。

ただしBlocksはOculusの3Dツール、Mediumが狙っているほどのリアルさには及ばない。BlocksのターゲットはMediumを使いこなせるような上級デベロッパーではなく、どちらかといえばエントリーレベルのユーザーのようだ。Mediumは優れたツールだが、初心者には難しそうだとして敬遠されることがある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Instagramはユーザーのフィルター設定を保存させるべきだ

世界がInstagramのSnapchatライクな位置情報共有機能を待っている間に、それよりずっと簡単でわかりやすい機能について考えてみる価値があるだろう:ユーザーのフィルター設定だ。

Instagramでは、お気に入りのフィルターをリストの先頭に並べ、あまり使わないものを後ろに回せるようになった。しかし、Instagramのスタイルはユーザーごとに異なり、一つのフィルターだけでそれを表現することはできない。そして、まったく同じ設定をほぼ全部の写真に適用するために、ユーザーは多大なエネルギーを消費させられている。

私は多くの場合、同じタイプの写真には、同じエフェクトやフィルターを使っている。自撮りなら6割方はNashvilleを使う。風景なら、もっと活気のある例えばLofiかX-Pro IIなどだ。さらに私は、Instagramのほとんどの写真に独自のカラートーンやフォトエフェクト(vignette、saturation等)を加えている。

好みのエフェクトやカラートーン、フィルター、レベルなどを組み合わせた自分専用のフィルターが作れたらどうだろうか。独自に作ったフィルターを友達と共有することもできるだろう。これはユーザーにとって便利な機能になるだけでなく、Instagramにとっても新たな収益モデルにもなる。

プロのフォトグラファーやトップレベルのInstagrammerは、すべての写真にまったく同じPhotoshopエフェクトを使用することが多い。そうすることでユニークな特徴が生まれ、個性的でファンにわかりやすい写真になる。

多くのInstagram著名人が使っているVSCOは、プリセットされたユーザーフィルターをすでに提供しているが、インターフェースがわかりにくい。Instagrammerのビッグネームであれ平均的ユーザーであれ、個人の好みにあわせてアプリをカスタマイズできるようにすることは、Instagramにとってもメリットでしかないはずだ。

加えて、 Cubbygrahamなどのプロ写真家は、こうしたフィルターをアプリ内課金で販売することで、自分たちとInstagramの収益モデルを構築できるかもしれない。

もちろんこれはSnapchatの完全コピーではないので、現実離れした望みなのかもしれない。それでも夢は持っていたい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

モバイルのデータプランをきめ細かく管理できるアプリTriangleをGoogleがフィリピンでテスト中

Googleが最近、スマートフォンのデータ(キャリアのデータ通信)の利用をユーザーが管理できるツールをテストしている。そのAndroidアプリはTriangleと呼ばれ、今フィリピンでテスト中だ。このアプリで、データ契約の残量を見たり、データを大食いしているアプリを見つけたり、特定のアプリにデータを使わせないようにする、などのことができる。

アメリカでは無制限データプランがふつうで、帯域が混みすぎていることもあまりないが、途上国市場ではモバイルのデータ使用がよく心配のタネになる。GoogleのTriangleは、ユーザーがデータの使用を細かくコントロールして、最終的な使用量を抑えられるようにする。

数年前にもGoogleは、モバイルのChromeブラウザーに“データ節約モード”を導入して、こんなコントロールをユーザーに提供した。また同社のPixelなど一部の機種には、データ節約機能を最初から実装した。

でもそれらに比べると、Triangleは芸が細かい。

まず個々のアプリケーションのレベルでは、データを使ってよい時間を10分とか30分とか“いつでも”とか、細かく指定できる。ちなみに下図では、データを使わせない、[BLOCK]になっている。

またGlobeやSmartをキャリアとして使っているユーザーは、プリペイドのデータ契約の残量が分かる。そしてどのアプリがデータを大食いしているかも分かる。キャリアはTriangleからおまけデータを提供するので、新しいアプリをデータ使用量を心配せずに試用できる。また既存のアプリも、おまけデータのぶん、長く使える。

GoogleはTriangleのローンチを公式に発表していないが、先月フォーラムで話題になっている。Triangleの実験は、4月に始まっている。

  1. triangle2.png

  2. triangle1.png

  3. triangle3.png

  4. triangle4.png

  5. triangle5.png

テストを終えたあとの、今後の本格展開については、Googleからまだ一言もない。でもGoogleの公式プロダクトであることは確実であり、社内的インキュベーターArea 120からのものではない。

今のところ、同社の公式声明はこうだ: “現在フィリピンで、ユーザーがモバイルのデータを上手に管理する方法をテストしている。現時点では、これ以外に発表できることはない”。

Triangle現在フィリピンで、Google Play Storeから無料でダウンロードできる

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

糖尿病患者のリモート管理プラットホームGlookoがシリーズCの$35Mを調達、業容の拡大を目指す

Glookoは、患者のデータを遠くから医師がモニタできる、その際使用するデバイスの種類を問わない、というデータ管理型のヘルスケアサービスを提供している。とくに現在最大に力を入れているのが、糖尿病とその患者および医療スタッフだ。その同社が今日(米国時間6/28)、シリーズCで3500万ドルの資金を調達した。これまでの調達額3600万ドルを合わせると、トータルで7100万ドルになる。

前回本誌が取り上げたときは聞けなかったが、今回は協力的で、これまでの対象患者数100万あまり、彼らのデータをモニタした医師等の数は6000あまり、ということだ。この分野にはDexcomやMedtronicなど先輩の大手もいるので、競争に伍していくためにはさらに急速な拡大が必要だ。

Glookoの計画では、資金は営業とマーケティングと開発チームの増員、および、フランス、ドイツ、イギリス、アジア、中東における商用化努力の強化に充てる、という。

今回のラウンドを指揮したのはトロントのGeorgian Partners、これに新たな投資家Insulet CorporationとMayo Clinicが参加した。既存の投資家Canaan Partners, Social Capital, Medtronic, およびSamsung Nextも参加した。

GlookoのCEO Rick Altingerはこう述べる: “今回の新たな資金によって、私たちのミッションである糖尿病患者の生活改善の、さらなる追究が可能になった。今後は臨床的ソリューションへの投資により、薬服用サイクルの遵守、個人化されたインサイトの提供、それを契機とする生活改善の推進などに取り組んでいきたい。また、何千もの臨床医と看護師等による臨床的意思決定を支援して、糖尿病患者が自宅等医療機関の外にいるときのサポートを充実していきたい”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Googleフォト、人工知能でスマート共有――被写体を解読して推薦、共有できるライブラリー機能など追加

今日(米国時間6/28)、GoogleはGoogleフォトの新しい共有機能の公開を開始する。 その内容は先月I/Oデベロッパー・カンファレンスで発表されていた。特に重要なのはAIを利用した共有先の推薦と共有ライブラリだ。どちらの機能もGoogleフォトを単なる写真置き場から本格的なソーシャルメディアに近づける狙いがある。

ユーザーが友達といっしょにいるところをスマートフォンで撮影した写真をどのように利用すべきかGoogleは長年研究を続けてきた。

初期の試みにはFlock(Googleが買収したスタートアップ)のようにたとえ異なるユーザーが異なるデバイスで撮影した写真でも、場所が同じなら相互に関連づけるサービスがあった。BundleClusterも写真を自動的にアルバムにまとめようとするサービスで、写真の共有を促進することが期待された。その他さまざまな方法が研究されたが、実のところどれもこれというほどの成果を挙げておらず中止されたプロジェクトも多かった。

この分野でもっとも効果を挙げているのはやはりFacebookとGoogleだろう。これらのグループはAIによる顔認識と巨大なユーザーベースを結びつけることができため、ゼロからソーシャルネットワークを作り直す必要はなかった。

たとえばFacebookのMomentsアプリはユーザーの撮った写真をスキャンしてFacebookの友達が写っていると判断すると、送信して共有をすることを勧める。

GoogleのGoogleフォトはFacebookとは違ってもともとは写真のバックアップとストレージのためのサービスだが、やはり強力なバーチャル・アシスタントを持っている。このアシスタントは関連ある写真を集めてコラージュやアニメーションを作ったり、フィルターを適用して雰囲気の異なる写真を作成したりする。また過去の写真振り返って記憶を新たにする機能もある。

今回GoogleはSuggested Sharing〔共有のお勧め〕機能でスマートフォンで撮った写真を共有することを提案する。機械学習と顔認識を用いいて写真に写っている友達を同定し、共有を勧めるなどができる。

またアルバムにまとめて共有する前に同一場所で撮った写真からベストショットを選び出す能力もあるようだ(これはブレ、ボケ、露出不足などで不鮮明な写真を除外する)。アルバムはさらにユーザーが編集することもできる。アプリの提案どおりの相手と共有することできるし、共有を中止したり別の相手と共有することも可能だ。

相手がGoogleフォトを利用していない場合でもメッセージやメールでリンクを送ることができる。

こうした共有オプションはアプリの新しいタブにまとめられている。【略】

Shared Librariesと呼ばれるライブラリーの共有は家族や親密な関係のカップルが利用することを想定しているようだ。

このオプションはユーザーが保存しているの一部またはそのように選択すれ全写真を一括して相手と共有できる。たとえば「子供の写真」をライブラリーとしてまとめて共有するなどの利用法が考えられる。子供写真の一括共有はいちばん可能性の高いユースケースだろう。このように設定すると、両親のどちらが撮った写真でも双方が見ることができる。【略】

今回のアップデートはiOS、Android、ウェブで公開される。全ユーザーに行きわたるには今週の末ないし来週の始めまでかかるようだ。

Google I/Oで発表されたGoogleフォトの新機能にはPhoto Booksもあるが、これはすでにアメリカで公開されている。カメラで撮った写真を解読して「たこ焼きの看板」も翻訳してくれるGoogle Lensは今年後半に公開される予定。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

留守中でもネコの出入りを管理できるIoTペットドア

ネコと暮らす人に嬉しいニュースだ。離れているときでもネコたちの行動を把握することができるよう、ペット用のドアもアプリケーションと連動するようになったのだ。

ペットドアの開閉状況をチェックして、ネコがうちの中にいるのか、それとも外出中なのかを把握したり、あるいはペットドアをロックしたり解除するようなこともできる。大荒れの天気の日などに、外出禁止にすることができるわけだ。出入りの様子をビジュアルにまとめる機能もあり、昼夜の行動パターンを把握することもできるようになっている。自宅のドアを管理する権限は、他の人と共有することもできるようになっている。ペットシッターに管理を任せるようなことも、かんたんにできるわけだ。

開発したのは、イギリスのペット関連テックプロダクトを開発しているSureFlapだ。本プロダクトについては以前からアナウンスしていた。このペットドアは、もちろん小型犬でも利用可能だ。まずは自社のウェブサイトを通じての販売となった。希望小売価格£160(2万3000円ほど)で、家庭内ネットワークに接続するためのWi-Fiハブもついている。

SureFlapによれば、アメリカおよびその他6カ国に向けては年内中にも販売を開始する予定であるとのことだ。

ちなみにドアは登録したネコが近づいた場合にのみ開くようになっており、識別はマイクロチップないしRFIDタグを埋め込んだ首輪で行うようになっている。見ず知らずのネコがやってきて、餌をタダ食いされてしまうようなこともないわけだ。

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(翻訳:Maeda, H

YouTubeによる、友人たちとビデオを同時視聴するための実験アプリUptimeが、誰でも使えるようになった

友達と一緒にビデオを見ながらリアクションしたりコメントをしたりすることのできる、YouTubeの実験的アプリUptimeが、全てのユーザーに開放された。このアプリは、よりインタラクティブでソーシャルなYouTubeの視聴方法をテストする手段として、今年3月にGoogleの内部インキュベーターであるArea 120から公開されていた

しかし、それを使用するためには招待状が必要だった。その要件が数日前に無くなったのだ。

自分だけでYouTubeのビデオを見たあと、お気に入りのリンクをチャットやソーシャルネットワークで共有する代わりに、Uptimeを使えば友だちとビデオを、アプリの中で直接視聴することができる。友人たちはリアルタイムであなたと一緒に鑑賞することができる。あるいは後ほど参加しても、ビデオに対するそのときのリアクションも一緒に再生されるので、たとえ1人だけで視ているときにも、Uptimeは生き生きとしてインタラクティブな感覚を与えてくれる。

ビデオを見ながらタップする絵文字による反応は、例えばFacebook LiveやTwitterのPeriscopeといった、他のライブストリーミングビデオサービスからインスピレーションを受けている。笑った顔、驚いた顔、目がハートになった顔、怒っている顔、しかめっ面、泣き顔が用意されている。また、ビデオをタップして「キラキラ」を表示することもできるが、これはあなたと一緒にリアルタイムで視聴している人にのみ表示される。

今年初めに開始して以来、Uptimeは、Facebookフレンド発見機能、ミュージックビデオの視聴サポート、そして見るべきものを見つけやすくするためのホーム画面の改良など、新しい機能を追加してきた。

しかし、共同視聴体験を提供するアイデアは、Uptimeに固有のものではない。TumblrのCabanaLet’s Watch ItFamなどを含む、多くのアプリがこのスペースに入って来ている。現在ホットなアイデアなのだ。Skypeでさえも、YouTubeのサポートから始めて、今後導入する予定の機能だと言っている

Uptimeの実験は、GoogleのArea120から登場したいくつかのものの1つだ。Area 120は起業家精神を持つGoogle社員たちが新しいアイデアを試すことを可能にするプログラムである。このプログラムからは既に、個人的なスタイリストアプリTailor、音声メッセンジャーSupersonic、プログラミング学習アプリケーション Grasshopperが公開されている。Appointmentsと呼ばれている美容院予約アプリはまだ公開されていない。

しかし、Area 120のアプリは、App StoreではGoogleの名前でブランド化されておらず、Googleもプロモーションという意味ではほとんど手助けをしていない。その代わりに、これらのアプリは概ね、公式発表以外の場所で、記者たちによって発見されて来た[リンク1][リンク2]

このような事情から、Uptimeはまだ多くのユーザーを獲得できていない、これまでは試すにも招待状が必要だったから尚更だ。先週特に発表もなく、招待コードは不要になった。つまり現在は誰でもアプリをダウンロードして利用することができるようになった。これらの障害物にも関わらず、アプリはApp Storeのチャート上で一瞬上昇することができた。もう既に落ちてはいるものの、エンターテイメントカテゴリで最高403位まで上昇したのだ。それだけ聞くと印象的ではないように思えるが、正式開始前の状態で、一般公開されていないアプリにとっては、ランクに入ったこと自体が価値あることだ。

Uptimeは、iOS App Storeから無料でダウンロードできる。

(日本版:残念ながらUptimeは6月27日午後の時点では日本のストアでは利用できない)

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(翻訳:Sako)

iOS 11でiPadは完全に生まれ変わった――ベータ版レビュー

AppleのiOSが2007年に登場してから10年以上たつ。これほど長いあいだバージョンアップを重ねてきたOSをさらに改良するのは至難のわざだ。しかしiOS 11によってiPadはまったく新しいマシンに生まれ変わる。iOS 11はAppleにとってここ何年かで最大のOSアップデートだと思う。Appleはリスクを取ってもOSにイノベーションを持ち込むことにした。

私はここ数週間、iOS 11ベータ版を10.5インチのiPad Proに登載してテストしてきた。一般向け安定版が公開されるのはこの秋だが、今日(米国時間6/26)、AppleはiOS 11のベータ版を公開した。この記事でiOS 11版のiPadの作動の様子をプレビューしてもらえると思う。

iPadに慣れたユーザーはiOS 11にアップデートすると驚くことになる。iPadの作動が従来とまったく違ってしまうからだ。Appleはマルチタスクの導入によりユーザー体験を根本から変えた。すべての要素が関連し協調して動作する。たとえば、ファイル・アイコンを複数のアプリにドラグ&ドロップすることができる。またフルスクリーンでアプリを作動させている状態でホーム画面下部に新しく導入されたMac風のドックからアプリのアイコンを引き出し、窓状態で開くことができる、などだ。

何年か前にiPadを使ってみたものの不満を感じてスマートフォンとノートパソコンに逆戻りしたユーザーはiPadをiOS 11にアップデートしてフレッシュな気持ちで再スタートして欲しい。

iOS 11のすべての機能はとても挙げきれない。それについてはAppleのサイトで詳しく解説されている。ここでは私が特に重要だと思ったいくつかの機能にしぼって解説する。

iOS 11ではユーザーは右手の指でファイルのアイコンを押さえたままドラグし、同時に左手の指でドックを画面に呼び出すことができる。これはもう『マイノリティ・リポート』の世界だ

iOS 11をインストールして最初に気づくのは画面の下端にmacOS風のドックが表示されることだ。ドックには10数種類のアプリを設定できる。画面の下端から上にスワイプすればいつでもドックを引き出される。これは他のアプリを使っている場合でも同様だ。

アプリのアイコンをタップすればオープンすることができる。アイコンをスクリーンの横端にドラグすると狭いバージョンを開ける。たとえばフルスクリーンで何かの作業をしている場合でもMessagesアイコンをドラグしてメッセージを読み、すぐに閉じることができる。
iOS 9やiOS 10のスライドオーバーと似た機能だがユーザー体験はまったく異なる。

【略】

Mac風のドックや新しいアプリのスイッチャーの採用はOSそのものが根本的な変化を遂げたことの現れでしかない。Appleはドラグ&ドロップを全システムで可能とした。つまりファイルや実行可能アプリのアイコンをドラグ&ドロップで移動できるようになった。今後はファイル、アプリ、メニューを自由に操作できる。

こうした新機能にどのように対応するのか、サードパーティーのアプリの場合は秋を待たねばならない。しかし現在実現されている範囲でも変化は大きい。たとえばPhotosアプリ内の写真をドラグしてNotesアプリのアイコンに乗せるとNotesが開く。写真を指で押さえたまま望みのノートのところまでドラグし、そこでドロップするという使い方ができる。

iOS 11ではユーザーは右手の指でファイル・アイコンを押さえたままドラグし、同時に左手の指でドックを画面に呼び出すことができる。これはもう『マイノリティ・リポート』の世界だ。

またAppleはiPadに本格的なファイル・システムを導入した。iPadはDropbox、Box、それにもちろんiCloud Driveをサポートする。

小さなところではメインのキーボードでキーを下にスワイプすることで句読点や数字にアクセスできる。NotesアプリはEvernote的になり、ドキュメントをスキャンできるようになった。手書き文字も解読され、後で検索できる。

ただし正直に言って新しいシステムに慣れるには時間がかかりそうだ。残念ながら私はまだそこまで行っていない。何かをしようとして「これをするにはどうするのだっけ?」と迷うこともたびたびある。

AppleはiOS 9で画面分割などの機能を取り入れたが、iOS 11ではこれを大きく進め、iPadを「大きいiPhone」から仕事に使えるデバイスにしたといえる。

ARKitは驚くような能力

iOS 11は根本的なアップデートだ。上で紹介したようにユーザーがすぐにそれと気づく新機能も大きいが、真価を発揮するのはデベロッパーが新OSの新しいフレームワークを活用したアプリをリリースするのを待たねばならない。これにはある程度時間がかかる。【略】

その中でも重要だと思うのはARKitだ。これはiPhoneとiPadののカメラに拡張現実の能力を与えるもので、このフレームワークはたとえばテーブルを認識し、その上に3Dオブジェクトを表示することができる。ユーザーがiPadを持ってテーブルの周囲を回ればオブジェクトの裏側を見ることができる。カメラを近づけるとオブジェクトは自然に拡大される。まるでテーブルの上に本物の物体が載っているように見える。このフレームワークを利用すればiOSアプリのデベロッパーは一夜にしてARのエキスパートに変身する。ゲームを始めAR活用のオプションは非常に大きい。

じゃん! ARKitの測定アプリ#2 〔日本版:現実の物体をカメラで撮影し、きわめて高精度で寸法を測定している〕

Core MLも大きなアップデートだ。AppleはPhotosアプリ向けに以前から開発を続けていた機能だが、これが他のアプリからも利用できる汎用のフレームワークとなった。デベロッパーは機械学習による物体認識をあらゆるアプリで利用できる。

その他新機能多数

これはあくまでiOS 11のプレビューなのですべての新機能を紹介することはできない。目についた部分をざっと見ただけだが、それでもあまり知られていないアップデートが多数あった。

  • 通知が表示される画面はデザインが変わり、ロックスクリーンそっくりになった。ちょっと混乱するかもしれない。
  • Siriの音声が自然になった。
  • PhotosアプリがとうとうGIF的動画をサポートした!
  • App Storeがリニューアルされる。デザインは素晴らしいと思うが、アプリの発見に大きな変化が起きるのか、デベロッパーにどのような影響を与えるのかは今後の問題。
  • iCloudを有効にしている場合、iMessageデータベースは自動的にiCloudにアップロード、同期される。暗号化はそのまま維持される。ただし iOSのバックアップ全般はiCloudでは暗号化されない。
  • デバイスのメモリーに余裕がない場合、 iOS 11は使われていないアプリを自動的に削除する。データや設定は維持されるが、次回にそのアプリを利用するときには再ダウンロードする必要がある。
  • 【略】

その他マイナーなアップデートも無数にある。しかし上で述べたように大きな変化が実感されるのはサードパーティーのデベロッパーが新OSの機能をアプリに実装してからだろう。

当初iOSのアプリはそれぞれ孤立してサンドボックスの中で作動していたが、Appleは次第にオープン化を進めてきた。iPhone、iPadいずれのユーザーもiOS 11ではAppleのオープン化戦略の恩恵を十分に受けることになりそうだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

「高級Pinterest」のHouzzが評価額40億ドルで4億ドルを調達

シリコンバレーの投資家たちに、アプリHouzz(とんでもなく豪奢な家を見学しつつ、興味深いインテリアデザインのアイデアをチェックできるアプリ)について尋ねたなら、彼らは単に自分たちのビジネスを拡大しているだけさ、という答が返ってくるだろう。私たちがHouzzのビジネスについて聞くことはほとんどなかった。

そんなHouzzが、4億ドルにものぼる資金調達を発表した。このラウンドはIconiq Capitalが主導したもので、Sequoia、Zeev Ventures、そしてGGVも参加している。ブルームバーグによれば、新しい資金調達ラウンドでは、このスタートアップの評価額は40億ドルとされたということだ。これは消費者向けスタートアップとしても高額で、家庭装飾まわりの企業としては並ぶものがない。同社は米国外14カ国でローカライズ版を発売していて、Houzzマーケットプレイスには2万以上の売り手から900万点以上の製品が出荷されている。

Houzzはプロダクトサイドでもまだ機能拡張を続けている。同社は5月に基本ARモードを開始した今後リリースされるiOS向けのARkitが入れば、こうした機能が今後数カ月の内にもっと進化し、より堅牢になるところを見ることになるだろう。これらの大型機能が、既に家庭関連のコンテンツを検索しているユーザーの手に渡れば、会社にとっては新たなきっかけを与えるものになるだろう。

私はHouzzの顧客ではないが、間違いなくこのアプリケーションは麻薬的喜びを与えてくれるものだと言うことができる。興味深いデザインやブロダクトの心地よくキュレートされた写真で、Houzzは利用者の未来の家のための、ニッチなPinterestの役割を果たす。ここでの違いは、Houzzがターゲットとして売ることができる商品の種類は、高価なものだということだ。すなわちHouzzを通じて実際に商品を購入する人びとは、FacebookやPinterestのような大きなプラットフォームで見られる典型的な顧客層よりも高価なものを購入するということだ。

それはHouzzがニッチを占めることを意味するが、間違いなく高価なニッチだ。これは、特定のユーザーセグメントがとても高価なビジネスになることを期待して、より大きなプラットフォームの一部を切り出し、それを本当にうまく使うことができた会社の1例だ。Houzzは、顧客たちが、たとえぼんやりと眺めているのか、あるいは実際に家の装飾アイテムを購入しようとしているのかに関わらず、こうした高額コンテンツに対するさまざまな需要に耳を傾けているように見える。

興味深い点は、Houzzが、Pinterestの存在がありながら、それほどまでに巨額の評価額を得ることができたということだ(なおPinterestの評価額は120億ドル以上で月刊アクティブユーザーは1億7500万人にも及ぶ)、そして消費者の購買サイクルにおける発見とインスピレーションパートを担おうとしている。Pinterestはその大きさによって、広告主たちを説得しやすいだろうが、Houzzの巨額の評価額は、極端に偏ったコンテンツ領域ではまだ顧客の注意を引くことが可能なことを示しているのかもしれない。

訂正:最初の投稿では、Houzzは昨年、米国外の6つの国の150市場に進出していると書いたが、その成長は同社の企業向けソリューションチャンネルのものだった。

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(翻訳:Sako)

この新しい折り紙アルゴリズムならどんなものでも折れる

折り鶴を千羽折ったら、どんな願いでも叶う、と言われている。学生のころ、一度やってみたが、目が赤く充血した。しかしMITから発表されたペーパーは、たとえばたった一枚の紙から千羽の折り紙を作る方法を記述している。折り紙を実現するアルゴリズムを見つけたため、そんなことも可能になったのだ。

計算機に折り紙をやらせることは、コンピューターサイエンスの長年の難問だった。2008年には、Tomohiro Tachi(舘知宏)が、主に長い巻紙のような紙の上に折りのパターンを作り出す、世界で初めてのソフトウェアを考案した。しかし今度のMITのアルゴリズムはふつうの大きな紙を使い、折りが多くて接合部の少ない、“水が漏れにくい”折り紙パターンを作る。

研究者の一人Erik Demaineは語る: “このアルゴリズムの方が、折り方が実践的でずっと良いと思う。実はまだ、折り紙を完全に数学的に定量化できたわけではないが、やってみてこっちの方が良いことは確かなんだ。でも、前の方法とは完全に違う数学的特性がひとつある。われわれの方法では、作ろうとする面の境界として元の紙の境界をキープしている。そのことをぼくらは、水が漏れない(watertightness)と呼んでいる”。

折り紙ソフトがこのアルゴリズムを使うと、何でも折れることになる。紙が十分に大きければ、一枚の紙でシンプルな折り鶴を1000羽折ることもできるだろう。

“多面体を細い紐で巻くような方法は、‘いかさま’と呼ばれていたし、うまくいくはずがない、とも言われていた”、と数学のJoseph O’Rourke教授は語る。“この新しいアルゴリズムは折りを作り出せることが保証されているし、多面体のどの面もシームレスな小面でおおわれているから、いかさまではない。そして紙の境界が多面体の面の集合の境界と同じだから、“水漏れしない”。また、折りを実現するために必要な余計な部分は全部中に隠れているから、外からは見えない”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

中国トップのデートアプリTantanが、収益化と海外展開のために7000万ドルを調達

中国のスタートアップTantan(Tinderと類似したアプリ)が、ビジネスの初の収益化と、海外展開の可能性を探求するために、7000万ドルの新規資本を調達した。

設立3年のTantanは、現在「認証済みの」(つまり偽アカウントではない)ユーザーが6000万人いて、そのうちの600万人が日常的にアクティブなユーザーだと主張している。それらのアクティブユーザーのうち、75%が2日に一度はアクセスするユーザーだ。印象的なことに、女性ユーザーに対してフォーカスしたマーケティングのおかげで、ほとんどのデートアプリよりもはるかに女性比率の高い6:4の男性:女性比率を達成していると主張している。

今回のシリーズDは、ビデオソーシャルネットワークのYYと、Genesis Capitalによって主導され、SAIF ChinaならびにZhongwei Capitalも参加している。YYは中国の最有力なライブストリーミングサービスの1つであり、既にMomo(友人ベースのデートアプリ)や、マイクロブログサービスのWeiboのようなソーシャルネットワークが、素晴らしい経済的成功をライブストリーミングへの移行で達成していることを知っている私たちにとっては、今回のラウンドは興味深い。Tantanは今回初めて収益化を行う準備をしているが、現時点ではライブストリーミングへの移行は計画していない。

「ビデオストリーミングを行なうかどうかに関するお約束はできませんし、計画もありませんが、もしある時点でその気になれば、(YYが)技術も経験も保有しています」と、TantanのCEOであるWang YuはインタビューでTechCrunchに語った。

「私たちとYYの両者は、中国内の出会い系市場には、現在巨大な機会があると考えています、特にMomoがそこから去った現在では」と以前ファッションコミュニティP1を立ち上げたWangは付け加えた。

Tantanはストリーミングではなく、メンバーシップサービスを通して収益を上げることに重点を置いている。月額料金を支払う「VIP」ユーザーのために一連の追加機能を提供することになる。その意味では、これはTinder Plusによく似ている。

「私たちは、より多くのお金を使って貰い、さまざまなユーザー体験を得ることができるサービスを試していくつもりです。まずは、いくつかの都市で、VIPサービスをテストするつもりです」とWang氏は述べたが、具体的な詳細については語ることがなかった。

Tantanのもう一つの拡大の焦点は、中国の外に出ることだ。Wangによると、同社はアジアを中心に、特にインドを中心に東南アジアへの拡大を考えているものの、まだ目標は設定していないと述べた。

世界的なブランド力のおかげで、Tinderはどうやら中国を除くアジア全域で好調なようだが、個々の市場には小規模なライバルたちがいる。また投資家たちから5000万ドルを調達し、ストリーミングサービスにも拡大したPaktorが、地域的なプレゼンスを維持しているようだ。

拡大しようとする他のプレーヤーを買収する可能性は残されているかもしれないが、WangはTantanはその成長を買おうとは考えていないと述べた。その代わり、適切な時期に独自のサービスを立ち上げていくつもりだということだ。

Crunchbaseによれば 、この新たな資金調達で、Tantanの投資家からの調達額は1億2000万ドルになる。前回の調達は、2016年5月にDST Globalの主導によって行われたシリーズCの3200万ドルだった。

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(翻訳:Sako)

Apple、写真アプリの「メモリー」機能に焦点を当てた新しいiPhone CMを公開

AppleはiOS 10で写真アプリに初めて”Memories”[メモリー]タブを 導入した。iPhoneの写真ライブラリーを自動的に解析して、日付、場所、内容に応じてスマートアルバムを作る機能だ。例えば、休暇にモスクワへ行った旅や、子供の成長記録をアルバムにまとめてくれる。

さらに、集めた写真やビデオに合ったサウンドトラックを載せた感動的ビデオを作ることもできる。この機能はかなりよくできているが、多くのユーザーはまだ存在を知らない。そこでAppleは、このメモリータブに焦点を当てた新しいCMを作った。

これまでのAppleのCMと変わらず、映画的アプローチを取り入れ、静かなシーンが多く使われている。CMでは注意深そうな記録官が引き出しを開け、古い映画フィルムのほこりを払い、レタリングを書き加えているところが見られる。

これは、iPhoneがバックグラウンドで行っている作業を再現したものだ。自分では何の努力をすることなく、昔の思い出を綴った60秒のビデオを見られるのは驚くべきことだ。数十年前には同じことをするのに何日も何週間もかかっただろう。

さまざまな意味で、「メモリー」はGoogleフォトの同等機能に対するAppleの回答だ。大きな違いはAppleがこのスマートアルバムを作るためにサーバーシステムに頼っていないことだ。すべては端末上で行われる。

iPhoneは、持ち主が寝ている間にも充電中の端末の中で写真を分類する。Appleは、寝ている間もiPhoneが常時動作していることを活用している。

今回もAppleは、あなたが気づいていないかもしれない機能を伝えるために広告キャンペーンを利用した。これがiPhoneを前面に押し出すCMより効果があるのかどうか定かではないが、興味深いアプローチだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google Glassはまだ生きていた…3年ぶりのアップデートがリリース(Bluetoothサポートなど)

Google Glassesをまだ持ってる人は、そのホコリをはらいましょう。あの1500ドルのフェイスコンピューターが今日(米国時間6/21)、新たなアップデートで再びステージ中央に戻ってきた。

それは2014年9月以来のアップデートだが、まず付属アプリの“MyGlass”がアップデートされた。バグフィックスもいくつかあり、新たにBluetoothがサポートされた。そこで今回の“XE23”バージョンでは、キーボードやマウスなどのBluetoothデバイスをGlassに接続できる。

アプリのアップデートが昨日行われて、Glassのファームウェアのアップデートが今日なのは、オドロキだ。

では、Glassというプロジェクトは生きているのか? 実は、死んだことはまだ一度もないから、生きているのだ。もう誰も買えないし、そのWebサイトは2015年に閉鎖されたから、ドードー鳥の運命をたどっているかと思われたが、いなくなったわけではなく、ただ、消費者にあまり関心を持たれなかったあと、親元のGoogle Xを“卒業して”いたのだ。Googleは秘かにそれをエンタープライズ部門へ移していた。しかし、どうやらGoogleの誰かが、この、マニアを吸引する力のある消費者向けGlass製品の面倒を見ていたのだ。

これら二つのアップデートを今やる理由は、よく分からない。3年の沈黙のあと、急にアップデートするのもヘンだ。旧バージョンからどこかが劇的に変わったわけでもないのに。でもこのことは、同社の光学系を搭載したウェアラブルが、完全に忘れ去られてはいないことの証(あかし)だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebook Messenger上で友だちとSpotifyのプレイリストが作れるように

今年に入ってから、Spotifyは友だちと楽曲がシェアできるFacebook Messenger用のボットを発表した。そして本日、同ボットに新たな機能が追加され、ユーザーはMessenger上で友だちと一緒にプレイリストを作れるようになった。しかも、グループ内の全員がSpotifyのアカウントを持っていなくてもこの機能は利用可能だ。

Group Playlists for Messengerというそのままの名前がついたこの機能には、既存のMessenger用のSpotifyアプリからアクセスできる。実際のFacebook Messengerのインターフェース上では、まずチャット画面を表示し、入力欄の左側にある青いプラスサインが書かれたボタンをタップする。するとMessengerアプリのリストが表示されるので、その中からSpotifyを選ぶ。

そこから、プレイリストの作成者(この人はSpotifyのアカウントを持っていないといけない)は、スクリーン下部にある”Create”ボタンを押して名前を付ければ、すぐにグループチャット内でプレイリストを共有できる。プレイストを共有すると表れるサムネイルには、プレイリストの名前と曲を追加するためのボタンが表示されるようになっている。

そして、この段階でグループチャットに参加している人であれば、誰でも好きな曲をプレイリストに追加することができるのだ。しかも、Spotifyによれば、プレイリストの作成者以外はSpotifyのアカウントを持っていなくてもこの機能を利用できるということだ。

しかし、非SpotifyユーザーはMessenger上でプレイリストの中身を見ることしかできず、実際に曲を聞くためにはSpotifyにサインアップして、アプリをダウンロードしなければならない。既にSpotifyのアカウントを持っているがFacebookとは接続していないという人は、MessengerのSpotifyアプリから両アカウントを紐付けられるようだ。

これまでにもSpotifyはデスクトップ版、iPhone版、iPad版、Android版の全てでコラボプレイリストをサポートしており、Spotifyからソーシャルサイトやさまざまなメッセージングアプリにプレイリストを直接共有できるようにもなっていた。

しかし、今回の機能追加により、ユーザーはMessenger上で直接プレイリストを作れるようになったのだ。

SpotifyはどのくらいのユーザーがMessengerアプリを使っているかについてはコメントを避けたが、同アプリを通じて「何百万曲」もの楽曲がこれまでに共有されていると語った。

なお、同様の機能が他のチャットプラットフォームでも公開されるのかについては、今のところわかっていない。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Instagram StoriesのDAU、2.5億人――ライブビデオの録画再生も追加

Snapchatに対するInstagram Storiesの優位性は拡大している。同時にライブビデオを後で再生できる新機能をスタートさせた。Instagram StoriesのDAU(1日当たりアクティブ・ユーザー)は2億5000万人となった。Snapchat Storiesがリリースされたのは2016年の8月だったが、その後昨年10月の1億人、今年1月の1億5000万人、4月の2億人と順調にユーザーを拡大してきた。これに対してSnapchatのDAUはトータルで1億6600万人だ。一方Instagram全体のMAUは7億人だ。

Instagramは私の取材に対して「新しいクリエーティブ・ツールから位置情報までユーザーがいついかなる瞬間も容易に共有できるよう、またフォローしている相手が公開している興味あるコンテンツを発見しやすくするよう努力してきた。その結果、Instagramはアメリカ内外を通じて力強い成長を続けている」と述べた。

Instagramが発表した数字はStoriesの成長がむしろ加速していることを示す。最近2ヶ月の新規ユーザーは5000万人だった。その前に5000万のユーザーを追加するには3ヶ月かかっている。一方Snapchatの成長率は減速している。2016年第2四半期は17.2%だったが、2017年第1四半期には5%にダウンしている。これに対して Instagram Storiesの四半期成長率は25%だ。

Snapchatの株価はInstagramの今朝の発表と同時に下落したがその後持ち直し、下落幅は2.96%に留まった。

Instagram StoriesはSnapchatが欠いている機能にさらに柔軟性を加えた。モバイル・デバイスのカメラからLive videoを公開した後、ユーザーはビデオをただちに消去するか、その後24時間に限って再生できるようにするか選択できる。 ユーザーがLiveビデオの再生を選択した場合、友達はフィードの上部、プロフィール部分に再生ボタンが表示される。

これまでLiveビデオは放映終了後に自動的に削除されていた。これは「その時見なければ見ることができない」というモチベーションを与えていたが、同時にLiveビデオ機能を不便に感じさせる原因でもあった。ビデオを向こう24時間公開できるようになったことは、さらに多くの友達がビデオを見ることができることを意味するのでLiveビデオを利用するユーザーは増えるはずだ。

TwitterのPeriscopeは当初ライブビデオの再生可能な時間と24時間に限っていたが、その後無期限に保存できるよう変更された。Facebook Liveのビデオも同様に恒久的に保存、共有できる。以前のInstagram Liveは放映中に見逃せば、その後は見ることができないという点で独特だった。24時間の再生が可能になったことでStoriesをフォローしている友達はビデオを見るチャンスが増えたことになる。

Instagramがこれほど急速に成長できたことは一方でSnapchatが大きなチャンスを逃したことを意味する。ロサンゼルスのSnapchatがアメリカのティーンエージャーにクールなアプリを提供するのに熱中したことは近視眼的だった。年長のユーザー層には使いにくいものになっただけでなく、海外での成長戦略も欠いていた。もともと国際的に人気が高いInstagramをベースにしたStoriesがさらに使いやすくなったことで、ソーシャルメディアのユーザーは誰もがこのフォーマットを利用することになりそうだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+