Facebook、インターネット中継ソーラー・ドローン1号機をお披露目― Googleとの先陣争い激化

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今日(米国時間7/30)、Facebookは太陽電池を動力として強力なレーザーで通信するAquilaドローンによるインターネット接続の提供について 詳細な計画を発表した。 それによると、Facebookは自身でISP(インターネット・サービス・プロバイダ)になる意図はないという。記者会見でFacebookのエンジニアリング担当副社長Jay Parikhは「われわれはFacebook ISPを作るつもはない」と述べた。

Facebookの計画は、このドローンと通信テクノロジーを世界のキャリヤに提供し、それによって既存のモバイル網から取り残されている10%の人々がインターネットに接続できるようにしようというものだ。

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Facebookはこの人道的計画を推進しているNPO、Internet.orgが必要とする資金の大半を供給している。Facebookはインターネット接続の普及を通じて世界のすべての人々を知識経済に参加させることだ。ただし、私の質問に対してParikhは「ソーラー・ドローン、フリースペース光学レーザー通信、その他のテクノロジーをわれわれがライセンスないし販売することはあり得る」と答えた。つまりFacebookは「世界を結びつける」目的を達成すると同時にその過程で利益を挙げることも可能なわけだ。

昨日発表された四半期決算でFacebookは対前期比で大幅に支出を増加させている。昨年の15億ドルから$27億ドルへと増加した支出の大半はこのドローン・プロジェクトのようなR&D関連だ。その成果を販売ないしライセンスすることができればこうした経費を回収できる。

Facebook's VP of Engineering Jay Parikh details Aquila's progress at its Menlo Park HQ

メンローパークの本社でAquilaプロジェクトの詳細を説明するエンジニアリング担当副社長Jay Parikh

Facebookはこのプロジェクトで2つの重要な成果を発表した。

  • Aquilaドローン1号機の完成:この太陽電池を動力とするドローンは最大90日間滞空できる。飛行高度は6万から9万フィート〔1万8000mから2万7000m〕と通常のジェット旅客機の高度よりはるかに高く、気象条件も安定した成層圏だ。 このドローンは直下の直径50マイル〔80km〕の範囲にインターネット接続を提供できる。主翼の幅は140フィート〔42m〕と737なみだが、重量はわずか880ポンド〔400kg〕しかない。トヨタ・プリウスの3分の1くらいだが、高高度の極低温下でも作動する。Facebookは現在地上テストを実施中で、飛行テストは来年アメリカで実施される予定。

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  • Facebookの高強度レーザーは10 Gbpsを達成: データは地上局で光ケーブルからレーザー波に変換されてAquilaドローンに送られる。Aquilaドローンはやはりこのレーザーで他のドローンにデータを伝送してネットワークを構成する。このためにはレーザーは飛行中のドローンの10セント硬貨ほどの大きさの受信機に正確に向けられなければならない。これまでNASA、大学、研究機関などではこの方式では最大1Gbpsの伝送速度しか得られていなかったので、Facebookはブレークスルーを達成したことになる。

2013年後半に、 Facebookがリーダーを務めるInternet.orgはテレコム企業各社と提携して、インターネット接続を「残りの50億の人々」に届けるためのイニシアチブを発表した。テレコム業界もオンラインへの新規参加者が低減しつつあるという問題を抱えており、Facebookのプロジェクトに賛同したわけだ。50億人を新たにインターネットの世界に引き入れる上での課題は大きく分けると以下の3つとなる。

  • 経済的バリアの引き下げ: インターネットが普及していない原因の多くは経済的なものだ。そこでFacebookは現地のキャリヤと提携してFacebook自身とWikipedia、Google検索などの限定されたサイトへの接続が無料で提供されるInternet.orgアプリ の配布を始めた。パートナーのキャリヤはこの無料接続がきっかけとなってその地域での有料契約者が増えることを期待してこのプロジェクトに参加している。
  • 啓蒙: 教育、健康、医療、求職などさまざまな面でインターネットの持つ価値を知らせる。
  • インターネット接続テクノロジー:–Facebookは人工衛星による僻地へのインターネット接続の提供も構想しているが、今日の発表でAquilaドローンの開発が大きく前進したことが明らかになった。

インターネット接続の拡大についてはGoogleも力を入れている。成層圏に多数の気球を滞空させて接続を提供するプロジェクトLoonについて、昨日Googleとスリランカ政府は、スリランカ全土をこのプロジェクトでカバーする計画を発表した。先に接続を提供した陣営がその地域で大きな影響力を獲得できるため、FacebookとGoogleは激しい先陣争いを繰り広げている。

Facebook's Yale Maguire details Facebook's research into where the unconnected people live

FacebookのYale Maguireはまだインターネット接続が得られない地域はどこか詳細に調査している

携帯無線網の中継塔は土地の取得、建設、警備すべてに費用がかかり、しかもごく近距離しかカバーできない。通常の携帯無線網の方式は人口密度の低い僻地では経済的にまったく成り立たないのだ。

Facebookは地上の光回線、ドローン、人工衛星の組み合わせによって最終的には地球上のすべての人々がインターネットに接続できるようになると期待している。

マーク・ザッカーバーグは「飛行機とレーザーでコミュニティーを結びつけるなんてサイエンス・フィクションみたいだが、サイエンス・フィクションというのは実際、未来のサイエンスであることがたびたびある」とコメントした。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ビッグデータ処理/分析をシンプルなDaaS(Data as a Service)として提供するCazenaが$20Mを調達

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企業のデータ処理を助けるCazenaが今日(米国時間7/22)、Formation 8率いるシリーズBのラウンドにより2000万ドルを調達したことを発表した。参加した投資家はAndreessen HorowitzとNorth Bridge Venture Partnersで、両社は昨年10月の800万ドルのシリーズAにも参加している。

Cazenaを作ったのは主にNetezzaの元社員らで、CEOはNetezzaのデータコンプライアンス担当ゼネラルマネージャだったPrat Mogheだ。彼はNetezzaが2010年にIBMに買収されて以降、IBM傘下のNetezzaで、ストラテジとプロダクトとマーケティング担当のSVPを務めていた。

数年間IBMにいたMogheは、Netezzaが解決しようとしていた問題を新たな視点から見なおしてみたい、と思うようになった。“データ処理の次の10年はどうなるだろう、ということを考えた。とくに、企業はHadoopのような新しいビッグデータスタックと、どうやってうまく付き合っていくのか”、と彼は語る。“とくに中規模以上の企業では、クラウドを前向きにとらえて処理のアジリティを向上させようとしているが、既存のプラットホームの複雑さとセキュリティの問題を前にして、立ちすくんでしまう傾向もある”。

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Cazenaは、企業のビッグデータ処理を大幅に単純化することをねらっている。基本的にCazenaでは、データ処理ジョブのセットアップがわずか3クリックですむ(とMogheは言うが、現実はもうちょっとややこしい)。同社のサービスのキモは、このデータの分析にはどんな技術を使うべきか、という判断を自動化して、人間ユーザが直面する複雑性を減らしていることだ。次にプロビジョニングも自動化し、ワークフローを顧客に合わせて最適化し、そして管理する。データ処理ジョブはHadoopでもSparkでもMPP SQL(AmazonのRedshiftなど)でも何でもよい。

顧客のワークロードのタイプや予算、求める処理速度などに応じてCazenaは正しいインフラストラクチャを用意し、データの処理を進める。“こういう、data as a service(DaaS)と呼べるようなサービスは、新しいカテゴリだと思う。これをキーワードとして、大企業のクラウド化を支援していきたい”、とMogheは述べる。

Cazenaがその新しいプロダクトについて対外的にも語れるようになるまで、ほぼ二年を要している。今少数の大企業の協力のもとにベータを動かしているが、サービスの一般公開はまだまだ先のようだ。

Mogheによると、一般公開の暁には、料金体系にもイノベーションをもたらしたい、という。それは、単一の料金で処理費用、クラウドの費用、サポートの費用、SLAなどをすべてカバーする、きわめて単純化された料金体系だ。今のクラウドサービスは、ギガバイトとかノードの数などの(技術用語的な)数量ベースで課金するから、かんじんのユーザが費用を予測することができない、と彼は、こんな部分でも単純化を売りにするつもりだ。

今回得られた資金は、同社の技術開発と、営業の強化、そしてパートナーシップの構築に充てられる。

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デスクトップアプリケーションをクラウドから超高速で使えるサービスFrameがベータでローンチ

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たとえばストレージはDropBoxなどのサービスを利用してクラウドへアウトソースした。では、いっそ、そいつを使っているアプリケーションもクラウドへ移したらどうだろう?

Frameは、ユーザのデスクトップアプリケーションをクラウドで動かしてくれて、ユーザはそれをブラウザから使う、というサービスだ。今週、グローバルにベータでローンチした。ユーザはどんなWindowsアプリケーションでもこのサービス上で動かせるから、たとえばこれからは、Adobe Premiereをノートブックで使える。

同社は先月、Columbus Nova Technology PartnersやBain Capital Ventures、SQN Venture PartnersなどからシリーズAで1000万ドルを調達した

このサービスは、かなりすごい。自分のラップトップの上でAdobe Photoshopによる面倒な写真編集を二つやってみたが、まったく問題ない。最近ぼくはMacbookを買いたいと思っていたのだけど、仕様的に、ビデオやインフォグラフィックの編集はきついかな、と思って迷っていた。でもFrameのクラウドでヘビーなグラフィクスが十分できるのなら、自分のローカル機について迷う必要はなくなる。

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ベータの料金体系(右図)は、ちょっと異様な印象を与える。個人ユーザ用の月額$9.99で200クレジットぶんの利用ができる(企業はユーザ一人あたり月額$12.99)。これは、1コア、RAM 4GBのPCを約20時間使用する計算量に相当し、個人がPhotoshopを使うぶんには十分だろう。しかしビデオの編集やレンダリングをするなら、$16.99の”Standard”プラン(500クレジット)を使うべきだ。こちらなら、CPUが16コア、GPUが4コア、RAM 64GBの怪速コンピュータをクラウド経由で使うことに相当する。うむ、ローカル機でこれだけ揃えると、なんぼになるかな?

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同社が使っている“クレジット”という単位は分かりにくいが、同社によると、現時点では“無制限”というプランは無理、とのこと。彼らから見ると、この料金体系はきわめて合理的だそうだ。

このサービスを試してみたい人のためには、14日間の無料プランがある。TC25というコードを入力すると、本誌の読者200名までが、25ドル相当のクレジットをもらえる。

 

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Kubernetesがv.1.0に到達、Googleは新組織Cloud Native Computing Foundationに技術を寄贈

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Googleが昨年の2月にローンチしたオープンソースのコンテナ管理ツールKubernetesが今日(米国時間7/21)、バージョン1.0を迎えた。このアップデートによりGoogleは、Kubernetesの一般公開を検討している。また、さらに重要なこととして、GoogleはKubernetesを、Linux Foundationの傘下に新たに作られた組織Cloud Native Computing Foundation(CNCF)に寄贈し、Kubernetesのコントロールをそちらへ委譲する。この機関のパートナーはGoogleのほかに、AT&T、Box、Cisco、Cloud Foundry Foundation、CoreOS、Cycle Computing、Docker、eBay、Goldman Sachs、Huawei、IBM、Intel、Joyent、Kismatic、Mesosphere、Red Hat、Switch SUPERNAP、Twitter、Univa、VMware、そしてWeaveworksなどだ。

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この新しい組織のミッションは、“クラウドネイティブなアプリケーションとサービスをデプロイするための共通技術に関して、デベロッパとオペレーターのコラボレーションの便宜を図ること”だ。Linux Foundationの事務局長Jim Zemlinが、今日の発表声明の中でこう書いている。

なんだか前にも聞いたような話だ、とお思いの方も多いと思われるが、それは実は数週間前に、やはり同じような企業、DockerやGoogle、IBM、Intel、Mesosphere、VMwareなどコンテナのエコシステムを支える面々が共同で、Open Container Projectをローンチしたからだ。こちらもLinux Foundationが管理するプロジェクトだが、コンテナ技術のスタンダードを作っていくことが目的だ。CNCFと違ってこのグループにはGoogleのライバルであるMicrosoftやAmazonもおり、逆にCNCFはこの二社がいないことが、顕著に目立つ。

GoogleのシニアプロダクトマネージャCraig McLuckieによると、Kubernetesは一般公開にこぎつけたことを契機に、Googleという一私企業の手を離れて新しい家を見つけることになった。Kubernetesの開発のコントロールを手放すGoogleの基本的な動機は、McLuckieによると、“それをできるかぎり偏在的な(ユビキタス)なものにするためだ。うちとしては、誰もがクラウドを使えるようになってほしい。今うちの顧客の大半がハイブリッドクラウドのユーザだが、そういう方々にも、クラウドネイティブのコンピューティングパラダイムの利点を享受していただきたい”。

彼によると、Googleが今後もKubernetesに関してアクティブであることは変わらない。そして、Googleも新しい組織の成功を期待している。しかもGoogleは、KubernetesがコンテナのためにGoogleが作った、そのほかの社内的なツールの欠陥を克服したものに育ってほしい、と期待している。

McLuckieがとくに指摘するのは、今日のKubernetesが、ノード数が数百ぐらいの小さなクラスタで有効に利用できること。しかし今では、多くの顧客が何千というオーダーのノードを管理したいと願っていることだ。またGoogleのチームは、バッチ処理のような別の種類のワークロードをさらに効果的に統合できることを、期待している。

なお、CNCFの管理下に置かれるのは、初めてのプロダクトであるKubernetesだけではない。同団体の視野はもっと大きくて、Kubernetesの管理だけが目的ではない。むしろ、JoyentのCTO Bryan Cantrillが今日述べているように、CNCFの真のミッションは、“現代的なエラスティックなコンピューティングを構成する重要なオープンソース技術の数々を前進させること”なのだ。

CNCFの統治方式は、まだ細部の煮詰めが必要なようだ。Linux Foundationの理事長Jim Zemlinによると、この組織はサービスを有料で提供することはせず、誰もが参加できる(Linux Foundation傘下のプロジェクトのほとんどが、そうであるように)。基本的な考え方としては、重要な技術を寄与貢献したところが、今後の意思決定にも参加できるようにする。“その席に座る者が、個人の優れたデベロッパであってもかまわない”、とZemlinは述べる。“重要なのは、コアデベロッパの存在だ”。

コンテナエコシステムの一部の大型選手(Microsoft、Amazon、Pivotalなど)がまだ参加していないが、Zemlinは、はぐれ鳥たちもその多くがいずれは参加する、と信じている。“この組織をベースにして作られていく標準クラウド技術は、誰にも拒否できないものになるだろう。今参加していない人たちも、後日、考えが変わるはずだ”、と彼は語る。

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GoogleがOpenStackの公式スポンサーに、Kubernetesのデファクトスタンダード化がねらい

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GoogleがOpenStack Foundationに、このオープンソースプロジェクトのいちばん新しいスポンサー企業として参加する。今日(米国時間7/16)両者が、そのことを発表した。Googleはこれまでもさまざまなプロジェクトで、OpenStackと非公式に協力してきた。それはたとえばアプリケーションカタログMuranoやコンテナオーケストレーションサービスMagnumなどだが、これからは実際に一部の技術者をこのプロジェクトに投じていく。

それほど意外でもないが、Googleの貢献はLinuxコンテナ方面が中心となり、中でもとくに、Googleで孵化したコンテナ管理ツールKubernetesをOpenStackに統合することに注力されるだろう。

企業スポンサーとしてのGoogleはOpenStackに毎年25000ドルの支援を提供していく。OpenStackのスポンサーのプラチナランクとゴールドランクは数が限られていて、たとえばゴールドは24社までだ。OpenStackの企業スポンサーには、Alcatel-Lucent、Citrix、Comcast、Cray、GoDaddy、Fujitsu、Oracle、SAP、Nokia、そしてLinux Foundationなどが顔を揃えている。それらの中でGoogleの貢献額は(Googleにしては)小さい方だが、同社はこれまでもこのプロジェクトに深く関わってきているから、今回の‘入会’はほとんど形式的な行為にすぎない。

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GoogleのCloud PlatformのプロダクトマネージャCraig McLuckieはこう語る: “OpenStackは完全にすべてが揃った形(full stack)のプライベートIaaSクラウドを作っている強力なコミュニティだ。コンピューティングの未来を考えた場合には、クラウドネイティブな(最初からクラウドの)コンピューティングに対する企業の関心が大きくなっていることを、無視できない。しかし元々このモデルは、オペレーションを全インターネットのサイズにまでスケールしなければならないインターネット企業が開発したのだ”。つまり、Googleのような巨大インターネット企業がOpenStackを支えるのはむしろ当然、というわけだ。

また彼によると、安価なコモディティハードウェアをたくさん使ってデータセンターを構成するGoogleのやり方が、Google自身とそのほかのインターネット企業にとって、分散システムの運用負担を大幅に軽減している。…これもまた、企業がOpenStackに期待していることだ。彼曰く、“このようなアプリケーション管理のやり方が、一般企業にとっても有効であることは実証されつつある。しかし現状では、移行を阻む障害が、各企業において大きすぎる。Googleはコミュニティを支援することを通じてこのような移行を現実に新しいパラダイムにし、オープンソースの世界できわめて活発に活動してきた。たとえば次世代型のコンテナオーケストレータKubernetesも、Googleはオープンソースとして作ってきた”。

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だからGoogleのスポンサー参加は、同社のCloud Platformで近々OpenStackがサービスとして提供されることを意味してはいない(ユーザ自身がGoogleのサーバ上でOpenStackを動かすことはもちろん可能)。おそらくGoogleのねらいはむしろ、OpenStackと自社のプラットホームの両方でKubernetesをコンテナ管理のスタンダードにし、企業がオンプレミスのOpenStackクラウドから、スケールアウトのためにGoogleのパブリッククラウドに移行する場合のタスクを、完全にスムースにすることにある。

コンテナの役割はOpenStackのコミュニティでもかなり前から議論されており、最新のリリースではコンテナが正式に統合された。VMなどそのほかの新しい技術も、過去に同様の経過をたどってOpenStackに統合されてきた。OpenStackのCOO Mark Collierがバンクーバーで行われたOpenStackカンファレンスで、OpenStackは自分のことを統合化エンジンだと見ている、と言った。Collierは今日の発表声明の中でも、“OpenStackはユーザがVMのような実証済みの技術や、コンテナのような新しい技術を自由に動かせるためのプラットホームだ。Googleはコンテナおよびコンテナ管理に関する比類なき技術力で、コミュニティに貢献しようとしている。Kubernatesのような実証済みのオーケストレーションエンジンにより、コンテナのデプロイメントが大幅に加速されるだろう”、と述べている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a.
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Google、クラウドコンピューティングでWindowsサーバーのサポートを一般公開

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いささか妙な組み合わせに感じられないこともないが、今日(米国時間7/14)、GoogleはCompute EngineプラットフォームにおけるWindowsサーバーのサポート一般に提供すると発表した。これによりGoogleのCloud EngineでWindows Server 2012 R2とそれより古いWindows Server 2008 R2を稼働させるユーザーはCompute Engine SLA の適用を受けることができるようになる。.

今後リリースされる次世代プロダクト、Windows Server 2016やその極小化バージョンであるNano Serverのサポートも準備中だという。

これによりGoogleのクラウドを利用するデベロッパーはActive Directory、 SQLサーバー、SharePoint、Exchange、ASP.NETサーバーが使えるようになる。GoogleはMicrosoft License Mobilityをクラウドのユーザーに提供しているので、Microsoftの顧客は既存のソフトウェア・ライセンスを追加料金の支払なしでオン・プレミスからGoogleのクラウドへ変更できる。

ただし、GoogleはWindowsサーバーをプレミアムOSに分類しているため、そのインスタンスにはUbuntu、CentOS、DebianなどのLinuxよりやや高い料金がかかる。 (SUSEとRed Hat EnterpriseもプレミアムOS)。

ここ数ヶ月、Googleはクラウド・コンピューティングにおけるWindows Serverのサポートを強化してきた。これには、 マルチ・キューGRO(generic receive offload) (Googleによれば最大7.5Gbps)のサポートが含まれる。

Microsoftのエコシステムに含まれるISV(Independent Software Vendors)の膨大な数を考えれば、その一部がすでにWindows ServerをGoogleのクラウドプラットフォーム上でサポートしていても不思議ではない。Googleは今日の発表で、そういうISVの例として特にSwiftPage、nGenx、IndependenceITの名を挙げている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ご注意―Googleフォト・アプリを削除してもAndroidデバイスからの写真バックアップは続く

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Googleが最近リニューアルしたフォト・アプリはユーザーがそれと知らないうちに写真をクラウドに同期しているかもしれない。Nashville Business Journalの編集者、David ArnottはGoogleフォトをAndroidスマートフォンにインストールしてテストした後、すぐにアプリを削除した。Googleが彼の写真にアクセスするのはそれで終わりだと思っていたのだが、やがてそうではないことに気づいたという。

気づいてみると、テストに使った2枚の写真だけでなく、何百枚もの写真が同期されていた。私は写真をアップロードするたびにデバイスからは削除しているので、ある時点で一度に同期されたものではない。Googleフォトを削除した後も私のスマートフォンはGoogleに写真をアップロードし続けていたに違いない。

つまりGoogleフォトをAndroidデバイスから削除するだけではGoogleに写真のクラウド・バックアップを停止させることにはならないのだ。

実は写真のクラウドへの同期を停止したい場合はデバイスの設定から明示的に操作する必要があるのだ。 Android Centralによれば、「GoogleフォトがGoogle+から独立した際、その設定はデバイスの設定に一本化された」のだという。Android Centralは「Arnott氏始め多くのユーザーがGoogleの写真バックアップ機能は特定のフロントエンドと一体と考えている。そのためフォト・アプリをアンインストールするだけで、設定から同期を停止させないままにしている」と書いている。

Googleと自分のデータ、というより一般にクラウド同期サービスと自分のデータの関係では、なにごとも決めてかからず、細かい点に注意を払う必要がある。こうしたサービスではサービス全体と特定のアプリは独立に機能するようにデザインされている場合が多い。複数のデバイスのバックグラウンドでサービス動作させるためにはこのように設計する必要がある。そのため一つのデバイスであるアプリを削除しても全体の機能には影響しないことがある。

問題はユーザー側からみてクラウド・サービスのこうした構造が見えにくいことだ。一般ユーザーが「アプリを削除すればそれに結びついたサービスも終了する」と思ったとしても責められないだろう。こうしたUXデザインの「非対称性」はサービスの運営者がユーザーになるべくそのサービスを使い続けさせたいところから来ている。ユーザーのコントロールの強化は、IoTの普及期を迎えてさらに重要になってくる。スクリーンがなくその存在そのものが目立たないIoTデバイスが集めるユーザー情報の扱いについてはさまざまな混乱が予想される。

われわれはGoogleに対して「ユーザーがアプリを削除するときに『バックアップ機能も停止しますか?』とプロンプトを表示するようにした方が親切ではないか?」と質問したが、Googleはコメントを控えた(Googleは以前にもユーザー・データの取り扱いが不透明だとして批判されている)。

Googleは5月に フォト・アプリをGoogle+ソーシャルネットワークから分離した。これは非常に人気があるとはいえないGoogle+から写真のクラウド・ストレージ機能を独立させることによってサービスの活性化を図ったもので、同時に保存容量を無制限とし、機械学習を利用したキーワードによる写真の検索も提供した。Googleの高度なアルゴリズムは、位置情報が付与sれていない写真を解析して撮影場所を推定するような能力さえある。

こうした機能はユーザーが膨大な写真から望みの1枚を見つけるのを簡単にしてくれるが、一方でGoogleがユーザーの画像アーカイブから得る情報量も飛躍的に増大させることになる。こうしたデータはユーザーのプロファイルを精密化し、最終的には広告ターゲティングを効率化するのに用いられるはずだ。

〔日本版〕写真の同期を停止させるには、設定->アカウント->Google->アカウントと進んで同期オプション画面を開き、「Googleフォトを同期」からチェックを外す。また必要に応じて「Google+フォトを同期」、「Picasa Webアルバムを同期」のチェックも外す。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Microsoft AzureがAWSからの移行を容易にし、ハイパフォーマンスコンピューティングのサポートを充実

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Microsoftが今日(米国時間7/9)、同社のクラウドコンピューティングプラットホームAzureのアップデートを発表した。このアップデートには、大規模で計算集約的なアプリケーションを動かすための新しい機能二つと、AWSからAzureへの移行を容易にするためのAzure Site Recoveryの新機能が含まれている。

Microsoftは1年前にInMageを買収し、そして直ちに、その複数のクラウド間移行技術をAzure本体に組み込んだ。それがAzure Migration Acceleratorのプレビューリリースにつながり、物理マシンや仮想マシン(VMware、AWS、Hyper-V)を容易にAzureへ移行できるようになった。そして今回は、そのサービスが実質的に、Azure Site Recoveryに統合された。

Microsoftは、AWSと違ってAzureではハイブリッドクラウドが持つ利点をユーザ企業が十分に享受できる、と主張している。今日の発表声明ではMicrosoftのクラウドプラットホームのマーケティング部門トップMike Schutzが、“AWSでは統一的で完全なハイブリッドクラウドソリューションの利点を十分に発揮できない場合が多い”、と述べている。“今回の新しい機能により、Azureへの全面的移行が容易になり、Microsoft Cloudが提供するハイブリッドの柔軟性と自由を享受できるようになる”。

またAzure Site RecoveryをOperations Management Suiteのユーザも利用できるようになり、これによりアドミンは、オンプレミスとパブリッククラウド(Azure、AWS)にまたがるワークロードを管理できるようになる。

一方、ハイパフォーマンスコンピューティングの方面ではMicrosoftは二つの新しい機能により、Azureによるワークロードの管理をデベロッパがさらにコントロールできるようにしている。まず仮想マシン上でLinuxのRemote Direct Memory Access機能を使い、複数のマシン間のデータ移動を大幅に高速化する。またMicrosoftは同社のハイパフォーマンスコンピューティングパックをアップデートして、既存のオンプレミスのソリューションをAzureクラウドへ容易に拡張でき、それらをクラウドでデプロイできるようにした。

さらにまた、同社が昨年買収したGreenButtonの技術から生まれた、大規模なバッチジョブのジョブスケジューリングと管理を行うAzure Batchが、今日から一般供用される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

APIの作成と管理が楽になるツールAmazon API GatewayをAWSが提供開始

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Amazon Web Services(AWS)が今日(米国時間7/9)、APIの作成と管理を容易にするためのツールAmazon API Gatewayを発表した。

今日では多くの企業が、API(application programming interface)を介して、他のアプリケーションのバックエンド機能を利用している。しかしAPIの作成と管理、セキュリティの確保、正しい動作の維持などAPI関連の業務はAPI提供企業にとって大きな負担になる。Amazonは、これらの業務をクラウドからのサービス、いわばAPI as a Serviceとして提供することによって、企業の負担を軽減しようとしている。

人気の高いAPIは一日に数百万からときには数十億回もの呼び出しがあるので、強力頑丈なサーバを必要とし、提供企業はダウンの起きない円滑な運用に配慮しなければならない。APIは収益源でもあるから、多くのサービスに使ってほしいと提供企業は思うが、不具合が多くなればデベロッパは代わりのAPIへ移行する。

そこでAmazonは、企業によるAPIの作成と管理を今回のツールによって、できるだけ容易にしようとする。APIの運用の面倒な部分、すなわちトラフィックの管理、ユーザ認証、アクセス制御などの部分を、このツールが肩代わりする。Amazonによれば、このツールを使うとAPIの作成がほんの数クリックででき、デベロッパのためのSDKをJavaScriptやiOS、Androidなど向けに配布できるようになる。

このツールの主な機能の実装には、当然ながら、コンピューティングではAmazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)、APIリクエストのユーザ認証にはAWS Identity and Access Management(IAM)など、Amazon自身のリソースが使われる。またデベロッパは、Amazonの昨年秋のre:inventカンファレンスで発表されたAmazon Lambdaを利用して、何らかのアクションのトリガとなるイベントを、作成し指定できる。

たとえばAPIの利用者がものすごく多くてレイテンシーが発生している場合は、そのことをトリガイベントとして、API呼び出しの一部を他の計算機資源へ回すことができる。

API管理サービスでは、4月に上場したApigeeやMasheryなどのコンペティタがすでにいる。Amazonなら必ず成功するとは言い切れないものの、既存勢力は今、ある程度脅威を感じているだろう。

このツールの利用料金はAPI呼び出し100万回につき3ドル50セント、プラス、データ転送の費用だ。キャッシュメモリを大規模に使うなら、その料金もある。それらの料金については、ここに載っている。

なお、API呼び出しが毎月100万回以下の場合は、最大12か月まで無料だ。

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OpenStackの即動フルインストールをハードウェアに結晶させたアプライアンスをMirantisが発売

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OpenStackの成長と商用利用の普及を推進する強力な旗振り企業の一つMirantisが今日(米国時間7/8)、企業にOpenStackをさらに容易に採用してもらうための、新しいハードウェアシステムの企画を発表した。

その’Mirantis Unlocked Appliances‘と呼ばれるハードウェアシステムは、規格準拠の証明を同社が行い、製造はパートナー各社が行う。このハードウェアは企業にとっての、いわばドロップインのクラウドソリューションで、彼らの既存のデータセンターに簡単にプラグインして、OpenStackをすぐに動かせる、というものだ。なにしろOpenStackはこれまで、誰一人として、インストールが簡単すぎてあっけない、とは言わなかった、悪名高きシステムなのだ。

今決まっている製造パートナーは、システムインテグレーターのRedaptだ。このアプライアンスの構成は、最小が6台のコンピュータノードと12テラバイトのストレージ、最大が24台のコンピュータノードと24テラバイトのストレージである。Dell R630を2段のラックに収めったこのアプライアンスは、1500あまりの仮想マシンをサポートする。価格は6ノードの最小構成が25万ドル、16ノードでは約40万ドルだ。パートナーはもっと増やしたい、とMirantisは言っている。

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“今でもインフラストラクチャの約20%は、アプライアンス形式で使われている。セットアップも運用も、その方がきわめて容易だからだ”、とMirantisの社長で協同ファウンダのAlex Freedlandが今日の発表声明で述べている。“Mirantis Unlocked Appliancesはアプライアンスのこのような使いやすさに、OpenStackのオープン性と柔軟性を結びつけて、箱を開けたらすぐに使えるクラウド(cloud-in-a-box)をご提供する。弊社の最初のアプライアンスは、OpenStackのもっとも多いユースケース…クラウドネイティブのアプリケーションの開発…に焦点を当て、OpenStackエコシステムの公認パートナーがお作りしてお届けする”。

 

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Facebook、テキサス州フォートワースに100%再生可能エネルギーベースのデータセンターを構築

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Facebook5箇所目のデータセンターを建設するとのアナウンスを行った。場所はテキサス州フォートワースだ。Facebookではいつものことながら、既にこのデータセンター専用のFacebookページも開設されている。

フォートワースのデータセンターは、オレゴン、アイオワ、ノースカロライナ、およびスウェーデンに続いての立地となる。データセンターの電源はすべて再生可能エネルギーによって賄われる。このためにFacebookはテキサス州の、データセンターから90マイルほどの場所に1万7000エーカーの風力発電施設を新たに建築する。

Facebookはデータセンターの効率化にも力をいれている。

たとえば一般的なクラスター形式のサーバー構成を見なおして、すべてのサーバーポッドがひとつのネットワーク内で機能する仕組みなどを実現している。オレゴンのデータセンターと同様に、センターの冷却は外気を用いて行うようになっており、これだけでも大幅にエネルギーを節約することができる。

Facebookによると、これまでに行ったインフラの効率化によってこの3年間で少なくとも20億ドルを節約していることになるのだそうだ。

尚、これまでのデータセンター同様に、フォートワースのデータセンターのサーバーデザインもOpen Compute Projectにてオープンソース化される予定だ。

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(翻訳:Maeda, H

Media TempleがAWS上のマネージドホスティングを新プロダクトに

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ドメイン登録サービスGoDaddy傘下のMedia Templeが、AWSのためのマネージドクラウドホスティングソリューション(managed cloud hosting solution, 管理サービスつきのクラウドホスティング)をローンチする、と発表した。このサービスを利用する企業は、AWS上のクラウドの構成およびシスアドミンをMedia Templeに代行させることができる。

Media Temple自身が、AWSなどとも競合するホスティングサービスだから、このようなサービスは一見奇妙に感じる。なぜ今どき、管理代行を伴うクラウドホスティングサービスをAWS上で提供することになったのか? Media Templeのプロダクト担当VP Brian Kuhnと担当ディレクターBrendan Fortuneによると、同社自身は奇妙とは考えていない。“これはうちの顧客の高いレベルのニーズに応えるためであり、またそのニーズにはうち自身が確実に対応しなければならないのだ”、とKuhnは語る。

“これはMedia Templeの歴史とも関係があると思う”、とFortuneは言葉を加える。“うちは単純にホスティングを提供しているだけでなく、顧客たちにもっと一般的な、そして複雑なホスティング関連のソリューションを以前から提供してきた”。

これからのMedia Templeは、AWS上でプロジェクトを作りたいと考えている企業も顧客として、彼らの既存のプロジェクトをクラウドに移す手伝いをしたり、彼らのクラウドインフラストラクチャの管理やモニタリングやバックアップ、分析などの業務を引き受ける。

同社の既存の顧客の中にも、今後の成長のために今回の管理つきクラウドホスティングサービスを利用したい、と考えている企業がいる、と考えられる。またKuhnとFortuneの信念では、まったく新しい顧客も惹きつけるはずだ、と。

新しい顧客の例として考えられるのは、システムのより円滑な運用のために、今よりも複雑なクラウドアーキテクチャを求めているeコマースのサイトやクリエイティブエージェンシー、人気の高いコンテンツデベロッパ、インフラの管理を自分でやりたくないクリエイター、AWS上ですでにプロダクトを動かしているが管理をアウトソースしたいと考えているスタートアップ、などが挙げられる。

同社はこれまでの数か月間のベータ期間中に、複数の顧客の協力を求めて、いくつかのパイロットプロジェクトを動かし、新サービスの細部を煮詰めた。

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料金はもっともベーシックなプランが月額199ドル、規模やニーズ次第でさらに加算される。たとえば専任の管理者を置き、レスポンスタイムに関するSLAを要求するユーザなら、月額399ドルだ。上限は月額1499ドルで、電話によるサポートがつく。

こういう、完全な管理代行を伴うホスティングサービスを提供しているところは、Media Temple以外にも、Rackspaceなど数社ある。クラウドプラットホームとしてはAWSとGoogle Cloud PlatformとAzureが三強になってしまっているし、またユーザ企業は単純なVPSサービスを卒業して大きく成長し、管理業務などはアウトソースしたい、と考えているところが少なくない。そこで三強以外のマイナー勢力は、まず既存の顧客の、そういう成長意欲に応える新たなサービスを、自らの新たな商機商材としたいのだ。成長機会を求める既存の顧客がAWSへ移行するのを、指をくわえて見ているのは、しゃくだもんね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Google Cloud上のアプリケーションを管理するGoogle Developers Consoleのモバイルアプリ(iOS/Android)が出た

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GoogleのCloud Platformの上のアプリケーションの管理をしている人なら、Webから提供されるGoogle Developers Consoleをよくご存知だろう。これまではそれが、ユーザのシステムの健康状態を見るためのほとんど唯一の方法だった。でもこれからは、Cloud Platformのユーザは、Googleが提供するiOSとAndroid用のモバイルアプリで、Google App EngineやCompute Engineエンジンを使っているアプリケーションをリアルタイムで管理できる。

このアプリのAndroidバージョンのベータは、今年の初めに秘かにローンチされたが、今やGoogle Cloud Consoleアプリという正式の名前をもらって、iOSとAndroidの両プラットホームで一般公開された。

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デベロッパはこれらのアプリを使って、出先からでもCloud Platform上の自分のアプリケーションやサービスを簡単にモニタできる(CPU使用率や毎秒のリクエスト数、レイテンシ、ディスクやネットワークの状況、費用の推計など)。

またこのアプリから利用できるCloud Monitoringサービスを使うと、ユーザが独自に指定した測度をモバイル上で容易に追跡できる。

そのほか、異状が生じたらアラートが来るから、モバイル上で仮想マシンをリスタートしたり、同じくモバイル上でSSHを使うこともできる(ただしこちらは当面Androidのみ)。異状への対応が完了したら(orギブアップしたら)、インシデントステータス(事故状態報告)のアップデートもモバイルからできる。

 

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Google、カスタム地図作成ツール、マイマップをGoogleドライブに追加

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誰でも簡単にカスタム地図が作れるGoogleのマイマップツールはかなり前から公開されている。しかし、たまに誰か他の人が作ったカスタム地図を見て気づく以外には、このツールの存在はあまり知られていない。今日(米国時間7/1)、GoogleはマイマップをGoogleドライブの「新規」メニューに追加した。スプレッドシートやスライドに並んでマイマップが表示される〔そこに表示されない場合は「その他」のサブメニューに表示される〕。

この変更でマイマップの存在があまねく知られるようになるわけではないだろうが、マイマップのユーザーが作成した地図をドライブに保存するのが簡単になった。

Googleはすべての生産性ツールをドライブに集約しようとしている。

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なおGoogleは最近、マップ関係のいくつかのプロダクトの終了を発表した。この中にはモバイルデバイスを利用して外出中の社員を管理するMaps CoordinateやMaps Engine(2016年終了)が含まれる。またGoogle Earthのエンタープライズ版、Google Earth APIも今年いっぱいで提供が終了する。

つまりGoogleのプラットフォームでカスタム地図を作りたければマイマップを使えということなのだろう。

Googleが解説しているとおり、マイマップにGoogleフォームなど他のドライブ製品からのデータを埋め込むのは簡単だ。また作成した地図はドキュメントなどと同様、 共有したり、ドライブの検索ボックスから検索したりできる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AWSがユーザの費用管理サービスをローンチ…予算オーバーにはアラートを

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デベロッパがクラウドコンピューティングプラットホームAWS上で開発していくときの、出費をコントロールするためのツール集を、今日(米国時間6/29)Amazonが発表した

その最初のツール、その名もまさにBudgetsは、AWSの各月の予算を管理する。AWS全体、あるいはたとえばEC2のサービスだけの予算を設定すると、費用または当月の予測費用が設定をオーバーしそうになったとき、AWSがアラートをくれる。

また、前からあるリソース使用量/料金レポートサービスCost Explorerに、向こう3か月の料金予測が加わった。このサービスは全体量を見るだけでなく、個々のサービス、タグ、可用性ゾーン、購入オプション、API操作なども見ていく。ユーザの実際の使用量には変動がありうるので、この予測には、予測の信頼区間がつく。

AWSの費用の推定は、Amazonの粒度ベースの複雑な料金体系があるので、容易なワザではない。しかもユーザのアプリケーションが複雑であれば、費用計算はさらに難しくなる(そしてAWSの費用を他のクラウドプラットホームと有意に比較することも難しい)。今回の新しいサービスにより、サードパーティのツールがなくてもAWSの費用を追跡できる、ぐらいにはしていただきたい。

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ブラウザ上の仮想デスクトップDeskdooはその上でどんな仕事でもできる…アプリケーションもクラウドからだ

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ブラウザ上の仮想デスクトップは長年IT管理者の夢で、おもしろい実装もいくつかあったが、どれも非力だった。しかしHTML5が使えるようになった今は、ブラウザの中にデスクトップ体験を作ることがとても容易になっている。Deskdooが、そのことを証明している。

ポーランド生まれのDeskdooは、あなた個人や会社の人たちに、仕事で使うあらゆるものが集まるリポジトリを与える。ほかの仕事をしながらでもMicrosoft Office互換のドキュメントを作ったり、トゥドゥリストを作ったり、ノートをとることもできる。各部課用に複数のデスクトップを作れるし、個人的なファイルを別の場所に保存できる。作者はAdam AdamczykDawid Krawczykiewiczだ。

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小さなITショップは今後絶対に、こういうものを使うだろう。リモートの社員のために仮想デスクトップを作ってやれば、セキュリティは良いし、大量のラップトップやPCがあちこちあるよりも、管理者の手元で(というよりクラウドプラットホーム上で)仮想デスクトップサーバのインスタンスが一つだけ動いている方が管理も容易だ。データがどこへ行ったかわからん!という事故も防げる。

“各ユーザは自分のコンピュータやタブレットに何もインストールする必要がない。サーバも自前ではなく最新のクラウドコンピューティングプラットホームを使っているし、アプリケーションもGoogleなどのサービスで十分間に合う”、とAdamczykは語る。“これは世界初の、クラウド上で動く仮想デスクトップシステムであり、そられが提供しているアプリケーションを厳選することによって、仕事の効率もアップする”。

アプリケーションはほとんどGoogleのツールだから、いわばこのシステムは、“Googleというオペレーティングシステムのためのシェル”だ。たしかに、いまどきの企業のIT部門は、社員各人が自機上で自由にアプリケーションをダウンロード〜インストールして使っている状態は、むしろやばいと言えるのだろう。

〔余計な訳注: ChromeOSの発想に近いね。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

SaaSアプリケーションのオンプレミスバージョンを簡単に提供できるコンテナツールReplicated

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SaaSの企業がそのアプリケーションのオンプレミスバージョンを、もっと容易に提供できるように助けるReplicatedが今日(米国時間6/23)、150万ドルのシード資金の獲得と、ベータに参加している顧客企業を発表した。

同社はDockerのコンテナ技術を利用して、デベロッパが一度だけ書いたコードからアプリケーションのまったく同じ二つのバージョンを作り出す。ひとつは通常どおりクラウドにインストールされるバージョン、もうひとつはアプリケーションをプライベートクラウドや自社のデータセンターに置きたいと望む顧客のためのバージョンだ。

また、同社のベータに参加している企業は、Travis-CICode Climate、そしてNPMだ。いずれも、この生後9か月の企業(Replicated)にすでに1週間あまり協力している。

そしてシード資金は、ラウンドを仕切ったのがBoldStartで、これにFounder CollectiveとMucker Capital、TenOneTen、WonderVC、そしてWTIが参加した。また、David Lee(元SV Angel)やTom McInerney、GitHubのファウンダTom Preston-Wernerなどのエンジェルたちも参加している。

企業ユーザとSaaSの相性は必ずしも…

ReplicatedはファウンダのGrant MillerとMarc Campbellにとって二つ目のスタートアップで、最初はカスタマサービスをモバイルのチャットでやる、というアプリLook.ioを立ち上げ、それは2012年にLivePersonに買収された。

その後二人は2年間LivePersonで仕事をしたが、そのとき、問題に気づいた。大企業にはアプリケーションをSaaSでは使いたくないが、そのアプリケーションそのものは欲しい、という場合がある。しかし多くのSaaS企業には、別途オンプレミスバージョンを作ってメンテしてサポートしていく余力がない。

当時は、Dockerに代表されるコンテナ技術の黎明期だった。コンテナによって企業は、ポータブルなアプリケーションを作れる。そしてアプリケーションがポータブルであれば、“LivePersonなどの企業はアプリケーションのDockerイメージをユーザ企業に提供してファイヤーウォールの背後で動かしてもらえる”、とMillerは語る。

コンテナがなければ、顧客が求めているオンプレミスバージョンは二つ目のプロダクトとして作らざるをえない。それは時間と費用がかかるだけでなく、うまくいかないこともある。コンテナはこの大きな問題を解決してくれるので、MillerとCampbellにとっては渡りに船だった。

単なるインストーラではない

しかしReplicatedは、単純なインストレーションツール以上のものだ。それはまず、Active DirectoryやLDAPなどの認証システムを統合し、インスタンスに関する情報をダッシュボードで提供し、アップデートがあればユーザに報告、オーディティング(システム監査)ツールやバックアップサービスまで提供する。

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コードベースが二つも要らないのだから、アプリケーションの制作提供企業にとってReplicatedはとても便利だ。Repricatedにエンジェルとして投資しているGitHubのファウンダTom Preston-Warnerは先週、彼の個人的なブログでこう書いている:

“GitHubでは、GitHub独自のインストーラを作ろうとして何度も挑戦した。それは、インストールする環境のセキュリティを確保し、ライセンス管理を自動化し、シングルサインオンサービスを統合し(LDAP, Active Directory, CASなどなど)、検索できるオーディットシステムがあり、顧客がレビューできるサポートバンドルをサポートし(ログなどの診断出力)、さまざまなバックアップ戦略が可能で、そのほか、数えきれないほど多くのエンタプライズ的機能を具備していなければならない。それらの課題はすべて、GitHubのエンタプライズ利用をこれまで阻(はば)んできた要素なのだ。

Replicatedは、上にPreston-Warnerが挙げている問題をすべて解決し、顧客はエンタプライズインスタンスを驚くほどはやく作れる。同社のデモページは、8分ですべて終る、と主張している。現実にはもっと長くかかるかもしれないけど、重要なのは、これまでのような多大なる苦労が要らない、簡便である、という点だ。なおPreston-Warnerは今GitHubにいないし、GitHubはReplicatedの顧客ではない。

昨日(米国時間6/22)行われたDockerConで、コンテナ技術の主な選手たちが協力してコンテナのオープンスタンダードを作ることになった、と発表された〔関連記事〕。それは、Millerにとっても朗報だ。コンテナが標準化されれば、Replicatedの仕事は理想的な単純性に達する。CoreOSなどをはじめ、いろんなコンテナ技術をサポートしなくてもすむからだ。そのスタンダードに対応した製品を一つだけ作れば、あらゆるSaaSベンダが自分のプロダクトにそれを使えるようになる。

Replicatedはまだ歩き出したばかりだが、彼らが最初のスタートアップの成功をreplicate(複製する、再現する)できるなら、ほんとにすばらしいことだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

国際送金サービスのAPIエンジン、Currency CloudにSapphire Ventures、楽天などが1800万ドル投資

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イギリスの国際送金サービスのスタートアップ、Currency CloudがシリーズCのラウンドで1800万ドルの資金調達に成功した。これで2012年以来の調達資金の総額は3600万ドルとなる。今回の資金調達はSapphire Venturesと楽天という新たな投資家の顔ぶれでも注目を集めた。

Sapphire Venturesはドイツの巨大ソフトウェア企業SAPグループのベンチャーキャピタルとして出発したが、現在は独立して運営されている。楽天は日本で最大級の総合eコマース企業だ。Anthemis、Atlas Ventures、Notion Capital、XAnge Private EquityなどCurrency Cloudの既存の投資家も今回のラウンドに参加している。

しかしSapphireとRakutenの参加はきわめて戦略的なものに違いない。Currency CloudはSAPの顧客企業に国際送金サービスを提供できる。一方、楽天はグループ内のベンチャーファンド、FinTech Fundを通じて投資を行った。われわれ国外のものにとって楽天はeコマースの企業として知られているが、楽天は日本で大規模な金融ビジネスを行っている。Currency CloudのCEO、Mike LavenはTechCrunchの取材に対して「楽天が金融事業をアジアに拡大しようとする際にわれわれは重要な役割を果たすだろう」と述べた。

Currency Cloudのコア・テクノロジーはPayment Engineと呼ばれるAPIで、これはAzimo、TransferWise、xe.comなど125件もの国際送金サービスのバックボーンとなっている。

【中略】

Currency Cloudは今回のラウンドにおける企業評価額を明らかにしなかった。

画像: maggee/Shutterstock

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Docker、月150ドルで企業向け商用ソリューションの提供を開始―AWS、IBM、Microsoftも販売

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今日(米国時間6/23)、Dockerはコンテナ管理ソフトウェアの企業向け商用ソリューションを一般公開したと発表した。Dockerの商用ソリューションはDocker自身に加えてAmazon Web Services、IBM、Microsoftから提供される。価格は月150ドルからと手頃だ。

契約ユーザーは24時間年中無休でDockerのデプロイメントのサポートを受けることができる。1ライセンスで最大10個の認証ずみDocker EngineとDockerの各種管理ツールが利用できる。Dockerではユーザー企業のニーズに応じてカスタマイズされたサービスの提供も行う。

新サービスのコアとなるテクノロジーはDocker Trusted Registryだ。これはコンテナーを管理するDocker Hub Registryをベースにしているが、エンタープライズはTrusted Registryを自社のファイアウォールの内側でオンプレミスでDockerイメージを管理、共有するために利用できる。このオンプレミスのレジストリーはLDAPとActive Directoryと統合可能なので、企業は既存の認証システムをベースにしてDockerの導入が図れる。

Trusted Registryはこの2月からベータテストが開始され、現在800社以上の企業で利用されている。, DockerのCEO、Ben Golubは「昨年6月にサンフランシスコで開催されたDockerConで発表されて以後、Docker Hubは何十万ものユーザーを集めている。これらのユーザーは商用ソリューションに何が必要か、貴重なフィードバックをもたらしている。エンタープライズは事業の中核となるアプリをDockerを利用してデプロイする際のわれわれのサポートを強く求めていることがわかった。われわれはDocker Trusted Registryのベータテストからのフィードバックも生かして新しい商用ソリューションを提供することにした」と述べた。

IBM、Microsoft、AWSが再販売し、料金も安いので新しいDockerサービスは大量の企業ユーザーを集めることができそうだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

「会社設立 freee」は全自動で会社設立に必要な書類をすべて出力できる無料ツール

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会社設立の手続きは想像以上に時間がかかるものである。

例えば、会社のルールをまとめた定款をはじめとする各種書類。ネットや本を見ながら苦労して作っても、不備があれば役所に突き返される。各種書類に同じ情報を何度も記載するのも面倒。そんな非効率な起業環境を改善するツールが「会社設立 freee(フリー)」だ。わずか5分で会社設立に必要な書類が出力できることをうたう。クラウド会計ソフトのfreeeが本日、無料で公開した。

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案内通りに入力するだけで、会社設立に必要な各種書類を自動で作成。一度の入力で、必要な書類や手続きに情報を再利用するので、同じ情報を何度も入力する手間もない。

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役所ごとに提出すべき書類や捺印箇所を手続きの段階ごとに指示。各役所に持っていく持ち物リストも教えてくれるので、役所で再提出を命じられる憂き目を避けられそうだ。

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データはすべてクラウド上に保存するので、PCだけでなくスマートフォンやタブレットからも利用できる。freeeの佐々木大輔社長は、「スマホでの表示に完全対応しているので、スタバでも5分で必要な書類が作れる」と使い勝手の良さをアピールする。

そのほかに有料のオプション機能として、すでに入力した情報を転記してジャパンネット銀行の口座を開設したり、ハンコヤドットコムで会社実印を注文することが可能。官報に掲載すると1回約6万円かかる公告を年間1000円で利用できる「freee 電子公告」なども提供する。

スマホにも最適化している

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設立したての企業を囲い込む「ゆりかご戦略」

専門知識がない人にとって、会社設立の手続きは本やネットで調べて自力でやるか、行政書士などの専門家に依頼するケースが多い。freeeが会社設立経験者500人を対象に実施した調査によれば、会社設立手続きに要した期間は平均24.2日、費用は平均11万2000円と、多くの時間とコストがかかっていた。

世界銀行が昨年10月に発表した年次報告書「Doing Business 2015」によれば、“起業環境の良さ”で日本は世界83位。この数字は「手続き数」「かかる日数」「コスト 」「最低限必要な資本金」をもとに算出したものだが、会社設立 freeeを使えば「かかる日数」と「コスト」が改善し、現在の順位を45位にまで押し上げられると、佐々木氏は言う。

freeeの佐々木大輔社長

freeeの佐々木大輔社長

「実は僕が起業した時も、法務省のサイトを見ながら定款を作って、行政書士にチェックしてもらっていました。それでも役所に提出する書類が足りなかったり、押印を忘れて受理されず、法務局を何往復かしたことも……。会社設立 freeeは起業環境を圧倒的に改善できる。日本の開業率を現状の5%から10%にできると思っています。」

会社設立 freeeを無償提供するのは、本業のクラウド会計ソフト「freee」を利用してもらうためだ。設立手続きが完了すると、自動でfreeeのアカウントが作成されるので、希望に応じて設立当初からクラウド会計ソフトを導入できる。freeeを導入しているのは、創業間もない事業者が多いというデータもあることから、いわば「ゆりかご」状態の企業を囲い込もういうことなのだろう。