OnlyFansは、NSFW(not safe for work、職場での閲覧には不適切な)クリエイターのおかげで繁栄しており、8月には2021年の売上高が、2020年の12億ドル(約1370億円)から大きく増加し、25億ドル(約2860億円)に達する見込みであると発表していた(OnlyFansはクリエイターの収益の20%を徴収する)。しかし同時に、OnlyFansは同社を10億ドル(約1140億円)規模の企業にしたセックスワーカーたちの生活を脅かすような爆弾発言をした。それは、OnlyFansがNSFWコンテンツ(つまり、露骨に性的なコンテンツ)を禁止するというものだった。それが急速に反発を招いた後、OnlyFansはこの決定を保留し、銀行プロバイダーとの問題を解決したと発表している。
米国議会は2019年に「Safe Sex Workers Study Act(性労働者安全調査法)」を導入し「Fight Online Sex Trafficking Act(FOSTA 、インターネット上の性的人身取引対策法)」など、オンラインでのセックスワークを困難にする法律の影響を調査した。この研究では、セックスワーカーが「オンラインプラットフォームへのアクセスによってもたらされる経済的安定性」を失った後「コミュニティ組織は、セックスワーカーのホームレス化が進んでいると報告していた(いる)」ことが判明した。
ポッドキャスティングでは、立ち上げから数週間で多くの評価やレビューを獲得すれば、Apple Podcastsの注目すべきチャート「New and Noteworthy」にリスト入りする可能性が高まり、番組の成長が加速するというのは、十分に裏付けがある神話だ。それに、プロのポッドキャスターたちは、Apple自身が評価やレビューはチャートに影響を与えないと言っていることを指摘している。
Far too many podcasters (and an embarrassing number of podcast consultants) still think ratings and reviews on Apple Podcasts influence rankings. They don't. They never have. And if you don't believe me, perhaps you'll believe… Apple?https://t.co/ZpmwYWbNeZpic.twitter.com/TskiHpOFIR
If it’s looking different, then you’re in our latest test: a new Explore experience to help you discover the best content that’s trending. Available in certain countries for some of you who use Twitter in English on Android and iOS. pic.twitter.com/PGQwMT8r8B
Facebookがアプリストアの収益分配を回避する方法を見つけたのはこれが初めてではない。2021年11月にFacebookは、クリエイター向けのカスタムサブスクリプションリンクをiOSで提供し、賛否渦巻くAppleの30%手数料を避けて直接支払いを受けられるようにした。この仕組みが、少なくとも現段階で、可能なのはFacebookがこの取引で自分の取り分を得ていないからだ。そうすることでFacebookは、AppleのApp Store Guidline(アップストア・ガイドライン)に細かく書かれている現在許容されている方法で手数料を回避することができる(具体的にはガイドラインの3.2.1項「許容される行為」に、個人は他の個人に金銭を贈与できる、ただし受け手側が金銭の100%を受け取る場合に限る、と書かれている。Clubhouse(クラブハウス)はこの隙間と自身のアプリ内チップシステムを利用している)。
プレミアム会員制度について同社は、現時点では「非常に初期のパイロット版」としており、有料機能をテストしてフィードバックを提供する少数のコミュニティに先行して導入される。プレミアム会員制度の小規模テストグループには、チュートリアルやアドバイスを提供するゲーミングブートキャンプ、Trans Community Center(トランスコミュニティセンター)、ストリーミング技術のチュートリアルを提供するサーバーStream Professorなどのコミュニティが含まれる。
予想どおり、MrBeastの「イカゲーム」動画には、Netflixのドラマをあれほど魅力的にした、感情的な共鳴やサスペンスが欠けていた。参加者は何のリスクも負わないため、昼間の「Wheel of Fortune(米国のゲーム番組)」の再放送と同じ程度に、懸けられたものが小さく感じられる。だがドナルドソン氏は、このスタイルのYouTubeコンテンツを開拓しただけでなく、完成させた。とんでもなく馬鹿げたことをすれば、みんながそれを見てくれる。YouTubeでは視聴時間が金になる。ただ、このモデルを追求していくと、ユーザーの注目を集めるための投資コストが時間を追うごとに膨らんでいく。
動画「How I Gave Away $1,000,000(僕が100万ドル[約1億1300万円]を誰かにあげるまで)」でドナルドソン氏は、こうしたコンテンツを作り始めたきっかけは、デジタルアイテム収集アプリのQuidd(クイッド)から、1万ドル(約113万円)の動画ブランド契約を持ちかけられたことだと説明している。同氏は、その1万ドルをホームレスの人に渡す動画を撮った。その後もQuiddからの資金で動画を作り続け、その数は雪だるま式に増えていった。
MrBeastは9月、クリエイター向けのYouTubeチャンネル「Colin and Samir」で「動画制作に毎月400万ドル(約4億5200万円)を使っているが、自分の期待を上回る動画もあれば、そうでない動画もある」と語っていた。同氏によると「I Sold My House For $1(自宅を1ドル[約113円]で売ってみた)」という動画の制作費は100万ドル(約1億1300万円)を超えたが、広告収入で回収できたのは50万ドル(約5650万円)にも満たず、スポンサー料ではその差を埋められなかった。だが、いくつかの動画が予想以上に良い結果を出している限り、あまりバイラルではない(拡散しない)動画が多少あっても、痛くも痒くもない。
2016年の最初のバイラル動画では、表に「SEPT 21(9月21日)」、裏に「THAT’S TODAY(それは今日だ)」と書かれた自作のシャツを着て、寝室で踊っただけだった。翌年は派手に風船を使い、2018年には子ども合唱団を登場させ、2019年にはマリアッチバンド(メキシコの大衆的な楽団)を雇った。その後の展開はおわかりだろう。2021年、同氏はもうビデオを作らないと決めた。毎年、より大きく、より良いものを作り続けるのは、時間がかかりすぎるし、困難だからだ。そこで、同氏は最後にもう一度、全力で取り組み、ファンから100万ドル(約1億1300万円)以上の寄付を集めた。だが、一連の「September」動画は、同氏の生業にはならなかった。動画が話題になったことで、ハリウッドで注目されるようにはなった。毎年の「September」動画の企画の合間に「The Good Place」や「The Late Late Show with James Corden」などの番組で脚本を担当した。
しかし、Sephoraであらゆる口紅を買ってしまったら、それ以上のことをするのは無理だろう。ナイガード氏は目下、約1000万人の登録者がいるYouTubeチャンネルを月に1~2回しか更新していないが、Instagram Reels(インスタグラム・リール)やTikTok(ティクトック)には数日に1度のペースで投稿するようになった。TikTokでも高価な買い物をすることがある。ある人気のTikTokで、同氏がBalenciaga(バレンシアガ)の1350ドル(約15万3000円)のピンヒールをデザインした。しかし、117本のBath and Body Worksのキャンドルや、600本のSephoraの口紅に比べれば、小さな買い物だ。
ネットでバイラルになるのはこれまでになく簡単になったが、だからといって長期的に視聴者の注目を集めるのが簡単だとは限らない。ネットで生計を立てるには、視聴者が必要となる。MrBeastがハリウッド級の予算でYouTube動画を制作し、なおかつ「カミソリのように薄い」利益しか上げていない今、私たちは「クリエイター経済で勝っているのは誰か」と問わなければならない。結局のところ「Real Life Squid Game」の成功は、ドナルドソン氏にとってよりも、YouTubeにとって、あるいはNetflixにとってさえも、朗報なのかもしれない。
米国時間12月2日よりベータ版の展開が始まったPlayground(プレイグラウンド)は、人々がコミュニティを発見し、発展させることを支援するとともに、クリエイターには視聴者の収益化を可能にさせることを目指すソーシャルプラットフォームだ。すでにそのウェブサイトでは、Museum of Modern Art(近代美術館)や、コメディ司会者のAlexis Gay(アレクシス・ゲイ)氏、Aboritionist Teaching Network(アボリショニスト・ティーチング・ネットワーク)、活動家のNupol Kiazolu(ヌポル・キアゾル)氏、マレーシアのバーチャルダンスクラブなど、さまざまなユーザーが名を連ねている。現在のところ、ベータ版はカルチャー分野(アート、音楽、ウェルネス、ゲームなど)の一部のクリエイターにのみ公開されており、コミュニティメンバーに関してはウェイティングリストが用意されている。