今年(これまで)のVinesビデオ笑撃のケッサク集

8月の金曜日といえば、本誌の準連載となっている「競争の激しいビデオ共有分野においてVineの存続を正当化するためにVineユーザによる超おかしい短篇ビデオを紹介する」の掲載日として、きわめて妥当だ。今日(米国時間8/9)ご紹介するのは、誰かが選んだ、今年の今日までの最高におかしなビデオだ。

ところで、今日がその準連載の第一回である

一部に、残酷なのやアホなのもあるが(友だちをプールに蹴落とすとか)、そのほかはとってもおかしい。NSFW(職場不適)のビデオはあまりないが、少しある。会社のトイレで仕事をサボりながら見るのにも、適しているかもしれない。

これらのビデオは、Vineの最大の魅力を示している。ユーモアによって過激なコミュニティができること。6秒という制約は、創造力を濃縮し、喜劇を強調し、ソーシャルメディアのつまみ食いに最高に適している。

時間がたっぷりない人でもVineへ行けば、ほんの一口のユーモアを味わうことができるから、Vineはやみつきになる。Instagram Videoのように機能豊富ではないが、コミュニティの魅力はこっちが上だ。

では、次回をお楽しみに!

ごめんなさい。サムネイルもある。ぼくの仕業(しわざ)ではないよ。


コメントの一部はJosh Constineによる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


編集済みビデオの投稿ができるようになったInstagram。素人ビデオ投稿者はどこへ行く?

Instagramを使って、上手に写真を撮れる人はかなりいるようだ。ただ、面白い動画を撮るとなると、また別の話になる。しかしこれまでは、誰もがInstagramを使って動画撮影をする必要があった。そのおかげで動画はみなお遊びレベルのものであるという前提もあったわけだ。ところが先日公開されたInstagram 4.1からは、ビデオのアップロードができるようになった。つまり、プロフェッショナルが高性能カメラで撮影して、高価格な機材を用いて編集し、それを投稿するということもできるようになったわけだ。「お遊び」で許される時代は終りを迎えることになる。

リリースされたのはiOS版およびAndroid版で、Android 4.0 Ice Cream Sandwichに対応したり、ビデオの傾きを修正したりする機能が追加された。しかし多くの人の興味をひいたのは、やはりビデオアップロード機能だろう。競合サービスを展開しているVineでは一部ブランドなどに編集ビデオのアップロードを許可してはいるようだが、一般利用者はVineを使ってビデオを作成する必要がある。

アップロード機能の提供により、Instagram Videoには面白みだけではなく、完成度が求められるようになるかもしれない。これまではInstagramでもVineでも、さまざまな編集技法を駆使した思い通りの作品をアップロードするということはできなかった。しかしこれからは、秒数さえ15秒以下であるならば、思う存分に編集作業を加えたものを投稿できるようになる。過去の作品から良いところを抜き出すというのもありだろうし、またプロモーションビデオのようなものを作ることもできるだろうし、またYouTubeビデオのリミックスなども作成できる。

また、編集作品をアップロードできるようになったことで、ブランドの参入も増加していくだろう。多くの場合、手をあまりかけていないチープな感じのするビデオで、ブランド紹介をすることは忌避される傾向にあるからだ。これからはInstagram用のブランドビデオでも大手エージェンシーに作成を依頼するようなこともできる。15秒という時間は、短いテレビコマーシャルと同じ時間であり、双方で流用するような動きも生まれるかもしれない。つまりInstagramやFacebookの広告プログラムを利用せずとも、Instagram上でテレビCMを流したりもできるわけだ。

広告はともかく、Instagram上で美しいビデオ作品を見ることができるようになるのだろうか。それは間違いなかろう。それは良いことかもしれないが、そうした「高品質」ビデオが増える中で、アマチュアは従来のような「素人ビデオ」の投稿を続けるだろうか。投稿をやめてしまう人も出てくるかもしれない。

Instagramはもともと「簡単さ」(simplicity)を強調してサービスの提供を行なってきた。しかし決して「シンプル」ではない各種編集作業を受け入れることにより、築き上げてきたコミュニティを2つに割ってしまうことになり、そして素人衆をVine世界に追いやってしまうという危険性もあるかもしれない。

[Image Credit: AP Photo/Marcio Jose Sanchez]

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(翻訳:Maeda, H)


YouTubeの共同ファウンダーが作ったMixBitは多数のクリップをつないでストーリーが作れるモバイル・ビデオ・プラットフォーム

YouTubeの共同ファウンダーの2人が作ったMixBitはまったく新しいビデオ・プラットフォームだ。最近の他のビデオ・アプリとは異なり、MixBitの目的は複数のビデオ・クリップを編集して中くらいの長さのビデオ作品を作るところにある。

MixBitではユーザーは最長16秒のビデオを撮影してデバイスに保存できる。編集後のビデオは最長68分までとなる。さらにユーザーは他のユーザーのビデオを再利用して自分自身のビデオを新たに編集することもできる。

MixBitでは撮影した短いビデオ・クリップを並べ替え、つなぎ合わせて意味のあるビデオ作品が作れる。最大256本のクリップが処理できる。完成した作品はTwitter、Facebook、GooglePlus、MixBitで共有できる。

ビデオの下にはタイムラインに添って素材に使ったビデオ・クリップが並べられ、クリックすると単独で再生できる。また他のユーザーが素材を再利用できるのも大きな特徴だ。このリミックス機能が広く受け入れられるかどうかはもう少し様子を見ないとわからない。

MixBitはVineや Instagramとはタイプが全く異なるプラットフォームだ

MixBitはVineやInstagramとは全く異なる。共通点といえばモバイル・アプリだという点くらいだ。VineやInstagramのユーザーはなにか興味のあるシーンを撮影するや否や公開ボタンを押す。それで終わりだ。しかしMixBitではこれと違い、意味のあるストーリーになるように編集してから公開することになる。

スタート画面もInstagram、Vineとは違う。ビデオの自動再生はない。ほとんどのビデオは1分以上の長さだ。もっとずっと長い作品も珍しくない。雰囲気としてYouTubeアプリに近い。タイトルとサムネールがタイル状に表示されるので、興味を引かれたビデオをクリックして再生する。YouTubeとの違いは、こちらは100%がユーザー撮影のビデオだという点だ。

MixBitは現在iOS版が公開されているが、数週間後にはAndroid版も完成するという。

開発元のAVOSはYouTubeの共同ファウンダー、Chad HurleyとSteve Chenの会社だ。同社はブックマーク・サービスのDeliciousを2011年にYahooから買収して運営している。

〔日本版:こちらは寝転がってごろごろいっている大きなクロネコ

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebook、アメリカの英語版でグラフ検索を公開―「ニューヨークに住む20代の独身女性の友だち」を検索できるようになる

Facebookがこのほど公開したグラフ検索(Graph Search)は自然言語でFacebook上の人物を検索できるツールだ。

これを使うと、「私が生まれた町の出身者で今住んでいる都市に住んでいいる友だち」、「友だちの友だちでポーラ・ディーン(シェフ・料理研究家)が好きな人」、「ニューヨークに住んでいる20代で独身の女性の友だち」などの検索が可能になる。現在、グラフ検索はアメリカに居住していて言語設定をアメリカ英語にしているユーザーが利用できる。

まだ利用できないユーザーが多いわけだが、グラフ検索は実に面白い暇つぶしになる。もちろんある種の状況(初めてある都市を訪れる際に、役に立ちそうな人を探す)では実用性もある。同時に、グラフ検索によって今まで以上に詳細な個人情報が特定されるようになるわけだからユーザー全員が自分のプライバシー設定を見直す良い機会でもある。個別の投稿やコメントから情報が拾い出されてしまうし、いずれモバイルからも利用できるようになるだろう。

Facebook自身も以前から注意しているとおり、Facebookのプライバシー設定から「誰がどんな情報にアクセスできるのか」をもう一度確認しておくべきだ。一方で、強力なグラフ検索の全面公開とともに、Facebookの重要なプライバシー機能が終了する予定だ。

Facebookは去る12月に「私を名前で検索できる人の範囲」を設定する機能を数ヶ月後に終了させる予定だと発表した。その理由は「この機能がめったに使われず、また別の方法で個人名が検索できるから」というものだった。この機能は、検索窓に名前を入れて検索したときにその検索結果に表示されないようにする。Facebookではその重要性をできるだけ小さく見せようと努力しているものの、一部のユーザーにとっては実にありがたい機能だった。

「強力なグラフ検索機能とそれに対応する詳細なプライバシー設定機能が導入されるので名前検索制限は不要になった」というのがFacebookの公式見解だが、名前検索制限を利用していたユーザーはそもそも「強力なグラフ検索機能」の導入自体を嫌っているはずだ。しかしFacebookは「精密な知識グラフを構築するためにはプライバシーによって保護される部分は少なければ少ないほど良い」という立場をくずそうとしない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebook、新しいニュースフィード表示アルゴリズムを詳しく解説―こうして記事の見逃しを大幅に減らした

毎日7億人がFacebookのニュースフィードを見ているが、表示される投稿がどういう仕組で選ばれ ているのかはほとんど誰も理解していない。そこで今日(米国時間8/6)、Facebookはフィードのアルゴリズムを紹介するブログ記事の連載を開始した。最初にFacebookが取り上げたのはStory Bumping〔投稿を揺すぶる〕という仕組みで、これはユーザーが興味を抱きそうな未読記事を効果的に表示するメカニズムだ。

ニュースフィード・チームのLars Backstromによれば、ニュースフィード処理はFacebookがGoogleやBingなみの巨大な情報処理を行っている唯一の分野だという。しかし、あるいみではニュースフィード処理はGoogle検索より困難だ。Google検索ならたくさんの結果を表示して検索者に選ばせることができるが、ニュースフィードの場合、それぞれのユーザー個人に対して一意的に適切な結果を表示しなければならない。

初期にはニュースフィード・アルゴリズムは プロダクト担当副社長nChris Coxによれば、彼とエンジニアリング・ディレクターのBozことAndrew Bosworthがその都度、試行錯誤でパラメータをいじるだけだったという。

FacebookのLars Backstromとニュースフィード・チーム

「こんな適当なやり方ではときおり失敗が起きた」とCox。March Madness〔春の大学バスケットボール選手権〕の時期にESPNと提携したときにはバスケット試合のニュースがニュースフィードに溢れかえってしまったそうだ。

しかしその後コンテンツが爆発的に増加した。現在平均的ユーザーが表示可能な記事は毎日1500件にもなるという。ニュースフィード・チームの目標はこの1500件のうちからそれぞれのユーザーがもっとも興味を抱くであろう投稿を選び出すことだ。現在Facebookにはニュースフィードに対するユーザーの反応をモニタするダッシュボードがあり、ビッグデータを処理してニュースフィード・アルゴリズムの調整にユーザーがどう反応しているかリアルタイムで知ることができる。

ニュースフィードに興味ある投稿が増えればユーザーがFacebookを利用する時間が増える。そうでなければユーザーはFacebookに飽きてしまう。つまりこのアルゴリズムこそFacebookの繁栄にとっての生命線なのだ。

新しいアルゴリズム

最近までニュースフィードはユーザーが前回にログインして以降のすべての投稿を評価してもっとも興味がありそうな投稿を選んで表示していた。しかしユーザーはいつも画面を見ているとは限らないので数時間後に見ると、さらに新しい記事が山積みになって結局、未読記事は永久に目に触れる機会がなくなってしまう。

そこでStory Bumpingアルゴリズムが登場した。Facebookは単に前回ユーザーが閲覧した後に投稿された記事だけを評価するのではなく、最近の未読記事も評価対象に加えることにた。これによって興味ある記事の見逃しがずっと減ることになった。

Facebookはすでにウェブ版ではStory Bumpingを運用中だが、モバイル版にも導入を始めている。テストの結果、Story Bumpingは「いいね!」、コメント、シェアの総数を5%増加させることが確認された。また企業や個人のページに対する反応を8%増加させた。さらに「ユーザーが興味を持つ可能性がある記事」の既読率を57%から70%へと大きく増加させた。

Lars Backstromはさらに2つの新機能を紹介している。

“Last Actor〔最近の関心要素〕はユーザーがFacebookで最近関係を持った相手、50人を常に記録している。これにはプロフィールを読む、写真を表示する、投稿にコメントする、「いいね!」を押すなどした相手が含まれる。Facebookはこれらの相手からの記事をより多く表示する。ただしこのユーザー行動はそのユーザーのニュースフィードの選択に影響するだけで、他人に知られることはない。

Chronological By Actor〔時間的順序要素〕はリアルタイム性をさらに推し進めようとする試みだ。たとえば友だちがフットボールの試合を観戦していて矢継ぎ早に実況を投稿をしているとしよう。もし単に重要性だけで投稿を選択した場合、時間的順序がバラバラになるおそれがある。試合結果が最初にネタバレしては興ざめだ。そこでFacebookこうした「実況投稿」を判別して、時間的順序のままニュースフィードに表示するアルゴリズムを準備中だ。

ニュースフィードにまつわる神話を取り除く

Facebook For Businessブログではこうした変化を今後、詳しく紹介し、ニュースフィードのアルゴリズムの透明性を高めていくとしている。

私が先週書いたとおり、Facebookはニュースフィードのメカニズムと、フィードをコントロールするツールの機能を詳しく説明することで広告主を含むユーザー体験を大きく向上させることができるだろう。

さらに新しい情報が入り次第アップデートする。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


鉄道ストもなんのその―Uberの「ボートで通勤」を試してみた

Uberはあらゆる交通手段に革命を起こそうとしている。BART〔ベイエリア高速鉄道〕が月曜日にストに突入しそうだと聞いてUberはBoatboundというサービスと提携し、Boat To Work〔ボートで通勤〕というオプションを新設した。今朝、私はこのサービスを利用してオークランドからサンフランシスコまで渡ってみた。

Uberは30億ドルの会社評価額で1億5000万ドル以上の巨額の資金調達を計画しているという情報が流れている。つまりUberは「より便利なタクシー」以上のものを目指しているわけだ。Uberの本質は、人間であろうと物品であろうと行きたいところへ移動するのを容易にすることだ。現在は自動車が対象だが、他の輸送手段にも巨大な可能性が広がっている。

たとえば、Uberはオンデマンドのアイスクリーム販売、マリアッチ楽団の派遣、シドニーでは水上タクシー、オースティンでは人力車、ニューヨークではハンプトンの別荘地へのヘリコプター飛行などを提供してきた。もっともこれらはビジネスというより話題づくりのマーケティング・キャンペーンだった。

BoatboundというAirbnbのボート版のレンタルのスタートアップのファウンダー、CEOのAaron Hallがストライキが差し迫っているというニュースを聞いて、「通勤客をボートでサンフランシスコ湾を横断させるというサービスにUberが協力してくれないだろうか?」と思いついた。HallはUberの投資家ShervinPishevarに連絡し、PishevarがUberに話をつないでくれたのだという。 その結果、「ボートで通勤」プロジェクトが動き出した。

HallのBoatboudは、P2Pネットワークでボートを貸し出すことによってオーナーの高額な維持費の軽減を図ろうというサービスだ。“BoatTo Work”はBoatboundの利用者のコミュニティーを広げるためのPR活動としてうってつけというわけだ。”BARTのストは直前でジェリー・ブラウン知事の介入で回避されたが、今朝はたまたまベイブリッジでトラックが火災を起こしたために通勤は大混乱している。

錨を上げろ!

6:30am: Uberアプリを開くと、‘Boat’という新しいオプションが表示された。30ドルでUberは自宅に車を差し向け、オークランド・ドックでボートに乗り換えてサンフランシスコ湾を渡り、また車でTechCrunchのオフィスまで送ってくれるという。私はドックで気さくなScott船長に会った。Boatboundを利用するのはこれが初めてだそうだ。

7:00am: “われわれのボートはRollercoaster”号という44フィートのレース用ヨットだ。手回しよくコーヒー、オレンジ・ジュース、デニッシュが用意されていた。私はキャプテン帽をかぶって水面に脚をぶらぶらさせながらこれを書いている。

7:40am: 同乗者のEricaは本当に通勤客で、われわれも紹介したことがあるZaarlyというモバイル・eコマースのスタートアップのUXデザイナーだ。「船で通勤するのはBARTより遅いけど、面白そうだから試してみたの」だそうだ。

7:50am: 寒い。さいわいUberが毛布を用意してくれた。曇り空の下で海が泡だっている。しかしベイブリッジの下をくぐると、トラック火災のおかげで車の長い行列が立ち往生しているのが見えた。これなら海も悪くない。

8am: 上陸! オークランドを出港してから1時間でサンフランシスコのフェリービルディングに着いた。本船の引き波に何度か揺すられたものの、誰も船酔いにはならなかった。通勤客は出迎えのUberXリムジンに乗り込んでそれぞれの職場に向かった。

たしかにこの旅行はBARTに比べればだいぶ高いし、時間もかかった。しかし印象に残る体験だった。Boat To Workは大ビジネスにはならないだろうが、新しいサービスをあっという間に立ち上げたスピードには驚かされる。Uberは大規模なイベントや災害などの突発的な事態に対応して即座に臨時の輸送手段を提供できることを実証した。.

Uberのコミュニティ・マネージャーのMatt Hernsにドックでインタビューしたが、Hernsは「われわれのフレームワークを使って何ができるか、ときおりテストする必要がある。それに面白い体験になるしね」と語った。

実際、特別な体験を提供できることがUberの本質的強みの一部だろう。 UberのリムジンはちょっとしたVIPになった気分を味あわせてくれるし、BoatTo WorkはBARTでぎゅう詰めの日常を一瞬忘れさせてくれる。目的地に着くことも大事だが、旅自体も重要なのだ。そこにUberの成功の秘密があるのではないか?

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ホテルおよび旅行情報検索のHipmunk、「当日宿泊ホテル検索」機能を追加

Hipmunkが、新しいサービスを開始した。旅行中に、当日のホテルを探す人のためのサービスだ。名前はTonight Only(当日宿泊専用)で、より効率的に、お得な部屋を見つけることができるようになった。

このTonight Onlyエリアでは通常価格の60%引きの部屋なども紹介されている。こうした情報は、通常の(72時間以内宿泊用というディスカウント情報もある)検索画面にも表示される。ただ、急ぎでお得情報を探すのなら、やはりTonight Onlyセクションを探す方が効率的だ。

共同ファウンダー兼CEOのAdam Goldsteinによると、Hipmunkでホテルを探す人には大きく2種類の人がいることがわかったのだとのこと。今回のサービスリリースも、その情報にもとづいてのものだ。その2種類とは、検索日と実際に宿泊する日までの時間についてのこと。しっかりとした予定を立ててずいぶん先の日程で予約する人と、そして宿泊当日になってホテルを探すというのが代表的2パターンであったのだそうだ。中間というのはあまりなく、また後者の割合がかなり高いことから(モバイルアプリケーションからの比率を見ると50%以上のにぼる)、ぜひともこうしたニーズに応える必要があると判断したのだそうだ。

読者の皆さんも御存知のように、当日ホテル予約の機能を提供するというのは新規なアイデアというわけではない(Hotel Tonightなどはこれに特化している)。しかしGoldsteinもいうように、Hipmunkのアプローチは他社サービスとは異なる。すなわち自社でキャンペーンサービスを提供するのではなく、多様なソースから集めた情報を再構成して提供するというスタイルなのだ。

「ビジネスモデルの違いということになります」と、Goldsteinは言う。「従来型ビジネスでは、旅行関連サービスといえば、結局のところ消費者にいくら金を使わせるかというところでビジネスをしていたと思うのです。私たちは、自分たちで直接的に何かを売るのではない、ある種のメタビジネスを展開したいと考えているのです」。

Hipmunkからしてみると、宿泊施設や関連サービスが、キャンペーンを行うことはむしろプラスになるわけだ。そうした情報を収集再構築して、そして利用者に提供するのだ(但し特定のホテルについては、自前で用意したキャンペーン等もサイトを通じて売り出している)。

もちろん、情報をただ並べ替えて提示するわけではなく、検索機能などで他との差別化を行おうとしている。たとえば、リストアップされるそれぞれのホテルから、会議などの開催地までの距離がわかりやすく掲載されるという機能は、ビジネス利用の人たちに人気だ。あるいはヒートマップ形式で「人気地域」の表示も行なっていて、こちらはレジャーで利用する人にとって便利な機能となっている。

今年になってGoldsteinは次のように述べていた。すなわち「私たちは旅行者にとってベストのサイトないしはアプリケーションを提供したいと考えています。ホテル検索だけでなく、航空券情報や他の旅行関連情報なども提供して行くつもりです。但し、小規模サービスであることもあり、まずはホテル関連情報のさらなる拡充を心がけて行きたいと考えています」といった内容だ。今回の機能拡張も、この方向性に基づくものということができるだろう。また、現状ではホテル情報を扱う方が、航空券情報などよりも利幅も大きくなりがちなのだそうだ。

Hipmunkはそもそも、航空券情報の取り扱いがサービスの肝となる予定だった。こちらの方面でのサービス拡大もまだまだ諦めてはいない様子。こちらの方でもFare Alerts機能をリリースしている。これは予め登録しておいたルートにおける安売り情報が登録された際に、メールなどでアラートを受け取るためのサービスだ。

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(翻訳:Maeda, H)


コミュニティ関連機能を充実し、ブログプラットフォームとしての成長を目指すSETT

今や、ブログというのも「古臭いメディア」と思われているところもありそうだが、これから発展していく面もあるのだと考えている人も多い。

Dustin CurtisのSvbtleEv WilliamsのMediumも、ブログや、長期に渡って通用するコンテンツのためのプラットフォームを進化させたいと考えている点では共通している。5年前にBloggerはミニブログや、Tumblrにその座を譲ったが、今になって別の動きが胎動していると考えているわけだ。

ミニブログ化の方向に大きく動いた振り子が戻ってきて、改めてより長い記事やメディアを掲載するためのプラットフォームを求める動きに繋がっているのかもしれない。

そのような中、生まれてきたSETTは「コミュニティ」に重きをおいたブログプラットフォームだ。「コミュニティ」を機能を充実していることから、新たにブログを始めた人も、すぐに対象となるコンテンツに興味を持つ読者を獲得することができる。また長くブログを続けている人は、ハイレベルな読者と意見の交換を楽しむことができる。

コンテンツのフィード機能やWYSIWYG編集などは、今日では当然のことなので取り上げる必要もなかろう。SETTではそうした機能に加えてSETTコミュニティの中で生じるトラックコメントやプライベートメッセージなどを、簡単に把握しておけるようになっている。

SETTに記事を投稿すると、サービスで用意しているワード・マッチングシステムを利用して、既存利用者の投稿内容と比較するようになっている。そこで近い内容に興味を持つ人に対してブログを紹介してくれるわけだ。紹介されてくる記事を読んでみれば、また次々に関連記事を読むことができるようになっている。

SETTのアイデアは、ブロガー活動を続けてきたTynan(ずっとファーストネームだけで活動している)とTodd Icetonから生まれたものだ。IcetonはNutshell Mailのディベロッパーとして活躍してきた。同社はメールマーケティング界の巨人であるConstant Contactにより買収されている。

Tynanは、6年間のブログ活動を通じて、新規参入にあたっての数々の「壁」を認識するに至った。

「ブログを始めたばかりの人にとって、コミュニティの一員となることが非常に難しいことなのです」と述べている。

SETTはまずこの敷居を低くしようとしているわけだ。コミュニティ機能の他にも、ワンクリック購読システムなども導入している。話題が広がりそうな個別記事への購読登録も行えるようになっていて、その場合は新たなコメントが投稿されたときなどに通知を受け取ることができる。

またコミュニティ内にて、ディスカッションを行うこともでき、このディスカッションエリアでは、誰がオンラインなのかを確認したり、あるいはどの投稿が最も読まれているのかなどを確認することもできる。

SETTでは、ベータ段階で100内外のアクティブブログが開設され、以降サイト数は増え続けている。500 Startupsが出資しているフィットネス系スタートアップのFitcracyの共同ファウンダーであるDick TalensなどもSETTを利用している。

SETTは月間12ドルから99ドルのプレミアムアカウントにより収益をあげている。価格差は画像のホスティングスペースや購読者数の上限、カスタマーサポートの差によるものだ。

もちろんブログ関連のサービスは他にもたくさんある。しかし、たとえばSvbtleはコメント投稿に弱さがあるとTynanおよび共同ファウンダーのToddは言う。2013年の現在、モバイルファーストでもないブログサービスというのを古臭く感じる人もいると思う。しかし彼らによれば、内容を革新することにより、ブログプラットフォームへのニーズをまだまだ掘り起こすことが出来るとのことだ。

「ブログ環境に苛立ちを感じている人は多いでしょう。ただそれはWordpressのような環境が、大きな変更もなく10年以上も続いてきたからなのです。そろそろ新しいことを始める必要があります」と、Tynanは主張している。

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(翻訳:Maeda, H)


ビデオ・コンシェルジュサービスの5by、スマートフォンおよびスマートTVにも対応を計画中

退屈で仕方がない中、何も生産的なことなどやる気にならず、何時間もYouTubeを見て過ごしてしまうという経験が、誰にでもあることと思う。但し、そうした中ですら不満を感じてしまう。即ち、そうした何もやる気がしないほど退屈した心をすら、楽しませてくれるビデオになかなか出会うことができないのだ。

こうした問題こそ、5byが対処しようと考えているものだ。モントリオールに拠点をおくこのサービスを立ち上げてCEO職に就いているのはGreg Isenbergだ。モバイル向け音楽推奨サービスにやや似たスタイルで、「キュレーション」を前面に押し出したウェブビデオサービスを提供しようとしている。

外見的に5byはビデオ版Songzaともいったようなサービスだ。その言葉の意味するところは試してみればすぐにわかることだろう。こうしたサービスの場合、たいていはサイトを訪問すると数多くのビデオが掲載されているものだ。しかしこの5byの場合は違う。まずはカテゴリのみが表示されているのだ。曰く「Blowing You Away」(びっくり)、「Killing Time」(ひまつぶし)といったたぐいのものだ。気になるカテゴリを選ぶと、さらに細かなジャンルを選ぶことができる(「Animals」や、個人的に最も気に入っている「Space」などといったジャンルが用意されている)。ここでジャンルを選べば、そこでビデオ(YouTubeないしVimeoのビデオが使われている)が表示されるという仕組みだ。

ビデオの上映が始まると、画面にはさまざまなリアクション用ボタンが表示される。笑ってしまった場合にはそうした場合用のボタンがある。気に入らなかった場合には、その旨を意思表示するボタンもある。もちろんいつでもビデオをスキップできるようにもなっている。こうした利用者からのリアクションは5by側で集約され、嗜好に関する情報は、好みのビデオを提供できるようにと活用される。

やり方としては非常にシンプルなもののように思えることだろう。Isenbergによると、これがとてもうまく機能しているのだとのことだ。彼は当初、他のメンバーとともに、今年3月に行われたLaunchカンファレンスにて「リーンスタートアップ」形式で本サービスを立ち上げた。そして数千の訪問者を獲得し、それぞれサイト上で12分程度の滞在時間を楽しんでもらうことに成功したそうだ。それからしばらくして、現在ではサイト滞在時間は19分程度に伸び、集めたビデオ本数も10万本を超えるのだとIsenbergは話している。

今のところ、コンテンツキュレーションはすべて5by内の少人数チームが担っている。もちろん、複数ソースから魅力的なビデオを選んでくるためのプログラムは利用している。ViceやEpic Mealなどの人気ビデオを集め、適切なカテゴリに分類して利用者に提供しているのだ。利用者の拡大に伴ってニーズも増え、キュレーションサービスを社内リソースのみで行うのは難しくなっていくのだろう。5byのマネタイズプランはStumbleUpon同様にCPVモデルによるところもある。しかしIsenbergによれば、キュレーターとしての存在感もまた、利用者からの人気を集めているものなのだそうだ。

ところで、楽しむためのビデオコンテンツと、そして広告ビデオとの境界が曖昧になってきているのも5byにとっては追い風となるのだろう。BuzzFeedを見てもわかるように、広告コンテンツであっても積極的にシェアしようとする人たちも多い。こうした動向の中、キュレーターとしても通常のコンテンツに加えて、ネイティブ広告を配信してビジネス化するチャンスが生まれているわけだ(5byは利用者の好みを把握しているので、この面からも効率的な配信が行えるかもしれない)。Isenbergによると、まずはPlayboyがネイティブ広告の配信元として提携に名乗りをあげているのだとのこと。

5byが今後考慮すべきは、PCを見ながらのビデオ体験の満足度についてだろう。PCを設置しているデスクの前でビデオを見ても楽しめないことが多い。すなわち5byはPCのみでなく、他の環境にもサービス展開を広げていくことが必要だ。Isenbergもこのことは認識しており、現在はiOSアプリケーションを開発中であるとのこと。モバイル環境では、他のことをしながら端末を操作するというようなことも多。そうしたことを視野に入れて、利用者の興味をいっそう掻き立てるように、カテゴリ分類に工夫を加えようともしているところなのだそうだ。

さらにIsenbergの話によれば、今後のスマートテレビ時代を見据えて、2つの有名番組制作社と提携に向けた話し合いが進んでいるのだとのこと。ネットワークに繋がったテレビでYouTubeを見ても、多くのコンテンツの中で迷い、面白いコンテンツを見逃してしまうのが一般的な話だ。そこに5byの参入余地があるのだとされているようだ。5byがサービスの提供を始めてから、まだ日が浅い。しかし筆者の例で言えば、ビデオを見ながら過ごしてしまう時間がますます増えてしまっている。それもこれも5byのせいなのだが、これでもしマルチプラットフォーム化などをしてしまえば、さらに大きな問題になってしまうに違いないと思うのだ。

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(翻訳:Maeda, H)


国内12兆円市場を狙う「住」のソーシャルサイト「SUVACO」が今朝ローンチ

「ソーシャル・ホームデザイン・サイト」という耳慣れないジャンルのWebサイト「SUVACO」(スバコ)が今朝、プレオープンした。建築家やリフォーム業者、インテリアメーカーといった「住」のプロフェッショナルや業者と、その顧客である施工主を結びつけるオンラインのコミュニティサイトだ。リフォームや、新築デザインを建築家やインテリアデザイナーに依頼したいが、そもそもどこを探せばいいか分からない私やあなたのような人と、まだ発掘されていないような建築家を結ぶプラットホームを目指す。


SUVACO共同創業者の黒木武将氏(左)と、中田寿氏(右)

ぱっと見は一種のカタログサイトだ。建築家のホームデザインの事例や、インテリア写真を雑誌感覚で眺められる。もともと住宅やインテリア関連の雑誌を眺める層には、サイトを巡回するだけでも楽しめそうなサービスだが、2013年のローンチなので、狙いソーシャルなインタラクションが発生するプラットフォームとなることだ。お気に入りの建築家をフォローしてみたり、コミュニケーションを取るとか、気に入った画像を家族や友人とシェアするといったことができる。建築家の作品に対してコメントを入れるとかデザインを相談するといったことも可能だ。こうしたインタラクティブなやり取りを通して、自分のイメージにあう理想の部屋やインテリアを探し、それを作れるプロに出会えるというのがSUVACOだという。

なんだ、またマッチングサイトかと思うかもしれないが、これは注目のスタートアップだ。

何しろリフォームや注文住宅は12兆円もある巨大市場という。SUVACO共同創業者の1人で、過去11年にわたってメリルリンチ等の外資系証券会社などでIPOを手がけてきた中田寿氏は「ネット企業がdisruptしていない最後の巨大市場」とし、次のメガベンチャーが登場する可能性がある市場規模と話す。生命保険の37兆円、銀行の15兆円、ファンションの7兆円、旅行の6兆円、化粧品の2兆円といった市場では、それぞれライフネット生命、ソニー銀行やじぶん銀行、zozotownといったようにネット企業が既存勢力のパイを侵食しているが、同様の変化は住宅関連市場では、まだ起こっていないという。

「まだ起こっていない」というのは、米国では同コンセプトのプラットフォームとして2009年2月に「Houzz」がスタートし、現在月間アクティブユーザー数が1600万人にのぼるコミュニティに成長しているからだ。Houzzはこれまでにセコイアキャピタル、KPCBなどを含むVCから計3度、総額49億円ほどの資金調達をしているレイターステージの成長株だ。Houzzはこれまでに蓄積したデータから「現実的なリフォームの相場」を米国の州ごとに表示するような機能を追加したり、雑誌の切り抜きをスクラップするようにお気に入りのアイテムを貯めることができるideabookという機能を提供していたりする。内装写真の各所に付けられたタグにマウスオーバーすれば、アイテムの商品情報や販売サイトへのリンクが表示されるなど、単にカタログ雑誌の写真をオンライン化した以上のイノベーションを起こしつつある。

本日プレオープンとなったSUVACOは、Houzzほど高度な機能はさすがにまだ提供できていないものの、スッキリした美しいUIで、建築やインテリア好きなら眺めているだけでも飽きないかもしれない。すでに書いたようにフォロー機能やFacebookの「いいね!」的な「クール」ボタン、ユーザーがアイテムや部屋に対して付けたコメントが時系列に表示されるタイムラインとして「みんなの投稿」というソーシャル要素も実装されている。プレオープン時点で、すでに50人の建築家などの専門家、約700のアイテム、1,000強の部屋のデザイン例を集めている。こだわりを持って作られた「作品」が並ぶ。

リフォーム市場の7兆円、建売住宅以外の注文住宅市場が5兆円。このうち建築家が手がける約3兆円の市場、それに家具の6,000億円の市場がSUVACOのひとまずのターゲットという。例えば5,000万円の案件の場合、デザイン料として一般的に建築家は1割の500万円の対価を得るが、この対価のうちさらに1割の50万円がSUVACOの取り分となるという(建築家か工務店か、リフォームか注文住宅かなどで1〜5%とSUVACOの手数料率は異なる)。現状でも市場規模は大きいが、追い風も吹いているという。日本は新築市場の比率が高く、他国に比べてリフォームやリノベーション市場の割合が小さい。このことからリフォーム市場には成長余地があるとして、2020年までに倍増すると政府の成長戦略に盛り込まれている。

中田氏とともにSUVACOを共同で創業した黒木武将氏が自ら建築家を口説いて回った。富士銀行でキャリアをスタートし、シカゴ大学MBA、米国でも日本でも買収案件を手がけてきた金融業界20年のエリートが、なぜ住宅関連のITベンチャーなのか? 黒木氏は「日本にLBOが入り始めたころからM&Aを手がけてきた。もうやり尽くしたという思いもあり、新しい価値を作って行きたい。われわれミドルの人間がやらないと」という。長くIPOを手がけてきた中田氏には米中に大きく水を空けられてるIPOの市場規模の現状に対して、日本のスタートアップ業界に必要なのは数を増やすことよりも、量を増やすことという問題意識があったという。「必要なのは次のメガベンチャーを生み出すこと」という思いから住宅市場に取り組むことに決めた。「中田も私も建築業界の非効率性を外部の人間としてビジネスの観点から見れる。そこを建築家や事業会社の方々にご説明して賛同いただいた上でSUVACOに参加していただいている」という。必ずしも賛同が得られる場合ばかりだはなかったというが、黒木氏は「このままじゃダメだと思っている建築家が多かったのは発見」といい手応えを感じている。現状、建築家と施工主の出会いは前時代的な口コミがメイン。一般的な建築事務所だとアシスタントが何人かいて、事例を掲載するWebサイトもあるかもしれないが、潜在的な施工主がこうしたページにたどり着く道筋はほとんどないのが現状という。部数10万部程度の住に関する雑誌は数誌あるが、こうした雑誌が扱うのは個別案件ではなく、コミュニケーションも発生しない。

建築業界は言語や文化、地域性が強いビジネスだが、4年先を行っているHouzzが将来に日本市場に将来参入しないとも限らない。グローバルな視点で見た場合の競合はどう見るのか? 「3年から5年あれば日本市場を取れると見ています。その後はアジア圏を目指したい。アジアでは日本の建築のデザインや品質に対する評価は高い」と黒木氏は語る。

「ソーシャル」と聞くと写真共有やコミュニケーションのことを思い浮かべて食傷気味に思う読者も多いかもしれないが、巨大市場に切り込む地に足の着いたベンチャーの門出を祝いつつ、TechCrunchとしてはSUVACOの9月のグランドオープンも引き続き注目していきたい。


Twitterがアメリカでワンツーパンチ広告を開始―テレビCMを見たユーザーに広告ツイートが表示される

今日(米国時間7/22)、「テレビCMを打った後、ツイート広告でダメ押しする」というTwitterのテレビCMターゲティング広告が全米の広告主に公開された。この広告方式は5月からベータテストが行われていた。TwitterのNielsen調査によると、テレビ/ツイートの組み合わせ広告はテレビCMのみに比べて95%も印象が強く、購入意図が58%も高くなったという。

Twitterはこれと同時に広告主向けアナリティクス・ダッシュボードを改良し、ユーザーがキャンペーンに対してどういう反応を示しているか簡単に情報を得られるようにした。広告主はこれを参考にして、たとえばリツイートの率が高まるようにキャンペーンを修正することができる。

TwitterのテレビCMターゲティング広告の仕組みはこうだ。

仮に、Nikeがエア・ジョーダン・シリーズの新しい靴のテレビCMを流すことにしたとしよう。TwitterはそのCMがどの放送局からいつ、どの地域に対して、どの番組内で放映されたかを正確にモニタする。Twitterは番組名や番組のハッシュタグを検索し、Nikeの当該CMを見た可能性の高いユーザーを特定する。NkeはTwitterのテレビCMターゲティング広告を利用してそのCMを見たばかりのユーザーのストリームに新しいエア・ジョーダンに関するプロモート・ツイートを表示することができる。このツイートはテキストのみでもいいし、購入サイトへのリンクやVineの6秒ビデオが含まれていてもよい。

この広告方式を可能にしたのはTwitterが2月に買収したテレビ視聴分析のBlueFin Labsのテクノロジーだ。BlueFinの共同ファウンダー、Michael Fleischmanは「われわれのビデオ識別テクノロジーによってTwitterはどのCMがどの番組で流されたかをリアルタイムで自動的に判別している。そのため広告主はいちいち事前にCM放映スケジュールをTwitterに知らせる必要がない。広告主は人手を食う面倒な作業を一切せず、自社のテレビCMを補完するツイートを視聴者に向けて送り出すことができる」

しかしテレビ番組についての会話が飛び交う場所はTwitterだけではない。たまたま今日、Trendrr がFacebookと共同で行った調査を発表したが、このレポートによると、リアルタイムの会話の王者はTwitterだという通念に反して、FacebookではTwitterを始めとする他のソーシャル・ネットワークすべての合計の5倍ものテレビ番組に関するソーシャル活動が行われてされていたという。もっともTrendrrはFacebookから独自の内部データの提供を受けたということだから、多少割引して聞く必要があるかもしれない。このレポートではFacebookの「いいね!」やコメントもいわゆる「ソーシャル活動」に含まれているという。これに対してTwitterの場合、@メンションなどが正確にカウントされているかどうかには疑問が残る。私はこの後、Trendrrに調査手法の詳細を取材するつもりだ。

ともあれ、FacebookのユーザーベースはTwitterの5倍もあるので、テレビ番組に関する会話が多くてもある意味当然ではある。ただし、会話の量が多いということが広告主にとってそれだけ効果が大きいかどうかは別問題だ。

Facebookはユーザーの公開プロフィールやオフラインの購入データをベースにした広告再ターゲティングに力を注いでいるのに対して、Twitterはユーザーが何をツイートしているかを読み取るセマンティック解析で大きな進歩を遂げ、これを広告ターゲティングに生かそうとしているようだ。大規模なテレビCMを流す予算がある企業にとってはTwitterの意味論的再ターゲィングの方がおそらく魅力的だろう。

一度聞いただけでは忘れてしまうが、繰り返されれば覚える。テレビCMをツイートで補完すれば、次にショッピングに行ったときにそのブランドを認識する可能性は高まるだろう。うまく用いれば、広告主は単なるテレビCMよりずっと対話性が高く強い印象を与えるマーケティング・ストーリーを展開することが可能になるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google、Gmailにおけるフルスクリーン編集モードを再投入

Googleが、Gmail利用者に対して新しい、しかしよくわからない「新機能」をリリースした。その「新」機能とは、メールをフルスクリーンで書く機能だ。

このフルスクリーン編集オプションをオンにすると、メール編集画面は受信箱画面の真ん中に大きく表示されるようになる。大きく表示することで、細かいところに気が回るようになるだろうという配慮のようだ。

「よくわからない」というのは、編集画面をコンパクトにしたのがほんの数カ月前のことだからだ。いろいろな新機能を実装すると同時に、受信箱を表示しながらメールの編集ができるようにした。しかし、どうやら、従来通りのフルスクリーンモードの方がメールの編集をしやすいという人も多くいたようなのだ。

確かに、フルスクリーンモードなら、文字装飾などのためのツールバーも表示されていて、それが気に入ったという人も多かったのだろう。

編集画面右上の拡大ボタンをクリックすればすぐにフルスクリーンモードに切り替えることができる。あるいは「設定」画面で「Default to full screen」(標準で全画面)をチェックしておけば、常にフルスクリーンモードで編集できるようになる。

この全画面オプションが表示されないという人もいるだろう。その場合にも心配はいらない。Gmailチームによれば、数日中に全利用者に大してオプションの有効化を行うという話だ。

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(翻訳:Maeda, H)


ホームパーティー分野のAirbnbを目指すHomeDineがiPhoneアプリをリリース

HomeDineは、料理を作ることと食べることを気楽に楽しんでもらおうとするサービスだ。ディナー・パーティーを開きたい人と、そこに参加したいト考える人に対するマーケットプレイスを提供している。このHomeDineを、iPhoneアプリケーションからも利用できるようになった。

HomeDineの以前から、地元のシェフと一般の人を繋いで、ちょっと贅沢なディナー・パーティーを提供しようとするサービスは多くあった。HomeDineは、そうしたサービスを換骨奪胎したものと言えるかもしれない。シェフによるディナー・パーティーを一般の人に提供するのではなく、アマチュアシェフも主催できるようにしたのだ。そして友人や、あるいはパーティーに参加したいとする人たちが集う仕組みを提供している。パーティーを開くことで、料理自慢の人はその腕を広く知らしめることができる。そして好きなこと(料理を大勢に振る舞う)をしながら、多少の報酬も得ることができるのだ。

ゲストとして参加する人にとっても、いろいろな人と知りあえたり、また素晴らしい料理をレストラン価格より安く楽しめるというメリットがある。近所での知己を求めて参加する人も増えているようだ。また、地元で美味しいものを最もよく知っている地元民の開くパーティーに参加できるという面で、旅行者にとっても面白い仕組みとなっている。

HomeDineはまず、こうしたイベントの予約および登録を行うための仕組みをオンライン化することを目的として登場してきた。そして時代の流れに乗り、モバイル環境への対応を進め、そしてiPhoneアプリケーションをリリースすることとなったわけだ。アプリケーションのリリースにより、iPhoneから簡単にディナー・パーティーの予定を投稿したり、あるいは参加を申し込んだりということができるようになった。

アプリケーションではGPSも活用し、現在位置から参加するパーティーのレコメンドを行うようになっている。また、ウェブに掲載されている情報もすべてiPhoneアプリケーションから入手可能だ。パーティーホストの評価を行ったり、あるいは近所のホストの中で高評価を得ている人を探したりもできる。また、参加するパーティー費用の支払いもモバイルアプリケーションから行うことができるようになっている。

さらにコミュニティ管理機能といったものも備えており、出席予定者リストで出席者の管理を行うこともできる。また料理好きの仲間と「友だち」になったり、あるいは「友だちネットワーク」を構築することもできるようになっている。プライベートにメッセージをやり取りする仕組みも備わっていて、これはパーティーの後に連絡を取り合ったりするのにも便利だ。もちろんパーティーの様子をシェアするためのソーシャルツールも備わっている。パーティーそのものには見知らぬ人しかいなくても、そのパーティーの様子を自分の知り合いとも楽しむこともできるわけだ。

HomeDineの設立は昨年のことで、イスラエルのテルアビブにて立ち上げられた。その後サンフランシスコにオフィスを開設し、サンフランシスコ近郊でコミュニティを広げている。シェフとゲストの輪が広がり、イベントを通じてその輪は農業経営者などにも広がってきているそうだ。

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(翻訳:Maeda, H)


Buffer、Twitter利用時の利便性を高めるべく、Echofonと連携

ソーシャルネットワークに投稿する際に、投稿するタイミングをスケジューリングするサービスを展開しているBufferが、Echofonと連携していくことを発表した。Echofonは1000万以上が利用するTwitterクライアントだ。両者が提携することで、よりスマートで効果的なTwitterエクスペリエンスを提供していくことが目的だ。

たとえばBuffer利用者は、Echofonの画面からBuffer機能が利用できるようになる。すなわちツイートのスケジューリングや、クリック数などの統計データを見ることができるのだ。パワーユーザーや、数多くツイートする人にとって、両者のパートナーシップは嬉しい情報ではないだろうか。

Echofon上でツイートないしリツイートのスケジューリングを行おうとすると、投稿内容はすぐにBufferに送られ、実際にはそこでスケジューリングされることとなる。蓄積されたツイートなどは、Bufferでのスケジューリングに則って発信され、そして分析ツールによって、フォロワーによる反応を確認することができる。

多くの方がBufferを利用するきっかけとして挙げてくださり、そしてまた私自身も深く同意するのは、とにかく「興味深いツイートが多すぎる」ということなのです。

Bufferの共同ファウンダーであるがブログに投稿している。

Twitter上で面白い人々を数多くフォローしています。ですから、そこでの発言をぜひ再共有したいと思ってしまうのです。但し、いくつものツイートを立て続けにリツイートすると、せっかくの面白い発言が埋もれてしまうことになります。リツイートする意味がなくなってしまうのです。しかし今後は、Echofonからリツイートする場合、「retweet with Buffer」(Bufferを使ってリツイート)アイコンをクリックすることにより、タイミングをずらしてリツイートすることができるようになるのです。

4月のアナウンスによると、Bufferには60万以上の利用者がいて、月々の売り上げも6桁(USドル)単位であるとのこと。今回提携したEchofon以外にも、40ものアプリケーションと連動して利用することができる。ブラウザーエクステンションも用意されている。

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(翻訳:Maeda, H)


Twitter、魅力的なツイート事例を伝えるためのThe Twitter Media Blogを開設

Twitterは、自らの役割が日常のありふれた出来事をブロードキャストすることに限定されているわけではないことを示すため、The Twitter Media Blogというブログを立ち上げた。「テレビ、スポーツ、ジャーナリズム、政府、音楽、映画、社会活動」などのシーンにおける、Twitterの面白い伝え方を伝えるのが目的だ。さまざまなシーンでの利用状況をアピールしようとする試みは、Google Inside SearchやFacebook Storiesなどでも行われている。

このサイトは、7月2日から稼働している。ただTwitterは、コンテンツの充実を待ち、公開を控えていた。ブログでは、一般利用者のみを対象とするのではなく、さまざまなメディア向けにTwitterの興味深い利用法を伝えようとしているようだ。ブログには、ウィンブルドン出場選手のツイートについての詳細分析結果(アンディ・マレー選手の優勝を伝えるツイートは92000回もRTされている)や、NBA Finalsにおけるツイートの視覚化分析、あるいは命がけの綱渡りのシーンで行われたツイートなどについての記事が掲載されている。

Twitterの狙いとしては、脱退率(drop-off rate)を下げたいという狙いもあるのだろう。サービスへの新たな登録者は非常に多いのだが、ほんの数ツイートでやめてしまう人も多い。また誰のフォローもせずに、すぐに利用をやめてしまう人も多いようなのだ。The Twitter Media Blogは、そうした利用者に対しても、何かTwitterを使う理由を見つけてもらおうとする試みのひとつなのだろう。

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(翻訳:Maeda, H)


Twitter、ダイレクトメッセージの「読んだのに未読」バグをようやく解消

TwitterのAndroid、iPhone、iPad、そしてMac版アプリケーションが新しくなった。またデスクトップ版およびモバイル版のウェブサイトや、TweetDeckも新しくなったのだそうだ。今回実装されたのは驚くような新機能というわけではない。ただ、たくさんの人が気になってしょうがないと思っていたことだと思う。多くの人が「気持ち悪い」と感じていたことが解決されたのだ。すなわち、ダイレクトメッセージの未読/既読が、異なるデバイス間で同期されるようになったのだ。

訳注:Twitterのウェブで自分のツイートを表示していると、新たなツイートをするとダイレクトメッセージアイコンがハイライトされるという、ある種の「バグ」も解消されたようです。

これまではダイレクトメッセージをMac上(たとえば、の話だ)で読んでも、iPhone上では依然として未読のままになっていた。これが気にならないという人もいたとは思う。しかしそれほど多くのDMを受け取らず、かつ受け取った場合にはすぐに読むという人は、この「読んだのに未読」メッセージが気になってしょうがなかったことと思う。

Twitterによると、今回のアップデートにより「読んだのに未読」問題は解消したとのこと。但し、いろいろなデバイスを利用している人は、各デバイスで利用しているTwitterクライアントを最新版にしておくのを忘れないように。当方で試してみた限りでは、きちんと既読処理が反映していた。これまでのいら立ちが解消されて、非常に良い気持ちになった。

尚、今回のアップデートで検索機能でも改善が見られるのだそうだ。検索機能を使ってフォローすべき人を探した場合、詳細なバイオ情報が表示されるようになった。また「似ているユーザー」もすぐに表示できるようになった。さらにiPhone版の編集画面(上の図を参照)では、画面を遷移することなく(つまりオリジナルのツイートを見ながら)リプライを発信することができるようになった。また、ナビゲーションバーに「people」ボタンが表示されるようになり、フォローすべき人を教えてくれるようにもなっているそうだ(こちらの操作ではまだ見ることができないでいる)。

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(翻訳:Maeda, H)


Facebook、ビデオ中の全フレームを認識し、音声を把握する特許を取得(Instagramのカバーフレーム自動選択にも活用)

顔認識、位置情報認識、そしてビデオ撮影の際に録音した音声を認識する技術まで実用に供される時代となりつつあるそうだ。そうしてFacebookは、収集したデータをもとに短編ビデオ(Instagram)で「カバーフレーム」にすべきシーンのサジェスションを行ったり、タグ情報の提案を行ったりするという特許を取得した。映っている人それぞれに通知を出す等、多くの写真やビデオの中で注目してもらえるようにする技術をいろいろと実現しているようだ。

実のところ、1ヵ月前にこの特許をみたときは、何のためのものであるのかがよくわからなかった。それまでFacebookはビデオ関連にはあまり注力してこなかったからだ。特許書類の図表によれば、撮影したビデオからカバーフレームをセレクトするようなことが書いてあったが、これは当時のFacebookではサポートされていない機能だった。ビデオからカバーフレームを選ぶのに、スマートフォンの全機能を総動員するものらしいとはわかったが、どのような形で実装するつもりなのかがよくわからなかったのだ。

しかしInstagram Videoの発表で、いろいろなことが腑に落ちた。

カバーフレームの重要性

現在、Instagramで動画を撮ると、撮影シーンの中からカバーフレームにするシーンを選択することができるようになっている。これはVineに比べても少々面倒な作業手順追加となっていて、ビデオ投稿を面倒がらせる一因ともなっているようだ。

但し、面倒であるかどうかには関わらず、カバーフレームを選択するというのは非常に重要なステップだ。ビデオの閲覧には、写真を見るよりもより多くの「投資」が必要となるからだ。以前までのInstagramであれば、望みのままの速度で全体を見渡して面白そうなものを見つけ出すことができた。しかしビデオについては、実際に見てみるまで、それが面白いものなのかどうかよくわからないのだ。見ると決断するということは即ち、時間を「投資」することになる。ほんの15秒程度のことではある。しかしモバイル環境でわざわざビデオを再生し、そしてそれがつまらないものであるとなると、多くの時間を損したように感じてしまうものだ。

閲覧者として、事前に「投資効果」をはかるのは、投稿者の人気度合い、ビデオの説明、そしてカバーフレームしかないのだ。

ビデオに含まれる全てのフレームが、ビデオ自体の魅力を伝え得るものでないことは明らかだ。そこで現在のところFacebookは、自動的にビデオの中から15フレームを抜き出し、その中からカバーフレームとして適していそうなものを選ばせるという形をとっている。そのうちのどれがベストなのかを判定する機能は持たず、時系列的に並べて投稿者に選ばせる形となっているのだ。

しかし、新しい特許技術を実装することにより、FacebookないしInstagramではビデオ中から最も面白そうな瞬間を抜き出すことができるようになる。映っている人などから判断し、カバーフレームに適した瞬間を選び出し、また注目を集めるのに適したタグの提案までをも行なってくれる。

笑顔のみならず、笑い声からも「最高の瞬間」を判定

特許が認められたのは2013年4月で、申請されたのは2011年10月のことだ。申請者はFacebookおよび従業員であるAndrew “Boz” BosworthDavid Garcia、およびSoleio Cuervoとなっている。申請タイトルはAutomatic Photo Capture Based on Social Components and Identity Recognition (’80)、Preferred images from captured video sequence (’00)、およびImage selection from captured video sequence based on social components (’65)となっている。

申請技術の基本にあるのは、ビデオフレームをひとつひとつ写真のような分析対象とするというものだ。ここで顔認識やパターン認識などの技術を用いて、映っている人々や文字情報、ブランド、風景などを把握する。

画像キャプチャプロセスにおいて、ビデオフレームを順次走査して…場所(エッフェル塔、金門橋、ヨセミテ国立公園、ハリウッド等)やショップや企業(コーヒーショップ、サンフランシスコ・ジャイアンツ等)、さらにはブランド商品(コカ・コーラ、ルイ・ヴィトンなど)を認識します。

認証プロセスを経て、映っている人物や場所、そしてブランドに対する適格なタグがサジェストされることになる。あるいは誰のニュースフィードに表示すべきかということを判定するために、収集したデータを活用していくこともできる。つまりビデオ中に映っている場所の近くにいる人に対して集中的に配信したり、あるいは場所やブランドないし映っている人と親しい関係にある人に配信するということが自動的に行える。Instagramでは5月から写真に対するタグ付けをサポートしているが、新しい特許技術と結びつくことにより、一層効果的に機能するようになる。

人やプロダクトがタグ付けされることにより、そうした人ないしモノをフィーチャーしたビデオでも、自動的に魅力的なカバーフレーム選択が行われることになる。また特許には、明るさやコントラストを判断してベストフレームを選択したり、また人の表情すら読み取って最適なカバーフレーム選択に利用すると記載されている。大勢が並んで映っているビデオを撮影したようなときは、みんなが晴れやかに笑っている瞬間のフレームがカバーフレームとして選択される。また加速度センサーからの情報も判断して、手振れのないシーンを選択するというようなことも行うそうだ。

いろいろと面白そうな機能が書かれているが、マイクで拾う音声さえも、ビデオの中のベストフレームを選ぶのに利用されるというのが面白い。

フレーム選択プロセスでは、ビデオ中の音声データも分析します(音声認識プログラムなども利用します)。そして重要な瞬間をセレクトするのです(「チーズ!」、「すごい!」、「素晴らしい!」等)

Instagramが「聴覚」を持つというようなことだ。美しい日没の風景などを見て驚嘆の声をあげたり、あるいは笑い声をあげた瞬間をInstagramはキーフレームとして選択することができるようになるわけだ。

Instagram、Vine、その他のサービスの間で争われている主力ビデオサービスの座を巡っての戦いの中、こうした技術要員が地位獲得のためのキーとなっていくのだろう。アプリケーションには軽快さと簡単さが求められ、公開までの手順は少なければ少ないほど良い。種々の機能追加はパワーユーザーに歓迎されるだろう。但し、コア部分については機能を絞込み、シンプルに使えるようにしておくことが重要だ。

Facebookは、ずっと写真などの投稿をスムーズかつシンプルに行えるように研究開発を進めてきた。Boz、Garcia、そしてSoleioは、ビデオの扱いも写真と同じようにシンプルにすることを目指して研究をすすめてきたのだろう。特許の成果がInstagramで結実すれば、投稿ビデオの世界に新たな地平が生まれることにもなるかもしれない。投稿される写真にも面白いものが増え、友人たちの撮影したビデオを閲覧する機会も増えることになるだろう。

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(翻訳:Maeda, H)


Facebookのグラフ検索がGoogleに追いつくには課題山積―精度の向上とサードパーティーのデータへのアクセスが必須

今日(米国時間7/8)、Facebookはアメリカで英語版のグラフ検索の一般公開を開始した。実際にこのサービスを利用してみると、Facebookから構想が発表された当初には予想されなかったような問題が表面化している。

現在、Facebookサイト内の検索はユーザー、投稿された写真、場所、施設などをより適切に発見させることを対象としている。 しかしこのグラフ検索が機能するためには、たとえばレストランの推薦やお気に入りの音楽アルバムなどのユーザーデータを利用することが必要だ。

一言でいえば、グラフ検索はさらに広範囲なユーザー・データへのアクセスを必要とする。ところがPRISMスキャンダルで、NSAがFacebook、Google、Yahoo、Microsoftその他のサイトから情報を得ていたことが明らかになり、ユーザーの不安が増している。

Facebook自身のデータだけでは十分ではない

現在のグラフ検索の核心をなす検索エンジンは、Facebookユーザーが友だち、友だちの友だちと共有し、あるいは一般に公開しているデータを対象としている。この中には居住地域、訪問した場所、位置情報タグのついた写真、「いいね!」したFacebookページなどの情報が含まれる。

残念ながら、Facebookの「いいね!」データは、特に企業のページに対する「いいね!」はユーザーが本当に推薦していることを意味しない。 「汚い「いいね!」(dirty likes)と呼ばれたりするが、企業はFacebookページでファンを増やすためにあの手この手でキャンペーンを仕掛けて「いいね!」をかき集める。「いいね!」を押すと懸賞に応募できたり、特別なコンテンツが見られたり、割引クーポンが入手できたりするなどの仕掛けが頻繁に使われている。 こうして集めた「いいね!」は本来の意味からはかけ離れたものが大部分だ。

これに加えて、ユーザーは定期的にアップデートを受け取るために仕方なく「いいね!」をする場合がある。たとえば近所の生鮮食品店やショッピングモール、子供の通う学校などだ。実際に意見を聞いてみれば別に推薦しているわけではないということもよくある。また「いいね!」を押さない主義のユーザーもいるし、Facebookにページが作られていない企業のプロダクトを強く推薦するユーザーもいる。

つまりFacebookの「いいね!」は、検索エンジンが関連性を判定する情報、検索用語でいう「シグナル」として利用できる。しかしこれ単独ではユーザーが「いいね!」の対象を推薦していると判断する材料にはできない。

Facebookはユーザーがレストラン、店舗、施設などにチェックインしたときに残すレビューも利用しようとしてしている。しかしレストランやホテル、観光地などのユーザー・レビューの分野ではFacebookよりはるかに知名度が高く、膨大なデータを抱える専門サイトがいくつも存在する。だからグラフ検索の精度を高めるためにはFacebookはユーザーがサードパーティーのサービスで共有した情報にもアクセスする必要がある。しかしFacebookはこの点では将来どういう連携策を取るつもりなのか、スケジュールを含めて明らかにしていない。

Facebookはさらにユーザーデータを必要とする

アメリカの英語版Facebookユーザーは今日から新しい検索インタフェースが利用できる(全員に公開されるまでには数週間かかるもよう)。さて、そこでユーザーはまず何を検索するだろう? ある会社に友だちが働いているかどうか、近く訪問する予定の都市に友だちがいるかどうかを調べるかもしれない。あるいは「パリの写真」を検索して友だちの目でパリ観光を楽しもうとするかもしれない。

しかし長期的な視野で考えると、Facebookはグラフ検索をGoogle検索の代わりとして使わせ、Facebookへのトラフィックと滞在時間を大きく増加させたいだろう。前述のようにFacebokkは今後ローカル・レビューやSpotifyのような音楽ストリーミングなどサードパーティーのサービスと提携して検索対象のデータを拡大する計画だ。

今年中にはグラフ検索をモバイル化すると同時に、ユーザーの近況アプデートのテキストを解析して場所や友だちとの関係に関する情報をさらに詳しく収集し、推薦情報を得られるようにするという。

プライバシーに関する懸念

PRISMスキャンダルが暴露される以前は、 「いいね!」やチェンクイン、レビュー投稿などの情報をベースにしたグラフ検索は、Google検索に代わって、それまで個々のユーザーのソーシャルグラフ中に囲い込まれていたデータを広く共有し、役立てることができる素晴らしいツールになるという楽観的な見方が強かった。しかし現在ではユーザーはFacebookの主張する「もっと透明でもっと結び付けられた世界」に対して懐疑的になっている。グラフ検索はもちろんユーザーのプライバシー設定を尊重する仕組みになっているが、ユーザー情報の共有の拡大を目指していることには変わりがない。行き過ぎたソーシャル化への懸念とゆり戻しが起きている現在、ユーザーの関心は情報の共有範囲を狭め、匿名性を拡大する方向に向いている。これはFacebookを含むさまざまなソーシャル・サービスにとって逆風だ。

Facebookはグラフ検索を広告プラットフォームに利用する計画なので、PRISMスキャンダル以後の懐疑的な空気の中で、個人情報を検索エンジンに入れることに対するユーザーの警戒心を解くためにさらに努力する必要があるだろう。その点からも、Spotifyで聞いている曲とかひいきの寿司レストランといった公開することに抵抗の少ないサードパーティー・サービスの情報にアクセスできるかどうかはグラフ検索にとって決定的に重要だ。

残念ながら現在のFacebookのグラフ検索はこうした点で大いに改善の余地がある。しかしこのサービスは今誕生したばかりだ。Facebookには膨大なサードパーティーのデベロッパーとアプリ、そのデータが存在する。グラフ検索はウェブ検索でGoogleに及ばないとしても、この強みを生かすことができればFacebookに少しでも長く滞在させ、Facebook広告を少しでも多くクリックさせるのに役立つだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebook、いよいよ今週から「グラフ検索」の一般公開を開始

英語(US)モードでFacebookを使っていて、ベータ版登録を行なっていない人にも、いよいよグラフ検索(Graph Search)がやってくるようだ。米国時間の月曜日から徐々に公開が始まり、数週間のうちに対象者すべてに公開されるようになる見込みだそうだ。

Facebookの話としてABC Newsが報じているところによると、「6ヶ月ほどのクローズドテスト期間を経てきたグラフ検索が、いよいよ今週のうちに数億人程度の人に公開されることになる」とのこと。

グラフ検索のベータ版がリリースされたのは1月のことだった。発表にあたってCEOのMark Zuckerbergは、これまでのウェブ検索とは全く異なるものだと話していた。「ウェブ検索では、やや抽象的な質問を投稿して、求める答えが含まれる可能性のあるリンクを見つけるという流れになっています。グラフ検索では、より具体的な内容で検索を行います。そして戻ってくるのは答えがあるかもしれないリンクではなく、答えそのものが戻されることになります」という内容だった。

発表イベントで示された例としては「スターウォーズおよびハリー・ポッターに興味を持っている友だち」とか、「友だちがとった国立公園での写真」といったものだった。どちらかと言えばありきたりなものだが、当然に、ベータテスターたちがより進んだ利用法を開拓していった。Actual Facebook Graph SearchesというTumblrサイトに多くの用例があがっている。たとえば「売春好きの既婚者」とか「人種差別的な雇用主」などといったものが登録されている。

冗句ネタもあるわけだが、Actual Facebook Graph Searchesは、グラフ検索で問題になりそうなプライバシー問題にもスポットを当てている。グラフ検索を利用する人が増えるに連れて、プライバシー問題もいろいろと出てくることになるだろう。グラフ検索を使えば、より古いコンテンツにも注目が集まることになり、プライバシー設定を見直す必要が出てくる人も多くなるに違いない。昔のバツの悪い写真が掘り出されたり、連絡先情報を抜き取られたりするような人も出てくるかもしれない。

ともかく、グラフ検索はFacebookにとっては需要充足型(demand-fulfillment)広告の展開にとっても非常に重要なプロダクトになる。但し、収益化については慎重に行なっていく予定にしており、モバイル版での展開時期についても未定であるとしている(現在はウェブ上でのみ利用することができる)。但し、グラフ検索の収益化については慎重であるとはいっても、Facebookは11億超の利用者が生み出すデータを、より効率的に利用できるようにしようとする取り組みは大いに進んでいるようだ(登録していない利用者のデータまで活用しようとする動きもある)。こうした動きはビデオデータについても活発で、ビデオ(Instagram Videoを含む)からさまざまな情報を取得する機能について特許も取得している。

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(翻訳:Maeda, H)


独立記念日は、InstagramおよびVineにとっても史上最良の日(歴史はほんの短いものなれど)

7月4日は、InstagramとVineにとっては「新記録樹立の日」であった。この日にはオンラインコンテンツが多くシェアされる日であり、今年はInstagramおよびVineを使った動画も多く投稿されたせいだ。

独立記念日となるこの日、多くアメリカ人はバーベキューをしながらホリデーを楽しんだ。しかし楽しむだけではなく、「自由か死か」とイギリスに独立のための戦いを挑んだパトリック・ヘンリーのような選択を強いられることにもなった。強いられたその選択とは6秒か、それとも15秒かというものだ。

記念日に打ち上がられた花火をフィルター加工して公開したいと考えた人もいたし、ループ形式のビデオが面白いだろうと考えた人もいた。

こうした記念日を経たあとでは、コンシューマー向けサービスを提供している企業は、「成果」を発表しなければならないと決まっているのかもしれない。たとえばVineは「re-vine」回数が過去最高になったとアナウンスした。「re-vine」が可能になって2日目の数値であることは、積極的にはアナウンスされていないが、記憶しておくべきだろう。Instagramの方は、ビデオの投稿数が過去最高であったとアナウンスしている。但しビデオ機能がアナウンスされたのが、2週間前であることは、やはり記憶しておいて良いと思う。

これまでの感謝祭NBAファイナルを見てもわかるように、面白そうなイベントがあれば、数多くの写真やビデオが投稿される。

モバイルデバイスの普及により、写真やビデオの共有件数は飛躍的に増大してきている。友達の多くがオンラインに生息するようになってきている。両者の主張する「新記録」も、こうした時代の流れの一環ではあるわけだ。

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(翻訳:Maeda, H)