アマゾンが子供向けのインタラクティブな小型プロジェクター内蔵ビデオ通話デバイス「Amazon Glow」を発表

米国時間9月28日、Amazon(アマゾン)は新しいインタラクティブデバイスのAmazon Glowを発表した。離れている大切な家族などと子どもがビデオ通話で交流できるようにしたいと考える家庭向けのデバイスだ。競合製品には同様にビデオで家族がつながることを主に狙うFacebookのPortalデバイスシリーズがあるが、Amazon Glowは画面を通じたつながり以外の機能も搭載して差別化している。テクノロジーを活用してデバイスの前にインタラクティブに操作できるプロジェクター映像を映し出し、ゲームやアート、パズルなどのバーチャルなアクティビティを楽しんで、人と対面しているような感覚を与える。

これを実現するために、Amazon Glowには没入型プロジェクション、センシング技術、ビデオが組み合わされている。市場にある他のスマートスクリーンとは異なり、Glowは小さなテレビのような外観ではない。8インチのディスプレイが縦に立っていて、ディスプレイの前にはタッチ操作に対応する19インチの空間がプロジェクターによって作られる。このプロジェクター映像の空間で、バーチャルゲームをプレイしたり、離れた場所から各自のタブレットで参加する家族とアクティビティを楽しんだりすることができる。

ゲームは、デバイスに同梱されている専用マットの上でプレイする。

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Amazon Glowを使って子どもは仲の良い人とチェスやチェッカー、釣り、神経衰弱などのゲームを楽しめる。子ども向けの本を選んで一緒に読んだり、デジタルの鉛筆、クレヨン、ブラシ、スプレー缶でお絵描きをするなどの楽しみ方もある。離れている人とデジタルで遊ぶことを、まるで同じ部屋にいるかのように感じさせようとしている。

Amazon Glowで実際の物体とデジタルの遊びを組み合わせる楽しみ方もある。例えば、子どものお気に入りのおもちゃをスキャンしてデバイスの前の平面にプロジェクターで映し出し、オリジナルのジグソーパズルにすることができる。子どもはスキャンしたものの映像を叩いて壊し、パズルにする。あるいは、紙に描いた絵をスキャンし、家族の手を借りてアートワークに変えたり、スキャンした絵にデジタルで描き足したりすることもできる。

「Glow Bits」も同梱される。これはデバイスと連携して操作するように作られた実際の「物体」だ。最初のGlow Bitsキットはパズルゲームのタングラムで、子どもは実物のピースを使ってパズルを解き、離れている家族は自分のタブレットの画面でデジタルのパズルピースを使ってプレイする。

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Glowの発売時には、子ども向けエンターテインメントの人気キャラクターと遊べるスペシャルアクティビティが用意される。「アナと雪の女王」のアナとエルサ、ディズニー&ピクサーの「トイストーリー」のウッディとバズ、マテルの「バービー」や「ホットウィール」、ニコロデオンの「スポンジ・ボブ」や「ドーラといっしょに大冒険」「セサミストリート」のエルモやゾーイなどが登場する予定だ。

Amazon Glowは離れている人ともっと親しくつながっていたい家庭を主なターゲットにしている。親のどちらかが頻繁に出張したり、祖父母が離れて暮らしていたりする家庭で使われることになるだろう。コロナ禍で感染防止のために家で長い時間を過ごす時期であることからも有用と思われる。

Amazon Glowで子どもが任意の相手と通話をすることはできない。保護者が最初に、子どもが通話できる連絡先をあらかじめ承認してAmazon Glowを設定する。このようにして保護者はデバイスの通話先を家族や信頼できる友人だけに制限できる。そして保護者はいつでもデバイスに備え付けられている物理的なプライバシーシャッターを閉じてカメラやマイクを無効にできる。

また、Amazon GlowはAlexaデバイスではないため、音声やビデオの記録が収集されることはない。位置情報データや描いたものを追跡したり保存したりすることもない。

ただしAmazonはプロフィールの設定やアクティビティの履歴を保存し、Glowに付属するAmazon Kids+サブスクリプションで利用できる関連性の高いアクティビティやコンテンツを紹介する。

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デバイスの価格は299.99ドル(約3万3000円)だが、早期アクセス期間は249.99ドル(約2万8000円)で提供される。マット、マットケース、タングラムのBitsの他、1年間のAmazon Kids+サブスクリプションが付属する(Amazon Kids+は子ども向けの本、映画、テレビ番組、教育アプリ、ゲーム、そしてAlexaの子ども向けプレミアムスキルを無制限で利用できる有料サービス)。

Amazon Glowはまだ販売が広く開始されているわけではない。

購入希望者は、www.amazon.com/glowで早期アクセスプログラムへの参加をリクエストする必要がある。Amazonは、最初のデバイスは米国の顧客に数週間以内に発送されるとしている。

開発者は2022年前半に公開される予定のSDKへのアクセスを申し込むことができる。

画像クレジット:Amazon

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

チリのOcular Solutionはカスタマージャーニーにビデオチャットを取り入れるスタートアップ

「コロナ禍によって、カスタマージャーニーに欠けているものがあることが可視化されました」。そう語るのはチリのアーリーステージのスタートアップOcular SolutionのCEOであるFernando Moya(フェルナンド・モヤ)氏だ。

モヤ氏は、人はオフラインと同じように顧客担当者と顔を合わせて話したがたるのでライブチャットやチャットボットでは不十分であることが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって明らかになったという。

そこでTechCrunch DisruptのStartup Alleyに参加したOcular Solutionは、クライアントのサイトにビデオチャットの要素を追加しHubSpotやPipedriveなどの既存のツールと統合するプラットフォームで、デジタルの世界におけるこうした問題を解決しようとしている。

ビデオチャットはカスタマーサポートに便利だが、オンボーディングやセールスにも便利だ。進み具合に応じてエンドユーザーが質問に答えてもらうことを希望するようなコンサルティングセールスに向いているサービスの場合は、特に有用だ。

実際に人と話したいという要望が、eコマースにとって大きな問題であるカート離脱率を減らすのにビデオチャットが効果的だとモヤ氏が考える理由だ。UXの調査機関であるBaymardは44種類の研究からデータをまとめ、オンラインショッピングで実証されている平均カート離脱率は70%近いと推計している

サイト訪問者が顧客にならない理由はたくさんあるが、Ocularはビデオチャットを導入するとコンバージョン向上につながることをつきとめた。モヤ氏がTechCrunchに語ったところによると、同社の顧客はサービス関連のネットプロモータースコアが平均8点を誇り、チリのeコマース促進イベントであるサイバーデーの期間中に最初は15%だったコンバージョン率が最高で250%に達した。

Ocularはチリでスタートした。モヤ氏はチリで以前にWingsoftという別の企業を共同で創業したことがあり、Ocularはそこからスピンアウトした。しかしOcularはすでに国境を越えている。チームは小規模なハイブリッドの拠点を持ちながらもリモートで業務を続ける予定で、クライアントはラテンアメリカ各国にわたっている。

ラテンアメリカのeコマースは北米や西ヨーロッパほどには浸透していないが、売上は他の地域よりも早いペースで伸びている。新たにオンラインを利用するようになった消費者は、おそらく対面でのショッピングに似たエクスペリエンスを求めている。モヤ氏は「ビデオでのサポートを求める人の数は、急激に増えています」という。

顧客満足度や売上とは別に、Ocularはクライアントの社内プロセスを改善したいとも考えている。その結果、同社はカスタマーサービスに関する重要な指標の追跡に役立つデータを顧客に提供し、接客担当者の業務を支援している。同社のサイトでは「当社は貴社の接客担当者をトレーニングしますので、担当者は最高のサービスエクスペリエンスを提供し、ツールを最大限に活用できます」と説明されている。

モヤ氏は次のように語った。「当社のテクノロジーを利用するにあたり、接客担当者は重要な役割を果たしていると思います。カスタマーサービスの新しいチャネルに人間らしさをもたらすのは担当者だからです。したがって当社は楽しくやりがいのある環境で担当者の日々の業務を改善し、モチベーションを上げて、優れたパフォーマンスの結果として利益を生み出すツールを作ることに力を入れています」。

モヤ氏は、ビデオチャットの担当者を希望する人が増え、この分野での「ウーバー化」が到来すると予測している。そうなれば、増えつつあるカスタマーサービスの需要に対する答えとなるかもしれない。「ビデオサポートのユースケースはさまざまで、新しい使い方が毎日出てきています」という。

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(文:Anna Heim、翻訳:Kaori Koyama)

CameoがセレブとビデオチャットできるサービスCameo Callsの提供を開始

もしあなたが本当に今夜、昔のアメリカン・アイドルで有名になったWilliam Hung(ウィリアム・ハン)氏とビデオチャットしたいなら、20ドル(約2200円)払ってもいいと思うかもしれない? Cameo(カメオ)は9月16日、新プロダクトCameo Callsの展開を開始した。ファンがお気に入りのインフルエンサーやセレブと1対1で最大15分チャットできるというものだ。チャットリクエストを受ける側のタレントがチャット時間や日時、価格を決める。平均価格は約31ドル(約3400円)だとCameoは話す。

ビデオチャットを予約するにあたって、ユーザーはCameoのウェブサイトかアプリで購入可能なCameo Callのスケジュールをチェックできる。こうしたスケジュールは各タレントのCameoページにも表示される。Cameo Callを購入すると、コールに入るのにアプリで入力するチケットコードが発行される。

ロックダウンが世界に広がったことを受け、Cameoは2020年6月にユーザーがセレブとのZoomコールを予約できるようにしたが、4月にその機能を停止した。その代わりいま、サードパーティのソフトウェアに頼るのではなく、Cameo Callsがアプリでネイティブ・エクスペリエンスを提供している。しかし消費者にとっての欠点は、お気に入りのリアリティ番組のスターを自分のオフィスのZoomハッパーアワーに招待しづらくなっていること。しかしメリットは、Cameo Callsではコールの最後に写真撮影があることだ。なので、写真を撮ってもらえないかとおずおずと依頼しなくてもセレブとのセルフィーを入手できる。

Cameo Callsのようなエクスペリエンスは、セレブとの交流会イベントが多くのところで安全ではないかもしれない新型コロナパンデミックの状況を考えると、理にかなっている。しかしこのプロダクトは「日常」時においても典型的な交流会の代わりになるとCameoは考えている。往々にしてセレブとの交流会は、長い列に並んだ末に直接交流できるのは5秒か10秒だけというものだ。多くのCameo Callsセッションが数分ほどの長さだが、実際の列で並んで100番目である場合以上にファンはより個人的なエクスペリエンスを得ることができるかもしれない。

「Cameo Callsが音楽フェスティバルや世界ツアー、ファン集会、スポーツイベントなどでの交流会に取って代わると予想しています」とCameoの共同創業者でCEOのSteven Galanis(スティーブン・ガラニス)氏は述べた。

同社はこのプロダクトを、タレントがホストするテーマが決められた交流会、コーヒーを飲みながらのチャット、プライベートコンサート、タロットカード占いなど、コール3000件でテストした、と話す。この機能をテストしたパフォーマーには、映画「ハリーポッター」でウィーズリー家の双子を演じたJames and Oliver Phelps(ジェームズ&オリバー・エルプス)氏、ディズニーチャンネルの元スターDavid Henrie(デイビッド・ヘンリ)氏などがいる。

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

マイクロソフトがTeamsのアップデート予告、アップルCarPlay対応やパワポ映像へのピクチャー・イン・ピクチャー合成も

マイクロソフトがTeamsの大幅アップデート予告、アップルCarPlay対応やパワポ映像へのピクチャー・イン・ピクチャー合成機能も

米マイクロソフトはビデオ会議ツール「Microsoft Teams(以下、Teams)」における、今後の機能追加のスケジュールを明かしています。

今年5月に企業向けだけでなく、個人向けにも提供が始まったTeams。また同月には大画面スクリーンや専用カメラ、空間オーディオなどを組み合わせた未来のビデオ会議のコンセプトも披露されています。

さて今回の発表によれば、Teamsにはプレゼンテーションツール「PowerPoint」の画面共有ツール「PowerPoint Live」におけるカメオ機能が追加されます。これはピクチャー・イン・ピクチャーのように、PowerPoint資料映像に自分の顔や上半身映像(動画)を合成する機能で、来年初頭にリリースされる予定です。マイクロソフトがTeamsの大幅アップデート予告、アップルCarPlay対応やパワポ映像へのピクチャー・イン・ピクチャー合成機能もマイクロソフトがTeamsの大幅アップデート予告、アップルCarPlay対応やパワポ映像へのピクチャー・イン・ピクチャー合成機能も

さらに2022年初頭には、AI(人工知能)を利用したスピーチの改善機能「スピーカーコーチ」も導入されます。同機能ではスピーチのペースや出席者に確認するタイミングをアドバイスしてくれたり、あるいは聴衆にチェックインするようにリマインダーを表示したりします。

今月末には、米アップルのCarPlayによる音声での会議参加が可能に。自動車の中からでも、Siriを利用してミーティングに加わることができます。マイクロソフトがTeamsの大幅アップデート予告、アップルCarPlay対応やパワポ映像へのピクチャー・イン・ピクチャー合成機能もマイクロソフトがTeamsの大幅アップデート予告、アップルCarPlay対応やパワポ映像へのピクチャー・イン・ピクチャー合成機能も

照明の自動調整ツールも、数ヶ月以内に導入されます。Teams Mobileのコンパニオンモードも改善され、チャットやライブリアクションなどの機能への簡単なアクセス、さらにカメラなどの接続デバイスのコントロールが可能になります。

Jabra、Neat、Poly、Yealinkなどが提供する、インテリジェントカメラへの対応も予定。AIによる会話者の判断機能では音声だけでなく視覚的な合図も利用し、画面を切り替えられます。また同じ場所にいる会話者をそれぞれのビデオペインに配置する複数ビデオストリームや、会話者のプロフィールを下部に表示する人物認識ツールなども、数ヶ月以内に導入される予定です。2022年に導入されるOutlookのRSVP(簡易返答)機能では、自分が会議に直接参加するのか、あるいは遠隔地から参加するのか、勤務時間にいつ、どこで仕事をできるのかを記入できるようになります。

このように、新機能が次々と導入される予定のTeams。ビデオ会議ツールとしてはTeamsだけでなく、Zoomや米GoogleのGoogle Meetが激しいシェア争いを繰り広げており、今後もさらなる機能改善が業界全体で実施されることになりそうです。

(Source:MicrosoftEngadget日本版より転載)

Epic Gamesが10月にHousepartyを閉鎖、ビデオチャット機能「Fortniteモード」も終了へ

Houseparty(ハウスパーティー)は、Fortnite(フォートナイト)のメーカーであるEpic Games(エピックゲームズ)が2019年に推定3500万ドル(約38億4000万円)で買収したチャットアプリだ。しかし、このほど閉鎖が決まった。同社によると、Housepartyは2021年10月に既存ユーザーがアプリを利用できなくなる時点で終了する。ただし、アプリストアからは本日削除される。この動きに合わせて、Housepartyを使ってFortniteのゲーマーにビデオチャットを提供しているEpic Gamesの「Fortnite モード」も終了する。

2015年創業のHousepartyは、ユーザーが友だちとグループ・ビデオ・チャットに参加したり、Uno(ウノ)、トリビア、Heads Up(ヘッズアップ)などのゲームもできる機能を提供した。2020年、Epic GamesはHousepartyをFortniteに統合し、まずゲーマーがプレイしながら友だちのライブフィードを見られるようにし、後にゲームプレイを直接Housepartyにライブストリーミングする機能を追加した。当時、これらの統合はEpic GamesがHousepartyを買収した理由を説明する最終ゴールと思われた。

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そして買収発表からわずか2年後、ライブストリーミングのサポートが追加されてから半年も経たないうちに、Housepartyは閉鎖する。

一見、買収のフル活用に失敗したことを認めたともいえるこの動きについて、会社は明快な見識を示さなかった。しかし現実はといえば、Epic Gamesはビデオチャットよりも大きい何かを用意しているのかもしれない。とはいえ、この日、Epic Gamesがいうことができたのは、Housepartyチームはアプリに必要な注意を払えなくなったということだけだった。チームの焦点を別の何かシフトする経営判断を表す声明だ。

この決定によって解雇されるHousepartyチームのメンバーはいないとTechCrunchは聞いており、彼らは別のチームに移り、Epic Gamesファミリー製品を横断する「ソーシャルインタラクション」を可能にする新しい方法の仕事をすることになる。会社の発表は、そのソーシャル機能が「メタバーススケール」で設計、開発されることを示唆している。

「メタバース」は最近よく使われるようになったバズワードで、共有されたバーチャル環境、たとえばFortniteやRoblox(ロブロックス)などの大型オンラインゲーミングプラットフォームで提供されているものを指す。Facebook(フェイスブック)も、メタバースはソーシャルネットワーキングの次なる大きな一手であると宣言していて、CEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏はこれを「見ているだけではなく、その中にいるような感覚になれるインターネットのようなものです」と説明した。

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ある意味で、Fortniteはメタバースを取り込み始めており、アバターとして参加できるオンラインコンサートやその他のライブイベントなどゲーム以外の体験を提供している。終了に先立ち、Housepartyもライブイベントに手を染めて、ユーザーが友だちと一緒に見たり一緒に参加できるようにした。

Epic Games広報担当者はTechCrunchに、Housepartyチームはソーシャルに焦点を当てたいくつかのプロジェクトに取り組んでいて今後も続けると語った。しかし、Epic Gamesが取りかかっている「複数の大型プロジェクト」のいくつかは、まだ発表できないという。

ソーシャル製品に関していうと、現在HousepartyのテクノロジーはFortniteのボイスチャットすべてを支えており、彼らが作った機能はEpic Games Services(エピック・ゲームズ・サービス)を通じてデベロッパーに無料で開放されている。新しいソーシャル体験の構築も行っており、、Fortniteのグローバルイベント、たとえば最近のアリアナ・グランデのコンサートのソーシャルRSVP(出欠の返事)機能や、クエストなどのゲーム要素のコラボレーションのための「Operation:Sky Fire(オペレーション:スカイ・ファイアー)」イベントなどを開発している。Fortniteのユーザー生成コンテンツプラットフォームであるCreate Mode(クリエイト・モード)にも新たなソーシャル機能や体験を追加されている。

パンデミックのために2020年利用が急増したばかりのアプリを閉鎖するのは奇異に感じるかもしれないが、この新型コロナ需要に持続力はなかったようだ。

ロックダウンのピーク時、Housepartyは月間5000万人の新規登録者を記録した。世界が閉鎖されている中でユーザーが家族や友達とつながるためのビデオチャットアプリを探していたためだ。しかしパンデミックが進むにつれ、他のビデオチャット体験がいっそう勢いづいた。Zoom(ズーム)はリモートワークの必須ツールとしての地位を確立したばかりか、仕事終わりに友だちと過ごすツールにもなった。Facebookも2020年ビデオチャット機能の「Rooms(ルームズ)」を投入して同じようなグループビデオ体験を提供し、Housepartyを苦しめた。そして飽きがきたユーザーはClubhouse(クラブハウス)やTwitter Spaces(ツイッター・スペース)などのオーディオベースのソーシャルネットワーキングに移行した。

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画像クレジット:Apptopia

Apptopia(アップトピア)のデータによると、Housepartyはパンデミック太りの後、下降を続けている。これまでにiOSとAndroid合わせて1億1100万回ダウンロードされていて、大部分(6300万回)がiOSだ。米国はHousepartyの最大市場で、ダウンロードの43.4%を占め、英国(9.8%)とドイツ(5.6%)が続いている。
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ちなみにEpic Gamesは同アプリが全世界で「数千万」ユーザーに利用されたという。閉鎖は簡単な決断ではなく、「Fortniteモード」終了の決定も利用が低調だったからではないと強調した。

Housepartyは10月の完全終了に先立ち、アプリ内通知を経由してユーザーに閉鎖を警告する。同サービスの終了時点でFortnite Modeも利用できなくなる。

画像クレジット:Epic

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

会議を日常のワークフローに統合する「ミーティングOS」を目指す仮想会議プラットフォームのVowel

仕事を進める上で会議を避けることはできない。だが、Vowel(バウエル)のCEOであるAndy Berman(アンディ・ベルマン)氏は、過去18カ月におよぶ職場の分散化の中で、私たちは「会議による死」に向けて着実に歩んでいるという。

このたび、彼の仮想会議プラットフォームが、会議前、会議中、会議後をより実り多いものにすることを目指して、ベンチャーキャピタル資金1350万ドル(約14億9000万円)を調達した。

Vowelが立ち上げるミーティング運営システムは、リアルタイムの文字起こし、統合された議題、メモ、アクションアイテムを備えており、会議の分析機能、会議の検索可能なオンデマンド記録を提供する。同社はフリーミアムビジネスモデルを用意しており、2021年秋には、1ユーザーあたり月額16ドル(約1764円)のビジネスプランを展開する予定だ。また追加機能として、高度な統合機能、セキュリティ、および管理機能が含まれる。

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今回のシリーズAは、Lobby CapitalのDavid Hornik(デビッド・ホーニック)氏が主導し、既存の投資家であるAmity VenturesとBox Group、そしてCalendly CEOのTope Awotona(トープ・アウトナ)氏、Intercomの共同創業者であるDes Traynor(デス・トレイナー)氏、Slack VPのEthan Eismann(イーサン・アイスマン)氏、元Yammer幹部のViviana Faga(ビビアナ・ファガ)氏、元InVision社長のDavid Fraga(デビッド・フラガ)氏、Oktaの共同創業者であるFrederic Kerrest(フレデリック・ケレスト)といった個人投資家グループが参加した。

Vowelを始める前のベルマン氏は、ベビーモニター会社Nanit(ナニット)の創業者の1人でもあった。同社は世界中にチームを分散させていたため、結果としてコミュニケーションには苦労がともなった。2018年に同社は同期型および非同期型の会議に使えるツールを探していたが、さらに管理するタイムゾーンもたくさんあるという課題があったと彼はいう。

1日17時間ビデオをストリーミングしているNanitのベビーモニター機能からヒントを得て、Vowelのアイデアが生まれた。そして同社はこの先分散作業が普及していくという仮説に焦点を合わせ始めたのだ。

「はじめまわりの人たちは、私たちがクレイジーだと思っていましたが、その後パンデミックが発生して、皆がリモートで作業する方法を学び始めたのです」とベルマン氏はTechCrunchに語った。「ハイブリッド作業に戻りつつある現在、私たちはこれはチャンスだと考えています」。

2017年、ハーバードビジネスレビューは、経営幹部は毎週23時間を会議に費やしていることを報告した。またベルマン氏は、現在平均的な労働者は、毎週就業時間の半分を会議に費やしていると推定している。

Vowelは、いつでも一時停止できるオーディオとビデオ記録とともに、Slack(スラック)、Figma(フィグマ)、GitHub(ギットハブ)のコンポーネントを会議に持ち込む。ユーザーはメモを追加したり、そうしたメモがリアルタイムの文字起こし情報どこに対応するかを確認したりすることができる。これによって、会議に後から参加した人や、会議に参加できなかった人が、内容に簡単に追いつくことができる。会議が終わった後には、それらは共有することが可能だ。Vowelには検索機能があるので、ユーザーは内容に戻って特定の人やトピックが議論された場所を確認することができる。

新しい資金により、同社はプロダクト、デザイン、エンジニアリングのチームを成長させることができる。Vowelは、2022年までに最大30人の新規採用を計画している。同社は最近ベータテストを終了し、順番待ちリストに1万人を集めた。ベルマン氏によれば、一般公開は秋に行われる予定だという。

職場における生産性とオフィスのコミュニケーションツールは、新しいコンセプトではないが、ベルマン氏が説明したように、過去18カ月間に自宅がオフィスになるにつれて、ますます重要なものとなってきた。

競合他社は、これらの問題を解決するためにさまざまなアプローチを取っている。ビデオ会議、音声、またはプラグインを使用した会議管理に重点を置いていることが多い。ベルマン氏によれば、まだ多くの競合相手が成功していない分野は、会議を日常のワークフローに統合する部分だという。そこがVowelの「ミーティングOS」が活躍できる場所なのだ、と彼は付け加えた。

ベルマン氏は「私たちの目標は準備、会議そのもの、フォローアップを含めて、会議をより包括的で価値のあるものにすることです」という。「将来はナレッジマネジメントが重要になると考えています。私たちと他との違いは、そうしたナレッジベースをすばやく検索し、維持できるようにすることです。ガートナーのレポートによれば職場の会議の75%が2025年までに記録されるようになるいわれています。私たちはそのトレンドをゼロから作り直しているのです」。

Lobby Capitalの創業パートナーであるデビッド・ホーニック氏は、既存の投資家であるAmity VenturesからVowelのことを知ったという。GitLab(ギットラブ)の取締役会のメンバーでもあるホーニック氏は、GitLabはパンデミック以前から技術分野では最大の分散型企業の1つであり、分散型チームを機能させるという課題に直接取り組んできたのだと語る。

そのホーニック氏がVowelの話を聞いたときに、そのチャンスに「すぐに飛び乗った」のだという。彼の会社(Lobby Capital)は通常、ビジネススペースを変革する能力を持つプラットフォームビジネスに投資している。その多くはSplunk(スプランク)やGitLabのような純粋なソフトウェア企業だが、その他は中小企業が財務業務を管理する方法を変革したBill.com(ビルドットコム)に似ている、と彼は付け加えた。

特に、何十年も進化することのなかった会議スペースを変革する「ミーティングOS」に対するVowelのビジョンを考えると、同社は変革の要素が凝縮されたような会社なのだとホーニック氏は語る。

「このことのすばらしさは私の目には明白でした。なにしろ私の日常は会議また会議の繰り返しなのですから、1日8回のZoom(ズーム)が普通になって、なんとかすべてを覚えておける方法はないものかと考えていたのです」とホーニック氏は語る。「この製品を使用している初期の顧客のみなさんと話して、もしこれがなくなったらどうするかと尋ねたところ、彼らが最初に言ったのは『泣くよ』でした。代替手段がないので、Zoomや他のツールに戻るだろうけれど、それは大きな後退になるだろうと答えてくれたのです」。

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画像クレジット:Vowel

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(文: Christine Hall、翻訳:sako)

プラットフォーム化を目指すZoomが約110億円の同社ファンドから資金を受けるスタートアップを発表

1年以上前からZoom(ズーム)は、アプリケーションからプラットフォームへの転換をミッションとしてきた。そのために同社は、この1年間で3つの発表を行った。Zoom Apps(ズーム・アプス)開発ツールZoom App Marketplace(ズーム・アップ・マーケットプレイス)、そして、Zoomのプラットフォーム上でツールを開発する有望なスタートアップ企業に投資する1億ドル(約110億円)の開発ファンドだ。米国時間8月30日、同社は第1回目の投資を締め切ったことを発表した。

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Zoom Appsとその統合における製品責任者を務めるRoss Mayfield(ロス・メイフィールド)氏は、今回の投資ラウンドについて、TechCrunchに次のように述べている。「私たちはこのエコシステムを構築している過程にあります。このプラットフォーム上で優れたものを作り出すためには、起業家と協力してシードステージやAステージの企業に特に注力することが重要だと考えています。今回の第1回目となる十数件の投資は、今後も継続して行われる重要な事業を代表するものだと、私は考えています」と、同氏は説明した。

メイフィールド氏によれば、同社は正確な投資額は公表していないものの、各企業には25万ドル(約2750万円)から250万ドル(約2億7500万円)程度の小切手を振り出しているとのこと。Zoomは投資ラウンドを主導するわけではなく、他の投資パートナーとチームを組んでいる。しかし、これらのスタートアップ企業に協力していないわけではなく、資金以外にも社内のリソースを活用したアドバイスや、経営陣のバックアップを提供している。

「これらの投資先には必ず、その企業の役員やシニアスポンサーがついています。つまり、その土地のことをよく知っていて、彼らの成長を助け、個人的な時間を過ごせる人が社内にいるのです」と、メイフィールド氏はいう。

同社はまた、投資を受けたスタートアップが、お互いの企業やZoom Appsチームから学ぶために、いくつかのZoomチャットチャンネルを運営している。「スタートアップと私のチームの間で、共有のチャットチャンネルを設けています。アナウンスメントというチャンネル、ヘルプというチャンネル、そしてスタートアップ企業が作ったコミュニティというチャンネルもあります」と、メイフィールド氏は述べている。

彼らは毎週、これらのチャンネルを使って、開発者オフィスアワー、ビジネスオフィスアワー(メイフィールドが運営)、コミュニティアワーを開催し、スタートアップ企業が集まって好きなことを話し合えるようにしている。

投資を行う具体的なカテゴリーとしては「コラボレーションと生産性」「コミュニティとチャリティ」「DE&IとPeopleOps」「ゲームとエンターテインメント」がある。「コラボレーションと生産性」カテゴリーのWarmly(ウォームリー)は、会議に参加する各人の背景や情報を事前に提供したり、会議の主催者がイベントごとにカスタマイズしたZoom背景を作成できる営業ツールだ。

そしてFathom(ファゾム)は、ZOOM会議中にメモを取る必要性を減らすものだが、単なる録音や文字起こしをするツールではない。「Fathomは、シンプルなインターフェースで、会議中のある瞬間にタグ付けすることができます。その結果、録画された動画の議事録ができあがります。タグ付けされた瞬間をクリックすると、それがハイライトとして表示され、会議のハイライトのクリップを、Salesforce(セールスフォース)やSlack(スラック)などで共有することが可能です」と、メイフィールドは説明する。

Pledge(プレッジ)は、個人や組織がZoomミーティング内で即座に寄付を依頼し、集めることを可能にする。Canvas(キャンバス)は、企業がDEI目標を設定・達成するためのデータに則り、多様なチーム作りを支援する採用・面接ツールだ。

このファンドの第一次投資の対象となったのは、これらのような企業だ。メイフィールド氏は、今後もZoomプラットフォームを利用するスタートアップを探して、自社のスタートアップを構築したり、Zoomとの統合を進めていくと述べている。

どんな会社も、まずは機能から始まり、そして製品になり、やがて製品のラインアップを目指すと、メイフィールド氏はいう。成功の秘訣は、それを着実に進めていくことだ。この投資プログラムやZoom Appsのツール群の目的は、こうした企業が最初の一歩を踏み出す手助けをすることにある。

「起業家としての技術とは、リソースがない中でそのリスクに対処し、自分の知っていることの最前線を突き進むことです」。Zoomはその旅におけるロールモデルであり、メンターであり、投資家でありたいと考えている。

画像クレジット:Thomas Trutschel / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Otter.aiの自動文字起こし機能がMicrosoft Teams、Google Meet、Cisco Webexにも対応

AIを利用して音声の書き起こしをするサービスOtter.aiが、そのOtter Assistantプロダクトの機能をMicrosoft TeamsとGoogle Meet、そしてCisco Webex向けに拡張する。当初、5月にはZoomのユーザー向けのプロダクトだったが、今後はいろいろなプラットフォームに参加して会議の書き起こしができる。会議にOtterのユーザーがいなくてもよい。

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Otter Assistantはカレンダー上の会議に自動的に参加して書き起こしを行い、会議の参加者に共有する。会議に出られなかった人も、後でその内容がわかる。複数の会議が重なっているときや、長い会議のごく一部を知りたいときなどにも、Otter Assistantは便利だ。

この最新のツールを利用するためには、まず自分のカレンダーとOtter Assistantのサービスを同期させる。そうするとAssistantは自動的に今後のすべての会議に参加する。透明性を確保するために、会議ではAssistantも1人の参加者として記録される。

Otter.aiの共同創業者でCEOのSam Liang(サム・リャン)氏が声明で「自宅やモバイルなどのリモートを併用するハイブリッドの仕事スタイルがますます普及しているため、Otterはチームのコミュニケーションとコラボレーションを改善するツールとして重宝されています。しかもこれからは、いろいろな人がいろいろなやり方で会議に参加していてもOtterは簡単確実に対応できるため、すごく便利になったと思います」と述べている。

今回の統合により、1つの会議にいろいろな人がさまざまなプラットフォームから参加していても、Otter Assistantは1カ所で十分に内容を記録できる。Otter Assistantを使えるのは、Otter.ai Businessのユーザーだ。その料金は月額20ドル(約2200円)からで、二要素認証や高度な検索、音声のインポート、ボキャブラリーのカスタム化、共有している発話者の識別などの機能がある。

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画像クレジット:Otter

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(文:Aisha Malik、翻訳:Hiroshi Iwatani)

刷新したZoom用スキンで自己表現とインクルージョンにフォーカスする「Macro」

生産性は多くの大企業にとって、パンデミック以前からの重要課題であり、それ以降、ますます重要になっている。しかし、Macro(マクロ)のファウンダーAnkith Harathi(アンキス・ハラチ)氏とJohn Keck(ジョン・ケック)氏は違う方法をとろうとしている。

同スタートアップのZoom SDKを利用したプロダクトは、開発チームによって再構築されたのち、米国時間8月25日に再スタートを切った。

430万ドル(約4億7000万円)のシード資金をFirstMarkのリードで調達したMacroがベータ版を公開したとき、基礎となるアイデアは、Zoom会議には本当に役立つ(かつ誰にでも使える)インフラストラクチャーがないということだった。同社はソリューションとして、ユーザーが会議の最中にToDoリストや結論などを書き込めるZoom用オーバレイを開発した。Macroはその情報をGoogleドキュメントに転送し、参加者に送る。

同プロダクトはユーザーがレイアウトを選択するオプションも提供しており、参加者のサムネイルを全画面を占有させずにブラウザーや好きなアプリケーション上に表示するスキンもある。Airtime(エアタイム)という、参加者がミーティング中にどれだけ話していたかを表示して、全員の声が届くようにする機能もあった。

その最後の機能、そしてMacroユーザーからのフィードバックが、今回の改定バージョンを生み出した。当初の生産性中心から、自己表現へと焦点をシフトしたのだ。

「未来のビデオコミュニケーションは、最も親密なコミュニケーションの1つとなり、高度にパーソナライズされると私たちは信じています。あなたと私は基本的にまったく異なる人間です」とハラチ氏はZoomを通じて私に話した。「しかし私たちは現在、Zoom時代にいて、全員が同じジェネリックなインターフェイスを使っています。どんなに違う人であっても」。

新しいMacroでは、ユーザーが図形、カラー、フィルターなどを使ってインターフェースをパーソナライズして自分を表現できる。さらに同社は、あるビッグネームアーティスト(後日発表)とのコラボレーションでZoom会議中にユーザーが使えるスペシャルアクションを提供しようとしている。他のメンバーがMacroを使っていてもいなくても、あなたがMacroを使って表現したものを相手は見ることができる。

初期バージョンからあるMacroの機能も残っている、たとえばAirtimeだ。ハラチ氏とケック氏はTechCrunchに伝えたところによると、2020年7月の公開当初に受け取ったフィードバックで多かったのは、自己表現とインクルーシブの機能が最もユーザーに共鳴し、生産性機能を使っている人はほとんどいない、というものだった。

Macroは、ユーザーが別のアプリケーションで共同作業をしながらZoomで互いを見ることのできるスキンも再登場させる予定で「Rooms」と呼んでいる。Macroは現在MacOSで動作している。

会社はボトムアップアプローチを続けて成長している。プロダクトは使いたい人に無料で提供され、組織の全員が参加しなくてもよい。

Macroは、ビデオ会議の巨人が焦点をアプリエコシステムにシフトするのに合わせてZoomの波に乗っている。ハラチ氏とケック氏は、ビデオ会議にとってのMacroは、メールにとってのSuperhumanと同じだと信じているが、Macroは生産性よりも自己表現に焦点を合わせている点は異なる。

2人はビデオ会議の発展が続くにつれ、UIの勝者が多くを得ると信じていて、会社はその勝者になることを目指している。

 

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画像クレジット:Macro

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(文:Jordan Crook、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Zoomの使用を中止せよ、独ハンブルグのデータ保護機関が州政府に警告

ハンブルグ州政府はZoom(ズーム)の使用に対する公的警告を発した。データ保護の懸念が理由だ。

ドイツ同州のデータ保護機関(DPA)は、現地時間8月16日に公的警告を発する措置を取り、上院事務局における人気ビデオ会議ツールの使用は、ユーザーのデータが米国に転送されて処理されるため欧州連合(EU)一般データ保護規則(GDPR)に違反する、とプレスリリースに書いた。

DPAの懸念は、2020年夏に欧州最高裁判所がEU-米国間の重要なデータ転送協定(Privacy Shield)を、米国の監視法がEUのプライバシー権利と相容れないために無効とした画期的裁定(Schrems II)を受けたものだ。

Schrems IIの影響は、法的不確定性による即時適用以上には、なかなか現れていない。しかし、現在欧州のいくつかのDPAが、データ転送問題を理由に米国拠点のデジタルサービスの使用に関する捜査を進めており、Facebook(フェイスブック)やZoomといった主要米国製ツールに関して、海を渡ったユーザーデータは適切に予防できないとして、その使用に警告を発した例もある。

ドイツの諸機関はこの件に関して最も積極的だ。しかしEUのデータ保護監察機関も、欧州圏におけるAmazon(アマゾン)、Microsoft(マイクロソフト)ら米国の巨人のクラウドサービスの使用に関して、同じデータ転送の懸念を理由に捜査している。

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一方で欧州委員会(EC)とバイデン政権による代替データ転送協定を探る交渉は今も続いている。しかし、EUの立法者たちは性急な修正への警告を繰り返し、プライバシー・シールド復活のためには米国監視法の改定が必要となる可能性が高いと言っている。法的に不安定な状態が続くにつれ、欧州ではますます多くの公的機関が米国拠点サービスを捨てEU圏内の代替サービスを利用するよう圧力を受けている。

今回のハンブルグの事例でDPAは、以前に起きた懸念に関する適切な回答を示さなかったために、上院事務局に対して公的警告を発行したと話した。

DPAは、公的機関によるZoomの使用は個人データ処理に関する正当な法的根拠に関するGDPRの要求を満たしていないと主張し、次のように書いている。「上院事務局から提出されたZoomの使用に関する文書は、GDPR標準が遵守されていないことを示している」。

DPAは、2021年6月17日の聴聞会で公的手続きを開始したが上院事務局は同ビデオ会議ツールの使用を中止しなかった、と言っている。また、規則に沿った使用を説明する追加の文書も証拠も提出しなかった。このため、DPAは一般データ保護規則第58条(2)(a)に従って公的警告の手続きを踏んだ。

ハンブルグのデータ保護および情報の自由担当委員、Ulrich Kühn(ウルリッヒ・キューン)氏は声明で、地域機関がZoomを使うためにEU法を無視し続けていたことは「理解し難い」と評し、ドイツ企業のDataport(いくつもの州、地域、地方当局にソフトウェアを提供している)が提供している代替製品がすでに利用可能であることを指摘した。

キューン氏は声明(原文はドイツ語からGoogle翻訳で英訳)で「公的機関はとりわけ法の遵守が重要です。このため、このような公的措置を取らねばならなかったことは非常に残念です。自由ハンザ都市ハンブルグでは、全従業員が第三国通信に関して問題のない十分にテストされたビデオ会議ツールを利用できます。主要サービス・プロバイダーであるdataportは、自社のデータセンターでも別のビデオ会議システムを提供しています。それらはシュレースヴィヒ=ホルシュタイン州など他の地域でも問題なく利用できています。このため、上院事務局が別の非常に問題のあるシステムの使用にこだわることは理解できません」。

TechCrunchはハンブルグのDPAと上院事務局に連絡を取り質問を送った。

更新:ハンブルグDPAの広報官はTechCrunchに次のように伝えた。「現時点でこれ以上の公的措置を講じる予定はありません。当該管理者が我々の法的論法を評価の上必要な行動をとることを期待しています。もちろん、さらに話し合い、可能な方法を探し続けることにやぶさかではありません。それが公的警告のそもそもの目的であり、そのままでい遭遇するであろう問題を管理者に気づかせることです。

Zoomにもコメントを連絡を取り、コメントを求めている。

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:ドイツハンブルグZoomビデオ会議EUGDPR

画像クレジット:OLIVIER DOULIERY/AFP / Getty Images

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Nob Takahashi / facebook

仮想の窓を通しリモートワーカーがオフィスと「つながっている感」を保つVideo Window Remote

多くの企業がオフィスで働く人と自宅で働く人が混在するハイブリッドな働き方にシフトしている中、Zoom(ズーム)のようなビデオ会議ツールを使っていても、自宅勤務の人は断絶感を感じてしまいがちだ。Video Window(ビデオウィンドウ)は、まるで仮想の窓を通して見ているかのように、他のオフィスとつながっている感覚をユーザーに与えるように設計されている。同社は米国時間8月17日、そのようなリモートワーカーに向けて、iOSおよびAndroid用のコンパニオンアプリ「Video Window Remote」を発表した。

その名の通り、Video Windowシリーズの最新作は、オフィス内のリモートコミュニケーションだけでなく、自宅や別の場所など、オフサイトで仕事をしている社員も巻き込んで、オフィスにいるかのような感覚を味わえるように設計されている。

ビデオ会議では、バーチャルにミーティングをしてビジネス上の議論を交わすことはできるが、オフィスにいて同僚とおしゃべりしているときに感じるようなつながりはない。そのため、ときには孤立感を感じたり、自分のアイデアが聞いてもらえていないと感じることもある。

Video Window Remoteでは、携帯電話やタブレット端末にアプリをダウンロードし、それをオフィスとの視覚的なコネクションとして使用することで、必要に応じてビデオと音声の両方を得られる。これにより、多くのリモートワーカーがオフィスにいないことで不足していると感じている、ウォータークーラーの周りで同僚と話すような体験を提供するという。

同社のDaryl Hutchings(ダリル・ハッチングス)CEOは、パンデミックの際に自宅で仕事をした経験から、Video Window Remoteの機能の多くを思いついたと語る。「Video Windowを使うことは、まさに窓越しに同僚を見るようなものです。プロジェクトを成功させ、目標を達成しながら、ともにに働く人たちと本当に一緒に存在することができ、仕事をより良く、より楽しいものにし、すべての人の競争条件を平等にします。最終的には、ハッピーハイブリッドな職場を作ることができます」と同氏は声明で述べた。

このようなツールのセキュリティやプライバシーを心配に思うユーザーのために、ハッチングス氏はいくつかの安全策を講じたという。ゲストアクセスを防ぐこと、デフォルトでオーディオとビデオをオフにすること(自分が他の人に見える / 聞こえる時をコントロールできる)、ビデオやオーディオの状態にかかわらず誰が出席しているかを誰でも見ることができる機能、スケジュールされた時間にのみサービスをオンにするスケジュールスリープモードなどだ。

このツールは、米国時間8月17日よりiOSおよびAndroidのアプリストアから無料でダウンロードできる。

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タグ:Video Windowリモートワーカービデオ会議アプリオフィスリモートワーク

画像クレジット:Video Window

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(文:Ron Miller、翻訳:Aya Nakazato)

Zoom爆撃訴訟で和解金約93億円の支払いにZoomは同意

ユーザーのデータを許可なくサードパーティと共有し、Zoombombing(Zoom爆撃)を引き起こしたことでユーザーのプライバシーを侵害したと提訴されていた裁判で、ビデオ会議大手のZoom(ズーム)は和解金として8500万ドル(約93億円)を支払うことに同意した。

パンデミックでZoomの使用が爆発的に増えるなかでTechCrunchが2020年に造り出した言葉「Zoombombing」は、招待されていない人がZoomコールに侵入して攻撃的な画像を共有したり、増悪に満ちたメッセージを拡散するためにバックグラウンドを使ったり、あるいは人種差別的で冒とく的な表現をまくしたてることでコールを台無しにすることを指す。

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2020年3月にカリフォルニア北部地区の米連邦裁地方判所におこされた裁判では、ZoomがFacebookやGoogle、LinkedInなどを含むサードパーティと個人的なユーザーデータを共有していたことも非難した。

和解金8500万ドルに加え、もし裁判が集団訴訟の扱いになれば、Zoomはサブスクリプション料金25ドル(約2700円)の15%を顧客に返金することになる。そして同社は、会議への乱入を防ぐためにさらなる予防措置を講じると話した。ここには、会議のホストあるいは他の参加者が会議でサードパーティのアプリを使うときにユーザーに警告したり、プライバシーやデータの取り扱いに関して従業員に特別な訓練を提供することが含まれる。

「Zoomにとってユーザーのプライバシーとセキュリティは最優先事項であり、顧客が当社におく信頼を真剣にとらえています」と同社は声明で述べた。「プラットフォームに加えた改善を誇らしく思っており、プライバシーとセキュリティを最前線で刷新し続けることを楽しみにしています」。

訴訟の和解が最終的に成立するにはカリフォルニア州サンノゼ地方裁判所の裁判官Lucy Koh(ルーシー・コー)氏の承認を得る必要がある。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Zoomビデオ会議プライバシー裁判

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Carly Page、翻訳:Nariko Mizoguchi

アマゾンのFire TV CubeがZoom会議に対応

2020年末、Amazon(アマゾン)は、同社のFire TV Cubeで双方向ビデオ通話のサポートを開始した。この機能を使うとユーザーは接続したテレビを使って他のスクリーン付きAlexa(アレクサ)端末と相互に通話できる。米国時間7月29日、同社は同機能を拡張し、Zoomを使った双方向ビデオ通話が可能になった。

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本日より、Fire TV Cube(第2世代)のユーザーはZoomで仕事のミーティングやバーチャル飲み会に参加できるようになる。

新機能を使うためには、Amazon Fire TV Cube以外にUSB Video Class(UVC)対応の解像度720p、30fps以上のウェブカムか必要だ。またよりよい体験のためには、1080pで画角60〜90度のカメラを使いテレビから6〜10フィート(1.8〜3メートル)離れることをAmazonは推奨している。なお4Kウェブカムは推奨していない。

Amazonは推奨ウェブカムとして、Logitech(日本ではロジクール)C920、C922x、C310、およびWansview 101JDを例示している。

ウェブカメラはUSB-Micro USBアダプター経由でFire TV Cubeに接続する。

最良の結果を得るためには、ウェブカムをテレビ画面の上に置くとよい、とAmazonはいう。

準備が整い接続が完了したら、Fire TVアプリストアからZoomアプリをダウンロードしてインストールする。ミーティングに参加するには、ゲストとしてあるいは既存のZoom  アカウントを使って画面の指示に従ってサインインする。

Alexa統合のおかげで、ミーティングにはハンズフリーで参加できる。「Alexa, join my Zoom meeting(アレクサ、ズームミーティングに参加して)」などのコマンドを送ると、AlexaがミーティングIDとパスコードを尋ねる。あるいは、リモートコントロールを使ってこれらの情報を入力することもできる。

オプション機能として、カレンダーをAlexaと同期して、予定表にあるミーティングについてリマンドしてもらうこともできる。その場合、Alexaがミーティングに参加するよう促したら、「yes」と答えるだけで自動的に参加できる。

2020年秋Amazonは、Fire TVプラットフォームでビデオ通話をサポートすると発表した。パンデミックによる仕事と学習の新時代における重要なアップデートだった。ただしそれは市場で唯一の選択肢ではなかった。Google(グーグル)も2020年、同社のスマートスクリーンHub Maxでグループビデオ通話 に対応し、後にZoom通話も追加した。一方、Facebook Portal(フェイスブック・ポータル)はビデオ通話をパーソナルな機能として提供してきたが、2020年アップデートしてZoomにも対応した。

つまり、Amazonは遅れを取り戻そうとしている。しかしそのソリューションは、ユーザーが自分でウェブカムを買わなくてはならない分、Portal TVがスマートカメラを内蔵していると比べると少々面倒だ。

新機能を使うには、Fire TV Cubeソフトウェアの最新ソフトウェアアップデートが必要だとAmazonはいう。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:AmazonAmazon FIre TVFIre TV CubeAmazon AlexaZoomビデオ会議

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

TimeTreeがオンライン会議の日程調整SaaS「Tocaly」の提供を開始

TimeTreeがオンライン会議の日程調整SaaS「Tocaly」の提供を開始

カレンダーシェアアプリ「TimeTree」(タイムツリー)を運営するTimeTreeは7月28日、オンライン会議の日程調整課題を解決するSaaS「Tocaly」(トカリー)の提供開始を発表した。ビジネスシーンでの日程調整にまつわる煩わしさや摩擦をなくし、空き時間の適切な消費を促すという。利用料は無料。推奨ブラウザーはGoogle Chrome、Edge(Safari、Firefoxでも利用可能)となっている。

テレワークでは、ひとつの会議を設定するのに、「候補日の選定と確保」「候補日の送付」「候補日の確認」「確定美の調整と確保」「確定日の送付」「確定日の確認」「会議日程の確認」と、最低でも7つのステップが必要になり、日程調整を依頼する側・される側双方にコミュニケーションコストがかかる。TimeTreeが社内で調べたところによれば、1日にこの作業を2回行うと、月に約8時間を費やすことになる。

Tocalyは、その繁雑さをなくし、「空き時間の最適な活用を実現する」というサービス。カレンダーを基本としたシンプルなデザインで、直感的に日程調整ができる。大きな特徴は次の3つ。

日程調整は3ステップ

  1. 日程調整ページを作成
  2. 日程調整の依頼相手に対して、日程調整ページのURLを送付
  3. 日程調整の依頼を受けた側は、候補日時から日程を選ぶ

ZoomやGoogle Meetと連携させると、ミーティングURLが自動で発行され、予定やメールに添付されて送られるので、会議がスムーズに始められる。

シンプルな操作画面

Excelと似た感覚で操作ができ、Googleカレンダーとの連携も可能。

自動更新でダブルブッキングを防止

複数のページにわたり同じ候補日時を設定した場合、確定した予定と重複する部分は自動更新されるので、ダブルブッキングが防げる。

当面は個人同士の日程調整機能のみが提供されるが、今後、チーム、部署、複数人との日程調整を想定した機能を実装してゆくという。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:カレンダー(用語)TimeTreeビデオ通話 / ビデオチャット/ビデオ会議(用語)リモートワーク / テレワーク(用語)日本(国・地域)

遠隔通訳プラットフォームのInteractioがコロナ禍でのビデオ会議需要急増で12倍の成長

国連、欧州委員会、欧州議会などの巨大機関やBMW、JPMorgan(JPモルガン)、Microsoft(マイクロソフト)などの企業を顧客に持つ遠隔通訳プラットフォームのInteractio(インテラクシオ)が、3000万ドル(約33 億円)のシリーズAをクローズした。新型コロナウイルスのパンデミックによってオンライン会議プラットフォームの需要が急増し、2019年から2020年にかけて同社のツールの使用率が12倍になったことがこの要因である。

今回のシリーズAは、Eight Roads Ventures(エイト・ローズ・ベンチャーズ)とシリコンバレーを拠点とするStorm Ventures(ストーム・ベンチャーズ)がリードしており、Practica Capital(プラクティカ・キャピタル)、Notion Capital(ノーション・キャピタル)の他、Skype(スカイプ)の共同創業者であるJaan Tallinn(ジャン・タリン)氏や、Samsung(サムスン)の元チーフ・ストラテジー・オフィサーであるYoung Sohn(ヤング・ソン)氏などの著名なエンジェル投資家が参加している。

リトアニアのヴィリニュスを拠点とするこのスタートアップは、会議と認定通訳者をつなぐデジタルツールを提供し、リアルタイムの通訳により会議参加者間の言葉の橋渡しを行っている。同社はビデオ会議プラットフォームも提供しており顧客はこれを使ってリモート会議を行うこともできるが、ZoomやWebexなどのサードパーティー製ソフトウェアとの統合も自由自在だ(2020年、同社のデジタルツールは43のビデオストリーミングプラットフォームで使用されたという)。

Interactioの通訳者は、会議が実際に行われている部屋に行くことも、会議のストリームを見聞きしながら完全にリモートでリアルタイムの通訳を行うこともできる。また、顧客の要望があれば遠隔地での通訳とオンサイトでの通訳を組み合わせることも可能だ。

会議に必要なすべての通訳者を提供することも可能で、同社は厳しい審査過程を経た認証された通訳者のみをプラットフォームに登録しているという。同社の通訳者を使わない場合、会議当日に物事が円滑に進められるよう、顧客の通訳者にツールの使い方のトレーニングも行っている。

現在Interactioは1000人以上のフリーランス通訳者と提携している他「通訳会社との強力な関係」を有していると謳っており、需要の増加に応じて通訳者の数を4倍に増やすことも可能だと豪語している。

同社のサービスではあらゆる言語の通訳を提供しており、1つのイベントで使用できる言語の数に制限はない。2020年は70カ国以上で1万8000件以上の会議を開催し、39万人の聴衆が参加したという。

新型コロナウイルスで引き続き出張に出向くことが難しい今、同社はシリーズAで得た豊富な資金を活用して、多言語によるオンライン会議が増加するであろう将来に向けて準備を進めている。

「当初私たちの最大の競合は、現場での同時通訳用ハードウェアでした。当時は、参加者が自身の携帯電話とヘッドフォン以外に別のハードウェアを使用する必要のない当社のソフトウェアを世に広めようと試みていました。しかし我々がフォーカスしていた機関にとってはハイブリッドな会議こそがカギだったのです。そこで同時通訳ハードウェアメーカーやインテグレーターと提携し、参加者はオンサイトでハードウェアを使用し、オンラインでは我々のサービスを使用するというハイブリッドイベントをともに行うようになりました」と広報担当者は話している。

「こうして、基本的にはケーブル1本でオンサイトのハードウェアと統合することができる完全なハイブリッドソリューションを提供することで、他社のプラットフォームと差別化することができました」。

「また市場のトレンドを見るとやはりZoomが最も使われているので、それを補完するために我々はプロフェッショナルな通訳ソリューションを提供しています」。

カスタマーサポートに重点を置くということも他社に差をつけるための戦略の1つとして同社は考えており、また、iOSとAndroidのアプリは総体的に高い評価を得ることができている(一方で過去のクレームの中には、大規模なオーディエンスへのサービスのスケーリングに問題があったことや、長年にわたってオーディオの品質などに問題があったことを示唆するものもある)。

2014年に設立されたこのスタートアップはすでに利益を上げているものの、今回のシリーズAはリモートワークブームの中で加速した需要と急激な成長に対応するための準備に充てたいと考えている。

具体的には、通訳を必要としている企業が簡単にアクセスできるようにするための技術やUX / UIの強化の他、通訳者が「置かれた場所で最高の仕事ができる」ようにするためのツールのアップグレードなどに使われる予定だ。

また、顧客基盤の拡大のためにも資金が投入される予定で、特により多くの企業や異なる種類の顧客の獲得を目指している(「欧州委員会、欧州議会、国連など、2020年から現在にかけて重点的に取り組んだ機関ではミスが一切許されず、最もプロフェッショナルなソリューションが求められています。顧客ベースを法人顧客や通訳を必要とするより多くの一般の人々に拡大することが次のステップです」と同社は話している)。

今回の資金は、これらの目標を達成するためのチーム規模の拡大の他、需要の増加に対応するための認定通訳者数の拡大のためにも使用される予定だ。

国連のような主要機関は、現場にしてもリモートにしても、人による通訳コストを節約して外交官や政治家に提供する通訳の質を落とすようなリスクをおかすことは決してないが、リアルタイムの機械翻訳技術が利用可能になったことで、プロフェッショナルなリアルタイム通訳のスケーリングには限界がでてくるかもしれない。リアルタイムの機械翻訳技術は、プロフェッショナル同士のカジュアルなミーティングなどのより簡単な会議の際に、より安価な代替策として活用できる。

例えばGoogle(グーグル)では、スマートフォンのプラットフォームのユーザーがGoogleの音声アシスタントAIを介してアクセスできるリアルタイム通訳モードを提供している。ハードウェアのスタートアップもリアルタイム通訳をターゲットにしようと試みている。AIを搭載した現実の「Babel Fish」への夢は依然として強いのだ。

どちらにせよ、こういったものは大規模な会議やカンファレンスをサポートするのには適さない。大規模な会議では、音質やその他の問題が発生した場合のトラブルシューティングを担当する集中型の配信サービスが不可欠である。

機械翻訳の性能が年々向上していることは間違いないが(ただし言語によって性能は大きく異なる)、機械が翻訳を間違えた場合に重要な情報が失われてしまうというリスクがある。そのため、リモートワークの増加(と海外出張の減少)がニューノーマルとなっていく今後、人間による通訳をデジタルプラットフォームでスケーラブルに提供することができれば、それが一番理に適った方法なのではないだろうか。

「迅速なソリューションを必要とし、品質を犠牲にしても構わない場合には、AIによる通訳が最適なツールです。私たちのクライアントは大企業や機関であるため、あらゆる誤解が決定的なものとなります。単に異なる言語で言葉を話すというのが目的ではなく、翻訳によって意味と文脈を正確に伝えることが重要なのです」と同社はいう。

「私たちは会話の本当の文脈や意味は人間にしか理解できないと強く信じています。声のトーンや感情、話し方によって、機械では気づかないような大きな違いが生まれることもあるからです」。

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Dragonfly)

セキュリティバグが見つかったZoomの米政府機関使用許可発行に用いられた資料の提供を要求するも、GSAは拒否

上院議員がGSA(一般調達局)に対し、連邦政府機関向けZoomの使用認可プロセスのためにZoomが提出した資料をレビュー目的で要求したが、GSAはこれを拒否した。

この拒否は、2021年5月に民主党上院議員であるRon Wyden(ロン・ワイデン)氏からGSAに寄せられた書簡に対し発せられたものである。この書簡でワイデン氏は、GSAが連邦政府機関でのZoom使用を認可した数週間後にアプリ内で重大なセキュリティの脆弱性が見つかったことへの懸念を表明している。

ワイデン氏はバグの発見により「FedRAMPの監査の質に対する重大な懸念」が高まったと述べた。

Zoomは2019年4月に、GSAが運営するプログラムであるFedRAMPより承認を受けて、政府内での使用が許可された。FedRAMPは、クラウドサービスが最も一般的な脅威からサービスを保護・強化するために設けられた一連のセキュリティ要件を満たしていることを保証するプログラムである。この認可がなければ、連邦政府機関はクラウド製品またはテクノロジーを使用することができない。

認可を受けた1カ月後、セキュリティ研究者が欠陥を見つけた。これはウェブカメラを許可なくリモートでオンにできるため悪用される可能性があるという問題で、 ZoomはMacアプリへパッチを施すことを余儀なくされた。ユーザーがZoomをアンイストールした後でさえ、その脆弱性の影響を受けることが判明したため、Appleは対応のため介入せざるをえなかった。パンデミックが広がりロックダウンが始まるとZoomの人気は急激に高まったが、同様に調査も盛んに行われた。Zoomは長い間エンド・ツー・エンドの暗号化が施されていると主張してきたが、それは真実ではないことを発見した報告者による技術的分析も公表された。

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ワイデン氏はGSAに対し、Zoomが認可を得た後にセキュリティバグが見つかったことを「非常に問題がある」と述べた書簡を送った。その書簡の中で、ワイデン上院議員は、なぜ、どのようにZoomがGSAの認可を得たかを理解するために、ZoomがFedRAMP認可の一環として提出した「セキュリティパッケージ」として知られる資料を開示するよう要求した。

GSAはワイデン氏が2020年7月に最初に要求を行った際、氏が委員長ではないという理由で拒否した。新たに発足したバイデン政権下で上院財政委員会委員長に任命されたワイデン氏は、再度Zoomのセキュリティパッケージを要求した。

しかし、ワイデン氏のオフィスに2021年B6月末に送られた新たな書簡の中で、GSAはセキュリティ上の懸念を挙げ、2度目の拒否を行った。

「ご要望のセキュリティパッケージには機密性の高い専有情報や、Zoomによる政府向け製品に関する他の機密情報が含まれています。この情報を保護することは、そのサービスとそれがホストする政府データの保全に不可欠であり、討議の結果、GSAはZoomのセキュリティパッケージを開示することは、重大なセキュリティリスクを引き起こすと判断いたしました」とGSAからの書簡には書かれていた。

GSAからのこの書簡について、ワイデン氏はTechCrunchに対し、他にも欠陥のあるソフトウェアが政府内での使用許可を得ているのではないかと懸念していると述べた。

「GSAによるFedRAMPプログラムの意図、つまり複数の連邦政府機関が同じソフトウェアのセキュリティを確認する必要がないように官僚的形式主義を排除する、という考えは大変納得のいくものです。しかし、その場合その審査を行う機関が徹底的な仕事をすることが非常に重要です。私は政府によるZoom審査において重大なサイバーセキュリティ上の欠陥が見過ごされ、これが最終的にセキュリティリ研究者によって発見され公にされたという点に懸念を覚えます。GSAがZoomの監査資料を国会に提供するのを拒否したことは、GSAが連邦政府のために認可した他のソフトウェア製品のセキュリティに疑問を投げかけるものです」とワイデン氏は述べた。

我々は、FedRAMPプロセスについて直接知識を持っている政府職員や、その認可プロセスを経験した企業に話を聞いたが、彼らによると、FedRAMPは包括的ではあるものの、連邦政府のセキュリティ要件を満たすために企業が実施すべきことを完全に網羅するものではないとのことである。

そのプロセスには限界があり、改革が必要だと述べた人々もいた。FedRAMPの仕組みを知っているある人物は、認可プロセスは製品のソースコードを精査するものではなく、ベストプラクティスやコンプライアンス要件を満たしているかのチェックリストに似たものだと述べた。その人物によると、そのプロセスの多くはベンダーを信頼することに依存しており「自己申告システム」に近いとのことである。別の人物は、FedRAMPプロセスではすべてのバグを捉えきれないと述べた。これは、先にバイデン大統領がFedRAMPプロセスの刷新と向上を目指して取った措置によっても明らかである。

我々が話を聞いた人々の多くは、ZoomのFedRAMPセキュリティパッケージの機密性を理由にワイデン氏の要求が拒否されたことに驚いていなかった。

彼らによると、この認可プロセスを通過しようとする企業は、自社製品のセキュリティに関する機密性の高い技術情報を提出しなければならず、仮にその情報が外部に漏れた場合は、ほぼ確実に当該企業は損害を被る、とのことであった。セキュリティ上の脆弱性がどこにあるかがわかってしまうと、サイバー犯罪者に情報を与えることになりかねないのである。企業がFedRAMP監査に先だち何百万ドル(何百億円)もの大金を投じて自社製品のセキュリティを強化することはよくあることだが、彼らは自社の企業秘密が外部に漏れかねないと判断した場合は、あえてリスクを冒して認可プロセスへ参加しないだろう、とのことであった。

ワイデン氏の要求をなぜ拒否したのかとGSAから尋ねられた際、Zoomの米国政府関連事業を統括するLauren Belive(ローレン・ビリーブ)氏は、セキュリティパッケージを上院に引き渡すことは、FedRAMPプロセスに企業が寄せる特別な「信頼と信用」を損なう危険な前例を作ってしまうからだ、と述べた。

GSAはFedRAMPセキュリティパッケージへのアクセスを厳密に管理している。この情報へアクセスするには、連邦政府または軍のメールアドレスが必要であるが、実はこれは上院議員も所持している。しかし、GSAがワイデン氏の要求を拒否した理由は未だ明確ではなく、GSAの広報担当者に尋ねてみたが、国会議員が企業のFedRAMPセキュリティパッケージを取得する方法については説明がなかった。

GSAの広報担当者、Christina Wilkes(クリスティーナ・ウィルケス)氏は「GSAは国会との関係を重視しており、ワイデン上院議員および管轄委員会と引き続き協力してGSAのプログラムや運用に関する適切な情報を提供していきます」と述べ、さらに次のようにも付け加えた。

GSAは民間セクターのパートナーと緊密に連携し、FedRAMPを通しクラウドサービスのセキュリティを認可する標準化されたアプローチを提供して参ります。ZoomのFedRAMPセキュリティパッケージおよび関係資料はZoomが政府に提供している製品に関連するセキュリティ措置の詳細情報を含んでいます。セキュリティに関する機密情報や企業秘密に関するGSAのスタンスは、権限を有する議会委員会の公式の書面による要求がない限り、定められた情報配布または情報公開の管理手順に従って、資料の提出を差し控えるということで一貫しております。

GSAはどの議会委員会が権限を持っているのか、あるいは、ワイデン氏の上院財政委員会議長という役職が十分な資格を満たすものであるのかには言及しておらず、またワイデン氏によるFedRAMPプロセスの有効性に関する問題提起に回答するつもりであるかについても言及していない。

Zoomの広報担当者、Kelsey Knight(ケルシー・ナイト)氏は、 Zoomのようなクラウド企業は「GSAに対し、FedRAMP認可プロセスの一環として、認可の決定にのみ使用されるという理解のもとに専有情報や機密情報を提出しています。Zoomは、ZoomのFedRAMPセキュリティパッケージが認可の目的を超えて外部に開示されるべきではないと信じておりますが、国会議員の方々や他の関係者の方々と政府機関向けZoomのセキュリティについてお話しすることを歓迎するものです」と述べた。

Zoomは「製品の継続的向上のためにセキュリティ強化に取り組み」、年次更新の一環として2020年および2021年にもFedRAMP認可を受けたと述べた。同社はZoomアプリがFedRAMPプロセスの中でどの程度の監査を受けたかについては、回答を拒否した。

現在20を超す政府機関がZoomを使用しており、これには国防総省、国土安全保障省、米国税関国境警備局、大統領行政府などが含まれる。

カテゴリー:セキュリティ
タグ:アメリカGSAZoomビデオ会議FedRAMP

画像クレジット:Olivier Doiliery / Getty Images

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(文:Zack Whittaker、翻訳:Dragonfly)

Discordがネット上の有害コンテンツとハラスメントに真剣に取り組むためAIソフトウェアSentropyを買収

オンラインチャットプラットフォームのDiscord(ディスコード)はSentropy(セントロピー)を買収する。AIを利用してオンラインハラスメントやヘイト発言を検出、削除するソフトウェアを開発している会社だ。

現在Discordは、発言の管理に「マルチレベル」のアプローチをとっており、社内の人力監視チームと有志のモデレーターと管理者の力で個々のサーバーの基本ルールを作っている。ユーザーを守り、コンテンツ管理ポリシーを整備することに特化したTrust and Safety(信用と安全)チームは、2020年5月時点でDiscordの労働力の15%を占めている。

Discordは、Sentropyの独自製品を既存のツールキットに組み込むとともに、同社の経営陣も迎え入れる。契約条件は明らかにされていないが、この買収は有害なコンテンツとハラスメントに真剣に取り組むことが正しい行動であるばかりでなく、ビジネスにもなることを示す証だ。

「Trust and Safetyチームの技術とプロセスは競争優位性のために使うべきものではありません」とSentropy CEOのJohn Redgrave(ジョン・レッドグレイブ)氏が合併を発表するプログ記事で述べた。「誰もがデジタルでもリアルでも安全でいる権利があります。モデレーターたちはこのオンラインで最も困難な仕事を、効率よくかつ悪影響なくこなすためのツールを与えられるべきです」。

Discordは危険なコンテンツに真剣に向き合うことに関して、必ずしも良い評判を得ていない。リアル世界の暴力と結びついた極右グループが、同プラットフォームに居着いていたこともある。Discordがヘイトや過激思想を厳しく取り締まるようになったのは、バージニア州シャーロッツビルで開かれた極右集会「ユナイト・ザ・ライト・ラリー」で反人種差別運動家のHeather Heyer(ヘザー・ハイヤー)氏が亡くなった後のことだった。

2018年2月、Discordは白人至上主義者とネオナチ・グループを追放してプラットフォームを浄化し、ルーツであるゲーミング事業から主流ソーシャルネットワークへと成長するための道を歩み始めた。現在Discrodは1億5000万人の月間アクティブユーザーを擁し、あらゆるコミュニティにとって居心地の良い場所という地位を確保しつつ、コアユーザーであるゲーマーたちを掴み続けている。

レッドグレイブ氏が自社とDiscordの自然なつながりについてブログで詳しく述べている。

Discrodはソーシャルネットワークの次世代を担う会社です。そこは、ユーザーが販売される商品ではなく、コネクティビティーとクリエイティビティーと成長のエンジンである世代です。このモデルでは、ユーザープライバシーとユーザーの安全はプロダクトの主要な要素であり、後付けではありません。このモデルの成功は、次世代のTrust and Safetyをあらゆるプロダクトのために開発することにかかっています。私たちはこの責任を重く考え、Discordの規模でDiscordの資源と人材とともに働くことで私たちの影響力を高められることを謙虚に受け止めています。

Sentropyは、オンラインハラスメントと虐待を発見、追跡、駆逐するためのAIシステムを擁して2020年夏静かに開業した。その後同社は1300万ドル(約14億4000万円)の資金を調達し、Reddit(レディット)の共同ファウンダーであるAlexis Ohanian(アレクシス・オハニアン)氏と彼のVC会社であるInitialized Capital(イニシャライズド・キャピタル)、King River Capital(キング・リバー・キャピタル)、Horizons Ventures(ホライゾンズ・ベンチャーズ)、Playground Global(プレイグラウンド・グローバル)らの著名な投資家が出資した。

Sentropyは、同社のソフトウェア製品であるDetect and Defend(ディフェクト・アンド・ディフェンド)を使用している既存の企業ユーザーに9月末までサービスを提供する。同社の消費者向け無料ダッシュボードのSentropy Protectは7月初めに閉鎖された。

関連記事:Sentropyがソーシャルメディア上の攻撃から人々を守るツールをローンチ、Twitterを皮切りに展開

Sentropyの製品はソーシャルネットワークに依存しておらず、特定のプラットフォームに特化したソリューションではないと考えられている。Discord傘下に入った後も、安全なオンライン空間を作るための知見を広くインターネットで共有していくつもりのようだ。

「私たち自身のコミュニティを守るために開発したベストプラクティスとテクノロジーとツールをインターネット全体で共有する最善の方法を、Discordとともに考えていくことをとても楽しみにしています」とレッドグレイブ氏は言った。

Discordの未来は明るい。同社は2021年4月、評価額100億ドル(約1兆1050億円)といわれたMicrosoft(マイクロソフト)による買収提案を固辞した。現在Discordは自立に満足しているようで、そう遠くない将来のIPOも計画している。

関連記事:Discordがマイクロソフトによる買収を固辞、独自に新規株式公開を目指す

カテゴリー:ネットサービス
タグ:DiscordチャットツールビデオチャットSentropy買収

画像クレジット:Discord/Eric Szwanek

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nob Takahashi / facebook

進化したビデオ会議のmmhmmは半分ジョークの社名でもソフトバンクなどから約110.6億円調達

TechCrunchを頻繁に読んでいる方なら、おそらくmmhmm(ンーフー)という名前のスタートアップをすでにご存知だろう。これは創業者Phil Libin(フィル・リービン)氏のEvernote(エバーノート)に続く第2幕であり、おそらく他のどのスタートアップよりもパンデミックから生まれたといえる企業で、自動バックグラウンド除去や高度なプレゼンテーション機能など、改良されたビデオチャットツールを提供している。Bloombergの報道によると、設立から1年余りの同社は米国時間7月6日、ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)が主導した1億ドル(約110億6000万円)の新たな資金投入により、合計資金調達額を約1億4000万ドル(約155億円)まで引き上げた。私のように最初の初期ベータ版を使用した記憶がある人であれば、いささか驚異的なことだ。

くだらない名前のスタートアップが多額の資金を集めるのはテック分野では例外的なことではないが、リービン氏のスタートアップの場合は、名前がほとんどないに等しい(言ってみればただの音、日本語にすると「ふうん」「うんうん」というような感じ)という点で、ボーナスポイントに値する。

mmhmmは、既存のビデオツールでは、特にプレゼンテーションにおいて、現代のテクノロジーが提供するすべての可能性にユーザーがアクセスできないという考えに基づいて設立された。mmhmmの中核となるプレゼンターツールは、あなたの会議を、透明なスライドショーやホワイトボードの書き込みに少し色をつけてデジタル化したものではなく、プロのニュース番組のように見せてくれる。mmhmmは創業以来、頻繁な改良を重ねながら、着実に機能を追加し、パフォーマンスを向上させてきた。

関連記事:ビデオ会議ソフトmmhmmが夏に向かって大量の新機能を発表

現在のところmmhmmは、Zoomをはじめとする、ユーザーがバーチャルミーティングに使用する既存のビデオサービスと連動するようになっている。しかしBloombergによると、mmhmmは近々、スタンドアローンのアプリとしても利用できるようになり、モバイルアプリ版も発表される予定だという。これは、SVFやSequoia Capitalなどから調達した新たな資金の有効な活用法といえそうだ。

パンデミック後の世界ではバーチャルミーティングの重要性が低下することが予想されるが、それでも、仕事の世界では欠かせないものになるだろう。しかし同時にmmhmmのフィーチャセットは、ワックスの翼を作って、調達額や評価額を上げようと高く翔ぼうとするスタートアップ企業への訓話として語られる「製品ではなく、機能」というコンセプトを定義しているようにも見える。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:mmhmmビデオ会議プレゼンテーションオンラインプレゼンテーションソフトバンク・ビジョン・ファンド資金調達

画像クレジット:mmhmm

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Aya Nakazato)

Zoomが会議でのリアルタイム翻訳を実現するためにドイツのスタートアップを買収

企業が世界に展開し、Zoom(ズーム)のようなツールでオンライン会議を行うようになると、言葉の壁が仕事を進める上での大きな障害となる。Zoomは、ドイツのスタートアップ企業であるKarlsruhe Information Technology Solutions(カールスルーエ・インフォメーション・テクノロジー・ソリューションズ、略称Kites[カイツ])を買収し、機械学習を利用したリアルタイム翻訳機能をプラットフォームに導入するつもりであることを発表した。

両社は取引の条件を明らかにしていないが、Kitesを買収することで、Zoomはトップレベルの研究者のチームを手に入れて、同社の機械学習翻訳の知識を強化することができる。「Kitesの12名の優秀な研究チームは、Zoomのエンジニアリングチームを助けて機械翻訳の分野を進化させ、Zoomユーザーに多言語翻訳機能を提供して、会議の生産性と効率を向上させる予定です」と同社は声明で述べている。

今回の買収は実際には、この12人の研究者をZoomエンジニアリンググループに迎えるための、買収という名の人材獲得(acquihire)となるようだ。このチームはドイツに残し、機械学習翻訳の研究開発センターを開設する予定で、この分野にリソースを投入するに従い、時間をかけて追加で採用を進めていく予定だ。

Kitesのウェブサイトでは住所以外の情報はほとんど明かされていないが、LinkedIn(リンクトイン)にある会社概要ページによれば、このスタートアップは2015年に、カーネギーメロン大学とカールスルーエ工科大学で教鞭をとっていた2人の研究者が、機械学習による翻訳ツールの開発を目的として創業したものだ。

「Kitesのミッションは、言語の壁を取り払い、シームレスな異言語交流を日常生活の中で実現することです」とLinkedInの概要では述べられている。Google(グーグル)やMicrosoft(マイクロソフト)を含む数少ない企業と並んで「最先端の音声認識・翻訳技術」を開発したと謳っていることから、Zoomはいくつかの重要な技術を獲得したと考えられる。

同社は商用製品を持っていたわけではないようだが、このサイトによると、機械学習による翻訳プラットフォームを持ち、アカデミアや政府で使用されているようだ。とはいえ、この会社の研究成果は、今後はZoomのものになる。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Zoomビデオ会議翻訳ドイツ買収

画像クレジット:SurfUpVector / Getty Images

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(文: Ron Miller、翻訳:sako)

リモートワーカー同士の「つながり・信頼・共感」を支援するGatheround

在宅勤務(リモートワーク)はもはや新しい話題ではない。新型コロナウイルスのパンデミックを受け、世界の多くの地域で1年以上前から実施されている。

大企業も小規模企業も、多様な対策を講じなければならなかった。初期の課題の多くは、ワークフローや生産性などに集中していた。しかし、それほど注目されてこなかったリモートワークシフトの要素がある。それは文化的側面だ。

新型コロナウイルスが猛威を振るい始めるかなり前からリモートワークの課題に取り組んでいた100%リモートのスタートアップが、今度は企業がリモートワークにおける「人」の課題に取り組むのを支援するサービスの需要の拡大を目の当たりにしている。同社はIcebreakerという名前でスタートしているが、これは一緒に仕事をする人たちとの間の「breaking the ice(雰囲気を和ませる)」という事業目的を反映したものだ。

「初対面の人同士をつなぐ手段として、いわばバーチャルスピードデートのようなものを、私たちは製品の初期バージョンとして設計しました」と共同創業者でCEOのPerry Rosenstein(ペリー・ローゼンスタイン)氏は説明する。「ですが、私たちは人々がそれ以上のことを行っていることに気づきました」。

同社のサービスは時間の経過とともに、最初の出会いを超えて人々が集う(「together」)のを支援するという大きな目標を盛り込んだものに進化を遂げてきた。それが新しい企業名「Gatheround」の由来だ。

「リモート企業が直面している重要な課題や問題は、物理的な空間を共有していない人々の間で、つながりや信頼、共感をどのように構築するかということです」と、共同創業者兼COOのLisa Conn(リサ・コン)氏は語る。「ミーティングの後に5分間の会話をすることも、食事を共有することも、カフェテリアを利用することもありません。そうした空間ではつながりが有機的に構築されます」。

リモート化が進むにつれて、業務のトランザクションが増え、従業員が孤立していくことを組織は懸念すべきだとGatheroundは主張する。人は主としてソーシャルな存在であることを無視することはできない、とコン氏はいう。

同スタートアップは、さまざまなチャット、ビデオ、1対1やグループ会話などのリアルタイムイベントを通じて人々をオンラインで結びつけることを目指している。さらに、文化的儀式の他、ダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公平性)、インクルージョン(受容)に関する全員参加のミーティングやワークショップのような学習と開発(L&D)活動を促進するためのテンプレートも提供している。

Gatheroundのビデオ会話は、Slackの会話を新鮮な形で補完することを目的としている。Slackはコミュニケーション機能を提供しているものの、ユーザー同士が直接会って会話するようなものではない。

画像クレジット:Gatheround

Gatheroundはその設立以来「Fortune 500」の28社、米国テック企業大手15社のうち11社、大学トップ30に名を連ねる26校、700以上の教育機関など、目覚ましい顧客基盤を地道に築いてきた。具体的には、Asana、Coinbase、Fiverr、Westfield、DigitalOcean、そして大学を始め、ジョージタウンのInstitute of Politics and Public Service(政治公共サービス研究所)、Chan Zuckerberg Initiative(CZI、チャン・ザッカーバーグ・イニシアチブ)などの学術センター、非営利団体などが挙げられる。現時点でGatheroundは約26万人のユーザーを擁し、同社のSaaSベースのビデオプラットフォーム上で57万件もの会話が交わされている。

これまでの成長はすべて有機的なもので、そのほとんどが紹介と口コミによるものだった。そしてこのほど、前回の50万ドル(約5445万円)の調達に続く350万ドル(約3億8113万円)のシード資金を得て、Gatheroundは市場に積極的に進出し、その勢いを加速させようとしている。

今回の資金調達は、ベンチャーファームのHomebrewとBloomberg Betaが共同で主導し、StripeのCOOであるClaire Hughes Johnson(クレア・ヒューズ・ジョンソン)氏、Meetupの共同創業者Scott Heiferman(スコット・ハイファーマン)氏、Li Jin(リー・ジン)氏、Lenny Rachitsky(レニー・ラシツキー)氏などのエンジェル投資家が参加した。

共同創業者のローゼンスタイン氏、コン氏、そしてAlexander McCormach(アレクサンダー・マコーマック)氏は、自らを「経験豊富なコミュニティビルダー」と表現する。過去にはオバマ大統領のキャンペーンや、Facebook、Change.org、Hustleなどの企業で働いた実績がある。

3氏は、GatheroundがZoomやビデオ会議アプリと大きく異なる点として、同社のプラットフォームでは互いを知り、学び合うためのプロンプトや体系化された方法が提供され、イベントをカスタマイズする柔軟性もあることを強調している。

「基本的に当社はコネクションプラットフォームであり、単に楽しいというだけではない、有意義なリアルタイムイベントを通じて、組織が従業員を結びつけられるよう支援しています」とコン氏は語る。

Homebrewでパートナーを務めるHunter Walk(ハンター・ウォーク)氏によると、HomebrewはGatheroundの創業者の市場適合性に魅力を感じたという。

「政治的な行動主義の面で構築された経験に基づくコミュニティを持ち、優れたプロダクト、デザイン、運用スキルを兼ね備えた、実に興味深い創業者の組み合わせだと言えるでしょう」と同氏はTechCrunchに語った。「彼らがエンタープライズ製品や純粋な社会的バックグラウンドの出身ではないことは、ある意味特徴的な存在感を放っていました」。

同氏はまた、Gatheroundのプラットフォームがパーソナライズされていることにも惹かれたという。過去1年間で、仕事の未来を支えるソフトウェアには「感情的知性が必要」であることが明白になってきたからだ。

「2020年には多くの企業がリモートワークの生産性向上に注力するようになりました。しかし、人々がこれまで以上に求めているのは、同僚と深く有意義なつながりを築く方法です」とウォーク氏。「Gatheroundはどのプラットフォームよりも優れています。Gatheroundで行われている、質問をしたり、ストーリーを共有したり、グループとして学習したりするような人々のバーチャル上の集まりは、これまでなかったものです」。

Bloomberg BetaのパートナーJames Cham(ジェームズ・チャム)氏もウォーク氏の意見に同意し、創業チームの行動心理学、グループ力学、コミュニティ構築に関する知識が彼らに強みを与えているという見解を示した。

同氏は声明で「しかし何より重要なことは、彼らは世界が結束し、つながりを感じるのを助けることに関心があり、それを実現するための組織作りにキャリア全体を費やしてきたことです」と述べている。「ですから、Gatheroundを支援することはごく自然な決断でした。彼らが社会に大きな貢献をもたらすことを期待しています」。

14名で構成される同社のチームは、今回調達した資金で規模を拡大し、Gatheround製品の機能や細部の追加を支援していく予定だ。

「パンデミックが起きる前から、リモートワークは他の仕事形態に比べて速いスピードで加速していました」とコーン氏はいう。「今、それがさらに勢いを増しています」。

この分野への参入を試みている企業はGatheroundだけではない。アイルランドに拠点を置くWorkvivoは2020年1600万ドル(約14億4226万円)を調達し、2021年初めにMicrosoftは新しい「従業員体験プラットフォーム」であるVivaをローンチしている。

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タグ:リモートワークGatheroundビデオ会議チャット資金調達

画像クレジット:Gatheround

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Dragonfly)