米国時間9月28日、Amazon(アマゾン)は新しいインタラクティブデバイスのAmazon Glowを発表した。離れている大切な家族などと子どもがビデオ通話で交流できるようにしたいと考える家庭向けのデバイスだ。競合製品には同様にビデオで家族がつながることを主に狙うFacebookのPortalデバイスシリーズがあるが、Amazon Glowは画面を通じたつながり以外の機能も搭載して差別化している。テクノロジーを活用してデバイスの前にインタラクティブに操作できるプロジェクター映像を映し出し、ゲームやアート、パズルなどのバーチャルなアクティビティを楽しんで、人と対面しているような感覚を与える。
これを実現するために、Amazon Glowには没入型プロジェクション、センシング技術、ビデオが組み合わされている。市場にある他のスマートスクリーンとは異なり、Glowは小さなテレビのような外観ではない。8インチのディスプレイが縦に立っていて、ディスプレイの前にはタッチ操作に対応する19インチの空間がプロジェクターによって作られる。このプロジェクター映像の空間で、バーチャルゲームをプレイしたり、離れた場所から各自のタブレットで参加する家族とアクティビティを楽しんだりすることができる。
ゲームは、デバイスに同梱されている専用マットの上でプレイする。
Amazon Glowを使って子どもは仲の良い人とチェスやチェッカー、釣り、神経衰弱などのゲームを楽しめる。子ども向けの本を選んで一緒に読んだり、デジタルの鉛筆、クレヨン、ブラシ、スプレー缶でお絵描きをするなどの楽しみ方もある。離れている人とデジタルで遊ぶことを、まるで同じ部屋にいるかのように感じさせようとしている。
Amazon Glowで実際の物体とデジタルの遊びを組み合わせる楽しみ方もある。例えば、子どものお気に入りのおもちゃをスキャンしてデバイスの前の平面にプロジェクターで映し出し、オリジナルのジグソーパズルにすることができる。子どもはスキャンしたものの映像を叩いて壊し、パズルにする。あるいは、紙に描いた絵をスキャンし、家族の手を借りてアートワークに変えたり、スキャンした絵にデジタルで描き足したりすることもできる。
「Glow Bits」も同梱される。これはデバイスと連携して操作するように作られた実際の「物体」だ。最初のGlow Bitsキットはパズルゲームのタングラムで、子どもは実物のピースを使ってパズルを解き、離れている家族は自分のタブレットの画面でデジタルのパズルピースを使ってプレイする。
Glowの発売時には、子ども向けエンターテインメントの人気キャラクターと遊べるスペシャルアクティビティが用意される。「アナと雪の女王」のアナとエルサ、ディズニー&ピクサーの「トイストーリー」のウッディとバズ、マテルの「バービー」や「ホットウィール」、ニコロデオンの「スポンジ・ボブ」や「ドーラといっしょに大冒険」「セサミストリート」のエルモやゾーイなどが登場する予定だ。
Amazon Glowは離れている人ともっと親しくつながっていたい家庭を主なターゲットにしている。親のどちらかが頻繁に出張したり、祖父母が離れて暮らしていたりする家庭で使われることになるだろう。コロナ禍で感染防止のために家で長い時間を過ごす時期であることからも有用と思われる。
Amazon Glowで子どもが任意の相手と通話をすることはできない。保護者が最初に、子どもが通話できる連絡先をあらかじめ承認してAmazon Glowを設定する。このようにして保護者はデバイスの通話先を家族や信頼できる友人だけに制限できる。そして保護者はいつでもデバイスに備え付けられている物理的なプライバシーシャッターを閉じてカメラやマイクを無効にできる。
また、Amazon GlowはAlexaデバイスではないため、音声やビデオの記録が収集されることはない。位置情報データや描いたものを追跡したり保存したりすることもない。
ただしAmazonはプロフィールの設定やアクティビティの履歴を保存し、Glowに付属するAmazon Kids+サブスクリプションで利用できる関連性の高いアクティビティやコンテンツを紹介する。
デバイスの価格は299.99ドル(約3万3000円)だが、早期アクセス期間は249.99ドル(約2万8000円)で提供される。マット、マットケース、タングラムのBitsの他、1年間のAmazon Kids+サブスクリプションが付属する(Amazon Kids+は子ども向けの本、映画、テレビ番組、教育アプリ、ゲーム、そしてAlexaの子ども向けプレミアムスキルを無制限で利用できる有料サービス)。
Amazon Glowはまだ販売が広く開始されているわけではない。
購入希望者は、www.amazon.com/glowで早期アクセスプログラムへの参加をリクエストする必要がある。Amazonは、最初のデバイスは米国の顧客に数週間以内に発送されるとしている。
開発者は2022年前半に公開される予定のSDKへのアクセスを申し込むことができる。
画像クレジット:Amazon
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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)