中国TencentがインドのPocket FMの投資ラウンドをリードへ、最大27億円規模か

Tencent(テンセント)が、インド・グルグラムに本社を置くPocket FM(ポケットエフエム)の投資ラウンドをリードする交渉が進んでいる。中国の大企業がインドマーケットで消費者インターネットのポートフォリオを拡大する最新の動きだ。

この件を把握している情報筋3人によると、すでにPocket FMに出資しているTencentはPocket FMの2000万〜2500万ドル(約22億〜27億円)のラウンドをリードすることで協議を進めている。提案された創業3年になるPocket FMの評価額は7500万〜1億ドル(約82億〜110億円)だと情報筋2人は述べた。既存投資家であるTimes InternetのBrand CapitalとLightspeedもラウンドに加わる。

ラウンドはまだクローズしていないため、条件は変わり得る。TencentとPocket FMはコメントを却下した。

Pocket FMは、ユーザーにポッドキャストとオーディオブックを英語やいくつかのインドの言語で提供する社名を冠したアプリを展開している。カタログは1万時間超にのぼると同社のウェブサイトにはある。オーディオブックを制作するのに同社は数人のクリエイターと協業している。

アプリはフリーミアムモデルで利用でき、有料のサブスクと広告が入る無料バージョンが用意されている。

今回の投資協議は、幅広いインドのスタートアップがオーディオ部門で事業を開始したり拡大したりしている中でのものだ。たとえばインドのソーシャルネットワークShareChatは2021年初めにClubhouseのような機能を立ち上げた。

Pocket FMはTencentがインドの消費者インターネット分野に賭ける最新の案件だ。Tencentはまた、音楽ストリーミングサービスのGaana、オンデマンドビデオストリーミングプレイヤーMX Playerの主要投資家でもある。

インド政府が中国企業によるインド企業への投資を許可制にする規則を導入したことを受け、Tencentは2020年にインドでの投資のペースを抑制した。ここ数四半期は活発になり、コンバーチブルノート付きの株式の代わりに社債を通じて投資している。

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画像クレジット:Arijit Sen / Hindustan Times / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

今の教育の足りない部分に気づいた教師がリモートEdTechの起業家に転身

教師だったAmanda DoAmaral(アマンダ・ドアマラル)氏はあるとき、テクノロジーの力で教育を良くすることができるはずだ、そんなテクノロジー企業を見つけよう、もしくは作ろうと一念発起した。いまどき、スタートアップの創業者の経歴欄に教師があることは非常に珍しいが、それでも、教育という仕事の体験者である、という有利性はある。彼女が作ったFiveableは「リモートファースト」なども含め、教育の近代化に焦点を当てている。実は、近代化が看過されている重要分野は何かといえば、まさにそれは教育なのだ。中でも重要なのは、児童生徒たちの活発なコミュニティを作り、知識を共有することだ。今の不適切なシステムに対する彼女の不満と、起業家になろうと決心した経緯を、ポッドキャストFoundでぜひ聴いてみよう。

彼女はベイエリアに住んで教えた経験はあるが、起業家としては異色だ。彼女は自分自身の教育と学習の過程、および教師としての経験の両方から、テクノロジーは学校の子どもたちにもっと多くのものを与えることができるのに、そのためのシステムがまだない、という不満を抱いた。そして教育の、特にリモート学習では不十分になりがちな側面に焦点を当てた企業を創って、それを自分のライフワークにした。そして彼女が起業した直後に、パンデミックでFiveableの市場は劇的に拡大した。単なるリモート学習ではなく、きめ細かい配慮に富んだ良質なリモート学習が求められていることが、明らかとなった。

アマンダとのチャットは、とても楽しかったから、TechCrunch読者にも喜んでいただけるだろう。Foundのサブスクライブは、Apple PodcastsSpotifyGoogle Podcasts、あるいはお気に入りのポッドキャストアプリでできる。

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カテゴリー:EdTech
タグ:Fiveable教育オンライン学習ポッドキャスト

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Apple Podcastランキング1位「歴史を面白く学ぶコテンラジオ」を運営するCOTENが8400万円を調達

歴史を面白く学ぶコテンラジオ(COTEN RADIO)」(YoutubePodcastSpotify)を運営するCOTEN(コテン)は6月30日、総額8400万円の資金調達を発表した。引受先には、REAPRA、ドーガン・ベータ、都築国際育英財団、ウラノス、ゼロトゥワン、個人エンジェル投資家としてメルカリ共同創設者の石塚亮氏と富島寛氏、スターフェスティバル取締役CTOの柄沢聡太郎氏など4人が参加している。この資金は、2021年中にベータ版リリースを目指す世界史データベース「coten」(仮称)の開発にあてられる。

代表取締役の深井龍之介氏によれば、「コテンラジオ」は世界史データベース事業の広報活動として始められたものだという。現代は誰もが人生をどう歩むべきか、幸せとは何かを考える時代になったと深井氏は話す。「この『悩み・問い』を解く糸口が歴史や哲学といった人文学的な思考にはあり、その社会的な価値が、史上最も高まってきている」と考える深井氏は、開発中のこの世界史データベースを「人類の叡智といえる数千年分のケーススタディを体系的にまとめ、検索可能にし、数百冊の本を読むことなく叡智を活用できるようにする試み」だと説明する。

coten(仮称)では、世界史のデータベース化は、歴史上の情報や知識を「同じ型に揃えて整理する」ことで比較を容易にし、さらに、固有名詞が頻出するため体系的な検索が難しい歴史上の出来事を、たとえば「部下に殺された歴史上の人物」のように抽象化したタグ付けで分類し、検索しやすくする。また、社会情勢を同時に盛り込むことで、歴史上の事件をその当時の気候や人口動態などを踏まえて俯瞰できるようにする。これにより「新たな仮説を立てることも可能に」なるとのことだ。

現在は、構造としての基本構想は完成しているが、ユーザーインターフェイス、ユーザーエクスペリエンス、マネタイズモデルは、ベータ版の開発を通して確立してゆくという。

「歴史を面白く学ぶコテンラジオ(COTEN RADIO)」は、2021年6月30日現在、ユニークリスナー数約14万2000人、総再生回数約1900万回、エピソード数は番外編を含めて240本、Apple Podcast総合ランキング1位となっている。

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フェイスブックが音声SNS「Live Audio Rooms」とポッドキャスト向け新サービスの提供を米国で開始

2021年4月、Facebook(フェイスブック)は、ライブ音声SNSサービスClubhouse(クラブハウス)のFacebook版をはじめとする、一連の新しい音声関連サービスに投資する予定であることを発表した。そして米国時間6月21日、Facebookは予定されていた一連の新サービスの提供を正式に開始した。手始めとして、Live Audio Rooms(ライブ・オーディオ・ルーム)のサービスが米国で開始されたのだが、現時点では「ルーム(特定の話題について話すための部屋)」をLive Audio Rooms内で設立できるのはiOSアプリからのみで、設立できるユーザーも一部の著名人やFacebookグループに限定されている。Facebookは同時に、米国内のポッドキャストパートナー第一陣によるポッドキャスト配信も開始した。

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Facebookによると、Live Audio Roomsを設立できるのは、Facebookが認めて許可を与える米国内の著名人またはクリエーターのみで、iOSでプロフィールまたは新しく導入されたFacebook Pages(Facebookページ)を作成している必要がある。Facebookグループについては現時点でも「多数のグループ」が同機能を利用できるとのことだ。

Live Audio Roomsとポッドキャスト用新サービスのどちらについても、今後数週間から数カ月の間にもっと多くのユーザー、ポッドキャスト、グループが追加されて、より広く利用可能になる予定だ。一方、Live Audio Roomsのルームに参加したりポッドキャストを視聴したりするだけであれば、すべてFacebookユーザーが今週から利用可能である。

画像クレジット:Facebook

FacebookのLive Audio Roomsにも、Clubhouseやそれに類する音声SNSと同様の標準的な機能が備わっている。

Live Audio Roomsのイベントホストは画面上部に円形のプロフィールアイコンで表示され、リスナーは画面の下半分にホストよりも小さいアイコンで表示される。発話中のスピーカーのアイコンは光るようになっており、承認されたスピーカーの名前の横にはチェックマークが付く。

ライブキャプション(字幕)を有効化するオプションや、発言したいときに使う「挙手」ツール、Facebookのニュースフィードやグループへの投稿を通じて特定のルームを共有するツールも用意されている。

画像クレジット:Facebook

Live Audio Roomsには他の類似サービスとは異なる機能もいくつかある。例えば、ホストはセッション開始前に前もってスピーカーを招待できるし、セッション中にリスナーの誰かをスピーカーに指定することもできる。Facebookによると、1つのセッションでスピーカーを最大50人まで指定でき、リスナー数の制限はないとのことだ。

自分が参加しているルームのセッション中に自分の友だちやフォロワーが参加すると、それも通知される。

ルーム参加中に画面下部の「サムアップ」ボタンを押すと表示されるFacebook用の絵文字アイコンを使って「いいね!」や他のリアクションでコンテンツへの反応を示すことができる。今回の正式サービス開始にともない、リスナーはLive Audio Roomsを開設している著名人に投げ銭機能の「スター」を送って支援することも可能になった。Facebook Liveのコンテンツと同様に、スターはルームでの会話中に購入でき、好きなときに送ることができる。

スターを送ると、スターを送ったリスナーがハイライトされる特別席である「Front Row」にアイコンが表示される。これによりイベントのホストは、どのリスナーが支援してくれているのかを簡単に認識でき、望むならイベント中にそのようなリスナーに対して名指しで感謝のコメントを述べることもできる。

画像クレジット:Facebook

ホストが会話中に支援したい非営利団体やファンドレイザーを選び、リスナーやスピーカーがそれらの団体に直接寄付できるようにする新機能も追加された。そのセッション中は、寄付の集まり具合が進捗バーで表示される。

画像クレジット:Facebook

Facebookグループの場合は、モデレーターやグループメンバー、他の管理者のうち誰がルームを設立できるようにするかを、管理者がコントロールできる。公開グループのルームにはメンバーもビジターも参加できるが、プライベートグループのルームへの参加はメンバーに限定されている。

ルームが新しく設立されると、その旨がニュースフィードに表示され、通知も届く。また、Facebookユーザーは、興味があるルームにサインアップし、そのルームがライブになったときにリマインド通知を受け取れるように設定することが可能だ。Live Audio Roomsは対象のFacebookグループ内から見つけることもできる。

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さっそくFacebookのLive Audio Roomsを始めた著名人には、グラミー賞にノミネートされたエレクトロニックミュージックのTOKiMONSTA(トキモンスタ)氏、アメフトの有名クォーターバックであるRussell Wilson(ラッセル・ウィルソン)氏、オーガナイザー兼プロデューサーで独立系ジャーナリストでもあるRosa Clemente(ローザ・クレメント)氏、ストリーマー兼デジタルエンターテイナーのOmareloff(オマレロフ)氏、社会起業家のAmanda Nguyen(アマンダ・グエン)氏が名を連ねる。間もなく開始することを計画している著名人には、D Smoke(D・スモーク)氏、Kehlani(ケラーニ)氏、Reggie Watts(レジ―・ワッツ)氏、Lisa Morales Duke(リサ・モラレス・デューク)氏、Dr. Jess(ドクター・ジェス)氏、Bobby Berk(ボビー・バーク)氏、Tina Knowles-Lawson(ティナ・ノウレス-ローソン)、Joe Budden(ジョー・バドゥン)氏(Spotify初の大物人気ポッドキャスターだったが、Spotifyは2020年、彼との専属契約を失った)、DeRay Mackesson(ディレイ・マッケソン)氏などがいる。

画像クレジット:Facebook

また、Dance Accepts Everyone、Vegan Soul Food、Meditation Matters、Pow Wow Nation、OctoNation(なんと、最大の「タコ」専門ファンクラブだ)、Space HipstersなどのFacebookグループがLive Audio Roomsを試し始めている。

画像クレジット:Facebook

Facebookは、Live Audio Roomsのサービス開始と同時に、計画していたポッドキャスト用サービスを一部のクリエーター向けに提供し始めた。例えば、「The Joe Budden」のJoe Budden(ジョー・ボドゥン)氏、The Black Effect Podcast NetworkとiHeartRadioで「Carefully Reckless」を配信しているJess Hilarious(ジェス・ヒラリアス)氏、「The LadyGang」のKelti Knight(ケルティ・ナイト)氏、Becca Tobin(ベッカ・トービン)氏、Jac Vanek(ジャック・ヴァネック)氏、「Side Hustle Pro」のNicaila Matthews Okome(ニケイラ・マシューズ・オコメ)氏などだ。夏には他のポッドキャスターにも門戸が開かれる予定とのことだ。

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誤解のないようにいうと、Facebookのこの新しいポッドキャストサービスは、Spotifyと連携して、Spotifyの音楽やポッドキャストをFacebookアプリ上のミニプレイヤーで再生可能にした最近の新サービスとは異なる。Facebookの新しいポッドキャスト機能では、ポッドキャストを、公開RSSフィードを使ってFacebook上で直接配信できるため、Spotifyを通す必要はない。しかし、Facebook内で使うポッドキャスト用ミニプレイヤーは、Spotifyと連携したミニプレイヤー(Project Boomboxとも呼ばれる)と外見も挙動もそっくりだ。それでも、この2つは異なる別のものである。

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今回の新しいポッドキャスト機能により、ユーザーはFacebook上で直接、ミニプレイヤーまたはフルスクリーンでポッドキャストを視聴できる。再生オプションもいくつかあり、スマートフォンの画面がオフになってもポッドキャストの再生を続けることが可能だ。これにより、SpotifyやApple Podcastsなどのサービスを介さなくてよくなるため、Facebookはある意味、ポッドキャスト配信用のネイティブアプリのようになる。

Facebookは以前に、ポッドキャストを視聴するためにFacebookページに接続しているユーザーが1億7000万人を超えていると述べたことがある。Facebook上でポッドキャストを視聴したいユーザーが多いことは明らかだ。

画像クレジット:Facebook

Facebook Podcastのサービス開始にともない、Facebookはポッドキャストクリエーターたちに、ポッドキャストをFacebookのサーバーにキャッシュする許可を求めている。これは、コンテンツがFacebookのコミュニティ規定に抵触しないようにするためだという。しかし、RSSフィード経由で配信されることに変わりはないため、ポッドキャストは、クリエーターが利用しているホスティングプロバイダーのメトリクスで表示される。

Facebookは先週、ポッドキャストページのオーナーに宛てて配信したメールの中で、Facebook上でポッドキャストを配信する詳しい方法と、各エピソードのRSSフィードをリンクさせてニュースフィードに自動的に投稿できることについて説明した。この機能は、Facebookページの「ポッドキャスト」タブからも使用できる。Facebookのポッドキャスト利用規約では、クリエーターは「派生コンテンツ」を作成する権利をFacebookに付与することが定められている。おそらく、今後展開されるクリップ機能を想定してのことだろう。

Facebookは夏の終わり頃までに、ポッドキャストを短いクリップにして共有する機能や、キャプションを付ける機能などを追加する予定だという。長期的には、ポッドキャストを中心としたSNS体験を構築する計画だ。Facebookはまた、クリエーターと協力して、短いクリエイティブ音声クリップによるSNSサービス「Soundbite」を新たに開発している。サービス開始は2021年終わり頃になる予定だ。

画像クレジット:Facebook

Facebookが準備中の他の音声関連機能には、さまざまな音声コンテンツをFacebookで一元的に楽しめるようにする機能や、動画をオーディオ再生する機能などがある。

Facebookによると、この新機能により、ポッドキャストだけでなく、Facebook上にあるあらゆる種類のオーディオコンテンツを一元的に聴けるようになり、ユーザーは新しいトピックあるいは新しいクリエーターの音声コンテンツを発見しやすくなるという。この機能に関するさらなる詳細は2021年夏ごろに公開される予定だ。

本日のサービス開始に先立ち、Facebookはひそかに台湾と社内でLive Audio Roomsのテスト運用を行った。このテスト運用は今後も継続される。先週、FacebookのCEOであるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は米国で、自身がホストになってLive Audio Roomsの初回テストを行った。このテストには、Facebookの幹部社員やFacebook Gamingのクリエーター数人が参加した。

ザッカーバーグ氏は、Facebookにおける音声コンテンツの可能性に強い自信を持っている。同氏はその点について、Clubhouseに数回登場して語ったことさえある。FacebookがいわばClubhouseのライバルサービスであるLive Audio Roomsを発表したのは、その直後のことだった。

ザッカーバーグ氏は同サービスを初めて発表した際にPlatformer(プラットフォーマー)の取材に応じて次のように語っている。「私がFacebookで最も期待している分野は、基本的に、数多くのコミュニティやグループが存在することです。興味のあることを中心に構成されたコミュニティにすでに参加されている方は多いと思いますが、さらにそれらの人々が集まって話ができるルーム(部屋)を持てるようになることは、非常に有益なことだと思います」。

Facebookはこれらの新しい音声関連サービスを今後数カ月の間に米国以外の国々にも展開していく予定だ。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Facebook音声ソーシャルネットワークポッドキャストアメリカ

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(文:Sarah Perez、翻訳:Dragonfly)

Kayakの共同創業者がポッドキャスト発見アプリ「Moonbeam」をリリース

ポッドキャストのダウンロードは昨年、空前のブームとなった。そしてKayak(カヤック)の共同創業者でテック起業家のPaul English(ポール・イングリッシュ)氏は毎日聴く熱心なリスナーになった。しかしポッドキャストを愛する人は、ポッドキャストを探すのが難しいものであることを知っている。Apple PodcastsやSpotifyのような人気のストリーミングアプリすら使える発見ツールを欠いている。そうしたことから、先週Spotifyがポッドキャスト発見アプリのPodz(ポッズ)を買収したのは、この業界における新しいコンテンツを発見する簡単な方法に対する需要が次第に増している事実を示すものとなった。

イングリッシュ氏は6月24日、パーソナライズされたレコメンデーションを提示するのに機械学習と人間によるキュレーションをミックスさせたポッドキャスト発見アプリMoonbeamを立ち上げた。ユーザーが好きそうなニュースフィードスタイルのコンテンツストリームを作るという、Podzが提供しているものと似ているように聞こえるかもしれない。しかしMoonbeamは、ポッドキャストホストがMoonbeamで特集する自身の番組のクリップを選べるようにしているクリエイターフレンドリーなプラットフォームを作ることで賭けに出ている。Moonbeamはまた、ファンが番組を気に入った場合、そのクリエイターにチップを送れるようにもしている(Moonbeamは手数料を取らないが、ポッドキャスターが考慮に入れなければならないアプリ内購入手数料はある)。

「Podzは発見のための1つのアプローチですが、多くの人がこの問題に取り組むべきニーズがあると考えています」とイングリッシュ氏はTechCrunchに語った。「MoonbeamがPodzと異なる点は、人間のエディターがいることです」

イングリッシュ氏は、部分的には洗練された発見アルゴリズムのお陰でユビキタスな存在になったTikTokに感化された。エンジニアとして、同氏は楽しみでInstagramやTwitterなどのアプリをよく再設計する。しかしポッドキャスティングに興味を持つようになるにつれ、同氏はTikTokのように機能しつつ新しいポッドキャストを見つけるのを手伝うアプリを作りたくなった。TikTokでいうとFor Youページに相当するBeamセクションでは、長さ数分のクリップをユーザーに提供する。そうしたクリップにどのように反応するかに基づき、アルゴリズムはあなたがどういう種のポッドキャストを視聴したいかを学習する。

「機械学習はあなたの友人よりもあなたにうってつけのコンテンツを探すことができます。あなたが持っているのと同じような面白いユーモアのセンスを持っている人をドイツで発見するかもしれません。あなたの最も親しい友人とは少し違うかもしれません」とイングリッシュ氏は話した。「機械学習はユーザークラスタリングをします。あなたが好きなものと似たようなものを好むユーザーを見つけると、Moonbeamでそうしたユーザーが聴いている番組を共有できます」

しかしMoonbeamのようなアプリで注意が必要なのは、多くの人がアプリを使うほどに、さらに機能するようになることだ。公正に言うと、アプリは6月24日にリリースされたが、初期段階ではポッドキャストレコメンデーションの多くは比較的よく知られた番組から選ばれる。しかしすでに多くのポッドキャストがあることから(全ての番組がNPRによって制作されているわけではない!)、問題は「This American Life」を発見することではないということだ。大手制作スタジオのサポートがなければポッドキャスト業界で試みようとしないような新出のクリエイターを探している。クチコミにより一晩でセンセーションを起こすことが十分可能であり、これはクリエイターにとってTikTokを価値あるものにしている要素だ。ポッドキャスター向けに同じような価値を生み出すアプリがあったらどうだろう?

Moonbeamは2週間ごとにソフトウェアをアップデートする計画だ。アップデートではリスナーがお気に入りのポッドキャストを制作したチームとやり取りできるようにする一連のツールを導入する見込みだ。こうした機能の最初のものとなるチップはすでにアプリに導入されている。間もなく、ファンとポッドキャスターはMoonbeamでシェアするために自前のクリップを作ることができるようになる。Moonbeamのウェブサイトに誘導するポッドキャストのホストは現在、自身の番組を宣伝し、そのクリップを作ることができる。Headlinerのようなアプリよりもナビゲートするのはややスムーズではないが、機能的だ。

「リスナーとホストの間にかなりのツールを追加するつもりです」とイングリッシュ氏は話した。「関係構築はとても重要です。我々はそれを直接プレイヤーの中でしたいと考えています。Facebookや他のサイトに行く必要はないようにしたいのです」

Moonbeamではアプリでエピソード全てを聴いたり、特定の番組を検索したりできるため(たとえBeamに表示されなくても)ポッドキャッチャーとしても機能するが、ポッドキャッチャーはたくさんある一方で発見アプリはそうではない。Moonbeamがそうした状況を変えることを期待したい。

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

Spotifyがポッドキャスト発見プラットフォーム「Podz」を買収

ポッドキャストが大流行しているが、聴きたいポッドキャストを見つけ出すのは難しいものだ。Spotify(スポティファイ)は6月17日、ポッドキャスト発掘にかかる問題を解決しようとしているスタートアップであるPodz(ポッズ)の買収を発表した。

「Spotifyでは、我々は世界で最高の(そして最もパーソナライズされた)ポッドキャストディスカバリーのエクスペリエンスの構築と展開に投資しています」と同社は述べた。「Podzのテクノロジーは発見を促進し、リスナーに正しいコンテンツを正しいときに届け、そしてこの部門の成長を世界中で加速させるためのSpotifyの集中的な取り組みを補い、発展させます」。

ポッドキャストは通常30分ほどの長さであり、リスナーは新しい番組をブラウズするのは難しい。ポッドキャストのエピソードを視聴するのは、新しいアーティストの曲を試すほどに簡単ではないのだ。そのため、Podzはユーザーにさまざまな番組の60秒のクリップを提示する「初のオーディオニュースフィード」と呼ぶものを開発した。ポッドキャスト配信者は往々にして、自身のソーシャルメディアアカウントでの宣伝に使うクリップを制作するためにHeadlinerのようなアプリを活用する。Podzはそれと同じアイデアを踏襲している。しかしポッドキャスト配信者が番組をどのように宣伝するかを手作業で行うのに代わって、Podzは機械学習モデルを使ってクリップを選ぶ。この機械学習モデルは、ジャーナリストやオーディオエディターの監修のもとに10万時間超のオーディオを使って訓練されている。

画像クレジット:Podz

Spotifyに買収される前、PodzはプレシードラウンドでM13、Canaan Partners、Charge Ventures、Humbitionなどから250万ドル(約2億7560万円)を調達した。Katie Couric(ケイティ・クーリック)氏、Paris Hilton(パリス・ヒルトン)氏といったセレブも投資した。

「平均的なポッドキャストリスナーは7つのポッドキャストを購読していますが、Podzでは30近いポッドキャストをフォローしています」とM13のゼネラルパートナーLatif Peracha(ラティフ・ペラチャ)氏は2021年2月に電子メールでTechCrunchに語った。「初期のサインを受け、チームがこの分野で変革的なプロダクトを構築できると我々は楽観的にとらえています」。

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買収は、ポッドキャスティングマーケット、概してオーディオエンターテインメントを独占しようというSpotifyの野心を示すものだ。ちょうど6月16日に同社はClubhouseのライバルとなるライブオーディオ「Greenroom」をデビューさせた。ポッドキャストサブスクからの収益の促進という点では、SpotifyとAppleは互角だ。4月にAppleはポッドキャストサブスクへの進出を発表している。そしてその翌週、Spotifyは2月に予告していたサブスクプラットフォームの展開を開始した。Appleは初年度にポッドキャスト売上の30%を徴収すると述べたが、この割合は2年目に15%に下がる見込みだ。一方、Spotifyのプログラムは2023年までクリエイターから手数料を徴収せず、その後は5%となる。

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アップルがポッドキャストの有料定額サービス開始を発表、米国では番組あたり約53円から

ポッドキャストクリエイターはサブスク売り上げの30%の徴収より5%に降参した方が利益が大きいと即決できるが、リスナーは最高のユーザーエクスペリエンスを提供するアプリに群がるだろう。そしてポッドキャスト発見へのSpotifyの投資が報われるのなら、ポッドキャスティング分野で長らく優位性を維持してきたAppleにとっては由々しき事態となる。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:SpotifyポッドキャストPodz買収機械学習

画像クレジット:Spotify

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

アップルが日本を含む170以上の国でApple Podcastサブスクリプションを開始、J-WAVEのチャンネルも

Apple(アップル)は米国時間6月15日、日本も含む170以上の国と地域で「Apple Podcast サブスクリプション」の提供を開始したと発表した2021年春に初めて発表されたこのサブスクリプションは、リスナーがお気に入りのポッドキャストの追加特典を有料で楽しめるというもので、広告なしでの聴取や、新エピソードの先取り聴取、ボーナスコンテンツや独占配信など、ポッドキャスト制作者はファンがお金を払ってでも利用したいと思うようなさまざまな特典を提供できる。また、2021年7月からポッドキャスト制作者が厳選した番組を集めた「チャンネル」と呼ばれる機能も導入される。これは例えば、クリエイターが共通のテーマを持つ番組を集めて独自のタイトルやアートワークを付けたり、無料と有料のコンテンツを別々に提供したりすることが可能だ。

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この新しいサブスクリプション機能は、当初5月に提供開始の予定だったが、6月に延期するとアップルからクリエイターにメールで通知されていた。これは、エピソードの遅延やアナリティクスの不具合など、バックエンドに発生したいくつかの問題がサービスに影響を与えたためと思われる。

アップルによると、ローンチ時には数千のサブスクリプションとチャンネルが用意され、毎週追加されていく見込みだという。

リスナーが番組のサブスクリプションを購入すると、デザインが一新されたApple Podcastアプリで自動的に番組がフォローされる。番組ページには「Subscriber Edition」のラベルが表示され、プレミアムな体験ができるかどうかを簡単に判別できる。

アプリの「今すぐ聴く」タブには、チャンネルを含む有料コンテンツにアクセスするための新しい行が追加される。

このアプリでは、番組ページや検索でチャンネルを見つけたり「今すぐ聴く」タブや「ブラウズ」タブでおすすめの番組を閲覧したり、Messages(メッセージ)やMail(メール)などのアプリで友人とチャンネルを共有したりすることができる。

アップルがポッドキャスト市場への投資を遅らせたことで、ライバル企業はポッドキャストのリスナーを増やすための先手を打つことができた。例えば、春にアップルがサブスクリプションを発表した時点で、ある業界レポートは、Spotify(スポティファイ)のポッドキャストリスナー数が、2021年に初めてアップルのリスナー数を上回るだろうと予想していた。

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このような激しい競争にもかかわらず、アップルはその膨大なインストールベースがクリエイターを引き寄せることに賭けている。これらのクリエイターは、サブスクリプションベースのiOSアプリと同様に、1年目はサブスクリプション収入の30%、2年目以降は15%を手数料としてアップルに支払うことに同意しなければならない。それに比べ、Spotifyでは、プログラムが軌道に乗るまでの2年間は収益から差し引くことはせず、その後も5%の手数料を取るだけだ。

サブスクリプション開始時のラインナップを見ると、多くのクリエイターやスタジオが、アップルの足元にはより多くの収益が得られる価値があると考えているようだ。

サブスクリプションを早くから採用したのは、Lemonada Media(レモナダ・メディア)、Luminary(ルミナリー)、Realm(レルム)、Wondery(ワンダリー)などの有名企業や、CNN、NPR、The Washington Post(ワシントン・ポスト)、Sony Music Entertainment(ソニー・ミュージックエンタテインメント)などのメディアやエンタテインメント系ブランドだ。

その他の参加しているスタジオは、Audio Up(オーディオ・アップ)、Betches Media(ベッチズ・メディア)、Blue Wire(ブルー・ワイヤー)、Campside Media(キャンプサイド・メディア)、Imperative Entertainment(インペラティブ・エンタテインメント)、Lantigua Williams & Co.(ランティグア・ウィリアムズ)、Magnificent Noise(マグニフィセント・ノイズ)、The Moth(ザ・​マス)、Neon Hum Media(ネオン・ハム・メディア)、Three Uncanny Four(スリー・アンカニー・フォー)、Audacy(オーダシー)のCadence13(ケイデンス13)とRamble(ランブル)、Barstool Sports(バーストゥール・スポーツ)、Jake Brennan(ジェイク・ブレナン)氏のDouble Elvis(ダブル・エルヴィス)、Headgum(ヘッドガム​)、iHeartMedia(アイハートメディア)のThe Black Effect(ザ・ブラック・イフェクト)、Big Money Players(ビッグ・マネー・プレイヤーズ)、Grim & Mild(グリム&マイルド)、Seneca Women(セネカ・ウィメン)、Shondaland(ションダランド)、Relay FM(リレイFM)、Tenderfoot TV(テンダーフットTV)、Radiotopia from PRX(ラジオトピア・フロム PRX)、Pushkin Industries(プーシキン・インダストリーズ)、QCODE(キューコード)などがある。

画像クレジット:Apple

ニュースカテゴリーでは、The Athletic(ジ・アスレチック)、Fox News(フォックス・ニュース)、Los Angeles Times(ロサンゼルス・タイムズ)、Bloomberg Media(ブルームバーグ・メディア)、Politico(ポリティコ)、Vox Media(ヴォックス・メディア)の他、ABC News(ABCニュース)、Axios(アクシオス)、Billboard(ビルボード)、Bravo(ブラボー)、CNBC、CNN、Crooked Media(クルックド・メディア)、Dateline、Entertainment Weekly(デイトライン・エンタテインメント・ウィークリー)、Futuro Media(フトゥーロ・メディア)、The Hollywood Reporter(ハリウッド・リポーター)、LAist Studios(ライスト・スタジオズ)、National Geographic(ナショナルジオグラフィック)、MSNBC、NBC News(NBCニュース)、NBC Sports(NBCスポーツ)、New York Magazine(ニューヨーク・マガジン)、The New York Times(ニューヨーク・タイムズ)、SiriusXM(シリウスXM)、SB Nation(SBネイション)、Southern Living(サザン・リビング)、The Verge(ザ・ヴァージ)、TODAY(トゥデイ)、VICE(ヴァイス)、Vogue(ヴォーグ)、WBURなどの新聞、雑誌、放送局、デジタルパブリッシャーのチャンネルもある。

子ども向けのポッドキャストは、GBH、Gen-Z Media(ジェンズィー・メディア)、Pinna(ピナ)、Wonkybot Studios(ウォンキーボット・スタジオズ)、PRXのTRAX(トラックス)などから配信されている。

アップルは独立系のクリエイターがサブスクリプションを提供していることも紹介しており、Adriana Lozada(アドリアナ・ロザダ)氏の「Birthful(バースフル)」、Beth Silvers(ベス・シルバース)氏と Sarah Stewart Holland(サラ・スチュワート・ホランド)氏の「Pantsuit Politics(パンツスーツ・ポリティクス)」、Glynn Washington(グリン・ワシントン)氏の「Snap Judgment(スナップ・ジャッジメント)」、Martina Abrams Ilunga(マルティナ・エイブラム・イルンガ)氏の「You Had Me At Black(ユー・ハッド・ミー・アット・ブラック)」などが掲載されている。

国際的なサブスクリプションやチャンネルも提供されており、オーストラリアのABC、LiSTNR(リスナー)、SBS、ブラジルのAbrace Podcasts(アブレース・ポッドキャスト)、カナダのCANADALAND(カナダランド)、Frequency Podcast Network(フリークェンシー・ポッドキャスト・ネットワーク)、デンマークのGoLittle(ゴーリトル)、フランスのEurope 1(ヨーロッパ1)、Louie Media(ルーイ・メディア)、Radio France(ラジオ・フランス)、ドイツのDer Spiegel(デル・シュピーゲル)、Podimo(ポディモ)、ZEIT ONLINE(ツァイト・オンライン)、イタリアのIl Sole 24 Ore(イル・ソーレ24オレ)、Storielibere.fm(ストリエリベレfm)、日本のJ-WAVE、韓国のBrainrich(ブレインリッチ)、ロシアのlibo/libo(リボ / リボ)、アラブ首長国連邦のFinyal Media(フィンヤル・メディア)、英国のBroccoli Productions(ブロッコリ・プロダクションズ)、Content Is Queen(コンテント・イズ・クイーン)、Guardian(ガーディアン)、Immediate Media(イミディエト・メディア)などがある。

サブスクリプション料金は月額0.49ドル(約54円)からだが、人気のある番組は月額2.99ドル(約329円)「Luminary」のように月額4.99ドル(約548円)のチャンネルもある。価格の目安になるだろう。Apple Card(アップル・カード)のユーザーは、サブスクリプション料金の3%がキャッシュバックされ、Apple Wallet(アップル・ウォレット)で確認できる。

サブスクリプションに加入するとiPhone、iPad、Mac、Apple Watch、Apple TV、CarPlay、HomePod、HomePod miniなどのアップル製デバイスで聴くことができる。

サブスクリプションは、Apple Podcastアプリのデザイン変更と同時に発表された。このアプリには使い勝手に関する多くの不満が寄せられており、ユーザーの中にはサードパーティ製のアプリを探す人も少なくなかった。アップルはユーザーからのフィードバックに応え、iOS 14.6のアップデートでいくつかの問題に対処している。その他の「ライブラリ」タブのアップデートは、今後のリリースで予定されており、おそらくiOS 14.7で行われるだろう。

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タグ:AppleポッドキャストサブスクリプションiOS

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

アップルが有料ポッドキャストのアフィリエイトプログラムを開始

Apple(アップル)は2021年4月、デザインを刷新したApple Podcast(アップル・ポッドキャスト)アプリで、有料のポッドキャスト配信を計画していることを明らかにした。そして今回、ポッドキャストの制作者が有料聴取者数を増やすための新しいプログラムとして、アフィリエイトマーケティングを導入すると発表している。この「Apple Services Performance Partner Program(アップル・サービス・パフォーマンス・パートナー・プログラム)」は、Apple TV、Apple News、Apple Booksなど、アップルの他のサービスでは販売を支援するためにすでに展開しているが、今回からそれが有料ポッドキャストにも拡大される

この新しいアフィリエイトプログラム「Apple Services Performance Partner Program for Apple Podcasts」は誰でも参加できるが、アップルはこれが、すでに多くの聴取者を抱えているクリエイターや、アフィリエイトリンクを共有できるいくつものマーケティングチャネルを持っているパブリッシャーにとって、最も意味のあるプログラムになると考えている。ユーザーがこのリンクをクリックして有料ポッドキャストのサブスクリプションを契約すると、パートナーは加入者が最初の月に有料サービスを利用した後、月額料金の50%を1回限りのコミッション(成果報酬)として受け取ることができる。

例えば、ある有料ポッドキャストがリスナーに月額5ドル(約540円)の課金を請求している場合、コミッションは2.5ドル(約270円)となる。このコミッションは、アフィリエイトチャンネルを通じて新規に登録したすべての加入者に適用され、上限はない。

ポッドキャストの制作者もまた、アフィリエイトリンクを使って自分の有料プログラムを宣伝することができ、それによってさらなる収益を得ることも可能になる。

このアフィリエイトプログラムには誰でも参加を申請することはできるが、承認を受けるための審査がある。これは主に、スパマーがプログラムに参加しないようにすることと、登録者がリンクを流通させることができるマーケティングチャネルを、少なくともいくつか持っていることを確認するためだ。申請フォームでは、運営しているチャネルの数や、パートナーがそのチャネルを使ってどのようにアフィリエイトリンクを宣伝しようとしているかなど、一定の基準を満たしていることが求められる。

このプログラムは、有料ポッドキャストの配信が行われる170の国と地域の誰もが利用できるようになる。

承認されてからサインインすると、アフィリエイトパートナーはオンラインのダッシュボードにアクセスでき、他のアフィリエイトプログラムと同様に、リンク(短縮URL)を作成することができる。1つのポッドキャストに対し複数のURLを作成することができるので、チャンネルごとのパフォーマンスを簡単に把握することができる。このURLは、単独で掲載することもできるし「Apple Podcastで聴く」バッジに結びつけたり、QRコードとして提供することも可能だ。QRコードは、今後ライブイベントが復活すれば、例えばライブ開催中に配布されたチラシや看板に印刷することができるので、より有用かもしれない。また、紙媒体とデジタル媒体のどちらでも、さまざまな広告に載せることができる。

有料ポッドキャストはすでに存在していたが、これまでポッドキャスターに直接支払い、プライベートなRSSフィードにアクセスするものが多かった。また、Stitcher(スティッチャー)のような小規模なサービスでは、サブスクリプションを利用して、広告なしの聴取や限定コンテンツなどの特典を、有料顧客に提供している。アップルやSpotify(スポティファイ)の新たな取り組みは、どちらもクリエイターを自社のプラットフォームに呼び込み、有料配信による収益の一部を受け取ることに重点を置いたものだ。Spotifyは最初の2年間は5%の手数料を免除しているが、アップルは通常1年目に30%、2年目には15%の手数料を徴収するという収益モデル採用している

新しいアフィリエイトプログラムへの登録はすでに可能だが、アップルによると、実際に有料ポッドキャストの配信が始まるのは今月末の予定だという。有料配信が開始されると、アフィリエイトプログラムに登録した人は、リンクを作成して、課金からコミッションを得ることができるようになる。

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タグ:Appleポッドキャスト

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Spotifyが独占公開とオリジナルのポッドキャストに自動文字起こし機能を追加

Spotifyが同社サービス上のポッドキャストを文字起こしする第一歩を踏み出す。米国時間5月18日、同社はSpotify独占とオリジナルの番組で自動文字起こしをする機能の限定ベータ版をまもなく公開すると発表した。将来的には同社プラットフォームで公開されている全ポッドキャストで文字起こしができるようにすることを目指す。同社はこの発表と同時に、リーダビリティや文字サイズ変更などアクセシビリティ機能の向上もいくつか発表した。

この新しい機能によりSpotify独自の番組に自動で文字起こしが生成され、ユーザーはiOSとAndroidデバイスで音を出していてもいなくてもポッドキャストのテキストを読むことができる。

文字起こし機能はアクセシビリティの観点から有用だろう。聴覚障がい者も含めてこれまでより幅広いオーディエンスがオーディオのプログラムを利用しやすくなるからだ。そしてすべてのリスナーにとって、早送りや早戻しで探さなくても話の特定の箇所にこれまでより簡単にジャンプできるようになる。

画像クレジット:Spotify

文字起こしをスクロールし、任意のパラグラフをタップしてそのカ所からストリーミングを開始できるとSpotifyは説明している。

Spotifyが言っているようにポッドキャストライブラリすべてで文字起こし機能を利用できるようになれば、ポッドキャスターが番組の文字起こしをして自分のウェブサイトで公開する作業が必要なくなる。代わりに、Spotifyで文字起こしを利用できるとリスナーに知らせるだけでいい。しかも他社製の文字起こしアプリを使う必要がなくなり、Appleのポッドキャスト文字起こし検索にも対抗できる(Appleは最近Podcastアプリに投資して再デザインしサブスクリプションも発表したことから、文字起こしに関しても近い将来のアップデートを準備しているかもしれないと見られる)。

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Spotifyによると、文字起こし機能は「今後数週間」以内に公開される。

Spotifyは文字起こし機能のベータ版とともに、リーダビリティの改善についても発表した。これはボタンの色やテキストの書式と大きさを調整して、ロービジョンなどの視覚障がいを持つユーザーが再生開始やシャッフル再生などアプリ内のさまざまなボタンを見やすくするための改善だ。

また、SpotifyはDynamic Typeというシステム全体のテキストサイズの変更にすでに対応しているが、今後はiOSの「設定」でテキストをさらに大きくできるようになる(「設定」→「アクセシビリティ」→「画面表示とテキストサイズ」をタップし「さらに大きな文字」を有効にしてスライダをドラッグする)。

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タグ:Spotifyポッドキャスト文字起こしベータ版アクセシビリティ

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

Spotifyが米国で有料ポッドキャスト開始、2年間クリエイターの取り分は100%

Spotifyは米国時間4月27日、2021年2月に開催された同社のイベント「Stream On」で新しいサブスクリプションプラットフォームを発表したのに続き、ポッドキャストの有料サブスクリプションの提供を正式に開始した。Spotifyのポッドキャスト作成ツールAnchorを通じて、ポッドキャスターは特定のエピソードをサブスクライバー専用コンテンツとして設定し、Spotifyやその他のプラットフォームに公開することができるようになる。このサービスは当初、12の独立系クリエイターを対象にテストされていたが、順次ウェイトリストに登録済みのクリエイターへと展開される予定だ。

当面は米国のクリエイターのみを対象に有料サブスクリプションを提供し、今後数カ月のうちに海外展開を目指すとしている。

このローンチは、ポッドキャスト、特に有料ポッドキャストの市場が過熱している中で行われた。Appleは先に、Apple Podcastプラットフォームを通じてポッドキャストの有料サブスクリプションを提供する計画を発表している。

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しかし、Spotifyの取り組みとAppleの計画には大きな違いがある。それはサブスクリプションの収益をどう分配するかだ。

Appleは、初年はポッドキャスト収益の30%を徴収し、2年目からは15%に引き下げる。これはApp Storeのストリーミングサービスと同じである。一方Spotifyは、同社のプログラムは今後2年間、クリエイターに無料で提供されると述べている。つまり、クリエイターは収益の100%を得ることになる。そして2023年春、Spotifyはこのツールへのアクセスに5%の課金を導入する計画だ。

画像クレジット:Spotify

12のクリエイターからなる最初のグループは、サブスクライバー限定の有料ボーナスエピソードをフィードに公開し、プラットフォーム上の他のポッドキャストのエピソードと同じように発見や検索が可能になる。これらの有料エピソードはポッドキャストのメインフィードに表示され、再生ボタンに鍵のアイコンが表示される。アーリーアダプターには、Wild Thing、Tiny Leap、Big Changes、The Mindful Minuteなどが名を連ねている。

クリエイターはサブスクリプション料金を、月額2.99ドル(約325円)、4.99ドル(約542円)、7.99ドル(約868円)の3つの価格帯から選択できる。

Spotifyは、Anchorのクリエイターがフィード全体を有料としてマークできるようにする一方で、クリエイターが有料化を選択的に行う場合、無料エピソードの魅力はリスナーをまず惹きつけることにつながり、より賢明なアイデアであると考えている。後からボーナスコンテンツをアップセルすることもできる。ただし、大規模なポッドキャストでは別のアプローチの可能性もあるだろう。

例えば、Spotifyは有料フィード全体を含む有料サブスクリプションの契約をNPRと結んだ。NPRは5つの番組―How I Built This with Guy Raz、Short Wave、It’s Been a Minute with Sam Sanders、Code Switch、Planet Money―を公開し、5月4日から有料サブスクライバーには無料で提供される。これらの番組は「Plus」としてブランド化され(例:Planet Money Plus)、無料フィードと一緒に配信される。このケースでは、リスナーはボーナスの材料を得られないが、NPRをサポートすることになる。今後数週間のうちにさらに多くのNPR番組が独自のPlusバージョンとして公開される予定だ。

The Wall Street Journal(ウォール・ストリート・ジャーナル)は、Spotifyの有料サブスクリプションが今週登場することを報じた。記事の中で、購読を希望するiOSユーザーは取引を処理するためにウェブサイトに送られ、Appleのアプリ内購入要件を回避することに言及している。これはSpotifyにとってトリッキーな一線になる可能性がある。同社はApple批判の中心的存在であり、先週議会でApp Storeに関してAppleの反競争的行動を証言している。

アプリ内購入を迂回して、ユーザーにウェブサイトに行ってサブスクリプションを購入するように誘導しているわけだが、同社は、その説明はポッドキャストの制作者に任せているとしている。

Anchorの共同創設者であるMichael Mignano(マイケル・ミニャーノ)氏は次のように述べている。「基本的に、ポッドキャストを購読する方法や場所についてリスナーに情報を提供するのは各クリエイターに任されています。実際のサブスクリプションはAnchorのウェブページ—Anchorのクリエイターのプロフィールページで行われますが、認証後にSpotifyに戻ってくると、ロックは解除されます」。App Storeのルール上、Spotifyアプリが実際にこのウェブページを開くことはないという。(また、Spotifyはサブスクリプションベースの売上の一部を徴収していないため、Appleが数年前に設立したクリエイターへの寄付に対しては、たとえアプリ内課金を採用していたとしても、当面はカーブアウトを通じて保護されることになる。)

有料のポッドキャスト機能を利用するために、クリエイターは最初にエピソードを録画またはアップロードした後、Anchor内でエピソードにマークを付ける。別のポッドキャスティングアプリでコンテンツにアクセスしたいリスナーには、購読後にプライベートRSSフィードが提供される。

またSpotifyは、初めてSpotify Open Access Platform(OAP)を発表した。これにより、すでに他のプラットフォーム(競合サービスやプライベートRSSフィードを含む)で有料サブスクライバーとなっているクリエイターが、既存のログインや課金ソリューションを使って、そのコンテンツを現在のサブスクライバーに提供できるようになる。Spotifyによると、これはクリエイターが関係を直接コントロールするのに役立つという。しかしSpotifyは、そのコンテンツを同社のサーバー上で再ホストすることで、結果としてより広範な有料ポッドキャスト市場への洞察を得ることになる。

同社は、まだこのソリューションの完全な詳細を発表する準備はできていないが、今週中にいくつかのニュースを発表すると述べている。

有料ポッドキャストの提供に加えて、Anchorを使ってオーディオ広告のマーケットプレイスSpotify Audience Network(SPAN)を独立系ポッドキャストに開放する計画だという。これもまた、SpotifyがAppleと差別化されている領域だ。Apple Podcastでは、クリエイターは自分の広告を販売する責任があるため、収益の100%にとどまる。

これに対してSpotifyは、ポッドキャスト視聴者にサービスを提供することを目標に、広告技術に投資してきた。同社はこれまで、ネットワーク経由でMegaphone(2020年に買収)のインベントリのロックを解除していたが、今後はAnchorのクリエイターの一部がSPANを利用できるようになる。同社によると、5月1日に50のクリエイターを集めてスタートし、その後徐々に拡大していくとしている。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:SpotifyAnchorポッドキャストサブスクリプションアメリカ

画像クレジット:stockcam / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Dragonfly)

iOS 14.5でマスク着用時でのApple WatchによるiPhoneのロック解除、アプリ追跡の透明化、キス絵文字が追加

先週開催されたビッグイベントで、Apple(アップル)はiOSの最新アップデートが間もなく登場することを予告した。そして米国時間4月26日、すべてのユーザーに向けてiOS 14.5が公開された。このアップデートは、モバイルOSの中でも特に大きなアップデートの1つになりそうだ。

ユーザーから最も待ち望まれていたアップデートは、Apple Watchを使ってiPhoneのロックを解除できるようになったことだろう。これはアップルのウェアラブルデバイスにとって便利な機能が追加されたのはもちろんだが、それよりも重要なのは、マスクをしているユーザーがフェイスアンロックの回避策を期待していたことを考えると、このアップデートは1年間待ち望まれたものだと言えるだろう。

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画像クレジット:Apple

マスクを装着すると、iPhoneはデフォルトでApple Watchに接続され(watchOS 7.4がインストールされた後に)、触覚的なブザーとともにApple Watchに通知が送られる。

セキュリティ面でも、アプリのトラッキングの透明性が追加され大きな話題となった。TechCrunchのAnthony記者は2021年4月初めの投稿で、この機能について解説している。

Apple(アップル)が新しいルールを施行することになるため、iPhoneユーザーはおそらくより多くのリクエストを目にするようになるだろう。これらのリクエストはアプリを利用しているさまざまな時点で表示されるが、すべてのリクエストではアプリが「他社のアプリやウェブサイトでのあなたの行動を追跡できるかどうか」を尋ねる標準的なメッセージが表示され、その後に開発者からのカスタマイズされた説明が表示される。

そのため多くのポップアップ通知が表示されるようになるだろうが、それには正当な理由がある。

画像クレジット:Apple

その他の追加点は以下のとおりとなる。

  • たくさんの新しい絵文字が登場する。キスをするカップル、燃えるようなハート、性別の追加など。
  • 追加の声(現在はデフォルトの声の設定はない)と、緊急電話番号のダイヤル機能などを含むSiriのアップデート
  • AirTagへの対応
  • Apple Podcastアプリのデザイン変更
  • AirPlay 2を有効にしたデバイスにFitness+をストリーミングできるようになった
  • リマインダーに日付、優先度、タイトルを指定できる
  • 音声コントロールのアクセシビリティに関するアップデート
  • 「この先で事故が起きています」「道路に何かがあります」などのSiriコマンドを使って、ユーザーは交通事故をマップに直接報告できる。また、スピードチェックも搭載された
  • News+ タブが再編成され、関連する記事や出版物を見つけやすくなった

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タグ:AppleiOSiOS 14アップデートAirTagポッドキャストFitness+絵文字Apple Watch

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(文:Brian Heater、翻訳:塚本直樹 / Twitter

高機能なポッドキャスト録音プラットフォームRiverside.fmが約10億円調達

2020年はさまざまなレベルで働き方を変えた。ポッドキャスターも例外ではなかった。ついでながらにいうと、長らくポッドキャスターである者として、筆者はインタビューすべてを直接顔を合わせて行うという長年の主張において敗北を認めた。理由は明らかだろう。

2020年は多くの番組がリモート形態になり、Zoomのような広範な遠隔会議ソフトウェアからZencasterのようなあつらえのソリューションまで、さまざまなリモート録音ツールを試した。テルアビブ拠点のRiverside.fm(もともとはアムステルダム生まれ)はリモート・ポッドキャスティングの波に乗ろうと、時宜を得て事業を開始した。そして現地時間4月22日、950万ドル(約10億円)のシリーズAを発表した。

本ラウンドはSeven Seven Sixがリードし、Zeev-ventures.com、Casey Neistat(ケイシー・ナイスタット)氏、Marques Brownlee(マーケス・ブラウンリー)氏、Guy Raz(ガイ・ラズ)氏、Elad Gil(エラッド・ギル)氏、Alexander Klöpping(アレクサンダー・クロッピング)氏が参加した。Riverside.fm(リバーサイド・エフエム)は調達した資金を従業員の採用とサービスの機能拡張に使う計画だと話している。

「多くの人がリモートワークを受け入れざるを得なくなり、制作チームは対面でのものと同じ質を提供するのに苦労しました。GideonとNadavはクリエイターの大きな需要を満たすだけでなく、並外れたプロダクトを構築することにチャンスを見出しました」とSeven Seven Sixの創業者であるAlexis Ohanian(アレクシス・オハニアン)氏は声明で述べた。「自分自身クリエイターとして、Riversideの質は無比のものであり、新しい編集能力は他に2つとない、と経験から言えます」。

Riverside.fmは、ロスレスオーディオと4Kビデオのトラックをリモート録音するリモートビデオ・オーディオのプラットフォームで、むらのあるインターネット接続からくるテクニカル上の問題のために起こる結末を回避できる。

資金調達とともに、同社はプラットフォームで多くのソフトウェアアップデートを展開している。その最たるものがiPhoneアプリの新規バージョンだ。アプリではすぐにビデオを録画してアップロードでき、多くのユーザーがモバイルデバイスで録画することを模索している中ですてきなエクステンションだ。

デスクトップでは「Magic Editor」が録画、編集、アップロードの複数のステップのプロセスを簡素化する。スピーカーを自動的に切り替える「Smart Speakerview」というビデオ編集のための新しい機能もある。この機能ではくしゃみや咳といったアクシデント的なノイズでスピーカーが切り替わることはない。

この分野はますます過熱するばかりだ。Riverside.fmがいかにすばやく元々のサービスを継ぎ合わせることができたかを考えると、同社が調達した950万ドルで何ができるのか、今後が楽しみだ。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Riverside.fm資金調達ポッドキャスト

画像クレジット:Riverside.fm

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

アップルがポッドキャストの有料定額サービス開始を発表、米国では番組あたり約53円から

Spotify(スポティファイ)との競争が激化する中、Apple(アップル)は米国時間4月20日、ポッドキャストのサブスクリプション(有料定額制)配信サービスを開始すると発表した。同社の「Spring Loaded」イベントで発表された「Apple Podcasts(アップル・ポッドキャスト)」のサブスクリプションサービスは、リスナーが定額料金を支払うことで、広告なしの聴取、エピソードへの早期アクセス、お気に入りのクリエイターをサポートする機能などの「利点が追加」される。このサービスは、Apple Podcastsアプリのアップデートで利用可能になる。このアップル純正ポッドキャストアプリでは、引き続き無料のポッドキャストも探して聴くことができる。

今回の新サービス「Apple Podcasts Subscriptions(アップル・ポッドキャスト・サブスクリプション)」の発表は、Spotifyのポッドキャストリスナー数が、2021年に初めてアップルのそれを上回る見込みとの業界レポートが発表された直後のことだ。

関連記事:2021年中にSpotifyのポッドキャストリスナー数がアップルを上回るとの予測

アップルのTim Cook(ティム・クック)CEOは、イベントの開始時にこのサブスクリプションを簡単に紹介し「Apple Podcastsのデビュー以来最大の変更」と言及した。

今回のアップデートでは、番組やエピソードのページが新たにデザインされ、ポッドキャストの聴取、フォロー、共有が容易になると、クック氏は述べている。また、お気に入りのクリエイターの番組を探したり、おすすめの番組を見つけられる「チャンネル」機能も新たに追加された。ここには無料チャンネルの他に定額料金を支払うことでさまざまな特典がある会員向けの有料チャンネルが用意される。

チャンネルとは要するに、クリエイターがキュレーションした番組のグループで、チャンネルごとに「独自のタイトル、説明、アートワーク」が付けられるという。

画像クレジット:Apple

また、エピソード型の番組では最新のエピソードから、連続型の番組では各シリーズの最初から自動的に開始できるようにする「スマートプレイ」ボタンも搭載される。その他の新機能としては、ユーザーが個々のエピソードを保存してオフラインで再生できるようになったほか、トップチャートにすばやくアクセスできるように検索タブが強化された。ポッドキャスター用のApple Podcasts Connect(アップル・ポッドキャスト・コネクト)ダッシュボードも刷新され、番組のメタデータの編集、番組の配信予約と管理、チャンネルへの追加、複数のユーザーと役割の管理、そして新たに用意されたパフォーマンス指標と可視化ツールによる番組の再生記録の追跡などが可能になる。

アップルはこの新サービスを、170以上の国と地域のリスナーに2021年5月から提供すると発表した。

アップルはプレスリリースの中で、最初のプレミアム有料配信は、Tenderfoot TV(テンダーフットTV)、Pushkin Industries(プーシキン・インダストリーズ)、Radiotopia from PRX(ラジオトピア・フロム PRX)、QCODE(キューコード)の他、NPR、Los Angeles Times(ロサンゼルス・タイムズ)、The Athletic(アスレチック)、Sony Music Entertainment(ソニー・ミュージックエンタテインメント)といった大規模ブランドなど「独立系の音声と一流のスタジオ」の双方から番組を提供すると述べている。

「15年前、アップルはポッドキャストを普及させ、クリエイターに最高のオープンプラットフォームを提供して、世界中の何億人ものリスナーに情報を提供し、楽しませ、刺激を与えてきました」と、アップルのインターネットソフトウェア&サービス担当上級副社長のEddy Cue(エディ・キュー)氏は声明の中で語っている。「現在、Apple Podcastsは、リスナーが何百万ものすばらしい番組を発見し、楽しむことができる最高の場所となっています。そして今回、私たちはApple Podcasts Subscriptionsによって、ポッドキャスティングを次の章に導くことを誇りに思います。このパワフルな新しいプラットフォームを世界中のクリエイターに提供できることに、私たちはワクワクしています。これを使ってクリエイターのみなさまがどのような作品を配信するのか、それを聴くのが楽しみで仕方ありません」。

画像クレジット:Apple

アップルがポッドキャストのサブスクリプションサービスを計画しているということは、Wall Street Journal(ウォール・ストリート・ジャーナル)が同社のポッドキャストアプリに有料配信オプションを追加する準備が行われていると報じたほか、Vox Media(ヴォックス・メディア)のPeter Kafka(ピーター・カフカ)氏が、アップルは新製品発表イベントで有料のポッドキャスト配信を発表するだろうと語ったことから、すでに予想されていた。

また、iOS 14.5ベータ版には、デザインが変更されたPodcastアプリの「今すぐ聴く」タブにアカウントボタンが設けられているなどのヒントも見られた。MacRumors(マックルーマーズ)は、番組の通知がこの場所に移されたことを報じ、将来的には有料サブスクリプションの管理もこの新しいエリアで行われるのではないかと予想していた。

定額制ポッドキャストへの参入は、Apple PodcastsおよびApple Musicの競合相手であるSpotifyが長年にわたって多額の投資を行ってきたことを受けたものだ。Spotifyはアップルに対する批判の先鋒でもある。

Spotifyは2021年2月、自社のプラットフォームに登録されているポッドキャストの数が、前年比3倍の220万件に増えたことを発表した。同社はまた、Joe Rogan(ジョー・ローガン)氏、Kim Kardashian(キム・カーダシアン)氏、 DC Comics(DCコミックス)、Michelle Obama(ミシェル・オバマ)氏、サセックス公爵および公爵夫人などのビッグネームと、長年にわたってさまざまな独占契約を結んできた。ポッドキャスト関連のスタートアップやアドテクノロジー、スタジオの買収も続けており、その中にはホスティングや広告を手がけるMegaphone(メガフォン)、Anchor(アンカー)の制作ツール、Gimlet(ギムレット)、The Ringer(ザ・リンガー)、Parcast(パーキャスト)といったコンテンツ制作会社が含まれている。

最近では、SpotifyはAnchorの機能を利用して独自のポッドキャストのサブスクリプションを計画していることを発表したり、ライブチャットアプリ「Locker Room(ロッカー・ルーム)」を運営するBetty Labs(ベティ・ラボ)の買収を通じてライブオーディオ分野にも投資を行っている。ちなみにSpotifyは、定額購読料による収入をポッドキャストの制作者に分配し、制作者は収益の大半を確保できると語っていた。

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ポッドキャスト制作者が知っておくべきこと

  • Apple Podcast Subscriptionsに詳しい人の話によると、アップルはポッドキャスト制作者がサブスクリプションの一部として提供する条件には口出ししないとのこと。これはオープンな市場であり、ポッドキャスト制作者は、広告なしの聴取、ボーナスエピソード、過去に配信された番組へのアクセスなどを提供するかどうかを選択することができる。
  • 番組は完全無料か有料、または誰でもアクセスできる無料コンテンツと有料会員へのアップグレード機能を組み合わせた「フリーミアム」のいずれかを選択できる。
  • 価格は、米国では月額約0.49ドル(約53円)からとなっており(App Storeとは違うようだ!)、クリエイターは自分で価格を設定することができる。
  • アップルは、ストリーミングサービスやその他のサブスクリプション製品と同様に、1年目は売上の30%を受け取り、2年目には15%に下げる。
  • ポッドキャスターは自分の番組をどこにでも配信することができる。Apple Podcast専用にする必要はない。つまり、Spotifyなどの他のプラットフォームにも有料コンテンツを提供し、収益を増やすことができるということだろう。
  • アップルは、現時点ではポッドキャスター向けに広告を販売していない。広告収入は、クリエイターが100%取得できる。
  • クリエイターは、Apple IDやそれに関連するメールアドレスなど、リスナーの個人データにアクセスすることはできない。ポッドキャストのアナリティクスでは、匿名化され、集約されたインサイトが提供される。
  • しかし「最も熱心なリスナー」や「上位の都市」などの新たな指標を追跡することはできる。これは、クリエイターが最大のファンに合わせてポッドキャストを調整したり、次のライブショーを計画したりするのに役立つだろう。
  • サブスクリプションは、個々の番組またはチャンネルと呼ばれる番組グループのいずれかに対して設定することができる。例えば、有料のポッドキャスト配信サービス「Luminary(ルミナリー)」は「チャンネル」だ。Radiotopia(ラジオトピア)のようなポッドキャストネットワークもチャンネルになる。
  • チャンネルも、個々の番組と同様に、無料、有料、フリーミアムのいずれかに設定することができる。また、国ごとに配信の有無や価格を設定することも可能。
  • サブスクリプションコンテンツのアップロードは、RSSではなくApple Podcasts Connect経由で行われる。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:AppleAPPLE SPRING HARDWARE EVENT 2021ポッドキャストサブスクリプションSpotify

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

アップルが「Spring Loaded」で発表した新製品まとめ、新iMac、iPad Pro、AirTagなど

Apple(アップル)のイベントの日だ。

Apple Cardの改良から新しいiMacやiPadまで、Appleは1時間のイベントでたくさんのニュースを発表した。しかし、すべての発表に目を通している時間がない方のために、それぞれのポイントをまとめてご紹介しよう。

Apple Card

画像クレジット:Apple

Appleはまず「Apple Card」の仕組みの変化について、簡単だが重要な説明を行った。「Apple Card Family」では、13歳以上の家族なら誰とでもカードを共有でき、追加ユーザーごとに利用限度額をカスタマイズできる。また、Appleカードを他の大人と「共同所有」することもできるようになり、両方の所有者が等しくクレジットを蓄積できるようになる。

Appleはまず、Apple Cardの仕組みの変更について、簡単に、しかし重要な説明を行った。「Apple Card Family」では、13歳以上の家族であれば誰でもカードを共有することができ、追加ユーザーごとに利用限度額をカスタマイズできる。また、他の大人とApple Cardを「共同所有」することも可能になり、2人の所有者が同じようにクレジットを貯めることができるようになる。

Apple Podcasts

画像クレジット:Apple

Appleは、Podcastアプリのデザインを一新し、それぞれのPodcastを有料購読(月額または年額)できるオプションを提供する。

パープルのiPhone

画像クレジット:Apple

今回、新しいiPhoneは発表されなかったが(iPhoneは通常、年内に発売される)、既存のiPhone 12とiPhone 12 miniに新色「パープル」が加わった。彼らはWilly Wonka(ウィリー・ウォンカ)の歌が使われたが……、まぁそれはパープルだからだろう。

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AirTag

画像クレジット:Apple

Appleはついに、ソファーで紛失したさまざまなAppleデバイスを探すのにときと同じく「Find My」アプリを使って、鍵やお財布、バッグなどを追跡するためのアクセサリーを正式に発表した。

AirTag」(不思議なことに「AirTags」ではない)と名づけられたこのアクセサリーは、1個29ドル(日本では税込3800円)、4個入りで99ドル(日本では税込1万2800円)、4月30日に発売される予定だ。バッテリーはユーザーが自分で交換できるが、奇妙なことにアタッチメントループは付属しない。キーホルダーなどに取り付けたい場合は、ケースを追加する必要がある。もちろん、Appleはそれを作り、販売する。

AirTagにはそれぞれスピーカーが内蔵されており、紛失したアイテムを見つけるのに役立つ。オンラインで購入すると、テキストや選択した絵文字を無料で刻印することができる。

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次世代Apple TV 4 K

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Appleは、2017年に初めて発売した「Apple TV 4K」を大幅に刷新する。その内訳は以下のとおりだ。

  • AppleのA 12 Bionicチップ搭載。
  • iPhoneを使って映像のキャリブレーションが行える。キャリブレーションプロセスを開始し、iPhoneの前面カメラをテレビに近づけると、Apple TV 4Kはそれに応じて自らのカラー / コントラスト出力を自動的に最適化する。
  • リモコンのデザインも一新。これまでのタッチパッド付きのリモコンから、iPodのようなスクロールホイールを備えた5方向のクリックパッド付きのリモコンに変更された。ボタンを押す代わりにテレビに話しかけたくなったときのために、側面にはSiriボタンが付いている。このリモコンは、前世代
  • Siri RemoはApple TV 4KおよびApple TV HD用として59ドル(日本では税込6500円)で別売りされる。
  • 32GBモデルが179ドル(日本では税込2万1800円)、64 GBモデルが199ドル(日本では税込2万3800円)。

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新しいiMac

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iMacがM1にシフトするときが来た!Appleは、iMacの新ラインナップを発表した。往年のiMacを彷彿とさせる、ファンシーなカラーバリエーションが特徴だ。その概要は以下のとおりだ。

  • Appleが2020年にノートPCに初導入した驚異的に高速な「M1」チップセットを搭載。
    24インチの「4.5K」ディスプレイ。
  • ついに、まともなウェブカメラが登場!新iMacには1080pのFaceTimeカメラが搭載される。
    予約注文は4月20日から始まり、出荷は5月下旬。
  • 1299ドル(日本では税込15万4800円)で8コアCPU / 7コアGPU、1499ドル(日本では税込17万7800円)で8コアCPU / 8コアGPUにアップグレードできる。
  • カラーはグリーン、イエロー、ピンク、オレンジ、ブルー、パープル、シルバーの7色。一部の色は、より高額なモデルでのみ提供される。
  • どちらのモデルも256GBのSSDとThunderboltポートが2つ備えている。1499ドルのモデルでは、USB 3ポートが2つ追加される。
  • Appleは、Touch ID指紋認証センサーを搭載したBluetooth Magic Keyboardの新バージョンも発表。高額なモデルに同梱される。

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新しいiPad Pro

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iPad ProもM1を搭載する!Appleによると、この移行により従来のiPad Proと比べてパフォーマンスが50%向上したという。新機能は以下のとおりだ。

  • 8コアGPU / 8コアCPU。
  • 11インチモデルは799ドル(日本では税込9万4800円)から、12.9インチモデルは1099ドル(日本では税込12万9800円)から。
  • セルラーモデルは5Gをサポート。
  • USB-Cポートを介してThunderboltおよびUSB 4をサポート。
  • 12.9インチモデルは「Liquid Retina XDR」ディスプレイを搭載。Appleによるとフルスクリーン輝度は1000ニト、ピーク輝度は1600ニトとのこと。
  • Appleが「Center Stage」と呼ぶ機能は、FaceTime通話中に、部屋の中を動き回っても自動的に自分の顔をフレームの中央に保つ。
  • 最大2TBの内蔵ストレージと16GBのRAMを搭載。

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(文:Greg Kumparak、翻訳:Katsuyuki Yasui)

フェイスブックが音声関連の新機能を発表、Clubhouse類似機能やポッドキャスト支援ツールなど

Facebook(フェイスブック)は米国時間4月19日、一連の新しい音声関連機能を正式に発表した。これは同社がClubhouse(クラブハウス)や他の音声ソーシャルメディアの脅威を真剣に受け止めていることの現れだ。Facebookは単にClubhouseに類似した機能を開発するだけでなく、ポッドキャスト制作者が長いオーディオを共有するためのツールや、音楽を聴くための新たなSpotify(スポティファイ)との統合、そしてまったく新しい「Soundbites(サウンドバイツ)」と呼ばれる短い音声フォーマットの体験機能を発表した。

音声ネットワーク市場における関心の高まりを受け、新機能の中で今回の発表以前から最も話題になっていたのが、Facebookによる「Clubhouseクローン」だろう。

この「Live Audio Rooms(ライブオーディオルーム)」と名づけられた機能では、Clubhouseと同じように、ユーザーが特定の話題について「部屋」に集まり、話し合うことができる。

「私がFacebookで最も期待している分野は、基本的に、数多くのコミュニティやグループが存在することです。興味のあることを中心に構成されたコミュニティにすでに参加されている方は多いと思いますが、さらにそれらの人々が集まって話ができる部屋を持てるようになることは、非常に有益なことだと思います」と、同社のMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)CEOは、今回の発表と同時に行われたPlatformer(プラットフォーマー)による親しげなインタビューで語っている。「2020年前半にビデオチャット機能を導入した際、グループやコミュニティではそれが盛んに利用されるようになりました。だから、音声に関しても、さらに気軽に使えることを考えると、大きな盛り上がりが期待できると思います」。

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Facebookの公式ブログによると、Live Audio RoomsはFacebookとMessenger(メッセンジャー)の両方で利用できるようになるという。

Live Audio Roomsは、まずFacebook Groups(Facebookグループ)でテストが行われ、月間18億人のグループユーザーから利用できるようになる。また、公人や専門家にも提供される予定だ。Facebookによると、この機能をいち早く採用したのは、アメリカンフットボールのクォーターバックであるRussell Wilson(ラッセル・ウィルソン)氏、グラミー賞にノミネートされたエレクトロニッミュージックアーティストのTOKiMONSTA(トキモンスタ)氏、アーティストで映画監督のElle Moxley(エル・モクスリー)氏、5度のオリンピックメダリストで起業家のNastia Liukin(ナスティア・リューキン)氏などだという。

Live Audio Roomsは2021年の夏から、Facebook上で誰でも利用できるようになる予定だ。また、同時期にはMessengerにも導入されるので、友人同士で音声による会話を楽しめるようになる。

他社の技術製品を焼き直したようなこの音声機能に加え、FacebookではTikTok(ティックトック)の競合である「Instagram Reels(インスタグラム・リールズ)」の音声専用バージョンも開発中であることを、ザッカーバーグCEOは明らかにした。この「Soundbites(サウンドバイツ)」と名づけられたプロジェクトは、アルゴリズムでソートされた短い音声クリップをすばやく扱うことができるというもので、まずは少人数のクリエイターのみで数カ月間のテストを行い、それからFacebookユーザーに広く利用できるようにする予定であると、Facebookはブログ記事で書いている。

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「このアイデアは、短時間の音声フォーマットで、人々がおもしろいと思ったことや、他の人にも教えたいと思うような、ちょっとした短い音声クリップを、さまざまなジャンルやトピックをカバーしながら共有できるようにするというものです」と、ザッカーバーグ氏は語っている。

ポッドキャストの制作者に対しては、ユーザーがFacebookページでフォローしているポッドキャスト制作者のコンテンツを、Facebookアプリで直接聞けるようにするツールを開発していると、ザッカーバーグ氏は述べている。ポッドキャストのFacebookページにアクセスしているユーザーが現在1億7000万人もいることを、同CEOは指摘し、この音声コンテンツにもっと簡単にアクセスできる方法を確保したいと語った。

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ユーザーは好みのポッドキャストを発見したら、バックグラウンドでも再生を開始できるようになる。あるいは別のアプリを起動して、そちらで再生を続けることも可能だと、ザッカーバーグ氏は述べている。これは例えば、ポッドキャストのコンテンツをSpotifyで聴きたいと思った場合、直接Spotifyで開くこともできるという意味だと思われる。

この機能はユーザーの興味に基づいた新しいポッドキャストの発見に役立ち、ユーザーはポッドキャストにコメントしたり、友人に勧めることができるようになる。

このような音声機能の取り組みに関連して、ザッカーバーグCEOはFacebookとSpotifyの提携拡大についても言及した。現在社内で「Project Boombox(プロジェクト・ブームボックス)」と呼ばれている機能は、ユーザーがSpotifyでお気に入りのアーティストのコンテンツやプレイリスト、その他の種類のオーディオを、Facebookのフィードで共有できるようにするものだ。これを他のユーザーがクリックすると、小さなインラインプレイヤーが表示され、コンテンツを再生する。

関連記事:フェイスブックがSpotifyとの提携拡大を発表、新プロジェクト「Boombox」の一環で

Spotifyとの統合に詳しい関係者からの情報によると、このプレイヤーは音楽とポッドキャストの両方に対応するとのこと。すでにメキシコやタイなど、米国以外の市場でテストされており、1週間ほどで利用可能になる見込みだ。

「Facebookがオーディオに興味を持ったということは、このカテゴリーへのさらなる評価であり、私たちがずっと以前から知っていたこと、つまりオーディオのパワーと可能性が無限であることを裏付けるものです」と、Spotifyの広報担当者はTechCrunchに語った。「私たちの目標は常に変わりません。それはSpotifyをプラットフォームやデバイスの垣根を越えてユビキタスなものにし、音楽やポッドキャストをより多くの人に届けることです。今回のFacebookとの統合は、こうした取り組みの新たな一歩となります。私たちはFacebookとの継続的なパートナーシップにより、世界中のオーディオディスカバリーを促進していくことを楽しみにしています」。

また、ザッカーバーグ氏は、新機能の導入が、成長するクリエイター経済に貢献する必要性についても言及している。

Live Audio Roomsでは、ファンはFacebookのアプリ内チップ機能である「Stars(Facebookスター)」を通じて、クリエイターを支援したり、寄付したりできる。Facebookによると、Live Audio Roomにアクセスするためのサブスクリプションなど、その他の収益化ツールも後に導入する予定だという。また、同社はSoundbitesの起ち上げに合わせて、新たなクリエーターの誕生を支援するAudio Creator Fund(オーディオ・クリエーター・ファンド)も用意する。

さらにザッカーバーグ氏は、Facebookが計画しているニュースレターという機能についても語った。これはクリエイターコミュニティに提供される課金ツールの1つで、Twitter(ツイッター)が計画している「Super Follows(スーパーフォロー)」と同じようなものだ。

関連記事:Twitterが同社初となる有料クリエイターサブスク機能「スーパーフォロー」発表、サービスの構造が劇的に変わる可能性

「ジャーナリストやクリエイターが、自分をフォローしたいと思ってくれる人に向けて、ニュースレターとポッドキャストの両方でサブスクリプションを設定できる仕組みは、本当に強力なものになると思います」と、ザッカーバーグ氏はいう。「これは私たちが実現しようとしているポッドキャスト関連の課金ツールで大きな部分を占めるもので、我々が計画していること、つまり独立系ジャーナリストにニュースレターなどのツールを提供する取り組みと密接に関係しています。これら2つのことが、ジャーナリストやクリエイターにとって非常に有利な条件で可能になれば、かなり強力なものになると思います」と、同氏は強調した。

Vox(ヴォックス)が4月18日にスクープしたこれらの新機能の発表は、ファンとクリエイターがつながる場所が他にも増えているせいで、Facebookの優位性が崩壊しつつあることを、同社がいかに深刻に捉えているかを示している。現在のFacebookにとっての脅威は、ClubhouseやSubstack(サブスタック)のニュースレター、さらにはPatreon(パトレオン)のような新しいアプリだけでなく、全般的なクリエイター経済をFacebook自身の手に集約・所有できなくなりつつあるという事実である。

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タグ:Facebook音声ソーシャルネットワークSNSポッドキャストSpotify

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(文:Sarah Perez、Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

フェイスブックがSpotifyとの提携拡大を発表、新プロジェクト「Boombox」の一環で

Facebook(フェイスブック)のMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)CEOは米国時間4月19日、Facebookは音楽ストリーミングサービスSpotify(スポティファイ)との関係を深め「Project Boombox」と呼ばれる新たなイニシアティブの一環として、ユーザーが同社のアプリをブラウズしながらSpotifyでホストされている音楽を聴けるようにしていく、と明かした。

Facebookは、ユーザーがプラットフォーム上で共有されている曲やプレイリストを、Spotifyのアプリやウェブサイトに外部リンクすることなく聴くことができるインラインオーディオプレイヤーを構築しているという。ザッカーバーグ氏はこの機能を、プラットフォーム上のクリエイターエクスペリエンスを向上させるために設計された新たな製品だと紹介し、特にミュージシャンが自分の作品を共有しやすくすることで「基本的には、オーディオをファーストクラスメディアにします」と述べた。

Spotifyとの統合に関する情報に詳しい関係者によると、このプレイヤーは音楽とポッドキャストの両方に対応するとのこと。すでにメキシコやタイなどの米国以外の市場でテストが行われており、おそらく約1週間後に利用可能となる予定だという。

このニュースは、FacebookがClubhouse(クラブハウス)のような新興の取り組みやポッドキャスティングの世界での活動増加に対応しようとしている中、レポーターのCasey Newton(ケーシー・ニュートン)氏との幅広いインタビューで、オーディオの世界における同社の今後の取り組みについて聞かれ明らかにされた。

「オーディオは第1級のメディアになると考えており、このスペクトル全体でさまざまな製品が作られると考えています」とザッカーバーグ氏は語った。「もちろんそこには、ポッドキャスティングやこのようなライブオーディオルームのように、最近人気のある分野も含まれていますが、この分野全体ではまだあまり検討されていない興味深いものもあると思います」とも。

Spotifyは、すでにFacebookやInstagram(インスタグラム)のプラットフォームとかなりの製品関係をサポートしている。音楽とポッドキャストのプラットフォームであるSpotifyは近年、ユーザーが同サービスのコンテンツを共有できるようInstagramストーリーズに深く統合されており、この機能はFacebookストーリーズにも組み込まれている。

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(文:Lucas Matney、Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)

Spotifyがテスクトップ用アプリとウェブ版プレイヤーをアップデート

Spotifyは米国時間3月25日、デスクトップ向けのストリーミングサービスを刷新すると発表した。MacおよびWindows用アプリの新バージョンを配信するとともに、ウェブ版プレイヤーをアップデートした。全世界のユーザーに提供される今回の変更では、ナビゲーションの改善に重点が置かれ、プレイリスト、検索、ラジオ、キュー、ライブラリなどの新しいコントロールや機能にアクセスできるようになっている。

今回の刷新により、Spotifyアプリは全体的に、従来のバージョンに比べて、より合理的で整頓されたルック&フィールになった。

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特筆すべき変更点は、これまで画面の左上にあった奇妙な検索バーが廃止され、左側にあるすっきりしたナビゲーションバーの「Home」と「Your Library」の間に移動したことだ。

また、この新しいナビゲーションバーでは、これまで「Your Library」下にあった「Made For You(メイド・フォー・ユー)」「Recently Played(最近再生した曲)」「Albums(アルバム)」「Artists(アーティスト)」「Podcasts(ポッドキャスト)」という各項目がなくなった。代わりに新バージョンでこれらを選択するには「Your Library」をクリックして表示させる必要がある。

「Your Library」ページでは、ページ上部に4つのカテゴリーが表示される。まず「Playlists」には「Liked Songs」「Discover Weekly」「Daily Mixes」「Release Radar」などの項目がある。「Playlists」の隣には「Podcast」(今回のアップデートで2番めの位置にランクアップした!)「Artists」「Albums」が並ぶ。

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「Your Library」の新しいドロップダウンメニューでは、各ライブラリを「Most Relevant(最も関連性の高い順)」「Recently Played(最近再生した順)」「Recently Added(最近追加した順)」「Alphabetical (アルファベット順)」、さらには設定可能な「Custom Order(カスタム順)」など、さまざまな方法でソートすることができる。

一方、プレイリストを作るのが好きな人には、今回のアップデートでいくつかの新機能が追加されている。

新しいプレイリストの作成画面(Create Playlist)では、説明文を書き込んだり、カバー画像をアップロードしたり、既存のプレイリストに曲をドラッグ&ドロップで追加できるようになった。上部に埋め込まれた新しい検索バーを使って、新しい曲やポッドキャストのエピソードを探し、プレイリストに追加することもできる。これによって楽曲を見つけてからプレイリストに登録するまでの手順が減り、面倒なプレイリスト作成作業が大幅にスピードアップするはずだ。

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この変更は、特にキュレーターへの対応にSpotifyの関心が高まっていることを物語るものだ。このことは、同社共同創業者でCEOのDaniel Ek(ダニエル・エク)氏が最近、Clubhouse(クラブハウス)のPressClub(プレスクラブ)ショーに出演した際に言及していた。

エク氏は、サービスのコンテンツライブラリが増えるとキュレーターが必要になるため「キュレーターシップに期待している」と説明していた。

「Spotifyのプレイリスターはすばらしいと思いますが、そのプレイリスターとリスナーが相互に関わる機能が限られているように思われます。例えば、プレイリスターが、自分の作成したプレイリストを聴いている人について理解したり、他の人が体験できるコンテンツを見つけるのを手助けすることで間接的にクリエイトする、いわばセカンド・クリエイターを育てるような機能です」と、エク氏は語っていた。

この課題に対処するため、Spotifyはユーザーが(ソーシャルベースでなくとも、自分自身で)より良いキュレーターになれるようなツールを増やしていくという。

「ロードマップで我々が優先的に注力しているのは、例えば、プレイリストに登録した内容に関連するコンテンツを提案するなど、ユーザー自身がより良いキュレーターになれるようにすることです」と、同氏は続けた。

今回のプレイリスト作成ツールの更新は、Spotifyがこの分野でより大きな目標を達成するための然るべき第一歩と言えるだろう。

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その他の変更点としては、リスナーのプロフィールページが刷新され、トップアーティストとトップトラックの両方が表示されるようになったこと、3つのドット(…)メニューから曲やアーティストのラジオセッションを開始できるようになったこと、デスクトップアプリケーションでキューの編集や「最近再生した曲」の表示が可能になったことなどが挙げられる。

プレミアムの有料会員なら、デスクトップアプリケーションのダウンロードボタンを使って、音楽やポッドキャストをダウンロードし、オフラインで聴くことができる。

Spotifyは、今回の変更を発表したブログ記事の中で、サービスの成長にともなうデスクトップアプリの開発が遅れていたことを認めており、今回のアップデートはそれを正すために行われた。

「Spotifyでは、リスナーのみなさまが常に音楽やポッドキャストを発見し楽しんでいただけるように、できる限り最高の体験を提供する方法を常に模索しています。その中には、ルック、フィール、そして機能が含まれます。私たちは絶えず新しい機能のテスト、開発、発表を続け、新しいデバイスに最適化し、提供するコンテンツを拡大していきます」と、このブログ記事には書かれている。「その過程で、私たちはデスクトップアプリケーションの体験が追いついていないと感じていました。そしてそれが変わる時が来たのです」。

アップデートされたMac用とWindows用のアプリ、そしてウェブプレイヤーは、これから順次展開されていく。このアプリの刷新とは別に、Spotifyは同日、新曲のプロモーション用ツール「Marquee(マーキー)」の利用範囲を拡大することも発表した。この機能は「Spotify for Artists」の新しいキャンペーン管理ツールを通じて、米国ではすべてのチームが利用できるようになる。

関連記事:2021年中にSpotifyのポッドキャストリスナー数がアップルを上回るとの予測

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

親しみ感ある短い音声メッセージを友達と共有するCappuccino、オーディオSNSが次のフロンティアか

CappuccinoはアンチClubhouseと言えるかもしれないが、同社はここ数年間でアプリの独自のコンセプトを練り上げてきており、CEOはClubhouseに対して競合だとは考えていない。Cappuccino自体が興味深いソーシャルアプリであることは確かだ。忠実なユーザーベースを引きつけており、TikTokの動画がバズってから特に顕著になっている。

同スタートアップは、友達とポッドキャストを録音できるアプリを構築中であることを明らかにした。ここ数年、ポッドキャストの存在が多くの人に認知されつつある。ポッドキャストでは、オーディオ番組をサブスクライブしたり、オンデマンドでエピソードを視聴したりできる。

まず、人々は彼らなりの興味を持ってポッドキャストの視聴を開始する。しかし、友達同士でポッドキャストの話題になったときには、ホストのパーソナリティの魅力からその番組を気に入っているという話になるだろう。

ポッドキャストを聞くことは、他に類を見ないコンテンツ消費体験だ。YouTubeで特定のユーチューバーが公開した動画をすべて見たり、Instagramで誰かをフォローしてその人の個人的な生活をよく知って親しみを覚えたりすることもあるだろう。

しかし、イヤフォンを耳に入れたまま何時間も人の話を聞くのはかなり親密な体験だ。ポッドキャストでは、何人かの友人と部屋に座って彼らの話を聞いているような感じがする。

ただし、お気に入りのポッドキャストのホストは友達ではない可能性が高い。

そこにCappuccinoの特性が活かされるニーズがある。同アプリでは、友達や家族とグループを作ることが可能だ。グループのメンバーは、Beanというショートオーディオメッセージを録音できる。自分が考えていることについて数分間語るものだ。翌朝、グループのメンバーに「朝のカプチーノが入りました」というお知らせが届く。

「再生」をクリックすると、クールなイントロ音楽が流れ始め、友人からの音声メッセージが聞こえてくる。これは単なるボイスメモの連なりではなく、友達からのハッピーなメッセージ、楽しいメッセージ、思いやりのあるメッセージがミックスされたリラックスした雰囲気が感じられるものだ。

Cappuccinoはソーシャルアプリでありながら、親しい友人や家族に焦点を当てている。フォロワーを増やそうとするものではなく、公開投稿を共有するものでもない。すべては個人仕様に設計されており、実生活の友達のグループにフォーカスされている。

いろいろな意味で、Snapchatのグループストーリーを彷彿とさせる。しかしCappuccinoの主たるインスピレーションの源は、Snapchatではなくポッドキャスティングであった。

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プロトタイプを早期に作成し、頻繁にイテレーションを行う

同社の共同創設者兼CEOのGilles Poupardin(ジル・プパルダン)氏にアプリの起源について話を聞いたところ、Cappuccinoはプパルダン氏の最初のスタートアップではないようだ。同氏はWhydで数年間、スタートアップとしてのあらゆる経験を積んでいる。資金調達ラウンドを行い、事業の方向転換を決め、ベイエリアのY Combinatorに参加した後、自社のCTOと道を分け、同スタートアップの閉鎖を決断した。

Whydは、AmazonのEchoやGoogleのNestが本格的に登場する前に、ボイスコントロール機能を備えたコネクテッドスピーカーの開発に取り組んでいた。しかし大手テクノロジー企業と競合するのは厳しく、ハードウェアの分野で競争することはさらに困難を極める。

その後Whydのチームは、ユーザーが独自の音声アシスタントを作成できるサービスに取り組んだが、それも期待どおりにはいかなかった。

2019年の夏、Olivier Desmoulin(オリヴィエ・デスモラン)氏はプパルダン氏に連絡を取った。当時デスモラン氏は、オンラインのプライバシーを守るためのアプリであるJumboの設計に取り組んでいた。

「当時、私は会社を再び始めたいかどうか迷っていました。私が(Whydで)行った方向転換は15回にも上りました」とプパルダン氏は語った。

しかし、両氏はソーシャルアプリの次のフロンティアとして、ポッドキャストとAirPods、そしてオーディオ全般について議論し始めた。基本的な前提はシンプルだった。ポッドキャストを聞いている人はたくさんいるが、自分でポッドキャストを作っている人はほとんどいない。

あなたの親しい人が自分のポッドキャストは持っていなくても、InstagramやSnapchatには時々投稿する理由は3つある。

ポッドキャストは長い形式のコンテンツである。

ポッドキャストを録音して公開するのは技術的に難しい。

自分を知らない人たちをオーディエンスとして引きつけようとしている。

Cappuccinoでは、短いコンテンツ、録音しやすい、パーソナルなものという3つの点で従来とは逆のスタンスを目指している。音声を録音する人にとっても、音声を聞く人にとっても、より良い体験になるはずだ。

Cappuccinoの最初のバージョンはアプリではなく、サイドプロジェクトとなっている。「WhatsAppでグループを作って10人から15人を招待し、彼らが録音したボイスメモをオリヴィエへ送ってもらいました」とプパルダン氏は説明する。

オリヴィエ・デスモラン氏が毎晩、GarageBandを使ってすべてのボイスメモをミックスしたものを作成する。朝、同氏はWhatsAppのグループ会話に「カプチーノができました」とメッセージを送る。

画像クレジット:Cappuccino

グループメンバーから肯定的なフィードバックを得た後、プパルダン氏とデスモラン氏はさらに前進してアプリの構築を目指すようになったが、ユーザーを引きつけるソーシャルアプリの作成が非常に難しいことを知っていた。誰も使わないようなものを開発することに時間を浪費しないように留意しながら、迅速に開発を進めた。

「私たちは試しにアプリの最初のバージョンを4日で構築しました。バックエンドサービスとしてAirtableを採用しています」とプパルダン氏は続けた。

またしても、ベータ版ユーザーからのフィードバックはかなり良いものだった。両氏はこのアプリを一部の投資家に披露し、最終的にAlexia Bonatsos(アレクシア・ボナツォス)氏(Dream Machine、元TechCrunch編集者)、SV Angel、Kevin Carter(ケビン・カーター)氏(Night Capital)、Niv Shrug Capital、Jean de La Rochebrochard(ジャン・ド・ラ・ロシュブロシャード)氏(Kima Ventures)、Kevin Kuipers(ケビン・クイパース)氏、Willy Braun(ウィリー・ブラウン)氏、Marie Ekeland(マリー・エケランド)氏、Solomon Hykes(ソロモン・ハイクス)氏(Dockerの創設者)、Pierre Valade(ピエール・ヴァラード )氏(SunriseおよびJumbo Privacyの創設者)、Moshe Lifschitz(モシェ・リフシッツ)氏(Basement Fund)、Anthony Marnell(アンソニー・マーネル氏)、Bryan Kim(ブライアン・キム)氏、Uncommon Projectsなどから120万ドル(約1億3000万円)を調達した。

WhydでかつてCTOを務めていたGawen Arab(ガウエン・アラブ)氏は、再びプパルダン氏とチームを組み、時間の循環がフラットであることを証明した。同氏は現在、Cappuccinoの共同創設者兼CTOとなっている。

画像クレジット:Cappuccino

人にあなたについて話してもらうこと

Cappuccinoのチームは、プレス関係や広告に関しては積極的ではないものの、興味深い急上昇を見せながら徐々に成長している。

2020年の夏、Product HuntのスーパーユーザーであるChris Messina(クリス・メッシーナ)氏がCappuccinoについての記事を書いたが、同スタートアップがProduct Huntでの特集を目指していなかったことは少々驚きだった。それでも、共同創設者たちはProduct Huntコミュニティからの質問に熱心に答えた。

翌日、Product Huntのニュースレターに「次に来るビッグオーディオソーシャルネットワークか?」というタイトルでCappuccinoの特集が掲載され、一部の新規ユーザーを呼び込むことになった。

画像クレジット:Cappuccino

しかし、数週間前にBrittany Kay Collier(ブリタニー・ケイ・コリアー)氏がTikTokでCappuccinoについての動画を公開したことで、事態は本格的に進展し始めていた。同氏はInstagramでプパルダン氏に直接メッセージを送り、多くの再生回数を獲得していることを伝えた。最終的にこの動画は380万の再生回数と85万のいいねを集めている。

プパルダン氏はその2日後、チームへの参加をコリアー氏にオファーした。プパルダン氏はコリアー氏がイエスということをひそかに期待していたし、コリアー氏自身もCappuccinoのような会社で働くことを内心夢見ていた。

ここ数週間で、Cappuccinoは22万5千人に上る新規ユーザーを獲得した。13万のグループが生まれ、約100万件のオーディオストーリーが配信されている。

チームはTwitterでCappuccinoに関する公開記事を読むと、アプリがコアユーザーベースを得ているように感じるという。最も忠実なユーザーは20代の若い女性のようだ。彼女たちは長距離の親友と連絡を取り続けたいと思っている。

大学を卒業後に、それぞれ別の地域へ移っていくこともあるだろう。あるいは現在のパンデミックの影響で、自宅で足止めされているかもしれない。

新規ユーザーは、録音ボタンを押してストーリーを語ることに何の支障も感じないようだ。WhatsAppやiMessageのボイスメッセージに慣れているのだろう。

「オーディオメッセージを媒体とすることが魅力的なのは、Instagramで写真を撮ったり、Snapで写真を送ったり、TikTokでビデオを作ったりしたりするときとは違うストーリーを伝えられることです」とプパルダン氏は語っている。

同社が目指す領域はどこだろうか。Clubhouseはすでに800万ダウンロードを突破している。プパルダン氏は、ソーシャルグラフ、オーディオフォーマット、ユーザーベースにおける差異を挙げた。同氏によると、複数のオーディオアプリに十分な参入の余地があるという。

「動画にはYouTube、Twitch、TikTokなどがありますが、これらはすべて異なるフォーマットになっています。オーディオも同じトレンドに追随する可能性があります」とプパルダン氏はいう。また、ソーシャルアプリがスマートフォンのカメラを取り入れたのは、カメラが自社で開発するには厳しいハードウェア機能だったからであるが、オーディオも自然にそのステップを踏むことになりそうだ。

プパルダン氏は今のところ、他のオーディオスタートアップとは競合していないと感じている。同氏は、人々が目を覚ましたとき、Spotify上のランダムな音楽の代わりにCappuccinoを聞くことを期待している。「孤独を感じる人たちに手を差し伸べるようなものとなるでしょう」と同氏は語った。

関連記事:ソーシャルオーディオアプリClubhouseが800万ダウンロード超え、2021年2月前半に急増

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Cappuccinoポッドキャスト音声ソーシャルネットワークコラム

画像クレジット:Cappuccino

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(文:Romain Dillet、翻訳:Dragonfly)

アップルが子ども向けポッドキャストのキュレーションでCommon Sense Mediaと提携

米国時間3月8日、Apple(アップル)は米国の子ども向けポッドキャストのキュレーションのためにCommon Sense Mediaと提携したことを発表した。家族で楽しむエンターテインメントとして、音声によるものがこのところ関心を集めているためであり、このような関心は、一部にはパンデミックと子どもたちの娯楽のためのスクリーンタイムを短くしたいという親たちの願望によって促されたのかもしれない。

AppleはApple.co/showsforkidsという新しいウェブサイトで、Common Sense Mediaと協力して、ポッドキャストをテーマ別、年齢別にグループ分けした。ローンチ時点でコレクションにはTinkercast、American Public Media、Gen-Z Media、Pinna、Tumble、Highlights、WNYC Studios、Rebel Girls、Nickelodeonといったクリエイターが参加している。

年齢別グループに加えて、一般的な家族向け番組を集めた「Common Sense Media Picks」、ステリアスな物語やアクション満載のドラマを中心の「One More!」、子供たち自身が選んだ番組を紹介する「Kids Know Best」、物語を中心としたショー「Story Time」という4つのテーマ別コレクションも用意されている。

画像クレジット:Apple Podcasts(スクリーンショット)

このサイトは毎月アップデートされて新番組や人気番組が入れ替わり、また、Women’s History MonthやBack to School(新学期)などのテーマの歴史や文化にちなんだ時事的なコレクションも紹介される。

番組の選択基準はCommon Sense Mediaがテレビ番組や映画、書籍、アプリ、ゲームなどにも適用している調査に基づいたものとなる。今回のローンチは、Appleが最近デビューした「Apple for Kids」に次ぐもので、Apple for Kidsは親がFamily Sharingオプションに従って家族のニーズに配慮し、デバイスを子ども向けにセッティングすることをサポートする。

子どもがApple製品を使う時間は長くても、子ども向けポッドキャストの市場はまだ小さい。Appleのポッドキャスト上位100の中に、子ども向けのものはない。しかし専門家によると、今後大人向けポッドキャストの成長にともなって子ども市場も成長する可能性があるという。また、最近のMorning Consultの報道によると、新型コロナウイルスのパンデミックで、家での子どもたちのエンターテインメントに親が気を遣うようになり、オーディオコンテンツへの新しい関心が高まっているという。

その例として、NPRの「Wow in the World」は、パンデミック前に比べてダウンロード数が94%増加した。またNPR’s 2020 Spoken Word Audio Reportによると、現在、米国の大人の15%が、子ども向けの音声コンテンツを聴いている。つまり、親が子どもと一緒にポッドキャストを聴いているのだ。また、子ども向けポッドキャストの普及に努める非営利団体Kids Listenの調査では、ポッドキャストを聴く子どもたちの89%が8歳以下だとMorning Consultは報じている

The Informationの2020年の報道では、Appleは2021年にSpotifyへ対抗するための新しい会員制ポッドキャストを検討しているという。この報道の数週間後にAppleはポッドキャストへの関心をさらに強めたようで、新たな連載編集記事Apple Podcasts Spotlightを立ち上げて興味深い番組制作者の紹介を開始した。

関連記事:アップルが新進気鋭のポッドキャスト製作者に光を当てる「Apple Podcasts Spotlight」発表

このように子ども番組に力を入れることは、おそらくAppleの今後の野心を表している。なぜならポッドキャストを聴いている親の64%が、有料の子ども向けポッドキャストの会員になるというからだ。

新しいシリーズは、米国のApple Podcastsで配信されている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Appleポッドキャスト

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

2021年にSpotifyのポッドキャストリスナー数がアップルを上回るとの予測

Spotifyはポッドキャスティングに多額の資金を投入し、投資家たちは有料サブスクリプション利用者が増え収益が改善してその資金投入に見合う結果が出ることを待っている。しかし結果を出す前に、Spotifyは同社のアプリでポッドキャストを聴く人をもっと増やさなくてはならない。その面で同社には勢いがある。新しい市場予測によると、2021年にSpotifyでポッドキャストを聴く米国のリスナーは1カ月2820万人以上、Appleのポッドキャストリスナーは2800万人となり、SpotifyがAppleを初めて上回ると予測されている。

eMarketerのアナリストは、2021年にSpotifyのポッドキャストリスナーが41.3%増え、その結果逆転が起きると見込んでいる。

さらにその後の2年間でSpotifyはAppleとの差を広げ、2022年までにSpotifyの米国ポッドキャストリスナー数が月間3310万人に対しAppleは2850万人、2023年までにSpotifyが3750万人でAppleはほぼ横ばいの2880万人と予測されている。

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eMarketerは、同社が2018年にポッドキャスト市場の調査を始めて以来Appleのリスナーのシェアは減少していると指摘する。2018年のシェアは34%だったが、2021年には23.8%に下がる見込みだ。

全体としては、米国で毎月ポッドキャストを聴く人は2021年に1億1780万人となり、対前年比で10.1%増えると予想される。ポッドキャストリスナーは毎月デジタルオーディオを聴く人の53.9%となり、初めて50%を超えるだろうとeMarketerは述べている。この成長はSpotifyにとってはメリットがあり、Appleにとっては痛手となりそうだ。

SpotifyやAmazon、Pandoraなどのストリーミングミュージックサービスが音楽とポッドキャストを組み合わせてエクスペリエンスを統合しているのに対し、Appleはポッドキャストを専用アプリとして分けている。このため、ストリーミングで音楽を聴いている、あるいは聴くつもりだったがやはりポッドキャストを聴こうとか、逆にポッドキャストから音楽へというクロスオーバーが起きにくい。Apple以外のアプリでは音楽とそれ以外のオーディオとの切り替えが簡単だ。Pandora Stories、SpotifyのShows with Musicメディアをミックスしたプレイリストのように、音楽とポッドキャストを組み合わせる聴き方もある。

eMarketer予測アナリストのPeter Vahle(ピーター・ヴァーレ)氏は「ポッドキャストと音楽を1カ所にまとめることで、Spotifyは短期間でデジタルオーディオのすべてが揃う便利なワンストップショップになりました。Appleは長くポッドキャストのデファクトの配信場所でしたが、近年ではポッドキャストのコンテンツとテクノロジーに関してSpotifyの投資とイノベーションのペースについていっていません。Spotifyは独自のホスティング、制作、収益化ツールに投資し、ポッドキャストのクリエイターと広告主を育てています」と述べている。

Appleは現在もポッドキャストに関して実験をしているようだ。最近ではエディターによるキュレーションを増やして質の高いポッドキャストに目を向け始めている。Apple TV+の「For All Mankind(フォー・オール・マンカインド)」に関連するポッドキャスト音楽を取り上げるポッドキャストのようなオリジナルのプログラムもいくつかリリースした。しかしAppleはポッドキャストに関する市場の勢いはほとんど無視しているようで、代わりにストリーミングTVや映画、あるいはサブスクリプションベースのフィットネスといった新しい分野への拡大に取り組んでいる。

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Spotifyは買収によってオリジナルや独占のプログラムをすでに手に入れ、次へ進もうとしている。例えば2021年2月下旬には、有料ポッドキャストのサブスクリプション、ブログをポッドキャストにするためのWordPressとの統合、ポッドキャストをインタラクティブにするツールなど今後登場するプロダクトや機能を多数発表した。インタラクティブ機能は、Clubhouseなどソーシャルオーディオアプリが関心を集めていることへの対策だ。

Spotifyは新たにポッドキャスト関連の広告ビジネスにも投資し、オーディオ広告マーケットプレイスのSpotify Audience Networkを始める計画だ。

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eMarketerの予測からすると、Spotify Audience Networkは良いタイミングでの開始になると思われる。eMarketerは、ポッドキャスト広告は2021年に初めて10億ドル(約1073億円)を超えて前年比41%増の12億8000万ドル(約1373億4000万円)に達すると予測している。この数字は今後も増え続け、2021年にはデジタルオーディオ広告全体のうち24%をポッドキャストが占め、2024年には29%になると見られる。

Spotifyがポッドキャストリスナーを実際にどの程度有料サブスクリプションに転換できるか、あるいは広告による収益化がうまくいくかどうかは、もちろんこれから見ていかなくてはならない。ウォール・ストリートジャーナルが2020年第4四半期の収支報告に関する記事で最近指摘したように、何といっても現在のSpotifyは損失を出しているのだ。これは、同社が当面は利益を出すよりも、サブスクリプション利用者の増加とポッドキャスティングに対する投資を引き続き優先していることによる。そして同社の独占モデルには問題があるかもしれないと示す兆しがいくつかある。例えば2020年には同社にとって初の大物ポッドキャストスターであるラッパーのJoe Budden(ジョー・バドゥン)氏との契約を更新できなかった

一方のAppleも独自のポッドキャストサブスクリプションサービスを模索しているようだ。クラウドストレージ、ストリーミングTV、ゲームなどのサービスとバンドルした価値の高いサブスクリプションを検討していると見られる。Amazonはポッドキャストへの投資としてポッドキャストネットワークのWonderyを買収した。これらの要素が今後数年間の動向に影響して、今回発表された成長予測やSpotifyの今後のポッドキャストリスナー数の増加を鈍化させるかもしれない。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)