マイクロソフトが米国内オフィス再開の無期限延期を発表、リモートワークやハイブリッドワークの可能性と課題を提示

マイクロソフトが米国内オフィス再開を無期限延期と発表、リモートワークやハイブリッドワークの可能性と課題を提示

Stephen Brashear via Getty Images

米Microsoftは9月9日(現地時間)、従業員の米国内オフィスへの出社再開を無期限に延期すると発表しました。もともとは10月4日からの再開を予定していましたが、感染力の強いデルタ株の出現など、新型コロナウイルスの不確実性が増しているため、新しい日付は設定せず、公衆衛生上の指針に基づき安全に再開できるようになった時点で再開するとのこと。

再開を決定した際は、30日間の移行期間を設け、従業員が準備できるようにするとともに、データを確認しつつ、引き続き機敏で柔軟な対応ができるようするとしています。The New York Timesによると、米Microsoftはすべての従業員、ベンダー、ゲストがオフィスに入る際には、ワクチン接種証明書の提示が必要になります。

Microsoftによると、今年は世界中でMicrosoft社員16万人が自宅で仕事をし、2万5000人の新入社員がリモートで入社しましたが、Microsoftに仲間がいると感じるとアンケートに答えた人は過去最高の90%を記録。一緒にいると感じるために、物理的に一緒にいる必要はないことを示していると、リモートワークやハイブリッドワークの可能性を感じている様子。ただし、この前向きな傾向が継続するという保証はないともしています。従業員アンケートによると、ワークライフバランスやチームのつながりに対する満足度は、引き続き課題となっているとのことです。

なお、オフィス再開を延期したのはMicrosoftだけではなく、GoogleAmazonは2022年1月まで延期、Twitterは再開時期を未定としています。

(Source:MicrosoftEngadget日本版より転載)

新型コロナ変異株「デルタ株」の高い感染力の仕組みに関する研究結果が発表、スパイクの多さと複製の早さが作用

新型コロナ変異株「デルタ株」の高い感染力の仕組みに関する研究結果が発表、スパイクの多さと複製の早さが作用

数十人の科学者からなる国際的な研究チームが、新型コロナウイルスのパンデミックにおいてデルタ株と言われる種が急速に流行している理由を明らかにする研究結果を発表しました。Nature誌に掲載された研究によると、デルタ株は、これまでの新型コロナウイルスに比べ、免疫抗体に対する抵抗力が強いうえ細胞に感染して自己複製する能力も高いとのこと。

2020年12月にインドで初めて発見されたデルタ株は、日本を含め世界に驚異的な速度で感染を拡大しています。チームは、研究の第一段階において、デルタ株が過去の感染やワクチン接種で生成された免疫抗体をどれほど効果的に回避するのかを調べました。

実験室内での研究によると、新型コロナ感染から回復した人の免疫抗体に対するデルタ株の感受性はオリジナル株に比べて6倍低く、ワクチンで得た抗体では8倍も感受性が低いことがわかったとのこと。

第2段階では、デルタ株がどのように宿主となる細胞に感染し、自己複製するのかを、ヒトの気道の細胞モデルを作成して調べました。その結果、デルタ株は他の種類の株に比べてスパイクタンパク質(画像でいう棘の部分)が多くあり、細胞内への侵入能力が高いことがわかりました。研究者らはいくつかの重要な変異を模倣したシュードタイプウイルスと呼ばれるものを合成し、宿主細胞への侵入の様子を観察してウィルスの表面のスパイクの多さが侵入に効果的に作用しているのを確認しました。また、いったん宿主細胞に侵入したデルタ株は、以前の株よりも短時間で複製されることもわかりました。

これらの要因が、いま世界中でデルタ株が猛威を振るっている理由だと研究者らは考えています。ケンブリッジ大学の上席研究員であるRavi Gupta氏は、この研究でワクチンを接種した医療従事者のうち、その後デルタ株に感染した約100人も研究対象に含んでいたとして、デルタ株に特化したワクチン開発の検討をする必要性がありそうだと述べています。現在のワクチンでもすでに重症化、入院、死亡を防ぐのに非常に有効であることがわかっていますが、研究ではワクチン接種者がデルタ株に感染した際に以前の亜種よりもより高い確率で周囲に感染を拡げてしまっていることもわかったとしました。

インドのCSIR Institute of Genomics and Integrative Biology(CSIRゲノミクス・統合生物学研究所)のAnurag Agrawal氏は、このような感染は、大半がワクチンをすでに接種した地域で静かにウィルスが感染を拡げ、いつの間にか基礎疾患を持つ人たちを感染させて重大な結果を招く可能性があると指摘しています。なかでもワクチン接種済みの医療従事者がデルタ株に感染するのが大きな問題で、その場合医療従事者自身は軽症で済むものの、自身が診ている基礎疾患を持つ人を感染させ重症化させてしまう恐れがあるとのこと。

そのためAgrawal氏は、早急に医療従事者の変異種に対するワクチン反応を高める方法を検討する必要があるとしました。またパンデミックが終息したあとにも、静かな感染拡大を防止するために、感染対策を続ける必要性がある可能性を示唆しました。

(Source:Nature。Via University of CambridgeEngadget日本版より転載)

ヤフーが当日キャンセルによる余剰ワクチン情報をLINEで通知するサービスを東京の医療機関に導入開始

ヤフーが当日キャンセルによる余剰ワクチン情報をLINEで通知するサービスを東京の医療機関に導入開始

ヤフーは9月2日から「ワクチン接種キャンセル枠お知らせサービス」を東京都内6つの医療機関で導入開始しました。

ヤフーが当日キャンセルによる余剰ワクチン情報をLINEで通知するサービスを東京の医療機関に導入開始これは当日キャンセルによる余剰ワクチン情報を、LINEで通知するサービスです(サービスの対象年齢は18歳以上)。利用方法は、下記のとおりです。

LINE機能での登録の手順

  1. ヤフーが当日キャンセルによる余剰ワクチン情報をLINEで通知するサービスを東京の医療機関に導入開始

  1. サービスページに記載されているLINEのQRコードから、「ワクチン接種キャンセル枠お知らせサービス」の友達追加します。
  2. 「キャンセル枠情報部分」をタップし、LINEでログインし、「生月日」と「接種希望地域」の登録をします。最新の対象接種会場は「会場一覧」から確認可能です。

通知受信から予約完了までの手順

  1. ヤフーが当日キャンセルによる余剰ワクチン情報をLINEで通知するサービスを東京の医療機関に導入開始

  1. LINEでログインし、「キャンセル枠情報」をタップ。
  2. 当日のキャンセル枠がある場合のみ、空き情報が記載され、画面上で詳細事項を確認し「予約する」ボタンをタップする。
  3. 日時と会場、受付終了時間、ワクチンメーカーなどの詳細を確認し、「予約する」ボタンをタップすると、予約が完了。
  4. LINEで「予約完了」のお知らせが送付され、会場で「接種予約確認」画面を見せると接種可能。

現在、ワクチン接種のキャンセルなどによるワクチン廃棄が課題となっています。厚生労働省によると、新型コロナウイルス感染症に係る予防接種における職域接種のワクチン廃棄は、7月末時点で全国48会場において総廃棄数量8090回分であると発表されました。

このサービスでは、当日キャンセルされたワクチンの有効活用を目的に7月20日より提供を開始し、これまでに港区乃木坂会場、仙台会場、札幌会場で先行導入された結果、廃棄されるはずだったワクチンの有効活用が実現しました。この度、港区虎ノ門、港区六本木、港区赤坂、渋谷区東、新宿区西新宿、台東区上野にある6つの医療機関でも導入され合計9会場での対応が可能になりました。

ヤフーは引き続き、やむを得ず当日キャンセルされたワクチンをワクチン接種を希望している方々に活用してもらうべく、同サービスの提供会場を順次拡大していく予定とのことです。

(Source:ワクチン接種キャンセル枠お知らせサービスEngadget日本版より転載)

米国政府・自治体はアップルとグーグル共同開発のコロナ接触通知APIを活用できず大失敗との調査結果

米国政府・自治体はアップルとグーグル共同開発のコロナ接触通知APIを活用できず大失敗との調査結果

ArtMarie via Getty Images

Googleとアップルが共同開発した新型コロナ接触通知APIは世界各国のアプリに採用され、日本ではAndroid版の「COCOA」が数か月にわたって事実上機能していなかった一件もありつつも、英国では6000人もの命を救ったと推計されています。

しかしGoogleとアップルの本国である米国では、このAPIを使ったアプリはほとんど失敗に終わったとの調査結果が発表されています。

米Business Insiderの調べによると、米国の多くの州ではアプリ開発さえ行われず、作られても利用率も低く、わざわざアプリに感染記録を残しているユーザーもほとんどおらず、まるで役に立ってないと判明したとのことです。

この報告では、連邦政府から個人に至るまで様々な失敗例が紹介されています。まず最初の問題は、ホワイトハウス(米行政府)が米国で共通の接触通知アプリを作らず、各州に委ねていたことです。

FTC(米連邦取引委員会)の元チーフテクノロジストは、個々の州にアプリ開発を任せたことが全国的な認知度を高め、ユーザーに検査結果を入力してもらう努力を妨げたのではないかと推測。さらに「もし連邦政府がシステムを支援し、このアプリや同種のアプリを全米に広く展開していたら、この数字(使用率)はおそらく大きく変わっていたでしょう」と述べています。

第2に、米国の約半数の州がそもそもアプリを開発しない道を選んだことです。サービスを利用できた28州および準州の人口は約1億8680万人。つまり、残り1億4150万人(全人口の43.1%)もの米国人が一切カバーされなかったわけです。

第3にアプリを展開した州でも、プロモーションや教育が不十分であったため、利用率が極めて低かったことです。一部の州では住民にサービスを検討してもらうことさえ困難であり、たとえばアリゾナ州では人口の1.3%しかアプリを導入しないまま、2021年7月にはプログラムを終了したとのことです。ほかミシガン州では住民の6.3%、ワイオミング州では0.69%(約4000人)しかアプリを入れなかったという低調ぶりです。

最後に、新型コロナの陽性反応が出た人々のうち、実際にアプリに記録した人はわずか2%でした。接触通知アプリは、陽性診断を受けた本人がアプリを通じて報告し、その人と濃厚接触した可能性のある人々に警告することが目的のため、98%もの陽性ユーザーが記録を付けなければまったく意味を成さないことになります。

これは同じAPIを使っている英国民保険サービス(NHS)のアプリでは、実に感染ユーザーの40%以上が報告していたこととは対照的ではあります。

米9to5Macは、多くの米国人が接触通知アプリを「自分の居場所や会った人を追跡している」と勘違いしていたと指摘。その原因のひとつは偽情報ではあるのですが、もう一つは政治家らが接触通知アプリを使っても安心だと説得するどころか、アプリの使用に積極的に反対していたためだと推測しています。

新型コロナワクチンについてもYouTubeで誤情報を拡散する動画がはびこっているほか、ロシアが自国製ワクチン売込みのために偽情報を広めているとの報道もありました

人類と新型コロナとの戦いは、一方で人流を減らしたりワクチン接種を進めるといった物理的な対策をしつつ、他方では反ワクチン主義者の出会い系アプリなど誤情報を抑止することも必須のため、いっそう困難となっているといえそうです。

(Source:Business Insider。Via 9to5MacEngadget日本版より転載)

ワクチン接種証明が必要なレストランのためにデジタルワクチンカードを米OpenTableが作成

ニューヨーク、サンフランシスコ、ニューオーリンズなどの都市では、屋内で食事する人に新型コロナウイルスのワクチン接種義務を制定する動きがある。そこで、オンラインレストラン予約サービスのOpenTable(オープンテーブル)は、レストランがワクチン接種のチェックを効率化できる機能の展開を開始する。同社は米国時間8月23日、生体認証セキュリティ企業であるCLEAR(クリア)との提携を発表し、ユーザーがデジタルワクチン接種証明カードを作成できるようにした。

CLEARは、ユーザーが目と顔をスキャンして本人確認を行うことで、空港のセキュリティを迅速化するサブスクリプションサービスで会社を築いてきた。しかし、新型コロナウイルスの感染流行が始まって以来、同社はユーザーにワクチン接種の証明を提供する無料サービス「Health Pass」を開始した。OpenTableは9月から、CLEARのデジタルワクチン接種証明カードとの連携を、iOSおよびAndroid向けアプリで展開する。

OpenTableのアプリで、ワクチン接種が必要なレストランを予約すると、確認画面の上部にCLEARのバナーが表示される。このバナーをクリックすると、CLEARのデジタルワクチン接種証明カードを作成できる。そして食事の際には、予約確認ページの「CLEAR」ボタンをクリックして、デジタルワクチン接種証明カードを呼び出すことができる。OpenTableによれば、同社が個人の健康情報やワクチン接種証明カードのデータを保存することはないとのこと。

CLEARは、ユーザーのワクチン接種情報を照合できる、ワクチンプロバイダーや薬局のネットワークを持っている。あるいはユーザーが、ニューヨークやカリフォルニア、またはWalmart(ウォルマート)でワクチンを接種した人に提供されるSmart-QRコードをスキャンしてもよい。これら2つの方法ではデジタルで検証される一方で、CLEARはユーザーが米国疾病予防管理センター(CDC)の物理的なワクチン接種記録カードから情報をアップロードすることも受け付けているが、この方法では検証レイヤーが追加されていないため、確実性は高くない。

「CLEARは、画像認識を用いてCDCのワクチン接種記録カードの写真であることを認識し、不正行為に対するセキュリティレイヤーを設けています。このプロセスを通すことで、CLEARのデジタルワクチン接種証明カードはユーザーの認証済みIDと直接結びつくことになり、不正行為の抑止に役立ちます」と、CLEARの担当者は、TechCrunchの取材に語った。このアプリを利用するには、政府が発行した身分証明書をアップロードし、自撮りした写真を送信して本人確認を行う必要がある。

これらのデジタル認証は、偽のワクチン証明カードや他人のカードの写真を使おうとする人たちの不正を防ぐ効果があるだろう。特に、レストランの中には、ワクチンカードと身分証を照合しない店もあるからだ。ニューヨークでは「Excelsior Pass(エクセルシオール・パス)」というアプリを使って、健康記録をもとにワクチン接種の有無を確認しているが、他に同様の技術を導入している州はハワイだけだ。このようにワクチン接種証明の提示を強制することは、多くの州で禁止されている。

今月初め、OpenTableはレストランのプロフィールページに、安全対策として「ワクチン接種の証明」を追加できる機能を導入した。そして個々の食堂は、客が各レストランやレストラングループの入店条件を満たしていることを「認証」することができる。つまり、お気に入りのタコス屋でワクチン接種の証明をしておけば、次回からワクチン接種証明カードを提示する必要がなくなる。これは個人の客にのみ適用されるもので、団体客には適用されない。なお、OpenTableには最近、ダイレクトメッセージ機能が追加され、食事制限の変更をレストランに伝えることもできるようになった。

関連記事:米国のワクチン接種証明アプリ、倫理面でのリスクが潜む中で企業による開発が進む

画像クレジット:OpenTable

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

米食品医薬品局がファイザーとビオンテックの新型コロナワクチンを正式承認

米食品医薬品局(FDA)はPfizer(ファイザー)とBioNTech(ビオンテック)が共同開発した新型コロナウイルスワクチンを正式に承認した。新型コロナワクチンの正式承認は初となる。mRNAベースのワクチンは緊急使用許可(EUA)を通じて2020年後半から使えるようになっていた。別の承認プロセスが終わるまでは12〜15歳への接種はEUAの下に行われるが、16歳以上向けにはPfizerワクチンは正式承認されたものとなる。

承認の取得は、PfizerとBioNTechが正式に米国内でワクチンを販促できることを意味する。そしてFDAはワクチンが「Comirnarty(コミナルティ)」というトレードドレスのもとに提供されることを明らかにした。このトレードドレスはさほどキャッチーな印象はないが、少なくとも「PfizerとBioNTechの新型コロナワクチン」よりは呼びやすい短さだ。FDAの承認はまた、臨床前データ、臨床試験データ、製造に関する情報、EUA期間の使用から集められたデータを含め、ワクチンが安全性と有効性の基準をすべて満たしていることを意味する。

今回の正式承認は、利用できるにもかかわらずワクチンをまだ接種していないことの言い訳として「正式に承認されるまで待つ」と言ってきた日和見主義者に接種を促すものになるという期待がある。少なくとも、パンデミックに向き合う中で接種を躊躇している人にとって理性的ではない無責任なスタンスを正当化することは難しくなる。

ComirnartyはFDAによって「優先審査」対象となっていた。これは実質的に当局が審査を進めるためにそのプロセスに全力を注いだことを意味する。Moderna(モデルナ)の承認については言及がなかったが、こちらも優先的に審査されている。

TechCrunchはTC Disrupt 2021でBioNTechのCEOで共同創業者のUğur Şahin(ウール・シャヒン)氏に話を聞く。9月21〜23日に開催されるバーチャルイベントをお見逃しなく。

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画像クレジット:JUSTIN TALLIS/AFP / Getty Images

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Nariko Mizoguchi

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承認の取得は、PfizerとBioNTechが正式に米国内でワクチンを販促できることを意味する。そしてFDAはワクチンが「Comirnarty(コミナルティ)」というトレードドレスのもとに提供されることを明らかにした。このトレードドレスはさほどキャッチーな印象はないが、少なくとも「PfizerとBioNTechの新型コロナワクチン」よりは呼びやすい短さだ。FDAの承認はまた、臨床前データ、臨床試験データ、製造に関する情報、EUA期間の使用から集められたデータを含め、ワクチンが安全性と有効性の基準をすべて満たしていることを意味する。

今回の正式承認は、利用できるにもかかわらずワクチンをまだ接種していないことの言い訳として「正式に承認されるまで待つ」と言ってきた日和見主義者に接種を促すものになるという期待がある。少なくとも、パンデミックに向き合う中で接種を躊躇している人にとって理性的ではない無責任なスタンスを正当化することは難しくなる。

ComirnartyはFDAによって「優先審査」対象となっていた。これは実質的に当局が審査を進めるためにそのプロセスに全力を注いだことを意味する。Moderna(モデルナ)の承認については言及がなかったが、こちらも優先的に審査されている。

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アルカディア・システムズが新型コロナ余剰ワクチンとキャンセル待ち希望者のマッチングシステムを試験運用開始

ワクチンを1本も無駄にしない、アルカディア・システムズがキャンセル待ち希望者と余剰ワクチンのマッチングシステムを試験運用開始

医療現場で役立つITソリューションを提供するアルカディア・システムズは8月23日、新型コロナウイルスの余剰ワクチンとキャンセル待ちの接種希望者とをマッチングさせるシステム「VAMCS」(ヴァンクス)を開発し、8月中に複数施設での試験運用、また9月には全国展開をはかる予定と発表した。

新型コロナワクチンの不足が続いている。一部には突然の予約キャンセルなどで余ったワクチンをキャンセル待ちの人に融通する措置を講じているクリニックなどもあるが、それには電話連絡や待機者のリスト管理などの業務負担が大きく、実施したくてもできない施設があるとアルカディア・システムズは言う。そこで同社は、ワクチンの簡単な余剰登録をするだけで、メールで自動マッチングをするVANCSを協力施設の指導の下開発した。

キャンセル待ち希望者は、1人で5件まで医療施設に登録でき、医療施設でワクチンの余剰が発生すると順番にメールが自動送信される。医療機関に来訪できる人とマッチングできるまで、15分ごとに次の人へ順番が回され、連絡が行くという仕組みだ。ワクチンは希釈後6時間で利用できなくなるため、すぐに応諾できる方をマッチングできるようにしている。希望者は、有効期限内(メール到着から15分以内)にシステムに応諾の入力をすることで接種予約が完了する。

医療施設の側では、希釈時間、受付終了時間、ワクチン種類、余剰数(シリンジ単位)を入力するだけで、マッチングが開始される。

8月17日の時点で、試験運用に参加している施設は以下のとおり。

  • 福岡東ほばしらクリニック(福岡県福岡市)
  • 岸辺くすのき透析クリニック(大阪府吹田市)
  • 横田クリニック(大阪府大阪市)
  • 下地診療所(沖縄県宮古島市)
  • 大正くすのきクリニック(大阪府大阪市)
  • 一般財団法人 医療情報健康財団(福岡県福岡市)
  • 中馬病院(兵庫県尼崎市)

また現在、試験運用に参加を希望する医療施設を募集している。試験運用に応じた施設には、システムが無償で提供される。9月中予定の本格運用に移ると、医療施設には月額2000円(税抜)の経費がかかるが、試験運用の参加施設は9月以降も無償となる。

アルカディア・システムズは、「VAMCS」というネーミングにはある願いを込めているという。「Vaccines Available Matching Circle System for COVID-19」の頭字語なのだが、この中の「Circle」には、ワクチンの循環という意味のほかに、「みんなで協力して新型コロナウイルスとの闘いに打ち勝てるように」との思いも表現されているとのことだ。

注射に慣れていない医療従事者も対応の「VR注射シミュレーター」が高知県室戸市の新型コロナ・ワクチン接種研修で採用

注射に慣れていない医療従事者向け「VR注射シミュレーター」が高知県室戸市の新型コロナ・ワクチン接種研修で採用バーチャル技術でカラダの動きをデータ化し、社会実装を進めるイマクリエイトは8月20日、EpiNurse高知県室戸市で8月18日に実施したVR活用ワクチン接種研修において、医療従事者向け「VR注射シミュレーター」を提供したと発表した。今後イマクリエイトは、ワクチン接種研修にとどまらず、地域におけるVR活用の検討を進めるとしている。

VR注射シミュレーターは、注射に慣れていない医療関係者でも筋肉注射の研修を効率的に行えるようにするためのVRコンテンツ。体の動きをデータ化するイマクリエイト独自技術「ナップ」を活用し、京都大学大学院医学研究科監修のもと開発した。教育のための人材を派遣することが難しい地域やコロナ禍において多人数の集まることができない状況においても、効率的にワクチン接種のトレーニングを行える。

同シミュレーターでは、新型コロナワクチンに代表される筋肉注射の手順について、VR内に表示されるお手本に沿って行うだけで感覚的に覚え、身に着けられるという。手順の間違いや漏れを防止できるなど高い学習効果が期待されるとしている。

また今回の取り組みでは、VRを用いたワクチン接種研修の他、Psychic VR LabのXRクリエイティブプラットフォーム「STYLY」を用いて、室戸市と東京・イマクリエイトをオンラインで接続し、VR空間内におけるディスカッションも実施した。

注射に慣れていない医療従事者向け「VR注射シミュレーター」が高知県室戸市の新型コロナ・ワクチン接種研修で採用

VR空間内でのディスカッションの様子

EpiNurseは疫学(Epidemiology)と看護学(Nursing)を組み合わせた方法論を防災・減災に実践する一般社団法人。代表理事を務める高知県立大学看護学部教授の神原咲子氏は、「今回VRを導入することによって、視覚的に確認しながら、動作の練習できるのはまた新しいステップに一気に拡張したと思いました。看護研究で、筋肉注射練習用の筋肉を3Dプリンタで作る試みもしていたところで、そういうものと一緒にすることでさらにいろいろな可能性が広がる」とコメントしている。

2022年1月5日から開催する「CES 2022」の参加者はワクチン接種証明が必要に

2022年1月5日から開催する「CES 2022」の参加者はワクチン接種証明が必要に

ROBYN BECK/AFP via Getty Images

2022年1月5日~8日にラスベガスで対面イベントとして実施される予定の国際家電見本市CES 2022ですが、運営元のCTAより、参加するにはワクチン接種証明を提供する必要があると発表がありました。

CES 2022は対面式イベントとしてラスベガスで開催へ

ワシントンなど米国の一部州では、飲食店や劇場など、屋内施設の利用にはワクチン接種証明の提示が義務付けられましたが、CTAとしては、州や地域のガイドラインや、米国疾病予防管理センター(CDC)の勧告に従うとのことです。

世界中から人が集まるだけに、米国で認可されていないワクチン(アストラゼネカや中国のシノファームなど)を接種している場合にどうなるのかなど、気になるところではあります。ただ、ワクチン接種証明の代わりに、抗体検査が陽性であることを証明して参加できる可能性もあるとしており、こちらに関しては、後日詳細を共有するとのことです。

ウイルスの変異体も広がっており、この先パンデミックがどうなるのか見通しが難しい状況ですが、CTAは引き続き状況を監視・評価し、開催日に近い段階でプロトコルの追加や修正を発表する予定としています。

(Source:CTAEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:イベント(用語)CDC / 米国疾病予防管理センター(組織)新型コロナウイルス(用語)CES(イベント)ワクチン(用語)

「STORES 予約」活用した「ワクチン接種予約システム」での累計予約数が128万件超に

「STORES 予約」活用した「ワクチン接種予約システム」での累計予約数が128万件超に

「お商売のデジタル化」を支援する「STORES」(ストアーズ)プラットフォームのヘイ(hey)は8月17日、オンライン予約システム「STORES 予約」(ストアーズ予約)を活用した「ワクチン接種予約システム」の累計予約数が128万件に達したと発表した。

heyは、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種予約システムとして、STORES 予約を自治体・病院・企業・教育機関などへ向けて無料提供してきた。2021年5月の無料提供開始以来、全国の各機関・職域接種における導入が加速し、6月以降にはシステムを通じた予約数も大きく伸長、8月には累計約128万件に達した。「STORES 予約」活用した「ワクチン接種予約システム」での累計予約数が128万件超に

STORES 予約では、職域接種の再開やクリニックなどでのワクチン接種状況を鑑みて、追加での申し込みについてもサポートを継続し、ワクチン接種完了に向けたスムーズな予約管理を支援するとしている。

申し込み・問い合わせは「ワクチン接種予約システム特別プラン」特設サイトから行える(申し込み状況により早期に締め切る可能性がある)。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:新型コロナウイルス(用語)hey(企業)ワクチン(用語)日本(国・地域)

新型コロナワクチン誤情報の投稿でツイッターが米共和党員のアカウントを一時停止

Twitter(ツイッター)は米国時間8月10日、ジョージア州の共和党員Marjorie Taylor Greene(マージョリー・テイラー・グリーン)氏がワクチンは新型コロナウイルス(COVID-19)の拡大を抑制しないと主張するツイートを投稿したことを受け、同氏のアカウントを一時停止した。

グリーン氏は「これらのワクチンは失敗であり、ウイルスの拡散を抑制しない。マスク着用もそうだ」と、科学者らに反論し、FDA(米食品医薬品局)にワクチン承認を拒否するよう求める内容をツイートした。グリーン氏のツイートは同氏のフィードに残ったままだが、Twitterの誤情報警告も一緒に掲載されており、警告の中でユーザーにCDC(米疾病対策予防センター)の情報を案内している。

TwitterはTechCrunchに、グリーン氏のツイートは「(社の)新型コロナに関するミスリーディング情報規則に則ってラベルが貼られ」、プラットフォーム規則を「繰り返し破った」ために同氏のアカウントは7日間閲覧のみのモードとなる、と話した。グリーン氏は2021年7月、ウイルスは65歳以下の健康な人にはほぼ害を及ぼさないと誤った主張を展開したために12時間の一時停止処分となった

Twitterの現在の新型コロナ関連誤情報に関する違反回数に基づくシステムにおいて、今回の新たな一時停止は同氏に対する4回目の措置となる。グリーン氏はTwitterで繰り返し規則を破っていて、同氏のアカウントが復活後に5回目の違反を犯した場合は永久追放となる危機に瀕している。

新型コロナ感染の症状悪化を大幅にそして効果的に抑制したり、感染を予防することがわかっている3種のワクチンが接種できるにもかかわらず、米国の新型コロナ新規感染の件数は増えている。フロリダ州は1日あたりの新規感染者数の最多を更新し続けていて、ワクチン接種が始まる前の2020年の新規感染者数を上回っている。

極めて感染力の強いデルタ変異種のケースが増えているにもかかわらず、オンライン上の誤情報が引き続きワクチン接種に対して米国人を消極的にさせる主要因となっている。ワクチン接種率が最下位の州の1つであるアラバマでは、住民が新たな変異種に対していかに脆弱であるかを認識するにつれて誤情報の件数は増加傾向にあり、ワクチンを接種していない人に痛ましい被害を及ぼしている。

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カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Twitter新型コロナウイルスワクチンアメリカ誤情報陰謀論

画像クレジット:Bloomberg / Contributor / Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

Yelpが新型コロナワクチンに関するポリシーを共有できる事業者向けツールを導入

米国では企業や店舗が客やスタッフに対してワクチン接種証明を要件とすることを選ぶようになっているなかで、ビジネス検索・レビューのサイトYelp(イェルプ)は企業や店舗がそうしたポリシー変更を顧客に案内できる新たなツールを導入する。Yelpは米国8月5日、事業者がどのようなパンデミック対応を取っているのか消費者が理解できるよう、2つのプロフィール属性「ワクチン接種証明が必要」と「スタッフはワクチン接種完了」の提供を開始した。

政府はワクチン接種証明を必須とすることを企業に義務付けていないが、一部の都市は独自の規則を導入している。つい最近、ニューヨーク市が屋内のレストランやスポーツジム向けにワクチン接種証明を必須とする初の都市となり、サンフランシスコも同様の義務化を検討中だ。他の都市も後に続くことを選ぶかもしれない。

加えて、米国各地の地方の事業主たちは連邦政府や州のガイダンス以外の対策を実行している。例えば顧客にマスク着用やワクチン接種証明を求めたり、スタッフにワクチン接種を義務付けたりといったものだ。こうした選択は往々にして犠牲を伴い、ソーシャルメディアで批判を浴びたり、ワクチン反対派の人からひどいレビューを書かれたりするリスクがある。

新機能はそうした反応を和らげようとする試みだとYelpは説明する。

事業者が新型コロナワクチン規則に関する2つの新しいオプションの使用を選んだ場合、顧客による攻撃から事業者を守るために、自動化されたシステムと人間のモデレーターの組み合わせを積極的に展開する、とYelpは話す。

Yelpは「レビュー爆撃」問題を解決するためのシステムを長らく採用しているが、ここ数カ月、そうした問題はひどくなっていると話す。

過去に、世間から否定的な見方をされた事業者は直接的な関わりがない人からレビューをつけられることがあった。それはYelpの規則に違反している。フェイクのレビューの可能性がある場合や、異常な動きが急増している事業者のページを訪れる人にYelpは警告する。同社はときとして、ユーザーがレビューを残せないようにすることすらある。一部のケースでは、Yelpは規則違反の虚偽レビューを削除する必要もある。

しかし2021年1月以降、新型コロナに関する健康と安全のための慣行で世間の注目を集めている事業者への対応で、そうした事業者のページに100超のUnusual Activity Alerts(異常活動警告)を出さなければならなかった、とYelpは話す。ここには、従業員や顧客にワクチン接種を求めると事業者が顧客に伝えた場合も含まれていた。

その結果、Yelpはコンテンツガイドライン違反で4500件近くのレビューを削除しなければならなかった。

Yelpはすでにこうした種の事案に対処していたため、いま正式に事業者が新たなプロダクトを通じて新型コロナ慣行を前面に出す方法を導入する。

Yelpは2020年6月に黒人所有という属性を、その後他のアイデンティティ属性(ラテン系の所有アジア人の所有、そしてLGBTQの所有など)を立ち上げたとき、似たようなシステムを導入した。Yelpのガイドラインに違反する増悪に満ちた、人種差別的、あるいは有害なコンテンツがないか、こうした属性を採用した事業者ページを積極的にモニターした。

新型コロナ規則に関する新しい機能に対し、事業者からの需要がある、とYelpは話す。

「事業者、消費者のどちらもYelpがワクチン関連の属性をリリースすることに関心を示してきました」と同社のユーザーオペレーション担当副社長Noorie Malik(ノーリー・マリク)氏は語る。「何カ月もの間、顧客や従業員に対してワクチン接種を要件とする事業慣行を我々は目にしてきました。その結果、実際の体験よりもコロナワクチンに対する事業者のスタンスにフォーカスしたレビューの増加も目にしました」とマリク氏は説明した。

事業者は、新型コロナに関する情報を共有することを選ぶとき、偽のレビューがないかページが積極的に監視されていると安心したい。

もちろんYelpは、同社のレビュープラットフォームが顧客の詳細な直の体験から外れた場所となれば、サービス全体が以前ほど有用でなくなることを理解している。

「毎日Yelpにやってくる何百万という人に支出に関する情報を提供し、Yelpは常に地域の事業者に関する信頼できる情報源として活用されてきました」とマリク氏は話した。「消費者が事業者と関わりを持つとき、関連する直の体験についてのリソースを持つのは大事です。これは、消費者の体験からのレビューを貴重なものにしている公衆衛生危機にあってはさらに重要とも言えます」。

新機能は現在展開中で、Yelp for Businessアカウントページでチェックできる。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

アップルが反ワクチン主義者の出会い系アプリ「Unjected」をApp Storeから削除、Google Playでは公開継続

アップルが反ワクチン主義者の出会い系アプリ「Unjected」をApp Storeから削除、Google Playでは公開継続

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アップルは新型コロナや誤報に関するガイドラインに違反したとして、反ワクチン主義者の出会い系アプリ「Unjected」をApp Storeから削除しました。このアプリは「医療の自主性と言論の自由を支持する、志を同じくする人々」のための場所と自称しており、記事執筆時点ではAndroid版は今なおGoogle Playで公開されています。

Bloomberg報道によると、このUnjectedアプリは5月にサービスを開始したもの。ユーザーはプロフィールの作成や他の人とのマッチング、メッセージのやり取りなどを行うことができたと説明されています。

本アプリは基本的には反ワクチン主義者のための出会い系サービスであり、その公開は偶然にもTinderやBumbleといったマッチングアプリが新型コロナワクチン接種をユーザーに勧める特典を追加した時期と重なっており、そのため「アンチワクチン主義者向けのTinder」と呼ばれていたそうです。

また最近UnjectedはFacebookやTwitterのようなソーシャルフィードを追加したところ、これが(Android版では)Google Playによる審査のきっかけとなり、ユーザーが投稿した誤報を含むコンテンツを十分に取り締まっていないと判明したとのことです。GoogleはUnjected社へのメールで、ワクチンが「実験的なmRNA遺伝子改変剤」や「生物兵器」だという主張、人々を5Gネットワークに接続する「ナノテクノロジーマイクロチップ」などの投稿にフラグを立てた(規約違反と判断した)と伝えられています。

そして7月16日、GoogleはUnjected社に対して、それら投稿を削除するか、あるいはアプリをストアから削除されるかを選ぶ2週間の猶予を与えることに。それを受けてUnjectedの共同創設者シェルビー・トムソン氏は「私たちは検閲の綱渡りをしなければなりませんでした」と語りつつ、最終的にはソーシャルフィードを削除しています。

しかしトムソン氏は、フラグが立てられた投稿とともにソーシャルフィードを復活させる予定であり「レーダーに探知されないようにしたい」と語っており、反ワクチン活動を諦めるつもりはなさそうです。

一方、iOS版のUnjectedアプリは最近までApp Storeで配信されており、この件につきBloombergがアップルにコメントを求めたところ、削除されたとのことです。アップルはUnjectedの開発者に、削除理由を「コンセプトやテーマにおいて、COVID-19感染拡大に言及していることが不適切である」と伝えたそうです。

アップルの広報担当者いわく、最初の審査プロセスではUnjectedを拒否し、新型コロナ関連アプリのポリシーに準拠するよう変更した後にアプリを承認したとのことです。が、それ以降「開発者がユーザーに対して対外的に発言したり、アプリを更新しましたが、その結果、再びコンプライアンスから外れることになりました」と述べられています。

さらにアップル広報は、Unjected社がユーザーに対して、検出を避けるために特定の言葉を使わないように勧めていたとも付け加えました。こうした行いは、App Store Reviewガイドラインにある「システムに対して不正を働こうとした場合は(中略)そのデベロッパのAppはApp Storeから削除されます」の箇所に抵触するというわけです。それらアップルの回答は、米Engadgetも確認しています。

新型コロナのワクチン接種に反対する人々は世界各地でデモを起こすなど、少なからず社会問題となっています。すべての人々がどのように考え、どういった思想を持つことも自由ですが、あくまで正しい知識に基づいて行動し、誤った情報を拡散しないよう心がけたいところです。

(Source:Bloomberg。Via 9to5MacEngadget日本版より転載)

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パンデミックの影響が鈍化し始めている

スタートアップとマーケットの週刊ニュースレター「The TechCrunch Exchange」へようこそ。

先週私たちの仕事は中国で始まりアフリカのスタートアップ活動を掘り下げもう一度中国を扱い、ラテンアメリカのスタートアップエコシステムを深く掘り下げ、そしてそしてRobinhood(ロビンフッド)IPOの再考で締めくくった。言い換えれば、実際にはほとんど何も起こっていなかったのだが。

金曜日にAmazon(アマゾン)の株が急落するのをみて驚いたことだろう。なにしろ、同社はこの四半期に1130億ドル(約12兆3940億円)をわずかに超える巨額の収益を記録したのだ。そして、パブリッククラウドビジネスであるAWSは、順調に進んでいるように見えている。

しかし、投資家はそれ以上の成長を期待しており、それに応じてシアトルを拠点とするeコマースプレイヤーAmazonの価格を設定していたのだ。Amazonが収益に対する期待を裏切って、2021年第3四半期の成長を「2020年第3四半期と比較して10%から16%の間」成長となることを予測したために、投資家たちがその株を手放したのだ。

しかし、金融プレスの一部が指摘しているように、投資家からひどい目にあわされているのはAmazonだけではない。Etsy(エツィー)とeBay(イーベイ)も今週下落している。投資家たちは、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックのおかげで電子商取引にもたらされた急成長期が、少なくとも鈍化していて、実質的には終わっている可能性を予想しているようだ。つまり、スタートアップを含む多くの企業で評価額がリセットされるということだ。

パンデミックの初期段階で減速したすべての企業が苦しんでいるわけでもない、Duolingo(デュオリンゴ)は成長が鈍化しているにもかかわらず、公開企業として力強い第1週を過ごした。しかし、デルタ変異種があろうとなかろうと、投資クラスは市場の枠組みを変えている。それを心に留めておくのが賢明だろう。

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それは新しい製品だ

先週から私の脳裏を離れないのは、Robinhoodが消費者投資に関するゲームをどれだけ変えたかということだ。もちろん、先週は主に同社のIPOとそのやや軟調な初期の取引実績について取り上げた。しかし、最終的なS-1/A申請書に埋もれているのは、Robinhoodの文化的影響に関する新しい証拠なのだ。

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同ユニコーンの申請書の冒頭に掲げられているのは2つの統計値だ。それは以下のようなものだ。

画像クレジット:Robinhood

げっ、と思ったかもしれないが、これが示しているのは膨大な投資アカウント数と、毎月のアクティブユーザー数だ。だが考えてみれば、これらは2021年3月31日の数字だ。それらはすでに古くなっている。同じ申請書内で、Robinhoodは、6月30日までの四半期に投資アカウント数が2250万に増加したことを示している。これは、1四半期で25%の成長だ。

当然のことながら、2021年の第2四半期には、二度と起こらないことがいくつか起きたが、それでもこれはなお驚くような結果だ。

Robinhoodの初期の投資家であるIndex(インデックス)のJan Hammer (ヤン・ハマー)氏は、彼の投資先の公開を受けてコメントを送ってきたが、同社の動向は、金融サービスを揺るがすためにハイテク企業によって行われている動きの一部なのだと主張している。Robinhoodのような企業は「古い金融商品に新しい塗装を施したものではない」と彼は書いている。

それは正しいと思う。そして重要な点は、時代遅れのウェブサイトや二流のモバイルエクスペリエンスを提供している市場の既存のプレイヤーたちを酷評しているところだ。たとえばZ世代が、Robinhood、eToro(イートロ)、M1 Finance(M1ファイナンス)でなければ代わりに何を使えば良いというのだろう。まあよくわからないがジョン・ハンコック(アメリカ独立戦争を資金面で支えた政治家)とか?。彼らが言うように、歯磨き粉はチューブに戻らない。

Fidelity(フィデリティ)とVanguard(ヴァンガード)は、一体どうすればRobinhoodのユーザーたちに自分たちのサービスに戻るように説得できるというのだろう?彼らはそうできるのだろうか?それともある世代の投資家たち全員が既存の金融プレイヤーを完全にスキップしてしまったのだろうか?強気のRobinhoodは後者のように考えているに違いない。そしてその見方を私も打ち消すことができないのだ。

Robinhoodの業績が、今後の何期かの四半期にどのように推移するかはわからないが、RobinhoodのMAU(月間アクティブユーザー数)や、M1のAUM(運用資産残高)などを考えると、フィンテックのスタートアップたちは信頼できる401(k)業者たちのいくつかを出し抜いたと言えるだろう。それはフィンテックたちが間もなくさらに深く掘り下げると、私が確信している市場だ。

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アフリカについて

アフリカに戻ってみよう、7月のデータはどうだっただろうか?私たちのアフリカ大陸の2021上半期の力強いパフォーマンスの調査は、6月で終わっていたので、いくつかのデータを追加しておこう。アフリカを情勢をウォッチするThe Big Deal(ザ・ビッグ・ディール)によれば、アフリカのスタートアップたちはこの四半期に71回のラウンドで3億800万ドル(約337億8000万円)を調達した。これは約37億ドル(約4058億2000万円)のランレートだ。よりシンプルに言えば、アフリカのスタートアップは、ベンチャーキャピタルの調達に関しては、これまでで最高の年を迎えている。

ではまた、ワクチン接種が無事に終わりますように。

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画像クレジット:TechCrunch

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(文: Alex Wilhelm、翻訳:sako)

フェイスブックもグーグルと同様に職場復帰する従業員にワクチン接種を義務付け

Google(グーグル)のSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)CEOは、米国時間7月28日、同社が従業員に対し、現場で仕事に復帰する前にワクチン接種を義務付けることを発表した

このことは、GoogleおよびAlphabet(アルファベット)のスタッフに送られた手紙に書かれており、新型コロナウイルスのデルタ変異型が世界的に流行し続けていることから、同社が在宅勤務ポリシーを10月18日まで延長することにも言及している。

また、Facebook(フェイスブック)のVPであるLori Goler(ローリー・ゴーラー)氏は、TechCrunchへ送られたメッセージの中で、このソーシャルメディアの巨大企業が同様のポリシーを採用していることを認めた。

「オフィスの再開にともない、米国内のすべてのキャンパスに出勤する人には、全員にワクチン接種をお願いする予定です」と、ゴーラー氏は書いている。「このポリシーをどのように実行するかは、地域の状況や規制によって異なります。医療上の理由やその他の理由で予防接種を受けられない人々にはプロセスを用意し、状況の進展に応じてそれ以外の地域でアプローチを評価していく予定です。当社は引き続き専門家と協力して、すべての人の健康と安全を優先したオフィス復帰計画を立てていきます」。

この声明と同様の同様の文言で、ピチャイ氏が書いた長文の手紙にも「医療上またはその他の保護された理由で」という例外を分けている。Facebookでは当初、9月に半数、10月までに全員の職場復帰が計画されていたが、ゴーラー氏のコメントには、この復帰時期の変更については示されていない。

先週、同社の広報担当者は、The Wall Street Journal(ウォール・ストリート・ジャーナル)紙に「専門家のガイドラインでは、デルタ変異を含む新型コロナウイルスの変異種の予防にはワクチンが非常に有効であるとされています。オフィス再開までのスケジュールに変更はありません」とコメントしている。

両社の声明とも、地域や州の規制、医学的または個人的な懸念、そしておそらくは地域によって大きく異なるワクチンへのアクセスなどに基づき、会社の方針にある程度の幅を持たせている。

また、Amazon(アマゾン)もTechCrunchの問い合わせに対し「アマゾンの従業員や契約社員には、新型コロナウイルスワクチンが入手可能になり次第、ワクチンを接種することを強く勧めます」と回答している。

同社の現在のガイドラインでは、オフィスに戻るためにワクチン接種が必要というわけではないようだが、ワクチンを接種していない従業員にはマスクの着用が義務付けられている。ワクチン接種を完了したことが証明されている人は、顔を覆うことは任意となっている。

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カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Facebook新型コロナウイルスオフィスリモートワーク新型コロナウイルスワクチンアメリカGoogleAlphabetAmazon

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ツイッターが新型コロナ感染再拡大を受け再開したばかりのNYとSFのオフィスを閉鎖

ニューヨークとサンフランシスコのオフィスを再開してわずか2週間、ソーシャルメディア大企業Twitter(ツイッター)は米国時間7月28日、それらのオフィスを「すぐに」閉めると明らかにした。

この決定は「CDC(米疾病予防管理センター)のアップデートされたガイドラインを熟慮し、現状を踏まえてのもの」と広報担当は話している。

「Twitterはニューヨークとサンフランシスコのオフィスを閉鎖し、予定していた他のオフィスの再開も一時停止することを決めました。この措置はすぐに取られます。当社は引き続き各地域の状況を注視し、Tweeps(ツイッターユーザー)の健康と安全を優先する必要な措置を取ります」と広報担当は付け加えた。

同社は7月12日に2つのオフィスを再開したばかりだった。各オフィスで働く人数は明らかにしなかった。

CDCは今週、伝染力の強いデルタ株についての懸念が強まる中で、ワクチン接種完了者に新型コロナウイルス感染率が高い地域の屋内でのマスク着用を推奨した

この記事の前に、GoogleのCEOであるSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏がオフィスに戻る従業員にワクチン接種を義務付けることを発表した、とTechCrunchのBrian Heater記者が報じた。ワクチン接種の義務付けはGoogleとAlphabetの従業員に宛てたレターの内容の一部であり、新型コロナ変異種が引き続き世界中で拡大している中で、同社が在宅勤務措置を10月18日まで延長することもレターには記されていた。

TechCrunchへのメッセージの中で、Facebook(フェイスブック)の人事担当VPのLori Goler(ロリ・ゴーラー)氏は同社も似たような措置を取ることを認めた

Amazon(アマゾン)もこの件に関するTechCrunchからの問い合わせに対し「当社はAmazon従業員と契約業者に新型コロナワクチンが利用できるようになり次第すぐさま接種するよう、強く奨励しています」と述べた。

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タグ:TwitterニューヨークサンフランシスコCDC / 米疾病予防管理センターオフィス新型コロナウイルスワクチン

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Nariko Mizoguchi

グーグルが米社員に新型コロナワクチン接種を義務付け、オフィス勤務再開は延期

リモートワーク向けのツールを作り出したテック企業にとっても、オフィスでの業務再開は大きなチャレンジだ。Google(グーグル)のような企業は、2020年3月にいち早く在宅勤務を推奨したのちにオフィスを閉鎖し、自宅から仕事するよう求めた。(世界の大半とともに)バランスを取ることをともなった日々だったが、同社は2020年5月に一部の従業員向けにオフィス勤務再開計画の作成を開始した。

デルタ株や他の新型コロナウイルス変異株が予定していた正常復帰を脅かす中で、AlphabetのCEOであるSundar Pichai (サンダー・ピチャイ)氏は同社のニューノーマルについて明らかな見解を示した。Google Keywordブログにも掲載された従業員に宛てたレターの中で、ピチャイ氏はGoogleの社屋で働く従業員はワクチンを接種する必要がある、と述べている。

「数週間内に米国でこの規則を導入し、今後数カ月で他の地域にも拡大します」とピチャイ氏は述べた。「導入は地域の状況と規則によって異なり、ワクチンがその地域で広く利用できるようになるまでは規則は適用されません」。

問題を複雑にしているのは2番目のポイントだ。デルタ株の流行により同社の在宅勤務は10月18日まで延長された一方で、その日以降ワクチンを接種していない従業員がどうなるのかについてはまだ完全に明らかではない(新型コロナによるさらなる在宅勤務措置の延長はないと仮定して)。ワクチンを接種していない人はGoogleのオフィスやリモートで働くことができないかもしれない。

しかしピチャイ氏のレターは「健康上の理由、その他考慮すべき理由」があるワクチン未接種者向けの特例に言及している。Googleはそうした特例を何に適用するのかについて明確にしていない。

「特異な状況にある人のために、2021年末まで自宅から働くことを申し込める、拡大した一時的な労働オプションを間もなく共有します」とピチャイ氏は書いている。「また、育児や介護をしている人のためにExpanded Carer’s Leave(育児・介護者の一時休職)を年末まで延長します」。

Apple(アップル)などの他のテック大企業もまた、新型コロナ感染の高まりを受けて規制が導入される中で、オフィスに戻る計画を後ろ倒しにし、小売店舗でのマスク着用を義務付けた。Facebook(フェイスブック)を含む他の企業は元々決めていた秋再開の計画を維持している。

「専門家のガイドラインには、デルタ株を含む新型コロナ変異株の予防にワクチンが極めて効果的であると書かれています」とソーシャルメディア大企業Facebookの広報担当はつい最近ウォールストリートジャーナル紙に述べた。「オフィスを再開するという我々のタイムラインに変更はありません」。

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画像クレジット:Sundry Photography / Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

米民主党、反ワクチンの陰謀論を後押しするSNSの保護を停止する法案提出

2人の民主党上院議員が米国7月22日に提出した法案は、ソーシャル・メディア・プラットフォームが反ワクチンの陰謀論やその他の種類の健康に関わる誤まった情報を後押しするなら、プラットフォームが頼りにしている責任の盾を取り上げてしまおうというものだ。

Amy Klobuchar(エイミー・クロブチャー)上院議員(民主党、ミネソタ州)とBen Ray Luján(ベン・レイ・ルハン)上院議員(民主党、ニューメキシコ州)が提出した「Health Misinformation Act(健康誤情報法)」は、通信品位法(Communications Decency Act)第230条に新たな除外規定を設け、アルゴリズムによって宣伝された健康に関する誤った情報や陰謀に対してプラットフォームが責任を負うようにする。プラットフォームは第230条により、ユーザーが作成し、プラットフォームがホストする膨大な量のコンテンツに対する法的責任から守られている。

「あまりにも長い間、オンラインプラットフォームは米国人の健康を守るために十分な努力をしてきませんでした」とクロブチャー氏は話す。「こうした企業は世界でも有数の大金持ちであり、致命的なワクチンの誤情報が広がるのを防ぐためにもっと努力しなければなりません」

この法案では、第230条の文言を具体的に変更し、「インタラクティブ・コンピューター・サービスにより作成または展開された健康に関する誤った情報」がアルゴリズムによって増幅された場合には、責任保護を取り消すとしている。この例外案は、新型コロナウイルスの出現のように、国家的な公衆衛生上の危機が宣言された場合にのみ発動し、平時は適用されない。この法案では、健康誤情報の定義を保健福祉省(HHS)の長官に委ねることになっている。

法案には「テクノロジープラットフォームに組み込まれている機能が誤情報や偽情報の拡散を助長している。ソーシャルメディアのプラットフォームでは、個人がコンテンツをシェアして『いいね!』やコメントなどにより肯定的なシグナルを得るインセンティブが働く。正確であることよりも参加することが報われる」とある。

この法案では「偽情報の12人」にも言及している。このレポートによると、反ワクチン活動家のRobert F. Kennedy Jr.(ロバート・F・ケネディ・ジュニア)氏やその他の陰謀論者を含むたった12人が、反ワクチンの偽情報エコシステムの大部分を説明している。リストに載った人物の多くは、Twitter(ツイッター)やFacebook(フェイスブック)などのソーシャルメディアで依然として自らのメッセージを公然と発信している。

第230条を擁護する人々は、この法律に新たな例外を設けることは危険だと考えている。同条は、YelpやRedditからこの記事の下にあるコメント欄に至る全てを可能にしている現代のインターネットの根幹をなす部分であり、予期せぬ二次的な影響が生じる可能性があることから、この法律はそのままにしておくべきだと主張している。

しかし、民主党、共和党を問わず、議会の一部の議員は、大手ソーシャルメディア企業を規制するために、同条を貴重な手段だと考えている。ホワイトハウスは、司法省やFTC(米連邦取引委員会)を通じて肥大化したハイテク企業に影響を与える独自の方法を検討しているが、バイデン氏のオフィスは今週初め、大統領も同条を「検討している」と述べた。しかし、トランプ元大統領も気づいたように、同条を弱体化させることは議会だけが成し遂げられる仕事であり、それさえもまだ望み薄だ。

最近、新型コロナの誤情報への対応をめぐってバイデン大統領と議論を戦わせたFacebookは、民主党の新法案について曖昧ながらも協力的な姿勢を示した。Facebookの公共政策担当副社長のKevin Martin(ケビン・マーティン)氏は、「健康関連の誤情報に関する困難かつ緊急な問題をはっきりさせることは有益であり、議会や業界と協力して改革のための選択肢を検討することを楽しみにしています」と述べた。

民主党の新法案は、第230条の改正案としてはかなり的を絞っているが、超党派の支持は得られそうにない。共和党は、大企業の責任保護の一部撤廃に関心があるものの、一般的には、プラットフォームが削除するコンテンツの数が少なすぎるのではなく、多すぎるという見解だ。また、共和党は自らが新型コロナワクチンに関する誤った情報を流す可能性が高く、ワクチン接種を党派的な問題に仕立て上げている。この法案が通るかどうかはともかく、驚くべき数の米国人がワクチンを接種するつもりがないことは明らかだ。より感染力の強い変異種が増え、寒い季節が近づいているにもかかわらず。

「ワクチン未接種者の間で新型コロナの感染者数が増加するにつれ、ソーシャルメディア上でワクチンにまつわる誤った情報が増えています」とルハン氏は第230条の変更案について述べた。「命が危険にさらされているのです」。

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

医療機関用災害対策システム「Smart:DR」を手がけるSmart119が災害時の病院初期対応アプリを公開

医療機関用災害対策システム「Smart:DR」を手がけるSmart119が災害時の病院初期対応アプリを公開

テクノロジーによる緊急医療の改善に取り組む千葉大学発の医療スタートアップSmart119(スマートイチイチキュウ)は、医療機関用災害対策システム「Smart:DR」(スマートディーアール)をスマートフォンやタブレットに対応させた「Smart:DRアプリ」を開発。7月15日、Android版iOS版を公開した。

Smart:DRは、災害やテロの発生時に「スタッフの安否確認」「集合要請」をスムーズに行い、医療機関や企業が被害を最小限に抑え、BCP(業務継続計画)策定による事業継続や復旧、傷病者の救命を支援するシステム。Smart119によると、同システムを導入した医療機関からの要望に応え、アプリ版を開発したという。

アプリ版では、受信したメッセージをより明瞭に把握できるほか、災害発生地点の表示や、健康状態の報告も従来より容易になっているそうだ。また、新型コロナウイルスのワクチン接種状況や副反応発生の有無などの情報収集も可能で、院内クラスター発生抑止や職員の健康管理に貢献するとしている。

主な特徴は次のとおり。

Smart:DRの特徴

  • スタッフへの緊急連絡、安否確認
  • 緊急時の集合状況をリアルタイムに把握でき、最適な人員配置を支援
  • 医学的見地に基づいた健康管理情報を自動集計
  • 返信は、ワンクリックで完了でき、ログイン不要
  • 掲示板機能を有し、平時においても活用できる

アプリ版を使うことで「医療従事者が通常時からSmart:DRを積極的に活用し、緊急時に、スムーズに危機管理体制へ参加」することが期待されるとSmart119は話している。

2018年5月設立のSmart119は、「安心できる未来医療を創造する」を目指し、現役救急医が設立した千葉大学医学部発のスタートアップ企業。Smart:DRをはじめ、音声認識とAIを活用した救急医療支援システム「Smart119」、緊急時医師集合要請システム「ACES」の開発・運用も行っている。また千葉県千葉市において、日本医療研究開発機構(AMED)の救急医療に関する研究開発事業を実施した。

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