人工衛星用の電気推進機構を開発しているOrbion Space Technology(オービオン・スペース・テクノロジー)は、シリーズBラウンドで2000万ドル(約22億1000万円)を調達した。同社はこの資金で「Aurora(オーロラ)」推進システムの生産能力を拡大すると述べている。
ミシガン州を拠点とするOrbion Space Technologyは、小型・中型衛星用のホール効果プラズマスラスラスターを製造している。スラスターは、人工衛星(または宇宙ステーションのように軌道を維持する必要のある宇宙物体)の寿命が尽きるまで、軌道高度の調整、衝突の回避、軌道離脱のために使用される。ホールスラスターは、磁界を利用して推進剤を電離させ、プラズマを生成する。
Orbion Space Technologyは2019年8月に、920万ドル(約10億2000万円)のシリーズA資金を調達した。その時以来、同社は米国の宇宙システムの回復力をテストしている米国防総省との研究パートナーシップを確保している。2020年9月には、小型衛星の製造を手がけるBlue Canyon Technologies(ブルー・キャニオン・テクノロジーズ)との契約も獲得した。
今回の資金調達は、米国とインドのベンチャーキャピタルであるInventus Capital Partners(インベンタス・キャピタル・パートナーズ)が主導し、Material Impact(マテリアル・インパクト)、Beringea(ベリンジア)、Wakestream Ventures(ウェイクストリーム・ベンチャーズ)が加わった。
「宇宙開発は変化しています」と、Inventus Capital Partnersの投資家であるKanwal Rekhi(カンワル・レキ)氏は声明の中で述べている。「PCがメインフレームに取って代わったように、大型衛星は多数の超小型衛星に取って代わられようとしています。Orbionはこれらの超小型衛星に、より正確な軌道に入り、より長く留まるための機動性を提供しています」。
誰がオークションで落札したのかについても、もうしばらく待たなければならない。落札者については今日のライブオークション終了から「数週間以内に発表される」見込みだ。有人宇宙飛行能力の開発に何年も費やしてきたBlue Originにとって2800万ドルは大きな臨時収入になるのではと思った人もいるかもしれないが、そうではない。同社はオークションの売上をClub for the Futureに寄付する。子どものSTEM教育を促進する非営利団体であり、長期的には人間が宇宙で暮らせるようにするというベゾス氏の大きな目標をサポートする。
Center for the Advancement of Science in Space(先端宇宙科学センター)の暫定チーフサイエンティストで、米ISS国立研究所のマネージャーであるマイケル・ロバーツ氏は、この技術が今後10年以内に実用化される可能性があると述べています。そして「これが我々の未来です。15〜20年後にはすべての臓器を作り出すことができるかもしれません」とこれらの技術への期待を語りました。
Apollo Fusionは「アポロ・コンステレーション・エンジン(ACE)」と「ACE MAX(ACEマックス)
」という2種類の電気推進装置を製造しており、どちらもクリプトンとキセノンの推進剤に対応している。同社は、York Space Systems(ヨーク・スペース・システムズ)から、2022年に打ち上げが予定されている低軌道(LEO)衛星コンステレーション・プログラムの推進システム供給メーカーに選ばれているという。
Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏が、7月20日に打ち上げられるBlue Originの初の有人宇宙フライトに搭乗する。Amazon(アマゾン)創業者である同氏が米国時間6月7日朝、自身の弟であるMark Bezos(マーク・ベゾス)氏も一緒に行くことをInstagramで明らかにした。ベゾス兄弟はBlue Originが現在行っているオンラインオークションの落札者とフライトをともにする。1座席がオークションにかけられていて、現在の最高入札額は280万ドル(約3億円)だ。
ロケットは米国東部時間午後1時29分にフロリダ州のケープ・カナベラルを、南と東から嵐の雲が迫っていたものの、予定どおりに離陸。第1段機体は計画どおりに分離し、打ち上げから8分後に大西洋に浮かぶ「Of Course I Still Love You(もちろん、今でも君を愛している)」と名づけられた無人船にタッチダウンした。カプセルを軌道に投入させる第2段は、打ち上げから12分後に分離、こちらも予定どおりだった。
この太陽電池パネルは、Dragonの非加圧トランクに収納されている。iROSA(ISS Rool-Out Solar Arrays、国際宇宙ステーション・ロールアウト式太陽発電パネル)をISSに送るミッションは3回予定されており、今回はその1回目だ。ラポイント氏によれば、各ミッションでは2セットずつ運ばれることになっているという。全部で6セットのiROSAが設置されれば、合計120KWを超える電力を生み出すことができる。2021年3月に特別目的買収会社との合併による上場を発表したRedwireは、新しいiROSAによって、ISSの発電量は20~30%向上すると述べている。
Virgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)に新たな顧客International Institute for Astronautical Sciences(IIAS)が加わった。同研究所は研究者、市民科学者、STEMインフルエンサーのKellie Gerardi(ケリー・ジェラルディ)氏を、Virgin Galacticの専用機に搭乗させる予定だ。ジェラルディ氏は、宇宙飛行が宇宙飛行士に与える影響をリアルタイムで調査するための新しいバイオモニターシステムなどのヘルスケア技術の研究を中心に、さまざまな実験を行う予定となっている。