日本郵政、ドローンで郵便局間輸送を開始 国内初の目視外飛行

eng-logo-2015日本郵政は、ドローンを使った郵便局間輸送を11月7日に開始します。

福島県の小高郵便局(南相馬市)と、浪江郵便局(双葉郡浪江町)の間、約9kmを、補助者を介さずにドローンが目視外飛行するとのこと。積載物は2kg以内で、地面から60m以下の高さを約54km/h以下の速度で飛行します。

日本郵便は、補助者なしの目視外飛行の承認を国内で初めて得てのサービス開始と説明。南相馬市およびび浪江町も「福島ロボットテストフィールド」や「福島浜通りロボッ ト実証区域」を整備し、ドローン輸送における自由度の高い飛行の受入れを進めています。

飛行予定日は11月7日以降の毎月第2・第3週 火曜日から木曜日。飛行予定時間は9時から16時の間で、1日に最大2往復します。

人手不足が深刻化する昨今、ドローンなどの新技術を使った効率的な輸送システムの実用化が急務となっています。

Engadget 日本版からの転載。

Twitterにハロウィン限定のいいねボタン登場、片手でハロウィンを楽しもう

今日10月31日はハロウィンだ。日頃は仕事で忙しいTechCrunch Japan読者も、今は仮装の準備で大忙しなのかもしれない。でも、なかには「ハロウィンは渋谷で他人の仮装を見る日だ」と決め込んでいる人もいるだろう。そんな人たちのために、Twitterが一肌脱いでくれた。片手でもハロウィン気分を楽しめるような仕組みを用意してくれたのだ。

Twitterは、特定のハッシュタグがついたツイートに対して「いいね」を押すと、通常はハートマークのボタンがジャック・オ・ランタンに変わるキャンペーンを発表した。キャンペーンが適用されるハッシュタグは以下の通り。

  • #Halloween
  • #Halloween2018
  • #HappyHalloween
  • #TrickOrTreat
  • #ハロウィン

TechCrunch Japanの公式Twitterアカウントでも、このハロウィンタグを使ったツイートを作ってみた。それに「いいね」を押してジャック・オ・ランタンの出現を楽しんでもいいし、コメントで編集部に向けて仮装した写真を送って頂いてもいい(本音は、僕らもそれでハロウィン気分を楽しみたい)。それでは、Happy Halloween!

日本酒スタートアップのClearが7500万円を調達——D2CモデルのECサービス「SAKE100」運営

日本酒に特化した事業を展開するスタートアップのClearは10月31日、KLab Venture Partnersおよび複数の個人投資家から、総額7500万円を資金調達したことを明らかにした。

「日本酒は懐が深く、人生を豊かにする飲み物。世界中の人にその魅力を知ってもらいたい」と語るのは、Clear代表取締役の生駒龍史氏だ。Clearは2013年2月の設立で、日本酒のサブスクリプションコマース事業から始まった日本酒スタートアップ。現在は、2014年にローンチした日本酒メディア「SAKETIMES」、131カ国で読まれる英語版の「SAKETIMES International」を運営する。

また2018年7月からは、D2Cモデルの日本酒ECサービス「SAKE100(サケハンドレッド)」をスタート。高品質・高価格の“プレミアム日本酒”を酒蔵とともに開発し、ネット経由で販売している。

例えば、山形県の楯の川酒造と開発した日本酒「百光(びゃっこう)」は、山形県産の有機栽培で作った酒米を精米歩合18%まで磨いて作る。吟醸酒の精米歩合は60%以下、大吟醸でも50%以下、というのが決まりなので、この磨き度合いは相当なもの。もちろん精米にも醸造にも高い技術が要ることだろう。

SAKE100で扱う日本酒にはほかにも、単に「究極の高級酒を造る」というだけでなく、耕作放棄地となっていた田んぼを開墾し、その土地で育てた酒米を使って醸した、という純米酒「深豊(しんほう)」や、濃厚で甘い、デザートワインならぬ“デザートSAKE”などもある。

SAKE100では「日本酒の魅力をさまざまな価値軸で打ち出すことで、世界中で認知され、親しまれる」ことを目指している。画一化された評価軸を突き抜けた日本酒を提案することで、高価格市場の形成を狙う。

「Clearの強みは、SAKETIMESなどのメディア運営を通じて日本酒の世界にどっぷり漬かり、蔵元や酒販店の動向や、売れ筋の傾向など、業界のことがよく分かっている点だ」と生駒氏はいう。「もともと、めちゃくちゃ日本酒が好きでビジネスのことも分かる集団が、好きが高じてやっている。業界がよく分かる人間がスタートアップ的に戦うことで、勝算があると考えている」(生駒氏)

同社にとって今回の資金調達は、VCが参加する初めてのエクイティによる調達となる。調達資金により、国内D2Cコマース成長のためのマーケティング強化を行うとともに、アメリカ・中国・香港・シンガポールなど、海外市場への展開も進める構えだ。

「世界一の日本酒企業を目指す」と話す生駒氏。SAKE100リリースに当たり、2018年7月、Clearは既存の酒販店を子会社化しているが、これも「制限のない事業展開を行うため」とのことだ。

「酒類小売業免許を新規に取得すると、3000キロリットル以上製造する酒蔵のお酒を売ることができないなど、免許上、制限がある。事業をスケールさせるなら大きい蔵と組む必要があるが、それができないのは困る。そのため、制限のない、旧来の免許を持つ酒販店を子会社化することにした」(生駒氏)

日本酒の輸出は8年連続で拡大しており、2017年の輸出額は約187億円、2018年は200億円を超えるのではないかと見られている。ただ一方、フランスワインの輸出額は年間90億ユーロ(約1兆1800億円)にものぼり、桁違いだ。生駒氏は「日本人以外にも日本酒を飲む人を増やすために、早い段階で海外にもブランドを展開して、アプローチしたい」と話している。

生駒氏はまた「日本酒を“社会ごと化”するために、IPOも目指している」という。「これまでの日本酒業界は“家業”か“免許”で縛られた閉鎖的な世界。『家を継ぐ』『免許があるからやる』ということではなく、社会に絡ませることでその世界を広げたい。そのためには、IPOにより、投資の対象として日本酒が見られることも効果があるのではないかと考えている。今まで日本酒だけの製造・販売で上場した企業はないが、上場することで社会に日本酒の価値・意義をつなげたい」(生駒氏)

ブロックチェーンアプリとユーザー繋ぐ“ポータル”へ、ブラウザ連動型ウォレット開発のスマートアプリが資金調達

昨年頃から、TechCrunchの記事内でも「Dapps」というキーワードが登場する機会が増えてきた。

Dappsとはブロックチェーンを利用した分散型アプリケーションのことで、仔猫を育成・売買する「CryptoKitties」やモンスターを捕獲したり交換して楽しむ「Etheremon」といったゲームが有名どころ。もちろんゲームに限った話ではなく、たとえばLINEは自社のトークンエコノミー構想の中でQ&Aやグルメレビュー、未来予想など5つのDappsサービスを開発中であることを発表している。

今回紹介したいのは、そんなDappsとユーザーの距離を繋ぐ“ブラウザ連動型ウォレット”を開発するスマートアプリだ。同社は10月31日、セレスを引受先とした第三者割当増資により5000万円を調達したことを明らかにした。

なおセレスとは業務提携も締結。「くりぷ豚」(セレスとグラッドスリーが共同運営)においてメディアパートナーシップ連携を結んでいる。

スマホからDappsにアクセスできるブラウザ連動型ウォレット

スマートアプリが開発している「GO! WALLET」はイーサリアムに特化したブラウザ連動型ウォレット。従来はPCブラウザを通じて利用していたイーサリアム上で動くゲームやDappsアプリに、スマホからアクセスできるブラウザ機能を備える。

現時点ではCryptoKittiesやEtheremon、くりぷ豚を含むゲームのほか、複数の分散型取引所やDappsに関する情報を扱ったメディアなどが掲載。ユーザーはGO! WALLETアプリ内のブラウザ上から各種Dappsを楽しめる。

ウォレットとしては個人情報を登録せず匿名で利用できる点がひとつの特徴。利用のハードルを下げる一方でセキュリティ面を考慮して、ウォレットの秘密鍵はサーバーにも格納されず、スマホ端末アプリ内のみに保存される仕組みを採用した。

「GO! WALLET」のブラウザからアクセスできるDappsと、ブラウザから「くりぷ豚」を起動した際の画面

ブラウザ機能を持つウォレットアプリ自体はすでに出始めてはいるが、GO! WALLETでは多様なコンテンツを紹介する機能やブラウザの操作性を磨きつつも、それに留まらない仕組みを加えていく計画のようだ。

「コンテンツを紹介するブラウザ機能だけではなく、昔でいうiモードのようなプラットフォームをブロックチェーンベースのアプリケーションの世界で実現したいと思っている。その取っ掛かりとして最初に作ったのがウォレットアプリ。このアプリを引き続きブラッシュアップしながらも、連動したさまざまなサービスを作っていく」(スマートアプリ代表取締役社長CEOの佐藤崇氏)

Dappsの成功事例を作る

佐藤氏はモバイルサービスの黎明期だった2003年にビットレイティングス(その後アクセルマークに吸収合併)を創業。モバイル検索サービス「froute.jp」を含む複数のサービスに関わってきた人物だ。同社を離れた後にモブキャストに参画し、取締役としてプラットフォーム事業を推進。2015年にスマートアプリを立ち上げている。

同年6月にEast Ventures、山田進太郎氏、藪考樹氏などから3450万円を調達。最初の事業としてスマホ向けのアプリを紹介するメディア「AppCube」をリリースした。佐藤氏いわく「将来的にはサードパーティのアプリストアを目指したサービス」だったが、AppleやGoogleの公式ストアの機能強化が進み、デベロッパーやエンドユーザーからも強いニーズがなかったため2016年に撤退。そこから試行錯誤を続けていたという。

そんな佐藤氏がブロックチェーンに着目したのは2017年のこと。ブロックチェーンベースでアプリが作れることに関心を持ったことに加え、かつてモバイル業界で一緒にチャレンジしていた知人たちが相次いでこの領域に参戦したこともきっかけとなった。

「その中でWebとブロックチェーンを繋ぐ仕組みをベースとしたサービスを作るのがいいのではと考えた。PCでは『MetaMask』がすでに存在し、これと連動したサービスが出てきているけれど、当時スマホでやってるところはほとんどなくて。企画の整備を始めていた頃にCryptoKittiesが登場したこともあり、このマーケットはやっぱりくると感じてリソースを集中した」(佐藤氏)

ローンチを間近に控えた頃には同様の特徴を持つ「Trust Wallet」がBainanceに買収されるというニュースが話題になったりもしたが、まだまだプレイヤーは少なく、そもそもDappsの数自体が少ない状況。まずはDappsの市場を作りたいという思いで10月にGO! WALLETのiOS版をローンチした。

今回セレスとタッグを組むことに至ったのも、そのような背景の中で「自社単体でやっていてはなかなかスピード感が出ないと感じた」ため相談しにいったことがきっかけだ。

「サービス自体を洗練させて、GO! WALLET上でいろんなアプリケーションが展開できるようなデベロッパーを増やしていく必要がある。そのためにはどんどん送客していって、きちんとマネタイズできた成功事例を作っていかないと市場は大きくならない」(佐藤氏)

ユーザーとコンテンツを繋ぐポータルへ

今回佐藤氏に話を聞いていて興味深かったのが、現在のDapps市場がガラケーが主流だった初期のモバイルインターネット領域に似た状況だと表現していたことだ。

「当時は勝手サイト(非公式サイト)でサービスを作っていると、『砂漠に草を植えて何やっているの』と言われるような時代。多くの企業は着メロのコンテンツなどを作り、iMenuを通じて配信するのが主流だった。ただそこから少しずつ(勝手サイトを作る)コンテンツプロバイダーが登場することでマーケットが拡大していった」(佐藤氏)

これは黎明期のソーシャルゲーム業界にも似ていて、現在のDappsについてもまさに市場が拡大する大きなうねりの過程にあるのではないかと言う。

今後スマートアプリではパートナープログラムを通じて引き続きメディアやDappsデベロッパーとの連携を深めていくほか、ユーザーが今以上にカジュアルにDappsを使えるような取り組みや機能改善を行っていく方針。一例としてユーザーにトークンやアイテムを配布する仕組みも検討するという。

「(Dapps市場においては)まだまだユーザーとコンテンツが繋がる仕組みが足りない。ウォレットとしては安全性ももちろん大事ではあるが、いろいろなコンテンツを遊べるとか、操作性が優れているなどそちら側にフォーカスすることで、新たな市場が切り開けるのではないかと考えている」(佐藤氏)

充電不要、洗濯可能なAppleも認めるヘルスタグは日本発売なるか?ーーSpireのCEOがTC Tokyoに登壇!

海外では2018年9月より各地のAppleストア店頭で発売されているヘルスモニター「Spire Health Tag」。このちっちゃくてかわいい黒色のタグは充電不要(電池は1年半もつ)かつ洗濯可能で、運動時間や消費カロリー、心拍、呼吸、睡眠の質などのデータを“一日中”収集する。計測データは専用アプリで確認可能。呼吸や心拍などからストレス状態を検知し、適切な休憩を促すなどのアドバイスも行う。

使い方はとても簡単で、ユーザーはいくつかの衣服を選び、それらにタグを取り付けるだけ。計測するためにはこのヘルスモニターが肌に直接触れている必要があるので、女性なら昼間はブラジャー、夜はパンツやパジャマに、男性は下着のウエストゴム部分への取り付けが推奨されている。

Spire Health Tagは3個パック130ドル、6個パック230ドルでAppleストアにて販売されており、それよりも大きなセットはSpireのウェブサイトで購入できる。

そんなSpireの創業者でCEOを務めるJonathan Palley氏が11月15日(木)11月16日(金)に渋谷ヒカリエで開催される日本最大級のスタートアップ・テクノロジーの祭典「TechCrunch Tokyo 2018」に登壇することが決定した。プロダクト開発にまつわるエピソードに始まり、どのような医療ならびに社会的課題の解決を目指しているのか、そしてハードウェア・スタートアップ特有の苦労話など多くを語ってくれるそうだ。

Spire CEOのJonathan Palley氏

先週Palley氏とビデオチャットで話す機会があったのだが、彼は「ヘルス・テクノロジーの未来について話したい。日本には多くの高齢者がいるが、彼らにはより優れたヘルスケアが必要だ。家族と離れて暮らしている高齢者など、Spireは多くの人を健康に保つためのソリューションを提供している」とTechCrunch Tokyoへの参加を意気込んでいた。

9月20日よりアメリカ、イギリス、そして中国のAppleストアで販売されているSpire。日本で発売される日は近いのだろうか。値段もそれほど高くもないのでぜひ試してみたい。

今年のTechCrunch TokyoにはSpireのPalley氏の他にもTwitterプロダクトリードのKayvon Beykpour氏、TOYOTA AI VenturesマネージングディレクターのJim Adler氏、メルカリ 取締役社長兼COOの小泉文明氏など国内外から多くの著名ゲストに登壇していただくことが決定している。詳しくはこちらのイベント公式ページを参考にしてほしい。お得な前売りチケットは本日10月31日23:59までの販売となっているのでこのチャンスを逃さないでいただきたい!一般チケットは4万円(税込)だが、前売りチケットは3万円(税込)とかなりお得な値段に設定している。

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早稲田大学が総額20億円規模の公式ファンド設立へ——ウエルインベストメント、Beyond Nextと提携

早稲田大学は10月30日、同大学の研究成果を活用するスタートアップへの出資を目的とした総額20億円規模のファンド組成を目指し、ウエルインベストメントおよびBeyond Next Venturesの2社と提携契約を締結したことを発表した。契約締結日は10月29日。ファンドが設立されれば、早稲田大学にとっては初の公式なベンチャーファンドとなる。

同大学では、教員や学生が設立したスタートアップに対し、これまで早稲田大学インキュベーションセンターなどを通じて、コンサルタントによる経営相談や施設の提供などの支援を行ってきた。

今回の提携により、ウエルインベストメント、Beyond Next Venturesの両社は、早稲田大学の技術シーズを活用したスタートアップの育成強化に向け、シード、アーリーステージの企業に投資するベンチャーキャピタルファンドを2018年内にも設立する予定だ。

また、早稲田大学と両社では、スタートアップ創出のための各種支援プログラムの企画運営や、事業化可能な研究シーズの発掘、ハンズオン支援などの施策も行っていく。

Beyond Next Venturesは、10月22日に2号ファンドを設立したばかり。同社代表取締役社長の伊藤毅氏は「1号ファンドでは、東京大学協創プラットフォーム開発のLP出資を受けているが、ファンドとして特定の大学色を付ける考えはない」と東大・早大以外の各大学との連携も進める考えを示している。一方で「早稲田大学の公認アクセラレーターとして、今まで以上にシーズの発掘を行い、支援したい」とも述べている。

「メルカリ創業者の山田進太郎氏をはじめ、早稲田大学出身でITベンチャーを創業した人はたくさんいるが、大学発の技術シーズ、特に研究室発の技術はビジネスとして理解されにくく、アカデミアに埋もれているものも多い。技術シーズをビジネス側の人が『面白い』と思ってもらえるようなプランに作り替えて示していくのも、アクセラレーターとしての仕事だ」(伊藤氏)

Beyond Next Venturesでは、早大発のスタートアップに対し、ファンドによる起業後のエクイティ資金の提供のほかに、技術シーズの発表会の運営、同社が運営するアクセラレーションプログラム「BRAVE」への参加促進を通じて、メンタリングや事業化を支援するために必要な人材の提案、ビジネスプランのブラッシュアップなど、実践的なサポートも提供していくとしている。

なお、Beyond Next Venturesは同じ10月30日、三井不動産およびライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J)と連携して、東京・日本橋にライフサイエンス領域のスタートアップが利用できるシェア型ウェットラボ「Beyond BioLAB TOKYO」を2019年2月に開設することも明らかにしている。シェアラボ開設の経緯やアクセラレーターとしての思いについて伊藤氏に詳しく聞いたので、近日中にご紹介したい。

新iPad Pro登場は確実か、Apple Special EventをTC&Engadgetが今夜実況生放送

【新型iPad発表!?】アップル新製品発表イベント実況生放送~Engadget日本版 & TechCrunch Japan

日本時間の10月30日23時、アップルは米国ニューヨーク・ブルックリンでスペシャルイベントを開催する。既報のとおり、Face IDを搭載したベゼルレスの新iPad Proシリーズが発表される確率が非常に高い。

applespecialevent

長らくアップデートがなかったiPad miniの新モデルやMacBook Airのアップデートがあるというウワサもある。サイトから抹消されている純正ワイヤレス充電パッド「AirPower」の登場も考えられる。

TechCrunch Japanでは、このスペシャルイベントに合わせてニコニコ生放送で実況中継することが決定した。スペシャルイベントの映像自体は放映できないが、現地取材しているEngadget日本版の矢崎編集長が撮影した写真や動画を披露しながら、アップルの狙いなどを解き明かしていく。

“特許調査”の負担をAI判定システムで削減、ゴールドアイピーが阪大VCから1.4億円を調達

AIを活用した特許審査シミュレーションシステム「IP Samurai」を開発するゴールドアイピーは10月30日、大阪大学ベンチャーキャピタルから1.4億円を調達したことを明らかにした。

同社は2017年3月にシリーズAで未来創生ファンド、みずほキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、三生キャピタルから1.28億円を調達していて、今回の資金調達はそれに続くシリーズBの一環だ。シリーズBでは阪大VCを含む7社から合計で3.5億円を調達。これまでの累計調達額は4.78億円になる。

以下はシリーズBの投資家陣だ。

  • 大阪大学ベンチャーキャピタル
  • クレスコ
  • 西武しんきんキャピタル
  • 日本技術貿易
  • コア
  • Kips
  • エリートネットワーク

ゴールドアイピーが開発するIP Samuraiは、発明内容をテキストボックスに入力するだけで使える特許審査シミュレーションシステムだ。入力した内容を基に特許分類付与、先行技術調査、発明の内容理解・認定、特許登録可能性のランク付けまでを実行。ユーザーの特許調査業務をサポートする。

2018年4月に提供を始めた米国特許に対応したα版は、トヨタ自動車の子会社であるTTDC(トヨタテクニカルディベロップメント)を含む9社と契約済み。また特許庁の知的財産インテリジェンスサービス内でもIP Samuraiの無料版が開放されていて、現在約250人がサービスを利用しているという。

なお無料版は米国特許商標庁の2005~2009年および2016年発行の特許公報を対象にしたもので、全ての米国特許商標庁のデータを母集団とはしていない。特許性に関する評価は、ワンランク程度低い評価可能性であり、引例の根拠や番号は不記載となっている。

ゴールドアイピーでは11月にIP Samuraiの日本公報版、来年4月にはパーソナライズ機能やレポート機能を備えた正規版をリリースする計画。今回調達した資金を活用してプロダクトの開発、機能改善を進める。

コインチェック、新規口座開設と一部通貨の入金・購入を再開

コインチェックは10月30日、2018年1月に発生した仮想通貨流出事故の影響でこれまで停止していた新規口座の開設、および一部仮想通貨の入金・購入を再開すると発表した。仮想通貨の入金再開対象となる通貨は、BTC、ETC、LTC、BCH。購入再開の対象通貨は、ETC、LTC、BCHとなる(BTCの売買はもともと停止対象外だった)。

今回の一部サービス開始により、コインチェックにおいて現時点で利用できるサービスは、新規口座開設、仮想通貨の入金・購入(BTC、ETC、LTC、BCHに限る)、仮想通貨の出金・売却(全取扱通貨)、日本円の入出金、レバレッジ取引における決済と証拠金の入金、Coincheck貸仮想通貨サービス(全取扱通貨)となる。

なお、コインチェックは仮想通貨ETH、XEM、LSK、XRP、FCTの入金・購入や、ビットコイン決済サービスの「Coincheck Payment」などの各種サービスについて、「引き続き安全性の確認を行い、準備が整い次第、順次再開してまいります」とコメントしている。

TC Tokyoで自分フィギュアを作ろう!CCCフォトライブラボの「3D SNAP」展示決定

いよいよ開催まで約2週間と迫った「TechcCrunch Tokyo 2018」。来場いただいた方に楽しんでいただけるような展示が決まったのでお知らせしたい。カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)のグループ会社であるCCCフォトライフラボが開発した3Dスキャンスタジオ「3D SNAP」だ。

TC Tokyoの来場者は、この3D SNAPによる撮影と3Dモデルの受け取りまで無料で楽しむことができる。また、希望者は後日、自分の3Dモデルを使った“自分フィギュア”を購入することも可能だ。

Raspberry Pi製のカメラ

撮影はとてもスピーディ。実際に僕も自分の3Dモデル作りを試してみたのだけど、スペースの真ん中にある白い台に立つと、撮影は「いきまーす。3・2・1パシャ」という形であっという間に終わった。ハードウェアの構成もとてもシンプル。カメラは1台数千円ほどで購入できるシングルボードコンピューター「Raspberry Pi」を利用し、カメラモジュールも純正のものを使用している。

クルクルと回転する自分を眺めて楽しもう。マウス操作で拡大したり、モデルを上下左右にひっくり返すこともできる。

撮影から数日後、ユーザーには3Dモデルが無料で配布される。自分自身の3Dモデルをマウス操作でいろいろな角度から眺めるのは結構楽しかった。ちょっと恥ずかしいけれど、取材時に撮影した僕の3Dモデルをリンクしておくので参考にしてほしい。髪の毛の流れや服のシワなども再現されていて、とてもリアルだ。

この3Dモデルをただ眺めるだけでも楽しいけれど、それを友人や家族にも自慢したいという読者はフィギュアやFacebookプロフィール用の3Dデータを購入することも可能だ。

お笑いコンビ・どぶろっくの江口直人氏のフィギュア

今年のTechCrunch Tokyoでは、メルカリ、Twitter、Toyota AI Venturesからゲストをお招きし、来場者のみなさんがワクワクするようなセッションを用意しているのはもちろん、この3D SNAPのような体験型の展示も複数用意している。チケットをすでに購入いただいている方はぜひ楽しみにしていてほしい。チケットをまだ購入していない方は、以下のリンクからぜひ検討してほしい。オトクな前売りチケット(3万円)の販売は10月31日までだ。

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ヤフーが新たにインフルエンサー向け動画投稿サイト開設、“短尺動画”メインに毎月500本配信へ

つい先日「TikTok」のByteDanceが会社評価額で世界最大のスタートアップになったというニュースを紹介したけれど、YouTuberやVtuberのトレンドを見ていても個人のクリエイターが投稿する動画コンテンツの可能性はどんどん広がっているように思う。

そんな個人クリエイターやインフルエンサーの活動の幅を広げるプラットフォームがまた新たに立ち上がった。運営するのはヤフーだ。

同社は10月30日、厳選されたクリエイターやインフルエンサーが自身の作品や動画コンテンツなどを自由に投稿できるプラットフォーム「Yahoo! JAPAN クリエイターズプログラム」を開設した。

このプログラムでは各クリエイターが投稿した動画を「ショートフィルム」「おもしろ/ネタ」「トレンド/カルチャー」「モノ/ガジェット」「How to」「専門マスター」という6つのカテゴリーに分類。ユーザーは全ての動画を無料で視聴できる。

投稿されるのはオリジナルの動画コンテンツで、ショートフィルム以外は1〜2分前後の“短尺動画”だ。11月1日時点で各業界で活躍するクリエイター約200名が参加する予定。今後は毎月500本を超える動画コンテンツを、公式サイトのほか「Yahoo! JAPAN」アプリやYahoo! JAPANのトップページなどで配信していくという。

ヤフーでは2012年に専門家や有識者が個人として情報を発信する「Yahoo!ニュース 個人」をスタート。今回のプログラムではYahoo!ニュース 個人で培ったノウハウも活用しつつ、複数のパートナーとタッグを組んでクリエイターをエンパワーメントすることを目指す。

たとえば制作支援においては動画マーケティングや動画メディア事業を展開するViibarと連携。動画制作のノウハウをマニュアル化しクリエイターに無料で提供する(両社は2015年に資本業務提携を締結)。動画コンテンツの制作経験が少ないクリエイターに対しては動画制作ツール「RICHKA」をカスタマイズし、こちらも無料で提供するという。

そのほか著名クリエイターをマネジメントするUUUMやインフルエンサーマーケティングを手がけるサイバー・バズなどとも連携し、新たなクリエイターの活躍支援スキームを構築していく計画だ。

今後は動画コンテンツだけでなく、記事や写真、イラストなど多様なコンテンツにも対応した「総合的な投稿プラットフォーム」へと拡大していく予定。参加クリエイター同士のつながりの強化、ユーザーとのコミュニティづくりやリアルな交流イベントなどにも力を入れるという。

スマホからTポイントで株式投資、CCCとSBIが新会社設立――19年春に営業開始へ

近年、テクノロジーを活用した“新しい資産運用の形”の開発に取り組むスタートアップが増えている。

最近紹介したものだとLINEとタッグを組み「LINEスマート投資」を始めたFOLIOや、19.5億円を調達したばかりのスマホ証券会社One Tap BUY、株価連動型ポイントサービスを開発するSTOCK POINTなど。ロボットアドバイザー関連ではウェルスナビお金のデザインなどが大型の調達もしている。

ただ、この領域に注目しているのは何もスタートアップだけではない。今日新たにスマホをメインチャネルとした金融サービスの開発を発表したのは、SBI証券とCCCマーケティングだ。両社は10月30日、金融事業における資本業務提携契約を締結し、本日付で合弁会社SBIネオモバイル証券を設立した。

SBIネオモバイル証券の軸となるのは、Tポイントによる「Tポイント投資」。ユーザーはTポイントを使って金融商品が購入できるほか、取引に応じてTポイントをもらえる。同社ではスマホのみで取引が完結する環境を整備する方針で、Tカードの購買データを活用した投資情報サービスの提供も検討しているという。

同社の発表によると国内株のほか、ロボアドサービス「WealthNavi」も取り扱う計画のようだ。

今回の提携は個人投資家の裾野を広げ、最も身近な金融サービスを実現することを目的としたもの。特に資金面や知識面などが資産形成のハードルになっていた若年層のユーザーに対し、資産形成の「新しい価値」の提供を目指す。

森川社長が目指すT層/F1層特化型メディア「C CHANNEL」の未来とは?

LINEで代表取締役社長を務めていた森川 亮氏(写真右)が、2015年3月に同職を離れ、元日本テレビの三枝孝臣氏とともに同年4月から始めた女性向けの動画メディア「C CHANNEL」。スマホの縦型動画にいち早く目を付けたメディアで、現在では世界で600万ダウンロードを記録している。

C CHANNELの特徴は分散型のSNSになっている点。C CHANNELのコンテンツは同メディア上だけでなく、InstagramやLINE、YouTube、TikTok、Twitter、Facebookなどに発信することで合計2600万人以上のユーザーへリーチしているそうだ。C CHANNELのコアユーザーは18~34歳までの女性。現在は日本だけでなく、アジアを中心とした世界10カ国にサービスを展開している。

インフルエンサー(クリッパー)を自社で育成しているのも特徴。Instagramで100万人以上のフォロワーがいる韓国出身のテリも、同社所属のインフルエンサーだ。C CHANNELに動画を投稿できるクリッパーは1400人超が在籍しており、月間1500本以上の動画を投稿しているという。国内ではクリッパーと資生堂が組んでヘアチョークパレットを共同企画したり、同社がオンワードと組んで「TwoFaces」というアパレルブランドを展開したりとコマース事業にも進出している。海外では、タイの化粧品会社と共同で現地で人気のインフルエンサーを使ったコラボコスメを限定販売した実績もある。

さらにC CHANNELでは、コスメやファッション、ヘア、ネイルなど女性の関心が強いと思われる動画を、自社で月間500本以上を作成している。YouTube制作専門のチームが社内にあり、YouTube上のC CHANNELのチャンネル登録者数は39万人。同社が育成したインフルエンサーである「ひよん」「元美容部員 和田さん。」は、それぞれYouTube上で8.6万人、50万人を超えるチャンネル登録者数がいる。

森川社長が若年層の女性をメインターゲットに据える理由として「女子高生から社会人になりたての時期は、メイクやファッション、対人関係などに悩む時期。それぞれの方向性が固まっていないことが多いので、アドバイスや悩み相談などのコンテンツが必要なんです」とのこと。

同社が立ち上げたママ向けメディアの「mama+」も同様で「社会人にとしてキャリアを積んでいても女性は出産を機に新たに経験することが増え、さまざまな悩みが発生してくる。こういった需要に応えられるようにmama+を立ち上げた」そうだ。

C CHANNELはオンラインだけでなくオフラインのリアルイベントにも力を入れている。10月7日、8日の2日間、東京国際フォーラム(ホールE2)で開催された体験型フェス「Super! C CHANNEL 2018」には1万2000人が来場したほか、オンラインで25万人が視聴したという。「リアルイベントを開催することで、InstagramやTikTok、LINEなどを入り口としてC CHANNELのコンテンツに触れていたユーザーに、C CHANNELの認知度をさらに高めていきたい」と森川氏。

このフェスでは、同社所属のクリッパーが100均のコスメを使ったメイク方法や、DIYアクセサリーの作り方を披露。会場内に設営された、C CHANNELアプリ上でリアルタイムにショッピングできる「コマーススタジオ」でも、同社所属の人気クリッパーが商品を紹介した。オンラインとリアルイベントを活用し、広告・コマースの事業を拡大していく狙いだ。

そしてC Channel(サービス名はC CHANNEL)は10月30日、新COOとして渡邉康司氏(写真左)を迎えることになった。渡邉氏は大学卒業後に読売広告社に入社。2004年にZenithOptimediaへ移り、中国・北京オフィスでグループプランニングディレクターを務めた。2006年にはグループエム・ジャパン(旧名称・マイドシェア・ジャパン)に籍を移して、2009年には同社の代表取締役に就任した人物。「中国での事業や広告業界で得た知見を生かして、海外展開に力を入れるC Channelをさらにスケールさせたい」と渡邉氏。同氏は今後、広告・コマース事業を中心にC Channelの舵取りを担っていく予定だ。

ネコ様専用ライフログツール「Catlog」をバイオロギング研究者が本気で開発

eng-logo-2015大好きな家族の一員、ネコの生活をテクノロジーで見守る。

そんな希望を叶えてくれそうなネコ専用ライフログツール「Catlog」をスタートアップのRABOが発表しました。

現在makuakeでクラウドファンディング中です。

ハードウェアはネコの鈴をイメージしたデザインの首輪型デバイスで、内蔵センサーにより睡眠、運動、食事、トイレなどのカンタンな行動を逐次記録してくれます。

ふだんネコをひとりぼっちにしがちなウチでも、一日の行動が手に取るようにわかり、体調が悪くなったときなどに振り返ってチェックできるようになります。

RABOのCEOである伊豫愉芸子さんは、大学院博士課程で動物の行動生態を調査するバイオロギング研究に従事していた経歴があり、Catlogにはエンジニアだけでなきバイオロギング研究者や獣医師も関わっています。

伊豫さんは「ネコが使うことをまず第一に考えている」と言います。

ペット用のロギングデバイスは多くありますが、ほとんどが犬で使うことが前提で、サイズが大きく、重く、つけ心地もあまり考慮されていないというのです。

Catlogは、ネコが嫌がらない材質を使ってヒゲに当たらないような形状にデザイン、充電時の発熱が冷めてから充電完了を知らせたり、機器から発生するノイズなども考慮、まさに「ネコ ファースト」を実現していくそうです。

ゆくゆくは、ユーザーが入力したネコの種類や体重・年齢などの基本情報と、Catlogのログデータをかけ合わせて多数のデータを収集、ユーザーの行動タグ付けによって機械学習することで、ログデータからネコが何をしているのか、どんな状態なのかを判別していきたいとのこと。

ひょっとしたら、自分のネコの行動データから新しいネコの生態がわかるようになるのかもしれません。

Engadget 日本版からの転載。

1口1万円から不動産投資ができるクラウドファンディング 「FANTAS funding」リリース、空き家への投資も促進

不動産×テクノロジーを軸に複数のサービスを展開するFANTAS technology。同社は10月29日、少額から不動産投資を始められる不動産投資型のクラウドファンディングサービス「FANTAS funding」をリリースした。

FANTAS fundingは1口1万円からオンライン上で不動産に投資できるサービス。ユーザーは賃貸または売却からの収益に基づいて配当を受けられる。

FANTAS technologyがプロジェクト全体の20%分を出資することで、価格が下落した場合にも20%までであればユーザーの元本が守られる仕組みを構築。クラウドファンディングのスタイルを採用することで少額から利用でき、契約にかかる書面の手続きも不要にした。

特徴は空き家となっていた戸建ての再生プロジェクトを主な対象にしていること。現在空き家は増え続けている状況で、2033年には3戸に1戸が空き家になるいう予想もあるほど。同社では以前より空き家を再生し投資用不動産として活用する事業に取り組んできたこともあり、蓄積してきたノウハウが活かせる分野だ。

従来はハイリスク・ハイリターンで投資初心者には手が出しづらい商品だったけれど、再生した空き家をファンド化することで、リスクを抑えながら空き家の再生プロジェクトへ投資できる環境を構築した。

また空き家だけでなく、新築物件の開発や同社が運営するワンルーム価格査定サイト「FANTAS check」にて買い取った中古ワンルームマンションのファンド化なども検討しているという。

各ファンドの想定運用期間は4〜7ヶ月で想定の利回りは8~10%。手数料は無料だ。本日よりオンラインでの会員登録受付をスタートし、11月12日より募集を開始する。

FANTAS technologyでは今後、物件ごとにファンドを立ち上げ、複数案件のファンド受け付けを予定。年間120ファンド以上の組成を目指す。

創業2年半で売上28億円、日本人が東南アジアで創業したAnyMindがLINEなどから15億円調達

日本人起業家が創業し、シンガポールなど東南アジアを中心にデジタル広告事業などを行うAnyMind Groupは10月29日、LINE、スパークス・グループの未来創生ファンド、JAFCO Asia、ドリームインキュベータなどから約15億円(1340万米ドル)を調達したと発表した。

AnyMindは併せて、グループ子会社でデジタル広告事業を担うAdAsia HoldingとLINEとの戦略的協業を発表。具体的な内容はこれから詰めていく段階ではあるものの、デジタル広告領域での協業を今後進めるとしている。

AnyMindは2016年4月に日本人起業家の十河宏輔氏が創業したスタートアップ。本拠地はシンガポールで、創業当初は主に東南アジアにてデジタル広告事業を行っていた。現在、同社はデジタル広告事業のほかに、インフルエンサーマーケティング・プラットフォームの「CastingAsia」や採用管理ツールの「TelentMind」を展開している。先述したとおりAnyMindは創業から約2年半のスタートアップだが、すでにアジア11カ国に13のオフィスを構え、2017年度には28億円の売上を計上しているという。従業員数は330人だ。

AnyMindは2017年4月に約1200万米ドルの資金調達を実施。その資金を利用してデジタル広告のフォーエムやAcqua Media(香港)を買収している。

現在のところ、AnyMindグループ売上高の大半はデジタル広告のAdAsiaが担う。日本と海外の売上高比率はそれぞれ3対7の比率だという。AnyMindは今回の調達を期にタイのバンコクに構える開発拠点を強化。また、日本市場では採用ツールのTelentMindを中心にビジネスを拡大していきたいとしている。

AI画像診断で医療現場を変えるエルピクセルが30億円を調達、オリンパスや富士フイルムとタッグで事業加速へ

医療や製薬、農業といったライフサイエンス領域の画像解析ソリューションを開発する東大発ベンチャーのエルピクセル。同社は10月29日、オリンパス、CYBERDYNE、富士フイルムなどを引受とする第三者割当増資により、総額で約30億円を調達したことを明らかにした。

今回調達した資金を基に、AI活用の医療画像診断支援技術「EIRL(エイル)」を中心としたプロダクト開発を加速する計画。合わせて国内外での市場開拓ならびに販路構築、それらに伴う組織体制の強化などにも取り組むという。

同社は2014年3月の設立。過去には2016年10月にジャフコ、Mistletoe、東レエンジニアリング、個人投資家らから7億円の資金調達を実施している。

なお今回エルピクセルに出資したのは以下の企業だ。

  • オリンパス
  • CYBERDYNE
  • テクマトリックス
  • 富士フイルム
  • SBIインベストメント
  • CEJキャピタル(CYBERDYNE子会社)
  • ジャフコ

これまでも何度か紹介している通り、エルピクセルは東京大学の研究室のメンバー3名によって創業されたスタートアップ。研究室時代から培ってきたという画像解析技術を活用してライフサイエンス領域で画像解析システムの研究開発を行ってきた。

特に力を入れているのが医療分野における研究だ。東京大学や国立がん研究センターをはじめ複数の医療機関とタッグを組み、人工知能を活用した画像診断支援技術・ソフトウェアの開発に取り組んでいる。

それをプロダクト化したものが2017年11月に発表したEIRLだ。近年CTやMRI、内視鏡などの医療機器の高度化が進み、医療現場では取扱う医療画像のデータ量が急増している。EIRLは現場で膨大な画像に向き合う医師をサポートするためのプロダクト。画像診断支援技術を通じて見落としや誤診を防ぎ、効率的な医療の実現を目指している。

今回の調達はこれらの動きを一層加速させるためのものだ。法令ほか必要な手続きを経て、同社の技術が医療機器として使用できることを目指すほか、国内外の市場開拓と販路拡大に取り組む。また医療現場へのスムーズな導入とアフターケアの充実を見据え、いくつかの調達先とは業務提携も進める計画だ。

たとえばオリンパスとはこれまでも内視鏡・顕微鏡画像診断支援のAI技術開発に関する共同研究に取り組んできた。両社では今後の業務提携も視野に入れ、新たな協力体制についても協議していくとしている。

富士フイルムに関しても4月に提携し、同社の医用画像情報システム上でエルピクセルの診断支援AI技術を利用できるサービスの開発に着手済み。まずはエルピクセルのAIエンジンを富士フイルムの内視鏡システムで活用するためのシステムを開発し、AI技術の共同開発も検討する。

またCYBERDYNEとは本日付で業務提携を発表。双方の技術を複合融合し、疾患の早期発見・診断・治療に向けた医療ビッグデータ解析の開発強化を目指す。

TC Tokyo卒業生の予実管理SaaS「DIGGLE」が1.5億調達、あえてエクセルライクなUIを捨てた理由とは

予算管理SaaSの「DIGGLE」を提供するDIGGLEは、500 Startups Japan、Draper Nexus、Archetype Ventures、UB Ventures、HDEなどから1億5000万円を調達したと発表した。なお、今回の資金調達はJ-KISS型新株予約権方式により実施された。

DIGGLEは企業は従来エクセルなどを利用していた予算管理・実績管理のツールをSaaSとして提供するスタートアップ。DIGGLEを利用することで、属人化しがちな予実管理をチームで行ったり、予算が足りなくなったという“結果”だけでなく、なぜ足りなくなったのかという“分析”を簡単にすばやく行うことができる。

2016年のTechCrunch Tokyoスタートアップバトルにも登場したDIGGLEが、正式版をリリースしたのは2017年7月のこと。代表取締役の山本清貴氏によれば、正式リリースから現在まで同社が注力してきたのは継続的なプロダクトの改善だったという。「DIGGLEはまだPMF(プロダクト・マーケット・フィット)前のプロダクトだと思っているので、とにかくプロダクトの改善を続けてきた」(山本氏)。

その1つが、UIの大幅な変更だ。もともと、DIGGLEはこれまで予実管理にエクセルが使われることが多かったという背景を考慮して、新しいプロダクトに対するユーザーの心理的な負担を減らすためにあえてエクセルライクなUIを採用していた。

UI改変前

現行UI

しかし、DIGGLEはそのUIを刷新することを決断。その敬意について山本氏は、「難しい判断だった。たしかに、エクセルライクなUIはユーザーに受け入れられやすく、評価も頂いていた。しかし、以前のUIを採用していたときにユーザーから頂いていた対価は、エクセルとDIGGLEがもつ利便性の差分でしかなかったように思う。『DIGGLEを使えば予実管理を経営陣の意思決定にも利用できる』などの、DIGGLEの本来の価値を理解いただくためには、エクセルライクなUIからDIGGLEならではのUIを作る必要があると思った」と語る。

その一方で、UIを変えたことで多少心理的な障壁が生まれることになる入力作業を簡略化させるために、セールスフォース・ドットコムとfreeeとのAPI連携を開始。また、エクセル上でシートをコピーし、DIGGLEでインポートボタンを押したあとに表示されるモーダル上でペーストするだけで入力できる機能などを搭載した。

このようなプロダクト改善を継続して行うDIGGLE。しかし、山本氏はまだまだ道半ばだと話す。今回の資金調達ラウンドで1億5000万円を調達したDIGGLEは、さらなるプロダクト改善のためにエンジニアなど開発メンバーの拡充を図る。

インスタメディア「古着女子」のyutoriがNOWから資金調達、リアルコミュニティも開設へ

写真左から、NOW 家入一真氏、yutori CEO 片石貴展氏、NOW 梶谷亮介氏。

おしゃれに古着を着こなす女性をピックアップして紹介する、古着情報のインスタメディア「古着女子」を引っさげ、アカウント開設から5カ月で元エウレカの赤坂優氏らから資金調達を実施したyutori

今度は、家入一真氏らが率いるベンチャーキャピタルのNOWを引受先とした第三者割当増資を実施したことを明らかにした。調達金額は前回のエンジェルラウンドと同様に非公開だが、“前回よりは、やや大きめの金額”らしい。

古着女子は、2017年末のインスタグラムアカウント開設から5カ月でフォロワー10万人を突破。現在でもフォロワーが1日約1000人のペースで増え、10月の1投稿当たりの平均いいね数は約7500、最高1万5000いいねを獲得する、古着ファッションの一大メディアとなっている。

またyutoriでは、90年代をテーマにしたボーイッシュ古着の「9090」やミレニアル世代特化のスポーツブランド「dabbot.」を、古着ECショップ連動型のインスタグラムアカウントとして展開。dabbot.はアカウント開設後2ヶ月でフォロワー数が1万人近くに到達。第2回販売分のアイテムは、ほぼ全ての在庫が即日完売となる勢いだったという。

ほかにも、男性向けの古着メディア「古着男子」や、一点ものの古着のコンセプトショップと連動した「イチゴイチエ」を運営するyutori。全アカウントの累計フォロワー数は、現時点で26.8万人に達する。

こうして「古着×SNSを使ったメディア発信」で拡大してきたyutoriでは今後、インスタグラムマーケティングからECへ展開してきたノウハウをもとに、事業展開を加速させるとしている。具体的にはインスタグラムだけでなく、TikTokやYouTubeなど、動画も含めたメディア連動による、立体的なメディア価値の向上や、古着コンセプトショップの複数展開、海外展開によるアパレル事業拡大を目指す。

また、yutori CEOの片石貴展氏は、前回の資金調達時のインタビューで「ネット通販だけでなく、古着を通した人との出会いづくり、リアルなコミュニティ運営にも力を入れていく」と話していたが、いよいよ11月下旬に「直接インフルエンサーやユーザーと触れ合えるリアルな場所」をプロデュースするということだ。

片石氏は「インスタ起業からミレニアルコンテンツカンパニーへ」として、今後の構想について以下のとおり、コメントを発表している。

僕たちは“古着ビジネス”の会社なのだろうか…

『古着女子』は間違いなく自分たちの好きを体現したプロダクトであり、今後もこの領域を中心としたメディア・アパレル事業は展開していきます。しかし“インスタ起業”から数ヶ月が経過した今、自分たちがどのような価値貢献を社会にしていくべきかあらためて根本から見直し、この度皆さまに宣言することにいたしました。

実は、弊社にはアパレル出身のメンバーは1人もおりません。『古着女子』も“古着のファッション情報を伝えるメディア”ではなく、これまでクローズアップされていなかった切り口に光を当てた“コミュニティプラットフォーム”が本質だと思っています。

では、このプロセスを抽象化させ、再現性を持たせることができれば様々な領域で「臆病な秀才の最初のきっかけをプロデュース」し、「誰も恐れずに好きを体現できるゆとりのある社会」を実現できるのではないかと考えました。

そこで、心の奥底に大切にしまっているピュアな「好き」に繋がり、決して言語化できない自分自身の「感性」と、インスタグラムを筆頭にSNSで定量化される「トレンドデータ」の両方を掛け合わせ、ミレニアル世代に対してヒットコンテンツを継続的に生み出していく【ミレニアルコンテンツカンパニー】としてyutoriを定義することにいたしました。

子ども向けオンライン英会話のハグカムが旺文社らから資金調達、ジャンル広げ“ライブ学習基盤”目指す

ハグカム代表取締役の道村弥生氏と投資家陣。写真中央が道村氏。

子ども向けのオンライン英会話サービス「GLOBAL CROWN(グローバルクラウン)」を展開するハグカムは10月29日、旺文社ベンチャーズとポーラ・オルビスホールディングスを引受先とする第三者割当増資を実施したことを明らかにした。

具体的な調達額については非公表だが、関係者の話では数千万円規模とのこと。同社にとっては2015年10月にオプトベンチャーズ、ICJ、ディー・エヌ・エーから約6000万円を調達して以来の資金調達となった。

なお今回ハグカムでは旺文社と業務提携も締結。調達した資金や旺文社のノウハウ、コンテンツなども活用してGLOBAL CROWNのアップデートを進めるほか、英語以外のジャンル展開にも着手する計画だ。

先行するSkype英会話の課題点を解決

GLOBAL CROWNは主に3〜12歳の子どもを対象にしたオンライン英会話スクールだ。自宅から専用のアプリを使ってマンツーマンで英会話を学べる環境を構築。日本語も話せるバイリンガルの講師が生徒のレベルに合わせながらイラストやワードカードといった独自の教材を活用し、1回20分間の英会話レッスンを提供する。

サービスの正式リリースは2015年の11月。その頃にはいわゆる“Skype英会話”サービスが複数世に出ていたので、決して目新しい仕組みというわけではなかった。ただハグカム代表取締役の道村弥生氏は小さな子どもを持つお母さん世代にヒアリングを重ねた結果、既存のサービスでは満たせないニーズがあることに気づく。

「オンライン英会話サービスの存在は知っていても“フィリピン人の先生によるSkype英会話”をイメージしている人が多かった。話を聞いてみると『自分が英語を話せないのでフィリピン人の先生だとハードルが高い』という声や、『そもそもSkypeって何?』という質問が出てきて。ママたちでも使いやすい設計や、(日本語も話せる)バイリンガルの先生のレッスンにはニーズがあると考えた」(道村氏)

もともと道村氏はサイバーエージェントの出身。同社にてマネジメント職や人事職を経験してきた。仕事柄、学生を含む若い世代と接する機会が多かったという道村氏。若くしてやる気やチャレンジ精神が旺盛な人材の原体験を聞いてみると、幼少期にどのような体験をしているかが大きく影響しているとわかったそうだ。

自身の幼少期を振り返っても同じような経験があったため、子どもに良い学習の機会を与えられるような事業での起業を決意。当初はシーエー・モバイルの子会社としてスタートし、スピンアウトのような形で2015年9月にハグカムとして独立している。

最初に英語を選んだのは「ママさんたちに『何に時間とお金をかけているか』を尋ねたところ、習い事にお金をかけていて、特に10人いたら9人が英語という答えが返ってきた」(道村氏)から。既存の英会話教室などの場合は週に1回のグループレッスンなどが多く、頻度や内容を柔軟にカスタマイズすることも難しいため、スキルアップをあまり実感できないという課題があがったという。

一方でマンツーマンのオンライン英会話サービスは上述した「日本語が話せない講師、Skypeという不慣れなツール」というイメージが影響し、そこまで浸透してはいなかった。

そこに可能性を見出して開発したのがGLOBAL CROWNだったというわけだ。

高単価と高継続率を実現するための仕組みを作る

正式リリースから約3年、道村氏はユーザーの特徴として「平均単価が1.3万円と、他サービスに比べて高額であること」「利用開始から半年後の継続率が80~85%であること」をあげる。

「高単価と高継続率には当初から重要視していた。ただ安いから選ばれるというのではなく、品質が良いことを理由に使ってもらえるサービスにしたかったので、ママさんと子どもにとっての“品質”に徹底的にこだわった」(道村氏)

ヒアリングをした結果、ターゲット層の中にはSkypeを使いこなせない人が多いだけでなく、そもそも自宅ではPCを開くことすら珍しいこともわかった。そこでスタート時からSkypeを活用せず自社でビデオチャット機能も内包したアプリを開発。スマホやタブレットからアプリを開くだけでレッスンを受けられる仕組みにこだわった。

講師は日本語にも対応できるバイリンガルの人材を採用。6割以上が学生だというが、カリキュラムや事前のレクチャーの体制、講師用のシステムなどを細かく作り込むことでレッスンの質を担保してきたという。

実際に講師側の管理画面と生徒側のアプリをどちらも見せてもらったのだけど、講師側のシステムに関しては今までのレッスンで使ったカードや記録が蓄積され、生徒のレベルに応じて必要な教材をすぐに開ける仕様になっている。Skypeを立ち上げる必要もないし、「レッスン開始」ボタンを押すだけですぐに対象の生徒のレッスンが始まるのでわかりやすい。

講師側の画面

またレッスンの時間になっても先生がログインしてないと、運営側がすぐに気づける仕組みも実装。「子どもは10秒とか20秒でも先生が来ないと不安になる」(道村氏)ため、そういった場合は運営側がすぐに先生に連絡をとってサポートする体制を作っているそうだ。

レッスンは週1回コースが月額9800円、頻度によって料金が変わり毎日コースの場合は1万9800円(単発で試せるチケットの場合は1回2300円から)。オンライン英会話にしては高単価の部類に入るが、ユーザーの継続率は高い。

これについては、道村氏によるとレッスンスケジュールを固定制にしている点も大きいそう。GLOBAL CROWNでは「何曜日の何時から」と事前にレッスンの日時を決め、1ヶ月先まで講師の日程を確保する。決められた時間にアプリを開けば講師が待ってくれているため、ほとんどの生徒がレッスンを習慣化することにも繋がるという。

「チケット制で毎回自分たちで予約する設計にすると、やらないポイントができてしまう。初期のヒアリングやモニタリングの結果を見ても毎回固定の日時でレッスンを受ける人が多かったので、この仕組みを採用している」(道村氏)

現在GLOBAL CROWNを使っているユーザーの75%は、オフラインの英会話教室や英語教材など何かしらのサービスを使っていて、乗り換えてきた人達。共働きのお母さんが多く、ここまで紹介してきた特徴に加えて「オフラインの教室とは違い送り迎えの必要性がない」ことも価値になっているようだ。

教材やカリキュラムも、1回20分のオンラインレッスンに合わせて自社で開発している

ジャンルを広げ、子ども向けのライブ学習プラットフォームへ

道村氏いわく、これまではシステム面の構築にかなりのリソースを費やしてきたそう。生徒側のマーケティングなどには十分な資金をかけられない部分もあったが、3年間で基盤は整ってきたという。

そんな状況下で今回久々の資金調達を実施。調達した資金を用いて今後は「ライブ学習」と「レコメンドエンジン」という2つの軸でサービスの強化を進める。

ライブ学習に関してはこれまで培ってきたナレッジや講師のネットワークを活用。サービスの機能を拡張するとともに、新たなジャンルの開拓にも取り組む。まずは英語の領域で4技能(リーディング・リスニング・スピーキング・ライティング)全てに対応したレッスンを開発するほか、算数や国語といった基礎科目、さらには他のジャンルにも拡大していく構想があるようだ。

本格的な多ジャンル展開については来年以降になるようだけれど、一例としてプログラミングやダンスのほか、片付けのやり方やお金の使い方、マナーといった学校では習わない領域も検討しているという。

このあたりは今回業務提携を締結した旺文社とのシナジーが見込める分野。すでに英検の教材に関してコンテンツ提供を受けているそうだが、旺文社の書籍とGLOBAL CROWNをセットにしたレッスンなどが考えられるだろう(なおハグカムは旺文社ベンチャーズの投資案件第1号になる)。

また生徒と講師、生徒とレッスンのマッチングを最適化するためのレコメンドエンジンの開発にも力を入れる。

GLOBAL CROWNでは初期から自社アプリにこだわってきたからこそ、録画したレッスン動画を始め先生と生徒双方のレッスン記録や評価といったデータが蓄積されている。これらを解析すれば、各生徒に合った先生をマッチングしたり、本人に向いていそうなレッスンをレコメンドすることもできそうだ。

「(ジャンルの幅が広がりレコメンドの質も上がれば)今以上に子ども達が飽きることなく、かつ興味の幅が広がっていくような仕組みが作れる。オンラインで扉を開ければ自分が学びたいと思ったことが学べ、子どもの好奇心がずっと刺激されるようなプラットフォームを目指したい」(道村氏)