アリババクラウドが11年目で初めて黒字化、世界シェア3位に

 記者会見でSun Art Retail Groupの株式29億ドル(約3050億円)について語るAlibabaグループCEOのダニエル・チャン氏(画像クレジット:Vivek Prakash/Bloomberg via Getty Images)

中国のeコマース大手Alibaba(アリババ)のクラウドコンピューティング事業部門であるAlibaba Cloud(アリババクラウド、阿里雲)は現地時間2月2日、直近の四半期(2020年10-12月)に初めて黒字化したと決算報告で発表した。

Alibabaのクラウド部門は2009年以来の事業展開となるが、当四半期ついに、調整後EBITA(利払い・税・減価償却前利益)で黒字を達成した。このマイルストーンは、「スケールメリットの実現」の結果の一部であると同社は述べている。

データベース、ストレージ、ビッグデータ分析、セキュリティ、機械学習からIoTサービスまで、あらゆるものを組み込んだAlibaba Cloudは、ここ数年、中国のクラウドインフラ市場を席巻しており、世界的にもシェアを伸ばし続けている。Gartner(ガートナー)の調査によれば、2019年の時点で同社は9%の世界市場シェアを誇っており、パブリッククラウド企業(IaaSベンダー)としては、Amazon(アマゾン)のAWSとMicrosoft(マイクロソフト)のAzureに次いで世界第3位にランクされた。

新型コロナウイルスは、人々がオフラインでしてきた活動をオンラインに変えるよう強要することで、世界中のクラウドデジタル導入を後押ししてきた。たとえばAlibabaは決算の中で、中国での新型コロナ流行の後、レストランやサービス業界におけるデジタル化の需要は引き続き旺盛であると指摘しているが、この傾向は同社のフードデリバリーやオンデマンドサービスアプリである「Ele.me」にも恩恵をもたらす。同社のクラウド事業の収益は2020年12月の四半期に24億7000万ドル(約2595億円)に増加しており、主に「インターネット業界や小売業、公共部門の顧客からの収益が堅調に伸びた」ことがけん引しているという。

コマースは当四半期もアリババの収益の最大の原動力であり、収益の70%近くを占め、一方クラウドは7%貢献した。

最も迫るAlibaba Cloudのライバルは、Tencent(テンセント)のクラウド事業部門だ。Gartnerによると、2019年の時点で、後者は世界的に2.8%の市場シェアを持っていた。AlibabaのヴァイスプレジデントであるJoe Tsai(ジョー・ツァイ)氏が2020年8月にアナリスト向けの業績発表で指摘したように、中国の(IaaS)業界にはまだ十分な成長の余地がある。

「第三者機関の調査によると、中国のクラウド市場は150億ドル(約1兆6000億円)から200億ドル(約2兆1000億円)の規模になっていくと見られていますが、米国の市場はその8倍程度です。つまり、中国市場はまだかなり早い段階にあるということです」とツァイ氏は述べた。

「中国市場は、デジタル化がどんどん進み、企業のクラウド利用が急速に拡大している環境であり、米国市場の8分の1程度の小さな基盤から成長している過程にあります。こうした過渡期に中国市場に参入しているのは非常に良い立場だと感じています」とも。

Alibaba Cloudを成長させるための重要な戦略は、Alibabaの企業向けチャットアプリ「Dingtalk」へのクラウドの統合であり、同社は、あらゆる業界がクラウドサービスを利用するようにできることを期待している。これは、Alibaba CloudのJianfeng Zhang(張建峰)社長が以前インタビューで示唆したように、Microsoft 365とAzureの関係を彷彿とさせるものだ。

AlibabaのCEOであるDaniel Zhang(ダニエル・チャン)氏は2020年8月の決算説明会で、「当社はただのインフラサービスとしてだけのクラウドを提供したいわけではありません」 と語った。「インフラサービスとして、SaaSサービスとしてだけ提供すると、価格競争は避けられず、クラウドサービスはすべてコモディティビジネスのようなものになってしまいます。現在、Alibabaのクラウドが提供するのは、クラウド+インテリジェンスサービスであり、クラウド+データ活用の力です」。

関連記事:中国アリババがクラウド部門で5000人を新規採用へ

カテゴリー:ネットサービス
タグ:AlibabaAlibaba Cloud決算発表

画像クレジット:

原文へ

(文:Rita Liao、翻訳:TechCrunch Japan)

Oculus QuestでFacebook Messengerが利用可能に、承認前のコンテンツを提供するApp Labの導入も

Facebook(フェイスブック)は、2020年第4四半期の決算報告で、VR事業の成功について話すことに通常よりも多くの時間を費やした。開発者の成功や、同社が発売した最新型VRヘッドセット「Oculus Quest 2(オキュラスクエスト2)」の好調な売れ行きにも時間を割いた。

VRプラットフォームに残された歪みの1つは、サードパーティによるゲーム以外のアプリへのサポートが全体的に不足していることだ。Oculus Quest 2はハードウェアとして強力な製品だが、VR向けに利用可能なモバイルアプリは数が少ない。Hulu(フールー)やNetflix(ネットフリックス)からストリーミング視聴アプリが用意されているものの、市場にあるヘッドセットの数が比較的少ないため、コンテンツの更新も乏しい。

自身が主要なアプリの開発者であるFacebookは、 Facebookブランドであることが明らかなハードウェアには興味を持たないかもしれない消費者をないがしろにせず、Oculusのヘッドセットに親会社のユーティリティをもたらすという行為において、かなり微妙なバランスを保ってきたように見える。

しかし2020年秋、OculusユーザーにFacebookのログインを義務化した後、そのバランスの大部分は崩れてしまったように思われる。米国時間2月2日、同社はQuestとQuest 2のユーザーがアプリ内のMessenger(メッセンジャー)チャットにアクセスできるようになることを発表した。これによってQuestユーザーは、友人に定型文のメッセージをすばやく送信したり、VR内のキーボードや、ヘッドセットの音声テキスト変換機能を使用して作成したメッセージを送ることができるようになる。

VRプラットフォームでますます圧制的になるFacebookのソフトウェアの存在感に不安を感じる人は、これもQuest 2を敬遠するもう1つの理由になるかもしれないが、VRゲームのプレイをもっとソーシャルな体験にしたいと思っている人や、ヘッドセットを装着することで携帯電話に気付かず完全な孤立に陥ってしまうのを避けたいと思っている人にとって、これは歓迎されるだろう。

Messengerのアップデートと並んで、FacebookはOculus Questの新しいアップデートで、「App Lab」と呼ばれるテストフライトのような機能を展開し、QuestユーザーがOculus Storeで承認されていないコンテンツをダウンロードできるようにすることを明らかにした。この機能は、Facebookが駆け出しのゲームデザイナーを遮断し、Questにコンテンツを提供できないようにしているという不満を解消するためのものだ。ユーザーはApp Labでタイトルを名前で検索したり、リンクをクリックしてタイトルにたどり着くことができる。この新機能は、開発者が承認を得ずに実験的なコンテンツを提供するためのハブを構築していたスタートアップ「SideQuest(サイドクエスト)」に直接対抗するものだ。

Facebookによると、新しいアップデートはユーザーに「徐々に」展開されていくとのことで、すべてのユーザーがすぐにアップデートできるわけではないようだ。

関連記事:Oculus Quest非公式アプリストアがOculus創業者の支援を受ける

カテゴリー:VR / AR / MR
タグ:FacebookOculus QuestFacebook Messenger決算発表

画像クレジット:

原文へ

(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Google Cloudは2020年に約5880億円の損失

Google(グーグル)は、Google Cloudへの大きな賭けを続けている。確かに売上の成長は加速しているが、損失も増えている。米国時間2月2日、親会社Alphabetの決算報告で、Googleは初めてGoogle Cloud事業部の営業利益と損失を公表した。それによると、2020年12月31日に終わるGoogleの2020会計年度でGoogle Cloudは56億ドル(約5880億円)の損失を計上した。売上は130億ドル(約1兆3650億円)だった。

一般的にクラウドコンピューティングは儲かる事業と思われているため、この数字は不吉なものだと感じられるかもしれない。しかし、違う見方もある。損失は増加している。2018年は43億ドル(約4515億2000万円)、2019年が46億ドル(約4830億4000万円)だった。しかし売り上げも強力に伸びており2018年は58億ドル(約6090億5000万円)、2019年は89億だ(約9346億8000万円)。ここで何よりもわかるのは、Googleがクラウド事業に対して重点に投資し続けているということだ。

CEOのThomas Kurian(トーマス・クリアン)氏が率いるGoogleのCloud部門には、クラウドインフラストラクチャとプラットフォームサービスのすべてが含まれており、G Suiteと呼ばれていたGoogle Workspaceもある。同社は、ここに大きく投資し続けている。そもそもデータセンター自体が大型の投資であり、Googleは2020年に4つの新たなリージョンを立ち上げ、他にも着手している。ここに同社のコアサービスはあり、さらにいくつもの買収も行っている。

今回の決算報告でGoogle / AlphabetのCEOであるSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏は次のように述べている。「クラウドにおいて、顧客はまだ移行の初期段階にあることがわかります。私たちは大きな未来を目にしています。そしれ間違いなく、市場のダイナミクスと市場の状況における私たちのモメンタムは、私たちが投資の規模と投資のペースについて考えている枠組みになります。いうまでもなく、そこに長くいる者ほど利得も貢献も大きい。規模の経済も、働き始めます。しかし、私たちはお客様が関心を持つすべての製品に対して、世界中のお客様にサービスを提供できるようにするために、確実に先行投資を行っています」。

画像クレジット:Google

また、Google / AlphabetのCFOであるRuth Porat(ルース・ポラット)氏は次のように述べている。「主に検索とYouTubeが支えた第4四半期の強力なパフォーマンスにより、売り上げは569億ドル(約5兆9760億円)となりました。ここからわかるように、消費者も企業も年初の停滞から回復し活発になってきています。Google Cloudの2020年の売上は131億ドル(約1兆3758億円)で、大きな勢いが続いています。私たち、目の前の多様な成長機会のすべてに対して、価値を提供し続けるよう努めていきたいと考えています」。

決算報告でポラット氏は「長期の有意義な契約が多い」と、Workspaceが大企業で伸びていると述べている。

しかし現在のところ、前四半期に広告ビジネスが大きく回復したGoogleの中核ビジネスが、クラウド事業の拡大を支えている。

一方、シアトルでは本日、AWSが前四半期の127億4000万ドル(約1兆3378億円)の売上を報告し、35億6000万ドル(約3738億4000万円)の営業利益を計上した。2020年のAWSの営業利益は135億ドル(約1兆4177億円)になる。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:決算発表GoogleGoogle Cloud

画像クレジット:Sean Gallup/Getty Images/Getty Images

原文へ

(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ジェフ・ベゾス氏が2021年後半にアマゾンCEOを退任し会長へ、後任はAWSのアンディ・ジャシー氏

Amazon(アマゾン)の創業者で現CEOのJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏は、2021年の第3四半期中に同社の取締役会長に移り、AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)の現CEOであるAndy Jassy(アンディ・ジャシー)氏がこのコマース企業のトップに就任することになった。Amazonは米国時間2月2日の決算発表と同時にこのニュースを発表した。

Amazonは1株当たりの利益と売上高の両方で過去最高を更新した。市場は同社の収益とCEOのニュースの両方に反応し、時間外にもかかわらず当初は上昇した。

【更新】発表されたすべての数字を投資家が解析する時間を持った後、Amazonの株は下落に転じた。

Amazonは2020年第4四半期に1株当たりの利益と売上高の両方で予想を上回った。それによってベゾス氏のCEO退任を心配する投資家も、実績ベースによる向上を評価することになった。Amazonの四半期は、予想されていた1197億ドル(約12兆5700億円)の売上高に対して、1256億ドル(約13兆1900億円)とこれを上回り、初めて1000億ドル(10兆円)の大台を突破した。1株当たりの純利益は14.09ドル(約1480円)で、予想されていた7.23ドル(約759円)の2倍近くになった。

ジャシー氏は以前、AWSをクラウドコンピューティング分野のリーダーとして現在の成功に導いたことから、ベゾス氏の後継者となる可能性が高いと指摘されていた。AWSはこの第4四半期に28%の収益成長を遂げたが、前年同期の34%の成長率にはおよばなかった。AWSの売上高は、前年同期の99億5000万億ドル(約1兆450億円)から2020年第4四半期には127億4000万ドル(約1兆3381億円)に拡大した。AWSの営業利益も同様に増大し、2019年第4四半期の26億ドル(約2731億円)から直近の四半期には35億6000万ドル(約3739億円)になった。

ちなみに、Microsoft(マイクロソフト)のクラウドコンピューティング事業であるAzure(アジュール)は、直近の四半期に50%成長した。

ベゾス氏はAmazonの従業員にメールを送り、2月2日の発表後には同社もそれをブログで一般に公開した。その中で同氏は、「仕事に意義と楽しさを見出し」続ける一方、適切な時間と関心を「Day 1 Fund(ホームレスの家族の支援と教育分野の支援を行う慈善基金)、Bezos Earth Fund(地球温暖化対策のためのベゾス地球基金)、Blue Origin(航空宇宙企業のブルーオリジン)、The Washington Post(2013年にベゾス氏が買収したワシントン・ポスト紙)、そして他の情熱」に注げるようになりたいと述べている。

ベゾス氏の航空宇宙企業であるBlue Originは、これまでに多くの成果を上げており、New Shepard(ニュー・シェパード)ロケットで定期的に準軌道飛行のミッションを行っている。2021年は、New Shepardで初めて人を乗せた宇宙飛行を開始することになりそうなので、この宇宙企業にとっては忙しい年になりそうだ。

有人宇宙飛行の目標に加えて、Blue Originは現在、他の宇宙産業のリーダーたちと協力して、NASAのために有人月面着陸システムを開発している。また、もう1つのロケット、New Glenn(ニューグレン)にも取り組んでおり、これはペイロードを軌道上に運ぶことができる重量級ロケットだ。このように、Blue Originでも、多くの計画が進行している。ベゾス氏は以前、Blue Originは人類の未来に影響を与える可能性がある規模の大きさから「自分がやっている最も重要な仕事」だと語っていた。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Amazonジェフ・ベゾスBlue Origin決算発表

画像クレジット:

原文へ

(文:Darrell Etherington、Alex Wilhelm、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Facebookは2021年のターゲティング広告と収入に大きな障害を予測する

Facebook(フェイスブック)の第4四半期には確かなユーザー数と売上が含まれていたが、同社は2021年については慎重な姿勢を示していた。

決算報告の「CFOの将来展望」でFacebookは、2021年は「広告に関して逆風が強くなる」という予想を述べている。

「これには、iOS 14をはじめとするプラットフォーム変更の影響や、規制の状況の変化も含まれる。iOS 14の変更時期はまだ不明だが、影響は第1四半期の後半には見られるだろう」と同社は記している。

Facebookはすでに、今後のAppleのプライバシー政策に対してキャンペーンを行っている。広告のターゲティングにIDFAを利用するためには、ユーザーの許可を求めなければならない、というものだ。ただしPRは小企業への影響に焦点を当ており、Facebookのことはではない。

Facebookはまた、同社がパンデミックの間に利益を得た2つの広範な経済的トレンド、つまり「買い物のオンラインコマースへのシフトが継続していること」と「消費者の需要がサービスから離れて製品に向かっていること」を強調している。しかし、ここでも警戒を緩めず、「これら2項の1つまたは両方の緩和や逆転が弊社の広告収入の伸びに対して逆風になることもありえる」と述べている。

Facebookの第4四半期の決算では、売上は281億ドル(約2兆9300億円)で、その内の272億ドル(約2兆8400億円)は広告収入によるものだ。EPSは3.88ドルである。ウォール街のEPSの予測は3.22ドル、売上は264億ドル(約2兆7500億円)だった。

なお、Facebookが報告している同サイト第4四半期の1日の平均アクティブユーザー数は18億4000万、月間アクティブユーザーは28億だ。それぞれ前年同期比では11%増と12%増になる。

CEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は声明で次のように述べている。「この困難な時期に多くの人たちと企業が、私たちのサービスを使い続けていただいた結果、好調な年度末を迎えることができた。2021年のプロダクトロードマップに関しても強い期待を持っており、新しくて有意義な方法で経済の好機を作り出し、コミュニティを構築し、人びとの生活を楽しくしていきたい」。

東部時間午後4時45分現在、Facebook株は時間外で0.7%上昇した。

関連記事:Facebookがアプリ追跡と広告ターゲティング制限に対してアップル批判を強化

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Facebook決算発表

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Appleの第1四半期売上は11.6兆円と過去最高だが市場は無反応

Apple(アップル)は米国時間1月27日に第1四半期の決算を発表した。収入は予測を上回る1114億ドル(約11兆6200億円)で過去最高を記録した。ところが決算の発表後、時間外取引の株価はわずかに下落した。投資家は、この決算にほとんど関心を示さなかったようだ。

収入は巨大な金額であるだけでなく、第1四半期決算のアナリストの予測も上回っていた。Appleは1株当たり利益と収入の双方で投資家の期待を上回た。アナリストの予測は売上1033億ドル(約10兆7700億円)、1株当たり利益1.41ドルだった。この点でもAppleは1.68ドルを記録し、期待を上回っている。

GameStopやAMC Entertainmentのような人気株、いわゆるミーム株は、100%を超す上昇率を示しており、 今回の反応の低さは市場一般が大型テクノロジー株に一段と大きな成長と時価総額の達成を期待していることを示すものだ。今回の決算の発表で衝撃的な値動きがなかったとはいえ、Appleの株価は2020年10月の第4四半期決算発表後から、さらに23%以上上昇している。

第1四半期のAppleの収入は、前年比で20%のアップとなっている。大部分は単一の地域、つまり中国市場におけるものだった。この地域の四半期収入は、昨年比で136億ドル(約1兆4000億円)から57%増加して213億ドル(約2兆2200億円)以上となった。

製品分野別の収入では、もちろんiPhoneがキングであり、売上高は656億ドル(約6兆8400億円)と前年同期の560億ドル(約5兆8400億円)から大きくアップした。AppleのiPhoneの新バージョンのリリーススケジュールが今回はやや遅れたため、第1四半期には新バージョンのセールスが例年より多く含まれている。

iPhoneが好調だっただけでなく、iPadもMacの売上高を上回った。Macの売上高は87億ドル(約9100億円)、iPadの売上高は84億ドル(約8100億円)と、このカテゴリーでも多く伸びた。ウェアラブル、ホームお呼びアクセサリー部門は130億ドル(約1兆3500億円)、サービスは158億ドル(約1兆6500億円)とこれも新記録となった。

決算発表にともなう電話記者会見の内容もフォローする予定だ。

関連記事:アップルがインドで最高の四半期を迎える、150万台のiPhoneを販売し市場シェアは2倍に

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Apple決算発表

画像:Olly Curtis/Future / Getty Images

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

テスラが第4四半期の決算を発表、蓄電池・太陽光発電事業に急成長の兆し

Tesla(テスラ)が最新の決算報告書を発表した。そこには蓄電池と太陽光発電に対するElon Musk(イーロン・マスク)氏の賭けが実を結び始めていることが示されている。

蓄電池事業はこの第4四半期に同社の攻撃的戦略における主役となり、四半期ごとの前年同期比成長率は200%に近づいている。テスラは株主向けプレゼンテーションで「(蓄電池事業の)市場展開は2019年から2020年にかけて大幅に成長しました。当社の蓄電池の総配備量は初めて単年度で3GWhを超え、前年比83%増となりました」と述べている。

太陽光発電事業にも陽光が射し込んだ。年間の太陽光発電の設置量は205MWに増加し、前年比18%増となった。「この成長は製品の簡素化、コスト削減、業界をリードする価格設定など、当社の太陽光発電設備戦略を大幅に改善した結果です」とマスク氏は語った。

Teslaの第4四半期における発電・蓄電事業の収益は7億5200万ドル(約784億円)と、前年同期の4億3600万ドル(約455億円)、第3四半期の5億7900万ドル(約604億円)から増加した。

これは、Teslaの電力事業における急成長の始まりに過ぎないと思われる。同社は長い間、世界最大の電力会社や公益事業会社の1つになりたいと公言しており、世界中の資本が再生可能エネルギーへのシフトを促進するために資源を集めている。

バイデン政権の再生可能エネルギー計画が、その目標に向けて太陽光発電の開発や建造を劇的に推し進めることで、Teslaは大きな恩恵を受ける可能性がある。この大規模なインフラ投資では、再生可能エネルギーを蓄えるために大容量のバッテリーが必要になるだろう。また、大規模な太陽光発電設備も必要になるだろう。

米連邦政府が再生可能エネルギーに資金を移す間にも、民間資本が太陽光発電やエネルギー貯蔵を劇的に後押しするために流入してきている。

先週だけでも、投資家は住宅所有者に太陽光発電設置やオール電化リフォームのために資金を貸す企業に、20億ドル(約2085億円)近くを投入した。SolarCity(ソーラーシティ)の元幹部が設立したある会社は、8億ドル(約834億円)の資金を調達したと米国時間1月27日発表したばかりだ。

少なくとも、これらの資金の一部は、テスラの蓄電池事業と太陽光発電設置事業のキャッシュレジスターを鳴らすことになるだろう。

関連記事:バイデン次期大統領の気候変動対策はグリーンニューディールに依存しない

カテゴリー:EnviroTech
タグ:Tesla太陽光発電イーロン・マスク再生可能エネルギー決算発表

画像クレジット:Patrick T. Fallon / Bloomberg / Getty Images

原文へ

(翻訳:TechCrunch Japan)

Netflixの世界の有料会員が2億人超え、好成績を受け株価が急上昇

Netflix(ネットフリックス)は2020年第4四半期に有料会員を850万人増やし、目覚ましい成長で同年を締め括った。

それはつまり、ストリーミング大手の同社が現在、世界中で計2億400万人の有料会員を抱えていることを意味する。2020年を通じて新規会員は3700万人純増し、2019年の2800万人増を上回った。

こうした成長により2020年第4四半期の売上高は66億4000万ドル(約6895億円)、1株当たり利益(EPS)は1.19ドル(約123円)だったと同社は発表したアナリストの予想は売上高66億3000万ドル(約6884億円)、EPS1.39ドル(約144円)だった。

決算発表を受けて、Netflixの株価は時間外取引(米国東部時間午後4時43分時点)で12.4%上昇した。

今後の見通しについて、同社は2021年第1四半期に会員が600万人増えるとした。この数字は2020年第4四半期の業績予想と同じ数字で、2020年第1四半期(米国でロックダウンが始まった時期)に獲得した新規会員1580万人の半分以下だ。

同社は投資家へのレーターで第1四半期のヒット作品の数を強調していて、リリースから28日以内に7200万世帯が「The Midnight Sky(ミッドナイト・スカイ)」の「視聴を選択し」、「Holidate(ホリデーオンリー:とりあえずボッチ回避法?)」については6800万世帯が視聴を選択すると予想している。同社はまた、「The Crown(ザ・クラウン)」の最新シーズンはこれまでで最も人気で、「当初の立ち上げ以来」1億世帯超が視聴を選択したと述べた。

「かなり試聴される作品に加え、当社は文化的な時代精神の一部になるヒット作品を展開することを熱望しています」と同社は話した。「2020年だけで『Tiger King(タイガーキング:ブリーダーは虎より強者?!)』『Bridgerton(ブリジャートン家)』『The Queen’s Gambit(クイーンズ・ギャンビット)』がありました。実際、Netflixシリーズは2020年に世界で検索された10の番組のうち9つを占め、映画に関してはトップ10のうち2つがNetflixのものでした」。

同社は、Disney+やPeacock、HBO Maxといった新たなストリーミングサービスとの競争が激化していることを認めたが、ユーザー数は他のどの競合相手よりも多い。たとえばDisney+の2020年12月初旬の購読者数は8680万人だった(Disneyのサービスは1年少し前に始まり、まだグローバル展開の途上だ)。

「当社の戦略はシンプルです。会員をさらに喜ばせることができるよう毎日Netflixを改良し続けられれば、ストリーミングエンターテイメントで真っ先に選ばれるサービスになるでしょう」とNetflixは述べた。「2020年はこのアプローチの証です。Disney+は初年に大成功を収めました(有料会員8700万人!)。そして当社は今までで最大の有料会員の増加を記録しました」。

eMarketerのアナリストであるEric Haggstrom(エリック・ハグストローム)氏は声明文で似たような点を指摘した。

Netflixは会員数を3600万人増の2億人とし、好調のうちに2020年を終えました。Disneyや他社との競争激化にもかかわらず、Netflixにとって2020年はこれまでで最も好成績で、2021年は人気を呼びそうなコンテンツのリリースが計画されており、さらに成長することが見込まれます。これまでのところ、Netflixはストリーミング業界における競争で明らかに勝者です。

関連記事:Netflixの第3四半期の新規会員数は予想を下回る220万人、新型コロナ需要の反動で伸び鈍化
Netflixの2020年第1四半期における新規加入者数は予測を大幅に上回る1577万人
Disney+が今後数年以内にスター・ウォーズシリーズ10作品とマーベル・シリーズ10作品の独占配信を発表

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Netflix決算発表

画像クレジット:Chesnot / Getty Images

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

Airbnbが上場申請、第3四半期の回復は驚異的

10億ドル超スタートアップ、いわゆるユニコーン企業の代表、Airbnbは11月16日にアメリカ証券取引委員会にS-1書式を提出し、株式上場を申請した。これで同社は公開企業にまた一歩近づいた。

公開された財務諸表は同社の打撃からの回復を示しているが、企業規模は縮小している。これはパンデミックが旅行業界のユニコーンにいかに深刻な打撃を与えたかを物語っている。Airbnbの企業価値を見極めるには、急速な成長カーブが中断された打撃と、そこから回復しては再び利益を上げていることの間でバランスを取る必要がある。

ここまでの経緯

宿泊施設共有のスタートアップにとって2020年は多難な時期となった。COVID-19によるパンデミックはAirbnbは第1四半期、第2四半期の業績に大きな打撃を与えたが、その後地域内旅行の増大によって回復した。

Airbnbの上場申請は、ユニコーン仲間のDoorDash、C3.aiの申請のほんの数日後に行われ、高価値スタートアップのちょっとした上場ラッシュとなっている。

Airbnbが証券取引委員会S-1書式を提出するのは先週の予定だったが大統領選挙による影響を理由に延期されていた(実のところTechCrunchのスタッフはこの説明に完全に納得していたわけではない)。

われわれは以前からAirbnbの財務状況についてはなんども記事にまとめてきた。しかし今回のS-1申請書は文字通り宝の山だった。以下、重要な数値を吟味し、財務と株主について掘り下げてみる。

判明した財務状況

まず知りたいのはパンデミックがAirbnbのビジネスにどのように影響したかだ。今年に入ってからの全期間と四半期ごとの傾向からどういうトレンドが読み取れるだろうか?

AirbnbのS-1申請書の最初のグラフはこのサービスを通じて行われた予約を示す月単位グラフだ。つまりこれがAirbnbがわれわれに積極的に公表したい数字らしい。以下トレンドを見てみよう。

当然だがAirbnbは3月に大打撃を受けた。 しかし、5月までにビジネスは成長軌道に戻りそれを維持した。

しかし6月以降は予約数の増加はごくわずかだ。数か月たった現在、予約数は減少している。さらに悪いことに、キャンセルを除外した後の正味予約数は対前年比で減少している(当初の記事で表を読み間違えている部分があったのでアップデートした)。

では伝統的な財務諸表ではどういう結果になったのか?  Airbnbが報告した損益計算書は次のとおりだ。

 

残念ながらAirbnbは今年驚異的な成長をとげていない。われわの読み方が正しければ同社の規模は2018年とほぼ同一だ。

2020年の最初の3四半期と前年同期を比較すると、収入に対するコストの減少(収入が減ればそれに対するコストも減る)を別にすれば、費用の大幅な減少がもっとも注目される。Airbnbはセールスおよびマーケティング支出を2019年の最初の3四半期の11.8億ドルから、2020年の同時期にはわずか5億4550万ドルに減らしている。

 

2020年3月31日を終期とする四半期までAirbnbの成長は続いたがこの第1四半期は対前年比で実質的に横ばいだった。COVID-19の打撃がなければもっと大きく成長していたに違いない。その後、2020年6月30日を終期とする四半期では、Airbnbの売上は前年同期の12億ドルからわずか3億3480万ドルへというショッキングな売上減少が起きた。ここで実際の被害が計上された。

しかし第3四半期には大きな回復が見られる。なるほど今年の第3四半期は昨年同期より会社規模が縮小している。売上は2019年は16.5億ドルだったが、今年は3億4000万ドルにすぎなかった。しかし直前の四半期からみると売上をほぼ4倍に伸ばした。同社が今年の第4四半期にさ第3四半期なみの売上を確保できれば2018年の売上より数億ドル増える計算だ。

重要なことに、Airbnbは、長く続いた赤字四半期の後、今年の第3四半期に黒字に転換することに成功した(2019年も第三第3四半期は黒字だった)。しかし第3四半期にGAAP純利益2億1930万ドルを計上したものの、それ以前の巨大な赤字にくらべるとさほど印象的ではない。同社が2020年にブレークイーブンに達することはない。

ではAirbnbの財政状況は2020年末にはどうなっているのか? 四半期ごとの結果を確認すると以下のとおりだ。

Airbnbは調整後の利益指標も発表した。EBITDAの調整は次のとおりに行われている。

EBITDAは、純利益または純損失に以下の費目を加えたものとして計算しています
(i)法人税引当金
(ii)受取利息、支払利息、およびその他の収入(費用)
(iii)減価償却
(iv)株式に基づく報酬費用
(v)宿泊税の徴収および納付について、ホストと連帯して責任を負う可能性のある宿泊税準備引当金
(vi)リストラ費用

Costanoa Venturesの投資家、Amy Cheetham(エイミー・チーサム)氏は、リストラ費用を撤廃するという決定は眉をひそめ、「リストラ費用を含めるは少し行き過ぎでないでしょうか」と述べた。この点についてはわれわれも同感だ。 運用コストの削減など良い方向への努力は反映できる一方、その結果を得るために必要なリストラなどのコストを除外しているのはいささか都合が良すぎるとわれわれも感じた。よく「ケーキを持っていることと食べてしまうことは両立しない」というが、「ケーキを食べてしまった上にカロリーを勘定に入れない」ようなものだ。

TechCrunchは知り得た情報はなんであれ読者と共有するのが信条だ。そこでAirbnbが発表した強く調整されたEBITDAは次のとおりだ。

 

同社の財務はあれこれのコストを削減してもまだ健全な水準にならない。キャッシュバーンはさらに悪い。その赤字は、Airbnbが今年初めに巨額の資金を調達する必要があった理由を説明するものだ。

今回のS-1申請書を断定的に評価するのは困難だ。ここには投資家の期待に応えるグッドニュースも含まれている。しかし2020年第3四半期の収入が対前年比で減少していることと、直前の2020年第2四半期と比較すれば急速な回復を遂げたことの間の比較が企業価値の推定にあたって重要な点となるだろう。 全体としてみればAirbnbはどん底から立ち直るという離れ技をなしとげた。

しかし株式上場に向かって進み始めた以上、この回復を「グッドジョブ!」と賞賛しているだけではすまない。Airbnbは企業価値の最大化、取引の活発化を図らねばならない。投資家が進んで株式を買う気になるのはどれくらいの価格だろうか? 株式公開に当たっての株の値付範囲に強い注目が集まっている。

画像:OSHIFUMI KITAMURA / Contributor / Getty Images

原文へ

カテゴリー:
タグ:

滑川海彦@Facebook

ソーシャルゲームのZyngaの第3四半期は過去最高の売上高、しかしユーザー数増加も約127億円の赤字

Zynga(ジンガ)の最新の四半期決算報告書によると、第3四半期の売上高が過去最高となる前年同期比46%増の5億300万ドル(約525億円)に達した。ブッキングは同59%増の6億2800万ドル(約655億円)だった。また、モバイルアクティブユーザー(3100万人)と月間アクティブユーザー(8300万人)もこの6年間で最多となった。

しかしすべてがバラ色だったわけではない。同社は第3四半期に1億2200万ドル(約127億円)の赤字となった。純利益は2億3000万ドル(約240億円)だったが、ただしこれはサンフランシスコのZyngaのビル売却によるものだ。米国東部時間11月4日午後4時44分時点のZyngaの株価は時間外取引で4.9%下げた。

決算が発表される前、CEOのFrank Gibeau(フランク・ジボー)氏は、パンデミックにより春と初夏に使用は「大きく伸びた」ため成長は順当なものとなったが、「エンゲージメント、収益化ともに依然として増えています。モバイルゲーミングを初めて体験した人が戻ってきて利用を続けています」と筆者に語った。

同社は第4四半期の売上高は55%増の5億7000万ドル(約595億円)との予想を示した。ジボー氏は、新しいモバイル端末が出回っていること、結果として「多くの人が店に足を運んでギフトを買うことができない」ソーシャルディスタンシングとロックダウンで、モバイルゲーミングに大きな恩恵がもたらされかもしれない「デジタルホリデー」を指摘した。

第3四半期中にZyngaはまた、イスタンブール拠点のハイパーカジュアルゲーム開発会社Rollic(ロリック)の買収をクローズした。チームは「運用の観点から現時点では完全に統合される」が、Zyngaは次の四半期までRollicをユーザー数に含めない、とジボー氏は述べた。

そして「次なるM&Aに向けて準備万端です」と付け加えた。

関連記事:Zyngaがトルコ拠点の超カジュアルゲームメーカーRollicの買収を完了、CEOはさらなる買収に意欲的

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Zynga決算発表

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

PayPalの第3四半期決算は消費者のフィンテック利用増を反映

予想を上回る第3四半期決算を発表した後、PayPal(ペイパル)の株価は時間外取引で下げた。なぜ下落したのかはいまのところはっきりしないが、個人投資家がアナリストの予想以上に期待していたからかもしれない。

投資家を喜ばせることはできなかったにもかかわらず、これまで同様、決算の中に幅広いフィンテック業界の強みを見出すことはできる。

PayPalの第3四半期の売上高は54億6000万ドル(約5700億円)、調整後1株あたり利益は1.07ドル(約111円)と、いずれもアナリストの予想を上回った。アナリスト予想は売上高54億3000万ドル(約5678億円)、1株あたり利益0.94ドル(約98円)だった。

PayPalの収支はさておき、決算ではフィンテック関連のデータが詳細に示された。ここには、パンデミック中に消費者のフィンテック商品の利用増加が続いていることを示す結果も含まれている。例えばPayPalは、決済ボリュームの成長ペースがこれまでで最大となったとした。

数字を示すと、PayPalは2470億ドル(約26兆円)を処理し、この数字は前年同期比38%増だ。決済件数は40億件で、こちらは前年同期比30%増だった。消費者決済・事業決算のボリュームを増やしたいスタートアップにとってはいいニュースだ。マーケットは急成長している。

PayPalはまた、第2四半期決算時に20%台後半としていた年間の決済ボリュームの成長率を、第3四半期末時点で「約30%」に上げたが、これもフィンテックにとっていいニュースだ。

PayPalが明らかにした他の数字も同様に強気だ。例えばVenmo決済額は前年同期比61%増の440億ドル(約4兆6000億円)だった。第2四半期時の同52%増からアップしている。

最後に、PayPalの「直近12カ月ベースでのアクティブ口座あたりの決済数」は第2四半期に39.2から40.1に成長した。2020年初めにクローズしたHoney(ハニー)買収を含めると、数字は41.7に上がる。

今回の決算は、活発なeコマースと消費者のフィンテックに対する意欲を意味する。

PayPalの新しいVenmoクレジットカード、そして最近のビットコイン価格上昇につながった仮想通貨についての取り組みについていうのはまだ早い。しかしPayPalの決算というレンズを通して見える、フィンテックに親しんでいるコアな消費者は強気だ。

カテゴリー:フィンテック
タグ:PayPal決算発表

画像クレジット:SOPA Images / Getty Images

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

Facebookの第3四半期はパンデミックの追い風で広告収入アップ、ただし北米のユーザー数は微減

Facebook(フェイスブック)は米国時間10月30日、第3四半期の決算を発表した。今期の収入は215億ドル(約2兆2500億円)、収入は8億ドル(約837億円)一株当たり利益は2.71ドル(約283.62円)だった。

アナリストの予測は収入が198億2000万ドル(約2兆700万円)、1株当たり利益が1.91ドル(約199.89円)とずっと低いものだった。またフェイスブックは2020年9月の1日あたりアクティブユーザー数が18億2000万人と発表した。これは対前年同期比12%のアップだ。月間アクティブユーザー数は27億4000万人でこれも前年比12%アップしている。いずれも市場の予測を上回る数値(CNBC記事)だった 。

注目すべき点として、フェイスブックのユーザー数が今年、2020年に急増したことが挙げられる。対前年比で32%のアップとなった時期があった。これは22%の収入アップを上回るペースだった。同社の支出アップは28%でいつもどおり収入のアップを上回っている。

四半期決算の発表はフェイスブックの株価にはほとんど影響を与えなかった。本稿の執筆時点で株価は0.4%程度のアップに止まっている。

同社は2020年第4四半期や2021年の業績見通しについて具体的な数字を明らかにしなかったが、「2020年の第4四半期の広告収入は、第3四半期を上回るだろう」と述べている。また広告以外の収入についても新しいVRヘッドセットであるOculus Quest 2の販売が好調であるため貢献が期待できるとしている。

フェイスブックは2021年について「不確定な要素が極めて多い」ことを認めた。これはヨーロッパにおけるデータ保護や域外とのデータのやりとりに関する規制の強化(未訳記事)がフェイスブックに大きな問題を提起する可能性を認めたものだ。同社はこうした動きを「注意深く観察する」としている。

アナリストの2020年第4四半期の業績予測は、収入が242億5000万ドル(約2兆5400億円)、1株当たり利益が2.67ドル(約279.43円)だ。2021年通年に関しては収入が1000億ドル(約10兆4700億円)一株当たり利益が10.26ドル(約1073.76円)などとと予測している。

広告業界は、Snapの広告収入が大きくアップしたことでフェイスブックについてもこうした数字を予期していた。フェイスブックは「パンデミックにより商品購入が対面方式から通販に大きくシフトしたため、企業のオンラインへの広告支出が増加した」と分析している。しかしTwitter(ツイッター)の広告収入は対前年比で8%増加しただけだった。広告収入の動きは、企業によってばらつきが大きいことが改めて確認された。

ともあれフェイスブックにとってはパンデミックが思わぬ追い風となった。全体として同社の2020年の業績は満足すべきものだったようだ。

しかしフェイスブックのユーザー数は、米国とカナダで第2四半期の1億9800万人から今四半期の1億9600人へとわずかながら減少している(Engadget記事)。これは2020年に入って新型コロナウイルス感染症によるロックダウンで人々が外出できなくなり、ユーザー数が異常な伸びを見せた揺り返しだ。むしろ正常化といった方がいいかもしれない。

フェイスブック自身、この傾向が第3四半期および以降にも続くことを予想し「2020年の第4四半期にもこのトレンドは継続し、米国とカナダにおけるユーザー数は第3四半期と比較してDAU、MAUともにフラットないしわずかな減少となるだろう」と述べている。

関連記事:SnapchatのSnapが予想を大幅に上回る収益で第3四半期後、株価急騰

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Facebook新型コロナウイルス決算発表

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

2020年のApple第4四半期決算がいつもと違う理由

米国時間10月29日、Apple(アップル)は第4四半期決算で予測を上回る成果を報告したが株価は下がり、それは投資家が期待以下だったiPhone売上を懸念したためだった。本稿執筆時点で時間外取引の株価は約5%安だ。

ささやかな予測超えだった。アップルの売上647億ドル(約6兆7600億円)はウォール街予測の637億ドル(約6兆6500億円)を上回り、1株あたり利益も0.73ドル(約76.25円)で予測の0.70ドル(約73.21円)を超えた。アップルはサービスおよびMac部門で史上最高を達成したが、iPhoneの売上は対前年比20%減だった。

一般に、アップルの第4四半期は新型iPhone発売後最初の数日間の売上でちょっとしたピークを迎えるが、2020年は発売が数週間遅れたため、新機種は第4四半期に入り込むチャンスを逃しホリデー四半期である第1四半期にすべてまとまることになった。

iPhone 11とiPhone 11 Proは2019年9月20日に発売されたのに対して、2020年のiPhone 12の発売日は1カ月以上後の10月23日で、iPhone 12 Proはまだ発売されておらず11月13日の予定だ。

さらに気になるのは、この遅れが会社全体の製品発売スケジュールに影響を与えるかどうかだ。果たしてiPhone 12とiPhone 12 Proは、かつての機種よりも短いライフサイクルを過ごすのか、それとも10月、11月が今後同社の新しい新発売時期になるのだろうか?

iPhone以外の数字を見ると、アップルは第4四半期に90億3000万ドル(約9400億円)のMacを販売し、iPadを68億ドル(約7100億円)、ウェアラブルなどで78億7000万ドル(約8200億円)、サービスで145億5000万ドル(約1兆5200億円)をそれぞれ売上げた。これはアップルのサービス売上がiPhoneの売上に最も近づいた四半期であるのは興味深い。サービス売上はiPhone売上の半分強まで届いた。2019年は1/3の方が近かった。

次は売上の点で大きな四半期になることが予想されるが、投資家は第4四半期の結果にはあまり惹かれていないようだ。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:AppleiPhone決算発表

画像クレジット:Apple

原文へ

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Spotifyの月間アクティブユーザーが3.2億人超え、ロシアマーケットが貢献

直近の四半期決算発表で、Spotify(スポティファイ)は月間アクティブユーザー数が3億2000万人を超えたと発表した。これは29%増で、ロシアマーケットにおけるサービス開始の成功が貢献している。3億2000万人のうち1億4400万人が有料ユーザーで、こちらは27%増だ。

Spotifyは引き続き、世界最大の音楽ストリーミングサービスだ。そしてかなりの差が開いて2番目にApple(アップル)が位置する。こちらの有料ユーザー数は2019年時点で6000万人だ。一方、Amazon Music(アマゾンミュージック)のユーザー数も5500万人とそれほど差はない。といっても、Amazon(アマゾン)は有料ユーザー数は公表していない(アップルは3カ月の無料トライアル後は有料に移行する)。

堅調な伸びにもかかわらず、Spotifyは四半期決算で約1億1800万ドル(約123億円)の赤字を計上した。黒字だった第3四半期から大きな変わりようだ。同社が挙げた大きな赤字要因は、新規ユーザーを引きつけるための割引プラン提供を続けていることだ。

「当社は、新たなユーザーを加えるか、既存ユーザーに提供しているサービス価格を上げるかによって成長します」と決算発表で述べた。「このエコシステムにおいては、獲得を狙える何十億という消費者がまだいると当社は考えており、より良いツールに投資するつもりです。これがひいてはエンゲージメントにつながり、エンゲージメントが増えれば収益を増やす能力が増します」。

もちろんSpotifyはポッドキャストコンテンツでリーダーとなるべく、かなりの額を投入してきた。過去2年間、Gimlet、Anchor、Parcast、スポーツメディア大企業Ringerなど、テクノロジーやコンテンツの企業買収に何億ドル(何百億円)も投じてきた。四半期決算発表の際、Spotifyは最近買収したJoe Rogan Experienceが英語圏マーケットであっという間に最も人気のポッドキャストになったことを明らかにした。

コメディアンのJoe Rogan(ジョー・ローガン)氏がホストするポッドキャスト番組「The Joe Rogan Experience」は「オーディエンスの予想を上回るもの(だった)。このポッドキャストの独占回を年末までに開始することを楽しみにしています」とSpotifyは話す。ローガン氏のポッドキャストは即座に議論を巻き起こした。ちょうど今週、陰謀論者のAlex Jones(アレックス・ジョーンズ)氏が数多くのこれら問題に再び火をつけた。Spotifyは先日のTechCrunchのコメントリクエストに応じなかった。

そして同社はまた、最近のミュージシャンへの支払いアップと透明性向上の要求にも応じていない。新型コロナウイルスんほパンデミックによってライブ公演で収入を得ることが不可能になっている中で、これはかなり重要な問題だ。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Spotify決算発表

画像クレジット:Bryce Durbin

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

Microsoftの決算はAzureの好調で予想外の成績、でも株価は横ばい

今日(米国時間10/27)の取引終了後、Microsoft(マイクロソフト)が、2020Q3の決算報告を発表した。それは同社の会計年度では2021Q1に該当する。9月30日に終わる3か月でMicrosoftの売上は372億ドル、一株あたり利益は1.82ドルだった。

アナリストの予想では、同社の一株あたり利益は1.54ドル、売上は357億2000万ドルだった。

予想を上回る結果の後にもかかわらず、同社の株価は実質的にフラットで、時間外取引では小数点以下の上げがあっただけだ。Microsoftの午後の取引では2%弱のアップだったが、やや不均一な市場でもあった。

Microsoftの株価を上げた要因としては、Azureのアップデートが不可欠だった。Microsoft自身は、こう言っている:

サーバープロダクトとクラウドサービスの売上が、Azureの売上増48%(実質ベースで47%)に押されて22%(実質ベースで21%)増加した。

投資家心理としては40%台の下の方を期待していたようで、Azureの結果はそれに比べても強かった。

Azureが含まれるカテゴリーは「Intelligent Cloud」(インテリジェントクラウド)と呼ばれ、売上は130億ドルで前年同期比20%の増となった。それは、Microsoftの三大カテゴリーの中では最優秀で、OfficeとLinkedInが大きい「Productivity and Business Processes」(生産性とビジネスプロセス)が売上123億ドルで11%増、WindowsとXboxが鎮座する「More Personal Computing」(その他のパーソナルコンピューティング)は売上118億ドル6%増だった。

決算報告の聴衆に紛れ込んだ財務オタクである私は、読者のお楽しみのために以下の表をかっさらった:

決算報告をざっと見て、ほかに目立つものといえば、これらだ:

  • Surfaceの売上が強くて、前年同期比で37%の増。
  • Bingの売上は下降。同社によると、トラフィック取得費用を除いた後の検索広告の売上は10%減った。,
  • 商用クラウドの売上は152億ドルで前年同期比31%増。
  • LinkedInは四半期売上が16%増加した。
  • ゲームの売上は前年同期比22%増。
  • 消費者PCの需要によりProでないWindows OEMの売上が前年同期比で31%増加した。Pro向けのWindows OEMは22%減少。OEM全体としては5%の減となった。

次期(現四半期)の一株あたり利益のアナリスト予想値は1.60ドル、売上は404億ドルだ。同社自身の予想は、決算報告で発表される。

アップデート: MicrosoftのIRチームのMike Spencer氏から電話があり、今回の結果についてチャットした。COVID-19関連で広告収入の落ち込みについて聞いたら、Spencer氏はBingもLinkedInも初期の落ち込みからは回復した、と言った。両社とも、同社の期待を上回ったそうだ。前年同期比ではもちろん、LinkedInがBingより好成績だが、予想を上回ったこと自体は良い。Bingの数値は、Googleにとって何を意味するだろうか。

Spencer氏は、社内と社外の予想値が出る前から、Azureの数値を期待していた。ProでないWindows OEMについても、注目すべき数値だ、と。まさに、そのとおりだ。Azureの数値は、MicrosoftがAmazonやGoogleに対して善戦していることを示す。後者の消費者PCの伸びは、家に足止めを食らっている子どもたちのために買うコンピューターは、Chromebookだけではないよ、ということ。

関連記事: Microsoft Azure announces its first region in Austria(未訳)

画像クレジット: TechCrunch

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ソフトウェア最大手のSAPが新型コロナ後の売上・利益予測下方修正で株価急落

米国時間10月25日にSAP2020年第3四半期決算を同社のさまざまな集計結果とともに発表した。当期の売上予測を達成できなかった同社は、2021年の見通しも下方修正した。重なる悪い知らせは投資家の動揺を呼び、株価は時間外取引で20%以上暴落し、市場開始後も改善の様相を見せていない。

その結果、ドイツのソフトウェア巨人は時価総額数百億ドル(数兆円)を失った。

報告全体が悲観的で、売上は4%減の65億4000万ユーロ(約8100億円)、クラウド・ソフトウェア売上が2%減、営業利益は12%減だった。唯一の明るい材料は、同社の純クラウド部門で、11%増の19億8000万ユーロ(約2450億円)を売り上げた。

SAPの売上は、予測を約3億1000万ユーロ(約380億円)下回ったが、1株あたり利益は調整前、調整後いずれも予測を上回った。

SAPの大幅な売上減だけでも投資家を売りに走らせるのに十分だったろうが、 予測の修正(SAPリリース)が懸念に輪をかけた。パンデミック中での顧客のクラウドへの移行は加速していると同社はいうが、パンデミックが売上と大型プロジェクトを減速させていることも明かした。

Constellation ResearchのアナリストであるHolger Mueller(ホルガー・ミューラー)氏は、これが予想外の売上減少につながったという。

「SAPで何が起きたのかといえば、クラウド売上の遅れであり、顧客がSAPはクラウド製品のみに投資しているので、将来クラウドへ移行しなくてはならないと知っているからだ。問題は、SAPユーザーがパンデミック中にクラウドへ移行していないこと」とミューラー氏はTechCrunchに語った。

時代の波に合わせ、SAPは決算報告の中で2025年の見通しについて話したが、パンデミックがSAPの現在と未来のビジネスに劇的な打撃を与えていることに対する投資家の懸念を拭うことはできなかった。

SAPは2020年の予測を以下のように修正した。

  • 非IFRS(国際財務報告基準)クラウド売上(恒常為替レート)80~82億ユーロ(約9910億〜1兆160億円)、従来は83~87億ユーロ(約1兆280億〜1兆780億円)
  • 非IFRSクラウドおよびソフトウェア売上(恒常為替レート)231~236億ユーロ(約2兆8620億〜2兆9240億円)、従来は234~240億ユーロ(約2兆8990億〜2兆9730億円)
  • 非IFRS総売上(恒常為替レート)272~278億ユーロ(約3兆3690億〜3兆4440億円)、従来は278~285億ユーロ(約3兆4440億〜3兆5230億円)
  • 非IFRS営業利益(恒常為替レート)81~85億ユーロ(約1兆30億〜1兆530億円)、従来は81~87億ユーロ(約1兆30億〜1兆770億円)

つまり、3億〜5億ユーロ(約370億〜620億円)のクラウド売上が消滅し、クラウドおよびソフトウェア売上3~4億ユーロ(約370億〜500億円)、総売上60~70億ユーロ(約7430億〜8670億円)もなくなった。その結果利益予測は最大2億ユーロ(約250億円)削られた。

それでも会社は将来予測について強気の姿勢を見せ、新型コロナの影響は解消しつつあり、既存顧客はいずれクラウドに移行し、それが長期的に大きな新規売上になると信じている。その代償は今後1~2年の短期的な痛みだ。

「今後2年間、当社の成長は停滞し営業利益は横ばいかやや減少すると予想しています。しかし、2022年以降には大きく取り戻します。加速するクラウド移行による当初の向かい風が、売上と利益の追い風に変わり始めるからです。【略】それは売上成長の加速と営業利益の2桁成長が2023年から始まることを意味しています」とSAP CFOのLuka Mucic(ルカ・ムシック)氏が10月26日のアナリストとの会見で語った。

次の問題は、果たして会社はこうした目標を達成できるかのどうか、そしてパンデミック中の長期的アプローチが投資家を鎮められるかだ。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:SAP決算発表

画像クレジット:picture alliance / Getty Images

原文へ

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Huaweiの1〜9月期売上高は9.9%増も成長鈍化が鮮明に

Huawei(ファーウェイ)は米国時間10月23日、第3四半期決算を発表した。成長の大幅鈍化が示され、中国最大手の通信機器・スマートフォン企業である同社は「生産とオペレーションが大きな困難に直面している」と述べた。

Huaweiは手短かな発表の中で、特定の貿易規制について言及しなかったが、同社は米政府による一連の輸出規制の対象となっている。そうした政策の影響はまだ具体的に現れていない。というのも、米国政府がHuawei、ZTEとの取引禁止の実行を2021年5月まで遅らせるなど、いくつかの免除措置を取っているからだ。

2020年の第3四半期までのHuaweiの売上高は6713億元(約10兆円)で、前年同期比9.9%増、利益率は8%だった。こうした数字は「基本的に目標を達成した」が、2019年同期に比べると大幅な落ち込みだ。昨年、同社は24.4%の成長を達成し、利益率は8.7%だった。

Huaweiは非上場企業であり、スマートフォンや通信機器の売上高、その他の詳細などは明らかにしなかった。

同社は「世界が新型コロナウイルスと戦う中で、Huaweiのグローバルサプライチェーンは大きな影響を受け、生産とオペレーションは大きな困難に直面しています。Huaweiはソリューションを見つけ、生き残って前進し、顧客やサプライヤーに対する義務をまっとうすべく引き続き最善を尽くします」。

米政府による他の規制には、米国のソフトウェアと特定の半導体プロセスに使用されるハードウェアのHuaweiへの提供禁止が含まれ、これによりHuaweiは新たなチップ供給元の確保を余儀なくされている。

米国に加え、Huaweiは英国など他の国からも厳しい目が向けられている。英国では通信企業が新しい5G機器をHuaweiやZTEから購入することを禁じ、またすでに英国の5Gネットワークに使用されたそれら中国企業のパーツを2027年までに排除することを通信企業に求める新たな方針を実施する計画だ。

Huaweiの機器を取り替えることは通信企業にとってコストの増大を意味する。というのも、Huaweiは世界で最大のサプライヤーの1つだからだ。先月、米連邦通信委員会は、HuaweiとZTEのネットワーク機器を取り替えるのに18億3700万ドル(約1925億円)かかり、地方の通信ネットワークには財政的負担が大きくのしかかると述べた。

しかしHuaweiにとって、2020年はこれまでいくつかの明るいニュースがあった。2020年7月、Huaweiが同年第2四半期のスマホ出荷台数でSamsung(サムスン)を抜き世界トップとなったことがCanalysのレポートで明らかになった。これは大きなマイルストーンだ。これまでの9年間でトップの座をApple(アップル)かSamsung(サムスン)以外の企業が奪ったのは初めてだ。これは部分的には全体のスマホ出荷台数が新型コロナウイルスパンデミックで影響を受けたことによる。しかしHuaweiは中国国内マーケットの売上に助けられた。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Huawei決算発表

画像クレジット:VCG / Getty Images

原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

四半期決算発表後インテル株が10%も下げた理由、データセンタービジネスの弱さが影響か

第3四半期の決算が報告される季節となった。しかし、すでにいくつかの企業が発表した決算は、株主にとって好ましくないものとなっている。動画ストリーミングの大手Netflixが発表した四半期決算には、株主を失望させる数字がいくつか含まれていたため株価は下落した。米国時間10月22日に四半期決算を発表したIntel(インテル)もまた、株価を下げてしまった。

CPU大手であるインテルの株価は第3四半期の決算データ発表(Intelリリース)の後、市場外取引で約10%下がった。市場では調整済1株当たり利益1.11ドル(約116円)、 収入182億6000万ドル(約1兆9118億円)で、対前年比でそれぞれ5%と22%のダウンだった。今期のインテルは収入で183億ドル(約1兆9160億円)と期待を上回る成績だった。また調整済一株当たり利益でも1.11ドルという目標も達成している。

では、なぜ株価が急落したのだろうか?

急速に浮上(CNBC記事)した見方(Seeking Alpha記事)として、同社のデータセンタービジネスの弱さが影響したというものがある。インテルの事業は、データセンター部門と主力のチップ製造部門に大別される。インテルのデータ部門であるDCG(Data Center Group)の決算結果は、明暗入り混じるものだった。クラウド事業の収入は15%伸びたが、大企業および政府部門の収入は前年同期比で47%もダウンした。この部門は(インテルの表現を借りれば)先立つ2期で連続して30%以上も成長していた。

データ事業の失速は、DCGに大きな収入ダウンをもたらした。市場の期待(Seeking Alpha記事)は62億2000万ドル(約6513億円)だったところ、59億ドル(約6178億円)しか達成できなかった。

インテルはこの原因を、新型コロナウイルスの世界的流行による景気後退に求めている。同社はまた IoT事業(33%ダウン)、メモリ事業(11%ダウン)の不振を、パンデミックの所為にしている。

最近、北米とヨーロッパで新型コロナウイルスが流行が再び拡大し始めた。市場ではこのマクロ経済の不振が、インテルの授業に今後も影響を与えるのではないかと懸念している。そうであれば収入減少はこれまでの予想以上に長く続くことになるだろう。こうした懸念が、四半期決算発表後の株の売りにつながったものとみられる。

決算報告と同時に発表されたガイダンスが、株価下落に影響しているだろうか?ガイダンスには悪材料はなかったため、おそらく影響していないだろう。2020年第3四半期の決算に比べて、ガイダンスは収入利益ともに小幅ながら市場の予測を上回る数字を上げている。インテルの第4四半期ガイダンスでは、収入を174億ドル(1兆8220億円)、調整済み1株当たり利益を1.10ドル(約115円)としている。これに対してアナリスト予測は、それぞれ173億4000万ドル(約1兆81581億円)、1.06ドル(約111円)だった。

つまりインテルの第4四半期のガイダンスの数字は予測を上回るものなので、今回の株価下落の原因とは考えにくい。そうなるとやはり、データビジネスの影響だろうという推測に行きつく。

ある時点で、株価がどのように動くかに関するあまりに詳細なストーリーを作るのは危険だ。しかし今回のケースでは、データビジネスの不振が株価下落の大きな要因となっていることは間違いないだろう。新型コロナウイルスが原因だとする同社の説明に納得するかどうかは、それぞれの投資家のマクロ経済の読みにかかっている。

関連記事:Netflixが第3四半期の決算報告後に株価を下げた理由

カテゴリー:ニュース
タグ:Intel決算発表新型コロナウイルス

画像クレジット:David Silverman / Getty Images
原文へ

滑川海彦@Facebook

Netflixが第3四半期の決算報告後に株価を下げた理由

動画ストリーミングサービスのNetflix(ネットフリックス)の株価は、同社の第3四半期決算報告を受けて、米国時間10月20日の市場公開後に急落した。

Netflixの株価が突然5%も下がったのはなぜだろう?その答えは、良し悪しな決算報告書、期待外れの新規顧客数、やや緩いガイダンスにあるようだ。

第3四半期に向けてNetflixは投資家に、63億3000万ドル(約6640億円)の収益、12億5000万ドル(約1310億円)の営業利益、約9億5400万ドル(約1000億ドル)の純利益、1株当たり利益で約2.09ドル(約219.2円)の価値が予想されると伝えていた。

そして同日、Netflixは64億4000万ドル(約6760億円)の収益、13億2000万ドル(約1380億円)の営業利益、7億9000万ドル(約830億円)の純利益と1.74ドル(約182.5円)の1株当たり利益を報告した。

Netflixは収益目標を達成したが、利益率では及ばなかった。

またNetflixはアナリスト予想の63億8000万ドル(約6690億円)を上回る売上を達成したが、アナリストが予想していた1株当たり利益の2.13ドル(約223.4円)には到達しなかった。

さらに悪いことに、新規顧客数の増加も予想を下回っている。Netflixは第2四半期の決算で「第3四半期(2020年第3四半期)の有料会員の純増数は前年同期の680万人に対し、250万人と予想される」と述べ、その理由は「上半期の好調な業績が下半期の需要を前倒しした可能性が高い」と伝えた。

Netflixの報告によると新規顧客はわずか220万人で、目標を達成できておらず、さらにアナリストの予測である330万人を大きく下回った。一部のアナリストの予想(CNBC記事)はさらに高かった。

今後の見通しとしてNetflixは第4四半期に65億7000万ドル(約6890億円)の収益、8億8500万ドル(約928億円)の営業利益、6億1500万ドル(約645億円)の純利益、1.35ドル(約141.60円)の1株当たり利益、600万人の新規有料顧客を見込んでいるとしている。ウォール街は65億8000万ドル(約6900億円)の利益と0.94ドル(約98.6円)の1株当たり利益を求めていたので、予測のどの部分が投資家の心理に影響したのかを判断するのかは難しい。

いずれにせよ、今回の決算報告はNetflixの株価を史上最高値から大きく動かすものではない。同社は利益を逃したことによる影響を受けるかもしれないが、それは重要な点ではない。

関連記事:Netflixの第3四半期の新規会員数は予想を下回る220万人、新型コロナ需要の反動で伸び鈍化

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Netflix決算発表

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(翻訳:塚本直樹 / Twitter

Netflixの第3四半期の新規会員数は予想を下回る220万人、新型コロナ需要の反動で伸び鈍化

新型コロナウイルスのパンデミックによりNetflix(ネットフリックス)の会員数は2020年初めに急増したが、その成長は現実の世界に戻った。

今年第1四半期に1577万人が新たに会員となり、第2四半期は1009万人が加わった。そして第3四半期にはその数は250万人となると予想していた。

米国時間10月20日に同社が発表した四半期決算では、第3四半期の新規会員数は同社の目標に届かず220万人にとどまり、全会員数は1億9500万人となったことが明らかになった。同社は第4四半期に600万人が新たに会員となると予想している。2019年同期は880万人の増加だった。

「直近の投資家向けレターで強調したように、上半期の記録的な有料会員の増加により下半期の成長は緩やかになると考えています」と同社は株主へのレターで説明した。「目標を達成すれば、2020年は過去最多の3400万人が有料会員となり、これは2018年の2860万人を大きく上回ります」。

同社ははまた「リテンションは健全なままであり、会員世帯あたりの利用は前年をしっかり上回っています」とも説明した。

パンデミックによりNetflixのユーザー数の増加は加速したが、安全を確保するために作品の制作は止まった。これは作品公開スケジュールの後ろ倒しを意味する。ただ、多くの番組や映画が制作途上にある中で、Netflixの作品公開遅れはさほど目立つものではない。

制作が再開し、Netflixは実際には3月中旬以降、50作品の主な撮影を完了し、今年末までにさらに150作品の制作を完了させる計画だと話した。

「Stranger Things(ストレンジャー・シングス 未知の世界)」の第4シーズン、「The Witcher(ウィッチャー)」の第2シーズン、アクション映画「Red Notice(レッド・ノーティス)」(Dwayne Johnson、Gal Gadot、Ryan Reynoldsが出演)の制作も再開した。

今回の決算発表では、第3四半期にリリースされたいくつかの番組と映画の視聴者数も明らかにされた。視聴を選んだ人数は「The Umbrella Academy(アンブレラ・アカデミー)」の新しいシーズンが4300万人、「Ratched(ラチェッド)」は4800万人、「The Social Dilemma(監視資本主義 デジタル社会がもたらす光と影)」が3800万人、Charlize Theron(シャーリーズ・セロン)のアクション映画「The Old Guard(オールド・ガード)」は7800万人だった。Netflixの『chose to watch(視聴を選択する)』という数字は番組を最低2分視聴した会員数のことだ。

【アップデート】共同CEOのTed Sarandos(テッド・サランドス)氏は、投資家インタビューの中で最近の制作状況について語り、「世界中のほぼ全域で100%近いオペレーションを展開しています」と述べた。2021年の公開計画については、いくつかの遅延と「わずかな例外」はあるものの、ほぼスケジュール通り展開できる見込み、とも話した。

そして新型コロナ陽性者が出たためにいくつかの番組の制作を中止しなければならなかったが、サランドス氏は「大事なのはいかにすばやく安全に再開できるかです」と語り、想定の範囲内であるとの考えも示した。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Netflix決算発表

画像クレジット:Jaap Arriens/NurPhoto

原文へ

(翻訳:Mizoguchi