自分の家/部屋の空気の質を詳細に監視できる空気モニタAwairが予約販売を開始

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2月にアクセラレータのR/GAから巣立ったBitfinderが、同社のメインの製品、空気監視システムAwairの予約販売を開始した。

Awairは室内用の空気モニタで、複数のセンサが、気温、湿度、二酸化炭素(CO2)、微粒子粉塵(PM2.5)、揮発性有機化合物(VOC)(主に毒性有機溶剤)などを検出する。情報は同社のアプリケーションにセキュアに送られ、分析結果が報告される。

またAwairはチップ化されてもいるので、そのほかのデバイス(加湿器、空気清浄機など)に組み込むことも可能だ。Philips Hue(スマート電球)やMisfit Shine(アクティビティモニタ)とも統合でき、今後はNestやIFTTTなどにも対応する予定だ。究極的には、家中のあらゆるものにAwairが内蔵されていて、空気の質を監視してくれるようになるかもしれない。

Awairからのセンサデータを受け取ったBitfinderは、ユーザの空気に関する好みと一般的なアルゴリズムに基づいてAwair Scoreと名づけた評価点を計算する。一律的機械的でなく、ある程度の状況知(例:ここは寝室だから〜〜)が加わるのが、本製品の特長だ。

Awairは、ご覧のようにスピーカーのような形をしていて、協同ファウンダのRonald Roによると、Bluetoothスピーカーを置けるようなところならどこにでも置ける。本物の木でできており、意図的に昔ふうのデザインだ。状況や目的によっては、複数のAwairをひとつの部屋のあちこちに置いて、空気の質を監視することもできる(例: 窓際はどうか)。

予約価格は149ドルで、発売は今秋を予定している。実売価格は、149ドルよりも高くなるそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

コミュニティの公益訴訟資金をクラウドファンディングで支えるCrowdJustice、沖縄にもあればよいかも

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イギリスの総選挙後の新政権はHuman Rights Act(人権法)を破り捨てようとしているし、司法扶助の予算はすでに削られている。逆説的に今は、コミュニティによる法的扶助を一層充実していくための、絶好の好機だ。

国連の弁護士だったJulia Salaskyがロンドンで立ち上げたCrowdJusticeは、人びとが起こしたいと願っている“公益のための”訴訟を、クラウドファンディングで支えようとする。つまり訴訟資金をKickstarter方式で集めることによって、お金のない人でも公共の正義のためのたたかいができるようにする。

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Salaskyは次のように説明する: “たとえば地域の病院の廃止決定をコミュニティが合法的に廃案にさせたいと思ったとき、そのための法廷闘争資金をCrowdJusticeで募集することができる。コミュニティの誰かが、人権問題で不当扱いを受けているときなども、有志が訴訟のために立ち上がることができる。政権が変わるたびに司法へのアクセスはますます困難で費用のかかるものになっているが、クラウド(crowd, 人びと)の力でその流れを食い止めたい”。

“この前の連立政権のときもそうだったが、今度の保守党政権でも国民に対する法的援助の予算は大幅にカットされるだろう。また、人びとの政府の決定に対抗する能力を抑えるための、法律が作られるだろう。だから、弱者だけでなく一般の人びとも、司法へのアクセスがますます困難になる。とくに、重要だけれど解決に費用を要する問題が、無視されがちになる”、と彼女は語る。

CrowdJusticeで訴訟資金を集めるのが好適、とSalaskyが考えている問題は、バードサンクチュアリの保全のようなきわめてローカルな問題や、逆に、拷問や(政府による)大量監視のような、社会の全体に関わる問題だ。
“これらの問題は、実質的な原告の数が数十万から数百万にのぼることもありえる。しかし今は、それだけのコミュニティが資金を集めて立ち上がり、公益のためにたたかっていくための方法がない。今は、重要な公益的問題でも、勇敢な個人の頑張りと限られた資金能力に頼っている。だから私たちは、司法のシステムをハックして、コミュニティが自分たちの未来のために投資できるようにしたい”。

司法システムをハックする、というと聞こえは良いが、でも、公益のためやコミュニティの利益のために訴訟資金や活動資金を集めるというアイデアは、時代を超えて当たり前のことのようにも思える。それなのに、なぜ今まで、イギリスでは誰もそれをやろうとしなかったのか?

“法律の世界にクラウドファンディングが浸透するのに、こんなに長い時間がかかったなんて、とてもおかしい。CrowdJusticeの売り込みで走り回ったとき、法律家たちは異口同音に、‘今までそれがなかったなんて信じられないね’とか、‘何百年も昔からみんなそれを考えていたんだよ’、と言う。法律の世界には、ふつうの人たちが司法にアクセスする方法に関して絶望感と諦めがあり、とくにここ数年は、政府の施策や予算の面でもますます無視される存在になっていた”、とSalaskyは述べている。

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バイオテクノロジのPembientが3Dプリントで犀角を制作…物質的に本物と同じ

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Pembientというスタートアップがサンフランシスコの端っこの方で、犀の角を3Dプリントしている。本物の犀角のような角(つの)の形をしたものはなくて、遺伝学的に犀の角と同じ物質だそうだ。といってもPembientは、それを作るために本物の犀の角を必要としない。

世界中に今やほとんどいなくなった犀にとっては良いニュースだ。北白犀は5頭しか残っていないし、西黒犀は2006年に絶滅したと思われるようになり、今では公式に絶滅している

この定住地のない美しい巨獣を密猟者たちが長年殺しまくり、ついにこの惑星の上からほとんど消し去ってしまった。目的は、彼らの角だけだった。犀の角はイエメンでは短剣として使われ、中国では薬効があると信じられてきた。

これを見て犀角ではないと言った人は一人もいない。
— Matthew Markus

Pembientの協同ファウンダMatthew Markusは職業はソフトウェアエンジニアで、90年代の終わりごろからいろんなスタートアップで仕事をしてきた。でも彼は、犀など世界中の野生動物に今起きていることが、嫌で嫌でたまらなかった。

“犀について読んだのは2006年だったが、それに対してテクノロジで何かができるまでには、かなり待たなければならなかった”、と彼は語る。

今となると、実験には安い共有スペースを利用できる。クラウドコンピューティングと3Dプリントがあり、ほかにもバイオテクノロジの費用を下げ、出力を早くする数々の技術がある。彼は遺伝工学のエンジニアGeorge Bonaciに協同ファウンダになってもらい、遺伝学的には同一の、安価な犀角をつくるという、突飛なアイデアに挑戦した。

彼の犀角の主原料は、ケラチンと呼ばれる蛋白質だ。Pembientは遺伝コードを見つけ、3Dプリントのテクニックをで、ケラチンから角を再生することに成功した。

これは、必ずしも新しいアイデアではない。同じく生物学的な素材から、試験官の中で肉を培養したスタートアップもいる。CADソフトの老舗Autodeskはサンフランシスコに研究所を設け、さまざまな器官を3Dプリントで作ろうとしている。

Markusは、自分の技術で犀角の値段を劇的に下げて、密猟者が野生の犀を殺すことに経済的動機を持たないようにしたい、と考えている。

野生動物の不法取引には200億ドルの闇市場があり、それはドラッグ、武器兵器、人身売買に次いで4番目に大きい。しかも世界の犀の人口は最盛時の95%に減少しているから、その将来は危うい。

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Markusは彼が作った犀角を見せてくれた。小さくて硬くて茶色のものが手作りの箱に入れられて彼のデスクの上にある。これは本物の犀の角のサンプルか、と問うと、彼は笑って、3Dプリントで作ったもので本物ではないが、本物と違う点は何一つない、と言った。

“物理的/物性的には、違いを見出すことはできない。これを見て、犀角ではない、と言える人はいない。あらゆる利用意図や目的から見ても、これはまさに本物の犀角だ”、と彼は語る。

彼は今後、犀だけではなく、象牙やセンザンコウの鱗、虎の骨など、闇市場で高価に取引されている野生動物の器官にも挑戦する気でいる。

“ピアノの鍵盤用の象牙は、うちで作って提供したいね”、とMarkusは述べる。

“最初はどうしても、犀の角でなければならなかったんだ”。彼が次の課題に着手したら、また本誌で取り上げよう。

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Tesla Model Sにはジェイムズ・ボンドになるためのイースターエッグが隠されている?!

Tesla Model Sは、現段階における究極の車のひとつと言って良いのだと思う。しかし「なんでもできる」というわけではない。ガソリン補給にかかる時間と同じ時間で充電することはできないし、時速250kmでぶっとばすこともできない。言うまでもないことかもしれないが、潜水艦に変身して海中を航行することなどもできない。

ただ、潜水艦に変身するためのイースターエッグは組み込まれているらしいのだ…

「そんな馬鹿な」というのが普通の反応だろう。しかしElon Muskは大変なジェイムズ・ボンドファンなのだ。

とくに1977年に公開された「私を愛したスパイ」に登場するロータス・エスプリが大のお気に入りだ。オークションに出された潜水艦仕様のモデルに100万ドル近くを投じて落札したそうだ。Muskは、この潜水艦仕様のエスプリ(格好良さそうに見せるが、実用的機能は搭載されていない)を実際に動かしたいと考えているようなのだ。潜水艦にもなる自動車を、いつか実現する心づもりであるらしい。

こうしたMuskの思いをうけて、TeslaのエンジニアはModel Sにイースターエッグを仕込んだ。どのようなものかについては下のビデオをご確認頂きたい。

ちなみに「深度」(Depth)メニューには「20,000リーグ」の表示がある。これはもちろん『海底二万里』を意識したものだ。

比較のために、通常の画面の画像も載せておこう。

そしてもちろん、映画中オリジナルのシーンも載せておくことにする。

(編集部注:イースターエッグでモード指定しても実際に潜水艦になるわけではありません。8万ドルもする車で海に飛び込むことのないようにお願いします。また、対空ミサイルも発射できませんのでご注意ください)

[via Jalopnik]

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(翻訳:Maeda, H


Apple、モントレーでの太陽光発電施設建設に8億4800万ドルを出資

本日のInternetカンファレンスにて行われたTim CookとGoldman Sachs Technologyの対話の中で、Tim Cookから興味深い情報が出てきた。Appleが、太陽光発電施設の構築に8億4800万ドルを投じるとのことだ。

Cookによれば、カリフォルニア州モントレーに建築される1300エーカーの太陽光発電施設の建設に8億4800万ドルを出資するとのこと。アリゾナ州のFirst Solarとの共同プロジェクトだ。出資の見返りとして、Appleは今後25年間にわたり、固定レートでの電力供給を受けることになっているそうだ。

Cook曰く、この施設から得られる電力はAppleの新しいキャンパスおよびカリフォルニア州にある既存オフィス群、および同州の小売ストアの電力を十分に賄うものであるとのこと。

建設は2015年中頃に開始となり、2016年末には完成する予定となっている。

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(翻訳:Maeda, H


再生可能エネルギーを用いた三葉飛行機が、実現を目指してKickstarterに登場

三葉機(Triplane)は、第一次世界大戦をもって退役したものだと思っていた。しかし再生可能エネルギーを利用するハイブリット電気飛行機として復活させようとする動きがあるようだ。FaradAirが、実現に向けたKickstarterキャンペーンを展開中なのだ。

バイオ―電気ハイブリッドの飛行機(Bio-Electric-Hybrid-Aircraft:略してBEHAと呼ぶようだ)は、世界初のハイブリッドなエコ飛行機の実現を目指すプロジェクトだ。2020年の実現を目指すという、少々気の長いプロジェクトではある。航空宇宙工学で名を知られるイギリスのクランフィールド大学(Cranfield)など米英の技術パートナーやベンチャーなどを巻き込んだプロジェクトとして運営していく予定であるらしい。

マネージング・ディレクターのNeil Cloughleyは、夜間の騒音対策や公害対策に対するソリューションともなり得ると話している。

既存テクノロジーとの最も大きな違いは、そのサイズにあると言えるだろう。これまでに発表された電気飛行機は、長大なグライダー様の翼を備えていて、それがために利用範囲が制限されるということにもなっていた。しかし三葉化することで、BEHAは一般的な飛行機と同様なサイズに収めることを可能としている。

飛行機上面はほぼすべてソーラーパネルで覆われており、風力タービンも備えていて、それにより地上にいるときも、飛行中にもバッテリーを充電できるようになっている。

ちなみに飛行機1台あたりの価格は100万ドルを見込んでいるとのことだ。

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(翻訳:Maeda, H


ホワイトスペースの実用化試験でGoogleがロンドン動物園からミーアキャットの生態をライブストリーミング

Googleは、インターネットのツボをよく知ってる企業だ。同社は、無味乾燥な技術試験をおもしろくする方法を思いついた。放送電波周波数帯のホワイトスペースの実用試験、という問題の技術で、ロンドン動物園からミーアキャットカワウソガラパゴス大亀の生態をYouTubeへライブでストリーミングすることにしたのだ。

スペクトル(割り当て周波数帯)は、どう転んでも無味な話題だ。ホワイトスペースとなると、さらにニッチだ。各スペクトルの間に干渉防止用に設ける無使用の周波数領域のことを、ホワイトスペースと呼ぶ。

テレビがデジタルになってからは電波の干渉という問題はほとんどなくなり、業界の各方面からホワイトスペースを使わせろという声がわき起こってきた。インターネットの接続性を広げたいGoogleも、当然その一員だ。ホワイトスペースを使えれば、長距離かつ広域で建物の壁などに妨害されないWiFiを提供できる。Googleは昨年、南アフリカでホワイトスペースの実験試験を行い、10の学校をそのWiFiブロードバンドでインターネットに接続した。

合衆国では2008年にFCCが無使用ホワイトスペースの利用を認めた。イギリスでは政府がホワイトスペースをテレビ局のライセンスから外そうとしているが、まだそれは試行段階だ。Googleが行う動物園からのライブストリーミングも、試行の一環である。イギリスでは、そのほかの試行もいろいろ行われている(後述)。

イギリスの情報通信庁(Ofcom)によると、ホワイトスペースにはいろいろな利用形態がありえる。僻地におけるインターネット接続も、その一つだ。そのほか、WiFi的サービス、ワイヤレスのビデオストリーミング、マシンツーマシン(物のインターネット、IoT)専用の第二インターネット、などなどの候補案がある。

今イギリスではホワイトスペースの実用試験が7つ行われていて、今後もっと増える予定だ。ロンドン動物園とGoogleが行う試験は、今後の絶滅危惧種動物の保護活動への応用が検討されるらしい。またGoogleにとっては、かわいい動物をインターネットにストリーミングすることに、マーケティング的な価値がある。

イギリスの規制当局はホワイトスペースの利用開始を2015年と構想している。それまでに、“実用試験を完了し、政策方針を確定する”つもりだ。でもこれまでは、2013年の供用開始が可能とされていた。2年も遅れた理由は、もっとたくさんのミーアキャットをストリーミングしてからでないと商用利用はできない、と当局が判断したからだ。いや本誌の理解では、当局よりもむしろ、業界側が、もっと多くの可能性を追究したいと望んだのだ。

動物の生態のライブウォッチ以外では、オックスフォードで洪水防止への応用試験、スコットランドでスマートシティ(屋内屋外をインターネットでカバーする)の試験、同じくスコットランドでボートやフェリーの船上でのインターネット接続試験、などが行われている。

これまで行われた実用試験の一覧資料が、ここにある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


AppleがiPhoneの工場における二つの有害化学物質の使用を全面的に禁止

われわれが信じたい方向とは逆に、スマートフォンの生産は一般的にあまり環境にも健康にもやさしくない。レアアースの採鉱、無数の有害な化学物質、製品を全世界に出荷することに伴う大量の有害排気ガス、そのきたならしさは、Captain Planetがついにこの惑星を見捨て外宇宙へ旅立つに十分である。

Appleはこれまでかなり積極的に工程の改良に取り組み、その成果を公表してきた。いずれもささやかな努力にすぎなかったかもしれないが、同社は今日(米国時間8/13)もまた、新たな一歩を印(しる)した。

二つの発がん物質(ベンゼンとノルマルヘキサン)の使用に関するChina Labor WatchとGreen Americaからの陳情を受けてAppleは、同社の22の組立工場における化学物質の使用と労働者への影響を調査することになった。

ベンゼンは、名前を知っている人が多いだろう。それは、ガソリンのオクタン価を上げエンジンのノッキングを防ぐための添加剤として使われていた。一方ノルマルヘキサンは、接着剤の製造に使われることが多い。しかし電子機器の製造過程ではどちらも、素早く簡単に蒸発してしまう便利な洗浄剤として使われている。

どちらも、それ自体で相当におそろしい化学物質である。十分な接触によりベンゼンは、がんや白血病、染色体異常、臓器異常の原因となる。ノルマルヘキサンはめまいや眠気を招き、ありとあらゆる種類の神経系の異常の原因となる。

AP通信の記事によると、Appleは22の組立工場のうち4つで、これらの化学物質の痕跡を見つけた。しかしそれらの工場で、労働者の健康障害の証拠は”見つからなかった“。しかしAppleはより前向きに動いて、“最終組み立て工程”におけるこれらの化学物質の使用を全面的に禁じた。

もちろん、“最終組み立て工程”は、数十段階から成る全工程の一つにすぎない。だからこれは、スタートにすぎない。

[写真: RDECOM/Flickr, CreativeCommonsのライセンスによる]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


燃料電池自動車、来年カリフォルニア州で強力に推進

私たちは2015年10月25日までにホバーボードを手に入れることはないかもしれないが、カリフォルニア州エネルギー委員会とToyotaのおかげで、同じくらい未来的なものが手に入るかもしれない。カリフォルニア州における〈機能する水素経済〉の構築だ。

その月、FirstElement Fuelは、新たに19箇所の水素燃料ステーションをカリフォルニア州に開設する。エネルギー委員からの資金供与2720万ドル、およびトヨタからの借入金720万ドルによる。さらに9箇所が、州の別プロジェクトに配布された資金によって州内に設置される。

水素燃料ステーションの数が、現在の9箇所から4倍以上に増えることによって、ようやく自動車メーカーは、充電式電気自動車に対する明確な利点をもって燃料電池自動車を販売できる。

例えばToyotaは、燃料電池自動車のコンセプト(上の写真は今年のCESより)を昨秋東京で発表し、翌年に量産することを約束した。車の大きさはカムリと同程度で、水素燃料電池による電動モーターで駆動される。高圧タンクを使用することによって、燃料補給なしで300マイル以上走行可能な水素ガスを保持できる。Teslaの最上位 Model Sよりも40マイル以上長く、しかも環境を害する排出物はない。

トヨタの先進テクノロジー国内担当マネージャー、Craig Scottは電話で、燃料電池自動車のテクノロジーは数年前から実用化されているが、一般ドライバーにとって現実的なインフラがまだ整っていなかったと話した。たとえバッテリー使用の電気自動車より走行距離が長くても、隣の水素ステーションが遠すぎれば、ステーションのある地域からなかなか離れられない。

水素インフラの拡大と同時に、それを活用できる車がToyota、Honda、Hyundaiから2015年に発売されれば、業界全体を加速できる。ステーションが設置されることによって、Toyotaは自社の水素燃料車を量産体制に移せる。他の駆動方式車を部品を流用し、「手作り」を減らすことによって、大幅なコスト削減が期待できる。

FirstElement FuelのCEO Joel Ewanickは、今日午前私に、これらの早期投資のおかげで、将来の水素ステーション展開コストが著しく削減できると言った。ポンプの数が増えれば、ステーションの建設費は今後10年で50%下がり、燃料コストも30~40%下がる可能性がある。そして5年以内に、FirstElementのステーションは利益を生み始める、なぜなら「ビジネスモデルが非常に単純だから」とEwanickは言う。

水素自動車がそこまで興味をかけ立てるのは、公害ゼロでありながら化石燃料車並みの走行距離を可能にするからだ。ただし「ゼロ」にはアスタリスクが付く。水素の製造過程によって環境への優しさに違いがあるからだ。もし、石炭から作られた電気を使って水を水素に変えるなら、あまりクリーンではない。

Ewanickによると、FirstElementが南カリフォルニア地区に設置ステーションの水素の33%は、再生可能バイオガスから作られている(州の要求の最低限)。州北部でも35%が同じ製法だ。「費用をかければ100%にすることはできる」と彼は言うが、必要なコストは彼らにもドライバーにも折り合わない。

念のために書いておくと、水素ステーションは来年の展開以降、カリフォルニアの殆どの主要都市地域で、運転して行ける距離に設置されるが、今、ガソリンを入れるのと同じように便利になるわけではない。例えば、下に貼ったのはFirstElementによるベイエリアのステーション設置予定マップだ。もし私がサンフランシスコに住んでいたら、満タンにするためにあんな遠くまで運転したくない。

カリフォルニア州は、2025年までに無公害者を150万台にするつもりで、そのための費用を注ぎ込んでいる。これまでに、同州の代替および再生可能燃料技術推進プログラムは、水素、バイオ燃料、および輸送用電気を推進するプロジェクトに4億ドル以上を投資している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


小型環境センサーのCubeSensors、70万ドルを「ビットコイン」にて調達

今やビットコインの姿はどこにでも現れるようになってきている(見えないが)。そして当然の流れながら、ファンディングにも利用されるようになった。スロベニアのハードウェア系スタートアップで、小さな環境センサーを開発するCubeSensorsがシードラウンドにて70万ドルを調達した。資金調達自体はよくある話だが、これが暗号通過(ビットコイン)により為されたのだ。出資したのはビットコインの最大規模の取引所であるBitstampのファウンダーだ。

今回の出資をうけ、CubeSensorsでは支払い手段としてビットコインも受け付けるようにするとのこと。まずはスロベニア国内で対応するそうだ。現在のところプロダクト(Cubes)は売り切れの状態ではあるが、今回の調達資金も投入して、次の生産をすすめていくことにしているようだ。

BitstampのファウンダーはNejc KodričおよびDamijan Merlakだ。現在はイギリスに拠点をおくが、もともとはスロベニアで起業した。

CubeSensorsは2年間にわたって自己資金での運営を続けてきた。数ヶ月前に売りだしたセンサー(Cubes)はすぐに売り切れた。1月に行ったTechCrunchハードウェア・バトルフィールドにも登場した。ビットコインにより出資を行うという話は、まだあまり聞いたことがない。2つのスロベニア(発の)企業がビットコインを通じて協力しあうというのは、なかなか面白い話だ。双方ともに、ビットコインが多いに気に入ってもいるのだろう。

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(翻訳:Maeda, H


Tesla、特許をオープンソース化。誰が使っても訴えないと約束

Teslaは、自社の電気自動車技術の特許をオープンソース化したことを、CEO Elon Muskが公式ブログで明らかにした。

Muskは、同社にとって最大の目標の一つは、電気自動車業界全体を前進させることであり、それは他社の参入が困難であれば成し得ないことだと説明した。

Tesla Motorsは、環境に優しい輸送手段の出現を促進するために生まれた。もしわれわれが魅力ある電気自動車を作する道を拓いても、そこに知的財産の地雷を埋めて他社を拒めば、目標に反する行動を取ることになる。Teslaは、当社の技術を、誠意を持って利用する何人に対しても特許訴訟を起こさない。

このニュースの数日前、MuskはTeslaのSuperchargerプラグインステーションの技術を公開し、他の自動車メーカーと共に標準を作り、電気自動車オーナーが安心して旅に出られるようにしたい、という考えを表明している。

実に興味深い戦略だ。他社が性能や航続距離で追いつくのを手助けすることは、電気自動車市場に注目する投資家の、Teslaへの魅力を低くすることにつながる。

しかし、電気自動車業界全体が活気づけば、そもそも購入しようと考える人の基盤を広げることができる。業界をリードするデザインを持つTeslaは、その成長の大部分を吸い上げる好位置にいる。

この行動は、Twitterが2012年に宣言した、Innovator’s Patent Agreement[イノベーターの特許協約]を彷彿させる。Twitterは、社員が発明した数多くの特許を、発明者本人が要求しない限り、ライバルを訴えるために使わないことを約束した。特許は、他に大量の特許を持つ会社から訴えられないためだけに保有する。

ライバルを少しでも蹴落とそうと、誰もが互いに訴え合っているご時勢に、影響力のある会社が複数、争いを避ける姿は清々しい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


温湿度のほかに紫外線も測定するスマホ用天候チェッカーCliMate、かわゆいデザインでクラウドファンディング中

私は除湿機がないと生きていけない。私が住んでる都市〔台北〕は、ほとんど年中、湿度が80%前後あり、家の中にいても、いろんなもの–カメラ、レザーバッグ、カビに弱い観葉植物など–を守るために苦労する。不運にも、空気が乾燥しすぎると私は鼻血が出る。しかしここでご紹介するCliMateは、私のような、空気中の湿度に対して異常に敏感な体質の人間にとって、嬉しい製品だ。この小さな環境チェッカーはスマートフォンのアプリにBluetoothで接続して使う。今Kickstarterで資金募集中だ

これを作ったスタートアップは、メンバーが気候条件の極端に違う二つの都市、台北とカリフォルニアのマウンテンビューに住んでいる。CliMateは上の写真のように雲の形をした小さな計器で、湿度と紫外線の量と気温を測定する。室内に置いてもよいし、人が紐で首に吊るしてもよい(体温による誤差は生じない)。

TechCrunch Disruptで決勝に残ったCubeSensorsをはじめ、Bluetoothを利用する気候センサ製品はすでにいろいろある。その中でCliMateがねらう差別化要因は、おすましでかわいいデザインと、アプリの漫画ふうの画面だ。単なる表やリストを表示するのではなく、たとえば気候条件が悪いと、植木鉢の植物が萎(しお)れた絵が表示される(下図)。またユーザが設定した条件に従ってアラートを送るので、日除けのブラインドをおろしてやらなければならないタイミングなどが、庭などにいても分かる。

またユーザのアプリからデータを受信して、同じ地域のユーザに天候の変化などについて警報することもできる。

これを開発したRootiは、前はPhyodeと呼ばれていて、呼吸や心拍数を計測するリストバンド(腕輪)W/Meを開発した(神経の状態を判定する)。これもKickstarterで資金募集して成功し、昨年発売された。

今回の目標額は5万ドルで、締め切りは7月21日だ。初期出資者には39ドルでCliMateが1台進呈される。詳しいことはKickstarterのページを見てみよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))
 


グリーンピース、Amazonを叩き、Apple、Google、Facebookを賞賛(最新レポートによる)

環境監視団体のGreenpeaceは、世界の有力インターネット企業の環境成績に再び注目し、この 最新レポートによると、Apple、Facebook、およびGoogleが環境に優しい電力によるインターネットを率先しているのに対し、Amazon、具体的にはAWSが全員の足を引っ張っている。

AWSは、世界最大級の分散型ホスティングサービスだが、その二酸炭素排出量の詳細は、同社顧客にも一般にも公開されておらず、これがGreenpeaceのランク付けルールに抵触した。Amazonは同レポートで最も透明性の低い会社であるだけでなく、同団体の独自調査によると、わずか15%しかクリーンエネルギー源を使っていない。Greenpeaceは、エネルギー成績に関して同社はライバルから離される一方であると言っている。

成績上位者たちは、はるかに多くのクリーンエネルギー源を使い、石炭や原子力などの悪玉を避けることでGreenpeaceの点数を稼いでいる。Appleは、Greenpeaceによると、クリーンエネルギー源100%でiTunesとiCloudを運用している。その一部は同社の太陽光発電所から供給されており、米国の民間所有では最大の同発電所は、同社ノースカロライナ・データセンターも維持している。Facebookは全体の半分をクリーンエネルギー源に依存しており、同社とInstagramが使用しているノースカロライナおよびアイオワのデータセンターに電力供給するための、再生可能エネルギープロジェクトに投資している。Googleも多くのクリーンエネルギーを使用しており、同社のウェブ資産の34%(Gmail、YouTube、Google Playを含む)をクリーンに運用している。

次は何か?Greenpeaceは、全主要ウェブ企業に対して、100%再生可能エネルギーを使用し、自社のエネルギー源を透明化するよう訴えている。最終的に彼らは、インターネットの巨人たちが、もっと強く再生可能エネルギー源に移行するための明確な戦略を見出すことを望んでいる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Appleの次の成長分野は自動車?! 地元でまきおこるTesla買収の噂

San Francisco Chronicleや、Techメディアなどで、Appleが電気自動車メーカーであるTeslaの買収を検討中だと報じている。スマートフォンやタブレットの市場については価格競争の圧力も高く、大きな成長のために他の市場に視野を広げるというのは、確かにありそうな話だ。

ちなみにTeslaの企業価値は250億ドルとなっており、買収するとなるとかなり大きな買い物となる。しかしAppleには1600億ドル程度の現金があり、価格はいくらでも大した障害にはならないのかもしれない。もっと正確にいえば、Appleこそ、Tesla買収を考え得る唯一の企業ということになるかもしれない。大きな成長可能性を持つ市場に参入することになるわけで、そのバランスで考えれば数百億ドル程度は何の問題にもならないとも考えられる。

Tesla自体、ここしばらくも変わらずに好調な成長を続けている様子だ。株価も車の売り上げも大いに伸びている。リリースしているのはRoadsterおよびModel Sで、クロスオーバータイプのModel Xは今年後半からの納車となる見込みだ。予約も好調で、サイトの注意書きによればこれから予約しても手に入れるのは来年になるそうだ。株価は昨年比500%の伸びを示し、投資家たちもこの結果に大いに満足しているはずだ。Consumer Reportsでも、車としての過去最高評価と並ぶ評価をうけており、購入者に向けたファイナンスプランなども各種提供している。

今回の噂は、昨年春にElon MuskとAppleのM&A部門エグゼクティブのAdrian Pericaが会談したことに端を発している。多くのアナリストは、合併についての具体的な動きはないと考えている。そうではなくて、Muskが言及していた新しいバッテリーについて、何らかの形での提携を行う予定なのではないかと考えている人が多いようだ。Appleプロダクトを通じたエクスペリエンスが、自動車の世界にも実現されるとなれば、これは確かにわくわくする話だ。しかしTeslaにとっての旨味があまりないのではないかという分析にも一理ありそうだ。

ジョニー・アイブのデザインした自動車なんてものを見てみたい気もするのだが、どうだろうか。

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(翻訳:Maeda, H


Facebook、オープン・コンピュート・プロジェクトで10億ドル以上を節約

Facebookは独自に省エネ性能の高いサーバーを設計したことで莫大な利益を上げているようだ。

今日(米国時間1/28)、CEOのマーク・ザッカーバーグはOpen Computeサミットで「Open Computeデザインにもとづいてインフラを構築することにより、の3年間でわれわれは10億ドル以上の経費節減に成功している」と述べた。

Facebookは2011年4月にOpen Computeプロジェクトをスタートさせた。その後参加者はIT産業全体に広がり、サーバー、データセンターのグリーン化に大きく貢献するようになった。現在のメンバーにはIntel、AMD、Bloomberg、Box、Cumulus Networks、IBM、Microsoftなどが含まれる。

Open Computeプロジェクトは大量のエネルギー節約を実現しているが、それはとりも直さずFacebookが支払う電気料金の節約になっている。ザッカーバーグはサミットの壇上でティム・オライリーと対談し、「昨年だけで40万軒の家庭の年間使用電力、あるいは5万台の自動車に相当するエネルギーを節約できた」と誇らしげに明かした。

最近のアメリカの家庭の月平均間電力使用量は903kW/h、料金はkW/hあたり0.1209ドルということなので、Facebookは年間およそ5200万ドル前後の電力料金を節約できたことになる。

省エネが実現できただけでなく、Open ComputeプロジェクトのおかげFacebookは多数のベンダーから簡単に同一の機器を購入できるようになった。サプライチェーンの多様化はFacebookの調達コストを下げるのに寄与しているはずだ。また優秀なエンジニアをスカウトする際にも有利に働くだろう。

もっと広い観点から見れば、Open Computeはまだインターネットの恩恵に浴していない世界の50億人に安価なデータ・アクセスを提供しようとするInternet.orgのプロジェクトを助けるものだ。世界の人々を助けながらコストを削減し、さらに帝国を強化しようというのがFacebookの目論見だろう。

[画像 The Register, Karl Fruend]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


新型Mac Proのアルミニウム使用量は前モデル比74%減でアイドル時電力消費量も68%減

Appleは本日、新しいMac Proに関する「環境レポート(PDF)」を発表した。電力、素材などをどの程度節約しているのかという詳細について触れている。ちなみにAppleはEPEAT(Electronic Product Environmental Assessment Tool)を使うと「ゴールドランク」となるが、これについてはApple自体が評価基準の策定に関わっていることもあり、別段、特記するようなことでもないだろう。

EPEATのことはともかく、Mac Proがかなりの進化を遂げているのは間違いなさそうだ。たとえば前世代機とくらべればアイドル時の電力消費量は68%減となっている。昨年のモデルについての「環境レポート(PDF)」によれば、アイドル時の電力消費量は100Vで133.7Wだった。新モデルではこれが43Wとなっている。

また使用する素材の量も大幅に減らしているようだ。もちろん筐体自体が大幅にコンパクトになっていることから、これは当たり前だと言えるところもあるだろう。数字で見ると、アルミニウムの消費量は前モデル比で74%減となっており、梱包材についても容積で82%、重さでも84%それぞれ減少しているそうだ。Appleによれば飛行機輸送用コンテナに従来の三倍の台数を積載できるようになったとのことだ。

Darrell Etheringtonも昨年末の記事にて、この新マシンの圧倒的パフォーマンスについてレポートしている。

尚、記事中で言及しなかった詳細については、Appleからの資料をご覧頂きたい(PDF)。

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(翻訳:Maeda, H


旧デバイスは死なず。但し去りゆきもせず堆積してゴミとなる

Network Worldに面白い映像スライドショーが掲載されている。私たちの「新しいもの好き」が、どういう状況を招いているかを示すものだ。掲載しているサイトが、ふだんは新しいものを紹介しているサイトである点はまあ置いておこう。「新しいもの好き」の招来する問題点を垣間見せてくれる面白いスライドショーに仕上がっていると思う。

スライドショーには、リサイクル工場の様子が数多く出てくる。2012年まで現役として使われながら、今や数十万台単位のゴミと化したミニテルの写真もある。ちなみにスライドショーに出てくる機器類の中では、きっとミニテルこそが最も大きな成功を収めたものだと言えるのではなかろうか。誕生から消滅の時まで、多くの人に使われ続けたデバイスだった。

ある意味ではミニテルとは反対に、ライフサイクルの中途にて膨大なe-無駄問題(e-waste)を引き起こしたのはAppleの30pinからLightningへの変更だろうと考えている。製品が大人気となって、したがって無駄の範囲が広がってしまったのは、もちろんAppleの責任ではない。しかしAppleのスペック変更により、価値を失ったアクセサリが数多く誕生してしまった。新しい機種にアップグレードすることにより、古くなってしまった(しかしまだまだ使えるはずの)iPodドックなどがゴミになってしまったのだった。

多くの人に見受けられる「新しいもの好き」な傾向は、あるいはかつてのニューヨークを襲った馬糞問題に似ているとも言えるのではなかろうか。進化し続ける技術が、何らかの解決策を生み出してくれるのではないかと期待してもいる。ただ、今のような流れが続けば、結局問題を先送りにすることにしかならないのではないかとも考えている。

読者のみなさんもスライドを見てみて欲しい。そして「定期的アップデート」を行う必要があるのかどうか、考えてみるのも大切なことなのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H)


Internet Explorer 10の消費電力はChromeやFirefoxより18%低い, とMicrosoftは主張

Microsoftが行った委託研究によると、合衆国のChromeとFirefoxユーザの全員がブラウザをWindows 8上のInternet Explorer 10に換えたら、合衆国の1万世帯ぶんの電力を節約できる。Microsoftによるとその理由は、同社はIEの高速化に力を入れてきたしまた、IEはネイティブのグラフィクスカードなど現代的なPCのハードウェアの能力を有効活用して、レンダリングのパフォーマンスを向上させているからだ。

しかし率直に言って、ブラウザについて考えるときその電力消費を気にする人はあまりいない。研究のテーマとしてもかなり異例だと言えるが、でもたしかに、Webの閲覧に費やされる時間は最近とみに多いから、研究が言うようにIEの電力消費がCやFよりも18%少ないなら、それはIEの無視できないメリットには違いない。

Microsoftによると、IEに切り換えると1億2000万キロワットアワー(kWh)の電力が節約され、また220万本の木を苗木から10年育てた期間に相当する二酸化炭素の除去量が達成される。

Microsoftは2011年にも同種の委託研究を行い、IE9はFirefoxやChrome、Safari、Operaなどよりも優れている、とした。今回の研究では、人気上位のWebサイトを対象にベンチマークが行われた。また、FlashやHTML5によるビデオも、多数再生された。

しかし研究とその結果はまともなものだとは思うが、省エネを動機としてChromeやFirefoxからIEに切り換えるユーザは、あまりいないだろう。でも、今MicrosoftはIEのイメージアップとシェア奪還に躍起になっているから、そのためのマーケティングキャンペーンのネタとしては、とりあえず理解できるけどね。


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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


テスラモーターズのCEO、Elon Musk曰く「電気自動車業界に参入したのは、競合がなさそうだったから」

テスラモーターズのファウンダーであるElon Muskが、D11カンファレンスにおけるキーノート講演で、電気自動車事業に参入した理由を述べていた。曰く、他に誰も電気自動車を作ろうとしなかったからなのだそうだ。Musk自身、電気自動車事業への参入が「最も無分別な行為のひとつ」であり、気違い沙汰のようにも感じられたと話している。

「ほとんどの人は正気の沙汰でなく、大変に愚かしいことであると考えたようです」とMuskは述べる。「私自身が参入を決意したのも、目の前に広がる大きな市場をイメージしたからというわけではありません。あまりにもリスクが高く、大手自動車メーカーが参入してくることはないだろうと考えたからなのです」とのこと。

SpaceXおよびSolar CityのファウンダーでもあるMuskは、リスクを考慮しつつも、交通手段にも「持続可能性」(サステナビリティ)の視点が必要だろうと考えたのだった。しかし、電気自動車を作って、一般向けの市場で販売しようというアイデアはなかなか他の人には受け入れてもらえなかったそうだ。

「自動車業界は、2つの先入観に囚われていたのです」とMuskは言う。「ひとつは市場性のある電気自動車など開発不可能だというもの。そしてもうひとつは誰も電気自動車など欲しがらないというものです」。

テスラは既に電気自動車を実用に供しており、そして今は価格をより抑えたものにしようと努力しているところだ。Muskは、3、4年のうちに価格は3万ドルないし4万ドルのラインまで落とすことが可能だと考えているそうだ。そのために車の小型化や設計面での効率化、そして一層の普及を実現した量産メリットなどを活用して行きたい考えだ。

尚、今ではMuskも電気自動車業界がもう少し広がって欲しいと考えているようだ。他に参入してくる企業があれば、それにより消費者にとってはさらに身近な存在となることができるわけだ。「テスラは収益をあげる企業に成長しました。この分野に参入し、ともに世界を広げていってくれるような企業に出てきて欲しいと考えているのです」とのことだ。

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(翻訳:Maeda, H)


8億ドルを集めた電気自動車バッテリーのスタートアップBetter Placeが会社精算へ―グリーン企業に試練続く

2007年の創立以来、これまでに8億ドルのベンチャー資金を調達してきたイスラエルのテルアビブに本拠を置く電気自動車用バッテリーのスタートアップ、Better Placeは、今日(米国時間5/26)、裁判所に会社精算手続きを開始する申し立てを行ったことを確認した

これは先ごろ試みた新たな資金調達の試みが不調に終わった結果とみられる。同社の倒産が差し迫っていることは、先週、FortuneのDan Primackがスクープした。

Better Placeの株式の過半数を握るイスラエルのコングロマリット、Israel Corp.が新たな資金調達に応じないと決定した直後に会社精算の公式発表が行われた。Better Placeの存続に足りる規模の資金を供給する可能性のある投資家は他に存在しなかった。

一時はイスラエルのベンチャー企業の星であり、グリーン・テクノロジーの世界的なリーダーとなるともてはやされた企業としてはまことに不本意な結末となった。しかし要するにBetterPlaceのビジョンが現実を正しく捉えていなかったということだろう。lBetter Placeの不調は1年以上前から始まっていたが、2012年の10月にカリスマ的ファウンダーのShai AgassiCEOを解任された後、急速に状況が悪化した。当時、TechCrunchのJohn BiggsがBetter Placeの初期のブームとその後の苦境を的確に分析した記事を書いている。

Better Placeがイスラエルを代表するテクノロジー・スタートアップとして当初注目を浴びたのは、ユニークは「電気自動車用交換式バッテリー」のアイディアによるものだった。同社の構想による電気自動車システムは、ドライバーが電力を使い果たすと世界各地に設置される補給ステーションに立ち寄り、充電ずみのバッテリーと交換することによってすぐに走り出せるというものだった。しかしながら、このようなインフラが整備されるには長い年月がかかるはずであり、Agassiはイスラエルの奇跡の経済成長のち父の一人とみなされているものの、この構想の実現に向けての具体的努力をほとんどして来なかった。

Better Placeは、世界のグリーン・テク企業が受けている試練の最新の例に過ぎない。一時は熱狂的にもてはやされ、莫大な投資が行われたが、現在は倒産、精算が相次いでいる。Kleiner Perkinsのように数年前に大金をこの分野に投資したベンチャーキャピタルも今や大きく方針を変えた

しかしもちろん敗者ばかりではなく、勝者も生まれている。Fisker Automotive躓いたが、Tesla Motors前進中だ。エネルギー効率の改善、バッテリー・テクノロジーの改良の重要性は依然としてきわめて大きい。Better Placeの倒産は、この会社がなすべきことをなせなかったという結果に過ぎない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+