Facebookが米国議事堂乱入を称賛する投稿をブロック、トランプ大統領を24時間投稿禁止に

Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領が支持者集団による米国議会議事堂の襲撃を賛美する動画を削除したFacebook(フェイスブック)は、米国時間1月6日の衝撃的な出来事を受けて新たなルールを公開。さらに同社は、トランプ氏のアカウントによるFacebookへの投稿を24時間禁止することも合わせて発表している。

トランプ大統領のページで2件のポリシー違反を発見したため、24時間の機能停止措置をとります。これはその期間同氏が本プラットフォームに投稿する資格を失うことを意味しています。

Facebookによると、1月6日に議会議事堂に突入した一団は「危険な個人および団体」に関する同社ポリシーの適用対象となった。これはテロリストや大量虐殺者、および暴力的ヘイトグループに対してルールを強制するために使われる分類である。2020年6月、同社は反政府ブーガルー行為(未訳記事)を同じリストに加えた。支持者が武器を取るよう仕向け、内戦に備えさせあるいは駆り立てる行為だ。

「本日の国会議事堂での暴力的抗議は侮辱的です」とFacebook広報担当者がTechCrunchに話した。

FacebookとInstagram(インスタグラム)はいずれも、「#StormTheCapitol(国議会議事堂に突入せよ)」のハッシュタグで投稿されたコンテンツのブロックを開始した。Facebookによると米国議会議事堂に侵入したトランプ支持者を称賛するコンテンツをすべて削除するとともに、1月6日の出来事を「煽り立てたりけしかけたり」するコンテンツも削除していくと語っている。これには個人が撮影した写真と動画も含まれる。

「現時点で彼らの行動は犯罪行為を奨励するものであり、我々のポリシーに反しています」と公正化担当副社長のGuy Rosen(ガイ・ローゼン)氏とグローバルポリシー管理責任者のMonika Bickert(モニカ・ビッカート)氏がブログ記事で述べた。ローゼン氏とビッカート氏は1月6日の出来事を、プラットフォームの「緊急事態」と呼んでいる。

「私たちの多くが感じていることを、経営チームに代わってお話します。私たちは本日、議事堂で起きた暴力行為に愕然としています。一連の事件は緊急事態であると受け止めています。当社の選挙対策センターはジョージア州の選挙および議会による選挙結果認定投票に備え、当プラットフォーム上の活動をリアルタイムで監視しています」。

さらに同社は、ワシントンD.C.で新たに制定された外出禁止令に違反するあらゆる抗議行動を組織化する者を、たとえ平和的集会であっても厳重に取り締まる。「暴力を再現しようとする」コンテンツもすべて削除される。

Facebookは「ワシントンだけでなく米国内のいかなる場所であれ」人々に武器を持って集まるよう呼びかける投稿はプラットフォームから排除すると語った。

Facebookは同社が米国選挙に適用する「緊急措置」にも多少手を加え、グループ投稿に管理者レビューを必須とし、「大量」のヘイトスピーチを誘発、あるいは暴力を奨励するグループ投稿へのコメントを自動的に無効にするようにした。

Facebookのブログの記事は、以前の民兵組織Proud Boys(プラウド・ボーイズ)、「暴力を誘発する」QAnon(キューアノン)陰謀の取締りにも言及している。

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顧客エンゲージメントのSalesLoftが103億円調達、評価額は1100億円超

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの中、ウイルス蔓延を防ぐためのソーシャルディスタンス要請によって多くの人々がオフィスを離れることを余儀なくされている。現在、ますます多くの企業と人々がリモート、分散、バーチャルの業務形態への永続的転換が進むと信じている。米国時間1月6日、そんな変化の中、デジタル販売で営業担当者を支援するツールを開発したスタートアップが需要に応えるべく巨額の資金を調達した。

SalesLoft(セールスロフト)はジョージア州アトランタ拠点のセールスプラットフォームで、AIベースのツールを提供して販売員が販売プロセスをバーチャル化する手助けをする。顧客の開拓からフォローアップ、販売までをバーチャルコーチングツールを使って支援し、販売後のサポートにも協力する。このほど同社は1億ドル(約103億1000万円)の調達ラウンドを完了した。

会社の共同ファウンダーでCEOのKyle Porter(カイル・ポーター)氏は、同社の資金獲得後の会社価値が11億ドル(約1134億4000万円)に達したことをTechCrunchに明かした。前回の評価を大きく上回る金額だ。2019年4月、世界的健康パンデミックのはるか前に、同社はシリーズDラウンドで7000万ドル(約72億2000万円)を調達し、評価額は6億ドル(約618億8000万円)だった(未訳記事、数字は当時本誌が同社に近い筋から確認した)。

最新のラウンドをリードしたのはOwl Rock Capitalで、既存出資者のInsight Partners、HarbourVestおよびEmergence Capitalも参加した。Emergence Capitalはエンタープライズ指向のスタートアップに特化したベンチャーキャピタルで、Zoomをはじめとする多くのスタートアップの早期出資者として知られている。

これでSalesLoftの総調達額は2億4500万ドル(約252億7000万円)となり、これはどんなスタートアップにとっても印象的な金額であるだけでなく、シリコンバレーではなくジョージア州アトランタ発であることが注目に値する(同州は現在上院議員選挙決選投票が争われていることでも注目を集めている)。

会社はここ数年爆発的な成長を続けており、いわゆる「セールスエンゲージメント」と呼ばれる分野の代表的存在となっている。セールスエンゲージメントとは、販売担当者の顧客(あるいは潜在顧客)への販売力を高めるためのツールで、たとえば対話をリアルタイムでモニタリングすることで、プロセス改善のためのコーチングや売り口上を支援する補足コンテンツの助言を行うほか、記録や対話を管理するための基本的なソフトウェアなどを提供する。

パンデミックが起きる以前から、これはエンタープライズソフトウェアの重要な成長分野であり、対面およびオンライン / デジタル両方の販売担当者がこの種のツールを使って競争力を高めていた。しかし、中心はどちらかというとインサイドセールス(大型購入に特化したB2Bセールス)だった。Porter氏は新型コロナウイルスの影響を、すでに強かったトレンドを加速する「追い風」と評した。

「新型コロナの効果はデジタル販売効果による追い風です」と彼は言った。「すべての販売業者が一夜にしてリモートになりました。しかしランプを飛び出した魔神は元には戻りません。つまり、いまやすべてのセールスがインサイドセールスだということです。ターゲットがミドルオブファネル(課題を特定した見込み客)であれアップグレードであり買い替えであれ、我々は記録に基づくエンゲージメント・プラットフォームとしての地位を確立しようとしています。すべてがデジタルになり、すべての売り手がさらに成功を求めているからです。

同氏は、SalesLoft自身の販売サイクルがパンデミック以来40%改善されたと付け加え、同社の開発しているツールの「緊急性と必要性」を反映していると語った。

もう1つ変わったのが、SalesLoftが対象とする顧客の種類だ。当初はミッドマーケット(中堅企業向け)に特化していたが、もっと大規模なエンタープライズが加わってきたことでそれが変わった。Google(グーグル)、LikedIn(リンクトイン、SalesLoftの出資者で戦略パートナー契約も結んでいる)、Cisco(シスコ)、Dell(デル)、IBM(アイビーエム)はいずれも顧客であり、Cargill(カーギル)、3M(3M)、Stadard & Poor’s(スタンダード・アンド・プアーズ)などの「主流」企業も数多く顧客になっている、とPorter氏は語った。

それを受けてSalesLoftは、これまでの主力であった「セールスエンゲージメント」という基本路線を超えるさらに大きなソリューションの開発を進めている。同社の競争相手は多岐にわたり、Clari(未訳記事)、Chorus.ai(未訳記事)、Gong(未訳記事)、 Conversica(未訳記事)、Afiniti(未訳記事)、Outreach(アウトリーチ)のほか、Salesforce(セールスフォース)のような大物もいる。中でもOutreachはコロナ禍中に大型ラウンドを実施し、2020年6月に評価額13億ドルで5000万ドル(約51億6000万)を調達(未訳記事)し、市場需要の大きさを示した。Porterは、SaleLoftの大きなセールスポイントは、ますますエンド・ツー・エンドになるソリューションを顧客に提供することであり、あちこち見て回る買い物を減らすことだと語った。

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Facebookが政治広告をジョージア州決選投票後に全米で禁止

ジョージア州は現在、Facebook(フェイスブック)が政治広告の掲載を許している唯一の州だが、米国時間1月5日の選挙が終わるとそれが変わる。

フェイスブックが広告ポリシーの変更を説明するサイト、そしてAxiosの記事によると、同社はジョージア州を含め、米国における政治および社会問題の広告を米国時間1月6日以降一切許可しない。

フェイスブックはTechCrunchに対して、ジョージア州における政治広告ポリシー再変更の決定によって社会問題、選挙および政治に関する広告の「全米での中止」という現在の方針に同州も従うことになると語った。フェイスブックの広報担当者はいつ政治広告を再び許可するのか、あるいは永久禁止が検討されているかについて発言を拒否した。

同社が初めてこの分野の広告を禁止したのは2020年11月4日で、米国大統領選挙の誤情報を減らすための事前対策だった。12月16日、同社はジョージア州での政治広告を再び許可し、熱心な選挙陣営が金を払ってフェイスブックのユーザーにメッセージを送れるようにした。Ted Cruz(テッド・クルーズ)上院議員(共和党・テキサス州)をはじめとする(The Daily Beast記事)一部の政治家は、フェイスブックのジョージア州での抜け穴に飛びついて制約に関わらず自身の資金を集めた。

政治広告がジョージア州民の前に再び溢れた結果、主流のニュースソースが徐々に追いやられていったとThe Markupの最新記事は伝えている。この結果は十分直感的ではあるが、フェイスブックの情報エコシステムにおけるターゲットされた政治広告の莫大な影響力が改めて強調された。

多数の政治家や政治団体が、フェイスブック上での資金集め復活を熱望するに違いない。同社の中止継続の決定は、将来政治広告をどう扱うか、そもそも扱うべきかを未だに検討していることをうかがわせる。しかしフェイスブックは、2020年11月の長期化した開票プロセスを悩ませた誤情報問題に照らし、嵐が去るのを待っているかもしれない。

同社の広告公正化責任者であるRob Leathern(ロブ・レザーン)氏は2020年12月に会社を去り(Twitter投稿)、2020年の米国選挙における彼のグループの仕事を「数年にわたる膨大な量の努力の賜物」と称していたことは注目に値する。レザーン氏は政治広告を巡る同社ポリシーの改訂に尽力した。その決定は有料の誤情報が2020年を通じてプラットフォームを席巻したことで、しばしば議論を呼んだ。

その結果が上院の支配を決することから、大統領選で青(民主党)に転じた同州の異例な2つの決選投票は、両政党どちらにとっても大きな勝負だ。民主党が上院を支配すれば、ジョー・バイデン政権の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策や気候変動危機などの意欲的計画が現実になる可能性は高まる。そして次期大統領の政策優先順位を阻止しを目論む共和党にとって、上院支配が続けばバイデン政権の道筋に強力な障壁を置くことになる。

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米国ヘルスケアインフラの「ラストワンマイル」を拡大するColorが172.2億円調達

ヘルスケアのスタートアップColor(カラー)は、シリーズDラウンドで1億6700万ドル(約172億2000万円)という巨額を調達したことを米国時間1月4日に発表した。調達後の会社評価額は15億ドル(約1547億1000万円)となる。これで同社の調達総額は2億7800万ドル(約286億7000万円)となり、今回の大型ラウンドで得た資金は2020年の記録的な成長を足場に全米を横断するヘルスケア基盤を構築するために使われる。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの「ラストワンマイル」配達もその1つだ。

Colorの最新調達ラウンドをリードしたのはGeneral CatalystおよびT. Rowe Priceが投資したファンドで、ほかにViking Global Investorsらが参加した。この資金調達に加えて、Colorは複数の上級幹部を招き、最高プロダクト責任者に元OptimizelyのClaire Vo(クレア・ヴォ)氏、戦略・事業担当VPに元Uberで同社のIPOプロセスの重要な役割を担ったEmily Reuter(エミリー・ロイター)氏、およびマーケティング担当VPに元StripeのAshley Chandler(アシュリー・チャンドラー)氏がそれぞれ就任した。

「この『新型コロナ』危機によってインフラストラクチャーの欠如が白日のもとにさらされました。PCR検査、抗体検査、そして今はワクチンと何度も起きています」とColorの共同ファウンダーでCEOのOthman Laraki(オスマン・ララキ)氏は私のインタビューで語った。「私たちが開発しているモデルは非常にうまくいっていて、本格的にスケーリングするチャンスだと感じています。私が思うに今起きているのは、テクノロジーファーストモデルから始まった国の公衆衛生インフラストラクチャーの構築であり、これは多くの業界で行われているような既存の流通や資源にテクノロジーを付け足すアプローチとはまったく異なるものです」。

2020年はColorにとって記録的な年だった。これにはサンフランシスコ市との提携によって医療従事者と住民の検査体制を確立したことが大きく貢献している。ララキ氏は私に、同社は前年比約5倍の売上を達成し、顧客から得た売上を元に持続可能な成長の準備を整える一方で、2021年以降に向けての野心的計画のために、今が新たな資金を得て成長を加速する最適のタイミングだと語った。

ララキ氏はColorのアプローチについて、会社にとってコスト効率が良いだけでなく、提携するヘルスケア提供者にとって大きなコスト削減になると説明している。同氏はこのアプローチを、小売業のオンライン販売へのシフトになぞらえる。中でもあの業界の巨人に。

「いつかはAmazon(アマゾン)を作ることになります。アクセスとスケールに最適化したテクノロジーファーストの仕組みです」とララキ氏は話す。「それこそが現在、私たちがヘルスケアでやろうとしていることだと思っています。たった今、一種の触媒作用を受けていると感じるのは、私たちがこれを新型コロナウイルス危機に適用できることに気づき、実際にそれを予防に利用する準備を始めたことです。今後ヘルスケアの巨大な領域に適用されるものと私は考えています。基本的に、緊急性のない、病院にいかなくてもよいすべてのヘルスケアが対象です」。

究極的にColorのアプローチは、ヘルスケアの供給を見直し「町や村の外れでも人々の命に直接関われる体制」を「低コスト」の「スケーラブルで多くの診療リソースを使わない」方法で提供することだとララキ氏は語る。これは現在行われている方法に関する多くの既存の知識に依存せず、問題を再評価すれば十分可能だと彼は指摘する。従来の無駄を廃して、本当に必要な結果を提供することだ。

ララキ氏は、この問題を容易に解決できるとは思っていない。むしろ2021年はヘルスケア産業にとって多くの面で2020よりも困難な年になることを認めている。そして我々はすでに、始まったばかりのワクチンの配給・配達の問題に直面している。それでもララキ氏は、こうした課題への取り組みを支援するColorの能力については楽観的であり、重要な医療の「ラストワンマイル」配達システムを作って利便性を高めるとともに、すべてが間違いなく適切な方法で行われるための努力を怠らない。

「一歩離れて見てみると、そもそも新型コロナの検査やワクチン接種は、何ら複雑な手続きではありません。手順は驚くほど単純です」と彼はいう。「難しいのはそれを大規模に、かつ個人にとってもシステムにとっても非常に安いコストで行うことです。それにはまったく異なる段取りが必要なのです」。

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タグ:Color新型コロナウイルス資金調達

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すべてのスタートアップの脳内にある2021年の大問題

私にとって、そしてすべてのスタートアップの頭の中にある2021年最大の問題は、世界的パンデミックのような大異変が、ポストパンデミックのイノベーションの中でどのように起きるかだ。おそらく今は、「あ、なるほど!」の瞬間が企業へと具現化するところを見るにはまだ早い段階にいると私は思う。そして、パンデミックが我々の意識に与える真の影響は、事態が収拾し、振り返ることのできる時期がくるまでわからない。

しかし、それが見ていて興味をそそられるものであることは間違いない。2020年、イノベーターとインベスター(投資家)は、黙って立ち尽くし、社会の亀裂や破壊やがれきを目撃することを余儀なくされた。それは屈辱的な年であり、テック業界のほとんどが、室内やどこか遠くやひとりぼっちで費した1年だった。

これまでに私が気づいたリアクションの1つは、必ずしも新しくないが新たな重みをともなったもの、それは摩擦を減らすことに焦点を当てたイノベーションの急増だ。たとえば 「Building in Public」(公開の場でスタートアップを作っていく)やベンチャーキャピタルの切り離しが増えている傾向。あるいは、リモートワークがコミュニケーションを可能にするためのものから、受動的・能動的なコラボレーションを可能にするものへと変わったこと。それどころか、Y Combinator方式を採用して、運営者を投資家に変えるのを支援したり、社員のサイドビジネスをフルタイムの会社に変えるのを支援する人達さえ目にした。

こうしたムーブメントは新型コロナウイルス(COVID-19)のせいで始まったわけではないが、いずれにもパンデミック規模の巨大な注意マークがついている。

これを些細で、取るに足りない動きだと片付けるのは簡単だ。しかし、同僚のDanny Crichton(ダニー・クライトン)記者が指摘した(未訳記事)ように、「時としてベンチャーキャピタルやスタートアップにとって最も重要な変化は、行動を起こすための最後の摩擦を減らすことだ」。

摩擦を減らす、は2021年に向けて我々全員に必要な合言葉のように思える。

イノベーションがもっと多様な人々の集まりから生まれることを、私はずっと願っている。それが女子学生向けのハッカー・ハウスであれ学生と非営利団体をつなぐ学生の立ち上げたサービスであれ。だから新年を迎えるにあたり、どうかみなさんには楽観的になってほしい。

2020年のテック業界は、人々に疲弊と絶望を残したわけではない。人々にエネルギーと万全の準備を与えたのだ。

Qualtricsに2度目の魔法は働くのか?

SAP(サップ)が、Qualtrics(クアルトリクス)が2020年7月にスピンアウトすると発表したとき、本誌のEquityポッドキャストチームはマイクに飛びつき(未訳記事)、一体なぜなのかと思いを巡らせた。数カ月後の現在、新たなS-1書類が提出され状況が見えてきた。Alex Wilhelm(アレックス・ウィルヘルム)記者はユタ州拠点ユニコーン(未訳記事)の数字を分析し、これがQualtircsにとって2度目の申請であることを指摘した。

2度目の申請は、Qualtricsが今回こそ上場するため必要な魔力なのか?みなさんには、アレックスによる企業価値と財務状況の分析(未訳記事)を見て自身で判断してほしい。

マイアミとSubstackとClubhouse

もし、1つの小見出に並んだこの3つの単語があなたにあるリアクションを起こさせようとしているなら、Danny Crichton(ダニー・クライトン)記者は何かいいたいことがあるようだ。先週彼はテック関係者の新しいものへの不信感について記事を書き、Substackの伝統的ジャーナリズムに置き換わる未来と、Clubhouseのソーシャルメディア破壊装置としての未来が予想通り批判の的になっていることを指摘した。

即時の成功に対する皮相的な見方は2020年のスタートアップ界における奇妙な力学の1つだ。スタートアップというものに対して、1人か2人のファウンダーと数人の従業員がどうにかして初日から完璧なプロダクトを作り、問題になりそうなことは事前に解決してしまうという期待がある。おそらくそういうスタートアップは世に広まるのが早すぎただけであり、早期のプロダクトを理解する人たちは、プロダクトの進化を理解しないもっと多くの大衆に呑み込まれていくのだろう。

ダニーの主張は、そういう会社には彼ら自身まだ上っ面もなでていないビジョンを遂行する猶予をもう少し与えようというものだ。スタート時点ですべてを正しく行なっていないという理由で、会社を切り捨てることが成長を阻害するという意見に私は同意する。悲観的になるのは簡単だが、あえて楽観主義者になるのも悪くない。

フロリダ州マイアミ中心部からビスケーン湾のブリッケル地区を臨むビル街の輪郭。ブリッケルは米国最大級の金融街であると同時に多くの高層住宅とタワーマンションが立ち並ぶ

いくつか良いニュースも

屈辱的な時間と楽観主義といえば、本誌のSarah Perez(サラ・ペリッツ)記者がEarlyBirdについて先日、記事を書いた。家族や友達が子供に投資をプレゼントできるアプリだ。

かつてYello.coのVPで、現在EarlyBirdのCOOを務めるCaleb Frankel(カレブ・フランケル)氏が彼らの初期のひらめきについて説明した。

「かわいらしい姪が生まれた数年前に経験した問題からすべては始まりました。私は姪っ子に首ったけで、馬鹿馬鹿しいぬいぐるみに数百ドル(数万円)も使いました。かなりゴミのような贈り物にです」と話す。

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VMwareが辞めた2日後にライバル企業のCEOに就任した前COOを訴訟

2020年12月初めにNutanix(ニュータニックス)がVMware(ヴイエムウェア)の前COOであるRajiv Ramaswami(ラジブ・ラマスワミ)氏をCEOに迎える(未訳記事)と発表したとき、良縁のように思えた。それはライバルからの重要人物の引き抜きだった。しかし、VMwareは幹部を失うことに腹を立て、同氏を契約違反で訴えた(VMwareリリース)。

VMwareは、ラマスワミ氏が前職の重要計画のインサイダー情報を持っており、ライバル企業の面接を受けてることを会社に伝えるべきだったと主張している。

「ラジブ・ラマスワミ氏は、VMwareに対する信託および契約上の義務を果たしませんでした。会社を辞める前の少なくとも2カ月間、同氏は最高幹部の職権をもってVMwareの重要戦略計画と方針の決定に加わっています。さらにラマスワミ氏はNutanix, Inc.の最高経営責任者になるために、少なくとも同社のCEOとCFO、おそらく取締役会の全メンバーと秘密裏に会っています。同氏がNutanixにCEOとして加わったのは、VMwareを辞めたわずか2日後でした」と同社は声明に書いた。

ご想像通り、Nutanixは同意していない。「VMwareの訴訟は新たな職に就くための面接を不法行為にしようとしています。VMwareの見当外れの行動は、極めて評価の高い尊敬された幹部を失うことへの反応だと当社は考えています。ラマスワミ氏とNutanixはこの異動を、VMwareに対して十分先行的、協力的に進めてきました」。

Constellation ResearchのアナリストであるHolger Mueller(ホルガー・ミューラー)氏はこのニュースに際して、両社は主要なライバルであり、ラマスワミ氏の雇用はNutanixにとって大きな勝利だと語った。「ラマスワミ氏の入社によって、マルチクラウドのエキスパートがNutanixを率いることになるだけでなく、ライバルを人材面で弱体化させることになります」と同氏は語った(未訳記事)。

ミューラー氏は、この訴訟が成功する可能性は低いと見ている。「シリコンバレーで、テック系幹部引き抜きの裁判が最後に起きたのはかなり前のことです。『自由な雇用』の州でこの種の訴訟は成功しないのが普通です」と同氏は語った。

「VMware vs Nutanix裁判で興味深いのは、上級幹部がライバル会社の面接を受けること自体が守秘義務違反になるのか、それとも違反成立には重要情報の漏洩が必要なのかという点だ。伝統的に(内密な)面接の権利は法で保護されている。

こうした訴訟の結末がどうなるのかわからないが、Nutanixが新CEOを迎える上で事態が複雑になっていることはたしかだ。ラマスワミ氏は、同社の共同ファウンダーで2020年の夏に辞任を表明していたDheeraj Pandey(ディラージ・パンディ)氏を引き継ぐ。

訴訟は米国時間12月28日にカリフォルニア州サンタクララ群最高裁判所に提起された。

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AppleがバーチャルiPhone「Corellium」を訴えた裁判で一部敗訴

2019年8月、Apple(アップル)はバーチャルソフトウェア企業のCorellium(コアリウム)を著作権侵害で訴え、後に、同社製品がDMCA(デジタルミレニアム著作権法)に違反しているという主張を付け加えた。

DMCAに関する主張はこれから法廷で決着する必要があるが、フロリダ州裁判所はAppleの著作権侵害の主張を退けた。

さて、Corelliumとは何か?かなり端折っていえば、Corelliumはセキュリティ研究者がブラウザ上でバーチャル化されたARM端末(iOS端末を含む)を立ち上げ、内部を「詳しく」調べることで潜在的セキュリティバグを発見するためのツールだ。2019年に私は以下のように書いている

Corelliumは、たとえばセキュリティ研究者がシミュレートされたiPhoneをすばやく立ち上げ、バグを探すために利用できる。もしバグが見つかれば、iOSの以前のバージョンを立ち上げて、そのバグがいつから存在していたかをすぐに確認できる。仮にバグがバーチャルiOSを「文鎮化」したとしても、ブートし直すだけでいいので、新しいiPhoneを入手する必要はない。バーチャル化デバイスは一時停止させることができるため、研究者は任意の瞬間に正確な状態を観察することが可能になる。

Washington Postによると、Rodney Smith(ロドニー・スミス)判事は米国時間12月29日の訴訟一覧表に次のように書いた。

証拠を確認した結果、裁判所は誠実かつ公正な利用の欠陥を発見しなかった。さらに必要な要因を検討した結果、Corelliumは公正使用を達成する義務を果たしていたことを裁判所は認めた。よって同社によるCorellium製品に関連するiOSの利用は許容される。以上を踏まえ、Appleによる著作権侵害訴訟の略式判決をCorelliumに与える。

スミス判事はCorelliumに以下の行為を許可した。「1.  実行プロセスの監視と停止、2. カーネルの改変、3. システムコール監視ツールであるCoreTraceの使用、4. アプリブラウザーおよびファイルブラウザーの使用、5. ライブスナップショットの撮影」を、同製品が「iOSの単なる再パッケージバージョンではなく」公正使用であることの証拠として行うこと。

さらにスミス判事は、この訴訟はAppleがCorelliumの買収を考えた後に起こされたことを繰り返し摘した。

2018年1月から2018年夏の間に、両社はAppleによるCorellium買収の可能性に関する会議を複数回行なった。期間中、両社は対面および電話で顔を合わせた。CorelliumはAppleに対してCorellium製品を支えるテクノロジーおよび動作の仕組みを説明し、CorelliumのビジネスおよびCorellium製品を商品化する意志について検討した。

そして、

もしAppleがCorellium製品を買収していれば、同製品は社内の試験および検証(システムの脆弱性や端末の機能の検証)に使用されただろう。

この判決は著作権に関するAppleの主張を一蹴するものだが(上訴の可能性はある)、DMCAに関してそのような迅速な裁定はなかった。AppleはCorelliumがシステム内蔵の認証およびセキュリティ検査を回避していると主張しているのに対し、Corelliumはそれらはハードウェアレベルで実装されており、彼らが扱っているファームウェア(iOS IPSWファイル)は「非暗号化、非保護、非ロック状態で開放されており、一般人によるアクセス、コピー、編集、配布、実行、および表示が可能である」と主張している。

関連記事:アップルがバーチャルiPhoneのCorelliumを提訴

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleCorelliumDMCA裁判

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

大混乱の2020年からスタートアップが学べること

覚えているだろうか、ベンチャーキャピタリストの開業がニュースになった頃を。あるいは、Zoomに投資していたのがアナーバーの男1人だけだった頃を(ウソじゃないよ)。この数カ月間はかつてない忙しさで、スタートアップの成長ぶりや注目のIPO、新たな資金調達など年末になってもニュースは途切れることがない。

活況の強気市場の中でも、私は若きスタートアップたちがどうしているかを振り返ってみたかった。本誌のAlex Wilhem(アレックス・ウィルヘルム)記者と私はPichbookが提供したデータに没頭し、果たして次のDoorDashes(ドアダッシュ)やAirbnbs(エアビーアンドビー)が最初の資金調達をするのかを見極めようとした。

答えはといえば、シード資金投資は花開いたがその様相は複雑だった(未訳記事)。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって、民間投資家にとってどの魅力的なスタートアップの基準が大きく変わった。そしてその変化は一部の分野や人々にリスクとなってふりかかった。

2人の投資家が次のようにその力学を説明している。

FreestyleのJenny Lefcourt(ジェニー・レフコート)氏

シード投資の金額は、「次のDoorDashを逃すわけにはいかない」と考えて早期に動いた大型ベンチャーキャピタルによって釣り上げられたと私は考えます。資金が豊富な大型VCは、2倍、3倍、10倍になりうるスタートアップの勝者を引き当てるためにそれなりの現金をつぎ込むべきだと考えているようです。

Eniac VenturesのNihal Mehta(ニハール・メフタ)氏

直接人と会うことができないので、投資家は「自分たちのソーシャルの輪とすでに繋がりのある」「証明された」起業家に投資することに安心感を覚えます。

この長期的な視野の偏狭は、この時期女性ファウンダーが除外されたことを意味している。ベンチャーキャピタルの社交サークルは殆どが白人男性だからだ。分野別に見ると、eコマースとEdTech(教育技術)にとっては良い時期だったが、旅行、娯楽分野には厳しかった。

こうしたデータはスタートアップ世界に一種の不協和をもたらす。シード投資がかつてないほど活発で豊作だといっても、これは一部の人にとって良いニュースでも、そうでない人にとっては悪いニュースだ。景気と不景気が同時に成り立つというのは覚えておくべき警告だ。

Red, orange and pink sheets of paper on edge on blue background in wave pattern to mimic fire

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Edtech(エドテック)2021年最大の課題

EdTechのような年(未訳記事)を経験したセクターは他にない。この分野は全世界で100億ドル(訳1兆350億円)の資金を集め、リモートラーニングはツールから必需品へと変わった。

2020年私が書いたお気に入りのエドテック記事を以下に挙げる。

そしてTechCrunchに書いた今年最後の記事(未訳記事)で私は、リモートラーニングの普遍化は新規ユーザーに間違いなくブームをもたらしたが、この分野が早く簡単にスケーリングしたことでイノベーションを起こす機会は限定されたかもしれない。

来る年向けて私から贈る最大の助言はこれだ。

2020年のエドテックにとって柔軟性と根性は生き残りの戦術であり、利益と成長そしてなにりよも、私たちが学習するための必要なテクノロジーにとって「これだ」という瞬間をもたらした。新しい年を迎えるにあたり、この分野は短期的修正という思考を捨て、偏狭的視野から広く長い視野へ進化しなくてはならなくなるだろう。

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宇宙スタートアップのための1兆6570億円の小切手帳

宇宙スタートアップへの投資は確率に反する行動だ。それは時として必要になる詩的センスでもある。本誌のイベント、TC Session: Space 2020の中で、TechCrunch記者の何人かがどんな種類の資金が宇宙に注ぎ込まれているのかを詳しく分析した。

  • ある人は、宇宙スタートアップへの投資は経済不況に関わらず落ち込んでいない、なぜなら政府の介入によって予算に余裕がある(未訳記事)からだと考えている。空軍予算160億ドル(約1兆6570億円)を管理する人物は、スタートアップに基地に来て欲しい(未訳記事)と思っている。
  • 3人のVCが、宇宙のゴミと持続可能性、および宇宙での製造のメリット(未訳記事)について語った。

現在ベンチャーキャピタルのDCVC所属でPlanet Labsの共同ファウンダーだったChris Boshuizen(クリス・ボシュイゼン)氏による次の発言はよく知られている。

私たちはまだSFの未来に住んでいません。自由に飛び上がってごみを拾い持ち帰ることはできないのです。それはとてもとても大変なことで、おそらく5年先になると思いますが、私たちが支援してこの目で見たいとことの1つです。

アンクル・サムが宇宙に浮かんでいる画像。左肩の上に空軍のロゴが見える。

2020年にいなくなったスタートアップを思い出してみる

スタートアップを立ち上げるのはいつでも難しいが、パンデミックによる予期せぬ展開によって、2020年は多くの企業があまりうれしくない最後を迎えることになった。そこで、TechCrunch年末恒例の一環として、2020年に失われたスタートアップに敬意を評したい。

私のまとめは以下の通りだ。

  • これは楽しいリストではない。失敗はつらいが燃え殻をかき分ければ教訓の1つか2つを見つけられる。たとえば?ビッグネーム、ビッグな計画、そして膨れ上がる資金は実際に金を稼ぐ代わりにはならない。
  • リストには、短編ビデオアプリのstrong>Quibi、法務テックのスタートアップ、Atriumはじめ、ウイルス蔓延とともに破綻した多くの旅行スタートアップが入っている。
  • 一部の企業は新型コロナのために失敗したが、多くの場合根本的なビジネス欠陥やひび割れがパンデミックが始まるずっと以前から見え隠れしていた。

TechCrunch周辺

TechCrunch’s Favorite Things of 2020

Gift Guide: Last-minute subscriptions to keep the gifts going all year

Video: TechCrunch editors choose their top stories of 2020

今週のニュース

TechCrunchにて

米大麻業界回復でラッパーのスヌープ・ドッグの投資ファンドCasa Verde Capitalが103億円調達

寄付やボランティアなど現在の社会に対して行うべき活動を教えてくれるプラットフォームactionable

Letterhead wants to be the Shopify of email newsletters

ユーザー数5億人に迫るインスタントメッセージアプリTelegramが2021年に広告プラットフォーム導入

バイデン政権は新たな暗号資産の法制化でこの世界を変えることができる

Extra Crunchにて

With a $50B run rate, can anyone stop AWS?

Looking ahead after 2020s epic M&A spree

Dear Sophie: What’s ahead for US immigration in 2021?

The built environment will be one of tech’s next big platforms

カテゴリー:その他
タグ:VC / ベンチャーキャピタル教育宇宙

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リアルタイムでテキストが表示されるが履歴は残らないZ世代向けメッセージングアプリ「Honk」

新しいモバイルアプリHonk(ホンク)は、友だちとのメッセージのやり取りをもっと対話的でリアルタイムな体験にすることを目指している。テキストを虚空に向かって放り投げて反応が来ることを期待するのではなく、Honkのメッセージは入力するそばからライブで表示され、チャット履歴は残らず保存ボタンもない。相手とその場で会話している感覚だ。そしてもし、今すぐ相手の注目を引きたい時は、「Honk」を送ることができる。チャットへの参加を促す見落としようのない通知だ。

もっと緊急の場合は、スパムのようにHonkボタンを繰り返し押すこともできる。そうすると友だちがアプリを開いていなければ通知が送られ、開いていればカラフルな絵文字の洪水が送られる。

アカウントを作り、プロフィール写真やユーザー名の設定、友だちの追加を行なったら、リストから友だちの名前を選んでメッセージを送ることができる。

Honkのチャット画面に入ると、大きな吹き出しが2つ出る。上にあるグレーの吹き出しには友だちのメッセージが表示され、ブルーの吹き出しには自分がテキストをタイプする(色とテーマは変更可能)。

入力ボックスにタイプし始めると、相手にはリアルタイムでテキストが表示される。ひと息ついたり打ち間違えを修正するところなど、普通なら見られることのないものも送られる。この「ライブタイピング」体験は、過去の通信テクノロジーを彷彿させる。初期のインスタントメッセージングアプリICQや、革新的コラボレーションツールだった Google Waveなどだ。

Honkでは、自分の想いを伝えるために160文字が与えられ、画面右の吹き出しの下には文字数がカウントダウンされいくところが見える。しかし、メッセージを送るための「Send(送信)」ボタンはない。相手は、テキストをタイプされたところをすでに見ているからだ。代わりに二重矢印の「refresh(リフレッシュ)」ボタンを押し画面をクリアして次のメッセージを書く。

絵文字を入力したり、写真を撮ったり、カメラロールの写真を送るためのボタンもある。Honkの絵文字は、単独で送られるのではなく、iMessageの「Send with Echo(エコーで送信)」エフェクトのように、大きな絵文字が一時的に相手の画面いっぱいに表示される。

個々チャットの中で絵文字を好きな単語やフレーズに割り当てる「Magic Words」機能を使えば、タイプしている途中でエフェクトを起こすことができる。会話ごとにチャットテーマをカスタマイズしたり、あまりたくさん受け取りたくない相手からの通知をオフにすることもできる。

会話は一切保存されず、履歴を見返すこともできない。これは、SnapchatやMessengerのVanish Mode(日本では未提供)などに似ている(Honkはセキュリティに関する立場を明らかにしていないので、リスクの高いコンテンツを送るときは気をつけたほうがいい)。

そしてもちろん、誰かの注意を引きたいときは、「Honk」ボタンをタップして相手の画面を通知で溢れさせることができる。

ここまで読んで、なんだかバカバカしいと思った人は、おそらくHonkメッセージ体験のターゲット層ではない。

このアプリは明らかにティーンエージャー主体の若者を狙っている。その証拠に、Honkの初期設定で年齢を聞かれる時、リストから正確な年齢を選ぶようになっているが、年齢選択肢の最後にあるのは 「21+」で、これが「年長者」に用意された枠だ。自分たちをネットのトレンドセッターだと思っているミレニアル世代はちょっと傷つくかもしれない。

とはいえ、Honkの狙いは「Z世代」(1990年代後半以降のネット世代)を取り込むことのようだ。実際、TikTokでも彼らに向けてマーケティングを行なっていて、すでに1万4000以上の「いいね」がついている。最初の動画をアップロードされたのは米国時間12月22日のことだ。HonkのファウンダーであるBenji Taylor(ベンジ・テイラー)氏はTwitter(Twitter)で、東海岸の2020年12月23日午後時点で、55万回の「Honk」が送られたことも発表した。

ウェブサイトによると、Honkはソフトウェア会社でアプリケーションパブリッシャーのLos Feliz Engineering (LFEの旗艦製品であり、同社はNaval Ravikant、Elad Gil、Brian Norgard、David Tisch、Jeff Fagnan、Ryan Hoover、Sarah Downey、Josh Hannah、Sahil Lavingiaらから出資を受けている。

「このアプリのデザインは並外れて素晴らしい」とProduct Huntのファウンダーで、Weekend Fundの出資者であるRyan Hoover(ライアン・フーバー)氏がHonkについて語った。「テイラー氏のチームは、アニメーションからサウンドまで細かい部分までよく目を配っている。スピードにも特別に力を注いでいる」と付け加えた。

テイラー氏はTechCrunchのインタビュー依頼を断り、現在チームは製品開発に全力を注いでいるとだけ語った。

「私たちは時間をかけてHonkの開発を続けてきました。メッセージングを楽しくし、人々が関係を深められる新しいクリエイティブなコミュニケーション方法を提供することを目指しています」とテイラー氏はTechCrunchに話した。「もともと私たちは自分たちや友だちのために、小さなチームでこれを作ってきました。もし、気に入ってくれる人たちがいるなら、こんなにうれしいことはありません」と彼はいった。

なお、Honkは開業直後の新規登録と多くの利用による負荷で苦闘している。Honkユーザーは、アプリがときどきオフラインだというが実際にはそうでないなどのバグを報告している。Honkは問題を認識しており、現在解決に取り組んでいるとTwitterで言った。

HonkアプリはiOS向けに無料公開されている。アプリ内購入はなく、その他の明確なビジネスモデルも今のところ見られない。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:HonkZ世代メッセージングアプリ

画像クレジット:Honk(TechCrunchで編集済み)

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「無干渉」アプローチでコンテンツ監視を行うニュースプラットフォームのSubstack

コンテンツ監視は2020年の厄介な問題の1つだ。そして私が「厄介な」というのは、その問題に関して議会聴聞会が複数回開かれるという意味だ。中でもTwitter(ツイッター)とFacebook(フェイスブック)はこの件を巡る問題から抜け出すことができていない。問題のあるコンテンツを十分に取り除かなかったという苦情を受ける一方で、会社は検閲をよしとして投稿を削除する表現の自由の敵だと指摘されている。

後者は、右翼指向のTwitter競合サービスであるParlerが存在する唯一の理由と思われる。

ニュースレタープラットフォームのSubstackは、その人気が高まるにつれ、コンテンツ監視に関わる途方もなく困難な問題に直面しつつある。米国時間12月22日、同社は長文のブログ記事を公開し、少しでもそうした懸念の芽を摘めることを願っている。文章には多少の穴もあるが、プラットフォームの表現の自由に対する意気込みの大部分が説明されている。

ほとんどの場合、コンテンツの閲覧に意味はなく、実際、逆効果になることもあると私たちは考えます。厳しい検閲はコンテンツに本来以上の注目を呼び集めることにもなり、同時にコンテンツの作者には、将来の利益と引き換えられる殉教者コンプレックスを与えることもあります。私たちはアイデアの競争を望みます。反対意見と議論は重要だと信じています。私たちは非同調を称賛します。

このスタンスは、Substackがサブスクリプションベースのビジネスモデルにこだわり、現在、TwitterやFacebookなどのサービスを支えている広告モデルとは異なることを反映している。Substackは、ライターの購読売上の10%を手数料として受け取る。これでスポンサー圧力の問題をある程度避けられることは間違いない。サブスクリプションモデルは、ユーザーが個別の記事を自ら選択する必要がある、という意味で、コンテンツ間の境界がはるかに流動的なTwitterやFacebookのようなプラットフォームと大きく異る。

「私たちは『もっと言論コントロールされたSubstack』や『広告のあるSubstack』と喜んで競争します」と同社は書いている。

もちろんそこには経済的事情がある。常にある。Substackは、FacebookとTwitterのやり方を非難してきた右翼と保守の声を支援することに偏った興味を持っている。中でもThe Dispatchは、同サービスの政治関連ランキングのトップにいる。2020年のTechCrunchでのインタビューで編集者のStephen Hayes(スティーブン・ヘイズ)氏は同サービスを「誰はばかることない中道右派」と評し、一方で現在のキャッチコピーは「保守的」だ。

「中立的な意見はありません」とSubstackはいう。「多くのシリコンバレーテック企業は自分のプラットフォームを政治と無縁にしようと努力していますが、そんな目標は達成不可能だと私たちは考えます」。これになんらかの真実があることは間違いない。どんな立場であれ、コンテンツ監視はある程度政治的なものであると見ることができる。そしてどんな検閲であれ、全員を、いやほとんどの人でさえ、100%幸せにすることはできない。

しかし、Substackの人気が高まるにつれ、その無干渉アプローチが大きな試練を迎えることも容易に想像できる。同サービスのアプローチには、消費者の前に自らの名前を出すことが入っているので、個人パブリッシングプラットフォームとしては見られないことになる。

Substackは、それでも一線を越えるコンテンツは当然存在するといい添えた。「もちろん、限界はあります。たとえばSubstackはポルノを許していません。スパムも。私たちは晒し行為やハラスメントを許しません」。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Substack

画像クレジット:Substack

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社員健康管理システムのReturnSafeが3.4億円調達、新型コロナで需要急増

ReturnSafeは社員の症状調査と接触追跡を行う健康管理ツールキットを企業向けに提供している会社だ。このほど325万ドル(約3億4000万円)の資金をFifty Years、Active Capitalなどの投資家からの借り入れによって調達した。

事業を再開し、社員が職場に安全に戻れる方法を探る企業が増す中、社員の健康を追跡するさまざまな管理ツールキット製品が、安全な職場環境を維持するためのあらゆる戦略を提供して市場に殺到している。

その中には、WorkSafeの製品やMicrosoft(マイクロソフト)とUnitedHealthが提供するProtectWellのほかNSpaceは、同様の機能に加えてオフィスの予約を安全に行うためのスケジュール機能も提供している。

そんな中、ReturnSafeは6カ月前の開業以来、毎月6ケタ(数十万ドル)の収益を上げ、50以上の組織にサービスを提供している。

投資家や顧客に向けての謳い文句は、社員を管理し、職場の健康リスクを確実になくしたいというニーズは、新型コロナウイルスの流行以降高まるばかりだということだ。

もちろん、雇用者が社員の安全と安心を確実に守る最善の方法は、社員が病気のときに適切な休暇を与え、リモートワークが不可能な場合には全員が適切な頻度で検査を受けられるようにすることだ。

競合他社と同じく、ReturenSafeは症状検査システム、検査ダッシュボード、症例管理ダッシュボード、新たなワクチン管理サービスなどを提供している。こうしたソフトウェアツールに加えて、ソーシャルディスタンスアラームを内蔵したウェアラブルデバイスによって社員同士が安全な距離を保てるしくも提供していることをReturnSafeは強調している。

カテゴリー:ヘルステック
タグ:ReturnSafe新型コロナウイルス資金調達

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シリコンバレーはユニコーン企業ではなくゼブラ企業に報いるべきだ

シリコンバレーにはユニコーン問題がある。

高企業価値のスタートアップが消えていくのを望む人などいないが、本来ならもっと少なくあるべきだ。少なくとも若きファウンダーたちが10億ドル(1000億円)超えの非上場企業の努力と苦労を見たあとの結論はそうなる。

ユニコーンは神話上の動物なので、投資家は魔法のような結果を期待する。電光石火の成長、独占に近い市場そして100倍、1000倍のリターンを得られる記録的IPO。ゼブラ(シマウマ)は特定のニッチを埋めることで繁栄するべく進化してきた実在の動物だ。ユニコーン企業と異なり、ゼブラは細身で効率的で一貫している。

往々にして、実際の製品や現実的なビジネス展望ではなく、企業の名前や外見的な名声がユニコーンの売り物になっていく。ごく最近の、この傾向のおそらく最も顕著な事例といえば、WeWork(ウィワーク)だろう。

同社の2019年のIPO失敗は、10年に一度の大混乱だった。Enron(エンロン)以来、ここまで早く転落した企業はほとんどない。市場がこのユニコーンを試す機会を得た時、それが一芸しかもたないダンボールの角をはやしたポニーだったことに投資家たちは気がついた。Adam Neumann(アダム・ニューマン)氏は、実際の価値ではなく、純資産のために自分の会社を造り、彼の社員や支援者たちが代償を払った。そしてもしこのIPOが成功していたら、2020年3月に新型コロナウイルス感染症が蔓延した時、どれほどの企業価値が霧散していたか、想像してほしい。

現在の経済では、ほとんどのテックイノベーションがベンチャー資金を必要としているが、時としてユニコーンは、度が過ぎた場合のケーススタディになることがある。ラウンドに次ぐラウンドによる資金調達は、WeWorkの場合のように、崩れそうな基盤とあやふやなビジネスプランを隠蔽する。

2020年12月、モバイルビデオのユニコーンであるQuibi(CNBC記事)が創業から1年経たずに廃業した。映画・テレビの評論家は驚かなかったし、この会社の名を聞いたことのあるわずかな消費者もそうだった。

4月初めのタイミングの悪いスタートのずっと前から、まずいアイデアであることをほとんどの傍観者はわかっていた。それならなぜ、Quibiはそんなに多くの資金を受け取ったのか?会社とつながりのあったビッグネーム、たとえばDreamworksの共同ファウンダーであるJeffrey Katzenberg(ジェフリー・カッツェンバーグ)氏やHPの元CEOのMeg Whitman(メグ・ホイットマン)氏に惹きつけられた投資家たちは、この製品が名前から値付けにいたるまであらゆる点で間違っていたことになぜか気づいていなかった。

ユニコーンが何を提供するかは、それがユニコーンであるという事実と比べて重要ではない。ユニコーン企業の対極にあるのが、ゼブラ企業だと私は考える。少々変わっていて、一面の見出しを飾ることも息を呑むニュースになることもないが、存続し、何かをするために作られた会社だ。

ユニコーンは、終わりのないベンチャーラウンドという魔法の森の中にいるかぎりは繁栄し続けるが、ゼブラは自由市場のサバンナを戦い抜く。ゼブラ企業は次のFacebook(フェイスブック)やAmazon(アマゾン)のような巨人にはならないが、次のQuibiやWeWorkになることもない。

ゼブラ企業、たとえばHandshake(ハンドシェイク)やTuro(トゥーロ)や、ある面ではBen and Jerry’s(ベン&ジェリーズ)やPatagonia(パタゴニア)などの出現は、私たちのビジネスと経済に対する理解の幅広い変化を物語っている。新型コロナウイルスが世界の大部分を封鎖する前から、終わりのない成長の魅力はどんどんなくなりつつあった。

経済からこれまで以上の価値を引きだすことに熱中するのではなく、Patreon(パトリオン)のような会社は、同じ1ドルが経済全体をめぐることによって何倍もの価値を生むことに気がついた。価値の一方向な抽出は、価値の循環的流れに取って代わられる。指数関数的な成長は、企業経営のベストな方法でも唯一の方法でもない。

ほとんどの人たちにとって新年は、2020年がようやく終わるという意味でやすらぎの時だ。しかし、過去を振り返り新たしい年がもたらす未来に向けて計画を立てるチャンスを逃してはならない。WeWorkとQuibiの失敗は、容易に繰り返される。現在もシリコンバレーのどこかで、運の尽きた会社に、ベンチャーキャピタルが大金を渡している可能性は高い。私たちはユニコーンに注意を向けすぎてきた。今こそゼブラに、彼らにふさわしい注意を向ける時だ。

【編集部注】著者のRebecca Honeyman(レベッカ・ハニーマン)氏は、SourceCode Communicationsの共同設立者であり、マネージングパートナーでもある。

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:ユニコーン企業

画像クレジット:Julien Fourniol/Baloulumix / Getty Images

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ジャーナリスト36人以上のiPhoneが「ゼロクリック」スパイウェアにハックされていたことが発覚

Citizen Labの研究チームは、ジャーナリスト数十人のiPhoneがスパイウェアにハックされた証拠を発見したと発表した。このスパイウェアは民族国家に使われていることが知られている。

過去1年以上、ロンドン拠点のレポーターであるRania Dridi(ラニア・ドリディ)氏をはじめとする36人以上のジャーナリスト、プロデューサー、およびニュース機関のAl Jazeera(アルジャジーラ)で働く幹部らが、いわゆる「ゼロクリック」攻撃の標的となった。Apple(アップル)のiMessageの修復済みの脆弱性を利用していた。この攻撃は目に見えないかたちで端末に侵入し、被害者を騙して悪意のあるリンクを開かせる必要がない。

カナダ、トロント大学のインターネット監視組織であるCitizen Labは、今年被害者の1人でアルジャジーラの調査ジャーナリストであるTamer Almisshal(タマー・アルミシャール)氏から、彼の端末がハックされた疑いがあるという調査依頼を受けた。

米国時間12月20日にTechCrunchに寄せられたCitizen Labの技術レポートに、研究者らはアルミシャール氏のiPhoneが謎のイスラエル企業NSOグループの開発したスパイウェアであるPegasusに感染していると確信していると書かれている。

研究チームはアルミシャール氏のiPhoneを解析し、7月と8月の間に、NSOがPegasusスパイウェアの配布に使用していたとされるサーバーに接続していたことを突き止めた。端末からは、スパイウェアがiMessage経由で密かに拡散されたことを示す膨大なネットワークアクセスの記録が発見された。

端末のログによると、スパイウェアはマイクロフォンおよび通話の録音、内蔵カメラによる撮影、被害者のパスワードの取得、および端末の位置の追跡ができていた可能性が高い。

Citizen Labの研究チームは、ジャーナリスト数十人のiPhoneがスパイウェアにハックされた証拠を発見したと発表した。そのスパイウェアは民族国家に使われていることが知られている(画像クレジット:Citizen Lab)

Citizen Labは、被害の大部分は少なくとも4人のNSO顧客によって拡散されたものであり、そこにはサウジアラビアおよびアラブ首長国連邦の政府が含まれていると、Pegasusを利用した類似の攻撃の証拠を挙げて述べた。

研究チームは、他の2件のNSO顧客が、アルジャジーラの端末をそれぞれ1台と3台ハックしたことを発見したが、特定の政府とのつながりを見つけることはできなかった。

アルジャジーラの広報担当者で、ハッキング事件のニュースを報道した人物は直後にはコメントしなかった。

NSOは、政府や民族国家を相手にスパイウェアPegasusをパッケージ済みサービス(VICE記事)として販売しており、顧客のターゲットにスパイウェアを侵入させるために必要なインフラと脆弱性情報を提供している。しかしこのスパイウェアメーカーは、顧客が何をしているかに関して再三自らを遠ざけ、顧客のターゲットが何であるかは知らないといっている。NOSの顧客として知られている中には独裁政権も含まれている。サウジアラビアはこの監視技術を利用して、コラムニストのJamal Khashoggi(ジャマル・カショギ)氏(NYTimes記事)を同氏の殺害直前に偵察していたと見られている。米国諜報機関は同国の事実上の支配者である、Mohammed bin Salman(ムハンマド・ビン・サルマーン)ン皇太子の命令である可能性が高い(WaPo記事)と結論を下した。

Citizen Labはさらに、ロンドンのアラビア語テレビ局の記者であるドリディ氏もゼロクリック攻撃の被害者だった証拠も見つけた。ドリディ氏はUAE政府の標的にされた可能性が高いと研究者らはいっている。

ドリディ氏は電話でTechCrunchに、彼女の端末が標的にされたのは、自分がUAEに利害関係のある人物と近い関係にあるからかもしれないと語った。

ドリディ氏の端末、iPhone XS Maxは、おそらく2019年10月から2020年7月という長期間標的にされていた可能性がある。研究者らは、彼女が2種類の状況下でゼロデー攻撃(公開されておらずパッチがまだ発行されていない脆弱性を利用)の標的にされた証拠を発見、それは同氏のiPhoneでいずれの場合もiOSの最新バージョンが動作していたためだという。

「私の生活はもはや正常ではありません。二度とプライベートな生活を取り戻せないと感じています」とドリディ氏はいった。「ジャーナリストであることは、犯罪ではありません」。

Citizen Labは、ジャーナリストやニュース機関に対する「スパイ行為の傾向が加速している」ことを最新の調査が示していると述べている。そして、ゼロクリック脆弱性の利用が増大することで、検出はますます困難(不可能ではないが)になりつつある。それは、被害者の端末に侵入する技法だけでなく、攻撃を隠蔽する技術が高度になっているからだ。

12月19日にNSOに問い合わせたところ、記事を見ていないので疑惑に関するコメントはできないと述べたが、サウジアラビアやUAEが顧客であったのか、顧客がジャーナリストを標的にするのを防ぐために(もしあるなら)どんな対策が施されているのかという質問には回答を拒んだ。

「そのような主張を聞いたのはこれが初めてです。これまで再三述べてきたように、当社のシステム偵察が利用されたとされる個人の特定にかかわる情報は一切入手できません。しかしながら、もし悪用にかかわる信頼できる証拠が、標的とされる人物の基本情報と日時とともに提出されれば、当社の製品誤用調査手順に沿って必要な段階を踏み、主張を検証します」と広報担当者は述べている。

「まだ見ていない記事に関するコメントはできません。CitizenLabが不正確な仮定に基づく記事を事実の裏付けなく頻繁に公開してきたことを私たちは知っています。そしてこの記事は、NSOが政府の法執行機関が深刻な組織犯罪やテロ対策に取り組むことを可能にする製品を提供している、というテーマに沿っている可能性が高いが以前にも述べたように、当社はそのようなサービスを提供していません。それでも私たちは、当社のポリシーが確実に守られ、いかなる違反行為の証拠にも真剣に取り組み捜査することを約束します」

Citizen Labは自らの研究結果に基づいて受けて立つと語った。

ニューヨークのサウジアラビアとUAEの各政府は、コメントを求めるメールに回答していない。

今回の攻撃は、謎に包まれた偵察スパイウェアの世界だけでなく、それに対抗しなければならない企業にもあらためて焦点を当てた。Appleは、ユーザーのプライバシーを擁護し、iPhoneをはじめとするさまざまな攻撃に強い設計の安全なデバイスをつくる公的イメージに頼ってきた。しかし、セキュリティバグの影響を受けないテクノロジーなどない。2016年にReuters(ロイター)は、UAE拠点のサイバーセキュリティ会社、DarkMatterがiMessageをターゲットにした「Karma」と呼ばれるゼロクリック攻撃ツールを買ったことを報じた。その攻撃は、ユーザーがiMessageアプリをアクティブに利用していなくても作動した。

AppleはTechCrunchに、Citizen Labの調査結果を個別には検証していないが、記者たちを標的とするために使われた脆弱性は9月に公開したiOS 14で修正されていると語った。

「Appleでは、ユーザーのデータと端末のセキュリティを強化するためにチームが休むことなく働いています。iOS 14はセキュリティに関する大きな飛躍であり、この種の攻撃に対して新たな保護を提供しています。研究で説明されている攻撃は、民族国家が特定個人を標的とするために多く使われています。当社はユーザーに対して最新バージョンのソフトウェアをダウンロードして自分自身とデータを保護することを強く勧めています」とApple広報担当者は語った。

NSOは現在Facebookと係争中(未訳記事)であり、2019年にNSOがそれまで公開されていなかったWhatsAppの類似のゼロクリック(未訳記事)脆弱性を利用して、約1400台の端末をスパイウェアのPegasusに感染させたと、Facebook(フェイスブック)は主張した。

Facebookは脆弱性を発見し修復してその後の攻撃を防いだが、100人以上の人権擁護活動家やジャーナリスト、「市民社会のその他の人々」が被害に遭ったと語っている。

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カテゴリー:セキュリティ
タグ:AppleCitizen Labスパイウェア

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NASAの有人飛行責任者がアルテミス月面着陸の2024年目標とクルー人選について語る

NASA(米航空宇宙局)の有人宇宙飛行責任者、Kathy Luders(キャシー・ルーダース)氏がTechCrunch SEssion:Spaceに参加し科学者でNetflixのホストでもあるEmily Calandrelli(エミリー・カランドレッリ)氏に、彼女のNASAでの仕事について話した。アルテミス計画の進捗や米国人宇宙飛行士を月面に再び送る話もあった。

NASAのアルテミス計画最初の月面着陸が2024年を目標としていることは、繰り返し同局が発言しており、現在のNASA責任者でバイデン新政権が誕生する2021年1月に任期を終えるJim Bridenstine(ジム・ブライデンスタシイン)長官も正式に表明している。しかし、このスケジュールには外部から多くの疑問が投げかけられていて、新型コロナウイルス対策の在宅命令とNASAの遠隔勤務措置による遅れによって、一層困難になったと見られている。

「商業乗員輸送開発プロジェクトを立ち上げた時の目標は2017年でした」とルーダース氏。「2017年には飛ばしませんでした、2017年を目指してありとあらゆる努力をしたのですが。その2017年というゴールは、私が2017年という時期だけを考えて愚かな決定を下したという意味ではありません。慎重に検討を重ねた決断でした。そして結局2020年に飛ぶことになりました。実際には2019年にミッションを達成し、それは当初2017年のゴールだったものでした。2024年は我々にとって重大な目標なので、誰もがそこにこだわっています。しかし、私は慎重にこれを進めるべきであることもわかっているので、みなさんに進捗状況を伝えながらやるつもりです。これはこれまでのあらゆるプログラムでしてきたことでもありす。そして、安全で効果的な方法で飛行するために必要なミッションの能力を備えて飛ぶ準備ができたとき、実行します」。

ルーダース氏は多様性、および局内の人種多様性、および同局にとっての重要性に関する問題にも言及した。、氏は人間探査および運用ミッション総局の副責任者を務める最初の女性であり、NASA全体の有人飛行活動を指揮している。

「みなさんには私たちが行っていることを自分の目で確かめてほしいと思っています。なぜなら、重要なのはNASAがこれをやっていることではないからです」と彼女はいった。「重要なのはみなさんがすること、みなさんにできることです。最も印象深いのは、私のことが発表された直後にインドの9歳の少女からもらった『あなたがその仕事を得たのだから、私もいつかNASAの責任者になれると思います』という手紙でした。そしてアルテミス計画のクルーの多様性を見ればわかるように、みんなが自分がそこにいるところをを見て欲しいのです」

ルーダース氏は、つい最近発表された NASAのArtemis宇宙飛行士クラスに見られる多様性(NASAリリース)と、その中から実際にアルテミス計画初の月面着陸クルーに選ばれる人の可能性についても語った。

「私の気に入っていることの1つ、それは女性2人でいけないのかどうか、私にはまだわからないことです」と彼女はいった。「適切な人を選ぶ必要があります」

カテゴリー:宇宙
タグ:NASAアルテミス計画

画像クレジット:NASA

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グーグルの「独占力」を非難する米国35州が新たな反トラスト法訴訟を提起

1日が過ぎ、今日もまた、未曾有の力を有するもつ世界最大級のテック企業を解体しようと大がかりな反トラスト行動が起きている。

米国時間12月17日、38人の司法長官からなるグループがGoogle(グーグル)を相手に超党派訴訟を起こし、同社が検索および検索広告における独占を得るために、「違法な反競争的行為」に携わったたと主張した。

「グーグルの反競争行為は同社の検索全般における独占状態を保護し、競合を排除し、消費者から競争的選択の利益を奪い、イノベーションを妨げ、新たな参入や拡大の機会を蝕んでいる」とコロラド州のPhil Weiser(フィル・ワイザー)司法長官は語った。「この裁判の目的は競争を取り戻すことである」。

コロラド州はアリゾナ、アイオワ、ネブラスカ、ニューヨーク、ノースカロライナ、テネシー、およびユタの各州とともにこの訴訟の共同代表を務めている。ニューヨーク州のLetitia James(レティシア・ジェームズ)司法長官はグーグルを「インターネットの門番」と呼び、自ら収集した個人データを利用して市場の独占的地位を固めていると糾弾した。

前日発表の行われたテキサス州率いる対グーグル訴訟と比べて、第2の訴訟は35の州、ワシントンDC、プエルトリコ、およびグアムからなる広範囲な連合が主体だ。本訴訟と並行して司法省自身あ連邦訴訟(未訳記事)を起こしており、こちらも同社が独占を構成、維持するために権力を乱用していると主張している。

この新たな訴訟の原告団は、グーグルが排他的契約を結び、自身の検索エンジンマーケティングツールによってExpediaやYelpなどの特化した検索サイトを不利に、自社ビジネスを有利に扱っていると指摘している。彼らはグーグルの権力を自己補強的と評し、同社が消費者の選択肢を制限し、結果的に彼らの行動にとってより価値のあるデータが提供されることを制限している、と非難した。

競争の保護を目的とする連邦反トラスト法であるシャーマン法第2条違反であるとする同グループは、裁判所にグーグルが享受している有意性の再均衡を要請し、行動指針の一例として「組織再編」を提案している。

先週発表された46州対Facebookの訴訟と異なり、グーグルに対する米国各州の行動は二分化している。なぜ、グーグルに対する同じような告発が2つの反トラスト訴訟に分かれたのだろうか?おそらく、多くの州の指導者はテキサス州のKen Paxton(ケン・パクストン)司法長官の指揮する取り組みへの参加をためらったからだろう。同氏は4つの州で選挙結果を覆そうする不毛で望みのない裁判を率いているだけでなく、現在収賄容疑でFBIの捜査を受けている(AP NEWS記事)。

グーグルはブログで新たな訴訟に示された主張に対し、同社の消費者および小企業に対するプラスの影響を強調した。「この訴訟は、米国市民から有益な情報を奪い、企業の消費者と直接つながる能力に害を及ぼすように『検索』を再設計しようとしている」とグーグルの経済ポリシー担当ディレクターでありAdam Cohen(アダム・コーエン)氏は書いている。「法廷でそれを主張する日を待つとともに、私たちの利用者に高品質の検索体験を提供することに引き続き注力していきます」。

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タグ:Google反トラスト法

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フェイスブックがスモールビジネスを前面に出してアップル批判を強化、アプリの追跡と広告ターゲティング制限に対して

Facebook(フェイスブック)は、Apple(アップル)が予定しているアプリの追跡と広告ターゲティングの制限に対して喜んでいないことをすでに表明しているが、その公開バトルは米国時間12月16日に新たな段階に突入した。

2020年の夏、アップルはiOS 14以降デベロッパーは広告ターゲティングにIDFA(広告識別子)を使うためにはユーザーに許可を求めなくてはならなくなると発表した。これは、ユーザーに選択権を与えるだけだともいえるが、オプトインが必要になるということは、アプリによる追跡やターゲティングの対象が劇的に減少することが予想される。

実際の変更時期は2021年初めまで延期されたが、フェイスブックはこれについて、iOSにおけるAudience Network(フェイスブックのデータを使って他のウェブサイトやアプリの広告でターゲットを行う)の終わりを意味することを示唆した。

そしてこの日の午前、フェイスブックはThe New York Times、The Wall Street Journal、The Washington Postの3紙に印刷広告を掲載し、ブログ公式サイトでも同じ主張を展開した。

一連の行動をフェイスブックの広告ビジネスを守るための広報キャンペーンに同情的側面を加えようとするだけだと見るのは簡単だが、本日、同社の広告・ビジネス製品担当副社長であるDan Levy(ダン・レヴィ)氏は、記者からの質問に答えて異なる見解を示した。

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たとえば同氏は、広告ビジネスが「多様化」しているフェイスブックは、小企業ほど強い影響を感じないだろうと話していて、広告ターゲティングの潜在的問題については直近の決算報告ですでに認めている。

「当社はすでにこの要因を本事業の予測に織り込んでいます」と同氏は語った。

対照的に、小企業は効率よく広告キャンペーンを打つために、ターゲティングに依存している。そして予算が少ないためにその効率を必要としている、とレヴィ氏は語る。もしアップルが現在の計画を推し進めると、「小企業は生き残るために苦闘し、多くの意欲的な起業家がスタートを切ることもできなくなるだろう」と予言した。

レヴィ氏に2人の小企業オーナー、サウスカロライナ州のCharleston Gourmet Burger CompanyのMonique Wilsondebriano(モニーク・ウィルソンデブリアーノ)氏と、サンフランシスコのHenry’s House of CoffeeのHrag Kalebjian(フラグ・カレブジャン)氏が加わった。カレブジャン氏は、コーヒーショップ事業が前年から40%減少するなか、彼のオンライン売上は3倍に増え、フェイスブックのターゲティング広告のおかげで、家族のアルメニアンコーヒーへ愛にまつわる彼の個人的な話を伝えることができると語った。

一方、ウィルソンデブリアーノ氏は、彼女と夫のChevalo(シェバロ)氏が自家製マリネバーガーを売るビジネスを始めた時のことについて、「ラジオやテレビCMを流す選択肢はありませんでした、そんな予算はなかったので」、そこで彼らはフェイスブックとInstagramに目を向けた。マリネが50州、17カ国で販売されているいま、「もし改定が行われると、多くの小企業はChevalと私のときと同じチャンスを得られないでしょう」とウィルソンデブリアーノ氏はいった。

レヴィ氏はさらに、アップルの損益は変更の恩恵を受けるかもしれないといった。もしデベロッパーがフェイスブックや他のプラットフォームの広告で得られる収入が減れば、サブスクリプションやアプリ内課金(アップルがよく問題にされる手数料を取っている)への依存度が高くなった、アップル自身のターゲティング広告を利用することになるかもしれないからだ。

いくつかの広告業界団体もアップルのポリシーに反論したが、アップルのCraig Federighi(クレイグ・フェデリギ)上級副社長は、あるスピーチでアドテック業界の主張について「奇妙」で「誤り」であると批判(未訳記事)した。スピーチの中でフェデリギ氏は、アップルのApp Tracking Transparency(アプリがユーザーから広告IDを取得するための承認を得る仕組み)について、「私たちのユーザーが、アプリにどんな時に自分を追跡することを許すか、を決める力を与えるものであり、その情報は他社のアプリやウェブサイトを横断して共有することもできます」と語った。

【更新】アップルから以下の声明が送られてきた。

これは私たちのユーザーを守る、という単純なことだと信じています。ユーザーは、自分たちのデータがいつ集められ、他のアプリやウェブサイトと共有されるかを知るべきであり、それを許すか否かの選択権をもつべきです。iOS 14のApp Tracking Transparencyは、フェイスブックがユーザーを追跡してターゲット広告を送る方法を変えることを必要としていません。単に、ユーザーに選択肢を与える必要があるだけです。

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オフィスの新型コロナ対策を支援する空気品質監視プラットフォームのOpenSensorsが4.1億円調達

米国時間12月16日、2013年2月に小学校女子学童に起きた喘息発作は大気汚染が原因であったと英国の裁判所が裁定した(The Guardian記事)。これはこの種の裁定として世界初だと思われる。Ella Kissi-Debrah(エラ・キッシ-デブラ)さんが亡くなったわずか1年後、別の母親も自分の娘の喘息に対する空気汚染の影響を心配し、何か行動すべきだと決断した。

そして本日、Yodit Stanton(ヨディット・スタントン)氏は彼女の空気品質監視のスタートアップであるOpenSensorsのシード資金400万ドル(約4億1000万円)を、Crane Venture Partnersほか匿名投資家によるシードラウンドで調達した。当初このスタートアップは、顧客から得た売上による自己資金で設立された。

OpenSensorsは、センサーを使って空気品質と光強度を監視する。しかしそのデータプラットフォームは特別だ。同社のテクノロジーは職場と労働者の環境とパターンを明らかにすることを目的としている。競合にはCondeccoやWorkplace Fabricらがいるが、同社のアプローチの方が「全方位」だ。

現在複合施設をもつ30社以上の顧客が北米、アイルランド、英国およびヨーロッパにいる。業界は保険、金融、テクノロジーなどだ。

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建物の費用は企業にとって2番目に大きい出費であり、英国の事務所コストは年間200億ポンド(約2兆8000億円)に上るが、スペースの半分は、通常のパンデミック以前の時期でさえ、一日中使われることがなく、利用率はピーク時でも55%にすぎない。また建物は全世界エネルギー利用の36%、二酸化炭素排出量の39%を占めている。OpenSensorsは湿度、二酸化炭素濃度なども測定してウイルス感染を減少させる最適環境へと導くことで、企業が社員と職場の安全を取り戻す手助けをする。

「私たちの仕事や生活のやり方は、誰もが想像できなかった速さで変わっています。いまは持続可能性を考えながら実世界をどのように使っていくのかを考え直し、職場をそこで働く人たちにとってよりよくするための、人類最大のチャンスが訪れています」とスタントン氏は語る。

Crane Venture PartnersのパートナーであるScott Sage(スコット・セージ)氏は「データに基づく予測、実世界における利用状況、および既存顧客の実績をもつOpenSensorshは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)環境下の信頼できるアドバイザーとソリューション提供者であるとともに、新型コロナの蔓延が加速した柔軟な働き方への転換を支援する会社です」と語っている。

スタントン氏は英国の Women In Dataイベントの設立と運営も行なっており、TechCrunchだけにこう話した。「当初は楽しい趣味のプロジェクトとして始まりました。私はIoTをいじっていて、娘が喘息なので近隣の大気品質を測定して、特定の変化が娘の発作と相関があるかどうかを調べてました。しかし、ビルディングを管理できるかとみんなから聞かれるようになった時、本物になったと思いました」。

彼女は、湿度の低下はウイルス伝染を促すという。「だから室内環境では湿度40%前後を保つべきであり、乾燥した空気は人間の免疫システムにも悪影響を与えます」。

これは、空気品質の管理が企業にとって重大問題になったことを意味している。だから、VCがOpenSensorsのような空気品質スタートアップを支援し始めたことは驚きではない。

カテゴリー:ヘルステック
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AWSがデベロッパー向け地図サービス「Amazon Location」を発表

AWSは米国時間12月16日、Amazon Location(アマゾン・ロケーションズ)のプレビュー版を発表した(AWSリリース)。ウェブベースやモバイルのアプリケーションに位置情報に基づく機能を搭載したいデベロッパーのための新サービスだ。

EsriとHERE Technologiesから供給された地図データに基づき、同サービスは基本的な地図や観光スポット情報など地図サービスに期待されるあらゆるサービスを提供する。トラッキング機能を内蔵していてジオフェンシングも可能だ。ただし、ルーティング(経路)機能はない。

「地図や位置把握など位置情報に基づく機能を、もっと簡単でコスト効率よくウェブやモバイルアプリに追加できるようにしたいと考えました。これまでサービスへの追加は複雑で高くつくだけでなく、1つの提供者のビジネスモデルとプログラミングモデルに縛られていました」と、AWSのJeff Barr(ジェフ・バー)氏は発表文で述べている。

画像クレジット:Amazon

Amazon Locationが提供する機能の中心は、2社のパートナー(他社とも交渉中)からのデータとスタイルに基づくマップを作る機能と、観光スポットの情報だ。もちろんこれらはどの地図サービスにもある2大基本機能だ。Amazon Locationはこれに加えて、トラッキング機能が組み込まれているため、アプリはトラッキングデバイスから位置情報を受け取って地図にプロットすることができる。この機能はAmazon Locationのジオフェンシングツールとも連動しているため、デバイス(あるいはそれを着けている犬)が特定のエリアを離れた時にアプリがアラートを出すことができる。

Google Mapsプラットフォームほど機能満載ではないが、AWSはLocationをもっと安く、マップタイル1000個取得が0.04ドル(約4.13円)からというさまざまな料金プラン(3カ月無料トライアル付き)で提供すると約束している。AWSの例にもれず、ここから先の料金体系はぐっと複雑になるが、全体的に価格は妥当だ。

AWSのタイルベースの価格とGoogle(グーグル)の価格を直接比較することはできないが、Google Map Platformでは月額200ドル(約2万660円)の利用範囲を超えると、1000リクエスト毎に2ドル(約207円)かかることは覚えておく価値がある。

何回もの価格変更(Geoawesomeness記事)を経て、グーグルの地図サービスはデベロッパーの信用を大きく失った。AWSは、この新プラットフォームでそこにつけ入ることができるかもしれない。現在のサービスにあるいくつかのギャップを埋める機能をつくることができればさらに可能性がある。

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Robomartがアプリで購入した生活必需品をワゴン車が運んでくるモバイルコンビニのベータテストを開始

パンデミックに入って9カ月、都市封鎖に最初に踏み切った州の1つが振り出しに戻った。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染者の急増を受け、カリフォルニア州のGavin Newsom(ギャビン・ニューサム)知事は、州全体にわたる大規模な封鎖を再度実施し、多くの住民が自宅を離れることなく生活必需品を手に入れる新たな手段を探し始めた。

Robomart(ロボマート)は、サービスの完成までにはまだ遠いようだが、同社はロサンゼルスのウェストハリウッド近郊で限定サービスを開始した。現在は招待のみのベータテストで、ワゴン車に載せた生活必需品を販売している。ユーザーはRobmartアプリで購入すると、クルマが走り購入者のところにやってくる。

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最初のサービスはモバイル薬局で、50種類の製品500箱を販売する。商品は市販薬、トイレタリー、家庭用品、キッチン用品など。同サービスの食料品バージョンも同じ地区に「数週間以内に」登場するとRobomartはいう。

最終目標は必要な認可と技術的障壁をすべてクリアし、自動運転車で配達することだ。しかし現時点では、車両リース会社のZeeba Vansとの提携によって配達している。2年以内にバンを100台に増やす計画だ。会計はRFIDタグを用いて行われる。

Wasabi Ventures、SOSV、HAX、Hustle Fund、Automation Fund、Archtypeの各社が出資している。

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「スタートアップの世界は完全無人運転がオンデマンドコマースで唯一利益を上げる方法だというちょっとした近視眼的思考に陥っています」とHAXのGarrett Winther(ギャレット・ウィンザー)氏はTechCrunch宛の声明で語った。「現実はといえば、地域の配達モデルにはいくつか変化が起きていて、賢明な運営の統合によって『ストア・ヘイリング(呼び出し型店舗)』がみんなの予想よりずっと早く普及するでしょう」。

少なくともこの会社は、この機会を逃すまいとしているように見える。

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音楽配信サービスのBandcampが手数料免除の「バンドキャンプフライデー」を2020年5月まで延長

この8カ月あまり、ミュージシャンは非常に困難な時期を過ごしている。ツアーは中止になりストリーミングサービスからはごくわずかな報酬しか得られず、多くのアーティストの生活が完全に崩壊している。しかし、2020年3月以降、Bandcamp(バンドキャンプ)は多くのミュージシャンにとって貴重な道しるべとなっている。

毎月第1金曜日、同サービスは手数料を免除してアーティストやレコード会社が利益を増やす機会を提供している。これまで9回の金曜日で、このサービスから4000万ドル(約41億4000万円)が生まれ、80万人近くがその日に楽曲を購入した。アーティストは平均して売上の93%を受け取る(残りは支払手数料)。通常は82%だ。

ワクチンの登場は希望の理由の1つであるものの、困難を脱していないことは明らかだ。これを踏まえ、同サービスはBandcamp Fridayを少なくとも2021年5月まで延長することを発表した。具体的には2月5日、3月5日、4月2日、5月7日があてはまる。

他のオンラインサービスはあまり積極的ではない。2020年7月にSpotify(スポティファイ)のCEOであるDaniel Ek(ダニエル・エク)氏は「以前活躍していたアーティストが今後の状況下で活躍するとは限りません。3〜4年に1度レコードを出せば十分という時代ではありませんから」とメディアに語っている。

音楽印税支払いをめぐる批判をよそに、Spotifyは数億ドル(数百億円)を費やしてポッドキャスティングの独占コンテンツのライブラリーを増強した。

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