Photoshop30周年、iPad版にオブジェクト選択ツール機能をの追加

Adobe(アドビ)のPhotoshopは米国時間2月19日に30周年を迎えた。このアプリは写真編集アプリの代名詞となっており、間違いなく多くの回顧がなされるだろう。しかしそれを見越していた同社は本日、デスクトップとモバイルの両方のPhotoshop体験に対して、多くのアップデートを発表した。

今回の目玉機能はおそらく、iPad版Photoshopのオブジェクト選択ツールの追加だろう。もともとiPadアプリにはPhotoshopユーザーがモバイルで使いたいと思うような機能がいくつも欠けていたので人気がないことで知られていた。そしてこれまで、アドビはアプリにいくつかの変更を加え、その詳細に説明してきた。同社によると、現在のアプリレビューの50%が5つ星をつけており、11月以来で100万回以上ダウンロードされている。

そしてiPad版Photoshopには、3カ月前にデスクトップ版で初めて発表された、複雑なシーンで1つまたは複数のオブジェクトを選択して操作できる 「Object Selection」 ツールが導入される。AdobeのSensei AI技術と機械学習を利用することで、ユーザーは選択しようとしている領域の大まかな輪郭を描くだけで、選択プロセスを自由にコントロールできる。

またiPad向けPhotoshopの新しい機能として、文字のコントロールが追加された。これによりトラッキング、行送り、スケール、オールキャップス、スモールキャップス、上付き文字、下付き文字などのフォーマットオプションがサポートされる。

デスクトップ版Photoshopでは、コンテンツ対応の塗りつぶしワークスペースを改善し、さらに浅い被写界深度で写真を撮影する際のボケ効果を模倣したレンズぼかし機能を大幅に改善している。これまではレンズのぼかし機能がCPU上で実行されており、焦点の合っていない前景オブジェクトの周囲にシャープなエッジが表示されて、やや不自然に見えていた。今後、このアルゴリズムはGPU上で動作するようになり、エッジはよりソフトになって、さらに前景のオブジェクトははるかにリアルに見えるようになった。

改善されたコンテンツ対応の塗りつぶしワークスペースでは、複数の塗りつぶしを同時に選択して適用できるようになった。これはまったく革新的な新機能というわけではないが、このツールを頻繁に使用するユーザーにとってはワークフローの改善になる。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

アドビがCMS「Adobe Experience Manager」をクラウドネイティブSaaSとして提供開始

Adobe(アドビ)は米国時間1月14、同社のコンテンツ管理システム(CMS)であるAdobe Experience Manager(AEM)を「これからはクラウドネイティブなSaaSアプリケーションとして提供する」と発表した。これまでAEMは、オンプレミスまたはマネージドサービスとして利用でき、純粋なクラウドネイティブではなかった。

言うまでもなく、クラウドサービスとして利用できれば顧客にはクラウドから得られる価値のすべてが提供される。これからは顧客は、メンテナンスや管理やアップデートをいちいち気にすることなく、AEMのすべてのツールにアクセスできる。そしてマーケティングのチームにはより幅広い柔軟性と機敏性が得られ、最新のアップデートにほぼリアルタイムでアクセスできるようになる。

アドビの戦略とプロダクト担当上級ディレクターであるLoni Stark(ロニ・スターク)氏も、この価値命題を強調する。「AEMは高度なデジタルツールの採用に熱心な中企業やエンタープライズにとって魅力的なツールだ。常に変化している彼らのビジネスモデルをサポートするためには、単純性と柔軟性がもっと必要だったのだ」と彼は声明で述べている。

AEMの数多い能力の中には、顧客体験をリアルタイムで管理する機能がある。顧客データにリアルタイムでアクセスできるのだから、プロダクトもサービスも体験もいつでもリアルタイムの顧客知識に基づいて提供できる。

その顧客に合わせる努力はタイミングが限定されない。そしてターゲットとしては、企業のウェブサイトやモバイルアプリ、そのほかのチャネルなど何でも対応できる。企業もチャネルの特性に合わせてコンテンツを柔軟に調整したいし、また顧客データにも合わせたい。AEMは、これらのリアルタイムな要求をサポートしている。

AEMはアドビが2010年に買収したDay Softwareがベースだ。同社は最初、ウェブ上のコンテンツ管理システムを開発したが、それが徐々にAdobe Experience Managerに進化し、体験管理の面も持つようになった。現在ではこのツールには、コンテンツ管理とアセット管理とデジタルフォームのツールが備わっている。

同社は本日この発表を、今週ニューヨークで開催されている大規模なリテールカンファレンスNRF 2020で行った。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

iPad版Photoshopが被写体だけをAIが自動選択する「被写体を選択」機能を搭載

iPad版のAdobe Photoshopは、デスクトップ版のファンが満足するようなものではなく、幸先のいいスタートではなかった。しかしAdobe(アドビ)はユーザーからのフィードバックを取り入れた機能を追加したアップデートを適宜リリースしているようだ。米国時間12月16日には、iPad版のPhotoshopに「被写体を選択」機能が追加された。この機能があれば、iPad上での写真の操作や合成がこれまでよりもずっと簡単に、そしてフレキシブルにできるようになる。

「被写体を選択」は昨年デスクトップ版に搭載された新機能で、画像を1回タップするだけで被写体を選択できる。手作業で選択する代わりに、アドビのAIエンジンであるAdobe Senseiが被写体を認識する機能だ。被写体の選択は、Photoshopユーザーがペンやフリーハンド、あるいはなげなわツール、自動選択、多角形選択ツールを組み合わせて手作業で行っている作業のひとつだ。どの方法もかなりの手間がかかる。

アドビによれば、2019年バージョンのiPadとデスクトップ版「被写体を選択」では、選択範囲の境界がより正確になり、iOSでもほぼ瞬時に選択されるという。この機能では対象の選択を行い、より正確に選択を調整し、自然な輪郭にするなど、多くの機械学習アルゴリズムが協調して使われている。その結果、極めて実用的なレベルで被写体の切り抜きや構図の変更、被写体と背景を別々に編集するといった作業があっという間にできる。手作業での調整はほとんど必要ない。

輪郭が明確で背景とのコントラストが強ければ正確にきちんと選択されるが、アドビは髪や毛皮などの「被写体を選択」が難しい対象でのパフォーマンス向上に取り組んでいるという。同社はクラウドドキュメントの機能も強化している。これはiPad版Photoshopの一般公開とともに導入されたもので、クラウドベースのストレージを利用してPSDファイルを異なるプラットフォーム間で共有できる。テキスト入力やレイヤー管理などのユーザーインターフェイスも改善している。

iPad版のPhotoshopがデスクトップ版と同様のフラッグシップ製品として認められるためにアドビがやるべきことは多いが、同社は適切な方向に進んでいる。2020年にはさらに多くの改善や向上が提供されるようであり、iPad版のIllustratorもリリースされる予定だ。

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(翻訳:Kaori Koyama)

アドビは年間収益1.2兆円を突破して最強のソフトウェア企業の仲間入りを果たす

米国時間12月12日、Adobe(アドビ)は4四半期の収支報告書を公開した。結果は極めて良好だった。この第4四半期の収益はあと少しで30億ドルという29億9000万ドル(約3270億円)だったが、2019会計年度の収益は110億ドル(約1兆2000億円)を超え、これまでの最高額を記録した。

「2019会計年度は、収益が11億ドルを突破するという、アドビにとって驚きの年であり、輝かしい歴史を刻みました。2019年のこの記録的な収益と1株あたりの利益によって、アドビは世界で最も大きく、もっとも多角的な高収益ソフトウェア企業に仲間入りしました。2019会計年度のアドビの総収益は111億7000万ドル(約1兆2200億円)となり、これは24パーセントの年間成長率を示しています」と、アドビのCEO、Shantanu Narayen(シャンタヌ・ナラヤン)氏は同社の収支報告会の後、アナリストや報道陣に語った。

今年、アドビは重要なM&Aをいくつか実行している。それには、5月の17億ドル(約1860億円)でのMagento(マジェント)、9月の457000万ドル(約5000億円)でのMarketo(マルケト)の買収が含まれる。

関連記事:475000万ドルでMarketoを誘惑するAdobe(未訳)

これら2つの重要な企業の買収が、今年度の数字をここまで押し上げたのは明らかだ。それは、CFOのJohn Murphy(ジョン・マーフィー)氏も収支報告会で認めていた。

第4四半期の注目すべきハイライトには、Adobe Experience Manager(アドビ・エクスペリエンス・マネージャー)がもたらしたコンテント・アンド・コマースソリューションと、Magentoのクロスセルとアップセルの成功、私たちのデータ・アンド・インサイツソリューションに含まれるAdobe Experience Platform(アドビ・エクスペリエンス・プラットフォーム)、Audience Manager(オーディエンス・マネージャー)、Real-Time CDP(リアルタイム・カスタマーデータプラットフォーム)の導入が挙げられます。さらに、中堅企業向け市場区分への参入におけるMarketo事業の勢いが、私たちのカスタマー・ジャーニー・マネージメントソリューションの成長に油を注ぎました。

これらすべてが、デジタル・エクスペリエンス分野全般での成長をもたらしている。

しかしアドビは、単に新たなマーケットシェアを購入しただけではない。一連の製品の社内開発を継続することで、企業としての新しい収入源を育てようともしている。

「私たちは、カスタマーエクスペリエンスマネージメント(CXM)製品戦略を急速に進化させ、世代にまたがる技術プラットフォーム、核心的なサービス、市場をリードする私たちのアプリケーションの強化をお届けします。Adobe Experience Platformは、CXMに特化した業界初のプラットフォームです。リアルタイムのカスタマープロフィール、コンティニュアスインテリジェンス、そしてオープンで拡張可能なアーキテクチャーにより、Adobe Experience Platformは、個々のユーザーに合わせたエクスペリエンスの大きな規模での提供を実現します」とナラヤン氏は話していた。

もちろん、これらの事業は全体の一部に過ぎない。アドビの事業の大黒柱はクリエイティブツールであることに変わりはなく、クリエイティブツール群のこの第4四半期の収益は17億4000万ドル(約1900億円)あり、Document Cloud(ドキュメント・クラウド)がそれに3億3900万ドル(約42億6000万円)を上乗せしている。

アドビは、今回の企業買収の成果が現れ、デジタル・エクスペリエンス関連製品の大きな部分を占めるようになる2020年にも、強い自信を見せている。しかしナラヤン氏は、今年のデジタル・エクスペリエンスの成績にも気を良くしている。「今年の出来事を一歩下がって眺めてみると、そこで発生したイノベーションの数の多さに大変に満足を覚えます。もうひとつ、私がとても満足していることに、MagentoとMarketo、そして、統合的で足並みのそろった市場開拓という意味においてひと口に中核的なデジタルトランスフォーメーション事業と呼べるものが一列に揃い、良好な結果を招いたばかりでなく、その事業に関連する運営コストにも良い影響をもたらした点があります」。

どんなソフトウエア企業にとっても、年間110億ドルを超える収益を得るのは並大抵のことではない。1982年に創設され、1980年代にデスクトップパソコン用のソフトウェアを開発していたころのアドビを思えばなおさらだ。そのアドビが、ナラヤン氏の采配のもと、この5年で巨大なクラウドサービス企業に成長したのだ。
関連記事:アドビはソフトウェア界の次なる100億ドル企業になる(未訳)

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(翻訳:金井哲夫)

Adobeがカスタマーデータプラットフォームの提供を開始

カスタマーデータプラットフォーム(CDP)は、カスタマーエクスペリエンスの武器の集まりともいえる最新のツールだ。大手企業が複数のチャネルから集めた顧客データを扱うためにこれに取り組んでいる。米国時間11月14日、AdobeはCDPを一般に提供すると発表した。

画像:Towfiqu Photography / Getty Images

CDPは一人ひとりの顧客に関するあらゆる情報を保管するデータ倉庫のようなものだ。そのチャネルはWeb、メール、テキストメッセージ、チャット、実店舗への来店、そしてCRMやeコマース、POSといったシステムまで多岐にわたる。こうしたデータを1件のレコードにまとめ、企業が顧客を驚くほど詳細なレベルで深く把握しようとする。そして企業はこの情報を活用して、複数のチャネルにわたって高度にカスタマイズされた体験を提供することを目指す。

CDPは情報をすべて集め、マーケティング担当者に必要なツールを提供するものだ。Adobe Audience ManagerプロダクトマーケティングマネージャーのNina Caruso(ニーナ・カルーソ)氏は「マーケティング担当者がAdobe Experienceプラットフォームの利点をすべて活用できるようにしたい」と説明する。

マーケティング担当者が見たいデータを使いやすいようにダッシュボードなどでまとめて提示するが、その裏側ではAIと機械学習によって見やすいダッシュボードが生成されるので面倒な作業は不要と、カルーソ氏は語る。

さらに、Adobe Experienceプラットフォームの中の1カ所でリアルタイムのストリーミングデータにアクセスできるようになり、マーケティング担当者はこれまで以上に精密に市場のセグメントを作成できる。「マーケティング担当者が活用できるように、リアルタイムCDPの一環として統合されたプロモーションを製品化できるようにする。キャンペーンの対象となっているセグメントやオーディエンスを複数のチャネルで利用することで、カスタマージャーニーのライフサイクル全体を通して一貫した体験を提供できる」とカルーソ氏は言う。

危惧する人も多いと思うが、こうした情報をまとめることは、顧客に応じたカスタマイズを可能とするプラットフォームを実現する一方で、さまざまなセキュリティやプライバシーの危険性もはらんでいる。GDPRや今後施行されるカリフォルニア州消費者プライバシー法に関しては、特にそうだ。企業はプラットフォーム全体にわたってデータの使用ルールを遵守しなくてはならない。

そのためAdobeは、企業がデータ使用に関するルールを定めるのに役立つよう、Adobe Experienceプラットフォームのデータガバナンスに関する有効性も発表した。これは「(顧客が)データ使用ポリシーを実行し、データを適切に使用することで、さまざまなデータセットに関連する規則、義務、制限を遵守するためのフレームワーク」だという。

カルーソ氏は「我々のお客様がデータを適切に管理できるように、お客様に制御機能を提供する。プライバシーとさまざまなポリシーが重要になりつつある現状では、特に重要なことだ」と述べている。

CDPのツールはAdobeの利用者向けにすでに公開されている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

アドビがデザインツール「Adobe XD」にリアルタイム共同編集機能を追加

今週は、毎年恒例となったAdobe(アドビ)のCreative Cloudイベント「Adobe Max」の週だ。そして例年どおり、同社のさまざまな製品に対して各種のアップデートが発表される。ものによっては、わずかな変更や、小さな機能の追加にすぎない場合もある。しかし、ウェブとアプリ開発用のデザイン/プロトタイピングツールAdobe XDについては、注目に値する興味深いアップデートが目白押しだ。

中でも最も目立ったアップデートは、ドキュメントをリアルタイムで共同編集できるようにするもの。これにより、離れた場所で作業するデザイナーの仕事がかなり効率的になる。この新しい共同編集機能は現在ベータ版だが、複数のデザイナーが1つのドキュメントに対して同時に作業できるようにするもの。AdobeのCreative Cloudバックエンドを使用して変更をリアルタイムで同期する。1つのドキュメントを共同編集できるようにするには、まずそのドキュメントをクラウドに保存してから、一緒に作業するチームメイトを招待すればいい。

またXDチームは、既存の共有機能もXDに取り込んだ。デザイナーがフィードバックを集めたり、アセットを分配できるようにするものだ。そうした機能を集めて「共有」という独立したモードにまとめ、既存の「デザイン」、「プロトタイプ」モードに並べて配置した。

「共有モードは、他の人と作業を共有する必要があるときに行く場所です」と、同社は説明する。「そこでは、対象となる作業への、共有可能なウェブリンクの作成と管理が可能です。その際には、共有される新しいプリセットを使用して、さまざまに異なるユースケース用の共有体験のカスタマイズもできます。そうしたユースケースとしては、デザインレビュー、開発の移管、プレゼンテーション、ユーザーテストなどが含まれます」。

XDは、Creative Cloudアプリケーションの中でも、完全に無料のモードを含む希少なものの1つ。無料モードのユーザーも、2020年4月までは、この新しい共同編集機能にアクセスできる。そして、他のすべての新たな共有、コラボレーションツールは、期限なしで、「XDスタータープラン」に加入している無料ユーザーにも使える。

XDの他の新機能も挙げておこう。まず、コンポーネントのステートのサポートが強化された。これによりデザイナーは、一貫したユーザーインターフェイスの作成が容易になる。また、ホバートリガーが追加され、デザインしたアイテムの上にホバーするとアクションを起動できるようになった。さらに基本的なインタラクションのプロトタイプを開発する新しいツールも加わっている。また、再設計されたプラグインマネージャによって、Jira Cloud、UI Faces、Stark、Arrangerなど、200以上のプラグインをサポートしている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

アドビのPremiere RushからTikTokに直接投稿できる

米国時間11月4日、Adobe(アドビ)はCreative Cloudのビデオ製品のアップデートを多数発表した。ほとんどはプロ向け、あるいはプロではないにしてもYouTuber向けの製品だ。しかしPremiere Rushは、ビデオで楽しみたいすべての人のためのツールと位置付けられている。だから、短いクリップの共有プラットフォームとして人気のTikTokに、Premiere Rushからビデオを直接共有できるようになったと発表されたことは驚きではないだろう。TikTokに直接投稿できる他社製のアプリは、これが初めてだ。

Rushは2018年10月に提供が開始され、よく使われているビデオ公開サービスへの共有をサポートしていた。今回のTikTokとのパートナーシップにより、TikTokユーザーも自動ダッキング、トランジション、カラーフィルター、タイムラプス、スローモーションなど、Rushの簡単なビデオ編集機能を活用できるようになる。

アドビの機械学習により、ビデオプロデューサー、特にTikTokで好まれる縦長のビデオをふだん撮らない人々も、ボタンをクリックするだけでアスペクト比を変更できる。するとPremiere Rushは自動でショットのフレームを調整する。

アドビはこの日の発表で「世界各地のビデオクリエイターと対話を重ねるなかで私たちが最も頻繁に耳にした要望は、スピード、使いやすさ、そして投稿のしやすさだった。そこで人気のプラットフォームのTikTokでもビデオを共有できるようにした」と述べた。

Premiere Rushの新機能は、無料バージョンも含めCreative Cloudの全ユーザーにすでに公開されている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

アドビからARオーサリングアプリ「Aero」が登場

Adobe(アドビ)が、拡張現実(AR)に真剣に取り組んでいることは、よく知られている。ARデベロッパーのための優れたデザインツール開発するための、十分なポテンシャルを備えていることも間違いない。昨年のMaxイベントで、同社はAero ARというオーサリングアプリを初めて披露した。そして米国時間の11月4日、そのアプリをリリースした。iOS版は無料アプリデスクトップ版は今のところプライベートベータとなっている。

Aeroの基本的な方針は、デザイナーがプログラムを書くことなくAR体験を開発できるようにすること。ビジュアルなUIによって、ARシーンを構築する手順を1ステップずつ指示してくれる。また、ユーザーのCreative Cloudライブラリから、2Dや3Dのアセットを取り込むことができる。完成したシーンをエクスポートするのも数ステップで済んでしまう。

「ARは、マーケティングやブランディング、小売や商取引全般、旅行やレジャー、学習や芸術など、あらゆる業界に広がっています。しかしながら、現状では、高品質のARコンテンツの作成は、多大な費用、長大な時間がかかる複雑な作業となっています。私たちのビジョンは、このプロセスを変革し、すべてのデザイナーが、3DとARの可能性を探求できるようにすることです」。

iOS版のアプリを使えば、基本的なAR体験を作成できるが、ARデザインツールとしてのフル機能を利用するには、デスクトップ版のアプリが必要となる。アドビによれば、デスクトップ版を使うことで、対話的なインターフェースを使って、カスタムな体験を設計できるという。

私が見たデモでは、もちろんAeroはかなり使いやすそうだった。たとえば、レイヤーを含むPhotoshopファイルを背景として取り込み、必要に応じてレイヤーの間隔を空けるように配置して、3Dっぽいシーンにすることも簡単にできる。オブジェクトの操作は、メニューなどを使わずに、タッチ操作だけで可能だ。基本的なアニメーションを追加したり、動きのトリガーを設定することもできる。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

アドビが約束通りiPad向けPhotoshopをリリース、月額1080円で利用可能

Adobe(アドビ)がiPad向けPhotoshopをリリースした。人気のプロフェッショナル用写真編集ソフトウェアをApple(アップル)のタブレットに持ってくることを、アドビは昨年10月に発表していた。その際、アプリを2019年に立ち上げると明言していて、今日のリリースはスケジュールどおりのものだ。iPad向けのPhotoshopは無料でダウンロードでき、30日の無料トライアルが用意されている。トライアル以降はアプリを利用するのにアプリ内購入で月9.99ドル(1080円)かかる。あるいはAdobe Creative Cloudのサブスクリプションの一部として利用できる。

アドビが当初から言っているように、iPad向けPhotoshopの初期バージョンはデスクトップの編集ソフトウェアと同じ機能が搭載されているわけではない。しかし「iPad Proと最近のiPadモデル用のApple Pencilをサポートし、PSDファイルの編集もできる。初期バージョンではタッチとApple Pencilによる入力が利用できる機能にフォーカスした」とアドビは説明している。その機能には「合成やレタッチのツール」がある。また、ブラシやマスクキング、スマートセレクションなども今後加わる。

便利なのは(私はそれほどこのソフトウェアを使ってはいないが)、スポット修復やコピースタンプなどの機能だ。コピースタンプはその場で編集に磨きをかけるのにかなり便利だ。まだデスクトップと同様のことはできなくても、iPadでのLightroom取り込みはおそらく持ち運びやすさを最大限生かしたいプロ向けだ。また、Creative Cloudに保存するPSDはどこからでも編集できる。

現状がどうであれ、AdobeがiPad向けPhotoshopの開発とリリースのスケジュールを守ったのは素晴らしい。iPadはデスクトップやノートブックコンピューターにアクセスできないときのためのバックアップ選択肢、という状態を解消するにはまだなすべきことがあるにしてもだ。

Adobeは今週Adobe MAX 2019カンファレンスを開催していて、今後もたくさんのニュースが発表されるはずだ。TechCrunchでのイベント続報に乞うご期待。

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(翻訳:Mizoguchi)

ドローイングアプリ「Adobe Fresco」のWindows版が登場

9月にAdobe(アドビ)は、iPad用の次世代ドローイングペインティングアプリのAdobe Frescoをリリースした。

そして米国時間11月4日、FrescoのWindows版が公開された。まずはMicrosoft(マイクロソフト)のSurfaceシリーズ(Surface Pro 4、Surface Go、すべてのSurface StudioとSurface Book)、およびWacom(ワコム)のMobileStudioデバイスに対応する。iPad版と同様に、Fresco for Windowsにはアドビのベクターとラスターのツールが備わり、ペインティング、ドローイング、スケッチに使える。

アドビによれば、Fresco for Windowsはゼロから開発したという。同社はこの日の発表の中で「アプリを作るのは簡単ではなかったが、マイクロソフトおよびインテルと緊密に連携して、ブラシが適切に動作するようにし、ハードウェアとソフトウェアのパフォーマンスをできる限り引き出した」と説明している。iPad版と同様にWindows版もアドビのクラウドストレージと深く統合されるため、デバイス間でシームレスに作品を移動でき、PhotoshopやIllustratorにも持っていける。

ただしFresco for Windowsは今のところ、iPad版より機能が少ない。アドビは「Frescoの機能は重要でプラットフォームを問わず使えるようにするため、早急に未搭載の機能を実装できるよう取り組んでいる」としている。

Windows向けの無料版もある。機能は制限されるものの、このアプリで何ができるかを試すには適しているだろう。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Adobe Illustrator for iPadが2020年にリリース

Adobe(アドビ)はデスクトップクラスのグラフィックアプリをもう1つ、iPad向けに提供する。米国時間11月4日、Adobe Max 2019でiPad版のIllustratorを2020年にリリースすると発表した。昨年、同社はPhotoshop for iPadについて今回と同様の計画を発表し、同アプリは米国時間11月4日にApp Storeで公開された。

アドビによればIllustrator for iPadはまだ開発の初期段階とのことで、デスクトップ版と比べてどのようになるかはまだわからない。しかし、iPadならではのタッチ操作とApple Pencilベースの入力に重点が置かれるようだ。Photoshopと同様に、あるプラットフォームで作られた作品はCreative Cloudを介してほかのプラットフォームでも忠実に編集できるようになるだろう。

Illustrator for iPadはまもなく限定版のプライベートベータが公開される予定だが、開発が進むまではベータ版を利用できるのはごく限られた人々になる模様だ。ただし関心があれば登録をすることはでき、おそらく正式リリース前に試せるとみられる。

アドビはすでに「多数のデザイナー」と接触し、仕事で使うタブレット版のIllustratorはどのようなものが最適かを研究してきたという。Photoshop for iPadが公開された過程と照らし合わせて考えると、来年のIllustrator for iPadの登場時にはすべての機能は搭載されないかもしれないが、アドビの作業環境を愛用するプロのクリエイターがiPadでまさに何でもできるようになるための出発点となるだろう。

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(翻訳:Kaori Koyama)

アドビがSensei AI利用の写真編集アプリ「Photoshop Camera」を発表

InstagramやSnapchatの普及で人々の写真との関わり方が大きく変化した。しばらく前まで写真を編集するには高価なソフト、ハードが必要でユーザーは写真家、デザイナーなどのプロやセミプロが主だった。ところが今では誰でもスマートフォンで写真を加工している。とはいえ、スマートフォンアプリに付属しているフィルターの機能は初歩的で、PhotoshopやLightroomを代替するものではない。あくまでスマートフォンでセルフィーを撮ってその場でちょっと明るさを補正して投稿するというような用途向けの「そこそこ」のプロダクトだった。

Adobe(アドビ)はこのことを認識しており、米国時間10月4日に米国ロサンゼルスで開幕したAdobe Maxで手を打ってきた。

それがPhotoshop Cameraだ。 これはAdobeのAI、Senseiを利用した写真編集のためのモバイルアプリでiOSとAndroidで利用できる。Photoshop Cameraを起動し、写真を撮影するかカメラロールから選択する。アプリはAIで内容を判断し多数の編集オプションを提供する。明るさや色などの基本的修正から複雑な背景から空を入れ替えるなどの高度な編集まで可能だ。

Photoshop Cameraは食べ物、人物、遠くの山並みなど被写体を認識し、最も適切と考えた「レンズ」(他のアプリでいうフィルター)を提示する。こうしたレンズも他の編集もすべて非破壊的だ。つまり元の画像を変更しないのでどんな状態からでもオリジナルにロールバックすることができる。

こうしたAI活用が可能になったのはAdobeが長年蓄積した何億枚にもおよぶ膨大な写真データによるものだという。おそらくいちばん重要なのはAdobeが写真をAの状態からBの状態に変えるためにどのような編集処理を行えばいいか判断できるという点だろう。

私は先週、アドビを取材し、アプリが実際に動作することを見ることができた。短いデモではこのアプリの能力をフルに紹介するのは難しかったと思うが、私は強い印象を受けた。アプリはごく普通の風景写真を処理してネイチャー雑誌のカバーフォトのように仕上げた。また料理の写真を見るなり1秒もかけずに「どの部分が料理か」を認識し、その部分だけを処理してシズル感を高めた。

アドビの担当者によれば、こうしたフィルター処理が可能になったのはBilly Eilish(ビリー・アイリッシュ)氏のようなフォトグラーやデザイナーと緊密に協力してきたからだという。このときアドビのCTOであるAbhay Parasnis(アブヘイ・パラスニス)氏は「地域、時期限定のカスタムレンズというのも面白いかもしれない」 と語った。つまりあるコンサート会場に行ったユーザーだけに提供されるレンズといったものだ。

このPhotoshop Cameraをすぐに使いたいユーザーはアドビに登録してプレビューモードへの招待を受ける必要がある。一般公開は2020年に入ってからとなるらしい。登録はこちらから

【Japan編集部追記】 日本からも上記リンクで申し込みは可能だがアプリのダウンロードができるようになるまでにはしばらく待つことになる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

グーグルの検索結果からFlashを使っているサイトが消える

Flash(フラッシュ)の死が言われるようになってから長い年月が経つ。今でもまだそれは生きている。もう存在しないという説もあるが、最近の1カ月で迷子のようなFlashビデオやウィジェットをまったく見なかった人はいないだろう。その終わりを早めたいGoogle(グーグル)はこのたび、当然のような手段に出た。それは「ないふりをする」ことだ。

Googleは年内に、Flashを使っているコンテンツを検索結果に出すのを止めることを明らかにした。まともなサイト管理者なら誰もがそれを使わなくなってから何年も経つのに、今さらなんでそんなことをするのだろうと思うかもしれない。その答えは「昔のコンテンツがまだたくさん健在だから」だ。おそらくGoogleはウェブのロングテールに、その長い尻尾を巻き上げる機会を与えたいのだ。

Flashが検索に表示されなくなると、Flashを使っているサイトは完全に無視される。Flashを使っている店舗やビデオ、ゲームなどはすべて、Googleのクローラーがスキップする。それでも頑張ってFlashを使ってるサイトは、検索結果で下位に表示されるだろう。

関連記事:Adobe、2020年末でFlashのサポートを終了と発表

とはいえ、Flashを使っているサイトは最近少ないから何も気づかない人が多いかもしれない。それにメジャーなブラウザーはすべてデフォルトでFlashをブロックする。Flash本家のAdobeでさえ、見限った。

本当に良質なゲームがFlashを使っていて、どうしてもそれをプレイしたければ、それらを直接検索すればいい。そんなゲームを集めているようなサイトは、Googleの検索でも目立つように努力しているからだ。例えば「cool old flash games」(クールな昔のFlashゲーム)などで検索すれば上位に出てくるだろう。

これでやっとFlashも終わりか?そんなことはないだろうけど、今や生きてるとは言えない。でもFlashの墓の画像は、まだあと何度か使われるかもしれない。

画像クレジット: Bryce Durbin

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

AdobeのCreative Cloudアプリが外観を一新

Adobe(アドビ)はここ数年、製品ラインアップとクラウドベースのサービスを拡大してきたが、そのコアとなる他のアプリをダウンロードするデスクトップアプリのCreative Cloudには、やや制限が見受けられた。そして米国時間10月10日に同社は、Creative Cloud Librariesや検索機能、コンテンツの管理機能をさらに統合し、完全に再設計されたCreative Cloudアプリを発表した。これにより、このアプリはただのインストーラーではなく、Creative Cloudアプリを横断して作業するためのコマンドセンターとなる。

このアップデートのロールアウトの方法は少し変わっている。本日からフランスとドイツで、明日には日本で始まる。米国およびその他の地域の顧客は、来週中にはデスクトップでこの機能が使用できるようになる。

以前と同様にこのアプリの中核的な機能は、Creative Cloudの他のツールのインストールの支援だ。これは変わっていない。しかし以前のバージョンとは異なり、アセットのプレビューを表示する新しい全画面管理ツールによりライブラリの内容をより簡単に確認できるようになった。またAdobeによるとライブラリの共有も容易になったという。

Creative Cloudアプリには、さまざまなCCアプリの使い方を学ぶためのTutorial Hubも用意された。これは最近アドビが注力している取り組みだ。例えば、最新のCCバージョンのLightroomにも、チュートリアルが組み込まれている。

PCにインストールしたフォントを管理することもできる。ただ残念なことに、以前と同じくインストールしたいフォントを検索して指定するには、ウェブアプリを使う必要があるようだ。アドビがこの比較的に基本的な機能をアプリに組み込んでいないことは驚きだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

アドビのドロー&ペイントアプリのFrescoがiPad向けにローンチ

Adobe(アドビ)は米国時間9月24日、待望の次世代ドロー&ペイントアプリことFresco(以前は「Project Gemini」という開発コード名で知られていた)が、iPadで利用できるようになったと発表した。Creative Cloudの契約者ならすぐにダウンロードできるが、いくつかの他のアドビ製品とは異なり、Frescoは無料バージョンも提供される。いくつかの制限はあるが、アプリの全体的な感触はつかめるはずだ。また、Frescoはスタンドアローンアプリとして購入することもできる。

アドビのKyle Webster(カイル・ウェブスター)氏が指摘しているように、同社のチームが特に力を入れた分野の1つは、すべてのPhotoshopブラシを含む、さまざまなブラシだ。ウェブスター氏が2017年に自身の会社のKylesBrushes(カイルズブラッシーズ)をアドビに売却したことを考えれば、驚くようなことではない。同じく、FrescoでのApple Pencilの使用感も大いに期待できる。

Frescoの目玉機能はLive Brushesで、油絵や水彩画の画材で絵を描く感覚が再現されている。これらのブラシやバーチャルペーパーでの描写は、同社のAI(人工知能)技術ことSenseiプラットフォーム利用している。

Frescoには油絵や水彩画の画材のほかに、ベクターブラシも用意されている。アドビにはすでにベクター描写アプリのAdobe Illustratorがあるので、Frescoで最初のドラフトを作成し、Illustratorで完成させることもできる。

iPadアプリはすでに公開されているが、AndroidとWindowsのユーザーはもう少し待たなければならない。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

カスタマージャーニーのデータを直接扱えるAdobeのツールが登場

Adobeは、データを収集して顧客を理解するための分析と顧客体験のプラットフォームに力を入れている。米国時間9月10日、同社はカスタマージャーニーのデータを直接扱い、よりよい顧客体験を実現する新しい分析ツールを発表した。

カスタマージャーニーには、企業のデータレイクからCRM、POSまで、多くのシステムが関係している。7月に発表されていたように、このツールは複数のシステムやさまざまなチャネルにわたるデータをすべてまとめて、データ分析のワークスペースに取り込む。

Adobe Analyticsのプロダクトマーケティングでグループマネージャーを務めるNate Smith(ネイト・スミス)氏は、データサイエンティストやSQLのスキルを有するアナリストも、そしてインサイトを得ることが目的のマーケティング専門家も、組織全体が標準的な方法でデータにアクセスできるようにしたと語る。

同氏は「オムニチャネル分析や新しいデータチャネルの導入をしようとする組織のためのプラットフォームをリリースする。このプラットフォームに入ってきたデータを、学術的なモデルで標準化する」と説明する。その後、この機能を階層化し、継続してデータを視覚的に照会して、これまで見えなかったようなインサイトを得られるという。

スクリーンショット:Adobe

Adobeはプロセスのすべてのステップをできるだけ柔軟にするように開発し、オープンであることを原則にしてきたとスミス氏は言う。これは、あらゆるソースから取り入れたデータを、Adobeのツール、あるいはTableauやLookerといった外部ツールで視覚化するという意味だ。さらに、必要に応じてデータを取り入れたり取り出したり、ユーザー独自のモデルを使ったりすることもできるという。

同氏は「皆さんにAdobeスタックに参加してもらいたいと思っているが、同時に、すでに多額の投資をしたほかの技術との統合や相互運用の必要が発生することも理解している」と語る。

最終的な目的は、マーケティング担当者が顧客のデータの全体像にアクセスし、顧客についてわかったことをもとに最も望ましい体験を提供することだ。スミス氏は「我々がこのツールで本当に目指しているのは、重要な瞬間に役立つインサイトとエンゲージメントポイントを得て、優れた体験を提供できるようにすることだ」と語った。

この製品は、一般には10月から利用できるようになる。

画像:sesame / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

AdobeのプロトタイピングツールXDがAlexaを統合

このところ人気が増しているプロトタイピングとデザインのツールAdobe XDに、Echo DotやEcho Showなどの上のAmazon Alexaによる音声体験をテストする機能が加わった。そのサポートは昨年10月に発表されたXDの音声プロトタイピングツールをベースとし、Adobeの初めてのAlexaスキル、すなわち制作中のプロトタイプをテストするためのスキルもある。

音声テクノロジーに関するAdobeの最近の調査によると、ユーザーは確かに音声テクノロジーを使うことに関心があるが、しかしこれまでのXDはWebやモバイルが中心だった。しかしAdobe自身も、最近の数か月で音声アプリの構築にいくつかの投資をした。また長年通常のアプリを作り慣れているデザイナーやデベロッパーも、音声アプリを任されることが多くなっている。そこで彼らのためには、使い慣れたツールで新しい音声アプリのテストができたほうがいい。

今回の統合に含まれるのは、上述のテスト用のAlexaスキルのほかに、音声プロトタイプをAlexaへエキスポートしプレビューするためのXDのAlexaプラグインだ。Adobeの音声UI/UX担当ディレクターMark Webster(マーク・ウェブスター)氏は「自分が作っているプロトタイプを実機の上で体験すると、投資家などがデザイナーやデベロッパーの意図をよく理解できる。それだけでなく、EchoなどのAlexaデバイスの上で音声プロトタイプを体験できれば、デザインについてより具体的な議論ができるようになる。そして部分的手直しも、製品開発のサイクルを一からやり直さずにできる」とコメントしている。

XDの音声サポートの初期的な段階はとても素朴で、単語を理解したら、それに対応して話をするだけだ。初歩的な機能をデモするにはこれでよくても、本物のデバイスでスキルをテストすることの代わりにはなりえない。

でも今後は、ほかの音声アシスタントもサポートされるのではないだろうか。当面は、Alexaだけだが。

XD Amazon Alexa Plugin 01

関連記事: Adobe XD now lets you prototype voice apps (Adobe XDで音声アプリをプロトタイピングできる、未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

プライムデーの月曜日はアマゾン以外の大手小売業者の売上も64%アップ

Amazon(アマゾン)プライムデーは、もはやAmazonの一人勝ちの日ではない。実はここ数年、すでにそうなっていた。ほかの大手小売業者はAmazonの年に一度のセールイベントに便乗して自社の売上を増やせることに気づき、それを実行してきた。米国時間7月16日に公表されたAdobe Analyticsの最新データによると、7月15日のプライムデーの月曜日に、米国のeコマースにおいて大手小売業者の売上は、月曜日の平均に対して64%と大幅に増えていた。

Adobe(アドビ)のレポートによると、昨年の大手小売業者(年間売上が10億ドル、約1080億円以上)の売上は54%アップで、今年はさらに増加した。

それより小規模の業者も成果を上げた。年間売上が500万ドル(約5億4000万円)未満の小売業者は、月曜日のオンラインでの売上が30%増加した。

Adobeは、2019年のAmazonプライムデーには米国のeコマースの売上が20億ドル(約2160億円)を超えると予測していた。これを達成すれば、年末のホリデー商戦の時期を除くと、2018年9月のレイバー・デーと2019年5月のメモリアル・デーに続く3度目の20億ドル超えとなる。

Amazon以外のサイトでの売上には訪問者のトラフィックが増えたことが大きく影響しており、これが売上の増加の66%を占めている。ほかには、27%がコンバージョンの増加、7%が購入品目の増加によるものとみられる。

Adobeは、月曜日にAmazon以外のサイトで最も割引されたのは電化製品であったことも指摘している。特にスマートウォッチ(12%オフ)、スマートTV(10%オフ)、スマートホーム製品(9%オフ)などのスマートデバイスが割引された。

Adobeのデータは同社の分析事業によるもので、4500以上の小売サイトと5500万のSKUに対する1兆回の訪問の分析に基づいている。Adobeは米国のeコマースのトップ100社のうち80社のトランザクションを測定している。

Amazonは月曜日のプライムデーの成功を報告したが、売上の詳細は公表していない。顧客は米国で「膨大な金額」を節約できたとしている。Alexa対応音声認識リモコン付属の「Fire TV Stick」と「Echo Dot」はトップセールスを記録した。

画像:Emanuele Cremaschi / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

Amazonプライムデーは米国のeコマース全体を売上2000億円超に押し上げ

Adobe(アドビ)のアナリティクス部門からの報告によると、米国時間7月15日から始まるAmazonの大売り出し「Prime Day 2019」(Amazonプライムデー)は、米国のeコマース市場にまた大きなインパクトを与えることになりそうだ。その予想によると、米国のオンライン売上の計10億ドルあまりを占める上位リテーラー各社の売上は、Amazonプライムデーの間に昨年の60%に対して79%増加する。そしてAmazonプライムデーにより、米国のeコマースの売上が20億ドル(約2160億円)を超える。ホリデーシーズンを除けば、2018年のレイバー・デー(労働者の日)と2019年の戦没将兵追悼記念日と並ぶ三度目になる。

Adobe Digital Insights(ADI)の主席アナリストであるTaylor Schreiner(テイラー・シュライナー)氏はこう語る。「Amazonプライムデーが人工的なホリデーになるため、Amazonのコンペティターである他の大型eコマースも余禄に与ると考えられる。結局のところ彼らは、Amazonプライムデーに売上が伸びるという経験をすでに5年近く味わっているのだ」。

なお、上の20億ドルはAmazonの売上を含む米国限定の金額だ。

しかしAmazonプライムデーそのものは、かなり国際的に展開されている。今年は初めてアラブ首長国連邦が加わるほか、英国やスペイン、シンガポール、オランダ、メキシコ、ルクセンブルク、日本、イタリア、インド、ドイツ、フランス、中国、カナダ、ベルギー、オーストリア、オーストラリアなどでも並行してこの売り出しが行われる。

Amazonの上位ライバルであるWalmart(ウォルマート)やTargeteBayBest Buyなども本日、独自の売り出しを行う。それにならうかたちで実施する中小のeコマースも少なくない。というか、RetailMeNotの当初の予想記事によると、Amazonプライムデーの日に自店の売り出しをぶつけるリテーラーは250店に達する。昨年それは194店、2015年の初めてのAmazonプライムデーのときはわずか7店だった。

とくにeBayは、やや汚い手でAmazonプライムデーに対抗しようとしている。同社は昨年のプライムデーでAmazonに不手際(サーバーの過負荷)があったことにひっかけて、今年の便乗売り出しを「Amazonをぶっつぶす特売」、すなわちCrash Saleと呼んでいる。

またウェブサイトモニタリングのCatchpointによると、昨年の経験のおかげで今年のAmazonは、プライムデー開始日の東部時間午前10時までは、モバイル、デスクトップともに安定している。ウェブサイトのロード時間は、売り出しがなかった先週と変わらないぐらい速い。

それは、サイトの安定性が大きく向上したためか、それとも、今年は消費者の出足が鈍いのか。昨年はEcho Dotをプライムデーの始まる前から24ドル99セントに大幅値下げするというでっかい目玉があったけど、今年のプライムデーではEcho Dotを22ドルで特売している。結果は、今日の夜までにはわかるだろう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Adobe LightroomがMac App Storeにサブスクで登場

プロ用の写真編集ツールであるLightroom(ライトルーム)が、Mac App Storeで入手できるようになった。Adobe(アドビ)の主要なアプリとしては、模様替えしたMac App Store上で最初のものとなる。Mac App Store上のAdobe製アプリには、より手軽に使えるPhotoshop Elementsもあるが、プロ用アプリとしては今のところLightroomが唯一のものだ。

Photoshop Elementsには、70ドル(日本では8400円)という最初に1回だけ支払う買取価格が設定されているのに対し、Lightroomは同社製品の近年の傾向を反映して、サブスクリプションモデルを採用した。月額の料金は10ドル(日本では1100円。年払いでは1万2800円)となっている。Apple(アップル)も、Lightroomの登場を歓迎しているようで、現在Mac App Storeのホームページのトップで紹介している。

Appleは、デベロッパーが開発したアプリを、Appleが用意したチャンネル、つまりApp Storeを介して供給する仕組みを用意してきた。それも、現在押し進めているコンテンツ中心のアプローチにつながっている。しかしMac用のApp Storeについては、iOSデバイス用のApp Storeに比べて、それを徹底するのが難しかった。これまでのmacOSは、いろいろな意味で独自の環境を維持してきたからだ。とはいえ、Project Catalystの登場によって、複数のプラットフォーム上で動作するアプリを開発することも、デベロッパーにとってかなり簡単なものになるはずだ。

Lightroomも、Microsoft(マイクロソフト)のOffice 365など、Mac App Store上の大物アプリの仲間入りを果たした。ちなみにOffice 365も、同様にサブスクリプションとして課金するシステムを採用している。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)