MozillaのFlashプレーヤーShumwayがAmazonのプロダクトビデオを再生

MozillaはAdobeのサポート終了に備えて、FlashプレーヤーShumwayを急遽自作した。そのコードはすべて、オープンスタンダードに基づいている。なお、Shumwayという名前は、あの猫を食べる毛むくじゃらのエイリアンとは無関係だ。このプロジェクトは2012年にスタートし、Mozillaの実験用のNightlyビルドには前から含まれていたが、Nightlyのユーザでさえ、気が付かない人が多かった。

しかし今日から(米国時間2/13)Mozillaは、AmazonのプロダクトビデオにShumwayで対応し、今後デフォルトではShumwayプレーヤーを使うことになる。ただし、Amazonの提供ビデオという意味ではなく、プロダクトビデオのみだ。AmazonのAmazon Instantのビデオは、Silverlightを使っている。

Shumwayの開発にはかなり時間をかけたとはいえ、これ自体、小さなステップにすぎないようだ。でも、Web上にFlashムービーがあるかぎり、今後はShumwayが使われることになる。

今はWindows(Vista以降)とOS Xだけだ。H.264のデコーダを使うので、LinuxやWindows XPでは使えないかもしれない(XPは、とっくに過去のものだけど)。

でも、Shumwayの互換性がもっと完全になったころには、Flashはほとんど使われていない可能性もある。MozillaのShumway担当プログラムマネージャChris Petersonも、ある程度そのことを認識している

“ShumwayはFlashがWebから消えていくときに登場した。でも、AdobeやブラウザがFlashプラグインをサポートしなくなっても、Flashコンテンツのロングテールは必ず残存する”、と彼はShumwayの未来的存在意義を述べている。.

Googleは、FlashファイルをHTML5のコンテンツに変換するSwiffyを提供し、MozillaのようにFlashの自社製代替ソフトを作っていない。デベロッパは、Webサイトを公開する前にFlashコンテンツをSwiffyを使って変換すればよい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Amazonが企業等の”あげます”ページを無料でホスト…うまく使えばマーケティングの人気者に

Amazonが今朝(米国時間2/10)発表したセルフサービス型のツールを利用すると、誰もが“あげます”(giveaway, 無料進呈)コーナーをセットアップできる。誰もがとは言っても、Amazonの場合は、著作家やマーケターや企業やブロガー、商業者などがプロモーションのために利用することが多そうだ。

品物の発送はAmazonの梱包発送機能を利用して行われるが、その品物はAmazonの扱い品目の中から選んで指定してもよい。

“あげます”のホストは、そのルールなどをテキストで書く。それは、クイズの問題、無料進呈の対象者数、などだ。

セットアップが終わるとAmazonがリンクをくれるので、それをいろんなところで提示できる。Webページ、ソーシャルメディア、メールなどなど。

その品物をAmazonで買ったとき以外は、このAmazon Giveawayサービスの利用に関して費用は発生しない。

Amazonのルールでは、一つの“あげます”コーナーで最大50個までの景品等を提供できる。その総額は5000ドルまで。だからコンピュータなど高額なものをAmazonの商品の中から指定することは、できない。

基本的にはシンプルなテンプレートページが与えられるだけだが、そこに載せるUIや画像などは多少のカスタマイズができる。たとえばGIF画像によるアニメとか、その企業のTwitterアカウントへ行くボタンなど。

クイズに正解したりしてその品物をもらえることになったら、アドレス等を入力するためのウィンドウが出る。当たらなかったら、こんなメッセージだ:

一般人も利用できるサービスだが、今日の立ち上げで勢揃いしたのはAmazonのパートナー企業ばっかりだ。彼らはソーシャルメディア上で#AmazonGiveawayというハッシュタグを利用できる。ただし、このハッシュタグをすでに使っているマーケターも一部にいるから、やや混乱を招くかもしれない。

現在Amazon上にある“あげます”コーナーの一覧は、ここで見ることができる。Amazonはこれからもこのサービスを、Twitterなどのソーシャルメディアサイトで宣伝していく、と言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Amazon、実店舗へじわりと一歩―パーデュー大学に自社社員を配置したストアをオープン

Amazonはアメリカの大学キャンパスで地歩を固めようとしている。今日(米国時間2/3)、Amazonは自社社員を配置した最初の実店鋪を華々しくオープンさせた。パーデュー大学に開設されたAmazon@PerdueではAmazonの社員がアイテムの注文と引取の応対に当たる。大学教科書のセールスに役立つのはもちろんだが、このストアは事実上、カタログセールスショップとして機能する実店舗であるという点に大きな意味がある。

このAmazonストアにはパーデュー大のロゴを表示するpurdue.amazon.comという専用ポータルが用意され、学生は各講義の教科書を特別価格で購入できる。こうしたアイテムは注文すれば翌日にはストアに届いている。また学生は自分のデバイスからアイテムを購入し、Amazon@Purdueを送り先に選ぶことができる。ストアに注文した品が届くとメールで知らせてくれる。ストアではカウンターのAmazonの社員またはセルフサービスのロッカーを通じてアイテムを受け取る。

Amazonはこの春にはキャンパス内の別の場所にさらにストアを開設する計画だ。同時にパーデューの全学生に対して教科書の無料翌日配送を行う。

利便性、価格に加えてキャンパスと一体化させたAmazonのブランディング戦略は巧妙だ。大学に売上の一部を支払うことで場所を確保すると同時に大学のカリキュラムと一体化したセールスが可能となる。しかもこのストアは「ありとあらゆる商品を備えたコンビニ」として機能する。学生としてはわざわざ遠くの実店舗に足を運ぶ理由が大きく減るだろう。

このストアが予期どおりに機能するなら、アメリカの大学生の消費行動に大きな変化が起きる可能性がある。Amazonはすでにカリフォルニア大学デービス校、マサチューセッツ大学アマースト校とも提携関係を結んでいる。パーデューの試みは第一歩に過ぎない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Amazon、手持ちの紙書籍をスキャンしてデジタル化するアプリ、Kindle Convertをリリース

愛書家にとって、大量の紙の書籍をいずれKindle版に買い替えなければならないという展望は憂鬱なものだ。そこでAmazonは新しい選択肢を用意した。Windows向けのKindle Convertというソフトは紙の書籍をKindleのフォーマットでデジタル化できる。フォントサイズの調整、手持ちのどのデバイスからでも続きが読めるWhispersync同期機能、Amazonクラウドへの無料バックアップなどの機能が提供される。

ただし、手間はかかる。ソフトの料金はキャンペーン価格で19ドル(定価は49ドル)にすぎないが、手持ちの本をKindleファイルに変換するためにはスキャナーで各ページをスキャンしなければならない。フラットベッド・スキャナーでも一度に最大2ページしかスキャンできない。またThe Ebook Readerによれば、このサービスが提供されるのは当面アメリカのみだという。

幸いなことに、ハードウェアに対する要求は高くない。Kindle Convertは.jpeg、.tiff、.pdf、300-600 DPI、カラーなら24bit、グレースケールなら8bit、あるいは白黒2値 のファイルをサポートする。このフォーマットであれば、オールインワンのプリンターに内蔵されているスキャナーを含め、ほとんどすべての市販のプリンターで対応可能だ。

一生その作業にかかりきりになってもよいという修道院の図書係僧でもないかぎり、Kindle Convertで蔵書をすべてデジタル化しようというユーザーはいないだろう。いくら金の節約になるといっても手間がかかり過ぎる。

しかしそれでもKindle Convertは大いに役立つに違いない。通常ではデジタル化が望めない絶版本や稀覯本のKindle版を製作できるわけだ。またKindle Convertは写真、図版も含めてデジタル化されるので日記その他の個人的な文書や写真をデジタル書籍にするにも便利だ。

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Amazon、2014年Q4はEPS 0.45ドルで予測を上回るも、売上は293億ドルでわずかに及ばず

先ほどAmazonは、2014年Q4の決算を発表し、売上293.3億ドル、純利益は2.14億ドル、1株当たり0.45ドルだった。CNBC/Thomson Reutersによると、アナリストの予測は1株当たり利益0.17ドル、売上296.7億ドルだった。Amazonは利益では予想を大きく上回ったが、売上はわずかに及ばなかった。

過去2四半期、Amazonは予想に反して損失を出した。3ヵ月前、株式市場は同社に対して非常に厳しく、株価は10%下落した。

Amazonがほぼ復調した今、市場の反応は非常に良い。売上が予想を下回ったにもかかわらず、決算発表後の時間外取引きで、株価は7.86%高値をつけている。

昨年同時期、Amazonの収支は売上255.9億ドル、EPS 0.51ドルだった。今日発表された数値は、対前年比で売上が14.6%増え、利益は11.8%減っている。

未だにAmazonは、Amazon Fire Phone発売の後始末に追われている。新型電話機を買う人が殆どいないことに気付いた同社は、価格を下げるほかなかった。現在あちこちで0.99ドルで売られている。

その結果Amazonの利益率は打撃を受けた。しかし、状況は改善されつつある。この四半期はAmazonにとって重要だった。ついに同社は純利益を上げた。

売上は対前年比で大きく伸びている。新しいデバイスの研究開発に大きく投資しているが、それでもAmazonは何といっても驚くべき成功を収めているEコマースサイトだ。

特にAmazon Primeが非常に好調だ。世界で数千万人のユーザーが、高速配達とストリーミングサービスのためにPrimeを定期契約している。同社はこの定期利用料から大きな利益を得ているはずだ。

「昨年Prime会員料金を値上げした時、顧客はそれでもこれがショッピング史上最高のバーゲンだとわかってくれると信じていた。結果はその通りになった ― 全世界数千万の有償メンバーが昨年53%増えた。米国内は50%で海外の方がむしろ早い」とCEO Jeff Bezosがリリース文で語った。
他の高利益率部門には、Amazonサイトでの広告、Android用アプリストア、Amazonインスタントビデオ、およびKindleストアがある。最近同社はHachettとの争議を解決したので、Hachetteの本が再びKindleストアに戻ってきた。これも後押ししただろう。

今後は利益率に注意する必要はあるが、Amazonが再びFire Phoneのように新奇なデバイスの発売に挑戦するかどうか注目した。Amazonは、さらに多くの人々をAmazonエコシステムに呼び込む完璧なデバイスを探すために、十分時間をかけることができる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Amazonが企業向けのメールとカレンダーのサービスWorkMailでMicrosoftとGoogleに挑戦

Amazonが今日(米国時間1/28)、WorkMailというプロダクトをデビューさせた(Forbes誌より)。それはメールとカレンダーのサービスで、主に企業利用をねらっている。サービスはAmazon Web Servicesの上で動き、使いやすさとセキュリティでトップシェアのMicrosoftと次位Googleに勝とうとしている。

WorkMailはOutlookなど既存のメールクライアントソフトと互換性があり、企業がそれまでのMicrosoft Exchangeのメールサービスから乗り換えるのも容易だ。Wall Street Journalの記事によると、WorkMailのメールは送信時に暗号化され、受信側でAmazonが管理するキーにより解読される。ユーザは自分のメールが保存されるAmazonのサーバの地理的位置を指定できるので、NSAの手と目を逃れたいと考えているヨーロッパのユーザには便利だろう。

料金は1インボックスあたり月額4ドルで、競合他社と変わらないが、ただしGoogleとMicrosoftが提供している、Office文書の作成などのおまけ的機能はまだないようだ。

本来バックエンドサービスだったAWSの上でエンドユーザ製品を展開するのは興味深いが、しかし元々はAWSの提供機能の一環としてメールサーバ/クライアントがあり、Amazonはあくまでもそのレイヤの復活と位置づけているらしい。Exchangeからの乗り換えを意識しているようで、インタフェイスはデスクトップのOutlookふうやモバイル上のネイティブのメールクライアントふうを、そのまま残している。ただしWorkMailには、もっと機能が豊富なWebメールとしての顔もあり、それ用のソフトウェアなど不要で利用できる。

Amazonは2015年Q2のローンチを予定しており、その際にはやはりAWSベースの企業向けクラウドストレージサービスWorkDocs(元Zocalo)の抱き合わせ特典もある。WorkMailは月額4ドルでインボックスの容量50GBだが、あと2ドル出すとZocaloのストレージが200GB提供される。プレビューはすでに提供されているので、ここでユーザ登録するとよい。

AWSはいよいよ、クラウドコンピューティングのバックエンドを超えて、エンドユーザ向け完成製品も提供していくようだ。とりあえずWorkMailで、企業世界にそのことを知らしめたいのだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


AmazonのKindle Textbook CreatorはAppleのiBooks Authorとやり方がかなり違う

AmazonがKindle Direct Publishing(KDP)の著者のための新しいツールを、教育者や教育機関のための部門KDP EDUから出した。そのツールはKindle Textbook Creatorと呼ばれ、それを使って著者たちが電子的なテキストブックを作り、FireタブレットやAndroidデバイス、iPhoneとiPad、MacとPCなどへとパブリッシュする。AppleとiTunes UのiBooks Authorにやや似ているが、既存のテキストのPDFをベースとして使い、その上に主にKindle用のいろいろ賑やかな機能を載せる。

Kindle Textbook Creatorは、既存の教科書出版業界とパートナーしてテキストブックの制作を早くやることをねらっている。一方iBooks Authorは、教育者たちがゼロから何かを作ることを支援する。Amazonのこの新しいツールで作ったeブックは、カラフルで目立つページや、ノート、フラッシュカードによる練習問題や復習、辞書、そしてもちろんマルチプラットホームのサポートがある。またそのほかのPDFドキュメントを、含めることもできる。

経済的な側面はKDPのものがそのままEDU部門にも適用され、著者が得るロイヤリティはオプション次第で最大70%、コンテンツの著作権は著者に帰属する。またKDP EDUの出版物はKindle UnlimitedやKindle Owners’ Lending Libraryで貸し出されたり、Amazonの無料ブックプロモーションでマーケティングの素材になったりする。

EDUのTextbook Creatorはかなりシンプルな構造のようだが、Amazonは今後機能はもっともっと増える、と言っている。教育者向けのツールは今後、すごく高度化するのかもしれない。今のところはレガシーの教育出版業界自身の、教育の専門家や著者などによる自費出版の振興努力と歩調を合わせている。AppleのiBooks Authorツールは、教育者たちにいきなりデジタルでオリジナルを作らせようとしているが、Amazonは著者や出版社に、今あるものを何でも持ち込んで、同社の教育市場へのリーチを広げる手助けをしてください、と言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ウディ・アレン、Amazonと契約―プライム・インスタント・ビデオで初のTVドラマ・シリーズ制作へ


ストリーミング・ビデオは現在、非常にシリアスなビジネスになっている。今日(米国時間1/13)、AmazonはAmazon Studiosに新たな人材を獲得したことを発表した。Amazonは作家、脚本家、監督、俳優として伝説的であり、ときには 私生活の波乱が注目を集めるウディ・アレンとの契約に漕ぎつけた。アレンは彼として初のテレビ・シリーズの脚本と監督を行うという。

「タイトルなしのウディ・アレン・プロジェクト」と呼ばれる30分枠で、アレンとAmazonはアイロニー、おふざけ、自己韜晦を交えたユニークなシリーズを作るつもりのようだ。

「ウディ・アレンはすでに映画史上に残る最高傑作のいくつかを作ってきたビジョナリーなクリエーターだ。アレンとともに彼の最初のテレビ・シリーズの製作に携われるのは光栄だ。『アニー・ホール』から『ブルー・ジャスミン』まで、ウディはアメリカ映画界のクリエーティブな側面を代表し続けてきた。来年、彼の最初のテレビ・シリーズをプライム・インスタント・ビデオから提供できることに感激している」」とAmazon Studiosの副社長、Roy Priceは声明を発表した。

これに対してアレンも「私がどうしてこんな仕事にかかわることになったのかよくわからない。まだ内容についてはまるで考えていない。どうやって手をつけていいかもわからない。Roy Priceは後悔するかも」とお得意の韜晦で応じた。

このシリーズはアメリカ、イギリス、ドイツのプライム・インスタント・ビデオで公開される。キャスト、公開時期などは近く発表される。

Amazonのプライム・インスタント・ビデオはAmazonプライム・サービスの一環でAmazonの優良顧客であるプライム会員にエクストラ・サービスを提供し、このプログラムの魅力を高めることを主な目的としている。そのためプライムにはプライム・ビデオに加えてAmazonの音楽ストリーミング・サービスや有名ブランドのプライム会員向けプライベート商品などが用意されている。

しかしこれまでプライムビデオは他のビデオ・ストリーミング・サービスと比較した場合、トップクラスの成績を挙げているとはいえなかった。GlobalWebIndexが昨日(米国時間1/12)発表した統計によると、プライムビデオはGoogle Play、iTunes、Netflixに次いで4位に留まった。

Amazon Studiosは2010年にオリジナル・コンテンツを製作する部門として2008年に創立された。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


AWSが最速のEC2インスタンスC4をローンチ…Microsoft Azureに対抗

昨年のre:InventデベロッパカンファレンスでAmazonは、もうすぐEC2の最速のインスタンスをローンチする、と発表した。そして今日からAWSを使って高度に計算集約的なアプリケーションを動かすデベロッパは、その新しいC4インスタンスを利用できる。

Amazonによると、この新しいインスタンスはCPUの性能がきわめて重視されるアプリケーション向けに設計されている。それらはたとえば、“トラフィックの多いフロントエンド集合、MMOゲーム、メディア処理、コード変換、HPC(High-Performance Computing)アプリケーションなど”、だ。この新しいインスタンスにかぎって、プロセッサはIntel Xeon E5-2666 v3プロセッサ、ベーススピード2.9GHzを使用する。Turbo Boostを利用すると、最大3.5 GHzにまで高速化できる。それは主に、プロセッサのコアをすべては必要としないようなアプリケーションにとって有利だ。C4インスタンスの仮想CPUは最大で36基(物理CPUは18基)だが、オペレーティングシステムによってはそのすべてを使えない場合もある。

最大のインスタンスc4.8xlargeでは、プロセッサのパワーを直接設定して、アプリケーションのニーズに合わせることもできる。Amazonによるとこのインスタンスはまた、ストレージサービスEBSの利用に向けて最適化されている。

Amazonの今回のローンチは、Microsoftが同様の発表をしてからわずか1週間後だ。Microsoft AzureのGシリーズのインスタンスもやはり最大32の仮想CPUを提供、使用CPUはAmazonのC4と同じだ。Amazonが‘計算集約的’なアプリケーションを主な対象にしているのに対し、Microsoftは幅広いユースケース(データベースサーバなど)を想定し、RAMは最大448GBまでをサポートする。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Amazon、再びFire Phoneを在庫処分。SIMフリー、Prime会費1年分付きで189ドル


今週AmazonのFire Phoneは、なぜ同端末が失敗したかに関する裏話と、AmazonがFire Phoneの開発部隊であるハードウェアグループ、Lab126を再編するという計画でニュースを賑わせた。小売業者たちは再びこの端末の在庫を一掃すべく、Fire Phoneをキャリア契約なしの189ドルで売り始めた。これには、Amazon Prime一年分(通常価格99ドル)が含まれている。これは〈残念ながら〉悩めるこのスマートフォンにとって初めての叩き売りではない ― 2014年11月に、AmazonはSIMロックフリーのFire Phoneを199ドルで販売した。その前にはAT&Tとの2年契約付き価格が199ドルから0.99ドルへと引き下げられていた。

バーゲン前のSIMロックフリーFire Phoneの価格は449ドルだった。

現在189ドルで売られている32GB Fire Phoneは、4.7インチ HDディスプレイ、13メガピクセルカメラ、2.2. GHzクアッドコアCPU、2 GB RAMを備え、さらにPrimeメンバー1年間および無料無制限写真用ストレージが含まれている。ただしこの端末はGSM専用であり、これは米国ではAT&TとT-Mobileでは使用できるが、Verizon、Sprint等のCDMAネットワークでは使用できないことを意味している。

同端末はAmazonの日替りセール品として189ドルで提供されているので、セール期間終了後には通常価格に戻る可能性がある。

189ドルという価格は、決して〈安く〉ないが、通常ならPrime会員1年分に99ドル払うことを考えれば、ぐっと魅力的な価格になる。

Amazonのスマホが失敗した理由は、この会社の強味を生かせなかったことだ ― 顧客はもっとシンプルで手軽に買えるものを期待していた。しかしAmazonは、ハイエンド機で市場に参入しようと試み、メガネ不要の3D効果、Dynamic Perspective等をはじめとする機能の研究開発費のために価格も高くなった。この端末はCEO Jeff Bezosの愛玩プロジェクトと言われており、内部の人間がFast Companyに伝えたところによると、Bezosは実質的にFire Phoneのプロダクトマネージャーとして振舞い、ハードウェアからソフトウェアまであらゆる面で決定を下したという。Bezosのリスクに対する欲求は成果をもたらすことが多いので、人々は彼の話を聞きあるいは口を閉ざした。

Fire Phoneのゴールは、端末価格を正当化する「大ヒット」機能を塔載して差別化したハードウェアで高い利幅を確保し、消費者にiOSやAndroid端末からの乗り替えを促すことだった。しかしAmazonにとって不運なことに、消費者はその機能の数々を受け狙い、もっと言えばうっとうしくて邪魔だと受け取った。さらに重要なことに、Amazonは価格設定を誤った。同社はわずか数万台しか端末を売ることができず、結局1.7億ドルの評価損を計上するはめになった

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Amazon、ニューヨークにて1時間ないし2時間で商品を配送するPrime Nowをスタート

米Amazonが1時間で商品を配送するPrime Nowを発表した。NYC在住のPrimeメンバーに向けたサービスだ。まずはマンハッタンで開始し、2015年に他地域にも展開していきたい考えだ。ペーパータオル、電池、おもちゃや本など、Amazonが言うところの「エッセンシャル」なプロダクトなプロダクトを対象とする。

短時間配送サービスにはUberなども含めていろいろな業者が次々に参入してきている。Amazonとしても対抗上対応せざるを得なくなったというのが、サービス実施に至ったひとつの理由なのだろう。NYCなどのようなハブ地域では、地元配送業者がAmazonの配送価格を下回る価格での日用品配送に参入してきていたりもする。

Amazonの新サービスはマンハッタンの中でも特定の場所を対象に開始されることとなっている。利用にあたって、iOSおよびAndroid用にPrime Nowという専用のアプリケーションが用意されている。また、アプリケーションをインストールしておけば、自分の地域でPrime Nowが利用可能となった際に通知を受け取ることもできるようになっている。配送する時間帯は午前6時から深夜までで、週7日休みなく運用されるとのこと。1時間配送の価格はアイテム毎に7.99ドルとなっている。ただし、2時間配送は無料で提供されるそうだ(Prime会員であることが条件ではある)。

Amazonは今年の頭にPrimeメンバーの会費を上げたが、それにともなってサービスの充実化も心がけているようだ。たとえばストリーミング音楽にアクセスできたり、写真を無制限で保存できたり、あるいは4Kインスタントビデオのストリーミングも行える。2015年に向けては、サービスのさらなる魅力向上を実現していく心づもりであるようだ。

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(翻訳:Maeda, H


Amazon、美術品などに「希望価格提示」機能を導入―買い手は売り手と値切り交渉ができる

Amazonはクリスマス商戦に向けて意欲的に新しい試みを始めている。その一つが、eBayやPricelineにあるようなダッチ・オークション機能だ。ユーザーは興味のある商品についてMake an Offer〔希望価格提示〕ボタンを押して、Amazonのリスト価格より低い価格を提示することができる。

Amazonはこの機能を当初、15万件のアイテムに限定して提供する。対象は美術品、スポーツやエンターテインメン分野のコレクター向けアイテムだ。ただし「2015年にはさらに何十万件ものアイテムが追加される」という。

この新機能は間違いなくeBayなどの個人間売買サイトからビジネスを奪うことを目的としている。固定価格ではなく、買い手の反応を見て価格を決められる柔軟なシステムであれば、一品物のアイテムを売ろうとする新たな売り手をAmazonのマーケットプレイスの取り込むことが可能になる。

AmazonのAmazon Marketplace担当のPeter Faricy副社長は次のように説明する。

新しい「希望価格提示」機能は、一品物のアイテムをできるだけ安く買おうとしているユーザーにとってまったく新しい体験を提供する。そうしたアイテムの売り手にとっては潜在的な顧客と直接取引し、妥当な価格を見出す道が開ける。かつて店舗や画廊で行われていた値決め交渉がそっくりオンラインで再現できる。最近のわれわれの調査によれば、「興味を示した買い手と価格交渉ができる機能があればさらに売上を伸ばせる」と売り手の半数が考えていることが判明した。逆に買い手も「希望価格提示」ボタンによって、もっとも安い値段でアイテムを購入することができる。

これはAmazonが2013年からマーケットプレイスで美術品などの一品物の扱いを始めたことの延長線上にある。画廊やアンティークショップは常に顧客と相対で交渉し値決めをするというビジネスモデルだ。

この機能を利用しているアイテムの例が面白い。少し検索するとピカソの木版画が見つかった(上の写真)。当初価格は12万5000ドルだったが、すぐに10万ドルに値下げされ、さらに「希望価格提示」を待っている。

その他「希望価格提示」システムを利用しているアイテムには、Tony Romoのサイン入りフットボールヘルメットなどがある。しかしAmazonはこのモデルを一品物以外にも拡大していきたい考えのようだ。

ただしAmazonは「これは一般的なオークションではない」とはっきり述べている。つまり買い手が他の買い手の値段を知り、直接価格を競うようにはなっていない。

「すべての交渉は売り手と買い手の間で1対1でプライベートに行われる。売り手はいつでも買い手の提示した価格を承認することができる。このシステムは買い手が値切り交渉ができることを目的としており、買い手はいかなる場合でも当初のリスト価格以上を払うことはない」とAmazonは説明している。

希望価格提示(Make an Offer)機能を利用したい売り手はリスト価格を決定する際にこのオプションを選べる。興味を示した相手が希望価格を提示してきた場合、売り手は承認、拒否、新価格の逆提示を行える。双方が合意したときに限り、買い手はその合意した価格でアイテムをカートに追加できる。

最近のAmazonの新たな試みとしては、良質な日用品を提供するAmazon Elements、レストランへのテイクアウト予約と宅配バイク・メッセンジャーによる宅配実験などがある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Amazon、ローカルビジネスへ拡大着々―レストランのテイクアウト注文、宅配サービス開始

去る6月にわれわれはAmazonがSeamless、Grubhub、DeliveryHeroのようなレストランのテイクアウト注文と宅配のサービスを準備中だと伝えた。先週末、Amazon Localアプリのアップデートで、そのサービスがリリースされていたことが判明した。

テイクアウト&デリバリー機能は、皆が感謝祭のディナーの残り物をつついていたであろう先週末に静かにリリースされた。「ホリデーシーズンは忙しくなります。われわれがお手伝いします」というのがAmazonの説明だ。

われわれはAmazon Localでいろいろな都市を試してみたが、どうやら現在サービスが実施されているのはシアトルのみのようで、提携レストランは、宅配が20店舗、テイクアウトの注文が110店舗となっている。 Takeout & Deliveryでの注文はすべて既存のAmazonアカウントを通じて決済される。

われわれも含めて多くのメディアが報じているように、Amazonはローカル・コマース・サービス分野で大規模で野心的な将来計画を描いており、特にオンラインからオフラインにサービスを拡張しようとしている。これにはReutersが伝えているようなYelp、Thumbtack、Angie’s Listをひとまとめにしたような総合的ローカル市場が含まれる。これはすでにAmazon Freshとして一部実現しており、単なる生鮮食品の宅配だけでなく、Spotlightという新しいサービスもスタートさせている。これはレストランのテイクアウト料理からカップケーキ、紅茶葉、特製アイスクリームなど各種の「地元の良品」を選んで届けるというものだ。

またAmazonはSquareやPayPalのライバルとなる店頭支払いシステム、Amazon Local Registerローンチしている。

Amazonはこれらのサービスを統合し巨大化することによって消費者とローカルビジネス双方の利便性が高まるようなスケールメリットを狙っているようだ。

たとえば、今回スタートしたテイクアウトとデリバリーのサービスは料金がユーザーのAmazonアカウントから支払われる。Amazonはこのつながりを利用してレストランその他のローカル・ビジネスにLocal Registerを採用するよう説得することができるだろう。

ある情報源によれば、「レストラン向けサービスやレジスター・サービスは手始めだ。今後数ヶ月のうちに更に進化した機能のサービスを他の業種にも拡大していく」ということだ。

ではAmazonはまずどの業種を狙っているのだろう? われわれも6月の記事で指摘しているが、旅行業が次のターゲットだろう。旅行業のニュースブログ、Skiftの先月の記事によれば、Amazonは新年早々にもAmazon Travelを立ち上げるという。当初はホテル予約からスタートするが、フライト予約などに順次サービス範囲を拡張していく計画だということだ。興味深いのは、Amazon Localで所在地をシアトルに設定すると、レストランのテイクアウトと配達だけでなく、「ホテル予約」というタブも表示されることだ。

われわれはAmazonにコメントを求めている。新情報が得られればアップデートする。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


このクールなロボットたちが、Amazonの注文を捌いている


Amazonは未来のためのドローンも作っているかもしれないが、これは、たった今ここで使うためのものだ。テクノロジー好きなら誰でも魅せられる、正真正銘のロボットたちだ。

今日、Eコマースの巨人は、最新の第8世代配送センターで働く、高度な(そして何といってもカッコいい)マシンたちのベールを剥いだ。

Amazonが2012年に7.75億ドルで買収したKiva Systems製のロボットは、同センターの際立つスターたちだ。倉庫のフロアを走り回り、あなたの大切な注文を移動する姿は、まるで家蓄化されたスターウォーズのキャラクター、か、ウォーリーの宇宙ステーションロボットのようだ。

Amazonは最先端ロボット技術だけだではなく、人力にも投資している。同社によると、今年は8万人の社員を雇ってホリデーシーズンの大波に対応する計画だという。例年、これら短期採用者の「数千人」が、狂気の時期を過ぎた後フルタイム職に移行する予定だ。

同社は全米10ヵ所にこうしたハイテク配送センターを持ち、1万5000台以上のKivaロボットが配備されている。

Amazonによると、センターではRobo-Stowと呼ばれる巨大なロボットアームも商品を捌いている。さらに、最新の在庫システムが商品や荷物の出庫や配送にかかる時間を短縮し、みんなの手に早くお楽しみが届くよう努力している。

個人的には、このプロセスの中にドローンがフィットしていくところを見るのが待ち遠しい … しかし、それまでにはまだかなりの時間がかかるに違いない。Kivaは、現時点で十分クールだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


「悟り」が生まれるかもしれないDesert Golfing(iPhone / Android用ゴルフゲーム)

感謝祭のご馳走を消化し切れず、動くのが億劫だと感じている人も多いことだろう。そんなときに必要なのはコンナモノだろう。ほとんど頭を使わずに、それでいてつい夢中になってしまうのだ。

何の話かと言えばDesert Golfingのことだ。iOSおよびAndroidの双方に対応した(Amazonのアプリケーションストアにも登録されている)シンプルなゴルフゲームだ。このゲームについてはIsometricのPodcastに登場したSteve Lubitzの話で初めて知った。Lubitzも、このミニマリストタイプのゴルフシミュレーターにすっかり夢中であるとのことだ。

ゲームの目的は画面左側に配置されるスタート地点から、右側に表示されるカップまでボールを打ち進めることだ。ショットするには、Angry Birdsでトリたちを打ち出すのと同様に、スワイプで方向や強さを指示して行うようになっている。スタート地点からカップまではすべて砂漠の設定で、打ち過ぎるとボールは開始地点に戻される。

ストローク数がカウントされるが、このゲームではホールが無限に続き、一所懸命数えてみても何の意味もない。最初の数ダースのホールをプレイするうちは打数が気になったりするかもしれない。しかし何十ホールもプレイするうち、打数などは気にならなくなることだろう。砂漠の傾斜を使ってボールを反射させてカップインさせるといった、瞬間瞬間の楽しみに、すっかり没入していくことになるだろう。

このゲームはいずれのプラットフォームでも2ドルの価格設定となっている。いくつホールをプレイしても広告は表示されないし、また追加のアプリケーション内購入なども必要ない。ずっと家に閉じこもっていたり、あるいは長い時間を飛行機などで過ごすときは、隣の席の人と交代でプレイしても良いだろう。1ホールのクリアには30秒程度しかかからず、下手な人と一緒にプレイしていてもいらいらと待ち続けるようなことにはならないはずだ。

訳者追記:プレイの様子を収録したYouTubeビデオがあるので掲載しておこう。

もうひとつ、「禅修行」になりそうなものも貼っておく。。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


Kindleがソフトウェアアップデート。家族とコンテンツの共有ができるようになる!

Kindleの新しいソフトウェアアップデートがアナウンスされた。最新版Kindle、Kindle Voyage、および新しいKindle Paperwhiteにて利用可能となるものだ。アップデートの内容はといえば、難しい語を行間スペースを使って言い換えてくれるWord Wiseの改良や、月間2.99ドルで子供向け書籍が読み放題になるKindle FreeTime Unlimited、そしてFamily Libraryだ。Family Libraryとは、家族間で購入したKindle書籍を共有することのできるサービスだ。

と、さらりと書いてみたが、多くの人はきっとこのFamily Libraryに、大いに盛り上がることとなるのだろう。ペーパーバックのように家族間で自由に書籍を共有したいという意見は、以前から多くあった。今回のアップデートで、デバイス毎にふたつのアカウントを設定できるようになり、家族やパートナーとコンテンツを共有できるようになるのだ。これまでのように、ひとつのアカウントを2人で共有するというような無理なスタイルは無用となる。さらに、ここに4人までの子供アカウントを関連付けることもできるようになっている。

個人的には(多くの人と同様に)Family Libraryでお腹いっぱいの感じでもあるが、他のアップデートについても触れておこう。

まずはKindleのWord Wise。実はこの機能については、知育の成長を無駄に阻害するものであるとも感じていた。しかし読書能力を身につけようとしている人にとっては良い機能であるようだ。またFreeTime Unlimitedも、読書能力を身につけようとする子供たちにとって、大いに役立つものだろう。子供に読書週間を身につけさせようと考えつつ、しかし、たとえばハリーポッターシリーズを全巻買い揃えることに多少の抵抗を感じる保護者にとってありがたいオプションとなり得る。また、間違って成人向けの内容を手にしてしまうリスクもなくすことができる。

さらに、本の概要を知ることのできるX-Ray機能の改良も行われた。AmazonによるGoodreadsのコンテンツをより有効に活用するようにという方向だ。検索機能が拡充され、Kindleストアとの連携が強化され、KindleライブラリとGoodreadsの情報をひと目で確認することができるようにもなった。「About This Book」(この本について」で本を読みながら、書籍の帯に記されるような情報や図書情報などを随時確認できるようにもなった。

アップデートは自動で行われるようになっている。しかし待ちきれないという人はソフトウェアアップデートのページからアップデートすることもできる。

訳注:本記事内容につき、日本での適用範囲については一切確認しておりません。

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(翻訳:Maeda, H


Amazonがこれまでで最速のEC2インスタンスをローンチ、IntelがAmazon専用に作ったプロセッサを使用

Amazonが今日、計算処理速度がこれまでで最速のEC2インスタンスを発表した。そのc4と呼ばれるインスタンスは2.9GHzのHaswellプロセッサを使用し(Turboブーストで最大3.5GHz)、最大36の仮想CPUと最大60GBのRAMをサポートする。

IntelはHaswellプロセッサをAmazon専用として作った。そのためEC2に関するAmazonの要求を完全に満たすように、チューニングされている。さらにまた最大のc4インスタンスでは、デベロッパがプロセッサのパフォーマンスとパワーマネージメントP-stateとC-stateの制御により微調整できる。

Amazonは、この高速プロセッサがSSDによるElastic Block Storage(EBS)によく合っている、と特記している。EBSも今日、ややアップデートされ、たとえば最大データ容量16TBまでの汎用ボリュームを作れることになった(最大ベースラインIOPSが1万)。これまでの最大は1TBで3000IOPSだった。もっとIOPSを必要とするアプリケーションのためにAmazonは、スループットレベルをユーザが指定できるプロビジョンドIOPSでは最大2万までを提供する(従来は4000IOPS)。これによりデータ伝送レートは最大で汎用ボリュームでは160MBps、プロビジョンドIOPSでは320MBpsとなる。

 

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


AmazonがAWS上でDockerコンテナを管理するEC2 Container Serviceを発表

Amazonはラスベガスで行われているデベロッパカンファレンスre:inventで今日(米国時間11/13)、同社初のDocker関連プロダクトEC2 Container Service発表した。それは同社のクラウドコンピューティングプラットホームの上でDockerのコンテナを管理するサービスだ。このサービスは今はプレビューなので無料で利用できる。

AmazonのCTO Werner Vogelsによると、コンテナは確かに優れた技術だが、そのスケジューリングや管理は必ずしも容易ではない。“そういうオーバヘッドなしで、コンテナの美味(おい)しいところをすべていただきたい、と思いませんか?”、と彼は問う。この新しいサービスによりEC2の上では、管理が自動的に行われるインスタンスのクラスタとしてコンテナを動かせる。

Amazonによると、コンテナを利用するにあたって、何らかのクラスタ管理ソフトウェアないしハードウェアをインストールしたり、ソフトウェアのニーズにハードウェアを合わせるという努力がもはや要らない。それらに代わってEC2 Container Serviceが、すべての管理を行う。ユーザはインスタンスをクラスタの中へローンチし、タスクを定義して始動する。それ以降は、このサービス(略称: ECS)がすべての面倒を見る。ECSをMesosなどそのほかのDocker関連プロダクトで拡張することもできる。またユーザ(デベロッパ)がコンテナの管理をプログラム的に行うために、AmazonはAPI集合も提供する。

Amazonはこのサービスのアドバンテージを次のように列挙している:

  • 容易なクラスタ管理 – ECSはDockerのコンテナから成るクラスタをセットアップし管理する。ECSはコンテナの立ち上げと終了を行い、クラスタのステートに関する完全な情報を保持する。複数のAvailability Zones(可利用性ゾーン)にまたがる何十万ものコンテナを擁するクラスタ群へと、スケールすることもできる。
  • 高パフォーマンス – コンテナをアプリケーションのビルディングブロックとして使用できる。何千ものコンテナを数秒で始動、停止、および管理できる。
  • 柔軟性に富むスケジューリング – ECSはスケジューラを内蔵しており、可利用性と実利用の均衡を図るためにクラスタ全域にわたるコンテナの適正な分散化に努める。ECSは完全なステート情報を提供するので、それを利用してスケジューラを自作、または既存のオープンソースのスケジューラの最適利用により、サービスのAPIを利用できる。
  • 拡張性と可搬性 – ECSが動かすDockerデーモンはユーザがオンプレミスで動かす場合のものと同じである。したがってユーザはオンプレミスとAWSクラウドとのあいだで、ワークロードを容易に移動できる。
  • リソース効率 – コンテナ化したアプリケーションはリソースをきわめて効率的に利用できる。一つの同じEC2インスタンスの上で、複数の互いに無関係なコンテナを動かして、可利用なリソースのすべてを有効利用できる。たとえば、短期的な画像処理ジョブと、長期にわたって動かすWebサービスを、同じインスタンスの上で動かせる。
  • AWSの統合 – アプリケーションが、エラスティックIPアドレスやリソースタグ、仮想プライベートクラウド(Virtual Private Cloud, VPC)などAWSの機能を利用できる。実質的にコンテナは、EC2やS3などと同じ基盤的レベルのビルディングブロックの一つである。
  • セキュリティ – EC2のインスタンス上のタスクはAmazon仮想プライベートクラウド(Amazon Virtual Private Cloud)の中で動く。それらのタスクはIAM ロールやセキュリティグループなど、AWSのセキュリティ機能を利用できる。コンテナはマルチテナント環境で動いていても、あらかじめ定義されているインタフェイスを介してのみ互いにコミュニケーションできる。コンテナはユーザが保有しコントロールするEC2インスタンスの上でローンチされる。.

これによってAmazonは、そのほかの大手クラウドベンダのやり方に合わせようとしている。たとえばGoogleは、同社のCloud PlatformにDockerの能力を加えるべく多大な投資をしており、Kubernetesや、App Engineへの深い統合、そして最近ローンチしたContainer Engineなどにより、コンテナ環境の整備充実に努めている。Microsoftもまた同社のAzureプラットホームにDockerのサポートを加えつつあり、最近ではGoogle主導のKubernetesのサポートも開始した。

今日の発表の前日にAmazonの役員の一人が、Amazonは顧客が求めているサービスを提供したいのだ、と述べた。たしかに今日の発表を見るかぎり、同社が顧客の願いに耳を傾けていることは確実だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


クリスマスを前に戦争は終わった―HachetteとAmazonがKindle版価格設定問題で和解

メリー・クリスマスと叫ぶのにはまだ少し早いが、例の戦争は終わった。AmazonとHachette Book Groupはeブックと印刷本の販売に関して「複数年にわたる合意」に達したという。この合意によれば、Hachetteはすべてのeブックに関して価格を自由に設定できる。 ただしHachetteは「低い価格に対してよりよい販売条件を得られる」という。つまりHachetteは自分で価格を設定できるが、無茶な設定をしなければ得をするらしい。

AmazonのKindle担当副社長、David Naggarはプレスリリースで、「今回の合意に、Hachetteが価格を引き下げればメリットがあるようなインセンティブの仕組みを導入できたことを嬉しく思っている。これは読者、著者をともに大きく利するものだと信ずる」と述べた。

新たな合意によるeブックの価格設定は2015年から適用となるが、AmazonはHachetteのタイトルに対する制裁をすぐに中止するという。制裁を受けていたHachetteの本は再び「目立つようにプロモーションされる」ようになる。

簡単に言えば、AmazonはHachetteに価格設定権というアメを与えたわけだ。しかしHachetteがAmazonの価格ルールに従えばメリットがあるような仕組みが導入されたことは大きな効果があるだろう。HachetteがAmazonに対して独占的な低価格でKindle版を提供すればAmazonストアのショーウィンドウの目立つ位置に飾ってもらえる、ということなのだろう。Hachetteは価格設定の自由を手に入れはしたが、やがてこれも「悪魔との契約」だったと考えるようになるかもしれない。 

画像: Stephen Woods/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Amazon Echoはベゾスの巻返し―そのうち音声認識のゼロクリック買い物端末に化ける?

今朝(米国時間11/6)、Amazonは突然、Echoという新しいデバイス.を発表した。Echoにはスピーカーに加えて「常時オン」のマイクが内蔵されており、周囲のユーザーの声を聞き取ってクラウドに転送する。天気予報を尋ねると教えてくれる。目覚ましをセットするよう命じることもできる。エイブラハム・リンカーンの業績について尋ねることもできる。

なんと! 円筒形のパーソナルアシスタントなのだ。だが、このデバイスの本質が何であるか―というより、やがて何になりそうかじっくり考えてみる必要がありそうだ。

Amazonのビジネスモデルは人々に明日の天気予報を教えることではない。

毎朝目覚ましを鳴らすことでもない。

歴代大統領の業績を教えることでもない。

Amazonのビジネスはものを売ることだ。したがってEchoの存在理由も究極的にはそこにあるに違いない。

冷蔵庫を開けたらピクルスが切れていた。オーケー。「アレクサ、ショッピングリストにピクルスを追加」と呼びかければよい(Echoに命令するときにはアレクサと呼びかけることになっている。このキーワードはユーザーがカスタマイズできるらしい)。 念のため断っておくが、まだEchoから直接ショッピングはできない。単にショッピングリストにアイテムを追加できるだけで、ユーザーはそのリストにもとづいて別途注文をしなければならない。

しかしEchoが少しでも普及のきざしを見せたらこの点はさっそく「改良」されるのではないか?

たとえば、「アレクサ、カンフーパンダ2を注文」と呼びかけるとさっそく注文がすんでしまう。

「アレクサ、極上のエジプト綿のシーツを注文」。ジャジャン! シーツが発送される。

ワンクリック購入がゼロクリック購入に進化するわけだ。家全体(すくなくともEchoのマイクが聞き取れる範囲)が衝動買いを狙ったスーパーマーケットのレジ横の買い足し台になるのだ。

アメリカのAmazon プライム会員はEchoを半額で購入できるが、それにはもっともな理由がある。プライム会員はたくさん注文する。Echoはプライム会員にさらにいっそうたくさん注文させる仕掛けなのだ。おそらくその目論見は成功するだろう。

邪悪な企みだろうか? そうとは言えない。AmazonはEchoを買えと強制しているわけではない。それに第一、私自身、Amazonプライムを文字通り毎日利用している始末だ。私の愚かな物欲がさらにたやすく満足されるようになり、一声かけるだけでアイテムが魔法のように戸口に現れるのは楽しいだろう。

しかしAmazonがなぜEchoを作ったか、その理由は覚えておくべきだ。Amazonは顧客がわざわざ訪問しなければならない「デスティーネション・サイト」であることにもはや満足していない。Amazonは世界に遍在することを狙っている。Amazonストアが現実空間のあらゆる隅々にまで行き渡り、じっと聞き耳をたてて人が口を開くのを待ち構えているという状態が目標なのだ。

多少のギミックがバンドルされているものの、その本質はショッピングチャンネルだという点でEchoはFire Phoneに似ている。

しかしジェフ・ベゾスはFire Phoneの失敗(今だに8300万ドル相当の在庫を抱え込んでいる)から一つ学んだようだ。人々はもっと買い物をさせるために作られた製品だと知ってしまうとそれに金を出したがらなくなる。だが、Echoの本質はFire Phoneと変わらないのだろうと思う。

今のところ、Echoのショッピング機能は欲しいものを音声でショッピングリストに追加できるだけだが…さて?

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+