インドが中国からの投資に政府承認を義務付け、新型コロナ渦中での敵対的買収を予防

過去2年間に中国の投資家がインドのスタートアップに注ぎ込んだ金額は約60億ドル(約6500億円)に上ったが、今後中国から世界2番目のインターネット市場であるインドへの投資は、より厳しい審査の対象となる。

インド政府は4月18日に対外直接投資政策を変更し、国境を接する国からの将来のすべての取引に政府の承認を必要とする。以前は、パキスタンとバングラデシュのみが対象だった。

インド産業・国内通商振興局は、新型コロナウイルス危機による課題に取り組むインド企業に対する「この機に乗じた買収を防ぐ」ために措置を講じるとコメントした。

「政府は現在の新型コロナのパンデミックに乗じたインド企業の乗っ取りや買収を防ぐため、現在の外国直接投資政策を見直した」と同局は通達で述べている。新規制は「直接・間接保有を問わず、インド企業の現在または将来の外国直接投資の所有権移転」にも適用されると付け加えた。

規制変更前は、インド政府はほとんどの国と同様、現在禁止されている原子力、防衛、宇宙産業の取引にのみ介入していた。国によっては、当局が介入する典型的な取引として、特定産業の自国のプレーヤーに競争上の不利益をもたらすような海外からの大型投資が対象になる。

ネパール、アフガニスタン、ブータン、スリランカはインド企業への投資にほとんど関心を示さないため、投資家やアナリストらは中国狙いの動きだと見ている。

「中国企業が安く、経営不振に陥っている会社を買収しているという懸念が世界中で高まっている」。バンガロールの弁護士であるNikhil Narendran(ニキル・ナレンドラン)氏はTechCrunchに語った。

インドは、ここ数週間で外国直接投資規制を強化したり似たような対策を検討している豪州やドイツなどの国々に続こうとしているようだと同氏は述べた。

中国の巨大企業であるAlibaba(アリババ)とTencent(テンセント)は近年、インドのスタートアップにとって最大の投資家として存在感を高めている。中国ではさらに12を超える企業やベンチャーファンドが、インドでのスカウト活動を強化している。

金融サービス会社のPaytm(ペイティーエム)、eコマースの大手Flipkart(フリップカート)、ソーシャルメディアオペレーターのShareChat(シェアチャット)、フードデリバリー会社のZomato(ゾモト)など、インドの大型スタートアップのいくつかは中国のベンチャーキャピタルの投資を受けている。

インド最大の銀行であり、住宅ローンの貸し手でもあるHDFCは今月初め、中国銀行が同行の保有持分を1%以上引き上げたと述べた。インド国民会議の元党首であるRahul Gandhi(ラフル・ガンジー)は今月初め、与党政府に「国家危機のこの時期に外国企業がインド企業を支配すること」を防ぐ措置を講じるよう要請した。

政策の変更は、インドの主要な投資家らがスタートアップに対し厳しい時期を迎える準備をするよう警告したのと同じタイミングで行われた。投資家らは今月初めスタートアップの創業者達に、今後数カ月間はこれまで以上に資金調達が難しくなる可能性が高いと話した。

調査会社Tracxnの最近のデータは、インドのスタートアップがすでにプレッシャーに直面し始めていることを示している。

Tracxnによれば、インドのスタートアップは3月に79件で4億9600万ドル(約540億円)を調達したが、2月は104件で28億6000万ドル(約3080億円)、1月は93件で12億4000万ドル(約1330億円)だった。また、昨年3月は153件の取引で21億ドル(約2270億円)を調達していた。

インドは新型コロナの拡大を抑えるために先月、全土にロックダウンを命じた。だが他国と同様に、この施策にはコストがかかる。何百万もの企業やスタートアップが深刻な混乱に直面している。

先月末、100を超える著名なスタートアップ、VCファンド、業界団体が政府に対し、混乱に対処するため救済基金を設けるよう求めた

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

新型コロナのカオスを正しく理解するために

私たちは毎日、もしかしたら毎時間、新型コロナウイルス(COVID-19)のデータや仮説や憶測さらにはばかげた陰謀論に囲まれて混乱している。数学的思考や何らかの批判的思考の下地があったとしても、どうやってこの状況を正しく理解すればいいのだろうか。

あなたがこの混沌を理解「したい」と考え、まだ一定の立ち位置や見方を決めていないと仮定しよう。そして、どんな新しい情報が入ってきても自分の思考になんらかの変更を加えることには抵抗する、という信念の持ち主ではないことも仮定しよう。しかし、残念ながらそういう人がなんと多いことか。それは、「ビルゲーツの仕業だ」から「われわれがウイルスである」、「単なるインフルエンザにすぎない」、「とにかくロックダウンを終えるべき時に間違いない」までさまざまな不平をぶちまけている人たち全員に当てはまる。

百歩譲って彼らを擁護するなら、私たちは今ソーシャルメディアで、ニュースあるいは「ニュースらしきもの」が、何ら意味のある説明も考察もなく流れてくる世界に生きている。こうしたニュースの「すばらしき新世界」では、誰もが自分自身で自分自身の文脈を決める必要がある。そうすることは、読んだものごとを正しく理解するために、今最も必要なスキルになりつつある。

たとえあなたがそのスキルに恵まれていたとしても、私たちはリアルタイムで起きているサイエンスを目の前にしている。驚くべき仕事が驚くべき速さで成し遂げられている。私たちは奇跡の時代に生きている。それを踏まえても、必要なプロセスはみんなが思うよりずっと厄介だ。査読前の論文と相互査読された論文の重みの違いを知る必要がある。モデルとデータ、仮説に基づく推論と残酷な事実との違いも。

これは調査結果の取り扱いにも当てはまる。薬品Xが有効か否かに関するあなたの意見が、支持政党が薬品Xを支持しているかどうかによって変わるとしたら、それはあなたが科学的に間違っているだけでなく、あなたの「知識」も間違っている。ウイルスに政治は関係ない。

微妙な変化も受け入れる必要がある。たとえば人工呼吸器。当初の考えは「できる限り多くの人工呼吸器が必要だ!」だった。しかし最近では、「人工呼吸器は乱用されている、益より害の方が大きいこともある」という懸念が出てきた。どちらも正しいかもしれない。過度な思考の単純化でこのカオスを乗り切ろうとする誘惑に負けてはならない。

雑音を選り分ける有効な方法は、3つの情報カテゴリーを区別することだ。
(A)自分たちの知っていることは真実である
(B)自分たちの考えていることは、十分強力な裏付けとなる証拠に基づく推論である
(C)その説は憶測である

世の中には、著しく証拠に乏しい(C)でありながら、(B)のふりをしているものが山ほどある。そして、確実にカテゴリー(A)に属している残酷な事実もたくさんある。たとえば、ウイルスが検査されなければ医療崩壊が起きるという極めて明確な証拠が、武漢、イタリアのロンバルディ、スペイン、そしてニューヨーク市で繰り返し見せつけられている。

軽度のカテゴリー(C)に属すものとして、当初新型コロナウイルスのち市立は0.025%程度だろうという憶測があった。今、1万3000人以上のニューヨーク市民が、新型コロナウイルスによる死亡として確認、あるいは可能性ありと分類されている。人口850万人のこの都市で死亡率は0.15%、これは「全市民」に対する割合であって、感染者に対する割合ではない。この種の憶測を、カテゴリー(D)「完全な誤りであると証明済み」と再分類する時はもう過ぎている。

あなた自身の信念をカテゴリー(D)に移動する勇気をもつことも重要だ。誰にもわかっていないことはたくさんあり、今も学習していることがたくさんある。もしあなたが、今全部の答えを知っていると思っているなら、自分があきれるど間違っている可能性の高さを考えてみてほしい。さもなければ今後あなたがウイルスについて議論をする機会も、あなたの信念の正しさを納得させられる機会もないことを保証する。だから、新たな証拠に出会ったときに、信念を変える覚悟をもつだけでなく、積極的に「変えたい」と思う気持ちをもつことを心がけてほしい。

画像クレジット:Pixabay under a Pixabay License.

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

接触者追跡とはどのようなものか?

コロナウィルスの蔓延を遅らせるために私たちが使える最良のツールの1つは、既に耳にしたことはあると思うが、接触者追跡(contact tracing)だ。しかし、接触者追跡とは正確には何であり、誰がどのようにして行うものなのだろうか、そしてそれについて心配する必要はあるのだろうか?

手短に言うなら、接触者追跡とは、潜在的な接触可能性に基いて他の人よりもリスクの高い人を予防的に発見し、可能であれば通知し、もし必要ならば隔離することによって、ウィルスの蔓延防止に役立てようとするものだ。これは実証済みの技術であり、スマートフォンはそれをさらに効果的にするのに役立つ ―— ただし、プライバシーおよびその他の懸念を払拭できる場合に限るのだが。

接触者追跡は人間の記憶に頼るものから機械の記憶へと移行

医療システムが伝染病の性質の理解を深める中で、これまでも接触者追跡は何らかの形で行われてきた。感染症と診断された人は、その人から感染した可能性のある人を特定するために、あるいはその人自身が感染した場所を特定するために、過去数週間に誰と接触したかを尋ねられる。

しかしごく最近まで、この手続きは非常にストレスの高い状況に置かれてしまった人が思い出す記憶に大きく依存してきた。そもそも当人はそのような状況に置かれるまでは、おそらく自身の動きや他人とのやり取りに特別な注意を払っていなかった筈なのだ。

この結果、接触者のリストは役に立つことは間違いないものの、完璧からは程遠いものとなる。そうした人びとが追跡できて、さらにその先の接触者も同様に追跡できれば、綿棒の1本も血液の1滴も使うことなく、感染可能性のネットワークを構築できるようになり、命を救ったり、重要な資源をより適切に割り当てることができるようになる。

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現代のテクノロジーなどを動員することで、今はすべてが変わったと思っているかもしれないが、実際のところ、現在病院で行われている接触者追跡はほとんどすべてが人間の記憶に頼るものだ。100年前から使っているものと変わりはない。

確かに、過去10年の間に私たちの周りに組み立てられた巨大なデジタル監視装置は、この種の接触者追跡を簡単に達成できるようになっているように思えるが、実際には、クリックしたり購入したりする可能性のあるものを追跡する用途以外には、びっくりするくらい役に立たないのだ。

都市全体に広がる多数のカメラとソーシャルメディアによって暗黙的に収集された位置データから、感染したひとの1週間の動きをつなぎ合わせることができたら、それは役に立つかもしれないが、そうしたシステムが悪用される可能性を考えると、それがそれほど簡単に実現できないことには感謝しなければならないだろう。他の、それほど悲惨ではない状況下でも、デジタルレコードから人物の正確な動きや接触を追跡する機能は、よくても不気味な存在であり、おそらくは犯罪的な匂いがする。

しかし、悪辣なデータ収集者があなたの動きや興味を利用して、あなたの知識や同意なしに広告であなたをターゲットにする場合と、世界的なパンデミックの流れを変えるために、日常的テクノロジーの中で禁じられていた機能を、人びと自身が情報を得た上で限定的な方法で利用することを選択する場合とでは、全く事情が異なる。そして、それこそが、現代のデジタル接触者追跡が目的とするものだ。

Bluetoothビーコン

現代のすべての携帯電話は、無線電波を使用して、携帯基地局、Wi-Fiルーター、そして他の電話と、お互いにデータを交換する。これらの送信だけでは、誰かがどこにいるのか、または誰が近くにいるのかを知るにはあまり良い方法とは言えない。Wi-Fi信号が確実に伝わるのは30から60メートルほどで、携帯の電波の場合は数キロほどだ。その一方、Bluetoothは設計上短距離(良好な受信が可能なのは約10メートル)であることが想定されていて、信号が急速に減衰するため、遠くからの迷子の接続を捕捉する可能性は低い。

私たちは皆、ワイヤレスイヤフォンが電話から音楽を受信するためにBluetoothを使っていることを知っているが、実際その用途は非常に大きな部分を占めている。しかし設計上、Bluetoothは常に、他のBluetooth対応デバイスを探して接触を試みている。このことによって、車はあなたが乗車したことを認識したり、スマートフォンは近くのスマートホームデバイスを検出できたりするのだ。

Bluetoothチップはまた、近くを通る他の電話やデバイスと、あなたが知らないうちに簡単な交信を行っている。そして相手が認識されない場合には、それぞれのメモリからできるだけ早くお互いを削除する。しかし、もし削除が行われなかったとしたらどうだろう?

世界中でテストされ展開されているタイプの接触者追跡機能は、現在、あなたの携帯電話がすでに、常時送受信しているものと非常によく似たBluetooth信号を使用している。違いは、接触した他のデバイスを、自動的に忘れないということだけだ。

システムが正常に機能していると仮定すると、ある人が新型コロナウィルス感染症(COVID-19)で病院に来たときに行われることは、基本的には手作業による接触者追跡のデジタル強化バージョンだ。人間の間違う可能性のある記憶を照会する代わりに、はるかに信頼性の高い電話の記録が照会される。それは最近接続できるほど十分に近づいた他の携帯電話を忠実に記録しているからだ(後で説明するように匿名で)。

それらのデバイス(そして、それがデバイスであって、人間ではないことに注意することが重要だが)は、現在COVID-19と診断された人の近くに最近いたことを、数秒以内に警告されることになる。受け取る警告には、影響を受けた人物が次に何ができるかに関する情報が含まれている。たとえば、アプリをダウンロードする、スクリーニングのために電話をかける、あるいは検査のために近くの場所を見つけるといった情報だ。

こうした接触者追跡手段は、その容易さ、迅速さ、および包括性によって、ウイルスの蔓延を阻止するのに役立つ優れた機会を与えてくれる。だとしたら、私たちは何故既にそれを利用していないのだろう?

成功と潜在的な不安

実際、上記の方法(またはそれに非常によく似た方法)を使用したデジタル接触者追跡は、米国やヨーロッパよりも早々とウィルスの攻撃を受けた東アジアで多数のユーザー相手に実装されていて、明らかに良い効果を見せている

シンガポールでは、TraceTogetherという名前のアプリが、政府によって接触者追跡の公式手段として推奨されている。韓国では、診断が下されたことがわかっている人々を追跡するための、いくつかのアプリが自発的に採用された。台湾は、高度に集中化されたヘルスケアシステムのデータを、数年前のSARSの発生中に稼働を始めた接触者追跡システムと突き合わせることができた。また中国本土では、WeChatやAlipayなどの普及率が極めて高いサービスを通じて、さまざまな追跡手順が実装されている。

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これらのプログラムはまだ進行中で、その有効性について結論を出すのは時期尚早だが、少なくとも伝わってくる話によれば、対応を改善しウイルスの拡散を制限することができたように思われる。

しかし、東アジアは米国とは非常に異なる場所だ。無数の理由から、台湾のシナリオをそのままここに(またはヨーロッパやアフリカなどに)適用することはできない。また、政府や民間企業の意図に懐疑的な人々にこの種の追跡に応じてもらうためには、プライバシーやセキュリティなどへ対する、もっともな疑問に対して答えを出しておく必要がある。

現在、米国ではいくつかの取り組みが行われている。現在のところ最大のものは、競合同士であるAppleとGoogleのコラボレーションだ。両社は携帯電話のオペレーティングシステムに追加できる、クロスプラットフォームの接触者追跡方法を提案している。

彼らが提案したシステムは、上記のようにBluetoothを使用するものだが、重要な点はそれを個人の身元と紐付けることはないということだ。携帯電話には独自に一時的なID番号が与えられ、他のデバイスと接触した際に、その番号が交換される。これらのID番号のリストは収集されてローカルに保存され、クラウドなどとは同期されない。そして、番号自身も頻繁に変化するため、どの番号もデバイスまたは場所に紐付けることはできない。

もしある人がウィルスに感染していると診断された場合、そしてそのときのみに、(人ではなく)病院が、接触者追跡アプリをアクティブ化することを許され、アプリがその患者の携帯電話に保存されているすべてのID番号に、通知を送信する。通知には、COVID-19と診断された人の近くに最近いたことが示される。繰り返すが、これは電話によって生成されたID番号であり、個人情報には関連付けられていない。前述のように、通知を受けた人びとは、妥当と思われる行動をとることができる。

MITも非常によく似たやり方で機能するシステムを開発しており、一部の州では居住者の間で推奨を始めたと伝えられている。

当然のことながら、この単純で分散化された、一見安全なシステムにも欠点がある、Markupのこの記事が良いまとめを提供しているので、以下にそれらを更に要約して示すことにする。

  • それはオプトイン方式である。 もちろん、これは長所でもあり短所でもあるが、多くの人が参加しないことを選択する可能性もあることを意味し、最近の接触リストの包括性を制限してしまうかもしれない。
  • 悪意のある干渉に対して脆弱である。 特にBluetoothは安全ではない。つまり、充分に能力のある攻撃者がいる場合、このやり方を悪用できる方法が複数有りえることを意味している。たとえば、Bluetooth信号を収集して模倣したり、市内を走り回ってその携帯電話を多数の携帯電話に「接触」させることができる。
  • 偽陽性や偽陰性につながる可能性がある。 プライバシーを維持するために、他者に送信される通知には最小限の情報しか含まれていないため、彼らはいつ、どのようにして接触したのか疑問に思うことになる。「4日前にこの人の隣に5分間ほど立った」とか、「ブロードウェイでこの人のそばをジョギングして走り抜けた」といった詳細は与えられないからだ。詳細が与えられないことで、人びとがパニックに陥って理由もなくERに駆け込んだり、警告を完全に無視したりする可能性がある。
  • 匿名性はかなり高いが、真に匿名なものはない。 システムは最小限のデータで動作するように見えるが、誰かがそれを手に入れれば、そのデータは依然として悪意のある目的に使用される可能性がある。大量のデータの非匿名化は、事実上現在データサイエンスの研究対象領域であり、こうした記録は、どれほど匿名のように見えたとしても、他のデータと相互参照して感染者を浮かび上がらせたり、プライバシーを侵害させたりする可能性がある。
  • データがどう扱われるかが明確ではない。 このデータは後に保健当局に提供されるのだろうか?広告主に販売されるのだろうか?研究者はそれにアクセスできるのだろうか、またどのように吟味されるのだろうか?このような質問には、十分に答えることはできるものの、現時点では少々謎が残されている。

接触者追跡は、コロナウィルスの蔓延を抑制するための取り組みの重要な部分である。自分の住む地域でどのような手段やプラットフォームが採用されるにせよ(おそらく州ごと、そしてひょっとすると都市ごとに違うやり方になるかもしれないが)、その効果を最大限に発揮させるためには、できるだけ多くの人が参加することが重要だ。

もちろんリスクはあるが、そのリスクは比較的軽微であり、対する利点はそうしたリスクを桁違いに上回るように見える。オプトインすべき時が来たときに、それを行う決断をすべきなのは、コミュニティ全体への配慮からだ。

画像クレジット: Bryce Durbin / TechCrunch

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(翻訳:sako)

Instagramの創立者二人が新型コロナ感染追跡サイト「Rt.live」を公開

Instagramの共同ファウンダーであるKevin Systrom(ケビン・シストロム)氏とMike Kreiger(マイク・クリーガー)氏の二人が手を組み、Facebookの母艦を離れて以来最初のプロダクトを公開した。Rt.liveは新型コロナウイルス(COVID-19)が各州でどれだけ早く感染拡大しているかを追跡する。

“Rt”は、一人の感染者から生まれた平均感染者数を表すスコアだ。数値が1より大きければウイルスは集団内で急速に広がり、1より小さければ収束することを意味する。たとえば、Rt.liveによると、ジョージア州のRtスコアは最大で最も危険な1.5だが、ニューヨーク州では強力な自宅待機命令が功を奏して0.54まで下がっている。

クリーガー氏はによると「ケビン(シストロム氏)は日々のRtを計算する方法に関するデータ分析のメモを書き、オープンソースとして公開している。われわれはこの仕事を視覚化して各州の感染状態を誰でも目で見られるようにしたかった」。一方クリーガー氏は、サンフランシスコ湾岸地帯でギフトカードを売っているレストランを集めたSaveOurFavesというリストを作り、新型コロナ危機の最中もレストランが維持できるよう顧客が応援できるようにした。クリーガー氏は妻とともにこれを作り、オープンソース化することで、各地で同様のサイトをつくれるようにした。

Rt.liveによると、昨日(米国時間4/17)現在、テキサス州とカリフォルニア州では数値が1または1をわずかに下回り、バーモント州がベストスコアの0.33だった。時間を追ってグラフを見ると、ワシントン州とジョージア州は一度は新型コロナウイルスとの戦いに成功し、最近ウイルスが再発するまで1以下を維持していた。データはCOVID追跡プロジェクトから入手したものであり、Rt.liveのモデリングシステムはGitHubで見ることができる。

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「各州は緊急事態命令が解除するために、感染状態を注意深く監視する必要があり、rt.liveのようなダッシュボードはそのために役立つはずだ」とクリーガー氏は言う。自宅待機政策の遵守率のごく小さな違いが、ウイルスの影響の深刻度を指数関数的に増やす可能性があることを視覚的に表すことで、人々に家を出ないよう説得する効果が高まる。この種のツールは、一部のビジネスを安全に再開できるかどうかの決定にも役立つし、ウイルスが急速に伝搬し、厳格なソーシャル・ディスタンスが再び必要かどうかをすばやく判断できる。

同サイトの注目すべき特徴は、地域ごとにフィルターできる機能で、西部の州が南部の州より新型コロナウイルスの撲滅に健闘していることが見て取れる。屋内退避命令の出ていない州が平均よりスコアが悪いこともわかる。グラフは政治的思考とそこから生まれた政策の違いが、感染状況にどう円強しているのかを知るのに役立つ。

写真アプリの成功者が医療統計サイトを立ち上げるのは場違いに思えるかもしれない。しかしシストロム氏はInstagramを急速に成長させる仕事の一環として、長年バイラル性について研究してきた。彼はコロナウイルスの感染者数と死者数を追跡するための 統計モデルを3月19日に公開した。「二人で一緒に働く方法について話しているときに、このアイデアが湧いてきた。私は大学を出た後最初の仕事として、データのビジュアル化と分析をMeeboで行っていたので懐かしい思いででもある」とクリーガー氏は言った。システロム氏がデータ分析を行い、クリーガー氏がサイトを構築しているのは、Instagram時代のフロントエンドとバックエンドの分担と同じだ。

Rt.liveを作った理由は、新型コロナウイルスの感染拡大状況を理解するにはRt(実効感染率)が最適な方法であると信じていたからだ」とクリーガー氏は説明する。「再び一緒に仕事ができることをとてもよろこんでいる。アイデアからサービス公開までわずか数日で済んだのは、過去の歴史と背景を共有していたからだ」

画像クレジット:Cody Pickens

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

GMが米政府と契約した人工呼吸器の初回製造分を出荷

GMとVentec Life Systemsが組み立てた人工呼吸器が16日夜に病院向けに出荷され、週末にかけさらに多くの施設に届けられる見込みだ。米政府が注文した3万台の初回出荷となる。

イリノイ州のシカゴやオリンピア・フィールズにある病院への納入は、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミック渦中の1カ月弱前に、何千台もの病院向け人工呼吸器の製造を開始した両社にとってマイルストーンだ。

GMとVentec Life Systemsは人工呼吸器のような呼吸治療製品の製造を増強しようと、3月20日にパートナーシップを発表した。両社は当初、VOCSNと呼ばれるVentecの救命救急用の人工呼吸器の製造にフォーカスしていた。VOCSNは人工呼吸器、酸素濃縮器、咳アシスト、吸引、吸入器として使える多機能のハイエンドデバイスだ。2017年にFDAの承認を得た時のVOCSNは700以上の部品でできていた。

GMは必要な材料が調達可能かどうか、インディアナ州ココモの工場に新たなクリーンルームや生産ラインを建設すればどうなるかを調べた。そしてGMはおおよそ7億5000万ドル(約806億円)かかると見積もった。ここにはエンジンプラントの改造、人工呼吸器を製造するための材料の購入、生産を増強するために必要な作業員1000人の賃金が含まれる、と情報筋は話した。見積もった額のうち25万ドル(約2700万円)はVentec拠出分だ。

トランプ政権は価格に難色を示し、政府との契約は宙に浮いた。トランプ大統領がTwitterを使ってGMとCEOのMary Barra(メアリー・バーラ)氏を批判したが、GMとVentecはなんとか前進させようとした。 そしてトランプはGMに人工呼吸器を製造し、政府との契約を優先するよう大統領令に署名した。GMが人工呼吸器を製造する計画を発表して数時間後のことだ。

攻防にもかかわらず、GMは8月末までに人工呼吸器3万台を製造するという、4億9000万ドル(約530億円)の政府との契約にこぎ着けた。契約では、GMはVOCSN V+Proと呼ばれる400のパーツを使うシンプルバージョンの救命救急人工呼吸器を製造している。より高価で複雑なマシーンは多機能性を備えていた。

GMによると、人工呼吸器製造をスピードアップするために、政府は契約で人工呼吸器としての機能だけを搭載するVOCSNだけを求めている。

製造は今週1シフト制で始まり、加速している。GMの広報担当によると、数週間内に第2シフト、第3シフトを加える計画だ。3シフト制になると従業員1000人超が必要となる。

これまでに10台の人工呼吸器がオリンピア・フィールズにある聖フランシス病院に納入された。もう10台が17日にシカゴのワス・メモリアル病院に納入される見込みだ。3回目の出荷となる34台は18日にゲーリー/シカゴ国際空港にある米緊急事態管理庁に届けられ、そこから最も必要とされているところへ輸送されるとのことだ。

テストが広範に実施されるにつれCOVID-19感染者の数は急激に増えていて、人工呼吸器のニーズは切迫している。症状が軽い人もいれば、重篤な呼吸困難症状で病院に運ばれる人もいる。人工呼吸器の不足により、Ford(フォード)やVolkswagen(フォルクスワーゲン)などの自動車メーカーは人工呼吸器製造を模索することとなった。FordとGE HealthcareはAiron Corpから人工呼吸器デザインのライセンスを取得し、ミシガン工場で7月までに5万台を製造する計画だ。

自動車メーカーはまた、ヘルスケアワーカー用のフェイスマスク、フェイスシールド、電動ファン付き呼吸用保護具も製造している。

画像クレジット: AJ Mast for GM

“新型コロナウイルス

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(翻訳:Mizoguchi

Facebookが新しいリアクション「care」をメインアプリとメッセンジャーに追加

多くの人が家に閉じこもりがちな今、Facebookは友だちや家族や近所人たちが新型コロナ・パンデミックの中でどうしているかをチェックする一番の道具になっている。今日(米国時間4/17)同社は、応援する気持ちと自分の存在を示す方法の一つとして、新しいリアクション、”care” を追加することを発表した。エモジの顔がハートを抱いていたり、ハートが鼓動していたりする。新しいリアクションのエモジは、これまでの「いいね!」「超いいね!」「うけるね!」「すごいね!」「悲しいね」「ひどいね」のエモジと並んで表示される。

この “care” は、2015年にそれまで「いいね!」だけだったリアクションの種類を増やしてして感情を素早く表せるようにして以来の新規追加だ。

“care”ボタンは来週からFacebookのメインアプリ(ハートを抱いているエモジの顔)に追加され、Messengerのリアクション(鼓動するハート)は今日から追加される。新しいハートは既存のリアクションを押して変更することも、新しいリアクションで出すこともできる。

[Messengerは鼓動するハートのリアクションを今日追加して、友だちや家族に特別の愛と気遣いを表現できるようになった。
リアクションを変更するには元のハートを長押しして新しいハートを表示させる。元に戻すにはもう一度新しいハートを押せばよい]

「新しいリアクションが#COVID19新型コロナ・パンデミックの中で誰かを気にかける気持ちを表す新たな方法になることを願っています」と広報担当者が ツイートした。「この不安な時期に、人々が友だちや家族のことを思っている気持ちを表すことで励まし合ってほしい」

今日に先立ち、Facebookのプロダクトデザイナー、Pedja Ristic氏は自身の投稿で新しいリアクションを試していたようで、これもヒントになった。

これは言ってしまえばごく小さなジェスチャーにすぎない。投稿への反応にエモジを送っても食べ物が届くわけでも、誰かの収入を保証できるわけでもない。新型コロナの偽情報を防ぐことも、最善の対応策を教えることもないし、この恐ろしい病気にかかってしまった人を治療することもできない。

しかし、Facebookが多くの人々の支援ネットワークの中心となり、一人で暮らす人たちにとってはいっそう重要や役割を果たしている今、新しいリアクションはFacebookをもっと役立つように、私たちがたった今必要としている気持ちに沿うようにする一つの方法だ。

Facebookは現在の健康危機に役立つためにさまざまなレベルの仕事をしている。誤情報を削除し、良いニュースを報じている地域メディアに支援金を提供し、中小企業にも支援の手を差しのべ重要なお知らせを広く伝達して公共保健機関を助け、他の多くの人たちと同じく必要としている人にマスクを寄付した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

新型コロナ禍でVCが尻込みする中、Clearbancはスタートアップ支援の新商品を発表

Clearbanc Runway

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によってベンチャー市場が鈍化し、スタートアップの資金調達はますます厳しいものになっている。パンデミックにより市場活動が減退した。これは投資家達にとって流動性の高い取引が減り、スタートアップに回す新規資本(ドライパウダー、待機資金)が減っていることを意味している。

その結果、投資家達は既に資金援助したスタートアップに対し、ディールフローのバブルが戻るまでランウェイを引き延ばす必要があると伝えている。これには数四半期を要する可能性があると投資家たちは話している。2008年度のデータを見ると、数年かかる場合も考えられる。

カナダのClearbanc(クリアバンク)は、Clearbanc Runway(クリアバンク・ランウェイ)という新しい金融商品を発表し、スタートアップの資金確保を支援する。

Clearbancのウェブサイトでは、スタートアップ創業者が現在のランウェイ額、現金残高、諸経費、収益、マージン、成長率などの条件を入力できるようになっている。同社はそのデータを分析し、起業家の持ち分を減らさない形で資金を提供する。創業者はレベニューシェア契約を通じて現金を返済できるようになっている。企業が対象資格を得るには、毎月最低1万ドル(約108万円)の収益と、最低6カ月間の一貫した収益履歴が必要になる。

Clearbancが金融会社のように聞こえるかもしれないが、実際のところ(ほとんど)その通りだ。Clearbancはスタートアップに融資し、返済計画に上乗せして利子を請求する。ただし同社は金融会社として規制されていないため、法的には金融会社にはならない。ローンには固定返済スケジュール、複利、返済日があるが、Clearbancにはそうした要素はない。その代わり売上に対する定率を取り分とし、スタートアップの業績が下がれば、返済されるまでしばらく待つことになる。同社がスタートアップ創業者にペナルティを課すことはないらしい。

レベニューシェア契約では一律6%の手数料が課され、その返済は既に資金調達プランの一部となっている。Clearbancからの投資を受けるスタートアップの売上が前月比で伸びている場合、企業が取得できる資金調達合計額はそれに反映される。

クリアバンク・ランウェイ グラフ

Clearbanc Runwayは同社のフラッグシップ商品「20分タームシート」に似ている。

Clearbancは、20分タームシートを作り、企業がGoogleやFacebookの広告に費やせるように、希薄化しない広告資金を取得できるようにした。株式資本が関わることから、スタートアップは貴重なベンチャー投資資金をその他の経費に使用することが前提とされた。Clearbanc Runwayはさまざまな目標を実現させている。

「我々は当初、主に広告費用に重点を置いていた。今では企業を維持するためのあらゆる経費に資金供給できる」とClearbanc共同創業者のAndrew D’Souza(アンドリュー・ドゥスーザ)氏は言及した。Clearbanc Runwayでは、将来エンタープライズ、ソフトウェアビジネス、eコマースビジネスにも資金供給する。

この2つの商品におけるわずかな違いは、新商品の方がやや保守的であるという点だ。Clearbancはこのパンデミックの状況下で、eコマースビジネスに多額の資金供給を行っているため、独自の位置にいる。そうしたインターネットビジネスは、新型コロナウイルスの大流行で実店舗が閉店する中、トラフィックを増やしている。

ただしそれは「不安定で、先行きは不透明だ」とドゥスーザ氏は言及している。「我々が6カ月前よりもさらに保守的になるのは明らかだ。おそらく、より少額をより頻繁に投資する感じになるだろう」。

Clearbancはベンチャーキャピタル企業とディールフローで競ってはいない。その代わりに、小規模事業に融資を行うフィンテック企業と競うことになるだろう。そしてその焦点は珍しくもなければ、新しくもない。

関連記事:Here’s why so many fintech startups are loaning to small businesses(未訳)

2020年3月、小規模事業が従来の融資資産の代わりにクレジットカードで経費を支払えるようにするPlastiq(プラスティック)は7500万ドル(約81億円)を調達した。決済処理大手のStripe(ストライプ)もStripe Capital(ストライプキャピタル)と呼ばれる融資商品を用意し、一律の利率でインターネットビジネスに融資している。

2020年1月、Lighter Capital(ライターキャピタル)は他のスタートアップに融資するために1億ドル(約108億円)を調達した。これはClearbancのレベニューシェア契約のフォーマットに似ている。これらすべては、融資を行う意思のある企業が多く存在することを示している。どの取引条件が最適かを決めるのは小規模事業の方だ。

ベンチャーキャピタル投資先スタートアップがすべての小規模事業ローンを利用できるわけではない。例えば米国政府が提供した2兆ドル(約215兆円)の景気刺激パッケージで用意された小規模事業への融資は3億4900万ドル(約375億円)だ。しかし新しいガイダンスでは、ほとんどのスタートアップが未だに金銭的支援から除外されている。だが先着順で配布されるため、ローンを申請する者も中にはいる。

Clearbancは、スピード感において競合するサービスと差別化できるという。

ドゥスーザ氏は「『SBA(米国中小企業局)ローン』に申請できるのはすばらしいことだが、時間がかかる可能性がある」と言及した。「莫大な未処理分があるし、取引銀行とそのシステムの設定にもよるだろう」。

ほぼ1年前に、Clearbancの共同創業者であるMichele Romanow(ミケーレ・ロマノウ)氏はIPOとユニコーンについて語っていた。会社の倒産や大量のレイオフを回避するための支援に関するドゥスーザ氏の話を聞くと、Clearbanc Runwayへの敷居は明らかに低くなっているようだ。

同社は2200の企業に対し10億ドル(約1075億円)の投資または金銭的取引を行った。

そもそもClearbancでは、従来の株式資本取引に含まれる所有権譲渡なしに、eコマース創業者がスタートアップを成長させる方法として同社を売り込んできた。現在では、世界中でベンチャーキャピタルが以前より活発ではなくなったことを受け、すべての創業者がビジネスを存続させる方法として売り込んでいる。

原文注:クリアバンクは、従来の金融会社とは異なる金融構造を有しているため、法的には金融会社とは言えないと言及している。記事はこの点を明確にするため更新されている。

画像クレジット: Malte Mueller / Getty Images

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(翻訳: Dragonfly)

CodementorのCode Against COVID-19事業でボランティア作のコロナ対抗ソフトウェアを登録/発見できる

ソフトウェアのデベロッパーをオンラインで教育するCodementorが、パンデミックと戦うソフトウェアプロジェクトCode Against COVID-19を立ち上げた。それはCodementorの収益事業ではなく、プログラマーたちを、援助を必要としている大学や非営利団体や地方行政などの機関および組織に結びつけることが狙いだ。

Code Against COVID-19が今展開している事業Safe PathsCovid Watchは、COVID-19の拡散を防ぎ個人のプライバシーを護るためのツールを作っている。またそれは、デベロッパーをHospital@homeのような草の根プロジェクトに結びつける。新型コロナウイルスの広がりを止めるためのジオフェンシングアプリ(境界線作成アプリ)を作っているUXデザイナーらにも、プログラマーの助けを提供する。

Codementorのプラットホームには今、世界中のデベロッパーが数十万人いる。そしてCOVID-19関連のソフトウェアを作るために、プログラマーの助けを必要としている企業や行政機関が多いことを知った同社は、そのコミュニティに呼びかけた。創業者でCEOのWeiting Liu氏によると、98%が協力の意思を表明し、そこから、プログラマーとプロジェクトを早く結びつけるCode Against COVID-19が発足した。

今のところ、無料または報酬が低くても長期プロジェクトに関われる、という登録プログラマーが200名あまりいる。

Liu氏が住んでいる台湾は、中国に近いにもかかわらず、ロックダウンをせずにCOVID-19の大規模なアウトブレークを防いでいる

Liu氏が本誌TechCrunchの取材に応えて語ったところによると、Codementorのチームは台湾政府のデジタル大臣Audrey Tang氏が指揮するソフトウェアプロジェクトの成功に刺激された。その中には台北の全市的警報システムや、配給品のマスクの在庫がある薬局などが分かる地図がある。後者は、長い行列ができるのを防止する。

「ソフトウェアで世界を変えられると信じてきた人にとっては、今が絶好の機会だ」、とLiu氏は語り、Codementorの台湾のチームはほかの国も助けたいと思っている、と述べた。「台湾の今の状況は幸運だ。ロックダウンで子どもたちと家に閉じ込められることもない。比較的安全だから、コミュニティを助けることができる」、と彼は言う。

プログラマーが出動するボランティア事業として、ほかにCoding DojoのTech for Americaがある。こちらは中小企業のWeb開発を助けている。またHelp with COVIDには、世界中から1万名あまりのデベロッパーが自作のCOVID-19関連ソフトウェアプロジェクトを登録している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

米給付金の小切手に遅れ、H&R BlockやTurboTaxで申請した数百万人に影響

企業への救済措置の一方で、多くの人が1200ドル(約13万円)の小切手では、あと数週間のロックダウンを乗り切るのに不十分だと懸念するのは当然だ。しかし、景気刺激策のための小切手は、何もないよりはマシだ。アメリカでは2020年3月だけで、2200万人以上が失業申請をしている。

しかし、実際に小切手を手に入れるのは簡単ではない。多くのアメリカ人にとって、たくさんの障害がある。例えばほとんどの学生は無資格であり、同じことがほとんどの高齢者や障害者にも当てはまる。社会保障番号のない移民もそうだ。紙の小切手に大統領の署名を載せるという前例のない命令など、さまざまな遅延要因もあった。

何百万人もの米国人は、「不具合」で問題がさらに遅らされている。The Washington Post(ワシントン・ポスト)によると、H&R BlockやJackson Hewitt、TurboTaxのような人気サービスを利用して2019年に税金を申告をした「数百万人」は、米国時間4月15日に予定されていた入金が延期された。問題は、IRS(米国内国歳入庁)が彼らの預金情報をファイル上に持っていなかったためだ。

今週、IRSの「Get My Payment」ツールを介して給付金のステータスをチェックした人には、不可解な「Payment Status Not Available」というメッセージが表示された。この件に関する追加情報はない。

IRSは現在、遅延の原因となった問題の解決に取り組んでいると述べている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Airbnbが契約社員をレイオフ、夏のインターンシップもキャンセルへ

Airbnbは派遣社員との契約を早期に終了し、夏のインターンシップを延期したとProtocolが報じている。Airbnbの契約社員は、物件検査員やホームコンサルタントなどを務めている。

契約社員は派遣会社からの通知を受けた後、最低2週間の給与を受け取るという。

Airbnbはまた、学部生の採用を2021年まで延期すると報じられている。TechCrunchがインターン生から聞いたところによると、彼は昨日通知を受け、新しいインターンを探しているという。

新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミック下で、インターンシップをキャンセルしたテック企業はAirbnbだけではない。3月にはYelpが夏のインターンシップをキャンセルし、TCのNatasha Mascarenhas(ナターシャ・マスカレンハス)記者は、StubHubやGlassdoor、Funding Circle、Checkrもそれぞれのインターンシップをキャンセルしていることを突き止めた。

これらの人事は、Airbnbが10億ドル(約1076億円)の融資を確保した翌日に実施された。2020年4月初めにも、Airbnbはさらに10億ドルを負債と株式により調達している。

TechCrunchはAirbnbに連絡を取っており、返事があればこの記事を更新する。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

手洗いをリマインドするGalaxy Watchの新アプリ

数カ月前なら、手洗いアプリのアイデアはどう見てもつまらないものだっただろう。我々は皆大人だし、これまでずっと手を洗ってきた。しかし、状況は変わった。2020年4月中旬現在、我々は外に出て、他人と関わることを恐れている。そして徹底的な手洗いは、我々が持つ数少ない武器の1つである。

Samsung(サムスン)によると、「Samsung Research Institute-BangaloreそしてSRI-BのUXとウェアラブルチームのデザイナーと開発者の小規模なグループが、健康と安全を保つのに役立つソリューションを考案するために、この2週間は24時間体制で取り組んだ」という。

Galaxy Watchアプリの 「Hand Wash」 は、着用者に少なくとも20秒間は手を洗うよう促すものだ。リマインダーの間隔はあらかじめ設定されているが、着用者がカスタマイズすることもできる。アプリは手洗いを始めて25秒後に通知を出す。5秒間は石鹸を使うためのものだ。

アプリは手洗いをトラッキングし、最後に行ってからの経過時間を表示する。普通の状況なら理解に苦しむアプリだろうが、現状においては至極当たり前のものだ。アプリは現在、Galaxy Storeからダウンロードできる。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

オックスフォード大学が500人規模の新型コロナワクチンの臨床試験を実施へ

現在進められている最大の新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチン試験の1つで、ボランティア500人超でのテストが5月中旬までに行われる。オックスフォード大学の研究者らは、ワクチンの可能性を調べる無作為臨床初期・中期ステージ試験のために、年齢18〜55才の代表的サンプルを含む参加者を既に確保した。このワクチンは、新型コロナウイルスに対して効果のある免疫を作り出すために、改変された無害のウイルスを使用する。

テストは参加者510人を5つのグループに分けて行う。1つのグループはワクチン接種のあとフォローアップがあり、追加の接種を受ける。このワクチンの技術は既に10種の治療法開発に使用されているが、結果を確かなものにするためには異なる国における異なるテストグループを用いるというアプローチをとる必要がある。これは採用されている対策が異なるために地域によって感染率に大きな差があるからだ、と研究を主導するSarah Gilbert(サラ・ギルバート)氏はBloomberg(ブルームバーグ)に語った。 

ワクチンを手掛けるチームはまた、6カ月かかる臨床試験の後にワクチンの大量生産を開始することを目指しており、生産規模を拡大するために追加の資金確保を模索している。最終目標は秋までに大量生産できるようにすることだ。ワクチンの有効性が証明され、5000人規模での最終試験が行われた後、9月に現場のヘルスケアワーカーへの接種を開始するという仮定に基づいている。

オクスフォード大学が行っているのは、ヒト臨床試験段階まで進んだひと握りの試験のうちの1つだ。しかし今後さらに加わることが予想される。すでにModernaInovioのヒト臨床試験が米国で行われており、それらもまた初期臨床結果を受けて幅広く展開されるようになる前に緊急使用される可能性がある。

こうしたワクチン候補の一部が秋までに入手可能になったとしても、広く利用できるようになることを意味するわけではない。さらなるテスト、生産の増強、流通と管理に関する取り組みが必要で、これらのプロセスでさらに数カ月かかることが見込まれる。しかしながら、前例のない新型コロナウイルスパンデミックでは開発プロセスにおけるこれまでにない効率性が引き出されており、この尋常ではない状況でさらなる取り組みが続くかもしれない。

画像クレジット:Rost-9D / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

ベゾス氏がアマゾン全従業員の新型コロナ検査の詳細を株主へのレターで説明

世界が新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックに苦しんでいる中、Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏は4月16日、毎年恒例のAmazon(アマゾン)株主へのレターを発表した。同社はほぼあらゆる面で新型コロナの影響を受けており、当然のことながらオープンレターの中身は、現在も続いている新型コロナウイルス危機への対応が中心となっている。

その中でも特に細かく言及しているのが、先週発表されたAmazonが独自に設置するテストラボについてだ。ベゾス氏はレターの中で、同社が「まったく症状のない人を含め、全社員の定期的なテスト」を検討していると記している。多くの患者は症状がないため、定期的なテストは感染拡大を止めるのに理想のものだ、とレターにはある。

そうしたテストが義務となるのかどうかは明らかではない。また、症状のない従業員のテスト義務化が法的にどうなのかもはっきりしない。米雇用機会均等委員会が最近公表した新型コロナ流行に関するADAガイドラインには、「パンデミックの間、雇用主は従業員が新型コロナの症状を示していたらテストを尋ねてもよい。症状には発熱、悪寒、咳、息切れ、喉の痛みなどが含まれる」とある。

もちろん、テスト提供に限りがあることは議論すべき問題だ。しかしAmazonが準備しているのは、社内でのウイルス拡散、また社外にウイルスを広げるのを阻止するための従業員テスト専用のラボだ。結局のところ、自宅に閉じこもっている多くの米国人にとってAmazonはなくてはならない小売となっている。少なくとも同社の74の倉庫・配送センターの従業員でウイルス陽性が確認された。このウイルスはボール紙の表面で24時間、プラスティック表面だと数日間生きることができる。また、箱などの表面を介してうつることもあり得る。

「テスト対応能力を上げるべく取り組んでいる」とベゾス氏は書いている。「研究科学者からスペシャリストを引っ張ってくるプログラムマネジャー、ソフトウェアエンジニアに至るまで、Amazonチームは通常の業務を離れてテストラボの設置に専念している。初のラボを設置するために必要な装置の組み立てを開始し、フロントラインの従業員へのテストを間もなく少数で始めたい。どれくらい作業が進められるか確かではないが、試す価値はあると考えている。何か明らかになれば情報を共有する」。

同社はまた、従業員がウイルスを保有していないかを判断するため、世界中の同社の建物で体温チェックを導入した。その他の対策としては、定期的な消毒、マスクの支給、社会的距離維持の義務化がある(こうした手段をとればウイルスに感染する可能性は低いとするWHOのポリシーのアップデートをTechCrunchに案内してきた)。

今週初め、同社の危機対応を声高に批判した従業員2人が解雇されたことが明らかになった。2020年3月に解雇されたスタテン島の従業員を含めると、解雇者は計3人になる。同社は、解雇と社会からの批判の関連性を否定し「内部規則を繰り返し破ったためにこれらの従業員を解雇した」と主張した。

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(翻訳:Mizoguchi

隔離ルールの緩和で新型コロナの発症が急増、MITの新たな機械学習モデルが示唆

MIT(マサチューセッツ工科大学)は、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の新しいモデルを開発した。公式に入手可能なデータに基づき、流行に関する確立された疫学的方程式と、ニューラルネットワークに基づく推論を組み合わせたものだ。

画像クレジット:Chris J Ratcliff/Getty Images

新しいレポートで示されているモデルは、1月下旬から3月上旬の期間のデータでトレーニングすると、世界中のさまざまな地域における4月1日までの実際の蔓延を、正確に予測できることが判明している。そして、現在予定されているように、隔離措置を直ちに、あるいは近々に緩和したり廃止したりすると感染の「指数関数的な爆発」を招くことを示している。

MITの研究者は、新型コロナウイルスのデータだけに基づいてモデルを開発しようとしたが、SARSやMERSに関する情報を使用して大流行の進行状況を図示した人もいる。入手可能な新型コロナウイルスの情報と、実効的に隔離されていて、他人を感染させる恐れのない感染者の数のニューラルネットワークベースの概算を組み合わせることで、既存のモデルを超える精度のモデリングが可能となり、社会距離戦略と隔離方策の効果を正確に予測するとことができる。そして、それらの措置が縮小されたり、撤回された場合の影響を知ることになる。

MITのモデルによれば、来週あたりには、米国とイタリアでの新型コロナウイルスの感染者数は横ばいになる。これは、これまでの予測とも一致している。もちろん感染者数と、それによる医療システムへの負荷という観点からすればいいニュースだ。しかしこれを、現在実施中の感染拡大防止措置を緩和し始めてよい時期だとは絶対に解釈すべきでない。

実際にこの研究では、「隔離措置の緩和が早すぎると、結果はかなり壊滅的なものになると予測される」と結論づけている。そのモデルを開発したMITの機械工学教授、George Barbastathis(ジョージ・バーバスタディス)氏の見解だ。それは、独自の隔離措置の緩和が早すぎたために、感染拡大の第2波に見舞われたシンガポールの例を見てもわかるだろう。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Facebookが新型コロナ関連の有害誤報に反応したユーザーに警告、ファクトチェックも実施

Facebook(フェイスブック)は米国時間4月16日の朝、現在進行中の新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックに関する誤報の拡散に対処する最新の対策を発表した。その中でも重要なのは、このウイルスに関する虚偽のコンテンツにコメントしたり、反応したり、気に入ったりしたユーザーをターゲットにした新しいメッセージだ。

Facebookは、世界保健機関(WHO)からのメッセージをポップアップ表示し、リンクを共有するか、あるいはWHOの新型コロナウイルスの関連サイトを訪問するかを選択できる。「我々は、ウイルスに関する有害な誤報に接した可能性のある人々を、信頼できる情報源からの真実と結びつけたいと考えている」と同社は投稿に記している。

このポップアップは、今後数週間のうちに表示される。またリストには次の情報が含まれる。

  • 5Gモバイルネットワークは新型コロナウイルスを拡散しない
  • 体を日光や25°C以上の温度にさらしても、新型コロナウイルスを予防することはできない
  • 新型コロナウイルスからの回復は可能。感染したからといって、それが生涯続くわけではない
  • 咳や不快感を感じずに10秒以上息を止められても、新型コロナウイルスやその他の肺疾患がないことは意味しない
  • 飲酒は新型コロナウイルスを予防せず、むしろ危険な場合がある
  • 新型コロナウイルスは高温多湿の気候の地域でも伝播しうる
  • 寒さや雪では新型コロナウイルスは予防できない。
  • 熱い風呂に入っても新型コロナウイルスは予防できない
  • 新型コロナウイルスは蚊に刺されても伝染しない

おそらくほとんどの情報は周知されているだろうが、Facebookでは常にそうというわけではない。念には念を入れるのが無難だ。また同サイトには「Get the Facts」という新しいページも追加されており、メディアのファクトチェックなど正確な情報が収集されている。この情報は近々、Facebook Newsにも掲載される。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Instacartがコストコと提携し処方薬の配達を開始、数カ月内に全米で提供

オンライングローサリー配達のInstacart(インスタカート)は、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックによる需要の高まりを受け、Costco(コストコ)との提携を通じて処方薬配達サービスを開始する。

Instacartは4月16日、アリゾナ、カリフォルニア、デラウェア、フロリダ、イリノイ、ニューヨーク、ワシントン、ワシントンD.C.にある200店近くのコストコで配達サービスを提供すると明らかにした。このサービスは最初にカリフォルニア南部とワシントンのいくつかの店舗で試験展開され、数カ月内に全米に拡大するとのことだ。

オンライン処方サービスを利用している顧客は、処方薬の用意ができた時にコストコ薬局からテキストメッセージを受け取る。テキストには処方薬の配達の日時を選ぶリンクが含まれている。顧客がリンクをクリックすると、コストコのサイトにリダイレクトされる。そこで顧客は処方薬を確認し、またグローサリーや家庭用品をInstacartのコストコ配達オーダーに加えることができる。注文は、顧客の安全とプライバシーを確保するため、手が加えられないよう封かんされて配達される。

Instacartはまた、ほとんどの処方薬注文でコンタクトレス配達を提供する。Instacartのショッパーは、薬注文確認のための顧客IDをスキャンでき、サインは不要だ。顧客はまた、新しいサービスで最大1週間前に配達のスケジュールを組むこともできる。

新しいサービスは新型コロナ禍での需要を受けてのものだとInstacart社長のNilam Ganenthiran(ニラム・ガネンティラン)氏は述べた。

「多くの人にとって、グローサリー買い物には新鮮な農産物、肉、魚介類、貯蔵用食品だけでなく、かなり必要とされる医薬品の入手も含まれている」とガネンティラン氏は話した。

新型コロナ拡大でInstacartのグローサリーサービスに対する需要はうなぎ上りだ。同社が先週受けた注文は昨年同期比400%増だった。顧客が費やす額も増えている。顧客の買い物カゴの平均サイズ、つまり注文ごとにInstacartで使う総額は前月比25%増とのことだ。

需要増を受け、同社は3月1日以来マーケットプレイスに新たに150店舗近くを加え、さらに利用しやすいようにした。顧客の増加に対応するため、スタッフも増やしている。

Instacartは4月10日に「ケア」チームを1200人から3000人に倍増させたことを発表した。チームはInstacartの利用方法についての質問に答えたり、配達に関する問題などに対応したりする。

このスタッフ増強前の3月には、個人保護用品や危険手当の支給、チップのデフォルト設定、疾病手当の延長を求めるショッパーがストライキを行った。

画像クレジット: Instacart

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(翻訳:Mizoguchi

Uberが2020年の業績予想を撤回

Uber(ウーバー)は新型コロナ・パンデミックの影響を考慮し、2020年のガイダンス(業績予想)を撤回した。

アップデート:本稿[原文]はガイダンスが2020年のものであり、第4四半期のEBITDA利益目標の変更ではないことを反映するよう修正された。Uber CEOのDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏は先般、2020年の最終四半期までに営業利益を上げる計画であると語った。これを年間ガイダンスと混同すべきではない。

Uberは木曜日(米国時間4/16)、グロスブッキング(総取扱高)、修正後純売上、および修正後EBITDAの2020年ガイダンスを取り下げた。この業績予想は2020年2月6日の決算会見の中で発表された。従来の2020年ガイダンスでは、グロスブッキングは750~800億ドル、修正後純売上は160~170億ドル、修正後EBITDA損失は14.5~12.5億ドルだった。Uberは新たな2020年ガイダンスを発表していない。

「継続する新型コロナの現状および全世界の全産業が受けている影響を踏まえると、このパンデミックが当社の将来の収支に与える影響を精度をもって予測することは不可能である」とUberは声明で語った。

またUberは、少数株式投資の価値減少に伴う減損費用19~22億ドルの計上を予定していることも警告した。UberはDidi(ディディ/滴滴出行)、Grab(グラブ)、Yandex.Taxi(ヤンデックス・タクシー)、およびZomato(ゾメート)の少数株を保有していることが年次報告書に書かれている。これは一回限りの出費であり、Uberの第1四半期の修正後純売上、修正後EBITDA、保有現金および現金相当物、短期投資などに影響する可能性は低い、と同社は語った。

Uberはこの日のガイダンス変更の機会に、新型コロナ・パンデミックを受けてスタートした同社のドライバーおよび配達員の財政支援プログラムなどの取り組みを紹介した。

Uberは、このプログラムをContra Revenue(損失を前提とした売上)として計上する予定であり、GAAP売上を第1四半期に推定1700~2200万ドル、第2四半期に推定6000~8000万ドル減少させる見込みであると語った。Uberは新型コロナ対応経費の一部を修正後純売上および修正後EBITDAから除外する予定であり、「当社の財務状態に対する新型コロナの影響を投資家が評価する」のに役立てるとしている。

同社の第1四半期決算会見は5月7日13:30(西海岸時刻)に予定されている。

画像クレジット:Thomas Trutschel / Contributor / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookがバーチャルリアリティー会議を「バーチャルのみ」で開催

毎年春に行われているテック、デベロッパー向けカンファレンスが、新型コロナのために中止を余儀なくされていることはすでに明らかだが、テック各社は2020年後半のイベントからも撤退を始めている。

本日(米国時間4/16)Facebook(フェイスブック)は、バーチャルリアリティーに特化した同社のOculus Connect 7(オキュラス・コネクト7)カンファレンスのリアル部分を新型コロナのために中止し、デジタル方式のみとすることを発表した。Facebookはイベントの日付をまだ発表していないが、例年9月か10月始めに開催されている。

「新型コロナによる公衆衛生危機の広がりを鑑み、今年後半に開催予定のOculus Connect 7をデジタル方式に転換することを決定した」と同社のブログに書かれている。「苦渋の決断だったが、われわれは当社のデベロッパー、従業員はじめOC7カンファレンスに関わる全員の健康と安全を優先する必要があった」

今週、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は、観衆を伴うスポーツイベントがこの夏に戻ってくることは「ありそうにない」と語った。主要なテック企業は春と夏のデベロッパーカンファレンスのリアル部分をすでに中止しているが、知事によるこの中止要請は、春から秋へとスケジュール変更されたテックイベントの日程がどれほど現実的であるかに疑問を投げかけた。

この種のカンファレンスはインディーゲーム業界にとって従来から非常に重要な存在であり、小さなゲーム会社はこうした集まりをパブリッシャーとの関係構築に利用している。ここ数年バーチャルリアリティー界の主要イベントが、誇大流行の衰えとともに次々と終了する中、Oculus ConnectはVRデベロッパーの間でおそらく最も重要な年次イベントとなっている。

F8カンファレンスのリアル部分中止の際と同様、Facebookは「サンノゼ地域住民に貢献している組織を重点的に」50万ドル(5500万円)を寄付すると言っている。

画像クレジット:GABRIELLE LURIE

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AI画像認識で食事内容をモニターして糖尿病を改善するYes Health

Yes Healthは機械学習とコンピュータービジョンを利用して写真から食事の内容を認識し、糖尿病、肥満などの原因となる生活習慣を改善して医療コスト削減につなげようとしている。

AIテクノロジーをベースとしたYes Healthのアプローチに対して、Khosla Venturesがリードしたラウンドで600万ドルのベンチャー資金が投じられた。

Yes Healthのユーザーは毎日の食事内容をいちいちシステムに入力する必要がない。単に食事の写真を撮るだけでテクノロジーが入力を自動化する。同社のソフトウェアは画像からどういう食事か認識し、ユーザーやが健康管理の状況をモニターするのに役立つデータに変換する。

セールスポイントの一つはユーザーの使いやすさだが、もう一つは処理の全自動化だ。 人間の専門家が食事内容の報告を受けて判断するのではなく、コンピュータ・ビジョンがデータを生成し、システムが分析するため、サービスのコストが大きく削減できる。つまりユーザーが支払わねばならない料金も引き下げられる。

ファウンダーはPayPalの元幹部、Alexander Petrov(アレクサンダー・ペトロフ)氏で、自身が前糖尿病と診断されているという。Yes HealthはVirta HealthやOmadaなどが開発した療法を取り入れており、患者の自己管理を助ける。

ペトロフ氏は「他のサービスとの最大の違いは、ユーザー別のカスタマイズのレベルが高く、使い続けることが容易なユニークなシステムとなっていることだ。これを実現しているのが画像ベースの速攻アプローチだ…テキストが利用できるのはもちろんだが、画像を通じてデータをキャプチャし、システムに分析させ共有することができる」と述べている。

同社がスタートしたのは6年前だが、現在はカリフォルニア州の健康保険と医療のネットワークであるBlue Shield of Californiaなどと提携している。同氏は「Yes Healthには数万人の有料会員がいるが、目標は数百万人のレベルに達することだ」という。

消費者は健保などヘルスケア・サービスの一部または直接契約によってYes Healthを利用することができる。。同社は扱おうとしている市場は巨大だ。CDC(米疾病予防センター)のデータによると、2018年には3400万の米国人に糖尿病があり、8800万人が糖尿病予備軍だった。糖尿病患者の医療費は年間3270億ドル(35.兆円)という巨額に上る。一人当たりの医療支出も平均の2.3倍に達するという。

新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックでこうした問題は新たな深刻さを帯びてきた。研究によれば、糖尿病や肥満などは新型コロナウイルスの重症化のリスクを高め、死亡率の増加をもたらしている可能性がある。

Khosla Venturesの創立パートナーでマネージング・ディレクターのSamir Kaul(サミル・カウル)氏はYes Healthへの投資を発表した声明で次のように述べている。

「(新型コロナウイルスの流行で)米国人これまで以上に強くは健康を意識するようになった。デジタルヘルスはイノベーティブなテクノロジーにとって最も重要な市場の1つになっている。Yes Healthはモバイルアプリを駆使したAIベースのソリューションにより、糖尿病のような困難で費用のかさむ生活習慣病を改善することに実績を挙げている。これは(Khosla Venturesの)ヘルスケアに関する方針に沿うものだ」。

画像:Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

米食品医薬品局が新型コロナ回復者に血漿提供を呼び掛けるウェブサイトを開設

新型コロナウイルス(COVID-19)の効果的な治療法の開発で、現在進められている手法の1つが新型コロナから回復した人の血漿を使ってのものだ。基本的にこれは、新型コロナに感染し、完全に回復した人が提供する血液の液体成分を使うもので、ウイルスと戦う過程でつくられた抗体を他の人に提供して治療につなげる。FDA(米食品医薬品局)は回復した患者の献血を呼びかけるとともに、可能性のある使用法を説明する専用のウェブサイトを立ち上げた。

回復した人の血漿の使用は、新しいコンセプトではない。実際1890年代後半から使われていて、1918年のスペイン風邪パンデミックの際も「結果はまちまちだった」が活用された。現代の手法は、治療法としての回復期血漿の効果と可能性を改善させることができるかもしれない。また血漿(動物と人間の両方のもの)を基本有効成分として使用した多くの薬剤が開発中だ。

回復期血漿の提供を呼び掛けるFDAの新たなウェブサイトでは、回復期血漿がどういうものか、なぜ有効な治療法としての可能性を調査しているのかを説明している。また個人が血漿を提供するにはどういう状態でなければならないのかも示していて(提供前の少なくとも28日間は症状がない、あるいはウイルス検査で非陽性が確認されてから14日たっていること)、米国赤十字社か最寄りの血液センターで提供するよう案内している。

新型コロナ治療での有効性がまだ証明されてもいないのに、なぜ大量の新型コロナ回復者の血漿が必要なのか。それは主に、新型コロナと戦うのに回復期血漿が本当に有効かを確かめる多くの研究が行われているためだ。そこにはさまざまな治療法の臨床試験や、FDAが1回限りの使用を承認する緊急研究用新薬制度を通じての患者治療も含まれる。

新型コロナを解決する可能性のある治療法やワクチンが開発途上にあるように、回復期血漿もまだ有効性が証明されていない。有効性を調べるために現在展開されている取り組みがすぐに確証を得るというのはありそうにない。それでもさらに研究を進めるために血漿需要は高まっていて、今回のウェブサイトのようにFDAが情報を提供するとともに血漿提供を広く呼び掛けるに至った。

画像クレジット:THOMAS FREDBERG/SCIENCE PHOTO LIBRARY / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Mizoguchi