「モノのインターネットは、セキュリティの面では悪夢だ」EFFの警告

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Disrupt Newyork 2016で開催された、セキュリティとプライバシーのバランスを見つけるためのパネルディスカッションでは、さまざまな複雑なトピックについて触れられた。顧客のデータを守るための戦略や、より多様なデバイスがインターネットに接続されることによって起こる大きなリスクなどである。

どのような方法でスタートアップは顧客データを厳重に管理することができるのだろうか?「まず第一に、そのデータにアクセスする方法を持たないことだ」。そう提案するのは、デジタル社会における権利保護団体のElectronic Frontier Foundationにおいてsenior staff attorneyを務めるNate Carzoだ。

企業は政府機関のことを抵抗勢力だと考える傾向が強くなってきているかと尋ねた。するとCardozoは、メッセージ企業たちは顧客データを大量に保持できるために、特にその傾向が強いと話した。

つい先週ブラジルで、メッセージング分野の巨大企業であるWhatsAppが裁判所命令によって一時的にシャットダウンされるという事態が発生した。同社が、データへアクセスする方法を持たないとして現地の法執行機関にそのデータを引き渡さなかったためだ。

「それは映画「Field of Dreams」のような問題です。データを集めれば、彼らがやってくる(同映画のセリフ”If you build it, he will come”を引用した言葉)」とCardozoは話す。彼は加えて、「彼ら」という言葉は「企業を攻撃する人々、組織的犯罪、法機関や諜報機関」など、そのデータに興味を示すであろう多数の機関を意味すると話した。

データを守るための一つの方法は そもそもデータを集めないことです。

「もしデータがそこに存在すれば、あなたはそれを守らなければなりません。もちろん、それを守るための一つの方法は、そもそもデータを集めないことです。いくつかの企業はこれを実行しています。例えばWhatsAppはデータにアクセスする方法を持っていません。それはデータの内容を守るうえではとても有効な手段なのです」。

セキュリティリスクに対する理解がエコシステムに浸透するにつれて、この「ゼロ知識モデル」はテック企業のあいだで一般化するだろうとパネリストたちは語る。

Cardozaは「その理解が浸透してきているように見えるのがAppleの開発ラインです」と語る。「iCloudが今年中にゼロ知識ベースの解決策を採用する、または少なくともオプションとして取り入れるとしても当然でしょう」。

企業のシステム上の脆弱性を探し出す企業、HackerOneのCEOであるMarten Mickosは、テック業界で加速するプライバシーとセキュリティの闘いは、インターネット上のデータの量と種類において「急激なシフトが起こった」結果であると話す。

「私たちが20年前にインターネットを創り出したとき、そこには人を楽しませる物しか存在しませんでした。それが今では、あらゆる物の価値がソフトウェアに支配され、世界とつながっている状態でインターネット上に存在します。そのため、世界中の犯罪組織はそのソフトウェア・システムやウェブシステムを攻撃するようになり、私たちはそれを守る必要があります。それは急激な時代のシフトなのです」と彼は語った。

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「私たちの生活のすべてがオンライン上に存在します」と加えたのはCardozoだ。「それに、、、コンピューター・セキュリティに関して言えば、私たちはまだまだ素人なのです。デバイスを守る方法をかろうじて知っているくらいで、それを始めたのも最近のことです。そして、Appleなどの企業がコンピューター・セキュリティに取り組み始めたことで、法執行機関はかつて体験したことのない難題に直面しています」。

パネリストが巨大なリスクとして警告したのは、医療デバイス、投票システム、自動運転システムなどが生まれたことで急に出現した、組み込み型システムにおけるセキュリティの問題だ。

「これまで、それらの企業はセキュリティについて心配する必要がありませんでした。彼らの製品の中にネットワークに接続されたものなど無かったからです」とCardozoは話す。モノのインターネット(もしくは、彼が言うところの「○○○○のインターネット」)の勃興によって生まれたリスクだ。

しかし、それが医療デバイス会社になるとどうか。まったく理解しちゃいないんですよ

「なぜ、あらゆる物にラジオやネットワークを取り入れるのでしょうか?エンジニアを有していてもセキュリティ・チームを持たない企業は、脆弱性に関するレポートにどう向き合えばいいのか理解していないのです。企業内で脆弱性の調査を担当するハッカーやリサーチャーをカウンセリングしていると、私の経験上、巨大なソフトウェア会社の担当者とはすんなりと話が通ります。Appleはそのレポートをどう扱えばいいのか理解しているのです。しかし、それが医療デバイス会社になるとどうか。まったく理解しちゃいないんですよ」。

Mickosは、デジタル・データのセキュリティが一歩進むためには、企業がよりオープンソースを活用することと、外部の助けを借りることでセキュリティ対策の負担を解消することが必要であり、それが今持てる最良の希望だと話した。

「セキュリティに対する古い考え方は、人間こそが問題なのであり、テクノロジーがその解決策になるというものでした。いま私たちが体感しているのは、テクノロジーが問題なのであり、人間こそが解決策なのだということでしょう」と彼は話す。「実際のところ、外部の人々のチカラを借りて、彼らに脆弱性のチェックをしてもらう事こそが、セキュリティ対策の一番の近道なのです」。

パネリストたちは、データのセキュリティと暗号化システムに加わる政治的な圧力についても言及した。それには、先日2人の米国上院議員がソフトウェア企業の製品にバックドアを設けることを義務づける法案を通過させようとした出来事も含まれる。

Cardozoはこう語った。「Burr上院議員とFeinstein上院議員によるバックドア法案を文字通りに受け止めると、あの法案はコンピューターの基本的な目的自体を否定するものだという事になるでしょう。しかし、それが彼らの狙いだったわけではありません。それでは彼らの愚かさを示すだけです。そうではなく、あれは捨て駒による先制攻撃です。彼らは今回の法案を通すつもりなどありませんでした。私たちが本当に心配すべきは、次に出てくる法案なのです」。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Twitter /Facebook

TechCrunch Disrupt NY 2016の優勝はゲームの中継に視聴者が対話参加できるBeam、次位は途上国でも使えるお値段の本格浄水器WaterO

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今年は厳しい勝負だったが、やっと勝者が決まった。最初は、22社がニューヨークにやってきた。

本誌主催のスタートアップ大会TechCrunch Disruptの、メインイベントが、その名もStartup Battlefield(戦場!)と呼ばれるコンペだ。テクノロジー業界のリーダーたちが審査員を務める中で出場社はプレゼンとデモを競い、優勝賞金50000ドルと優勝カップDisrupt Cupを争った。

本誌TechCrunchの編集者たちが審査員たちの意見を数時間かけて審議し、まず6社のファイナリストをピックアップした:

  • 子どもの安全をネットから見守るBark
  • Twitchに対話性を加えたようなBeam
  • 途上国のためのブロックチェーンによるクレジットBitPagos
  • 正しいビタミンをDIYするRitual
  • 超安価な水中ドローンSeaDrone
  • 同じく超安価な浄水器WaterO

そして彼らは、決勝の審査員たちの前で、最後のデモをした。その審査員とは:

だ。

サンフランシスコのStartup Battlefieldも、もうすぐ出場受付が始まる。Startup Battlefield Hubをチェックし、質問はBattlefield担当編集者Sam O’Keefeへ(sam@techcrunch.com)。

それでは、今年のニューヨークの優勝者と入賞者を見ていこう。

優勝: Beam

Beamは、人気沸騰中のeスポーツの要素と、遅延の少ないチャットを結びつけてゲームをライブでストリーミングする。またビューワー(視聴者)とゲーマーが、コメントを通じて対話できる。まあTwitch WePlayみたいなものだが、実際に動くところがすごい。

本誌の紹介記事はここにある

準優勝: WaterO

WaterOは、逆浸透を利用する。それは浄水技術の定番で、きれいな水を家族にもたらす。しかしそれはとても高価な技術で、工事もたいへん、しかも80%の水を無駄にする。借家人には無理だ。でも、WaterOなら無駄になる水は約20%、工事も要らない。費用はハードウェアのお値段399ドルだけだ。

本誌の紹介記事はここにある

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

インドア農業にデータ分析と営農アドバイスを提供するAgrilystがシードで$1Mを調達

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Disrupt SF 2015のBattlefieldで優勝したAgrilystが今日(米国時間5/11)、インドア農業に同社が提供する分析サービスの育成のために100万ドルのシード資金を獲得したことを発表した。

ラウンドをリードしたのはBrooklyn Bridge Venturesで、これにMetamorphic Venturesやそのほかのエンジェル投資家とシードファンドが参加した。その中には、同じくBattlefieldでデビューし、のちにFacebookが買収したQuickFireの創業者たちもいる。

Agrilystの協同ファウンダーAllison Kopfによると、この投資ラウンドは投資希望者の数が予定より多すぎた。それだけの関心が集まった原因は、彼女によると、関心はあるけど彼らがよく知らない農業という分野と、従来からあるSaaSのビジネスモデルおよびデータ分析の両者が、組み合わさっているからだ。

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創業からほぼ1年になる同社は、現在の社員数が6名だ。昨年のDisrupt SFでデビューしたときには、やっとプロダクトのベータバージョンが完成した段階だった。

しかし今の同社はサービスの新しいバージョンを立ち上げるまでに成長し、その新サービスはとくに、野菜の生産向けに最適化されている。

またこのサービスには今ではワークフロー管理ツールや、在庫管理、作物の栄養管理と病疫や害虫管理の機能もある。今度のニューバージョンには、農業経営者が新規採用者を教育訓練するための機能もある。

ベータのときも今も、Agrilystはデータを利用してインドア農業の経営者に、営農管理の最適手法を勧奨する。今後は、作物をよりおいしくするための推奨事項も提供していきたい、という。

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Kopfによると、インドア農家の多くがまだセンサーを使っていない。使っている農家でも、そのデータは彼らのデスクトップにローカルにたまっていくだけで、オンラインへ行かない。でもAgrilystに任せれば、スプレッドシートのデータでも十分利用価値があるのだ。

しかし状況は徐々に変わりつつあり、Agrilystは今ではインドア農業でよく使われているセンサーシステムからのデータも利用している(CO2や土壌水分など)。でもまだ、データ入力の多くは手作業で行われている。しかしAgrilyst自身は、ハードウェア企業になるつもりはなく、むしろできるだけ多くのサードパーティ製センサーをサポートしていきたい、という。

Kopfによると、同社がローンチしたときは、マリファナ関連の企業だと思われたくなかったが、しかし蓋を開けてみると、今インドア農業で急速に成長しているのが、マリファナの栽培なのだ。そこで7月以降は、Agrilystはマリファナの栽培農家もサポートしていく。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

リストを作って共有する「The List App」、「li.st」と改名して、iOS版に続きAndroid版も登場

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テレビドラマの「The Office」のプロデュースや脚本を手がけ、自らもライアン(Ryan)として登場しているB・J・ノヴァク(B.J. Novak)が、Dev Flahertyと組んでリストを作って共有するためのアプリケーションをつくったとき、名前はそのままThe List Appとしていた。しかしそんな単純な名前のわりに、iPhone版がリリースされるや否や15万人の利用者を集め、25万件のリストが作成されたのだった。それからしばらくたち、名前をli.stに変更し、アプリケーションのリニューアルすることとなった。あわせてAndroid版もリリースされた。ウェブ版も間もなくリリースするとのこと。

このli.stについてご存知ないかたのために少々説明しておこう。li.stとはリストを共有する単純な目的のためのプラットフォームだ。リストにするのはなんでもOKで、お気に入りのレストランやバー、旅行のチップス、おすすめエンターテインメント、あるいは何かのまとめ(人生を変えたアルバム、など)や、暇つぶしに楽しめるものをリストにしてもいい(AppStoreでは「買い物リストじゃないリストを作ろう!」というようなコピーも見られる)。

リストは情報をまとめるのに役立つだけでなく、長い文章を読まずに知識を得られるという意味で人気のでそうな形式だといえると思う。完結にまとめるスタイルは、短時間で情報を消費するモバイル時代にふさわしい形式であるともいえる。

アプリケーションが登場してきた際、Lena Dunham、Mindy Kaling、あるいはSnoop Doggなどの著名人が利用していたことも注目を集めるのに役だった。またNYT、Washington Post、Slate、The New Yorker、TED、The Onion、PBS、Voxなども、デビュー当初より本アプリケーションを利用している。

利用者に有名人が多くいたこともあり、本アプリケーションの目的が著名人の情報を集めて、それを一般の人に提供することにあるのだろうと勘違いした人も多かった。あるいは有名人が名声を利用して小遣い稼ぎをしようとしているのだと勘ぐるひとさえいた。ただ、li.stというのは、著名人が片手間に作ったものとは一線を画すものであった。セレブ情報を集めてまとめ情報を提供するというものでもない。

使ってみた人たちはリスト形式にまとめることの有効性に改めて気づくこととなった。Twitterでは短すぎて表現できず、かといってMediumなどのブログで記事にするような内容でもないものを、こぞってリスト化し始めたのだった。

Screen Shot 2016-05-09 at 2.04.46 PMエッセイを書くのに躊躇いを感じても、リストであれば手を出しやすい。メリットをあげるリストでも、お役立ち情報を集めたものでも、リスト形式ならすぐに書くことができ、そして情報が世の中に広まりやすくなる。

リスト形式では文章も短くなりがちだが、それがかえってわかりやすい文章を生み出すことにも繋がった。

Flaherty曰く、このアプリケーションは、文章の構造を意識せずに言いたいことを表現できるのだとのこと。

リスト形式で書くことの容易さを理解して、多くの人が身の回りの情報をリスト化し始めることとなった。たとえばジャズの名盤リストや、おじいさん・おばあさんになる人に向けたTips集、さらには「やせ社会の中でデブでいる意味」などのリストが公開されている。

「アプリケーションを使って、さまざまな内容について書いてくれる人が増えてきました」とFlahertyは言う。「それぞれの人のもつ魅力を、より多くの人に伝えるために役立っているのではないでしょうか」とのこと。この観点から将来的には「パーソナライズ」の機能をいろいろと加えていきたいのだそうだ。

もちろん、当初より有名人やメディアが利用していたのも、利用者層の拡大に役だった。

セレブの方々のネームバリューも、発展に寄与することとなりましたと、Novakも言っている。

「しかし最終的には、アプリケーションの中身により、利用者を集めることができたのだと考えています」。

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FlahertyもNovakの発言を裏付けている。すなわちFlahertyは「The Office」」を知らず、妻にNovakがなぜ有名なのかを尋ねたりもしたそうなのだ。

しかしNovakの方も、Flahertyが自らを「良いアイデアを持つ人物」として、色眼鏡なしに判断してくれたことを喜んでいる様子だ。

「何も知らない素人としてテック業界に入って来ましたが、本当に面白い世界だと感じています」と、すでにli.stを世に出してしばらく立つにもかかわらずNovakは言っている。

「アイデア勝負の業界ですね」と、テック業界についてNovakは言う。「今のところは、ホラー映画で面白い役作りをする人と接するよりも、さまざまなアイデアを実現している業界のスターたちと触れ合うことの方を面白く感じているのです」。

ちなみに昨年アプリケーションをリリースする際、200万ドルのシード資金を獲得しているのだそうだ。

li.stのウェブ版も4週間ないし6週間のうちに登場する予定であるとのこと。スマートフォンの小さな画面をタップするのではなく、キーボードを使ってリストの作成ができるようになるわけだ。

このたびリリースされたAndroid版はこちらから利用できる。

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(翻訳:Maeda, H

養殖業などのための海の中の検査点検作業を無人で行う水中ドローンSeaDrone

ドローンはこのところ、あっという間にメジャーな存在になってきて、人気の製品はますます安くなり、コントロールしやすくなっている。でも、ドローンは空中だけに限定されるべきものか? 今日(米国時間5/10)のDisrupt NYのステージでデモをしたSeaDroneは、複数回転翼の航空ドローンの単純さが持つ利点を、水中で生かそうとする。

O-Robotixの協同ファウンダーEduardo Morenoはこう語る、“水中用のクァッドコプター(4翼ヘリ)だから、ミサイルに似ていないし、そのほかの水中ドローンにも似ていない。自己安定化能力がある。われわれが取り組んだイノベーションは、人間がコントロールしないロボットが水中で長時間、非常に安定した映像を撮れることだ”。

彼の水中ドローンは今の空中ドローンに似たスタイルだが、タービンは同社の特製だ。それは一般市販品よりも小型軽量でシンプルで、しかも耐久性がある。あらゆる部分でコスト削減に努め、操縦性を改良した結果だ。

ケースに収めると、車のシートの収まる大きさだ(下図)。これも重要な特徴のひとつ。

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SeaDroneはタブレットのアプリでコントロールし、製品自体もカスタム化したLinuxを搭載して、リモコンの水中機によくある“きわめてアナログな”コントロール方式を避けようとしている。機自身がOSを動かしているため、プログラマブルな動きができる。たとえば漁業用や養殖海域のネットの自動点検とか、360度の水中撮影などだ。

一見、ホビイスト用にも見えるが、実際には仕事用をねらっている。とくに、養殖業や海中農業がターゲットだ。

“養殖業はこれまで、人間が頻繁に水中に潜って点検する必要があった”、とMorenoは述べる。そのほか、船やドックや網、パイプラインの点検なども、これまでは高価な遠隔操作機や専門のダイバーを必要とした。SeaDroneなら、それらの数分の一〜数十分の一の費用で点検でき、専門家でなくても操作できる。

今後O-Robotixは、水中ドローンを売るだけでなく、それらが集めてくるデータを保存し、組織化し、分析するプラットホームも作る予定だ。とくに養殖場や孵化場などは、大量のデータ収集と分析を要する。お役所に提出すべき文書も、少なくない…それらの作成もたいへんな作業だ。

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“人間が自分で文書を作ったり、写真やビデオを自分で撮らなくても、この水中ドローンが必要な情報収集をやってくれる”、とMorenoは語る。SeaDroneユーザーのためのデータプラットホームは、同社のもうひとつの重要な収益源になるだろう。

同社は今のところ外部資金を導入していないが、本番の製造は開始している。もちろんそのために当然、資金が必要になるはずだ。ハードウェア企業は軌道に乗るまでがたいへんだが、でもO-Robotixは、競合相手の少ない、まだ混み合っていない市場で、有利にやっていけそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

CTやレントゲン画像からの症状検出を人間医師/技術者より正確に行う機械学習ソフトウェアBehold.ai

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Jeet Rautのお母さんは、乳がんの完治を告げられた。でも、それは誤診で、再び治療が必要になった。

今では良くなっているけど、その誤診で彼女の命が奪われたこともありえる。そこでRaut は、体の中の、医療を要する異状を見つけるための、もっと良い方法を作ろう、と思い立った。

彼と、協同ファウンダーのPeter Wakahiu Njengaが作ったBehold.aiは、がんの早期発見を助け、診断における人的エラーを最小化する。

“Behold.aiの基本的なねらいは、効率を高めること”、とRautは、TechCrunch Disrupt NY 2016のStartup Battlefieldで述べた。

イギリスのオンライン医学誌BMJ(British Medical Journal)によると、合衆国では人間の死因の第三位が医療過誤だ。しかもX線による体のスキャンは、年々より多く行われるようになっている。その回数は2012年以降三倍に増え、 患者1000人あたり149回のCTスキャンが行われている。画像の中の、小さな異状が見過ごされる危険性も、当然増えている。

“今の医師は多くのデータを利用できるようになっているが、そのためにレントゲン技師が読むべき画像の量も膨大だ”、とRautは問題を指摘する。

そこでRautとNjengaは高度な機械学習の技術を利用して、同じことをプログラムがもっと上手に速くできるようにした。

二人ともコロンビア大学卒だが、Njengaはその後UC Berkeleyで学び、Facebookで機械学習のソフトウェアエンジニアとして働いた。Rautはイリノイ大、スタンフォード大と進み、後者のComputers and Cognition Labで長寿について研究した。

Behold.aiを支えているのは、二人のこれまでの研究歴だ。たとえば数百人もの健康な肺と健康でない肺のレントゲン写真を、機械学習のソフトウェアに読ませる。そうやって問題を見つけられるよう訓練し、さらに時間をかけて改良していく。

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それは、人間の医師やレントゲン技師に比べて、どれぐらい優秀か? Rautは、彼らのアルゴリズムが100%正確ではない、と認める。感触としては、精度は85%ぐらいだそうだ。

“最初は現状の精度を維持しながら医師の効率をアップすることをねらっていたが、でも徐々に、医師の診断の精度をアップする方が重要、と思うようになった”、と彼は語る。

信頼、という問題もある。病院には官僚主義の塊のようなところがあり、なかなか新しい技術を採用してくれない。しかし今Rautは、いくつかの大きな病院に、今後のパートナーシップを働きかけている。

Behold.aiにとっては、IBMのWatsonやそのほかの、医療への進出をねらっているAIプロダクトがコンペティターだ。またもちろん、FDAの認可を得ることも課題だ(IBMは議会にもWatsonの医療利用とその認可を働きかけている)。

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BotifyはGoogleの検索クローラーGooglebotがあなたのページを訪れるようにしてくれる新種のSEOサービス

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Google検索のランクが、企業の浮沈を決める。検索結果の上の方に出ないと、あなたのサイトは訪れる人も途絶え、閑古鳥が鳴く。

では、Googleはどうやって、検索結果の登場順位を決めているのだろう? それを決めているのは、インターネット上のあらゆるサイトを這いまわって、検索結果の元となるインデックスを作っている、GooglebotというGoogle独自の自動運転ソフト、というかスクリプトだ。このスクリプトは仕様等が公開されていないので、Webサイトの作者が検索エンジンのクローラー(crawler, 這いまわり屋)の特性に合わせたSEOをやるのは、ほぼ不可能だ。

そこで、クラウドサービスとして提供されるBotifyは、あなたのWebサイトを調べて詳細なSEO分析を行い、何をすべきかを指南する。今日のDisrupt NYでデビューしたこのフランスの企業は、すでに720万ドルを調達しており、顧客の中にはeBay, BlaBlaCar, Expediaなどの大物の名も見える。

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Botifyは、いくつかの点でこれまでのSEO屋さんとは違っている。

第一に、あなたのサイトのどのページをGoogleがクロールしたかを検出できる。GoogleがWebサイトをクロールすると、そのサイトのサーバーのログに痕跡が残る。Botifyがそのログを見ることができれば、Googleのクローラーがどのページを訪れたかが分かる。

ユーザーはBotifyをクローラーとして利用することもできるが、そのクローラーの能力、一つのWebサイトから訪れる他のWebサイトの数1億5000万は、同社に言わせると世界記録だそうだ。なおユーザーは、自分のサイトのサーバーの能力に合わせって、このクローラーの速度(毎秒10〜200サイト)を指定できる。

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CEOのAdrien Menardによると、“Googleがクロールしないページは検索からのトラフィックが生じないので、サイトの売上に貢献しない。Googleのクローラーがそのページを訪れるようにすることが、そのWebサイトの必須の経営課題だ”。

そのためにBotifyが勧める策は、多くのSEOコンサルタントが言うように、そのページのコンテンツを増やすことではなく、“サイト全体の構成を改善して、効率を高める”ことだ。

たとえばそれは、内部的リンクの構造を、Googleのクローラが各ページを訪れやすいように組み替えること。また、各ページをロード時間の短い軽いページにすることも、重要だ。

こういう、密度の濃いSEOは、大きなWebサイトに合っているだろう。Botifyの料金体系もそのことを示唆していて、最低料金が対象URL数500万、月額500ドルだ。エンタープライズプランでは月額1万ドル以上になる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))