フェイスブックが「最も人気のある投稿のランキング」を発表するも得るものなし

Facebook(フェイスブック)は、同プラットフォームで最も人気のある投稿をまとめたレポートを新たに発行した。最も実績のあるコンテンツに関して同社が意図的に曖昧にしているとする批判をかわすためだ。

Facebookの新たな「widely viewed content reports」(よく見られたコンテンツのレポート)は四半期ごとに公開され、米国で最も多く閲覧されたニュースフィード記事が3カ月ごとに反映される。これは最新トレンドの観察に役立つであろうリアルタイムのデータモニタリングではない。

この新たなデータによってFacebookは、同社のアルゴリズムがブラックボックスの中で動作しているとする批判と戦おうとしている。しかし、誤解を招くことの多いブログでの反論や、同社がシェアしてきたいいとこ取りデータと同じく、今回の透明性に対する会社のポーズは、ないよりはましだが有用とはいえない。

では、ここから何が「わかる」のか?新しいデータセットによると、2021年第2四半期に米国で人々が見た投稿の87%は外部へのリンクを含んでいなかった。これは注目には値するがあまり意味はない、なぜならFacebookには毎日のようにリンクをシェアしたり見たりしている驚くほど多くの人々がまだいるからだ。

YouTubeは予想どおり、Facebookの選んだ指標である「contents viewers」(コンテンツ・ビュワー)のトップだった。これはニュースフィードで何らかのコンテンツを見たアカウントという定義なので、あまり役に立つ詳細データとはいえない。Amazon(アマゾン)、Gofundme(ゴーファンドミー)、TikTok(ティックトック)などもトップ10に入っておりこれも驚きはない。

Facebookが最も見られたリンクを分析し始めると、事態はより奇妙になる。トップ5リンクには、NFLのフットボールチームであるグリーンベイ・パッカーズのOB向けウェブサイトや、大麻製品CBDのオンラインマーケットプレイス、クリスチャンがテーマのグラフィックTシャツの有名とおぼしきポータル、reppnforchrist.comなどが入っている。親トランプ陰謀論その他の偽情報を拡散していることで知られるサイトEpoch Times(エポック・タイムズ)の購読ページが10位にはいっているが、2匹のネコがしっぽを交差させて歩いているTumblr(タンブラー)のリンクには負けている。

画像クレジット:Facebook

Yahoo(ヤフー)とABC News(エービーシー・ニュース)は、この形でデータを切り分けたトップ20に入った唯2つの主要メディアだ。さらにFacebookは、期間中人々が最もよく見た投稿を、ほとんど無害だが奇妙なミームのリストに沿って分類した。例えば「もしあなたのVAGINA(ネコのエモジ)またはPENIS(ナスのエモジ)が、最後に見たテレビ番組や映画にちなんで名付けれたのなら、何になりますか」など。

なぜFacebookがこの方法を選んでデータを集計、表示したのか不思議に思っているなら、それはこの会社があることを証明しようと必死だからだ。つまり、同社のプラットフォームは見出しを賑わすような政治的陰謀論や物議を醸している右翼活動家に侵略されていない、ということ。

このデータセットは、FacebookのNew York Times(ニューヨーク・タイムズ)Kevin Rose(ケビン・ローズ)記者との長年の戦いにおける最新の議論だ。同氏はTwitterアカウントを作ってFacebookの最もエンゲージメントの多い投稿を毎日紹介しており、測定はFacebook傘下のソーシャルメディアモニタリングツールであるCrowdTangle(クラウドタングル)が行っている。

エンゲージメント(いいね!、コメント、シェア、クリックなど)指標でみると、Facebookの米国での成績上位記事は、極右活動家やNewsmax(ニュースマックス)のようにFacebookが距離を置きたいであろう選挙陰謀論推進サイトによって日常的に占められている。

Facebookは、最もインタラクションの多い投稿は同プラットフォーム上のトップコンテンツを正確に表してはいない、と主張する。ある投稿を何人が見たかを測定するリーチデータの方が優れた測定基準だとFacebookは断言するが、エンゲージメントデータが同様あるいはそれ以上に有効でないという理由はない。

「最も多くの人に見られたコンテンツが、最も多くのエンゲージメントを得たコンテンツでもあるとは限りません」とFacebookは書いている。明らかにローズ氏への当てこすりだ。

会社はプラットフォーム全般において政治的コンテンツを目立たせたくない。ロシア偽情報の拡散、凶暴な極右民兵、1月に米国議会議事堂で死者を出す暴動を起こすきかっかけとなったStop the Steal(選挙泥棒を阻止せよ)運動など、これまでの歴史を踏まえれば驚くことではない。

関連記事:ザッカーバーグ氏は「議会議事堂襲撃の責任はフェイスブックではなくトランプ元大統領にある」という

The New York Timesが以前報じたように、Facebookは同社のリーチデータを公開ダッシュボードで広く公開する計画を中止したことがある。「そのバージョン」のトップ投稿でさえ、状況を正しく反映しないことを恐れたためだった。

代わりに会社はそのデータのテイストを、紛らわしく凝縮された四半期レポートにして提供することを選んだ。その結果は不可解なジャンクコンテンツ(いや本当に、パッカーズのサイトが何なのだ?)ばかりで政治に関するものはない。Facebookの透明性に関するぞんざいな態度はともかく、Facebookが最も人気のあるコンテンツのより深淵で幅広いランキングを人々に見せることを妨げる理由はなにもないことは覚えておく価値がある。

関連記事:フェイスブックがニューヨーク大学研究者からのアクセスを遮断、議員から反発を受ける

カテゴリー:ネットサービス
タグ:FacebookSNS

画像クレジット:Sean Gallup / Getty Images

原文へ

(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nob Takahashi / facebook

フェイスブックが「2Africa」海底ケーブルネットワークをさらに4つの地域へ拡張

Facebook(フェイスブック)は米国時間8月16日、アフリカ大陸および中東地域をカバーする「最も包括的」な海底ケーブルを、さらに4つの地域へ拡張すると発表した。

Facebookは、China Mobile International(チャイナ・モバイル・インターナショナル)、MTN GlobalConnect(MTNグローバルコネクト)、Orange(オレンジ)、STC(サウジ・テレコム)、Telecom Egypt(テレコム・エジプト)、Vodafone(ボーダフォン)、WIOCCからなる「2Africa」コンソーシアムと共同でこれを行う。

新たに加わる地域はセーシェル、コモロ諸島、アンゴラ、ナイジェリア南東部だ。最近発表されたカナリア諸島に続き、これらの国々へ新たに海底ケーブルが拡張されることになる。

Facebookは2020年、この2Africaプロジェクトで3万7000kmのケーブルを敷設すると発表した。これらのケーブルは、エジプトを経由してヨーロッパと、サウジアラビアを経由して中東と、そしてアフリカ16カ国21カ所の陸揚局を相互接続する。

関係者は当時、2Africaプロジェクトは2023年か2024年初めには完成するだろうと語っていた。このシステムが稼働すれば、現在アフリカで提供されているすべての海底ケーブルの総容量を超えるサービスが提供できるようになるという。

画像クレジット:2Africa

コンソーシアムから発行されたFacebookの新たな声明によると、計画は依然として2023年後半の稼働を予定しているとのこと。2Africaプロジェクトはいくらか進展しており、海底ルートの調査活動の大部分が完了していると、コンソーシアムは述べている。エジプト海と地中海の接続もほぼ完了していると、声明には書かれている。今回発表された新区間の海洋調査も、2021年末までに完了する予定だという。

コンソーシアムは、新支線の敷設にNokia(ノキア)のASN(アルカテル・サブマリン・ネットワークス)を選定。これによって2Africaの陸揚局は26カ国35カ所となる。

「Facebookによる2Africaへの多額の投資は、南アフリカ、ウガンダ、ナイジェリア、コンゴ民主共和国におけるインフラ投資など、私たちがこれまでに行ってきたいくつかの投資の上に成り立っているものです。新型コロナウイルスの感染拡大は、世界中の何十億もの人々が仕事や学校、大切な人とのつながりを保つためにインターネットに依存し、接続性の重要性を浮き彫りにしました」と、Facebookの広報担当者は、同社によるアフリカへの継続的な投資について述べている。

「2Africaは、アフリカ大陸全体の接続インフラを前進させる重要な要素であるだけでなく、経済回復の重要な時期に行われる大規模な投資にもなります。ますます多くの人々がインターネットに依存するようになる中、常に大事な人やものと確実につながるために、海底ケーブルは不可欠な要素です。Facebookが海底ケーブルに投資するのは、当社の製品を利用する人々により良い体験を提供するためですが、当社の投資はすべての人にコスト効率の良いインターネットを提供することになります」。

関連記事
グーグルが米国とアルゼンチンを結ぶ新海底ケーブル「Firmina」発表、電力供給能力で前進
米欧を結ぶグーグルの新海底ケーブル「Dunant」が稼働開始、通信容量250テラビット/秒
Googleがシンガポールとオーストラリアを結ぶ海底ケーブルに投資

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Facebookアフリカ中東海底ケーブルヨーロッパ

画像クレジット:ANDER GILLENEA / AFP / Getty Images

原文へ

(文:Tage Kene-Okafor、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Facebookがエンド・ツー・エンド暗号化をMessengerの通話やInstagramのメッセージに拡大

Facebookはエンド・ツー・エンド暗号化を使用するオプションをMessengerの音声通話とビデオ通話にも拡大した。

他者に通話やチャットを見聞きされることを防ぐセキュリティ機能のエンド・ツー・エンド暗号化(E2EE)は、2016年からFacebook Messengerのテキストチャットで利用できるようになっていた。Facebookは政府からエンド・ツー・エンド暗号化の計画を取り下げるようにとプレッシャーをかけられてきたが、同社はエンド・ツー・エンド暗号化による保護をMessengerの音声通話とビデオ通話の両方に拡大する。つまり「Facebookも含めて誰も、送信したり話したりした内容を見たり聞いたりすることはできない」ということだ。

Messengerのプロダクトマネジメント担当ディレクターであるRuth Kricheli(ルース・クリチェリ)氏は米国時間8月13日のブログで「エンド・ツー・エンド暗号化はWhatsAppなどのアプリですでに広く使われ、個人の会話をハッカーや犯罪者から守っています。業界標準になりつつあり、会話全体にわたってチャットや通話にいるのが自分と相手だけになるように鍵をかける働きをします」と述べた。

Facebookは他にもE2EEの準備をしている。Messengerでのグループチャットやグループ通話をエンド・ツー・エンド暗号化するパブリックテストを数週間以内に開始し、InstagramのダイレクトメッセージでもE2EEを限定的にテストする計画だ。テストに参加する人は、Instagram上で1対1のメッセージや通話のエンド・ツー・エンド暗号化を選択できるようになる。

Facebookは暗号化の他に、同社傘下のWhatsAppで利用できるのと同様の消えるメッセージの機能もアップデートする。チャットのオプションが増え、すべての新規メッセージが消えるまでの時間を5秒から24時間の間で選択できる。

クリチェリ氏は「人々はメッセージングアプリが安全でプライバシーが守られることを期待しています。こうした新機能で、通話やチャットに求めるプライバシーをさらに自分でコントロールできるようにします」と述べた。

このエンド・ツー・エンド暗号化拡大のニュースのほんの数日前には、Facebookがプライバシー設定を再び変更したばかりだった。

カテゴリー:
タグ:

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

原文へ

(文:Carly Page、翻訳:Kaori Koyama)

Facebookのエンジニアがオープンソースの新しい時刻管理アプライアンスを開発

おそらく多くのひとたちは、携帯電話、ノートブック、ネットワークサーバーを問わず、自分たちのデバイスがどれだけ時刻に依存しているかをおそらく理解していないだろう。ほとんどの場合、時刻管理は難しいが退屈な仕事であり、限られた数のハードウェアメーカーによって扱われてきた。こうしたデバイスはその目的を果たしてきたものの、数名のFacebook(フェイスブック)のエンジニアがもっと良い方法が必要だと考えた。そこで彼らは、PCI Express(PCIe)カードの形でより正確な新しい時間管理デバイスを開発し、それをオープンソースプロジェクトとしてOpen Compute Project(オープン・コンピュート・プロジェクト)に寄贈した。

FacebookのプロダクションエンジニアであるOleg Obleukhov(オレグ・オブリコフ)氏によれば、このデバイスは基本的に問い合わせをしてもらうことで、問い合わせをしてきた各デバイスの時刻を合わせられるようにするものだという。「現在使われている、電話、時計、ノートブックその他の、ほぼすべての電子デバイスは、NTP(Network Time Protocol=ネットワーク時刻同期プロトコル)を利用しています。各デバイスはみなNTPを用いてNTPサーバーへの問い合わせを行っているのです。やっていることは単純で『いま何時?』と問い合わせるとサーバーが現在の時刻を答えるのです」と彼は説明する。

Facebookが今回の方法を開発する前は、時刻を確認するためには基本的に2つの方法があった。もし一般の開発者なら、時間チェックのメカニズムとしてインターネットを介してtime.facebook.comのようなNTPサーバーを使用するだろう、だがFacebookのような大規模な運用を行っている企業自身は、インターネットに接続していなくても機能する時計を必要としていたのだ。データセンターを運営している企業の中には、stratum 1(ストラタム・ワン)と呼ばれる種類のハードウェアデバイスが置かれている。これは、データセンター内に設置された大きな箱であり、時刻管理者としての役割を果たす以外の仕事を持たない。

こうした時刻管理ボックスは、何年にもわたって少数の企業によってのみ製造されてきたため、頑丈で確実に機能はしているものの、新しい機能を取り込むのは困難だった。さらに、それらの装置は独自仕様を持っているために、Facebookのような企業はその装置の振る舞いを制御することができなかった。オブリコフ氏と彼の同僚の研究者であるAhmad Byagowi(アフマド・ビアゴウィ)氏が探り始めたこの問題への解決手段は、一般に入手可能な部品を使ったPCIeカードを作成し、PCの空きスロットに挿入して使えるようにすることだった。

画像クレジット:Facebook

彼らは文字通りiPadで最初のデザインを描き、そのビジョンをプロトタイプとして作り始めた。時刻管理アプライアンスは、GNSS(global navigation satellite system)受信機と、高安定発振器と呼ばれる2つの重要な部品に依存している(GNSS受信機は時刻の基準となる上位の信号をインターネット経由ではなくGNSS衛星から直接受信する)。プロジェクトを説明したブログ投稿で、オブリコフ氏とビアゴウィ氏はこれら2つの部品の役割も説明している。

「すべては、現在時刻(ToD)と1秒に1パルス(PPS)を提供するGNSS受信機から始まります。その受信機が高安定発振器(例えば、原子時計または恒温槽制御の水晶発振器)と組み合わされた場合には、ナノ秒精度の時刻を提供することが可能です。この時刻は市販のネットワークカードを介してネットワーク全体に配信されます」と2人のエンジニアは書いている。

このように説明すると、すべてがかなり単純なもののように聞こえるが、実際には非常に複雑だ。おそらくそのことが、これまで誰もが現在の時刻決定手法を単に受け入れて、この問題に今回のようなやりかたでアプローチしてこなかった理由なのだ。しかし、2人のFacebookエンジニアは、これまでのアプローチの制約に悩まされ、自分たちでより良いものを構築することにした。

「その動機の大部分は欲求不満からやって来ました。私たちは市場に存在しているものすべてに不満を感じていました。そして、さまざまなことを保守できるセキュリティ機能や、何が起きているかを監視できる機能などが必要だったのです。なので私たちは常にベンダーに対してそれらの新機能について要求を出さなければならず、しかもその要求が毎回半年から1年かからなければ実現されなかったのです。その上、出来上がったものは私たちが本当に欲しいものではなかったりしました。そのためいつでも変更を繰り返さなければなりませんでした。これが私たちに今回の装置をゼロから作ることを決心させたのです」とオブリコフ氏はいう。

PCIeカードにタイムキーピング装置を搭載することを可能にしたものの1つは、原子時計/発振器の小型化の進歩だ。ということで、彼らが欲求不満を感じたタイミングとテクノロジーの現在の能力が組み合わさったときに、彼らはそのタスクに専念すれば、自分たちで装置を実現できることに気が付いたのだ。

設計がまとまり始めたとき、2人は他のエンジニアがその基本設計を使い、各自のニーズに合ったコンポーネントを投入できるような柔軟なものにすることを決定した。非常に洗練された高価な部品が必要な場合もあるが、要件によっては、はるかに安価な部品を使って済ませられる場合もある。

また、設計過程をオープンソース化し、他の企業やエンジニアが設計に貢献できるように、Open Compute Projectと協力することも早い段階で決定した。「実際に、最初からオープンソースにする予定でした。理由は、コミュニティのサポートが必要だったからです。単なる社内プロジェクトの1つにしたくありませんでしたし、私個人が興味を失ったり、会社が興味を失って無くなってしまったりすることもあるでしょう。何か起きるにせよ、これが続くようにしたかったのです」とオブリコフ氏は言った。

現在、このプロジェクトには12のベンダーが関与しており、2人が設計したものやOrilia(オリラ)からの商用製品など、多数のカードが存在している。だが目標は設計を継続的に改善することだ。オープンソースにすることで、関与する企業やエンジニアのコミュニティが、それを改善し続けるだろう。

カテゴリー:
タグ:

画像クレジット:sorbetto / Getty Images
原文へ
(文: Ron Miller、翻訳:sako)

米上院議員がFacebookに研究者のアカウントを停止させた理由の説明を求める

Facebook(フェイスブック)が先週、誤報研究プロジェクトに携わる研究者のアカウントを停止するという決定を下したことは、同社に対する大きな反発を招き、そして今、米国議会が関与する事態にまで発展している。

当時、何人かの議員はこの決定を批判し、Facebookが不透明なアルゴリズムや広告ターゲティングの方法を透明化しようとする努力を敵視していると非難していた。研究者たちは、これらの隠されたシステムを研究することが、政治的な誤報の流れを洞察するために重要な作業であると考えている。

関連記事:フェイスブックがニューヨーク大学研究者からのアクセスを遮断、議員から反発を受ける

Facebookは、特にニューヨーク大学の「Cybersecurity for Democracy(サイバーセキュリティ・フォー・デモクラシー)」プロジェクトに所属する2人の研究者に対して罰則的な措置をとった。この研究者たちは「Ad Observer(アド・オブザーバー)」と呼ばれるオプトイン方式のブラウザツールを使って、Facebookがどのように人々の興味や属性に応じて広告ターゲティングを行っているかを研究している。

ロン・ワイデン
長年にわたってユーザーのプライバシーを侵害してきたFacebookが、その問題点を暴露する研究者を取り締まる口実として、プライバシー侵害という言葉を利用するのは、馬鹿げていると思います。私はFTCに、この言い訳がインチキであることを確認するよう求めました。

ラウラ・エデルソン
今夜、Facebookは私のFacebookアカウントと、ニューヨーク大学のチームであるCybersecurity for Democracyに関連する数名のアカウントを停止しました。これにより、私たちはFacebookのAd LibraryデータやCrowdtangleへのアクセスができなくなりました。

上院議員のAmy Klobuchar(エイミー・クロブチャー)氏(民主党・ミネソタ州)、Chris Coons(クリス・クーンズ)氏(民主党・デラウェア州)、Mark Warner (マーク・ワーナー)氏(民主党・ヴァージニア州)は、FacebookのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)CEOに宛てた書簡で、研究者のアカウントを削除した理由や、彼らがどのようにプラットフォームの利用規約に違反してユーザーのプライバシーを侵害したというのかということについて、十分な説明を求めている。議員たちは米国時間8月6日にこの書簡を送った。

「Facebookがユーザーのプライバシーを守らなければならないことには同意しますが、同様に、Ad Observatoryプロジェクトに参加しているような信頼できる学術研究者やジャーナリストが、Facebookのプラットフォーム上で拡散している誤報や偽情報、その他の有害な活動に、同社がどのように取り組むべきかを明らかにするために独立した調査を行うことを、Facebookは許可しなければなりません」と、議員たちは書いている。

議員たちは長い間、特に2016年にFacebookが選挙の偽情報を配信していたことが発覚した後、政治広告や誤報について、より透明性を高めるよう同社に求めてきた。こうした懸念は、Trump(トランプ)氏の支持者が投票結果を覆そうとして連邦議会議事堂で暴動を起こすに至った選挙に関する誤報の拡散に、Facebookが重大な役割を果たしたことから、さらに高まった。

Facebookは、今回の決定を擁護するブログ記事の中で、アカウントを停止させた理由の1つとして、FTC(米連邦取引委員会)の命令を遵守するためということを挙げている。しかし、FTCは先週、ザッカーバーグ氏に宛てた書簡の中で、FTCの同社に対する指導は公益目的の研究を奨励することを妨げるものではないと指摘し、Facebookの虚勢を批判した。

「実際に、FTCは、特に監視型広告を中心とした不透明なビジネス慣行に光を当てようとする努力を支援しています」と、FTCの消費者保護局で局長代理を務めるSamuel Levine(サミュエル・レヴィン)氏は書いている。

関連記事:

カテゴリー:ネットサービス
タグ:FacebookSNS透明性ニューヨーク大学プライバシーFacebook広告ブラウザ機能拡張ソーシャルメディア偽情報

画像クレジット:Jakub Porzycki/NurPhoto / Getty Images

原文へ

(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

フェイスブックがデータ転送先のオプションにPhotobucketとGoogleカレンダーを追加

Facebook(フェイスブック)は米国時間8月9日、同ソーシャルネットワークからデータを移動させたいときのために、新たに2つの移動先を追加すると発表した。同社のブログ記事によると、ユーザーは画像をPhotobucket(フォトバケット)に、イベントリストをGoogleカレンダーに移動できるようになるとのこと。プロダクトマネージャーのHadi Michel(ハディ・ミシェル)氏は、この情報転送ツールが「完全に再構築」され「よりシンプルで直感的」になったことで、ユーザーはどのプラットフォームに何を共有できるかが、より明確になったと述べている。さらにユーザーは、複数の転送を同時に開始できるようになり、1つの転送先にエクスポートする対象を、より細かく制御できるようになった。

これは、各サービス間でデータを安全かつ簡単に移行できるようにするために、Google(グーグル)、Facebook、Microsoft(マイクロソフト)が共同で開発しているオープンソースプロジェクト「Data Transfer Project(データ転送プロジェクト)」に追加された機能だ。すでにFacebookのユーザーは、Facebookに投稿した写真を、Googleの画像ストレージサービスをはじめ、Dropbox(ドロップボックス)Blogger(ブロガー)、Google Documents(Googleドキュメント)、WordPress(ワードプレス)などのサービスに転送できるようになっている。これは、ユーザーが自分のデータを他のどの競合プラットフォームにも転送できるようにするために、長いこと制定が進められてきたACCESS Act(Augmenting Compatibility and Competition by Enabling Service Switching Act、サービスの切り替えを可能にすることで互換性と競争を増大させる法律)への対応策でもある。Facebookは政府に対して「データが異なるサービスに転送された場合、そのデータを保護する責任は誰にあるのかについて、より明確にするルールを策定する」よう求めていると述べている。

編集部注:この記事はEngadgetに掲載されている。本稿を執筆したDaniel Cooperは、Engadgetの編集主任。

関連記事
フェイスブックがニューヨーク大学研究者からのアクセスを遮断、議員から反発を受ける
なんとフェイスブックがまたもプライバシー設定を変更
フェイスブックもグーグルと同様に職場復帰する従業員にワクチン接種を義務付け

カテゴリー:ネットサービス
タグ:FacebookPhotobucketGoogleカレンダーSNS

画像クレジット:Jakub Porzycki/NurPhoto / Getty Images

原文へ

(文:Daniel Cooper、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Instagramショップに広告機能が追加されeコマースますます本格化

Instagramは最近ますます、eコマースに力を入れている。今度はInstagramショップに広告機能であるAds in Instagram Shopが加わった。同社によると現在はこの新しいフォーマットをテスト中で、単一の画像と画像のカルーセルの両方を利用できる。現在一部の米国の広告主だけが利用できるが、数カ月後には他の市場にも広まる。

同社が Instagramショップを導入したのは2020年のことで、これにより親会社のFacebookは、Instagramを単なるソーシャルプラットフォームで友だちと会ったり、お気に入りのブランドをフォローするだけでなく、オンラインのショッピングの目的地にしようとした。もちろんショッピングであるため決済機能もある。そして当然それは、消費者とつながることを求めるブランドが、さらに広告費を支出するため、Facebookの広告モデルにも寄与する。

関連記事:事業者がFacebookページとInstagramプロフィールから通販が可能に、Shopifyなどとも連携可能に

同社によると、Instagramのその他の広告プロダクトと同様、Ads in Instagram Shopもオークション的な形だ。そもそもショップがモバイルだけの機能だから、その広告もモバイルだけだが、ユーザーが広告を目にする頻度はInstagramを訪れる頻度や、そこでショッピングをする人の数次第だ。この点に関して同社は、消費者の感情をモニタして、広告とコンテンツの調和を図る計画だ、と言っている。

Away、Donny Davy、Boo Oh、Clare paint、JNJ Gifts、DEUX、そしてFenty Beautyなどが、現在、この広告プロダクトのテストに参加しているひと握りの米国の広告主となる。これらのブランドはInstagramのユーザーがよく買い物をする、美容、インテリア、ペット関連、旅行など人気カテゴリーのブランドをカバーしている。

一般的な広告展開の日程は明らかでないが、なにしろ数カ月後には米国以外の広告主でも、この新しい広告形式を使えるようになるという。

Instagramショップタブは。近年のInstagramの新機能の中では議論を招いたものの1つだ。下の列の、人気のあった「アクティビティ」タブ(ハートボタン)をショップタブが追放する形になったからだ。アプリが前よりもずっと商業的になり、一部のユーザーを遠ざけた。今日は、Instagramの元々のクリエイティブのコミュニティが、Instagramが写真共有のルーツから離れて、TikTokのクローンであるReels(リール)などを追加してきたことで、今後の対応を検討しているとの報道もある。

関連記事:Instagramが「アクティビティ」の代わりに「ショップ」タブを配置するテストをグローバルで実施

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Instagrameコマース広告FacebookInstagramショップ

画像クレジット:Facebook

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

フェイスブックがニューヨーク大学研究者からのアクセスを遮断、議員から反発を受ける

Facebook(フェイスブック)は米国時間8月3日、2人の学術研究者のアカウントを停止し、世界最大のソーシャルネットワーク上における政治広告や誤報を研究する力を奪った。

Facebookは、2人の研究者が「不正なスクレイピング」を行い、同社のプラットフォーム上でユーザーのプライバシーを侵害したと非難した。しかし、この主張に対し、Facebookの多くの批判者は、透明性に関する研究を阻止するための薄っぺらい口実だと酷評している。

Facebookが行動を起こした相手は、ニューヨーク大学の「Cybersecurity for Democracy(サイバーセキュリティ・フォー・デモクラシー)」プロジェクトに所属する著名な研究者で、以前からFacebookと対立していたLaura Edelson(ラウラ・エデルソン)氏とDamon McCoy(デーモン・マッコイ)氏の2人。この措置により、2人は「Ad Library(広告ライブラリ)」(これまでFacebookが行ってきた唯一の重要な透明性確保の取り組みだ)にアクセスできなくなり、さらにFacebookのモニタリングサービス「CrowdTangle(クラウドタングル)」から得られる人気投稿に関するデータも利用できなくなった。

Facebookとエデルソン氏やマッコイ氏との間には、過去に因縁がある。同社は2020年の米国大統領選挙の数週間前に、2人が作成した「Ad Observer(アド・オブザーバー)」と呼ばれるオプトインのブラウザツールを無効にして調査結果も公表しないように求める停止命令を送っていた。Ad Observerは誰でもインストールできるブラウザツールで、Facebookを1兆ドル(約110兆円)規模の企業に成長させた広告が、誰をどのようにターゲットにしているかを、研究者が知ることができるようにするものだ。

「この数年間、私たちはこのアクセスを使用して、Facebook広告ライブラリのシステム上の欠陥を明らかにし、選挙システムに不信感を植え付ける多くの政治広告の誤報を特定し、Facebookが党派的な誤報を明らかに増幅させていることについて調査してきました」と、エデルソン氏はTwitter(ツイッター)で述べている。

「Facebookは、私たちのアカウントを停止することで、これらすべての研究を事実上終わらせました。また、Facebookは、私たちのプロジェクトを通じてFacebookのデータにアクセスしている他の20数名の研究者やジャーナリストたちへのアクセスも、事実上遮断しました。それらの中には、Virality Project(バイラリティ・プロジェクト)と共同で行っているワクチンの誤報に関する調査や、私たちのデータを利用している多くのパートナーが含まれます」。

この事件をきっかけに、Facebookがより危険な行動におよぶ可能性において、透明性よりも不透明性を重視する姿勢が改めて批判されることになった。

翌8月4日になると、Facebookの行動は一部の連邦議会議員からも注目を集めた。民主党のRon Wyden(ロン・ワイデン)上院議員(オレゴン州選出)は、Facebookがユーザー保護の名目で研究者を罰する決定を下したことについて、同社が習慣的にプライバシーを侵害してきた長い歴史に照らし合わせて批判した。また、ワイデン上院議員は、Facebookが研究者のアクセス権を剥奪したのは、過去にユーザーのプライバシーを侵害したとして連邦取引委員会から出されたプライバシーに関する命令を遵守するためであるという同社の主張を「はったり」であると言い放った。

ロン・ワイデン
長年にわたってユーザーのプライバシーを侵害してきたFacebookが、その問題点を暴露する研究者を取り締まる口実として、プライバシー侵害という言葉を利用するのは、馬鹿げています。私はFTCに、この言い訳がインチキであることを確認するよう求めました。

ラウラ・エデルソン
今夜、Facebookは私のFacebookアカウントと、ニューヨーク大学のチームであるCybersecurity for Democracyに関連する数名のアカウントを停止しました。これにより、私たちはFacebookのAd LibraryデータやCrowdtangleへのアクセスができなくなりました。

民主党のマーク・ワーナー上院議員(バージニア州選出)も、Facebookの最新の論争について、この決定を「深く憂慮すべきもの」と意見した。ワーナー上院議員は、独立した研究者たちが「有害で搾取的な活動を明らかにすることで、ソーシャルメディアプラットフォームの品位と安全性を改善し続けている」と讃えている。

ワーナー上院議員は「詐欺や不正行為の主な原因となり続けているオンライン広告の影の世界に、より高い透明性をもたらすために、議会が行動を起こすべき時はとっくに来ています」と語った。

Firefox(ファイヤーフォックス)の開発元であるMozilla(モジラ)は4日、Ad Observerを擁護し、同社のストアフロントでこのブラウザ拡張機能を推奨する前に「コードレビューと同意フローの検証の両方を行って、2回レビューした」と強調した。Mozillaのチーフセキュリティオフィサーは、ブログ記事の中で、Facebookの主張は「まったく筋が通っていない」と述べている。

同日には、多くの独立した通信社、研究者、誤報専門家もFacebookの決定を非難した。The Markup(ザ・マークアップ)のJulia Angwin(ジュリア・アングイン)氏とNabiha Syed(ナビハ・サイード)氏は「Facebookのプライバシーに対するぞんざいなアプローチが、同社がこれほどまでに支配的になることを可能にしました」と、共同声明の中で書いている。

「しかし今、独立した研究者たちが、同社のプラットフォームとその影響力を調べようとすると、Facebookはユーザーのプライバシーを盾にして隠れようとしているのです」。

関連記事
なんとフェイスブックがまたもプライバシー設定を変更
フェイスブックもグーグルと同様に職場復帰する従業員にワクチン接種を義務付け
ザッカーバーグ氏は110兆円規模のフェイスブックを「メタバース」企業にすると投資家に語る

カテゴリー:ネットサービス
タグ:FacebookSNS透明性ニューヨーク大学プライバシーFacebook広告ブラウザ機能拡張

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

なんとフェイスブックがまたもプライバシー設定を変更

ユーザーへの思いやりを忘れないFacebook(フェイスブック)は、ものごとを明確で見つけやすくするためにはプライバシー設定を少々いじる必要があると判断した。そのために同社は「プライバシー設定」の設定項目をさまざまなカテゴリーへといたずらっぽく分散させた。

「当社はモバイルアプリの設定メニューを全面的に改訂して目的のものを見つけやすくしました。設定を20近い画面に分ける代わりに、1カ所からアクセスできるようにしました」と変更を知らせるブログ記事でFacebookで述べた。

おっと失礼。これは2018年の記事だった。さまざまな場所に分散化することに関する本日の投稿は「これだ」

「設定は6つの大項目に分類され、それぞれに、関連のある設定がいくつか入っています。Account(アカウント)、Preferences(設定)、Audience and Visibility(共有範囲と公開範囲)、Permissions(アクセス許可)、Your Information(あなたの情報)、Community Standards and Legal Policies(コミュニティ規定、利用規約およびポリシー)。プライバシー設定のカテゴリーを分解して、これまで入っていた設定を他のカテゴリーの中に移動しました」。

acebookがプライバシー設定を新たなカテゴリーに分解

このうちどのカテゴリーにプライバシー設定が属していると思うだろうか?Facebookは「人々のメンタルモデルによく合うように名称変更しました」と述べているので、明白であるに違いない。あなたのメンタルモデルを使うだけだ。

あなたの答えが「おそらく全部」だったら、おめでとう、そのとおり!今後プライバシー設定を変更したいとき、必要なのは新しいカテゴリーとサブカテゴリーをすべて訪れることだけだ。どのカテゴリーの中にも重要なトグルが入っているかもしれない。まるで宝探しだ。

Facebookの設定画面、最古(左)から最新(右)まで。どれがお好き?(画像クレジット:TechCrunch)

冗談はさておき、Facebookは「Privacy Checkup」(プライバシー設定の確認)項目もこのアップデートで目立たせた。この「guided review」(ガイド付きで確認)は、ユーザーを騙すダークパターンを使って、(会社にとって)より望ましくないプライバシー選択からユーザーを遠ざけるチャンスを会社に与える可能性もあるが、実際多くの重要な設定を巡り、ユーザーはそこで設定変更できる。

「新しい設定ページによってみなさまが設定ページを訪れ、必要な項目を見つけ、望んだ変更を行うことが簡単になることを確信しています」とFacebookはいう。新デザインがiOS、Android、モバイルウェブ、FB Liteそれぞれにいつ公開されるのかはすぐにわかるだろう。

関連記事
フェイスブックもグーグルと同様に職場復帰する従業員にワクチン接種を義務付け
フェイスブックの次期新製品は待望の「レイバン・スマートグラス」
ザッカーバーグ氏は110兆円規模のフェイスブックを「メタバース」企業にすると投資家に語る

カテゴリー:ネットサービス
タグ:FacebookSNSプライバシー

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(文:Devin Coldewey、翻訳:Nob Takahashi / facebook

TikTok風のショート動画サービス「YouTube ショート」がクリエイターへの報酬支払いを開始

TikTok風のショート動画サービス「YouTube ショート」がクリエイターへの報酬支払いを開始

YouTube

YouTubeが、7月13日に開始したTikTok風の短尺動画サービス「YouTube ショート」のクリエイターに対し、報酬の支払いを開始しました。これはYouTubeがクリエイター向けの支払いのために設立した1億ドル規模の「YouTube Shorts Fund」からのもので、YouTubeは報酬支払いに関する詳細をヘルプページで解説しています

YouTubeは今後2022年までに数千人の「適格な」クリエイターをYouTube ショートに招待する予定としています。報酬に関しては動画の視聴数やその他指標に応じ、月額で下は100ドル(約1万1000円)から、上は1万ドル(約110万円)までになるとのこと。また、報酬はYouTubeパートナープログラムに参加しているクリエイターに限らず、ショート動画投稿者なら誰でも受け取る資格があります。

もちろん投稿した動画は支払い対象になるためにYouTubeのコミュニティガイドラインや著作権に関するポリシーを遵守しなければなりません。またGoogleは他の同種のサービス、たとえばTiktokやSnapchatなどにすでに投稿、公開されている動画の再アップロードは求めておらず、それらサービスの透かしロゴ入りの動画を投稿した場合も、報酬の支払い対象外になります。

TikTokなどは、昨年から最大で2億ドルのファンドをクリエイターのために展開しています。これはYouTube ショートのファンドの倍の規模のものですが、クリエイターたちにはさらに評価が高くなるような作品の提出が求められました。

もちろんクリエイターにとってはパフォーマンスに見合う以上の収益が欲しいところであり、ショート動画ひと筋で勝負するつもりならTikTokのほうが良いかもしれません。しかしYouTubeにはショート動画以外にも収益化のための方法が9種類もあるのが大きな利点です。

ちなみに、ショート動画似限って言えば、、Facebookもまた最近10億ドル規模のプログラムを立ち上げ、メインのFacebookサービスだけでなく、Instagramにもクリエイターを引き入れようとしています。Facebookは2022年まで収益のマージンを取らない(つまり収益分はすべてクリエイターの懐に入る)としており、Facebook / Instagramがこの分野での遅れをカバーしようとしていることがわかります。

TikTokのすでに得ている人気と、金にものを言わせるFacebookの間で、YouTubeはクリエイターに報酬を分配する手段を提供し続ける必要があります。YouTubeは今回の1億ドルの基金の支払い開始に関してYouTube ショートを収益化するための最初の一歩だとしています。

TikTok風のショート動画サービス「YouTube ショート」がクリエイターへの報酬支払いを開始

(Source:YouTubeEngadget日本版より転載)

関連記事
InstagramのTikTokクローンReelsが最大60秒の動画をサポート
YouTubeが一部クリエイターを対象にライブストリームからのショッピングを試験的に開始
フェイスブックがクリエイターを呼び込む約1100億円のボーナス報酬プログラムを発表
TikTokのライバル、最大60秒の動画を投稿できる「YouTube ショート」が日本を含む100か国以上で利用可能に
TikTokが動画の長さを最大60秒から3分に拡大
TikTokが米国ユーザーの「顔写真や声紋」を含む生体情報の収集を表明
YouTube ショートがトップクリエイターに2022年まで報酬、約109億円のファンド創設

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Instagram / インスタグラム(企業)Instagram Reels(製品・サービス)クリエイター(用語)Google / グーグル(企業)ショートビデオ(用語)TikTok(製品・サービス)Facebook / フェイスブック(企業)YouTube / ユーチューブ(製品・サービス)YouTube ショート(サービス)

WhatsAppが写真とビデオを「1回だけ見られる」機能を提供開始

6月にWhatsApp(ワッツアップ)は、消滅する写真と動画を送れるようにすると発表した。そして今週、その機能が全ユーザーに公開される。Facebook傘下のメッセージングアプリのユーザーは、写真またはビデオを「view once」(1回閲覧)モードでシェアできるようになる。1回見るとそのメディアは「フッと」消え去る。view onceモードでシェアされたメディアは、しかるべき視聴者が覗いた後は「開封済み」として表示される。

会社は新機能について、試着した服の写真やWi-Fiのパスワードを送るなどさまざまなニーズに応えるもので、決してヌードを送るためではないと述べている。注意書きでは、写真やビデオが消滅するからといって誰かがスクリーンショットを撮れないわけではない(撮ったかどうかもわからない)と念押ししている。

Facebookによると、この新機能はユーザーに「プライバシーの制御を高める」力を与えるという、Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏が2019年に唱えて以来続いている「プライバシー中心のビジョン」の一環だ。それ以来Facebookは、人々にオンラインプライバシーの制御を渡す姿勢をいくつか見せており、メインアプリの公開範囲制御を整備した他、WhatsAppで消えるメッセージをサポートした。

Facebookは、将来の相互接続を計画している傘下の全メッセージングサービスにエンド・ツー・エンド暗号化を導入するという大事業も予定している。WhatsAppは 2016年に暗号化を完了しているが、Messenger(メッセンジャー)とInstagram(インスタグラム)でこの重要なプライバシー機能を提供するのは数年先と言われている。

関連記事
WhatsAppがマルチデバイス対応し「一度だけ表示」して消失する機能を導入
WhatsAppが送信7日後にメッセージが消える新機能をグローバルで導入
WhatsApp、すべてのプラットフォームのエンド・ツー・エンド暗号化を完了

カテゴリー:ネットサービス
タグ:WhatsAppFacebookSNS

画像クレジット:WhatsApp

原文へ

(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nob Takahashi / facebook

フェイスブックもグーグルと同様に職場復帰する従業員にワクチン接種を義務付け

Google(グーグル)のSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)CEOは、米国時間7月28日、同社が従業員に対し、現場で仕事に復帰する前にワクチン接種を義務付けることを発表した

このことは、GoogleおよびAlphabet(アルファベット)のスタッフに送られた手紙に書かれており、新型コロナウイルスのデルタ変異型が世界的に流行し続けていることから、同社が在宅勤務ポリシーを10月18日まで延長することにも言及している。

また、Facebook(フェイスブック)のVPであるLori Goler(ローリー・ゴーラー)氏は、TechCrunchへ送られたメッセージの中で、このソーシャルメディアの巨大企業が同様のポリシーを採用していることを認めた。

「オフィスの再開にともない、米国内のすべてのキャンパスに出勤する人には、全員にワクチン接種をお願いする予定です」と、ゴーラー氏は書いている。「このポリシーをどのように実行するかは、地域の状況や規制によって異なります。医療上の理由やその他の理由で予防接種を受けられない人々にはプロセスを用意し、状況の進展に応じてそれ以外の地域でアプローチを評価していく予定です。当社は引き続き専門家と協力して、すべての人の健康と安全を優先したオフィス復帰計画を立てていきます」。

この声明と同様の同様の文言で、ピチャイ氏が書いた長文の手紙にも「医療上またはその他の保護された理由で」という例外を分けている。Facebookでは当初、9月に半数、10月までに全員の職場復帰が計画されていたが、ゴーラー氏のコメントには、この復帰時期の変更については示されていない。

先週、同社の広報担当者は、The Wall Street Journal(ウォール・ストリート・ジャーナル)紙に「専門家のガイドラインでは、デルタ変異を含む新型コロナウイルスの変異種の予防にはワクチンが非常に有効であるとされています。オフィス再開までのスケジュールに変更はありません」とコメントしている。

両社の声明とも、地域や州の規制、医学的または個人的な懸念、そしておそらくは地域によって大きく異なるワクチンへのアクセスなどに基づき、会社の方針にある程度の幅を持たせている。

また、Amazon(アマゾン)もTechCrunchの問い合わせに対し「アマゾンの従業員や契約社員には、新型コロナウイルスワクチンが入手可能になり次第、ワクチンを接種することを強く勧めます」と回答している。

同社の現在のガイドラインでは、オフィスに戻るためにワクチン接種が必要というわけではないようだが、ワクチンを接種していない従業員にはマスクの着用が義務付けられている。ワクチン接種を完了したことが証明されている人は、顔を覆うことは任意となっている。

関連記事:グーグルが米社員に新型コロナワクチン接種を義務付け、オフィス勤務再開は延期

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Facebook新型コロナウイルスオフィスリモートワーク新型コロナウイルスワクチンアメリカGoogleAlphabetAmazon

画像クレジット:Kim Kulish / Getty Images

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

フェイスブックの次期新製品は待望の「レイバン・スマートグラス」

好調なFacebookのビジネス、その中心はデジタル広告だが、同社はVR以外のハードウェアにも意欲を燃やしている。最新の決算発表の場で、CEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は、次の製品はRay-Ban(レイバン)のスマートグラスになるだろうと述べた。

関連記事:フェイスブックが予想を上回る第2四半期決算を発表、今後は広告事業への「逆風」を警告

Facebookの共同創設者であるマーク・ザッカーバーグ氏は「このメガネは象徴的な形状をしており、とてもすてきなことができます。だからこそ私は、多くの人にこのメガネを手にしてもらい、将来の完全なARグラスに向けて前進し続けることに興奮しています」と述べた。

Facebookのサングラスは、2019年から噂になっていた。当時、情報筋がCNBCに語ったところによると、FacebookはレイバンのオーナーであるEssilorLuxottica(エシロールルックスオティカ)と協力して「Orion」というニックネームのARアイウェアを開発しているという。このメガネは、電話を受けたり、情報を確認したり、さらにはライブストリームを配信したりすることができる、スマートフォンの本格的な代替品として宣伝されていた。必然的にこのメガネは、Snapのスマホと連動するSpectaclesではなく、Google Glass(Luxotticaとの共同開発)と比較された。2020年、Facebook Reality LabsのVR担当副社長であったHugo Barra(ウーゴ・バッラ)氏は、このメガネが2021年に登場することを認めていた。しかしそれ以降、ほとんど音沙汰がない。

Facebookにとって、このメガネは未来への鍵を握っています。ザッカーバーグ氏は、仮想現実(VR)と並んで、拡張現実(AR)は「メタバース」の構築に不可欠だと述べている。将来、Facebookは、VRやARを使ってさまざまなソーシャル体験間を「テレポート」できるような、共有された生き生きとしたプラットフォームに変化していくだろう、とザッカーバーグ氏は説明している。

関連記事:ザッカーバーグ氏は110兆円規模のフェイスブックを「メタバース」企業にすると投資家に語る

「メタバース」という言葉は、シリコンバレーや未来学者の間で流行している最新のバズワードだ。この概念は10年以上前から存在していましたが「Fortnite」や「Roblox」などのマルチプレイヤーゲーム制作プラットフォームが大ヒットしたことで、注目を集めるようになっている。今週初めには、Microsoft(マイクロソフト)のSatya Nadella(サティア・ナデラ)氏は、同社の決算説明会で「エンタープライズ・メタバース」について言及している。

Facebookにとって、メタバースは単なる流行ではありません。ザッカーバーグ氏によると、同社は数十億ドル(数千億円)を投じて、Facebookのユーザーとデジタル広告で構成される「シェアードユニバース」を構築しようとしている。それを実現するためには、より多くの人々に同社のコンピューティングハードウェアを購入してもらう必要があるという。そのため、それらのデバイスをより手頃な価格で提供することを計画している。

ザッカーバーグ氏は「私たちの使命は、できるだけ多くの人々にサービスを提供することです。ですから、私たちが行うすべてのことをできるだけ手頃な価格で提供し、できるだけ多くの人々に利用してもらい、その中でデジタル経済の規模を拡大していきたいと考えています」。

Facebookが開発を進めているとされるハードウェアは、サングラスだけではない。複数の報道によると、Facebookは、携帯電話回線を内蔵し、取り外し可能なディスプレイを搭載したスマートウォッチを開発しているという。当初は、スマートウォッチが最初に発売されると考えられていたが、ザッカーバーグ氏には別の計画があったようだ。

編集部注:本記事はEngadgetに掲載されている。

関連記事
アップルがAR機能も搭載した高価格VRヘッドセット開発中と報道、発売は2022年か
VuzixがマイクロLEDディスプレイを使った「普通のメガネ」のような新型スマートグラスを発表、2021年夏発売予定
レノボが企業向けARグラス「ThinkReality A3」を発表、2021年半ば発売予定

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Facebookマーク・ザッカーバーグメタバーススマートグラスレイバン仮想現実拡張現実

画像クレジット:Drew Angerer / Getty Images

原文へ

(文:Saqib Shah、翻訳:Katsuyuki Yasui)

ザッカーバーグ氏は110兆円規模のフェイスブックを「メタバース」企業にすると投資家に語る

Facebook(フェイスブック)のCFOがアナリスト向けの四半期決算発表で財務の詳細を説明した後、CEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は、Facebookを「メタバース企業」にするという野望を特に強調しながら、会社の将来の目標について語った。

「私たちが目指している未来と会社全体の主要な取り組みのマッピングについてみなさんに知っていただくために、今、この話をしたいと思いました」とザッカーバーグ氏は電話で話した。「メタバースとは何か。それは、デジタル空間で人々と一緒にいることができる仮想環境です。見ているだけではなく、その中にいるような感覚になれるインターネットのようなものです」と語った。

これらのコメントは、先週The Vergeに寄せられたインタビューの内容に呼応しており、同社の将来的な目標の一部を詳しく説明している。

メタバースは同社に、ムーンショットの取り組みと本業との間に一線を画す機会を与える。拡張現実や仮想現実のプラットフォームで輝きを放ちながら、モバイルかデスクトップかを問わず、親しみやすい、広範囲にわたるハブを構築する。ザッカーバーグ氏のメタバースの定義は広めだが、つまりそれはウェブページの集合体ではなく、MMO(多人数が同時にオンラインで参加するコンテンツ)のように感じられるウェブのバージョンを構築するということだ。

FacebookのHorizonプラットフォームの初期の画像。画像はFacebookより

今では考えられないが、Facebookはモバイルで遅れをとっていた。10年前、Facebookのアプリは、バグが多く、クラッシュしやすいHTML5ベースだった。大手ソフトウェアメーカーでは、スムーズなネイティブアプリが標準になりつつあったにも関わらずだ。2012年になると、Facebookの創業者であるザッカーバーグ氏は、アプリにこそ未来があり、急速に現在存在するようなものになりつつあることを認識し、同社の注意をあらゆるレベルのモバイルに向けようと奔走した。Facebookは同じ過ちを繰り返すつもりはない。その哲学は、同社が2014年に業界をリードするVRハードウェアメーカーOculus(オキュラス)を買収したときに初めて明らかになった。

「モバイルは今日のプラットフォームだが、現在、明日のプラットフォームの準備もしています」とザッカーバーグ氏は、その20億ドル(約2200億円)の買収の頃に語っていた。「Oculusには、これまでで最もソーシャルなプラットフォームを作り、私たちの仕事や遊び、コミュニケーションの方法を変えるチャンスがあります」。

「メタバース企業」になることは、この考えをさらに進化させたものだ。多くの人にとって、Roblox(ロブロックス)は今日のメタバースを最も明確に体現しているように思われる。ユーザーが仮想体験の間を行き来しながら、その中で自分自身の体験を作り出すことができるソーシャルワールドだ。仮想現実体験ではなく、主にモバイルとデスクトップで展開されている。Robloxのビジョンは投資家の共感を得た。現在は公開会社である同社の価値は450億ドル(約4兆9500億円)を超えた。これはFacebookの価値のほんの一部だが、欧米のゲーム会社のほとんどを上回っている。

Facebookはこの分野に引き続き関心を示している。2021年6月にはCraytaというRobloxに似たプラットフォームを買収し(金額非公開)、ここ数年はVRに特化したゲームスタジオを次々と買収してきた。

Facebookは独自のVR中心のソーシャルハブを構築しようとしたが、ほとんどが失敗に終わった。Facebookのメタバース的なプラットフォーム「Horizon」は、2年近く前に発表されたときには大きな注目を集めたが、静かすぎるベータ期間中、同社がこれに関して言及することはほとんどなかった。FacebookのAndrew Bosworth(アンドリュー・ボズワース)氏は今週、Instagram(インスタグラム)のVishal Shah(ビシャール・シャー)氏が率いるメタバースを中心とした新しいプロダクトグループの下、ゲーム担当VPのVivek Sharma(ヴィヴェーク・シャーマ)氏がこの取り組みを引き継ぐことを明らかにした

ARやVR企業ではなく「メタバース」企業としてリブランディングするというFacebookの選択には、非常に特別な意味がある。空間的なインターネットを実現するためには、専用のハードウェアが不可欠だと考える向きもあるかもしれない。だが、他の新しいゲームプラットフォームが大きく成長を加速させている中で、ユーザーが初期に登場したようなヘッドセットを求めていないことが次第に明らかになってきた。FacebookのQuest 2ヘッドセットは、それまでの製品よりもはるかに売れ行きが良いようだ(Facebookは販売数量を発表していない)。はっきりしないのは、このメタバースの理想を受け入れるために、Facebookグラスやヘッドセットを顔に装着したユーザーで世界がいっぱいになる必要が本当にあるのかどうか、あるいは、それは最後に添えるチェリーのようなものにすぎないのかということだ。

関連記事
フェイスブックが予想を上回る第2四半期決算を発表、今後は広告事業への「逆風」を警告
Robloxがソニーミュージックと提携、アーティストとメタバースでの収益活動を結びつける
グッチがRobloxとの新パートナーシップで2週間限定の仮想空間とデジタルアイテムを提供

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Facebookマーク・ザッカーバーグメタバースOculus

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(文:Lucas Matney、Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

フェイスブックが予想を上回る第2四半期決算を発表、今後は広告事業への「逆風」を警告

Facebook(フェイスブック)は、第2四半期の決算を米国時間7月28日に発表した。その売上高は290億ドル(約3兆1800億円)と、アナリストの予想を上回った。

この世界最大のソーシャルメディア企業は、2021年度の第2四半期の売上高が、前年同期の186億ドル(約2兆400億円)から50%増となる278億ドル(約3兆500億円)と予想されていた。1株当たり利益は3.61ドル(約396円)と、こちらも予想を上回った。

新型コロナウイルスの世界的流行に見舞われた1年を経て、経済的に半正常な状態に戻った最初の決算期に、Facebookは予想通りユーザー数の増加を達成させた。3月末時点で、Facebookは各アプリのネットワーク全体で28億5000万人の月間アクティブユーザーを抱えていた。第2四半期末(6月30日)の時点では、月間アクティブユーザー数はほぼ予想された通りの29億人となっている。

米国時間7月28日の朝、375ドル(約4万1200円)で始まった同社の株価は、決算発表後に360ドル(約3万9500円)まで下落した。

好調な四半期を終えたにもかかわらず、Facebookは今後の変化について警告している。これはすなわち、今四半期の売上高290億ドルのうち285億ドル(約3兆1300億円)を占める巨大な広告事業が受ける影響の件だ。Facebookは同社の事業を脅かすものとして、特にApple(アップル)のモバイルOSに導入されたプライバシー機能を強化するアップデートを挙げている。

「2021年には、規制やプラットフォームの変更による広告ターゲティングの逆風が強まると、私たちは引き続き予想しています。特に最近のiOSのアップデートは、第2四半期よりも第3四半期に大きな影響を与えるでしょう」と、同社は投資家向け報告で見通しを述べている。

関連記事:アップルがiOS 14に導入予定の広告トラッキング規制にFacebookは不満を表明

FacebookのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)CEOは、同社の投資家向けオンライン会見で、広告収入への依存度を下げる計画を指摘。コンテンツクリエイターを惹きつけ、支援するための取り組みを拡大していること、特にeコマースに関する計画について述べた。「当社のプラットフォームを、クリエイターが生計を立てるための最良の場所にしたいと考えています」と、ザッカーバーグ氏は語り、2023年からクリエイターツールの収益化を開始する計画があることを明らかにした。

ザッカーバーグ氏はまた、VRを使ったソーシャル体験に対するFacebookの壮大な野望も強調し「バーチャルリアリティは、ソーシャルなプラットフォームになるでしょう。だからこそ、私たちはそれを構築することに集中しているのです」と語った。

このオンライン会見の中で、ザッカーバーグ氏は、バーチャルリアリティをベースとしたソーシャルネットワークでは、衣服やアバターなどのデジタル商品を収益化することが可能だというFacebookの見通しについても語った。Facebookは、バーチャルなソーシャルネットワークが相互に接続されたウェブの概念を「metaverse(メタバース)」と呼んでいる。これは、1992年に出版されたNeal Stephenson(ニール・スティーヴンスン)の未来派SF小説「Snow Crash(スノウ・クラッシュ)」に因んだものだ。

Facebookが水曜日にどのような報告を予定していたかに関係なく、同社が財務的に強大な存在であることに変わりはない。西洋諸国での悪評やユーザーの不信感は、同社の収益を悪化させるほどのものではなく、同社の広告事業は相変わらず市場を圧倒しているように見える。米国で意義ある反トラスト法改正が行われたり、競合他社が急成長しない限り、Facebookの行く手を阻むものはほとんどない。前者については、議会の党派的な対立を考えると、ホワイトハウス関与しているとはいえ、未だ望みは薄いかもしれない。しかし後者については、Facebookにもついに脅威が迫っている。

関連記事
バイデン氏がビッグテックの「悪質な合併」阻止目指す大統領令に署名、過去のM&Aにも異議の可能性
バイデン大統領はグーグル批判者を司法省の反トラスト部門のリーダーに起用

これまで長年の間、Facebookに適当な競合となるソーシャルメディアプラットフォームが現れるとは、想像が難しかった。市場を支配している同社には、競合他社を買収したり、そのイノベーションを大胆にコピーする悪癖があったためだ。しかし今、TikTok(ティックトック)がまさにそんな存在になりつつあることは明らかだ。YouTube(ユーチューブ)は巨大だが、Facebookとは並行して共存しながら成熟し、互いに補完的な体験を提供しているため、脅威となるような直接的な競合ではなかったのだ。

調査会社Sensor Tower(センサー・タワー)のデータによると、TikTokは2020年7月に月間アクティブユーザー数が7億人に達し、2021年7月初めには全世界でのダウンロード数が30億回を超えた。これはFacebook傘下ではないアプリとしては初の快挙だ。もし、この中毒性の高い短編動画アプリが、若いユーザーがInstagram(インスタグラム)をはじめとするFacebook傘下のプラットフォームに費やしている長い時間の一部をうまく吸い上げ、その過程において企業にとっても快適なホームとなることができたら、メンロパークから出てきた青い巨人はついに寝不足になるかもしれない。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Facebook決算発表広告クリエイター収益化VRメタバース

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

SpotifyとGIPHYが提携、GIFを通じた新しい音楽の発見をサポート

Spotify(スポティファイ)は現地時間7月22日、GIFを通じて新しい音楽を発見できるよう、オンラインGIFデータベースのGIPHY(ジフィー)との提携を発表した。あなたが思い浮かべているかもしれないので断っておくが、GIFそのものは曲のクリップを流さない。その代わり、SpotifyがリンクされたGIFを通じて、直接アーティストの音楽を聴くためにSpotifyに誘導されるボタンをクリックするというオプションがある。導入にあたって、Doja CatThe WeekndPost MaloneNicki MinajThe Kid LAROIConan Gray、その他のアーティストが、自身の公式GIPHYプロフィールページでSpotifyがリンクされたGIFを展開する。今後さらに多くのアーティストが加わる。

今回のインテグレーションの目的は、テキストやグループチャット、その他のGIFが使われている毎日のコミュニケーションからユーザーをSpotify音楽とつなげることにある。これはSpotifyのSnapchatInstagramのようなソーシャルメディアアプリとの既存のインテグレーションに似ている。これらのインテグレーションではユーザーは投稿したStoriesやメッセージを通じて音楽をシェアできる。基本的にはオンラインソーシャルアクティビティ(今回の場合はGIFの共有)を活用するユーザー獲得戦略であり、その一方で作品が露出することでアーティストにも恩恵がある。

SpotifyがリンクされたGIFはGIPHY.comのアーティストページ、あるいはGIPHYのモバイルアプリで探すことができる。サポートされているGIFには、シェアされたときにGIFの下に「Listen on Spotify(Spotifyで聴く)」ボタンが付いてくる。ボタンをクリックすると、ユーザーはGIFからSpotify上のアーティストのページにリダイレクトされ、そこでユーザーはアーティストの音楽をストリームしたり、もっと聴きたい曲を探すためにブラウズできる。GIPHYはアーティストの音楽をプラットフォームに持ってくるために、アーティストのレーベルではなくアーティストとコラボした、とTechCrunchは理解している。

画像クレジット:Spotify/GIPHY

Spotifyは今回の機能はGIPHYとの幅広い提携の一部であり、今後はよりインタラクティブなリスニング体験をユーザーに提供することに注力する、と話す。

GIPHYと提携するという動きは、GIPHYの親会社であるFacebookとSpotifyの間での既存の提携の拡大に続くものだ。ソーシャルネットワーキング大企業のFacebookは人気のGIFプラットフォームGIPHYを2020年に、報道されたところによると4億ドル(約442億円)で買収した。GoogleがGIPHYのライバル、Tenorを買収してから数年後のことだ。買収以来、FacebookはFacebookやInstagramといった自社のアプリへのGIPHY統合に取り組んできた。

関連記事
フェイスブックがGIFアニメのGIPHYを430億円相当で買収
Spotifyがポッドキャストのタイムスタンプ付き共有など新しいソーシャルシェア機能を追加
フェイスブックがSpotifyとの提携拡大を発表、新プロジェクト「Boombox」の一環で
フェイスブックがアプリ内でSpotifyをストリーミングできる新機能を導入、日本でも提供

2021年初めにFacebookとSpotifyは、FacebookユーザーがFacebookアプリをブラウズする際にSpotifyでホストされている音楽を聴けるようにする新しい「Boombox」プロジェクトでもタイアップした。これはミニプレイヤーによって動いており、共有された音楽を通じてやってきたユーザーがフィードをスクロールしている間にクリックしてコンテンツを再生できるようになっている。

SpotifyとFacebookの結びつきにもかかわらず、GIPHYはFacebookとは別に独立した機会としてSpotifyとの提携を模索したとしている。GIPHYは、ユーザーエクスペリエンスを将来もっとインタラクティブなものにするためにSpotifyとの関係が続く限り提携機会をさらに追求する計画だと述べた。

新しい機能は認証されたGIPHYアーティストのページから誰でも利用できるようになる、とSpotifyは話している

カテゴリー:ネットサービス
タグ:SpotifyGIPHYFacebook音楽ストリーミング

画像クレジット:Spotify/GIPHY

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

Facebookがニュースレター・プラットフォーム「Bulletin」にライター31人を追加

2021年6月、Facebook(フェイスブック)はニュースレター・プラットフォームのBulletin(ブレティン)を発表した。Substack(サブスタック)やMedium(ミディアム)などのライバルと異なり、BulltetinはFacebook自身ががライターを厳選することで、よりコントロールされたプラットフォームを作ろうとしている。ライターには、著書の”Tuesdays with Morrie”(『モリー先生との火曜日』が今も中学1年の英語の授業で生徒たちの心を打ち砕いているMitch Albom(ミッチ・アルボム)氏から、若者たちにフレンチ・タックの着こなしを教えた”Queer Eye”(クイア・アイ)のTan France(タン・フランス)氏までスターが揃っている。そして7月20日、Facebookは初期ベータ公開以降初めて、新たなニュースレター・ライター群を発表した。

次の波のライターとして、24歳のノーベル平和賞受賞者、Malala Yousafzai(マララ・ユスフザイ)氏が「大きなディベートと小さな瞬間」について書き、プエルトリコのジャーナリストでBulletin初のスペイン語ニュースレターを書くMaria Celeste(マリア・セレステ)氏、ソーシャルメディアで数百万人のフォロワーを持つ人間関係セラピストのNedra Tawwab(ネドラ・タワブ)氏らが参加する。

Bulletinは幅広い無料コンテンツを誇り、Facebookのブランディングを最小限に抑え、Facebookアプリではなく独自ウェブサイトでホストされている。ニュースレターのライターは、どのコンテンツを有料にするかを選ぶことかできる。有料コンテンツはもちろん、Facebok Pay(フェイスブック・ペイ)で購入できる。Newsletterのサブスクライバーは、専用のFacebookグループやLive Audio Rooms(ライブ・オーディオ・ルーム)、ポッドキャストにもアクセスできるので、Bulletinは、サブスクライバーをFacebookが他の成長中のブランドに誘導する役割も果たす。しかし、Bulletinが招待制で(デートアプリの)Raya(ラヤ)以上に豪華な著名人を集めたプラットフォームであるのに対して、Facebookのその他のプラットフォームはコンテンツ管理の倫理問題に苦闘している。

「私たちはライターの作品を尊重しており、当社のパートナー全員に完全な編集独立性があることを明言します」とFacebookはBulletin公開後の ブログ投稿で言った。そして、コメディアンのGreg Mania(グレッグ・マニア)氏がBulletinに書いた痔の手術に関するエッセイを読む限り、あの宣言が正確に感じる。

しかし、われわれが編集の独立性について語るとき、それは「直腸外科医とのデート」と題したエッセイを出版できるかどうかの話ではない。あの発言でFacebookは、Substackの賛否両論の干渉しないアプローチに同意しているように見える。Mediumも独自の文化的認識を展開して、熟練ジャーナリストが編集したGEN(ジェン)やElemental(エレメンタル)などの内製出版物をホストしていたが、 会社のビジョン転換とともに、事実上編集活動を休止した。つまり、ジャーナリストとライターの精選に投資しているFacebookの取組みは、ユーザー生成コンテンツに関してSubstackとMediumが強調している姿勢と真っ向から対立する。

ニュースレターに興味を示している主要ソーシャルメディアはFacebookだけではない。今年1月、Twitterはニュースレター・プラットフォームのRevue(レビュー)を買収したが、いくつか地味なアップデートを行ったのを除き、Twitterの現在の注目はどこかほかにあるように見える。

関連記事:
フェイスブックがニュースレター配信プラットフォーム「Bulletin」始動、まずは米国中心ベータ

カテゴリー:
タグ:

画像クレジット:Facebook

原文へ

(文:Amanda Silberling、翻訳:Nob Takahashi / facebook

WhatsAppがスマホなしで動作するマルチデバイス機能をテスト

Facebook(フェイスブック)傘下のインスタントメッセージサービスであるWhatsAppが、ついに重要な機能の改善を公開する。長年にわたってユーザーからの要望のトップだったと同社が認める機能だ。

米国時間7月14日、WhatsAppは新しいマルチデバイス機能に関して限定的なパブリックベータテストを公開すると発表した。

このアップデートにより初めて、登録済みのスマートフォンの電源が切れていてもインターネットに接続していなくても、WhatsAppを最大4台のデバイスで利用できる。WhatsAppの広報担当者はTechCrunchに対し、この複数のデバイスの中に別のスマートフォンを含めることはできないと述べた。

WhatsAppはブログの投稿で「各コンパニオンデバイスはWhatsAppに独立して接続します」と説明している。

全世界で20億人以上に使われているWhatsAppは、すでに複数デバイスでの使用をサポートしている。1人のユーザーが、例えばウェブブラウザやコンピュータのデスクトップアプリから同時にサービスにアクセスできる。しかし現在は複数デバイスで使う際にスマートフォンがインターネットに接続している必要がある。

WhatsAppは次のように説明している。

スマートフォンがすべての処理をする必要があるため、コンパニオンデバイスの速度が落ち、特にスマートフォンの接続が不安定な場合やバッテリー残量が少ない場合、アプリのプロセスがスマートフォンのOSによって強制終了された場合に頻繁に接続が切れます。また、一度に1台のコンパニオンデバイスしか動作しません。例えばPCでメッセージをチェックしながらPortal(Facebookのビデオ通話デバイス)で通話をすることはできません。

WhatsAppの新しいマルチデバイスアーキテクチャではこうした制限が取り除かれます。スマートフォンを信頼できる情報源にする必要がなくなると同時に、ユーザーのデータをシームレスかつセキュアに同期しプライバシーを守ります。

米国時間7月14日に公開されたホワイトペーパー(PDF)で、WhatsAppはこの機能の仕組みを概説し、公開までにこれほど時間がかかった理由を示している。

同社は複数のデバイスを使ってもエンド・ツー・エンドの暗号化を維持してメッセージが同期される新しいテクノロジーを開発してきたとし、これは市場では今のところほとんど実現されていない離れ業だという。

画像:WhatsApp

同社は次のように説明している。「これを実現するために、我々はWhatsAppのアーキテクチャを再考し新しいシステムを設計して、スタンドアローンのマルチデバイスエクスペリエンスでありながらプライバシーとエンド・ツー・エンドの暗号化を守っています。個々のメッセージが確立されたペアワイズ暗号化セッションを利用して各デバイスで別々に暗号化されます。メッセージが配信された後はサーバーに保管されません」。

広報担当者によれば、この機能によってユーザーのためのクラウドバックアップに変更はないという。担当者はさらに「メッセージや他のアプリのデータをユーザーのデバイス間で同期するメカニズムは、クラウドバックアップからは独立しています」と補足し、ホワイトペーパーにプロトコルが詳しく説明されていると述べた。

この機能を全ユーザーに公開する時期について具体的な日程は計画されていない。同社はTechCrunchに対し、この機能をまず既存のベータユーザーに公開すると述べた。今後数カ月でアプリの安定版を利用する一部のユーザーに対し、許可を得てベータ機能を公開する計画だ。

@WhatsAppに期待されるセキュリティをすべて実現しています。我々はデータを同期しつつエンド・ツー・エンドの暗号化を維持する新しいテクノロジーを開発しました。メッセージの履歴、連絡先の名前、スターを付けたメッセージなどをデバイス間でシームレスに同期できます。詳しくはこちら。

近いうちに「リンクされたデバイス」画面にベータに参加するオプションが表示されます!

これはWhatsAppが現在開発している多くの機能の1つだ。同社はiPad専用アプリや2020年に導入した消滅モード機能にも取り組んでいる。現在はメッセージが7日間で消えるように設定できるが、この機能を拡張して写真やビデオを1回だけ表示できるようにする計画だ。

関連記事
WhatsAppのユーザー数が20億人に、2年前から5億人増
WhatsAppがマルチデバイス対応し「一度だけ表示」して消失する機能を導入

カテゴリー:ネットサービス
タグ:FacebookWhatsAppメッセージングアプリ

画像クレジット:WhatsApp

原文へ

(文:Manish Singh、翻訳:Kaori Koyama)

フェイスブックがFTCのリナ・カーン委員長を独禁法違反訴訟から除外するよう要求

Facebook(フェイスブック)がAmazon(アマゾン)の仲間に加わって、反トラストのタカ派であるLina Khan(リナ・カーン)氏が突然FTCの委員長になったことに警戒を示し、氏を同社に関するすべの決定から外すよう要求した。その主張はAmazonの場合とほぼ同じで、就任前のカーン氏のプロフェッショナルとしての意見が、このような企業は反トラストのルールに違反しているという、あまりにも過激なものだった、と両社は述べている。

関連記事:アマゾンがFTCの新委員長と独占禁止強硬派のリナ・カーン氏の辞任を求める嘆願書を提出

今回はFTCに提出された書簡をWSJが入手したが、FTC自身はコメントを断っている。書簡でFacebookは、カーン氏の最近数年間の学術的刊行物や他のメディア上の記事は、すべてが積もり積もって、氏を同社に関する決定から排除すべき根拠になる、と述べている。現在、Facebookに陳情書のコピーを求めているため、届き次第この記事をアップデートしたい。

WSJの記事によると、陳情書では次のように述べられている。「カーン委員長は一般的に公表される声明の中で一貫して、弊社自身が認めていない行為でFacebookを非難するだけでなく、その行為が反トラストの侵害に該当するという彼女の信念を述べてきた。新しい委員がすでに事実と法に関する結論を描き、ターゲットを事前に違法者と見なしているとき、デュープロセス(適正手続)はその個人が自己を除外することを要求している」。

FTCとカーン氏には、FacebookとAmazonからの除外要求に応じる能力がない。彼女は自分の指名議事の中で、このような除外要求があった場合にはケース・バイ・ケースで解決するとと述べている(金銭的ないし個人的関心なら自動的な除外になる)。おそらく彼女は今すでに、部内の倫理専門家と相談しているのではないだろうか。

たしかにカーン氏は、自らの政策の立ち位置を多くの記事や論文で発表してきた。その多くは、反トラストの規制当局が自分たちの法的権力の解釈と実行においてあまりにも保守的で、また、今日隆盛を極めている巨大テクノロジー企業の監督においてはあまりにも甘いと論じている。競合他社を買収したり、価格を人為的に下げて市場に圧力を加えたり、顧客データの収集と利用に関して虚偽を述べたりといった行動は、見逃されたり過小な罰で済まされていた。

特に彼女は、下院が2020年秋発行した反トラスト報告書で顧問弁護士を担当している。1966年から1970年までの事件ではAmazonとFacebookの圧力でFTCの委員が、彼が参加した議会の調査の間に「偏見」で除外された。たしかにそれは、訴えを取り上げるための有望な契機にはなるが、状況は決して当時と同じではない。私は法律家ではないがそんな私から見ても、今やいかなる訴えも、具体的な申し立ても事前審理すら為されず、ただFacebookやApple、Google、Amazonなどはすべて独占であるか、または市場に対する力を持っているという一般的な風説があるだけだ。そのため下院の2020年の報告書も、彼らにとっては痛くも痒くもない。

むしろ下院の報告書が見つけたメインの事項は、既存の法と規制が不備があり、いかなる訴訟もありえないということだ。確かにカーン氏はここ数年、まさにこのことを屋根の上から叫んできた。でもその結論は法律の問題であり、FTCの仕事ではない。まだ書かれてもいない法律が定義している反トラストの訴訟をカーン氏が事前審理することは、おそろしく難しいだろう。

カーン氏のFTCは、同委員会が抱えていたFacebookに対する反トラストの訴件の一部が棄却され、彼女の就任直後という初期にやや躓いたが、しかしそれは彼女のせいではない。それは、Facebookがソーシャルメディアを独占的にコントロールした、という訴件に十分な証拠がないため、判事がFTCにもう一度出直せと告げたものだ。それに対しカーン氏の意図は、補足文書を提出するか、または負けを認めて来年か再来年の別件のために力を結集するかのどちらかだろう。しかしいずれにしても、彼女に対して言われている「偏見」の問題を解決してから決定を発表するのがベストだ。なお、除外要求が現在行われている訴訟に影響を及ぼすか、という推測をFTCは断った。

関連記事:フェイスブックに対する米連邦取引委員会の独禁法訴訟は棄却、しかし完全には敗訴せず

しかしFTCは、バイデン大統領の大統領命令という形で、ホワイトハウスから明示的な支持を得た。大統領令が優先的に取り上げているのは「支配的なインターネットプラットフォームの、特に若い競合他社の買収や連続的な合併、データの集積、『無料』のプロダクトによる競争、そしてユーザーのプライバシーへの影響」だ。これでカーン氏もおそらく前述の法的チャレンジに対してあまり痛みを感じないだろう。

AmazonとFacebookが提出した陳情は、同社自身がひとかけらもリスクを負わない(訴訟ではない)ものであり、単純に除外の挑発という外部的チャンスに賭けている。だから、陳情という形になっているのであり、それは彼らが今後必然的に独占的慣行をFTCとカーン氏から訴えられた場合に備えるパン屑でもある。法的反動は予測が難しいが、通常は訴状が最初からテーブルの上にあった方が後から持ち出すよりも良いというわけだ。

カーン氏の委員長着任により、FTC自身も改革が必要であり、Facebookのような企業を相手にできるだけの強さが必要だ。そして、これが、今後の長い々々勝負の最初の一手にすぎないことは、誰の目にも明らかだ。

関連記事:バイデン氏がビッグテックの「悪質な合併」阻止目指す大統領令に署名、過去のM&Aにも異議の可能性

カテゴリー:ネットサービス
タグ:FacebookFTC独占禁止法アメリカ

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(文:Devin Coldewey、翻訳:Hiroshi Iwatani)

フェイスブックがクリエイターを呼び込む約1100億円のボーナス報酬プログラムを発表

Facebook(フェイスブック)は、同社アプリのエコシステムにクリエイターを繋ぎ止めるための新たなボーナスプログラムを通じて、2022年末までに10億ドル(約1100億円)以上をコンテンツクリエイターに支払う計画を発表した。Facebookの創業者兼CEOであるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は、自身のFacebookページで「すばらしいコンテンツを提供してくれるクリエイターに報いる」ための新たな資金調達について初めて公表した。

同社は、FacebookとInstagram(インスタグラム)にまたがる一連の新しいボーナスプログラムを通じてクリエイターに報酬を支払う予定で、これらのプログラムは「季節ごとに変わり、時間をかけて進化、拡大していく」という。このボーナスプログラムは、2021年夏の後半にはInstagramアプリ内に、年内にはFacebookアプリ内に専用ハブが設置される予定だ。

Facebookは、Facebook上でインストリーム広告を有効にして動画を制作しているクリエイターに、最初の新ボーナスを提供する。また同社は、視聴者がストリーマーに投げ銭を送ってファン特典を得ることができる「Stars」システムによるボーナスも拡大していく。動画やゲームのライブストリーミングを行っているクリエイターは、2021年10月までの間、Starsを介して支払いを送った視聴者の数に応じて、毎月ボーナスを受け取ることができる。

なお、Instagramでは独自のボーナスを導入する予定だが、これは最初は招待制となっている。今後数週間のうちに、米国のクリエイターはIGTV広告を有効にすることで、1回きりのボーナスを受け取ることができる。その他のボーナスは、TikTok(ティックトック)の短編動画の成功に対するInstagramの回答であるReels(リール)の作成や、Instagram Live(インスタライブ)で特定のマイルストーンを達成したクリエイターに与えられる。

Facebookがクリエイターへの支払いに乗り出したのは、TikTokと競合するプロダクトを現金でジャンプスタートさせようとする最新の取り組みにすぎない。Snapchat(スナップチャット)は、同社の短編ビデオ製品「Spotlight」で最も人気のあるビデオに毎日100万ドル(約1億1000万円)支給している。YouTubeは、TikTokのクローンである「YouTube ショート」のために、独自に1億ドル(約110億円)の資金を用意している。

TikTok自体も2020年、2億ドル(約220億円)のクリエイターファンドを立ち上げているが、同アプリはあまり心配する必要はなさそうだ(今はまだ)。SensorTowerのデータによると、TikTokは全世界で30億ダウンロードを突破した。これまでこの数字を超えたアプリは、WhatsApp(ワッツアップ)、Messenger(メッセンジャー)、Facebook、Instagramなど、すべてFacebookが所有するアプリだけだった。

関連記事
TikTokが約214億円の米国のクリエイター向けファンドを発表
フェイスブックが音声SNS「Live Audio Rooms」とポッドキャスト向け新サービスの提供を米国で開始

カテゴリー:ネットサービス
タグ:FacebookInstagramクリエイター報酬マーク・ザッカーバーグ

画像クレジット:Getty Images

原文へ

(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Aya Nakazato)