Facebook “Here”、Google “Now”

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Googleは、誰があなたの友達なのか、 あななが誰とチャットしているか、どんなニュースが気になっているかを知らない。ちょうどFacebookが、あなたのメールに何が書かれているか、どこの地図を見たか、ウェブで何を検索したか、Androidスマホで何が起きているかを知らないように。パーソナルアシスタントを作ることに関して、両社には巨大だが非常に異なるチャンスがある理由はそこにある。

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役に立つか、楽しいか

Googleは、2012年にNowをスタートして大きく先行した。Nowには数多くの機能があり、主として客観的データに関わるものだった。例えばフライトの時刻や変更等ユーザーに関連のある情報をメールから引き出し、世界の最新ニュースを表示し、あるいは自宅から会社までの交通情報を逸早く教えてくれる。最新機能のGoogle Now On Tapは、ユーザーの他のアプリで起きていることに関する情報も引き出せる。

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Google Now On Tap

Google NowはGoogleの得意としていることをする:遍在するツール群から得た巨大データセットを解析して行動を起こせる情報を効果的に提供する。Googleの検索、メール、および地図における支配がこの潜在力を発揮させる。Nowはしばしば役に立つが、必ずしも「楽しい」とは言えない。

最近Facebookは、Messengerを使って人間の脳と人工知能のハイブリッドシステムに雑用を言いつけられる、Mというコシェルジェ機能のテストを開始した。しかし今日(米国時間10/26)Facebookは、今彼らが持っている中で伝統的パーソナル・デジタル・アシスタントに最も近いと考えられるものを、通知機能の中に作った…ただし名前はつけていない。

しかし私にとって、これはFacebook Hereだ。それは、あなたの周りのすべて ― 人、場所、そしてあなたが気にかけている物事 ― を知るパーソナルアシスタントだ。

昨年私はこの機能の初期テストを行っているところを見つけ、当時それは友達リクエストタブの「ハイライト」セクションの中にあった。今日から、米国のiOSおよびAndroidアプリでは、徐々に通常の通知の下に次のようなカードが表示されるようになる。

  • 友達の誕生日
  • 友達の生活上の出来事
  • あなたのこれからのイベント
  • 今日のトップスポーツイベント
  • 今日のトップテレビ番組
  • トレンドの話題

そしてもしあなたがFacebookに位置情報履歴を見ることを許していれば、さらに次のカードを作れる:

  • 近くで人気のイベント
  • 地元の天気
  • 地元でシェアされたニュース
  • 友達が訪れたりレビューを書いた近くの場所
  • 近くの劇場で上映している映画

これらのカードのセットは、カスタマイズして好きなものを追加したり隠したり、どの通知を受け取るか等を制御できる。

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Facebook Hereは、Facebookが得意としていることをする:あなたのソーシャルグラフや経歴データや以前の行動を分析して、関連性のあるコンテンツを表示する。Facebookのソーシャルネットワーキング、フィード表示、およびモバイルメッセージングでの支配が、この潜在力を発揮させる。Facebook Hereは楽しいことが多いが、必ずしも「役に立つ」わけではない。

いずれ、Facebook HereとGoogle Nowは収束、競合するに違いない。すでに、最新スポーツ情報や近くのイベント等は重なり合っている。しかし、両者は相互に排他的なデータセットに依存している。現時点で両者が並行して、大いに人々の役に立っているのはそれが理由だろうと私は思う。

Facebook通知

しかしFacebookは袖の下にもう1枚、”Here” という名前を実にふさわしいものにするカードを隠し持っていた。Facebookのコンテキスト連動アシスタントは、iOSでもAndroidでも、人々がすでに多大な時間を過ごしている場所に組み込まれた:Facebookアプリ、正確にはFacebookの通知タブだ。

Google Now

Hereは、数億人の人々にとってオペレーティングシステムを越えた「ホーム画面」だ。そしてそれはFacebookの 「その他」アイコンの下に埋もれて忘れられた「近くの場所」や「後で読むために保存」機能等のオプションではない。Hereは、ユーザーがすでに取り付けれたように、写真にタグ付けされたか投稿にいいね!がついたかをチェックしている、あの通知タブの中にある。

この配置は、Facebook Hereが直ちに膨大な量の注目を欲びることを意味している。

これはGoogle Nowの、もっと控え目で〈必要な時に現れる〉スタイルが悪いと言っているのではない。その方がむしろ実用的であり、一方Hereは殆どが単なる娯楽だと言えるかもしれない。Nowは間違いなく、すでに人々の生活を便利にしている。あなたに割り込む能力を持ちながらも、Nowは様々な意味であなたの時間を欲しがらず尊重する。この効率性こそがGoogleの伝統だ。

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しかし、Hereの人の注目を吸い上げる潜在能力はFacebookの伝統だ。そしてもしFacebookが、Hereを人々の行動パターンに焼き付けることができれば、いつかその注目を、スポンサー付きカードやブランド付き情報で収益化できる日が来るかもしれない。

AppleとGoogleは、つつましく必要になるまで隠れているアシスタントを作った。Facbookは、AIが集めたコンテンツからなる声高で誇り高き第2のフィードを、人間が作った第1のフィードの隣に並べた。そしてHereは、あなたのすぐ目の前にある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

FacebookのAI/人力アシスタント「M」。利用のトップはレストランのお薦めと買い物支援

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Facebook MessengerのAI/人力ハイブリッドアシスタント “M” は、どのように役立つのだろうか。Facebookの早期テストデータによると、人々はレストラン予約、問題を解決してくれる地元企業の発見、あるいは何かを買うために使っているようだ。

FacebookはMの利用方法について、「今のところ、多くの人々がMを、ちょっとした雑用を頼んだり、困難から抜け出したり、忙しすぎる時の余力拡大のために使っている」と説明した。

パーソナルアシスタント機能は、極く限られたテストグループにのみ解放されているが、このデータによって、人々がMやMagic、Operator等のライバルに何を望んでいるかが明らかになった。しかし、こうしたアシスタントの提供元がユーザーに対して、サービスにできることの範囲を教育する必要性も浮き彫りになった。

8月にThe Informationの速報を受けて、Facebookは同社のMプロジェクトの詳細を正式発表した。Messengerに内蔵されたMは、ユーザーがテキストで送るほぼどんな要望でも受付ける ― オンラインの雑用からリアル世界のサービス予約や購入代行まで。現在、ユーザーからの要望はFacebook社員と人工知能の組み合わせによって処理されている。

将来への希望は、人間がAIにもっと複雑な作業をできるよう教え込むことだ。もしMが成功し財政的にも展開可能になれば、人々の生活に役立つだけでなく、数あるチャットアプリの中でFacebook Messengerへの忠誠度を高めることができる。しかし、もし規模拡大が高くつきすぎれば、Facebookはプロジェクトに大量の資金を注ぎ込むかもしれない。

Mは、人々に代わって購入やサービスの予約を行うことによるマージンで、それ自身利益を上げる可能性を持っている。しかし、Facebookにとってもっと大きな潜在価値は、ニュースフィード広告で豊かな収益を得られるエコシステムに、ユーザーを縛りつけることにある。いずれFacebookは、Mで広告主の商品に関するリクエストを送るよう薦める広告を売ることもできるだろう。


Facebookによると、現時点で最も多いタイプの要望はレストランのお薦めと予約だ。料理の種類、店までの距離、価格帯あるいはレストランのランク等をユーザーが伝えると、Mは要望に沿った店を見つけてテーブルを予約する。

地元検索のリクエストが2番目に多かった。ここではMが、ユーザーの要求に答える地元の店、場所、サービス等を見つけるのを助ける。ユーザーがどこで買えるか、予約を取れるか、何かを見られるかを問い合わせると、Mが道順を教えてくれる。

3番目に多かったリクエストの種類は、購入の支援だ。自分で店に出向いたり、オンライン支払いの手順に沿う代わりに、MがFacebookに登録されている情報を使い、ユーザーに代って支払いを済ませる。こうして、ユーザーには最小限の手間で、欲求を商品の配達へと変えることができる。

他に多かったのは、花や食料品の注文、旅行の計画、天気予報、予定のリマインドだった。

Facebookが発見したMの利用例

  • 直接会社に電話することなく、ケーブル会社と交渉してサービスをキャンセルしたり、払い戻しや割引を受ける。
  • レンタカーの通行料罰金について、Mがレンタカー会社と交渉し、延滞料金を回避して罰金を払う。
  • 鍵をなくした時、車の牽引とホテルを直前予約を代行する。
  • 旅行の支援。Mが言葉の通じない地元民と話して紛失物を取り戻す。
  • 結婚式のプラニング。メーキャップ、花、プログラム、マニシュア等の業者をアレンジする。
  • 休暇旅行に向け、フライト予約、予定表作成、行動の計画等を行う。
  • 新米の両親を助け、子育て支援サービスを探したり、様々な仕事を代行する。

これらは、SMSや普通のチャットアプリに出来ることではない。そして、それこそがFacebookにとって重要だ。メッセージングは、差別化が困難な分野である。

どのアプリも、テキストメッセージだけでなく、写真、音声、ヒデオチャット等永遠に増え続ける新機能に対応している。しかし、Facebookはその膨大な研究開発資源のおかげで、Messngerを不可欠な存在にする方法を見つけたのかもしれない。そしてそれはMという文字から始まる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookは、ハッキング警告の表現を改善すべきだ

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「多くの人々にとってはFacebook〈が〉インターネットである」と言う時、それは「多くのFacebookユーザーはインターネットが何であるかを良く理解していない」という意味だ。インターネットの俗語を浴びせかけることは、彼らを硬直させ無視させるか、ひどく混乱させるだけだ。

だから、もしFacebookからこの通知を受け取ったら、 どんなハッキングの標的を彼らが想定するか考えてほしい。

今すぐアカウントの安全を確保してください。

Jayさん、あなたのFacebookアカウントおよびその他のオンラインアカウントは、”State-sponsored actors”からの攻撃に曝されている可能性があります。ログイン認証を有効にすることで、他人があなたのFacebookアカウントにログインすることを防止できます。あなたのアカウントが、新しい端末あるいはブラウザーからアクセスされた場合は必ず、われわれからあなたの携帯電話にセキュリティーコードを送信し、あなただけがログインできるようになります。他のサービスでも手順を踏んでアカウントの安全性を高めることをお薦めします。〈詳しくはこちら〉

“State-sponsored actors”([国/州]が支援する[集団/俳優])?  どう考えても何が起きているかを明快に説明する言葉ではない。たとえ正確さと簡潔さを求めたのだとしても。

  • 「地元の大衆劇団の誰かが私の写真を見ようとしている?」
  • 「財政支援に関する風刺マンガが私の個人情報を盗んだ?」
  • 「隣の州の変人が私のFacebookプロフィールに侵入しようとしているって?私はケンタッキー人を信用したことがない」
  • 「オバマ!!??!?!?」

これが一部の人々の反応でなかったことを願う。しかし、Facebookについて書くようになってから5年、常軌を逸したデマが飛び交うのを目にし、システムに関する気が遠くなるような誤認識に関わって関わってきた身として、この「警告」が本来最も助けを必要とする人々を混乱させることは間違いないと感じている。

「政府が資金援助しているハッカー」「他国と手を組んでユーザーの個人情報をアクセスあるいは盗もうとしている犯罪者」「悪人たち」。そのいずれもが “state-sponcored actors” よりは明確だ。もちろん 〈詳しくはこちら〉ボタンを押せば追加情報を得られるが、殆どの人はわざわざそんなことをしない。

何をすべきかの助言も曖昧だ。「利用しているアカウントを安全にするための手順を踏む」。これは単に、パスワードを変更して2要素認証があればそれを有効にすると書けば意味が通じるだろう。

今後FacebookやGoogleは、Facebookが今回賢明にもユーザーに利用を呼びかけているログイン認証のような、より高度な保護機能を提供するかもしれない。これは非常に優れた機能だ。それでも、人々に今使っているパスワードを変えさせるのが先決だろう。それは比較的容易で、馴じみがあり、基本的にどのサイトやアプリでも同じように働く。

この問題の核心で、Facebookは正しい行動をとろうとしている。同社の安全なデータベースはこれまでにハックされたことがなく、間違いを犯したこともないにもかかわらず、自らの名声を懸けて、ユーザーが自らを危険にさらしたり、Facebook世界以外からの攻撃の標的にされる可能性を警告している。一部の人々は、たとえFacebookの責任である可能性が低くても、当然のようにFacebookを責めるだろう。しかし、Facebookは能力の限りを尽くして人々に警告することによって、善良なインターネット市民であり続ける。

もう少し人間的な方法をとる必要がある、というだけのことだ。それは、悪質なハッキングにあったユーザーがFacebookに入れなくなったり完全に撤退してしまい、その結果同社のビジネスを損うからという理由だけではない。もしハックされれば、被害者が今後もオープンに他のどんなサービスとも繋がっていたいと考える可能性は限りなく低くなるからだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、iOSアプリのバッテリー消耗問題を修正中

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Facebookは、iOSアプリがバックグラウンドでプロセスが動作し続けることによって起きるバッテリー消耗の報告を調査中であることを正式に認めた。これはiOS設定の[Appのバックグラウンド更新]がオフでも起きるという。

TechCrunchに送られた声明文で同社広報担当は、この問題に取り組んでいることを認め、「近い」うちに修正を提供できる見込みだと語った。

「一部のユーザーからiOSアプリでバッテリー消耗が起きているという報告があった。現在原因を調査中であり、近いうちに修正できる見込みだ」

今週この問題についてブログに書いたCircaの共同ファウンダー、Matt Galliganは、Facebookアプリのバッテリー消費を「非常識」と表現し、アプリのバックグラウンド更新を無効にしているにもかかわらず、7日間の全バッテリー使用の15%を同アプリが使っていることを指摘した。

「ホームボタンを押してもアプリが正しく「スリープ」していないため、バッテリー消費を続ける」と彼は書いた。「この無関係なバックグラウド消費のために、私には何の価値もないにもかかわらず、実際に使用した時間の2倍もアプリが動き続けている」

別のユーザー、Nick Neerもこの問題についてブログに投稿し、Facebookのリソース利用を「ユーザーにやさしくない」と評し、「Facebookは、ユーザーが明示的に望まないにもかかわらず、バックグラウンドでアプリ更新を続けて積極的にチャンネルを作っている」と指摘した。

さらに今週、MacStoriesのFederico Viticciもこの問題を検討し、「無用なバックグラウンド動作」について、Facebookは「アプリがビデオを再生する際オーディオを消音たるために、iOSのオーディオセッションを乗っ取っている」のではないかと主張している。

「なぜなら、標準設定でFacebookのビデオはWi-Fiでも携帯通信でも自動再生になっており、わざわざオフにする人は殆どいないため、Facebookアプリはいつでもビデオを再生できるようにバックグラウンドでオーディオを確保し、そのためにバックグラウンドタクスがエネルギーを消費している可能性が高い」と彼は推測する。

本誌のRomain Dilletは、Facebookアプリをバックグラウンド更新スイッチをオフにした状態で使用して、アプリのバッテリー使用状況を監視することで、Facebookのビデオ自動再生機能に責任がある理論を検証した。

バックグラウンドアプリ更新オフ、ビデオ自動再生オフの状態で、FacebookのiOSアプリは24時間に彼のiPhone 6sで7%のバッテリーを使用した。ビデオの自動再生を有効しても殆ど変化は見られなかった ― 次の24時間で同じく7%の消費だった。このため自動再生ビデオが問題の一部であるかどうかの確証は得られていない。しかし、バックグラウンドのバッテリー消費に関して、Facebookアプリはやはり実際の使用以上に消費していることを示している。

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Facebookは、ここで起きていることに関する様々な理論について一切コメントしていない ― オーディオ乗っ取りやVoIPを使い、ユーザーの意に反してアプリを起動状態にしているか等。しかし、不要なバックグラウンドアプリ動作報告の原因である何か ― バグあるいは秘密めいた機能 ― を修正はしているらしい。そういうことだ。

ちなみに、もしFacebookの厄介なバックグラウンド動作を完全にやめさせさいなら、もちろん、アプリを削除してiPhoneのブラウザーでFacebookにログインすればよい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookは、あなたの「記憶」を消す手助けをしてくれる

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もしあなたが映画「エターナル・サンシャイン」を見たことがあるなら、特定の記憶を事前に脳内から取り除くという概念を知っているだろう。ネットから記録されていく物事は、あなたの記憶を刺激し続け、中には故意にそれをするサービスさえある。TimehopやGoogleフォトにはその機能があるし、Facebookの“On This Day”[過去の今日]機能もそうだ。

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過去のその日に起きたことを教えてくれる毎日のリマインダーはすばらしくもある。ただし、ひどい失態を堀り起こしてあなたをうつ状態にさせるかもしれない。冗談ではない。私も、過去の出来事や人々の思い出に涙したことがある。

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Facebookは今日、そんな嫌な記憶を除去する方法を提供開始した。自分の「過去の今日」ページへ行き、右端の「設定」ボタンをクリックして、消し去りたい日付または人名を入力すれば、次回その日やその人物が、疑うことを知らないあなたの顔に突き刺さる前に、取り除いてくれる。

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この機能の通知そのものを停止して、二度と見ないようにすることも可能だが、5年前の今日起きたことを思い出すのが楽しい時もある。嫌な気分を味わいたくないだけだ。そして、思い出すのがよいこともある…なぜなら、腹立たしく感じたものを見ることで、私たちが人間であることを再認識できるからだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、視覚障害者が画像を「見る」方法を開発中

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Facebookは世界15億の人々をつないでいるが、視覚障害のある人たちにとって、つながるための巨大プラットフォームをアクセスすることは難しい。Jeff Wieland率いるFacebookのアクセシビリティーチームは、そのために立ち上がった。アクセシビリティーチームの目的はただ一つ、障害者がFacebookでシームレスな体験を得られるようにすることで、最終的には、世界をつなぐというミッションを達成する。

現在、視覚障害があり、スクリーンリーダー(画面に表示されたものを認識するツール)を利用できる人たちは、みんながFacebookに書いたものを聞くことはできるが、毎日Facebookでシェアされている何百万もの写真で何が起きているかを知る術はない。

「あなたのニュースフィードがどれだけビジュアルか考えてみてほしい ― おそらく殆どだろう。そして多くの人たちが写真についてコメントしたり、投稿したものについて何かを書いているが、その〈写真〉が何であるかについてはあまり語らないことが多い」とFacebook初の全盲エンジニア、Matt KingがTechCrunchに語った。「つまり私のような人間にとっては、『で、何の話?何を議論しているの?』ということになるのです」。

だからFacebookは、人工知能ベースの物体認識ツールで、目の不自由なユーザーにFacebookで人々がシェアした写真に何が写っているかを伝えるしくみを開発している。わずか3ヵ月前に入社したKingは、彼がどのようにスクリーンリーダーを使ってFacebookを操作しているかを見せてくれた。

「私にとってページは完全に順列です」とKingは私に説明した。「一度に全体を見渡すことはできません。小さな断片が一つ見えるだけです」。

彼がページをスクロールダウンすると、スクリーンリーダーはKingに、6項目のリストがあることを伝え、それはその時点で彼に通知が6件来ていることを意味していた。そして彼が “convo box”[会話ボックス]に到達すると、このツールを使ってコメントを残せることをツールが知らせた。

やがてKingは、テキストと写真からなる友達の投稿までスクロールした。友だちのAnneは、「一年生の写真撮影の日に向けて準備完了」と書いて、写真を載せていた。Facebookが試作中の物体認識技術によって、Kingは、「この画像に含まれるかもしれないもの、コロン、1人以上の人物」という音声を聞いた。これがなければ、KingにわかるのはAnneが「一年生の写真撮影の日に向けて準備完了」と書き、写真を載せたことだけだ ― 何の写真かは全くわからない。別の写真についてツールは彼にこう言った:「この画像に含まれるかもしれないもの、コロン、自然、アウトドア、雲、葉っぱ、草、樹木」

下のフォトギャラリーで、スクリーンリーダーを使って写真を見た時に聞こえる説明を見ることができる。

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「まだ100%ではないかもしれないが、たとえそこから生まれるつながりや得られる楽しみの半分だとしても、少なくとも、得られるものが0%から50%に増えることです」とKingは言った。「これは大きな飛躍であり、これからも伸びるばかりです。私はFacebookのこうした取り組みへの投資を、非常に力強く楽しみなことたと考えています。そしてこれは、障害のある人々とすばらしい体験とをつなげる方法の一つにすぎません」

残念ながらスクリーンリーダーの習得には少々時間がかかる。Kingの目標が、視覚障害者にとってもっと敷居を低くすることにあるのはそのためだ。障害のある人たちが、障害のない人たちと同じくらい簡単に、世界のどこにいようともウェブを利用できるようにすることが彼の願いだ。

「Facebookでは、情報と情報テクノロジーの利用を人権とほぼ同じ物であると考えるようになりました」とKingは言った。「つまり、これは雇用への入口であり、あらゆる機会 ― 政府やあらゆることへの参加 ― への入り口です。だから私たちがこの段差を埋められた時が、アクセシビリティーの究極のゴールであり、Facebeookはそれを実現するための特別な立場にいると思っています。それが私の心をとらえました。これは、障害のある人々が他の全員とつながるのを手助けすることによって、彼ら全員に尊厳を与える方法なのです」

チームはこのシステムを年内にウェブまたはiOSどちらかのプラットフォーム向けに提供し、この体験にオプトインできるようにすることを目標にしている。

「何が写っているかを確信を持って伝えなくてはいけません。間違えたくありません。だからAIに投資を続けてこれをすばらしい物にする必要があります。私たちは比較的早く出荷できると楽観しています」とWielandは言った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、ビデオ発見機能をテスト中―YouTube、スマートTVに対抗、収益化も視野に

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Facebookのニュースフィードでは友達が投稿した思いがけないビデオを見るチャンスが多い。Facebookは現在、各種の新機能をテスト中だが、この中にはビデオクリップ共有専用のチャンネルのようなビデオ発見機能を大幅に強化するものも含まれている。

iOSアプリのホームスクリーンの場合、最下部のメッセンジャー・ボタンの代わりにビデオ・ボタンが表示される。現在この機能は比較的少数のユーザーを対象に表示されており、おそらくはこのスタイルのままで実用化されるわけではないだろう。

新しいビデオ・フィードはノンストップでクリップを表示し続ける。寝転がってずっとFacebookを眺めているポテトカウチ族には絶好だ。時折、友達がメインのニュースフィードに投稿したビデオも表示される。 ユーザーはチャンネルクをスクロール・ダウンして好きなクリップを見ることもできる。Facebook側では「われわれはスマートTVのようなまったく別のプラットフォームも(このフォーマットで)実現できる」としている。

Videos section

Facebookはこのビデオ機能にここ2年ほど実験してきたいくつかの発見機能を組み込んでテスト中だ。たとえば、 お勧めにビデオマルチタスクが有効な場合、ピクチャー・イン・ピクチャーでドッキングしたビデオの表示「後で見る」オプションのサポートなどだ。

Facebookではこうした実験を「テキストと写真からビデオへの拡張の自然な道筋」としている。つまり将来のFacebookの仮想現実(AR)化への通過点というわけだ。ビデオの発見機能の強化のテストと同時に、 360度のVRビデオ著名人のビデオのライブストリーミングビデオ・クリエーターに対する権利保護、さらにはクリエーターへの支払機能なども実験される。

Facebookで表示されるビデオは4月時点で1日40億本とされている。現在はおそらく1日50億本になっているだろう。オーガニックな、つまり自然な投稿だけでなく、Facebookはこの強力なビデオ機能を現行各種テレビと張り合えるような収入源に育てていくつもりのようだ。

視聴方法

「お勧めビデオ」は現在、大部分のiOSアプリ・ユーザーに対して表示される。Facebookではこの機能をさらにウェブとAndroidアプリに拡張しようと準備しており、テスト自体は2014年から開始されている。

現在はもっと便利なフル・スクリーン機能がテスト中だ。ニュースフィード中で背景を暗くしたライトボックス・モードに移行してクリップを見た後、ユーザーはそのままスクロール・ダウンするだけで他のビデオを自動再生できる。Facebookではこのようにして「お勧め」による新ビデオの発見とスマートTVのような「連続視聴」の間の橋渡しを試みている。

Suggested videos

面白そうなクリップを見つけたが、ずっと見ている暇がないユーザーのために、Facebookではこの6月からクリップをサムネイル・サイズに縮小してニュースフィード・スクリーンの隅で再生を続ける 機能も提供している。この機能は音楽ビデオの場合、ことに有効だろう。

Watch while multitasking

また「後で見る(Save)」ボタンのデザインも改良されて見やすくなった。「後で見る」ボタンを押すとビデオはユーザーのプロフィール・ページに保存され、後で簡単に再生が可能だ。

Saved

ビデオ・クリエーターの権利を最大限尊重

Facebookは今後も「ただ乗り屋」を厳しく取り締まっていく考えだ。一部のパブリッシャーが他のクリエーターのビデオを勝手に利用して金を儲けようとすることはFacebookでは許されない。これまでもAudible Magic のビデオ指紋抽出ソフトなど、ビデオのただ乗りを防ぐためのサードパーティーのツールは市場に出ていたが、被害を防ぐという点で実効性が低いという不満が出ていた。そこでFacebookが直接乗り出したきたわけだ。Facebookのツールは極めて強力で、内部的構造としてはYouTubeのコンテンツIDに匹敵するという。

こうした措置が取られれば、クリエーターが興味あるクリップやミニ・ムービーをFacebookに投稿するインセンティブは大きく高まるだろう。実はYouTubeやVineがティーンエージャーの間でこれほど人気が高く、運営者にとって大きな収入源になっている理由の一つはこうした権利保護措置にもある。

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ただし、Facebookのビデオ・フィードはYouTubeが行っているような「検索してサブスクリプションする」というインターフェイスに直接対抗するものではない。Facebookがビデオを強化するのはあくまでメインのニュースフィードの邪魔にならない範囲であり、ソーシャル・ディスカバリーが機能する範囲においてだ。

Facebookが実験中のビデオ強化は、自然にビデオ機能をユーザーに浸透させるという点でYouTubeのように特定のテーマを積極的に検索するモデルの対極にあり、Facebookの本質によく合致していると思われる。ひとたびビデオ機能が受け入れられればFacebookが広告をそこに挿入する余地は無限にあるに違いない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook、3D Touchに対応。近況アップデートや写真・ビデオ投稿のショートカットを提供

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Facebookは今日(米国時間10/12)午前iOSアプリをアップデートし、iPhone 6sと6s Plusのオーナーは新たに導入された3D Touch機能を利用して、ソーシャルネットワークとすばやく対話できるようになった。アップデート後、Facebookアイコンを強押しすると、ショートカットが表示され、写真/ビデオのアップロードや撮影、近況ステータスの投稿が可能になる。

この機能追加は、サードパーティーによる3D Touchサポートとして強く期待されていたものだ。3D Touchは、Apple Watchで導入された類似機能のForce Touchに由来する。これは新しいiPhoneの看板機能の一つであり、アプリの迅速なアクセスを可能にする新たなジェスチャーだ。

アプリの右クリックになぞらえられることも多いが、これは元々モバイルアプリの持つ機能のショートカットなので、どちらかというとパワーユーザーのための新たな選択肢であり、誰もが覚えるべき新しい操作ではない。

当初3D Touchは、Appleの標準アプリケーションであるメール、ミュージック、マップ等のみで利用できたが、iPhone 6s/6s Plusの発売後、徐々にサードパーティー製アプリにも採用されてきた。Facebook傘下のInstagramは3D Touchを最初にサポートしたアプリの一つだが、今回Facebookがサポートしたことは、同機能が史上トップクラスのモバイルアプリに入るという意味であり、comScoreによれば、他のどのアプリよりも多くのユーザーの手に届くことになる。

Facebookの他のアプリ、WhatsApp、Messenger、Moments、Group等はまだ新操作方式を採用していない。

Facebook以外に、現在3D Touchをサポートしているトップアプリには、Pinterest、Jet、Twitter、Shazam、OpenTable、チャットアプリのConfideとFirechat、Medium、Dropbox、Evernote等がある。

ただし、ユーザーはFacebookが今日3D Touchを公開したことに全く気付かないかもしれない。なぜならFacebookは詳細なリリースノートを出さないからだ ― これはデベロッパーが自分のアプリの新機能についてユーザーに通知する必要を感じなくなった悪しき慣習である。

アップデートされたFacebookアプリは現在iTunesで公開中。これ以外にiPhone 6sまたは6s Plusのみで利用できる新機能、例えばLive Photos等の追加はないようだが、年内には出てくるだろうとAppleは言っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook Messenger、Apple Watchアプリが正式公開

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9月のAppleイベントのキーノートで、Facebook MessengerがApple Watchにやってくる、ただしそのためにはwatchOS 2にアップデートすること、とAppleは言った。今それが公開された。

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これで音声クリップ、いいね!、スタンプ等をApple Watchから送信できるようになった。私の経験から言うと、Apple Watchが最もうまく機能するのはこの種のちょっとしたやりとりだ。誰か相手を選んで行動起こす必要が生じた途端、物事は面倒になる。watchOSにできることは山ほどあるが、バージョン2は、製品が出荷された時より何光年も先へ進んでいると私は言いたい。

Apple Watch版Messengerが最初に発表された時、本誌のJosh Constineはこう言った:

Facebook Messengerの普遍性が高くなればなるほど、ネットワーク効果は強固になる。友達がFacebook Messengerからメッセージを送ってくるたびに、あなたはFacebookエコシステムに近づいていく。彼らがSMSや他のアプリ(WhatsAppを除く)からテキストメッセージを送ってくるたびに、あなたは遠ざかっていく。Apple Watchのユーザー基盤が比較的小さいにもかかわらず、Facebookにとって重要である理由はそこにある。

そういうことだ。

Apple Watchのサポートに加えて、iOS版Facebook MessengerはSpotlightと統合され、iPadでのマルチタスクにも対応した。Spotlightの統合は非常に大きい。これでMessengerの連絡先やメッセージ内容を、アプリを開かずに検索できるようになる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookがダウンした!(アップデート:復旧済み)

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みなさん、あり得ない(こともない)ことが起きた。巨人、Facebookが落ちた。

通常私たちはFacebookが1分間停まったからといって大騒ぎしないが、今回はもう20(アップデート:30!)分になる。1日に数百万ドルを稼ぐ会社にとって、これは何万ドルもの収入減だ。

本誌はFacebookに連絡を取り、何が起きているか調べている。

アップデート: 35~40分間のサービス停止の後、復旧したと報告する人たちがいる。まだダウン中という報告もある。どうやらサーバー単位で復帰しているようだ。

アップデート #2: どうやら殆どの人のところで復旧したもよう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookの広告チーフ “Boz”、「クリックしてメッセージ送信」広告を発表

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今日(米国時間9/22)のTechCrunch Disrupt SF 2015で、Facebookの広告責任者、Andrew “Boz” Bosworthが本誌のJosh Constineと対談し、同ソーシャルネットワークでの広告の現状について語った。

Bozは初めにInstant Articleについて話し、コンテンツが読み込まれるまで6~8秒間待たされていた従来のユーザー体験を、いかに改善したかを強調した。

このサービスが実際にユーザーの再来訪率を高めているかを尋ねられると、まだこの製品は初期段階にありそれは将来改善できる可能性のある領域だと語った。コンテンツの再循環の増加等にも言及し、それらが視聴者の維持に役立つと言った。

次に話題はモバイルへと移った。Bozは、モバイルへの「シフト」は終り、Facebookはモバイルの成長の時代にあると語った。しかし、一部の市場ではデスクトップ傾向が高まっており、今でも絶対的には中心となるプラットフォームである。

メッセージングについてBozは、米国以外で興味深いモバイル利用のトレンドがあると言った。例えば、スペインではユーザーがWeChatを使ってレストランの予約をしている。これはメッセージング分野の持つ大きな可能性であり、モバイルコマースを単純化する上で重要だと話した。

Facebook自身については、Facebookページ経由のメッセージングは対前年比で倍増しており、そこがカスタマーサービスへの問い合わせを受ける主要な場所になっている会社もいくつかあったとBozは言った。

もう一つ興味深い話として、同社は「クリックでメッセージ送信」広告を開発中で、これを使うと企業は顧客に会話を始めされるよう誘う広告を作ることができるとBozは話した。

最後にConstine記者は、Facebookがかつて企業に「いいね!」を買うことを薦めていたが、今は企業が直接ニュースフィード広告を送るようになったことについて尋ねた。

Bozによると、エンゲージメントを測る環境と技術はこの5年間で変化しているが、今でも企業は増やした「いいね!」の恩恵に預ったと信じていると語った。

最後に彼はVR広告について、これまでで最も生活に密着した広告体験を生み出す可能性を秘めていると話した。

Canva Disrupt SF 2015 Boz

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookの〈Dislikeじゃない〉ボタンは、絵文字だけになるかもしれない

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どうすれば、共感の気持ちを簡潔かつ明確に言語を越えて伝えられるだろう?

Dislikeボタンは長年Facebookユーザーから最も要望の多かった機能だ。そして今週ついにCEO Mark Zuckerbergは、あなたが自然災害や家族の死等の悲しい知らせを投稿した時、人々が「あなたの気持ちを理解し、そのことを伝えたがっていることを表現する」方法を開発中であることを明らかにした。

多くのニュース機関はこれを、FacebookがサムズダウンのDislikeボタンを作っていると、誤って解釈したが、実際にZuckが言ったのは、「単なるDislikeボタンは作りたくなかった。なぜならFacebookを人々が他人の投稿にアップやダウンの投票をするフォーラムにはしたくないからだ。それはわれわれが作りたいコミュニティーの姿だとは思えない」だった。

Slack Reactionsでは、このボタンはどんな見た目になるのだろうか? 当初私が推したのは “Sorry” で、それは簡潔で明白で翻訳可能だからだった。しかしよく考えるうちに、絵文字の方が良い選択肢である気がしてきた。

その機能ならもうSlackにある、と言いたい人がいるかもしれない。職場のチャットアプリであるSlackでは「リアクションを追加」することが可能で、膨大な標準絵文字リストまたは会社がアップロードしたカスタムメイドのアイコンを選んで投稿に返信できる。

しかし、Slackのシステムは触れ合いを大切にするメッセージングアプリではうまくいくかもしれないが、制約がなさすぎる。もしみんなが異なる絵文字を選んで返答すれば、絵文字の山が出来てしまう。多くの絵文字は、楽しいけれどもその意味はあまり明確ではない。ピザにどんな意味があるのか? 丸顔? それともペンギン?Screen Shot 2015-09-17 at 3.17.52 PM

だから私は、Facebookが共感ボタン等Like以外の感情を表現する方法のお手本にするなら、Pathのリアクションに似たものがよいと思う。

Path ButtonsPathの投稿に絵文字やスタンプで応答するにはコメント機能を使う。ただし、ハートアイコン(LikeのPathバージョン)を押すと5つの選択肢が現れる。

  • ハート ― 実質的にLikeと同じく、好意を表す
  • スマイル ― Likeに似ているが、好意よりも自分のポジティブな反応
  • ウィンク ― 誰かのユーモアに対する笑いや感謝
  • 驚き ― 衝撃あるいは疑念のリアクション
  • しかめつら ― 悲しみ、共感、あるいは同情の表現

この5つの絵文字を使って、実に様々な共通する感情を表現することができる。タップするとその絵文字が投稿の下に積み重ねられていく。

Freeのファウンダーで、Path創設当時のデザイナーだったDanny Trinhは、当初PathではHappyからSadまでのスライドつまみを使って感情を伝えようと思っていたと私に話した。しかし、それは早くもなく包括的でもないように思えた。

次にTrinhは、リアクションを核となる感情に凝縮することを思いついた。以前彼はアップ/ダウン投票のアイデアを広めたDiggで働いていた。彼は私に、人々が有名人の死等の悲しいニュースにアップ投票することの気まずさを訴えた。Pathのより親密なSNSアプリには、もっと微妙な感情表現が欲しかった。彼が提案したのはこれだった。

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Pathは様々な感情カテゴリーの実験を行った。そしてTrihnによると、共同ファウンダー・CEOのDave Morinが「膨大な感情カテゴリーを分類した資料を堀り起こして検討した結果、この5つに落ち着いた」。これによって、どのリアクション絵文字も即座に認識できる非常に簡潔なインターフェースが可能になった。

私は同様のしくみがFacebookでも使えると思う。他のソーシャルアプリのデザインをパクることを尻込みする会社ではない、特にPathに関して。最近Facebookは、近況の投稿でPathスタイルのフライアウトボタンをテストした。去る2013年、FacebookはMessengerの送信ボタンをテキスト入力前はサムズアップに変えた ― Pathのチェックマークと同じように

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Pathのチェックマーク(左)はFacebook Messenger(右)のテキスト入力前に表示されるLikeボタンの元になったと思われる。

もしFacebookが悲しい顔の絵文字や限られた種類の絵文字を追加すれば、インターフェースをあまり乱雑にすることなく、Like以外の感情を共有するための、万人に理解可能な方法を提供できるだろう。

うまくいけば、絵文字フィードバックはFacebookのニュースフィード順位アルゴリズムに、たとえLikeできない記事でも、何が重要で何がよく読まれたかを教えられるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、Googleと協力してモバイルウェブユーザーにプッシュ通知を送信

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デベロッパーがモバイルウェブサイトを嫌う大きな理由は、ネイティブアプリのようなユーザーを呼び戻すためのプッシュ通知がないことだ。それはfacebookにとって深刻な問題だった。山ほどのユーザーがm.facebook.comサイトにやってくるのに、彼らを引き入れることができない。そこで今日(米国時間9/14)Facebookは、Googleと協力して新たなモバイルウェブアラート標準を定め、モバイルウェブサイト m.facebook.comのユーザーが、Chrome経由で通知を受けられるようにしたことを発表した。

2Googleが最初にサードパーティー用のChromeプッシュAPIの開発を発表したのは4月で、eBay、Vice News等数社がこの標準の実装を約束した。このたびFacebookが同機能を導入したことで、m.facebook.comを使うChromeユーザーは、Chromeプッシュを有効にするかを尋ねられる。Facebookのブラウザーパートナーシップ担当製品マネージャー、Janathan McKayは今日私に、「プッシュ通知に対応して以来、訪問者が増えている」と語った。

Chrome経由のプッシュは、「Facebookをあまり使わない人々をサイトに呼び戻すのに最適なツールだ」とMcKayは説明する。「最良のコンテンツをプッシュすることによって、彼らは自らサービスをアクセスしなくてもよくなる」。これは友達が結婚したり、その人が写真にタグ付けされた時、サイトを訪れるよう通知するという意味だ。こうしたプッシュアラートがないと、モバイルウェブユーザーはFacebookで何か急な呼び出しがあっても気付く術がない。

通信費を気にしないソーシャルネットワーク中毒者は、高性能なネイティブFacebookアプリの方を好むだろうが、途上国市場ではモバイルサイトの人気が非常に高い。表示に無駄がなくデータをあまり消費せずに済みアプリのアップデートも必要ない。

1Googleは、自社のモバイルウェブプッシュ通知標準を他のブラウザー提供元も採用することを願っている。「今やわれわれとOperaが安定して提供しており、11月にはFirefox 42にも塔載される」とGoogleでこの機能を担当するアソシエート製品マネージャーOwen Campbell-Mooreは言う。中国企業UC WebのUC Browserもこの機能をサポートして途上国市場への進出をはかっている。

一つの課題は通知の重複だ。Facebook、Facebook Lite、Operaその他のプッシュ方法にモバイルサイトが加わることによって、ユーザーは既に見たプッシュに再び曝されかねない。Facebookの統合担当ソフトウェアエンジニア、Nate Schlossはこの煩わしさを懸念している。McKayはこれをテスト中「Nateと私は誰かが何かをするたびに9回通知を受けた。あれはまるで耳鳴りのようだった」と笑いながら話した。

各社はユーザーの好むインターフェースを知り、それだけをプッシュしてアラートの重複を避ける方法を検討している。うまくいけば、プッシュ通知はモバイルウェブがネイティブアプリに対抗するための後押しになるかもしれない。今後はモバイルブラウザーの簡便さで、ネイティブアプリのように再来の機会を得られるようになるかもしれない。

両社が協力することによって、Facebookは体験の改善を手助けされ、GoogleはFacebookの膨大な規模でのみ発生するバグや問題点を知ることができる。それは、今日この種の発表を聞きにシリコンバレー全体からプログラマーが集結した、Facebook @Scaleエンジニアリング会議の大きなテーマの一つだった。ITの巨人たちは競い合うばかりではない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookの新機能「一時プロフィール写真」を使って大義を支援しよう

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Facebookのプロフィール写真は、最も多く発信されるメッセージだ。ゲイの権利を守るために写真をレインボーに、あるいはアラブの春のためにグリーンに染めることほど、人々の関心を高める方法はない。

Facebookは、人々がこの小さな広告塔を活用するためのツールを提供しようとしている。この近々一般公開予定の一時プロフィール写真機能を使うと、プロフィール写真を変更した後、指定した時間/日/週が経過した後自動的に元に戻る。

これは陳腐化したプロフィール写真が出回り続けるのを防ぐと同時に、一見誰だかわからない写真を促進することにもなる。それは大義を支持する方法として浅薄であると指摘することはできるが、全くの無関心よりは良い。もちろん、本当に変化をもたらしたい人たちは、手軽な手段ではなく、慈善事業に時間やお金を寄付するリンクをシェアすることを選ぶかもしれない。

TempProfilePic私はあるTechCrunch読者から報告を受け(Suki B aka @ForkToPenに感謝)、画面についてFacebookに確認したところ、少数ユーザーの間でテスト中であり、今後数ヵ月のうちに広く公開するつもりだと認めた。

残念ながら、有効期限のセレクターの画像はないが、Facebookがこう説明している。

「プロフィール写真を、大義の支援や、チームの応援、誕生日や記念日のお祝い等に使う人をよく見かける。今われわれは、一時的なプロフィール写真を一定期間設定できる新機能をテストしている。一時プロフィール写真を使えば、後で写真を戻す心配をせず、簡単に自分の気持ちを表現することができる」

機能が有効になっていると、新しいプロフィール写真を選んだ時に有効期限を設定するオプションが表示される。期限が来ると元の写真に戻り、ニュースフィードには変更の通知が送られない。その後もその一時写真はアルバムのプロフィール写真で見ることができる。

Facebookが、ユーザーの差し迫った行動に応じて製品ロードマップを提示したのは賢明な行動だ。少なくとも2600万人のユーザーが、プロフィール写真をレインボーにして同性婚を支持した。この新機能によって、ユーザーが終了したキャンペーンや時期外れの情報に関連した写真を載せ続ける残念な状況も回避できる。

しかしこの機能は、Facebookを使いにくくする危険もはらんでいる。プロフィール写真はアプリのあらゆる場面に登場し、友達や家族がすばやくあなたを認識するのに役立っている。もしみんなが顔の見えない一時プロフィール写真を使うようになると、友達のフィードは異質なものになり、誰かを見極めるために名前を読むことを強いるようになるかもしれない。

これは両刃の剣だが、Facebookはこれが混乱を呼ぶ以上に、ソーシャルネットワークを時流に沿わせるものだと信じている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、コンバージョン率で広告キャンペーンを比較するツールを提供

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Facebookは、今年1月に公開した広告効果測定ツール、Conversion Liftの改良版を発表した。これまでは、広告キャンペーンが実際にオンラインおよびオフラインの売上を改善したかどうかを測定することができた。これからは、異なる広告を比較テストして最良のアプローチを見つけられるようになる。

「Conversion Liftに関するフィードバックで要望のあった最も大きな改善項目の一つが、『キャンペーンが成功したかどうかだけでなく、キャンペーンをやりながらもっとテストをしたい』だった」とFacebookの測定担当副社長、Brad Smallwoodは言った。

具体的には、従来Conversion Liftは2つのグループを見ていた ― 広告を見たグループと見なかったグループ。その後両者のコンバージョンデータを比較し(データはFacebookのカスタムオーディエンス・ピクセル、店内POSシステム等から得られる)、実際に広告が販売促進に成功したかどうかがわかる。

改善されたConversion Liftツールでは、広告主は複数のテストグループと対照グループを比較できる。つまり、どの広告ユニットが最良の結果をもたらすか、ブランド広告と直接反応広告の比較、モバイル広告と他のキャンペーンとの比較、商品主体とライフスタイル型写真との比較等を見ることができる。

例えば、ウェブサイトビルダーのWixは、直接反応広告だけを見たグループと、それに加えてビデオ広告も見たグループとを比較した。結果は、両者を組み合わせた方がプレミアム購読登録の促進によい効果をもたらした ― 両方を見たグループが7.4%の向上、直接反応のみは6.8%。

また今回のアップデートに判い、Conversion Liftで広告がアプリ内販売をどう改善したかもわかるようになったので、アプリデベロッパーは、ダウンロード数を増やすためにキャンペーンを最適化するだけでなく、売上改善に焦点を当てることができるようになる。

Conversion Liftについては、このFacebookブログ記事で読むことができる。

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Facebookは、Messengerアプリに「M」という名のパーソナルアシスタントを入れようとしている

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FacebookがMessenger用の「アシスタント」を開発しているという噂をいくつも聞いていたが(例えばこれ)、今日(米国時間8/26)それらをまとめた詳細情報を入手した。Facebookは、デジタルパーソナルアシスタントの分野でApple、Google、Microsoftと真正面から戦うつもりだ。

Facebook Messengerの責任者、David MarcusがFacebookの計画について書いている

今日われわれはMという新サービスのテストを開始した。MはMessengerの中にいるパーソナルデジタルアシスタントで、あなたに代わって情報を見つける仕事をこなしてくれる。背後では人間によって訓練、指揮された人工知能が動いている。

市場にある他のAIベースのアシスタントと異なり、Mは実際にユーザーの代わりに仕事を片付ける。品物を買ったり、愛する人にギフトを届けたり、レストランや旅行の日程や打ち合わせの予約もできる。

今はMを大規模なサービスとして作り上げる過程の始まりだ。しかし、Messengerを使う人々が様々な仕事をそこでこなすことによって、人生の大切なことにもっと時間を使えるようにするための大きな一歩だ。

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MarcusがFacebookに入社して以来、Messengerアプリの開発が光速モードに入ったことは間違いない。支払いにしろ、単独サイトにしろ、このサービスがはるかに注目を集めるようになった。

AppleにはSiri、GoogleにはGoogle Now、MicrosoftにはCortana、そしてFacebookにはM。彼らがやっているのは、ユーザーがサービスに与えたデータを利用して、システムがユーザーについて知っていることに基づいて、ユーザーを助けたり何かを薦めたりすることだ。Messengerの中にアシスタントを入れることは、驚くほど賢いやり方だ。なぜなら、ライバルたちが命令をしゃべることを要求するのに対して、人々はメッセージを打ち込むことに慣れているからだ。

1月に買収したWit.aiは、Marcusが言う「人間によって訓練、指揮された」という部分を担当する。

GoogleとAppleが人口知能の純粋な科学にこだわっているのに対して、Facebookはパーソナルアシスタントの開発に人海戦術を取り入れることを選んだ。

決して安くはない。もしFacebookがこの機能の提供範囲を拡大したければ、殆どの要求を自動的に処理できるようになるまで人間がAIを訓練するのを待つか、大枚をはたいてアシスタントをアシストする人員を大量に雇わなくてはならない。

展開は遅くなる可能性が高いが、正式なレビューにむけて今後も注目していく。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Appleは変わるべきだ

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Appleには敬服すべき点があまりにも多い。彼らは最高の美しい製品を作る。その驚きの復活劇は、企業史の中でも類を見ない。スティーブ・ジョブズは、テクノロジー業界における現代の守護聖人のような存在になった。Tim Cookは、公正に、大いに尊敬されている。

ではなぜ私は、彼らがIT世界でそれほど多くの間違ったことをしていると思うのだろうか?

それは、私が思うに、彼らがほぼシェークスピアばりの悲劇的欠陥を持っているから:自らが販売するデバイスの中央集権的支配への執着だ。Appleは、非常に優れたハードウェアと、卓越したソフトウェアを売っている…そして、生涯を通じてその両方への弾圧的支配を維持し続ける。彼らの擁護派でさえそれを認めてよくこう言う:「Appleは常に傲慢で、支配的で、融通が利かず、時としてケチである」。

ソフトウェアは、Appleが公式に承認したもの以外、自分のiOSデバイスにダウンロードもインストールもできない。これはOS Xには、まだ、当てはまらないが、ユーザーの制御権は、ゆでガエルのようにゆっくりと、排除されつつある。

先に認めておくと、これはエンドユーザーにとって悪いことではなさそうに見える。マルウェアに対する防壁として働く。そしてAppleは、特に最近、立派なプライバシー擁護派である。ただし、業界アナリストの間には懐疑論もある。

ちなみにこれは、Appleが広告やクラウドサービス全般を必ずしも得意としていないことも一因である ― 例えば、Googleと比べて。そしてもう一つ、彼らの暗黙の取引が、「あなたの個人情報は安全です、なぜなら当社はあなたを他社に売るのではなく、あなたに商品を売って儲けているから」であり、一方Googleは、「あなたの個人情報は安全です、なぜなら当社の広告部門はそれを収益化するに当たり匿名化と安全面に細心の注意を払っているから」だからでもある。。

(時として平等なGoogleたたき屋になる私だが、実際私は後者の主張を真実だと信じている。私はGoogleのクラウドサービスの方が、おそらくAppleより安全であることも信じる。しかし、それでも人々がGoogleとの暗黙の取引に対して、より不安を感じていることは想像できる。)

しかし、すべては長期的痛みのリスクを伴う目先の利益だ。Appleは、そのすべての栄光と才能と共に、私とは根本的に異なるテクノロジー哲学の頂点にある:そこではテクノロジーが中央集中的覇権を持ち、クパチーノが革命を起こす時にのみ進化が許される、塀に囲まれたエコシステムの庭園は、砂場の外へ出たがっているいじり屋たちに汚されてはならない。ユーザーたちの住む箱の外について考えることが許されているのはAppleだけである。

そこは安全で、清潔で、審美的に美しい箱である。しかし、深刻な結果を生む危険はらんでいる ― 仮想的なものも、実際的なものも。Appleとユーザーの間に利益の相反は避けられない。例えば、Appleの複雑かつ矛盾したBitcoinアプリとの関係を考えてみてほしい … そして、Appleのあらゆるアプリ内購入に対する容赦なき30%手数料の要求に対して、Bitcoinがもたらす暗黙の脅威を。Bitcoin信者でなくても、それがイノベーションの障害になり得ることはわかるはずだ。

さらに心配なのは、世界中の政府が企業に対してユーザーのプライバシーを政府に提出するよう、強く要求しはじめていることだ。Appleが強くこれに抵抗していることは評価に値する。しかし同時に、彼らの覇権的モデルは、あらゆる監視国家にとって理想的補助手段となり得る。

言い換えれば、AppleはAmazonより、Facbookより、Googleより、あるいはMicrosoftよりも善意があるかもしれない ― しかし、どこよりも独裁的だ。善意ある独裁者はすばらしい ― 突然そうでなくなるまで。Appleが彼らの振りかざす権力を濫用しないと信じるのは自由だ(もし、その権力が取るに足らないとか無意味だと思っているなら、昨今われわれの生活がどれほどポケット内のスーパーコンピューターに支配されていて、どうすれば悪用できるかを考えてみてほしい)。

実は、これだけ批判していながら、〈私〉は今日のAppleがその力を濫用しないと信じている。しかし私は、そもそも彼らがその力を持たないことの方を大いに望んでいる ― あるいは少なくともユーザーがクパチーノにつながれたヒモを断ち切る選択肢を与えることを。「信じよ、しかし検証せよ」とかつてロナルド・レーガンは言った。

どんな悪いことが起き得るのか? まずはディストピア的思考にふけってみよう。ワールドトレードセンター崩落に対する最も大げさな過剰反応を覚えているだろうか?そして、それが大多数のアメリカ市民に歓迎されたことを。将来、似たような悲劇の後、Appleが寝返って監視国家の事実上の手先になるところを想像できるだろうか? 私にはできる ― そしてAppleの中央集中命令制御エコシステムは、あらゆるiOSデバイスを円形刑務所の目と耳へと、一夜のうちにあきれるほど簡単に変えるだろう

一般的に言って、Appleの止まらない成功は、業界のライバルにある種の雰囲気を作り上げ、用心深い秘密主義や中央集権支配、そして注意深く制限された方法によってのみ使用できるツール・ソフトウェアの文化を生む。テクノロジーは権力を凝縮させる。これまた、短期的には良いことのように見えるかもしれない、特に美しさと安全性に関して ― しかし、それを既成事実として簡単に受け入れることは、巨大な暗黙のリスクを負うことになる。

同様に批判をAndroidに向けることもできるが、あちらはそうならないだろう。好き嫌いはともかく、AndroidはiOSの中央集権にはほど遠く、GoogleはおよそAppleほど支配的ではない。Androidはオープンソースであり、主要な企業は分化させて個別バージョンを作ることもできる。Appleは、iOSジェイルブレーカーらとの戦いを進行中で、彼らの行為を「破壊的可能性があると指摘する。Googleは、Nexus端末を特にrootになりやすくしている。

私は、企業ではなく個人が自分のデータを所有し、自分のネット上の存在を制御し、(もし必要なら)誰が自分に広告を出せるかを選べる世界を信じたい。それが絶望的に理想主義的であることは理解している。今のところは。しかし、そんな非集中的世界が(ゆっくりと)もっともらしくなっていくことを信じている ― そして、その教義は、Appleのソフトウェア哲学全体とは根法的に対極をなすことを指摘せずにいられない。

最高の製品を作り、ユーザーを喜ばせている素晴らしい会社を、抽象的哲学論に基づいて批判することは愚かに思えるかもしれない。しかし、私には来年にかけてこの議論が徐々に具体化するのではないか、という秘かな期待がある。おそらく、この違いに注目が集まれば、Appleも気付くだろう。ジェイルブレーカーと戦う代わりに、パワーユーザーのために、アプリを自由にインストールできるオプションを提供するかもしれない。Androidと同じように。それだけでも、大地を揺がす変化だ。

しかしそれまで黙って待つつもりはない。そして、それが起きるまで、起きない限り、そのパワーと美しさに関わらず私はiOSエコシステムを心から薦めることができない。なぜならAppleは、自らがユーザーに要求している信頼を何一つ返そうとしないからだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、ライブビデオ機能をジャーナリストと認証済みプロフィールにも公開へ

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Facebookは、ライブストリーミング、Periscopeのライバル機能を、著名人以外にも開放する計画だ。Facebook Liveを擁するVIP専用Facebookアプリ、Mentionsをいつから利用できるかについて、認証済みFacebookページから質問された時、同社は「将来、Mentionsは認証済みプロフィールで利用可能になる」と書いた。それにはFacebook Liveも含まれるのかを私が尋ねると、彼らは近々Mentionsを認証済みプロフィールに提供予定であり、そこにはLiveが含まれると答えた。

Facebookがわずか一週間前、いつLiveが広く公開されるかという質問に答えようとしなかったトーンとの違いを考えると、事態は急変したものと思われ、おそらくLiveが認証プロフィールに対して近々公開されると私は予想している。

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8月5日、FacebookはLiveを公開し、出演者はライブビデオ中継をFacebook上ですぐに公開できるようになった。ユーザーはリアルタイムでビデオを見ることができ、コメントを送ると中継画面に表示される。Facebookは、出演者のFacebookページをいいね!した人のニュースフィードでストリームを表示し、最近その出演者とやりとりしたファンに、中継を見るようプッシュ通知を送る。

この機能は、FacebookのオリジナルコンテンツインタビューシリーズであるFacebook Liveとは別物であり、あちらは休止中のようだ。

中継が終わると、Facebook Liveのストリームは、ビデオとして永久保存され、ユーザーが見ることができる。Meerkatストリームが直ちに消滅し、Periscopeでは24時間しか再生できないのとは異なる。つまり、Liveはリアルタイムにユーザーを捕捉するだけでなく、Facebookの独占ビデオコンテンツ集に追加されるので、これをフィードに表示すれば、
利益を生むビデオ広告をより自然に見せることができる。

Facebook Live, Periscope, and Meerkat (from left)

Facebook Live, Periscope, and Meerkat (from left)

先週Liveが公開された際、Facebookは認証プロフィールを持つ限られた著名人だけに機能を提供した、Dwayne “The Rock” JohnsonSerena WilliamsMartha StewartMichael Bubléらだ。リアルタイムビデオQ&Aに使った人も、アナウンスを行った人も、ただカメラに向かってわめいた人もいた。

一般ユーザーはこのライブ機能を利用できない。これはおそらく、それだけの負荷を耐えるためには技術的作業が必要だからだろう。しかし私の理論によれば、Facebookはまず有名人から始めて何をストリームすれば面白いかをユーザーに教え、みんなが低レベルな「こんにちは、これが私の朝食です」的中継をして、人々にライブ中継は見ていて面白くないと確信させないようにするつもりだ。

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しかし、近々Facebookは認証済みプロフィールを持つずっと多くのユーザーにこの機能を提供する。認証済みプロフィールは、必ずしも有名ではない公的人物や、一からFacebookページを始めるのではなく、既存のプロフィールを公的存在にしたい人のために作られた。そこには、エンターテイナーやスポーツ選手、政治家などの他、私のようなジャーナリストも多く含まれる。

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以前Mark Zuckerbergは、The Rockと会い、どうすれば有名人がファンともっと活発に交流できるかを話し合った。

[訂正:The Rockは右の写真を最近投稿したが、これはFacebook Liveが公開されるよりずっと以前に撮影され、Mark Zuckerbergとの会話は、有名人がファンと交流すること全般についてであり、Liveに限ったことではなかった。]

Periscopeは5ヶ月間先行してスタートを切り、つい最近登録ユーザー1000万人を超えたところだ。しかしFacebookは、そのスケールと、同プラットフォーム上の有名人に対する膨大なフォロワーに賭けて、ライバルを一気に抜き去る構えだ。

今回の範囲拡大によって、Facebook Liveビデオストリーミングは一般公開へと一歩近づいた。これは、このプラットフォームを自然発生ジャーナリズムのツールへと変える可能性を持っている。それは、そもそもPeriscopeが目指しているものだ。そして、認証済みプロフィールの持ち主は、真の有名人をめぐる巨大ビジネスの心配をしなくてよいので、Liveで何ができるかの実験がもっとたくさん行われるかもしれない。

多くのクリエーターに開放することによって、Liveはすぐに、コンテストやDIYプロジェクトの実演、視聴者参加トークショウ、一人称アドベンチャー、おたくニュース解説などを、身近なFacebookウィンドウに届けるようになるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

GitHubに特化したプロジェクト管理サービスZenHubがGitHub Enterpriseにも対応…GitHubとの“直接統合”が売り

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ZenHubはチームがGitHub上のプロジェクトを、Trello的なドラッグ&ドロップのタスクボードで管理するサービスで、GitHubのアカウントを持っていれば誰もが利用できる。しかし今日(米国時間8/8)からは、GitHub Enterpriseをオンプレミスで使っているユーザも、ZenHubを利用できるようになった。

ZenHubのこのエンタプライズバージョンは、GitHub Enterpriseと直接に統合するコラボレーションとプロジェクト管理のサービスで、すでにImgurやICON Health & Fitness、日本の旅行企業Ikyuなどの協力でベータテストを終えている。今ではNBC、Facebook、Sony、Microsoftなどもこのサービスのユーザだ。

ZenHubのファウンダAxiom Zenによると、今回の新サービスは“大企業がGitHubの利用を一箇所で集中管理できるためのもので、あちこちでプロジェクトごとにいろんなサードパーティツールを使っている状態を一掃する”、という。ZenHubはGitHubに特化され、GitHubのいろいろな機能を便利に使えるようになるので、チームの一日の労働時間が従来に比べて1時間半は減るそうだ。

GitHub、そしてGitは、今、企業による採用が急速に進んでいる。そのため企業向けのサービスも続々登場しており、たとえばwaffle.ioはGitHub Enterpriseにも対応し、MicrosoftやAtlassianにもGitのためのプロジェクト管理ツールがある。それらの中でZenHubが際立つのは、GitHub Enterpriseと直接に統合しているため、プロジェクト管理のためにまた別のツールを動かす必要がないことだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Facebook、インターネット中継ソーラー・ドローン1号機をお披露目― Googleとの先陣争い激化

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今日(米国時間7/30)、Facebookは太陽電池を動力として強力なレーザーで通信するAquilaドローンによるインターネット接続の提供について 詳細な計画を発表した。 それによると、Facebookは自身でISP(インターネット・サービス・プロバイダ)になる意図はないという。記者会見でFacebookのエンジニアリング担当副社長Jay Parikhは「われわれはFacebook ISPを作るつもはない」と述べた。

Facebookの計画は、このドローンと通信テクノロジーを世界のキャリヤに提供し、それによって既存のモバイル網から取り残されている10%の人々がインターネットに接続できるようにしようというものだ。

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Facebookはこの人道的計画を推進しているNPO、Internet.orgが必要とする資金の大半を供給している。Facebookはインターネット接続の普及を通じて世界のすべての人々を知識経済に参加させることだ。ただし、私の質問に対してParikhは「ソーラー・ドローン、フリースペース光学レーザー通信、その他のテクノロジーをわれわれがライセンスないし販売することはあり得る」と答えた。つまりFacebookは「世界を結びつける」目的を達成すると同時にその過程で利益を挙げることも可能なわけだ。

昨日発表された四半期決算でFacebookは対前期比で大幅に支出を増加させている。昨年の15億ドルから$27億ドルへと増加した支出の大半はこのドローン・プロジェクトのようなR&D関連だ。その成果を販売ないしライセンスすることができればこうした経費を回収できる。

Facebook's VP of Engineering Jay Parikh details Aquila's progress at its Menlo Park HQ

メンローパークの本社でAquilaプロジェクトの詳細を説明するエンジニアリング担当副社長Jay Parikh

Facebookはこのプロジェクトで2つの重要な成果を発表した。

  • Aquilaドローン1号機の完成:この太陽電池を動力とするドローンは最大90日間滞空できる。飛行高度は6万から9万フィート〔1万8000mから2万7000m〕と通常のジェット旅客機の高度よりはるかに高く、気象条件も安定した成層圏だ。 このドローンは直下の直径50マイル〔80km〕の範囲にインターネット接続を提供できる。主翼の幅は140フィート〔42m〕と737なみだが、重量はわずか880ポンド〔400kg〕しかない。トヨタ・プリウスの3分の1くらいだが、高高度の極低温下でも作動する。Facebookは現在地上テストを実施中で、飛行テストは来年アメリカで実施される予定。

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  • Facebookの高強度レーザーは10 Gbpsを達成: データは地上局で光ケーブルからレーザー波に変換されてAquilaドローンに送られる。Aquilaドローンはやはりこのレーザーで他のドローンにデータを伝送してネットワークを構成する。このためにはレーザーは飛行中のドローンの10セント硬貨ほどの大きさの受信機に正確に向けられなければならない。これまでNASA、大学、研究機関などではこの方式では最大1Gbpsの伝送速度しか得られていなかったので、Facebookはブレークスルーを達成したことになる。

2013年後半に、 Facebookがリーダーを務めるInternet.orgはテレコム企業各社と提携して、インターネット接続を「残りの50億の人々」に届けるためのイニシアチブを発表した。テレコム業界もオンラインへの新規参加者が低減しつつあるという問題を抱えており、Facebookのプロジェクトに賛同したわけだ。50億人を新たにインターネットの世界に引き入れる上での課題は大きく分けると以下の3つとなる。

  • 経済的バリアの引き下げ: インターネットが普及していない原因の多くは経済的なものだ。そこでFacebookは現地のキャリヤと提携してFacebook自身とWikipedia、Google検索などの限定されたサイトへの接続が無料で提供されるInternet.orgアプリ の配布を始めた。パートナーのキャリヤはこの無料接続がきっかけとなってその地域での有料契約者が増えることを期待してこのプロジェクトに参加している。
  • 啓蒙: 教育、健康、医療、求職などさまざまな面でインターネットの持つ価値を知らせる。
  • インターネット接続テクノロジー:–Facebookは人工衛星による僻地へのインターネット接続の提供も構想しているが、今日の発表でAquilaドローンの開発が大きく前進したことが明らかになった。

インターネット接続の拡大についてはGoogleも力を入れている。成層圏に多数の気球を滞空させて接続を提供するプロジェクトLoonについて、昨日Googleとスリランカ政府は、スリランカ全土をこのプロジェクトでカバーする計画を発表した。先に接続を提供した陣営がその地域で大きな影響力を獲得できるため、FacebookとGoogleは激しい先陣争いを繰り広げている。

Facebook's Yale Maguire details Facebook's research into where the unconnected people live

FacebookのYale Maguireはまだインターネット接続が得られない地域はどこか詳細に調査している

携帯無線網の中継塔は土地の取得、建設、警備すべてに費用がかかり、しかもごく近距離しかカバーできない。通常の携帯無線網の方式は人口密度の低い僻地では経済的にまったく成り立たないのだ。

Facebookは地上の光回線、ドローン、人工衛星の組み合わせによって最終的には地球上のすべての人々がインターネットに接続できるようになると期待している。

マーク・ザッカーバーグは「飛行機とレーザーでコミュニティーを結びつけるなんてサイエンス・フィクションみたいだが、サイエンス・フィクションというのは実際、未来のサイエンスであることがたびたびある」とコメントした。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+