米国がファーウェイに対する禁制を一時的に緩和か

二歩前進、そして一歩後退。

トランプ政権は中国との貿易紛争をめぐる戦略を微調整しているようだ。先週はファーウェイが米国の技術を輸入することを禁じたため、Googleをはじめ一部の米国企業は、この中国の通信技術企業でもありスマートフォンのメーカーでもある企業との関係を部分的に断つことになった。

しかしFederal Register誌のまだ草稿段階の記事によると、商務省とその下の産業安全局が、ファーウェイに「90日間の一時的全面的許可を」を与え、すでにライセンスのある米国の技術の使用を続行できるようにすると発表した。ただし、新たにライセンスを要する新しい技術や新型のスマートフォンは、それらを申請しなければならない。そしてロイターによれば、その申請は認可されないだろう。

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撤回の理由はわからない。米国の雇用への影響、が答になるかもしれない。調査団体Information Technology and Innovation Foundationが本日発表した報告書は、ファーウェイおよびその関連企業への米企業からの輸出を禁ずれば米経済に最大563億ドルのダメージを与え、最大74000人の雇用喪失をもたらすという。もちろんテクノロジー企業の多くは関税にも輸出禁止にも反対しているし、トランプ政権は米国の雇用をその内政の中心的課題にしている。

もうひとつのありうる答としては、米国の措置に怒った中国が、レアアース資源への米国のアクセスを実質的に禁じるかもしれない、という説。先週末、習近平主席はレアアースの採掘現場を訪問したが、政治アナリストたちはそれが、中国がレアアースの最大の輸出国であることを米国に思い出させるためのサインだと言っている。確かに中国は、レアアースでは世界最大だ

この一時的な緩和によって貿易関係が大きく変わるわけではないがファーウェイにとっては、米国の技術を欠いた状態で次の企業戦略を練るための、小休止にはなるだろう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ファーウェイがAndroid提供中止にコメントするも今後の見通しは依然不明

Huawei(ファーウェイ)はようやくAndroid使用禁止について声明を出した。しかし、同社のモバイル事業の長期戦略は依然不透明のままだ。

顧客の懸念を和らげようと、包囲網を敷かれたファーウェイは米国時間5月20日、セキュリティのアップデートと既存のラインアップへの製品サポートの提供を続けると明らかにしたが、同社が言及しなかったことが懸念として今後広がることになりそうだ。

ファーウェイは、顧客がAndroidソフトウェアのアップデートを受け続けられるのかについて保証することはできなかった。その一方で、今後展開するスマホが現在のAndroidのようなもの、あるいは他のものを搭載して出荷されるのかについても発表文では明らかにされなかった。

出荷台数が世界で2番目に多いスマホメーカーのファーウェイは、世界中の顧客のために安全なソフトウェアのエコシステムの開発を続けると述べた。また、展開するスマホブランドであるHonorのサポートも引き続き行う。ファーウェイスマホの半分近くが中国外で販売されている、と調査会社CounterpointはTechCrunchに対し語った。

声明全文を以下に記載する。

ファーウェイは世界中でAndroidの開発と成長に貢献してきた。Androidの主要パートナーの1社として、ユーザーとこの業界が恩恵を受けてきたエコシステムを発展させるために、オープンソースのプラットフォームで緊密に連携してきた。

今後もセキュリティのアップデートと、これまでに販売され、また在庫としてある既存のHuawei Honorブランドのスマホとタブレット製品のアフターサービスの提供を続ける。我々は、世界中の全ユーザーに最高の使用体験を提供するため、安全で持続可能なソフトウェアエコシステムの構築を続ける。

加えて、ファーウェイは計画通りHonor 20を発売すると発表した。このデバイスは米国時間5月21日にロンドンで開催されるイベントで披露されることになっている。Honorはサブブランドだが、ファーウェイに科せられた制裁はHonor事業にもおそらく反映されるだろう。

ファーウェイの生ぬるい対応は予想されたものだ。これにより前に、Google(グーグル)は同様にどっちつかずの声明を出していた。声明では、Huawei端末のユーザーは Google PlayストアとGoogle Play Protectにアクセスし続けることができるとしたが、ファーウェイと同じようにいま本当に聞きたいことである今後の見通しについては言及はなかった。

実際、ファーウェイとグーグル内の情報筋はTechCrunchに対して今後の対応は不透明だ、と語った。

もしかするとファーウェイは、Google Play StoreやGmail、YouTubeといったGoogleサービスなしのAndroidのオープンソースバージョンAOSPの使用を余儀なくされることになるかもしれない。これは、非常事態用に構築されているとメディアが報じるファーウェイの簡素な別の選択肢を拡充させなければの話だ。

Huaweiの今回の声明発表は、グーグルがファーウェイとのビジネスを停止したとロイターが報道したことを受けてのものだ。Googleは、Huaweiと関連する70社を「エンティティーリスト」に追加するという米商務省の指示に従っている。この措置では、米企業がファーウェイとビジネスをするには政府の許可を得なければならない。

一方、ファーウェイにとって状況は厳しくなっている。今回の米政府の措置により、Androidに加えてIntel(インテル)、Qualcomm(クアルコム)Xilinx(ザイリンクス)、そしてBroadcom(ブロードコム)も解決策が図られるまで、ファーウェイへのチップ供給を停止すると報道されている。

イメージクレジット: Jaap Arriens/NurPhoto / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

既存ファーウェイ端末はGoogle Playストアを継続利用可能とグーグルが声明

Google(グーグル)は米国時間5月20日、既存のHuawei(ファーウェイ)製デバイスのユーザーはGoogle Playストアを引き続き利用できると発表した。将来的に同社がフル機能のAndroidを利用できるかは不明だが、世界中の何千万人ものユーザーを安心させることだろう。

またGoogleがTechCrunchに寄せた声明によれば、既存のファーウェイ端末にはGoogle Play Protectを通じたセキュリティアップデートも配信される。Google Play Protectは、マシンラーニングを利用してマルウェアを検知し排除する内蔵機能だ。なお、ファーウェイは具体的にどのAndroidスマートフォンがAndroidのアップデートを受けられるのかは明らかにしていない。

この声明は、ロイターによるグーグルがファーウェイとのビジネスを停止するという米国時間5月19日の報道の後に出されたものだ。なお、ファーウェイは昨年に2億台以上のスマートフォンを出荷した世界第2位のメーカーである。報道では、将来のファーウェイのデバイスではGoogle Play Storeやメールクライアント「Gmail」など、多くのGoogle Mobile Servicesが利用できなくなるとしている。ファーウェイのスポークスパーソンは現在状況を調査中としており、それ以上の声明を出していない。

これはファーウェイにとって大きな後退であり、数週間以内に問題が解決されない場合には、中国外でのスマートフォンビジネスにて大きな混乱をもたらしうる。すでにセキュリティ関連の問題を抱えている同社だが、もし解決策がない場合、将来のスマートフォン向けのソフトウェア戦略を再考する必要がある。将来的なAndroidアップデートの配信の遅れ、あるいは停止は、同社の顧客からの評判を世界中で損なうことになる。

ファーウェイのスポークスパーソンは声明にて、「我々は命令を遵守し、その影響を見直しています」と述べている。

現在進行系の米中による関税政策のなかで、ファーウェイとグーグルは奇妙な立場に置かれている。ファーウェイと70社の関連会社は米商務省による国家安全保障上の懸念によりリスト入りしており、グーグルやIntel(インテル)など米企業は取引の前に政府の承認を受けることが要求されている。

ファーウェイは、この事態を予測していたのかもしれない。同社の幹部は最近、現在のシステムが将来利用できなくなった場合に備え、独自のAndroidベースのOSを開発したと明かした。先程のロイターの報道によれば、ファーウェイはGoogle Mobile Servicesを含まないオープンソースのAndroid OSこと「AOSP」も継続利用できるという。さらに理論的には、独自のアプリストアを持てるはずだ。しかし十分な数のディベロッパーを説得してファーウェイのアプリストアでアプリを公開し、継続的にアップデートをしてもらうことは、非常に難しいだろう。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

インテルやクアルコムなどがファーウェイへの部品供給を停止か

トランプ政権が先週、中国の大手通信企業かつスマートフォンメーカーのHuawei(ファーウェイ)を貿易に関するブラックリストにくわえた後、複数の重要メーカーが同社との取引を中止したことが報じられている。Bloomberg(ブルームバーグ)よると、半導体企業のIntel(インテル)やQualcomm(クアルコム)、Xilinx(ザイリンクス)、Broadcom(ブロードコム)は、通知がない限りファーウェイへと部品を供給しない。これは米国時間5月20日に報じられた、Google(グーグル)がファーウェイとの取引を中止し、オープンソースのAndroidにしかアクセスできなくなった別の報道に続くものだ。

今回のブラックリストへの追加は、ファーウェイのビジネスに影響を与えるだけでなく、5Gネットワークの立ち上げを準備している通信事業者にも影響を及ぼす。中国では3大キャリア(チャイナ・モバイル、チャイナ・ユニコム、チャイナ・テレコム)のすべてがファーウェイに大きく依存しており、5Gのロールアウトを遅らせるかもしれない。一方、米国の特に小規模な携帯キャリアは、すでに導入したファーウェイ製の機器を交換したり、あるいは新たなサプライヤーを見つけるために、数百万ドルを費やす可能性がある。

Huawei Factsによる先週のツイートによれば、同社はブラックリストを「ルーズ・ルーズ」な状況だと指摘した。さらに最近のツイートでは、「おっと!米国はすでにファーウェイから距離を置くのが思っていたよりも難しいことを認めてしまったようだ」とつぶやいている。これは、米当局がサービス中断を防ぐために一時的なライセンスをファーウェイに与えるとの報道に、Huawai Factsが反応したものだ。

ロイターが最初に報じたように、グーグルによるサムスンに次ぐ第2位のスマートフォンメーカーであるファーウェイの排除は、オープンソース版のAndroidにしかアクセスできなくなり、また他のスマートフォンメーカーにも悪影響を与えることになる。

ブルームバーグによれば、ファーウェイは米政府による制裁を見越して、3カ月ぶんのチップを備蓄していたという。これは、2012年の議会報告で安全保障による潜在的驚異としてファーウェイが名指しされたことを受けてのものだ(同社はこの訴えを否定している)。

ザイリンクスのスポークスパーソンはTechCrunchに対し、「我々は米国商務省がファーウェイに下した拒否命令を承知しており、協力を進めている。現時点では、これ以上の情報はない」と伝えている。また、ファーウェイのスポークスパーソンはノーコメントと返している。TechCrunchはブロードコムやクアルコム、そしてインテルにもコメントを求めている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Googleがファーウェイに対してAndroidのサポートを中止へ

トランプ政権のHuawei(ファーウェイ)制裁が広い範囲に長期にわたって影響を与えることは間違いない。

当面、ファーウェイ以外の関係者は米国と中国の間で立場を明らかにし、いわば橋を焼き落とことを避けようと慎重に行動している。ここでGoogleがはからずも注目を浴びてしまった。競争の激しいスマートフォン業界にあって、Android OSと多数の有力アプリの提供者であるGoogleの決定は影響が大きい。

米国時間5月20日夜のReuters(ロイター)の報道によれば、Googleは脱ファーウェイに向けて措置を取り始めたという。事情に通じた情報源が5月19日にロイターに語ったところでは、Googleはオープンソースライセンスでカバーされる部分を除き、ファーウェイへのハード、ソフトのサポートを停止した。これによりAndroidのアップデートの提供はすでに停止された。Android OSそのものはオープンソースなので利用できるが、Googleからのサポートはなくなる。

ファーウェイは明確な立場を示さずに済む方法を探っているようだ。同社も対策を検討している。スマートフォンはハードウェアとソフトウェアが密接に連携する非常に複雑な世界で、無数のコンポネントが世界中から調達されている。貿易摩擦が激化するにつれ、アメリカの対イラン禁輸措置に違反して制裁を受けた中国のZTEが一番大きな不利益を被っている。

ファーウェイは「この制裁は関係者全員に不利益なものだ」と反論しており、自給自足体制を確立する計画を発表して挑戦的な姿勢を崩していない。同社は米中関係の緊張の高まりを避けられないものとみて対処するつもりのようだ。しかしGoogle、Qualcomm(クアルコム)など米企業のテクノロジーなしにこうした強硬姿勢が維持できるのか疑問をもつ専門家もいる。

【Japan編集部追記】記事内で引用されているロイターの報道によれば、「ファーウェイの次世代スマートフォンは中国国外では最新のAndroid OSだけでなくGoogle Payへもアクセスできなくなる」とのこと。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ファーウェイは第1四半期にスマホ5900万台を出荷、売上高は39%増の3兆円

Huawei(ファーウェイ)の昨年の純利益が88億ドルだったことは記憶に新しいところだが、かなりの中傷を受けているこの中国テック大企業はさらなる成長をみせている。ファーウェイは今日、今年第1四半期の売上高が前年同期比39%増の267億8000万ドル(1797億人民元)だった、と発表した。

ファーウェイは従業員が所有する企業だと同社は主張しているが、最近発表された論文はそれに疑問を呈している。ファーウェイは上場していないが、KPMGが監査した数字を年1回発表している。そして今回、初めて四半期の数字を公表した。おそらく監査を経ていない数字で、明らかに意図的に選択されたものだ。

ファーウェイはQ1の純利益を公表していないが、純利益率は昨年の同期より「若干高い」8%だとした。2019年第1四半期に、ファーウェイはスマートフォン5900万台を出荷した。その一方で、3月末時点で40件の5G契約を結び、ワールドワイドで5Gネットワークをサポートする7万超のベースステーションを出荷した、とした。

「2019年は世界中で5Gを大規模展開する年になる。これは我が社のキャリアビジネスグループにとって未曾有の成長機会となることを意味する」と述べている。

キャリアビジネスの数字についての言及はこれだけだ。ファーウェイがどこに向かっているのかというのは、2018年の数字を参考にするといい。要するに、ファーウェイは消費者向けデバイス分野に向かっている。

同社の2018年決算では、売上高は前年比19.5%増の7210億人民元(1074億ドル、約12兆円)で、スマホや他のデバイスの販売が最大の収入源だった。

消費者向け事業の売上高は45%伸びて3490億人民元(520億ドル、約5.8兆円)に達した一方で、キャリア向け事業の売上高は1.3%減の2940億人民元(438億ドル、4.9兆円)だった。法人向けサービスは744億人民元(111億ドル、1.2兆円)だった。

消費者向け事業の押し上げは、米国や西欧諸国政府からファーウェイのネットワークとキャリア事業に向けられた敵意を考えたとき、さほど大きな驚きではない。

それでも同社は、米国における同社製品の禁止について、連邦政府はデュープロセスを破り、憲法に違反したとして訴えを起こして応戦した。ただ、国家の安全を巡る米国の懸念は、ファーウェイのテレコムネットワークキットには「重大なテクニカル上の問題がある」とする最近の英国政府のレポートによって援護されている。

ファーウェイ・サイバーセキュリティ評価センター(HCSEC)監視委員会による英国国家安全保障アドバイザー向けに用意されたこのレポートでは、「抱えている欠陥を解決する手段を提案しているトランスフォーメーションプログラムを首尾よく完了させる能力をファーウェイが有しているかどうか、確証はまだ得られていない」としている。

イメージクレジット: Jaap Arriens/NurPhoto / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

ファーウェイの2018年決算は純利益1兆円弱、消費者部門の成長で好調

米政府とのバトルが続いているにもかかわらず、Huawei(ファーウェイ)の事業は好調だ。同社は2018年12月期の決算を発表し、スマートフォンやデバイス事業の急成長により純利益は25%増の593億人民元(約88億4000万ドル、約9800億円)だったと明らかにした。

Huaweiは株式会社ではないが、KPMGの監査を受けた会計報告を発表している。直近の決算における最大のポイントはHuaweiがハードウェア企業になったことだ。すなわち、消費者向けデバイスの売上が、Huaweiの基幹事業である通信(通信会社へのネットワーク機器の販売を含む)を上回った。

2018年の全売上高は7210億人民元(約1074億米ドル、約12兆円)で前年比19.5%増だ。

消費者向け事業の売上が45%増の3490億人民元(約520億米ドル、約5.8兆円)となった一方で、通信会社向け事業は1.3%減の2940億人民元(約438億米ドル、約4.8兆円)だった。これらの部門に続いて売上が3番目に大きかったのは企業向けサービスで、744億人民元(約1.2兆円)だった。

驚きではないが、Huaweiは今でも中国マーケットに頼っていて2018年の売上高の52%は中国でのものだった。ただ、中国外マーケットでも著しい成長は見られる。しかし、売上高でみると北米での事業は、欧州、中東、アジア太平洋に遅れをとっていて、こうした状況はすぐには変わらないだろう。

Huaweiは先週、驚きのカメラ機能を搭載した最新スマホP30とP30 PROを発表するなど、消費者向け部門では確かに勢いに乗っていてスマホ販売台数は右肩上がりだ。IDCによる調査では、Honor(オーナー)ブランドのおかげでスマホ出荷台数は33.6%伸びた。IDCによると、2018年第4四半期のHuaweiのスマホマーケットシェアは16.1%で第3位だった。

Huaweiが最も困難に直面しているのが通信会社向けの部門だ。同社は米国がHuaweiの通信機器を禁止する措置をとったことに対し、米連邦機関と請負業者がデュープロセスに違反し、憲法に反する行為をとったとして、訴訟というかたちで対抗している。それでも国家セキュリティをめぐる米国の懸念は、英政府が今週発表したレポートでよりサポートされたかたちとなった。レポートでは、Huaweiの通信ネットワークキット使用について「技術上重大な問題」がある、としている。

Huaweiのサイバーセキュリティ評価センター(HCSEC)監視委員会が英国国家安全補佐官向けにまとめたレポートでは、「現在抱えている欠陥を解決する手段としてHuaweiが提案した取り組みを同社が達成できるという確証は得られなかった」としている。

イメージクレジット: Igor Golovniov/SOPA Images/LightRocket / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

ファーウェイ会長が米政府の言い分を負け犬の遠吠えと一蹴

これまでの2年間、変動の激しかったHuawei(ファーウェイ)が、米国時間3月29日の発表では同社の2018年の利益が88億4000万ドル、前年比で25%増加した。しかし昨日は、英国監督機関の報告書が「重大で意図的な欠陥」を指摘した。

Huaweiと中国政府の結びつきをめぐるセキュリティ上の懸念や数々の報道が、同社の利益に負の影響を及ぼさなかったことは確かだが、国際市場での成長は鈍化した。しかし同社は戦闘を放棄しない。昨年のCESでモバイル部門のトップRichard Yu(リチャード・ユー)氏が米国キャリアに噛み付いた話は有名だが、今度は別のトップが厳しい言葉を繰り返した。

Financial Times(フィナンシャルタイムズ)誌のインタビューで、Huaweiの輪番制会長の一人Guo Ping(グオ・ピン)氏が米政府を非難してこう言った。「米政府の態度は負け犬のようだ。我々とまともに競合できないから、Huaweiを中傷している」。

Guo氏はさらに続けて、こう述べている。「米国は国際社会の作法も完全に無視している。各国は米国の利害ではなく自国の利害に基づいて何でも決めるのだ」。一部の国は米政府の呼びかけに応じたが、EUをはじめ他の機関は、露骨な禁制ではなく、より細心の注意をもって同社に接しようとしている。

Huaweiの売上の大部分は消費者製品からだが、今後5Gのネットワーキング機器をめぐる各社の競争が激化するに伴い、禁制が同社の業績にもたらす影響は次第に無視できないものになるだろう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

EUが5Gめぐりセキュリティ強化もファーウェイ排除は見送り

Huawei(ファーウェイ)の5Gプロダクトによるサイバーセキュリティの脅威についての欧州連合(EU)の最新のアプローチは注意喚起であり、徹底排除ではない。これは、ファーウェイと中国政府のつながりに懸念があるとして同社ボイコットを呼びかけていた米国への対応として、今週EUが出した新たな勧告の主旨だ。

この勧告では、「来たる5Gテクノロジーが銀行業務から交通、健康、産業、そして民主主義に至るまで、社会の最も基礎的部分の屋台骨を形成する」と記している。しかし、米政府が求めていたファーウェイの即座排除を促すには至っていない。

「5Gテクノロジーは我々の経済や社会を変え、個人や事業会社にとって大きな機会をもたらす」とEUデジタル責任者のAndrus Ansip氏は勧告に伴う声明文で述べた。「しかしこれは完全な保障なしにはあり得ない。ゆえに、EUにおける5Gインフラはテクニカル上または法的なバックドアから完全に無縁で安全が確保されていることが必須だ」。

この発言は、EUがテクノロジーの監視を強化するのに伴い、今後のファーウェイ排除を完全には否定しないことを意味している。しかし、全面禁止という米国の要求を押しのけるという大きな流れを示している。

先月バルセロナで開かれた通信会議で登壇したEUデジタル局長のMariya Gabriel氏は、もし加盟国が「それぞれ自国を守ろうと」異なる対応をとれば分裂の可能性があると警告し、EUはネットワーク・セキュリティの問題に「共通のアプローチ」を取るべきだと話した。

その際、Gabriel氏は委員会は間もなく対応を取る準備をしていると述べた。しかし、全面排除を支持するとは言っておらず、軟着陸させる可能性を残していた。

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(翻訳:Mizoguchi)

ファーウェイのスマートグラスはジェントルモンスターと提携

Huawei(ファーウェイ)は韓国ファッションブランドのジェントルモンスターと共同開発した、通信可能なスマートグラスを発表した。

Huaweiはこのスマートグラスをイヤフォンの代替として位置づけており、スマートフォンを経由して通話ができる。製品にボタンはなく、眼鏡のつるをタップすることで着信を受けることができる。

アンテナや充電モジュール、デュアルマイク、チップセット、スピーカー、バッテリーなどはすべてつる部分に収められている。2つのマイクはビームフォーミング技術に対応し、たとえメガネがずれていていても装着者の発言を拾ってくれる。

ステレオスピーカーは耳のちょうど上に位置しており、周囲の妨げにならないように聞くことができる。なお、カメラは内蔵されていない。プライバシーの議論を避けるためにはいい選択だろう。

Huaweiのスマートグラスには、底面にUSB Type-Cポートを備えたレザーケースが付属。こちらはワイヤレス充電にも対応している。新型スマートフォン「P30シリーズ」のプレスカンファレンスで発表されたこのスマートグラスは、2019年7月以降に販売される予定だ。

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(文/塚本直樹 Twitter

Huawei P30 Pro/P30発表 ペリスコープレンズと深度センサーでカメラ性能刷新

Huawei(ファーウェイ)はプレスカンファレンスにて、新型フラッグシップスマートフォン「P30 Pro」「P30」を発表した。両端末とも、前モデルの「P20シリーズ」から全面的にアップデートされている。

まず外観上の進化として、両スマートフォンは小型な水滴型ノッチを搭載。またディスプレイには指紋認証機能が内蔵されている。ディスプレイサイズはP20 Pro/P20の5.8/6.1インチから、6.1/6.47インチに大型化しており、画面のアスペクト比は18.7:9から19.5:9に変更された。

P30 ProはiPhone XRよりも細いのだが、それでも個人的には手に余るサイズに感じられた。

背面パネルの素材はガラスで、角度により美しい色の変化をみせる。フレームはアルミ製だ。カーブディスプレイと裏側側面のカーブした形状のおかげで、スリムに感じられるのは好印象。本体上下の縁は平らに仕上げられており、手のひらに馴染む感触だ。

P30 ProとP30のスペックは似ており、両方とも2340×1080ドットの有機ELディスプレイを搭載している。

2機種の大きな違いは、P30 Proがカーブディスプレイなのにたいし、P30は平らなディスプレイを採用していることだ。なお、イヤホンジャックを搭載しているのはP30のみとなっている。

両機種とも、本体カラーは5パターン。ブリーシング・クリスタル、アンバー・サンライズ、パール・ホワイト、ブラック、オーロラが用意されている。アンバー・サンライズはレッドとオレンジのグラデーションカラーで、パール・ホワイトはホワイトとピンクのグラデーションカラー、オーロラはブルーとターコイズのグラデーションカラーだ。

 

背面には4カメラを搭載

カメラ性能には特にこだわりのあるHuawei。P30 Proではなんと背面に4カメラが搭載されている。

 

  • メインカメラは4000万画素/焦点距離27mm/f値1.6で光学手ブレ補正に対応
  • 超広角カメラは2000万画素/焦点距離16mm/f値2.2
  • 望遠カメラは800万画素/f値3.4かつ5倍ズーム(焦点距離125mm)を実現。こちらも光学手ブレ補正に対応
  • フラッシュ下には赤外線の照射で物体の深度を測定するToFセンサーを搭載

P30 ProではToFセンサーのおかげで、より上質なボケ効果が楽しめる。またメインカメラと望遠カメラの組み合わせにより、10倍のハイブリッドズームも実現した。

望遠カメラにはペリスコープレンズを採用。ガラスで光軸を曲げるこのレンズのおかげで、スマートフォンが分厚くならずに高倍率ズームが可能となった。

次に、P30のカメラスペックをみてみよう。

  • メインカメラは4000万画素/f値1.8で光学手ブレ補正に対応
  • 超広角カメラは1600万画素/f値2.2
  • 望遠カメラは800万画素で3倍の光学ズームを実現
  • ToFセンサーはなし

さらに、ハードウェアだけでなくソフトウェアの支援により、光学/電子手ブレ補正のおかげでナイトモードの性能がずっと進化している。また、フロントカメラも2400万画素から3200万画素に進化し、HDR撮影や暗所下での高感度撮影が楽しめる。

内部スペックまとめ

プロセッサには、Mate 20シリーズにも搭載されているKirin 980を採用。OSはAndroid Pie 9.1で、独自インターフェイスのEMUIが搭載されている。

USB-C経由では40W充電に対応し、最高15Wのワイヤレス充電も利用できる。P30 Proのバッテリー容量は4200mAhで、ワイヤレスリバース充電により他のデバイスの充電も可能だ。

P30 ProはIP68、P30はIP53の防塵・防水性能に対応。またディスプレイを振動させることで、スピーカーとして利用する。

ワイヤレスイヤホンも登場

新型ワイヤレスイヤホンのFreeLaceは、BeatsXのようにネックバンドが存在。こちらはネックバンドを取り外し、スマートフォンに直接差し込んで音楽を視聴することもできる。

USB Type-C経由で5分充電すれば、4時間の音楽視聴が可能。本体色はグラファイト・ブラック、アンバー・サンライズ、エメラルド・グリーン、ムーンライト・シルバーが用意されている。

イヤホン同士は磁力でくっつき、首にぶら下げて持ち運べる。それぞれを外せば、自動で電話にでたり音楽を再生することが可能。逆にくっつければ、電話をきったり音楽が停止する。なお、FreeLaceは単品で販売される予定だ。

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(文/塚本直樹 Twitter

ファーウェイがAndroidに代わるスマホOSを構築、米国との緊張激化に備え

米国とファーウェイの緊張関係は和らぐ気配がない。先週この巨大電子製品企業は、同社製品の使用禁止は“憲法違反”として米政府を訴訟した。一方、今週初めに米国は、ドイツがファーウェイの5G製品を使うことに関して同国の諜報機関を威嚇した

当然ながら同社は、関係のさらなる悪化に備えて、Androidに代わるモバイルオペレーティングシステムを内製しはじめた。同社が独自のモバイルOSを作っているという噂は1年前からあったが、今回は同社モバイル部門のトップRichard Yu(余承東氏)が、その新しい予備システムに言及した。

「独自のオペレーティングシステムを準備した。Androidを使えなくなったら、それに代わるB案がすでにある」とこの役員は言った。

ファーウェイはそのソフトウェアの構築を、米国がZTEを禁じた直後に開始した。GoogleやQualcomm(クアルコム)のような米国企業製のソフトやハードを中国のスマートフォンで使うと、両方の国で関税がどんどん増えていった。

ファーウェイが心配されているのは中国政府との結びつきだけでなく、イランの関税回避の嫌疑でも叩かれている。同社のCFOであるMeng Wanzhou(孟晩舟氏)は、それでカナダの拘置所にいる。もちろんこれまで、何があってもファーウェイのグローバルな成長は衰えない。懸念の高まりの中で同社は売上が50%増加した。

TechCrunchでは今、ファーウェイに確認を求めている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

米国がドイツに通告「5Gでファーウェイ機器採用なら情報共有を制限」

米国政府は「ドイツの5Gネットワーク構築においてファーウェイが契約を得ることになれば情報機関における機密共有のレベルを下げる」と通告した。

これがRichard Grenel駐独米大使がPeter Altmaier連邦経済エネルギー省大臣に渡した文書の概要だ。Grenel氏は昨年トランプ大統領によって駐独大使に任命されている。Wall Street Journal(ウォールストリートジャーナル)の報道によれば、大使は「中国のスパイ行為の恐れがあるため従来どおりの機密情報の共有はできなくなる」と述べたという。

この通告は数日前にドイツの情報セキュリティ担当官庁、BSI(Bundesamt für Sicherheit in der Informationstechnik)が 5Gモバイル・ネットワーク構築にあたって必要なセキュリティ要件を発表したことを受けている。この要件には入札からファーウェイを排除する明示的条項は含まれていなかった。

さほど衝撃的なエスカレーションではないものの、この通告は米国としてファーウェイ排除に向けた強い姿勢を再確認するステップだ。トランプ政権はファーウェイの中国人民解放軍との密接な関係を脅威として、同社製品を5G網構築に使用しないよう同盟諸国に引き続き圧力をかけ続けるものと見られる。

米国の反ファーウェイの圧力はすでに、カナダオーストラリアニュージーランド日本ヨーロッパ諸国の大部分にファーウェイの機器の使用を避けさせることに成功している。当初は各国政府、モバイル・プロバイダーともファーウェイの機器は安価で信頼性も高いと述べていた。これらの点は 5Gネット構築にあたって重要な考慮点となる。

しかしドイツ政府は(英国も同様だが)、中国政府がこれまでスパイ行為の意図をもってファーウェイを操作したという確実な証拠はないと結論していた。ただし、ファーウェイの機器、テクノロジーが5G網の中枢部分を占めるようになった場合、セキュリティ上の脅威となる可能性はある。

連邦経済エネルギー省のKorbinian Wagner報道官は文書の受領を認めたものの、コメントは控えた。米国国務省からもコメントは得られていない。

NSAなどの米国情報機関がドイツのアンゲラ・メルケル首相の電話を盗聴していたことをエドワード・スノーデンがリークして以来、米国とドイツの情報機関の関係は緊張していた。しかしドイツはこれまで米国の情報コミュニティーから大量のシギント(通信諜報)の提供を受けていた。ドイツを含むNATO加盟国、フォーティーン・アイズと通称される西側諸国は大量の機密情報をプールしてテロ対策のために役立てている。ドイツはこの2年間だけでもISを支持すると称するイスラム過激派、クルド過激派などから数回にわたって攻撃を受けている。

報道によれば、ここ数週間のうちに欧州委員会はファーウェイ機器の採用を全面的に禁止する規則を制定する可能性がある。

一方、ドイツは早ければ来週にも5Gネットワークの構築に向けて具体的に動き出すものと見られる。

画像:Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ファーウェイが米政府を提訴、自社機器に対する禁則は「憲法違反」と主張

ファーウェイは、スパイ行為と米国のイランに対する制裁と関連した銀行詐欺の嫌疑から身を護るために、米国政府に対する訴訟に踏み切った。米国時間3月6日の夜に行われた記者会見でファーウェイは、米国政府を訴訟したことを発表し、同社の製品の使用を連邦政府機関とその契約企業に対して禁ずることは「適正な司法手続きを欠いており憲法違反だ」と主張した。

同社は世界最大の通信機器メーカーで、またスマートフォン市場ではApple(アップル)に対する脅威を日に日に増している。ファーウェイの米本社のあるテキサス州で提出された訴状の中核にあるものは、National Defense Authorization Act(国防権限法)に2018年8月に追加された第889条が憲法違反だとする、同社の主張だ。

第889条には、連邦政府機関がファーウェイの機器やサービスを調達したり、ファーウェイの機器やサービスを使っている契約企業と協働したり、あるいはファーウェイ製品の調達に使われる補助金や政府融資に支出することを防ぐ規定がある。

3月6日の記者会見でファーウェイの輪番会長を務める郭平(Guo Ping)氏は「米議会はその規定を支持する証拠を提供していないし、ファーウェイへの禁則ための適正な司法手続きを行っていない」と言った。同社は、その規定に対する終局的差止め命令を求めている。

郭氏はこう語る。「これまでの30年間、弊社製品のセキュリティにはまったく問題がなかった。ファーウェイがバックドアをインストールしたことはないし、他社がわれわれの機器にバックドアをインストールすることも絶対に許さない。米国政府はわれわれのサービスを脅威と決めつけているが、その非難を正しいとする証拠を示したことは一度もない。米国政府は証拠提出の努力もせずに、一方的に企業に汚名を着せているだけである。さらにひどいのは、われわれを他の国でもブロックしていることだ」。

米国の政府職員たちはかなり前から、国内企業と他国の政府がファーウェイの機器を使わないよう警告していた。「中国がそれらの機器を使って諜報活動をしているおそれがある」とされた。2017年に成立した中国の法律は、「すべての団体と市民が法に即した国の諜報努力を支持し、援助し、協力することおよび、彼らが知っている国の諜報活動の秘密を保護すること」を要求している。

ファーウェイの法的行為は、ライバルのZTEと米国政府の間で昨年到達した和解と対照的である。ZTEが10億ドルの罰金を払うことに同意したあと7月に、米国はZTEが米国のサプライヤーに販売できないようにしている禁則を解除する、と発表した。それまでの捜査では、その中国の通信機器メーカー(ZTE)が、イランおよび北朝鮮と取り引きすることにより、米国の制裁に違反している、とされていた。

肥大する脅威

ファーウェイに関する懸念は、同社が5Gの技術における中心的な中国企業へと成長したことにより、一層エスカレートしている。5Gは、自動運転車や遠隔手術などの未来的な通信技術を支えるネットワーク技術だ。その背景には、世界全体の5G化をリードしたいとする中国の野心がある。そのため中国政府は5Gの商用ライセンスの発行を急ぎ、消費者の関心を喚起しようとしている。

今年の初めに米国司法省はファーウェイと同社の財務担当役員Meng Wanzhou(孟晩舟)氏を、米国のイランに対する制裁を回避する事業行為により刑事告訴した。孟氏は今週、彼女の権利を侵犯したとしてカナダ政府と警察を告訴した。その権利侵犯とは、彼らが12月に米国政府のために彼女をカナダ国内で拘留したことを指している。

ふだんはあまり人前で話すことのないファウンダーのRen Zhengfei(任正非)氏をはじめファーウェイの役員たちは、同社の機器にバックドアがあることを断固否定した。最近任氏は、米国が彼の会社の進路を妨害することはできない、と宣言し、彼の娘である孟氏の逮捕を、“政治的動機に基づく許しがたい行為”と呼んだ。

このファーウェイ騒動は、米国と中国の貿易紛争が長引いている間に生じた。世界の二大経済圏の間で緊張がこれ以上増せば、イノベーションを扼殺するとの論評もある。世界中の国が今では、投資とサプライチェーンのリソースと技能労働者をますます中国に依存するようになっている。しかし同時にその多くは、セキュリティで米国との連合に依存している。

【アップデート】ZTEの件と貿易戦争について米国時間3月7日に加筆。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ファーウェイが米国政府の使用禁止に対抗して訴訟へ

Huawei(ファーウェイ)はシェア世界第2位のスマートフォン市場での使用禁止令が同社の急速な成功の妨げにならないことをすでに証明しているが、米国で戦わずして引き下がるつもりはない。消費者電子機器の巨人は今週中に米国政府を訴訟することを発表する計画だ。

このニュースは今朝のNew York Timesで報じられ、2名の匿名消息筋の情報に基づいている。本訴訟は、米国政府による長期にわたる使用禁止令のために、同社の全米に向けての5G推進に先立ち、政府の基盤プロジェクトから同社製品が排除されていることに対する抵抗だ。禁止令は全米の通信会社や小売業者にもHuawei製品の販売を躊躇させている。

記事によると訴状はテキサス州東地区に提出される予定で、当地はHuaweiの米国本社所在地であるだけでなく、特許ゴロの安息地としても知られている。

米国政府はHuawei中国政府とのつながりの疑いから同社製品の使用を以前から薦めていない。一方先週金曜日(米国時間3/1)にカナダ司法省は、昨年末バンクーバーで拘束したHuwaei CFOの 晩舟(もう ばんしゅう、Meng Wanzhou)氏の米国への引き渡しを許可した。孟氏の容疑は同社がイランへの制裁を回避した疑いに端を発する。

本日の報道によると、孟氏はカナダ当局が彼女を尋問、勾留する前に憲法上の権利行使について助言しなかったとして民事訴訟を起こした。

本誌はHuaweiに本訴訟に関するコメントを求めている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ファーウェイCFOの米国への引き渡しにカナダ政府が青信号

昨年、ファーウェイの孟晩舟(Meng Wanzhou)CFOが、米国のイランに対する貿易制裁に違反したとして、カナダのバンクーバーで逮捕された。今週カナダ政府は、この役員の引き渡し事務の開始を認めると発表した

カナダ司法省の職員が、作業着手認可を発行した。それは引き渡し処理を公式に開始するという布告であり、その処理により孟氏は米国に送られて告訴される。

孟氏はファーウェイの任正非(Ren Zhengfei)ファウンダーの娘だが、彼女は同社と米政府との間で進行している紛争のまっただ中に置かれてしまった。1月には、米国による制裁を回避するために行われた問題の銀行詐欺と彼女を結びつける告訴状が公開された。

今回カナダ司法省は、こんな声明を発表した。「この決定は本事件の証拠を詳細かつ入念に検討した結果下された。当省は、逃亡犯人引き渡し法に定める作業着手認可の発行要件が満たされ、かつ十分な証拠のもとに引き渡し判事の決定が行われたことに満足している」。

声明は、これが引き渡しに向けての第一歩にすぎない、とも言っている。判事が事件を審理し、次に法務大臣が審理して、最終的に孟氏の引き渡しを決定する。

アップデート: 孟晩舟氏の弁護団が、米国時間3月1日のニュースに関する次のような声明文を本誌に提供した。

米国の告訴が政治的な性質のものであり、米大統領が繰り返し、それが貿易問題をめぐる米国の中国との交渉に役に立つと思えるなら孟氏の事件に介入すると述べているにもかかわらず、法務大臣が作業着手認可の発行を決めたことに、われわれは失望している。

われわれはまた、その違反とされる行為が米国で行われ、カナダでは行われていないにもかかわらず、カナダの法務大臣が作業着手認可を認めたことを懸念している。これは、引き渡しの基盤的な原則である双罰性に真っ向から違反している。

われわれのクライアントは、いかなる悪行に関しても自分は無罪であり、米国の訴追と引き渡しは法のプロセスの濫用を構成すると主張している。

われわれのクライアントは、引き渡し過程の法的局面において彼女の権利が擁護されることを期待している。

画像クレジット: Ben Nelms/Bloomberg/Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

MWC 2019に見るモバイル技術の多様化でスマホ以外にもハイライト

長年、話だけが先行した5Gが、やっとMWC 2019に到着した、かのようだ、あくまでも。バルセロナは、今年後半に発売される数種の5Gハンドセットの打ち上げ台になった。と、これもあくまでもぼくの個人的感想だけど。

もうひとつ、話題が先行していたスマートフォンの技術、フォルダブルディスプレイも、ついに日の目を見た。数社がフォールダブル機を発表し、中にはハンドセットとして価格が決まってるものもあったが、コンセプトだけというところも多かった。そしてその多くは、ガラスケースの中に鎮座していた。

そのほかの注目すべきトレンドは、カメラ、AR/VR、そしてありとあらゆるセキュリティだ。以下に、この世界最大のモバイルショーの傑作と駄作の両方をご紹介しよう。そして今年はその両方が、これから先の変化に賭けていたのだ。

5Gの成熟

MWCの話題としては長年主役級だったが、今年は実物の5Gハンドセットがついに登場した

Huawei Mate X
LG V50 ThinQ 5G
Samsung Galaxy Fold
Samsung Galaxy S10
Xiaomi Mi Mix 3
ZTE Axon 10 Pro 5G

昨年、5G列車に最初に飛び乗ると約束していたOnePlusはハンドセットを発表しなかったが、プロトタイプをデモし、クアルコム(Qualcomm)や英国のEEと共催する5Gアプリのコンテストを発表した。

未来は折りたたまれていたか

折りたたまれていたのは、顧客のお財布だろう。最初のフォルダブルが、平均2000ドル弱という価格で登場した。それはまるでスマートフォンを2台買うようなお値段だが、確かにスマートフォンが2つあると考えてもよい。でも実際に2000ドルの価値があるのか? それはまた、別の問題だ

Huawei Mate X
Samsung Galaxy Fold

TCLはプロトタイプを出品して、来年中にはもっとスペース効率の良い製品を出す、と約束した。オッポ(Oppo)も、まだまだプロトタイプの段階だ

AR/VR/MR

世界最大のスマートフォンショーの最大のヒットは、スマートフォンではなかった。マイクロソフト(Microsoft)はこのイベントを利用して、同社HoloLensの第2世代機をローンチした。それは、ビジネスにしっかりフォーカスしたヘッドセットだ。

Microsoft HoloLens 2
Microsoft Azure Kinect
Vive Focus Plus
Qualcomm XR chips

セキュリティ

同社の5G機器をめぐってセキュリティの脅威が喧伝されているHuaweiには、言いたいことが山のようにあった。その点では欧州委員会(EC)のデジタルコミッショナーも同じだ。一方、Androidは今後ますます、パスワード不要のログインを目指すようだ。

その他

Energizer18000mAhスマートフォン
Lightはスマートフォンのカメラから自動運転車に事業拡張
HTCのブロックチェーンフォーンを法定通貨で買える
Sprint5月に4都市で5Gサービス開始
Facebookがインターネットインフラプロジェクトを拡張
microSD Expressフォーマットは超高速な転送と長いバッテリー寿命を約束
スマートフォン全体がウェアラブルになるNubia

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ファーウェイの5G折りたたみスマホは約29万円

折りたたみスマホは値が張る。5Gスマホもそうだ。では5Gの折りたたみスマホはどうか。借り入れを覚悟した方が良さそうだ。ファーウェイのMobile World Congress(モバイル・ワールド・コングレス)での記者会見の最後に、モバイル責任者のRichard Yu(リチャード・ユー)氏は発表したばかりのMate Xの価格は2299ユーロ(2600ドル、約28万8000円)であることを明らかにして「価格爆弾」を落とした。

かなりプレミアムな価格設定だが、そんなものだろう。

2019年半ばに発売される端末の価格が明らかにされた瞬間、イベントに参加していた人たちからはため息の声がもれた。ユー氏は明らかにそうした反応を予想していて、ファーウェイがこの価格を引き下げるためにキャリアと検討を重ねていることを明らかにした。5G折りたたみというイノベーションの値段について、ユー氏はほとんど弁解するような口調だった。

大量生産もまたコスト引き下げに貢献するはずだ。しかしもしこの端末がアーリーアダプターのみをターゲットにしているのなら、それでおしまいだろう。

Galaxy Foldのように、Mate Xは8GBのメモリー、512GBのストレージ、計4500mAhの2つのバッテリーなど、しっかりしたスペックを備えている。そして2600ドルというのは一線級ものだろう。

価格のほかにも、ファーウェイはこのデバイスをメジャーなキャリアを通じて米国で販売できないという大きな問題を抱えている。明らかにキャリアは米国マーケットにおいてこのプロダクトに奨励金援助は行わないだろう。なので、もしこのデバイスの価格が躊躇させるものでなかったとしても、手に入れるのは難しそうだ。

原文へ 翻訳:Mizoguchi)

ファーウェイの折りたたみスマホ「Mate X」用ケースは両面を保護する

折りたたみスマホが今年のobile World Congress(モバイル・ワールド・コングレス)で注目を集めている。サムスンがサンフランシスコでのイベントでGalaxy Foldをデビューさせた数日後にファーウェイは同社のソリューションであるMate Xを発表した。

表面的には、3つの大きなスクリーンを有するMate XはGalaxyデバイスよりも上をいっているように見える。もちろん、それらディスプレイは、テクノロジーとは別のところでいくつかの大きなな課題を示している。具体的には、ディスプレイをどうやって傷だらけにしないようにするかだ。

ファーウェイにはその解決策がある。ただし、スマホそのものほどエレガントではない。我々が目にしたごく初期の例の一つは、折りたたみケースがどのようなものになるかを示していて、ファーウェイは手早くスリップケースを披露した。

このアクセサリを開くとスマホを折りたたんでしまうことができ、デバイスの両面を保護する。つまり、8インチディスプレイを広げた状態では保護しない。公平を期すために言うと、このケースはデバイスをポケットに入れて持ち歩くぶんには端末を露出させることはなさそうだ。

ただ、これはファーウェイ社内で開発された初期ソリューションにすぎない。将来のケースは、デバイスそのものよりあらゆる点で異なってくるだろう。このケースは、少なくとも2600ドルもしないはずだ。

原文へ 翻訳:Mizoguchi)

Huaweiのファウンダーは強気、“アメリカがうちを潰すことは不可能”

アメリカに負ける気のないHuaweiのファウンダーは、“アメリカがうちを潰すことはありえない”、と公言した。

同社を通信企業として1987年に立ち上げたRen Zhengfeiは、公(おおやけ)の声明などをあまりしない人物だが、BBCのインタビューに珍しく応じ、アメリカ政府からの圧力がますます強くなりつつあるが、そんな中で同社の事業は強力に伸びている、と強気に語った。アメリカ政府は、同社のイランとの取引を犯罪と見なしている。その告発により同社CFO Meng Wanzhouは、カナダを旅行中に拘束された

RenはBBCに、通訳を介してこう語った: “うちには他よりも進んだ技術があるので、世界中がHuaweiを必要としている。今後より多くの国を、一時的にうちを使わないよう説得できたとしても、それによる弊社の事業規模の縮小はごくわずかだ。アメリカがうちを標的にしつづけて、うちを悪者扱いすればするほど、うちは製品とサービスをますます改良せざるをえなくなる”。

Renは、近くアメリカに引き渡されるかもしれない娘のMengの逮捕について、“それは受け入れ難い政治的動機に基づいている”、と言う。

Renは曰く: “Meng Wanzhouが自由を失ったことによる、Huaweiの事業へのインパクトはまったくない。むしろ、この間にもさらに成長の速度は上がっている。彼女を逮捕すればHuaweiはこける、と考えたのかもしれないが、こけるどころか前進を続けている”。

めったにインタビューに応じないHuaweiのファウンダーRen Zhengfeiが、アメリカ政府からの圧力と同社のCFOである彼の娘のカナダでの逮捕についてBBCに語った。

法律は政府と政府契約企業によるHuawei製品の使用を禁じている。それには一連のネットワーキング機器とインフラストラクチャ、およびスマートフォンが含まれる。そして同盟国にも、これに従うよう説得している。オーストラリアニュージーランドおよび日本がこれに従った。日本は12月にHuaweiとZTEの機器を禁じ、オーストラリアとカナダ、ニュージーランド、およびイギリスの諜報部門のトップ(Five Eyesのメンバー)は、2018年の終わりに同様の合意に達した、と言われている

しかし今週Huaweiは、その決定の執行猶予を勝ち取った。Financial Timesによると、イギリスの情報部門のトップは、スパイ活動に関する懸念(アメリカはHuaweiを北京のプロキシとして働いている、と非難している)は管理可能であると信じている。これによってイギリスの通信事業者は、自由に中国企業と協働して彼らの5Gネットワークを構築できることになる。

この明白な信任票は、アメリカの立ち位置と鮮やかなコントラストをなし、Huaweiはイギリスにおける事業活動とプレゼンスを強化できるだろう。

RenはBBCにこう語っている: “うちはイギリスで投資を続けるし、依然としてイギリスを信頼している。イギリスも、うちを今以上に信頼してほしい。今後イギリスで投資を増やすのは、アメリカがうちを信頼しないのなら、投資をイギリスへ、もっと大規模にシフトせざるを得ないからだ”。

イギリスの心変わりは、かなりのサプライズだ。アメリカからの圧力でVodafoneはHuaweiからの調達を休止したが、昨年発表された政府専門委員会の報告書は、“〔製品を買わないことによって〕イギリスの重要なネットワークへのHuaweiの関与による、イギリスの国家レベルのセキュリティリスクが十分に軽減されたとする確証は、きわめて限定的なものである”、と言っている。

関連記事: Without proof, is Huawei still a national security threat?…証拠がないのにHuawaiは国のセキュリティの脅威か?(未訳)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa