MoxieはiRobotの元CTOが作った技術的に魅力ある幼児向けロボット

今日にいたるまで、Roomba(ルンバ)はホームロボティクスの最も成功した事例の一つだ。これは、iRobot(アイロボット)社が10年にわたる失敗の繰り返しを経て、外見のシンプルさと内面の高度な技術を組み合わせて達成した成功だ。

他のロボットがここまで大きな成功を収めていないのは努力が足りなかったからではない。この分野には将来有望な注目すべき失敗が溢れている。ソーシャルホーム・ロボティクスのゴミ箱に最近追加された作品の目立ったところにAnki(アンキ)やJobo(ジボー)がある。どちらのプロジェクトも興味深く予算も豊富だったが、結局生き残ることができなかった。

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USC(南カリフォルニア大学)のロボティクス教授、Maja Matarić(マヤ・マタリック)氏とiRobotの元CTO(最高技術責任者)、Paolo Pirjanian(パオロ・パージャニアン)氏が2016年にロサンゼルスで設立したEmbodied(エンボディード)は、この分野に参入した最新の会社だ。このスタートアップを支援するのは、Intel Capital(インテル・キャピタル)、Toyota AI Ventures(トヨタ・AIベンチャーズ)、Amazon Alexa Fund(アマゾン・アレクサ・ファンド)、Sony Innovation Fund(ソニー・イノベーション・ファンド)、JAXX Venture Partners(ジャズ・ベンチャー・パートナーズ)、Calibrate Ventures(キャリブレート・ベンチャーズ)、Osage University Partners(オセージ・ユニバーシティー・パートナーズ)、Grishin Robotics(グリシン・ロボティクス)の各社。

Ankiのロボット、Cozmoの歴史にならい、EmbodiedはPixar(ピクサー)社員とあやつり人形師、Jim Henson(ジム・ヘンソン)氏の協力を得て、リアル世界のロボット・キャラクターを具体化した。一目見て、その出来栄えは十分に魅力的だ。

同社はMoxieを紹介するビデオのシリーズを公開し、その驚くほど豊かな表情と自然な体の動きをアピールしている。子供の教育と発達に焦点を当てているEmbodiedは、神経科学者と小児発達の専門家の力も借りてロボットを仕上げ、まもなくベータテストを開始する。

「われわれはテクノロジーを利用するやり方の転換点にいる」と同社CEOのPirjanian氏が声明で語った。「Embodiedでは、人間機械間のやりとりの方法を再考、再発明し、簡単な言葉による指示を超え、次世代コンピューティングを利用して流暢でソーシャルなやり取りのできる新しいレベルの機械を作ろうとしている。Moxieは感情に訴える会話と迫真の表情やボディーランゲージを通じて子供の感情表現を理解し、心理学と神経学を活用して深い絆をつくる」

Moxieは、善意、友情、共感、敬意など毎週異なるテーマに焦点を絞り、子供に合わせて時間と共にコンテンツをパーソナライズしていく。Moxieはこの分野の魅力的な試みと思われるが、まだまだ初期段階にある。ホームロボットの発売に伴う多くの本質的な困難さに加え、1499ドルと価格も法外だ。リスクを承知で挑戦したいなら、Moxicは現在予約受付中で秋に出荷予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iRobotが芝刈りロボット「Terra」の発売を無期延期

iRobot(アイロボット)は米国時間4月28日の四半期決算報告で、同社の芝刈りロボット「Terra」の発売を無期延期したことを発表した。Roomba(ルンバ)のメーカーでもある同社は、待望のホームロボットの2020年の発売を断念した。

当然のように同社は、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックの影響による不確実性を理由に挙げている。具体的には「市場の現状」だという。同社広報がTechCrunchに送った声明は以下のものとなる。

他の多くの消費者向けテクノロジー会社と同様、iRobotも新型コロナウイルスのパンデミックの影響を受け、市場開拓と製品開発の優先順位を再考しなければならなかった。市場の現状を踏まえ、iRobotはロボット芝刈り機 Terraの2020年発売を中止し、中核事業やその他の戦略への取り組みを優先する必要に迫られた。iRobotは今でも芝刈りロボットの大きな可能性を信じており、Terraの発売は中止するものの、時期が来たときには発売の可能性を再評価するつもりだ。この決定は、iRobotがこの景気停滞を乗り越え、消費者向けロボットのリーダーとして、継続的に利益を生む会社として成長することを確かにするものだ。

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無期延期の理由が、どれほど世界のサプライチェーン問題によるもので、どれほど単なる需要不足のためなのかはわからない。人と人との接触を減らして感染リスクを回避するロボットやAIの発達によって、新型コロナウイルスはオートメーションへの関心を高めた。しかし、多くの人々が自宅で過ごす時間が増えたことで、1000ドル(約10万7000円)近い商品は消費者が景気刺激策に投じる対象でなくなる可能性が高い。

この「優先順位の変更」は、ビデオ会議ロボットのAvaを数年前にスピンオフされた会社として興味深い洞察だ。新型コロナ危機は、長い目でみればリモート学習の現実性を認識した人々の役に立つ製品開発を探求する理由になるかもしれない。

iRobotは今後について具体的なことは言及していないが、このような無期限の延期は、同社の次期看板製品にとってよい兆候とはいえない。例え究極の理由がパンデミックだとしてもだ。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iRobotが掃除ロボ最新モデル「ルンバ s9+」を発表、米国発売から遅れること9カ月

アイロボットジャパンは2月19日、掃除ロボットの最新モデル「ルンバ s9+」を発表した。発売日は2月28日で税別価格は16万9800円。一部のアイロボット認定販売店アイロボット公式ストアにて販売される。本体パッケージには、Clean Baseや交換用フィルター、交換用コーナーブラシ、交換用紙パックがそれぞれ1個付属する。

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s9+はアルファベットのDの形に似た形状となっており、丸みを帯びていないフラットの部分が前面になる。D形になったことで壁際の掃除でのゴミの取り残しが軽減される s9+の正面に向かって左下には、30mmほどの5本のブラシが備わっており、正面下に設けられた吸入口にゴミを集める仕組みだ。

昨年発表されたi7+と同様に、専用ゴミ箱のClean Baseが用意されており、ルンバが集めたゴミをClean Baseが吸い出して溜め込み、Clean Baseの上のフタから簡単に捨てることができる。

また、床拭き掃除ロボットの「ブラーバジェットm6」との協調掃除を可能にする「Imprintリンク」も搭載する。具体的には、ルンバとブラーバがクラウドでつながっており、ルンバで掃除を終えると、ブラーバーが水拭きする。s9+の発売を記念して、ブラーバジェットm6のセット製品を税別21万9800円で3月31日までの期間限定で販売する。なお、別々に購入すると税別23万9680円なので2万円程度割引となる。

家の間取りをマッピングして最適なパターンで掃除できる「Imprintスマートマッピング」機能も搭載する。専用のスマートフォンアプリを利用することで、進入禁止エリアを設定できるほか、外出先からルンバをコントロールすることも可能だ。

前モデルのi7に比べてブラシ幅が30%広くなったほか、内蔵ブラシ(デュアルアクションブラシ)は、汚れやほこりを掻き出すゴム製のブラシとそれらを掻き込むが逆に回転することで、AeroVac搭載のルンバ600シリーズに比べて、吸収力が40倍に高まったという。ブラシ幅を30%広くできたのは、移動するための車輪を後部にブラシの取り付け位置を最前面に移動したことで実現した。

同社は今年設立30周年を迎え、ロボット掃除機の累計販売台数は3000万台を突破。国内での販売実績は明かされなかったが、ルンバe5は15カ月連続数量シェア1位、ルンバ s7+は11カ月連続金額シェア1位、売上は金額比でプラス205増を達成したとのこと。

s9+は米国発売から9カ月遅れての発売となるが、同社CEOのコリン・アングル氏によると「地域によって市場投入の時期を変えている」と語り、日本法人の代表執行役員社長の挽野 元氏によると「米国やドイツで先行販売して、そのフィードバックを反映するために日本投入の時期が遅れた」とのこと。

AzureとiRobotで実現するJR渋谷駅構内の無人ラーメン店、利用者の行動をカメラで追跡・分析

エースコックは2月14日、マイクロソフトのMicrosoft Azureを基盤にした無人店舗システムのSmart StoreやiRobotの床拭き掃除ロボットの「ブラーバジェットm6」を活用した、駅ナカ無人ラーメン店「モッチッチ ステーション」をJR渋谷駅の外回りホーム上にオープンした。2月28日までの期間限定オープンとなる。

モッチッチ ステーションで食べられるのは、その名のとおりモチモチした食感が特徴のインスタント食品「モッチッチ」シリーズの焼きそばとラーメン(ワンタン麺)。店内には立食用のテーブルが5席用意されており、5人が入店して満員になると自動ドアが開かなくなる仕組みだ。店内の客が誰か一人退店しないと、6人目の客は店内に入れない。

モッチッチの貯蔵庫は計量器メーカーであるイシダの計測器を内蔵しており、客が商品を手に取って貯蔵庫の扉を閉めると、全体の重量から減少したぶんを計算して、客が手に取ったモッチッチの個数を算出する。

価格はいずれも212円で、交通系ICカードもしくはクレジットカードで決済する。内蔵の液晶パネルに決済金額が表示されたら決済方法を選んで、決済端末にICカードをかざせばいい。クレジットカードの場合は残念ながらタッチ決済(コンタクトレス決済)には対応しておらず、決済端末の下部に備わっているカードリーダーにクレジットカードを差し込んで暗証番号を入力する必要がある。ちなみに、決済端末はCoiny(コイニー)製。Coinyは決済サービスを提供するスタートアップで、現在は事業持株会社であるヘイの傘下企業だ。

決済終了後は、モッチッチ貯蔵庫の左側のテーブルに設置されている、電気ポットもしくはウォーターサーバーからモッチッチのカップにセルフサービスでお湯を入れる。割り箸などもこちらに用意されている。このテーブルを注意深く見ると、それぞれの置き場がテーブルとは独立していることがわかる。

実はここにもイシダの計量器が仕込まれており、モッチッチの調理に必要なお湯の量である320mlを計測している。具体的には、お湯が減ったぶんの総重量の変化を認識する。計測器が320mlのお湯が注がれたと判断すると、自動的にモッチッチの標準調理時間である5分のタイマーがスタートする仕組みだ。なお割り箸置き場の計測器は、補充の目安を判断するためのもの。

あとは、お湯を投入したモッチッチを持って5席ある立食スペースのいずれかに移動すると、各スペースに設置されている液晶パネルに先ほどの5分のカウントダウンタイマーが表示される。

出来上がったらモッチッチを味わい、食べ終わったら返却口にカップを返すとともに、液晶パネルに表示される掃除ボタンをタップすることで、立ち食いスペース奥に設置されているiRobotの床拭き掃除ロボットのブラーバジェットm6が自動起動し、テーブルをまんべんなく拭いてくれる。

入店から退店までは以上のような流れになる。この店舗でAzureのSmart Storeがなにをやってるかというと、来店直後に客がモッチッチ貯蔵庫の前に立つと、設置されているカメラで性別や年齢を判別。

上部に設置されている超指向性スピーカーからモッチッチ貯蔵庫の前に立っている客だけに聞こえる音声で店内システムを解説してくれる。

店内に入って天井をを見上げると、モッチッチ貯蔵庫以外にもさまざまな場所にカメラが取り付けられていることがわかる。これらは来店者の移動経路を追跡・分析しており、お湯を入れて客がどの立食テーブルに移動するかをSmart Storeが判別し、その客が選んだテーブルの液晶パネルにモッチッチにお湯を入れてからの正確な時間を表示する仕組みだ。前述のように320mlのお湯を入れた直後からカウントダウンは始まっているので、席に着いたタイミングで表示される残り時間は数秒経過した4分55秒や4分50秒などになっている。

もちろんAzureのSmart Storeは、専用端末を使った決済処理も担っている。さらには冒頭で紹介した自動ドア制御による入店人数の制限もSmart Storeの役回りだ。

今回は試験店舗なので、モッチッチ貯蔵庫に異物が入ったり、モッチッチがスペースに正しく並べられていないと正確な計算処理ができない、自動ドア制御による入店制限を周知するために人員が必要など、完全な無人化とは言えない。しかし、飲食業界の人手不足を解消するソリューションとして進化する期待感は高い。

実際のレストランで電子レンジや電気ポッドを使って調理するのは、味的にも見映え的にも顧客満足度が低いと思われるが、客が退店したあとのテーブル掃除はコミュニケーション不要なのでロボットでの自動化余地が大いにあると感じた。

なお、下膳についてはすでにグーグル出身のエンジニアが創業したスマイルロボティクスが開発を進めているほか、職人顔負けの技術でたこ焼きを作るコネクテッドロボティクスのアームロボ「オクトシェフ」もある。さらには、弁当工場などで活躍する協働ロボットとしてはアールティの「Foodly」も実際に導入されている。人手不足が深刻化している飲食業界にとって、人と一緒に働く協働ロボットは今後さらに重要な存在になっていくだろう。

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iRobotが教育用ロボットスタートアップのRoot Roboticsを買収

教育向けの製品を拡大しようと、iRobotはマサチューセッツ拠点のスタートアップRoot Roboticsを買収した。Root Roboticsは社名を冠したコーディングロボットを開発し、展開している。このロボットは2つの車輪を持つデバイスで、ホワイトボードやその他の表面に絵を描いたり色をスキャンしたり、はたまた音楽をかけたりコーディングのインストラクションを出したりする。

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昨年のCESで我々はRoot Roboticsを取り上げたが、教育ロボットが数多く展開されたCES会場で同社は抜きん出た存在だった。iRobotはハーバード大学ビース研究所のスピンオフであるRoot Roboticsに多大な価値をはっきりと認め、自社のポートフォリオにすぐさまRoot Roboticsの商品を統合させる予定だ。

Root Roboticsの買収で、商業展開され、そして教育者や学生、親がすでに利用している教育用ロボティックプラットフォームでもってiRobotはSTEMの取り組みを幅広く展開できる」とiRobotのCEO、Colin Angle氏はプレスリリースの中で述べている。「Rootはまた小学生を含むあらゆる年齢の人のためのシステムを提供していて、これはiRobotの教育用ロボットラインナップの増加に貢献する」。

iRobotはSTEM教育の分野では知られた存在だ。同社はCreate robot(人気のRoombaプラットフォームのハッキングできるバージョンだ)を学校向けに長いこと展開してきた。Rootが加わることで、学生がかなり利用しやすくなり、これは将来のiRobotロボット技術者やエンジニアをリクルートする賢い方法となる。

Rootは現在、199ドルで販売されている。今回の買収の詳細は非公開となっている。

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(翻訳:Mizoguchi)

お掃除ロボのルンバが月額1200円からのサブスクで利用可能に

アイロボットジャパンは6月4日、新規事業としてサブスクリプションサービス「Robot Smart Plan」(ロボットスマートプラン)を発表。6月8日より専用ページにて受付を開始する。6月8日は「ルンバ」の日だそうで、開始受付時間も午前6時8分する謎のこだわりようだ。

同プランは36カ月の間、月額1200円からロボット掃除機「ルンバ」を利用できるサービス。一般の掃除に比べると高価なロボット掃除機を安価な負担で長期間使ってもらい、製品の魅力を訴求するのが狙い。36カ月(3年)は無償保証の対象となり返品も可能だ。

利用できる機種は、ルンバi7+、ルンバ980、ルンバ641の3モデルで、月額料金は順に3800円、2800円、1200円となる。契約は最初の1年が縛りとなっており、13カ月以降から解約・返品が可能となる。また36カ月経過した場合は、契約は満了して所有権がユーザーに移る。つまり、該当の掃除ロボを購入したことと同じになる。

■ルンバi7+
2019年3月発売の最新機。自動ゴミ収集機を初導入したモデルで、ルンバが家の間取りを学習・記憶することで掃除する場所を自在に選べるのが特徴。Wi-Fi搭載でリモート制御が可能。スマートスピーカーにも対応する。

■ルンバ980
独自のナビゲーションシステム「iAdapt 2.0 ビジュアルローカリゼーション」を搭載。フロア全体の間取りを正確に把握し、ルンバの位置情報を判断する。Wi-Fi搭載でリモート制御が可能。スマートスピーカーにも対応する。

■ルンバ641
スタンダードモデル。3段階のクリーニングシステムにより、ホコリやチリ、大きなゴミまでを吸引できる。

なお、6月7日には、自動で床の拭き掃除を行う床拭きロボ「ブラーバ」シリーズに、専用の床用洗剤を利用可能な「ブラーバ ジェット250」と「ブラーバ390j」がアイロボット公式ストアならびに全国のアイロボット認定販売店で販売される。拭き掃除ロボのラインアップも充実してきた。

■ブラーバ390j

iRobot最新の掃除ロボとモップロボはデバイス間通信によりシンクロ掃除可能に

iRobotから、新しいお掃除ニュースが発表された。米国マサチューセッツ州ベッドフォードを拠点とする同社は、汚れた床にタッグチームで対応する新しいペアロボットを公開した。発表されたRoomba s9+とBraava Jet m6は、どちらもiRobotのマッピング技術とImprint Linkを組み合わせたもので、2つのデバイス間で交信しながら順番にフロアを掃除することができる。

s9+はRoomba(ルンバ)の新しいプレミアムスタンダードだ。間違いなくロボット掃除機の17年の歴史の中で、初めて根本的な設計見直しが行われている。開始時からその製品を特徴付けてきた、円形の平たい形状からは離れて、少なくともその正面はBraava(ブラーバ)のデザインを借用している。

掃除機の正面はフラットだが、これは壁に近づくことを可能にする新しいPerfectEdge技術の一部だ。おそらく最近のRoombaの機種たちに対して最も要求されたものだったのだろう。コーナーブラシは、初期のモデルでは届かなかった汚れに対処できるように、5本の30mmアームを備えている。しかしフラットな側面を持つことの欠点は、より多くの動作を行わなければならないということで、結果的にバッテリーをより多く消費する。

発表では詳細は示されてはいないものの、iRobotはそれに応じてmAHを強化したと語っている。一方、その上部はブラシ仕上げの金属製円盤となっていて、そこを開けてフィルターを取り出し、交換することができる。昨年発表のi7+と同様に、システムにはオプションのClean Baseが付属していて(ただし、これらのClean Baseはコネクタ形状も違う別物なので、お互いに利用することはできない)、ドッキングしている最中に内部の埃が吸い出される。

新しいモデルは、システムマップとナビゲートに役立ち、毎秒25回障害物をスキャンする、アップグレードされた3Dセンサーを備えている。さらに新しい機能が、同社の床掃除支配計画ための次のステップであるImprint Linkテクノロジだ。この技術により、Roombaは新しいBraavaと通信できるようになり、床をお互いに協力して清掃することができる。

これまで同様に、清掃はHomeアプリを使って開始される。まずs9+が清掃のために送り出され、その後をm6が追うことになる。CEOのコリン・アングル(Colin Angle)氏はTechCrunchに対して、この新しいロボットたち(そして新しい芝刈りロボットTerra)は、社内でiRobot 2.0と位置付けられていると語った。

「これは機能性の水準を引き上げるように設計された、デザインとコミュニケーションの観点からも一貫したトップエンドロボットたちなのです」と彼は説明した。

確かにそれは、スマートホームの一部になるという、同社の長年にわたるホームロボットのビジョンを(特にマッピングがAlexaやGoogle Assistantの機能と組み合わされた場合に)1歩前進させるものだ。

一方で新しいBraavaは、床掃除ロボットのScoobaが使っているような洗浄液タンクを用いるのではなく、これまでのように水スプレーと乾燥パッドを利用して動作する。またフロアプランを作成し、障害物を回避するために、同様のマッピングテクノロジを使用している。清掃システム自身は大幅にアップデートされていて、改良されたスプレーと様々な素材を採用したパッドが用いられている。

当然のことながら、これらはどれも安価なものではない。そして実際のところ、お手頃価格路線をこれまでiRobotが打ち出したことはないのだ。s9+は、Clean Base付きのものが1299ドル(約14万2000円)、なしのものが999ドル(約10万9000円)となる。Braava m6は499ドル(約5万4500円)で、7枚入りクリーニングパッドは8ドル(約900円)になる予定だ。いずれも6月9日に発売予定となっている。掃除機は、高度な部屋マッピングならびに物体検出のために新しい3Dセンサーを利用している。これまでのモデルとは異なり、このRoombaは前方にあるものを知るために部屋の中を1秒間に25回の速さでスキャンしている。

これは、部屋の隅をよりよく移動するために設計された、iRobotの新しい独自のPerfectEdgeテクノロジーと組み合わされる。ブラシや他の清掃パーツも同様に手を加えられている。

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(翻訳:sako)

TechCrunchセッション「Robotics + AI」に登場したロボットたち

4月18日に米国のUC Berkeley(カリフォルニア大学バークレー校)で開催された、TechCrunchのイベント「Sessions: Robotics + AI」。会場はロボットだらけで、メインMCを務めたTechCrunchの記者であるBrian(Heater)もロボなんじゃないかと一瞬、疑ったほどだ。

TechCrunchのハードウェア・エディターを務めるBrian Heater

すべてではないが、会場やステージなどで披露されていた、ユニークなロボットたちを画像や動画で紹介したい。

SpotMini(Boston Dynamics)

まずは、説明不要だとは思うが、Boston DynamicsのSpotMini。当日は創業者でCEOのMarc Raibert氏が登壇し、犬型ロボットのSpotMiniを紹介した。詳しくはBrianの記事を参考にしてほしい。

同セッションでは、同社が大量生産する予定のSpotMiniが登場したが、ぱっと見は従来のモデルと同じ。何が違うのだろうか。

Reibert氏いわく、より信頼性のあるプロダクトにするため幾つかの構成部品を再設計、そして、倒れた際などを想定し、より強固なスキンに更新した。同機にはカメラが前後左右に配置されていて、全方位を見ることが可能だ。

SpotMiniは7月に発売予定。Raibert氏は近い未来、デベロッパーたちが専用アプリを作ることで、SpotMiniが「ロボティクスのAndroid」になることを期待する、と述べていた。

同日、イベント終了後には会場の外でデモが行われ、多くの人たちが集まっていた。

Brianいわく、彼はBoston Dynamicsの従業員以外でSpotMiniを操縦したことのある、数少ないラッキーなロボットオタクだという。

だが、当日の会場では、Raibert氏に声を掛けられた小さな女の子が、SpotMiniの操縦をちょっとだけ体験していた。父親は終始「マジかよ」って顔をしていたが、彼女が大人になった時、有能なロボット開発者になっていることを期待したい。

Kiwibot

会場の外を走り回っていたのは、小さくてかわいらしい、お弁当配達ロボットのKiwibotだ。

このKiwibotはUC Berkeleyの構内でも食事を配達している。生徒たちは学校のキャンパスからアプリを通じてランチなどを注文し、Kiwibotが配達してくれるのを待つ。

当日のセッションで登壇したKiwibotのCEOであるFelipe Chavez Cortes氏は「これまでに3万5000件の注文に対応した」と述べた。同社のSasha Latsenia氏は、KiwibotはUber EatsやGrubhubと比べると配達の効率がはるかにいいと説明。注文を受けロボットに食事を入れるスタッフ1人につき、1時間に15回のデリバリーに対応することが可能だという。

Cortes氏は、来年までに、全米の30もの大学がKiwibotを導入し、毎日、合計500台ものロボットが数千食を配達している状態を目指す、と話していた。

Terra(iRobot)

お掃除ロボのRoombaなどでおなじみのiRobot。当日登壇した同社のCEO、Colin Angle氏がステージに連れてきたのは今年の1月に発表された芝刈りロボットのTerraだった。

The iRobot Terra

Terraは2019年中にドイツで販売、 米国ではベータ版プログラムとして提供開始される予定だ。Angle氏いわく、お掃除ロボに次いでリクエストが多かったのが芝刈りロボット。

Roombaの登場から17年後に発表されたTerra。Angle氏は、開発にあたり一番大変だったのは、Roombaと違い、強力な「刃」が必要だったことだと話した。Roombaは比較的「安全」なロボットだったのに対し、Terraには草を狩る刃がある。この刃を「ロボットフレンドリー」にするため、岩などに当たった際に「引っ込む」ように設計されている。

右がTerraに搭載された刃を説明するAngle氏

また、Roombaのような動きだと芝の模様が「ゴッホの絵画」(Angle氏)のようになってしまうため、また、芝生の中に花や木が植えられている可能性もあることなどから、「アウトドアナビゲーションシステム」を開発した。

LOOMO(SEGWAY ROBOTICS)

Kiwibotとともに会場の外に展示されていたのは、SEGWAY ROBOTICSのLOOMO。SEGWAYの上にロボットが乗っかっているような見た目。パーソナルモビリティーとパーソナルロボットのいいとこ取りといった感じだ。

公式サイトによると、最大時速は、ロボットモードで4.3mph (8km/h)、乗り物モードでは11mph (18km/h)。一回の充電で22 miles (35km)ほど走行できる。カメラが付いているので動画を撮影することも可能だ。

会場の外では走行デモが行われていた。

ロボットモードではLOOMOが後ろを付いてきてくれる。

サンゴ礁の破壊者、ミノカサゴを一撃で退治する次世代ロボ

ロボット研究者は意外な動物関連のプロジェクトに取り組んでいる。iRobotのCEOであるColin Angle氏にとってそれは、ミノカサゴを吸い込むロボットである。Angle氏は、Robots in Service of the Environmentの名前が示す通り、環境に奉仕するロボットの開発を目指したボランティアベースの組織であるRSEの共同創設者でもある。

2017年にRSEの最初のプロジェクトが発表された。それはサンゴ礁に棲む魚類を大量に死滅させてしまう侵入種を捕獲するロボットだ。

2万9000ドル(約320万円)のKickstarterキャンペーンの成立を経て、RSEは「Guardian LF1 Mark 3」という勇ましい名前を明らかにした。魚を吸引するこのロボットは、ミノカサゴが生息し繁殖する水深400フィート(約120メートル)でも動作する。ノートパソコンやモバイルデバイスから、最長1時間、遠隔操作をすることができる。

Angle氏はこのニュースに関する発表の中で「ミノカサゴはサンゴ礁を破壊し、大西洋の魚を減少させている」と述べている。RSEのGuardian LF1には最新の革新的な技術が組み込まれていて、ロボットは海中のより深い場所でより長時間働き、より多くの獲物を捕らえることができる。画期的な技術を組み合わせたこの新しいツールで、貴重な天然資源の保護に一歩近づいたという。

このロボットはミノカサゴを一撃で気絶させ、1回の潜水で最大10匹を捕獲する。プロトタイプはすでに動作していて、フロリダでさまざまなテストが実施されている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

iRobotのロボット芝刈り機、10年の開発期間を経て商品化

iRobotが提供する最新の製品ライン、Terraをご紹介しよう。この先「芝刈りRoomba」として知られるようになる筈だ。まあもっと酷い名前になる可能性もある。しかしなんと言っても、iRobotは数え切れないほどのスタートアップたちが試行錯誤を繰り返してきたホームロボットの分野で、Roombaシリーズを使って主流となる製品を投入することができた企業なのだ。マサチューセッツに本拠を置くこのハードウェア会社が、庭仕事のためにも同じことを達成することができるならば、それは本当に印象的な偉業となるだろう。

しかし、iRobotの多くの仕事と同様に、芝刈りロボットの開発はゆっくりと慎重に進められてきた。今年のCESでの非公開の会議で、CEOのColin Angleがこのロボットのベールを剥いだ。それは、その1機種のための盛大な発表会のようだった。だが彼はまず最初に、なぜiRobotがこの商品の投入に時間がかかったのかを正確に説明した。

結果としてTerraは、Roombaが床のために行っていることを、芝生に対してもやろうとした最初の試作品とは、はるかにかけ離れたものになっているのだ。ホンダは既に、RobomowとかWorxといったあまり知られていない名前のロボットで、この分野に参入していた。しかし、iRobotには、競合他社がもたない重要な技術がある ―― 17年間に及ぶRoombaラインの開発と進化の経験だ。

それでもAngleは、Terra(コードネーム:Wichita)は開発に10年近く掛けられた製品であり、35人から50人の研究開発スタッフが、この新製品だけに専念してきたのだと言う。このような製品をきちんと作り上げるには、数多くの可動部品が(比喩的にも文字通りにも)必要とされる。そして新しい目的のために、水平でない屋外を移動するためには、確かにRoombaチームの成果を単に繰り返せばよいというわけではないのだ。トランポリン上での傾斜した脚は、ロボットにとって制御が特に難しいものであることが証明されている。

実際、同社はマサチューセッツ州ベッドフォードにある、柵で囲まれた駐車場の中でこの芝刈り機を密かにテストしていた。この場所はかつて同社の軍事ロボット用の戦闘場だった(2016年にEndeavor Roboticsとして独立している)。その間私も、同社の本社を何度か訪問していたのだが、何も気付いてはいなかった。

Terraの操作は、最近のRoombaを使ったことのある人なら誰でも、既にお馴染みのはずだ。通常芝刈り機は充電ドックに収まっている。初めて起動されたときに、芝刈り機はiRobotのImprintスマートマッピング技術を使って周囲の様子を探る。この技術は基本的にRoombaで使われているものを、より大規模に応用したものだ。視覚システムは、より障害物を検知し、屋外で起きる均一でないライティング状況に対応するものになっている。

ロボットの上部が開き、小さなリモコンが出てくるので、それを使って初めは人間がどこに行くべきかを手動でTerraに示すこともできる。自分で操縦する楽しみを味わいたいひとは、もちろん後でそれを使うこともできる。

Roombaと同様に、システムはビーコンシステムを利用している(2台のビーコンが同梱されている)。それらはあまり目立たない支柱で地面に立っていて、柵やその他の自然の境界線のない区画に対する、仮想的な境界を作る手助けをする。このシステムはRoombaと同じHomeアプリを利用しているので、ユーザーはその作業進捗状況などをリモートから監視できる。

Terraは刈られた芝をバッグに集めるのではなく、多くの産業用芝刈り機が採用している、マルチングシステム(刈った芝を細かく粉砕する手法)を用いている。このロボットはRoombaよりもはるかに整然としたやり方で芝生に乗って往復し、芝生を縞模様に刈り上げる。バッテリーは、ほとんどの住宅用の芝刈りには十分すぎるほどの容量がある筈だが、もし途中で充電が必要になった場合には、Terraは充電ベースに自力で戻り、充電が終わると続きの場所から芝刈りを始める。

このシステムは様々な気象条件に耐えることができる。ただし、特に寒い地域に住んでいる場合には、雪が積もったときには屋内に持ち込んでおくことが賢明だ。特定の芝生から別の場所に移動されたときには、Terraが使えないようにするセキュリティシステムも搭載されている。

価格を含む詳細はこれから発表される予定だ。面白いことに、このロボットはまずドイツで発売され、今年後半には米国でベータ版として発売される予定である。このため同社はシステムの調整をまだ継続することができるだろう。

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(翻訳:sako)

ルンバを使って自宅のDoomレベルを作る「DOOMBA」

クリスマスに新しいロボット掃除機をもらったラッキーな人もいることだろう。実はこれ、あなたが思っている以上に役に立つ。家をきれいにしてくれるだけでなく、周囲をスキャンして我が家のDoomのレベルを作ることもできるのだ。新年を迎えるにふさわしい!

残念ながらこれはiRobotの公式機能ではなく、ベテランのゲームエンジニアRich Whitehouseが成し遂げたハックだ。彼はRoombaがセンサーを使って非常に詳細な周辺データを集めていることを知り、この能力を25年続くビデオゲームに応用すべきだと当然のごとく思った。

DoomとRoombaを組み合わせることによって、Whitehouseはちょっと面白い何かを作るだけでなく、「人類を悩ませる本当にひどいダジャレを放てる」ことに気がついた:その名もDOOMBA。

しくみこうだ、ただしあなたがRoomba 980を持っていなければ、一切動く保証はない。特別なツールを使ってパソコンがワイヤレスネットワークの中でRoombaを見つけると、移動を追跡してデータを収集する。ロボットが仕事を終えると、データはファイルに保存され、Whitehouseの画像/モデル変換アプリNoesisのプラグイン、DOOMBA経由でDoom WADに変換できる。

レベルの形状はあなたの場所に基づいて作られるが、もちろん見た目は少々異なる。おそらくモンスターの数が多い。乱数の設定によって、新しい地獄のようなバージョンの我が家にどんな武器やモンスターが登場するかが決まる。

DoomとRoomba以外は完全無料なので、両方持っている人は今すぐ始めよう。この楽しい暇つぶしを作ってくれたRichに感謝!

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

「サービスとしてのロボット工学」で新ビジネスモデルを開拓するinVia Robotics

inVia Poboticsの面々は、ロボットを大量に販売するための、新しいビジネスモデルを構築する目指して会社を立ち上げたつもりではなかったのだが、それはまさに、彼らが今、行っていることなのかも知れない。

サザンカリフォルニア大学のロボット工学プログラムを卒業したLior Elazary、Dan Parks、Randolph Voorhiesの三人は、即座に人の注目を集められるアイデアを模索していた。

「私たちの目標は、すぐにでも経済的な意味を生み出せるものを立ち上げて、運用することにありました」と、同社の最高技術責任者Voorhiesはインタビューに答えて言っていた。

鍵となったのは、彼らが見てきた過去のロボットメーカーの失敗から教訓を学ぶことだった。

iRobotは早くから成功していたが、人と一緒に仕事を行う一般消費者向け、または協働ロボットは、大きな市場からの興味を惹くまでに至っていない。

 

 

ロボット工学業界のリーダーたちによって設立された伝説の企業Willow Garageは、Voorhiesとその仲間たちが卒業するころに事業を停止してしまった。有名なロボット研究企業のひとつ、Boston Dynamicsは、同じころグーグルに買収された。この検索エンジンの大手企業は、6カ月の間に浮かれ騒ぐように8つのロボット工学企業を買収している。

「その最中に、その様子を見ていた私たちは、おい、失敗したロボット工学企業がこんなにあるぞ! と話していました。そして、どうしてこんなことになるのかを、自分たちに問いかけました」とVoorhiesは振り返る。「私たちが見てきたハードウエア企業の多くは、こんな計画でやっていました。ステップ1:すごくクールなロボットを作る。ステップ3:アプリのエコシステムが発展して、人々がたくさんのアプリを制作するようになり、ロボットがめちゃくちゃ売れる。しかし、ステップ2をどうやるか。それは誰も知りませんでした。つまり、ロボットの商品化です」

そこで3人の共同創設者たちは、いち早く市場に打って出るためのアイデアを探した。

そして得られた考えは、高い移動で品物を運べるロボットの開発だった。「私たちは、移動式の6自由度のアームを開発しました」とVoorhies。

しかし、アームの製造は複雑で、部品代は高く、ロボットが使われる環境によっては、その順調な稼働を妨げる要素の種類が多すぎた。結局、彼らは、ロボット工学は、整備された特定の環境でこそ、大成功が叶うのだと気がついた。

「環境はあまりにも予測不能で、それに対応するには、やるべき仕事が手に負えないほど膨大になることが、すぐにわかりました」と彼は言う。

Parksがそこで、協働ロボットがもっとも楽に働ける、整備された環境を分析して、ホワイトペーパーを作成した。それを見れば、そうした環境は倉庫以外にないことが明らかだった。

 

 

2012年3月、アマゾンも同じ結論に達し、Kiva Systems7億7500万ドル(約850億円)で買収し、Kivaのロボット軍団を、世界中のアマゾンの倉庫と配送センターに展開した。

「Danは、Loiと私のためにホワイトペーパーをまとめてくれました」とVoorhiesは言う。「そして大きく見えてきたのは、eコマースの物流です。床はたいていがコンクリート張りで、傾斜もほどんどなく、そこで主に人が行っている作業は、品物を棚から下ろして、別の場所に置くというものです」

アイデアが固まると、技術者のVoorhiesとParks、そしてすでに2つの企業を経てきた筋金入りの起業家であるElazaryの三人は、プロトタイプの製作に取り掛かることにした。

アマゾン以外の倉庫や配送施設のほどんどは、品物の保管と回収を自動的に行う自動倉庫システムを利用していると、Voohriesは言う。その自動化システムとは、外観も機能も巨大な自動販売機のようなものだ。しかし彼によると、こうしたシステムには多額の埋没費用が掛かっていて、柔軟性も適応性も低いという。

しかも、これらの古いシステムは、ランダム・アクセス・パターンや、eコマースを成功に導くための、主に出荷と梱包からなる複合的な命令に対応するようには作られていない。

ところが、埋没費用があるために、倉庫はモデルの変更に積極的にはなれない。そこで、Voorhiesたちが考え出した革新的なアイデアは、流通業者が埋没費用を気にせずに済む方法だった。

「私たちは先行投資をしたくなかったのです。ロボットを設置するだけでなく、それを作る企業を立ち上げる場合でもです」とVoorhiesは話す。「自分たちの力でできることをしたかった。それを有機的に成長させて、一刻も早く勝利を収めたかったのです。そこで私たちは自動倉庫システムに目をつけ、その作業を行う移動型ロボットを作ろうじゃないか、という話になりました」

当初、彼らは、いろいろなロボット開発方法を試した。最初にあったのは、いくつもの異なる品物を運べるロボットと、回収を専門に行うロボットだった。

同社が最終的に決めた形状は、テーブルを上下に動かすシザーリフトを備えた移動式の円盤型の装置だ。テーブルの一端には前後に伸び縮するアームがあり、アームの先端には吸引ポンプが取り付けられている。このポンプで品物の箱を吸着してテーブルに載せ、梱包担当者のところまで運ぶ。

「最初は、品物を個別に積むことを考えていました。しかし、実際に倉庫の人たちの話を聞くうちに、どんな品物も、とにかく特定の箱に入れているということがわかってきました」とVoorhies。「それならもっと楽をしよう。その箱さえ掴めればいいんだからね、と」

この最初のロボットを自力で作ったことで、inViaは、そのビジョンを実現するための2900万ドル(約32億ドル)の資金調達を行った。最近では7月に、2000万ドル(約22億ドル)の投資ラウンドを成立させている。

「eコマース業界の成長が、その要求に応えるための倉庫の自動化をいう需要を、どんどん生み出しています。そうした自動化の需要を満たせるのは、作業の流れに応じて規模を調整できるよう、AIを採り入れた柔軟なロボットです。inVia Roboticsへの投資は、AIがサプライチェーン業界において重要な役割を果たすという我々の信念の現れです」と語るのは、Point72 VenturesのAI投資部門共同責任者のDaniel Gwakだ。Point72 Venturesは、ヘッジファンドで名を馳せた投資家スティーブ・コーエンが設立したアーリーステージの投資会社だ。

配送や物流を行う企業の苦しい現状を考えれば、ロボット工学や自動化技術がきわめて重要な戦略的投資の対象になることや、ベンチャー投資が市場に流れ込んでくることは理解できる。この2カ月間だけで、倉庫や店舗の自動化を目的としたロボットメーカーは、7000万ドル(約77億ドル)に近い新規の資金供給を受けている。これには、フランスのスタートアップExotec Solutionsがつい最近獲得した1770万ドル(約19億円)や、食料品店向けのロボットを開発するBossa Novaの2900万ドル(約32億円)の投資ラウンドも含まれる。

また、Willow GarageやLocus Roboticsの血統を受け継ぐFetch Roboticsなどの倉庫に焦点を絞ったロボットメーカーは、物流サービス会社Quiet Logisticsとつながっている。

「ロボット工学への投資は、当然な流れとして、過去数年に比較して驚くほど伸びています」と、市場調査会社IDCのCommercial Service Robotics(商業サービス・ロボット)研究部長John Santageteは声明の中で述べている。「投資が伸びているのは、その技術を受け入れた市場の作用です。その技術分野は、市場の要求に見合うまでに成長したのです。そしてその将来の展望には、柔軟な自動化技術が含まれているに違いありません。今日の倉庫では、消費者の要求に追いつくために、品物はより速く、より効率的に移動しなければなりません。自動化された移動型ロボットは、スピードと効率性と柔軟性のある自動化を、費用対効果の高い形で実現します」

inViaは、ロボットを販売するだけでは十分ではないと気がついた。倉庫が、inViaのロボットによって実現できる経費節約の可能性を確実なものにするためには、ソフトウエアのプレイブックのページを開く必要がある。道具を売るのではなく、ロボットが行う作業を、サービスという形で提供するのだ。

「お客様は、ロボットの価格はいくらかと聞きますが、それは見当違いです」とVoorhiesは言う。「そいういうことを、考えずに済むようにしたいのです」

inViaと物流企業との間で交わされる契約は、行った作業ごとの単位となっている。Voorhiesはこう説明している。「注文ラインはひとつ(の最小管理単位)です。数に関係なく注文できます。……私たちは、ロボットが品物を取って人のところまで運ぶごとに料金をもらいます。作業を高速化して、使用するロボットの台数が減れば、それだけ私たちは儲かるのです」

大きな違いはないように聞こえるかも知れないが、倉庫ではこうした効率化が重要になると、Voorhiesは言う。「ある人が、35個のパレットを載せられるカートを倉庫の中で押しているとしましょう。私たちがやれば、その人はじっと立っていればよいのです。使えるカートも1台だけではありません。35どころか、一度に70の注文に応えることが可能です」と彼は話す。

楽天物流では、すでにinViaのロボット導入により利益を上げていると、楽天スーパーロジスティクスCEOのMichael Manzioneは話している。

「発送センターで実際に(ロボットが)使われ出したのは、ごく最近です」とManzioneはインタビューに応えて話している。「2月の下旬にこの製品を初めて見て、3月下旬には稼働していました」

Manzioneにとって大きなセールスポイントは、先行投資の必要もなく、ロボットが即座にスケール調整できることだった。「年末休暇のシーズンの計画では、収益が上がる予定です」とManzioneは言う。「去年は人員を2倍に増やしましたが、今年は増やすつもりがありません」

Voorhiesが指摘しているが、倉庫環境で作業員のチームが効率的に働けるように訓練するのは、容易ではない。

「問題は、新らしい人間を入れにくいという点です。倉庫では、本当に真面目な専門家チームが頑張っていて、フォークリフトで品物を運ぶことに喜びを感じています。シフトの中で汗を流して得られるものに、とても満足しているのです」Voorhiesは言う。「そうした専門家チームにも対処できないほど処理量を増やす必要が出てきたとしても、その仕事が熟せる人間を探すのは困難です」

この記事は、inViaの最高責任者Lior Elazaryの名前の綴りを修正して更新しています。

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  5. inVia-Robotics_2

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(翻訳:金井哲夫)

愛らしい家庭用ロボット「Kuri」が予約分を出荷開始

ルンバよりもコンパニオンになりたいロボットのKuriが、顧客向けに出荷開始された。Kuriを作ったMayfield Robotics(Bosch傘下のスタートアップ)は、最初の出荷分をFedEx経由で送り出したことを発表した。これで、このフォトジェニックで可愛いロボットを2017年中に出荷するという同社のゴールはかろうじて達成された。

Kuriが最初にベールを脱いだのは、ほぼ1年前にラスベガスのConsumer Electronics Showで、以来アップデートを繰り返してますます賢くなり生産状態に近づいていった。Mayfieldのロボット技術者たちは、単に機能するだけでなく家族の一員として迎えられるような家庭用ロボットを作りたかった。,

ちいさなロボットは、タッチセンサーと表現力豊かな目を備え、内蔵カメラにはライブストリーミング機能もあり、スピーカーとマイクロホンとジェスチャーモーションアクチュエーターを使ってコミニュケーションをとることもできる。障害物をさけて動く車輪は部屋から部屋へと移動し、さまざまな床やカーペットにも対応できる。

Kuriは、無人で部屋の中を移動するように設計されており、時間とともに学習し、特別な瞬間を記録し、音楽やオーディオブックやポッドキャストを再生し、室内の友達としてふるまう。家庭用ロボットを700ドルという価格で売り出したことは新鮮で大胆なやり方といえる。Mayfieldは、順調な引き合いをよろこんでいるようだ。現在入荷待ちの状態で、今日予約すると配達は来年春になる見込みだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ルンバのiRobotのCEO、「世界の電気掃除機の2割はすでにロボット」―TechCrunch北京カンファレンス

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自ら動き回って床を掃除するロボットは、少し前まで奇妙なデバイスと見られていたが、現在では電気掃除機市場の少なくない部分を占めている。

Roombaのメーカー、iRobotの共同ファウンダー、CEOのColin Angleから聞いたところでは、Roombaのメーカー、iRobotの共同ファウンダー、CEOのColin Angleから聞いたところでは、ロボット掃除機のシェアは世界全体で20%だという。 北京で開催されたTechCrunch Beijing 2016で私はAngleと対談したが、iRobotはこの市場で70のシェアを握るトップメーカーだということだ。

しかしこの数字は台数ベースになおすとどのくらいになる のだろう? Angleによれば、現在までに1400万台以上のRoombaが売れたという。一般的な掃除機よりも高めな価格であることを考えれば家電製品として悪くない数字だ。

「iRobotの製品が市場のトップシェアを握っているのには理由がある」とAngleは言う。同社はハウス・クリーニングを専門とする家電メーカーであり、長年この問題のみを研究してきたことによる大きな優位性があるのだそうだ。iRobotは2016年にはいって軍事ロボット部門をすべて売却し、ホーム家電製品に集中している。

ロボット掃除機の分野での優位性は同社の長期的目的の達成のためにも大いに役立つはずだとAngleは考えている。iRobotではAIの利用によって人間の腕や足の代わりになり、また延長となるデバイスの分野でも確固たる地位を築こうとしている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

iRobotが同社伝統の軍事部門を切り離して別会社に

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国防市場から抜け出したいiRobotがその軍事関連資産を売って、軍需専門の別会社を作る。その新会社のCEOは、元海兵隊の将校Sean Bielatだ。

以下はプレスリリースより:

iRobotの国防部門はここに、今後は独立の企業になることを、喜びをもって発表いたします。その企業は非上場のロボット製造企業になり、国防と国民の安全と産業市場のニーズに完全に特化した事業を行ってまいります。

新しい企業は現iRobot国防部門のチームが率い、CEOのSean Bielatは元iRobotの国防部門の役員で、合衆国海兵隊の将校でもあります。iRobotの国防部門担当SVP Tom Frostが、新会社の社長になります。彼らが一緒に仕事をすれば、15年の歴史を持つiRobotの高品質なロボットの設計技術と、評価の高い強力なサポートが、損なわれることなく継承されるでしょう。

その新しい会社はArlington Capital Partnersが出資し、国との契約による、軍事国防関連の生産に従事する。家庭用ロボットの事業部は、そのままiRobot本体に残る。

このような分社化は、いくつかの点で興味深い。まず第一に、それぞれのビジネスを別々の企業に隔離するから、とくに国防方面の顧客は連絡窓口などで迷うおそれがなくなる。さらにまた、これによってiRobotの企業イメージが改善され、お掃除ロボットと軍事技術との関連が徐々に意識されなくなり、プライバシーや安全性の面での消費者の不安もなくなる。わが家の掃除機が、合衆国陸軍第一ロボット師団のロボット兵として登録されていたら、おそろしいもんね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

新型機Roomba 980は家中をマッピングして‘ぶつかり認識’を減らす

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今あなたが寝ていることが分かるし、起きてることが分かるし、子どもがシリアルをカウチの横にこぼして、それを犬で隠したことも分かる。Roombaの最新モデルRoomba 980は、円形のロボット掃除機に新しい仕掛けを加えている。前のモデルは物にぶつかったり、階段の端に来ると方向を変えたが、新型機の980には低解像度のビデオカメラがあって、ユーザの家の“地図”を作り、何がどこにあるかを覚え、仕事をしながら部屋のレイアウトを確認している。

新型Roombaは“仮想同時位置認識および地図作成(visual simultaneous localization and mapping, vSLAM)”と呼ばれる技術を使って“自分の位置を認識し、すべての面を清掃する”。つまりこのRoombaはまだやってないところを自覚し、2時間ぶっ続けで労働し、充電し、終わるまでまた仕事を続ける。同社のプレスリリースは、“Roomba 980は広いスペースでは平行線を描きながら効率的に清掃し、また必要な場合には一連のセンサを利用して複雑な形状にも適応し、家具の下や散らかした物のまわりをなめらかに走行する”、と書かれている。

Roombaがぼくたちのベッドルームをスパイする、と心配する前に理解しよう。そのカメラはきわめて低解像度で、走行した距離の計算に利用されるだけだ。家の中の個々の物…椅子、テーブル、猫、などなど…を認識する能力は、少なくとも今度のバージョンにはない。しかし電子回路は消費電力も小さいから、この機はvSLAMを使って位置認識を行うが、悪辣非道な盗撮カメラの能力はない(何ごとにも‘初め’はあるものだが)。

Roombaの勤務時間はインターネットとアプリを使ってスケジューリングできる。ぼくはvSLAM技術の初期のデモを見る機会があったが、前のようにあちこちぶつかりながら部屋を掃除する方式に比べると、ずっとおもしろい。vSLAMもぶつかり方式も、元々は地雷原などを走査するための軍用ロボットの技術だ。でもvSLAMによってRoombaのお仕事はずっと効率的になったし、子ども部屋などは昔から地雷原だから、家庭の兵器庫にぜひ一台備えておきたいね。

この新型掃除機は899ドルで今日発売だ。ぼく的には、vSLAM装備のロボット真空掃除機に地球と人類が支配されることを、歓迎したいね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

iRobotが開発中のロボット芝刈機は、天文学者を怒らせている

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複数のFCC提出資料によると、ロボット掃除機メーカーのiRobotは自動芝刈機を開発している ― そして電波天文学者をイラつかせている。プロジェクトは未だベールの中にあるが、芝刈機がよそへ入り込まないために低出力のラジオビーコンを使って庭の境界を検出している。他の自動システム ― ワイヤーやバリアーを使ってロボットを包囲する ― と異なり、このビーコンが6240~6740MHzの電滋波を放出する。

これは国際電波天文台(NRAO)によると、宇宙空間のアルコール ―
「星間メタノール」― の検出に用いられており、メタノールの存在は星が誕生しつつあることを意味する。FCCは「電波天文学研究を妨害しないために、実施可能なあらゆる手段を尽くすべきである」とまで言明している。

面白いのはここからだ。NRAOの天文学者らはFCCのコメントでiRobotに返答している。例えば:

iRobot:「iRobotのRLM[ロボット芝刈機]の使用は芝刈作業の安全性を高める。推定1517件の死亡事故が1997~2010年の間に芝刈機によって起きている。消費者がロボット芝刈機を使用すれば、そのような死亡や怪我の多くが起きないと仮定することは合理的である。毎年1700万ガロンの燃料、主としてガソリンが、芝刈機の燃料補給時にこぼれ出ている。バッテリー駆動のRLMは、排気ガス、ガソリン漏出、火災、その他の事故を減少させる。
NRAO:「iRobotは、複数の恐ろしい事故やガソリン漏出の例を挙げて、同社のロボット芝刈機を認めることの公益を主張している。しかしながら、ワイヤーループ[埋め込みエッジワイヤー]を用いたロボット芝刈機は既に競争市場を形成しており、iRobotが現状の芝刈作業と関連付けている痛ましい事故の発生傾向を既に妨げている」

Screen Shot 2015-04-13 at 11.29.58 AM

iRobotのファウンダー、Colin Angleがコンピューター科学で修士号を取得し、人工知能とロボット工学の深い知識を持っていることを踏まえれば、これが映画「メガマインド」に出てくる天才同士の戦いになることは必至である。このiRobot RLMと呼ばれるであろう新製品、そしてAngleらがどうやって星間メタノール分光法の妨害を回避するのか、どちらも興味深い。資料全文はこちらで見られる。

via Spectrum

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iRobotのファウンダに聞くRoomba開発苦労史

ボストン郊外の大自然の中で暮らすマッドサイエンティストたちのチームが、人の生活を支える究極のロボットを作った。iRobotのRoombaだ。今では世界中の人が知っている自動真空掃除機だが、それはわれわれ一般人にとって初めての、自律性のあるロボットだった。Roombaの脳は、その先祖が軍用の地雷除去機、パーツは最初、子どものおもちゃを利用した。そして、掃除機の自律ロボット化というアイデアは、床にワックスを塗るロボットからひらめいた。Roombaは長年の研究の成果であり、これまでのロボットの中ではもっとも複雑で、もっともクールなものの一つだ。

Roomba 800シリーズのローンチを記念して、iRobotのCEOでファウンダのColin Angleのランダムアクセスメモリの中にある、思い出の数々をうかがった。今や国際的企業のトップとなった人物の、おだやかだが辛口の頭脳は、Roombaの研究開発史、とくに、ブラシに髪の毛が絡みつく問題を解決した経緯を語るとき、生き生きと輝いた。リビングルームの床のごみを吸い込むことに、半生を捧げたこの人物に、われわれはあらためて感謝すべきだろう。

今回のTechCrunch Makersでは、クールな新しい消費者製品をゼロから作り出すために欠かせぬ要件と、犬の毛という古典的な問題がいかに難題であったかを知ることができる。では、お楽しみを!

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))