Microsoft、クラウドベースの機械学習プラットフォームAzure MLを発表を正式リリース

企業には日々四方八方から大量のデータが流れこんでくる。顧客、ソーシャルメディア、モバイルアプリ、センサー、Excel表計算ファイル等々、その種類と量は増えるばかりだ。Microsoftは企業のビッグデータ処理を助けるためクラウド上の機械学習のAPIを公開した。

今日(米国時間2/18)、MicrosoftStrataカンファレンスで、クラウド機械学習サービス、Azure Machine Learningを正式に発表した。このサービスは6月にベータ版が公開されていたが、今回の正式リリースを機に機能のアップデートも行われた。

われわれは6月の記事で、「Azure MLはXboxやBingですでに使われている機械学習機能を利用している。またデベロッパーが未来予測アプリを開発するために使うテンプレートとワークフローも用意される。これによって機械学習アプリを開発するスピードは大幅に加速されるという。サービスのプロバイダはAzure MLプラットフォーム上で各種のウェブサービスを開発できるだけでなく、APIを公開することも可能になる」と解説した。

Azure ML担当のコーポレート・バイスプレジデント、 Joseph Sirosh,はMicrosoftで現在の地位に就く前にAmazonで長く機械学習を担当していた。Siroshによれば、人気のあるデータ処理言語Rに加えて、今回のアップデートで新たにPythonがサポートされたという。

「われわれはPythonを追加したが、これは多くのデータ・サイエンティストに好まれている言語だからだ。Pythonのエコシステムは巨大だ」と SiroshはTechCrunchに語った。

またSiroshによれば「われわれはPythonの追加以外にも多数の改良を行った。Azure Machine Learningはプラットフォームだ。デベロッパーはPythonの短いコードをコピー&ペーストするだけで新たなAPIが作成できる」という。

新しいAzure MLプラットフォームはPythonに加えてHadoopとSparkもサポートした。 これでビッグデータを処理するための標準的ツールはプラットフォームを選ばず、ほぼ全面的にカバーされることになる。

このプラットフォームの真の強みは簡単にAPIを作成し、即座にカスタムデータ処理を開始できるところにある。

「クラウドは『最後の1マイル』問題も解決した。以前このようなサービスではまずデータ・サイエンティストがビッグデータを分析してパターンを見出し、IT部門がそれに応じてアプリケーションを開発するという手順を踏む必要があった。このプログラムのコーディングがきわめて手間のかかる作業であり、何週間、何ヶ月もかかっていた。しかしAzure MLならアプリケーション開発は数時間ですんでしまう」と Shiroshは6月の記事で説明している。

Siroshは今回プラットフォームのサポート範囲が広がったことに満足している。「データサイエンティストはクリック数回で新しいAPIを発行できるようになった。アプリケーションにはRとPythonのコードを組み合わせて利用できる。ユーザーには信じられないほど広い選択肢が提供される」と述べた。IBMやSASも同種のサービスを提供しているが、Azure Machine Learningプラットフォームほど統合的なサービスは他にないという。

「Azure MLは完全に統合され、マネージされたツールセットだ。ユーザーは新たにハードやソフトを用意する必要が一切なく、クラウドで完結した高度な機械学習とビッグデータ分析が実行できる」ということだ。

またAzure MLでは機械学習とデータ処理のツールが提供されるだけでなく、ユーザーは自ら開発したアプリやAPIを他のユーザーと共有できる。Siroshは「これはデータサイエンティストが新しいアイディアを試すのに絶好の環境だ」と強調した。

マーケットプレイスには現在、20件のテスト・プロジェクトが登録されているが、Siroshは「マーケットプレイスの可能性は巨大だ。将来、エンタープライズのあらゆるデータ処理ツールがこのマーケットプレイスで得られるようになるだろう」予測する。

Azure MLは標準的なデータの視覚化ツールを備えているが、さらに高度な視覚化のためにはMicrosoft Power BIIPython Notebookと連携させることができる。

画像:CanStockPhoto

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Microsoftのオープン化さらに進む―iOS版OfficeからiCloud、Boxへのアクセスを提供

Microsoftは、最近のDropboxとの統合に続いて、今日(米国時間2/17)、Officeソフトと新たなサードパーティーのクラウドサービスとの連携を発表した。手始めとして、iOS版OfficeがiCloudとBoxに直接アクセスできるようになる。これはOfficeのファイル選択機能とiOSのクラウド上に保存されたファイルにアクセするス機能を連携させることによって 実現された。

Microsoftは 公式ブログの記事で、「OfficeユーザーはOfficeアプリ内からサードパーティーのクラウド上のファイルを直接開き、編集し、保存することができるようになったことを歓迎するだろう」と述べた。Microsofによれば「このアップデートは最初にiOSに適用されるが、同様の機能は今後Windows 10アプリ全般、さらにはAndroid版Officeにも提供される」という。

最近Microsoftはサードパーティーのサービスのサポートに強い意欲を見せている。伝統的にMicrosoftはクローズドな自社のエコシステムにユーザーを囲い込もうとする戦略の代表と見られてきたが、この点は 大きく変わった。たとえばMicrosoftは昨年後半にiOS版Officeを、今年に入ってiOS版、Android版Outlook をローンチしている。現在MicrosoftはiOSとAndroidアプリを合計100種類も提供中だ。

またMicrosoftは新しくクラウドストレージ・パートナー・プログラムを発足させた。これはサードパーティーのクラウドストレージのプロバイダーが自身のアプリとOffice365とを直接連携させることができるゆにする。これによりユーザーはウェブ版Officeからサードパーティーのクラウドストレージのファイルを呼び出し、編集し、保存できるようになる。このプログラムの当初のパートナーにはBox、Citrix、Salesforceなどが含まれるが、他のプロバイダーもこちらから参加を申し込める。

有力クラウドストレージ・サービスの中ではGoogleが提携に含まれていないが、Google Driveの生産性ツールはOfficeの直接的ライバルということなのだろう。

一方、BoxのCEO Aaron LevieはTwitterでMicrosoftの動きを「オープンさを新段階に進めたもの」とし、その原動力となっているMicrosoftのCEO、サティヤ・ナデラを賞賛している。

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MozillaのFlashプレーヤーShumwayがAmazonのプロダクトビデオを再生

MozillaはAdobeのサポート終了に備えて、FlashプレーヤーShumwayを急遽自作した。そのコードはすべて、オープンスタンダードに基づいている。なお、Shumwayという名前は、あの猫を食べる毛むくじゃらのエイリアンとは無関係だ。このプロジェクトは2012年にスタートし、Mozillaの実験用のNightlyビルドには前から含まれていたが、Nightlyのユーザでさえ、気が付かない人が多かった。

しかし今日から(米国時間2/13)Mozillaは、AmazonのプロダクトビデオにShumwayで対応し、今後デフォルトではShumwayプレーヤーを使うことになる。ただし、Amazonの提供ビデオという意味ではなく、プロダクトビデオのみだ。AmazonのAmazon Instantのビデオは、Silverlightを使っている。

Shumwayの開発にはかなり時間をかけたとはいえ、これ自体、小さなステップにすぎないようだ。でも、Web上にFlashムービーがあるかぎり、今後はShumwayが使われることになる。

今はWindows(Vista以降)とOS Xだけだ。H.264のデコーダを使うので、LinuxやWindows XPでは使えないかもしれない(XPは、とっくに過去のものだけど)。

でも、Shumwayの互換性がもっと完全になったころには、Flashはほとんど使われていない可能性もある。MozillaのShumway担当プログラムマネージャChris Petersonも、ある程度そのことを認識している

“ShumwayはFlashがWebから消えていくときに登場した。でも、AdobeやブラウザがFlashプラグインをサポートしなくなっても、Flashコンテンツのロングテールは必ず残存する”、と彼はShumwayの未来的存在意義を述べている。.

Googleは、FlashファイルをHTML5のコンテンツに変換するSwiffyを提供し、MozillaのようにFlashの自社製代替ソフトを作っていない。デベロッパは、Webサイトを公開する前にFlashコンテンツをSwiffyを使って変換すればよい。

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Windows Phoneの全機種ではまだWindows 10が使えない理由

Windows Phone用のWindows 10が出た。違う。Windows Phone用のWindows 10のプレビューが出た。おっと、それも違う。ではもう一度。 今Windows 8.1が動いているWindows Phoneデバイス用のWindows 10のプレビューが出た。これでよし。

Lumia 630, 635, 636, 638, 730, 830を持っててWindows 8.1を使っているなら、Microsoftからその新しいOSをもらえる。ぼくみたいに、ちゃんと充電したLumia 9xxを持ってる人は、自分が何かを間違えたか、と怪訝な気持ちでいるだろう。

Microsoftは、今後新たなビルドを出すたびにそのほかの機種もサポートされる、と約束している。だから、待ち時間はそんなに長くないだろう。なぜ最初のサポート機種がそんなに少ないのか、Microsoftは二つの技術的な理由を挙げている。まず、試験の問題だ:

このテクニカルプレビューに関しては、OSの問題をハードウェアやボードのサポートパッケージの問題から隔離してプラットホームを安定させたいため、ごく少数の機種からスタートする必要があった。これはエンジニアリングの工程の正規の部分であるが、過去にはそれをご覧になったことはないだろう。これまでは、公開プレビューを行ったことがないからだ。

うーん、それならしょうがないね。でもWindows Phoneの熱心なファンなら9xxや1xxxのような高価で速い機種を持ってるはずなのに、なぜローエンド機から始めるのか?

930/Iconや1520のようなハイエンド機を選ばなかった事情について: もうすぐ“パーティションスティッチング(partition stitching)”と呼ばれる機能を実装する予定で、それがあればOS用のパーティションを動的に調節してインストール作業のためのスペースを作り、アップデートしたらユーザがすぐに使えるような状態へとOSをインストールできる。この機能が実装されるまでは、すぐに使えるアップグレードができるためには、モバイル事業者が十分な大きさのOS用パーティションを構成したデバイスが必要であり、大型機ではOS用のパーティションがきわめて窮屈なのである。

残念だね、同志。

自分の機種が対象外になって嘆いている人もいると思うが、今回のMicrosoftの展開のペースは速そうだから、そんなに長く嘆くことはないだろう。

そこで動き出したのはこれだ: Microsoftはその基本的なプラットホームの今後の哲学として、デバイスの種類や画面サイズの多様、それにI/Oのあらゆるタイプをすべて貫いて、単一のオペレーティングシステムで行く(今のように複数種類のOSは提供しない)、という姿勢を掲げている。壮大なるヴィジョンだわ。

誰かLumia 929を欲しい人いる?

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Microsoft、シリコンバレーに求愛―YCのスタートアップ各社に50万ドル分のAzureを提供

今週、Y CombinatorとMicrosoftは提携プログラムを発表した 。これによると、MicrosoftはY Combinatorの現在のクラスにAzureクラウド・コンピューティングを無料で提供し、インキュベーションを助けるという。

このプログラムにより、参加スタートアップにはそれぞれ50万ドル分のAzure利用クレジットと3年間のOffice 365への無料アクセス権が与えられる。50万ドル分のクラウド・コンピューティング能力の提供はMicrosoftにとっては何でもないだろうが、Y Combinatorに参加している若いスタートアップにとっては莫大なものだ。厳しい審査を通ってクラスへの参加を認められた際にY Combinatorから投資されるキャッシュの何倍にもなる。これはたいへん興味深い試みだ。

Microsoftは世界各地でアクセラレータ・プログラム を実施している。たとえばイスラエルではMicrosoft Venturesが主体となっている。このチームは以前Bing Fundと呼ばれ、その立ち消えになっていた育成事業の後継だと思われる。Microsoft Venturesの以前のボス 、Rahul Soodは私の問い合わせに対してTwitterで「 MicrosoftはBing Fundを中止した」と確認した。

(アップデート:Microsoftの広報担当者とチャットした。それによると、Bing Fundは活動を中止した後、事実、Microsoft Venturesに吸収された。同事業は数件の投資を行ったが、現在は積極的に活動していない。Microsoftは現在スタートアップに対する直接投資は行っていない、とのことだ。)

なおYCのスタートアップにクラウド・コンピューティングを提供するのはAzureだけではない。Amazonは10万ドル分のAWSを提供、Digital Oceanは1万ドル、Herokuは5万ドルをそれぞれ提供している。しかし今回のMicrosoftが提供するクラウド・コンピューティングの価値は他のプロバイダーの提供分を合計したものの2倍にあたる。

このプログラムの一環としてMicrosoftはY Combinatorのファウンダーたちを対象として1日がかかりで解説とプレゼンテーションを行う。これにはMicrosoftのチーフ・エバンジェリスト、Steve GuggenheimerとAzureの責任者、Scott Guthrieが加わる。

私は対象となるY Combinatorのファウンダーの何人かと話をしたが、一人は「すごくびっくりした。実にすばらしい」と語り、「これまでAzureを使うことを考えていなかったが、こうなればもちろん使う。Azureだけを使うことになるかもしれない」と付け加えた。

このプログラムは将来有望なスタートアップのFounderたちの「ハーツ・アンド・マインズ」をMicrosoftがつかむために大いに役立つだろう。Azureを50万ドル分使えるということは、近い将来、それだけの資金を節約できるということだ。小さなスタートアップにとって非常に大きな意味を持つのは明らかだ。

現在シリコンバレーではAmazonのAWSはクラウド・コンピューティングのデファクト標準だ。しかしY CombinatorのクラスへのAzureの無料提供が今後も繰り返されるなら、この勢力図を少しではあれ、変えるかもしれない。Y Combinatorのクラスのファウンダーたちのうち、どのくらいがAWSでなくAzureを選ぶか注目したい。

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マイクロソフト、Windows 10は6月出荷が目標か


Neowinの記事によると、MicrosoftはWindows 10を6月に完成させようとしている。もちろん、予定は未定だ。Microsoftは発売時期に関するコメントを拒んでいる。

Microsoftは、Windows 10を今年中にリリースする。同社は、1月に第2プレビューをリリースし、Windows 10のモバイル・ビルドは今月公開される予定だ。

そして4月に行われるBuildカンファレンスで、MicrosoftはWindows 10のさらなる部分をデビューさせるだろう。それらのアップデートは、もちろんデベロッパー向けだ。

もし6月がWindows 10の完成時期には早すぎると感じる人は、Windows 8のリリースサイクルも類似していたことに注目されたい。上述したNeowinレポートの中で、Brad Samsが指摘している。

時期に関する参考情報として、Windows 8のリリース日程を見てみると、あのOSはRTM(正式版完成)は2012年8月1日で、Windows 8の消費者向けプレビューが公開されたのは2月末だった

Windows 10の新しいビルドが1月中旬に出たということは、RTMは8月より少し前になることが示唆される。例えば6月だ。

ただし待つのはまだ早い、あなたがOEMでない限り。RTMということは、コードが提供されるのはDell等のOEMという意味であり一般消費者ではない。それでもMicrosoftは、Windows 10塔載マシンを、はるか先の年末商戦はもちろん、新学期セールに間に合わせようとしている。

というわけで、Windows 10の開発サイクルはほぼ予想通りの状態が続いている。なぜこの会社は、社内で使っている日程を公に認めないのか? 予定は変わるからだ。いつ到着するかを言わなければ、決して遅刻はしない。

そう、ガンダルフのジョークが使えるのだ

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マイクロソフト、Windows 10用タッチフレンドリーなOfficeスイーツを公開


Microsoftは今日(米国時間2/4)Windows 10向けに作られたOfficeスイーツの初期ビルドを公開した。タッチ入力に対応し、タブレットやスマートフォンで使うためにデザインされている。デスクトップ版のOffice 2016も今年中に出荷される。

Windows 10はもちろん、Microsoftの新OSとして、あらゆるデバイス種別と画面サイズにわたって使用できるよう設計されている。OSプラットフォームを調和させることによって、デベロッパーにより多くのユーザーベースを提供することが可能になり、同OS上でアプリ開発する魅力を高めることを期待している。

新アプリは、Microsoftストアのここここここで入手可能。

Windows向けのタッチフレンドリーなこのバージョンは、MicrosoftがAndroidおよびiOS版のOfficeを発表した後になって登場した。自社プラットフォームのユーザーたちは必ずしも満足ではない。今回部分的に公開されたクロスプラットフォーム、タッチフレンドリーなOffice for Windowsは、Windows 10が存在する前にはあまり意味を持たない ― このアプリ群は、スマートフォン、タブレットの両方で動作する。Windows 10の前身であるWindows 8が扱わなかった製品だ。

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Officeのクラウド化に向けてMicrosoftの変身続く―カレンダー・アプリのSunriseを1億ドル以上で買収

Microsoftは自らを再発明する努力を続けている。その過程には自社のものより優れたサービスを提供するスタートアップの積極的な買収が含まれる。その最新の例がカレンダー・アプリのSunriseの買収だ。われわれの情報源によると、買収価格は1億ドル以上だという。

Sunriseはモバイルとデスクトップの双方で、異なるプラットフォームのカレンダーを統合、同期して運用できる一連の生産性ツールを提供しており、iPhone、iPad、 Android、Mac App Storeに加えてウェブ版がサポートされている。

ユーザーはGoogle、iCloud、Microsoft Exchangeのカレンダーを通じてSunriseにアクセスできる他、多数のサードパーティーのアプリと連携が可能だ。このクロス・プラットフォーム、クロス・デバイスのサポートがSunriseの重要なセールスポイントとなっている。

Microsoftは最近、Windows以外のライバルのプラットフォームのサポートを積極的に進めている。たとえばWindows 10版に先駆けて、Apple iOS向けにタッチ・フレンドリーなOfficeをリリースしている。

われわれの情報源によると、Microsoftは当面Sunriseを独立のプロダクトとして残しながら、そのテクノロジーを将来のアプリ開発のために役立てるということだ。これはMicrosoftが2億ドルで買収したメール・アプリのスタートアップ、Acompliの場合と同様の方針といえる。この買収の成果は、先週発表されたAndroid版、iOS版の新しいOutlookに現れている。

この2件の買収はMicrosoftが伝統的なOfficeパッケージの枠を超えてモバイル版の生産性ツールに力を入れていることを示している。Microsofttはコンシューマ向け、エンタープライズ向けの双方でソフトウェアのスタンドアローン販売からクラウド・サービスへとビジネスモデルを戦略的に転換中だ。そのためには現代のスマートフォン・ユーザーがOfficeを毎日利用さざるを得ないように誘導していく必要がある。2件で合計3億ドルに上る買収はそのための不可欠な投資なのだろう。

アップデート: われわれの取材に対してMicrosoftはコメントを控えた。

Sunriseは2012年の創立で、これまでに820万ドルの資金を調達している。投資家は以下のとおり。Balderton Capital、Resolute.vc、NextView Ventures、Lerer Ventures、SV Angel、BoxGroup、500 Startups、John Maloney、Slow Ventures、David King、Andrew Kortina、Adam Nash、Elliot Shmukler、Hunter Walk、Gustaf Alströme、Loic Le Meur、Bill Lee、Adam Mosseri

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Amazonが企業向けのメールとカレンダーのサービスWorkMailでMicrosoftとGoogleに挑戦

Amazonが今日(米国時間1/28)、WorkMailというプロダクトをデビューさせた(Forbes誌より)。それはメールとカレンダーのサービスで、主に企業利用をねらっている。サービスはAmazon Web Servicesの上で動き、使いやすさとセキュリティでトップシェアのMicrosoftと次位Googleに勝とうとしている。

WorkMailはOutlookなど既存のメールクライアントソフトと互換性があり、企業がそれまでのMicrosoft Exchangeのメールサービスから乗り換えるのも容易だ。Wall Street Journalの記事によると、WorkMailのメールは送信時に暗号化され、受信側でAmazonが管理するキーにより解読される。ユーザは自分のメールが保存されるAmazonのサーバの地理的位置を指定できるので、NSAの手と目を逃れたいと考えているヨーロッパのユーザには便利だろう。

料金は1インボックスあたり月額4ドルで、競合他社と変わらないが、ただしGoogleとMicrosoftが提供している、Office文書の作成などのおまけ的機能はまだないようだ。

本来バックエンドサービスだったAWSの上でエンドユーザ製品を展開するのは興味深いが、しかし元々はAWSの提供機能の一環としてメールサーバ/クライアントがあり、Amazonはあくまでもそのレイヤの復活と位置づけているらしい。Exchangeからの乗り換えを意識しているようで、インタフェイスはデスクトップのOutlookふうやモバイル上のネイティブのメールクライアントふうを、そのまま残している。ただしWorkMailには、もっと機能が豊富なWebメールとしての顔もあり、それ用のソフトウェアなど不要で利用できる。

Amazonは2015年Q2のローンチを予定しており、その際にはやはりAWSベースの企業向けクラウドストレージサービスWorkDocs(元Zocalo)の抱き合わせ特典もある。WorkMailは月額4ドルでインボックスの容量50GBだが、あと2ドル出すとZocaloのストレージが200GB提供される。プレビューはすでに提供されているので、ここでユーザ登録するとよい。

AWSはいよいよ、クラウドコンピューティングのバックエンドを超えて、エンドユーザ向け完成製品も提供していくようだ。とりあえずWorkMailで、企業世界にそのことを知らしめたいのだろう。

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SurfaceとLumiaがクリスマス商戦で健闘してMicrosoftの決算報告に新記録をもたらす

Microsoftは昨年の10−12月期でLumiaのハンドセットを1050万台売り、Surface製品の売りげは11億ドルだった。どちらの数字も、新記録だ。

電話機全体の売上額は23億ドルで前四半期の26億ドルより少ない。ただしこの数字には通常のケータイが大量に含まれているから、あまり評価の手がかりにはならない。

Microsoftが重視している測度

Windows PhoneとSurfaceに関しては台数をまず見て、売上額をその次に見る。それは単純に量の問題だが、Lumiaのハンドセットは今売れているWindows Phone機の唯一の機種だ。Surfaceの量はPCに比べるとささやかだが、Microsoftにとっては、もはや無視できない事業だ。同社としては、もっともっと売れて、採算点に達して欲しい製品だ。

Microsoftにとってとくに関心があるのが、モバイルのマーケットシェアだ。Lumiaデバイスが一つ売れると、同社のサービスやソフトウェアの軌道上に人が増え、同社のエコシステムの一員になる。今のところ重要なのは、携帯電話の売上台数よりもそっちの方だ。

対照的なのはSurfaceだ。これは、Tablet+Windowsを意識した製品ではない。サードパーティがMicrosoftのソフトウェアを載せた製品を作ると、どうしてもそんなイメージになりがちだが、MicrosoftによるSurfaceの位置づけは、むしろ、新しい単独のブランドであり、しかもそれが順調に成長していることが重要だ。台数は公表していないが、決算報告ではプロジェクト一覧のトップの行がSurfaceだから、同社にとって別格の事業であることが分かる。

ほどほどの継続的成長

二つの製品系列が時系列比較では記録的な数字を上げたが、どれだけの利益が得られたのか?

Surfaceの売上は今期に2億ドルあまり伸びた(前年同期比)が、同時期にLumiaのハンドセットは120万ドルというささやかな伸びだ。Surfaceの売上は前期比で20%伸びているが、Lumiaは成長率13%とやや低い。

同社は、新記録ではあっても目覚ましい成長ではないことに、気づいているのだろう。この四半期はクリスマス商戦が含まれるから、それがなければ、台数も売上も共に落ち込んだ可能性もある。

決算報告は数分前に出たばかりだが、デバイス(ハードウェア)のパフォーマンスについてさらなる発表があれば、この記事をアップデートしよう。

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Windows 10のプレビュー版で新しい時計・カレンダーを有効にする方法を発見

手持ちのパソコンのどれかにすでにWindows 10の最新プレビュー版(ビルド9926)をインストールしているTechCrunch読者も多いことだろう。そうであれば、右下隅の時計をちょっとクリックしてみて欲しい。私の感想を言わせてもらえば、がっかりするほど平凡だ。

ところがちょっとしたハックで下のスクリーンショット(画像はBrad Sams)から)のように変身させることができる。

手順はまったく簡単だ(オリジナル記事)。

  • Regedit.exeを実行する。

  • HKEY_LOCAL_MACHINESoftwareMicrosoftWindowsCurrentVersionImmersiveShell

    を開く。

  • 右クリックで新規New – > DWORD (32-bit)を選択し、新たな値として UseWin32TrayClockExperience を入力する(スペースなし)

ここでもういちど時計をクリックすると―ジャジャン! 新しいおもちゃが登場する。Windows 10はまだまだバグ潰しの段階だが、この時計でもわかるようにいろいろと未発表の新機軸を隠しているようだ。

Windows 10はまだ日常メインのマシンで使えるほど成熟してはいない。しかし、私のような長年のWindowsユーザーで、特にWindows 7のファンにとって、Windows 10のデザインは「クラシックなWindows」に感じられ、大いに快適だ。新機能も多いが、Windows 8とは異なり、邪魔にならない。

Microsoftは、ここ数ヶ月のいうちに少なくとももう1回(おそらくはデベロッパー向けの)プレビュー版をリリースするものと思われる。

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今日のMicrosoft Windows 10イベントのハイライト

今日(米国時間1/21)はWindowsデイだった。シアトルの本社キャンパスだ開催されたプレスイベントでMicrosoftははWindows 10関連の情報を大量に公開した。最大の驚きはWindows 10へのアップグレードが1年間無料とされたこととHoloLensという拡張現実ヘッドセットとそのソフトウェア、Windows Holographicの発表だった。その他にも多数の重要な発表があったので、9点を以下にまとめておこう。

1. Windows 10のベータテスターは170万人

Windows 10は現在テクニカル・プレビュー版が公開されているが、そのベータテスターは170万人に上るという。ベータテスターの数として多いが、製品版のユーザーが10億人になることを考えるとおドルクにはあたらない。

2. Windows 10へのアップデートは1年間無料

喜べ! Windows 10は無料だ! Windows 7、8.1、Windows Phone 8.1のユーザーがWindows 10へアップグレードする場合、リリース後1年間は無料。おそらく次の次のWindows(11?)以降もリリース後1年は無料になるのだろう。

3. モバイル版Windows 10はデスクトップ版と同期、通話とメッセージでSkypeを統合

スマートフォンとタブレットもWindows 10になる。モバイル版の情報はまだ少ないが、ルック&フィールはWindows 8.1にごく近いものになるようだ。通話、メッセージともSkypeが統合されて利用できるようになる。

4. モバイル版Windows 10には無料でOfficeアプリがバンドル

タッチ操作に最適化されたWord、Excel、PowerPointがWindows Phone(スマートフォン、タブレット)に標準搭載される。

5. Windows 10のXboxアプリはゲームをソーシャル化する

Windows 10でXboxアプリを動作させることにより、Microsoftはゲームのクロスプラットフォーム化を進める。ある意味ではFacebookのような存在になるが、赤ん坊の写真ではなくゲーム・プレイのプラットフォームとなる。

6. Windows 10にはまったく新しいブラウザ、Spartanが搭載される

Windows 10にはIEに並んでまったく新しいSpartanブラウザが搭載される。パフォーマンスとUIが大きく向上し、PDFのマークアップなど新機能が数多く追加される。

7. Xbox OneゲームがWindows 10パソコンにストリーミングされる

Windows 10ではストリーミングによってパソコンや大型タブレット上でXbox Oneのゲームがプレイできる。PS4のリモートプレイと似ているが、Windows 10が作動するすべてのパソコンでプレイできるので実用性はより大きい。

8. Microsoft、Windows上の拡張現実プラットフォーム、Windows Holographicを発表

目の前の現実世界の上にリアルな3DI映像を重ねて表示する拡張現実が提供される。Microsoftはこれに「ホログラム」というブランド名を与えて一般ユーザーへのイメージの浸透を狙っている。NASAと協力して火星探査機をこの拡張現実で操作する計画も発表された。

9. Microsoft HoloLens

MicrosoftはWindows Holographicを表示する独自のヘッドセット、HoloLensを発表した。われわれのWilhelm記者は大いに感銘を受けた。透明なスクリーンにリアルな3Dオブジェクトの映像が重ねて表示され、ユーザーはジェスチャーなどさまざまな方法でこのバーチャル・オブジェクトを操作できる。

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NASAとマイクロソフト、ホロレンズを使って火星での遠隔作業を可能に


MicrosoftとNASAが協力して、赤い惑星での遠隔作業を現実にしようとしている。新たに発表されたHoloLensヘッドセットとそれをサポートするWindows Holographicテクノロジーを使用する。このプラットフォームはOnSightと呼ばれ、カリフォルニア州パサディナにあるNASAのジェット推進研究所(JPL)で開発されている。火星探査機キュリオシティーをテレプレゼンス・ロボットのように使い、科学者が比較的快適な地球で作業することを可能にする。

キュリオシティーから送られたデータを使って、OnSightのソフトウェアが火星表面の3Dシミュレーションを行い、科学者はバーチャル環境を物理空間に投影するHoloLensのおかげで、直接調べることができる。その後科学者はキュリオシティーの操作対象を一人称視点から確かめ、今後探査機の作業計画を練ったり、予想される結果のシミュレーションを見たりするることができる。

Microsoftがヘッドセットで使用しているHoloLensとホログラフィック・コンピューティングは、火星の地形を3Dで送ってくるだけではない。画面上に、距離、センサーデータの値、その他補促情報を重ね合わせることによって、使用者が他の端末へ調べに行かなくても、キュリオシティー視点のまで作業を続けることができる。

OnSightは、JPLのロボット制御による宇宙船および探査装置に関する、現在進行中の研究の一環であり、これは人間が現地に出向く前に、火星へのロボット計画がもっと見られるかもしれないことを意味している。キュリオシティーのOnSightテクノロジーを利用した作戦は、年内にスタートする予定であり、2020年火星探査ミッションには、HoloLensおよびMicrosoftのクレイジーな拡張現実イノベーションが入るだろう、とNASAは言っている。

私は小説『火星の人』をまさに読み終えたところなので、これを言わずに記事は終れない。もしHoloLensとOnSightがあの近未来フィクションに存在していれば、マーク・ワトニーの救出にさぞかし役立ったことだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Microsoft、現実世界に重ねて3D映像をホログラム的に表示するヘッドセット、HoloLensを発表

今日(米国時間1/21)、Microsoftはシアトルの本社キャンパスでWindows 10イベントを開催し、Windows 7、8からWindows 10へのアップグレードは無料となると発表したが、同時にWindows 10に新たに追加されたホログラム機能についても時間を割いて詳しく説明した。この中で現実世界とホログラムのバーチャル世界を融合させるヘッドセットを開発していることが発表された。

このヘッドセットはHoloLensと呼ばれ、Microsoftによれば「Windows 10とおおよそ同時期にリリースされる」ということだ。HoloLensヘッドセットはワイヤレスでコンピューターやスマートフォンとペアリングしなくても単独で機能する。ヘッドセットはCPU、GPUに加えて、ホログラフィー処理に特化した独自のHPU(ホログラフィック・プロセッシング・ユニット)を備える。 外観は下の写真のとおりだ。

HoloLenはGoogleのGlassやOculus Rift、またMagic Leapのミステリアスなハードウェア、Sulon Cortexなどとライバル関係になるプロダクトといえるだろう。HoloLensはOculus Riftなどとは異なり、Google Glassと同じく外界が透視できるタイプだ。Sulonも外界にホログラムを重ねて表示するタイプだが、バイザーは完全遮蔽で外界映像はバイザーの上部のカメラから供給される。MicrosoftのテクノロジーはGlassのように直接外界を見ることができ、Sulonのように高度な3Dグラフィックスが重ねて表示されるという「いいとこどり」だ。これによってユーザーのVR体験の現実感は大きく高まりそうだ。

HoloLensヘッドセットはWindows 10のホログラム能力に依存するということだが、デバイスもWindows 10のホログラムもまだ直接テストする機会がない。テストできたらアップデートする。

いずれにせよ、Microsoftが独自のハードウェア開発に一段と力を入れてきたことは確かだ。ただし、プレゼン後の質疑応答によれば、希望するサードパーティーには独自ブランドで製造をライセンスするという。

デモの中でMicrosoftのOS担当執行副社長、Terry Myerson自身がホログラムになり、シェークスピアのハムレットのデンマーク王の亡霊よろしく「私はホログラムだぞ」と宣言した。

HoloLensの最初のユースケースは対話的リモート・プレゼンスだというが、エンジニアリング、サイエンス、デザインなどの分野での研究、開発に巨大な可能性があることはもちろんだ。さらに一般に普及するかどうかはユーザー体験の質が決め手になるだろう。Google Glassも含め、拡張現実はユーザー体験という入り口でつまづきを繰り返している。しかしHoloLensはこの点でこれまでの試みよりも質が高そうで、普及にも期待が持てる。

MicrosoftのCEO、サティヤ・ナデラはHoloLensを使ってNASAのマーズ・ローバー探査機を一人称視点で操縦するという例を重要なユースケースの例として挙げた。それはたしかにすごい経験になるだろう。さいわい、われわれはこの後、HoloLensの実機をテストするチャンスがあるという。SFがついに現実になるのを体験できそうだ。

それにしてもMinecraftがHoloLensのようなデバイスを開発するとは!

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速報:Microsoft、Windows 7、8からWindows 10へのアップグレードは無料と発表

今朝(米国時間1/21)、シアトルの本社キャンパスで開催されたプレスイベントでMicrosoftは「Windows 7、Windows 8.1、Windows Phone 8.1のユーザーは、Windows 10のリリース後1年間に限り、無料でアップグレードできる」と発表した。

MicrosoftのTerry Myersonは「Windows 10はユーザーがインストールすれば終わりとなる単なるOSではなくサービスだ」と強調した。一言でいえば、MicrosoftはWindows 10を同社が提供するさまざまなサービスのハブとなるサービスと位置づけている。

無料アップグレードを提供することにより、Microsoftは次世代Windowsのユーザーベースを一挙に拡大することを狙っている。それによりデベロッパーがWindows 10ベースの開発を行うインセンティブが高まるわけだ。Microsoftは次世代プラットフォームの発展のためにデベロッパー・コミュニティーの成長を必要としている。AndroidとiOSの全盛時代にあって、Microsoftはこれらのライバルに対し、デベロッパーの関心を引くことに関して遅れを取っている。

Windows 10はモバイル・デバイスからノート、デスクトップまであらゆるフォーム・ファクターを通じて作動する。そのためMicrosoftがパソコンだけでなく、Windows Phoneやタブレットのユーザーにも無料アップグレードの対象を拡大したのは理にかなっている。しかし、Windows 7のユーザーにまで無料アップグレードを提供するという決断は驚きだ。Microsoftはアップグレードが有料であれば得られたはずの(少なくとも理屈の上では)売上を放棄したことになる。

無料アップグレードにより、Microsoftは現在のWindows環境のフラグメント化を相当に軽減できるだろう。Windows 10がリリースされればWindows 7は2世代も古いOSになるが、それでもWindowsの中で依然としてシェアが最大だ。MicrosoftはWindows 7のユーザーをなんとしてもWindows 10に移行させたいわけだ。

アップデート: MicrosoftはWindows 10の新しいビルドを来週公開すると発表した。またスマートフォン向けWindows Phone 10の最初のビルドが2月に公開されるというこれまで流れていた情報を確認した。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Bill Gatesが人間のおしっこから作った水を飲んで公衆衛生技術の重要性を訴える

下のビデオを見たら誰もが、Bill Gatesが途上国の公衆衛生の問題に真剣に取り組んでいること、それがこれらの国々の経済的および社会的発展に不可欠と信じていることを、理解できるだろう。

このビデオでGatesは、人間の排泄物から得た水を飲んで、シアトル郊外の小さな技術企業Janicki Bioenergyが開発した技術の効果を証明しようとしている。

途上国における公衆衛生は、とても大きな問題だ。下水処理や廃棄物処理の体制が不備なため、年間数十万人の子どもが疫病で死亡しており、またそれは、子どもたちの体と精神の発達を妨げている。Gatesはそのことを、彼自身の技術系のブログに書いている

“人の排泄物を安全かつ低コストで処理できる方法を開発できれば、これらの死の多くを防ぎ、子どもたちを健康に育てることができる”、と彼は書いている。

Bill and Melinda Gates Foundationは、今年の後半にセネガルで行われるJanickiのプロジェクトのパイロット事業を支援している。

その、蒸留法と呼ばれる技術は、それほど画期的なものではない。加熱して水分を蒸発させると固形物だけが残ることは、高校の化学でも教わる。しかし、排泄物を蒸発させて発生する水蒸気を冷却して水にし、さらにそれを浄化して、Bill Gatesのような億万長者でも平気で飲める飲用水にする部分は、簡単ではなさそうだ。残ったスラッジは蒸気エンジン発電機用の燃料の一部として燃やされる。

汚水から得られた水を飲用にすることには、多くの国で抵抗がある。また、そんな問題以前に、途上国では排泄物の(ほぼ)全人口的集収、という課題をクリアしなければならない。MITからスピンアウトしたSanergyなどのスタートアップが、この問題ん取り組んでいる。

Gatesがブログ記事に書いているやり方では、排泄物をトラックで集めて、Janicki Bioenergyが設計開発したOmniprocessorという装置に投入する。

“先進国で普及している公衆衛生のシステムを、そのまま途上国で実装することは不可能である。途上国では、もっとシンプルなシステムが必要だ”、とBill and Melinda Gates Foundationの事業担当上級職員Doulaye Koneは述べている。

Gatesによると、Janicki Bioenergyの装置の次のバージョンは10万人の排泄物を処理して一日に最大86000リットルの水と、250キロワットの電力を作り出す。それによって家族が、衛生的な水を飲めるようになるのならそれは、明らかに、やるべき価値のある事業だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Microsoft、Internet Explorerではない新ブラウザを開発中との情報

ZDNetのMary Jo Foleyの最新記事 によれば、MicrosoftはSpartanというコードネームのまったく新しいブラウザを開発しているという。

Foleyによれば、Spartanは「まったく新しいプロダクトであり、Internet Explorerではなく、Windows 10にバンドルしてリリースされる」そうだ。簡単にいえば、MicrosoftはInternet Explorerのレンダリング・エンジンを利用したより軽量で高速なブラウザを開発しているようだ。

よく知られているようにInternet Explorerにはゼロから強引な戦略で市場を独占したという芳しからぬイメージがあった。 その後Firefoxの登場でシェアの低下が始まり、Chromeによってトップの座から追い落とされた。しかし最近はオープン化戦略による高性能化で巻き返しを図っている。

最近のオープン化志向がIEの悪玉イメージの払拭にどれほど役立っているかはまだ不明だが、Microsoftがブラウザシェアの獲得の必要性に迫られていることは間違いない。スマートフォンからテレビまで広汎なデバイスのプラットフォームとなるWindows 10におけるブラウザのシェアは特に重要だ。

Microsoftがデベロッパーがアプリを一度開発すればすべてのWindows 10デバイスで作動するようにしたいなら、古いデスクトップのしがらみを断った、あらゆるデバイスで作動し、さまざまな入力を直感的かつ高速で処理できる新しいブラウウザを開発しようとするのは理にかなっている。.

Microsoftはこの件の取材に対してコメントを避けている。

2015年の1月前半はMicrosoft関連の重要ニュースが続くかもしれない。まず一般ユーザー向けWindows 10のプレビュー版が公開される予定だ。それが大きな反響を呼ばないようだと、新OSの発表に向けた勢いが削がれることになりかねない。IEではない新しいブラウザのバンドルは一般ユーザーにWindows 10への興味を掻き立てるのに役立つだろう。

だが、われわれとしてはInternet Explorerの再活性化に失敗した場合のMicrosoftのブラウザのシェアがどうなるか、もう少し長期的な視野に立って考えてみるべきかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


PlayStation NetworkとXbox Liveのネットワークをクリスマスにダウンさせたハッカーたちが名乗り出た

クリスマスにゲーム機をもらったけど、ネットワークに接続できないので友だちとプレイできない、という人が多かっただろう。我が国最大の二つのゲーム機ネットワークがどちらもダウンして、犯人たちは自分たちがやったと名乗りを上げている。一年でいちばん、ゲームをする人が多いと思われる日に妨害行為をやらかしたLizard Squadと名乗るハッカーグループが、Xbox LiveとPlayStation Networkのネットワークをダウンさせたのは自分たちだ、と主張している。

トラブルの報告は今日(米国時間12/25)の早朝からあちこちに投稿され始め、Xbox LiveとPlayStation Network(PSN)の両方が、一部のコアサービス問題があると認めた。いずれの場合もネットワークへのログインが困難になり、いつものようにオンラインで友だちとゲームをプレイすることができなくなった。

[PSNからの報告]

[PSNに関して問題が報告されたことは承知している。今調査しているので、しばらくお待ちいただきたい。]

犯行を認めているハッカーグループLizard Squadは、数週間前からネットワークを遮断すると脅迫していた。声明によると彼らは、8月にPlayStation NetworkとBlizzardを攻撃してLeague of LegendsやPath of Exileなどのゲームをプレイできなくしたグループと同一のグループだ。

https://twitter.com/FUCKCRUCIFIX/status/548168352666247168

クリスマスにぴかぴか新品のPS4やXBOneを手にした人は、本当に不運だった。ネットワークに接続できないと、ゲームプレイどころか、どちらも、アカウントの最初のセットアップすらできないのだから。

ゲームができなくなったその人たちは、何をしてクリスマスを過ごしたかな。健全に、善良に、家族と過ごしたのだろうか?

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


29年前、Microsoftは上場申請書中でおそるおそるWindowsなる新製品に言及

Microsoftは今から29年前、1985年11月20日にWindowsをリリースした。Microsoftは1986年3月13日に上場している。つまりMicrosoftは最初のWindowsを市場に送り出して数カ月後に株式も公開したわけだ。

今日まで私はWindowsと上場がこれほど近い時期に行われたとは気づいていなかった。もっとも私はそのころまだ生まれていなかったのだが。

それはともかく、MicrosoftのS-1(上場申請書)を読むと愉快な文章に行き当たる。今日の巨大企業がまだごく小さかった頃を後知恵という利点を生かして回顧するのはなかなか面白い。

MicrosoftのS-1ではその後30年以上にわたってテクノロジーの世界に絶大な影響を与えることになる新製品を次のように説明している。

1985年11月20日にMicrosoftはMicrosoft MS-DOSオペレーティング・システム上で作動するグラフィカル・オペーレティング環境であるMicrosoft Windowsを出荷した。MS-DOSのエクステンションであるMicrosoft Windowsはキーボード、スクリーン、プリンターなどのハードウェアを制御する。この製品はアプリケーション・プログラムを、個々のビデオその他出力装置とは独立に、標準的あるいいはグラフィカルに表現することを可能にする。 Microsoftはサードパーティーのソフトウェア開発者に対し、Micorosoft Windowsのグラフィカル・インタフェースを利用したアプリケーションの開発を推奨している。Lotus Developmentは最近、Windows上で作動するアプリケーションの開発に興味を示している。Microsoft自身の新しいアプリケーション・ソフトウェアは今後Microsoft Windowsベースとなる。現時点ではMicrosoft Windowsが市場においてどの程度の普及をみせるかまだ推測することはできない。

なるほど。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


日本のLineがMicrosoftからMixRadioを買収―世界で音楽ストリーミングに乗り出す

先月、われわれはMicrosoftがMixRadioをスピンオフさせようと考えていると報じた。結局、この音楽サービスは日本のメッセージ・サービス、Lineが買収することが発表された。契約の内容は明らかにされていない。

5億人の登録ユーザー、1億7000万人の月間アクティブ・ユーザーを抱えるLineは、先週、音楽ストリーミング分野へ進出する計画だと発表した。Musicallyの記事によれば、LineはAvex DigitalとSony Music Entertainmentと提携して新しいサービスを開始する。このサービスとMixRadioは別個の事業として推進されるようだ。前者は日本をターゲットとし、後者はそれ以外の海外市場をターゲットすることになるらしい。

MixRadioは「31カ国で数百万のWindows Phoneユーザー」がいると主張しているが、まだiOS版、Android版のサービスは提供していない。Lineにとってはこの既存のサービスを買収することによって、各国市場で音楽配信のための著作権交渉を省け、時間と資金を大幅に節約できるメリットがある。

今回の動きはLineが単なるチャット・アプリを超えて、総合的なモバイル・エンタテインメント・サービスになろうとしていることを示すもうひとつの証拠だ。Lineはすでにゲームやセレブ、ブランドのフォロー、チケットのオンライン購入などのサービスを提供しており、2日前には独自の支払いサービスもスタートさせている。また日本では、タクシーの予約や料理の宅配も計画している。

Lineの最大の市場は日本、台湾、タイで、これら3国がアクティブ・ユーザーの半分以上を占めている。しかしLineはさらに国際展開の加速を図っており、スペイン、メキシコなどラテンアメリカの一部で勢いを得ているとしている。これにMixRadioのユーザー・ベースが加わればそうした市場で注目を集め、知名度を上げるのに役立つだろう。

逆に、Lineによる買収はMixRadioにとっても朗報だ。正確な数字は公表されていながMixRadioがユーザー数でSpotify、Beats、Pandora、Rdioに遅れを取っているのは間違いない。Microsoftを離れてLineのような巨大サービスの傘下に入ることはリーチの拡大と同時にAndroid版、iOS版の出だしを大きく助けることだろう。

またこの買収はアジアのトップ・テクノロジー企業が世界進出に賭ける意気込みを改めて実感させるものとなった。以前にもLineは買収を行っているが、アジア圏以外での大型買収としては最初のものだ。中国のWeChatや韓国のKakao Talkもマルチメディア化してアジア以外の市場への進出狙っている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+