動画配信のNetflix、株価9%急騰―ロシア、インドなど130ヵ国への進出を好感

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NetflixのCESでの発表を受けて、株主は明るいムード一色だ。もちろん、Netflixが新たに進出を決めた130ヵ国の人々も同様だろう。

今日(米国時間1/6)、ラスベガスで開催されているCESでCEOのReed Hastingsが驚きの発表をした後、Netflixの株価は一本調子にアップを続けた。9%高で取引終了時間を迎えたことは、市場の好感の強さを示すものだ。同社は新たに130ヵ国に進出することで、さらに巨大な加入者を確保する準備が整ったといえる。

今回Netflixが発表した130ヵ国の中に中国だけは入っていなかったが、インド、インドネシア、ロシアなど大きなな人口を擁する国が含まれている。Netflixはこれまで国際進出では慎重に準備を重ねる傾向が見られた。今日の発表も基本的にはCESという格好の場を得て「マイクで爆弾を落とす」パファーマンスだといえるようだろう。CEOのHasitingsの発表は投資家層に国際市場に大々的に進出する効果を考える材料を大量に与えた。
現在Netflixの登録加入者は7000万人だ。

今日の株価のアップは、前回の四半期決算にたいする失望から株価が10%以上急落した状態からの回復の意味合いもある。前回の発表では、Netflixは国際市場で驚くべき成長を遂げたものの、投資家がもっとも強く期待していたアメリカ国内での収益性の改善とユーザー数の増加が見られなかった。

今後明らかになっていくはずだが、今回新たに進出する国々で提供されるコンテンツの内容についてまだ情報がない。Netflixのコンテンツは国によって大幅に異なる。また同社の最大の強みは独自にプロデュースした映画や番組だ。

最近の四半期決算発表で、Netflixは3620万人の新規加入者を獲得したと述べている。これらの新規加入者の大半(2740万人)はアメリカ以外の国の居住者だ。こうした数字が手がかりになるなら、Netflixが国際市場に強いことは間違いない。大々的な海外進出の計画は同社にとって画期的なものといえるだろう。

〔日本版〕Netflixは昨年9月から日本での動画ストリーミングを開始している。日本版サイトはこちら

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Windows上のFirefoxユーザはプラグインなしでNetflixを見られるようになった

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みなさまは、MicrosoftにFlashに対抗するSilverlightというものがあったことを、まだおぼえておられるだろうか? Microsoft自身がかなり前に放棄したから、今の人は知らないかもしれない。でも、FirefoxブラウザでNetflixを見るためにはSilverlightが必要、という年月は長かった。しかし今日(米国時間12/17)からは、Windows上のFirefoxで、プラグインのインストール一切不要でNetflixを見られる

今それは、Firefoxの最新バージョンを32ビットと64ビットのWindowsで使う場合のみだが、FirefoxとNetflix両者によると、OS XとLinuxのサポートは来年になるそうだ。

非常に長期にわたってMozillaは、FirefoxにDRMソリューションを組み込むことを拒否してきた。それがなければ、NetflixはビデオをHTML5のプレーヤーで再生できない。しかし今年になってからMozillaは実用性重視を決断し、Adobeらと協働してDRMありのコンテンツをFirefoxで見られるようにした。

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そこでFirefoxの最新バージョンでは、HTML5がPremium Video Extensions(有料ビデオを見るためのHTML5の拡張)をサポートしている。それによりNetflixは、コンテンツプロバイダにDRMによる保護を提供できる。またビデオのストリームを可利用な帯域に合わせることもできる。同社はAdobeと密接に協力し、Mozillaの<video>タグがAdobeのPrimetime Content Decryption Module(CDM)を使って、Netflixを視聴できるようにした。

というわけで今のFirefoxはDRMソリューションありになったが、DRMのないバージョンをインストールすることもできる。しかし今やPrimetime CDMがデフォルトでインストールされるのだから、よっぽどのDRM批判者でないかぎり、わざわざそうする人はいないだろう。

このアップデートにより、Netflixはすべてのメジャーなブラウザの上のHTML5プレーヤーをサポートすることになる。それらは、Internet Explorer、Safari、Firefox、そしてChromeだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Netflix、最人気プランを突如値上げ

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これは驚きだ! Netflixが高くなった。サービスで最も人気の高いプランは9.99ドルになった。既存ユーザーには猶予期間が与えられるが、米国、カナダと一部南米の新規購読者には新料金が即時適用される。Netflixは8月にヨーロッパで静かに料金を値上げしている。

この値上げによってスタンダードプランは月額9.99ドルになった。これはHDビデオのストリーミングと同時に複数のストリーミングが可能なプランだ。

これはNetflixが、独自番組の拡大をはかろうとする一環の出来事だ。同サービスの番組は最近エミー賞4部門を獲得した。しかしAmazonはその上を行き、「トランスペアレント」は初のエミー賞を取った。大きな人気を呼んだこのコメディーではジェフリー・タンバーがシリーズの主役を演じた。

Netflixは、既存購読者に対してはまだ料金値上げに関する正式な通知を送っていない。同社は現在全世界で6500万人の定期購読者を持ち、うち米国内は4200万人だ。

値上げのニュースは、Netflix株の暴落を呼んだ。株価は大きく下げた後、現在急騰している。

Netflixは料金値上げについて、本誌に送られた正式声明の中で認めた:

多くのNetflixオリジナルを含むテレビ、映画のタイトルを増やしていくために、当社は米国、カナダおよび南米の一部新規メンバーに対して料金をやや高くすることにした。既存のNetflixメンバーについては、感謝の意を込めて現行料金を1年間据え置く ― 既に従来の料金保証の対象になっている場合を除く。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Netflixに続いてAmazon Prime Videoも日本展開へ…レースの勝者はどこだ?

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日本に住んでる人は、アメリカのビデオストリーミングサービスは、まるでバスみたいに次から次にやってくる、と感じるだろう。来週Netflixがこの東アジアの国に上陸する、というニュースが流れたと思ったら、それに続いてすぐさまAmazonが、同社のPrime Videoサービスを日出ずる国に飛来させる、と発表した。

Netflixの日本デビューは9月2日と予定されているが、Amazon Prime Videoの飛来は9月中、となっていて、日付はまだ発表されていない。

Amazonの発表声明は、こう言ってる: “Prime Videoは日本と合衆国の何千もの人気映画やテレビ番組、連続アニメ、音楽のコンサート、バラエティ番組、そして賞まで取ったAmazonのオリジナル作品や日本でのオリジナル作品を提供する”。

このサービスは、年会費3900円(月額換算325円)を払っているPrime会員には無料だ。会員にはもちろん、ショッピング関連のそのほかの特典もある。一方、ビデオサービスでしかないNetflixは、税前の月額会費が650円からだ。毎月HDのストリームを二本見られるプランが950円、ストリーム四本のプレミアムプランが1450円。

料金的にはAmazonが有利だし、しかも既存のユーザベースが大きい。日本でもPrimeサービスはすでに10年前からあるが、Netflixは影響力のある有名人を抱え込もうとしている。またNetflixはSoftBankとパートナーしてキャリア課金と、デバイスへのアプリの事前ロードを10月から開始する。

さあこれから、日本でもストリーミングの勝ち馬を決めるレースが始まるのだ!

おっと、「たけし城」なんかでごめんなさい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

GoolgeとDell、業務向けChromebookを発表

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今日(米国時間8/13)サンフランシスコのGoogleで行われた企業向けイベントで、同社はDell製の新しい企業向けChromebookを発表した

Google for Workチームは、同社の消費者向け全ソフトウェア製品を企業利用向けに仕立て直している。つまり、セキュリティー、セキュリティー、そしてセキュリティー。要するに、巨大企業のお墨付きを得るためには、防弾仕様でなければならない。

企業内に踏み入れるために、GoogleとDellの新13インチChromebookは以下の機能を備えている:VPNサービスの統合、バーチャル化(Microsoft OfficeがGoogle Chomeで動くところを見るのは妙な気分だ)、ネイティブファイルストレージの利用、Chromeマネージメントエンハンスメント、プリントサポートの拡張、ネットワーク個人認証などだ。

AndroidおよびChrome for Work&EDU製品担当ディレクターのRajen Shethは、力強く言った:「私たちはChromebookを業務で使える準備が整ったと信じている」。

本当に?

最大の問題は、「Microsoftに依存している企業が移行するのか?」だ。Googleは、NetflixとStarbuckがChrome OSを導入し始めたことにかなり興奮気味で、こうした象徴的契約が他の変化を求める人々に火をつけることを期待している。Googleは、Chromebook製品は教育分野で人気があり、それは企業でも採用できる証拠だと主張する。学校現場では、セキュリティーや管理のしやすさなど、企業同様のニーズがある。

これは一夜にしてなせることではないが、GoogleとDellはそれが「可能である」ことを示そうとしている。Netflixのような巨大組織で物事を動かすためには、多くの人々が関与する必要がある。CIOの決断を勝ち取ることは、紛れもなく悪夢だ。

Chromeが企業でうまくいかない理由はたくさんあるが、その一つは既存の社内アプリが移植されていないため、容易に乗り換えられないことだ。Neflixのような会社で既存アプリを書き直すにはそれほど時間はかからないかもしれないが、伝統的な、技術力の低い会社が変わっていないのには理由がある。

変化は難しい。金もかかる。

ともあれ、ここに新しい業務用ノートパソコンが登場した。”Dell Chromebook 13” は、13.3インチIPSスクリーン(タッチまたは非タッチ)、1080p FHD、第5世代Intelプロセッサー(最廉価モデルはCeleron)、重量3.23ボンド(1.47kg)、バッテリー持続時間12時間以上、価格は非常に魅力的な399ドルから(メモリー増設を含む最大構成で899ドル)。発売は9月中旬。

またGoogleは、価格は手頃でソフトウェアは現行ライバルのように肥大化していないが、Chromeを使用した業務で可能になるグローバルな管理機能は、他に類を見ないと確信している。

Device Details

改めて、企業が今すぐ変わるのに十分か?ノー。その同じ企業に、Chromeプラットフォームへの移行を少なくとも検討させるには十分か?そうかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Netflix、新規格付けと日本進出日決定のニュースで8%アップの史上最高値

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NASDAQが0.2%の安値をつける中、Netflixは通常取引で史上最高値となる122.78ドルを記録し、終値は121.00ドル、7.5%高だった。

ビデオストリーミングサービス会社の株価は2015年に入って143%上昇した。株式分割、Icahnの持株売却、そして期待含みの決算報告が最近のアジア市場進出のニュースとともに、同社に対する投資家の注目を高めた。

Icahnと言えば、この物言う投資家は早期に売却したために数億ドルを失った。彼が残っていたNetflix株の現金化を発表したその日、株価は7対1分割調整後96ドル前後で取引されていた。今日の終値121ドルは、彼が26%儲けそこなったことを意味している。

Netflixの将来が明るいことに疑問を持つ人は殆どいないが、ここで同社の強み、最近の業績、および詳細の財務予測を検証しておく価値はあるだろう。投資家は先走りして、将来の成長に今から注ぎ込みすぎていないだろうか?あるいは、Netflixの今後数年は、その劇的に加速する評価額に見合うほど強力なのか?

史上最高値の理由

この日は、Netflixによる長年待望されていたアジア進出の正式日程の発表から始まった。同社はNetflix JapanのTwitterアカウントを立ち上げるとともに、9月2日のサービス開始日付を正式に認めたことを、VentureBeatが報じた。

同社が日本進出を発表したのは約6ヶ月前だが、数週間前のQ2決算会見でも注目の話題の一つだった。

Netflix CEOのReed Hastingsは、ローカライズしたコンテンツと積極的な価格戦略でスタートすると言い、Huluが日本初進出で遭遇した失敗を避けようとする意図がうかがわれた。Hastingsは日本の主要家電メーカー全社から支持を取り付け、ソニー、パナソニック、東芝の各社が日本で販売するテレビにNetflixボタンを組み込むことも明らかにした。

日本での正式開始日のニュースは、Q4に予定されている南欧、スペイン、イタリアでの開業に対する投資家の期待も高めているのかもしれない。

さらに、今日の値動きの一部は、投資会社のGuggenheim SecuritiesがNetflixの評価を開始し、目標株価160ドルで「買い」に格付けしたことも影響している可能性がある。160ドルという目標株価は今日の終値の33%高である。

Netflixの購読者離脱対策

Netflixの長期的高値の理由は、定期購読者の低い離脱率と、多くのユーザーが現在のNetflixの新規顧客向け月額8.99ドルという価格を極めて非弾力的と考えていることにもありそうだ。

2015年にRBC Capital Marketsが500人を対象に実施した調査によると、ユーザーの73%が、今後3ヶ月間に購読を解約する可能性は「全くない」と答え、解約の可能性が「極めて高い」あるいは「非常に高い」とした回答はわずか6%だった。

また非弾力性に関しては、同調査によるともし価格が1ドル上がった場合に定期購読を解約する可能性が「極めて高い」あるいは「非常に高い」とした回答はわずか9%だった。この数字は1年前の結果より3%低く、強力なオリジナルコンテンツが購読者を同プラットフォームに引きつけ続ける限り、今後も減少していく可能性が高い。

一方、Netflixの購読料金が今後もケーブルテレビの料金より劇的に低い(64ドル。FCCによる)状態が続き、同社が質の高いプログラムを提供し続けることができるなら、将来価格を上げる余地は十分にあると仮定できるだろう。

財務状況など

Netflixの2015年前半の売上は32億ドルで、前年同時期の26億ドルから上昇した。これは23%の増加だ。同じ半年間にNetflixの経常利益は2.272億ドルから1.723ドルへと下落した。これは約24%の減少だ。

厳密な利益ベースでは、Netflixの純利益は2014年前半期の1.241億ドルから、最近半年間の0.5億ドルへと大きく落ち込み約60%減少した。要するに、Netflixはそこそこの売上成長のために、利益を急激に減らしている。しかし、もしあなたがNetflixの伝統的企業指標だけを見ていると、重要な部分を見失うことになる。

(Netflixの予想PERが400を超えるだろうというジョークを聞けば安心できるだろう)

しかし、純粋な財務実績は投資家がNetflixの価値を測る唯一の成長要因ではない ー つまり、Netflixが新規購読者を純増ベースで増やしているペースは、おそらく同社の将来の売上を測る上でさらに重要な指標だ。

GAAPだSaaS戦争だと騒ぐ前に、ちょっと待ってほしい。先に議論した、消費者にとっての価格非弾力性はアカウント毎にブラスの収益をもたらすことを示唆していることを踏まえると、Netflixの低い離脱率は長期的な利益源になる。よって、成長に関して言えば、購読者ベースを大きくするために今の利益を削ることは、適正な取引であるだけでなく、長期的に大きな利益を生む行動かもしれない。

SaaSと定期購読者

先ほどのコメントからBox、そして同社が定常的売上基盤拡大のために巨額な損失を出したことを思い浮かべた人は、Netflixがコンテンツとメンバー拡大に多大な投資をしながら、それでも利益を上げているしくみを少々誤解しているかもしれない。

小さなヒント:NetflixのDVD事業は第2四半期、7790万ドルの「貢献利益」を同社にもたらした。これは同社の前半期の純利益をはるかに上回る。こうしてNetflixは興味深い方法による無料の収益源を持ち、それが同社の反復的デジタル売上の成長を可能にし、実質的にそのコストを補助している。

そう考えると、現在の購読者数成長にかかる将来のキャッシュフローは、見た目ほど高価ではない。では、その購読者数の伸びはどんな具合なのか?国内、国外、先の四半期に。会社はこう言っている:

Q2には史上最多の330万新規ストリーミングメンバーを加え、これは前年同期には170万人だった〈…〉米国で90万人、海外では240万人のメンバーをQ2に獲得した〈…〉Q3には米国で前年をわずかに上回る純増115万人と予測している〈…〉Q3の海外純増は240万人を見込んでいる。

つまりNetflixは、昨年同期を上回るペースで購読者ベースを伸ばしているだけでなく、現行四半期はさらに好調になると予測している。

そしてもし、将来この同じ購読者に対してさらに高い料金を請求し、それでも去っていくことがなければ、CAC(顧客獲得コスト)はHouse of Cards[Netflixの超人気番組]で、顧客のLTV(生涯価値)はとてつもない黄金になる。

情報開示:執筆者の一人は、少数のNetflix株を家族信託を通じて所有している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Netflixの2015年Q2決算:予測を上回る利益と新規会員330万人で10%の高値

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本日(米国時間7/15)の取引終了後、Netflixは第2四半期の決算を報告し、売上は16.4億ドル、1株当たり利益(EPS)は0.06ドルだった。Netflixは新規に国内定期購読者を90万人、海外購読者を240万人獲得した。

ウォール街の予測はEPS 0.04ドル、売上16.5億ドルだった。不活発な通常取引時間中、値を下げていたNetflix株は、予想超えの決算報告の後約8%高値をつけている。四半期終了時の同社定期購読者数は6500万人で、うち米国内が4200万人、2300万人が海外ユーザー。

同社の新規会員330万人増は、前年同期の170万人を上回る。成長率は2倍近い。他の市場よりはるかに飽和度の高い米国市場で、未だに新規会員を増やし続けていることは、同社が海外にまだまだ大きな伸び代を残していることを示している。

前年同期と比べて、Netflixの売上は3億ドル以上、20%以上成長した。

同社の1株当たり利益は、最近の株式分割以前と比べると数字の上では激減してみえる。その7対1の分割および本決算報告以前、Netflixは史上最高値を記録していた。

同社のDVD事業は未だ健在であり、四半期で7800万ドル近い利益を会社にもたらした。

Netflixは売上予測を達成し、利益予測を上回ったが、負のフリーキャッシュフロー2.29億ドルは、前四半期の1.63億ドルより悪い。要するに、同社は新たなコンテンツに資本を注入し続けていることを意味している。同社の負債は24億ドル、現金保有高は28億ドル。

同社は第3四半期に、純増ベースで新規定期購読者を国内で115万人、海外では240万人追加することを見込んでいる。つまり同社は、会員増加率を四半期ごとに緩かに伸ばしていく計画だ。

時間外取引での急騰は、投資家らが同社の海外会員の増加と財務実績全般に熱狂していることを表している。明日の始値は新たな最高値となるはずだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Chromecastが自動再生、キューイング、第二画面、マルチプレーヤーゲームなどを新たにサポート…革命的なユーザインタフェイスへ

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GoogleのChromecastは、この検索の巨人を秘かに本格的なホームエンタテイメント企業に変えてしまいそうな、かわいらしい外見にパワーを秘めたメディアエンジンだ。このおちびエンジンに対応しているアプリケーション(もっとも典型的にはYouTube)のユーザが画面上の小さなボタンを押すと、コンテンツをテレビの大画面で楽しめる。この“Castボタン”はこれまで、合衆国だけでも15億回押された。そしてChromecastは、Googleのほかの船も浮上させている…たとえばYouTubeでは、Chromecastユーザの総視聴時間が従来より45%増加した。

Chromecastやその対応デバイス(Nexus Player、Nvidia Shieldなど)は、今年のI/Oカンファレンスで発表されるいくつかの新しい機能により、さらにパワーアップする。一言で言うと、これまでの単純なストリーミングマシンから、本格的なメディアデバイスに変身し、Chromecastとその操作デバイス(スマホなど)は、近未来のホームシアターやメディアルームの基本装備になる。Chromecast向けの開発をやっているデベロッパや、一般ユーザは、期待をふくらませて待つ価値があるだろう。

オートプレイとキューイング

ストリーミングTVがふつうのTVらしくなるためには、長時間の連続視聴が可能でないといけない。たとえばNetflixのようなWebアプリケーションでは、とくにユーザが操作しなくても複数のコンテンツを次々と‘上映’することができる。今度からChromecastでも、それができる、しかも、どんなコンテンツでも。

これをデベロッパのボキャブラリで言うと、最初のビデオが再生されているときに次のビデオをバッファリングしてキューを作り、一つのコンテンツが終るたびに次のコンテンストをユーザが指定する、という手間をなくす。しかもユーザはキューをコントロールして並び順を変えたり、新しいコンテンツを途中に入れたりもできる。これだけ高度なキューイングは、今のNetflixでもできませぬ。

今このAPIを導入しているアプリケーションは、NBA Game TimeとRed Bull TVぐらいだが、ほかのメディアアプリケーションも視聴者を長時間釘付けにするために当然導入するだろう。

ゲームマネージャAPI(マルチデバイス/マルチプレーヤーを簡単に)

複数のユーザが複数のデバイスを使ってChromecast対応のゲームを楽しめることは、元々この製品の大きな売りの一つだったが、これまでは乗り気でないデベロッパが多かったため、各人のスマートフォンをコントローラにしてTVに映しだされるゲームをシェアする遊び方は、あまり盛り上がらなかった。

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しかし今度からはGame Manager APIというものが導入されるので、デベロッパにとって仕事がすごく簡単になる。ゲームに参加するデバイスはiOS、Android、Chromecast対応デバイスなど何でもよく、デベロッパはそういうマルチプレーヤー体験を容易に作れる。ローンチタイトルとして提供されるCatch Phraseは、よくあるパーティーゲームだが、この機能の活用例としては好適だ。

“マルチデバイス/マルチプレーヤは機能は最初から好評だったけど、それをもっと、デベロッパにとって使いやすくしたい、と考えた”、Chromecast担当VP Rishi Chandraはこう語る。“今では、モバイルゲームのデベロッパのほぼ全員が、このユーザ体験を作り出そうとしている”。

そこでGoogleは、TV画面上で共有されるスコアボードなど、共通的な機能を管理できるようにし、また個々のプレーヤーとデバイスのレベルでの、正しいセッション管理ができるようにもした。こうしてついに、Game Manager APIが誕生した。

ぼくはいつも感じていたんだけど、モバイルゲームも一人プレイはもう古い、マルチデバイス/マルチプレーヤには、未開拓の大きな可能性がある。これまでは、開発の難度と、参加〜プレイの容易化単純化正確化がネックだった。でもこの二つの大きな難点を、このAPIは克服できる。

リモートディスプレイAPI(iOSとAndroid)

スクリーンの二重化(デュアルスクリーン…ゲーム画面はTV、コントローラ画面はスマホ)はもちろんゲームにとって大きな意義があるが、Chromecastおよび対応ハードウェアを操作するAndroidとiOSアプリのための(ゲームに限らない)ジェネリックなAPI、Remote Display APIは、デュアルスクリーンの意義をさらに大きくする。これによりたとえば、TV(+Chromecast、〜対応デバイス)の画面にカーレースが映っていて、スマホ上では仮想ステアリングホイールを操作する、ということができる。あるいはTVの大画面を利用して写真の編集〜修正をやっていて、その細かい操作をスマホ上のUIでやる、といった“適材適所”の役割分担ができる。

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このAPIの初期のバージョンを実際に使っているのが、Autodesk Pixlrだが、これを見るとまさに、マルチディスプレイが新しいタイプのユーザインタフェイスだ、ってことを実感できる。Chromecastはこの、コンピュータシステムの歴史上かつてなかった、斬新な利用インタフェイスを支えるのだ。クリエイティブアプリ/アプリケーションはもとより、世界中のユーザ数がもっとも多い生産性アプリ/アプリケーションにとっても、これは朗報だ。それに、デスクトップアプリケーションがもっと多様な状況でモバイルにリプレースされるためにも、こんなインタフェイスがその基盤に必要なのだ。対象を見る画面は大(&高精細)、手による操作は手元の小型デバイス、という理想の仕事環境が、今後、社会の至るところで普及するだろう。

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Popcorn TimeがWebアプリケーションとして登場、フォークも多くて取締りは不可能?

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Popcorn Timeは海賊版映画のNetflixと呼ばれてきたが、デスクトップでもアプリケーションをインストールする必要があった。それが、不要になる。今やPopcorn Time In Your Browserというサイトへ行けば、あと二クリックで海賊映画のストリームを見ることができる。

そのWebアプリケーションはデスクトップアプリケーションとほぼ同じで、torrentのファイルをCoinado経由でYTSからリモートでストリーミングする。ユーザは何もインストールする必要がなく、torrentファイルはユーザのマシンにローカルに保存されないようだ。目的の映画をクリックして数秒待つと、‘上映’が始まる。

このWebサービスは今のところ、調子が悪くて使えないときがある。二つの強力なサービスを背後で使っていてこうだから、不具合は今後もありそうだ。

Popcorn Timeのようなtorrentをストリーミングするサービスは、つねに合法性がアヤシイ。ユーザが自分のコンピュータに映画をダウンロードしないから、その点は違法ではないが、でも、本来は有料のコンテンツを無料で見ているのだ。

Popcorn TimeのWebアプリケーション化は、このオープンソースプロジェクトとしては次の当然の手だ。オリジナルのプロジェクトのフォークがいくつかあって、それらがいろんなプラットホーム向けにアプリケーション/アプリを提供しているが、ローンチからほぼ1年になるPopcorn Timeは、なにしろオープンソースだからフォークが全地球規模で無限にありえる。もはや、ハリウッドが当局の助けを借りてそれを完全に取り締まれる、という段階ではない。

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Netflix、Q1の新規加入者は490万人、株価は10%以上急騰

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本日(米国時間4/15)の取引終了後、Netflixは2015年第1四半期の決算を報告し、売上は15.7億ドル、調整後1株当たり利益は0.77ドル、同GAAPベースは0.38ドルだった。アナリスト予測は、売上15.7億ドル、1株当たり利益0.69ドルだった。

同社の株価は、通常取引で1%弱の低値をつけた後、発表後の時間外取引で急激に上昇した。ではなぜ市場は横ばいの売上と予想未達の利益にこれほど期待しているのだろうか。

同社の発表によると定期購読者数は計6230万人へと伸びた。このうち230万人が国内、260万人が海外の新規加入者だ。いずれの数字も購読者数の新記録であり同社の予測を大きく上回った。決算発表日のNetflix株は、主としてこの2つの数字に基づいて取引きされている。

Netflixは、他社と同様、低調な売上と利益の理由はドル高による向い風の結果だと言っている。同社が指摘する通り、強いドルのために海外売上は2014年の交換レートで4800万ドル減少した。これは無視できない影響だ。

一方、Neflixの〈今なお続く〉DVD郵送ビジネスは四半期売上に8500万ドル寄与した。

同四半期のフリーキャッシュフロー、マイナス1.63億ドルは、Netflixの言葉を借りれば「オリジナルコンテンツへの投資拡大」が理由だ。Netflixは30億ドルの現金および現金同等物を保有しており、新たなコンテンツへの短期投資には十分な余裕がある。

投資家に向けた書簡でNetflixは「全世界を通じた強いネット中立性」への取り組みを再度強調した。米国での新たな規制に沿って同社が立場を後退させているという批判にへの対応と考えられる。

総合的に同社にとって好調な四半期であり、投資家らもこれを急騰で報いている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple Watchに対抗するNetflix Watch…これなら映画も見られる

エイプリルフールはとっくに終わったが、Netflixはネタを一つ、Apple Watchのレビューがどっと氾濫するその日まで、取っておいたようだ。

ご存知のように、Apple Watchのまわりには、まだ答のない問がたくさんある。消費者はそれを欲しがるか? “キラーアプリ”は現れるのか? 電池は少なくとも一日はもつのか?

でも一つだけ確かなのは: Apple Watchの小さな画面でNetflixを見たら、堪えられないこと。そこで、Netflix Watchの登場だ。

“クリアな映像と良質なストリーミングと大好きな番組や映画を見られるだけでなく”、とNetflixは書いている、“あれみたいに不便ではありません”。

これはNetflixからの軽いジョークにすぎない(ウォッチ本体はもちろんiPhoneだ)が、こういうものは完全に実在する。たとえばAmazonで”iPhone wristband”(iPhone用腕輪)を検索すると、10種以上の製品が現れる。その多くは、フィットネス用を謳っている。

こんなおふざけが好きな人には、本誌が作った今年のエイプリルフールのベスト・ジョーク集をご紹介しよう。これらは実際に、エイプリルフールに登場したやつばかりだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ペイテレビのディスラプトの終点はアンバンドルではない–アクセスの自律性をいかに獲得するか

[筆者:Albert Lai]

編集者注記: Albert LaiはBrightcoveのメディア担当CTOだ。

あなたなら、どっちにするか? 提供されるすべてのコンテンツに対してお金を払うか、それとも自分が消費するコンテンツに対してのみ払うか?

一見するとこれは、単純な費用の問題のようだ。ケーブルの契約をキャンセルしてNetflixHuluPrime Instant Videoなどの会員になるべきではないのか。これら三つ、全部でもよい。毎月、自分が見もしないコンテンツに70ドル払うより、自分が確実に見るものに10ドル弱を払う方が良いではないか。

アンバンドリング(unbundling, バラ売り)—ペイテレビでもデジタルのOTTでも、これが未来のテレビやビデオの究極の姿として盛んに喧伝されている。

単純に一般化して言うと、アンバンドリングはペイテレビの視聴者抱え込みを排除し、今のすべてのペイテレビが会員に課している条件…一部の会員しか見ないコンテンツの費用を全会員が負担すること…を追放する。スポーツ中継のように局にとって制作費用の大きいコンテンツの費用は、この不合理な一律全員的課金制によって賄われている。

表面的には理にかなっているようだが、でもよく考えると、多くの一般庶民の世帯にとって、ブロードバンドによるインターネットアクセスはペイテレビの事業者によって提供されているのだ。〔アメリカの庶民家庭ではケーブルTVが事実上のISPでもある。〕

それらの一般消費者がコードカッターになりたい、もっと正確にはペイテレビカッターになりたいと思ったとしても、OTTコンテンツへの彼らのアクセスは依然として、まさにその同じペイテレビプロバイダの受信料規約に依存することになる。テレビ放送であれデジタルコンテンツであれ、提供サービスの料金やパフォーマンスや機能を“最適化”する動機は、彼らの方にある。〔cord cutting, コードを切る、ケーブルテレビにおさらばすること。 〕

だから問題は、コンテンツへの金の払い方よりもむしろ、コンテンツにアクセスするときの、そのアクセスの仕方に含まれている依存性にある。

ドライブするのは有料コンテンツ、でも道路はペイテレビのもの

最近FCCのTom Wheeler委員長は、 Multichannel Video Programming Distributor(MVPD)(多チャンネルビデオ番組配布企業)の定義を、今のように、放送局とケーブル事業者と衛星によるテレビ提供者に限定せず、インターネットテレビの番組提供者も含めるようにしたい、と提案した。それはブロードバンドネットワーク上の新しい企業が既存(旧定義)のテレビプロバイダと互角に競争できるようにするためだが、その拡張された定義によると、“ブロードバンド上の競争企業が顧客にさまざまなOTTのビデオパッケージを提供するに際して、必ずしもビデオビジネスに参入しなくてもよい”、とされる。インターネットサイト(ないしサービス)が、これまでのインターネット企業のままで、既存のテレビ/ビデオ業界の規制や慣行とは無関係に、ビデオコンテンツを自由に提供してもよい、とされるのだ。

しかし新しいブロードバンド上のコンテンツプロバイダと、デジタル化とビジネスモデルのイノベーションを急ぐ既存のペイテレビ事業者との、二者の競争が始まったとすると、最初から後者には相当な優位性がある。たとえば大手ケーブル企業のComcastは、旧技術(NBCUTime Warner Cable)とデジタル技術(Xfinity、X2、RDK、ThePlatform、FreeWheel)の両方に投資することによって、テレビの未来をヘッジ(両賭け)しようとしている。

しかし実際の問題はコンテンツの不足がインターネットへのアクセスを制約していることではなくて、単純にアクセスそのものだ。AT&Tと合併することになったDirecTVのCEO Michael Whiteがいみじくも言った“うちは誰かほかの人のハイウェイに乗る必要がある”という発言は、有料コンテンツがデジタルアクセスに依存していることを示している。

MVPDの定義を変えよう、拡張しよう、というFCCの提案は、それによって新たにブロードバンド上のコンテンツプロバイダにもドアが開かれると想定しているが、しかし新顔にとって既存のアクセスが足かせになるという事情をFCCは無視している。コンテンツのデジタル化の拡大、その消費の増大、そして4Kなど高精細コンテンツを求めるトレンド、これらが相まってますます多くのバイトが既存のパイプや空中の電波に満ちる。

オバマ大統領が最近発表した声明も、FCCにとっては“オープンでアクセス性の良い、そしてフリー(無料/自由)なインターネットを保護することを上回るような責務はない”と言っている。その提案では、“FCCは通信法第二章(Title II of the Telecommunications Act)に基づいて消費者ブロードバンドサービスの分類定義を変え、また同時に、レートの規制などブロードバンドサービスにとってふさわしくない政策を控える”、となっている。

オバマ氏のこの提案は実質的に、インターネットを公共サービスとして扱うものだ。その提案が述べている4つのルールは、以下のような信条を表現している: 1)帯域制限をしない、2)透明性の増大、3)有料の優先扱い(えこひいき)がない。NetflixとComcastやVerizonとのあいだの、金を払って実現したピアリング措置と並置してこれらの提案を見ると、事態の深刻さがよく分かる。

コンテンツは女王、しかし王は接続性

HBOCBSSonyなどの既存大企業がOTTサービスに乗り出し、また新人たちも台頭する中で、アクセスと接続性をめぐる議論も熾烈になるだろう。HBOのOTTサービスへの進出の発表も、ペイテレビのエコシステムからの完全な決別を意味してはいない。むしろHBOのCEO Richard Pleplerは、同社のOTTサービスは既存のペイテレビとの関係を損なうものではなく、むしろ、ペイテレビが今使っているブロードバンドの有効利用により新たな収益を得ることがねらいだ、と言った。つまり、彼らは収益を求めている。これは、インターネットビジネスが大きな曲がり角に来たことを示している、とぼくは思う。

コード・カッティングは、ディスラプティブなトレンドとして流行語にすらなっているが、むしろ今注目すべきは、アクセスの進化だ。したがって、未来のOTTで重要なのはコンテンツのアンバンドルではなく、消費者にとってのアクセス性だ。そして消費者とアクセスとの関係は、デジタルのビットが、その大部分をペイテレビのエコシステムがコントロールしているパイプの上を、動いていくことに依存している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


FCCの委員曰く: Netflixはネットワーク中立性の理想に反して実質的にインターネットの高速レーンを確保している

FCC(連邦通信委員会)のAjit Pai委員が今日(米国時間12/2)、NetflixのCEO Reed Hastingsに送った書簡で、このオンラインビデオプロバイダが自社のコンテンツのためにインターネットの“高速レーン”を“実質的に確保している”、と主張した。

Netflixはこれまで、ネットワーク中立性(net neutrality)の積極的な支持者だったから、Paiの見解はちょっと意外だ。Netflixが実際に、自社のコンテンツを他社よりも有利に扱うような方法を作っているのなら、それは自社の利益のためにインターネットをねじ曲げることだ。つまりそれは、富裕な先行企業が金の力で市場における自己の位置を高めに維持しようとする試みであり、ネットワーク中立性の理念とは真っ向から反する。

同社はコメントを拒否した。

以下は、Netflixがネットワーク中立性に対する同社自身の基本姿勢に反しているとする、Paiの主張からの引用だ[太字は本誌による]:

最近の報道によると、我が国最大のストリーミングビデオプロバイダNetflixは、ストリーミングビデオのオープンスタンダードを作成する取り組みに参加しないことを選んだ、とされる。しかも私の理解によれば、Netflixは、ストリーミングビデオのオープンスタンダードの諸相を損なうような方策を採っている、あるいは少なくともテストしていると思われる。具体的には、私の理解によれば、Netflixは、オープンキャッシングが使われているところではときどきそのストリーミングプロトコルを変えて、オープンキャッシングのソフトウェアがNetflixのトラフィックのキャッシングを正しく同定できないようにしている。Netflixのトラフィックはその大半がストリーミングビデオのトラフィックなので、このような方策はオープンスタンダードの実現性を損なうものである。言い換えると、業界の多数が一団となって合意したスタンダードが、Netflixのトラフィックを同定して正しくルーティングできないなら、それらのスタンダードは結局のところ、デジタルビデオの消費者に十分な利益をもたらし得ないのである。

一部の情報によると、Netflixがそうしているのは、同社が現在、同社のOpen Connectプログラムの一環として、独自のプロプライエタリなキャッシング装置を全ISPのネットワークにインストール中だからだ、と言われる。全ISPはオープンキャッシングのための装置をそのネットワークにインストールして、Netflixも含むすべてのビデオコンテンツプロバイダが公平平等に競争できるようにすべきである。しかし、もしも、逆にISPたちがNetflixのプロプライエタリなキャッシング装置をインストールすることになれば、Netflixのビデオは短距離走のような速度で走り、一方同社の競合他社は、マラソンのような速度で走らなければならなくなる。

Paiから見れば、それは不公平だ。同委員によれば、この主張は、“ネットワーク中立性を強力な規制により確立せよとするNetflixの姿勢との矛盾を”、指摘するものだ。

Netflixとしては、反論したいことがたくさんあるだろう。たとえば、Netflixが独自のキャッシング装置をインストールしたら、そのほかのキャッシング装置は排除される、というPaiの考え方などだ。

もっと視野を広げると、同社は今年の初めに、こんなことを言っている:

Netflixは強力なネットワーク中立性がきわめて重要と考えるものであるが、しかし短期的かつ至近的には、弊社の消費者体験を守るために、場合によっては強力なISPたちに通行料を支払うだろう。弊社がそうするときには、競合他社に対する優先アクセスのために支払うのではなく、単に相互接続のために支払うのである。

Netflixとしては、Paiは単なる相互接続の一形式にすぎないものに対して文句を言っている、と主張したいだろう。しかしこれに関しては、Netflixからの技術的な説明がほしい。オープンプロトコルをオプトアウトするだけなら、罪ではない。しかしNetflixがそう決めて、ある種のコンテキストにおいてISPと協働すれば、Netflix以外のコンテンツは相対的に遅く配布されるだろう。そうやってNetflixに何らかのスピード向上を認めるのなら、それはもっと大きな問題のタネになりかねない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


YouTube、広告のない有料サービスの提供を準備中?!

Googleが運営するYouTubeが、迷惑がられることも多いプレロール広告を廃する方法を、利用者に提供しようと考案中であるらしい。Wall Street Journalの記事によれば、有料のサブスクリプションサービスを提供し、この有料利用者に対しては一切の広告を表示しないというスタイルを準備中なのだそうだ。

YouTubeのトップであるSusan WojcickiがCode Mobileカンファレンスで語ったところによれば、利用者にさまざまなオプションを提供していきたいのだとのこと。たとえばモバイルでYouTubeを閲覧している人は、広告の間だけ他のアプリケーションを利用するというようなこともやりにくい。したがって増えいく広告に対する不満も徐々に増えつつあるらしいのだ。

そこでひとつの解放として考えられるのが、有料版を提供することだ。広告を表示するかわりにコンテンツを無料で提供するというスタイルに加えて、新たな仕組みを導入することになる。有料版を提供することにすれば、あるいはNetflixに近づいていくということになるのかもしれない。WSJの情報元は、ニュースなどの特定コンテンツ毎の有料オプションを提供する可能性についても言及しているようだ。

コンテンツジャンル毎に、広告のない有料版を提供していくというのは、各ジャンルの閲覧者たちから注目を集めることになるだろう。広告なしで提供する範囲を特定ジャンルに絞ることにより、有料版の費用を抑えることもできるだろう。そして有料で提供するジャンル以外については、従来通り広告付きで配信するという方式は、トータルな収益の面でもプラスに働く可能性がある。

これは噂ばかりが先行する、Googleによる有料の音楽配信サービスとも結びつくものだと考えられる。Wojcickiも、この噂のサービスにつき「間もなく」提供を開始する予定だと話していたが、相変わらず詳細な予定については言及しなかった。

YouTubeが本当に有料サービスの提供を開始するのなら、まずはオリジナルないし人気シリーズの無広告視聴を促すようなものとなるのだろう。特定の番組についてのプロモーションなども増えてくることになりそうだ。これにより、これまでのYouTubeとは別のものが生まれてくることになるのかもしれない。それによる変化に不安を感じる人もいるだろう。しかしともかく広告スキップのためのボタンを押さずに済むことに、魅力を感じる人も多いに違いない。

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(翻訳:Maeda, H


もうすぐNetflixをLinux上でふつうに見られるようになる

Google Analyticsの結果を見ると、本誌TechCrunchをLinuxから見ている人はそんなに多くない。でも、けっこうおられることも確かだ。

あのヴェン図の上の小さな銀色の部分と、それに重なる”People who use Ubuntu”(Ubuntuを使っている人びと)に該当する人でしかも、“User-Agentを詐称するなどの、Ubuntuの上でNetflixを見るためのトリックを知らない人”に、朗報がある。Netflixがついに、Ubuntuでもふつうに見られるようになるのだ。

その朗報は、NetflixのシニアエンジニアPaul Adolphの、Ubuntuデベロッパフォーラムへの投稿に登場した。

Paulはこう言っている:

NSSのバージョン3.16.2以上がインストールされていれば、Ubuntu 14.02でも安定版のChromeでNetflixを見られる。このバージョンが14.02で一般的にインストールされていれば、NetflixはユーザがUser-Agentを細工しなくてもプレイできるための変更を、行うことができる。

NSSはNetwork Security Servicesの頭字語で、OracleやGoogle、Mozilla、AOLなど多くの企業によってメンテされているオープンソースのライブラリだ。SSLなどのセキュリティプロトコルを実装するためには、このライブラリが必要だ。MozillaのThunderbirdもAIMもChromeもこれを使っている。Netflixの場合は、ハリウッドのお偉いさんたちを安心させるための、ビデオのDRMを有効にするために、このライブラリが必要だ。

Ubuntu上のNSS(libnss3)はそのうちアップグレードされるらしいが、それを今自分で手作業でやりたい人は、UbuntuのファンサイトOMG!Ubuntuのこの記事を参考にしよう。なお、User-Agentを変えることは、上でPaulが言ってるように、Netflixが必要な変更を行ったあとに、不要になる。〔今のところ日本でNetflixを見るためには、VPNソフト/サービスなどを使ってIPアドレスを偽装する必要がある。〕

[出典: slashdot]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ハウス・オブ・カーズ以上の大作か―Netflix、エリザベス2世の伝記ドラマ・シリーズ製作へ

Netflixは次のオリジナル大作の製作を近くスタートさせるという。このThe Crownというタイトルのシリーズ・テレビドラマには大ヒットしたハウス・オブ・カーズ以上の予算が用意されるらしい。

Netflixは他のビデオストリーミング・サービスから差別化するためにオリジナル・コンテンツの製作に力を入れている。ハウス・オブ・カーズと女子刑務所を舞台にしたコメディー、Orange Is The New Blackも他の主要ネットワークやストリーミング・サービスの看板ドラマ・シリーズに匹敵する予算と出来ばえだった。

これらのシリーズはスマート・テレビ、セットトップボックス、専用ゲーム機、タブレットなどあらゆるチャンネルを通じて、ただしNetflixのみを通じて独占公開された。

今回製作がスタートするエリザベス2世の半生を描くThe Crownの脚本執筆はPeter Morganだ。 Morganは歴史、伝記ものを得意としており、手がけた脚本にはフロスト×ニクソン、 イディ・アミンを描いたラスト・キング・オブ・スコットランド、そしてダイアナ皇太子妃事故死の前後のエリザベス2世を描いたクイーンなどがある。

Netflixのシリーズではエリザベス2世の治世中の起きたさまざまな歴史的出来事が描写される。情報源によると、異なる時代のエリザベス女王は複数の女優によって演じられるそうだ。

また製作はブレイキング・バッドなどを大ヒットさせたSony Pictures Televisionが行うという。

ハウス・オブ・カーズと同様、Netflixは2シーズンの契約を行うようだが、まだ契約の調印には至っていないようだ。Netlfixはハウス・オブ・カーズの最初の2シーズン独占配給権に1億ドルを支払ったとされる。

ハウス・オブ・カーズその他のオリジナル・シリーズがヒットし始めてからNetflixはアメリカで650万の新たなユーザーを獲得している。巨額の投資は結局元をとれているのかもしれない。

写真: UK in Italy via Compfight 原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Netflix、過去の失敗に学び、適切な方法で価格を上げる

とても大きな過ちを犯した時、得られる最大の成果は失敗から学び二度と繰り返さないことだ。Netflixがそれをやったようだ。金曜日に発信された同社の料金プランに関するメールによる。

新規会員のストリーミングサービスの価格は、7.99ドルから8.99ドルに上がる。ただし、既存のNetflix定期利用者は向こう2年間約8ドルの価格に据え置かれる。

Netflixが最後に価格体系を変えた時、物事はあまりうまく行かなかった。当初Netflixの全サービス ― ストリーミングとDVDレンタルを含む ― は一つの傘の下に入っていた。パッケージ全体の値段は9.99ドルだった。

そして2011年、同社のストリーミング・ライブラリーの人気と規模の高まるりを受け、Netflixはサービスを分離した。ストリーミング利用者は7.99ドルを支払い、DVDレンタル利用者も7.99ドルを払う。つまり、両方欲しい人にとっては、月々10ドルだったものが、突如として16ドルになるという60%の値上げだった。

会社側の説明は不明確で手際が悪く、この変更によって株価は暴落し、復旧には長い時間がかかった。

明快なコミュニケーションとブランドロイヤリティーへの見返りに拍手! よくやった、Netflix。

[via Mashable]

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


無人ドローン配送は幸せを運ぶのか? Netflixによるディストピアな未来ビデオ

最近YouTubeで公開されたNetflixのドローン・デリバリーのビデオがなかなかの話題をよんでいる(最初に記事にしたのはEngadgetであるようだ)。見ればすぐにわかるが、これはAmazonのPrime Airコンセプトビデオを茶化したもので、冗談めかしつつ、あるいはディストピア風の味付けを行っている。Netflixによれば、ドローンによるデリバリーは、ときに爆発事故を引き起こすこともあるらしい。

このビデオは100%の冗談でできている。しかしAmazonも実際にR&Dに取り組んでいるように、DVDレンタルのような用途では、確かに実用可能性もあるわけだ。また、個人的な意見になるが、トイレに何かを配送してくれるような仕組みは「ぜひとも実現して欲しい5つのこと」リストの中でも上位に位置すると考えている。

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(翻訳:Maeda, H


Twitterの歩みを記した『Hatching Twitter』、ハリウッドの注目も浴びつつ上場直前に販売開始

Twitterの誕生からこれまでを記した『Hatching Twitter: A True Story of Money, Power, Friendship, and Betrayal』が間もなく発売となる。どうやら既に映画化に向けての動きが活発になっているのだそうだ。こちらに入っている情報では、ソニーが名乗りを上げているということなのだが、どうやら他にもメジャーどころがチャンスをうかがっているらしいのだ。

うち、少なくとも一社は、映画ではなくケーブルテレビ番組ないしNetflix上でのシリーズものを企画しているそうだ。これはすなわちHatching Twitterの中に、ドラマとして面白そうなシーンがたくさんあるということなのだろう。Twitterの設立から成長、そして上場を成し遂げる物語がNetflixオリジナルのコンテンツとして提供されることになれば、確かに大いに注目を集めることとなりそうだ。

ちなみにソニーは、1989年にコロンビア映画を買収している。コロンビア映画は、ご存知、Facebookのドラマメンタリー(drama-mentary)である「ソーシャル・ネットワーク」を提供した。全てが実話というわけではなかったが、大いに注目を集めることとなり、またいろいろな賞にもノミネートされることとなった。

また、既にキャストについてもいろいろと話題になっているようだ。たとえばJack Dorsey役についてはElijah Wood以外にあり得ないなどと言う人もいる。

本の内容についてはNew York Timesに概要が掲載されている。どうやら草創期には方針や権力を巡ってさまざまな争いもあったようだ。以前にも書いたが、数々の人間臭いドラマがあったようだ。そして確かにそういう人間臭さは、面白い映画に欠かせない要素であるとも言えるかもしれない。Biltonは映画化の噂についてはノーコメントを貫いている。

『Hatching Twitter: A True Story of Money, Power, Friendship, and Betrayal』の発売は11月5日が予定されている。そしてTwitterの、111億ドル企業(評価額)としての株式公開が11月6日の予定だ。Biltonも言うように「非常に良いタイミング」で世にでることとなる。

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(翻訳:Maeda, H


Netflix、Q3実績でアナリスト予測を上回る。国内ユーザー130万人増、1株当たり利益0.52ドル

Netflixの2013年第3四半期の業績が発表され、購読者数はアナリストの予測を越えた。1株当たり利益は0.52ドル、売上は11億ドルだった。前年同期は、それぞれ0.13ドル、9.05億ドルだった。利益はアナリスト予測0.49ドルを上回り、売上は予測の11億ドルで一致した。

いつもの通り、Netflixの収支レポートで最も注目すべき数字は国内購読者数の成長だ。同社はこの四半期中に130万人の国内購読者を増やした。同社の予想は70~150万人だった。アナリストの予測は国内110万人、海外95万人だった。

第2四半期、Netflixの国内購読者数は63万人増とアナリスト予測をやや下回った。それが原因で株価も時間外取引で8%ほど下がったが、それ以降350ドルに戻した。過去1年間で株価は200%以上伸びた。

投資家らはNetflixの海外での成長にも目を見張っている。海外購読者数は140万人増で、売上1.83億ドルに貢献した。

Netflixの成長は、高価値のオリジナルコンテンツを購読者向ストリーミングサービスに加えたことによるものだ。今年同社は政治スリラー「House of Cards」と、人気のカルトコメディー「Arrested Development」第3シーズンで絶賛を浴びた。第3四半期には、Weedsの作者、Jenji Kohanによるプリズン・ドラマコメディー「Orange Is The New Black」を追加した。

購読者数を増やす傍ら、Netflixはコンテンツでいくつかの賞を受賞した。ストリーミングサービスとして初めて、エミー賞を3部門で受賞し、ドラマシリーズ最優秀監督賞に、House of Cardsのデビット・フィンチャーが選ばれた。これらの受賞は、同社がオリジナルコンテンツの世界でもケーブルや放送と対等に戦えることを示すものだ

サービス分野でNetflixはパーソナル化をさらに進めている。この夏に個人化プロフィールを導入して、一世帯の複数視聴者をサポートし、続けてパーソナル化されたインスタント番組表 “My List”を公開した。これは同サービスのライブラリーにあるコンテンツを検索、発見するための新しい方法として作られた。すべてはユーザーをより多く再来させ、究極的には月額8ドルの購読サービスを長く契約してもらうためである。

Netflixは、セットトップボックスに自社アプリを載せるために、複数のケーブル会社と交渉中であることも報じられている。もし実現すれば、購読者数の伸びは、さらに早まるだろう。

第4四半期について、Netflixは国内購読者3270~3350万人を目標としており、これは160~240万人の増加に相当する。国内売上は7.31~7.41億ドル、海外売上は2.10~2.24億ドルとそれぞれ予想している。利益予想は、2900~4900万ドル、1株当たり0.47~0.73ドルだ。

Netflixの投資家らはこの報告に対してかなり熱烈な反応を見せており、株価は時間外取引で過去最大の10%上昇した。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)