近い将来、すべてのブロックチェーン企業が暗号投機家になる

スタートアップとマーケットの週刊ニュースレター、The TechCrunch Exchangeへようこそ。

ロシアが間もなくウクライナに侵攻するというニュースが流れたばかりの時に、落ち着いてテクノロジースタートアップ市場の現状について活き活きとした原稿を書くのは、ちょっと難しい。独裁政治よりも民主主義を信じている人にとっては、かなり暗い一日になるだろう。そして、すぐ近くの地平線上にある、迫りくる地政学的な雲は、さらに悪いニュースを約束している。

それでも、ニュースエンジンは前進していて、自分の分野で何かをしなければならない。そこで、暗号市場での資本リサイクルについて話すことで仕事の手を止めないことにしよう。

それは、ぐるぐると回っていいる

現在、テクノロジーの世界で徐々に勢いを増しているイノベーションの1つが、企業が創立後のより早い段階からベンチャーキャピタル活動(防御的なものも攻撃的なものも)を始めるようになっているということだ。

OpenSea(オープンシー)は、その最新の例だ。同社は米国時間2月12日に、OpenSea Ventures(オープンシー・ベンチャーズ)という組織と「Ecosystem Grants」(エコシステム・グランツ)という名のプログラムを立ち上げることを発表した。どちらも「Web3とNFTの世界的な成長を促進するクリエイター、チーム、新技術を支援することを目的としている」という触れ込みだ。

OpenSeaから資金を得る企業は「OpenSeaのリーダーシップへのアクセス」を行うことが可能で、当然ながらa16z(アンドリーセン・ホロウィッツ)を含むOpenSeaの投資家へもアクセスすることができる。

The Block(ザ・ブロック)が指摘するように「OpenSeaは、ユニコーンのAlchemy(アルケミー)やFTXなどの、独自のベンチャーユニットを立ち上げた数多くの暗号スタートアップの一員になる」のだ。いずれも非公開企業であることをお断りしておく。ともあれ、急成長したブロックチェーン企業が余剰資金を得て、その資金を他のグループに再投資し始めることはよくある話だ。

Intel Capitalが企業のベンチャー取引のパラダイムだった時代は終わった。現在は、Coinbaseがおそらく最近最も尊敬されている企業投資チームだが、ライバルたちはそれに挑戦しようとしている。

だが、本当にそうなのだろうか?この近辺には奇妙なニュアンスがある。

  • Coinbaseは非公開の時代、a16zがバックアップしていた
  • Marc Andreessen(マーク・アンドリーセン)氏は、最近自身の暗号ファンドを立ち上げたKatie Haun(ケイティハウン)氏とともに、Coinbaseの役員として残っている
  • Coinbase VenturesがOpenSeaを支援
  • a16zもOpenSeaを支援
  • OpenSeaは現在、独自の投資を行っているが、理論的にはある程度はa16zとの共同投資となっているはずだ

a16zはまた、独自の投資を行っているAlchemyにも出資しているが、これはなかなかのからみ具合だ。OpenSeaはAlchemyの技術を使用しており、すべてが統合されている(このような中央集権化とファミリー化が、分権化すなわち民主化と正反対であることはいうまでもない)。

資本が暗号を追い、暗号が資本を追うこの渦巻は、いつほど収まり始めるのだろうか、そしていつ内部での競争が強まるのだろうか?もしCoinbaseがかねての計画通り独自のNFTプロダクトをローンチしたら、OpenSeaはいつまで共通の投資家に寄り添っていたいだろうか?Coinbaseがインフラを売りたいと思って、Alchemyのスペースに入ってきたらどうなるのだろうか?Alchemyがどれだけの活動をしているかを考えると、率直に言って、Coinbaseがそれをしない理由はない。

現在、OpenSeaが自らのイグジットの前に、資本を他のベンチャーに再投資しているのは奇妙なことだ。しかし、より大きな暗号資産市場の変化のペースが、単純なビジネスモデルである投機を行う企業を、多数ではないにしても少なくともある程度の数以上生み出したようだ。すごい!そして奇妙だ!

私は、主要な暗号資産プレイヤーとその財政スポンサーのクローズドネットワークを監視しようとしている。私にとっては、他のベンチャーカテゴリーよりも中央集権的で、ちょっと奇妙な感じを受けている。Web 2.0で大金を稼いだ人たちが、この先Web3が何になろうとほとんどの利益を手にしようとしているように見える中で、同じ人たちが、分散型の自律組織やゼロトラスト体制などを推進している話を読み続けていると、口の中にこみ上げる苦みを拭い去ることができない。

さて、私はもう消えて、今は自由な社会と民主主義の運命について心配することにしよう。月曜日までにロシアがウクライナに侵攻していないことを祈る。

画像クレジット:Nigel Sussman

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:sako)

アーティストに大きなチャンスをもたらすはずだったWeb3、蔓延する作品の盗難や肖像権の侵害で評価に傷

Jillian C. York(ジリアン・C・ヨーク)氏はNFT(非代替性トークン)にはなりたくなかった。

ベルリン在住の作家で活動家ヨーク氏は、電子フロンティア財団のInternational Freedom of Expression(言論の自由を守り促進することを目的とするNGO)でも中核を担っている。どういうわけか、彼女の名前はいわゆるCypherpunk(サイファーパンク)の1人としてウィキペディアにも掲載されている。Cypherpunkはセキュリティ、暗号技術、プライバシーを推奨する活動家だ。ヨーク氏はこの3つを支持してるが、それらを自身の最も重要な関心事としたことはない。

「もちろん、ウィキペディアのリストから自分を削除することはできません。ですが私は、暗号技術を支持してはいますが、自分をCypherpunkだと思ったことはありません」と同氏はいう。同氏はウィキペディアの編集ルールを尊重しているため、自身が参加したくもないグループに強制的に参加させられてしまったわけだ。

ところが、2021年のクリスマスイブに、ウィキペディアに掲載されているヨーク氏と多数のセキュリティ賛同者およびCypherpunkたちがトークンマーケットOpenSea(オープンシー)にNFTとして登場したのだ。これらのトークンには、そのCypherpunkの想像画が含まれている。ヨーク氏のトレーディングカードには、回路や指紋とおぼしき背景から彼女の署名のトレードマークである坊主頭がちらっとのぞいている。またヨーク氏は、自分が参加したくないもう1つのグループにも属してしまっている。自分のアートや作品を盗まれてNFTを作成されてしまった人たちのグループだ。同氏は激怒している。理由は2つある。1つは、クリエイターが使用した写真は著作権保護されており、実は彼女の資産ではなかったこと。

もう1つは、名前のスペルが間違っていたことだ。

トレーディングカードはプロの写真家が撮影した写真をもとにしたもので、Jillion Yorkという名前が入っていた。また、こうしたNFTコレクションには、ヨーク氏と同氏の仲間たちに加えて、セキュリティ界隈ではすでに忘れ去られたRichard Stallman(リチャード・ストールマン)やJacob Appelbaum(ジェイコブ・アッペルバウム)などの名前もあった。トレーディングカードに描かれたヨーク氏と数人の人たちは、そうした人たちと一切関わりたくないという考えだった。

「私はこうしたものを一切認めていませんし、削除して欲しいと思っています」とヨーク氏は12月26日にツイートしている。他の多くの支持者や被害者も同様のコメントを寄せている。OpenSeaとNFTクリエーターの間で何度もやり取りが行われた末、ItsBlockchain(イッツブロックチェイン)という会社が要求に応え、すべてのNFTを削除した。

分散化資産を破壊するために中央の管理会社にアクセスする必要があるという現実を多くの人達が皮肉だと感じている。

「まったくばかげているし、疲れます。Web3のデジタル資産という新たな領域では、他人のアイデンティティーをその人の許可なくトークン化し、取引可能な商品として営利目的で販売できるというのですから」とNew Republic(ニュー・リパブリック)の編集者Jacob Silverman(ジェイコブ・シルバーマン)は書いている

ヨーク氏の試練は始まるのとほぼ同時に終わった。NFTのクリエーターHitesh Malviya(ヒテシュ・マルビヤ)氏がヨーク氏や他の被害者たちと連絡を取り、NFT画像を取り下げることに同意したのだ。数日後、これらの画像は削除され、代わりにMedium(ミディアム)の投稿が掲載された。この投稿でマルビヤ氏は次のように述べている。「我々のチームは暗号技術に関する若者達のコミュニティに、Cypherpunkという存在が、今日までにブロックチェーンテクノロジーの発展において果たした重要な役割について知ってほしかったのです」。

「残念ながら、多くのCypherpunkたちがこの考えに反対し、どのような形であれ参加を拒否しました。ですから我々はすべてのCypherpunkたちに、彼らに無許可でNFTを作成したことを謝罪しました」と同氏は説明した。

筆者がNFTについて、また個人の写真と情報、とりわけ他人のアートを金もうけに使うことができると思った理由を尋ねると、マルビヤ氏は不機嫌そうに次のように語った。

「我々はNFTにおける肖像権保護法については認識していませんでした。市場は規制されていないからです」と同氏は直接のメッセージで語った。「我々は3カ月間、人手と時間をかけて教育用のシリーズとこのNFTコレクションを作成しました。今回のことはいい教訓になりました。質問の答えになっていれば幸いです。コメントは以上です」。

今回の事態とそれに関するさまざまなコメントは、拡大しつつも混乱を招いているWeb3の一側面を表している。すべてのものが許可を必要としないなら、誰かの肖像、アート、データを使う際に許可を必要とするのは一体どのような場合だろうか?何より、Tシャツのデザインから裸体まで、何でもNFTに変えようとする輩に歯止めをかけるにはどうすればよいのだろうか?

関連記事:【コラム】NFTと未来美術史「NFTに最も近いのはウォーホルたちのポップアート」

残念ながら、ヨーク氏のようなケースは決して今始まったことではなく、クリエーターを一攫千金狙いのNFTクリエーターから守ることを目的とするまったく新しい産業とツールチェーンが作成されている。

2021年4月、NFTを使った別の大規模な窃盗事件が発生した。アーティストQing Han(ここではQuinni[クイニー])の作品が盗まれ、ヨーク氏のケースと同じプラットフォーム、OpenSeaに再投稿されたのだ。クイニーは健康と慢性病に対する芸術的な見方でファンから愛されていたが、2020年2月にがんで亡くなった。クイニーの死後も、彼女の兄と仲間のアーティストZe Han(ツェ・ハン)氏がクイニーのソーシャルメディアアカウントを維持し、彼女の作品を投稿した。

1年後、泥棒たちがクイニーの作品を匿名で投稿した。ファンからの激しい抗議の後、作品はOpenSeaを含むさまざまなNFTをサイトから取り下げられ、表面上はすべての作品がブロックチェーンから削除された。クイニーの兄はこの件の後、NFTサイトへの参加を拒否している。

「今回の件では、クイニーのアート作品が無許可で販売されていたことを確認のため申し上げておきます」とハン氏はTwitterに書いている。「クイニーのアートが販売されている合法的な場所はありません」(これは今後変わるかもしれないが)。

今回の件で、多くのクリエーターたちがNFTに関して教訓を学んだ。デベロッパーたちは暗号資産にまったく興味のない多くのクリエーター向けにたくさんのツールを作成した。こうしたツールは、彼らが盗まれたアートに気づけるように、窃盗が発生していることを強調するTwitterのフィードをポップアップ表示する

オンライン共有コミュニティDeviantArt(デヴィアントアート)のある重要人物は、大規模なアート盗難に詳しい。

「当社はこのプラットフォーム上で5億点を超えるアートをホスティングしています」とDeviantArtのCMOであるLiat Karpel Gurwicz(カーペル・ガーイッジュ)氏はいう。「当社は何年にも渡って、盗難事件を扱ってきました。別に今始まったことではありません。実際の規制がかけられる前から、オンラインアートコミュニティとして、盗難には常に対処してきました」。

最近同社はブロックチェーン上のユーザーアートを検索するボットを開発した。このボットは、OpenSeaなどの人気のNFTサイトに掲載されているアートを、登録済みユーザーの画像と比較する。また、機械学習を使用して、DeviantArtのサーバーにすでに投稿されているアートに似たアートを見つける。さらには、アーティストにOpenSeaやその他のプロバイダーへの連絡方法を表示することで、削除プロセスも簡素化する。

DeviantArtのCOOであるMoti Levy(モティ・レビー)氏によると、このシステムはまだ、正規所有者によって投稿されたアートと窃盗犯によって投稿されたアートを識別しないという。

「ほぼ完全に一致するアートを見つけた場合は、ユーザーに最新情報を伝えます」と同氏はいう。「そのアートが、そのユーザーのNFTである場合もあります。誰が作成したのかはわかりません」。

このDeviantArt Protect(デヴィアントアートプロテクト)というツールは成功しつつある。すでに8万件の著作権侵害ケースを見つけており、2021年11月から12月半ばまでに送信された通知は4倍増となっている。DeviantArtは、NFTクリエーターたちがすべてのアートをまとめて盗むことができないようにボット対策ツールも追加した。

皮肉にも、NFTを販売している分散化市場は1つまたは2つのプロバイダーの周りに集約され始めている。最も人気のあるプロバイダーOpenSeaでは、ヨーク氏やクイニーのようなケースに専念する完全削除チームを設置した。

DeviantArtは、2022年1月初めの3億ドル(約346億円)のラウンドの後、評価額が130億ドル(約1兆5592億円)に達し、軌道に乗った。同社はNFT市場では並外れた最大のプレイヤーで、アクティブユーザー数は推計126万人、NFTの数は8000万点を超える。DappRadar(ダップレーダー)によると、DeviantArtで過去30日間に行われた取引の総額は32億7000万ドル(約3776億7000万円)、取引件数は2億3300万件に達する。ライバル会社Rarible(ラリブル)の同期間の取引総額は1492万ドル(約17億2000万円)だった。

関連記事:NFTマーケット大手OpenSeaの評価額が約1.5兆円へ、わずか半年で約9倍に

OpenSeaはエコシステムにおける自社の立場をオープンにしており、アーティストからの取り下げ要求にもできる限り迅速に対応していると主張している。

「他人のパブリシティー権を侵害するNFTを販売するのは、当社のポリシーに反しています」とOpenSeaの広報担当者はいう。「当社は、肖像権の侵害であるという通知を受けた場合にアカウントを停止したり使用禁止にするなど、こうした違法行為に対して定期的に複数の方法で対応してきました」。

興味深いことに、OpenSeaはディープフェイクについても断固たる措置を取っているようだ。同社はディープフェイクを同意なしの私的画像(NCII、non-consensual intimate imagery)と呼んでいる。この問題はまだ広く表面化していないが、インフルエンサーやメディア界のスターにとっては有害なものになる可能性がある。

「当社はNCIIに対しては一切容認しない方針で対処しています」と同社はいう。「NCIIまたはその類の画像(ある人物に故意に似せて修正された画像も含む)を使用したNFTは禁止しています。またそうした作品を投稿したアカウントは迅速に使用禁止にしています。当社は顧客サポート、信頼性、安全性、サイト保全性を維持するための取り組みを積極的に拡充し、コミュニティとクリエーターを保護し支援できるように迅速に対応しています」。

しかし、こうしたOpenSeaの取り組みに対し、多くのアーティストたちは満足していない。アーティストたちの多くは、自分たちの作品や仲間の作品がNFTプラットフォーム上で盗まれる事態になる前から、NFTに対して懐疑的だった。多くのユーザーたちが依然としてOpenSea上に自分たちの作品を見つけており、これに対して公に苦情を申し立てると、OpenSeaなどのプラットフォームの正式な窓口担当者と称するサポート詐欺師たちが押し寄せてくるという。

こうした混乱のため、DeviantArtのレビー氏によると、同社はNFTを探索してはいるものの提供するのは断っているという。実際、同氏はユーザーはNFTを欲しがっているとは思わないと考えている。

「長期的には、Web3は興味深いですし可能性もあると思いますが、アーティストを保護し支持するようなもっと良い方法で展開すべきです。アーティストを危険にさらすような方法には絶対に賛成できません」。

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(文:John Biggs、翻訳:Dragonfly)

Web3のパワープレイヤー「アニモカブランズ」大解剖

ここ1年間程度でAnimoca Brands(アニモカブランズ)という名を耳にしたことがないという読者は勉強不足だ。デジタルエンターテインメント、ブロックチェーン、ゲームなどさまざまなコンテンツを提供し、香港に拠点を置く創業8年目、従業員600人の同社は、ますます多くの関係者が次世代のウェブと考える世界で最も活動的な1社となっている。

LAを拠点とするFan Controlled Football League(ファン・コントロールド・フットボール・リーグ)は、ファンがチームに関する決定をリアルタイムで投票するスポーツリーグで、米国時間1月13日、Animocaが共同リードするシリーズAの資金調達で4000万ドル(約45億9000万円)を調達したと発表した。スマートフォンやタブレット向けのゲーム開発からスタートしたAnimocaは、2017年頃にブロックチェーンゲームに進出して以来、150社以上の企業に投資を行っている。

それはまるで運命の出会いのようなもので、Animocaの創業者であるYat Siu(蕭逸)氏にとっては一目惚れともいえるものだった。当時Animocaは、ベンチャースタジオのAxiom Zen(アクシオム・ゼン)とオフィスを共有していたFuel Powered(フュエル・パワード)という会社を買収しようとしていたのだが、その際Axiomが取り組んでいた CryptoKitties (クリプトキティーズ)というブロックチェーンゲームに蕭氏は強く惹かれたのである。Axiomの創業者であるRoham Gharegozlou(ローハム・ガレゴズロウ)に助言をしていたFuel Poweredの共同創業者、Mikhael Naayem(ミカエル・ナイエム)を通してその存在を知ったという。

その直後の2018年初頭、AnimocaはAxiom Zenと1年更新の独占ライセンスおよび販売契約を結び、CryptoKittiesの出版契約を結ぶことになる。これが大反響を呼んだため、ナイエム氏とガレゴズロウ氏はチームを組んでDapper Labs(ダッパー・ラブズ)を設立し、Animocaが初期バッカーとなったのだ。現在Dapper LabsはNBA Top Shot(NBAトップショット)マーケットプレイスでさらに有名になっている。

それ以来、Animocaはすばらしい業績を上げている。パブリッシャーとして、また最近ではブロックチェーン資産やトークンの買い手としても活動しており、その膨らみ続けるポートフォリオには、10月に30億ドル(約3436億8000万円)の評価額で約1億5000万ドル(約171億9000万円)の資金調達を完了した世界的大ヒット作Axie Infinity(アクシー・インフィニティ)の開発元Sky Mavis(スカイメイビス)や、プレイヤーがゲーム内資産を作成して収益化できるゲームで、11月にSoftBank(ソフトバンク)が主導して9300万ドル(約106億6000万円)でシリーズBの資金調達を完了した人気メタバーススタートアップThe Sandbox(ザサンドボックス)などが含まれている(2022年1月初旬時点で、ユーザーがSandboxで購入できる最も小さな土地の価格は1万1000ドル[約126万円]以上だった)。

またAnimocaは、現在133億ドル(約1兆5218億円)もの評価を受けているNFTマーケットプレイスOpenSea(オープンシー)に早くから出資し、2021年ブレイクしたプロジェクトの1つであるBored Ape Yacht Club(ボアード・エイプ・ヨット・クラブ)と協力してBored Apeをテーマにしたゲームを制作するなど、常に活動的な姿勢をアピールしている。

こういったことすべてが積み上げられ、1月初旬に蕭氏と話したところによると、2021年11月下旬の時点ではAnimocaの保有資産は約160億ドル(約1兆8297億円)になっていたという。これはAnimocaがSequoia Capital China(セコイア・キャピタル・チャイナ)も参加した6500万ドル(約74億3000万円)の資金調達ラウンドで22億ドル(約2516億円)と評価されてから間もなくのことである。

興味深いのは、Sequoiaと残りのシンジケートが上場株式を買い上げたことだ。蕭氏の説明によると、Animocaは以前オーストラリア証券取引所で取引されていたのだが「Animocaが暗号を扱っていることが気に入らなかった」ため、2020年3月に上場廃止にされたという。現在同社は非上場公開会社として運営されているため、自社サイトやメーリングリストを通じて株主とコミュニケーションをとることができ、約2500人の株主が他の個人に株式を個人的に売却することができるのだ(誰がそれを所有しているかを知ってさえいれば買うことができる)。

一方、OpenSeaとDapper Labsの株式は同社の資産の一部とみなされており、その価値は今のところ理論上のものとなっている。「貸借対照表科目と同じで、基本的にAnimoca Brandsの資本価値に回っていきます」と蕭氏は話している。

Animocaの道のりに障害がなかったわけではない。米国時間1月10日、スポーツNFTを鋳造するAnimocaの子会社にセキュリティ違反があり、ユーザーは1870万ドル(約21億3700万円)相当のトークンを失い、子会社のトークン価格は92%も暴落してしまった(この華麗な新世界には独自のリスクがついてまわるのだ)。

それでも、現在Animocaのグループ執行会長兼マネージングディレクターである蕭氏は明らかにWeb3の信奉者であり、完全な分散型ビジネスを実現するための実用性を含め、最近よくささやかれている批判をあまり信用していない。

例えばBox(ボックス)のCEOであるAaron Levie(アーロン・レヴィ)氏は最近Twitter(ツイッター)で、コミュニティの意見に依存する分散型組織が常に合意形成の試みに追われていては、どう競争できるのかと疑問を呈している。

このことについて問われると、蕭氏は「全ユーザーが先見の明があるわけではありません。比較するものがあれば、何がベストなのかわかるようになるでしょう」と答えている。

蕭氏によると、現在Animocaは2022年に実行する可能性のある投資やパートナーシップに重点を置いており「ゲームスタジオをブロックチェーン上に移行させ、エンドユーザーに本質的にデジタル財産権を提供する」ためにゲームスタジオの買収を続けていると話している。また投資面では、NFTのようなデジタルプロパティのネットワーク効果を発展させ、成長させることができるインフラに惹かれているとも伝えている。

それがどういうことかというと「融資、DeFi、細分化、プロトコル、そしてレイヤー1(ブロックチェーン)、レイヤー2(ブロックチェーン)」なのである。実際Animocaは、急成長中の企業が成長を続けるために必要な「クロスチェーン」を重要視しているのだ。

「企業がゲーム資産やNFTを立ち上げる際、例えばEthereum(イーサリアム)でも立ち上げて欲しいのですが、同時に(Dapper Labsによって設計されたブロックチェーンの)Flow(フロー)も検討するべきなのです。またSolana(ソラナ)でも開始して欲しいですし、HBAR(ヘデラハッシュグラフ)も検討して欲しいのです。つまり、できるだけ多くのプラットフォームかつできるだけ多くのプロトコルで、資産を展開することを推奨しているのです。それはこの独立性が非常に重要であると私たちは考えているからで、チェーンを国と同じように考えています。もし、ある国でしか製品を発売できないのであれば、その国の文化や可能性に制限されることになるからです」。

オーストリアで中国系として育ち、若干10代でドイツのAtari(アタリ)に就職し、その後同氏が初めて立ち上げたスタートアップを魚油会社に売却した蕭氏との対談は、ここから聞いていただける。Facebook(フェイスブック)のメタバース計画、Jack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏のWeb3に関する考え、中国が境界線を引き直す中で香港のビジネス界がどのように変化しているかなど、さまざまなことを話し合った。

関連記事:イーサリアムよりはるかに高速だと主張するトップ暗号資産投資家たちに人気のブロックチェーンプラットフォーム「Solana」

画像クレジット:South China Morning Post / Getty Images

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(文:Connie Loizos、翻訳:Dragonfly)

デジタルファッションブランド「XXXXTH」がNFTタトゥーのAR試着体験をSnapchatで提供開始

デジタルファッションブランド「XXXXTH」がNFTタトゥーのAR試着体験をSnapchatで提供既読が運営するデジタルファッションブランド「XXXXTH」(フォックス)は1月20日、2021年発表したNFTコレクション「ネオ東京 – “人気”に潜む光と闇」の一部アイテムに関して、ARサービスを提供するOnePlanet協力のもと、SnapchatAndroid版iOS版)を利用したAR試着体験の提供開始を発表した。また、同日17時からNFTマーケットプレイス「OpenSea」「Foundation」で対象商品を販売する。

AR対象は、「Defensive attack #02」「狐 GAME BOYS #02」「OtattoO AImi」の3アイテム。Snapchatのアカウントを持っていれば誰でもAR試着を体験できる。

「Defensive attack #02」

「狐 GAME BOYS #02」

「OtattoO AImi」

  • Snapchat URL:AImi
  • 販売場所:Foundationで販売予定。XXXXTH公式Twitterで販売URLを公開予定。ARは素肌での利用となり、服の上からは表示されない
  • 販売期間:2022年1月27日〜28日

XXXXTHは、現実世界と仮想世界(メタバース)を横断する日本発のアパレルブランド。遠くない未来に、2つの世界の境界がなくなり、どちらの世界に存在する自分も本当の自分になる日が来ると考えており、そんな未来を楽しく過ごせるような、デジタルウェアを展開しているという。

また、「東京がメタバース化され、性別・容姿・職業など、あらゆるものを自分の思うがままに設定することができたらどうなるだろう?」という妄想から「ネオ東京 – “人気”に潜む光と闇」コレクションの構想に至ったそうだ。

NFTマーケット大手OpenSeaの評価額が約1.5兆円へ、わずか半年で約9倍に

NFTオークションマーケットプレイスのOpenSea(オープンシー)は2021年に大ヒットとなり、その結果、同社のプライベート評価額がほぼすべての他のスタートアップよりも急速に増加している。

暗号資産企業の同社は、米国時間1月4日夕方、ParadigmとCootueが主導するシリーズCラウンドで3億ドル(約348億円)を調達したと発表した。この資金調達により、同スタートアップの評価額は133億ドル(約1兆5440億円)となり、ここ数カ月の間に見られた同社の急激な成長を示すものとなった。シリーズCラウンドの詳細については、11月にThe Informationが最初に報じ、5日、Newcomerが追加情報を確認した。

OpenSeaは、過去30日間の取引量が24億ドル(約2786億円)を超え、2021年は数億ドル(数百億円)の手数料を獲得した。この会社の評価額は、わずか6カ月前にAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)の暗号資産投資部門から与えられた15億ドル(約1741億円)の評価額から急上昇しており、これはOpenSea自体の取引量の増加だけでなく、2021年に76億ドル(約8825億円)の評価額で資金調達したDapper Labs(ダッパー・ラブス)を含む他の主要なNFT企業の評価額も反映している。

OpenSeaのDevin Finzer(デビン・フィンザー)CEOはブログ記事の中で、2021年に同プラットフォームの取引量が「600倍以上」増加したことを強調している。

OpenSeaは、数十におよぶ他のNFTマーケットプレイスからは追い落とす相手として注目されているが、現時点では主要な競争相手はほとんどいない。ただし、Coinbase(コインベース)はこの機会に注目しており、または他のNFTマーケットプレイスが立ち上がって資金を獲得すれば、状況は変わるかもしれない。2021年にNFT市場は多くの参加を得たが、OpenSeaの価値実現は、同社の継続的な成功と、急成長中の暗号収集品の世界に新規参入者を誘う能力にかかっている。

関連記事:NFTマーケットプレイスのOpenSeaが「ガス代」排除に向け、複数のブロックチェーンに対応を計画

画像クレジット:Tony Hisgett / Flickr under a CC BY 2.0 license.

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(文:Lucas Matney、翻訳:Aya Nakazato)

テック起業家がジョンソン英首相をパロディ肖像画NFTで風刺、収益をホームレス支援チャリティに寄付

NFT市場はクレイジーなものとなったが、NFTが莫大な価値を持つようになっても、猿やパンクのポン引き画像以外にも、NFTを使ってできることは増えてきている。

例えば、マンションがNFTとしてオークションにかけられるのも我々は見てきた。

関連記事:キエフのアパートが収集可能なNFTとして初オークション、ブロックチェーンスタートアップPropyが企画

そして最近は、慈善団体がこの熱狂状態からメリットを得て、新しいオーディエンスを惹きつけつつ、透明性のある方法で資金を調達しようとしている。

Binance(バイナンス)でも、Binanceチャリティ財団が設立したオープンプラットフォーム「NFT for Good」を立ち上げ、人々が自分のアートやクリエイティビティを社会的・人道的な問題を対象としたオークションに変換できるようにした。

NFTが資金調達のプロセスをゲーム化していることが、こうしたプロジェクトが成功している理由の一つだ。

同時に、暗号アートは、ダダイズムや風刺のリアリズム領域に入りつつある。2017年7月のICOで、最初の30分で3万ドル(約342万円)を調達したFUCKというイーサリアムのトークンを覚えているだろうか?今では、現在260.774イーサまたは104万ドル(約1億2000万円)の値がついている、NFTとしての世界で最もリッチな線(文字通り赤インクで描かれた線)がある。

NFTアートと風刺の世界は、NFTプラットフォームOpenSeaで公開されたばかりの新プロジェクト「Non Fungible Tories – The Boris Drop」でも融合している。

これは、英国のBoris Johnson(ボリス・ジョンソン)首相を描いた8ビットパロディ肖像画のセットで、収益の52%(悪名高いBrexit、EU離脱投票の過半数と同じ割合)を、ホームレスを支援する英国の慈善団体に寄付するというものだ。

NFTシリーズでは、自らを「Pfeffel, a punk artist」と名乗るアーティスト(英国を拠点とするテック企業の創業者であることが、TechCrunchによって確認されている)が、ジョンソン英首相の最も有名な言葉を風刺している。

Pfeffel氏は「a clown, an oaf, a wager of culture war, and a pound-shop Churchill(道化師、愚か者、文化戦争の賭け人、1ポンドショップ[訳註:100円ショップのような意味合い]チャーチル)」へのトリビュートとして、ジョンソン氏の「Watermelon smile(スイカの微笑み)」「Letterbox(レターボックス)」、そしてジャーナリストの質問に答えずに冷蔵庫に隠れた瞬間などの名言をもとに、一連のNFTを作成した。

また、英国でパンデミックのロックダウンの最中に、No.10(官邸)でパーティーを開きチーズやワインをふるまっていたという、最新の論争も風刺している。この「2ビットの政治家の8ビット画像」はすべて初版となる。

Pfeffel氏は、クリスマスシーズンに英国の路上で生活するホームレスの人々を支援する慈善団体「Crisis at Christmas」に、NTFオークションの利益を寄付することを約束した。

確かにNFTのアーティストにとって、ジョンソン氏のネタはいくらでもある。

​​ジョンソン氏は、新型コロナウイルスのパンデミックに関して「fuck business(ビジネスなんてクソ食らえ)」や「let the body pile up(死体を山積みにしてしまえ)」というような言葉を使ったことで有名になり、「配慮と良心のない」政治家としての評価が高まっている。また、英国の援助予算を削減し、同国は彼の任期中に欧州で最も新型コロナによる死亡率が高くなり、G7の中で最も深刻な経済不振に陥っている。

Pfeffel氏はTechCrunchに語った。「悪魔を懲らしめる方法のひとつは、彼を笑うことです。私のアートはジョンソン氏を笑い飛ばします。これらのNFTが、死体が山積みになっているのにパーティーを楽しんでいるように見える政府から忘れ去られた路上の人々の苦しみを、何らかの形で和らげる手助けになることを期待しています」。

オークションは、英国時間12月21日正午(日本時間12月21日午後9時)に開始され、大晦日の正午に終了する。

オークションの最新情報は、こちらのTwitterでご覧いただける

画像クレジット:Non Fungible Tories – The Boris Drop

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(文:Mike Butcher、翻訳:Aya Nakazato)

手塚プロダクション初のデジタルアートNFT「鉄腕アトム」が約5300万円(120ETH)で落札

手塚プロダクション初のデジタルアートNFT「鉄腕アトム」が約5300万円(120ETH)で落札double jump.tokyoは12月20日、メタバース連携を支援するNFT事業支援サービス「NFTPLUS」を通じプロデュースを行っている、手塚プロダクション初の公式NFTプロジェクト「From the Fragments of Tezuka Osamu」(手塚治虫のかけらたちより)において、シリーズ第1弾「鉄腕アトム」のデジタルアートNFTが120ETH(約5300万円)で落札されたと発表した。鉄腕アトムに続き「ブラック・ジャック」「火の鳥」の3種を現在企画中で、順次展開予定としている。

鉄腕アトムは、手塚治虫氏の漫画原稿で構成されたモザイクアートNFTとなっており、2021年12月18日にNFTマーケットプレイスOpenSeaで行われたオークションにおいて落札された。手塚プロダクションは、同プロジェクトのデジタルアートNFT(モザイクアート・ジェネレーティブアート双方)の純売り上げをユニセフと日本の子供のための組織に各10%寄付する。手塚プロダクション初のデジタルアートNFT「鉄腕アトム」が約5300万円(120ETH)で落札

From the Fragments of Tezuka Osamuは、日本のマンガの礎を築いた手塚治虫のチャレンジャー精神を受け継ぎ、デジタルアートNFTという新たなジャンルで手塚作品やメッセージ性を魅力的に発信するというプロジェクト。手塚治虫の代表作品を題材に、「モザイクアートNFT」「ジェネレーティブアートNFT」の2形態でデジタルアートNFT作品を展開している。


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LyftのCFOを長年務めたブライアン・ロバーツ氏が退社、NFTマーケットプレイスOpenSeaのCFOに就任

Lyft(リフト)のCFOを長年務め、同社を上場させたBrian Roberts(ブライアン・ロバーツ)氏は、2014年に入社したこのライドシェア企業を退社し、NFTマーケットプレイスのOpenSea(オープンシー)で同じ役割を担うことになったと、米国時間12月6日に発表した。同氏は以前の報道をTwittert(ツイッター)への投稿で正式に認めたかたちだ。

今回のロバーツ氏の退社は、大手ハイテク企業の「伝統的な」名簿から、いわゆるWeb3.0暗号資産スタートアップに向けて、幹部やエンジニアがどれほど移行しているかを示す新たなシグナルといえる。OpenSeaは、過去2年の間に何十社ものユニコーンを生み出したベンチャーキャピタリストから再び注目されている暗号資産の分野で、急成長しているスタートアップ企業の1つだ。

OpenSeaは、活況を呈するNFT(非代替性トークン)業界の申し子のようなスタートアップだ。同社の評価額は2021年の夏に15億ドル(約1700億円)に達したが、テクノロジー系メディアのThe Information(ジ・インフォメーション)は2021年11月、OpenSeaが100億ドル(約1兆1360億円)の評価額で調達のオファーを受けたと報じている

NFTは、2021年に特に熱く盛り上がった。多くの人が、2021年はじめのブームの後には活動が鈍る冬がくると予測していたが、この代替資産クラスは、オンラインにおける会話や推測の避雷針としての役割を果たしながら、熱狂の積み上げと取り崩しを繰り返している。非常に活発な秋が過ぎた後、OpenSeaのビジネスは少し冷え込んだが、しかし同社のマーケットプレイスでは、過去30日間に24万以上の有効な暗号ウォレットアドレスで、19億ドル(約2160億円)近い取引が依然として行われている。

画像クレジット:Michio Morimoto Flickr under a CC BY 2.0 license.

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

NFTマーケットプレイスOpenSeaの苦悩、「真の友人は正面から君を刺す」

スタートアップとマーケットの週刊ニュースレター「The TechCrunch Exchange」へようこそ。

みなさんこんにちは!今日は気楽な話題なので、くつろぎながら読んで欲しい。

よく知られているオスカー・ワイルドの言葉に「真の友人は正面から君を刺す」というものがあるが、この言葉は覚えておくべき機知に富んだ真実だ。Coinbase(コインベース)がNFTに参入するという最近の決定について、ここ1、2週間あれこれと考えているうちにこの言葉が浮かんできた。

関連記事:CoinbaseがNFT市場参入を発表、OpenSeaに対抗するマーケットプレイスを準備中

いくつかの事実を知れば、ワイルドの言葉がなぜ今の状況に合っているのかがわかるだろう。

  • a16z(アンドリーセン・ホロウィッツ)の共同創業者であるMarc Andreessen(マーク・アンドリーセン)氏は、上場前から支援してきたCoinbase(コインベース)の役員を務めている
  • 一方a16zはOpenSeaのシリーズAを主導した。これは2300万ドル(約26億円)規模で、NFT市場に多額の資金と信用をもたらした
  • Coinbase VenturesもOpeanSeaに投資しているが、これは同VCが行ってきた数多くの投資の1つだ
  • そしていま、CoinbaseがNFTに参入することを発表したことで、ウェイティングリストに大量の登録者が集まった

暗号資産ウォッチンググループのDappRadar(ダップレーダー)によれば、現在OpenSeaは最大のNFTマーケットプレイスだ。もし競合するソリューションに興味を示したユーザーたちが、著名な暗号資産投資プラットフォームであるCoinbaseで実際にNFTを売買するようになれば、CoinbaseはOpenSeaを圧倒するかもしれない。

そうなると、OpenSeaは困った立場になるだろう。

VCが上場後も企業の取締役に留まるのは、彼らがそうすることを選択し、そして投資先企業が彼らを引き留めるのであれば問題はない。公開された企業のボードメンバーになることを習慣にしているVCもある。例えばMarc Andreessen(マーク・アンドリーセン)氏は、Facebookの取締役会に参加しているが、Facebookはアンドリーセン氏についての説明の中で、彼が以前にeBayやHPで取締役を務めていたことを紹介している。やるもんだ。

しかし、ある投資家が上場後も投資先企業の役員に留まりながら、同じ投資家の会社のポートフォリオ企業と直接対抗することを決めたとすると、少し厄介なことになる。その投資家がまだ働いているところ。仮に私がOpenSeaの立場だったとすると、アンドリーセン氏がCoinbaseのボードにいて同時に彼のベンチャーファーム(a16z)が私(OpenSea)の投資者に名を連ねているときに、Coinbaseが私の市場を攻撃することを決めたとしたら、私は腹を立てるだろう。

「真の友人は正面から刺す」ものなのか?

また、Facebookによる最近の暗号資産の推進は、ご存知の通りCoinbaseとの提携であることも思い出そう!

関連記事:フェイスブックが暗号資産ウォレット「Novi」の試験運用を米国とグアテマラで開始

また最近、Facebookのボードメンバーが関わる皮肉な事態は他にもみられた。例えばPeter Thiel(ピーター・ティール)氏はFacebookの役員だ。そして彼は同時に、政治家を目指すJ.D. Vance(J.D.バンス)氏も支援している。ここで注目すべきは、J.D.バンス氏が選挙に出馬しながらFacebookを攻撃している点だ。個人的には大企業が中小企業を沈めようとしているのを見るのは好きではないので、OpenSeaの事態を眺めているのは少々不愉快だが、Facebookの資金が循環してFacebookの尻に噛みついているのを見るのは、その過程で稚魚たちが被害を受けていないこともあって滑稽だ。

とはいうものの、もう少し取締役会の席を他者に譲ったほうが良いのではないだろうか。そうでなければ、a16zは自分たちが支援している創業者たちを貶めるような活動を続けることなってしまうだろう。

Volvoその他のIPO

今週は時間を見つけてVolvo(ボルボ)の公開について調べようと思っていたが、それはかなわなかった。ここで会社自身によるノートを見ることができる。Volvoから分離したPolestar(ポールスター)は、SPACを使って株式を公開している。

そして先週の終わりに、Braze(ブレイズ)は株式公開を申請した。この会社とそのS-1については、米国時間の月曜日の朝一番に詳しくお伝えする。

今後も、(冗談抜きで)最高の企業ギフトプラットフォームを構築しようと競い合う熾烈なスタートアップレースの様子などを紹介していく。

関連記事:ボルボの高級EVブランドPolestarが約2兆2200億円の評価額でSPAC上場へ

画像クレジット:Nigel Sussman

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:sako)

暗号化チャットアプリSignal開発者がNFTの潜在的な脆弱性にスポットライト、購入すると「ウ〇コ絵文字」に変わるNFT公開

暗号化チャットアプリSignal開発者がNFTの潜在的な脆弱性にスポットライト、購入すると「ウ〇コ絵文字」に変わるNFT公開

TBA via Getty Images

セキュアなメッセージングアプリ「Signal」の創業者で暗号化技術のエキスパート、モクシー・マーリンスパイク氏が、表示するプラットフォームによって紐付けられた画像データの見え方が変わってしまうNFTをリリースしました。また、そのNFTは購入したのウォレットにウ〇コの絵文字( )を表示するとのこと。

NFTは、アート作品や貴重なメディアデータのオリジナル性と所有権を証明するためにブロックチェーン上に保存されるトークンのこと。デジタル鑑定書とでも言えばわかりやすいかもしれません。

しかし、マーリンスパイク氏がリリースしたNFT「At my whim, #1」は、他の誰かがそれを購入した際にデジタルウォレット内にウ〇コの絵文字が表示されます。さらにNFTプラットフォームのOpenSeaと、NFT販売所のRaribleそれぞれで、紐付けられたはずの画像の見え方が異なるとのこと。

マーリンスパイク氏はこのNFTを使った悪戯について、紐付けられたものの所有権を証明するはずのNFTが持つ脆弱性にスポットライトを当てることが目的だとしています。

NFTは技術的にはブロックチェーン上に保存されるユニークなデジタルトークンです。しかしほとんどの場合、実際にそこに保存されるのは記録だけで、アート作品などのデータは別のどこかに保管されることになります。

つまり、NFTに高額の代金を支払ってオリジナルデータとされる画像を購入したつもりでも、肝心のオリジナルデータはブロックチェーンとは異なるところにあり、保存先のなすがままに「いつでもNFTの画像を別のものに差し替えられる」可能性があるということです。

マーリンスパイク氏はOpenSeaおよびRaribleの説明書きに「あなたはこのファンクションコール」を所有しているかもしれませんが、私はファンクションそのものを所有しています」と記しています。

(Source:Moxie Marlinspike(Twitter)Engadget日本版より転載)

NFTマーケットプレイスのOpenSeaが「閲覧のみで売買はできない」アプリを発表

「分散型インターネットのAmazon(アマゾン)」といわれるOpenSea(オープンシー)にとって、米国時間9月17日は大きな意味のある日になった。同社がiOSAndroid用のアプリを発表したのだ。ほとんどの企業にとって、モバイルアプリを用意することは、15億ドル(約1650億円)の評価額を達成する前に到達するマイルストーンである。しかしNFT(非代替性トークン)アートであってもなくても、実際の店舗で販売するときと同様に、アプリストアでの取引には、AndroidでもiOSでも、高額な手数料を取られる。おそらくそのためだろう、OpenSeaから華々しく登場したこの新しいアプリは、NFTを閲覧するためだけのものであり、売買するためのものではない。ちなみにOpenSeaは、8月に200万件の売買を記録しており、その取引総額は34億ドル(3738億円)に上る。Apple(アップル)とGoogle(グーグル)はアプリ内取引の30%を徴収するため、もしこれらの取引がアプリ内で行われたとしたら……34億ドルの30%、つまり10億2000万ドル(約1122億円)が両社の懐に入っていたことになる。

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もっとも、より大きな障害となっているのは、おそらくアプリ内での支払いを暗号資産で行う方法がまだないことだろう。OpenSeaが売買に対応するためには、米ドルで支払うためのインフラを構築し、より多くのユーザーをそちらに誘導する必要がある。しかし、OpenSeaの魅力の1つは、主としてEthereum(イーサリアム)ブロックチェーンに依存した暗号資産ネイティブなプラットフォームであり、NFTがいつ鋳造されたか、誰が鋳造したか、どのように取引されたかなどの情報に人々が容易にアクセスできることだ。同社がそのプラットフォームを、よりドル寄りの方向に推し進めれば、既存のユーザーのエコシステムを混乱させる可能性がある。

このOpenSeaのアプリでは、ユーザーは自分のプロフィールに接続し、NFTの閲覧、NFTのお気に入り登録、NFTの検索とフィルタリング、コレクションとアイテムの統計情報の閲覧ができる。アプリ内でNFTを閲覧すると、そのNFTをアプリ外で共有するためのボタンが表示される。同じくNFTのマーケットプレイスであるRarible(ラリブル)は、1カ月ほど前にモバイルアプリをリリースしている。OpenSeaのアプリと同様、RaribleのアプリもNFTの閲覧のみが可能で、売買やトレードはできない。

関連記事:NFTをもっと親しみやすいものに、販売・オークション可能なNFTマーケットプレイスRaribleが約15.8億円調達

画像クレジット:OpenSea

そのうちアプリでNFTを売買できるようになるのかなど、OpenSeaのアプリに関する同社の計画についてTechCrunchは質問したが、回答は得られていない。もっとも、アプリで暗号資産の取引を行うものが、今までなかったというわけではない。PayPal(ペイパル)でも今や暗号資産による支払いが可能になっている。むしろ、OpenSeaのアプリは、ウォレットやブロックチェーンなどについて何も知らない人でも、簡単にNFTアートを閲覧できるユーザーフレンドリーな方法を提供することで、新しいユーザーをNFTの世界に呼び込かもしれない。

なお、このアプリが発表されたのは、OpenSeaの幹部がインサイダー情報に基づいてNFTを取引したとして告発されてから数日後のことだった。同社は米国時間9月15日にブログで、この従業員がその後、辞職したことを明らかにしている。

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画像クレジット:Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

人気NFTプラットフォーム「OpenSea」がトップ幹部によるインサイダー取引事件を認める

「NFTのeBay」として知られるOpenSea(オープンシー)は、社員の1人が同プラットフォームから得たインサイダー情報を利用して暗号デジタル資産を取引していたことを認め、スキャンダルになっている。

米国時間9月14日、NFTプラットフォームであるOpenSeaのトップ幹部が、NFTコレクションがプラットフォームのホームページに掲載される前に購入し、プラットフォームでの販売を前倒ししたとして告発された。Twitter(ツイッター)ユーザーの@ZuwuTVによると、同スタートアップの製品マネージャーは、秘密口座の暗号資産ウォレットを使用して、OpenSeaのメインページに掲載される前にドロップを購入し、OpenSeaで公開された直後に販売して、その利益を自分のメインアカウントに戻していたという。ユーザーたちは、当時OpenSeaのトップページに掲載されていたNFTドロップを含む、パブリックブロックチェーン上でその幹部に紐づけられたアカウントからのいくつかのトランザクションにリンクしている。

15日、OpenSeaはこの事件を認めたようで、ブログ記事の中で「社員の1人が、当社フロントページに表示されるように設定されていると知っていたアイテムを、公開前に購入していたことを知りました」と述べている。同社はこの社員を特定していないが、事件について「ただちに」調査を行っていると述べた。2021年7月にはAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)が主導したシリーズBで1億ドル(約109億円)を調達し、15億ドル(約1640億円)の評価を受けた同スタートアップは、署名のないブログ記事の中で、今回の事件は「非常に遺憾なことだ」と付け加えた。

OpenSeaのDevin Finzer(デビン・フィンザー)CEOは、ツイートで「我々は昨日の事件を徹底的に検証しており、OpenSeaのユーザーのために正しい行動を取ることを約束します」と述べている。

2021年8月、34億ドル(約3718億円)の取引量を記録したOpenSeaは、従業員が機密情報を利用して自社プラットフォーム上で自社のユーザーとNFTを売買することを防止するルールを設けていなかったようだ。同社は、チームメンバーが「コレクションやクリエイターを特集・宣伝している間は、それらのコレクションやクリエイターから売買することはできない」、そして「OpenSeaプラットフォームで入手できるかどうかにかかわらず、機密情報を使用してNFTを購入・販売することを禁止する」というポリシーを今では実施している、と詳述している。

SEC(米国証券取引委員会)が暗号資産クラスに関する公式なガイダンスをほとんど出していないにもかかわらず、ほとんどのNFTは一般的には有価証券とはみなされていない。しかし一部では、異なる売買の仕組みや継続的な報酬体系が、NFTの販売をさらに証券の領域にプッシュしているのではないかと疑問視されている。

米上院銀行委員会のSherrod Brown(シェロッド・ブラウン)委員長は14日、暗号資産市場とSECの執行の関係について議論が行われた公聴会(The Blockによる書き起こし)で次のように述べた。「多くの人々が、新しいデジタル資産の価値の劇的な上昇に誘惑されています。プロの投資家や著名人の中には、数百万ドル(数億円)を稼ぐことが簡単に見えるような人もいます。しかし、私たちが何度も思い知らされるように、それは決して簡単なことではありません。そして、あまりにも多くの場合、誰かが手っ取り早く利益を得るために、労働者やコミュニティ全体が犠牲になります」。

TechCrunchはOpenSeaにさらなるコメントを求めている。

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(文:Lucas Matney、翻訳:Aya Nakazato)

NFTマーケットプレイスのOpenSeaが「ガス代」排除に向け、複数のブロックチェーンに対応を計画

NFT(非代替性トークン)オークションのマーケットプレイスであるOpenSea(オープンシー)にとって、この2021年は激動の年となっている。2021年初めにNFTがどこからともなく爆発した時、このスタートアップ企業はニッチな分野で非常に有利な立場にあった。それ以来、OpenSeaはユーザーベースを拡大し、売上総額を急増させ、さらに多くの投資家から資金を提供されている。

OpenSeaは2021年3月に、資金調達額2300万ドル(約25億3000万円)でシリーズAラウンドを完了したことを発表したが、それから約4カ月後、アンドリーセン・ホロウィッツが主導するシリーズBラウンドでさらに1億ドル(約110億円)を調達し、評価額は15億ドル(約1650億円)に達したとTechCrunchに語った。今回のラウンドには、Cootue(クートゥー)、CAA、Michael Ovitz(マイケル・オーヴィッツ)氏、Kevin Hartz(ケヴィン・ハーツ)氏、Kevin Durant(ケヴィン・デュラント)氏、Ashton Kutcher(アシュトン・カッチャー)氏などが参加した。

夏の初めに成層圏から下落したにもかかわらず、広範なNFT市場はまだ活気に満ちており、OpenSeaは引き続き活発な動きを見せている。2021年6月の売上高は1億6000万ドル(約176億円)で、7月はこの数字を超える勢いだと、CEOのDevin Finzer(デビン・フィンザー)氏はTechCrunchに語っている。

同社の成長を阻む障害となった1つの要因は、そのマーケットプレイスの基盤となっているEthereum(イーサリアム)ブロックチェーンに特有のインフラ問題だった。イーサリアムブロックチェーンは、間もなくネットワークの大型アップグレードが予定されているが、NFTブームに追いつくのに苦労しており、時に高額な「ガス代」をユーザーに負担させることがある。アイテムの生成や取引に必要なこれらの手数料は、この数週間に大きく下落したが、OpenSeaは長期的なスケーラビリティを目指すため、さらにいくつかのブロックチェーンをプラットフォームでサポートすると発表した。

同社はまず、人気の高いレイヤー2のイーサリアムブロックチェーンであるPolygon(ポリゴン)に対応する。Polygonは、よりエネルギー効率の高い構造を持っているため、OpenSeaはこのブロックチェーン上のクリエイター、バイヤー、セラーのガス代を完全に排除することができる。ガス代がなくなれば、OpenSeaにとっては、ゲームやイベントの分野でNFTの将来性を見出すなど、野望を拡大できる勝算が高くなると、フィンザー氏は語っている。

OpenSeaは、Polygon以外にも、Dapper Labs(ダッパーラボ)のFlowブロックチェーンや、Tezos(テゾス)との統合を計画しているという。

複数のブロックチェーンにまたがって運用するということは、各ネットワークのサポートレベルが異なるプラットフォーム間で運用する消費者にとって、いくつか頭痛の種となる可能性がある。また、NFTの投資家の中には、イーサリアムよりも実績の乏しいブロックチェーンで商品を購入することに躊躇する人もいる。新しいブロックチェーンは、長年の間にサポートを失うかもしれないと心配だからだ。

しかし、全体としては、今回のユーザーフレンドリーな変更は、より広くNFTのコミュニティに受け入れられるのではないかと思われる。NFTコミュニティでは、新たな関心が爆発的に高まったことでシステムがストレスを受けており、ユーザーインターフェースやユーザーエクスペリエンスの改善が必要であることを認識しているからだ。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:NFTOpenSeaa16z資金調達Ethereum

画像クレジット:Sheila Creighton / EyeEm / Getty Images

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ここ数週間で爆発的な人気のNFTのマーケットプレイスOpenSeaがA16Zから約25億円調達

OpenSeaは、ブロックチェーン上の非代替性トークン(Non-Fungible Token、NFT)の取引にコレクターが殺到する中、ここ数週間で爆発的な人気を集めた数少ないNFTマーケットプレイスの1つだ。新しいスタートアップが毎日出現している一方で、暗号化の初期にローンチされたプラットフォームは、暗号資産やトークンに対する興奮の波が、それ以前のものとは大きく異なっていると捉えている投資家たちから大きな注目を集めている。

米国時間3月18日、OpenSeaはAndreessen Horowitz(A16Z)がリードする2300万ドル(約25億円)のラウンドを完了したことを発表した。参加したのはNaval Ravikant(ネイバル・ラヴィカント)氏やMark Cuban(マーク・キューバン)氏、Alexis Ohanian(アレクシス・オハニアン)氏、Dylan Field(ディラン・フィールド)氏、Linda Xie(リンダ・シェ)氏といったおなじみのエンジェルたちだ。

OpenSeaは2017年にローンチし、その数カ月後にFounders Fundと数社の仮想通貨関連企業からの200万ドル(約2億2000万円)のラウンドを発表した。当時はEthereumの主な商材といえばCryptoKitties(クリプトキティ)ぐらいで、初期のNFTプロジェクトは、熱心だが何よりも好奇心旺盛なコミュニティに徐々に受け入れられつつあった。

それから5年も経たない2021年の現在、確かにNFTの時代が訪れたようだ。関心の大半は、高額な美術作品のオークションや、NFTに関するElon Musk(イーロン・マスク)氏のツイートに集まっているが、NFTの支持者たちはコンテンツ作成とインターネット上での影響力の経済を大きく揺るがすトークンの未来を見ている。そしてこのブームには、数カ月にもわたる仮想通貨そのものの揺り戻しがともない、EthereumとBitcoinは過去の最高値の数倍にもなった。

デジタルグッズ市場の大きな拡大は、大手ゲーム企業やメディア大手の今後の採用如何にかかっているのかもしれないが、早くからある期待は、デジタルファーストのクリエイターがこれらのマーケットプレイスを利用してファンとダイレクトに結びつき、現在、彼らが依存している大企業プラットフォームをバイパスできることだ。

しかしながら、この技術開発には初期的な問題がいくつかある。今、Ethereumは、それまでのエネルギー集約的な仕事量中心のスタンダードから、もっと効率的な市場価値中心のスタンダードへ移行しようとしているが、現在の構造は効率にはほど遠く、気候変動の問題などをめぐって初期のNFTアーチストたちの嫌気がさしている。暗号トークンの経済主体は、何らかの経済的価値を証明する前に、環境問題を心配しなければならないのか。2021年2月にOpenSeaは、もっと効率の良いTezosベースのNFTのサポートを発表した

OpenSeaのようなマーケットプレイスにとって、さらに雲をつかむような課題は、投機のノイズを切り裂いて前進し、アート作品などを実際に所有するために手に入れるユーザーのマーケットプレイスになっていくことだろう。しかしデジタルグッズそのものの購入に使われているデジタル通貨の成長のペースが、首の骨を折りそうなほどの危険な速さであるため、それも難しい課題だ。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:OpenSea資金調達NFTAndreessen Horowitz

画像クレジット:Diane Keough/Getty Images

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hiroshi Iwatani)