Shopify、eコマース機能を組み込んだ新しいリンクインバイオツール「Linkpop」を発表

Shopify(ショッピファイ)は「Linkpop(リンクポップ)」と呼ばれる新しいツールを発表し「link in bio(リンクインバイオ)」市場に参入したと、米国時間3月22日に発表した。この新サービスはクリエイターを対象としており、クリエイターはLinkpopのページから直接商品を販売することができるようになる。クリエイターやマーチャントは、ページに重要なリンクを掲載できる他、ストアフロントを立ち上げて、フォロワーと関わっているプラットフォームで直接販売することも可能だ。消費者は、Shopifyのマーチャントの商品を閲覧し、使用していたアプリを離れることなく、Linkpop上で直接購入することができる。

マーチャントは、アカウントを開設し、Shopifyストアにリンクさせ、ページにショッパブルリンクを追加することができる。また、ウェブサイト、記事、ビデオ、プレイリストなどへのリンクも追加することができる。ショッパブルリンクは、販売者の商品カタログと自動的に同期し、顧客が購入する前に必要とするすべての詳細を掲載する。一度アカウントを作成すれば、最大200のリンクをLinkpop上で共有することができる。

Linkpop には分析ツールも組み込まれており、リンクのクリック数やユニークビジター数といった顧客のページへの関与の度合いをよりよく理解することができる。また、背景色、ロゴ、フォントなど、Linkpopのページのさまざまな部分をカスタマイズすることもできる。また、特定のリンクに付随する写真をアップロードすることもできる。

「今日、マーチャントやクリエイターは複数のチャネルを使って顧客と関わっており、そのタッチポイントの数は今後も増え続けるでしょう」と、ShopifyのプロダクトディレクターであるAmir Kabbara(アミール・カバラ)氏は、声明で述べた。「Linkpopでは、マーチャントがソーシャルチャネルに投稿するすべてのリンクを一元化するサーフェスを作成しました。さらに、Linkpopで直接商品を購入することが簡単にできるように、そこで買い物できるようにしました。これは、マーチャントとバイヤーの両方にとって利益となるでしょう」。

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このツールは、Shopifyの加盟店であるかどうかにかかわらず、誰でも利用することができる。しかし、ショッパブルリンクを利用できるのはShopifyのマーチャントのみだ。Shopifyは、まだビジネスを始めたばかりのクリエーターや、ビジネスを立ち上げていないクリエイターが、オーディエンスやブランドを育てるためにLinkpopを利用することができると指摘している。Shopifyでストアを立ち上げる準備ができたら、Linkpopのページで直接商品をシェアすることができる。Shopifyは、Linkpopのユーザーが最終的にShopifyの店舗を作り、Linkpopで購入できるようになることを期待している。

リンクインバイオページは、ここ数年でますます人気が出てきている。ソーシャルメディアのプロフィールやSpotify(スポティファイ)のページ、YouTube(ユーチューブ)のチャンネルへのリンクとして使う人もいれば、オンラインストアへのリンクとして使う人もいて、使い方はさまざまだ。

Linktree(リンクツリー)は、人気のある「リンクインバイオ」サービスの1つで、最近、Index Ventures(インデックス・べンチャーズ)とCoatue Management(コーチュー・マネジメント)が主導する1億1千万ドル(約132億円)の全額出資ラウンドを発表した。この資金調達により、Linktreeの評価額は13億ドル(約1568億円)に達した。2021年末、同社はShopifyとの統合を開始し、ユーザーが自社のプラットフォーム上で直接ビジネスや製品を宣伝する方法を提供するようになった。Shopfyとの連携は、LinktreeがPayPal(ペイパル)と提携し、Linktreeで直接支払いを行うために最近開始した「Commerce Links(コマース・リンク)」ツールを拡張した数カ月後に実現した。

Shopifyは今回、Linktreeに直接対抗するための新しいツールを立ち上げた。また、Shorby(ショービー)、Linkin.bio(リンクインバイオ)、Beacons(ビーコンズ)などを含む広範な「リンクインバイオ」市場にも対抗している。

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(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

Shopifyと中国JD.comがクロスボーダー販売業者の取り込みで提携

世界最大のeコマース企業2社が手を組む。中国の大手オンライン小売JD.com(JDドットコム)は、世界のブランドが中国の膨大な輸入品に対する需要を開拓し、また中国の販売業者の海外販売を支援することを目的に、オタワに拠点を置くShopify(ショッピファイ)と戦略的パートナーシップを結んだ。

このニュースは、中国のクロスボーダーeコマースコミュニティで注目を集めている。提携により、JDとShopifyの同盟はまずAlibaba(アリババ)と直接競合することになる。JDの宿敵は大きな輸入事業を抱え、取り扱うブランドは直近では世界3万5000にのぼる。2021年は6000超のブランドがAlibaba経由で中国に進出した。

JDは何年も前から中国に商品を輸入しているが、既存のブランドオンボーディングプロセスは1年もかかることがある。JDは物流に多額を投資してきたため、しばしば中国のAmazon(アマゾン)と呼ばれているが、Shopifyを採用しているブランドが最短4週間でJDの5億人のアクティブバイヤーに販売を開始できる高速トラックを構築する予定だ。プラットフォームでは、販売者側の準備を整えるのに自動翻訳や価格交渉などのツールを使い、まずは米国と中国を結ぶ貨物航空便で商品を輸送する。

JDは、ブランドの中国でのマーケティングと販売を支援することだけを意図しているわけではない。同社はShopifyのストアオーナー向けに、JD Sourcingと呼ばれるサプライヤーソーシングサービスも展開している。販売者はJD Sourcingを通じて商品のリクエストを出し、JDがその商品の在庫を確認すると、商品を倉庫から取り寄せ、Shopifyストアに掲載し、ドロップシッピングで消費者に送る準備を整える。

今回の提携のもう1つの目的は、Shopifyの消費者直販ソリューションを通じて中国製品を海外に届けることだが、これは非常に競争の激しい分野だ。Amazonは、中国の輸出業者のためのゲートウェイとして自らを成長させ、中国内でスタッフを雇用して販売業者の精査と管理を行っている。同社が最近行った偽レビューの取り締まりは中国のeコマース業界に衝撃を与えたが、同社はその市場支配力のおかげで、輸出業者にとって非常に魅力的なチャネルであることに変わりはない。

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より厳しいプラットフォーム規約に対応するため、多くのAmazon出品者は商品デザインやブランディングにますます投資するようになっている。また、Amazonのロールアップと呼ばれるブランドアグリゲーターからの買収オファーを受けることを選択する販売者もいる。

JDとShopifyのコラボレーションは、中国の輸出業者に新しい選択肢を提供する可能性がある。Shopifyは長い間、ブランドを拡大したい人のためのオプションだったが、自動化にはより多くの仕事がともない、販売者はマーケティングと物流により手をかけなければならない。

JDはShopifyとの提携を通じて「欧米市場の消費者に訴求する中国のブランドや販売者のためのアクセスとコンプライアンスを簡素化」し「Shopify を通じてDTCチャンネルを立ち上げる」ことをサポートすると約束している。クロスボーダーの配送はJDが担当する。

このeコマース大手2社は、Shopifyが商品の幅を提供し、JDが広範なグローバル倉庫と配送インフラを提供するというように、互いにうまく補完し合っているようにみえる。注目すべき提携だ。

画像クレジット:composite by TechCrunch

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(文:Rita Liao、翻訳:Nariko MIzoguchi

Shopify上での店舗のサブスク販売を支援するSkioが4.2億円調達

Skio(スキオ)は、Shopify(ショッピファイ)上の店舗のサブスクリプション販売にともなう苦痛を取り除くことを目指すスタートアップだ。同社は、シードラウンドで370万ドル(約4億2000万円)を調達した。

同社はHulu(フールー)とPinterest(ピンタレスト)に勤務していたエンジニアのKennan Davison(キーナン・デビソン)氏が4月に創業した。

デビソン氏はSkioを、フィンテックかつインフラの会社だと説明する。以前、Y Combinatorで練った構想から方向転換した。Skioが挑むのは、ReCharge Paymentsのような会社だ。ReCharge Paymentsもeコマースブランド向けにサブスクリプションソフトウェアを開発した。2021年初めには2億2700万ドル(約259億円)を調達し、同社には21億ドル(約2400億円)の評価額がついた

ニューヨークを拠点とするSkioは、Shopify上の店舗がサブスクリプションで販売できるよう、支払いスケジュールの管理だけでなく、サブスクリプションを管理するための顧客ポータル構築やSMSサブスクリプション管理など、消費者向けのプロセスに関わるあらゆることを支援する。

同社が使用する最新のフレームワークにより、既存のサービスよりも「はるかに迅速な構築」が可能になると主張する。

「迅速に構築するので、既存のソリューションよりも優れた機能を実現できます。Shop Payを使ったコンバージョン率を高めるワンクリック精算、カスタマーチケット(顧客からの問い合わせ)を減らすパスワードレスログイン、10倍速いサブスクリプション編集、すぐに使えて即時ロード可能なヘッドレスサブスクリプションポータル、グループサブスクリプション割引、ReChargeからの簡単な移行などがあります」とデビソン氏は語る。

Skioのしていることは正しいに違いない。すでにBev、MatchaBar、Remedy Organics、Quokka Brew、Muddy Bites、Barukas、Simulate、Red Bay、Dandelion Chocolate、Siete Foods、Doe Lashes、Backboneなど多くの顧客を抱えているからだ。

「私たちは、Shopifyの小規模な販売店とともに、市場の底辺からスタートしました」とデビソン氏はTechCrunchに語った。「今、ReChargeからSkioに、大規模な顧客が移ってきています」。

画像クレジット:Skio

この起業家のサブスクリプションに関する経験は高校時代に遡る。授業をサボり、Conscious Boxというサブスクリプションボックスのスタートアップでウェブ開発を行うようになったという。その後、Huluでエンジニアとして働き、サブスクリプション割引を管理するアプリをつくった。その後、Pinterestでグロースエンジニアとして、ユーザーのコンバージョンを高めるために200以上のA/Bテストを行ったという。

Skioは今のところ、Shopifyの販売店向けにサブスクリプションを支援しているが、デビソン氏の目標は、いつか「すべてのインターネット上の」販売店向けに仕事をすることだという。

AdjacentがSkioのシードラウンドをリードした。創業者のNico Wittenborn(ニコ・ウィットンボーン)氏は、モバイルファーストのサブスクリプション企業に焦点を当て、2020年同社を設立した。Adjacentを設立する前、ウィットンボーン氏はPoint Nine CapitalとInsight Partnersで働き、Calm、Revolut、Prose、Oura、Reflectlyといった企業を支援してきた。

今回の資金調達には、MuteSixのDaniel Rutberg(ダニエル・ラトバーグ)氏とMoody Nashawaty(ムーディー・ナシャワティ)氏、Shaan Puri(シャーン・プリ)氏、ItalicのJeremy Cai(ジェレミー・ケイ)CEO、Tiltの共同創業者でMagic Mindの創業者であるJames Beshara(ジェイムズ・ベシャラ)氏、Julian Shapiro(ジュリアン・シャピロ)氏、Sahil Bloom(サヒル・ブルーム)氏、そしてImmi、Thingtesting、Taika、Smile.io、Literati、Linjer、Raycon、Cresicor、Corted、Orcard Analytics、Cohereの創業者や幹部など多くのエンジェル投資家が参加した。

現在、Skioの従業員は5人だが、新しい資金を製品開発にあて「世界レベルのソフトウェアエンジニアを積極的に採用する」そうだ。

「1人で始めたため、適切な人たちにかなりの株式を与えることができる状態です」と同氏は話す。

リードインベスターのウィットンボーン氏はTechCrunchに対し、近年はShopifyエコシステムを追っており、その前は暗号資産のChainalysis、モバイルのRevenueCat、Salesforce(セールスフォース)エコシステムのOwnBackupなど、他の成長中のエコシステムに同様のインフラ投資を行っていたと語った。

「私がキーナンを紹介されたとき、彼はShopifyベースのサブスクリプションサービスのための基礎的部分を構築しているようでした。Skioの既存顧客や潜在顧客といくつかリファレンスコールをもったところ、同社の製品が既存のソリューションよりもはるかに有望で柔軟であることがすぐにわかりました」と同氏はメールに書いた。「真の競合他社はReChargeだけです。同社は市場の支配的な立場に安住しているように見えます。これはエコシステムのフラストレーションにつながると同時に、キーナンのような人に、より反応の良い統合された製品と、より良い顧客サポートで物事を揺るがす機会を作り出しました」。

画像クレジット:Busakorn Pongparnit / Getty Images

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Nariko Mizoguchi

Gadgetはeコマースアプリ開発者の生産性を高めるプラットフォームを提供

カナダのオタワに拠点を置くGadget(ガジェット)は、Shopify(ショッピファイ)の元社員2名によって設立された開発者の生産性向上を支援する企業だ。同社はシード資金として、850万ドル(約9億6700万円)を調達したことを発表した。この資金調達ラウンドは、Sequoia Capital(セコイア・キャピタル)とBessemer Venture Partners(ベッセマー・ベンチャー・パートナーズ)が主導し、OpenAI(オープンAI)の共同創業者兼CTOであるGreg Brockman(グレッグ・ブロックマン)氏、Klarna(クラーナ)のCTOであるKoen Koppen(コエン・コッペン)氏、Shopifyのデータサイエンス・エンジニアリング部門の責任者を務めるSolmaz Shahalizadeh(ソルマズ・シャハリザデ)氏などが参加した。

2020年にHarry Brundage(ハリー・ブランデージ)氏とMohammad Hashemi(ムハンマド・ハシェム)氏が設立したGadgetは、eコマースアプリの開発者がコードを書く時間を削減する方法を提供することを目的としている。同社のプラットフォームを利用することで、開発者は作業にともなう無駄な仕事を省くことができ、アプリの構築と拡張をより効率的に行うことができる。

「私たちがGadgetを起ち上げた理由は、自分たちでさまざまなものを作ろうとしていた時に、何かを実現するまでには、どれほど長い時間がかかるかということに不満を感じたからです」と、CEOのブランデージ氏は、TechCrunchによるインタビューで語っている。「発売前の準備に何週間もかかるのは、フラストレーションがたまります。私たちは他の多くの人が同じ問題を抱えていると考え、それを解決するものを構築したいと思いました」。

Gadgetは、開発者が必要とするツール、ライブラリ、API、そしてベストプラクティスを1つにまとめ、開発者が、内蔵ステートマシン、自動アクセス制御、即時のAPI生成、他のSaaSプラットフォームとの統合など、一連の高度なプリミティブにアクセスしながら、データモデルを定義し、コードを書くことができるようにした。

画像クレジット:Gadget

今回調達した資金を使って、Gadgetはサーバーレススタックを公開し、Shopifyを手始めにサードパーティのAPIとの接続を構築する予定だ。ブランデージ氏とハシェム氏は、Shopifyの製品やエンジニアリングに関する専門的な知識を活用するために、まずはこの大手eコマース企業に注力する。

将来について、ブランデージ氏とハシェム氏は、重要なソフトウェアをより容易に開発できるようにするために、息の長い永続的な会社を作りたいと望んでいる。ブランデージ氏は、まだ作られていない実現可能な役に立つツールがたくさんあると指摘し、Gadgetは同社でそれらのツールを実現したいと考えている。

「ソフトウェア開発は転換期を迎えています」と、SequoiaのパートナーであるMike Vernal(マイク・ヴァーナル)は声明で述べている。「私たちが使用するソフトウェアに多くを期待するようになったことで、開発者はその要求に追いつくために、構築に使うツールに多くを求めるようになりました。Gadgetのプラットフォームは、eコマースの開発者が拡張性の高いソフトウェアを驚くほど速く構築できるように支援するという約束を果たしています」。

画像クレジット:Gadget

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(文:Aisha Malik、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

LinktreeがShopifyとパートナーしてユーザーが自分の店を載せられるようになった

「link in bio」※サービスとして人気のLinktreeがShopifyに統合して、ユーザーが自分の企業やお店や商品を直接、そのプラットホーム上で宣伝できるようにした。この統合によりLinktreeのユーザーはShopifyのお店をLinktreeの上にもローンチでき、商品やサービスを見せて売上を増進できる。(※: link in bioは「自己紹介(bio)の中のリンク」の意、ソーシャルメディアなどの自分のプロフィールの中にLinktreeを介して複数のリンクを張れる。)

この機能はLinktreeのユーザーには無料で、LinktreeとShopifyのパートナーシップにより、クリエイターが成長し、グローバルなオーディエンスに接続できる。

ユーザーが自分のShopifyのアカウントをLinktreeでリンクすると、宣伝する商品やコレクションを自分で選べる。また、ShopifyのコレクションをLinktreeにリアルタイムで同期できるので、Shopify上で行った変更が自動的にLinktreeに反映する。最大で6つの商品を表示できるほか、さまざまなコレクションやストアの複数のリンクを置ける。

Linktreeの共同創業者でCEOのAlex Zaccaria氏は、声明でこう述べている: 「ShopifyをLinktreeの今でも拡張を続けている機能性の仲間としてお迎えできることは、とても嬉しい。これによってユーザーはショッピングを合理化し、オーディエンスとの接続を増し、それにより購入を増やすことができる。Linktreeは、クリエイターが利用しているプラットホームをもっと多く統合して、彼らのオンラインビジネスに貢献したい」。


画像クレジット: Linktree

Linktreeによると、同社のShopifyとのコラボレーションは、最近行っているクリエイターのための一連の取り組みの一環だ。そのコラボレーションは、PayPalとパートナーしてから数か月後のことで、そこでは3月に立ち上げた「Commerce Links」ツールにより、Linktree上で直接決済ができる。Commerce Linksを使うと、ユーザーは新しいブラウザーやタブを開かなくても自分のLinktreeのプロフィール上で直接、決済ができるようになる。

また同社は最近、音楽のリンクを自動的に集めるSonglink/Odesliを買収し、それをLinktreeの新しい機能である「Music Link」に統合している。すべてのストリーミングサービス上の同じ曲やアルバムを表示するから、ユーザーは好きなプラットホームからそれを聴ける。

2016年生まれのLinktreeは今では、複数の「link in bio」プラットホームと競合している。それらはShorbyやLinkin.bio、Beaconsなどだ。3月にLinktreeは、4500万ドルのシリーズBを発表した。この資金調達ラウンドは、Index VenturesとCoatueが共同でリードし、以前の投資家であるAirTree VenturesとInsight Partnersが参加した。

(文:Aisha Malik、翻訳:Hiroshi Iwatani)
画像クレジット: Linktree

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マイクロソフトがShopifyと提携、Bing、Edge、Microsoft Starにマーチャントリストを提供

2021年初め、Google(グーグル)はShopify(ショッピファイ)との提携を発表した。これにより、eコマースプラットフォームの170万を超える販売業者がGoogle検索やその他のサービスを通じて消費者にリーチできるようになった。今回、Microsoft(マイクロソフト)も同様の提携を発表した。Microsoftは先日、Shopifyとの提携により、同社の検索エンジンMicrosoft Bingや、ブラウザMicrosoft EdgeのShoppingタブ、そして新たに開始したニュースサービスMicrosoft Startでの商品選択を拡大すると発表した。

関連記事:マイクロソフトがパーソナライズできるニュースサービス「Microsoft Start」を提供開始

この統合は、Microsoftのネットワーク上でのリーチを拡大するためのいくつかの調整を行うことができる更新されたMicrosoft Channelアプリを通じてShopifyの販売業者に提供される。設定が完了すると、販売業者の商品が、Microsoft Start、Microsoft Edge、Bingの「Shopping」タブに、無料で表示されるようになる。

画像クレジット:Microsoft

Googleと同様に、Microsoftの広告収入は、Amazonの広告ビジネスの拡大により、影響を受ける可能性がある。

Googleはこの課題に対処するために、今春のGoogle I/O開発者会議でオンライン広告主に向けてアピールした自社のGoogle Shoppingサービスの刷新に奔走している。その中で、同社は、消費者がどこに商品があるのか、どこが一番安いのかなどを見つけやすくするためにウェブサイト上の情報、価格のレビュー、商品データなどをまとめる「Shopping Graph(ショッピング・グラフ)」について説明した。また、Googleは2020年、販売業者がGoogle上で商品を販売することを無料にした。この変更により、Google上の販売業者が80%増加し、その大部分が中小企業であるとGoogleはアピールしている。

一方、Microsoftは、広告市場全体の回復に伴い、最近の四半期では検索広告収入が増加していること気づいている。しかし、Amazonは急速にそのシェアを拡大している。2021年上半期、Amazonは148億2000万ドル(約1兆6800億円)の広告売上を計上し、前年同期比で82%増となったと、WSJはGoogleのeコマース改革に関するレポートの中で指摘している。

より多くの消費者が、検索エンジンやホームページポータルを通さず、直接Amazonで商品検索を始めるようになり、GoogleとMicrosoftの両方の収益が打撃を受ける可能性がある。両社の競争力を高めるための、Shopifyとの提携により、GoogleとMicrosoftは、Amazonが持っていないような多くのオンライン在庫に直接アクセスして展示・販売できるようになる。

また、ShopifyとMicrosoftの統合により、販売業者は新しい広告キャンペーンを作成したり、Shopifyのストアでリアルタイムのレポートを使ってマーケティングパフォーマンスを確認したりすることができるようになる。また、Microsoftは将来的に他の「ショッピング機能の強化」を計画していると述べているが、その新機能に何が含まれるかについては詳しく述べていない。

Microsoftは、Shopifyが過去1年間に発表した数多くの統合の1つだ。また、ShopifyはSpotify(スポティファイ)と提携し、アーティストがSpotifyのプロフィールを通じて商品を販売できるようにしたり、TikTok(ティックトック)と協力してeコマースを実現したりもしている。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

SpotifyがShopifyと提携、アーティストのプロフィールに商品販売セクションを追加

Spotify(スポティファイ)は米国時間10月20日朝、電子商取引プラットフォームを提供するShopify(ショッピファイ)との新たな提携を発表した。これにより、Spotifyのサービスを利用しているアーティストは、SpotifyのプロフィールとShopifyのストアを結びつけることができ、Spotifyのアプリを通じてファンに直接商品を販売することが可能になる。アーティストは、Spotify for ArtistのアカウントとShopifyのオンラインストアを連携させることで、商品カタログをSpotifyに同期させ、音楽ストリーミングアプリ内のプロフィールに任意の商品を表示することができる。

ファンはそこから商品を閲覧し、購入することができるようになる。この統合により、アーティストの既存のShopifyストアへのアクセスが容易になるだけでなく、まだ商品サイトを開設していないアーティストにとっては新たな収益源となり、すでに他の場所でウェブサイトを開設しているアーティストにとっては、Shopifyのプラットフォームに切り替えるよい理由となるだろう。

Shopifyによると、すでに何千ものアーティストのウェブサイトが運営されており、音楽だけでなく、彼らが「完全に認知される」ブランドを構築するためにビジネスを拡大している。

「今日のアーティストは起業家のようです。彼らは多面的なブランドやビジネスを構築しており、私たちは彼らがファンと出会うことを容易にしています。Spotifyに起業家精神をもたらすことで、アーティストが従来の商品モデルを超えて、収益化のための新しい方法を考えたり、コマースを通じてブランドを試したりすることを可能にしています」と、ShopifyのプロダクトディレクターであるAmir Kabbara(アミール・カバラ)氏は述べている。

画像クレジット:Spotify

また、Shopifyは、アプリのエコシステムが充実していることから、アーティストがオンデマンド印刷や商品発見ツールのような新しいサービスを実現するのにも役立つとしている。Shopifyのインフラは、多くのフォロワーを持つアーティストが新製品を発表したときなどに、大量のトラフィックを管理することもできる。

今回のShopifyとの提携は大きな意味を持つが、Spotifyが他社と提携し、アーティストがアプリを通じて商品を販売できるようにするのは初めてのことではない。Spotifyは、長年にわたり、アーティストのプロフィールを他の商品サービスプロバイダーと統合して提供してきた。現在は、Merchbar(マーチバー)との契約が行われているが、過去にはBandPage(バンドページ)Topspin(トップスピン)との提携もあった。

Merchbarでは、アーティストが自分のプロフィールに掲載する商品を3つ選ぶことができる。今回、Shopifyを利用しているアーティストも同様のことができるようになる。

アーティストは、まずデスクトップでSpotify for Artistの管理画面にログインし「プロフィール」タブを開き「マーチ」をクリックする。そこから、Shopifyのストアから3つのアイテムを選んでプロフィールに掲載する。現在、アーティストは1人のアーティストにつき1つのShopifyストアしか接続することができないようになっている。

Shopifyは、登録を促進するために、Spotifyアーティストが初めて登録した場合、90日間の無料トライアルを提供している。

ただし、Spotifyによると、この機能は現在「ベータ版」だという。世界中のすべてのアーティストがShopifyストアにリンクすることができるが、当面はオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、英国、米国のリスナーにのみ商品が表示される仕様になっている。

画像クレジット:Spotify

ShopifyとSpotifyは、新しいクリエイターエコノミーを実現するという点で共通しているが、両者の重点分野は異なる。Shopifyは、自社のeコマースプラットフォームをあらゆる種類のクリエイタービジネスを補足する存在だと考えているのに対し、Spotifyの関心は、アーティスト(現在はポッドキャストクリエイターも含む)の方だ。Spotifyはこれまで、アーティストのビジネス拡大を支援するために、チケット販売チップスーパーファン限定メールなど、クリエイター向けのツールを数多く展開してきた。

2021年初め、SpotifyのCEOであるDaniel Ek(ダニエル・エク)氏とShopifyのCEOであるTobi Lütke(トバイアス・トビ・ルーク)氏は、Clubhouse(クラブハウス)のセッションに参加し、今日のクリエイターがマネタイズ戦略を多様化するさまざまな方法について語った。

その際、エク氏は、多くのアーティストがShopifyのプラットフォームを利用していることに触れ、Shopifyとの連携の可能性を示唆していた。

「今、成功しているほとんどのクリエイターは、オムニタレント(万能型のタレント)であり、オムニチャネルである」と彼は当時語っている。「つまり、YouTubeで動画をアップしたり、Instagramを利用したりしているのです。おそらく、ブランドをまとめてShopifyにアップしているでしょうが、音楽や商品もShopifyにアップし、音楽はもちろんSpotifyにアップして、ツアーもしているでしょう。このように、彼らはさまざまなことをして、さまざまなプラットフォームでファンとつながっているのです」とエク氏は語った。

画像クレジット:Spotify

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(文:Sarah Perez、翻訳:Akihito Mizukoshi)a

TikTokがShopifyとの提携を拡大、米英カナダで買い物機能のテストを実施

TikTok(ティクトック)がeコマースに進出している。同社は米国時間8月24日朝、eコマースプラットフォームのShopify(ショッピファイ)との提携拡大、並びに米国、英国、カナダの特定のShopify販売事業者と今後数週間で行うTikTokショッピングのパイロットテストを発表した

ソーシャルビデオプラットフォームであるTikTokは2020年10月、Shopifyの販売事業者がShopifyのダッシュボードから直接TikTokマーケティングキャンペーンを展開したり最適化したりできる新しいツールの導入や、TikTok For Business Ads Manager内での統合など、Shopifyと提携する計画を明らかにした

8月24日に詳細が発表された提携の拡大では、これまでよりもさらに踏み込む。間もなく、TikTok For Businessアカウントを持っているShopifyの販売事業者は新しい「ショッピング」タブをTikTokプロフィールに加え、プロフィールにミニ店舗を持ってくるために製品カタログを同期させることができるようになる。

この新たなサービスを真っ先に利用するユーザーの1人がKylie Jenner(カイリー・ジェンナー)氏で、同氏はこの機能を自身の化粧品ブランドで使い、TikTok上で直接商品を購入できるようにする。米国や英国の他の販売事業者ともテストが進行中で、今後数週間内にカナダの販売事業者とも展開される予定だ。販売事業者はShopifyのTikTokチャンネルを通じてテスト参加をリクエストできる、とTikTokは説明している。

新たな提携にはまた、Shopifyの販売事業者へのプロダクトリンクの提供が含まれる。これはTikTokビデオでプロダクトをタグ付けするのに使う。TikTokユーザーはタグの付いたプロダクトをクリックすれば販売事業者の店舗に案内され、精算できる。

画像クレジット:Shopify x TikTok

「クリエイターは新しい種の起業家精神への道を切り開いています。そこでは、コンテンツ、コミュニティ、そしてコマースが鍵を握ります」とShopifyの社長Harley Finkelstein(ハーレイ・フィンケルスタイン)氏は声明文で述べた。「新たなアプリ内買い物エクスペリエンスと、TikTok上でのプロダクト発見を初めて可能にすることで、Shopifyは世界で最も急成長しているソーシャルエンターテインメントプラットフォームの1つでクリエイター経済を後押ししています。次世代の起業家がさらに多くの方法でオーディエンスとつながるのを、先見の明あるパートナーのTikTokとサポートすることを楽しみにしています」と付け加えた。

Shopifyはまた、Shopifyのソーシャルコマースチャンネルのインストールが2020年2月から2021年2月にかけて76%増えたことを指摘し、販売事業者の間でTikTokとの提携に対する需要が増えつつあると述べた。

TikTokは着実にeコマース機能を開発していて、ここには2019年のHashtag Challenge Plus立ち上げも含まれる。この機能では、ハッシュタグに買い物ができる要素を加え、ビデオ視聴者をTikTok内のショップに誘導する。2020年にはLevi’sのようなブランドがTikTokの「Shop Now」ボタンを展開できるようにした。このボタンで消費者はTikTokに表示されるリンクを通じて購入できる。そして2020年秋に発表したShopifyとの提携に加えて、WalmartがライブストリームショッピングイベントでTikTokの活用を開始した。

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2021年初め、BloombergはTikTokが2021年に米国でのeコマース拡大を準備している、と報じた。ユーザーがプロダクトへのリンクをシェアできる他、手数料プログラムやライブストリームショッピングが含まれ、これらすべてはFacebookに対抗するためのものだ。後に、アプリ内ショッピングのテストが欧州のいくつかのブランドで始まった、とも報じた。

TikTokの買い物できるコンテンツでのさらなる大きな目標は、究極的にはFacebookとInstagramに対抗することかもしれない。FacebookとInstagramも近年、FacebookとInstagram ShopsInstagram内の専用ShopタブReelsでのショッピングなど、オンラインショッピングに投資している。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

Shopifyの第2四半期売上高は前年同期比57%増、新型コロナでeコマースが好調

カナダのeコマース大企業Shopify(ショッピファイ)は現地時間7月28日、第2四半期決算を発表した。Microsoft(マイクロソフト)やApple(アップル)の決算発表後の時間外取引と同じく、同社の株価は予想を上回る決算内容に対して控えめに反応している。

Shopifyの2021年第2四半期の売上高は11億2000万ドル(約1228億円)で、前年同期比57%増だった。同社のサブスクプロダクトの売上高は同70%増の3億3420万ドル(約366億円)で、その一方で販売サービスの総収入はボリュームが増えたことで同52%増の7億8520万ドル(約861億円)に達した。

投資家らは売上高10億5000万ドル(約1151億円)を予想していた

Shopifyはまた、巨大な利益も計上した。実際、総売上高11億2000万ドルからGAAPで純利益8億7910万ドル(約964億円)を生み出した。どうやって可能にしたのか。とんでもない額の収益は、部分的には株式投資に関連する7億7800万ドル(約853億円)もの含み益によるものだ。しかしそうした収益がなかったとしても、同社の2億8460万ドル(約312億円)という修正後純利益は前年同期の1億2940万ドル(約141億円)の2倍超だ。同社の1株あたり利益は含み益なしで2.24ドル(約245円)で、予想されていた97セント(106円)を大きく上回った。

決算発表後、同社の株価上昇率は1%にも満たない。

テック大企業の決算が予想を上回ったことに対する控えめな反応を考えると、主要テック企業の第2四半期決算が予想を上回ると投資家が見込んでいたことが明らかになっている。テック企業の決算が予想を上回るのはそれぞれの発表前に織り込み済みだった。

Shopifyの四半期決算の残りの数字はいずれも大きなものだ。2021年4〜6月の同社の流通取引総額(GMV)は422億ドル(約4兆6310億円)で前年同期比40%増だった。この額は予想を10億ドル(約1097億円)超上回った。そして同社の月次経常収益(MRR)は同67%増の9510万ドル(約104億円)だった。

Shopifyの成長は続くと思われている。年換算売上高を算出するのに第2四半期決算の売上高を使うと、同社の評価額は現在の総収入の43倍となる。これは、投資家のお気に入りであるリカーリングソフトウェア料から売上を生み出す企業にとってアグレッシブだ。その代わり、投資家は同社のGMVベースのサービス売上高と従来型のソフトウェア収入の組み合わせに対し事実上の最高額を支払うことに満足しているようだ。

eコマースの成長が続いていることでマーケットが強気であることを考慮して欲しい。

Shopifyの競合相手で同じく公開企業であるBigCommerce(ビッグコマース)の8月上旬の決算発表への反応がどのようなものになるのか興味深いところだ。Shopifyの決算を受けてBigCommerceの株価は3%以上上昇した。Shopifyに対するマーケットの反応を考えると皮肉かもしれない。もちろん、市場は平等ではない。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Shopify決算発表eコマース

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nariko Mizoguchi

ShopifyでストアによるNFTの直接販売が可能に

Shopifyは、認定を受けた売り手がNFT(非代替性トークン)を同プラットフォーム経由で販売することを可能にした。これはeコマースの売り手にまったく新しい世界を提供することになる。

米国時間7月26日、NBAのシカゴ・ブルズは、NBAのチャンピオンリングのデジタルアートを含む、初のNFTの販売をShopifyのオンラインストアで開始した。ブルズファンは、NFTマーケットプレイスに行かなくても、チームのオンラインストアで、クレジットカードやデビットカードを使って直接デジタルアートを購入することができる。Shopifyのマーチャントサービス担当副社長であるKaz Nejatian(カズ・ネジャティアン)氏によると、NBAチームは販売開始初日に、わずか90秒でNFTを完売したという。

彼は「これまでもクレジットカードでNFTを購入することはできましたが、正直なところShopify以外での場所でのNFT購入体験は、誰にとってもすばらしいものではありませんでした」とTechCrunchに語った。「だからこそ、このサービスを行うことにしたのです。売り手も買い手も、気になるものを売買するために、暗号資産を扱う必要はないのです」。

また、消費者がNFTを購入する際に多くの選択肢が与えられることになる。特に暗号資産に精通していない人にとって恩恵が大きい。

売り手がShopifyのストアフロントで直接NFTを販売できるようにすることで、NFTを販売したい売り手のアクセスが増えているのだという。また、ネジャティアン氏は、いずれは製品や顧客層に応じて、どのブロックチェーンで販売するかを選択できるようになるだろうという。これはShopifyが複数のブロックチェーンに対応しているからだ。

さらに彼は「これとは対照的に、売り手が他のNFTマーケットプレイスで販売したい場合は、そのマーケットプレイスがサポートするブロックチェーンに基づいて選択を行う必要があるのです」と付け加えた。

たとえばシカゴ・ブルズは、自身のNFTにはFlow(フロー)ブロックチェーンを採用した。現段階では、Shopifyの売り手は、FlowとEthereum(イーサリアム)から選択することができるが、近いうちに「Shopify上で他のブロックチェーンを選択できるようになるでしょう」とネジャティアン氏はいう。

加盟店から「NFTを販売できるようにして欲しい」という要望が出されて、またクリエイターやアーティストにプロとして成長するための新たな場を提供したいという思いも、この動きを後押しした。

彼はさらに「多くのクリエイターは、すでにファンにNFTを販売する価値を見出していますが、私たちはクリエイターと買い手の間の摩擦を取り除き、作品のより良い収益化と、ファンたちとのより良い関係が可能になるようにします」と付け加えた。「私たちは、ファンがブランドとの有意義なつながりを感じ、NFTがオンラインでの売買の一部になるような世界を切り開いていきます」。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:ShopifyNFT

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(文: Mary Ann Azevedo、翻訳:sako)

Shopifyが売上高1.1億円以下のデベロッパーへのアプリストア手数料を免除

AppleやGoogle、そして直近ではAmazonなどの動き同様に、eコマースプラットフォームのShopify(ショッピファイ)は米国時間6月29日、同社のアプリマーケットプレイス、そして新しいShopify Theme Storeでデベロッパーに課す手数料を下げると発表した。同社のUnite 2021カンファレンスで、Checkout、API、デベロッパーツール、フレームワークなどへのアップデートを含む他のデベロッパー関連のニュースとともに発表された。

Shopifyのアプリデベロッパーパートナーは2020年に、2018年と2019年の合算を上回る2億3300万ドル(約260億円)を売り上げた。これは部分的には新型コロナウイルスパンデミックとそれにともなうeコマースへの急速なシフトによるものだと同社は話す。今日では、Shopifyのアプリストアでは6000超のアプリが提供されていて、販売事業者は経営のために平均6つのアプリを使っている。

Shopifyはアプリデベロッパーの売上にかかる手数料を、同社のプラットフォームでの年間売上高が100万ドル(約1億1050万円)以下であれば20%から0%に下げると話す。このベンチマークはプラットフォーム上で毎年リセットされ、売上高が100万ドル前後のデベロッパーにさらに稼ぐ可能性を提供する。そしてShopifyの売上高シェアが適用されると、その取り分は「余分の」売上の15%となる。つまりデベロッパーは100万ドルを超えた分の売上の15%だけを手数料として払うことになる。

同じビジネスモデルがShopifyのTheme Storeにも導入され、デベロッパーは7月15日から申し込める。

ShopifyのアプリストアとTheme Storeは別事業であり、売上高100万ドルというメトリックはそれぞれ別に適用される。新しいビジネスモデルは8月1日から展開され、アカウント情報をパートナーダッシュボードで提供して登録しているデベロッパーが利用できる。

これまでよりもデベロッパーフレンドリーなビジネスモデルはShopifyにとっては売上減を意味するが、さらにイノベーションと開発を促すことが見込まれるため、売上減の影響が「かなり大きなものになる」とは考えていない、と同社は話す。

Shopifyのアプリストアへの変更は、デベロッパーに課す手数料をめぐるアプリストアマーケットにおけるシフトに続くものだ。

2020年、アプリストア運営に対する規制当局の監視が厳しくなる中で、Appleは新しいプログラムのもとに零細事業者に課すアプリストア手数料を減額すると発表している。年間最大100万ドル稼ぐデベロッパーはアプリ内購入で払う手数料は15%に抑えられる。その後、GoogleAmazonも似たような動きを見せた。たとえばGoogleの場合、デベロッパーが稼ぐ最初の100万ドルでは15%の手数料を取る。Amazonはまだ20%と高い手数料を徴収しているが、特典としてAWSクレジットを付けている。

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AppleとGoogleは特に、こうした変更がアプリストア独占疑いでの独禁法調査から自社を守るのに役立つことを望んでいて、一方で自社のアプリ経済に参加する良い理由をデベロッパーに提供している。

モバイルはさておき、Microsoftは2021年、ライバルへの圧力を強める手段としてEpic GamesのWindows Storeでのゲーム販売の手数料を12%とすることに同意した。新しいWindows 11 Storeの大規模なアップデートでは、アプリにかかる手数料は15%のままだが、デベロッパーは独自の決済プラットフォームを使うことができる。

これまで、マーケットの大方はアプリとゲームの販売の手数料を下げることにフォーカスしてきた。Shopifyのアプリプラットフォームは他のものと異なる。eコマース事業を促進するのに使われるアプリを扱っている。出荷や配達、マーケティング、マーチャンダイジング、ストアデザイン、顧客サービスなどに関するものだ。これらは消費者向けのアプリではないが、アプリストアで販売されている。

デベロッパーの事業への変更は6月29日開催のUnite 2021で発表された大きなニュースである一方で、それはShopifyが発表したプラットフォームに関する一連のアップデートを打ち消しはしない。

主なアップデートは次の通りだ。Netflixが最初にテストしたShopifyのLiquidプラットフォームへの、よりフレキシブルでカスタマイズ可能なアップデートであるOnline Store 2.0のデビュー。すばやい対応のためのカスタムストアフロントへの投資。Hydrogenというカスタムストアフロント構築のための新しいReactフレームワーク。OxygenというShopifyでのHydrogenストアフロントをホストする方法。プロダクトと類似プロダクト、カスタムコンテンツでのMetafieldsのサポート。これまでよりも迅速なSpotify Checkout。Checkout Extensions(デベロッパーによって構築されるカスタマイゼーション)。従来より簡単でパワフルなShopify Scripts。サードパーティ決済ゲートウェイのCheckoutへの統合のためのPayments Platform。ストアフロントAPIへのアップデート。

Shopifyはまた、新たにいくつかの事業メトリクスを共有し、たとえば2020年4億5000万人超がShopifyで決済を行い、流通取引総額は1200億ドル(約13兆2640億円)だったと明らかにした。アプリデベロッパー、テーマビルダー、デザイナー、代理店、専門家などを含むShopifyパートナーの2020年の売上高は125億ドル(約1兆3815億円)と前年比84%増で、これはShopifyプラットフォームの売上高の4倍だった。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Shopifyeコマースアプリ

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

ショッピング体験の視覚化を進めるShopifyがARスタートアップPrimerを買収

Shopify(ショッピファイ)が米国時間6月11日に発表した買収のニュースの中で、同社は拡張現実(AR)のスタートアップPrimer(プライマー)のチームを獲得したことを明らかにした。Primerはユーザーがタイルや壁紙、ペンキで自分の家の中の壁がどのように変わるかを視覚化できるアプリを手がけている。

ブログへの投稿の中で、Primerの共同創業者のAdam Debreczeni(アダム・デブレチェニ)氏とRuss Maschmeyer(ラス・マッシュマイヤー)氏は、買収取引の一環としてPrimerのアプリとサービスが7月に終了すると明らかにした。買収後、Primerの8人のチームはShopifyに移る。

Primerは、ユーザーが iPhoneやiPadとAppleのARプラットフォームのARKitを使いながらデザインがどんなものになるのかを直接視覚化できるようにするために、何十ものタイルテキスタイルデザインブランドと提携した。PrimerのアプリはAppleに何回か取り上げられ、App Storeの編集チームが素敵な感じに紹介したりしている。

買収取引条件は明らかにされなかった。Primerの出資者はSlow Ventures、Abstract Ventures、Foundation Capital、Expaなどだ。

ARがいかにオンラインショッピングに影響を与えるかについての話はたくさん交わされてきた。しかしホームデザインでの統合はさておき、実際に消費者が活用する方法はそれほど多くなかった。Shopifyは自社でAR統合に取り組み、ユーザーが現実空間に商品を取り込めるよう、売り手による店舗への3Dモデルの統合を可能にしたが、開拓する余地がまだ多く残されているのは明らかだ。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Shopify拡張現実買収eコマース

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(文:Lucas Matney、翻訳:Nariko Mizoguchi

Shopifyは多くの富を生み出し、元従業員を創業者や投資家にする

Shopifyの最高技術責任者Jean-Michel Lemieux(ジャン・ミッシェル・レミュー)氏と最高人材責任者Brittany Forsyth(ブリタニー・フォーサイス)氏は2021年4月、それぞれの役割から退くことを明らかにした。最高法務責任者のJoe Frasca(ジョー・フラスカ)氏も同社を去る予定で、3氏はいずれも2021年6月で任期を終える。今後のチャプターではスタートアップへのアドバイスや投資、ローンチに関心があるようで、元Shopifyの役員や社員にも同じことをする人が増えている。

設立から15年、従業員7000人を擁し、オタワに拠点を置くShopifyのような規模の企業にとって、時価総額が1300億ドル(約14兆1350億円)というのは驚くことではない。それでも、Shopifyが生み出した莫大な富の恩恵を受けて、同社の元従業員たちは、かつてないほどのカナダの起業家エコシステムに影響力を持つことに目を向けている。

例えば、Shopifyの元最高製品責任者で、2020年10月に同社を去ったCraig Miller(クレイグ・ミラー)氏を見てみよう。同氏はすでに、フルタイムで働きながら、クリーンテクノロジーとカナダに焦点を当てたいくつかのベンチャーファンドに投資を行なってきた。現在は、資金と時間の両方を「大きな社会的影響を与えることができる」と考える個人企業に出資している。

その中には、個人事業を運営するためのツールを提供しているHousecall Proや、二酸化炭素回収を手がけるPlanetary Hydrogenのような気候変動対策に取り組むスタートアップも含まれている。

ミラー氏は、自身の時間はShopifyの元同僚を含む創業者に引きつけられていると語る。「資金調達は重要ですが、資金を投じようとする人はすでに十分すぎるほどに存在しています」と同氏はいう。そのため、同氏の持つ価値のほとんどは、スタートアップの規模を拡大する方法についてチームと話すことに注がれている。「企業を大きく成長させる方法を心得ている人、1億ドル(約109億円)から1000億ドル(約10兆8740億円)以上の企業を目にした人、そして製品を数百万人のユーザーに拡大する方法を熟知しているような人は極めて限られています」。

このような高度成長を経験した人は世界的に見てもあまり多くはないが「基本的にロールモデルが存在しない」カナダでは特にそうだと同氏は指摘する。

ミラー氏は自らを自身の置かれた環境の産物と捉えており、Shopifyが従業員を非公式ながらも積極的に教育していることを示唆している。

「私が最も好きだったことの1つは、私たちがどれだけオープンであったかでした」とミラー氏。「すべての従業員はロードマップを把握し、コードを見ることができ、データにアクセスすることができました。【略】私たちは、取締役会でのプレゼンテーションを会社全体で共有することもできました。そうすることで、すばらしい会社を作る方法に関心のある人たちがその貴重な情報を留め置くことができました」。

多くの人が知識を書き留めるペンを取り出していたようだ。Shopifyを去って自分たちのビジネスを立ち上げた人たちの中に、Michael Perry(マイケル・ペリー)氏がいる。同氏は2020年、忙しい家族をまとめるMapleというアプリを構築するためにShopifyを去った。また、Helen Tran(ヘレン・トラン)氏は2017年にShopifyを離れ、美容やパーソナルケアのブランド向けのソフトウェアを開発するJupiterを立ち上げた。Andrew Peek(アンドリュー・ピーク)氏は投資顧問会社Delphiaを設立。スタートアップAfterwordを運営するEffie Anolik(エフィー・アノリック)氏は、バーチャルとオフライン両方の追悼サービスの計画を支援している。

創業者の1人で誇り高きShopify出身者のArati Sharma(アラティ・シャルマ)氏は元製品マーケティング担当ディレクターで、Shopifyを「特別な場所」と呼び、多くの人にビジネスのスケールアップの方法や、Shopifyに特化した手法を伝授している。

Shopifyはカナダで最初にその規模を築き上げた企業であることから「この規模の企業をどのように運営すべきか」についての「固定的な考え方」がなく「過去の戦略に従う」こともなく、従業員が判断すべきことが多かったと同氏は語る。

シャルマ氏は、自身の会社Ghleeの立ち上げに照らして、経験から学べることには限界があることを認めている。Ghleeはトロントに拠点を置くスキンケアブランドで、2019年にローンチした。「Shopify社内でゼロから立ち上げる機会はありましたが、創業者の座に就くことはまったく新しいことです」と同氏は振り返った。

しかしミラー氏と同様、シャルマ氏も「文化と商業がいかに深く関わっているか」など、多くの教訓をShopifyで学んでいる。

同氏はまた「(Shopifyに)元創業者として参加していたとしても、あるいはそこで働いている間に起業家的なバグを見つけたとしても、いかに多くの従業員が自分のビジネスを運営しているかは注目に値する」と述べている。

Shopifyで働き続けながら事業を運営する人もいる。例えば、Atlee Clark(アトリー・クラーク)氏はPika Layersという子ども服の会社を設立し、フルタイムの取締役を務めている。

退職後に投資会社を設立したケースもある。元製品担当VPのAdam McNamara(アダム・マクナマラ)氏は現在、Shopifyの元同僚Joshua Tessier(ジョシュア・テシアー)氏とともに、影響力のあるエンジェルファンド、Ramen Venturesを運営している。

特に注目すべきは、シャルマ氏自身が積極的なエンジェル投資家であることだ。2021年初めにはBackbone Angelsと呼ばれる10人の投資家集団を共同で設立し「スピードに合わせて最適化し、来るべき取引に迅速に対応する」ことを目指している。

Backbone Angelsのメンバーは全員女性だ。いずれもShopifyの元従業員で、退職予定の最高人材責任者ブリタニー・フォーサイス氏も含まれている。キャップテーブル(資本政策)に参加する女性投資家や非バイナリ投資家の数を増やすことに注力しており、そうすることで取締役会の今後の見通しや企業の構築方法が変わると考えている。

Shopify(同社の株価は2020年中に急上昇したが、最近下落に転じている)の恩恵もあり、資金調達の機会には事欠くことはなさそうだ。

シャルマ氏は夫と共同で投資を始め、これまでに30あまりのスタートアップに出資しており、2021年だけで9つの投資が行われたという。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Shopifyカナダ退社

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(文:Connie Loizos、翻訳:Dragonfly)

今、米国で盛り上がるD2Cソフトウェア、Z世代のAlloy創業者インタビュー

本稿は毎週月曜日に配信する米国の次世代ブランドやリテールテック、ニューラグジュアリーにフォーカスしたニュースレターとポッドキャスト「Cereal Talk投稿の転載記事となる。

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米国のECソフトウェア事情やAlloyの自動化、そして今流行っているD2C業界のトレンドについてAlloy AutomationのCEOのSara Du(サラ・ドゥ)さんにお話を伺った。

盛り上がる米国D2C業界を支えるソフトウェア

米国ではD2C企業の資金調達が減少気味ではあるが、まだまだ新しいブランドが立ち上がっている。同時にNikeやadidasなど大手小売もD2C化を本格的に行なったり、新型コロナによりECが主流になったことで、ECソフトウェア企業の需要が増加している。

スタート時はShopifyだけを活用しても問題ないかもしれないが、ほとんどのD2C企業が同じソフトウェアを使っているため、優位性をつくるのは難しい。現在、サイトやブランド、ECの体験を改善するツールが出てきているのは、少しでも他社との違いを作り出すためだ。そのため、どのD2Cブランドやオンラインリテーラーも自社に適したテックスタック(複数のテクノロジーの組み合わせ)を構築する必要がある。ただし、ソフトウェアをそれぞれ運営するのは大変なため、ECインフラの連携・自動化の需要が今後高まっていくはずだ。

画像クレジット:Bain Capital Medium

このトレンドは、2020年あたりから米国で盛り上がり始めた。多くのブランドは自動化ツール「Zapier」などを活用していたが、最近だとEC向けの自動化ツールも出てきている。その中でも最も注目されているサービスの1つがEC自動化プラットフォーム「Alloy(アロイ)」だ。Alloyは、Yコンビネーター2020年冬バッチに参加し、2021年2月には、BainCapital(ベインキャピタル)やAbstract Ventures、Color Capital「Shippo」の創業者などから400万ドル(約4億3000万円)の調達を発表。代表のサラ・ドゥさんはなんと20代前半という新世代の起業家だ。

新型コロナ後のD2CスタートアップへのVC投資事情

2018年がD2Cブランドへの資金調達のピークだった。2020年に上場したマットレスブランド「Casper」の株価も大幅に下がったため、D2C業界への投資が減少すると思われていた。実際に下記の図からわかるように、2020年のD2Cブランドへの合計資金調達額(1月〜9月)を見ると、2018年や2019年よりも下がっている。しかし、予期せぬ新型コロナの影響でEC需要が再熱し、投資家がまた興味を持ち始めている。

画像クレジット:Retail Dive

新型コロナの影響で、シリコンバレー全体での資金調達も一時的に止まったが、その後、EC率が大きく上がり、ECインフラを準備していたD2Cブランドが大手小売よりも大幅に伸びた。個人的に投資している低アルコール飲料ブランド「Haus」も前年比で780%成長、フェイクミートを活用したチキンナゲットを提供する「NUGGS」は、800万ドル(約8億7000万円)の売上を達成。そしてNikeなどもD2C戦略へシフトさせたことで2020年では全体売上の35%がD2Cチャネルからのものだった。

Business Insiderによると、過去5年間最も多くのEC系の投資を行なったVCの多くは長期的にEC市場が伸びるため、投資を続けるという。そんな中、ブランドだけではなく、D2Cブランドを支えるツールへの投資にフォーカスし始めている投資家も増えている。

ECインフラのソフトウェア「Shopify」の急成長

D2CやECの成長により、最も活躍したサービスといえばおそらく「Shopify」だろう。EC業界のトップであるAmazonに対抗して、Shopifyが唯一同等レベルのプラットフォームになり得るサービスだと思っている。それと同時に、クリエイターエコノミーの爆発的な成長も味方にし、インフルエンサーや一般の人でも販売を行う需要が増えた。

画像クレジット:Chartr

Amazonが全体のEC市場の39%のシェアを占めている中、Shopifyは2位の9%にまで成長した。その成長は、このまま続いてもおかしくないものだ。D2C企業に詳しいメディア「2PM」によると、トップ460社のD2C企業のうち、58.9%がShopifyを利用しているという。

画像クレジット:Web Smith Twitter

Shopifyの良さは、簡単にオンライン店舗を作れるだけではなく、2020年5月時点では4200アプリと連携している点で、80%の加盟店が第三者のアプリと連携していたと発表している。顧客獲得ツール、購入後の体験サービス、アンケートアプリ、配送サービスなどさまざまなアプリと連携できることによって、D2Cブランドは自分のプロダクトの販売とマーケティングに集中できる。Shopifyの成長により伸びたソフトウェア企業も多い。レビューサービス「Yotpo」やサブスクサービス「ReCharge」などがその代表例だ。3〜4年前と比べて、現在では10倍ほどのECソフトウェア企業が存在している。

画像クレジット:Red Sea Ventures

今回取材したAlloyのサラさんによると、コストを気にするD2C起業家が多いが、ある程度スケールし始めると必ずテックスタックを固める傾向にあるという。人を採用してマニュアルな作業を行うより、月額のSaaSプロダクトで1人で店舗を運営したほうがコスト的にも安いケースも多いため、初期でもソフトウェアを試すユーザーも多い。ただ、扱うソフトウェアが増える一方で、各ツールがバラバラで連携されてないため、全体的にツールを十分活用できている企業は多くないという。それを解決するのが自動化ツール「Alloy」だが、まだ新しい領域だとサラさんは語る。

ハーバード中退から起業、ストリートウェアブランドも運営するZ世代の起業家

画像クレジット:Sara Du

Alloyの創業者サラ・ドゥさんは高校生の時にLAに引っ越し、独学でプログラミングを学び始めた。当時、ハードウェア領域にも興味があり、舌を蓋につけると電気ショックで甘さを感じる「スマートコーヒーカップ」を開発した。これにより、Peter Thiel(ピーター・ティール)氏が行っている超難関といわれる若手起業家育成プログラム「ティール・フェローシップ」に選ばれた。そして、高校を飛び級で卒業し、ティール・フェローシップに採択されていたリーガルアシスタントサービス「Do Not Pay」にジョインした。当時、お金がまったくなかったサラさんは夏の間ひたすら知り合いの家を回り、ソファーで寝てたという。

その後、ハーバード大学に進学するが、そこでは東南アジアの歴史の勉強をした。1年が経ち、スタートアップのエネルギーが恋しくなった彼女は、Snapchatへインターンすることを決め、後に休学。大学時代やSnapchatにいた期間は、後にAlloyを一緒に立ち上げるグレッグさんといろいろなサイドプロジェクトを検証していたそうだ。10個ほどの失敗を続けたが、ずっとAPI連携できる開発者向けサービスには興味があったとサラさんはいう。Zapierをよく使っていたが、それ以外のツールを探した時に「Workato」などの自動化ツールを見つけた。そこで彼女は営業やマーケティングの自動化ツールが存在していると気づいたが、自分の思い描くツールや自分達のECショップを運営している友達や知り合いが求めているサービスが存在しなかったと理解した。サラさんは自分のストリートウェアブランドも運営していたため、ECオーナーとしてのニーズを理解していたのだ。

そこで2人は、誰でも安く使える自動化ツールが必要だと思い、開発を始めた。初期はECフォーカスではなかったが、後にEC向けにシフトした。

Product Huntへ投稿したら、WebflowのCTOから連絡がきた!

つまり、Alloyもサイドプロジェクトとして始まった。会社化したのは、当時Product Huntで働いていた友達が投稿するように薦められたのがきっかけだった。

画像クレジット:Product Hunt

Product Huntに投稿した翌日、好意的なコメントが数百件投稿されていた。その反響を受けて、サラさんはSnapchatでのインターンを辞めることを決意。「最悪、春には学校に戻れるし、インターン時代の給料を貯めていて、月次のバーンも低かったので、割とすぐにAlloyにフルタイムでコミットすることを決めた」と彼女はいう。この投稿から、後にシードラウンドをリードするベインキャピタルのケビン・チャンさんと繋がり、資金調達へ繋がった。そして、もう1人を見ていたのが、WebflowのCTOであるブライアント・チョウさん。たまたま投稿を見てAlloyを知り、エンジェル出資してくれたとのことだ。

著名VCからのフィードバックによるYコンビネーター2020のWinterに合格。Demo Dayはオンラインで、うまくピッチができるか迷いがあり、ステルスでもいたかったAlloyは、Demo Dayでピッチしないことを判断したという。

オンラインストアの運営作業を自動化するAlloy

Alloyは、オンラインストアの運営作業を一元管理して、細かいタスクの自動化を可能にするツールだ。現在、最新ツールがたくさんあり、オンラインストアの運営が複雑に、かつ手作業が多くなっているのが大きな課題だ。Alloyは、オンラインストア運営の作業を自動化し一元管理することができる。

Alloy営業資料から引用

Alloyは具体的に5つのカテゴリーの自動化にフォーカスしている。

  • ロイヤリティ+顧客体験
  • フルフィルメント
  • オペレーション
  • サポート
  • マーケティング

Alloy営業資料から引用

他の自動化ツールでは深いAPI連携がされていないため、Alloyの方が細かいロジックを組めるのが特徴だ。例えば、定期購入販売を簡単に実装できるアプリ「ReCharge」と連携しているが、他社サービスだとReChargeを活用して顧客の定期購入した数に応じてのアクションが行えない。AlloyだとReChargeの定期購入の数まで把握できるため、10回以上定期購入したユーザーが問い合わせした際にプライオリティを付けたり、自動的に特別扱いの顧客メールを送る設定なども可能となる。

以下は在庫切れになった際にSlackへメッセージが飛ぶようにトリガーを作るフローの事例だ。

AlloyはReCharge以外にも90以上のアプリとすでに連携している。競合となるShopify Flowは、Shopify Plusの顧客でないと使えないし、そもそも30〜40ぐらいのアプリしかFlowでは連携されていない。そのため、今のところAlloyほど幅広く、そして深くAPI連携しているEC自動化ツールは存在しない。

Alloy営業資料から引用

Alloyはノーコードで自動化されたフローが簡単にビジュアライズされているため、誰でも簡単に作ることも可能だ。さらにShopify以外にもMagento、Big Commerce、ヘッドレスなど全体のECエコシステムのカバレッジがある。

実際にAlloyを活用している企業には、人気D2CブランドのOpte、Italic、Doe、そして大手ブランドのBaltimore Ravensなどがある。最近は大手ラグジュアリーブランドも使い始めたとサラさんは語る。

Alloy営業資料から引用

OpteはAlloyを活用して、毎週10時間以上手作業で行っていたデータハーベスティング作業を自動化して、年間240万円以上のコストを節約している。

業界を教育しながら長期的成長につながるコンテンツ戦略

まだ米国のD2C業界でも自動化のトレンドは、始まったばかりだ。Alloyは、2020年の多くはコンテンツ制作や教育を行って、ようやく業界が自動化のポテンシャルに気づいたという。特にコンテンツ制作の戦略はおもしろく、Alloyの長期的成長に繋がる試作ともいえる。Alloyには、自動化フローのテンプレを用意している専用サイトがある。各テンプレを「レシピ」と呼んでいて、アプリやカテゴリー(カート落ち、アナリティクス、カスタマーサポートなど)で簡単に検索ができる。

画像クレジット:Alloy Marketplace

これにより、誰でも簡単に自動化フローを作ることが可能になる。現在はより大きいクライアントがAlloyを活用している傾向にあるが、今後はよりセルフサーブにして中小企業でも業務の一部を自動化してより効率よく販売ができるかたちにしたいとサラさんは語る。サイトの「人気レシピ」の多くはベーシックなものだが、自動化しやすい、バリューが最もわかりやすいものとなっている。

画像クレジット:Alloy Marketplace

また、このレシピのマーケットプレイスをさらに価値を与えるために「Social Proof(ソーシャルプルーフ)」を追加したいという。「EC業界での重要要素はSocial Proof、いわゆる他社が何をやっているかを見ることです。だからこそAlloyの初期では、トップティアなShopify Plusブランドや有名D2Cブランドをクライアントとして獲得してきました。今後はItalicなど著名ブランドがどのレシピを使っているかを公開していくことで、業界が自動化のニーズに気づいてくれると思います」。

D2Cブランドのスケールをサポートするテックスタック

米国では、D2Cブランドがスケールし始めると、バックエンドのソフトウェアの管理や連携をするためにエンジニアを採用しているほど最新テックスタックの導入は普通のことだ。Glossierは、サイト製作やECプラットフォームの構築を行っていたデジタルエージェンシー「Dynamo」を5200万ドル(約56億3000万円)で買収し、自社のテック部門を強化した。

社内で数十名のエンジニアを抱えるほどテックスタックが整い始めているD2Cブランドとしては、使えるツールが増えるほど可能性は増えるが、同時に内部システムやロジック構成などが複雑になってくる。だからこそ、Alloyのような自動化ツールが必要になってくる。ECブランド向けにツールを開発しながら他のアプリとの深いAPI連携は、多くのブランドは絶対行わない。AlloyはAPI連携が優位性なブランドとなっている。Zapierも130万ドル(約1億4000万円)の資金調達しか行わなかったのに、50億ドル(約5418億円)の時価総額になった今、これからも「APIのAPI」の概念が他の業界で広がる可能性は高い。今後も注目するべき市場に間違いない。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Alloy AutomationeコマースAPIShopifyインタビューD2C

(文:宮武徹郎 / @tmiyatake1、草野美木 / @mikikusano

法政大学とShopifyが連携、2021年春講義の実習としてeコマース人材育成プログラムを学生約100名対象に提供

法政大学とShopifyがeコマース人材育成プログラムを学生約100名対象に提供、2021年春講義の実習として連携

eコマースプラットフォームを開発・運営するShopify(ショッピファイ)の⽇本法⼈Shopify Japan法政大学は4月8日、春学期(2021年4月)に開講するキャリアデザイン学部「流通・マーケティング戦略論」の実習として、eコマース人材の育成強化に向けたプログラムを提供する。外部招聘講師としてShopify社員が学生約100名対象に講義を実施する。

同講義の目的は、新しい流通・販売・マーケティングのあり方を考え、変化を先取しつつ前に進める視点や考え方を身に着け、将来実務で成果を出すために役立つスキルの基本概念と知識・経験を習得すること。

Shopifyは、様々な教育機関との連携を図り、デジタル化の支援、EC人材の育成に取り組んでいるという。EC需要が高まる中、ネットショップの立ち上げ・運用のサポートを必要とする事業者も増加していることからEC人材育成が急務と考えており、2020年はLANCERSとの連携を発表した。今後もShopifyエコシステムを強化し、オフライン事業者のオンライン化支援を行うとともに、日本から世界に羽ばたく起業家育成にも力を入れるとしている。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Shopify(企業)ネットショッピング / eコマース(用語)法政大学(組織)日本(国・地域)

米政府がShopify顧客データを盗んだ容疑でカリフォルニア州の男性を起訴、賄賂は暗号資産と偽レビュー

米連邦大陪審が100以上のマーチャントのShopify(ショッピファイ)顧客データを盗んだ容疑で、カリフォルニア在住の人物を起訴したことが明らかになった。

起訴状によると、Tassilo Heinrich(タシロ・ハインリッヒ)容疑者は、Shopifyのカスタマーサポートエージェント2人と協力して「それらのマーチャントからビジネスを奪い」競争力を高めるためにShopifyの顧客からマーチャントおよび顧客データを盗んだとされ、加重個人情報窃盗および電信詐欺の共同謀議で起訴されている。また、起訴状では、疑惑のスキームの時点で18歳前後だったとみられるハインリッヒ容疑者が、詐欺行為を行うためにデータを他の共犯者に販売したとしている。

このセキュリティ侵害について直接知っている人物は、起訴状に記載されている被害企業がShopifyであることを認めた。

2020年9月、中小企業向けオンラインeコマースプラットフォームを提供するShopifyは、同社のカスタマーサポートチームに属する「ならず者メンバー」2名が「200未満の加盟店」を対象に犯したデータ侵害を明らかにした。Shopifyは「一部の店舗から顧客の取引記録を取得するスキームに関与していた」として、この2人の契約者を解雇したと述べていた。

関連記事:Shopifyが従業員によるデータの漏洩を発表

Shopifyによると、契約者たちは名前、郵便番号、住所、どの製品やサービスを購入したかなどの注文詳細を含む顧客データを盗んだとのことだった。Shopifyからデータ漏洩の通知を受けたある加盟店は、影響を受けた顧客の支払いカードの下4桁の数字も奪われたと述べており、これは起訴状でも確認されている。

また、BBCが報じたところによると、Kylie Jenner(カイリー・ジェンナー)の化粧品・メイクアップ会社「Kylie Cosmetics」も被害者に含まれていたという。

起訴状によると、ハインリッヒ容疑者はフィリピンにあるサードパーティのカスタマーサポート会社の従業員に報酬を支払い、キックバックと引き換えにスクリーンショットを撮るか、データをGoogleドライブにアップロードすることでShopifyの内部ネットワークの一部にアクセスしたという。ハインリッヒ容疑者はこの従業員に数千ドル相当の暗号資産を支払った他、従業員がカスタマーサービスを提供したがフィードバックを残していなかったマーチャントからのものと称して、偽のポジティブレビューを与えていた。起訴状によると、ハインリッヒ容疑者は一部のマーチャントの1年分のデータを受け取ったとされている。

ハインリッヒ容疑者は少なくとも1年間、Shopifyの内部ネットワークからデータを少しずつ吸い上げ、ある時はカスタマーサポートの従業員が寝ている間に「リモートアクセス」できないかと尋ねたという。

Shopifyの広報担当者であるRebecca Feigelsohn(レベッカ・ファイゲルソン)氏は、短い声明で次のように述べた。「ShopifyはFBIに協力し、2020年9月に起こった少数のマーチャントのデータに関わる事件を調査しました。以前に述べたように、関与した加害者はもはやShopifyで働いていません。犯罪捜査が進行中であるため、現時点ではこれ以上のコメントはできません」。

ハインリッヒ容疑者は2021年2月にロサンゼルス国際空港でFBIに逮捕され、2021年9月7日に開始される裁判に向けて、現在は連邦政府に身柄を拘束されている。彼は無罪を主張しているという。

【更新】本記事はShopifyによるコメントを加え更新された。

カテゴリー:セキュリティ
タグ:Shopifyデータ漏洩逮捕

画像クレジット:SOPA Images / Getty Image

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(文:Zack Whittaker、翻訳:Aya Nakazato)

Carbon Engineeringが「サービスとしての二酸化炭素除去」でShopifyと提携

Carbon Engineering(カーボンエンジニアリング)は二酸化炭素除去サービス事業を進めている。この事業では、直接空気回収(DAC)技術を使用して大気からの二酸化炭素除去を顧客が購入できるようにする。

サービスの開始と、Shopify(ショッピファイ)が同社の最初の顧客になるという発表は、同社の最も直接的な競争相手であるClimeworks(クライムワークス)が、スウェーデンの隔離サービス会社であるNorthern Lights(ノーザンライツ)と契約を結び、独自の直接空気回収をサービスとして始める動きと時を同じくして行われた。

Carbon Engineering(CE)はShopifyとの契約により、大規模なDACプロジェクトによる1万トンの恒久的な炭素除去能力に対価を払う最初の顧客を獲得した。除去と隔離は、CEのプラント開発パートナーである1PointFiveが行う。同社はCEの最初の産業規模の施設を現在設計している米国の開発会社で、施設は2024年に完成する予定だ。

「DACの初期の顧客、特に気候に関する野心的な目標を持つ企業には大きな影響を与える可能性があります。DACサービスを購入することで、企業が『ネットゼロ』宣言をより早く達成できるだけでなく、DAC技術の学習曲線が進み、将来的にはコスト削減が推進され、DACサービスに手頃な価格で幅広い顧客がアクセスできるようになります」と気候分野の市民団体であるCarbon180の創設者で社長のNoah Deich(ノラ・デイヒ)氏は述べた。「動きの早いリーダー企業や、望むらくは早期にこの動きに追随する複数の企業が、気候変動への支出の多くをDACに向ける方法を、Carbon Engineeringが発表したのを見て非常に興奮しています」。

Carbon Engineeringが市場に打って出る時間軸はClimeworksとほぼ同じだ。両社にとって幸運なことに、何十億トンもの二酸化炭素排出量を回収・隔離する必要があることを考えると、両社にとって間違いなく十分な大きさの市場となる。

Shopifyはそのコミットメントにより、直接空気回収ベースの二酸化炭素除去に関して公に発表された最大の購入者になった。

「Carbon Engineeringの使命は、大気から二酸化炭素を除去する拡張性が高く手頃なソリューションを提供することでした」と同社CEOのSteve Oldham(スティーブ・オールダム)氏は声明で述べた。「私たちはCarbon Engineeringのテクノロジーを大規模に展開しようとしています。次の重要なステップは市場の関心を集め、顧客を確保することです。この新しいサービスでそれが可能になります。また、企業や政府がネットゼロ計画に恒久的な二酸化炭素除去を含めることも容易になります。Shopifyとの関係を拡大し、最初の二酸化炭素除去の顧客として迎えることに興奮しています。大規模な二酸化炭素除去をまとめて実現できるよう支援することを楽しみにしています」。

二酸化炭素除去ユニットの購入は、Occidentalの子会社であるOxy Low Carbon Ventures, LLCRusheen Capital Managementなど資金力のある投資家が投資し、CEの開発パートナーでもある1PointFiveが展開する分散型空気回収施設によって実現される。

CEはまた、英国のPale Blue Dot Energyと協力して、大西洋全体に直接空気回収技術を導入している。

「このニュースを歓迎し、Shopifyの気候リーダーとしての地位を称賛します」と1PointFiveのRichard Jackson(リチャード・ジャクソン)会長は述べた。「気候変動に関する政府間パネルのような気候の専門家と並び、持続可能な低炭素世界のビジョンを達成するためには、恒久的な二酸化炭素除去が必要になると認識しています。1PointFiveは、CEのテクノロジーに基づく大規模な炭素除去機能を市場に投入し、世界中の顧客の気候に関する目標達成を支援することを楽しみにしています」。

カテゴリー:EnviroTech
タグ:Carbon Engineering二酸化炭素Shopify

画像クレジット:Luke Sharrett/Bloomberg / Getty Images

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Nariko Mizoguchi

Shopifyのお店とお客がSMSで対話できるサービスPostscriptが35億円を調達

Shopifyのお店は、Postscriptを利用して、顧客との接触をSMSで維持できる。顧客の関心分野に集中し、法に触れず、スパムに邪魔されないコミュニケーションが可能だ。同社は2019年に450万ドルを調達したが、今朝(米国時間3/3)はシリーズBの3500万ドルを発表した。

昨年の同社は好調に伸びて、2019年の12月時点の社員数14名、顧客数530から、それぞれ61名3500社強に成長した。

プロダクトのビジョンも昨年はやや大きくなった。最初はShopifyのストアが既存の顧客に「新しい靴が入ったわよ!」などと一方通行的にブロードキャストするだけだったが、今では双方向の対話ができるようになり、再注文や追加注文、サブスクの管理、SMSからのレビューなどが可能だ。

これまでと同じく、PostscriptはShopifyのストアしか利用できないが、APIを使ってShopifyの他のプラグインとのより深い統合を構築できる。でも、それもまだShopifyのお店限定だ。

Postscriptの共同創業者であるAlex Beller氏は、こう語る: 「今だにShopify限定なのは、そこに秘密のソースがあるからだ。私たちは、データとエコシステムを重視している。そこには、小さなアドバンテージの累積という利点がある。また、eコマースの世界で最速成長しているプラットホームでもあるから、ここにいた方が良い」。

関連記事: Postscript raises $4.5M to help Shopify shops stay connected with customers over SMS(未訳)

同社の2019年の資金調達はシードラウンドだったが、共同創業者のAdam Turner氏によると、ラウンドのサイズと最近の同社の売上から見て、ラウンドAをスキップし、今回をいきなりシリーズBにした。

このラウンドをリードしたのはGreylockで、YCと1984vc、Ali Capital、Elephant VC、そしてLarry Fitzgerald氏が参加した。投資の一環としてGreylockのパートナーであるSarah Guo氏とMike Duboe氏がPostscriptの取締役会に入る。

(文:Greg Kumparak、翻訳:Hiroshi Iwatani)

画像クレジット: Postscript

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Shopifyがトランプ大統領関連のオンラインストア「TrumpStore」を閉鎖

米国時間1月6日のワシントンD.C.での暴動を受けて、Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領のウェブ上の活動に対して行動を起こすテック大企業はFacebook(フェイスブック)だけではない。

トランプ大統領の選挙活動グッズ関連を扱うショップ、そして大統領の個人ブランドを扱うショップTrumpStoreがあるShopify(ショピファイ)はそれらを閉鎖した。

Shopifyは暴力を扇動する行動を容認しません。直近の事件に鑑み、当社はドナルド・トランプ大統領の行動が当社の利用規定に違反したと確認しました。利用規定では、脅したりさらなる暴力を招く組織、プラットフォーム、人々の促進やサポートを禁止しています」とShopifyの広報担当はTechCrunchへの声明文に書いた。「結果として、当社はトランプ大統領に関係するストアを閉鎖しました」。

Shopifyの決定についてはウォールストリートジャーナル紙が最初に報じている。

Shopifyは以前、どの顧客もプラットフォームを使う権利があると主張(未訳記事)し、CEOのTobias Lütke(トビアス・ルーク)氏が検閲と呼ぶものの実施を拒否したが、今回の決定は同社にとってその逆だ。

今は削除されている、ルーク氏による2017年のレターの中で、同氏は「商業はパワフルで、過小評価された表現手法だ」と書いている。

消費者による個々の購買と投票の間に平行線を描き、たとえ個人的に、そして組織としてプラットフォーム上の顧客の姿勢に同意しなくても、自由な表現を妨げるのはShopifyがすることではないとルーク氏は述べていた。

そうしたことがあった2017年以来、Shopifyはいくぶん姿勢を軟化させた。2018年に同社はプラットフォームから、Proud Boys組織などに関係するショップを含め、右翼グループを追放した(Proud Boysメンバーは1月6日の議事堂での暴動に関わった)。そしてBlack Lives Matter(黒人の命も大切だ)抗議が全米で起こったとき、Shopifyは公民権の組織に寄付をした。

同社の株はニューヨーク証券取引所で66ドル(約6860円)、おおよそ6%アップの1152.94ドル(約11万9800円)で取引されている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:ドナルド・トランプアメリカeコマースShopify

画像クレジット:Eric Lee/Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

2020年感謝祭の米国ネットショッピング売上は前年比42.3%増の6200億円超の見込み

米国時間11月26日、人々が感謝祭の料理を準備したり食べたり、特別な一日をリラックスして過ごすための「仕事」をしている中、祝日にお買い得品を求めてオンラインショッピングに勤しむ人もいる。Adobe(アドビ)は、米国のトップ100の小売業者のうち80社のオンライン販売をリアルタイムで追跡しており(Adobeサイト)約1億のSKUをカバーしているが、初期の数字を見ると、感謝祭の日の電子商取引売上額は60億ドル(約6240億円)を突破するだろうと述べている。一方、Shopifyは、そのプラットフォームに加盟する100万以上の小売商の活動に基づき、カート内の平均金額は全世界では84.50ドル(約8792円)、米国では特に88.30ドル(9188円)だったと述べている。

なお、感謝祭の売上高の数字が入り次第、この記事は更新していく予定。

売り上げ好調が予想されるシーズンに、2020年は消費者がオンラインショッピングで1891億ドル(約19兆6740億円)を消費するとアドビは見ている。

Adobe(アドビ)の60億ドルという数字をいくつかの文脈に当てはめると、ホリデーシーズン全体では2019年比33.1%増という予想が浮かび上がってくる。アドビは2019年に、買い物客が感謝祭に42億ドル(約4370億円)をオンラインで消費したと発表しており、今年、2020年の数字は42.3%増ということになる。そして今日に至るまで、今週の各日は30億ドル(約3122億円)以上の売り上げがあった。

何が起こっているのだろうか?この数字は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた2020年の経済的な落ち込みにもかかわらず、小売業者は少なくとも、伝統的に最も重要な売り上げ期間である次の数カ月間に、損失の一部を補うことができるだろうという希望に満ちた兆候である。

ここ数カ月にわたって我々が報じてきたとおり、全体的に2020年は電子商取引にとって高水位の年となっている。オンラインにおけるブラウジングやショッピングの増加という大きなトレンド(年々増え続けている)を、コロナ禍がさらに後押ししていることは明らかだ。

新型コロナウイルスの蔓延を抑えるために、人と人との距離を開けようという動きは、多くの人を店舗のような混雑した場所から遠ざけるように駆り立てた。私たちは家にいることを余儀なくされ、自宅からインターネットで物事を済ませるようになった。

このような傾向は、すでにオンラインショッピングに慣れている人がより多くのお金を使うようになっているというだけでなく、オンラインショッピングというプラットフォームに新しいカテゴリーの買い物客を導き入れているのだ。

アドビによると、今週のこれまでのところ、全売上の9%が「店舗が閉店していたり、対面での接触によるウイルス感染を避けようと、従来の実店舗の買い物客がオンラインで取引を完了させるようになったことによる正味の新規顧客から発生したもの」だという。

ブラックフライデー(感謝祭の翌日)は、伝統的にホリデーショッピングの始まりとされてきたが、電子商取引の成長により、実店舗が閉まっており多くの人が何もすることなく家の中をうろうろしている感謝祭の日が、より重要視されるようになってきた。今年はその傾向を踏襲しているようだ。

「家族は休日に多くの伝統を持っています。しかし、旅行が制限され、自宅に留まることを要請され、ウイルスの蔓延に対する恐れなどから、米国人はその多くを楽しむことができなくなっています。オンラインショッピングは、オンラインで維持することができる祝祭日の習慣の1つであり、売上高は、贈り物の習慣が今年もずっと愛されている伝統であることを示しています」と、Adobe Digital InsightsのディレクターであるTaylor Schreiner(テイラー・シュライナー)氏は声明で述べている。

もっとも、ブラックフライデーの売り上げが縮小するといっているわけではない。アドビは、今年のオンライン販売における売り上げが103億ドル(約1兆702万円)を突破すると予測している。

何が売れているのか、いくつか掘り下げてみよう。

アドビによると、ボードゲームや「家族に焦点を当てる」その他のカテゴリーが好調で、売上は2019年の5倍に増加しているとのこと。

同様に、私たちがいま、どれほどオンラインで食料品の買い物をしているかということだが、先週の食料品の売上は10月と比較してなんと596%も増加している。人々は長い週末のために食料品を買い込んでいたのだ(家族と一緒に食べるかどうかはともかく)。

その他の多く売れた商品としては、「Hyrule Warriors: Age of Calamity(ゼルダ無双 厄災の黙示録)」や「 Just Dance 2021(ジャストダンス2021)」といったゲームソフト、VTechのラーラングトイ、レインボーハイのファッションドールなどが挙げられる。

アマゾンが今週発表した、今シーズンから配送の選択肢を増やすという発表は、電子商取引が単純な宅配を超えていかに成長しているか、小売業者がビジネスを他者と差別化するために、いかに重要な要素となっているかを物語っている。店頭受取サービスは今週、昨年同期と比べて116%の増加、迅速配送は49%増となっている。

予測通り、スマートフォンの役割もこれまで以上に大きくなっている。アドビによると、11月のこれまでのスマートフォン経由の利用額は255億ドル(約2兆6540億円)で、2019年と比べて48%増と大幅に成長している。これらの数字を基にすると、スマートフォンは電子商取引の全売上高の38.6%を占めることになる。ショッピファイはスマートフォンに対してさらに強気だ。そのプラットフォーム上で、感謝祭の世界的な売上の70%を占めていたと述べているのだ。

アドビは、米国では大手小売業者が人々の買い物の方法を支配し続けていると述べている。ウォルマートやターゲット、アマゾンなどの大手小売業は、合計で年間10億ドル(1000億円)以上の収益を上げるが、10月以降は147%に売上高を伸ばしている。その理由の1つは、コンバージョン率が中小企業よりも100%高い、より洗練されたウェブサイトにあると考えられる(中小企業が競争力を上げるためのツールを構築できる会社にとっては大きな伸びしろが残されているということだ)。

しかし、Shopifyの物語は異なる絵を描いていることに注目すべきだ。そのプラットフォームは、どんなブランドでも電子商取引サイトを構築できる仕組みを提供するもので、多数の小売業者のオンライン売上高の合計、いわゆる「ロングテール」に焦点を置いている。約100万もの加盟店が同社のプラットフォームを使用して受注、販売、決済などを実行しているのだ。Shopifyはブラックフライデーに詳細な結果を発表する予定だが、そのメッセージは、ビジネスの規模がすべてではない、ということになるだろう。つまり、物を売るにはそれを効率良く販売できる仕組みを築くことが重要だということだ。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:AdobeShopifyネットショッピング

画像クレジット:Ian Sane (opens in a new window)Flickr (opens in a new window)under a CC BY 2.0 (opens in a new window)license.

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(翻訳:TechCrunch Japan)