Slackが企業間共有チャンネル作成機能「Connect」を発表、管理が面倒なゲストアカウント不要に

いまやバーチャルイベントは2020年の新製品発表の新しい標準となった。Slack(スラック)は米国時間6月24日、同サービスの新機能であるSlack Connect(コネクト)をインターネットで発表した。

今週始めにApple(アップル)の長時間にわたるかなりの出来栄えだったバーチャルWWDC直後に行われたSlackのイベントは、実験と記者会見を兼ねて新機能のSlack Connectを詳しく紹介するために設けられた。Connectは企業がSlackインスタンス内で、これまでの共有チャンネル機能ではできなかったつながりや会話を可能にする。新機能は会社対会社の場面を想定したもので、企業が外部の代理人やベンダーとの会話が必要になった場合などに使われる。

Slackは最も基本的な「社内」チャット機能でよく知られており、チーム内の連絡を便利にするものだった。Slack Connectはそのアイデアを延長して、社内のプライベートなやり取りと、他の組織のプライベートなやり取りとを結びつけてコミュニケーションを容易にしながら、セキュリティーは守られるというもののようだ。

Slack Connectは、共有チャンネルの進化版であり、セキュリティーを強化するとともに20の組織間でチャンネルを共有できる。大企業向けSaaS会社である同社は、Connectを利用する企業に「チャンネルによらずDM(ダイレクトメッセージ)を送る機能」も提供するとTechCrunchに話した。

新機能はメールの利用を減らすことが期待できる。もしSlack Connectによって多くの企業がつながれば、他社との情報共有のために必要なメールを減らさるだろう。ちなみにSlack自身の実績も素晴らしい。Slack CEOのStewart Butterfiled(スチュワート・バターフィールド)氏は発表の中で、ピーク時には1秒当たり6500万件のメッセージがやり取りされている、と語った。

同CEOによると、Slack Connectは数カ月間パイロットテストが行われ、現在有償プランのユーザーが利用できる。Slack株はこのニュースが出る前に3.8%安だった。SaaS株の株価も、市場全体と同様下落した。投資家は、少なくとも今のところ、このニュースに反応を見せていないようだ。

画像クレジット:Justin Sullivan / Getty Images

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Slackは四半期決算発表後に株価10%ダウン、ガイダンスにも市場は不満

エンタープライズ向けチャットのSlackが4月30日を終期とする第1四半期を発表した。これは2021会計年度の最初の四半期決算だ。

今期の収入は2億170万ドル(220億円)と昨年同期比で50%のアップだった。調整済み1株あたり損益は0.02ドルの損失、すべてのコストを考慮すると0.13ドルの損失となっている。Yahoo Financeによればアナリストの予測は平均して1億8812万ドルの収入と1株あたり損失0.06ドルだった。

決算発表の直後に同社の株価は13%ダウンした。これは同社がSasSという新しいビジネスモデルを発表したときの4.4%のダウンに続くものだ。我々の見立てでは、アナリスト予測を上回りながら株価は下落した原因は、投資家はSlackがもっと大きく予測を上回ることを期待して買いにまわり、株価を押し上げていたのだろうというものだ。

残念ながら四半期決算決算ではそうした数字は報告されなかった。Slackは新型コロナウイルスのパンデミックによって多くの企業がリモートワークの実施のために新たにチャットサービスを導入しており「急成長している」と説明していた。

Slackの決算報告はビデオチャットのZoom、サイバーセキュリティのCrowdStrikeの発表に続くものだ。両社ともデジタル化の加速とリモートワークの必要性の増大により大幅な成長を遂げている。

Slack自身もこのブームにより「今期は無料、有料のサブスクリプションを合計して9万社以上の新規契約を記録している」と述べている。このうち有料契約は 1万2000社だったという。こうした堅調な結果であったにも関わらず、株価が即座に下落したことは投資家が有料プラン契約の割合がもっと高いことを期待したためだろう。結局のところ売上は有料契約者の数にかかっているわけだ。

Slackは、ガイドラインで現在の四半期の収入を「2億600万ドルから2億900万ドル(225億円から228億円)」と予想しており、これは前年比で42%から44%の成長となる。同社はまた調整済み1株あたり損益を0.03ドルから0.04ドルの損失と予測している。

株式市場の失望は別として、この四半期のSlackの資金調達は順調だった。優先転換社債(シニア・コンバーティブル・ノート)で7億5000万ドル(820億円)を調達し、0.50%という低い金利で資本を増強することに成功している。株価の下落はさして痛手ではないだろう。

またSlackの四半期決算のすべてが投資家を苛立たせるニュースだったわけでもない。明るい部分としてはまず前四半期の49%と比べて収入の伸びはわずかだが増えている。またリテンションレート(顧客維持率)は132%と依然としてこの分野の最高水準だ。さらに、GAAP粗利益率は87.3%にアップした。これも十分に優秀な数字だ。

しかし市場の投資家はこれよりもさらに高い成長を期待していたに違いない。

最後に付け加えておくなら、Slackが犯したある種の誤算は「SaaSビジネスへの転換が収入の拡大を加速させる」と主張しながらそれが実現しなかったことにあるだろう。期待はずれのSaaSの決算という点で、SlackはSalesforceとSmartsheetの例にならってしまったようだ。

画像:Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

人気C向けアプリはいかにして初期ユーザー1000人を獲得したのか?

【編集部注】本稿は米国スタートアップやテクノロジー、ビジネスに関する話題を解説するポッドキャスト「Off Topic」が投稿したnote記事の転載だ。

こんにちは、宮武(@tmiyatake1)です。これまで日本のVCで米国を拠点にキャピタリストとして働いてきて、現在は、LAにあるスタートアップでCOOをしています。Off Topicでは、D2C企業の話や最新テックニュースの解説をしているポッドキャストもやってます。まだ購読されてない方はチェックしてみてください!

はじめに

元Airbnbのグロース担当のLenny Rachitskyさ(レニー・ラチツキー)さん「How the biggest consumer apps got their first 1,000 users」の記事を直接許可を頂き翻訳しました。レニーさんのコンテンツをもっと読みたい方はぜひ彼のメルマガにご登録ください!Lennyさんの「マーケットプレイスの作り方」の翻訳もしていますので、そちらも気になった方はご一読ください!

C向けサービスがいかにして最初の1000人を獲得するかしっかりまとまってる記事は意外とありませんでした。レニーさんの記事は、実際に創業者のヒアリングを行い、過去インタビューを遡り、Twitterで質問したりした事実に基づく濃密なレポートです。UberやTikTok、Tinder、最近話題のSuperhumanなどの著名スタートアップの学びをシェアしたいと思います。

サマリー

  1. C向けの初期グロースは7つの戦略に分けられる
  2. Product HuntやPinterestは複数使ったが、ほとんどのスタートアップは1つの戦略で成長する。3つ以上使って成功した事例は今のところ見てない
  3. 一番人気な戦略はオンラインでもオフラインでも直接ユーザーに行くこと。スケールしないことをやろう
  4. 戦略を実行するために、ターゲット層を狭く定義づけることが大事
  5. 最初の1000人の獲得と1万人までの獲得方法は変わる

初期ユーザー獲得戦略は以下の7つの戦略となる。

  1. オフラインで直接ユーザーと会う
  2. オンラインで直接ユーザーと会う
  3. 友達を招待する
  4. 取り残されることへの恐れ(FOMO)を作ること
  5. インフルエンサーを活用
  6. PR・メディアを活用
  7. コミュニティを作る

1. オフラインで直接ユーザーと会う

Key Question
初期ターゲットユーザーは誰で、どのオフラインの場所で集まっている?

■大学キャンパス
Tinder:創業メンバーのWhitney WolfeとJustin Mateenは南カリフォルニア大学で走り回ってフラタニティとソロリティでTinderを紹介してた。ほかの独身の人とつながれる、そして自分に興味があるかを知りたいニーズに合わせられたのでバイラルになった(Jeff Morris Jr.氏)。

DoorDash:初期バージョンはpaloaltodelivery.comと言うサイトでパロアルトのレストランメニューにPDFが載っていただけ。社長のTonyとDoorDashチームはチラシを印刷してスタンフォード大学でバラまいた。6ドルのデリバリーフィーで需要があるかを知りたかった。単純にPDFメニューのサイトとチラシで始まっただけ(Micah Moreau氏)。

■スタートアップのオフィス、駅や交通ハブ
Lyft:周りのスタートアップの各社にドアノックをして、無料でカップケーキやドーナッツと一緒にLyftの無料クーポンを渡していた(Emily Castor氏とBenjamin Lauzier氏)。
Uber:Streetチームをかなり使った。SF内の各Caltrain(カルトレイン、郊外向けの通勤列車)駅に行ってリファラルコードをばらまいていた。元CEOのTravisさん自身がTwitter本社に行ってリファラルコードを従業員にばらまいていたと。これが後ほどUberのグローバルアンバサダープログラムとなった(Andrew Chen氏)。

■ショッピングモール
Snapchat:CEOのEvanは一人ひとりに見せ始めて、使い方を教えたり、なぜ面白いかを説明した。アプリのダウンロードまで彼が代わりにやってあげていた。ユーザー獲得のために何でもやった。ショッピングモールに行ってSnapchatのチラシもばらまいてた。ショッピングモールで「消える写真を送ってみたいか?」と聞いて、よく断られてた(Billy Gallagher氏、How to Turn Down a Billion Dollars, The Snapchat Storyより)。

■近所のHOA(Home Owner Association、管理組合)
Nextdoor:当時は創業チームは近所のSNSのコンセプトを受けれて検証してくれる場所を探さないと意味がないとわかっていた。どの場所を選ぶかが重要だった。その場所はLorelei(ローレライ)だった。小さく親密なコミュニティであり、カリフォルニア州で最も古い管理組合がある場所だった。すでにコミュニティ内でコミュニケーションの取り合いをする方法があったのでNextdoorに合うと思った。管理組合の上層部に連絡したら話を聞いてくれた(Sarah Leary氏)。

■クラフトフェア
Etsy:米国中に開催されているクラフトフェアに行くことにした。そこで売り手を探しに行った。売り手は買い手をどうやってサイトに誘導させるのをわかっていたので、売り手を囲い込むのが大事だった(Thales Teixeria氏)。

■アップルストア
Pinterest:正直、かなりヤケクソなことをやってた。家の帰り道のアップルストアに入って置いてあったパソコンをPinterestページを表示するようにした。そしてその後にちょっと後ろのほうに行って「へーこのPinterestと言うサイトはバズっているんだなー」と他の人が聞こえるように言ってました(Ben Silbermann氏)。

2. オンラインで直接ユーザーと会う

Key Question
初期ターゲットユーザーは誰で、オンラインのどこで集まっている?

■Hacker News
Dropbox:CEOのDrewは簡単なプロダクトのデモ動画を2007年4月にHacker Newsに投稿した。そのタイトルは「My YC app: Dropbox – Throw away your USB drive」(僕のYCアプリDropbox:USBドライブを捨てよう)。その動画で初期ユーザーを集めた(John Popel氏)。

■アプリストア
TikTok(Musical.ly):当時はアプリストアに秘策があった。アプリ名をすごく長くできた。そしてアプリストアの検索エンジンはキーワードよりアプリ名にウェイトをかけるのを知ってた。なので、アプリ名を「make awesome music videos with all kinds of effects for Instagram, Facebook, Messenger」にしたら検索からの流入が入ってきた(Alex Zhu氏)。

ProductHunt:初期3000人はProductHunt初日とその1日、2日後で獲得できた。3000人から2万人ユーザーは初期ユーザーが入っている組織のエヴァンジェリストを探し、1対1の関係性を作った。そして2万人以降はPMのシステム(同僚を紹介するたびに5ドルのクレジット、50ドルぶんまで)で獲得(Shahed Khan氏)。

■既存のオンラインコミュニティ
Netflix:ユーザーとつながるためにCorey Bridgesをユーザー獲得するために採用した。彼はライターとしての才能があった。Coreyが気づいたのはDVDオーナーはネットのウェブフォーラムなどで集まっていたこと。そのコミュニティに入り込もうとした。CoreyはNetflix従業員とは名乗らず、映画好きな人として会話に参加したり、友達を作った。そこで、徐々にコミュニティ内のモデレーターや一番リスペクトされてたユーザーにNetflixと言う素晴らしいサイトを宣伝し始めた。ローンチ前から大きく種まきをしてくれてた(Marc Randolph氏、That Will Never Workより)。

Buffer:最初の9カ月はゲストブログ(自社ではないブログ)に書き続けただけで10万人を獲得できた。徐々に上がった感じだった。9カ月間で約150件投稿した。まったく流入しなかったものもあったし、徐々にしか改善されなかった。最適な投稿頻度を見つけるまで時間がかかった(Leo Widrich氏)。

3. 友達を招待する

Key Question
自分の友達は初期ターゲット層に当てはまるか?当てはまっていれば、サービスに招待したか?

Yelp:初期ユーザーは自分たちのネットワーク(ほぼ元PayPal同僚)を招待して獲得した。自分たちのネットワークに周りの友達を招待するようにお願いした。スタートアップを経験したメンバーが多かったので、お互い助け合うことに慣れてたのでいろいろ招待してくれた。そこだけで1000人ぐらいまで行った。一人のリファラルネットワークを侮らないことが大事で、招待させるインセンティブや方法を考えるのが大事(Russel Simmons氏)。

Lyft:ウェイトリスト制度を始める前には友達へメールにて招待状を送っていた(Emily Castor Warren氏)。

Facebook:Thefacebook.comは2004年2月4日にローンチした。普通の寮で過ごす夜だった。Mark Zuckerbergがサイトを完成させた時に数名の友達に共有した。その友達が学生寮「Kirkland House」に住んでいる300人が入っているオンラインメールリストに送ることをお勧めした。十数名が入って、その時にはすでにほかの寮にサイトの話が回ってた。夜の終わりには部屋にいた人たち全員が登録したユーザー数をひたすら見ていた。24時間以内で1200〜1500人が登録してくれた(Dustin Moskovitz氏、New Yorkerより)

Quora:Quoraは2010年1月にローンチした時のユーザーは主にAdam D’AngeloとCharlie Cheeverの高校・大学時代の友達が集まっていた。そのおかげで初期Quoraの情報を見ると、Cheeverが育ったペンシルベニア州のピッツバーグでのおいしいレストランなどの情報が多かった。サイトに他の人を招待できる機能を入れてユーザーを増やした(Wiredより)。

LinkedIn:LinkedInのCEOであるReid Hoffmanはプロダクトの初期は成功した友達やつながりに入ってもらった。憧れられるブランドを作るには初期ユーザーの質が重要だと理解してた。成功している会社や人ほど常に次の採用する人材を探しているので、成功した人たちを初期から入れてなければ会社は成功しなかった(Keith Rabois氏)。

Slack:ほかの会社で働いている友達に頼み込んで試してもらってフィードバックをもらった。最初の6社から10社はこう言うかたちで獲得した(Stewart Butterfield氏)。

Pinterest:アプリをローンチした時に友達全員にメールした。最初は誰もサービスの良さを理解しなかったが、ある小さいグループだけ使い続けてくれた。それはアーリーアダプターっぽくなく、一緒に育った友達や知り合いだった。彼らは人生の一環として使ってくれて、家や食べ物写真を上げてくれた(Ben Silbermann氏)。

4. 取り残されることへの恐れ(FOMO)を作ること</h2.

Key Question
・ユーザー生成コンテンツ「UGC」に頼るプロダクト?初期コミュニティはキュレーション型にすることを検討するべき
・強い企業価値があるか?その場合はウェイトリストを検討するべき
・ソーシャルなプロダクトか?その場合は既存ユーザーに新規ユーザーの招待させるように検討するべき

■初期コミュニティを制限、キュレーション
Clubhouse:プライベートテストフライトを見てると面白い(Todd Goldberg氏)。

  • キュレーション(クオリティー担保)
  • 制限・招待制(FOMO: Fear of Missing Out)
  • 早い改善とアップデート(アプリストアのレビュープロセスが必要ない)
  • 初期ユーザーは信頼できるネットワークからのリファラル

Instagram:プロトタイプと検証をしてたときにTwitterフォロワーが多い人に渡したのがよかった。しかもそれはある一定のコミュニティでのフォロワー数が重要だった。そのコミュニティはデザイナー、オンラインウェブデザインのコミュニティだった。我々がフォーカスしている写真やビジュアル要素がこのコミュニティに最もアピールすると思った。彼らがTwitterで共有してくれたおかげで、ほかの人たちは「これはいつローンチして、いつ使えるのか?」と聞き始めて、そのタイミングでローンチした(Kevin Systrom氏)。

Pinterest:最初は招待制のコミュニティだった。初期ユーザーはSilbermannが呼びかけたデザインブロガーだった。呼びかけた人たちにはユニークなアイデアとクリエイティブな人たちにしか招待するなと教えた。そうやって2012年まで招待ベースで伸び続けた(Entrepreneurより)。

■事前登録、ウェイトリスト
Mailbox:iPhone用のメール管理アプリのMailboxがリリースされた時にすでに70万人のユーザーがウェイトリストに登録していた。これはMailboxのサーバーに異常なる負担を与えないためと、需要をより増やすマーケティング戦略だ(Darrell Etherington氏)。

Superhuman:初年度は開発している最中にLP(ランディングページ)を公開した。Squarespaceで作った最小限のダメなLPを2時間だけかけて作り上げた。LPにはメールアドレスしか入れられないようにした。そしてメールアドレスを入れた際には2つの質問が自動送信された(Rahul Vohra氏)。

  1. どのメールブラウザーを使っている?
  2. メールの不満は何?

Robinhood:リリースした際には初期サイトがバズるとはまったく思ってなかった。そのためシンプルなコピーを入れて、登録するためのボタンを押して、メールアドレスを入力してもらってウェイトリストにジョインできるようにした。そしてウェイトリストの何人中、何番目かを表示するようにした。プレスを出すその前の金曜日の夜にウェイトリストの準備をしていた。その次の日の土曜日にGoogle Analyticsを開くと600人ぐらいの同時アクセスユーザー数を見かけた。何が起こったかを見たらほとんどのユーザーはHacker Newsから来ていた。Hacker Newsを見たら3番目にRobinhoodについて投稿されてた(Business Insiderより)。

■既存ユーザーからの招待制
Spotify:2008年にSpotifyがベータ版をローンチ。正式ローンチまでは招待制オンリーで進めていた。Spotifyの初期成長はこの招待制度が鍵だった。Spotifyのグロースをコントロールできたのと、よりバイラルな要素をサービスに与えた。ユーザーは最初に5人の友達に招待できるようにしてた(TNWより)。

5. インフルエンサーの活用

Key Question
ターケット層のインフルエンサーは誰で、どうやって自分のプロダクトについて話してもらえるか?

Twitter:以下図が初期ローンチのグラフだ。最初にインターネットでTwitterについてメンションがあったのは7月13日のEvan Williamのブログだったが、その前日に登録が結構入ってたのがわかる。そしてOm Malikの投稿で次の日には250人が登録。まだ600人ぐらいしかいなかったときだった。Evanの人気度とOmの推薦をもとに最初にバズるような状況を作れた(Pete Warden氏)。

Product Hunt:インフルエンサーを見つけた時に私かNathanが個人的にメールを送って、プレスでProduct Huntに言及していたPandoDailyやFast Companyの記事にリンクして我々のストーリーを説明した。マニュアルなプロセスだったが、いい寄稿者を採用するのにいい方法でよりフィードバックをもらえやすい状況を作っていた(Ryan Hoover氏)。

Instagram:創業者は初期ユーザーを慎重に選んでいた。良い写真家、特に高いTwitterフォロワー数のデザイナーを選んでた。その初期ユーザーが最初のトーン、良質なコンテンツを出した最初のInstagramをプロモーションするインフルエンサーキャンペーンと言えるだろう。Jack DorseyはInstagramの一番の営業マンだった。最初は彼の投資が(Instagramの前身のサービスである)Burbnではないアプリに行くことに対してショックだったが、すぐにInstagramをBurbn以上に好きになった。そしてInstagramが2010年10月6日にローンチした時に、Jack Dorseyが共有してくれたおかげですぐにバズった。アップルのアプリストアのカメラアプリの中でいちばんになった(Sarah Frier氏、No Filter: The Inside Story of Instagramより)。

6. PR・メディアの活用

Key Question
プレスやメディアにピッチできる新しく、面白く、そしてユニークなストーリーとは?

Superhuman:プレスをうまく使うのは時代精神的な瞬間に入り込むこと。我々の場合はMailboxがシャットダウンする時だった。私はかなり読まれたM&Aの生き残り方についての記事を書いたが、それはMailboxのシャットダウンと合わせて書いたもの。投稿はMediumで出したが、qz.comにも転載された。時代精神的な瞬間に入り込めた。その記事を書くのに3日間それだけに集中したのと、あと1日記事をいろんな人に共有するのに時間をかけたので、合計4日間フルフルかかった。でもその4日間で5000人の登録が入ってきた(Rahul Vohra氏)。

Product Hunt:FastCompany記事のようにゲスト投稿をテックメディアで書いて認知を得た。初期はプレス・メディアで登録を伸ばすのに効果的だった。TechCrunchを読む人はProduct Huntを見る人と同一だった。さらにProduct Huntでローンチしたいいプロダクトを知り合いの記者に情報を流すようにした。記者の興味に合わせてプロダクトを送り、それについて記事を書いてもらってProduct Huntにリンクしてもらった。しかもそれによってよりクリエイターやアーリーステージの会社に認知を与えてた(Ryan Hoover氏)。

Airbnb:ターニングポイントはコロラド州デンバーで行われた2008年の民主党全国委員会(DNC)だった。Airbnb創業メンバーはイベントのキャパの4倍以上の人が参加すると知っていて、その影響で部屋のレンタルの需要が高まると知ってた。部屋を譲ってもらうのは簡単だったが、知名度がなかったのでその部屋に宿泊してもらうことが難しかった。

それを解決するためにまずは小さいオーディエンスを持っているブロガーに当たった。直感に反するかもしれないが、小さいブロガーがAirbnbについて投稿することによって大きめのメディアが取り上げる必要があると感じた。それがどんどん加速して、最終的には全米に放映するNBCやCBSがAirbnbの創業者をインタビューしていた。

DNCはAirbnbにとってよかったが、結局1週間しか続かなかった。創業者がイベントからのインパクトを最大限に広げられないかとキッチンで座ってたときに、シリアルを売って黒字化するアイデアを思いついた。2人ともデザイナーで名門ロードアイランド・スクール・オブ・デザインの卒業生だった。嘘のシリアルの「Obama O’s, the Cereal of Change」と「Cap’n McCain’s, a Maverick in Every Box」を考えた。箱のアートは彼ら自身で考え、カリフォルニア大学バークレー校の生徒にお願いして安く箱を印刷してもらった。箱はフラットな長方形で印刷されたので、1つひとつ形を切り取って手作りした。
創業メンバーはいろんなテックブロガーに箱を送り、それについて記事を書いてもらった。その後に一箱40ドルで売った。Obama O’sが売れすぎて、Cap’n McCainを無償でつけるようになった(Pandoより)。

Slack:ベータ版をベータ版と呼ばなかったのは、そうするとサービスがあまりよくないと思われるからだった。チームの過去の経験を活用してプレス戦略を行った。それでSlackを使うリクエストが遅れるようにした。初日に8000人、2週間後に1万5000人まで上がった。ローンチ時のメディアの力は強い(Stewart Butterfield氏)。

Instagram:PR会社を使わずに直接プレスにコンタクトした。これは正しい戦略だったとKevin Systromが語る。いいプロダクトと熱い創業者からピッチするといい記事となる。プロダクトを好きになりそうな人に関しては躊躇なく連絡した。それがうまくいった。New York Timesとかに連絡する意味がないといろんな人から言われたが、NYTは話すだけではなく、直接会いにきてくれた。そして2010年10月にローンチした同日にプレスが出て、サーバーへの負担がハンパなかった(TNWより)。

7. ローンチ前にコミュニティを作る

Key Question
あとあと活用できるコミュニティを今作れるか?

Product Hunt:Linkydinkと言うメルマガツールを使ってメルマガとしてスタートした。Product Huntを開発している間にMVP版に貢献してくれる人たちやプロダクト関連の人にモックを共有してフィードバックをもらってた。これは顧客開発のためだけではなく、共有してた人たちにプロダクトに貢献してプロダクトの一部として感じてもらうようにしていた(実際に貢献してくれてた)。その5日後、MVPが完成した。Product HuntのURLをサポーターたちにメールして、周りに共有しないようにお願いした。サポーターたちは自分たちが開発に貢献した感情を抱いてたので、プロダクトにすぐに愛着が生まれた。それで最初の30人を獲得した。週の終わりには100人集まったので、公開できると思った(Ryan Hoover氏)。

Stack Overflow:創業メンバーのJoel SpolskyとJeff Atwoodは過去の経歴のおかげで大きなフォロワーコミュニティを持っていた。お互いのコミュニティに対してプライベートベータ版に招待した。コンテンツが最初からないと微妙に見えるので、招待する前に創業メンバー自らコンテンツを作っていた(Jon氏)。

おさらい

最初の1000人を獲得するには、以下7つの戦略が使われた。

  1. オフラインで直接ユーザーと会う
  2. オンラインで直接ユーザーと会う
  3. 友達を招待する
  4. 取り残されることへの恐れ(FOMO)を作ること
  5. インフルエンサーの活用
  6. PR・メディアの活用
  7. コミュニティを作る

どの戦略にフォーカスするべきか決めるために自分に聞くべき質問は以下のとおり。

  1. 初期ターゲットユーザーは誰で、どのオフラインの場所で集まっている?
  2. 初期ターゲットユーザーは誰で、オンラインのどこで集まっている?
  3. 自分の友達は初期ターゲット層に当てはまるか?当てはまっていれば、サービスに招待したか?
  4. ユーザー生成コンテンツ「UGC」に頼るプロダクト?初期コミュニティはキュレーション型にすることを検討するべき
  5. 強い企業価値があるか?その場合はウェイトリストを検討するべき
  6. ソーシャルなプロダクトか?その場合は既存ユーザーに新規ユーザーの招待させるように検討するべき
  7. ターケット層のインフルエンサーは誰で、どうやって自分のプロダクトについて話してもらえるか?
  8. プレスや¥メディアにピッチできる新しく、面白く、ユニークなストーリーとは?
  9. あとあと活用できるコミュニティを今作れるか?

Slackがアップロードされた画像のEXIF情報削除を開始

Slackはアップロードされた写真のメタデータを削除するようになった。テックの巨人にとって取るに足りない変更にも思えるが、これで写真の出所を追跡することがずっと難しくなる。

パソコン上の文書でも携帯電話で撮影した写真でも、ほとんどのデジタルファイルにはメタデータが含まれている。ファイルサイズや作成した日時、人物などファイルそのものに関するデータだ。写真とビデオには、撮影した場所に関する正確な位置情報が入っていることも多い。

しかし、Slackユーザーにとってはこれが問題になることがある、ジャーナリストや活動家のように情報源の安全を守るために入念なセキュリティー対策が必要な人々だ。 写真の中のメタデータは、情報源を暴露したり通報者の匿名性を奪ったり、友好的でない政府が個人を標的にしやすくする恐れがある。ジャーナリストが記事を公開する前に写真のメタデータを削除したとしても、メタデータを含むオリジナルはSlackのサーバーに残っているかもしれない。ハッカーが侵入するにしても政府がデータを要求した場合でも、情報源が危険にさらされる可能性がある。

Slackは、位置情報を含め写真のメタデータの削除を開始したことをTechCrunchに正式に伝えた。
「当社が最近、Slackにアップロードされた画像から、GPS位置情報を含めEXIF(EXchangeable Image File、イグジフ)メタデータを削除するようになったことを正式に報告します」とSlack広報担当者が語った。

TechCrunchではこれをテストするために、位置情報を含む写真をSlackにアップロードした後、その画像をサーバーからダウンロードしてみた。サーバーから取得したファイルに位置情報はなかった。撮影したデバイスのメーカーやモデルなど、一部のメタデータは残っていた。

Slackは方針変更のきっかけについては語っていない。

関連記事:The Slack origin story

画像クレジット:Chris Ratcliffe/Bloomberg/ Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

リモートワークはZoomを止めてアバターチャットのPragliを使ってみよう

リモートワーク向けビジネスアプリのPragliはアバターを使ったチャットをベースにしている。ユーザーは自宅でSpotifyで音楽を聞きながら同僚と常時コミュニケーションができる。ボスや同僚がデスクにいるのか、会議中か、何か重要な仕事に集中しているのかひと目で知ることができる。しかも仕事の合間には(職場と同様、いわば)給湯室でちょっとおしゃべりもできるし、「今日の勤務は終了」を宣言することもできる。

また必要なら音声通話や画面共有もできる。時間を指定してビデオ会議を開催する機能もある。また忙しそうな相手にはメールのように後で回答すればよいテキストメッセージを送信することもできる。簡単にいえば、我々が物理的に出社して行っていたのと同じことをリモートワークに置き換えて実現させようとするサービスだ。

Pragliの共同創業者のDoug Safreno(ダグ・サフレノ)氏は私のインタビューに対して次のように語った。

「簡単にいえば、Pragliはメールに対してSlackが起こした画期的な改革のビデオ会議版だ。従来のビデオ会議サービスは本質的に排他的でクローズドなコミュニケーション・チャンネルだったが、Pragliはオープンかつ包括的だ。オフィスに出社して働くのと同様、誰が何をしているのか、誰と話しているのかひと目でわかる」。

PragliのセールスポイントはBuffer/AngelListの広汎な調査で明らかになったリモートワーカーが嫌うトップ3の問題を解決できるということだ。それは次の3つだ。

  1. コミュニケーションが円滑にできない
  2. 孤独感
  3. 職場と私生活が区別できない

Pragliのユーザーは「テキストではうまく表現できそうにないから電話したほうがいいだろうか」とか「相手は今来客中だったり会議中だったりしないだろうか」などと心配する必要はない。アバターが常時表示されてメンバーのアイデンティティと現在の状態がひと目でわかるし、「給湯室(Water Cooler)」機能はSlackのように仕事と入り混じった際限のない会話ではなく、はっきり区切りのある社交スペースを提供する。 しかも実際のオフィスと同様、Pragliのオフィスには「出社、退社」を明確に記録できる。これにより緊急の場合を別にすれば、すでに会社を出たメンバーには次の出社まで連絡を取るべきでないことが容易に理解できる。

【略】

Pragliの共同創業者のDoug Safreno(ダグ・サフレノ)氏

サフレノ氏と共同創業者のチームはリモートエンジニア100人にインタビューし、あらかじめスケジュールが設定された会議以外では同僚に対するビデオ通話は週に1度しか使われていないことを発見した。これにより、同僚をアバター表示すればバーチャルオフィスを構築してリモートワークを行うことが十分可能になると確信し、1年前にPragliを立ち上げたのだという。フルタイムの社員は他にいなかったので共同ファウンダーたちだけですべての作業を行い、2019年にベータ版のリリースにこぎつけた。その後トラフィックは3月に6倍となり、2020年1月1日以降で20倍に増加しているという。

Pragliは米国時間4月13日に正式にサービスを開始したが、6月1日までは無料だ。その後はフリーミアムモデルに移行する計画だ。基本機能は無料で利用できるが、全機能を利用するためには月極めで契約する必要がある。料金はユーザー数に応じて算定される。今回PragliはK9 Venturesがリードする小規模なプレシードの資金調達ラウンドも発表した。これはK9自身がサービスを利用して感銘を受けたためだという。

Pragiを使い始めるには、チームのメンバーはPragliのデスクトップアプリをダウンロードしGoogle、MicrosoftまたはGithubから登録する。ユーザーは自分のアバターをモンタージュ写真作成の要領でカスタマイズする。顔の輪郭、髪型、肌色、服装など豊富なオプションから選択可能だ。チャットに使うためにウェブカメラで自撮りし、表情をアバターに変換することもできる。また、マウスとキーボードを使っているだけで自分がデスクの前にいることを表示できる。

カレンダーに会議その他のスケジュールを表示(内容によっては非表示)できる。これは相手がチャット可能かどうかすぐに判断できるので非常に便利だ。音声通話、ビデオ通話も自由にできるし、部外者もデスクトップ、モバイルから随時招待可能だ。

【略】

メンバーがコミュニケーション可能な状態かどうかを自動的に示すためにこのバーチャルオフィスアプリにはさまざまな工夫が凝らされている。キーボードやマウスの利用状況の他にもヘッドフォン(着けているなら何かに没頭しているのかもしれない)やバーチャルオフィス上の場所(給湯室にいるならくつろいでひと休みしているのだろう)などさまざまなシグナルからメンバーの状態を推測する。これは相手がどんな状態にあるのかまったく見当がつかないSlackやZoomと比べてはるかに優れている。面倒なVRヘッドセットを必要とせず、限りなく本物のオフィスに近い環境が得られる。

Microsoftにはソーシャルメディアの経験が欠けており、Zoomはあまりに急速な成長によって生じたゆがみに苦しんでいる。Slackはビデオ機能をZoomに任せている、テキストによるチャット専門のサービスだ。つまりPragliには極めて広い活躍分野がある。新型コロナウイルス(COVID-19)によるソーシャルディスタンジングの要請は世界をリモートワークに向けて大きく動かした。この動きはパンデミックの後も続くはずだ。企業は以前のようには物理的オフィスを重視せず、海外を含めたリモートワークをさらに増加させるはずだ。

この環境では、あらゆるチャンネルを網羅した総合的なコミュニケーションプラットフォームを構築し、オンラインオフィスという新しい仕事の枠組みと行動を参加メンバーが容易に理解できる形で提供するところに最大のチャンスが生まれるだろう。

サフレノ氏は「Slackのように気を散らす存在になったりせずに、自然なコミュニケーションを生むという企業にとって極めて重要な課題を解決できるようなプラットフォームを作り出すことが課題だ」という。Pragliの共同創業者チームは、勤務時間外まで執拗についてまわるような不快な感じを与えずに、モバイルを活用するにはどうすべきかについても長時間議論を戦わせてきたという。

「Pragliの長期的な目標は現実のオフィスよりも快適で効率的なオンラインオフィス環境を構築することだ。バーチャルオフィスなら同僚を探してビル中を探し回る必要はないし、アバターが使えるなら仕事のためにいちいち身なりを整える必要もない。この後も一生リモートワークを続けられるよう我々は仕事を止めない」とサフレノ氏は述べた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

孤独感を減らすリモートワーカーための「バーチャル休憩室」をHallwayが提供

新型コロナウイルスの発生によって、数百万人の米国の従業員たちが自宅で働くことを余儀なくされている。多くの人にとってそれは初めての経験だ。しかし、対面での会話がないために、チームや同僚から切り離されていると感じることが多くなるため、リモートでの作業は孤独で孤立したものになる可能性がある。それこそが、新しいスタートアップのHallwayが、解決を支援することを目指している課題だ。このサービスは、Slackユーザー向けの新しいアプリを使って、休憩室の雰囲気や、たまたま廊下ですれ違って立ち話をするようなセレンディピティを再現する。

このアプリを使用すると、会社はSlackチャネル内で10分間のビデオチャットをスケジュールすることができ、従業員たちは仕事のためのウェブ会議の以外の場で、より気楽にやりとりを行うことができる。

このスタートアップは、Googleの元プロダクトマネージャーで、Google ChatとGoogle Goを立ち上げたParthi Loganathan(パルティ・ロガナサン)氏,、そしてプライベートエクイティ企業Insight Partnersの元アソシエイトであるKunal Jasty(クナル・ジャスティ)氏によって共同創業された。

2人はもともと、共有Slackチャネルを使って、チームがカスタマーサポートを提供するのに役立つAcrossという製品に取り組んでいた。しかし、サンフランシスコで居宅内隔離(shelter-in-place)が施行されたとき、状況は急速に変化した。

「これにより、リモートでの作業に備えることができていなかった多くの企業が、一夜にしてリモートに移行することを強いられました」とロガナサン氏は説明する。一方彼のルームメートは、狂ったように在宅勤務をしていることに不満を漏らし、チームと話せないのを残念に思っていると話していた。

「Hallwayはその問題に取り組むための、シンプルで楽しい方法のように思えたので、私たちは数日でそれを作り上げました」とロガナサン氏は言う。

彼らのチームの半分はインドを拠点としていたため、創業者の2人は、すでにリモートチームへの対処に伴う課題について、直接経験を積んでいた。またAcrossだけでなく、Hallwayと同様他のSlackアプリの構築経験も持っていた。

その結果、Hallwayはアイデアから最初のユーザーを迎えるまでに、たった4日しかかからなかったとロサナガン氏は語る。

Hallwayを使用するには、Hallwayウェブサイト、またはSlackアプリディレクトリから、Slackに追加することができる(Slackワークスペースにアプリを追加する権限がない場合には、インストールする際に管理者の承認が必要になる場合がある)。

アプリ自身のフロントエンドは存在しない、ログインプロセス、利用案内、設定用ユーザーインターフェイスなど、すべてがSlack内のインターフェイスとして提供される。インストールすると、Slack内のダイレクトメッセージを介して利用手順が示される。そして「/invite @hallway」と入力して、Hallwayボットを任意のSlackチャネルに招待することができる。これにより、ボットが開始され、@hereメッセージによって定期的に、休憩室の作成が自動案内される。

デフォルトでは、Hallwayの仮想休憩室は、月曜から金曜の午前9時から午後6時までの2時間ごとにスケジュールされているが、ユーザーはSlackチャンネルで「/hallway」と入力して設定をカスタマイズすることで、タイムゾーンを調整したり、休憩の頻度を調整したりすることがでる。

ユーザーは、自分自身で指定するZoomもしくはGoogle Meetのリンクを、Hallwayと一緒に使うことができる。しかし、その利用体験は、daily.coのビデオインフラストラクチャが提供する、Hallwayの時間制ビデオチャットルームを使うことでさらに向上する。

今回発表されたサービス自身は最大2つのSlackチャンネルまでの利用は無料だが、無料のまま時間制ビデオチャットルームが提供されるのは10回までで、以降は自前のウェブミーティングを使うようにするか、プランをアップグレードする必要がある。

大企業向けのHallway「Team」料金プランでは最大5つのチャネルがサポートされ、無制限の数のビデオチャットルームとカスタマイズオプションが、月額30ドル(約3200円)で提供される。5つ以上のチャネルを利用したい場合には、エンタープライズ向けプランも用意されている。

ほんの数週間前に開始されたばかりだが、Hallwayは急速に顧客ベースを拡大してきた。

このサービスは現在、Nextdoor、Productboard、Bank Novo、Pivotal、Courseraなどの企業の170以上のチームで使用されている。ユーザーの大半は今のところ無料プランを利用している。ただし、アップグレードが必要な企業は、ユーザーがそのサービスを友人に紹介することで、より柔軟な価格設定で利用できる。

当面の間、共同創業者たちはSlack内でのHallway体験の改善に集中したいと考えているが、彼らはすでに次に何をすべきかに思いを馳せている。

「私たちは、チームをつないだままにして、リモートで作業しながらも、職場の孤独感を減らすという課題に取り組んでいます。現在、私たちは自発的な時間制ビデオチャットのコアエクスペリエンスを改善しています。そのことでユーザーにカスタマイズするためのより多くのオプションを提供していきます」とロガナサン氏は語る。「私たちはチームビルディングやリモートチームの従業員の初期研修といった、企業を支援できる特定のユースケースを調査しているところです」と彼は述べている。

将来的にはMicrosoft Teams向けのソリューションも検討するかもしれないと彼は言う。

Hallwayはプレシード資金(金額未公開)を調達した。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:sako)

お互いの画面を操作できる画面共有ツール「Screen」を無料で試せる

どのアプリでもGoogleドキュメントのように共同作業ができる。Screenは無料で使えるインタラクティブな画面共有アプリで、利用者それぞれのカーソルがあるので、ボイスチャットやビデオチャットをしながら、別の人のアプリ内で操作をしたり図を描いたりコードを入力したりすることができる。デザインの共同制作、ペアプログラミング、コードレビュー、共同でのデバッグなどが簡単にできるほか、先生から生徒への指導にも使える。

Jahanzeb Sherwani(ジャハンゼブ・シェルバニ)氏はかつて画面共有ツールのScreenheroをSlackに売却したが、十分に使える形でSlackアプリに組み込まれることはなかった。それから5年経った米国時間3月24日、同氏はScreenを急きょ、無料で公開した。新型コロナウイルスの影響で仕事が滞っている人々を支援するためだ。

シェルバニ氏によれば、Screenは「ほかの画面共有ツールのエンド・ツー・エンドのレイテンシーが100ms~150msであるのに対し、Screenは30ms~50msで、2~5倍高速だ」という。Screenには驚くほど幅広い機能があり、どれもきびきびと動き直観的に使える。Screenを作っているのはわずか2人のチームだ。シェルバニ氏は「資金提供を受けずに、100%自分たちだけでやってきた。これからもそうしていきたい」と語る。だから、投資家からエグジットを迫られることなく、自分の行き先を決められるわけだ。

Screenには、以下のような機能がある。

  • 小さいウインドウでオーディオ通話やビデオ通話をしながら、Mac、Windows、Linusのデスクトップから画面を共有する。あるいは、通話に参加しながらブラウザまたはモバイルから画面を見る
  • 自分のカーソルを使ってほかの人が共有している画面を操作し、自分のコンピュータを操作するのと同様にほかの人のコンピュータを操作したり入力したりする
  • 共有された画面上に線などを描いて「綴りが違う」とか「これをこっちに移動して」などと注釈をつけられる。描いたものは数秒後に消えるが、マウスのボタンを押したままにするか、Caps lockキーを押した状態にしている間は消えない
  • 自動ですぐに消えるテキストでコメントを投稿できるので、声を出せない場所にいても共同作業ができる
  • SlackからScreenのミーティングを起動したり、ミーティングのスケジュールをGoogleカレンダーと統合したりすることができる
  • ログインする必要がない人や社内の人に招待用のリンクを共有できる。ほかの人があなたの画面を操作できるので注意が必要

Screenを使う場合、通常、ミーティングへの参加は無料で、ミーティングを主催する場合には1カ月10ドル(約1100円)、エンタープライズでは1人あたり1カ月20ドル(約2200円)の費用がかかる。しかし現在は、シェルバニ氏によれば「新型コロナウイルスが流行していても、健康と生産性を維持してほしい」として、ミーティングの主催も無料だ。ただし「有料ユーザーが我々のランニングコストをまかなえる程度の数になるだろうという期待を持って実験している」(シェルバニ氏)とのことなので、利用料金を支払える状況にあるなら支払いをしよう。

ScreenはZoomなどビデオ通話大手の買収のターゲットになるかもしれないが、シェルバニ氏は今回は売却したくない模様だ。2013年に立ち上げたScreenheroは、その当時としてはきわめてパワフルで、現在のScreenにあるツールの一部はすでに実現されていた。しかしScreenheroは180万ドル(約2億円)を調達した後でSlackに買収されたものの、その後、その性能を活かした統合とはならなかった

シェルバニ氏は「買収から3年近く経ってようやくインタラクティブな画面共有が公開されたが、Screenheroのように高性能なものではなく、結局2019年には削除されてしまった。Slackユーザーのごく一部にしか使われず、高額な維持費がかかるため、Slackとしては妥当な判断だった」と述べる。そしてScreenのように独立して運営される企業の利点を、同氏はこのように説明する。「複雑なソフトウェアを別のソフトウェアに組み込もうとすると、多くの制限があり、費用がかかる。1つだけで便利に使えるスタンドアロンのアプリケーションにする方がはるかに容易だ」。

確かにScreenには、多くの便利な機能がある。筆者は妻と一緒に試してみたが、レイテンシーは少なく柔軟で、この記事を楽しく共同制作することができた。もし若者がScreenを手に入れたら、ソーシャルな使い方がたくさん出てくるであろうことは想像に難くない。画面共有という概念は、Squadなどのアプリや、インスタグラムが米国時間3月24日に公開したCo-Watchingという新機能などで、広く知られつつある。

インスタグラムのCo-Watching機能は画面共有に似ている

Screenは、将来的にはバーチャルオフィス機能を公開して同僚とすぐにミーティングができるようにしたいと考えている。これが実現すれば、いつでも会話を始めることができ、同じ室内で仕事をしている感覚になるかもしれない。Screenは、マネージャーがしゃべるトップダウンのブロードキャストのようなミーティングを、誰もが発言できるジャムセッションに変えることで、リモートワークの風景を民主化することになるかもしれない。

シェルバニ氏は「一緒に働くときは、みんなが席についていることが必要だ」と結論づけている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

新型コロナによるリモートワークブームでSlack絶好調、47日間に7000有料ユーザーを獲得

米国時間3月19日、人気の企業内チャットサービス、Slackは2月1日から3月18日までの47日間に7000件の有料ユーザーを獲得したと発表した。Slackが 前四半期に獲得した有料ユーザーは5000件だったからこれは驚きだ。

新型コロナウイルス(COVID-19)の流行により人々が自宅で仕事をすることを余儀なくされたため、リモートワークへの移行に役立つプロダクトはすべて需要が増加しているが、Slackも例外ではない。 TechCrunchではこの傾向に対し、ビジネスとしての成功は新規ユーザーのうちどれほどが有料契約を結んだかにかかっていると分析した

SEC(証券取引委員会)に提出された書類によれば、Slackはこの点でも成功している。Slackの株価は現時点で19%もアップしており、上げ相場の中でも突出している(今日の取引終了後に終値をチェックして必要ならこの記事をアップデートする)。Slackは前回の四半期決算のガイダンスが控えめだったため株価は出遅れぎみだった。

直近の四半期(会計年度としては2020年度の第4四半期)に、Slackは5000件の有料契約を追加し、契約数は第3四半期末の10万5000から11万に増加した。その後の47日で、Slackは有料ユーザーを6.4%増加させた。つまり毎週1%弱増加したわけだ。

Microsoft(マイクロソフト)は今日、SlackのライバルとなるMicrosoft Teamsの1日あたりアクティブユーザー(DAU)が4400万あったことを発表している。これはもちろんSlackよりはるかに大きな数だ。SECへの新しい文書の提出はSlackが投資家に対して最近の利益をアピールするばかりでなく、MicrosoftのPR攻勢に反撃する意図も含まれていたかもしれない。

Teamsは3月11日から3月18日までに1200万をDAUを得ており、Slackと並んでこれのプロダクトに対して極めて大きな需要があることこが見てとれる。

Slackの努力

Slackのトラフィックは急増しており、今日判明したように、ビジネス利用も増えているが、同時に同社ではサービスそのものに対しても有用な追加を数多く実施している。

例えば、ユーザー体験をさらにスムーズにするため、シンプルなインターフェイスを発表している。同社はこれまで以上にサービスの価値が高まっていると感じているだろう。実際、世界のどこでも自宅から仕事をするというトレンドが拡大する中、Slackはユーザーはこのプラットフォームを常に重視していきたとしている。

リモートワークのブームにシステムが対応できるかどうかについては、Slackは自信を持っているようだ。 先週、接続障害が発生したが1日で解決できた(Microsoft Teamsも最近何回かダウンしている)。

Slackはリモートワークによる影響ついてメモを発表し、「社員がオフィスから離れて働くようになっても、コミュニケーションのインフラ対する要求は変わらない。ユーザーがオフィス、携帯ネットワーク、または自宅の固定改選から接続しているかどうかばシステムの負荷にまったく影響しない」と述べた。

しかしSlackのユースケースはオフィス以外にも拡大しつつある。Slackは企業コミュニケーションに理想的と考えられれてきたが、社会的隔離の強制により利用の仕方は多様化するだろう。起業家を支援する人々、大学の同窓グループ、オンラインでの講義の受講をさらに有効活用したい学生など、さまざまなグループがSlackを利用することになる。

今後予想されるトレンドを考えれば、Slackは単なる仕事の生産性向上ツールではなく、むしろバーチャルなコミュニティとして位置づけられることになりそうだ。.

画像:Drew Angerer / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

企業での利用の増加を背景にSlackのインターフェイスがシンプルに

Slackは2013年にサービスを開始し、すぐに開発者に受け入れられた。初期のプロダクトはこのことを背景としたものだった。スラッシュのコマンドで高度なツールを使うことができる。しかし同社は、プロダクトが企業に導入されるようになって、インターフェイスをシンプルにする必要があると認識している。

米国時間3月18日、Slackはもっと簡単に使えるように新たにデザインしたインターフェイスを公開した。企業のコミュニケーションハブとしてさらに利用しやすくするためだ。

Slackのプロダクトマネジメント担当ディレクター、Jaime DeLanghe(ジェイミー・デラング)氏は、メッセージングアプリが仕事のコミュニケーションの中心となり、COVID-19の影響で多くの人が在宅勤務になってその重要性は増していると述べた。

ただしデラング氏は、最近の在宅勤務の増加傾向よりも前から利用は増えているという。同氏はTechCrunchに対し「平均すると利用者は1日に9時間Slackに接続し、90分間近くアクティブに使用している」と述べた。

このため、同氏のチームはインターフェイスのアップデートに熱心に取り組んでいるという。

「私のチームは、エクスペリエンスをシンプルにして、できるだけ理解しやすく、すぐに使えるようにしたいと考えている」とデラング氏は言う。これは、スラッシュのコマンドの向こうにこれまで隠れていた高度なツールを表に出すということでもある。

同氏は、新しい機能をたくさん追加することで長年にわたって変化するユーザーのニーズに応えようと努めてきたが、その結果としてインターフェイスが雑然としてしまったと述べた。今回の新しいデザインは、この問題を解決しようとするものだ。

Slackの新しいインターフェイス。スクリーンショット:Slack

全体にすっきりとした外観になったことに加え、新しい機能の中では「チャンネル」サイドバーでチャンネルをネストして整理できるようになったことが多くの人から喜ばれるだろう。チャンネルが増えると、見つけて操作するのが難しくなる。これからは、ユーザーはチャンネルにラベルを付けてわかりやすくグループ分けできるようになる。

ネストされたチャンネルのラベル。スクリーンショット:Slack

デラング氏は、チャンネルは個人で整理するものであって、管理者レベルでは整理できないと注意を促す。「チャンネルは、実際に別のチャンネルの中に入るのではない。チャンネルにラベルを付けると自分のサイドバーの中だけで整理されるのであって、全員に反映されるものではない」(デラング氏)。

ほかには、ウインドウ上部のナビゲーションバーの変更が挙げられる。検索とヘルプツールもウインドウ上部に集められ、サイドバーには汎用の「作成」ボタンがある。

このような新機能は、組織内でSlackを使い始める人が増えている状況で、Slackをもっと使いやすくするためのものだ。

写真クレジット:Drew Angerer / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

誤報でSlackの株価が一時急騰

米国時間2月10日午後のTwitterはSlackの話でもちきりだった。一体何が起きたのか。忙しい読者のために、かいつまんでご紹介しよう。

Slackとその株価をめぐる騒動は、Business Insiderの記事に端を発している。

Slackが最大の顧客を獲得した。IBMは35万人の社員全員を、このチャットアプリへ移行させた

Slack vs Teamsというバトルが注目を集めているため、Slackが新たに大きな契約を勝ち取ったことはニュースになる。Slackの株価は上がり、今見ると少し愚かな見出しがメディアに溢れていていた。

例えばこんな見出しがあった。

Slackは結局生き延びるかもしれない。IBMが35万人の社員専用アプリに指定

Slackの株価は終日急上昇した。前日と比べて15.4%上がり、そして突然、天気の良い本日2月11日の午後、Slackの株の売買は突如停止して、新材料待ちとなった。

関連記事: SaaS kicks off 2020 with an extra billion in VC funding as round count halves…SaaSの2020年はラウンドの件数が減り投資額は大幅アップ(未訳)

混乱が生じ、みんな何が起きたのかを知ろうとした。GoogleがSlackを買収したのか? Slackが小さなスタートアップを買ったのか? IBMはSlackの顧客ではなかったのか? それは誰もわからない。

株取引の停止は、確かに重大な事件だ。各メディアはいっせいにSlackに注目した。突出した話題がないかぎり、上場企業はニュースにならない。決算報告が取引終了後に出てくるのは、そのためだ。

その後SlackはSECの提出文書を公表した。そこには、IBMは以前からの顧客だとある。つまりIBMは、今日新たな顧客になったのではない。またSlackの発表のどこにも、35万人の社員という言葉はない。

そして同社は自らの言葉で、市場の熱狂を鎮めようとした。

IBMは数年前からSlackにとって最大の顧客であり、同社におけるSlackの利用者も年々増えている。Slackは2020年1月31日に終わる会計年度と、その第4四半期の財務見通しを修正しない。

これで、一件見落着だ。

取引は再開したが、しかし今日起きたことは結局、何の意味もなかった。

Slackがやっと、時間外取引で浮上してきたときには、その日の稼ぎの約半分を返上した。Slack株は現在、時間外で24.56ドル(約2699円)だ。2月11日は約23ドル(約2527円)で始まり、27ドル(約2967円)台の半ばまで上がった。

そして今は、落ち着いている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

15億円超を調達したSpatialは没入的VR/ARでオフィスのバーチャル化を狙う

VR/ARはまだ一般消費者向けプロダクトとしてはメインストリームとなっていないが、MR(混合現実)テクノロジーによってバーチャルオフィスを実現しようとするスタートアップが資金を調達することに成功している。

Spatialが提供するのは「ホログラフィック・オフィス」だ。これは共同作業のプラットフォームで 複数のオフィスワーカーが同一の3D仮想空間を共有し、人々をアバターで表示することにより少ないリソースで相手があたかも同じ部屋にいるような体験を可能にする。会話したり図表をバーチャルな壁に掛けて示すことも可能だ。いわばGoogle Hangoutや Zoomのバーチャル・リアリティー版というところだ。

以下のSpatioalの紹介ビデオは私が今月のCESで撮影したものだ。

このSpatialは米国時間1月30日、シリーズAのラウンドで1400万ドル(約15億2700万円)のベンチャー資金を確保したことを発表した。同社はサービスに新機能を追加すると同時にサポートするハードウェアを拡大する。またSDKなどを通じてサードパーティが容易にサービスを利用できるようにしていくとしている。

今回のラウンドは、WhiteStar Capital、iNovia、Kakao Venturesがリードし、Baiduと個人投資家が加わった。Instagramの共同創業者であるMike Krieger(マイク・クリーガー)氏、ZyngaのMark Pincus(マーク・ピンカス)氏も参加している。Spatialは 2018年8月のシードラウンドで800万ドルを調達しているので合計2200万ドルとなる。「会社評価額は公開していない」と共同創業者でCEOのAnand Agarawala(アナンド・アガラワラ)氏は述べている。最高プロダクト責任者のJinha Lee(リー・ジンハ)氏がもうひとりの共同創業者だ。

投資家には、Expa、Lerer Hippeau、 Leaders Fund、Samsung NEXTなどのほかにMacintoshの開発で知られるAndy Hertzfeld(アンディ・ハーツフェルド)氏も加わっている。

VR、ARマーケットではMagic Leapだけでも30億ドルの資金を集めている。この市場の会社評価額総額は450億ドルにも上り、Facebookに買収されたOculusのように 高額のエグジットも記録されている。 しかしVRデバイスの販売台数はさほど急激に成長しておらず、昨年の販売は600万台にとどまったもようだ。

【略】

アガラワラ氏はBumpTopの創業者でもあり、2010年にGoogleに買収されて以後、Googleの幹部を長く務めてきたSpatialをSDKを通じて普及させ、多くの人々が使うプラットフォームにしようとする同社の考え方はこうした同氏の経歴によるところが大きい。

「Spatialではアバターを利用し、ハンドジェスチャーで直感的に制御できる複数OSをサポーするバーチャル・オフィスという我々のフレームワークを利用したアプリケーションが多数生まれてプラットフォーム化することを目指している。しかしこの目標を実現するには何年もかかるだろうと覚悟していた。つまり現実のニーズがないところでAR/VRプラットフォームのマーケットもまた立ち上がらないからだ。しかし最近はエンタープライズ向けVR/ARに強い関心が寄せられるようになったので、今年にもブレークできるだろうと期待している」と同氏は言う。

Spatialへの投資家の一人のMike Krieger(マイク・クリーガー)氏は、Loom、Figma、Pitchなど他のエンタープライズ向け共同作業プラットフォームにも投資している。同氏によればSpatialは単なるVR/ARテクノロジー企業ではなく、バーチャルオフィスを作って広くエンタープライズに提供するというビジョンを持っている点が重要だという。これは企業向けチャットサービスのSlackが驚くべき急成長を遂げたのと比較できるかもしれない。

「SpatialのMR(混合現実)ソリューションは将来の効率的オフィスのカギとなるはずだ。ZoomやSlackなどに代表される現在のコミュニケーションのレベルを超えて、未来の共同作業のフレームワークを作るものだ。こうした試みを支援することができることに興奮している」とクリーガー氏は声明で述べている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

MicrosoftとSlackの争いは、2020年も広告やアクティブユーザーの数などで行われる

Microsoft(マイクロソフト)のTeamsSlack長期戦は、2020年も続いている。米国時間1月17日朝、Microsoftは同社のエンタープライズコミュニケーションサービス、Teamsの初めてとなるグローバルな広告キャンペーンと同社が呼ぶものを発表した。

先日IPOしたSlackは、2010年代の後半に大ブレイクし、スタートアップ世界のテクノロジースタックを深く掘り下げることによって巨額の売上を立てた。スタートアップとして登場した同社は、その後大企業にも食い込んで成功を持続し、エンタープライズを相手にした方が一度に大きな売上を得やすいことを悟った。

しかしエンタープライズの生産性ソフトウェアといえば、Microsoftの大きな主戦場だ。Slackの急伸を見たMicrosoftは、生まれたばかりのライバルを買収しないことに決めた。そして、Slackと競合するTeamsに投資した。なお、本日発表された広告キャンペーンは両社における初めての広告合戦ではない。

関連記事: SlackのバタフィールドCEOがマイクロソフトの「比較広告グラフ」を非難

SlackとTeamsは、ユーザー数の発表でも争っている。最近、Microsoft はTeamsの一日のアクティブユーザー(DAU)が2000だと発表した。Slackの最新の数は1200万だ。しかしSlackは、2000万のうちのどれだけが、本当にアクティブなユーザーか、とやり返した。Microsoftの数字と自分たちの数字を単純に比較するのは無意味だ、と言いたいのだ。しかしそれでも、両社の発表数はこのところますます差が開いている。

Microsoftによる今回の広告キャンペーンは、Slack対Teams戦の新しい章となる。重要なのは、広告だけではなく、今回Microsoftが、Teamsの知名度向上を戦いの焦点に選んだことだ。

株価

TeamsはMicrosoftが長年築いてきたOffice 365という大きな建物の一部だが、SlackはSlackという企業のビジネスだ。しかも直接上場だから、その株価からも何かが匂ってくる。

Slackの株価はデビュー時の30ドル台半ばから、20ドル台前半へ下がっている。調べてみると、Slackの株が市場で嫌われているのではなく、同社が上場初期の値付けを間違えたのだ。同社の株価は売上に対する倍率が上場初日からは下がったが、依然としてリッチだ。投資家たちはSlackを、優秀企業として値付けしている。

今後SlackとMicrosoftは、DAUの数字を争い続けるだろう。問題は、Microsoftというエンタープライズの大物にSlackというブランドが耐えられるかという点だ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Microsoft TeamsにYammerとの統合やセキュアなプライベートチャネルなどの新機能

Microsoft(マイクロソフト)のYammer(ヤマー)といえば、原始的なSlackのような、あまりリアルタイムでもないチャットアプリで、もうなくなってしまったと思う人がいても無理はない。しかし実は生きていて、しかも元気だ。全社的なチャネルやチーム全体へのお知らせといった動きの速くないソーシャルネットワークの用途で使われている。米国時間11月4日、同社はYammerをSlackのライバルであるMicrosoft Teamsに統合すると発表した。Teamsでは、Yammerは左のサイドバーに置かれる。

SAN FRANCISCO, CA – MARCH 30: Microsoft CEO Satya Nadella delivers the keynote address during the 2016 Microsoft Build Developer Conference on March 30, 2016 in San Francisco, California. The Microsoft Build Developer Conference runs through April 1. (Photo by Justin Sullivan/Getty Images)

これにより、マイクロソフトの2つの企業向けコミュニケーションプラットフォームはついに一緒に成長していくことになり、ユーザーは動きの速いチャットはTeams、FacebookのMessengerやニュースフィードのような社内SNSはYammerと、お互いに補完しながら使い分けられるようになる。

Yammer自体も、全プラットフォームにわたってマイクロソフトのFluent Design Systemを使って再設計された。またYammerをOutlookにも組み込み、受信メールボックスから直接、メッセージに返信できるようになる。新しいYammerは12月にプライベートプレビューとして公開が開始される。

今回のアップデートで、Teamsにはほかにも、セキュアなプライベートチャネル、マルチウィンドウのチャットとミーティング、チャネルのピン固定、Microsoft To DoおよびPlannerとのタスクの統合(To Doアプリは1つでは不十分なようだ)など、多くの新機能が追加される。Teams Roomsも大幅に機能強化され、Cisco WebExとZoomのミーティングのサポート、緊急通話に対応したTeams Phone System、管理者がTeamsのセキュリティを守るためのIT管理機能が追加される。

Linux版のTeamsクライアントも開発中で、今年中にはパブリックプレビューが公開される予定だ。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Slackに投資したIndex VenturesがSlackのライバルも支援

Slackは仕事場のコミュニケーションの新しいソリューションを作った。そのソリューションは、Microsoft(マイクロソフト)をも含む、多くの会社にマネされている。Slackは個人や企業が共同作業をするのに役立つように作られた製品だが、通知が多すぎると批判され、生産性を下げるとも言われてきた。

Stripeの元クリエイティブディレクターでデザイン畑のLudwig Pettersson(ルートヴィヒ・ペッターソン)氏が率いるスタートアップのQuillは「チームを邪魔しない有意義な会話」を提供するという。同社はシードラウンドで200万ドル(約2億1800万円)を調達した。このラウンドはSam Altman(
サム・アルトマン)氏が主導し、General Catalystが参加した。その後、シリーズAでは評価額が6250万ドル(約68億円)で、1250万ドル(約13億6000万円)を調達した。TechCrunchの調べによれば、シリーズAはIndex VenturesのパートナーでSlackの元ボードオブザーバーのSarah Cannon(サラ・キャノン)氏が主導した。Quillとキャノン氏はコメントを避けた。

米国サンフランシスコを拠点とするQuillは、シンプルなメッセージング製品を作っている。まだベータだが、情報筋がTechCrunchに語ったところによると、Quillはスレッドを重視し会話を減らして集中できるような製品を計画しているという。Y Combinatorの元プレジデントであるアルトマン氏によれば、ダイレクトメッセージ、スレッド、チャンネルのフィルタリングで長時間スタックすることがあるSlackに比べると、この製品は流れてくるデータの量が少ないという。

アルトマン氏はTechCrunchに対し「この製品はコミュニケーションのバンド幅を広げ効率を上げることに厳密に的を絞っている。技術的には驚くほどうまくいっている。フィードには適切な情報が表示され、適切な人々がインテリジェントに参加できる」と語った。

ペッターソン氏は、以前にアルトマン氏の現在のベンチャーであるOpenAIで一緒に働いていた。OpenAIは、AIを「親しみやすい」方向に導く開発を研究する企業だ。ペッターソン氏は2016〜2017年に同社の技術スタッフとして働き、OpenAIの初期デザインを作った。

Index Venturesはというと、成長している仕事用コミュニケーションソフトウェアのカテゴリーにさらに資金を投じているようだ。同社は2015年にSlackに最初に投資し、その後、今年6月にSlackは待望の上場を果たした。Slackは数億ドルを調達し、2018年の評価額は70億ドル(約7600億円)を超えていた。

上場後、Slackは市場で地位を築くのに苦戦している。その大きな要因は、大手のMicrosoft(マイクロソフト)が2016年にリリースしたSlack風の製品であるTeamsの成長だ。マイクロソフトは多くの企業に愛用されるツールを集めた便利な製品パッケージを提供して急速にシェアを獲得した。7月の時点でTeamsのデイリーアクティブユーザー数は1300万人で、マイクロソフト史上最も成長の早いアプリとなった。Slackは今月初めにデイリーアクティブユーザー数は1200万人と発表した。

QuillのようなスタートアップもSlackにとっては脅威だ。同社は仕事用チャットソフトウェアの新しい形を作り、このようなツールのニーズが高いことを証明した。一般に企業は何年にもわたってモデルを反復しなくてはならない。

Quillは、OpenAIのチェアマンで最高技術責任者のGreg Brockman(グレッグ・ブロックマン)氏と、Twitter元幹部でColor Genomics共同創業者のElad Gil(エラド・ギル)氏の支援も受けている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Slackがアプリの統合を使いやすくする新機能を発表

広く支持されるようになったSlackの特徴のひとつは、エンタープライズのツールと統合できることだ。しかし顧客がSlackを仕事の中心となるハブとして使うようになるにつれて問題が起きてきた。ユーザーは、どのアプリにアクセスできるのか、どう使えばいいのかをなかなか理解できないのだ。米国時間10月22日、Slackは開発者会議のSpecでこうした問題を減らす方法をいくつか発表した。

SAN FRANCISCO, CALIFORNIA – APRIL 02: A pedestrian walks by Slack headquarters on April 02, 2019 in San Francisco, California. Workplace messaging company Slack Technologies Inc. announced plans to list its shares on the New York Stock Exchange. (Photo by Justin Sullivan/Getty Images)

Slackプラットフォーム担当ディレクターのAndy Pflaum(アンディ・プラウム)氏によれば、Slackにすぐ統合できるアプリは1800本あり、カスタムのアプリはこれまでに50万本作られたという。これほどの数のアプリをユーザーはとても管理できない。そこでSlackは、アプリのためのウェブページを設けた。App Launcherと呼ばれるページで、インストール済みアプリがここに集められる。MacのLaunchpadと似たページだ。

SlackのApp Launcher(画像提供:Slack)

Slackのサイドバーで「Apps」をクリックすると、App Launcherが表示される。App Launcherにはアプリが表示されてわかりやすい。プラウム氏によれば、アプリを選択するとそのアプリのホーム画面に移動し、アプリを使い始められる状態になるか、またはアプリに関する情報が表示される。

例えばGoogleカレンダーを選択すれば、日ごとのスケジュールのほか、会議のリクエストも表示され承諾か拒否かを選択できる。このページからミーティングソフトウェアを直接起動することもできる。こうしたことがすべてSlack内で実行されるのでほかに目を移す必要がない。プラウム氏は、アプリのホームのベータ版は今後数カ月以内に公開すると述べた。

アプリに関する負担を軽減する方法としてもうひとつ、Actions from Anywhere(どこからでもアクション)という新しいコンセプトも紹介された。Slackは昨年Actionsを公開した。これはユーザーがメッセージからアクションを起こせる機能だ。例えば、プロジェクト管理ソフトのJiraのプルリクエストにSlackのメッセージを添付できる。プラウム氏によれば、ユーザーはこのアクションの機能を気に入っていて、Slack内のどこからでもアクションを起こせるようにしてほしいとの要望があるという。

「Specで、新しいアクションである『Actions from Anywhere』をプレビューする。ユーザーはSlack内のどこからでもアクションを起こすことができる」と同氏は語った。この機能を活用するために、クイックアクセスメニューから最近使った5つのアクションを選べるようになっている。メニューには最近のアクティビティから自動でアクションが表示され、1日中Slackで仕事をする人にとっては相当な時間の節約になるかもしれない。

さらに同社は、開発者がSlack内で外部ウインドウを開けるようにする。これはモーダルウインドウと呼ばれていて、ユーザーがフォームの入力、アンケートへの参加、経費の入力など、Slack自体のフローの外に対して何らかの情報を提供するときに開くことができる。

こうしたアップデートをはじめとするSpecでの発表内容は、Slackが成熟するプロセスの一部だ。Slackは急成長してきた中で生じた問題点を解決しようとしている。ソフトウェアが複雑で何ができるのかを理解できなくなったら、利点や機能を明らかにする方法を提供するのはベンダーの仕事だ。Slackはこうした新しいツールで、それをしようとしている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Dropboxの新しい機能がアプリで利用可能になった

画像:Dropbox

6月にDropboxは「新しいDropbox」のプレビュー版を公開した。スタンドアロンのアプリのインターフェイスを中心にして、Slack、G Suite、Zoomのコールなどの仕事のツールをすべて1カ所に統合することに取り組んだものだ。これまでよく知られてきたシンプルにフォルダを共有するDropboxからすると、かなり劇的な刷新だ。

誰もがこの変化に賛同したわけではない。例えば有名ブログ「Daring Fireball」のJohn Gruber(ジョン・グルーバー)氏は、自分がDropboxに望むのは、もともとそうだったようにシンプルなフォルダが本当に間違いなく同期することだと指摘した

あなたもそう思っているかもしれないが、新しいDropboxはすでにすべてのユーザー向けに公開が始まっている。共有フォルダは、共有ファイルを中心とした「Dropbox Spaces」と呼ばれるハブとなる。

主な新機能は以下のとおり。

  • Dropbox Spacesには、テキストによる説明を追加して目的を伝えたり、今後のタスクを管理するためのTo-doリストを作成したりすることができる。
  • Windowsではシステムトレイから、macOSではメニューバーから「For you」タブを表示すると、カレンダーの情報とミーティング中に必要になりそうなファイルや、チームの最近のアクティビティ(編集やコメント)に関するタイムラインを見ることができる。

  • 「Peopleページ」には、チーム内の特定のメンバーと共有や共同作業をしているものがすべて表示される。
  • Slack、Zoom、Trello などのツールをDropbox Spacesに統合すると、Dropbox SpacesからZoomミーティングに参加したりTrelloのカードに項目を追加したりすることができる。
  • Google DocsやOffice 365アカウントなどにあるクラウドのファイルをDropbox Spacesに読み込める。
  • DropboxがコンピュータビジョンでJPG、PNG、GIF画像内のコンテンツを認識するため、画像内の検索ができる。Dropboxによれば、この機能は米国時間9月25日からDropbox Proで公開されており、Dropbox Businessプランでは「間もなく」利用できるようになる。

  • Dropbox Transferで、大容量のファイル(Basicユーザーでは最大100MB、ProとBusinessのユーザーでは最大100GB)を、相手がDropboxアカウントを持っていなくても共有できる。ファイルをアップロードして、共有リンクを作成する。ファイルがダウンロードされたときに通知を受ける設定、パスワードの追加、一定期間後にリンクを無効にする設定が可能。

Dropboxはストレージ「だけの」企業とは見られたくない。DropboxのCEOであるDrew Houston(ドリュー・ヒューストン)氏は6月の発表の場ではっきりとそう語り、これからはストレージ企業とは考えないでほしいと述べた。「私たちのやり方では不十分だ」と書かれたスライドの前に立った同氏は、すべての仕事のハブになろうとしている同社の新しい取り組みを説明した。

これまでのDropboxのとおり、OSの中にDropboxフォルダがあるほうが好きという人もいるだろう。これはなくならないようだ。前述の新しい機能を使うには新しいアプリが必要だが、DropboxフォルダとファイルはこれまでどおりFinderウインドウから利用できる。Dropboxの担当者は筆者に対し、これを変更する予定は今のところないと語った。

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(翻訳:Kaori Koyama)

従業員アンケートのCulture Ampが約87億円を調達

不幸な企業がどう不幸かはそれぞれだが、従業員が何に満足し、何に満足していないかを理解する道はある。

メルボルンにある創業から8年のCulture Ampは、従業員が匿名で職場についての意見を伝えられるようにする企業のひとつで、多くの顧客から集めた匿名の従業員アンケートのデータをもとに、各社がお互いに学び、どのような取り組みをすべきかを提示している。

Culture Ampはカスタマーベースの拡大を狙い、Sequoia Capital Chinaが主導したシリーズEで新たに8200万ドル(約87億円)と大規模な調達を果たした。このラウンドには、Sapphire Ventures、Felicis Ventures、Index Ventures、Blackbird Ventures、Hostplus、Skip Capital、Grok Ventures、Global Founders Capital、TDM Growth Partnersも参加した。

これにより、同社がこれまでに調達した資金は1億5800万ドル(約168億円)と、それまでのおよそ2倍になった。同社は2018年7月にシリーズDで4000万ドル(約42億5000万円)を調達していた。

同社のアンケートソフトウェアはサブスクリプション方式で、従業員の感情を追跡し得られたデータを視覚化するためのテンプレート、質問、分析がすべてそろっている。このソフトウェアは四半期ごとのエンゲージメント調査などに使えるほか、業績評価、目標設定、自己評価にも活用できる。

従業員アンケートは画期的なものではないが、Culture Ampは匿名のフィードバックをチームレベルにまで落とし込み、従業員が自分の上司に直接フィードバックできるようにすることで、プロセスを改善しようとしている。

同社CEOのDidier Elzinga(ディディエ・エルジンガ)氏は、現在2500社の顧客がいて合計で300万人の従業員が同社のアンケートに参加していると語る。このネットワークの集団的知性を従業員の離職などの予測につなげられることが、おそらく同社の最大の価値提案だという。

同氏はTechCrunchに対し「従業員のエクスペリエンスを理解し、どこに力を入れればいいかがわかったら、お客様が行動するために我々は何ができるだろうか。我々には数千社の集団的知性がすでにあり、これを活用すれば同じような問題を抱える人々から学ぶことができる」と語った。

Culture Ampの従業員数は400人で、顧客にはマクドナルド、Salesforce、Slack、Airbnbなどがある。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Slackが大企業ユーザーのための新しい管理機能を提供

Slackが、大型顧客向けのアップデートを行っている。2週間前に高度なセキュリティツールを導入した同社は米国時間8月14日、Slackの大規模な展開と管理を助けるアドミンツールをいくつか発表した。

まずSlackは、全社にメッセージを送るための「Announcements」チャンネルを作った。これはHR(人事)のポリシーの変更とかソフトウェアのアップデートなど、管理的な連絡事項に使われることが多いだろう。まだ管理者はAnnouncementsチャンネルで、メッセージを送ってもいい人や応答してもいい人を制限できるので、チャンネルがゴミだらけになるのを防げる。

Slackで大企業向けプロダクトを担当しているIlan Frank(イラン・フランク)氏によると「企業はこんな機能を要望していた。彼らは情報と情報源の両方の信頼性の高いクリーンなチャンネルを求めていたからだ」という。

さらに同氏は「このチャンネルは、発信者をITやHRなどに限定して、彼らからの発表専用として利用できる。重要な発表やアップデートが、ノイズが混じらずにクリーンに伝わる」とコメントしている。

本日のSlackの発表の中には、上記Announcementsチャンネルのほかに、ワークスペースのテンプレートを作れる新しいAPIがある。これはユーザーが頻繁に新しいスペースを次々と作らなければならない環境で特に便利だ。例えば大学では、教授たちが自分の複数の担当クラスそれぞれのためにスペースをセットアップして、そこに参加する学生のためのツールを用意するだろう。

これを、新学期の始まりなどの忙しいときに手作業でやるのは、あまりにも大変すぎる。そんなときワークフローのテンプレートを利用できれば、かなりの自動化が可能だ。

フランク氏によると「ワークスペースそのものは前からあるが、それをテンプレートである程度自動化できることは新しい。この機能の新しいところは、APIでコネクターの制作と管理を自動化できることだ。コードを書いてプログラミングもできる」と説明する。

ワークスペース作成の自動化にはウェブのフォーム機能を利用し、そこに情報を入れていく。「今後はもっと高度なワークフローを作り、その構成やアプリやコンテンツの導入を自動化できるためのスクリプト機能も実装したい」とフランク氏。

さらに今後のSlackでは、チャンネルやワークスペースで使うツールの承認を自動化できる。事前に承認されたアプリケーションはSlackに自動的に加わり、そうでないアプリケーションは承認プロセスを経由しなければならない。

Announcementsチャンネルは、PlusとEnterprise Gridプランの顧客なら今日から利用できる。テンプレートAPIと承認ツールは、Enterprise Gridの顧客がもうすぐ使えるようになる。

関連記事:Slackがセキュリティ機能を強化

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Slackがセキュリティ機能を強化

エンタープライズへ進出しつつあるSlackは、2019年3月にリリースした暗号鍵管理機能のような高度なセキュリティ対策を追加していく必要がある。同社は米国時間8月6日に公開したブログで、最新のセキュリティ戦略を紹介している。Slackのメッセージのエンドツーエンド暗号化は含まれないものの、大きな進歩が見られる。

多くの企業で、Slackのようなツールを全社で使うにはセキュリティの最低要件がある。規制産業は特にそうだ。Slackはブログでそのような課題に答えようとしている。

Slackは、エンドツーエンド(E2E)暗号化に関してはこれまで顧客の需要はそれほど多くはなく、逆にユーザーエクスペリエンスを悪くすると考えている。Slackの広報はTechCrunchに対し「もしE2E暗号化を追加したら、Slackの機能が制限されるだろう。暗号鍵管理(EKM)を使用すると暗号化制御が可能となり、適切な粒度で鍵の失効を可視化して機会を提供できる。ユーザーエクスペリエンスを損ねることもない」と語った。

Slackは、モバイルデバイスでTouch IDかFace ID、またはパスコードの入力を求めるように管理者が設定できる機能を追加する。ユーザーのデバイスが盗まれた場合に、現時点ではAPlからに限られるが、管理者はSlackの会話をすべて消去することもできる。

近々、新しい管理ダッシュボードも登場する。管理者はこのダッシュボードでセキュリティをすべて管理できるようになる。脱獄したスマートフォンを使っている人を検知し、そのスマートフォンへのアクセスをシャットダウンすることもできる。さらに、ユーザーがSlackの最新バージョンをダウンロードするまではアクセスできないようにして、強制的にアップグレードさせることもできる。

今年後半には、事前に承認されたIPアドレス以外から送られてきたファイルをSlackのデスクトップでダウンロードした場合に、そのファイルをブロックできるようになる。モバイルでは、強制的にファイルのリンクを承認されたブラウザで開く設定ができるようになる。

こうした機能はすべて、Slackを安全で信頼できるものとして管理者が安心して使えるようにするものだ。Slackの大きな強みのひとつはエンタープライズのソフトウェアのエコシステムと統合できることだが、やはり企業は共有されるファイルやさまざまなデバイスでの開き方を完全にコントロールしたい。今回公表された新しいツールは、こうした懸念を取り除くのに大いに役立つ。

画像:Justin Sullivan / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

Slackが一時ダウンするも復帰

アップデート:Slackは公式にサービスが復帰したと発表した。

同僚と連絡がとれない?あなたは一人ではない。おそらくそれは、Slackがダウンしているからだろう(米東部時間7月29日11時)。ステータスページによると、一部のワークスペースでメッセージの送受信に問題が発生している。

今回のサービス停止は人気のビジネスチャットツールに近日起きている問題に続くもので、6月後半には大きな問題が発生した。興味深いことに、Slackはインフラを大規模改善したばかりだ。この更新は表面的なサービスの変更は含まれていなかったが、jQueryや他の古い技術の代わりに新しいスタックが採用されている。

Slackの障害が終わった時点で、この記事を更新する予定だ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter