ソニーが1万1000円前後の完全ワイヤレスイヤホンWF-C500発表、360 Reality AudioやIPX4相当の防滴対応

ソニーが1万1000円前後の完全ワイヤレスイヤホンWF-C500発表、360 Reality AudioやIPX4相当の防滴対応

ソニーはオブジェクトベースの360立体音響技術を使った音楽体験360 Reality Audioに対応する、完全ワイヤレスイヤホン「WF-C500」を2021年10月8日に発売します。市場想定価格は1万1000円前後(税込、以下同)となっています。

WF-C500は本誌読者からの注目度が高い「WF-1000XM4」(3万3000円)の音質、基本性能、装着設計を継承しつつ、価格を抑えたモデルです。同社いわく市場では1万円以下のマーケット構成比の増加が顕著だとし、ラインナップを拡充したい考えです。

昨今のトレンドである『ノイズキャンセリング機能』や『外音を一時的に取り込む機能』には非対応ですが、360RA対応が注目点です。これは、全天球に広がる仮想的な音場空間に各音源をオブジェクトとして任意の位置に配置することで、リスナーがスピーカーやヘッドホンを通して立体的な音響を楽しめるというものです。

そして音質に関しては、チューニング方法などの詳細は非開示なものの、5.8mmドライバーユニットを備え、圧縮音源をCD音質相当まで補完するDSEEにも対応。同社によれば、低域から高域までのバランスを保ち、ボーカルが鮮明に聞こえるとのこと。ソニーが1万1000円前後の完全ワイヤレスイヤホンWF-C500発表、360 Reality AudioやIPX4相当の防滴に対応

ソニーが1万1000円前後の完全ワイヤレスイヤホンWF-C500発表、360 Reality AudioやIPX4相当の防滴に対応

イヤホンと耳の接触面を増やす形状をWF-1000XM4から継承し、装着時の安定性を確保しているという

スマート機能としては、イヤホンから音を鳴らして位置確認が行える「Google Fast Pair」や、Windows 10 PC に近づけるだけでペアリングを促すポップアップ画面が立ち上がる「Swift Pair」に対応。もちろんソニーのワイヤレスオーディオ機器と連携する「Sony|Headphones Connect」アプリも使えます。

このほかの主な仕様と付属品は以下の通り。

  • 連続音楽再生時間:最大約20時間
    → 充電ケースで1回の充電が必要。本体10時間+充電ケースで充電して10時間の合計20時間再生可能
  • 質量:本体5.4g、ケース35g
  • 対応BTコーデック:AAC / SBC
  • 耐久性:IPX4相当の防滴
  • カラー:アイスグリーン / コーラルオレンジ / ホワイト / ブラック
  • 付属品:ハイブリットイヤーピース(SS / M / LL 各2)、充電ケース、USB Type-CRケーブル ( USB-A – USB-CR 約20 cm )

イヤホンと耳の接触面を増やす形状をWF-1000XM4から継承し、装着時の安定性を確保しているというちなみに、日本流行色協会が発表した2021年春夏のプロダクツ・インテリアのトレンドカラーでは、カラーグループ 1.Experiment エクスペリメントに「アイスグリー ン」の色合い、3.Spontaneous スポンテーニアスに「コーラルオレンジ」の色合いが掲載されており、ソニーいわくWF-C500のカラー選定の参考にしたとのことです。イヤホンと耳の接触面を増やす形状をWF-1000XM4から継承し、装着時の安定性を確保しているというイヤホンと耳の接触面を増やす形状をWF-1000XM4から継承し、装着時の安定性を確保しているというイヤホンと耳の接触面を増やす形状をWF-1000XM4から継承し、装着時の安定性を確保しているという

(Source:ソニーEngadget日本版より転載)

ソニーがレンズ交換可能なVlog向けカメラ「VLOGCAM ZV-E10」を発表

Sony(ソニー)が、初のVlog(ブイログ)向けミラーレス一眼カメラ「VLOGCAM ZV-E10」を発表した。このカメラは、コンパクトなVlog用モデル「VLOGCAM ZV-1」から多くの機能を取り入れている。同時に、基本的にはAPS-Cミラーレス一眼カメラのα5000シリーズやα6000シリーズがベースになっており、その良い点を(悪い点も)受け継いでいる。

ZV-E10がZV-1と比べて最も優れている点は、より大きなAPS-Cサイズのセンサー(有効約2420万画素)を搭載していることと、レンズ交換式のミラーレス一眼であることの2点だ。後者はソニーの60種類以上のEマウントレンズをVlogger(ブイロガー)に開放することになり、レンズ固定式のZV-1よりも多用途に向く。また、前者のセンサーの大型化によって、光に対する感度が向上し、被写界深度が浅くなる。

ZV-E10は、α6100など近年のソニー製カメラに搭載されてきた2400万画素のAPS-Cセンサーを採用している。6K相当の情報量をダウンサンプリングしたシャープな4K動画を最大30fps(1080pなら120fps)で撮影できるが、ローリングシャッターがひどく、意図した用途には適さない可能性もある。

最も好ましい点としては、ZV-1と同様に、光学式および電子式の手ブレ補正機能を搭載していることだ。これによって、手持ちでの撮影はかなりスムーズになるはずだ。ただし、歩きながら話すVlogの撮影に魔法のような効果を期待してはいけない。特にローリングセンサーの揺れが問題になる場合は。

ZV-E10は、α6000シリーズよりも小さくて、重量は343g。ZV-1と比べても、大きさも重さもそれほど変わらない。電子ビューファインダーは搭載されていないが、ソニーのAPS-Cミラーレスカメラとしては初めて、横開きの可動式バリアングルモニターを搭載している。これは近頃のVlog撮影には必須の機能だ。

ZV-E10は、動画・静止画ともにソニーの最新の位相差AFシステムを搭載しているため、驚異的な速さで被写体に追従し、目・顔・頭を確実に検出してピントを合わせる。また、S&Q(スロー&クイックモーション)機能により、タイムラプスやスローモーションの映像を、後から作業する必要なく、カメラ内で記録・再生できる。

ZV-1に搭載されていたいくつかのVlog向け機能は、そのまま受け継がれている。その1つは「Product Showcase(商品レビュー用設定)」と呼ばれる機能で、カメラの前に置かれた被写体に瞬時にピントを移すことができる。製品やデバイスなどをレビューするVloggerには特に便利な機能だ。

もう1つは、周囲の明るさに合わせて最も低い絞り値を瞬時に設定する「Bokeh(背景ぼけ切り換え)」ボタンだ。これを押すと、背景をできるだけぼかして、被写体をくっきりと浮かび上がらせることができる。

ZV-E10には、声を拾うための高品質な3ウェイ(左、右、中央)マイクが内蔵されている。専用のショットガンマイクやラペルマイクの品質や声の分離性には及ばないものの、マイクを購入しなくてもVlogを撮影することができる。シューに取り付け可能なウインドスクリーンが付属するが、それでも十分ではない場合は、さらに風切り音を抑える設定にすることも可能だ。マイク入力端子も備えているが、ヘッドフォン出力端子はない。

ライブストリーミングを行いたい人は、Panasonic(パナソニック)の最新機種「GH5-II」と同様に、ZV-E10をスマートフォンに直接接続して、YouTubeなどのサービスに直接ストリーミングすることができる。ウェブカメラとしても使用できるが、(標準的なウェブカメラと違って)映像だけでなく音声も配信できるので、高品質なマイクの性能を活用できる。

ZV-E10は、ブラックとホワイトの2色が用意されており、日本での価格はオープン価格。店頭予想価格はボディ単体が7万8000円前後、レンズキット(ソニーの16-50mm F3.5-5.6パワーズームレンズが付属する)が8万9000円前後となっている。発売は9月17日だが、予約販売の受付が7月30日の10時より開始になる。

編集部注:この記事はEngadgetに掲載されている。本稿を執筆したSteve Dentは、Engadgetの共同編集者。

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画像クレジット:Sony

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(文:Steve Dent、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ソニーが完全無線イヤホン「WF-1000XM4」のノイズキャンセリングが切れる問題を解消、ソフトウェアアップデートで更新

ソニーが完全無線イヤホン「WF-1000XM4」のノイズキャンセリングが切れる問題など解消、ソフトウェアアップデートで更新

ソニーは2021年7月27日、完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」(3万3000円)向けにソフトウェアアップデートの配信を開始しました。

アップデート後はBluetooth接続の安定性のほか、特定の条件でノイズキャンセリングや外音取り込みの効果が瞬間的に切れる事象などが改善するとしています。

なお、アップデートにはAndroid / iOSアプリ「Sony | Headphones Connect」が必要。ダウンロード中、データ転送中、アップデート実行中に、本体を充電ケースに収納したり、電源を切ったりすると、WF-1000XM4を使用できなくなる可能性があるとのことです。

ソニーが完全無線イヤホン「WF-1000XM4」のノイズキャンセリングが切れる問題など解消、ソフトウェアアップデートで更新

ソニーが完全無線イヤホン「WF-1000XM4」のノイズキャンセリングが切れる問題など解消、ソフトウェアアップデートで更新

ちなみに、WF-1000XM4は人気で生産が追いつかず、SNSに「まだ入手できない」との投稿がアップされるなど、安定的な生産体制が求められている状況です。

前世代からの主な進化点は、統合プロセッサーV1によるノイズキャンセリング性能の向上に加え、Bluetooth用コーデックLDACや、圧縮音源をAI技術でアップスケールする DSEE Extreme に対応したこと。オブジェクトベースの360立体音響技術を使った音楽体験「360 Reality Audio」や、ヘッドホンを外さず相手と会話できる機能「スピーク・トゥ・チャット」、IPX4相当の防滴性能なども備えます。

(Source:ソニーEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:オーディオ / 音響機器(用語)ガジェット(用語)Sony / ソニー(企業)ノイズキャンセリング(用語)Bluetooth(用語)ヘッドフォン / イヤフォン(用語)日本(国・地域)

【レビュー】ソニー新型「WF-1000XM4」は高性能ワイヤレスイヤフォンの新基準、2年待っただけの価値がある

「WF-1000XM3」をレビューしてから2年弱になるが、その間ずっと、Sony(ソニー)のワイヤレスイヤフォンは高性能イヤフォンのスタンダードであり続けてきた。真面目な話、1カ月ほど前に別の新製品をレビューしたのだが、その時もやはり習慣で参照したぐらいだ。

これは、1年ごとのアップグレードサイクルが主流の昨今では珍しいことだ。ワイヤレスイヤフォン分野ではなおさらだ。ソニーが2019年半ばに本格的に参入したときには、市場はすでに混雑していると感じたし、状況は悪化する一方だ。しかしM3は、業界に新風を吹き込んだ。多くのメーカーがミドルエンドとローエンドを競っている中で、ソニーは真にプレミアムなものをリリースした。

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AirPods Proが発売される半年前に、M3は優れたサウンドとノイズキャンセリング機能を引っさげて市場に登場した。後者は今でこそ標準化されているが、ソニーがM3に搭載したときには、ほとんど例のない機能だった。しかし、このヘッドフォンは好評を博したにもかかわらず、ソニーはその次の製品を出すのに2年もかけた。それも無理はない。非常に良いものをさらに改善するのは難しいことだ。

画像クレジット:Brian Heater

「WF-1000XM4」は待っただけの価値がある、とご報告できてうれしく思う。ソニーは高級ヘッドフォンを得意としているが、この製品も例外ではない。今回のワイヤレスイヤフォンは、さまざまな面で以前のモデルよりも進化している。残念ながら、価格もそれに見合ったものになっている。もしあなたが、M3の230ドル(約2万5200円)は高いと思っていた場合、悪いニュースがある。新バージョンは、さらに50ドルを上乗せした280ドルだ(約3万700円、国内価格は税込3万3000円前後)。

その結果として生まれるいいニュースは、新しいヘッドフォンのリリースで、古い機種(M3)の価格は下がるということだ。軽く検索してみると、さまざまな場所で178ドル(約1万9500円)前後で販売されており、一般的なワイヤレスイヤフォンの価格に近いものとなっている。AirPods Proよりも30ドル(約3300円)高い新価格は、ソニーがスペクトルの中のプレミアムグレード側にあえて踏み込んでいることを意味する。価格を抑えるためのリソースと規模を持っている企業があるとすれば、それはソニーだ。

WF-1000XM4は価格に見合うだけの価値があるのだろうか?もちろん、これはかなり主観的な質問だ。間違いなくいえるのは、現在購入可能なワイヤレスイヤフォンの中で最高の音質を持っている部類に入るということだ。今のところ、オーバーイヤー型ヘッドフォンの体験をイヤーバッドで完全に再現できるとは思えない。しかし、ワイヤレスイヤフォンを使うことには確かな利点がある。それは携帯性と、言葉にできないほど暑い夏の日々に、耳を呼吸させるチャンスがあるということだ。

画像クレジット:Brian Heater

ワイヤレスイヤフォンはもちろん、フィットネスにも適している。とはいえ、特にワークアウト用のヘッドフォンを探しているのであれば、おそらくこれを第一候補にすべきではない。IPX4相当の防滴性能を備えているので汗をかいても大丈夫だが、このイヤフォンはどちらかというと、飛行機に長時間乗るときや、デスクに座ってジャズのレコードを楽しむようなときに向いている。

その理由の1つは、この製品の大きさだ。前作よりもかなり小さくなったのは確かで(本体はサイズ10%減)、パドル型から外耳道の上にコンポーネントを配置するようになったのは効果的だが、長時間の使用にはまだ少し大きすぎる。また、これは個人差がかなりあるかと思うが、私は長時間装着していると耳が痛くなる傾向があった。MサイズのイヤーピースをSサイズに交換すると圧迫感が少し和らいだが(私はほぼすべての種類のイヤーピースでMサイズを使用する)、Sサイズにすると、アクティブノイズキャンセリング(ANS)機能を最大限に活用するためには必要不可欠な耳への密閉性が非常に悪くなった。それでも、最終的には鈍い痛みがないわけではなかった。

画像クレジット:Brian Heater

ただ筆者は個人的に、フォームチップイヤーピースであまり良い経験をしたことがないという事実もお伝えしておくべきだろう。シリコンに比べて摩耗しやすく、耳垢がたまりやすい傾向があるのも影響している(この仕事はきれいごとばかりではない)。しかし、高級メーカーがこのルートを採用する理由は、快適性の観点から理解できる。

また、ソニーがサステナブルな紙製パッケージを採用したことにも賛辞を送りたいと思う。見た目は地味かもしれないが、あなたは自分のエレクトロニクスが入っていたパッケージをどれだけ頻繁に見るだろうか?私の中では、地球にとって少しでも良いものはネットプラスだ。そして、この充電ケースは見た目が非常に美しい。

ケースはM3より大幅に小さくなった(40%減)。前機種と比べ、ポケットに入れても邪魔にならないサイズだ。控えめなマットブラックで、上部にはかなり目立つSONYロゴが入っている。マグネットは強力で、イヤーバッドは小気味良くしっかりとケースに収まる。また、お互いにもくっつく。蓋の真下にある薄いLEDストリップは、充電状態に応じて緑または赤に光る。ケースは縦長なので、USB-Cポートは背面に配置されているが、Qi充電器を使ってワイヤレス充電することもできる。

画像クレジット:Brian Heater

興味深いことに、電池持続時間の公称値はM3と同じだが、数字がシフトされている。オリジナルの前機種では、本体のみで6時間、それにケースが18時間を足していた。今回は本体のみで8時間、ケースでプラス16時間となっている。どちらにしても1日は使える計算だが、私は確かに、実際のイヤフォンに2時間追加されている方を好む。

イヤフォン本体は、ケースよりも少し派手なデザインだ。2つの円が交差するデザインで、上部は耳にぴったりと沿うように設計されている。外側は金属製のマイクがアクセントになっており、上部には2つ目のフラッシュマイクが設置されている。

画像クレジット:Brian Heater

音質は本当にすばらしい。質の低いイヤーバッドでは聞き逃していた馴染みのある曲のディテールを新たに発見できるような、楽器の分離感がある。また、デフォルトのバランスもすばらしい。ソニーは低音を強調する必要がないので、そこに寄りかかってはいない。このヘッドフォンは、さまざまな種類の音楽やポッドキャストなど、幅広い分野ですばらしいサウンドを提供してくれる。

ノイズキャンセリング機能は、再び業界をリードしている。左のイヤーバッドをタップするだけで、ANCとアンビエントサウンド(外音取り込み)モードが切り替わるが、その違いはまるで昼と夜のようだ。非常に大きな音を出す野菜ジューサーも含め、この製品が遮断できる音には本当に感動した。また、このイヤフォンのBluetoothの範囲にも感心した。

イヤフォンに関しては、品質は値段相応というのが本当のところだ。今回も然り。ソニーは「WF-1000XM4」で再び、高性能ワイヤレスイヤフォンの基準を打ち立てることに成功した。

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画像クレジット:Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

ソニーがドローン「Airpeak S1」を9月発売、ミラーレスα搭載や映像制作向け飛行プラン作成も可能

ソニーがドローン「Airpeak S1」を9月発売、ミラーレスα搭載や映像制作向け飛行プラン作成も可能ソニーグループは、これまで開発を進めてきたAirpeakの第一弾として「Airpeak S1」(ARS-S1)を2021年9月に発売します。価格はオープンですが、市場想定価格は税別100万円です。

Airpeak S1は、独自開発のモーターやプロペラなどを備え、センシングによる障害物検知や自動飛行、機体や飛行情報のクラウド管理などが可能なドローン。フルサイズミラーレス一眼カメラαも搭載でき、主に映像制作への利用を見込んでみます。

本機に搭載した17インチの軽量なプロペラは独自開発のもの。プロペラやブラシレスモーターを制御するESC(Electric Speed Controller)も搭載。推進デバイスと全てのセンサー情報を統合し、安定した飛行と高い操縦応答性を実現するといいます。

センシングによる安定飛行も特徴のひとつで、ソニー製イメージセンサー内蔵カメラを機体5方向(前後左右下)に配置。カメラ情報を同時に処理するソニー製ビジョンセンシングプロセッサと独自アルゴリズムも搭載します。

それらの視界情報とIMU(Inertial Measurement Unit)、コンパス、気圧、赤外線測距などのセンサー情報を統合し、自己位置・姿勢を高精度に推定して周囲の空間をリアルタイムに認識。屋内や橋梁下などGNSSを受信しづらい条件下でも安定して飛行できるとのことです。

用途に応じてカメラを選べるのもポイント。具体的には、低ノイズな撮影が可能なα7Sシリーズや FX3 のほか、高精細な撮影が可能なα7Rシリーズ、歪の少ない映像を撮影できるα9シリーズの搭載が可能です。

αの映像をリアルタイムで確認しながら、機体と各機材を一元的に操作できる iOS / iPadOS 対応アプリ「Airpeak Flight」も用意され、ユーザーは飛行距離やバッテリー残量などを確認できます。

iOS / iPadOS 対応アプリ「Airpeak Flight」
さらに、機材管理や飛行プラン作成、フライトログの管理が可能なWebアプリ「Airpeak Base」のほか、機体の緯度・経度・高度を設定し、ジンバルの向きや動画・静止画撮影のタイミングを指定することも可能です。

このほか、Airpeak Base の機能が使えるクラウドサービス「Airpeak Plus」と、保証サービス「Airpeak Protect Plan」なども用意され、詳細は商品販売開始前にAirpeakのWebサイトで公開されます。

 Airpeak Base を使えば、あたかも空中にレールを設置したかのように自動的に何度も機体を飛行させたり、タイムラインに沿って機体の位置(緯度・経度・高度)や速度を設定し、ジンバルの向きや動画・静止画撮影のタイミングを指定したりできる。再現飛行は過去に飛行したフライトログをもとに飛行ルートとジンバル、カメラの動きを自動で再現する自動飛行機能

Airpeak Base を使えば、あたかも空中にレールを設置したかのように自動的に何度も機体を飛行させたり、タイムラインに沿って機体の位置(緯度・経度・高度)や速度を設定し、ジンバルの向きや動画・静止画撮影のタイミングを指定したりできる。再現飛行は過去に飛行したフライトログをもとに飛行ルートとジンバル、カメラの動きを自動で再現する自動飛行機能

 

ちなみに開発中のAirpeakは2021年1月11~14日に開催された世界最大級の家電・技術見本市「CES 2021」で披露され、その後、ソニーの試作EV「VISION-S」が公道で走行する模様の撮影に使用されました。なお、AirpeakとVISION-Sは、ソニーがAI​ロボティクス事業の取り組みとして、CES 2021 で包括的に紹介しました。

ソニーグループは今後、クリエイターだけでなく、システムインテグレーターや産業パートナーなど、プロフェッショナルサポーターとの共創活動を推進していく考えです。

  • 外形寸法:約526.8mm(高さ) x 591.9mm(幅) x 511.8mm(奥行)
  • 対角寸法:約644.6mm(モーター対角、プロペラは除く)
  • 機体質量:約3.1kg(バッテリーパックは除く)
  • 最大積載可能質量:約2.5kg
  • 最大離陸質量:約7.0kg
  • 最大速度:25m/s(90km/h)(ペイロード無し、障害物ブレーキ無効時)
  • 最大上昇速度:7m/s(ペイロード無し、障害物ブレーキ無効時)
  • 最大下降速度:4m/s(ペイロード無し、障害物ブレーキ無効時)
  • 加速時間:約3.5秒(停止から80km/hまでの時間、ペイロード無し時)
  • 最大飛行時間:約22分(ペイロード無し時) / 約12分(a7SIII+SEL24F14GM搭載時
  • 最大無線伝送距離:2km(障害物や電波干渉がなく見通しがよい場合)
  • ビジョンセンサー:種別:ステレオカメラ、配置:前後左右下方向、動作環境:地表の模様が明瞭で適切な明るさのある状態、検知範囲・角度:0.5 – 54m、HFOV・VFOV 80°
  • 赤外線測距センサー:種別:赤外線、配置:上下方向、検知範囲・角度:0.1 – 2m、FOV ±20°
  • FPVカメライメージセンサー:1/4インチ 817万画素CMOSセンサー 30fps
  • ジンバル軸:2軸ジンバル(チルト、ロール)
  • 搭載可能ジンバル:GBL-T3(Gremsy製ジンバル)
  • 搭載可能なカメラ:ILCE-1 / ILME-FX3 / ILCE-7C / ILCE-9M2 / ILCE-7SM3 / ILCE-7RM4 / ILCE-7RM3 / ILCE-7M3 / ILCE-9
  • 搭載可能なレンズ:SEL14F18GM / SEL20F18G / SEL24F14GM / SEL24F28G / SEL28F20 / SEL35F28Z / SEL35F18F / SEL40F25G / SEL50F25G / SEL50F18F / SEL50M28 / SEL55F18Z / SEL85F18

(Source:Airpeak S1Engadget日本版より転載)

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カテゴリー:ドローン
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ソニーが新型完全ワイヤレスイヤフォン「WF-1000XM4」正式発表、より小型化・ノイキャン性能向上

Sony(ソニー)がワイヤレスイヤフォンの水準を引き上げてから2年になる。Apple(アップル)がAirPods Proを発売する半年前に「WF-1000XM3」はサウンドとアクティブノイズキャンセリング(ANC)の新しいスタンダードを確立した。以来、その性能に匹敵する、ましてやそれ以上の製品はほとんどない。

数週間にわたるリーク情報の後、エレクトロニクスの巨人はついに「WF-1000XM4」を発表した。この製品は、オリジナルバージョンの音質とANCの両方を向上させると同社は主張している。これは高いハードルであり、同じく高い価格設定でもある。オリジナルは230ドル(約2万5200円)というすでに手痛い価格だったが、今作は280ドル(約3万700円)となり、ソニーはさらに踏み込んだ価格設定をしている。

ワイヤレスイヤフォンのカテゴリーは、2019年の時点ですでに混み合っているように感じられたが、2021年の状況とは比較にならない。また、50ドル(約5500円)以下の選択肢も最近はたくさんある(100ドル、約1万1000円以下でまともなソニーのイヤフォンを手に入れることも可能だ)。しかしソニーは、コストを下げる方法を見つけるのではなく、AirPods Proよりも30ドル(約3300円)高い、スペクトルの中のプレミアムグレードの地位を固めようとしている。

画像クレジット:Brian Heater

とはいえ、M3で同社がどれだけ高いハードルを設定したかを考えると、この製品をテストするのが非常に楽しみだ(手許に届いたばかりなので、近日中にレポートする)。移動することがまた普通になってきたら、M4は最適な旅行用ヘッドフォンになるだろう。同社によると、この製品の秘密のソースは「V1」で、新設計のプロセッサーがANCと音質の両方を向上させているとのこと。

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「ソニーが特別に開発した新設計の『Integrated Processor V1(統合プロセッサーV1)』は、高い評価を得ているソニーのQN1eチップのノイズキャンセリング性能をさらに向上させています」と同社は述べている(M3はQN1eを搭載していた)。「各イヤホンの表面にフィードフォワード・フィードバックの2つのノイズセンサーマイクを搭載し、周囲の騒音を分析して高精度なノイズキャンセリングを実現しています」とも。

ビームフォーミングマイクも搭載されており、ユーザーの口元から直接音をキャプチャし、不要な周囲の騒音を低減する。また「新しい骨伝導型センサーは、ユーザーの声の振動のみを拾い、通話時にはよりクリアな音声を可能にします」という興味深い情報もある。

画像クレジット:Brian Heater

新開発の6mmドライバーとともに、外出時の風切り音を自動で低減する機能を搭載。今回のリニューアルで、より豊かな低音と、歪みの少ない良い音を実現したという。もちろん、同社のハイレゾ・オーディオ・ワイヤレス技術も引き継いでおり、標準Bluetoothの3倍にあたる最大990kbpsのデータ転送が可能だという。

この製品は、ソニーの360 Reality Audioに対応している。ハイエンドのヘッドフォンでは、より多くのメーカーが拡張オーディオに向けた小さな一歩を踏み出していることは明らかだ。この機能はソニーのアプリで有効にする必要があり、当然ながら一部のサービスでのみ動作する。一方、アダプティブサウンドコントロールは、周囲の騒音に基づいて再生音量を調整する。

画像クレジット:Brian Heater

前述したように、私は今デスクの上に現物があるのだが、すぐにお伝えできるのは、M3に比べて充電ケースが大幅に小さくなっており、フル充電で24時間のバッテリーライフがあるということだ。イヤフォン本体は最大8時間だが、これは上位機種の業界標準と同程度だ。急速充電にも対応しており、5分間の充電で1時間の再生が可能になる。

形状はM3からかなり変化した。長い翼状だったのが球根状になり、耳の穴の上に来るようになった。これにより、長時間の使用による圧迫感が軽減されるかどうか気になるところだ。イヤフォン本体はIPX4の防水性能を持ち、GoogleアシスタントとAlexa(アレクサ)の両方に対応している。また、Fast Pair機能でAndroidデバイスやWindows 10マシンとのペアリングも簡単に行える。

価格は280ドル(約3万700円、国内価格は6月9日発表予定)で、米国時間6月8日より販売開始される。

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

ソニーのIoTブロック「MESH」が教育現場の要望に応えChrome OS・Chromebookに対応

ソニーのIoTブロック「MESH」が教育現場の要望に応えてChrome OS・Chromebookに対応

ソニーマーケティングは6月2日、IoTブロック「MESH」(メッシュ)がChromebookでも使えるようになる「ブラウザ版MESHアプリ」の提供を開始した。同時に、2021年夏には、Android版MESHアプリをChrome OSで使えるように対応プラットフォームの拡張を行うと発表した。MESHはこれまで、iOS、iPadOS、Android、Windows搭載端末に対応していたが、今後はChromebookでも利用可能になる。

MESHは、ボタン、カメラ、人感センサー、温度湿度センサーなど、単独の機能を持つ「MESHブロック」を「MESHアプリ」に無線接続することで、簡単にIoTシステムが作れるというシステム。MESHアプリでは、プログラミング言語の知識がなくても、接続されたMESHブロックやソフトウェア機能を示す「ソフトウェアブロック」を視覚的につなぎ合わせるだけで、「部屋に人が入ってきたら写真を撮影する」とか「気温の変化に応じて植木に水をやる」といったIoTシステムを直感的に構築できる。試行錯誤しながらプログラミングやものづくりを学ぶことができるため、小中学校や子どもを対象としたワークショップなどで広く利用されている。

「ブラウザ版」と「Android版」の追加は、「授業でMESHを扱うために対応端末を拡充してほしい」「コストを抑えながらPC配備を進めたい」といった教育現場からの要望に応えたもの。

「ブラウザ版」では、MESHブロックと端末との接続に専用の中継器「MESHブリッジ」が必要になる。ブロックと端末とはBluetoothで接続されるが、ペアリング設定はMESHブリッジに保存されるので、MESHブリッジとMESHブロックのペアリングを一度行えば、別の端末で使用したいときに、改めてペアリングをせずに済む。ひとつの部屋で大勢が個々のPCを使う学校の授業などでは、毎回ペアリングをする手間や混乱を避けられる。

MESHブリッジ

「Android版」では、Android端末とMESHブロックをBluetoothで直接接続できる。インターネットに接続されていないオフライン環境での利用も可能。ただし、端末を変更した際には、改めてペアリングし直す必要がある。そのため近くの別の端末に誤ってペアリングしてしまうなどの混乱を招く恐れがあるので、端末とブロックの組み合わせをあまり変更しない場合や「小規模な利用シーン」に適しているとのこと。

ブラウザ版MESHアプリは、ChromeブラウザからMESHアプリのページにアクセスするだけで無料で利用できる。Android版MESHアプリは、夏からGoogle Playストアを介し無料でインストールできる予定。MESHブリッジの価格は税込5478円。

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JAXAが有人与圧ローバー実現に向け変形型月面ロボットによる月面データ取得の実施決定、タカラトミー・ソニー・同志社大と共同開発

JAXAが「有人与圧ローバー」実現に向け変形型月面ロボットによる月面データ取得の実施を決定、タカラトミー・ソニー・同志社大と共同開発

変形型月面ロボット(左:変形前、右:変形後)

JAXAは5月27日、月面での人の移動に使われる「有人与圧ローバー」の実現に向け、月面でのデータ取得を行うと発表した。これには、JAXA、タカラトミー、ソニー、同志社大学と共同開発する変形型月面ロボットが使われ、月面投入はispace(アイスペース)が2022年に打ち上げを予定している月着陸船が使われる。

JAXAは、2019年から有人与圧ローバーの概念検討を行っており、自動運転技術や走行技術の詳細を検討するためには月面の画像データなどが必要だと判断した。そこでispaceの月着陸船で変形型月面ロボット1機を月面に送り込み、レゴリス(月面の砂)の挙動や画像データを月着陸船経由で地上に送ることを決めた。取得したデータは、有人与圧ローバーの自己位置推定アルゴリズムの評価、走行性能へのレゴリスの影響評価などに用いられる。ispaceの月着陸船は、変形型月面ロボットを月に送り込みデータ通信を行わせる目的で、競争入札により選定され2021年4月に契約を締結したもの。

ispaceの月着陸船

変形型月面ロボットは、2016年に実施された第1回JAXA宇宙探査イノベーションハブ(Tansax)の研究提案公募でタカラトミーによって提案された重量約250gの自走型の超小型ロボット。月着陸船には、直径約8cmの球状になって搭載され、月面に展開された後に走行用の形状に変形して活動を行う。

2016年よりJAXAとタカラトミーが筐体の共同研究を開始し、2019年にソニー、2021年に同志社大学が参加した。タカラトミーと同志社大学の筐体の小型化技術、ソニーによるSPRESENSEを使った制御技術、JAXAの宇宙環境下での開発技術と知見がそれぞれ生かされている。

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カテゴリー:宇宙
タグ:ispace(企業)宇宙(用語)SPRESENSE(製品・サービス)Sony / ソニー(企業)JAXA / 宇宙航空研究開発機構(組織)タカラトミー(企業)同志社大学(組織)日本(国・地域)

【コラム】アクセシブルなゲーミングの未来を創る

編集注:本稿の著者Williesha Morris(ウィリーシャ・モリス)氏は10年以上のキャリアを持つ、フリーランスのジャーナリスト。執筆していないときは、本を読んだり、ビデオゲームをしたり、マーベル・シネマティック・ユニバースについてしゃべったりしている。

ーーー

2011年、プロダクト開発者Fred Davison(フレッド・デイヴィソン)氏は、発明家のKen Yankelevitz(ケン・ヤンケレヴィッツ)氏と同氏が開発した四肢麻痺患者向けのビデオゲームコントローラー「QuadControl」に関する記事を読んだ。当時、ヤンケレヴィッツ氏はリタイアを目前にしていた。デイヴィソン氏はゲーマーではなかったが、母親が進行性の神経変性疾患であるALSにかかっていたことから、ヤンケレヴィッツ氏が手を離そうとしていたことに意識が向いたという。

2014年に発売されたデイヴィソン氏のQuadStickは、幅広い業界で関心を集めていたヤンケレヴィッツ氏のコントローラーの最新モデルだ。

「QuadStickは私がこれまで携わった中で最もやりがいのあるものでした」とデイヴィソン氏はTechCrunchに語った。「(障害を持つゲーマーたちが)こうしたゲームに参加できることが何を意味するのかについて、たくさんのフィードバックを得ています」。

土台作り

デンバーのCraig Hospital(クレイグ病院)で作業療法士を務めるErin Muston-Firsch(エリン・マスタン・ファーシュ)氏は、QuadStickのようなアダプティブゲーミングのツールは同病院のセラピーチームに革命をもたらすものだったと語る。

同氏は6年前、脊髄損傷で来院した大学生のためのリハビリ療法を考案した。その青年はテレビゲームをするのが好きだったが、けがのために手が使えなくなっていたという。そこで、リハビリ療法にデイヴィソンの発明が取り入れられ、患者はWorld of Warcraft and Destinyをプレイできるようになった。

QuadStick

Jackson “Pitbull” Reece(ジャクソン・「ピットブル」・リース)氏は、QuadStickとXAC(Xboxアダプティブコントローラー)の操作に口を使うことで有名なFacebookのストリーマーだ。XACはMicrosoft(マイクロソフト)ソフトが障害者向けに設計したコントローラーで、ビデオゲームのユーザーインプットを容易にする。

リース氏は2007年のオートバイ事故で脚の機能を失い、その後、感染症のために手足の切断を余儀なくされた。同氏は、スポーツビデオゲームによって満たされていた健全な頃の生活が思い出されると語っている。ゲーミングコミュニティの一員であることは、自分のメンタルヘルスの重要な部分だという。

幸いなことに、支援技術のコミュニティ間では、ゲーマー向けのハードウェアを作ることに関して競争ではなくコラボレーションの雰囲気がある。

しかし、大手テクノロジー企業のすべてがアクセシビリティに積極的というわけではない。その一方で、障害を持つゲーマー向けにカスタマイズされたゲーミング体験を実現するアフターマーケットデバイスが提供されている。

マイクロソフトの参加

マイクロソフトでインクルーシブリードを務めるBryce Johnson(ブライス・ジョンソン)氏は2015年のハッカソンで、障害を持つ退役軍人の支援団体Warfighter Engagedと面会した。

「私たちは時を同じくして、インクルーシブデザインに対する考え方を発展させようとしていました」とジョンソン氏は語る。実際のところ、第8世代のゲーミングコンソールは、障害を持つゲーマーにとって障壁となっていた。

「コントローラーは、前提条件を設定した主要なユースケースに合わせて最適化されています」とジョンソン氏はいう。実際、従来のコントローラーのボタンやトリガーは、耐久性の高い健常者向けのものだ。

Warfighter Engaged以外にも、マイクロソフトはAbleGamers(障害のあるゲーマーのための最も有名な慈善団体)、クレイグ病院Cerebral Palsy Foundation、および英国に拠点を置く障害のある若いゲーマーのための慈善団体Special Effectと協力している。

Xboxアダプティブコントローラー

2018年にリリースされたXACは、移動性に制限のあるゲーマーが、他のゲーマーとシームレスにプレイできるように設計されている。ゲーマーたちがコメントを寄せた細部の1つに、XACは医療機器ではなく、消費者向け機器のように感じるということが挙げられている。

「このコミュニティのためにこの製品を設計する、ということは不可能だと分かっていました」とジョンソン氏はTechCrunchに語った。「コミュニティ一緒に製品を設計する必要がありました。『私たちがいなければ、私たちは何もできない』という信念を私たちは持っています。インクルーシブデザインという私たちの原則は、最初の段階からコミュニティを取り込むよう促すものです」。

大物たちの協力

他にも協力する人たちがいた。多くの発明がそうであるように、Freedom Wingの誕生は偶然の産物だった。

ATMakersのBill Binko(ビル・ビンコ)氏は、支援技術(Assistive Technology:AT)カンファレンスのブースで、ATMakersのJoystickという電動車イス向けデバイスを使用した人形「Ella」を展示した。カンファレンスにはAbleGamersを支えるブレーントラストの一員であるSteven Spohn(スティーブン・スポーン)氏も出席していた。

スポーン氏はJoystickを見て、ビンコ氏にXACで動作する同様のデバイスが欲しいと伝えた。センサーを使って、イスの代わりにゲームコントローラーを操作するというものだった。このデバイスはすでに電動車イスデバイスとして路上テストされているため、何カ月にも及ぶ研究開発とテストを必要としなかった。

ATMakers Freedom Wing 2

ビンコ氏によると、零細企業は、アクセシブルゲーミング技術の変革において先陣を切っているという。マイクロソフトやLogitech(ロジテック)のような企業は、最近になってようやく足場を固めた。

一方、ATMakersやQuadStickなどの小規模なクリエイターたちは、この業界をディスラプトすることに奔走している。

「誰もが(ゲーミングを)手にすることができ、コミュニティと関わり合う機会が広がっていきます」とビンコ氏。「ゲーミングは、人々が極めることができ、参加できるものなのです」。

参入の障壁

技術が進化するにつれて、アクセシビリティへの障害も進化する。こうした課題にはサポートチームの不足、セキュリティ、ライセンス、VRなどが含まれる。

ビンコ氏によると、需要の増加にともない、こうした機器のサポートチームを管理することは新たなハードルになっているという。AT業界に参入して機器の製造、設置、保守を支援するためには、技術的なスキルを持つ人材がさらに必要となる。

セキュリティとライセンスは、多様なハードウェア企業との協業に必要となる資金やその他のリソースのために、デイヴィソン氏のような小規模なクリエイターの手を離れている。例えば、Sony(ソニー)のライセンシングエンフォースメント技術は、新しい世代のコンソールではますます複雑化している。

デイヴィソン氏はテクノロジー業界での経験から、機密情報を保護するための制限について理解している。「製品の開発に膨大な資金を費やし、そのあらゆる側面をコントロールしたいと考えているのです」とデイヴィソン氏は語る。「力の小さい者が一緒に仕事をするのを厳しくしているだけです」。

デイヴィソン氏によると、ボタンマッピングではPlayStationが先行したが、セキュリティプロセスが厳格だという。コントローラーの使用を制限することがコンソール企業にとってどのようなメリットがあるのか、同氏には理解できない。

「PS5とDualSenseのコントローラーの暗号化は今のところクラックできないため、ConsoleTunerのTitan Twoのようなアダプターデバイスは、非公式な『中間者』攻撃のような他の弱点を見つけなければなりません」とデイヴィソン氏は述べている。

この手法を使えば、デバイスはQuadStickから最新世代のコンソールまで旧世代のPlayStationコントローラーを利用できるようになり、障害を持つゲーマーはPS5をプレイできるようになる。TechCrunchはソニーのアクセシビリティ部門に問い合わせたが、この部門の代表者によると、適応性のあるPlayStationやコントローラーに関する当面の計画はないという。しかし、同部門はアドボケイトやゲーミング開発者と協力し、最初からアクセシビリティを考慮しているとした。

これとは対照的に、マイクロソフトのライセンシングシステムはより寛容で、特にXAC、そして新システムで旧世代のコントローラーを使用する機能を備えている。

「PC業界とMacを比較してみてください」とデイヴィソン氏は続けた。「さまざまなメーカーのPCシステムを組み合わせることはできますが、Macではできません。一方はオープンスタンダードで、もう一方はクローズドです」。

よりアクセシブルな未来

日本のコントローラー会社HOLIは2021年11月、Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)用に正式にライセンスされたアクセシビリティコントローラーをリリースした。現時点では米国内では販売されていないが、オンラインで購入可能な地域の制限はない。任天堂はまだこの技術を完全には採用していないが、今回の開発は、アクセシビリティを重視した任天堂の方向性を示している。

任天堂のアクセシビリティ部門は完全なインタビューには応じなかったが、TechCrunchに声明を送った。「任天堂は、誰もが楽しめる製品およびサービスの提供に努めています。当社の製品は、ボタンマッピング、モーションコントロール、ズーム機能、グレースケールと反転カラー、触覚と音声のフィードバック、その他の革新的なゲームプレイオプションなど、さまざまなアクセシビリティ機能を備えています。さらに、任天堂のソフトウェアおよびハードウェアの開発者は、現在および将来の製品でアクセシビリティを拡大するために、さまざまな技術を評価し続けています」。

障害を持つゲーマーのための、よりアクセシブルなハードウェアを求める動きはスムーズではない。これらのデバイスの多くは、資本がわずかな小規模企業のオーナーによって開発されたものだ。いくつかのケースでは、開発の初期段階で包括性の意思を持つ企業が関与している。

しかし、徐々にではあるが確実に支援技術は進歩しており、障害を持つゲーマーにとってよりアクセシブルなゲーミング体験を実現する方向に向かっている。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:アクセシビリティインクルーシブMicrosoftXboxSonyPlaystationHOLINintendo Switch任天堂コラム

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(文:Williesha Morris、翻訳:Dragonfly)

ソニーがDiscordに出資と提携、PlayStationにチャットアプリ搭載へ

Sony(ソニー)とDiscord(ディスコード)は、ゲームに特化した人気のDiscordチャットアプリをPlayStation独自のソーシャルツールに統合する提携を発表した。Discord買収の交渉がごく最近打ち切られたことを考えると、大きな、そしてかなり驚くべき動きだ。噂されているDiscordのIPOを前に、ソニーはDiscordの少数株を取得するのにMicrosoft(マイクロソフト)よりも良い条件を提示したようだ。

関連記事:Discordがマイクロソフトによる買収を固辞、独自に新規株式公開を目指す

短い発表文の中で提携の正確な中身は示されなかった。実際に何が起きるのかTechCrunchが耳にしたことはというと、両社が「2022年初めにDiscordとPlayStationのエクスペリエンスをコンソールとモバイル上で一体化させる」ということで、これは少なくとも簡単に想像できることだ。

Discordは以前にもコンソールプラットフォームと提携しているが、その相手はMicrosoftで、特に深い統合ではなかった。今回の提携は「あなたがPS5で何をプレイしているのかを友達が見ることができる」「ソニーのシステムを利用するあらゆる人のための代替チャットインフラ」以上のものであることはほぼ確実だ。システム全域に及ぶ深い統合となる可能性があるが、あなたが友達を自分のゲームに招待したり、あるいは友達のゲームにあなたが参加したりするときに「Discordでのボイスチャットで開始する」というような、明らかにDiscordブランドのオプションだ。

2022年初めというタイムラインはまた、統合が主要なプロダクト変更であり、おそらくソニーの長期的なPS5ロードマップにおける大きなプラットフォームアップデートと同時に行われることを示唆している。

ボイスチャットに関しては新しいPlayStationが古いものよりも優れている一方で、古いものはそもそも良くなかった。そしてDiscordは扱うのは簡単というわけではないが、何百万人というゲーマーがすでに毎日使っている。そして最近ではゲームが排他的でなければ、しっかりとクロスプラットフォームであるというのが次善のオプションだ。というわけで、PS5プレイヤーがPCプレイヤーとシームレスにチャットできるのはその部分での弱点を減らすことになる。

もちろんMicrosoftはXboxとWindowsエコシステムの両方を展開しているというアドバンテージがある。しかし同社は繰り返し機会を模索してきた。Discordの買収はすべてをつなぎ合わせる欠けていたピースだったのかもしれないが、相手に逃げられてしまった。報道されたところではMicrosoftの買収交渉ではDiscordの企業価値を100億ドル(約1兆907億円)と評価したが、成長中のDiscordはIPOで自由に展開し、珍重されるペットになるよりも支配的なボイスプラットフォームになるという挑戦を選んだようだ。

金銭面に関していえば、ソニーはDiscordの直近の1億ドル(約109億円)のHラウンドに参加してすでに同社と関わっている。ソニーの拠出額は明らかにされていないが、引受額とトータルの評価額を考えたときに、必然的に少数持ち分以上とはなり得ない。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:DiscordSonyPlayStation

画像クレジット:Discord

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Nariko Mizoguchi

ソニーがFeliCa内蔵「推し払いキーホルダー」試験販売、アニメ「まどマギ」デザインに楽天Edy機能付加

ソニーがFeliCa内蔵「推し払いキーホルダー」試験販売、アニメ「まどマギ」デザインに楽天Edy機能付加

ソニーは4月30日、FeliCa(フェリカ)のモジュールを内蔵し、電子決済サービス「楽天Edy」の機能を付加したアクリル製の「推し払い(おしはらい)キーホルダー」を発表しました。

本体に今年テレビシリーズ放送10周年を迎えた人気アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』のキャラクター2種類を印刷し、5月1日午前10時から5月31日まで、通販サイト「ANIPLEX+(アニプレックスプラス)」で予約販売します。

価格は2980円(税込)で、商品の発送は7月を予定。期間中に予定数を達成した場合、早期に販売を終了する可能性があるとのことです。

ソニーがFeliCa内蔵「推し払いキーホルダー」試験販売、アニメ「まどマギ」デザインに楽天Edy機能付加

FeliCaとは、電子マネーなどに使われる非接触型ICチップ技術で、10cm程度の範囲内であればリーダーなどが発する微弱な電波でデータの読み書きが行えます。最近では携帯電話だけでなく、オフィスの出入りに使う社員証にも内蔵されたりと、利用範囲が広がっています。

ソニーによると、汎用的な電子マネー機能をキーホルダーに付けるためには、本体の金型代や版代に加え、形状ごとに通信性能検定が必要でしたが、「推し払いキーホルダー」には、既存のアクリルキーホルダーの外観・厚みを考慮し、内部にFeliCaモジュールを埋め込める、新開発の多層構成の製法を使用しています。

アクリルキーホルダーが一定の厚さ(約3mm)とサイズ(縦115mm、横86.5mm以内)であれば、さまざまな形状で規定の通信性能を保持できるほか、デジタル印刷を利用し、金型不要の加工方法で製作するため、初期費用が抑えられ、少量生産も可能だといいます。

ソニーは、今回の試験販売を通じて、他のアニメキャラクターとのコラボレーションや、アーティストのライブグッズなどへの活用を検討していく考えです。

ソニーがFeliCa内蔵「推し払いキーホルダー」試験販売、アニメ「まどマギ」デザインに楽天Edy機能付加

(Source:ソニーEngadget日本版より転載)

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ソニーがリュックなどに吊るせるIP67防水スピーカー「SRS-XB13」を7700円前後で5月28日発売

カテゴリー:フィンテック
タグ:Sony / ソニー(企業)FeliCa楽天 / Rakuten(企業)楽天Edy(企業・サービス)日本(国・地域)

米国の2021年第1四半期のビデオゲーム支出は30%増の1.6兆円、ハードウェアが好調

パンデミックを経て米国では人生への希望の兆しが見え始めているが、ビデオゲーム支出額の増加は続いている。2020年のかなりのビデオゲーム支出額は、米国や世界の多くのところで実施された外出禁止によるものだったことは間違いない。米国では2020年にゲーム関連の支出額が27%増加した。

しかし、人々がこれまでよりも外出するようになり、この勢いは続くのだろうかという大きな疑問が残る。差し当たっては、少なくともこの業界にとってはバラ色の状態が続いているようだ。NPDは米国時間4月29日、2021年第1四半期の米国のビデオゲーム支出額は前年同期比30%増の149億2000万ドル(約1兆6240億円)だったと明らかにした。

しかし支出の内訳を見ると、成長要因は単なるパンデミック中のエンターテインメントではないのは明らかだ。第1四半期にコンテンツへの支出は25%増え、アクセサリーが42%増、ハードウェアは82%増だった。

ハードウェアに関する数字の増加要因は、関心を持ってこの業界を追いかけている人なら誰でもすぐにわかるだろう。Nintendo Switchが2020年の売上の大半を独占し、ソニーとマイクロソフトが2020年、次世代コンソールを発売した。

「パンデミックによる消費者の行動の変化に起因するゲーム消費時間と消費額の増加がまだみられる一方で、PlayStation 5とXbox Seriesのコンソールの2020年11月の発売からの周期的なゲインを目の当たりにしています。こうした新たなプラットフォームによる成長はモバイル、PC、VRのコンテンツ支出額の増加、そして継続しているNintendo Switchの人気と併せて過去最高の支出額につながりました」とアナリストのMat Piscatella(マット・ピスカテラ)氏はリリースで述べた。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:任天堂Nintendo SwitchソニーMicrosoftPlayStationPlayStation 5Xbox

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

ソニーがリュックなどに吊るせるIP67防水スピーカー「SRS-XB13」を7700円前後で5月28日発売

ソニーがリュックなどに吊るせるIP67防水スピーカー「SRS-XB13」を7700円前後で5月28日発売ソニーは、防水防塵(IP67)対応のポータブルBluetoothスピーカー「SRS-XB13」を5月28日に発売します。市場想定価格は7700円前後。カラーはライトブルー、コーラルピンク、パウダーブルー、ベージュ、ブラックを用意しています。

SRS-XB13は、ソニーが2019年5月に発売した「SRS-XB12」の後継モデルで、独自プロセッサー「Sound Diffusion Processor」により、ステレオで聞こえにくくなる現象を防ぐとともに上方向へ音を拡散できるとしています。

音質については、低音増強振動板ユニットのパッシブラジエーターと重低音「EXTRA BASS」はもちろんのこと、約46mm径のフルレンジユニットによるクリアな中高域も損なうことなく再生できるとのこと。

使い勝手に関しては、高いところに吊るして使う需要があったことから、ストラップホールを上部と下部の両方に設け、ストラップを通しやすくしたそうです。

ソニーがリュックなどに吊るせるIP67防水スピーカー「SRS-XB13」を7700円前後で5月28日発売ソニーがリュックなどに吊るせるIP67防水スピーカー「SRS-XB13」を7700円前後で5月28日発売

なお、2台を同時に接続してステレオで再生できる「Stereo Pair 機能」は、SBCコーデックでのみ利用可能。また、SRS-XB13にAndroid端末を近づけるだけで、ペアリングを促すメッセージが画面に表示され、かんたんに接続できる「Google Fast Pair」にも対応しています。

  • 伝送帯域(A2DP):20Hz – 20,000Hz(44.1kHzサンプリング時)
  • 指向特性:全指向性
  • Bluetooth:ver 4.2
  • 対応コーデック:SBC / AAC
  • 対応プロファイル:A2DP / AVRCP / HFP / HSP
  • 連続再生時間:最大16時間
  • 充電端子:USB Type-C
  • 耐久性:IP67 防水防塵
  • サイズ:約76 x 95mm (直径 x 高さ)
  • 重量:約253g
  • 付属品:USB Type Cケーブル(x1) / ストラップ(x1)

(Source:ソニーEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:ハードウェア
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ソニーが「Xperia 1 III」発表、劇的進化の望遠カメラや世界初の4K 120Hz駆動ディスプレイ採用

ソニーが「Xperia 1 III」発表、劇的進化の望遠カメラや世界初の4K 120Hz駆動ディスプレイ採用

ソニーがXperiaシリーズのフラッグシップ「Xperia 1 III」を発表しました。デザインを前モデルから踏襲しているため、一見すると、前モデルの「Xperia 1 II」から大きく変わっていないようにも見えますが、カメラ・ディスプレイ・オーディオなど、Xperiaが得意とする機能が確実に進化しています。

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Xperia 1シリーズの3代目にあたるXperia 1 III。カメラ、ディスプレイ、オーディオを強化した

Xperia 1シリーズの3代目にあたるXperia 1 III。カメラ、ディスプレイ、オーディオを強化した

可変式レンズと大型イメージセンサーで望遠でも高画質に

まずカメラですが、「Xperia 1 III」では望遠カメラを大きく強化しています。望遠は70mm(光学2.9倍)と105mm(光学4.4倍)に切り替わる可変式望遠レンズを採用しています。

ペリスコープ構造で取り込んだ光を屈曲させることで距離を稼いでいる点は、他の望遠を売りにする端末と同じですが、その中のレンズがスライドすることで、倍率を切り替える仕様になっています。見た目的にはトリプルカメラですが、実質的にクアッドカメラとして使えるというわけです。

カメラは上から超広角・広角・望遠。望遠レンズはペリスコープ構造で、焦点距離を70mm(光学2.9倍)と105mm(光学4.4倍)から選択できる

カメラは上から超広角・広角・望遠。望遠レンズはペリスコープ構造で、焦点距離を70mm(光学2.9倍)と105mm(光学4.4倍)から選択できる

一般的にペリスコープ型の望遠カメラはレンズが暗くなり、画質がイマイチになりがちです。一方の「Xperia 1 III」はセンサーサイズが1/2.9と望遠カメラの中では大きめ。さらにレンズも70mmでF2.3、105mmでF2.8と明るめです。

日本向けの他の機種だと、例えば「Galaxy S21 Ultra」は光学3倍望遠がF2.4なのに対し、光学10倍望遠はF4.9。OPPOの「Find X2 Pro」は光学10倍望遠でF3.0と、高倍率は比較的暗めです。「Xperia 1 III」の望遠カメラは倍率こそ低めですが、メインカメラとの差分を減らし画質を強化していることがうかがえます。

70mmはF2.3、105mmはF2.8と明るいレンズを搭載。倍率は低いがセンサーサイズも望遠カメラとしては大きく、実用性が高いズームと言えそうだ

70mmはF2.3、105mmはF2.8と明るいレンズを搭載。倍率は低いがセンサーサイズも望遠カメラとしては大きく、実用性が高いズームと言えそうだ

70mmはF2.3、105mmはF2.8と明るいレンズを搭載。倍率は低いがセンサーサイズも望遠カメラとしては大きく、実用性が高いズームと言えそうだ

また、ズームレンズにもDual PDのセンサーを採用しているため、オートフォーカスのスピードが速いのも特徴です。単に望遠の倍率を追い求めるのではなく、望遠でも105mmまでに抑えながら、仕上がりのよさを重視しているのはXperiaらしいところです。

ちなみに、24mmの広角レンズはもちろん、16mmの超広角レンズにもDual PDのセンサーを採用しています。画素数は「Xperia 1 II」と同様に1200万画素に統一。こうした“デジカメらしさ”を追求しているのはXperiaならではと言えそうです。

デジカメらしい点では、「Xperia 1 III」から標準のカメラアプリが廃止され、カメラの操作はαの操作を模した「Photography Pro」に一本化されています。より正確に言えば、Photographyにスマホライクな撮影ができる「BASIC」モードを追加することで、標準カメラアプリを統合したというわけです。「Xperia 1 II」までは2つのカメラアプリに分かれてしまっていて、どちらを起動すればいいか迷うこともありましたが、統合によって操作性がシンプルになった格好です。

カメラアプリはPhotography Proに統一された。これまでの標準カメラアプリの代わりになるのが、BASICモードだ

カメラアプリはPhotography Proに統一された。これまでの標準カメラアプリの代わりになるのが、BASICモードだ

Photography ProのBASICモードでは、画面上にシャッターボタンが表示されます。動画撮影やインカメラでの撮影ができるのも、こちらのモード。標準カメラで必要とされていた機能を、ほぼ丸ごとBASICモードとしてPhotography Proに吸収させたことがうかがえます。

メリットとしては、これまで標準カメラで利用できなかった秒間60回のAF/AEや、リアルタイム瞳AFに対応している点が挙げられます。Xperiaのカメラ機能を引出しつつ、スマホ風の操作で写真を撮りたい人に向けたモードがBASICモードと言えるでしょう。

ディスプレイは世界初の4K 120Hz駆動に対応

次に、ディスプレイですが、こちらは従来からの4K HDRに加えて、120Hz駆動にも対応しました。ここまでの高解像度と、120Hzの高速駆動を両立させたのは世界初です。120Hz駆動だけなら、昨年発売された「Xperia 5 II」でも実現していましたが、あちらは解像度がフルHD+。対する「Xperia 1 II」は、4K HDR対応ながら、ディスプレイのリフレッシュレートは90Hz“相当”までしか上げられていませんでした。「Xperia 1 III」で晴れて4K HDRと120Hzに両対応できたというわけです。

世界初となる4K HDRでの120Hz駆動を実現

世界初となる4K HDRでの120Hz駆動を実現

さらに、「Xperia 1 III」では、ディスプレイの色ずれを個体ごとに補正するディスプレイキャリブレーションを実施しています。

キャリブレーションと言えば、最近では「Xperia PRO」、もう少しさかのぼると「Xperia 1 Professional Edition」でも行われていた作業ですが、どちらかいうと、プロ向け端末のための工程といった感がありました。出荷台数も多いであろう、フラッグシップモデルの「Xperia 1 III」は、これら2機種以上に手間がかかることは確かですが、個体ごとの違いがないというのは購入する側にとって安心感があります。

個体ごとに補正をかけるキャリブレーションを実施。ここまでやっていたのは、プロフェッショナル向けの端末だけだった

個体ごとに補正をかけるキャリブレーションを実施。ここまでやっていたのは、プロフェッショナル向けの端末だけだった

Xperia 1 II比でスピーカーの音圧が40%向上

カメラ・ディスプレイに続く3つ目の強化点はサウンドです。まず、ハードウェアとして、スピーカーの構造を見直し、音圧を「Xperia 1 II」比で40%向上させました。Dolby Atmosにも対応していますが、さらに、ソニー・ピクチャーズ エンタテイメントが独自のチューニングを施しているところはソニーグループならでは。スピーカーだけでなく有線イヤホン/ヘッドホン接続時の音圧も40%アップしています。

スピーカー、有線イヤホンともに、40%音圧がアップしている

スピーカー、有線イヤホンともに、40%音圧がアップしている

スピーカー、有線イヤホンともに、40%音圧がアップしている

さらに、本体のスピーカーだけで、360 Reality Audioを楽しむこともできます。対応するストリーミングサービスが「TIDAL」のみで、TIDALが日本でのサービスを展開していないため、実質的に日本では利用できない機能になってしまっているのは残念ですが、サービスインを期待したいところです。

これとは別に、通常のステレオ音源を立体化できる「360 Spatial Sound」にも対応しており、こちらはヘッドホンで楽しむことができます。

端末単体での360 Reality Audioに対応。ただし、対応サービスはTIDALのみで、実質的に日本では利用できない

端末単体での360 Reality Audioに対応。ただし、対応サービスはTIDALのみで、実質的に日本では利用できない

既存の楽曲を360度化する360 Spatial Soundにも対応

既存の楽曲を360度化する360 Spatial Soundにも対応

カメラ、ディスプレイ、オーディオと、ソニーの得意分野をさらに磨いた格好の「Xperia 1 III」ですが、スペックが底上げされている点も見逃せません。チップセットにはSnapdragon 888を採用。メモリ(RAM)は12GBと大容量です。ストレージ(ROM)は2パターンあり、地域によって256GBか512GBのどちらかが採用されるといいます。

スペック面で注目したいのは、ミリ波に対応したところ。これも地域に応じて対応の可否が変わるため、日本版がミリ波対応するかどうかは不明ですが、Sub-6のみだった「Xperia 1 II」からは大きな進化です。

主な仕様。Snapdragon 888を搭載し、一部国向けのモデルはミリ波に対応する

主な仕様。Snapdragon 888を搭載し、一部国向けのモデルはミリ波に対応する

ちなみに、Sub-6版とミリ波版ではアンテナ構造の違いから、本体デザインにも差分があるようです。具体的には、Sub-6版がアンテナ用のスリットが見える以下の写真のようなデザインなのに対し、ミリ波版は逆に継ぎ目がないように色が加えられているとのこと。

「iPhone 12」シリーズは、米国のみミリ波対応だった一方、側面にちょっと残念なアンテナが露出していましたが、「Xperia 1 III」の場合はミリ波版の方がよりソリッドなデザインに仕上がっていると言えるでしょう。

写真はSub-6版。Xperia 1 IIのときと同様、アンテナラインが見える。ミリ波版には、これがないという

写真はSub-6版。Xperia 1 IIのときと同様、アンテナラインが見える。ミリ波版には、これがないという

ただし、側面に関しては「Xperia 1 II」より1つボタンが増えています。ソニーによると、これはGoogleアシスタントボタンとのこと。「Xperia PRO」のように、アプリの割り当てはできないのは残念なお知らせです。ボタンに凹みがあり、かつカメラボタンには「Xperia 1 III」からエンボス加工が施されているため、押し間違えはなさそうですが、右側面がボタンだらけなのは少々いただけません。

Googleアシスタントボタンが増えてしまった

Googleアシスタントボタンが増えてしまった

Googleアシスタントボタンは、グーグルが一部メーカーに対して搭載するよう働きかけているという話を耳にしますが、当のグーグルが作るPixelにもないボタンなだけに、対応の一貫性には疑問が残ります。Googleアシスタントは声や画面の下の隅をフリックすれば呼び出せるため、専用ボタンまでは必要がない人も多いはず。せめてほかのアプリが割り当てられるようになっていれば……と思わざるをえませんでした。

背面ガラスのフロスト加工を全色へ拡大

デザインは「Xperia 1 II」に似ていますが、背面の処理を変え、差別化を図っています。「Xperia 1 II」はピカピカの光沢があったのに対し、「Xperia 1 III」はマットな手触り。「Xperia 1 II」のSIMフリー版にあったフロスト仕上げが全色に採用されています。

カラーはフロストブラック、フロストグレー、フロストパープルの3色で、発売は初夏を予定しているとのこと。日本ではキャリアの採用発表待ちですが、「Xperia 1 II」と同様、デュアルSIM対応のSIMフリー版にも期待したいところです。

カラーは3色。Xperia 1 IIのSIMフリー版が採用していたフロスト加工を3色で展開する

カラーは3色。Xperia 1 IIのSIMフリー版が採用していたフロスト加工を3色で展開する

(石野純也。Engadget日本版より転載)

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Xperia(製品)ガジェット(用語)スマートフォン(用語)Sony / ソニー(企業)日本(国・地域)

「フォートナイト」開発元Epic Gamesが約1090億円を新たに調達、株式評価額は3兆1300億円に

Epic Gamesの価値はいったいどのくらいなのか?まあ、普通の人間がすんなり解釈できる範囲の金額をとうに超えているのは確かだ。今回のラウンドで、Epic Gamesの評価額は287億ドル(約3兆1300億円)に達した。そう「3兆」。読み間違いではない。マイクロトランザクションにすると……とにかく大変な数だ。

メタバース(Metaverse)を語り始める時は今だ!

大成功を収めたバトルロワイヤルゲーム「Fortnite(フォートナイト)」で知られるEpicは、ソニー・グループから2億ドル(約218億円)の出資を受け、新たな10億ドル(約1090億円)の資金調達ラウンドを発表した。この他にも、Appaloosa、Baillie Gifford、Fidelity Management & Research Company LLC、GIC(シンガポール政府投資公社)、T. Rowe Price Associates投資信託、Ontario Teachers’ Pension Plan Board、BlackRock投資信託、Park West、KKR、AllianceBernstein、Altimeter、Franklin Templeton、Luxor Capitalなど、予想どおり長いリストの投資家たちが参加した。

創業者兼CEOのTim Sweeney(ティム・スウィーニー)氏は、このニュースに関した声明の中でこう述べている。「Epicとメタバースに対する当社のビジョンを支持してくださる、新規および既存投資家のみなさまに感謝しています。彼らの投資は「フォートナイト」「Rocket League(ロケットリーグ)」「Fall Guys(フォールガイズ)」における、コネクテッドソーシャルエクスペリエンスの構築に向けた当社の活動を加速させると同時に、Unreal Engine(アンリアル・エンジン)、Epic Online Services、Epic Games Storeを通じ、ゲーム開発者やクリエイターに力を与えることになります」。

支配株主であるスウィーニー氏には、感謝する理由がたっぷりある。

ここ数カ月、Epicにとっては忙しい日々が続いている。同社はゲーム内課金の収益をめぐり、Apple(アップル)およびGoogle(グーグル)との間で継続的な争いを繰り広げている。2021年5月初めには、テック界の大物たちが参加する裁判が開始される予定だ。

関連記事:Apple vs Epic Games裁判の証人候補はいずれも役員リストのよう

Epicはまた、2021年3月にFall Guysの開発元であるMediatonic(メディアトニック)を買収するなど、すでに非常に潤沢だった資金を使って複数のゲーム開発者やパブリッシングスタジオを買収している。この傾向は、今回の大規模なラウンドでもほぼ確実に続くだろう。

今回の資金調達により、ソニーとの関係もさらに強化されることになりそうだ。プレスリリースでは、ソニーグループの吉田憲一郎会長兼CEOが次のようにコメントしている。

Epicは、ゲームやデジタルエンターテインメント業界のクリエイターをサポートする最先端のテクノロジーを駆使して、革命的な体験を提供し続けています。当社は、世界中の人々に新しいエンターテインメント体験を提供するために、我々のコラボレーションを強化できることをうれしく思います。これは、創造性とテクノロジーの力により、世界を感動で満たすという当社の目的に合致するものだと確信しています。

今回のラウンドに先立ち、同社は2020年8月に実施された17億8000万ドル(約1941億円)のラウンドを含め、総額34億ドル(約3706億円)を調達していた。

関連記事:アップルがApp Storeの反トラスト訴訟でEpicの秘密プロジェクトを告発、Epicは独占を批判

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Epic GamesFortnite資金調達Sony

画像クレジット:Kyle Grillot/Bloomberg / Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

ソニーモバイルがXperia新製品発表を予告、日本時間4月14日16時30分に動画公開

ソニーモバイルがXperia新製品発表を予告、日本時間4月14日16時30分に動画公開

ソニーモバイルがYouTubeのXperia公式チャンネル等で、Xperias新製品の発表を予告しています。新製品は日本時間4月14日16時30分に発表予定で、同時刻にYouTube上に製品動画を掲載します。

発表内容は不明ですが、順当に行けば新型スマートフォンの「Xperia 1 III」(仮称)を発表するのかもしれません。なお、ソニーモバイルは例年、2月末のMWC Barcelonaで新製品を発表していましたが、新型コロナウイルスの影響で同イベントの開催が6月に延期されたことから、新製品発表のタイミングに注目が集まっていました。

(Source:YouTubeEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:ハードウェア
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ソニーが立体音響「360 Reality Audio」を4月16日国内展開、対応ワイヤレススピーカーも発表

ソニーが立体音響「360 Reality Audio」を4月16日国内展開、対応ワイヤレススピーカーも発表

ソニーは3月23日、2020年から欧米を皮切りに展開している立体音響技術を活用した音楽体験「360 Reality Audio」を日本でも4月16日より展開すると発表。対応コンテンツの配信や、他社へのライセンス提供などを行うほか、対応ワイヤレススピーカー2機種を発売します。

360 Reality Audio とは何か

360 Reality Audio とは、全天球に広がる仮想的な音場空間に各音源をオブジェクトとして任意の位置に配置することで、リスナーがスピーカーやヘッドホンを通して立体的な音響を楽しめる体験のことです。

制作者は、最大24オブジェクト(1.5Mbpsの場合、1Mbpsの場合は16オブジェクト、640kbpsの場合は10オブジェクト)を任意の位置に配置でき、音声符号化方式は国際標準の MPEG-H 3D Audio に準拠しています。

ソニーが立体音響「360 Reality Audio」を4月16日国内展開、対応ワイヤレススピーカーも発表

360度に広がる音に包まれるようなイメージ

360 Reality Audio の提供に際し、ソニーと 音楽ソフトウェアを手がける Virtual Sonics が共同開発した Digital Audio Workstation(DAW)のプラグイン「360 Reality Audio Creative Suite」を Virtual Sonics の子会社である Audio Futures が4月からダウンロード販売を行います。

360 Reality Audio のコンテンツ制作には、DAWとプラグインのほかにヘッドホンが必要。スピーカーでモニターする場合には、13ch以上のD/Aコンバータとスピーカーシステムが必要です。

ソニーによると、すでにモノラルやステレオでマスタリングされた音源は、そのまま 360 Reality Audio のデータにはできないため、少なくとも最終的にミックスされる前のマルチトラックの状態に戻って、そこから作業する必要があるそうです。

360 Reality Audio を制作できる国内のスタジオは、ソニーミュージックスタジオ東京、ソニーPCLクリエイションセンター、サイデラ・マスタリングです。

ソニーが立体音響「360 Reality Audio」を4月16日国内展開、対応ワイヤレススピーカーも発表

「360 Reality Audio Creative Suite」操作イメージ

4千曲以上が 360 Reality Audio に対応

対応ストリーミングサービスについてはすでに発表済みですが、日本でも Amazon Music HD、Deezer、nugs.net で 360 Reality Audio 対応楽曲を配信予定。対応楽曲数は邦楽と洋楽をあわせて4000曲以上で、このうち邦楽は数百曲程度に留まるとしています。

360 Reality Audio 対応の映像については、すでにザラ・ラーソンによるパフォーマンスを楽曲配信アプリ「Artist Connection」で配信中。日本でもAndroid / iOS搭載のスマートフォンとヘッドホンを組み合わせて体験できます。

ソニーが立体音響「360 Reality Audio」を4月16日国内展開、対応ワイヤレススピーカーも発表

「Artist Connection」画面イメージ

さらに 360 Reality Audio 認定ヘッドホンとスマートフォン専用アプリ「Sony | Headphones Connect」を使うと、音場を一人ひとりに最適化した、より没入感のある音楽体験が可能とのことです。

具体的には、アプリとスマートフォンのカメラを使って、自分の耳を撮影した静止画を元に個人の耳の形状を判断し、聞こえ方の特性を推測します。ソニーによると、人それぞれの頭や特に耳の形で、音の伝わり方(HRTF:頭部伝達関数)が異なるため、本来人それぞれが聞こえている音に近づけるように音の周波数特性の差分を補正する必要があるそうです。

なお、ウォークマンNW-A100シリーズとNW-ZX500シリーズでも 360 Reality Audio を体験できますが、対応ヘッドホンの個人最適化をしたい場合は、スマートフォンのカメラで耳を撮影し、そのデータをウォークマンと同期するための専用アプリ「360 Spatial Sound Personalizer」と「Sony | Headphones Connect」が必要です。

ソニーが立体音響「360 Reality Audio」を4月16日国内展開、対応ワイヤレススピーカーも発表

「Sony | Headphones Connect」画面イメージ

360 Reality Audio 対応再生機器

360 Reality Audio 認定ヘッドホンは次の通りです。

  • ワイヤレスモデル:WH-1000X M4、WH-1000X M3、WH-1000X M2、WI-1000X M2、WI-1000X、WF-1000X M3、WF-1000X、WF-SP800N、WH-H910N、WH-H900N、WH-H810、WH-H800、WI-H700、WF-H800、WH-XB900N、WH-XB700、MDR-XB950N1
  • 有線モデル:MDR-Z1R、MDR-Z7M2、MDR-Z7、MDR-1AM2、MDR-1A、MDR-H600A、IER-Z1R、IER-M9、IER-M7、XBA-Z5、XBA-N3、XBA-N1、IER-H500A、IER-NW510N

ヘッドホンのほかにも 360 Reality Audio 対応ワイヤレススピーカーとして「SRS-RA5000」と「SRS-RA3000」を4月16日に発売します。税込みの市場想定価格は順に6万6000円前後、3万6000円前後。

ソニーが立体音響「360 Reality Audio」を4月16日国内展開、対応ワイヤレススピーカーも発表

左から「SRS-RA5000」と「SRS-RA3000」

RA5000は、ハイレゾ対応のワイヤレススピーカーの上位モデルで、6.1chの全方位スピーカーシステムで広がりのある音場を再現できるほか、低音を響かせるサブウーファーを搭載しているのが主な特徴です。サイズは235x329x225mm(幅x高さx奥行き)、重さは約4.9kgです。

ソニーが立体音響「360 Reality Audio」を4月16日国内展開、対応ワイヤレススピーカーも発表

RA5000の内部構造。高磁力ネオジウムマグネットを使用したことで、音楽を大音量で再生する際も低域を豊かに表現するという。振動板にはソニー独自の「MRC(発泡マイカ)」素材を使用し、軽量、高剛性かつ適度な内部損失を備えた特性を実現したそうだ

RA3000は、RA5000よりも一回り小さく、持ち運んで使うことを想定した製品。オムニディフューザーとビームトゥイーターを搭載し、立体的な音場を再現できるほか、パッシブラジエーターにより低音も響かせることが可能とのことです。サイズは146x247x155mm(幅x高さx奥行き)、重さは約2.5kgです。

ソニーが立体音響「360 Reality Audio」を4月16日国内展開、対応ワイヤレススピーカーも発表

RA3000の上部には約80mmのフルレンジスピーカーを搭載。ビームトゥイーター上の穴から出てくる波面が重なり合うことで、上部へと広がる音を生成。天井に音を反射させ、立体的な低音を響かせる。パッシブラジエーター2基で重低音を増強する

両モデル共通の特徴は、ソニー独自のアルゴリズムにより、2chの音楽でも臨場感のあるサウンドで再生できる「Immersive Audio Enhancement」機能や、スピーカー本体から測定音を発して、壁や天井などにぶつかって跳ね返った音をマイクで拾って測定することで、最適な音のバランスに自動補正する「サウンドキャリブレーション」機能を搭載することです。

また、ブラビアとのBluetooth接続も可能で、テレビ用のワイヤレススピーカーとしても機能するほか、Spotify Connect や Google Chromecast にも対応し、スマートフォンやタブレットからキャストしたコンテンツをRA5000とRA3000で再生できます。

このほかソニーは再生機器の普及推進を目的に、以下のライセンスをスピーカー、ヘッドホン、スマートフォン、車載オーディオといったオーディオ機器メーカーなどに提供していくとしています。

  • 360 Reality Audio認定機器を開発するオーディオ機器メーカーへのライセンス
  • ヘッドホンで、より臨場感ある音楽体験を実現するために音場を一人ひとりに最適化するソニー独自技術のライセンス
  • スマートフォン本体内蔵スピーカーでの 360 Reality Audio の再生、および関連技術のライセンス

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(Source:ソニー(1)(2)Engadget日本版より転載)

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Sony

ソニーがプレイステーション5向け次世代VRシステムの新型コントローラを公開しました。

PS4用PS VRのコントローラは、PS3時代のPS Moveをそのまま流用した「球と棒」形状でしたが、新PS VR (仮) はモダンなVRハンドコントローラと、球面に沿った帯のようなハンドガードを組み合わせたユニークな「オーブ」形状です。

さらにPS5の標準コントローラ DualSense と同じ、ゲーム内容によって動的に抵抗が変化するアダプティブトリガー、繊細な振動で手触りを伝えるハプティックフィードバックを採用。

親指・人差し指・中指を置く三か所には、押し込まなくても指の位置を認識するフィンガータッチ機能を搭載します。Oculus Touchなど一般的なVRハンドコントローラのように、ボタンを押していないときでも手のジェスチャやかたちをVRに反映できる仕組みです。

トラッキングは帯のような「オーブ」表面のトラッカーをVRヘッドセット側が認識する形式。現行のPS VRは前方シングルカメラで球を見てトラッキングしていたため、精度や死角に入ったとき見失う等の問題がありましたが、次世代PS VRはモダンなVRシステムの多くと同様にヘッドセットがコントローラをトラッキングします。

PS5の次世代PS VRコントローラーが公開、DualSenseと同じ可変抵抗トリガーやハプティック採用

Sony

コントローラのボタンやトリガーは、左右に親指用のアナログスティック、人差し指で引くL2/R2トリガーボタン、中指で引いて掴む動作を認識するL1/R1グリップボタン。通常のボタンは△□とクリエイトが左、○xとオプションを右。

VRハンドコントローラでデファクトスタンダードに近い「人差し指がトリガー、中指で掴む」ですが、従来のゲーム向けデュアルショックやDualSenseと比べればL1R1が下になり、使う指が逆転するのが面白いところです。

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Sony

新PS VR (仮)、正式には「PS5用の次世代VRシステム」は、2022年以降に発売予定です。

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© Sony Interactive Entertainment Inc. All rights reserved. Design and specifications are subject to change without notice.
Engadget日本版より転載)

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ソニーが試作EV「VISION-S」を3月28日に一般公開、2021年事業化予定のドローン「Airpeak」も展示

ソニーが試作EV「VISION-S」を3月28日に一般公開、2021年事業化予定のドローン「Airpeak」も展示

ソニーは、開発を進めている電気自動車「VISION-S」試作車両を国内で初めて一般公開します。

VISION-S は、ベンツやBMWなどの開発と生産を請け負うマグナ・シュタイアとソニーが共同開発したEVです。イメージング・センシング技術を搭載し、将来的にはレベル4自動運転の実装を目指しています。

ソニーによると、2020年12月にはオーストリアで公道試験を実施し、今後は他の地域でも順次走行テストを実施するそうです。

一般公開は3月28日に二子玉川ライズのイベントスペースにて行います。同スペースでは、VISION-Sだけでなく2021年に事業化を予定しているドローン「Airpeak」も一般公開します。

また、自律型エンタテインメントロボット「aibo」を展示し、ソニーが推進するAIロボティクス事業の取り組みを包括的に紹介するとしています。

展示概要

  • 名称:「EV:LIFE 2021 FUTAKO TAMAGAWA」
  • 開催日時:3月28日10:00〜19:00
  • 主催:カルチュア・エンタテインメント LEVOLANT(ル・ボラン)編集部
  • 会場:FUTAKO TAMAGAWA rise(二子玉川ライズ) イベントスペース「ガレリア」。東京都世田谷区玉川2丁目21
  • 入場形態:入場無料/雨天開催(新型コロナ感染症拡大防止策を実施)

(Source:ソニーEngadget日本版より転載)

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ソニーが「α7S III」ライクな映画撮影用カメラ「FX3」発表、最大13時間連続の4K撮影対応

ソニーが「α7S III」ライクなコンパクト映画用カメラ「FX3」発表、最大13時間連続4K撮影

ソニーが映画撮影用カメラ「FX3」を発表しました。映像クリエーター向け「シネマライン」シリーズに属しながら、動画撮影を強化したミラーレス一眼「α7S III」に類似した仕様で、本体には「α」(アルファ)ロゴをプリント。「シネマライン」シリーズとして最小・最軽量のボディも売りにします。

ソニーが「α7S III」ライクなコンパクト映画用カメラ「FX3」発表、最大13時間連続4K撮影

「FX3」は、「α7S III」と同様に拡張最高ISO感度409600、有効約1210万画素の裏面照射型フルサイズCMOSセンサーを搭載。15+ストップのダイナミックレンジに加え、最大4:2:2の4K 120fps動画撮影や、最大240fpsの1080p動画を撮影できます。さらに、S-Cinetoneカラープロファイルにも対応します。

また、中断せずに最大13時間4K動画を撮影できるよう、ファンを用いたアクティブな冷却システムを本体内に搭載しています。

ソニーが「α7S III」ライクなコンパクト映画用カメラ「FX3」発表、最大13時間連続4K撮影

手持ちの撮影に対応するため、ボディ内に5軸の光学式手ブレ補正機構を搭載。同機構とジャイロセンサー、およびアルゴリズムを組み合わせた高性能手ブレ補正の「アクティブモード」に対応します。また、前述の通りソニーのシネマラインシリーズで最小・最軽量のため、ジンバルやドローン搭載などの使い勝手も向上しています。

AFは627点を使用したハイブリッドオートフォーカスに対応。瞳AFに対応するほか、モニター画面で目的の被写体に触れるだけで、AFの被写体トラッキングも可能です。

その他、2つのXLR / TRSオーディオ入力を備えた取外し可能なXLRハンドルを同梱。同ハンドルはアクセサリー用に3つのネジ穴を備え、外部モニター・レコーダー・ワイヤレスマイクレシーバー・アクセサリーシューキット、その他アクセサリーをしっかりと取り付けられます。

ソニーが「α7S III」ライクなコンパクト映画用カメラ「FX3」発表、最大13時間連続4K撮影

発売は3月で、価格は米国価格で3900ドル(約41万円)。日本での発売予定は明かされていません。

(Source:ソニーEngadget日本版より転載)

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