双子の人工衛星が5年間飛び続けて集めたデータから地球の精密な立体地図を作れた…ドイツ航空宇宙センター

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2基の人工衛星が5年間、連繋して飛び続け、この惑星の正確な立体マップを作った。あまりにも正確だから、たとえば路上のレベルまズームダウンできたら、大人と子どもの違いが分かり、マリブ海岸で砕ける波を捉えることができる。その膨大なデータベースは約2.6ペタバイトあり、研究者は無料で利用できる。

双子の衛星TanDEM-XとTerraSAR-Xはドイツの航空宇宙センターで作られ、それぞれ2007年と2010年に打ち上げられた。その後はお互いが相手を認識し、編隊で飛び始めた。両者の距離は350フィートで、その誤差は数ミリメートルの範囲に収まる。

2つの宇宙航行機は間隔を精密に維持しながら地球を何度も何度も周回し、干渉計レーダー装置が同じ領域を少しずつ違う角度でスキャンした。空の上の、超鋭い目のように。

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数年間にわたって彼らが送り続けた500テラバイトのデータは継続的に処理され、実際の高度差を作り出した。得られた3Dの地形図は、精度が1メートルで、このような大規模マップでは初めての高精度だ。

センターのRichard Bamlerがニューズリリースの中で述べている: “私たちは今やますます、最初の科学的発見に魅了されている。現在の高度差モデルを使って、地球の一部地域の氷河の先端部分が1年で最大30メートルも厚さを失っていることを示すことができた”。

この新しいデータセットの解像度と正確性は、きわめて強力だが、衛星たちの仕事はまだ終わっていない。5年もつという設計だが、さらにあと5年は大丈夫だろう。燃料も十分残っているから、撮像の仕事をやめる理由はない。

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というか、すでに今後のミッションは提案されており、それは、世界の主要大陸の立体マップを、新しい、あまり高忠実度ではない方法により、8日ごとに提供する、というものだ。

プロジェクトの主席研究官Alberto Moreiraは語る: “科学的関心が再び盛り上がることを期待したい。地球科学とその応用系のためには、正確な地形データが必須である。システムとしての地球はきわめてダイナミックであり、地形にもそのことが反映している。したがって、アップデートの頻度を上げることにより、そのダイナミックな過程を将来にわたって体系的に捕捉できる”。

ドイツ航空宇宙センターのデータを、研究者は無料で利用できる。地球の、解像度の高い地形地図を必要とする理由をお持ちの方は、ここで登録しよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

炎と栄光、そして科学のために逝った周回機Rosettaと着陸船Philae、冥福を祈る

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しばらく、Rosetta(ロゼッタ)について比喩的に考えてみよう。それは、初めて彗星に着陸した画期的な宇宙船だ。この軌道周回機はその最後の仕事を、今朝(米国時間9/30)早く実行し、最後まで制御されている状態で彗星の表面に激突して、自分を破壊した。そして、その最後の1分間に収集したデータが、きわめて貴重だった。

硬着陸で探査機のPhilae(フィラエ)を失ったが、リスクに満ちた、魅惑的な、そして大成功のミッションだった。彗星とのランデブーは、難しいけどすごいことだ。そして今日は、European Space Agency(欧州宇宙機関)のチームの12年に及ぶ労苦の、終わりだ。

多くのミッションがハードウェアの悲運で終わるが、その点ではRosettaも最初から、そのほかの多くの探測機や軌道周回機と変わらぬものとして計画された。今回のRosettaの場合は、最後の仕事が彗星の希薄な大気からガスと粉塵を採集することと、その表面の数百フィート上空から高精細の画像を撮ることだった(それまでは19キロ上空を軌道周回していた)。

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最初の(記事タイトルの下の)写真が、最後の画像だ。そして上の画像は、探査機が永眠したあたりのモザイクだ。下のサウンドは、宇宙船オペレーションマネージャーのSylvain Lodiotによる、信号消滅の公式発表だ。

ESAのディレクターAlvaro Giménezが、ミッションの終了を告げるブログ記事でこう述べている: “数十年にわたる大規模な国際的努力によりわれわれは、世界的な科学研究所が彗星の経年進化を研究するという、そのほかの彗星追跡事業が試みなかったミッションを達成できた”。

“このミッションは人びとの一生のキャリアとなり、得られたデータは今後の数世代に及ぶ科学者たちを、向こう数十年にわたって多忙にするだろう”。

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記事を書いてる当人が感傷的になってきたので、このへんにしよう。次のミッションもあるからね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

SpaceX、惑星間輸送システムのコンセプトビデオを公開


SpaceXは、同社の惑星間輸送システムのコンセプトCGを紹介する新しいビデオを公開した。火星を植民地化するために使うロケットと宇宙船の組み合わせから成る。ビデオに登場する再利用可能なロケットは、惑星間宇宙船を地球の軌道外へ送り出すこと。太陽帆を使って火星に向かう着陸船も描かれている。

ブースターロケットは、宇宙船から切り離された後地球に戻り、燃料を満載したタンクを取り付けてから、再び軌道に戻り、待ち受ける宇宙船に燃料補給する。ブースターロケットはその後地球に自力で帰り、再利用される。宇宙船が使用するソーラーパネルは200 kWの電力を供給するとビデオのキャプションに書かれている。

SpaceXとElon Muskが、火星植民地化というゴールに向かってどう進めていくかのアイデアがかなりわかってきた。これはSpaceXの火星への旅について手に入ったこれまでで最大の情報だが、もっと詳しくは(誰が費用を負担するかも)、今日の国際宇宙会議の基調講演で本人の口から聞く必要がある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

イーロン・マスクの火星移住計画がもうすぐ明らかになる


Elon Muskは、今日(米国時間9/27)行われる国際宇宙会議の基調講演で、「人類を〈多惑星種〉にする」と題して1時間にわたって話をする。講演は午後2:30 ET からで、人類を火星(およびもっと遠く)に送り込むMuskの計画が詳細に語られる。

Muskは、地球外天体の表面に触れたいだけではない。SpaceXにかける彼の意図は、長期的には人類が他の惑星を植民地化し、火星(さらには他のふさわしい惑星も)に居住するための、実行可能な方法を見つけることにある。

SpaceXの火星行きの野望は誰もが知るところであり、Muskは2012年以来、赤い惑星に人を住まわせることを検討し続けてきた。当初の計画は、まず10名が居住コロニーを作り、最終的には8万人規模まで拡大するというものだった。

その後様々なことが起こり、例えばSpaceXはFalcon 9作戦を何度も成功させた。最近では、Muskが火星作戦の進捗状況を一部明らかにして、「火星植民トランスポーター」には新しい名前が必要である、なぜなら火星より遠くへ行けるからだと語り、続いてMCTを駆動するために作られたRaptorエンジンの発射テストを行った。

今日の講演で聞きたい大きな疑問は、Muskがどうやって火星に居住地を作るかという技術的な詳細と、非常に高価に違いないこのプロジェクトに必要な費用をどうやって捻出するかだ。まずは上のビデオを見た後、Muskの今日の講演に関する本誌のニュースと分析を読んでもらいたい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

NASAの小惑星捕獲計画が、ロボット宇宙船の提案を募集

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もうすぐ近くの惑星で、小惑星採鉱が可能になる。具体的には、2021年に、この惑星で。しかしNASAのAsteroid Ridirect Mission[ARM:小惑星移動計画]がそこへ到達するまでにまだ多くの課題がある。今日(米国時間9/20)NASAは公式「提案依頼書」を発行し、実際に小惑星移動を実行するロボット宇宙船について、パートナー4社に提案を要求した。。

このミッションは、最近実行されたOSIRIS-RExとは少々異なる。こちらは、小惑星へ行き、その一部を地球に持ち帰ろうというものだ ― 十分に困難だが、小惑星に関する最新の課題ではない ― 日本のハヤブサが既に成し遂げている(ちなみにそれは驚くべき功績である)。

ARMのゴールは、通過しようとする小惑星を、選び、持ち上げ、人の手が届きやすく安定した月の軌道に方向転換させることだ。その後宇宙飛行士が月を訪れた際にはこの比較的安全な環境で、ゆっくりと隕石を探し地球に持ち帰ることができる。

Boeing、Orbital ATK、Lockeed Martin、およびSpace Systemsの4社はいずれも「概念設計フェーズ」に参加し、宇宙船の基本部分を固めたが、今回は各社が他社と差別化するチャンスだ。例えば、ARMが惑星表面を探査するためのセンサーの構成や、着陸船の構造等は、未だに決定していない。

4社が提案書をまとめるまでに約1ヵ月ある。10月24日が締切で、NASAのJet Propusion Laboratoryが来年中に決定する。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

マーク・ザッカーバーグ、Internet.org通信衛星の爆発に「深く失望」

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今日(米国時間9/1)、SpaceXのロケットFalcon 9が、発射台上で爆発した。原因はまだわかっていない。詳細は現在調査中だが、同社がテスト中に起きた何らかの異常が大惨事を生んだことはたしかだ。幸い発射台近くに人はいなかった。しかしこの事故はFacebookのInternet.orgプロジェクトに深刻な影響を与えるだろう。通信に使用する人工衛星も事故で破壊されたためだ。

事故の被害に対しては保険が支払われる見込みだが、このロケットはEutelsatの通信衛星、Amos-6を載せて飛ぶ予定だった。この通信衛星はアフリカの広い範囲でFacebookのためにインターネット接続を提供することになっていた。

このようなプロジェクトは準備に数年かかる ― 人工衛星は一夜のうちには作れない。しかし事故に遭えば数分のうちに壊れてしまう。Internet.orgのスタートが遅れることは間違いない。

FacebookのCEO Mark Zuckerbergは、自身のFacebookアカウントでメッセージを公開した。そこに書かれているように、Zuckerbergは事態を重く受け止めている。この爆発はZuckerbergにとっても大きな痛手だったに違いない。

これも書かれているが、Facebookは途上国にインターネットを届けるために巨大ドローン(Aquilaプロジェクト)やレーザー等、別の方法も検討している。インターネットを使える人は事実上全員Facebookアカウントを持っている今、次の課題はインターネットにつながる人を増やすことだ。

FacebookとEutelsatの契約では、衛星が来年1月1日までに運用可能にならければFacebookが契約を解除できる。現時点で実現の可能性はほとんどない。通信衛星の夢よさようなら。あるいは、そろそろやり直して新しい通信衛星を打ち上げる時かもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

NASA、火星探査宇宙船オリオンの着水テストを再び実施

Orion GTA vertical drop test at NASA LaRC's Imapact and Splash Basin.

今日(米国時間8/25)NASAは、衝突テスト用ダミー2体を載せた宇宙船Orionの実物大模型をプールに落とした。テストは地球帰還時に着水するシナリオを想定して行われた。所要時間は約10秒間で、これNASAが4月に開始した全10回にわたる水面衝撃テストの第9回目に当たる。

今日のテストは、パラシュート1基が開かなかった場合を想定して、Orionが振り子のよう揺られた。数秒間揺られた後Orionは、NASAラングレー研究センターの屋外に設置された深さ3メートルの水面衝撃試験用プールに落とされた。

下のビデオを19:20まで早送りすると着水の様子が見られる。

実物大模型の中には様々なセンサーを備えたテスト用ダミー2体が載せられた ― 1体は体重48 kgの女性を、もう1体は体重100 kgの男性をモデルにしている。いずれのダミーも宇宙服を着せられ、取り付けられたセンサーを用いて、着水の衝撃が宇宙飛行士に与える影響を分析することが可能だ。

Crash-test dummys installed in the Orion mock-up prior to a splashdown test / Image courtesy of NASA/David C. Bowman

Orionの模型には着水テストに先立ち、衝撃テスト用ダミー人形が設置された / 画像提供:NASA/David C. Bowman

Orionは、ステロイドや火星のような深宇宙の天体に人間を送り込むためにNASAが利用しようと計画している宇宙船だ。地球に戻ってきた時、Orionはパラシュートを開いて減速しながら海面へと降下する。アポロ計画の宇宙飛行士たちが帰還したのと似たやり方だ。

Apollo 11 crew landing in the Pacific Ocean / Image courtesy of NASA

アポロ11のクルーが太平洋に着水 / 画像提供:NASA

しかし、Orionは全く新しい宇宙船だ ― いわばアポロの乗員用モジュールの強化版。このため 着水時の様々なシナリオの中でOrionがどう振舞うかを理解するために、NASAは一連のテストを行う必要がある。

宇宙への旅で最も注目を集めるのは目的地だろうが、宇宙飛行士たちが無事帰還しない限り、NASAにとって深宇宙ミッションが成功したとは言えない。しかも、長期間無重力環境におかれていた飛行士たちは着水前に体力を消耗しているため、任務はいっそう困難になる。

これを踏まえ、現在NASAは過酷な天候からパラシュート開傘の失敗まで、着水時の様々なシナリオを想定してOrionの有人飛行に備えている。

Orion初の有人飛行は、2023年の探査ミッション2まで待たなくてはならないが、それまでにもOrionは重要な貨物を積んで飛ぶ予定だ。

2014年12月、NASAは探査飛行テスト-1(EFT-1)を完了し、Delta IV Heayロケットを使って無人のOrionを高度5800 mに打ち上げ、地球軌道を周回させた。過去40年以上の間に設計されたどの有人宇宙船よりも遠くへ飛んだことで、EFT-1はNASAの(近代)有人宇宙探査の大きな節目となった。

Launch of Orion atop the Delta IV-Heavy rocket for Exploration Flight Test 1 / Image courtesy of NASA

探査フライトテスト1でDelta IV-Heavyロケットに打ち上げられるOrion / 画像提供:NASA

今回のテストを含めNASAが実施してきた数多くのテストは、 Orionの次の重要なフライトである「探査ミッション1」(EM-1)に向けたものだ。EM-1は、Orionが相棒ロケットともいえるSpace Launch Systemによって打ち上げられる初めての飛行という意味で、特に注目されている。

EM-1の打ち上げは、2018年9月に予定されている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

NASA、ISSに商用利用を予定する新ドックの設置作業中(ライブ映像あり)

将来に予定されるISSの商用ロケット利用に備える準備のため、NASAの宇宙飛行士たちが作業を行なう。2017年よりボーイングやSpaceXなどによる人員の投入および帰還のために利用される予定の、新しいドックを準備するのだ。一般の企業がこのような行為を行うのは初めてのこととなり、ロシア独占の時代が変わることになる。

作業を行なっているのはNASAのKate RubinsとJeff Williamsで、東部標準時の08:05より行われる。IKEAのコーヒーテーブルを組み立てるよりもはるかに難しい作業となるのは間違いない。作業は6時間半を予定しており、主要作業はSpaceXによって7月20日に運ばれて8月17日に梱包を解かれたドッキングアダプターの設置だが、その前にさまざまな準備作業が予定されている。

Rubinsにとっては最初の宇宙空間での作業となる。Williamsはこれまでに3度の船外作業を経験している。

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(翻訳:Maeda, H

エネルギー省の研究所が5000台のロボットを使って銀河の3D地図を作る…ダークエネルギー探究のため

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全宇宙に分布する数百万もの銀河の地図を作る仕事は、中途半端が許されない。それは相当な大仕事になるから、たとえばそれをロボットにやらせるなら、高さ10インチの筒状のロボット5000基のひとつひとつに、銀河や星や、ブラックホールから生まれた超大質量のクエーサー、などなどからの光を集めるフィンガーの幅を、測定させることになる。

そしてもちろん、エネルギー省のLawrence Berkeley National Laboratory(ローレンス・バークレー国立研究所)のようなところでも、スイッチを入れればマッピングを開始する、という単純な仕事ではない。まず、エネルギー省の予算承認が要る。その承認を最近得たばかりの同研究所は来年、アリゾナ州ツーソン郊外のキットピーク国立天文台で、DESI(Dark Energy Spectroscopic Instrument, ダークエネルギースペクトル分析装置)の据え付け工事を開始する。

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その巨大な計器が観測を開始するのは2019年だ。さまざまな天体の特性を、光を利用して分析する。われわれから遠ざかっていくスピードも分かる(前にも言ったかな?)。これらの観測によって、急速に膨張している宇宙の110億年前の姿も分かる。それは、宇宙の創成とほぼ同じ時期だ。

観測を行うのは5年間で、空の1/3を対象とし、その2Dのマップに三次元の測度を与える。もちろん、すべての科学者が、新しい発見をこのプロジェクトに期待している。

同研究所の広報、Risa Wechslerが、ダークエネルギーについて語る: “DESIは、現存するものよりもずっと大きな赤方偏移を使って宇宙の3Dマップを作れるだろう。それによって宇宙の物理を探査でき、ダークエネルギーの本質を発見できるだろう”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

NASA、Mars 2020火星探査機のデザインをお披露目

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NASAが2020年に火星へ送り込む計画のローバー(惑星探査機)が具体化し、今日(米国時間7/16)ほぼ最終的なデザインが公開され、クールな新しい機器の詳細もいくつか披露された。(上の画像の超巨大バージョンがここにあるのでチェックされたし)。

費用を節約するために、これは本当のことで理にかなっているのだが、Mars 2020のローバーは多くのハードウェアがCuriosityと共通化されている。古い機種が素晴らしい仕事をしているのに、一から作り直す必要などあるだろうか?

「Mars 2020はCuriosityの設計と一部の余剰部品を活用しているため、同ミッションで受け継がれる部品のかなりの部分がフェーズAおよびBですでに構築されている」とMars 2020プログラムの幹部、George Tahuが NASAのプレスリリースで言った。「現在プロジェクトは最終設計と新システム構築を進めている」。

通常、フェーズAとBはコンセプトと研究作業が中心だが、宇宙の車輪を再発明する代わりに、Mars 2020はこれを仕立直した。同ミッションは生命体の発見に強く重点をおいており、そのために特化した機器を装備している ― そして、何もかも自分でやるのではなく将来のミッションを見据えて作られている。

着陸ゾーンは想定される生命への適性に基いて選ばれ ― 古代の河川、穏やかな気候、等々 ― Mars 2020は手がかりをさがして地表を削るだけではない。新型のコアリングドリルとコアサンプルを採取する試験官ラックを備えている。

火星資源の綿密な調査によって、有人ミッションで周囲から酸素その他の物質を収穫できる可能性を探り、地中探知レーダーで地表の下の興味深い構造を観測する。そしていつもの驚くべきカメラ群や様々なセンサーは、地球で待つ惑星学者たちが解読するための、あらゆる興味深いデータを記録するだろう。

新たに加わった装置の中で、平均的地球人にとって最も興味深いはのおそらくマイクロホンだ。ローバーの降下と着陸の音だけでなく、地表周辺の雑音を記録する。

「これは、一般人が火星の音を初めて聞く、素晴らしい機会になるだろう」とMars 2020の副プロジェクトマネージャー、Matt Wallaceは言った。「工学的に有益な情報も提供する可能性もある」。

果たしてどんな音だろうか? おそらく、空気の薄さを考えれば非常に静かだろうが、それでも興味津々であることは間違いない。

着陸そのものも改善される。これまでと同じ 「スカイクレーン」 が採用され、まずパラシュートを、次に降下プラットフォームを送り出し、これがローバーを地表に軟着陸させるが、2点改善されている

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「レンジトリガー」が、パラシュートを離す最適の瞬間を選んで、着陸の精度を高め、下方カメラが着陸ゾーンを再確認して、必要であれば着陸船を迂回させ危険な地表を避ける。

すべて予定通りに運び、製造、資金、あるいは計画に遅れがなければ、Mars 2020はその名を冠した年に発射され、2021年2月に目的地に到着する。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Juno探査機の小さなセンサーが木星のまわりでビッグな科学を演じる…ASICの超小型軽量化に成功

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木星探査機Junoのすごいところは、その作者の一人に申し上げたこともあるが、そのシンプルですっきりした設計だ…少なくとも、ほかの宇宙船と比べた場合、そう言える。技術者たちには通常、何でもかんでもそこに詰め込むだけの十分な時間がある。でも重要なセンサーは、食パンみたいなサイズであるよりも、スープの浮身に使うクラッカーぐらいに小さい方がよい。

今NASAのGoddard Flight CenterにいるNikolaos Paschalidisは、これまでの長年、チップの小型化に挑戦してきた。

The sensors are cute so they dance

かわいいセンサーたちはダンスができる

“これまでの宇宙船はすべて、電子回路がものすごく大きくて、2ポンド以上もあった”、と彼はNASAのニューズリリースで語っている。サイズが大きいと少しの計器類しか搭載できないし、重ければ宇宙船全体を重くする。この二つの制約が、VoyagerやGalileoのころの探測機の設計者たちを厳しく悩ませた。

これらのASIC(Application Specific Integrated Circuit)はその名のとおり、目的に合わせた特注製品だ。Junoの場合は、高度な放射線耐性が要求された。木星周辺までの旅路は、どっぷりと放射線漬けなのだ。

Junoの場合は、すでにPaschalidisらのこれまでの仕事の成果を踏まえていたため、設計者たちにかなりの自由があった。Junoが木星の起動に乗る〔木星を回る軌道?〕直前のインタビューで、主席研究員のScott Boltonは、サイズがSaltineぐらいに小さくなっても、‘何でもかんでもそこに詰め込む’ことは必要だし、たいへんな作業だ、と語った。

“それは、ピース数のものすごく多いジグソーパズルだ。何十人ものエンジニアやサイエンティストが寄ってたかって挑戦しても、完成までにすごい時間がかかる。そうやって、やっとボックスが完成したら、今度はそこにケーブルを入れないといけない”。

それでも結果は、大量の計器類を配置できた嬉しい出来栄えだ。Boltonはとくに、最新のマイクロ波測定器に興奮しているが、Junoの超小型のASIC群は、そのJupiter Energetic Particle Detector Instrument(JEDI, 木星エネルギー粒子検出計器)を構成している。このツール集合は、エネルギー粒子(energetic particles)というものを、あなたの小銭入れに入るようなセンサー群を使って10億分の1秒以上の精度で検出する。

Junoは今、木星の周りの大きな楕円形の軌道のいちばん遠いところにいる。でも測定計器類は準備万端だから、今月の終わりごろには、探査機がこの惑星の至近を初めて通るとき、いろんな科学的仕事ができるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

NASAの最近アップグレードしたPleiadesスーパーコンピュータは宇宙空間に星ができていく過程をシミュレーションする

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NASAの科学者たちは、最近チューンナップした世界最強クラスのコンピューターを使って、“星はどこから来たのか”、という疑問に答えようとしている。今度子どもにそれを尋ねられたら、あなたもこんなお利口なことを言えるかもしれない: “超高密度な伸長型ステラフィラメント(stellar filaments)だよ”、なんて。

NASAのメインのスーパーコンピュータPleiadesは、最近の数か月でハードウェアを一新した。酷使され古くなった16ラックのWestmere Xeon X5670sに代わって、1008基のBroadwellノードが、理論的ピーク時性能6.28ペタフロップスをたたき出す。これはHöchstleistungsrechenzentrum StuttgartのHazel Henや、Swiss National Supercomputing CentreのPiz Daintよりも上だ。〔これらの表(別表)にはチューンナップ後のPleiadesは載っていない。〕

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もちろん、研究者たちにとっては速い方が良い。複数の望遠鏡や観測機器から集めたデータと理論的モデルを使って、星の誕生をシミュレーションするORION2プロジェクトは、NASAのニューズリリースによると、“重力、超音速乱流、流体力学(分子ガスの動き)、放射線、磁界、高エネルギーガス流出”など、さまざまな力を組み合わせた計算を行う。

そういう膨大な計算の結果を、NASAのAmes Research Centerの視覚化チームが処理すると、目もくらむような画像や映像ができあがる。たとえば下のビデオは、ORION2がシミュレートした90万年間にわたる“巨大分子雲”の生成過程だ:

これのズームイン・バージョンが、NASAのブログにある。

UC Berkeley(カリフォルニア大学バークリー校)とLawrence Livermore National Laboratory(ローレンス・リバモア国立研究所)を経てNASAに来た天体物理学者Richard Kleinが、星の形成の研究を指揮している。

ニューズリリースの中で彼は、“NASAの莫大な計算機資源がなければ、これだけ巨大で複雑なシミュレーションは不可能だっただろう”、と述べている。

そして彼らは一体何を学んだのか? それは、二つの空域の星間ガスがお互いに激しく愛しあうと、彼らは重力に屈して乱流になり、やがて崩壊して星状クラスタの連鎖になり、星の新生児たちが生まれる、という過程だ。

以上は実際の観測結果ともほぼ一致しているが、人間が宇宙に開けた窓は当然ながら限界があるので、100万年かかると言われる原始星の形成を実際に見ることはできない。モデルとシミュレーションが、それを補う。

次の課題は、解像度の向上だ。もっと精細なシミュレーションが可能になれば、たとえばステラディスク(stellar disk)の形成を研究できる。そのディスク状の構造体が合体して惑星になる、と考えられている。

Kleinは曰く、“星の形成を理解することはとても大きな課題であり問題だ。いずれは、われわれが今やっているシミュレーションの結果が、恒星と惑星の起源を知るというNASAの科学的目標に寄与し、宇宙全体の起源を知るというより大きなチャレンジにも貢献するだろう”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

NASA公認のNASA app、iOS・Android版に続きApple TV版もリリース

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カウチポテト派の宇宙ファンに朗報だ。NASA公式の宇宙コンテンツ満載アプリケーションのApple TV版がリリースされたのだ。

これまでもiOSやAndroidデバイス用のアプリケーションがリリースされていた。ロケット打ち上げやプレスカンファレンスの様子をビデオで見たり、あるいはSpace Station関連の膨大な写真を見ることができるものだ。これがApple TV版となり、スマートフォンをあれこれ操作せずともNASAからのコンテンツを楽しめるようになったのだ。

「最新版のApple TVをお持ちの方なら、私たちの提供する写真、ビデオ、ミッション情報、NASA Televisionなどのコンテンツを、家族みんなで、大画面でお楽しみいただけるようになりました」とNASAのコミュニケーション部門にてアソシエイトアドミニストレーターを務めるDavid Weaverは言っている。これは確かに面白そうだ。

ISSからのライブ映像を流し続けるような番組も提供されるようになるかもしれない。テレビをつけっぱなしにして、リアルタイムで宇宙空間を見つめることができるようになるわけだ。この魅力に対抗できるテレビコンテンツはさほど多くないのではないかと思うが、どうだろうか。

アプリケーションはApple TV向けアプリケーションストアで入手できる。NASAによるこちらの記事にも、各デバイス向けアプリケーションへのリンクが掲載されている。

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(翻訳:Maeda, H

インドが、再利用可能宇宙船の飛行試験を実施

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インドは、再利用可能宇宙船市場に参入するための、小さな一歩を完了した。

月曜日(米国時間5月23日)、Indian Space Research Organization(インド版NASA)は、22フィート(6.6 m)の有翼宇宙船を高度65 kmまで打ち上げ、インド東部のベンガル湾に帰還させた。
ミッション全体は13分以内で終わり、宇宙に届く高さには達しなかったが、インド宇宙局にとって、手頃な費用による打ち上げ実施に向けた重要な一歩だった。

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Reusable Launch Vehicle-Technology Demonstator(RLV-TD)と呼ばれる実験船は、速度マッハ5に達し、大気圏再突入の高温を生き延び、無人による運転、誘導、制御や、再利用可能な耐熱保護システム等、最重要技術のテストに用いられた

2012年に開発を認可されたISROは、1400万ドル相当の資金をRLV-TDに投資したとBBCは伝えている。RLV-TDは4回の試験飛行を行う予定で、その第一回が月曜日に完了した。超音速飛行実験(HEX)およびそれに続く着陸実験(LEX)、復路飛行体験(REX)、およびスクラムジェット推進実験(SPEX)等を実施する。

ISROにとって、商用版RLV-TDへの道はまだ遠いが、彼らがBlue Origin、SpaceX、Virgin Galactic、あるいはXCORと並んで、再利用可能船の開発に取り組んでいるという事実は、この業界全体が従来の使い捨て設計から転換しようとしていることを示している。

RLV-TDは、その翼のある機体からミニスペースシャトルのように見えるかもしれないが、大きさだけを見ても、RLV-TDプログラムが前途遼遠であることの証だ。長さわずか6.6 mのRLV-TDは、低地球軌道に30年以上宇宙飛行士送り続けた、NASAの巨大な122フィート(36.6 m)有人スペースシャトル軌道船と比べると影が薄い。

それでも、今週のミッション成功は、宇宙探査活動に多大な資源を投入する数少ない国の一つであるインドにとって、記念すべきマイルストーンである。

他の先端宇宙開発国の年間予算(NASAの185億ドル、ヨーロッパの60億ドル、ロシアの50億ドル)と比べると、インドの年間予算 12億ドルは、大した額ではないように思えるかもしれないが、ISROは業界で長年重要な立場を取り続けている。

インドの働き者の打ち上げロケット、Polar Satellite Launch Vehicle(PSLV)は、20年以上にわたり、小型衛星を軌道に送り込んでいる。実際、1994に初の打ち上げに成功して以来、PSLVはアメリカを含む20ヵ国の人工衛星を打ち上げてきた。

インドが商用の再利用可能船を作るまでには、まだ時間がかかるかもしれないが、TLV-TDプログラムへの取り組みは、この国が打ち上げ費用のコストダウンと、小型衛星打ち上げ業界での優位性確保に力を入れている兆候だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SpaceX、ロケットの垂直着陸を360度ビデオで公開

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SpaceXのロケットが、地球に再着陸ところを間近で見てみたいと思う人は多いことだろう。ただし地球に戻るロケットというのはまだまだ新しい技術であり、火炎に包まれて大事故を招くことも十分にありえる話ではある。危険は大きい。しかし見てみたい。そのようなケースのためにVRがあるのだと言えば言い過ぎだろうか。

SpaceXも、迫力ある再着陸の様子を多くの人に見てもらいたいと考えたようだ。VRヘッドセットを持っているのなら、ぜひとも試してみるべきだ。これまでにみたいかなるVRビデオとも異なるスペクタクルを感じさせてくれると思う。

そうはいっても手元にはモバイルデバイスしかないのだという人もいることだろう。もし手元のモバイルデバイスがiOSならFacebookプレイヤーを試してみても良いかもしれない。そういう環境もないという人でも、YouTubeムービーも十分楽しめることと思う。

ご理解頂いていると思うが、打ち上げたロケットを海上の狙った場所に再着陸させるというのは、技術的に見て大変大きな進化だ。SpaceXが今後も引き続いて(たまに失敗があるにせよ)第一段ロケットを再利用できるのなら、宇宙に人を送るコストが大幅に下がることになる。

SpaceX曰く「スペースシャトルは技術的にみて再利用可能なものとなり、コストを削減するはずでした。しかし巨大な燃料タンクを毎回廃棄するという無駄をも必要としたのです。またフライトのたびに腐食性のある海水に着水することとなっており、回収にも時間がかかるなどさまざまな不具合を抱えていたのでした。そこで私たちは、ロケットを陸上ないし船上に着陸させることができたら便利なはずだと考えたのです。それにより、再利用可能になるまでの時間を大幅に削減できると考えたのです」。

宇宙関連の技術開発に興味がある人にとって、とても面白い時代を迎えているのは間違いない。ビデオはきっとそういう人の興味をひくはずだ。もちろん、技術面に興味のない人にとっても、技術進化の偉大さ(プラス多少の運はあったのかもしれない)を感じるのに十分なものだろうと思う。

 

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(翻訳:Maeda, H

「宇宙」のVR化を目標に、自前の衛星打ち上げを目論むSpaceVRが125万ドルを調達

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バーチャルリアリティに期待されることのひとつは、決して訪れたことのなく、また訪れることのない場所に、実際にいるような感覚を体験することだろう。その「訪れたことのない場所」のひとつは、文句なく最後のフロンティアたる「宇宙」ということになる。

SpaceVRは、宇宙のVR化を本気で実現しようと歩み始めている。高解像度の360度カメラを宇宙に配置し、VRヘッドセットを通して宇宙の素晴らしさをみんなに体験してもらおうとしているのだ。

SpaceVRの従業員は5名だが、このたびシードラウンド資金として125万ドルの資金を調達した。リードしたのはShanda Groupで、Skywood Capitalもこのラウンドに参加している。この資金はいろいろな意味で社を「高み」に押し上げることとなるのだろう。

ご存知かもしれないが、SpaceVRは昨年9月にはKickStarterキャンペーンを展開していた。これもカメラを宇宙に送り出すことが目的のキャンペーンだった。ISSから映像を地球に送ることを目的として11万ドルを超える資金を集めた。

それから数カ月が経ち、SpaceVRはより大きな夢を描くようになった。自前の衛星を打ち上げようと考えるようになったのだ。この夢の実現のためには、やはり比較的小規模な企業ともいえるSpaceXと連携することを考えた。カメラを200マイル上空まで送り届け手もらおうと考えているのだ。カメラはOverview 1と名付けられ、4K魚眼レンズを2台搭載している。そして6ヶ月の宇宙滞在期間中に衛星の周りをさまざまな角度から撮影しようというプランだ。

VR映像を手がけているChris Milkは、VRを称して「究極の共感マシン」(ultimate empathy machine)と呼んだ。SpaceVRのファウンダー兼CEOであるRyan Holmesは、宇宙空間を描くVRをを完成させることは、人間の感性にとっても非常に大きな意味を持つことになると主張している。Holmesとはチャットで話したが、彼は「オーバービューエフェクト」(Overview Effect)ということを言っていた。すなわち、地球の姿をはるか遠く(宇宙)から見る経験をした人は、「人類」というものに思いをいたすようになり、そして地球上で「大問題」として扱われることも宇宙規模から判断が下せるようになるというのだ。

「物事のプライオリティーがまったく変わることになるでしょう」とHolmesは言っていた。「より強くサステナビリティについて考えるようになるでしょう。地球上で行われている数々の無駄について、意識を巡らせることができるようになるはずです」。

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(翻訳:Maeda, H

NASA、深宇宙探査向けソーラー推進システムに6700万ドルを投資

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NASAは、将来の深宇宙計画で使用する高度ソーラー電気推進(SEP)システムを開発する6700万ドルの契約先に、Aerojet Rocketdyne社を選んだ。

プレスリリースでNASAは、この推進システムは小惑星のロボット探査や火星探査に関連するその他の計画に使用される可能性がある、と説明している。

化学推進(ロケットが地球の引力から逃がれて軌道に達するために用いられる推進方式)と比べて、SEPの推力は小さいが燃料効率が良く長時間推力を提供できる。こうした理由から、SEPは真空中、特に存続期間の長い作戦の宇宙船に適している。

A Hall thruster tested at NASA Glenn Research Center/ Image courtesy of NASA

NASA Glenn Research Centerでテスト中のホールスラスター/ 画像提供:NASA

SEPエンジンは、太陽エネルギーを電気に変え、その電力を使ってイオン化燃料を超高速に加速することによって推力を得る。SEPのスラスターから出る特徴的な青色の輝きは、 エンジンを離れたイオンがエネルギーを失う際に解放するフォトンから生まれる。

NASAは1950年代からSEP技術を研究しており、現在準惑星ケレスを周回中で、2つの地球外物体を周回した初めての宇宙船であるDawn探査機等に用いられている。

Illustration of the Dawn spacecraft with its SEP system / Image courtesy of NASA

SEPシステムを塔載したDawn探査機 / 画像提供:NASA

今回の契約でNASAは現在の電気推進システムの2倍の推力と、現在の化学推進の10倍の燃料効率を目指している。

SEPを使用する深宇宙計画の課題の一つは、太陽系深く(太陽から離れて)飛行するにつれ、宇宙船の原動力となる太陽光を効率的に集めるのが難しくなることだ。このため、現在SEP研究と並行して、高度ソーラーアレー技術の研究にも予算がつけられている。

36ヵ月の契約期間中、Aerojet RocketdyneはSEPシステムの試験と評価のための、コンサルテーション、テスト、および開発を請負う。最終的にAerojet Rokcketdyneは、電気推進ユニット4基を宇宙に送り出すことを目標にしている。

「この契約を通じて、NASAは高度電気推進ユニットを初めて宇宙船で使用するための開発を行う。これは高度ソーラー推進実験計画を2019年までに実現するための足固めとなるだろう」とNASA宇宙技術ミッション部門副責任者、Steve Jurczykは語った。

この電気推進契約に加えて、Aerojet RocketdyneはNASAの火星探査計画で使用するために作られたロケット、スペース・ローンチ・システムのための化学推進システム — RS-25エンジン — の開発も担当している。

Illustration of NASA's Asteroid Redirect Mission using SEP / Image courtesy of NASA

SEPを利用したNASAの小惑星軌道変更作戦の概念図 / 画像提供:NASA

Aerojet Rocketdyneの現在の契約は、NASAによる高度SEPシステムを推進する全体計画の一環である。NASAは小惑星軌道変更作戦で、これまでに宇宙で使用された最大かつ最先端のSEPシステムをテストする計画だ。同作戦は小惑星を捕獲し月の軌道に乗せようとするもので、現在2020年代中頃の実行を予定している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

学生が設計した “Femtosat” は人工衛星の打ち上げコストを1000ドル以下にする

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1000ドル使いたくてたまらないって? 新しいノートPCを買うのもいいが ― この小さな手のひらサイズの人工衛星を宇宙に送り出すこともできる。アリゾナ州立大学の技術者チームはそう願っている。彼らの “Femtosat” は、史上最も低価格な宇宙に向かうプラットフォームだ。

一辺3cm、重さ35グラム(大英帝国単位系の人たちには、約1.2インチと0.077ポンド)のSunCube 1Fは、Femtosatのプロトタイプの一つだ。ソーラーパネルの断片(製品そのままでは大きすぎる)をエネルギー源に、小さな箱の中には推進、画像処理、通信、およびデータ収集の機能か詰まっている。

「デザイン標準はCal Poly CubeSat標準を元に自作したもので、拡張性があり大幅なカスタマイズが可能」と、プロジェクトを卒るアリゾナ州立大Jekan Thanga准教授はTechCrunchへのメールで言った。

femtosat-6大型の3Fバージョンはキューブを3台積み上げたもので、人工衛星は棒状のバターくらいの大きさだ。これには実験機器を塔載する空間があるが、重量と体積は1Fよりずっと大きくなる。

このサイズは痛し痒しだ。打ち上げは安く済むが、3cmの立方体に収まる宇宙対応ハードウェアを探すのは困難だ。現在彼らは昇華粉体を用いて自身を拡大する「膨張」アンテナの開発に取り組んでいるが、Femtosatに収まるXバンド無線チップセットはまだ見つけていない(現在はUHFとSバンドを利用)。

現在の価格で、チームはSunCube 1FをISS(国際宇宙ステーション)に1000ドル以下で送り込めると推定している。そこでは微小重力をはじめとする様々な宇宙実験が行われている。低地球軌道にはこの約3倍の費用がかかる。

それでも、最も基本的なCubeSatsの打ち上げと比べるても破格だ。発射システムや要求にもよるが、100万ドル以上は必要だ(再利用可能ブースターロケットが価格を下げることに期待したい)。

「打ち上げコストが低いため、宇宙品質の部品のテストをCubeSatや専用宇宙船に載せることなく行える」とThangaは書いている。「私はこれが宇宙向けハードウェアの開発や認定の所要時間短縮につながると考えている」。

参入障壁を下げることで、ほぼ間違いなく実験や拡大が促進されるのは、他の多くのテクノロジー分野と変わらない。しかし、量産や商品化等、チームの課題はまだまだ多い。彼らはテストおよび配備の認定を受けるために10~20台のFemtoSatを作る計画だ。最終的には、超小型ラボとして打ち上げるか、事実上の使い捨て汎用軌道船として大型宇宙船に乗せることを願っている。興味のある人は、標準文書がここにあるので一読されたい。

アリゾナ州立大キャンパスの近くにいて、今夜時間のある人は、Marston Exploration Theaterに立ち寄って、ThangaがSunCubeや、彼がSpaceTREx ラボで研究しているその他の技術を紹介するので聞くことができる。6時に始まるので急いだ方がいい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

NASA、火星有人飛行用ロケットエンジンをテスト

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NASAは、次期重量物打ち上げロケット、Space Launch System(SLS)用の最初のロケットエンジン、RS-25を500秒間テスト噴射させることに成功した。SLSはコアステージ(第2段)に4基のRS-25エンジンを使用し、小惑星や火星等の深宇宙へ人間を運ぶために設計されている。

NASAは、「次回はロケットエンジン No. 2059を同じ時間噴射させ、45年ぶり以上となる人間を深宇宙に送り込むミッションを実行する」と発表した。

このテストに使用されたエンジンは、スペースシャトルプログラムで使われたものであることが興味深い。スペースシャトルの引退後、RS-25エンジン(スペースシャトルの主要エンジンとしても知られている)は16基残っていた。

RS-25エンジンの主契約業者であるAerojet Rocketdyneは、SLSの性能要求を満たすようにエンジンを改造した。この改造によって、エンジンは109%の推進レベルで動作することが可能になる。一般にスペースシャトルの通常の推進レベルは104%だった。

4基のRS-25ロケットエンジンには、1対のブースターロケットが加わり、初のSLS飛行用に構成される。

Illustration of Space Launch System / Image Courtesy of NASA

Space Launch Systemおよび内蔵された4基のRS-25エンジンと2基の固体燃料ブースターロケット/画像提供:NASA

RS-25エンジンは、1981年から2001年の間に、135回のスペースシャトル作戦で使用されたことから、Aerojet Rocketdyneはこれを「世界で最も信頼性の高いロケットブースターエンジン」と呼んでいる。

スペースシャトルプログラム期間中、RS-25エンジンはスペースシャトル軌道船と共に地球に戻り、調整後に再利用された。SLSでは、エンジンは戻ってこない。

ロケットエンジンが使い捨てとなるため、現在ある16基のRS-25エンジンで、4回のSLS飛行が可能となる。昨年11月、11.6億ドルの契約がAerojet Rocketdyneと結ばれ、RS-25エンジンの開発が再開された。この契約でNASAは、追加で6基のRS-25エンジンを発注できるため、第5回目のSLS飛行が可能になる。

エンジンのテストは、引き続きミシシッピー州のNASAステニス宇宙センターで行われ、SLSプログラムはアラバマ州のNASAマーシャル宇宙飛行センターが管轄する。最終的に、SLSはフロリダ州ケネディー宇宙センターの地上部隊と発射設備を使用する予定だ。

今週のテストは、改造されたエンジンの能力を検証し、SLSに必要な異なる動作環境を確認するために行われた。

「このテストが、SLSの初飛行に向けた現行の設計が正しいことを証明する重要な一歩であるだけでなく、このエンジンがSLSの有人飛行で再び飛行士を宇宙に運ぶための改造を受ける前に、あれほど多くの宇宙飛行士を乗せてきたことを思うと非常に感慨深い」― Steve Wofford、NASAマーシャル宇宙飛行センター、エンジン管理責任者

SLSは、Orionカプセルに最大6名の乗組員を乗せ、NASAの火星探査プロジェクトで計画された深宇宙の目的地へと運ぶ。ただし一部には、資金不足やミッションの目的が不明確であるとして、実現しないのではないかと疑う向きもある。批判者はSLSを、”Rocket to Nowhere” と呼んでいる。

Image courtesy of NASA

画像提供:NASA

SLSプログラムの運命を決める要素は、来たるべき大統領選挙や政権交代を含め数多くあるが、NASAの次期重量級ロケットが維持可能かどうかは、時期を待つほかない。

RS-25エンジン4基を塔載したSLSの初飛行は、無人のOrionに13基のCubeSatを載せて2018年に実施される予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

NASA、火星表面の360度ビデオを公開

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今日(米国時間2/8)NASAのジェット推進研究所は、新たな360度ビデオを公開し、火星表面の仮想ツアーを可能にした。ビデオは火星探査車キュリオシティが2015年12月18日に撮影した画像をつなぎ合わせて作られた。

映像はナミブ砂丘と地平線上に見えるシャープ山から始まる。探査車キュリオシティに塔載されたマストカメラは、ミッションの1197ソル(火星の日)目にこれらの画像を撮影した。火星の一日は地球よりも約40分長い。

ビデオはスマートフォンのYouTubeアプリで見るのが一番だ。端末を動かすことによって、キュリオシティと周囲の火星表面を360度高画質で見ることができる。

このビデオの最初のバージョンは、1月30日にFacebookで公開されたが、画像接合の方法により地平線が歪み、その結果360度パノラマ画像の方向が不安定だった。今日の360度画像は初期バージョンより大きく改善され、はるかに明瞭なバーチャル体験を与えてくれる。

キュリオシティの写真から360度画像が作られたのはこれが初めてではない。去る2012年、NASAはキュリオシティから撮った同様のパノラマ画像を公開した 。しかし、今やFacebookとYouTubeでユーザーによる360度ビデオのアップロードが可能になり、視聴者は赤い惑星をインタラクティブに見る手段を得た。

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キュリオシティの自撮り/画像提供:NASA

NASAはもう一つ、キュリオシティー塔載カメラの1台を使って「ローバーセルフィー」[探査車自撮り]を撮ったことでも知られている。上記のシーンは、キュリオシティーのロボッティックアームに取付けられた火星ハンドレンズを使って2016年1月19日に撮影された57枚の画像を組み合わせて生成された。

火星探査車キュリオシティは全部で17台のカメラを装備し、ナビゲーション、危機回避、科学分析等に用いられている。

Curiosity's 17 cameras / Image courtesy of NASA

キュリオシティの17台のカメラ/画像提供:NASA

キュリオシティはNASA最大の火星探査車で、2012年8月6日にスカイクレーンという新技術によって火星に着陸した。同機は火星に生命を維持する能力が存在したかどうかを評価する目的で作られた。

昨年春、キュリオシティは「ガーデンシティ」と呼ばれる地域で岩石の特異な配列を発見し、それが火星の歴史上水の存在する時代が2回あったことを示唆していた。液体の水が生命体の重要成分であることから、これは現在あるいはかつて、火星で生命が維持されたかどうかを、今後科学者が探る手がかりになる。

原子力駆動の同探査車は、超高密度のシリカ(二酸化ケイ素・石英)を含む岩石を発見した。超高密度シリカは、大量の水の活動から作られかと考えられるため興味をそそられる。おそらくさらに興味深いのは、地球上の高密度シリカ鉱脈が、しばしば微生物の生命が維持された場所と関連づけられていることだ。

現在キュリオシティの研究チームは、探査車の発見を説明するために複数の仮説を立て、火星の過去の謎を解明しようとしている。それを待つ間も、われわれは未だすべてを理解できていない赤い惑星を、360度画像で見ることができる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook