イーロン・マスク、Starshipロケットの完成品を披露

イラストや製造中の写真でさんざんじらしたあと、Elon Muskはようやく完成したStarshipロケットを披露した。

[Starshipのテスト飛行用ロケットがテキサス州のSpaceX打ち上げ施設で完成した。これは実物の写真でとり完成予想図ではない]

見ての通り、Satarshipテストロケットは外皮にステンレス鋼を使用しており、一部の人々を困惑させた。たしかにステンレスは非常に頑丈だが、カーボンファイバーやアルミニウム、チタンなどの最新ロケット材料と比べて重い。しかしMuskは、ステンレス鋼の極端な温度、特に高熱に対する耐久性はこのタイプのロケットにより適していると 主張した

Starshipロケットは以前BFRと呼ばれていたもので、SpaceXの長期計画の中で需要な位置を占める。FalconやFalcon Heavyに代わる主要打ち上げロケットになることを目的としており、多数の大気圏再突入(すなわち、多数の高熱体験)が予定されている。

このテストモデルは現在テキサス州ボカチカにあり、3月に準衛星軌道VTOL(垂直離着陸機)テストが予定されている。衛星軌道バージョンは、これよりも背が高く厚い外皮とスムーズなカーブのノーズ部分からなり2020年に打ち上げが予定されている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SpaceXのStarshipは最高にゴージャス――イーロン・マスク、組立中の宇宙往還機のイラストを発表

このイラストはイーロン・マスクのツイートに添付されたものだ。テキサス州ボカ・チャイナのSpaceXの発射施設で組立中のStarship宇宙往還機のテスト機の外観のコンセプト・アートだという。 商用に用いられる実機のほうがさらにゴージャスになるはずだ。テスト機は商用機に設けられる予定の窓を欠いている。

組立中のStarshipテスト機はこのイラストのような外観になる。実機には外界を観察できる窓が設けられる。

SpaceXはシステムを検証するため今年3月か4月にテスト機を準軌道高度に打ち上げる計画だ。 衛星軌道への打ち上げは2020年に予定されているという。

Starship(以前BFRと呼ばれていた機体)はiSpaceXの宇宙事業の次の段階のカギとなる。現在のFalconやFalcon Heavyロケットを代替し、同社の宇宙事業は将来すべてStarshipによって実施される予定だ。Starshipを地上から打ち上げるブースター部分はSuper Heavyと呼ばれる。SpaceXの将来を担うにふさわしい壮麗な外観だ。以下のツイートの添付写真はボカ・チャイナ基地で組立中のStarshipテスト機。

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滑川海彦@Facebook Google+

SpaceXのStarshipはSF的にきらきら輝く――外皮にステンレスを採用したのは耐熱性

SpaceXが発表したStarship宇宙往還機はいろいろな意味でSF黄金時代のリバイバルを思わせる。この機体の目的は月などに旅客を輸送することだが、ぴかぴかのステンレス製外皮は古き良き時代のSF雑誌の派手な表紙にそっくりだ。

ファウンダー、CEOのイーロン・マスクはStarshipのイラストをTwitterに投稿した。キャプションは「ステンレススチールのスターシップ」とだけあった。正確に言えば、このステンレスの機体はSpaceXが来年テストを開始しようとしている宇宙旅行システムの一部にすぎない。現在計画されているフライトはシステムのテストのためなので、ごく短いものとなるだろう。

イーロン・マスクのツイートの例にもれず、今回もStarshipについてはさまざまな推測や議論が巻き起こっている。

まず第一に驚かされたのはステンレススチールという素材の選択だ。現代のロケットはカーボンファイバーなどの先進的な素材を複合して軽量かつ目的に適した物理特性を備えた構造を実現しようとしている。金属が利用される場合は、アルミ、チタンなどが普通だ。もちろんAtlas 5ロケットの2段目などステンレスが使われたこともあるが、むしろ例外だ。ましてStarshipのように他の天体まで航行し、大気圏への再突入を必要とする機体の場合、ステンレスが使われるとは誰も予想しなかっただろう。

マスクは後続のツイートでステンレスを採用した理由を簡単に説明している。

ステンレスはカーボンファイバーに比べて極端な温度状態で良好な重量/強度を実現する。極低温でやや優れており、室温では劣っているが、高温では圧倒的に優れている。 

マスクがここで言うステンレスはニッケル系の300シリーズだが高度な処理で最高の強度を実現している超合金だ。われわれのキッチンにあるすぐに曲がってしまうステンレス包丁とはわけが違う。マスクはSpaceXの冶金エンジニアがRaptorロケットエンジンのために開発したSX500を用いるとしている。Raptorエンジンは現在のMerlinエンジンに代わってBRF以降の大型ロケットに利用される。

ステンレスが採用された理由としては再突入耐性が高いためのようだ。

宇宙船やブースター・ロケットを再利用する場合には大気圏に再突入する際に発生する熱が大きな問題となる。 スペースシャトルなどで用いられた熱吸収性シールドは高熱で融解し、徐々に剥離していくことによって機体から熱を取り去る仕組みだ。

ところがこの方式はStarshipでは採用できない。熱シールドを完全に除去して貼り替える作業は時間と人手を食う。ターアラウンドの最小化を目的とするStarshipに不向きだ。そこで熱吸収式ではなく熱反射式のシールドを採用することが現実的な選択となる。そかしこうした高温に耐え乗員を保護できるシステムの開発は極めて困難なエンジニアリングとなる。

Scott Manleyがこの点を詳しく説明するビデオをアップしている。

マスクは当初Starship(この時点ではBFRと呼ばれていた)について、「再突入時にはほぼ全期間にわたって減速を続けるが、その際に機体のあらゆる表面が利用される」と述べている。再突入はおそらくFalcon 9のブースターのようなロケットの制動噴射ではなく、スペースシャトル式の滑空になるだろうと思われる。

ステンレスへの変更はSFコミックのファンにおなじみのスーパークールな見た目になるという思わぬ副作用を生んでいる。マスクによれば塗装は即座に焼ききれてしまうので無意味だという。

ステンレス外皮は高熱になるため塗装は不可能。反射能率を最高にするためミラー仕上げ。 

いかにステンレスでもいつまでもぴかぴかのままでいることは難しいだろう。ガスレンジで空焚きしたステンレスの鍋底のようにStarshipの底面にも焼けやシミが見られるようになるに違いない。もっともこうした「汚し」が入るようになるというのはスターウォーズの宇宙船のようで魅力的だ。

まだ開発段階であるため詳細については不明な点が多い。SpaceXはテストが進むに従って、その結果を取り入れ、デザインをさらに変更する可能性がある。早ければ来年にも最初のテスト飛行が行われるはずだ。大気圏脱出にはこれも開発中のFalcon Super Heavyブースターが用いられる。

マスクによればStarshipのテクニカル・ドキュメントの公開は来年の3月かs4月になるという。この文書がテスト用機体だけに関するものか、SpaceXが計画している日本人が乗客1号となる月旅行計画まで含むものかは不明だ。いずれにせよ、Starshipについてマスクの大胆な(ときに無謀な)ツイートによって近々さらに情報を得ることができるはずだ。

画像:Elon Musk

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滑川海彦@Facebook Google+

SpaceX、新GPS打上げ成功で今年のミッション完了

SpaceXはアメリカ空軍が運用する新しいGPS、Global Positioning System IIIの第1回打ち上げに成功し、2018年のすべてのミッションを完了した。今日(米国時間12/24)、ケープカナベラルから打ち上げられた新しい衛星はVespucciと名付けられた。SpaceXにとって初の国家安全保障に直結するミッションだった。

SpaceXは当初もっと早い日時を予定していたが強風のため延期され、クリスマスの打ち上げとなった。

SpaceXは2016年に空軍からNational Security Space (宇宙国家安全保障)プロジェクトの契約を得ており、この後さらに4回のGPS III衛星打ち上げが予定されている。これにはすべて2段式のFalcon 9ロケットが用いられる。

GPSは米軍の管轄下にあり、運用は空軍が行っている。 冷戦時代に構築されたシステムであるが、2000年代に民間利用が休息に普及した。新しいGPS衛星はロッキード・マーティンが製造し、現在のシステムの3倍の精度を提供できる。SpaceXの発表によれば妨害に8倍強いという。.

「新世代GPSは測地、航法、タイミング情報を提供する。GPSのユーザーは世界で40億人に上り、適切なサポート体制の提供は極めて大きなミッションだ」とSpaceXは述べている

2002年にイーロン・マスクによって創立されたSpaceXにとって今年は大きな意味がある年となった。2018年にSpaceXは21回の打ち上げを行いすべて成功させている。これは2017年の18回の打ち上げから3回のアップとなっている。また305億ドルの会社評価額で5億ドルのラウンドを行っているという情報もある。これは1000個以上のミニ衛星のネットワークで全世界にインターネット接続を提供するStarlinkプロジェクトのための資金となるという。現在のラウンドが目標を達成すれば、SpaceXの資金調達総額25億ドルとなる。

今日の打ち上げのビデオを上にエンベッドしたが、SpaceXのサイトはこちら

〔日本版〕ビデオでは6:58でリフトオフ、8:13でマックスQ、9:50からメインエンジン停止、ブースター切り離し、第2段エンジンスタートと続く。全世界をカバーするため軌道傾斜角が55°と大きく、衛星も大型であるためブースターの回収は行われなかった。Vespucciはコロンブスより先にアメリカに到達し、アメリカという命名の起源となった探検家、アメリゴ・ヴェスプッチにちなむ。

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Falcon 9、衛星打上げは成功、ブースター回収は失敗――グリッドフィン不調で海中へ(ビデオあり)

SpaceXのFalcon 9による国際宇宙ステーションへの補給船打ち上げは成功した。しかしブースターの回収は、グリッドフィンの不調で失敗に終わった。イーロン・マスクのツイートによれば、ブースターは着陸予定地点をわずかに外れて海中に落下した。

〔ブースター上端に設けられた〕グリッドフィンを作動させる油圧ポンプの不調のためFalconは海中に落下した。ブースターからは引き続き信号が送信されているので破壊されていはないもよう。回収船を出発させた。

ビデオ配信サービス、Twitch(以前のJustin.tv)が着陸を中継中だった。下にエンベッドしたのはDazValdezの船上から撮影されたビデオだ。Falcon 9のブースターが降下中に姿勢が不安定となりケープ・カナベラル宇宙基地の着陸ゾーンをわずかにそれて海中に落下する一部始終がはっきり記録されている。

火曜日のフライトではISS向けの2.5トンの実験装置と補給物資が打ち上げられた。これにより250回の実験が可能になると期待されている。 SpaceXにとって16回目の補給船打ち上げミッションだった。

Dragon補給船はFalcon 9の打ち上げ後約10分で2段目ロケットから予定どおりに分離されISSに向かって飛行を開始した。SpaceXの発表によれば、Dragon補給船がISSに到達するのは12月8日になる。今回用いられたDragonにとってこれが2回目の飛行となる。最初の飛行は2017年2月に実施された。

このミッションで次の重要なステップとなるのはDragonを安全にISSに接続することだ。 ISSのクルーは全長17.6メートルのロボット・アームを操作して補給船を捕獲し、慎重に引き寄せることになっている。

Dragon補給船は来年1月に入っておよそ1.8トンの物資を搭載して地球上に戻る。バハ・カリフォルニア沖の太平洋上に着水することが予定されている。

今週はSpaceXにとって忙しいものとなった。同社は民間の衛星運営企業、Spaceflight Industriesの委託により64基のミニ衛星を打ち上げている。このミッションでは15基のマイクロ衛星と49基のキューブサットが打ち上げられた。SpaceXによれば、顧客には民間企業、大学、政府機関だけでなく 中学校のプロジェクトも含まれていたという。国籍はアメリカ、オーストラリア、イタリア、オランダ、フィンランド、韓国、スペイン、スイス、イギリス、ドイツ、ヨルダン、カザフスタン、ポーランド、カナダ、ブラジル、タイ、インドの17ヵ国に及んだ。

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イーロン・マスクの秘密の屋根裏部屋、NASAのSpaceX立入検査を呼ぶ

Elon Muskが9月のラジオインタビューで口走ったマリファナとの関わりは、彼の信奉者たちを離れらせただけでは済まなかった(人工知能やソーシャルメディア、発明、宇宙などにまつわる 興味深い会話もあった)。

Washington Postによると、NASA当局はMuskの屋根裏部屋話を喜んではいられず、CEOの派手も悪ふざけを受けてSpaceXとBoeingの安全審査を命じた。

NASA の有人探査担当副長官William GerstenmaierはWashington Postのインタビューに答えて、審査は来年開始されBoeingおよびSpaceX両社の「安全カルチャー」を調査すると語った。

ロケットそのものの安全性ではなく、この審査では従業員の労働時間、薬物ポリシー、リーダーシップおよび経営スタイル、従業員の安全への懸念に対する会社の対応などに目を向ける、Post紙は伝えている。

審査の指揮を執るのはNASAの安全ミッション保証部で、これまでに同様の審査を行ってきた部門だ。

NASA当局者によると、審査手順は「かなり踏み込んだ」もので、会社が活動している全所在地にわたり、あらゆる地位の従業員から数百回もの聴き取りを行う可能性がある。

2014年に有人宇宙飛行復活のために両社が受託した68億ドルの契約が危機にひんしている。SpaceXは同プログラムでNASAから26億ドルを受け取り、残りがBoeingに渡った。

両社ともに、NASA宇宙飛行士を軌道に送り込む有人システムのテスト中につまづきがあった。Boeingは宇宙船の断熱材とパラシュートシステムのテストと、緊急中止プロセス中に起こる可能性のある推進剤漏出への対応が必要だ。

SpaceXもパラシュートシステムに問題を抱えている。

SpaceXはPost紙に送った声明で、「これまでNASAと共に成し遂げてきたすべての仕事に大きな誇りを持っており、アメリカに有人宇宙飛行を取り戻す日を楽しみにしている」と言った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SpaceXの7518個のミニ衛星ネットワークをFCCが承認

何千個ものミニ衛星で地球全体をカバーするStarlinkコミュニケーションシステムを構築するSpaceXのプロジェクトがFCC(通信委員会)からを承認を受けた。ただしSpaceXが実際にこの衛星の打ち上げを開始するまでにはしばらくかかる見込みだ。

今日(米国時間11/15)、FCCは今月の定例会で承認されたプロジェクトを発表した。Starlinkの他にKepler(衛星140基)、Telesat(117基)、LeoSat(78基)が含まれている。しかし打ち上げ予定衛星数ではStarlinkが文字通り桁違いに大きい。これ以外にももっと小規模な衛星コミュニケーション計画がいくつか承認を受けている。

SpaceXが発表した計画では最終的に7518基の衛星を軌道に投入される。これとは別に、われわれが2017年3月に報じたとおり、4409基のプロジェクトがすでに承認を受けている。先月、FCCは決定のドラフト (PDF)を公開し、申請があった衛星コミュニケーション・プロジェクトを承認する意向であることを示唆していたが、今回の発表で公式な決定となった。

SpaceXのの衛星は340キロという(衛星としては)非常に低い軌道に打ち上げられる。これは他のプロジェクトにくらべて550キロも高度が低い。

低軌道の衛星は大きな空気抵抗を受けるため寿命が短い。打ち上げてから大気圏に突入して燃え尽きるまで数年とみられている。.しかし地表に近いということはそれだけ通信のレイテンシーも必要とする電力も小さくてすむ。その代わり1基のカバー範囲が狭くなるため多数の衛星が必要となる。しかし計画どおりに運用できるのならコミュニケーション需要が大きい地域に高速かつ信頼性の高いネットワーク接続を提供できる。ただしSpaceXがこれまでに打ち上げたのは2基の実験用衛星に過ぎないので、現実に可能かどうかは今後検証されることになる。

Starlinkの衛星は現在主流のKa/KuバンドではなくVバンドを使う。これは総計1万2000基にもなる衛星の電波でKa/Ku帯域を飽和させないようにという配慮だ。

Starlink衛星の打ち上げは来年中に始まるはずだ。このスケジュールが守れないとStarlinkの幹部はイーロン・マスクの怒りを買うことになるだろう。しかしネットワークを機能させるためには非常に多数の衛星を打ち上げる必要があり、部分的にでもシステムが稼働するまでには相当の年月を必要とする。

こうした多数のミニ衛星打ち上げはそれでなくとも混雑している宇宙をさらに混雑させ、宇宙ゴミを大量に作り出すことになるのではないかという懸念を抱く読者もいるかもしれない。この点ではSpaceXは優等生だ。まず一段目ブースターを再回収することにより、海洋の粗大ゴミとなることを防ぐ。また現在ほとんど使われていない低軌道を利用するため他の衛星と干渉する可能性も低い。

奇妙に聞こえるかもしれないがFCC宇宙ゴミを所管する主要な官庁の一つで、現在これに関する規則の見直しに着手している。【略】

新規則は最終決定に至るまでまだ時間がかかるもようだが、近々ドラフトが公開されるはずだ。宇宙デブリが深刻な危機に発展する前にFCCがどのような対策を考えているのか注目だ。

画像:Moment / Getty Images

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滑川海彦@Facebook Google+

SpaceXの衛星星座Starlinkは1000基あまりの通信衛星を超低軌道で運用する

同社がFCCに提出した申請書類によると、SpaceXが計画している通信衛星コンステレーションStarlinkは、最初の計画よりもずっと低い軌道に、少なくとも1000あまりの衛星を配備する。これによって宇宙ゴミが減り、同社の地上ユーザーに高品質な信号を提供できる。

Starlinkが計画している1584基の衛星は、同社が計画している4409基の約1/3に相当する。軌道は地表からわずか550キロメートルの高さで、多くの通信衛星はその倍以上の高さの軌道を回っている。静止衛星の軌道は、その20倍以上の約58000キロメートルだ。

この距離なら、軌道縮小も速く、数年後には大気圏に落下して燃え尽きる。しかしSpaceXは泰然としている。それどころか申請書類には、低軌道には“正常運用時と、そして万一の異常時でさえ、いくつかの魅力的な特長がある”、と書かれている。

まず第一に、低軌道では何でも地球に速く落ちて軌道上に散らからないから、宇宙ゴミの問題がほとんどない。第二に、信号の送受の所要時間が短くて、pingの時間は15ミリ秒程度だ。そして500キロメートル以下ならビーム通信の拡散も少ない。

一方、大気抵抗が大きいから最適高度を維持するためにいろんなことをしなければならない。一つの衛星の、惑星上のサービス範囲が狭い。でも数が多いから、その問題は回避できる。

今回の決定は、同社が今年初めに打ち上げたテスト衛星“Tintin”からの実験データに基づいている。“SpaceXが学習したことにより、上述の、よく知られていて有意義な利点を獲得しつつ低高度で運用することの不利を軽減できる”、と同社は書いている。

この変更は、衛星通信がさらに広く普及したときに競争上の有利になると思われるが、Starlinkの鳥たちがどんどん落ちてくるようになると、維持管理費が高くなるだろう。低軌道は確かにリーチが容易だが、売上が損益分岐点に達するのはそれほど容易ではないだろうな。

Starlinkの最初の本番稼働は来年初頭を予定しているが、そのタイムラインもやはり、ちょっと無理かもしれない。でもSpaceXは、無理に挑戦する企業だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ZOZO前澤氏「#dearMoon」プロジェクトで日本ベンチャーを含む“宇宙業界全体を盛り上げたい”

イーロン・マスク氏率いるSpaceXのBig Falcon Rocket(BFR)で月の周回飛行をする初の民間人となる、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するZOZO代表取締役社長の前澤友作氏。10月9日、日本外国特派員協会で開催された記者会見にて同氏は最大8名の世界的なアーティストたちを月旅行へと招待するというアート・プロジェクト「#dearMoon」に関して記者たちの質問に答えた。同プロジェクトは「1週間かけて月と地球を周回飛行し、月と丸い地球を見て受けたインスピレーションをもとに作品を創作してもらおう」というものだ。

具体的な情報は解禁されなかったものの、同氏はこの前代未聞のプロジェクトに対する熱い想いを約1時間にわたり語った。

招待するアーティストたちに関して、「ミュージシャンだけではなくて、画家さんだったり映画監督だったりファッションデザイナーであったり……まだ分野はしっかりと決めていない。だが、僕の夢は“世界平和”なので、“世界を自分のクリエーションによって何らかの形で良くしたい”という想いの強い方を探して声をかけたいと思う」と前澤氏は話した。「自分がその方の作品が好きというのも大事だ」(前澤氏)

現段階では誰を招待するかはまだ白紙の状態で、声かけなどの活動も始めていないという。ちなみに、交際中の女優・剛力彩芽さんも「私も行きたいな」と話しているそうだ。剛力さんの参加に関して、前澤氏は「(今回のプロジェクトでは)それぞれのアーティストがそれぞれの役割を担っている。彼女にもし何らかの役割やミッションがあって、それを全ての乗員たちが受け入れてくれるのであれば、彼女にも行くチャンスはあるのではないかと思う」と説明した。

#dearMoonによる本人およびZOZOの知名度アップに関して、前澤氏は「バスキアの前澤と世界で知られていたが、月のバスキアにアップデートされた。ZOZOという我々のブランドを広げる大きなきっかけにもなる。(このチャンスを)うまく使っていきたい」と述べた。「ZOZO SUITSなどは海外でも面白いと言われている。良いスタートをきれているんではないか」(前澤氏)

また、同氏は「宇宙業界全体を盛り上げたい」とも話した。「日本にもたくさんある宇宙に関連するベンチャー企業のみなさまに会う機会も最近増えてきた。僕がこういう形で(月の周回飛行に)行くことになるので、どうか僕をうまく使ってビジネスを盛り上げてもらって構わない。みんなでうまく盛り上げていきたい」(前澤氏)

米司法省、イーロン・マスクの「非上場化」ツイートの捜査を開始

本日(米国時間9/18)午前、Teslaの株価は5%下がった。CEO Elon Muskが同社の非上場化について発信した8月7日のツイートに関して、米国司法省が犯罪捜査を開始したというニュースが報じられた後のことだ。本捜査は先日本誌が報じた証券取引委員会による同社の捜査に続くものだ。

「先月Elonが同社の非公開化を考えていると発表した後、Teslaは司法省から文書の任意提出の要求を受け、以来当社は協力的に応じている」とTeslaの広報担当者がTechCrunchに提供した声明で語った。「まだ召喚状や参考人招致その他の公式手続き依頼は受けていない。当社は本件に関する情報を入手したいという司法省の意思を尊重しており、同省が受け取った情報を精査することで早期に問題は解決すると確信している」

Bloombergによると、司法省による犯罪捜査は現在「初期段階」にある。

「一般に司法省は、捜査の存在の有無について、確認も否定もその他のコメントもしない」と司法省広報官がTechCrunchに伝えた。

その後Muskは株主と話しあい、会社の非上場化プロセスについて調べたあと、Teslaにとって最善の道は公開企業のままでいることであると確信し、一連の発言(ツイート)を撤回した。当時のTeslaブログの記事から抜粋する:

「私に届いたフィードバックを見たところ、Tesla株主の大半が上場企業であり続けるべきだと信じていることがわかった。また、何人かの機関投資家は、彼らには非上場企業に投資できる金額が制限されるという内部コンプライアンスの問題があることを説明した。そしてほとんどの個人投資家にとって当社が非上場になった場合に株を保有する明確な道筋がない。私が話した株主の大部分は、Teslaが非上場企業になっても株を持ち続けると言っていたが、素直な気持ちは「お願いだからやめて」だった。

TeslaとSpaceXの億万長者リーダーは当時、会社を820億ドル(1株あたり420ドル、借金を含む)で買い戻すつもりであり、そのための資金調達は手配済みだと書いた。後に彼は、資金の提供元がサウジアラビア政府系ファンドであることを明かした。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SpaceXが月の周回旅行に一般人を送り出す計画を発表

Elon Muskの会社からの風変わりなニュースが途絶えて久しい、だがSpaceX がその空隙を埋めてくれた。新しく再デザインされたBFR(Big Falcon Rocket)宇宙船と、もうすぐ名前が発表される乗客を乗せて月の周回飛行を行うことを発表したのだ ―― 一体いつ、実際のエンジニアリングと製作にとりかかれるのかはともかく。

木曜日の夕方のツイートで、SpaceX(明らかにMuskだった)は、「BFR打上げロケットで月の周りを飛行する、世界初のプライベート乗客がサインした」と発表した。

ツイートに添付されたのは、BFR自身のイメージ(上図)で、最後に発表されたものから大きく変わった。かつてはこのような外見だったが:

それが今や、このようなものになった:

旧バージョンもツートーンカラーだった。ISSのある方の図を注意深く見れば分かるが、黒い部分は耐熱性サーフェスである可能性が高い。しかし、今回の新しいものは、翼が大きく伸ばされ上部にも付け加えられたことにより、スペースシャトルをより思い起こさせるものだ。おそらく、クールでスッキリとした2枚翼スタイルは、単純に実用的ではないことが分かったのだろう。大気中での安定飛行のためにはおそらく上部の翼が必要だったのだ。また何らかのフロントスタビライザーに見えるものもある。

エンジンクラスターも異なっている。オリジナルのデザインでは4つのRaptorエンジンを正方形に配置し、2つの小さな「海面レベル」エンジンが着陸のために他のエンジンの間に配置されていた。この新しい図では、7つのRaptorが蜂の巣状(6角形)に配置されている。その理由に関しては想像するしかないが:エンジンが何らかの理由で少しスケールダウンされたか、あるいは7つのスラスター構成の方が、不具合に対してより堅牢であると判断されたのかもしれない。

これは基本的にすべてコンセプト上の仕事なので、これがどれくらい現実的で、どれくらいまでが幻想であるかを言うことは難しい。宇宙船の製造が、まだほんの初期であることを思えば、このような大きな変更が行われたとしても不思議はない。

Twitterのあるコメントは、こうしたものに対して「Tintin的だ(Tintin-esque)」と書いている。紛れもなくそれは、愛されるコミックである”Destination Moon”と”Explorers on the Moon”の中に出てくる、ベルギーのヒーローが搭乗したロケットのことを言っている。

Muskは「意図的にそうしているのさ(“Intentionally so”)」と回答はしたものの、実際の類似点はほとんどない。おそらく、彼は個人による月旅行という概念全体を意味していたのかもしれない。とにかく、Muskは明らかにその漫画のファンであり、何にせよTintinへの言及は彼にとって好ましいものなのだ。

コックピットの後ろの窓は3列から6列に増えているが、これはSpaceXが計画している宇宙船のシートを拡張したことを示唆している。これは乗客に関連する発表の性質に見合うものだ。

そのことについてだが…最初の月周回ツーリストは(米国時間)月曜日の夜のイベントで発表される予定だ。それは誰だろう?おそらく億万長者だ。しかし残念ながら、彼らは長い期間待つことになるだろう。BFRが実際に運用される頃には、宇宙旅行(月周遊はないかもしれないが)はもう何年も続いていることだろう。だから、この勇敢な非常に裕福な人物が、私たちの月へ初めて旅行するときには、それが彼にとってカーマンラインを超える初めての旅というわけではないと思われる。

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(翻訳:sako)

イーロン・マスク、洞窟救出にエンジニアを派遣――地中専門家チーム、土曜にタイに到着予定

昨夜から明け方にかけてのツイートでイーロン・マスクは洞窟に閉じ込められた少年たちの救出のためにSpaceXとBoring Companyのエンジニアをタイに派遣したことを発表した。

洞窟で行方不明になった少年サッカーチーム12人とコーチの救出について、マスクは空気で膨張させるチューブを水中に設置するなどいくつかの案を出していた。SpaceXと特にBoring Companyには地中レーダーやトンネル掘削の専門家が大勢いる。そこで両社からエンジニアのチームを派遣する用意があるとマスクは述べていた。今回のツイートでは「SpaceX とBoring Coのエンジニアは明日タイに到着し、政府の救出努力の手助けができるかどうか検討する。こうした作業には直接現場を観察しなければ把握できない困難が多数あるものと思う」とツイートした。

Boring Companyの広報担当者はこのツイートを確認して次のように書いている。

われわれはタイ政府と援助の可能性について話し合っている。SpaceX/Boring Companyの社員はタイに飛んで現場で救出の手助けに当たる。どんな装備や専門家が必要か確認できればそれに応じて努力する。われわれはチェンライの現場で救出に当っている人々から直接フィードバックと指導を得て助力の方策を検討する。

タムルアン洞窟の遭難者の救出作業は困難を極めており、ついに死亡者を出した。昨夜、タイ海軍SEAL部隊の元メンバーのダイバーが遭難者のもとに物資を運ぶ途中で死亡したことが発表された。

画像:YE AUNG THU / AFP / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SpaceX、NASAの宇宙望遠鏡を軌道に送り出す

SpaceX は、NASAの新しい太陽系外探査望遠鏡を地球高軌道に送り出すことに成功した。今後は月の重力補助を受けて軌道に乗りミッションを開始する。一方、地上ではFalcon 9の第一段ロケットがドローン船 Of course I Still Love Youへの着陸に成功した。

これは今年8回目の打ち上げで、SpaceXがFalcon 9の第一段 —— 人工衛星を大気圏外へと加速させたロケットの一部 —— を軟着陸させたのは計24回目だ。最終的な計画では、落下するロケットを「巨大キャッチャーミット」で捕獲するとElon Muskは言っていたが、ボートに乗ったミットは現在太平洋上にるが、今回の打ち上げは大西洋だった。

The rocket shortly after landing on Of Course I Still Love You. The ship’s feed cut out when the rocket landed.

回収したロケットは検査、再調整の後に、次のISS再補給ミッションで再利用される予定だ。しかしこの世代のFalcon 9は近々使い果たされる。SpaceXは第5世代のFalcon 9(ブロック5)をまもなく打ち上げる。これまでの2~3回よりも多く利用できるように再利用性を改善するためにさまざまな工夫がなされている。新世代ロケットの最初の打ち上げは来週計画されている。

2段目の噴射も無事に進みTESSは軌道に乗った。あとは月から必要な重力アシストを得られるようにNASAが軌道を微調整するだけだ。多少時間はかかるが、その後(数週間から数カ月以内)人工衛星からデータがやってくる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

超機密衛星Zumaの失敗はSpaceXに責任なしと米政府も結論――ペイロードアダプターの不具合だった

今日(米国時間4/9)のWall Street Journalの報道によれば、今年初めに軍事衛星Zumaの打ち上げが失敗した問題で、アメリカ政府は打ち上げを実施したSpaceXに責任はないと判断した模様だ。Zuma衛星はFalcon 9に搭載されて発射されたものの、軌道投入に至らず太平洋上に落下して破壊された。

Zuma衛星の目的その他の詳細はきわめて高度な秘密事項でうかがい知ることができないが、 この衛星の開発費用は35億ドルにも上っていたという。発射のもようは通常どおりライブで広く公開されたが、ペイロードは厳重に秘匿されていた。情報源によれば、2つの異なるアメリカ連邦政府機関が調査を行い、それぞれが失敗の原因はペイロード・アダプターにあったと結論した。ZumaをFalcon 9の2段目にセットするアダプターを改造したのは衛星を開発したノースロップ・グラマンだった。

記事によれば、このペイロード・アダプターは無重量状態では所定の作動ができなかったという。

ノースロップ・グラマンはペイロード・アダプターを下請け業者から購入し、同社で大きな改造をした。事情に詳しい人物によれば、同社の3回の地上試験ではいずれも正常に動作していたという。しかし衛星軌道に達した後、無重量状態になるとアダプターはペイロードをロケットから切り離すことができなかった。

情報源によれば、衛星のセンサーは状態を適切に地上に送信できなかったため、当初、地上では重大な問題が発生していることが認識できなかったという。2段目の高度が低下し大気圏に引き戻される軌道になって始めて地上では衛星がロケットからの切り離しに失敗していることが判明した。衛星は最終的に2段目から放出されたたが、ときすでに遅く、失敗回復のすべがない高度にまで落下していた。

Falcon 9による打ち上げの成功の中にもかかわらず、Zumaの切り離しが失敗したことは目立ったいてが、u衛星自体の機密性のためにこれまで詳しい状況は明らかにされていなかった。SpaceXのロケットは過去にはなばなしい失敗を何度か繰り返しており、信頼性に対する公衆のイメージは必ずしも高くない。そのため同社は事故後「Falcon 9の作動は万全だった」と発表し、同社のテクノロジーに原因があったのではないかという憶測を否定した。

その後、Zumaの失敗はSpaceXのせいではないとする報道が相次いだ。政府による公式の調査も同様の結論に達したようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SpaceX、Dragon補給船打ち上げ成功――ISSから故障したロボットを持ち帰る予定

先ほどSpaceXはCRS-14ミッションを開始し、Falcon 9によるDragon補給船の打ち上げに成功した。これは国際宇宙ステーションに対する14回目の物資補給で、再利用されたDragonはISSに物資を補給した後、故障したロボット、Robonaut 2を持ち帰る予定だ。

今回のDragon補給船が宇宙に出るのはこれが2回目だ。最初の飛行は2年前のCRS-8ミッションだった。 Falcon 9ロケットも再利用だが、今回の飛行が最後となる。つまりブースターの回収は行われない。

補給物資には食品など生活必需品の他に 興味深い科学実験設備が含まれている。ASIM( Atmosphere-Space Interactions Monitor)は大気と宇宙の相互作用を観測して雷発生のメカニズムの解明に役立てようというものだ。スプライト、エルブ、ブルージェットなどと呼ばれる上層大気で強い光が放たれる現象が観測されている。これはすべて高圧放電だという。

エルブ、レッドスプライト、ブルージェット等の発生する高度

また宇宙における加工テクノロジーに期待が集まるなか、新型のHP 3Dプリンターも宇宙ステーションに運び込まれる。マイクログラビティ(微小重力)状態を利用した積層プリンティングの実験が行われる予定だ。

生理学の分野でも各種の薬剤の代謝にマイクログラビティがどのように影響するかモニターする実験が行われる。また植物の生育に関する影響も調査される。

Dragon補給船はISSに1ヶ月ほど結合され、慎重に物資の搬入、搬出が行われる。故障したRobonaut 2は数年前からISSで運用実験が行われてきたが、最近このロボットにいくつかの不調が発見された。日曜日のNASAの記者会見によると科学者は回路のショートなどの電気的不具合を疑っているという。

しかしISSに修理のためのツールも時間もないため、Robonaut 2は地上に帰ってメンテナンスを受けることになった。ロボットは1年程度後に再び宇宙に向かう。その間、宇宙ステーションには多少余分の空間が生まれる。

画像:NASA

トップのビデオでは14:30からミッションの説明があり、19:50で打ち上げとなる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

FCC、SpaceXの衛星ブロードバンド計画を承認―― 4425個の小型衛星で世界をネットワーク

数千個の小型衛星のネットワークで世界的ブロードバンド網を建設するSpaceXの計画にFCC〔連邦通信委員会〕が承認を与えた。しかもこの計画は(少なくとも宇宙計画の一般的スピードでいえば)近々実行に移されるはずだ。承認された計画によれば、SpaceXは向こう6年間に計画されている衛星の半数を打ち上げることになっている。

FCCのAjit Pai委員長が先月メモを発表して、アメリカ企業による世界初の衛星による地球規模のブロードバンド網を建設する計画の称賛したため、SpaceXの提案がFCCから承認されることは確実になっていた。無論この称賛にイーロン・マスクも異議を唱えていない。

SpaceXのCOO、Gwynne ShotwellはFCCの承認に関連してTechCrunchに次のようなコメントを寄せた。

われわれはSpaceXの衛星ブロードバンド計画をFCCが詳細に調査した上で承認したことを喜んでいる。きわめて複雑な計画であるため、今後なすべきことは数多いが、FCCの承認はSpaceXが次世代の衛星ネットワークを建設する上できわめて重要なステップだった。このサービスは経済的であり、信頼性が高く、重要な点として現在インターネットに接続する手段を持っていない人々を結びつけるために特に役立つものとなるだろう。

Starlinkと呼ばれるSpaceXの計画は、OneWeb、Spireなど他の衛星事業者から反対を受けていた。単に事業のライバルが増えるということ以外に、何千個もの衛星が軌道と電波の帯域を混雑させることに対する懸念だ。

SpaceXのインターネット衛星網:FCCへの申請書から

たとえばOneWebは、SpaceXの衛星軌道は自社の衛星から高度にして125キロ以上離すべきだととしている。もちろん衛星間の干渉を防ぐ必要はあるが、それにしてもこれほどの距離が必要かどうかは疑わしい。

しかし軌道上に散らばるスペースデブリを極力減らすべきだという点はFCCによっても留意された。【略】SpaceXとしては計画を実行に移す前にさらに研究を続ける必要がある。

しかも問題は早急に解決する必要がある。FCCはSpaceXに対して「急がないなら承認を再検討する可能性もある」としている。FCCでは2024年3月29日までに計画している衛星の50%を打ち上げるよう求めている。【略】SpaceXでは最終的に1万2000基の衛星によるネットワークの構築を計画しているが、今回承認されたのは軌道高度が高い4425基の分だ。残りの衛星は高度と使用する周波数帯が異なるため別個の承認を必要とする。

Falcon 9がStarlink衛星を実験打ち上げ。2月22日

なおFCCのRosenworcel委員は、委員長のものとは別の声明で宇宙の商業利用に関するFCCの諸規制を根本的に見直す必要があると述べている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Elon Muskが自分とSpaceXとTeslaのFacebookページを#deletefacebookに賛同して削除

Elon Muskは、自分の会社であるSpaceXにFacebookのページがあることを知らなかったようだ。SpaceXとTeslaのCEOは、#deletefacebook運動を支持するために自分とSpace XとTeslaの公式ページを取り下げろ、というTwitter上の呼びかけに応えて、最初に、その存在を知らなかったと述べ、それに続けて、それらを本当に取り下げる、と約束した。

彼はその言葉を実行し、今日の早朝まであったSpace XのFacebookページは、今やない。下図のスクリーンショットは、12:10 PM ETに撮られたものだ。

私がこの記事を公開した時点(米国時間3/23朝)では、これらのページを開こうとすると“Sorry, this content isn’t available right now”というメッセージが出るだけだ。MuskがTwitter上で指摘されてから約20分後だから、早い!

Twitter上でMuskは、Instagramを使いすぎだ、とも言われた。Facebookは、Instagramのオーナーでもある。この多産な起業家によれば、Instagramは“ボーダーライン”だったそうだ。それは彼によると、Facebookの影響の波及がゆっくりだったからだそうだが、とにかくInstagram上のプレゼンスは維持する気らしい。

削除の前にSpace XとTeslaのページは260万あまりのLikesとFollowsがあり、エンゲージメントのレートも超高い。Muskのソーシャルメディアを管理している担当社員は、泣きながら削除をしたのではないか。

続報あり…

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ボウイのLife on Mars?をBGMにFalcon Heavyが宇宙へ――メインブースター回収失敗映像も

先月のFalcon Heavyの打ち上げを見た人も見損なった人々もこの短いビデオクリップは興味深いだろう。イーロン・マスクのTeslaと宇宙服を着たStarmanが準備されるようすから、ロケットの搬出、打ち上げ、さらにはブースターの回収まですべてがプロの手によってビデオ化されている。

デヴィッド・ボウイのLife on Mars?をBGMにした2分のクリップにはダミー・ペイロードの搭載、ハンガーから引き出されるロケット、オンボードカメラで撮影されたTeslaとStarman、青い地球、惜しくも海中に落下するメインブースターなど数々の貴重なシーンが散りばめられている。

Falcon Heavyのテスト飛行を詳しくウォッチしていた視聴者にもこのビデオは初めてみるシーンがたくさんある。特にFalcon HeavyのメインブースターがSpaceXの自動航行艀をニアミスして大西洋に巨大なしぶきを上げる部分が公開されたのはこれが最初だ。多数の重要な場面が目まぐるしいほどのスピード描写されている。

自動航行艀からの映像はリアルタイムでは公開されず、SpaceXは記者会見の場で洋上回収が失敗に終わったことを発表した。ブースターが直近に落下したため艀のスラスターが損傷したという。

上にエンベッドした『ウエストワールド』のプロデューサー、ジョナサン・ノーラン製作のビデオの終わり近くで2基のサイドブースターがシンクロして着地する。これはFalcon Heavyのテスト打ち上げというミッション全体をよく象徴するものだろう。SpaceXにとって完璧に近い成功だった。

〔日本版〕ビデオの最後の場面はグリーンの表示で *Made on Earth by humans*(人類によって地球で製作された)と記されている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SXSWにイーロン・マスクがサプライズ登場――宇宙旅行のビジョンを語る

TeslaとSpaceXの共同ファウンダー、イーロン・マスクは、HBOのSFスリラー、Westworld,(ウエストワールド)をテーマとしたSWSXのパネルディスカッションに突如現れて喝采を浴びた。 テレビ・ドラマのシリーズの共同製作者、ジョナサン・ノーランの紹介でステージに登場したマスクに聴衆は「イーロン、アイラブユー!」と叫んだ。

ステージでマスクは宇宙旅行の素晴らしさについて語った。 Teslaを宇宙に送れたことについて「こういう時代に生まれたことに幸運を感じる」と述べた。マスクはまず現代の社会で不幸な出来事が無数に起きていることを認めた。

「世界中で恐ろしいことが毎日起きている。解決しなければならない問題が数多くある。意気阻喪させられるような悲劇だらけだ」とマスクは言う。

「しかし悲惨な問題をひとつずつ解決していくことだけが人生ではない。人生には自分を奮い立たせるような目標が必要だ。毎朝目を覚ましたときに人類の一員であることに喜びを感じられるような目標だ。これがわれわれが目標としていることだ」

マスクはSpaceXが最近、Falcon Heavyの発射に成功したことについて触れた。Falcon 9にブースターをさらに2基追加した大型ロケットはダミーのペイロードとしてマスクの愛車のチェリーレッドのTeslaとSpaceXが開発した宇宙服を来たマネキンを搭載していた。

またマスクはロシアの科学者で宇宙旅行の父と呼ばれるコンスタンチィン・ツィオルコフスキーに深い感謝を表明した。ツィオルコフスキーは「地球は人類のゆりかごだ。しかし人類はずっとゆりかごに留まってはいないだろう」述べたことでも知られる。

マスクは「人類は宇宙に向けて飛び立ち、そうすることによって認識の枠組も変えていかねばならない」というツィオルコフスキーのビジョンを知って興奮したことを述べた。

「うまく表現できないくらい興奮した。生きていてよかったと思った。皆さんも同様であってほしい」

ジョナサン・ノーランとウエストワールド・シリーズの共同製作者、リサ・ジョイは以前、Falcon Heavyの打ち上げを紹介する短いビデオを製作したことがある。このビデオはマスクのInstagramからアクセスできる。

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画像;Photo by Amy E. Price/Getty Images for SXSW/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SpaceX、フェアリングの洋上ネットキャッチに惜しくも失敗――Falcon 9による衛星打ち上げは成功

Falcon 9で複数の衛星を打ち上げる今日(米国時間2/22)のミッションは成功したが、SpaceXはペイロードのフェアリングを洋上でキャッチするのには惜しくも失敗した。

機敏に操縦できる回収船、Mr. Stevenの後甲板に巨大なアームを設置し、ネットを張り渡してパラシュートで降下してくるフェアリングを捕獲しようというのが当初の計画だった。わずか数百メートルの距離だったが、フェアリングは標的から外れて海中に落下した。しかしその後フェアリングは無事に海中から引き上げられたという。

SpaceXのCEO、イーロン・マスクはFalcon 9の打ち上げ直後に、フェアリングをキャッチしようと試みているとツイートした。フェアリングにはパラシュートが装備され、艀がキャッチできる程度のスピードで降下させる計画だった。パラシュートは予定どおり作動した。

これまでのSpaceXのフェアリング回収の努力は部分的な成功だった。大気中を飛行する際にペイロードを保護するフェアリングは宇宙に出たところでロケットから分離し、地表に向けて落下する。前回は(今日同様)海中に落下し、SpaceXはそれを船上に拾い上げていた。艀上のネットで捕獲すれば海中から回収する手間が省ける上にフェアリングに対するダメージも少ない。しかしこのネットによるキャッチは今回のミッションでいちばん困難な部分でもあった。

数百メートルの差でミス。 しかしフェアリングは無事着水。もう少し大きいパラシュートで降下速度を減らせばキャッチできるはず。 ― イーロン・マスク

フェアリング回収にこだわる理由はコストだ。フェアリングは600万ドルの部品で、Flcon 9を使い捨てで打ち上げるとした場合のコストの1割を占めるという。フェアリングを回収して繰り返し利用できるようになれば大幅なコスト削減につながる。SpaceXではロケットのほとんどあらゆる部分を再利用し、宇宙に出るコストを劇的に低下させることを目指している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+