FacebookがZoom対抗のグループビデオチャット「Messenger Rooms」を世界展開へ

Zoomはもともとソーシャルネットワークとなることを目指したアプリではなかった。しかし企業がリモートワークを余儀なくされ、自宅から友人や家族とビデオでいっしょに過ごしたいと考える人々も急増したため、このところZoomの機能にはソーシャルな側面が強まっている。

米国時間5月14日、FacebookはZoomに対抗してスタートさせたソーシャルビデオのMessenger Roomsの公開を世界の全ユーザーに拡大する。 このグループビデオチャットはMessengerと同じく利用は無料、最大50人の参加者をサポートし通話時間は無制限だ。Messengerのビデオ機能の急速な拡大は最近Facebookグループ全体でビデオチャットのトラフィックが巨大化したことを背景にしている。またFacebookが本体とInstagramのホーム画面に「ライブ動画」のセクションを作って積極的にプッシュする成長戦略の一環でもある。

Messenger Roomsはドロップイン(随時参加)のビデオチャットだ。つまりFacebookのメンバーがMessenger Roomを作成すると友達(の一部)はニュースフィードの専用セクションやプッシュ通知で知ることができる。Facebookがこの機能を発表したとき説明していたとおり、今後はInstagramのダイレクトメッセージやWhatsAppやPortalデバイスからも参加し、通話を開始できるようになる。Facebookグループのサービスを横断するソーシャルなビデオチャンネルとなるわけだ。

現時点では、ユーザーはMessengerまたはFacebook本体のアプリから通話を開始することになる。通話先としてはFacebookアカウントを持っていないユーザーを招待することもできる。

FacebookのCEOであるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は、最近の決算報告で、「ここ数週間でグループビデオチャットの利用時間は1000%増加した」と語っている。Facebookの本質と画面共有機能がない点を考えると新機能が企業ユースに大きくスケールアップししてZoomのビジネスの中心的部分を奪うことになる可能性は低いだろう。数ヶ月前からショートビデオやビデオチャットは業界でももっともホットな話題となっている。Messenger RoomsはZoomやTikTokなどに流れたビデオ会話を奪い返すための大規模なサービスという性格だと思われる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Zoomアプリコンテストで議題・議事録作成プラットフォームのDocketが優勝

ZoomはアプリのMarketplaceのコンテストDocketを勝者と決定した。Docketはオンライン会議の生産性をアップすることを目的として2019年1月に設立されたスタートアップだ。 同社によればリモートであれ対面であれ会議の70%以上が事前に議題が参加者に周知されないまま開かれてきたという。

Docket はすべての会議で主たる議題が周知される必要があったと考えている。このアプリでは議題を作成してメンバーと共有できるだけでなく、議事録を取り、何が決定されたのか関係者と共有することができる。Docketにはタスクマネージャ機能があるので、会議が終了した後、参加者は何をなすべきかこのツールを使って管理できる。

Docketはアーカイブ機能があり、会議別に議事録、決定事項、To Doリスト、メモなどを保存できる。ユーザーは後から必要に応じて情報を検索、確認し、また個々の会議の有効性を評価できる。

Docketは、Evernote、Slack、それにもちろんZoomと統合できる。例えばDocket Bot for Zoomを使用すると、Zoomの多彩な機能がすべて利用でき、トップ画像のように議題を事前周知できる。また会議中に参加者が追加するるメモはZoomチャットに直接表示される。参加者はZoomチャットから離れることなく共同でメモを取ることができる。

またDocketはZoomの文字起こしと録音を取得し、Docketの会議資料に添付する。参加メンバーは会議後にどういう決定がなされたのか、文字通りの表現を検索できる。

Crunchbaseのデータによれば、Docketはスタートアップ・スタジオのHigh Alpha、Simon Equity Partners、Elevate Ventures、Allos、Venturesから 150万ドル(約1億6000万円)のシード資金を調達している。また Zoomの最大の投資家であるEmergence Capitalは、2015年にHigh Alphaに投資している。

ZoomのMarketplace Appコンテストは2019年10月にZoomtopiaで発表され、勝者はZoom自身とEmergence、Horizons Ventures, Maven Ventures、Sequoia Capitaなどの投資家によって選ばれた。

Docketはこれらのベンチャーキャピタルからの最大200万ドル(約2億1500万円)の資金提供とZoomのプロダクトの責任者からのコンサルティングを受ける。またこのZoomにはDocketの開発を優先的にサポートしていくという。副賞としてDTEN のD7 55インチオールインワンのタッチボード、3年間のZoom Roomsライセンスと10人分のZoom Proライセンス3年ぶんが贈呈される。
docket
Docket以外の最終予選通過者は、AmbitionBloomDiscuss.ioFridayiScribeHealthPledgelingSessionSocial27Tiledの各チームだった。これらファイナリストには、Logitech(日本ではロジクール)の好意により、ビデオ会議キット「Logitech Pro Personal Video Collaboration Kit」(パーソナル・ビデオ・コラボレーション・キット)が贈られた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Zoomのセキュリティ顧問が暗号技術開発のKeybaseを買収した狙い

Zoomはセキュリティ上の弱点を修正するために同社の創業者でCEOであるEric Yuan(エリック・ユアン)氏直属のコンサルタントとして元Facebookのセキュリティ専門家だったAlex Stamos(アレックス・スタモス)氏と契約した。Zoomに明確かつ首尾一貫したセキュリティ戦略を与えることが目的だった。

ビデオ会議をエンドツーエンドで強固に暗号化することがスタモス氏のアドバイスの1つであり、これが米国時間5月7日朝に発表されたKeybaseの買収として実現した。

【略】

スタモス氏はこの買収の背景や意図に対するTechCrunchの取材に「実はZoomが望んでいたようなレベルのエンドツーエンドの暗号化プロダクトは誰も作っていなかった。つまりZoomに導入してサービスを暗号化できるような既成のプロダクトは市場に存在しなかった。Zoomがエンタープライズ向けビデオチャットを暗号化しようとするならゼロからスタートしなければならなかった」と語った。

ZoomがKeybaseを選んだのはファイルやチャットの暗号化で同種の問題に十分経験を積んでいるからだった。このエンジニアチームならZoomの問題解決にすぐに役立つと考えたわけだ。

【略】

現在進行中のプロジェクトなのでKeybaseによる暗号化がいつ一般に利用できるようになるか、正確な期日はまだ分からない。しかしスタモス氏はZoomは5月22日に暗号化計画の概要を発表する予定だと述べた。この概要をたたき台として広く意見を求め、設計を最終決定するという。

当初の目標は、エンドツーエンドの暗号化の採用によりセキュリティを確保したZoomミーティングの新しいバージョンをリリースすることだという。 暗号化はまずZoomクライアントあるいはZoom対応ハードウェアを使用している場合のみ利用できるようになる。つまり外部からその場でミーティングに参加してきた相手とのコミュニケーションを暗号化することはできない。

KeybaseがZoomに買収されたことでKeybaseのプロダクトの今後について懸念を抱く必要はないとしてスタモス氏は「Keybaseの暗号化のセキュリティで重要なのは誰がサーバーやシステムを所有しているかによって信用度が変わることはないという点だ」と述べた。

画像:TechCrunch

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Zoomが暗号技術開発のKeybaseを買収、セキュリティ強化で教育・公的機関の信頼を取り戻せるか

米国時間5月7日朝、Zoomは暗号技術を専門とするスタートアップであるKeybaseを買収したことを発表した。買収金額は明らかにされていない。

Keybaseはすでに数年前から安全な情報共有や共同作業のための暗号化プロダクトを開発・提供している。 この買収はパンデミックによるZoomの急激な成長にともなうセキュリティ上の欠陥を修正し、信頼性を向上させるのに寄与するかもしれない。

Zoomはニーズの急増にともない、プラットフォームの多数のセキュリティ上の弱点が露呈し、公的機関での使用禁止訴訟に直面してきた。同社はこの問題に全力で取り組んでいるが、社内に暗号専門家チームを置けるならプロダクトのセキュリティを高めるはずだ。

5月7日朝のZoomブログでCEOのEric Yuan(エリック・ユアン)氏は「Keybaseを買収した目的はユーザーにさらに高いレベルのセキュリティを提供するためだ」と述べている。新型コロナ危機により多くの業務がリモートワークで自宅から処理されるようになるにつれ、企業ユーザーにとってセキュリティは従来以上に重要性を増している。

ユアン氏はブログに次のように書いている。「この買収はZoomにとって非常に重要なステップだ。われわれは十分にプライバシーが確保された本物のビデオコミュニケーションのプラットフォーム実現しようと努力している。多様なユースケースに対応する柔軟性を維持しつつ、数億人規模にスケールアップできるようにすることが目標だ」。

ユアン氏は「Keybaseの暗号化機能が製品に組み込まれ次第、有料ユーザー全員が利用できるようになる。Zoomは、すべての有料アカウントにエンドツーエンドで暗号化されたミーティング・モードを提供する。ログインしたユーザーはZoomのリポジトリに保存した公開暗号鍵によるIDを利用してミーティング参加者間のコミュニケーションのセキュリティを確保することができる」と書いている。

この買収ではKeybaseはZoomの子会社となり、Keybase共同創業者のMax Krohn(マックス・クローン)氏はZoomのセキュリティチームに責任者となる。クローン氏はユアン氏の直属としてセキュリティ機能全般の開発の指揮を取る。Keybaseの24人ほどの社員はZoomに移籍する。社員の大部分はセキュリティを専門とするエンジニアだ。

現在提供されているKeybaseのプロダクトががどうなるかはまだ明らかではない。Keybaseでは「Zoomはこの問題を理解しておりKeybaseと共同で解決の方法を探っている」と述べた。

Keybaseは2014年に設立されたスタートアップでCrunchbaseのデータによれば1100万ドル(11億7000万円)弱のベンチャー資金を調達している。

画像:Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

十代女子に人気の画面共有アプリ「Squad」はZ世代向けZoomを目指す

Zoomは従業員がバーチャルで会うために作られた企業向けソフトウェアであって、ロックダウンで分断された世界を導くソーシャルプラットフォームを意図したものではなかった。

十代女子に人気のモバイル画面共有アプリのSquadは、新型コロナウイルスの影響による自宅待機で利用が急増していることを受けて、デスクトップウェブ版を公開した。テレビや映画を一緒に見ながらおしゃべりができるようにすることで、Zoomの成長の一角を崩し、アプリを幅広くアピールしようとしている。

自宅待機によって消費者をターゲットとするスタートアップの多くが苦戦する中、Squadはティーンが家に閉じ込められて友達と会えないため記録的な成長を遂げている。CEOのEsther Crawford(エスター・クロフォード)氏によると、3月前半の2週間で同社プラットフォームの利用は54%増加した。ロックダウンが長引き学校が完全にリモートに移行すると、Squadの利用は爆発的に増え、3月後半の2週間では1100%の増加となった。

Squadは、友達がスマホで見ているものをバーチャルで一緒に見るソーシャルプラットフォームとして設計されている。モバイルで最も多い使い方は、ティーンがTikTokの動画を一緒に見るというものだ。クロフォード氏は、モバイルアプリはユーザーが短いコンテンツを一緒に見ることで成功したが、新しいデスクトップのウェブアプリでは長いコンテンツをゆっくり見ながらおしゃべりしてほしいと語る。

これほど離れていなくてはならないことは、かつてなかった。クロフォード氏は、この時期に若いユーザーたちがSquadのプラットフォームでつながりを持ってほしいという。

「世界中で孤独はすでに蔓延していた。Z世代(1990年代後半〜2010年ごろに生まれた世代)にとっては特に深刻だ。新型コロナウイルスがこの傾向に拍車をかけたと思う」(同氏)。

Squadの新しいデスクトップアプリの目玉は、Netflixなどのストリーミングでテレビ番組や映画を一緒に見られる機能だ。これまでのSquadでは、これはできなかった。

不正な視聴を防ぐため、ほとんどの有料ビデオモバイルアプリでは画面共有機能は無効になっている。画面が真っ暗になって、Squadのようなアプリでビデオを友達と共有することはできない。大手のプラットフォームはこれまで、この点には目を留めていなかったようだ。デスクトップブラウザにはこのような制限はなく、デスクトップのSquadユーザーは1人のユーザーのアカウントからストリーミングしてブラウザでプレミアムコンテンツを一緒に見ることができる。

デスクトップインターフェイスのクイックコントロールから、YouTubeのビデオやTikTokのほか、Pluto TVの無料コンテンツをすぐに再生できる。

Squadはこれまでと同様に親しい友達づきあいを主眼としていて、グループは最大9人に制限されている。少人数のグループなので、Zoomが直面しているような問題は少なくて済み、またNetflixやHuluから怒りを買うことを回避できるかもしれない。

Squadはソーシャル画面共有でZoomの優位に立とうと狙っているが、クロフォード氏は職場向け製品としてZoomに対抗しようとしているわけではない。Squadがすでに一部のデザイナーやPMのツールになっていて、妥協しながらモバイル版のアプリを使っていると聞いているにもかかわらず、だ。

「我々が法人分野に進出しビジネス向けのSquadを作ったとしたら、それは単なる分散になるだろう」と同氏は語る。

Squadは2019年にシードラウンドでFirst Round Capitalから500万ドル(約5億3500万円)を調達した。クロフォード氏は筆者に対し、最近、広範におよぶ経済の先行き不安に対処するために追加の資金を若干調達したと述べた。同社はこれまでに720万ドル(約7億7000万円)を調達している。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Zoomが新型コロナによる需要増対応でOracleを選択するという驚きの結果

Zoom(ズーム)は飛躍的な成長に伴う問題を解決すべく、クラウドインフラベンダーを探していた。驚いたことに、同社はOracle Cloud Infrastructure(オラクル・クラウド・インフラストラクチャー)を採用した。同社はまた、AWSとAzureの活用も暗に示した。

パンデミックにより世界の大部分が閉鎖されると、Zoomは普段使いのビデオ会議サービスになった。Zoomを使用したビデオ会議が普及し、アクティブユーザー数は2月の2億から3月は3億まで増えた。この成長がインフラに少々負担となり、Zoomは明らかに能力を増強する必要があった。

驚いたのは同社がOracleを選択したことだ。Oracleは2月に行われたSynergy Researchの最新の調査で、インフラの市場シェアの点でニッチプレーヤーとして位置づけられていた。Amazon、Microsoft、Google、さらにはIBMなどの市場のリーダーからは、かなり水をあけられている。

CRM Essentialsの創業者であるBrent Leary(ブレント・リアリー)氏は、これはZoomが中小企業の市場にとどまらず、広く法人顧客を支援できることを示す動きだと見ている。そして法人顧客のニーズの内容も問わない。

「ZoomがOracleを採用したのは、クラウド内のOracleハードウェアで動くOracleデータベース上に構築されたミッションクリティカルなアプリに関して実績があるからだと思う。Zoomは、中小企業が通常必要とする規模を超えたスケールとデータセキュリティでも扱えることを法人顧客に証明する必要がある」とリアリー氏はTechCrunchに語った。

さらにリアリー氏は、OracleがAmazonやMicrosoftのようなライバルに勝つためには人気企業を取り込む必要があったため、Zoomに良い条件を提示したのかもしれないと推察した。

注目すべきはCNBCが2週間前に報じた内容で、Oracleの会長であるLarry Ellison(ラリー・エリソン)氏がZoomは他社だけでなくOracleにとっても「不可欠なサービス」だと述べた。後から見れば、同氏にとってご褒美ともいえる顧客を賞賛したのは偶然ではなかったということだ。

AmazonのChime、GoogleのHangout、MicrosoftのTeamsのすべてと競合するプロダクトであることを考えると、そうした潜在的なライバルからZoomを遠ざけることと関係しているのではないかと推測する向きもある。ただし、Zoomがこの危機で成し遂げたのとは異なり、競合のプロダクトはオンライン会議の代名詞にはならなかった。

Zoomは昨年上場した。会社の規模拡大に伴い一連のセキュリティー問題も大きくなったものの、テレビ会議市場では引っ張りだこになっている。セキュリティー問題には現在なお対応中だ。

株式市場は明らかに今回の選択に感銘を受けていない。この記事執筆時点で株価は3.38%または5.56ドル下がっている。

画像クレジット:Olivier Douliery / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

Zoom会議のリアルタイム文字起こし機能をOtter.aiが提供

リアルタイムで音声から文字起こしをするサービスのOtter.aiが、在宅での学習や勤務に役立つ新しい機能を追加する。同社はZoomと統合して「ライブビデオ会議メモ」を提供開始した。ビデオ会議からライブでインタラクティブな文字起こしをして、記録と表示をする機能だ。

Otter.aiによれば、この機能は会議の参加者がヘッドセットやイヤフォンを使っても動作するという。

ライブビデオ会議メモを利用するには、会議参加者がZoomのウインドウの上部にあるLIVEメニューから「Otter.ai Live Transcript」を選択し、Otter.aiにログインする。ライブ文字起こしの開始や停止の操作をする必要はなく、自動で開始し停止する。Otterのライブ文字起こしは、モバイルのZoomアプリでも動作する。

会議が終わったら、ユーザーは文字起こしを見直して、ハイライトやコメントをつけたり写真を追加したりすることもできる。

この機能を利用するには、Otter for TeamsとZoom Pro以上のサブスクリプションが必要だ。会議を主催するのに必要なOtter for Teamsのサブスクリプションは、1ユーザー、1カ月あたり20ドル(約2100円)、最低3ユーザーからで、支払いは1年分となる。関心があれば「OTTER_RELIEF」のコードを使うと2カ月間無償で試用できる。

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受けて企業が可能な限り在宅勤務に移行しているこの時期に、オンライン会議の文字起こし機能が提供されることになった。在宅勤務のため、ビデオ会議アプリの利用は急激に増加している。

Otter.aiにも、新型コロナウイルス感染拡大による変化が生じている。

Otter.aiの創業者でCEOのSam Liang(サム・リアン)氏によると、Zoom会議でのOtterの利用はここ数週間で5倍以上になり、リモートワーカーや在宅学習をしている学生のサインアップが増えているという。

Otterの文字起こしは、ウェブ会議の参加者にとって便利なツールというだけでなく、出席できなかった人が内容を知るのにも役立つ。今の時期、人々は仕事、健康管理、育児、子供の学習のサポートを抱え、会議に出席できないのはよくあることだ。

これまでにOtterでは2500万回、7億5000万分間以上の会議の文字起こしに使われてきた。同社はユーザー数や売上を明らかにしていないが、リアン氏はTechCrunchに対し、同社の年間売上は2019年末以降のおよそ4カ月の実績ベースで倍増が予想されると語った。同社はまだ黒字化していないが、今回のZoomとの統合のような機能があれば無料ユーザーは有料プランに移行するかもしれない。

リアン氏は統合に関する発表の中で「新型コロナウイルス感染拡大によりバーチャル会議が急増し、オフィスやバーチャルでの会議では従業員の生産性のために高品質の会議メモが欠かせないと認識されるようになった」と述べた。

これまでにもOtter.aiはZoomと連携しており、今回の新機能はそれに続くものだ。これまでの機能は、ビデオ会議ソリューションにOtterのテクノロジーをライセンスし、会議後に文字起こしをするものだった。これを利用できるのは会議終了の1〜2時間後で、今回の新機能のように会議中にリアルタイムで文字起こしを表示できるものではなかった。これまでの機能では、起こした文字にハイライトをつけたりコメントを残したりすることもできなかった。

しかも、会議後の文字起こしサービスはZoom Businessユーザー専用だったが、今回の新機能はZoom Proユーザーも利用できる。

Otter.aiは、Zoomの新機能は複数のビデオ会議との統合の1つであるとしているが、今後対応するZoom以外のサービスについて詳細は明らかにしていない。

Otter.aiは2020年1月に新たな戦略的投資家のNTTドコモから1000万ドル(約10億6900万円)を調達した。これまでに同社はFusion Fund、GGV Capital、Draper Dragon Fund、Duke University Innovation Fund、Harris Barton Asset Management、Slow Ventures、Horizons Venturesなどから2300万ドル(約24億5800万円)を調達している。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Facebookのソーシャルビデオチャット機能Roomsの実力をチェック

FacebookはこれまでもZoomのギャラリービューやHousepartyのビデオチャットをサポートしてきたが、このほど独自のビデオ・ミーティングとしてRoomsをスタートさせた。これはあらかじめ日時を設定しないインスタントなつながりの時代にふさわしいビデオサービスとなる。

Facebookの発表によれば、Roomsはモバイル、デスクトップの双方をサポートし、まず英語圏でスタート。Roomsがカバーする地域ではニュースフィードの上部に新たにRoomsのセクションが追加された。またFacebookは選定した親しい友達にRoomsが開始されたことを通知する。特定の友達を招待したり、「リンクを知っている全員」がRoomsに参加できるリンク作って共有することもできる。

現時点では8人まで参加可能だが、数週間以内に50人までに拡大される予定なので、ビジネスでも大がかりなリモート飲み会などの場合でも有力なZoomの代替手段になるだろう。ユーザーはすぐにInstagram、WhatsApp、またPortalデバイスからRoomsを作成して検索可能にできる。またさらに重要な点としてFacebookのアカウントなしでブラウザから参加できるようになる。こうなればFacebookとして初めての全てのプラットフォームで相互運用可能なサービスとなる。

FacebookのMessengerの責任者であるStan Chudnovsky(スタン・チュドノフスキー)氏はTechCrunchのインタビューに対して「人々はもっと一緒の時間を過ごしたい思っている。」と述べた。1対1ないしグループでのビデオ通話はすでに提供され人気を集めている。しかし、「パンデミックの突発ですべてが変わった。我々は以前から人々がいつでも好きなときにビデオで会話できるようにするための計画をいろいろ持っていた。しかし新型コロナウイルスのために計画を加速しなければならなくなった」 のだという。Roomsには今のところ広告その他の直接的な収益化の計画はない。しかしこのプロダクトの提供はFacebook人々の生活の中心に置き続けるために役立つだろう。

ニュースフィードのトップの非常に目立つ位置にRoomsのタブを設置したことでもFacebookがこのプロダクトを非常に真剣に考えていることがわかる。Roomsをスタンドアロンアプリにすれば島流しにあったようなもので見つけにくくなったに違いない。アルゴリズムで表示が選択されるニュースフィードに組み込めば即時性が損なわれただろう。Facebookはそうした方法をとらず、モバイルアプリの場合、ニュースフィード記事をスタート画面からほぼ完全に押し出す結果となってもRoomsとストーリーに大きな表示面積を与えた。これを見てもFacebookが即時性と一時性の高い共有を重視しているのが明らかだ。

Facebookはビデオに全力を傾注

Facebookは歴史的に1対1ないし1対多のコミュニケーションを本質としていたため、多対多の分野では力不足だった。Roomsのリリースはこの点を補うためにデザインされており、同様の目的で既存プロダクトへのビデオ機能の追加もすでに多数行われている。WhatsAppでは現在1日あたりの音声およびビデオ通話の利用者は7億人、 FacebookとInstagram Liveのビデオのユーザーは8億人となっている。Facebookはすでに1人が多数のフィードを見る分野のリーダーであり、1人が多数に向けてライブストリーミングする分野でも急上昇中だ。しかしチュドノフスキー氏は「しかしこの分野へはさらに大きな努力が必要だった」と言う。

ビデオ関連のアップデートの概要とその意味は次のとおりだ。

  • カスタマイズできる照明付きのバーチャル背景:Facebookは近々ビデオ通話にバーチャル背景を導入し、ユーザーの背後に写るごたごたを隠すことができるようにする。これには360°バーチャル背景が含まれ、ユーザーが移動するにつれて背景と照明が変化する。

  • WhatsAppではグループ通話の現在の4人までから8人までに拡大する。人数の多い家族や友人グループがまとめてビデオで会話できるようになる。この分野ではWhatsAppはZoomにとって非常に手強いライバルになるだろう。

  • Facebook Liveでゲストが表示できる。長時間自分に興味を引きつけておくためには努力がいる。随時ゲストをスクリーンに呼び出せる機能は話し手側のプレッシャーを低くし、ビューワー側にも面白い。
  • ライブ動画に寄付ボタンを付加。新型コロナウイルスによる危機に際して、ミュージシャンやパフォーマー、各種の活動家などの人々が資金を調達することがこのボタンによって容易になる。
  • オーディオのみによるライブ。 Facebook Liveでツアーを配信するミュージシャンが増えるにつれ、データ量を節約するためにオーディオだけが欲しいということがある。これなら外出中でも長時間聴いていることができる。特に携帯ネットワークの接続速度が遅い場合に便利だ。
  • ウェブ版Instagramでライブをサポート。デスクトップからライブ動画を見たりコメントしたりできるので、長時間のストリーミングであっても別のタスクを実行できる。

  • IGTVでライブできる。長時間のライブ配信がInstagramのIGTVアプリに保存できるようになったので配信終了と同時に消えてしまう心配がなくなった。
  • Portal from Facebookでライブ。ユーザーはPageやグループへのライブをポータブルなPortalデバイスからも実行できるようになったので動きまわるライブ配信ができる。

  • Facebook Datingでビデオチャット 。気の乗らない相手とデートするのではなく、Facebook Datingでマッチされた相手とビデオチャットしてはどうか? 本当にピッタリの相手が見つかるかもしれない。

Facebook Roomsの使い方

Facebookは この分野を一挙に制圧するブリッツスケーリングを狙って、グループのすべてアプリでRoomsを実行、検索できるようにしている。Roomsはニュースフィード、、グループ、イベント、Messengerから実行できるだけでなく、すぐにInstagram Directのビデオチャット、WhatsApp、Portalデバイスからも利用できるようになる。開始時間設定、説明、ユーザー招待を3とおりの方法で実行できる。

家族の会話などの場合は招待オンリーでRoomsを実行できる。あるいは友達全員に公開することも可能だ。友達というのはニュースフィード、MessengerのRoomsタブの通知に表示されたり検索できたりする相手だ(将来はほかのFacebookアプリからも検索可能なる)。Facebookが開始されていることを見逃さないよう親しい友達に通知することがある。ユーザーはRoomsのURLをどこにでも表示することができる。この場合は事実上Roomsを公開で実行することになる。

Facebookは公開ライブビデオに対する部外者の乱入、いわゆる「Zoom爆撃」がひどい災厄を引き起こすことを認識しており、Roomsのセキュリティには十分留意している。 ホストはURL経由でRoomsに参加できないようロックすることができる。Roomsから誰かを締め出すと自動的にロックがかかり、ホストがロックを解除するまでその状態が続く。悪人が何らかの方法でRoomsのURLを見つけた場合でも繰り返し邪魔しに来ることはできない。

当然ながら、 チュドノフスキー氏はZoomとHousepartyの影響を小さいものにしようと努め、「この種の自発性の高いビデオアプリが他にも多数あることは嬉しい。しかしそうしたアプリの一部がこのプロダクトに取り入れられたというこはないと思う」と述べた。また現在シリコンバレーの話題をさらっているボイスチャットアプリのClubhouseの非独占的なビデオ版と考えられることもRoomsにとっては都合がいい。

コピーはするがコピーされない巨人

Facebookは遅くとも2017年以降、密かにRoomsの開発に取り組んできた。重点はどのようにすればグループチャットの開始を友達が発見しやすくできるかだった。2017年にFacebookはBonfireというグループビデオチャットをテストしている。これはスタンドアロンのアプリだった。実はRoomsという匿名フォーラム用のアプリも2014年にテストしている。

新しいRoomsの優れているところはFacebookの最大の強み3つを総合したところにある。これによりRoomsにはライバルアプリからのコピーが含まれるものの、Facebook以外のプレイヤーがRoomsをコピーすることは非常に難しいものとなっている。

  • 普遍性:Facebookのメッセージングはモバイル、デスクトップ双方をサポートし膨大なユーザーがあある。このためは新たなアプリをインストールすることなく誰でも即座に使い始めることができる。
  • 意欲と革新性:ストーリーの場合と同様、Facebookはモバイル画面の上部の目立つ位置にRoomsを設置するという大きな賭けに出た。この強い意欲は、自然発生的かつ即時的なソーシャルビデオという新しいコミュニケーション・チャンネルの普及のカギを握ることなるだろう。しかもRoomsはFacebookグループの25億人のユーザーがすぐに利用できる。
  • ソーシャルグラフの蓄積:Roomを楽しく役立つものにするためにFacebookは膨大なソーシャルグラフを役立てることができる。Facebookはグループのアプリ全体の巨大なユーザーの全体から特定のRoomに誰がいちばん関心を抱きそうか推測し、きわめて効率的にメンバーを集めることができる。ソーシャルグラフに基づいてメンバーの関連度をランク付けできるのでユーザーの電話帳の全員にスパム的な通知を送る必要がない。

この3つの特徴をすべて備えたライバルは存在しない。Zoomにはソーシャルグラフの蓄積がない。Housepartyは急上昇中ではあるものの普遍的存在というには遠い。他のメッセージやチャットアプリも適切なメンバーを集めるために必要な検索能力に欠ける。

Facebookはモバイルでの深いつながりはメッセージの分野にあることをよく認識している。 1対1のスレッドや非同期のグループチャットはすでに提供されていた。あとはこの方向をさらに一歩進めるだけでよかった。Roomsの画期的な点は、他のリモート会議アプリのように主催者が日時を設定して予約したり、メンバーに通知して参加を要請したりするのではなく、友達がRoomsしているのを自然に見つけて参加するという能動的な努力を必要としないサービスにした点にある。Roomsはものに憑かれたようにひたすらフィードをスクロールするというソーシャルでない行動をせずにFacebookの使用頻度と使用時間を大幅にアップすることができるはずだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

隔離生活で求められる自然発生的なコミュニケーションを生むソーシャルアプリたち

次世代版ソーシャルネットワーク、Clubhouse(クラブハウス)

カレンダーからの招待はもういらない。気軽に会話に飛び入りで参加しよう。これが新型コロナウイルス(COVID-19)による隔離で空白になってしまった我々のスケジュールを、商売の種にできないかと考えている新しいソーシャルスタートアップ企業に推進力を与えているコンセプトだ。しかし、こうしたソーシャルアプリはオンラインによる集いやオープンオフィスプランなど流動性あるアドホック、その場に応じた臨時的なコミュニケーションを実現することよって、新型コロナウイルス収束後の我々の働き方や人付き合いのあり方を変える可能性もある。「Live」は高性能ストリーミングの代名詞となっているが、これらの新しいアプリがスポットライトを当てているのは、目前のタスク、ゲーム、ディスカッションに加え、複数のユーザーである。

Clubhouse(クラブハウス)の「部屋」

Clubhouseの「room」

これらのスタートアップ企業の中で最も注目されているのが、ユーザーがいつでもチャットルームに参加できるオーディオベースのソーシャルネットワークであるClubhouseだ。ユーザーは自らがフォローするすべての人の部屋を確認し、ラベルの付いていない部屋を見つけたら、興味の赴くまま、会話に参加したり、ただ話に耳を傾けたり、といったことが可能である。活気のある部屋は多くのユーザーが集まるし、活気がなければユーザーは他のチャットサークルへ移っていく。

Clubhouseは先週末、人々が限定招待を求めて争奪戦を繰り広げたり、メンバーシップについて謙虚を装いながら自慢したり、人々のFOMOをからかったりするなど、VCのTwitterで大騒動を引き起こした。現在のところ、公開アプリやアクセスはない。Clubhouseという名は、人々が限定的な集団に属していたいと願う気持ちを完璧にとらえている。

Clubhouseは、Paul Davison(ポール・デイヴィスン)氏によって開発された。彼は過去にオフラインでの出会いを目的とした位置情報アプリHighlightおよびカメラロールすべてを公開するアプリShortsを開発した(2016年にPinterestが彼の開発チームを買収)。2020年に彼は、Alpha Exploration Coスタートアップスタジオを発表し、またラジオ形式の視聴者参加型番組を即座に放送可能なTalkshowを立ち上げた。新しい友だちを作る、生活をシェアする、考えを伝える、議論する。デイヴィスン氏の取り組みに通底するのが「スポンテニアス(自然発生的)」という概念だ。

Clubhouseはまだ始まったばかりの段階だ。ウェブサイトさえない。よく似た名前のClubhouse.ioと混同しないようにしよう。Clubhouseがどのようなものになるのかについての説明や、正式にリリースされるのか、またそれがいつになるのかは一切発表されておらず、またデイヴィスン氏も共同創業者のRohan Seth(ロハン・セス)氏もコメントを拒否している。しかし、肯定的な評価は、Twitterがテキストで行ったことを進化させるような、より即時的でマルチメディア的なアプローチに対する欲求があることを示している。

サプライズのない隔離生活

この隔離生活でわかったのは、皆と離れて1人になると、自然発生的な交流の機会を失うということだ。オフィスにいるなら、給湯室で偶然顔を合わせた同僚と軽い会話を交わしたり、インターネットで見つけたおもしろおかしいことを声に出してコメントしたりできる。パーティーではぶらぶら歩いて、1人でも知り合いがいるグループがあればそこに混じってみたり、興味をひく話が耳に飛び込んできたら、会話に参加したりできる。家にこもっているとこうした機会が失われる。相手の邪魔にならないテキストと違い、緊急性がないにもかかわらず手当り次第に友達に電話をしたりすることを我々は非難してきた。

Clubhouse(クラブハウス)の創業者ポール・ダビソン氏

Clubhouseの創業者ポール・デイヴィスン氏  画像クレジット:JD Lasica

日時の決まったZoomによる通話、実用的なSlackのスレッド、際限のないEメールのやり取りでは、意外性や、人々が互いのアイディアを交換し合う中で生まれる会話による喜びを捉えることができない。しかし、スマートアプリ開発者たちは、自然発生的というコンセプトがユーザーの生活やワークフローを絶えず妨害するものではないと考えている。ユーザーは会話に参加するかしないかについて決定権を持ち、また構わないで欲しい場合にはそれを表示することで、望む場合にのみ社会的つながりを持つことができる。

AppAnnieによるHousepartyのランクを示すチャート

AppAnnieによるHousepartyのランクを示すチャート

Housepartyはこの自然発生的というコンセプトを体現している。このアプリは新型コロナウイルスによる隔離が続く中、ユーザーがアプリを開いた瞬間に気分の赴くままに友だちとグループのビデオチャットルームに参加できるようにすることで、大ヒットしている。毎月5000万回のダウンロードがあり、一部の地域では新型コロナ以前の70倍を超える数に増加している。これは、米国を含む82カ国でソーシャルアプリ部門の第1位になり、16カ国でアプリ全体で第1位となった。

Discord本来はゲーム用に開発されたアプリだが、ユーザーはいつでも開いているビデオ、音声、およびチャットルームを通じて自然発生的に他のユーザーと交流を持つことができる。カリフォルニア州、ニューヨーク州、ニュージャージー州、ワシントン州など、早期に外出を禁止した州での使用の急増もあり、米国において日常的にDiscordの音声機能を使用するユーザーの数は50%増加した。モバイルゲームにオーバーレイされたビデオチャットアプリのBunchもまたランクを上げ主流になってきている。主なユーザー層は1日の総会話時間が150万分にのぼる女性にシフトしてきている。これらのアプリを使用することで、友達と合流し一緒に選んでプレイするのが簡単になる。

モバイルゲームにオーバーレイされたビデオチャットアプリ、Bunch

Bunch

即席オフィス

企業のビデオチャットツールは、強引でかつ事前準備のいるZoom通話に代わり、自然発生的コンセプトを取り入れたものになっている。これはZoomに対する反動で、終日ビデオチャット続きで何も成し遂げられないことに人々が気づいたためだ。

Loomを使用すると、ビデオクリップを簡単に録画して同僚に送信でき、同僚は時間のある時にそれを見ることができる。ビデオは撮影と同時にアップロードされるため、会話のスピードがアップする。

Loomを使用すると、ビデオクリップを簡単に録画して同僚に送信できる

Loom

Aroundでは、画面の上部に小さな円形のビデオウインドウが表示されるので、デスクトップの大部分を実際の作業のために使用しつつ、同僚と即座にコミュニケーションを取ることが可能だ。

Aroundでは、画面の上部に小さな円形のビデオウィンドウが表示される

Around

Screenは画面共有を起動できる小さなウィジェットである。全員が共有ウィンドウをコントロールできるカーソルを持ち、その場でコーディング、設計、書き込み、注釈を付けることができる。

Screenは、画面共有を起動できる小さなウィジェット

Screen

Pragliはアバターベースの仮想オフィスで、ユーザーは誰がカレンダーミーティングに参加しているか、その場にいないか、時間があるかを確認できるので、全員の空き時間をわざわざ探す必要なく、ボイスチャットやビデオチャットチャンネルを同時に開くタイミングを把握することができる。しかし、Slackのように自宅にまで追いかけて来ることなく、Pragliでは仮想オフィスにサインインまたはサインアウトして、1日を開始、終了することが可能だ。

Pragliはアバターベースの仮想オフィス

Pragli

声を届ける

ビジュアルコミュニケーションは、我々がいる場所が示せる携帯電話の画期的な機能だったが、外出できない現在、我々に表示するものはあまりない。これが、手数をかけずに自然発生的なコミュニケーションが取れるツールが流行するチャンス拡大のきっかけとなっている。リモートパーティー、迅速な問題解決など用途を問わず、Clubhouse以外の新しいアプリには、ビデオだけでなく音声機能が組み込まれている。音声を使えば迅速な情報交換が可能で、その場に居合わせているような臨場感もある上、仕事中にディスプレイが占拠されたり注意を全部持っていかれることもないし、見栄えを気にする必要もない。

High Fidelityは、Second Lifeの共同創業者であるPhilip Rosedale(フィリップ・ローズデール)氏が現在携わっている、資本金7200万ドル(約77億4000万円)のスタートアップ企業だ。High Fidelityは最近、バーチャルリアリティのコワーキングツールの構築から離れ、音声とヘッドフォンベースのオンラインイベントプラットフォームおよび人々が集うためのギャザリングスペースのテストを開始した。初期のベータ版ではユーザーは地図上で自身を示すドットを動かし、空間オーディオで彼らの近くにいる人物の声を聞くことができる。相手に近づけばその声は大きくなり、通り過ぎると消えていく。ユーザーは気分の赴くまま、小さなドットの集まりに近づいたり離れたりしながら、声の届く範囲で様々な会話を聞くことができる。

High Fidelityによる初期テストからの非公式な原寸模型

High Fidelityによる初期テストからの非公式な原寸模型 画像クレジット:DigitalGlobe / Getty Images

High Fidelityは現在テストマップとしてバーニングマンの衛星写真を使用している。実際のオフラインイベントと同じように思い思いの場所にDJが陣取り、リスナーはDJの間を行き来したり、友達と歩きながら会話したりする。バーニングマンは2020年の開催がキャンセルとなったため、High Fidelityはバーニングマンのオーガナイザーが約束したバーチャルバージョンを開催する候補者となる可能性がある。

Housepartyの元CEOであるBen Rubin(ベン・ルビン)氏と、Skypeエンジニアリング部門の統括部長であるBrian Meek(ブライアン・ミーク)氏は Slashtalkと呼ばれる自然発生的なチームワークツールを開発中だ。ルビン氏が去り、Housepartyは2019年中頃にFortnite-maker Epicに売却されたが、このゲーム業界の巨人は最近の隔離生活で成功の波に乗るまで、このアプリを放置していた。

Slashtalkは、迅速で分散型の会話を旨とする会議不要のツール

彼の新しいスタートアップ企業のウェブサイトには「Slashtalkは、迅速で分散型の会話を旨とする会議不要のツールです。我々は、適切な人員が適切な時に適切なトピックについて必要十分なだけ話し合えれば、ほとんどの会議は不要だと確信している」と書かれている。このツールを使えば、瞬時にボイスチャットまたはビデオチャットを始めることができ、日時の決まった共同セッションを待たずして、物事の段取りをつけることができる。

TechCrunch Disrupt NY 2015に出席したSlashtalk共同創設者ベン・ルビン氏

TechCrunch Disrupt NY 2015に出席したSlashtalk共同創設者ベン・ルビン氏

仕事にせよ遊びにせよ、これらの自然発生的な集いの場を提供するアプリは我々に縛りの少なかった若かかりし時代を思い起こさせる。カフェテリアや校庭をぶらぶらする、ショッピングモールに誰かいないかチェックする、部屋のドアが開け放たれた大学の学生寮の廊下を歩く、学生会館や広場でおしゃべりする。大人になる一歩手前の時代には、偶発的な交流の機会がたくさんある。

年を重ねてそれぞれが自宅を持つようになると、我々は文字通り壁を作って偶発的なコミュニケーションができるというシグナルを受ける能力を自ら制限してしまう。Down To LunchやSnapchatが買収したZenlyといったアプリや、Facebookが準備中のMessengerのステータス機能は、こうしたバリアを打ち破り、オフラインで誘うときの気まずさを感じないように設計されている

関連記事:隔離中だからこそ、メディアが真に「ソーシャル」な存在に

実世界での交流や共同作業には、通常、交通手段や計画が必要になってくるが、ここで取り上げた新しいソーシャルアプリはたちどころに我々に集まる場所与えてくれる。前もってスケジュールする必要はない。妥当な距離圏内にいる人以外とつながることを阻んでいた地理的な制限もやはり消え去った。デジタルでなら、自らのネットワーク内から相手をよりどりみどりで選択可能だ。隔離生活で我々のカレンダーの一部は空白になってしまったが、これにより我々の選択肢が広がった。

様々な制限が取り除かれた今、必要なのは我々の意思だけだ。我々は繋がりを持ちたい相手と繋がり、望みを達成することができるのである。スポンテニアス(自然発生的)なアプリによって、瞬発力ある人間本来の性質は輝く。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Dragonfly)

Tags: ビデオチャット チャットアプリ ソーシャル 新型コロナウイルス COVID-19

経験豊富なポッドキャスターに愛用機材やワークフローを聞く

ポッドキャストのいいところは誰でもすぐに始められることだ。ポッドキャストを作るのは見るのと同じくらい簡単だ。こういうメディアは他にないだろう。しかも複数の人間がまったく同じポッドキャストをすることはありえない。NPRの完備したスタジオからUSBスティクとSkypeという手軽なセットアップまでやり方は無数にある。2020年3月TechCrunchに「家に閉じこもる今、ポッドキャストを始めるためのヒント」という記事を書き、これまで使ってきた各種のハード、ソフトについて紹介した。

最近、私のポッドキャストに作家、ジャーナリスト、ポッドキャスターのSarah Enni(サラ・エンニ)氏がリモートインタビューで登場し、ポッドキャストを始めた経緯やセットアップについて詳しく語ってくれた。

エンニ氏も(私同様)、新型コロアウイルス(COVID-19)の流行で「直接に会って話す」というアプローチを修正せざるを得なかったという。エンニ氏のFirst Draftは著名な作家、アーティストにインタビューするポッドキャストだ。最近、 アメリカで本が出版されるまでのステップを詳しく紹介するTrack Changesというミニシリーズをスピンオフさせている。

以下はエンニ氏のインタビューをまとめたものだ。

2014年に私(サラ・エンニ)はワシントンD.C.で司法関係を扱う記者をしながら著作家を目指していた。NPRのスター司法記者であるNina Totenberg(ニーナ・トテンバーグ)のような存在になりたいと願っていたわけだ。これがきっかけで私は「First Draft」(第1稿)というポッドキャストを始めた。

司法記者として大勢の上院議員や弁護士に取材してきたが、そのとき使っていたのは小さいICレコーダーだったので、ポッドキャストとなればもっとまともな音質でしかもポータブルなマイクと録音装置が必要になった。

まずZoom H2n ハンディーレコーダーを選んだ。これはステレオでもサラウンドでも収録できる小型マイクで、ポッドキャストを始めて最初の2年はこのマイクを三脚に載せて著作家のインタビューに使った。Zoomは手頃な価格だが優れた音質で持ち運びにも適しており、コンパクサイズで相手と顔を合わせてインタビューするときに最適だった。First Draftは作家、著作家に対するロングインタビューがテーマで、「直かに会って話す」のは打ち解けた空気を作り、相手の本音を引き出すために必須と考えた。

収録データは外部ハードディスクにバックアップし、GarageBandで編集した。ヘッドホンはSony MDR-7506 を使い、LibSynでインターネットにアップした。

3年ほど前にポッドキャストをリニューアルしようと決心した。Hayley Hershman(ヘイリー・ハーシュマン)氏にプロデューサーをお願いした。ハーシュマン氏はオンデマンド契約のプロデューサーでセットアップにも詳しく、新しいシステムを紹介してくれた。Zoom H2nをZoom H6にアップグレードし、カーディオイド型コンデンサーマイクのShure BETA 87Aを併用することにした。

携帯についてはTimbuk2のドップキットバッグを購入し、 ポータブルスタジオとして使うことにした(下のGIF画像参照)。これらをGoRuck GR1に詰めて運んでいる。ちなみにGoRuckとはとても相性がいい。他のバックパックではてきめんに肩、腰を傷めてしまう。なおインタビューのときには必ず質問事項を事前にまとめて用意して行く。手書きのほうがゲストをリラックスさせるのに良いようだ。

インタビューはZoom H6nで収録し、オーディオファイルをAirTableにアップロードする。AirTableは私のチームが制作プロセスの管理に使っているスプレッドシートとデータベースを統合したツールだ。ポッドキャストを始めてからの5年間で発見した中で最高のツールだと思う。AirTableは私のポッドキャストのワークフローを全面的に変えた。インタビューと付随するボイスオーバーのオーディファイルと編集指示のテキストをまとめてAirTableにアップしてしまう。

プロデューサーはその通知を受けるオーディオブック制作ツールのHindenburgで編集する。各回のエピソードが完成するとプロデューサーはLibSynにドラフトとしてアップする。私はエピソードをチェックした上でLibSynとSquareSpaceを使って私のウェブサイトで公開するという手順だ。その後でさらに文字起こしツールのTemiにアップロードしてテキスト化する。

パンデミック以前の245本のポッドキャストはすべて相手に直接に会ってインタビューしていた。しかし新型コロナウイルスの感染が問題となり始めたため、パンデミックに進展する前からZoomやSkypeを使い始めた。インタビューを依頼し、日程を決めるときにUSBマイクやスマートフォンのボイスメモアプリを使ってリモートで会話を録音にしてもらうよう依頼した。するとプロデューサーはこうしたファイルをつなぎ合わせ、ブラッシュアップしてゲストと私があたかも対面して会話しているような雰囲気を作ってくれるわけだ。

現在、私はTrack Changesという米国の書籍出版の内幕を紹介するミニシリーズを製作している。機材や仕事のワークフローは上で紹介したとおりだ。新型コロナウイルスのために直接インタビューすることができなくってしまったことを別にすれば、プロデューサーとのコミュニケーションにはAirTableを使っており、ハードウェアもそれ以前と同じだ。しかし新シリーズの編集作業のためにGoogleドキュメントでのファイル共有や電話打ち合わせの回数は増えているかもしれない。

5年間インタビューのポッドキャスティングを続けてきたわけだが、新シリーズでは1つのストーリーに沿ったノンフィクションの制作に挑戦している。困難は多々あるが、こうした新しい試みに没頭できることをたいへん幸運だと考えている。

以上がサラ・エンニ氏へのインタビューとなる。また、著名なポッドキャスターにワークフローや使っているハード、ソフトについてインタビューしてきたので参考にしていただきたい。

RiYL remote podcasting edition
Family Ghosts’ Sam Dingman
I’m Listening’s Anita Flores
Broken Record’s Justin Richmond
Criminal/This Is Love’s Lauren Spohrer
Jeffrey Cranor of Welcome to Night Vale
Jesse Thorn of Bullseye
Ben Lindbergh of Effectively Wild
My own podcast, RiYL

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

外出禁止の影響でビデオチャットのHousepartyが1カ月で5000万ものサインアップを記録

「フォートナイト」で知られるゲームメーカーのEpic Gamesが2019年に買収した人気のビデオチャットアプリであるHousepartyが新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響で大幅な成長を見せている。外出禁止措置のため友達や大切な人と直接会えなくなり、ビデオチャットアプリの需要が突然増えた。アプリストア分析会社のApp Annieによると、アプリのビデオ会議カテゴリーは2020年3月に過去最高を記録した。ただしHousepartyは、これまで数字を公表していなかった。

米国時間4月15日、Housepartyは方針を変えて過去1カ月のサインアップ数が5000万だったことを明らかにした。一部の市場では普段のおよそ70倍になった。

アプリ分析会社のApptopiaのデータによると、ここ数週間でインストール数が急増し、モバイルのダウンロード数も記録的な結果となった。Housepartyは、過去30日間でiOSとAndroidの新規インストールは1720万回と推計している。一方、調査会社のSensor Towerは2800万インストールと推計している。

HousepartyアプリはMacChromeでも利用できるが、これらの数字には含まれていない。

Housepartyによると、需要が増加し多くの市場でモバイルアプリストアのランキングの第1位になったという。

Housepartyは、米国のApp Storeなど82カ国でソーシャルアプリの第1位になった。米国のGoogle Play Storeではソーシャルアプリの第3位になった。

16カ国ではアプリ全体でも第1位になっている。米国のApp StoreとGoogle Play Storeではアプリ全体の第2位に近い結果となった。

同社によれば、ユーザーがこのアプリを使う時間は長く、平均で60分以上会話をしていた。新型コロナウイルスの影響が発生してからは、平均で80分ほどになることもあったという。

Housepartyは溜まり場のように設計されているため、ほかのビデオチャットアプリに比べると主に若年層のユーザーに訴求してきた。まず、Snapchatと統合している。そしてSnapchatと同様に、年齢の高いユーザーが苦手とするジェスチャー主体のナビゲーションを大幅に取り入れている。さらにアプリ内で他の人たちとトリビアや言葉当てゲームも楽しめる。

一方、ZoomやSkype、Google Hangoutsといったビデオチャットアプリのライバルたちは、リモートワーカーや企業向けとして多く使用されていたところに、新たにコンシューマーの使用が増えてきた。そのためこれらのアプリはやや古くさく、「楽しむ」という意図とは距離がある。

とはいうものの、Housepartyは新型コロナウイルス感染拡大を受けて利用が広がり、今はあらゆる年齢や属性の人たちがこのアプリを使っていると同社は述べている。

Housepartyのユーザーは平均23人の友達とつながり、ユーザーの半数近くは会話をしながらゲームをしている。この数字も、同社は以前は明らかにしていなかった(最近すべてのゲームを無料にしたことが利用状況に影響していると思われる)。

これまでずっと米国がHousepartyの最大の市場だったが、App AnnieがHousepartyの成長に関する2020年3月の報告によると、ヨーロッパでの需要が顕著だという。3月21日の週のインストール数は、2019年第4四半期の週あたりの平均インストール数と比較して、イタリアで423倍、スペインで2360倍と急上昇した。新型コロナウイルスの危機が起きる前はスペインなどの市場で広く普及したアプリではなかったことを考えると、驚くべき成長だ。

Housepartyはユーザー数や売上など重要な数字を公開しない傾向があるが、最新の数字を今回公開したのにはさまざまな理由があるようだ。

まずHousepartyは、最近複数のユーザーからソーシャルメディアの投稿を通じてデータ流出を告発されたという困った状況に注目されたくないのかもしれない。ユーザーがTwitterで、Housepartyの自分のユーザーデータがNetflixやSpotifyなどほかのアカウントへのアクセスに使われたと主張した。しかしHousepartyは流出を否定し、さらにソーシャルメディアの投稿が同社のビジネスに損害を与えることを目的とした「お金をもらっている商業活動」の一部であったとさえほのめかしている。同社はこの説を裏付ける証拠に対して100万ドル(約1億700万円)の報奨金を提供するとした。証拠はまだ見つからず、告発の投稿は消えた。

さらに、Housepartyの競合であるZoomはセキュリティとプライバシーに関する多くの問題で最近批判されている。これについてZoomのCEOのEric Yuan(エリック・ユアン)氏は謝罪し、修正すると約束した。当面、HousepartyはZoomの代替を求める人々にアピールして、インストールベースをさらに増やしたいと期待しているかもしれない。

最後に、企業の歴史の中でこれほど規格外の成長を詳しく公表できる場面は、そう何回もない。米国で1億5800万人、世界中で何億人もの人々が家にいるように指示されるとは前代未聞の事態だ。この事態は、ビデオチャットアプリにとっては成長の絶好の機会となっている。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Kaori Koyama)

Zoom上でクリップサービスを提供するスタートアップのGrainが4億3000万円を調達

プラットフォームが急成長するときには、その勢いに便乗してその上のサービスや製品を構築しようとする企業が登場するものだ。Facebook、Twitter、そしてSlackでも同じことが起きた。同じことが現在、Zoom上でも起こっている。コロナウィルスが世界中の人びとを屋内の自主的な隔離に送り込んだために、テレビ会議会社のZoomが世界を席巻したのだ。

とはいえ、これはまったく新しいトレンドというわけではない。多くの企業が、現在提供社が18ページに及ぶZoom App Marketplace(2018年秋に開始)を通じて、自社製品を販売している。しかし、2018年にサンフランシスコで創業されたGrainは、Zoom上で(少なくとも設立時点では)全ビジネスを提供した最初の企業だろう。

さて、そのビジネスは何だろう?共同創業者でCEOのMike Adams(マイク・アダムス)氏によれば、基本的なアイデアは、Twitter、Discord、Notion、Slack、そしてiMessagesなどのプラットフォームをまたいで、保存/共有することができるコンテンツを、Zoom通話内でキャプチャすることだという。

たとえば学生がメモを取りたいとしよう。彼または彼女は、先生が話している内容の一部を録音して保存したり、クラスメートと共有したりすることができ、講義全体を見直す必要はないようにできる。仕事で使う場合も状況は同じだ。Grainを使用することで、仕事仲間は伝えられたものの中で、最も重要な情報にフラグを立てて、固有のURLを持つクリップを介してそれらの情報だけを共有することができる。

Grainはコンテンツをクリップの中に文字起こしして、ユーザーが選択した場合には、字幕を表示できるようにする。

ビデオクリップの長さは30秒から10分までとなる。それらを1本にまとめることで、重要部分のサマリーを作成することもできる(これには時間制限はない)。さらにユーザーは、記録後にそうしたハイライトの長さをトリミングしたり、調整したりすることができるだけでなく、ビデオクリップに悪質な改変が行われないように、編集権限のある人を管理することもできる。

アダムス氏は、彼と彼の兄弟のJake(ジェイク・アダムス氏。彼が以前一緒に会社を共同創業したBranch Metricsの元ソフトウェア エンジニア)は、Zoom上で姪や甥たちの貴重な瞬間のクリップを保存するためにもGrainを使っていると言う。もちろん力を注いでいるのはソフトウェアのユーザー単位に課金している企業や学校向けの用途だ。

実際Adamsは、Grainのアイデアは彼が共同創業した直前の会社であるMissionUから生まれたと語っている。MissionU は、伝統的な大学に代わるような授業を1年間受けられる、Zoomベースの仕組みで、学生は授業料を要求されない代わりに、もし年収5万ドル(約540万円)以上の職に就くことができたら、3年間収入の最大15%までを支払うことに同意するというものだ。

2016年に設立され、投資家から1150万ドル(約12億4000万円)を調達したMissionUは、学生たちが収入を得始める前に、2018年に株式交換でWeWorkに売却された(学生たちは収入分配契約から解放された)。それでも、この実験は十分に長く続いたため、売却時にMissionUを去ったアダムス氏は、学生がオンラインコンテンツの重要な部分を切る取るのに役立つ、より優れたツールの必要性を肌身で感じたのだと言う。

もちろん問題は、Zoom自身もその機会に注目しているかどうかだ。他会社に大きく依存していることは常にリスクとなる。(FacebookとTwitter、そして両社によって焼き払われたサードパーティ開発者の長いリストを考えてみると良い)。

もしVCのような投資を始めているZoomが、Grainにも出資するならば、将来的な競合を避けるための予防接種になるかもしれない。

それでも、Zoomが将来彼らの敵ではなく味方となることに、多くの投資家たちが賭けているようだ。実際、昨年末に2回のシードラウンドで400万ドル(約4億3000万円)以上の資金を調達した。投資家に名を連ねたのはAcrew Capital、Founder Collective、Peterson Partners、Slack Fund、Scott Belsky、Sriram Krishnan、Andreas Klinger、Scooter Braunなどだ。

その資本の一部を使ってベータ版を開発してきた11人のチームは、いまやそのベールをはがす準備が整った

まあ確かに、Grain(最終的には他の多くの企業を統合する計画をもつ)には、Zoomほどの飛躍的な伸びは期待できないかもしれない、何しろZoomは最近の記憶の中では珍しいほどの新たな大ブレークを果たしたプラットフォーム企業なのだ(今週初めにOracleの共同創業者であるラリー・エリソン氏が仕事のやり方を変える「必須サービス」とまで言ったほどだ)。

Zoomは長い間、エンドユーザーによる口コミ採用に支えられていたもので、企業間のビデオ会議という性質上、社内外でその成長を続けてきていた。現在、消費者向け企業としての急成長も、これまで同様の軌跡をたどっている。Zoomコールに招待された新しいユーザーの割合が高くなると、そうした人たちも最終的には自分で会議をホストできるように、サービスにサインアップするようになる。

もしGrainが幸運ならば、その中の一部の人たちがGrainにも気が付いてくれるだろう。

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(翻訳:sako)

Zoomは安全ではない、インド政府が政府職員の業務での使用を禁止

インド政府は16日、Zoomは「安全なプラットフォームではない」と述べ、政府職員に業務で使用しないよう勧告した。ビデオ会議のZoomは多くの国で人気が高まっていて、世界第2位のスマホマーケットで、何十億という人が新型コロナウイルス危機で外出が禁止されているインドでもそうだ。

Zoomは安全なプラットフォームではない」とインド内務省のサイバーセキュリティ監視機関CyCordは16ページにわたるPDFで勧告した。「政府職員が公用で使用するプラットフォームではない」と報道局は声明で述べた。勧告では、私的なコミュニケーションでZoomを使用したいという人向けのガイドラインも示されている。

インドの動きは、GoogleやApple、NASA、Teslaといった組織が従業員にZoomの使用を控えるよう警告したことに続くものだ。Zoomは2億人超のユーザーを抱えている。ドイツと台湾はZoomの使用を禁止した。時価総額400億ドル(約4兆3000億円)超のZoomは、ここ数週間でセキュリティとプライバシーでの問題が明らかになり、調査を受けている。また訴訟も起こされている。

Zoomはこのところインドのアプリストアでも人気がある。インドでは企業向けのサービスが一般消費者を引きつけるのは稀であり、これは驚きだ。何人かの大臣は、Zoomを使っているところを写した写真を最近ツイートした。

Zoomはインドで過去2週間、1日あたり45万回超ダウンロードされている、と調査会社ApptopiaはTechCrunchに話した。インドは今週、スタートアップを対象に安全な会議アプリ開発のコンペティションを開始した。

ZoomのCEO、Eric S. Yuan(エリック・S.ユアン)氏はセキュリティ面での落ち度を謝罪し、新機能の開発ではユーザーのプライバシーとセキュリティにフォーカスすることを優先すると約束した。同社はまた、前Facebookセキュリティ責任者のAlex Stamos(アレックス・ステイモス)氏をこのほどアドバイザーとして招聘した。

画像クレジット: Olivier Doiliery / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

リモートワークはZoomを止めてアバターチャットのPragliを使ってみよう

リモートワーク向けビジネスアプリのPragliはアバターを使ったチャットをベースにしている。ユーザーは自宅でSpotifyで音楽を聞きながら同僚と常時コミュニケーションができる。ボスや同僚がデスクにいるのか、会議中か、何か重要な仕事に集中しているのかひと目で知ることができる。しかも仕事の合間には(職場と同様、いわば)給湯室でちょっとおしゃべりもできるし、「今日の勤務は終了」を宣言することもできる。

また必要なら音声通話や画面共有もできる。時間を指定してビデオ会議を開催する機能もある。また忙しそうな相手にはメールのように後で回答すればよいテキストメッセージを送信することもできる。簡単にいえば、我々が物理的に出社して行っていたのと同じことをリモートワークに置き換えて実現させようとするサービスだ。

Pragliの共同創業者のDoug Safreno(ダグ・サフレノ)氏は私のインタビューに対して次のように語った。

「簡単にいえば、Pragliはメールに対してSlackが起こした画期的な改革のビデオ会議版だ。従来のビデオ会議サービスは本質的に排他的でクローズドなコミュニケーション・チャンネルだったが、Pragliはオープンかつ包括的だ。オフィスに出社して働くのと同様、誰が何をしているのか、誰と話しているのかひと目でわかる」。

PragliのセールスポイントはBuffer/AngelListの広汎な調査で明らかになったリモートワーカーが嫌うトップ3の問題を解決できるということだ。それは次の3つだ。

  1. コミュニケーションが円滑にできない
  2. 孤独感
  3. 職場と私生活が区別できない

Pragliのユーザーは「テキストではうまく表現できそうにないから電話したほうがいいだろうか」とか「相手は今来客中だったり会議中だったりしないだろうか」などと心配する必要はない。アバターが常時表示されてメンバーのアイデンティティと現在の状態がひと目でわかるし、「給湯室(Water Cooler)」機能はSlackのように仕事と入り混じった際限のない会話ではなく、はっきり区切りのある社交スペースを提供する。 しかも実際のオフィスと同様、Pragliのオフィスには「出社、退社」を明確に記録できる。これにより緊急の場合を別にすれば、すでに会社を出たメンバーには次の出社まで連絡を取るべきでないことが容易に理解できる。

【略】

Pragliの共同創業者のDoug Safreno(ダグ・サフレノ)氏

サフレノ氏と共同創業者のチームはリモートエンジニア100人にインタビューし、あらかじめスケジュールが設定された会議以外では同僚に対するビデオ通話は週に1度しか使われていないことを発見した。これにより、同僚をアバター表示すればバーチャルオフィスを構築してリモートワークを行うことが十分可能になると確信し、1年前にPragliを立ち上げたのだという。フルタイムの社員は他にいなかったので共同ファウンダーたちだけですべての作業を行い、2019年にベータ版のリリースにこぎつけた。その後トラフィックは3月に6倍となり、2020年1月1日以降で20倍に増加しているという。

Pragliは米国時間4月13日に正式にサービスを開始したが、6月1日までは無料だ。その後はフリーミアムモデルに移行する計画だ。基本機能は無料で利用できるが、全機能を利用するためには月極めで契約する必要がある。料金はユーザー数に応じて算定される。今回PragliはK9 Venturesがリードする小規模なプレシードの資金調達ラウンドも発表した。これはK9自身がサービスを利用して感銘を受けたためだという。

Pragiを使い始めるには、チームのメンバーはPragliのデスクトップアプリをダウンロードしGoogle、MicrosoftまたはGithubから登録する。ユーザーは自分のアバターをモンタージュ写真作成の要領でカスタマイズする。顔の輪郭、髪型、肌色、服装など豊富なオプションから選択可能だ。チャットに使うためにウェブカメラで自撮りし、表情をアバターに変換することもできる。また、マウスとキーボードを使っているだけで自分がデスクの前にいることを表示できる。

カレンダーに会議その他のスケジュールを表示(内容によっては非表示)できる。これは相手がチャット可能かどうかすぐに判断できるので非常に便利だ。音声通話、ビデオ通話も自由にできるし、部外者もデスクトップ、モバイルから随時招待可能だ。

【略】

メンバーがコミュニケーション可能な状態かどうかを自動的に示すためにこのバーチャルオフィスアプリにはさまざまな工夫が凝らされている。キーボードやマウスの利用状況の他にもヘッドフォン(着けているなら何かに没頭しているのかもしれない)やバーチャルオフィス上の場所(給湯室にいるならくつろいでひと休みしているのだろう)などさまざまなシグナルからメンバーの状態を推測する。これは相手がどんな状態にあるのかまったく見当がつかないSlackやZoomと比べてはるかに優れている。面倒なVRヘッドセットを必要とせず、限りなく本物のオフィスに近い環境が得られる。

Microsoftにはソーシャルメディアの経験が欠けており、Zoomはあまりに急速な成長によって生じたゆがみに苦しんでいる。Slackはビデオ機能をZoomに任せている、テキストによるチャット専門のサービスだ。つまりPragliには極めて広い活躍分野がある。新型コロナウイルス(COVID-19)によるソーシャルディスタンジングの要請は世界をリモートワークに向けて大きく動かした。この動きはパンデミックの後も続くはずだ。企業は以前のようには物理的オフィスを重視せず、海外を含めたリモートワークをさらに増加させるはずだ。

この環境では、あらゆるチャンネルを網羅した総合的なコミュニケーションプラットフォームを構築し、オンラインオフィスという新しい仕事の枠組みと行動を参加メンバーが容易に理解できる形で提供するところに最大のチャンスが生まれるだろう。

サフレノ氏は「Slackのように気を散らす存在になったりせずに、自然なコミュニケーションを生むという企業にとって極めて重要な課題を解決できるようなプラットフォームを作り出すことが課題だ」という。Pragliの共同創業者チームは、勤務時間外まで執拗についてまわるような不快な感じを与えずに、モバイルを活用するにはどうすべきかについても長時間議論を戦わせてきたという。

「Pragliの長期的な目標は現実のオフィスよりも快適で効率的なオンラインオフィス環境を構築することだ。バーチャルオフィスなら同僚を探してビル中を探し回る必要はないし、アバターが使えるなら仕事のためにいちいち身なりを整える必要もない。この後も一生リモートワークを続けられるよう我々は仕事を止めない」とサフレノ氏は述べた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ユダヤ教の過越の祭が新型コロナの影響で今年はZoomに、来年こそエルサレムで

たくさんジョークが生まれそうだ。「なぜ今夜はいつもの夜と違うの?」で始まるユダヤ教の「4つの質問」は、今年のセーデル(過越の祭の晩餐)の席では、笑いを呼ぶ場面になるだろう。あの感染症にの話は、もううんざりだとお感じだろうか?

世界中に暮らすユダヤ人にとって「ペサハ」(過越の祭)は日常を取り戻すための儀式だ。その式次第には、慣行、祈り、厳格に定められたメニューなど、過越のための一貫した行事が定められている。

米国でも、過越の祭はユダヤ人の間では最も一般的な祝祭日となっている。Pew(ピュー)研究所の調べでは、毎月の礼拝に参加するユダヤ系米国人はおよそ23%だが、去年のセーデルに参加した人は70%に上ったという。その中には、ユダヤ教徒ではないユダヤ人が42%も含まれていて、伝承や慣習の力の大きさを示している。

だが今年は状況が違う。すべてが一変してしまった。もうずいぶん前から、今年の過越の祭が新型コロナウイルス(COVID-19)によって大きく変えられてしまうであろうことはわかっていた。その最初の兆しが、宗教行事を開催不可能にした集会の禁止だ。極めつけは、多くの家族が集まれなくなった自宅待機指示だ。

2020年(諸説あるがユダヤ暦5780年)の過越の祭は、遠隔会議サービス、おもにZoomの活躍が期待される。

「ユダヤ教には中央統制機関がないため、この危機にどう対処すべきかを個人や信者グループに教えることができません。またユダヤ教には技術発展との長い歴史があり、ラビたちはユダヤ人が築いてきた規範を守るよう絶え間ない努力を重ねています。産業革命の後でさえ、動揺するラビはほとんどいませんでした」と、Shalom Hartman Institute of North America(北アメリカ・シャローム・ハートマン研究所)招聘フェローであるDavid Zvi Kalman(デイビッド・ズビ・カルマン)氏はTechCrunchに話した。「とはいえ、このパンデミックによって、ユダヤコミュニティーは機能するのだろうかという疑問が数多く湧き上がっています。そのためラビたちは、この共同社会の対応策を打ち出すという、これまでになく大きな役割を背負うことになりました」。

先月、14人のユダヤ教正統派グループが、家庭では遠隔会議技術を利用してセーデルを執り行ってもよいとする宣言を許可する署名を行った。

この宣言文は、本来はテクノロジーの使用が全面的に禁止されている安息日においても、同様の例外を認めている。「軽症の患者が病気を治すために安息日に治療を受けること認めているのと同じで、これもそのケースに当たる」とラビたちは説明している。

「私たちは、この非常事態に臨み、禁止されている安息日での電子技術の使用を黙認し、物理的に離れていても魂のつながりを保てるようにと決断しました」と、ニューヨークのラビであるRachel Ain(レイチェル・エン)氏は、シナゴーグ(ユダヤ教集会所)が街のさまざまな場所に存在していることを説明しつつ、TechCrunchに話してくれた。彼女はニューヨーク市の自宅待機指示が出されている間中、奉仕活動を続けてきた重要な信徒の一人だ。

過越の祭は米国時間4月8日の日没から始まり、世界中のユダヤ人は、過越にまつわるあらゆる試練、苦難、新局面を通じても初となる「テレ・セーデル」を体験することになる。多くのキリスト教徒にとっても、これは来たるべき復活祭の面白い前例になるのではないか。なにせトランプは以前、ロックダウンは復活祭の前までに解除されると約束していたが、現実味が薄れてきたこともでもある。

私たちが人生のさまざまな局面で経験するように、これもいずれは新たな日常となって今後も続いてゆくものなのかという疑問を、世界中の人々が抱いている。セーデルの最後に唱えられる「来年こそはエルサレムで」の言葉には、多くの人たちが友人や家族と離れて過ごさなければならない今、特別な憂いが感じられる。

「この危機が去った後、ユダヤ人教育の仮想化が今よりもっと真剣に考えられるのではないかと危惧しますが、大多数のユダヤ人は、自分の体で礼拝に参加したいと思うはずです(少なくとも一度でも礼拝に参加したことのあるユダヤ人なら)」とカルマン氏はTechCrunchに話した。「大勢のラビが、バーチャル・コミュニティーの前例ができてしまい、実際に人と人が集まる機会を減らしてしまうのではないかと強く恐れています。同時に、この危機によって多くのラビが社会的に孤立しています。これは今回のパンデミックに特有の問題ではありません。もっとずっと深刻な問題です」。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:金井哲夫)

Zoomの株主が同社のセキュリティ対策の「誇張」で提訴

Zoom(ズーム)が別の訴訟を起こされた。今度は株主によるものだ。この株主は、同社がセキュリティについて「誇張」したために株価暴落につながり、損を被ったと主張している。

ビデオ会議大手のZoomは、1000万人だった毎日のユーザー数が新型コロナウイルスのパンデミックが始まって以来、2億人に急増した。パンデミックにより世界中の多くの人が外出を控え、自宅から働いている。人気が高まるにつれ、Zoomはセキュリティ問題やプライバシー問題の増加に直面するようになった。そこには、発表していたようにはZoomはエンド・ツー・エンドで暗号化されていなかったというものも含まれる。

Zoomは後に暗号化していなかったことを認め、これを受けて同社の株価は20%ほど下落した。

4月7日にカリフォルニアの連邦裁判所に訴状を出した株主のMichael Drieu(マイケル・ドリュ)氏は、彼自身そしてその他の人も結果として「かなりの損害を被った」と述べた。訴えによると、ドリュ氏は149.50ドル(約1万6000円)で50株を購入したが、その1週間後に1株あたり120.50ドル(約1万3000円)で売却したときに損失を出した。

Zoomはコメントの求めに応じなかった。

ここ数週間、Zoomを相手取った訴訟が起こされていて、今回のものが最新となる。Zoomは2020年3月、ZoomのiOSアプリがFacebook(フェイスブック)とデータを共有していた(ユーザーがFacebookアカウントを持っていなくてもだ)ことが明らかになった後に訴訟を起こされた。

Zoomは先週、暗号化の改善を約束したり、トロールや侵入者が許可なくZoomコールにアクセスする「Zoombombing」を防ぐためにデフォルト設定を変更したりと、同社のイメージ改善作業に追われた。セキュリティ問題によりニューヨーク市は学校にZoomの使用禁止を命じ、Microsoft Teamsを推奨することになった。台湾行政院もまた政府機関のZoom使用を禁じた。

そして米国時間4月8日、Facebookの元最高セキュリティ責任者Alex Stamos(アレックス・ステイモス)氏がアドバイザーとしてZoomに加わったと明らかにした。Zoomもまた、同社のセキュリティ戦略にアドバイスするセキュリティ専門家やリーダーに加わってもらう、と述べた。

画像クレジット: Olivier Douliery / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

パンデミックは我々が築き上げてきたテクノロジーに何を語るのか

機能不全は新しい日常ではない

チャットアプリで何度も繰り返しシェアされているジョーク*がある。そのジョークは選択式の質問になっていて、次のように問う。

「 職場のデジタルトランスフォーメーションの主役は誰か?」

正解は「A.CEO」でもなく「B.CTO」でもなく「C.COVID-19」だ。

この皮肉を裏付ける事実が少なからず存在する。新型コロナウイルス(COVID-19)は現在比喩的な意味で数多くのボタンを押している。世界中の多くの区域の人々が自宅軟禁にも似た隔離生活に直面している。これは人々や産業に対し多くの「一時停止」ボタンが押された状態だ。オフラインでのほとんどの社会活動および経済活動は突如として手の届かないものになった。

現代のライフスタイルにおけるこのような大規模な一時停止は、時間の経過とともに、物事の在りようを完全にリセットしてしまう可能性がある。今までは、通勤や気ままな旅行熱のために地球にかかる負荷は顧みられることなく、人々の移動は当たり前に受け取られていた。今までのこうした在り方が今後「平常通り」に戻ることはないだろう。

これを機会に世界のリーダーたちが立ち上がったとしたら、新型コロナウイルスによる危機は、二酸化炭素の排出を抑える方向へと舵を切るにはどう社会や経済を築くべきなのかを再考させてくれるきっかけとなるだろう。デジタル接続が利用可能で、またそれが信頼のおけるものである場合に、実際に会って行う必要がある会議はどれほどあるだろうか? 何百万ものオフィスワーカーが在宅勤務するようになりつつある現在、物理的な会議を行う必要性はほとんどなくなっているように思われる。

より多くの活動がオンラインで行われるようになっているなか、新型コロナウイルスは、ブロードバンドサービスを公益事業にするという主張を明らかに後押しする形になっている。全国的な危機に見舞われ、ごく近所の人にもリモートな手段を通じてしか会うことのできない現在、ソーシャルメディアでさえ、本当の意味で公共性のあるものに見える。

外出できない人々がデジタルな広場で思いのままにしゃべるために、再びFacebookに押し寄せているという報告がある。実際の目抜き通りが立ち入り禁止である今、年季の入ったソーシャルネットワークが新たな盛り上がりを見せている。

Facebookは当然この種の高度な社会的目的をすでに理解している。それゆえにFacebookは、自然災害、大事故、テロ攻撃などの異常事態の発生時に、ユーザーが自らを「無事だとマーク」するように誘導する機能を積極的に構築している(あるいは、それこそが民主主義を犠牲にしてでも、Facebookが政治家にそのデータプラットフォームを利用することを説得したそもそもの根拠である)。

平穏な時には、Facebookの「目的」は「暇つぶし」にくくることができるかもしれない。しかし、アテンションエコノミーに対する悪いイメージが増えている現在、Facebookの機能は、猛烈で持続的な攻撃にさらされている。

長期間に渡り、この大手のテック企業は、競合製品に対しスパイ行為買収を行ったり、あるいはクローン製品を作るなどといったエンジニアリング的手段を用い、社会的構造の頂点に立ち戻るように対応してきた。10年以上の間、Facebookはあらゆる手段を用いてこのやり方を成功させてきた。とはいえ、今回の利用の増加はFacebookの功績ではない。人々をだますダークパターンがパンデミックによって自然発生したからである。

ウイルスが蔓延する現在、最も興味深いのは、過去20年間にオンラインで構築されてきたデジタルテクノロジーのどれだけが、このようなディストピアを生き抜くためにうまく設計されてきたかである。

このレンズを通してみると、VRは決定的瞬間を迎えている。実際に目で見ることのできるものを、自ら選択するデジタルアドベンチャーと置き換えて、自宅にいながらにして仮想世界を探索させてくれるフェイスコンピューターはどうだろう。VRをもっと使えるようにするためにどんな工夫がされているか。パンデミック封鎖のためのロックダウンによる概念的な限界が、実際にはどのように影響しているか。

非常に特殊なニッチ的な用途以外では、バーチャルリアリティは豊かで質感のある現実の世界に匹敵する、説得力のある世界にはなれなかった。しかし突如として、我々は全員パンデミックに遭遇した。視野は劇的に狭まり、現実を伝えるニュースは常に悲惨だ。そこで、また皮肉たっぷりのジョークの登場となる。「次の休暇の行き先は?  A.ステイケーション(自宅や近場で過ごす)、B.(自宅の)空き部屋、C.VRによる逃避」

しかし、本当に脚光を浴びているのはビデオ会議だ。パンデミックの力を持ってしてもVRを普及させることはできないことがわかった。その代わりに、しばらく疎遠になっていた友情がZoomのグループチャットやGoogleのハングアウトを通じて再燃している。また、ビデオチャットアプリのHousepartyのダウンロード数が急増している。これはバーが閉まった今、毎晩飲み歩いていた人が別のナイトライフを探し求めているためだ。

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退屈した有名人はTikTokアプリで楽しんでいる。InstagramやFacebookライブを通じて即席コンサートがリビングルームからライブストリーミングされている。あらゆる種類の人々が、社会的距離戦略や1人で(または家族とともに)家にこもらなければならないストレスを、リモートな手段による交流で紛らわせている。リモートブッククラブに入会したり、 バーチャルディスコに参加したり、エクササイズセッションにベッドルームから参加する人もいる。友人と過ごす静かなパブでの憩いの時間は、ボトル持参のグループビデオチャットにすんなり変わった。

これは決して通常ではないが、驚くべきことでもない。我々は未曾有の時を生きている。オンラインで人のぬくもりを求めることは、大量破壊と物理的分離(毎日数千人が亡くなるという、現在進行形の公衆衛生における緊急事態というトラウマはいうまでもなく)に対する人間の反応として、それが動くピクセルに過ぎなくても、当然の反応であるように感じられる。物理的接触のない交流でも、まったくないよりはましである。

しかし、これらのツールがすでに存在し、人々がログオンしストリーミングを開始できるよう準備を整えて待機しているという事実は、背筋を寒くさせる。

このことは、消費者向けテクノロジーが、招かれざる第三者の利益を追求する形で、我々の個別の、あるいはグループでの相互の交わり方を作り変えるよう、強力に設計されていることをはっきりと示している。

新型コロナウイルスに見舞われる前は、ソーシャルメディアの持つ、ユーザーを惹きつけフィード消費を受動的な形で行わせてしまう機能、つまり本当の人との付き合いを相手の生活を覗き見的に確認するという形に置き換えてしまう能力が、主な懸念の対象であった。複数の研究により、テクノロジーと孤独やうつ病との関連が明らかになっている。外出し、友人に会うことが文字通りできなくなった今、人との接触の喪失は現実的かつ深刻な問題である。従って、パンデミックの最中にオンライン上で人気が出たとしても、実際にはなんの成功の指標にもならない

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例えば、Housepartyは自らを「対面のソーシャルネットワーク」と謳っているが、それは実際には正反対である。 アプリを通し仮想的に集まるということは、対面での接触を見合わせているということだからである。

Facebookへのアクセスが新型コロナウイルスの流行で急増しているという事実は、同社のビジネスモデルが社会の混乱や悲惨さの中でこそ成功するものであることを示唆している。正直にいえば、我々は既にこのことに気付いていた。データ駆動型の広告テクノロジーとは、人々が何をしているかをこっそりスパイし、広告を見せて購買欲求を掻き立てるよう仕向ける技術と言い換えることができる。コロナウイルスはただ問題の核心をはっきりさせただけである。

デジタルに繋がりを持つためのハイテクツールがこんなにも豊富に存在しているという事実は、この危機にあってはすばらしい偶然の発見のように感じられる。恐ろしい世界的トラウマへの対処を可能にするフリーミアムの大鉱脈を探り当てたというわけだ。しかし気前よく差し出されたこれらのツールは実にいやらしい裏面を持っている。感染性があり、油断ならない狡猾さをもっているのがアテンションエコノミーだ。「普通の生活」が突然中断される前は、この汚れたテクノロジーに付けられていたラベルは「平常時用」というラベルであり、「世界的緊急事態用」ではなかった。

人々の関心(アテンション)を貪るこれらのアプリやサービスの設計が今ほどはっきりしたことはない。つまり、我々を混乱させ収益化の対象とする。人間味を欠くような方法でさりげなく我々の友情や人間関係に入り込んでくる。感情と関係性の在り方をつなぎ替える。直接的な交流を、バーチャルな交流に変えるよう我々に指示する。そしてこのバーチャルな交流の場は、求められてもいないのに我々のプライバシーや社会生活に入り込んできた先ほどの第三者により、データマイニングおよび収益化のために設計されたものだ。

人との繋がりは、このように取り込まれ編集し直され、一連の希薄で無意味な電子的処理に成り下がる。これらのプラットフォームは、個人の犠牲を省みることなく、多数のエンジニアを擁して様々な手段を用いて広告の機会を最大化している。

また今までよりも広大で侵襲的な監視資本主義が出現しているのも偶然ではない。新型コロナウイルスによる緊急事態によって、平常時にはこれらのビジネスモデルを大勢の目から隔てるのに使用される難読化装置が一部取り外されているからである。データを漁るトラッカーたちはこの機会を逃すまいと殺到している。

テクノロジーおよび広告の大手企業は新型コロナウイルスを追跡するためのデータやアプリの提供に関与しようと熱心に取り組んでいる。政府は、命を救うためのツールとリソースを大いに求めている。その中で、すでに大衆を監視するビジネスに関与している大量データ産業のロビイストたちは、現在のパンデミックを絶好の機会として、人々はプライバシーにそれほど関心がないという嘘を押し通そうとしている。

まず、人々を追跡するプラットフォームは人々への攻撃を「関連広告」として潤色し、実際よりも美しく見せた。今や、データ産業複合体は、パンデミックを撲滅する企業の社会的責任として、警察国家並の大量監視を急回転させている。その回転のなんと早いことか。

しかし、プラットフォームは自らの行き先に気を付けるべきである。家に軟禁され自分の携帯電話がスパイ道具にされていることに気が付いた人々は、この奇妙な前例のない時期に親しみやすいビデオチャットにサインアップしたのと同じくらいあっという間に、ハイテク企業を急に非難し始めるかもしれない。

それと、Zoom (そしてその他のビデオチャットアプリ)に忠告。 多くの人が君の「プライバシーポリシー」を実際に読んでいるかもしれない。今人々はオンラインに費やす時間がたっぷりあるのだ。これは相当な危機ではないのか。

Zoomについて、プライバシー、セキュリティに関する新たなホラーストーリーを毎日目にする。なぜ今一時にこうしたことが起こっているのだろう?

答えは簡単。問題は別に新しいものではない。突然皆がZoomを使うよう強制されたからである。そのため、より多くの人が問題に気が付き、オプトアウトができないために、さらにフラストレーションを感じるようになる。

はっきり言おう。 Zoomはマルウェアなのだ。

*ソースは個人のTwitterアカウント「@MBA_ish」

画像クレジット:Bryce Durbin

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳: Dragonfly)

台湾がセキュリティ懸念で政府機関でのビデオ会議アプリZoom使用を禁止

台湾の行政院は4月7日、政府機関がZoom(ズーム)や「セキュリティやプライバシーで懸念がある」他のビデオソフトウェアを使用しないよう勧告を出した。Google(グーグル)やMicrosoft(マイクロソフト)が提供するソフトウェアを含む他の選択肢を検討すべき、としている。

新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックの中で、多くの組織が会議を開くのにZoomに頼ってきた。しかしZoomはセキュリティとプライバシーの点で批判されている。

他の国の政府機関もZoomの使用を制限しているが、台湾の措置はこれまでで最も広範なものの1つだ。たとえばニューヨーク市当局は学校のリモート授業でのZoom使用を禁止すると発表し、オーストラリアでは国防軍と議会のZoom利用を禁じている。

台湾政府の発表では、「行政院のサイバーセキュリティ部門(DCS)は7日、行政機関と特定の非政府機関に対し、ビデオ会議をしなければならないときに使用されるビデオソフトウェアは、Zoomのようなセキュリティやプライバシーの問題を抱えるものであってはならない、との勧告を正式に出した」とある。

DCSは「もし組織が海外とのやりとりや特別な状況で台湾産のものでないソフトウェアを使わなければならない場合、GoogleやMicrosoftのようなグローバル通信大手がそうしたテクノロジーをこのパンデミックにおいて無料で提供している。組織はデータセキュリティリスクを精査してからこれらのオプションを検討すべきだ」とも付け加えた。

Zoomの創業者でCEOのEric Yuan(エリック・ユアン)氏は4月1日、同社のブログに「Zoomの使用は1夜にして脹れ上がった。我々が2月後半に最初にサポートを発表したときに想像していたボリュームをはるかに上回っている。昨年12月に1000万人だった毎日のミーティング参加者は3月には2億人超になった」と書いた。

ユアン氏はセキュリティ問題を謝罪し、「我々は問題の1つ1つを調べ、なるだけ早期に解決する」とした。

新型コロナのパンデミックでZoomの使用は3月に突然増え、「ZoomBombing」が問題になった。Zoomのスクリーンシェア機能を使っている最中に暴力画像やポルノなど不適切なコンテンツが現れてミーティングを邪魔する、というものだ。また、ビデオコールが、同社がうたっていたエンドツーエンド暗号化ではなかったことも明らかになった。Citizen Lab(シチズンラボ)の研究者は先週、一部のビデオコールが中国を経由していたことを発見した、と述べた。

TechCrunchはZoomにコメントを求めている。

画像クレジット: Olivier Doiliery / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

Zoomが参加者の承認をデフォルトにしてZoom爆撃を防止

Zoomは、トロール(荒らし)によるビデオ会議に対する悪質な攻撃の蔓延を防止すべく、大きな変更を行った。米国時間4月5日から、Meeting IDによる参加にパスワードが必要になる。Meeting IDは推測されたり再利用されたりするためだ。さらに、バーチャル・ウェイティングルームをデフォルトでオンにする。これでホストは参加者を手動で承認しなければならなくなる。

この変更によって、「Zoombombing」(ズームボミング、Zoom爆撃)を未然に防げる可能性がある。Zoom爆撃は2週間前に名付けられた用語で、悪意のあるユーザーがZoom会議に参加して、不快な画像や映像を共有する行為だ。その後新たなZoom爆撃の戦術が次々と編み出され、チャットスレッドにひどいGIFアニメを投入したり、バーチャル背景を使って悪意のあるメッセージを流したり、罵る言葉や中傷を叫ぶだけというものも出てきた。匿名の会議は組織的荒らし行為の温床になっている。

人々のおびえた顔を見てほしい。Zoom爆撃が行われるとこうなる

FBIは、小学生のオンライン授業やアルコール中毒者の匿名集会やプライベートな仕事の会議がZoomG爆撃を受けた問題を受け、 警告を発行した。セキュリティー研究者は、アタッカーが会議に侵入するさまざまな方法を発見し公開した。

一連の問題は、Zoomが元々企業内などの信頼された環境で使用されることを前提に作られていたことに由来する。飲み会やヨガ教室、円卓会議や授業などは想定されていないかった。しかし、新型コロナによる自宅待機でユーザー数がこのひと月で1000万人から2億人に増えたことに対するシステム基盤のスケーリングに苦闘していたZoomは不意をつかれた。

Zoom CEOのEric Yuan(エリック・ユアン)氏はセキュリティーの不備について謝罪し、修正を約束した。しかし、当時同社は、スクリーン共有をホストのみが使えるように、ウェイティングルームは小中高生ユーザーにのみデフォルトで有効にすると言うだけだった。今般、それでは不足であることを認めたことは明らかであり、ウェイティングルームは全ユーザーのデフォルトになった。

Zoomは今日(米国時間4/3)の午後一連の変更についてユーザーにメールを送り、次のように説明した。「ビデオ会議のパスワードを必須とし、ウェイティングルームをデフォルトでオンにすることでセキュリティーを高め、みなさんのプライバシーを保護します」

さらに同社は、「今後予定されるビデオ会議では、招待状にパスワードが表示されます。インスタントミーティングでは、Zoomクライアントにパスワードが表示されます。パスワードはビデオ会議の参加URLでも見ることができます」。ほかの注意事項としては、ファイル転送やスクリーン共有、削除された参加者の再参加などを禁止することが挙げられる。

ニューヨーク州ニューヨーク発。2019年4月18日にニューヨーク市で行われたNasdaqのオープニング・ベルセレモニーで喜びの表情を見せるZoom創業者のEric Yuan氏。ビデオ会議ソフトウェアを提供する同社は、IPO価格1株当り36ドル、推定企業価値92億ドルで上場した(写真提供:Betancur/Getty Images)

この変更によってユーザーの手間は増える。ホストは会議を進めると同時にウェイティングルームの参加者を承認しなければならない。Zoomは、4月5日以降に予定されているMeeting IDベースの会議のユーザーに、改めてパスワード付の招待状を送ることを推奨している。パスワードを探すのに四苦八苦したユーザーの参加が遅れる可能性がある。

しかし、これはZoom爆撃の被害から参加者を守るために支払う妥当なコストだ。続発する荒らし行為は、今爆発的に普及しつつあるビデオチャット・プラットフォームを使い始めた人たちの体験に水を差すものだ。たった一度のポルノ画像で汚染されたビデオ会議は、友だちや同僚との100回の平和な経験よりも強い印象を残しかねない。従来の初期設定はZoomが企業内で使われていたときにはよかったが、誰もが使う基本ツールになった今、自分を変える必要があった。

製品がメインストリームになり新たな使われ方をするようになるにつれ、技術者はワーストケースのシナリオを予測できるように成長する必要がある。誰もが好意的であると想定することは、人間の本性を無視している。どんな小さなチャンスであっても、そこから利益を上げたり、力を得たり、混乱を起こそうと、常に誰かが狙っている。ビジョンを持った理想主義者だけでなく、懐疑派や現実主義者を開発チームにいれることで、スキャンダルを起きる前に、プロダクトを悪用から守ることができるだろう。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

新型コロナ感染回避を強力に支援するビデオチャットアプリ8選

video call

ソーシャルディスタンス(社会的距離)の変遷を多くの人が驚きを持って受けとめる中、ビデオ通話が距離のある人との交流に欠かせない新しいツールになりつつある。しかし、巷にあふれる多くのアプリの中から、あなたと(テクノロジーに疎いかもしれない)友達や家族に適しているのはどのアプリなのだろう?お茶するときによし、家族の集まりによし、深夜のゲーム大会によしのお勧めアプリを紹介していこう。

ここで紹介するサービスは、簡単に他の人々とつながることのできる無料アプリを探している個人向けのもので、中小企業を含めた企業向けのものではない。セレクションのポイントは、使いやすさと一般の人々が魅力を感じる機能だ。アプリはすべて無料で、クロスプラットフォーム、つまり少なくともiOSとAndroidで使用でき、多くはmacOSやWindowsにも対応している。

多人数グループ向け

Skype(iOS、Android、macOS、Windows、Linux、ウェブ)

skype

良い点: 一度に多くの人と通話が可能
悪い点:他の機能に力を入れすぎ
Skypeは長く使われてきた。そのデスクトップアプリはいまひとつだが、モバイルバージョンは安定している。無料で多人数に対応可能で、実質上制限はない(1通話あたり4時間、月あたり100時間)。ビデオ通話をメインに考えているのであれば、優秀なアプリである。しかしSkypeの絵文字リアクション、ステータスの更新、およびその他のお粗末な機能は回避するのが最善。

Zoom(iOS、Android、macOS、Windows)
Zoom
良い点:一度に多くの人と通話が可能、主催者の権限が強い
悪い点:不完全なバックグラウンドデータポリシー、40分の通話制限
Zoomは、ビジネスビデオ会議アプリとしては最も人気のアプリの1つだ。信頼性が高く、安定したウェブ統合とその他の機能を備えている。Zoomは本来個人の通話用に作られたものではない。個人使用には必要ない機能も多数あるが無料版で十分だ。残念ながら、グループ通話には40分の時間制限が設けられている。40分は思ったより早く経過してしまい、全員がいったん通話を終了し、もう一度開始しなければならない。Zoomは無断で大量のデータを収集してたことで批判されてきた。友達とおしゃべりするだけなら、他にもっと良い選択肢がある。

友達・家族向け

Facebook Messenger(iOS、Android、macOS、Windows)
Facebook Messenger
良い点: 簡単に使用でき、多くの人が既に持っており、便利なグループ機能
悪い点: Facebookアカウントが必要
メッセンジャーの人気には理由がある。メッセンジャーがあれば、友達とのほぼすべてのデジタル通信の機能がある。無料の時間無制限のビデオ通話に最大8人が参加できる。2人で通話を行う場合は、サーバーを経由しないピアツーピア構造に切り替わり、渋滞を回避することができる。もちろん、これもFacebookの製品なので、Facebookアカウントが必要になってくるが、アカウントの作成を嫌がる人もいる。しかし、メッセンジャーは、Facebookへの投稿や画像よりもスヌーピングから保護されている。

WhatsAppメッセンジャー(iOS、Android、macOS、Windows、ウェブ)

whatsapp

良い点: 安全、多くの人が使用
悪い点: 1回のビデオ通話で4人まで
WhatsAppは、FBメッセンジャーの冴えない、やや見劣りする兄弟に例えることができる。かなりブサイクであっても、プライバシーに焦点を当てているため、WhatsAppは世界中で多くの人に支持されている。ビデオ通話はWhatsAppの主要機能ではないが、4人しか参加できないことが気にならないのであれば、悪くないアプリである。ビデオ通話をするには、グループチャットを開始し、右上の通話ボタンを押して参加者を選択し、カメラを押す。

Google Duoまたはハングアウト (iOS、Android、ウェブ)

Google Duo

良い点:シンプルなインターフェース、既存のGoogleアカウントの使用
悪い点:複雑なプラットフォームの問題、Duoは今後消えていく可能性あり
Duoは、Googleの比較的新しいメッセージング製品でAlloの補完を目的としている。ハングアウトのコンシューマーバージョンという位置付けで、ChatとMeetに分割されているが、独立した存在である。紛らわしい? それこそGoogleである。しかし現在このアプリはとてもうまく機能している。既存のGoogleコンタクトやアカウントに接続し、簡単にビデオ通話ができる上、特に制限はない。友達が新しいアカウントを作成したがらない場合、これはよい選択肢である。ただし、あまり依存してはいけない。人気のないGoogle製品の寿命は長くはないからだ。

Marco Polo(iOS、Android)

良い点: ビデオメッセージングはライブチャットの代替手段として楽しめる機能
悪い点: ライブチャットオプションがない
いわゆるビデオチャットアプリではないが、全員が対面式のライブビデオ通話を望んでいるわけではないのは事実だ。Marco Poloは合理化されたSnapchatのような存在で、落書きやフィルターなどを追加するオプションを使用して、短いビデオを友達やグループに送信するのに利用される。友達と話すのに30分も時間がない場合には、良いオプションになるだろう。

次点FaceTime、Instagram

FaceTimeは優秀なアプリだが、クロスプラットフォームではないため、かなり有用性が制限されている。友達がたまたまApple製品を使用していたら、FaceTimeは優秀でシンプルなオプションだ。Instagramにはダイレクトメッセージにビデオ通話が組み込まれている。内輪のグループにいれてもよいかどうか確信がもてない人と、ちょっとした通話を行うのに便利だ。

一緒に楽しいひとときを過ごすためのアプリ

Houseparty(iOS,、Android、ウェブ)

Houseparty

良い点: グループチャットへの出入りが簡単、ゲーム内蔵
悪い点: 基本的にHeads Upのためのトロイの木馬
Housepartyは、10代の若者が家に居ながらにして友達グループとチャットするために使用するアプリとしてそのブランドを確立した。大人には不評。しかし、そういったものの常として、子供には支持されている。Housepartyは仲良しグループでの使用に適している。誰かがオンラインになれば通知され、チャットにもで簡単に入ることができる。アプリ内のゲームも楽しめるが、Heads Upをするには課金されてしまう。ピクショナリークローンは楽しいが、限られた文字数では紹介しきれない。

Discord(iOS、Android、macOS、Windows、Linux、ウェブ)

Discord

良い点: ゲームをしながらボイスチャットをするか、たまに簡単なビデオチャットをするのに最適
悪い点:インターフェースが時々紛らわしく、ビデオが中心機能ではない
Discordはゲーム関連コミュニティーでは事実上の王者と言ってよく、ゲーム内チャットインターフェースやSteamなどの教育業界の大物に取って代わるものだ。Discordの主力サービスは音声チャットであり、そちらは良好だが、ビデオチャットも選択できる。複数のタブ、グループ、チャンネルがあるため、テクノロジーに精通していないユーザーには、そのインターフェースは紛らわしいかもしれない。

次点BunchSquad

新しいアプリ、Bunchは, ビデオチャットをしながらグループでゲームをすることに力を入れている。うまく機能するかどうかわからない上に一部のゲームにアプリ内課金がある可能性がある。しかしプラットフォームは当初から多くの人が利用しているので、この際試してみてはどうだろう。

Squadが力を入れているのが、自分がスマートフォンでしていることをチャットしながら共有する機能だ。一緒にTinderをチェックしたり、ビデオを見るといったことが可能だ。Bunchと同様、Squadは未だ新参のアプリであるため、友達にサインアップをしてもらわなければならないが、自分がスクロール(またはスワイプ)しているものをそのまま友達と共有するのには最適な手段だ。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Dragonfly)