「宇宙のガソリンスタンド」を目指すスタートアップOrbit Fabがシードラウンドで6.2億円を調達

TC Disrupt 2019にて衛星カップリングシステムを披露するOrbit Fabの最高開発責任者Jeremy Schiel (ジェレミー・シール)氏

「宇宙のガソリンステーション」の構築に特化した企業を自称する、軌道上でのサービス提供を目指すスタートアップOrbit Fab(オービット・ファブ)は、シード投資ラウンドに新たな投資者を迎えた。この追加拡張投資は、Munich Re Ventures(ミューニック・リー・ベンチャーズ、世界最大クラスの保険会社ミュンヘン再保険グループのコーポレートベンチャー投資部門)によるものだ。Munich Reグループは、特に衛星運用者には非常に重要な保険会社であり、打ち上げ前、打ち上げ時、軌道上の運用をカバーする保険商品を提供している。

2019年TechCrunch Disruptバトルフィールドの最終選考まで勝ち残った経験のあるOrbit Fabのシステムは、基本的には、宇宙船を軌道上の給油所まで誘導する宇宙タグボートで成り立つ。給油所には、同社が注文に応じて製作するインターフェイスを使って接続できる。新しく衛星を設計する際に、比較的簡単に組み込めるようデザインされており、キャプチャーやドッキングのための特別なロボットシステムなどを必要とせず、宇宙空間で簡単に燃料補給ができる。

このスタートアップの目標は、宇宙船の寿命を延ばして宇宙デブリを減らし、運用者の経費を削減することで、持続可能な軌道上の商用運用環境の構築を助けることだ。Munich Re Venturesの参加は、衛星運用者の打ち上げと運用のリスクモデルに持続可能性が高く運用期間が長い宇宙船を組み込めるという点で、極めて大きな前進となるずだ。

「推進剤のサプライチェーンの立ち上げを見てみると、その大部分は財務モデルです」と、Orbit Fabの共同創設者でCEOのDaniel Faber(ダニエル・ファーバー)氏はインタビューで私に話した。「顧客のリスクを移動し、設備投資を運営費用に確実に移動し、それでいて新たなリスクを招かないようにするには、これをどう使えばよいのか。そのすべてを、Munich Reの財務商品、保険とリスクの評価に任せることができます。なのでこれは、大変に意味深いパートナーシップなのです」。

ファーバー氏は続けて、Munich Re Ventures のTimur Davis(ティムア・デイビス)氏が宇宙関連のカンファレンスによく顔を出すようになり、そうしたイベントでファーバー氏は彼と言葉を交わすようになったと話した。それがやがて、宇宙でのサービスと基盤整備を見すえたMunich Re Venturesの投資計画に発展し、Orbit Fabはその新計画を背景とした最初の投資先となったわけだ。

この新規投資によって、Orbit Fabのシード投資ラウンドの総額は600万ドル(約6億2000万円)に達した。この中には、ベンチャー投資企業からのものに加えて、米国政府からの200万〜300万ドル(約2億6000万〜3億9000万円)の資金援助も含まれている。同社はまた、新たにドッキングのための「自動運転衛星」キットを着想し研究を行っている。これには、米国立科学財団から予備的な要求開発のための資金を獲得し、現在、その設計製造に着手できる段階に至っている。2021年は、宇宙産業の新企業にとっては大きな年となる。持続可能で規模の拡張が可能な衛星運用というアプローチを掲げるOrbit Fabも、間違いなくその中の1つだ。

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(翻訳:金井哲夫)

アマゾンのProject Kuiperは3236基の衛星打ち上げに複数企業の参加を期待

Amazon(アマゾン)のデバイスとサービス担当上級副社長であるDavid Limp(デビッド・リンプ)氏を米国時間12月16日のTC Sessions:Spaceに招いて、同社のブロードバンド衛星コンステレーションProject Kuiperについて、詳しい話を聞いた。リンプ氏は、Kuiperのチームがその革命的な顧客端末で解決した技術的設計のチャレンジを詳しく共有した。彼はまた、同社のコンステレーションの打ち上げ計画についても、情報を共有。FCCが認可した現在の計画では、それは3236基の衛星で構成されるという。

リンプ氏はまず「打ち上げは誰がやってもよい」という。「誰かロケットを持ってる人をご存知だったら、お電話をください。いまがコンステレーションに適したタイミングだと思う理由の1つは、打ち上げ産業に活気があるからです。毎日のように再利用のデモがあるし、画期的な新しいエンジンのデモがある。SpaceXのRaptorがあったかと思うと、次の日にはBlue OriginのBE-4という具合だ」。

アマゾンのコンステレーションに対するFCCの認可条件の1つが、それを構成する衛星の計画量の約半分を6年以内に打ち上げることだ。相当な数であるため、速いペースが必要となる。たとえばSpaceXのStarlinkは、衛星60基の打ち上げを16回行ったが、そのうちの14回は2020年内だ。これだけのペースを達成するためには、Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏が個人的に所有する打ち上げ企業Blue Originにも多少の打ち上げ能力はあるが、宇宙へ行くためのライドシェアをどこかで見つけないといけないとリンプ氏はいう。

「3200個以上の物を宇宙に運ぶためには、大量の打ち上げ能力が必要だ。希望としてはそれを1社でやるのではなく、複数の打ち上げ企業にお願いしたい」とリンプ氏。

Project Kuiperが求める衛星の仕様にもよるが、Astra、Relativity SpaceそしてVirgin Orbitなど、これは新興の小さな衛星打ち上げ企業にとって大きな活躍のチャンスだ。後者は先に、打ち上げ企業の進歩について語っている。またそれは、Rocket Labのような既存の企業にとっても棚ボタかもしれない。もしかして、SpaceXも打ち上げの助っ人になる可能性がある。

別の質問への回答でリンプ氏は、Project KuiperはSpaceXのStarlinkと直接には競合しない、と述べた。世界のインターネット未供用地域は、市場としても、あまりにも広いからだ。

関連記事:Amazon子会社Project Kuiperがブロードバンド衛星ネットワーク用の小型・低コスト顧客端末を開発

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Amazon子会社Project Kuiperがブロードバンド衛星ネットワーク用の小型・低コスト顧客端末を開発

全地球規模のブロードバンドワイヤレスネットワークにより、これまで取り残されていた人びとや地域に低費用のインターネット接続を提供するAmazon(アマゾン)のProject Kuiperは、同社の最も意欲的なプロジェクトの1つだろう。プロジェクトは2020年にFCCの認可を得て一歩前進し、ハードウェアの重要部分のプロトタイプも作成した。それにより未来の顧客は、地上で衛星ネットワークを利用できる。

これは実際、Project Kuiperを広くアクセス可能なサービスにし、アマゾンのプロジェクトをユニークな優位性を持って業界をリードするポジションに置く開発に役立つ大きな部分を占めている。同チームが開発したプロトタイプは、無線周波数帯のKa帯で通信を行い、これを可能にする最小かつ最軽量のハードウェアだ。最大400Mbpsの速度を達成することができ、アマゾンによると将来的には改善されるという。

それをどのようにして達成し、それが最終設計にとって何を意味するのか。アマゾンのブログ記事は、設計プロセスを次のように説明している。

我々のフェーズドアレイアンテナは、異なるアプローチを採用している。アンテナの配列を互いに隣接させる代わりに我々は、小さなアンテナ素子の構造体を上下に重ねている。Ka帯でそれが達成されたことはこれまでなかった。この画期的な試みにより我々は、端末全体のサイズと重量を縮小でき、他のバンドよりも高い帯域とより良い性能で運用が可能になった。我々の設計では、デジタルとアナログの部位を組み合わせて、Ka帯のビームを頭上を通過する衛星に向けて電子的に誘導する。

その結果は、直径12インチの単一口径のフェーズドアレイアンテナとなり、レガシーなアンテナの設計に比べて1/3と小さく、軽量になった。この大幅なサイズ縮小で製造原価も同じく削減され、アマゾンは顧客により安価でインストールも容易な端末を提供できる。

画像クレジット:Amazon

その結果、アマゾンのKuiperの設計では、エンドユーザーがそのネットワークにアクセスするために必要な地上部分のインフラストラクチャの構築費用と複雑性を大幅に削減できる。またレイテンシーも低く、アマゾンが静止衛星を使って米国時間12月16日に行ったテストでは、4Kのストリーミングを送信できた。Project Kuiperの衛星は最終的に低地球軌道に乗るが、テストで使った静止衛星はその50倍遠い。

アマゾンはまだ端末の価格などを発表していないが、既存のソリューションよりも安いということをもっぱら強調している。TC Sessions:Spaceでは、アマゾンのデバイスとサービス担当上級副社長のDave Limp(デイブ・リンプ)氏に話を聞いてみるつもりだ。アンテナをはじめ、プロジェクトの細部についても話を聞きたい。

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画像クレジット:Amazon

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

小型衛星スタートアップCapella Spaceが最高解像度の市販SAR画像を提供

サンフランシスコを拠点とする小型衛星スタートアップのCapella Spaceは、商用の最先端合成開口レーダー(SAR)画像を独占的に提供している。同社は今回、これまで最高だった1m×25cmよりもはるかに高い解像度である50cm×50cmの「Spot」画像を提供することになった。SAR画像は雲や空気の状態、照明(昼夜を問わず)などに関係なく運用できるため、他のタイプの衛星による観測と比較して優位性がある。

Capella SpaceはSAR衛星の設計、構築、運用をすべて自社で行っており、米国で初めてSAR衛星を開発した企業だ。元JPLのエンジニアであるPayam Banazadeh(パヤム・バナザデ)氏によって設立された同社は、2020年8月末に1機のSAR衛星をRocket Lab(ロケット・ラボ)のロケットで打ち上げで軌道に投入した。同社によれば、年内にもSpaceX(スペースX)社のライドシェア契約でさらに2機の衛星を打ち上げを計画している。

Capellaの高解像度「Spot」画像の一例で、シンガポールのExxonMobil製油所施設を撮影(画像クレジット:Capella Space)

現在のところCapellaの商業的に利用できる画像の最大解像度は、実際には技術的に制限されているわけではなく、米国の規制当局が定めた最大値によって制限されている。Cappellaは米国政府の顧客に対してより精細な画像を販売することができ、規制が技術に追いつけば25cm × 25cmの解像度の画像を商業的に提供できるようになるだろうと指摘している。

このレベルの技術が一般的に入手しやすく手頃な価格で入手できるようになり、Capellaのようなスタートアップ企業が商業的サービスを提供できるようになることで、SAR画像は衛星画像市場を大きくシフトさせる可能性を秘めている。また分析データやその他のタイプの観測データをレイヤー化して、光学イメージングだけでは不可能だった詳細な洞察を得るためのリッチなプラットフォームにもなる。もちろんこの技術は国家安全保障機関にとっても大きな関心事であり、Capellaはすでに米国政府に支援され契約を結んでいる。

なお米国時間12月16日に行われるTC Sessions:Spaceイベントにバナザデ氏が参加しているので、この新しい高解像度画像とその応用について詳細が語られることだろう。

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タグ:Capella Space

画像クレジット:Capella Space

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

ドローンが視覚的に障害物を避ける技術でFAA規制の壁を乗り越えるIris Automationが約13.5億円調達

ドローンが日常の物流インフラの要になるのはいまや時間の問題だが、現時点からそこまで行く間には、まだ大きな障壁が残されている。特に規制の壁は大きい。Iris Automation(アリス・オートメーション)は、無人飛行の標準規格づくりに関連する規制上の難題を解決に導くコンピュータービジョン製品を開発している。そこには、さまざまなカメラに幅広く対応できる障害物を検知して回避する同社の技術が活かされている。このほどIris Automationは、シリーズB投資ラウンドで1300万ドル(約13億5000万円)を調達し、その資金を技術の改良と発展、そして規制当局との協力による効果の実証実験に役立てようとしている。

Iris AutomationのCEOであるJon Damush(ジョン・ダマシュ)氏と、Iris Automationに投資を行っているBessemer Venture Partners(ベサマー・ベンチャー・パートナーズ)副社長Tess Hatch(テス・ハッチ)氏に、今回のラウンドと同スタートアップの今後と目標について話を聞いた。2020年の初めにCEOを引き継いだダマシュ氏は、Boeing(ボーイング)勤務時代の経験、パイロットとしての個人的な体験、そして、商用UAV業界に爆発的成長のステージを整えた小型で安価、かなり入手しやすくなった電動モーター、バッテリー、強力なコンピューターモジュールの出現が航空業界に与えるインパクトに関して語ってくれた。

「航空宇宙の世界に50年間存在していた障壁を、私たちはいくつも打ち破ってきました。以前ではあり得なかったほど簡単に、航空機を作れるようにした製造ツールの真の民主化が始まったからです」とダマシュ氏はいう。「そうした状況から、また人をコクピットに乗せずに飛ばせるようになったことから、課題がいくつも生まれています。中でも、規制環境の問題です」。

米連邦航空局(FAA)も、世界中のほとんどの航空宇宙規制当局も、商用飛行に関する規制を基本的に2つの大きなくくりに分けているとダマシュ氏は説明する。1つは操縦、つまり飛行中に行う即時的な行為に関するもの。もう1つはパイロットに関するものだが、これを無人航空機に適用しようとすると、非常に厄介なことが起きる。

「最大の課題の1つは、91.113bと呼ばれる規制に関するものです。そこには、許された気象条件では、航空機に搭乗しているパイロットが他の航空機を目視し回避する全責任を負うという条文があります。これは3マイル離れろ、5マイル離れろ、1マイル離れろといった分離標準とは違います。パイロットは最後の砦であり、セイフティーネットなのです。安全な飛行のための危険緩和策がほぼすべて失敗したとき、他の誰かとぶつからないためにパイロットが乗っているということです」。

そこでIrisの出番だ。光学カメラをベースにした障害物回避システムで、パイロットが乗っていない航空機の最後の砦の役割を実質的に代行する。そしてこれが、現在の商用ドローン規制環境における最大の制限因子、つまり人間の目視を越えて航空機を飛行させる能力を実現する。障害物回避システムにより、オペレーターが常時目で観察していなくてもドローンを運用できることを意味する。一聴すると、この制約因子は長距離飛行に関わるものであるかに聞こえるかもしれないが、実際にはむしろボリュームの問題だとダマシュ氏は指摘する。常に人間の目視の範囲内でドローンを飛ばさなければならないという制約を取っ払えば、ドローン1機にオペレーター1人という体制から、何機ものドローンを1人のオペレーターが運用する体制に移行できる。そうして初めて、商用ドローン運送の規模の経済が実際に意味を持ってくる。

Irisは、2020年に総合パイロットプログラムの一環としてFAAに協力し、2つの異なる使用事例のデモンストレーションを行い、それを実現へ近づけた。また同社は、Casia(カシア)システムの2つめのバージョンを発表した。これは、非常に離れたところにあるオブジェクトの検知能力を持つ。ハッチ氏は、この2つが、追加投資でさらに出資を増やすBessemerの判断要因になったと指摘する。また、業界の需要や商用ドローン市場への信頼が、新型コロナウイルスに何らかの影響を受けたかを尋ねた。すると、それは特筆すべき重要因子であり、この業界の本質がそれによって変化し始めていると彼女は答えている。

「現在、最も大きな産業は農業と公安の2つです」とハッチ氏は私に話した。「公安は去年、上位に入っておらず、入っていたのは農業、建設、エネルギーでした。ドローン業界におて、公安は確実に重要な垂直市場になっています。誰かが心臓発作やアレルギー発作を起こしたときのことを想像してみてください。救急車が来るまでに平均で14分かかります。ドローンなら、数分でその人にAEDやエピペンを届けることができ、命を救えます。新型コロナの収束後も、この追い風が続くことを切に願っています」。

今回のシリーズB投資ラウンドには、Bee Partners(ビー・パートナーズ)、OCA Ventures(OCAベンチャーズ)、そして新規の戦略的パートナーとしてSony Innovation Fund(ソニー・イノベーション・ファンド)とVerizon Ventures(ベライゾン・ベンチャーズ)が参加している(自己開示情報。TechCrunchはVerizon Media Groupの子会社だが、その投資部門とは直接、間接いずれの関与も受けていない)。ダマシュ氏は、ソニーは大変に有望な戦略的価値をもたらしたと話す。なぜならソニーは、ドローン業界で利用されているイメージセンサーの膨大なスタックを開発しており、ドローンそのものも開発しているからだ。その一部として、Verizonも大規模なドローン運用の際に欠かせないネットワーク接続の分野で、重要なパートナーとしての可能性を提供している。

カテゴリー:ドローン
タグ:Iris AutomationFAA資金調達

画像クレジット:Iris Automation

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(翻訳:金井哲夫)

mikme pocketはポッドキャスター、リポーター、クリエイターに最適なモバイルオーディオソリューション

携帯型のオーディオ録音ソリューションは数多くあり、最近発売された数々のデバイスには、ポケットに入れて持ち運べる録音デバイスの利便性と品質を向上するためのさまざまな取り組みがなされている。これはスマートフォンとそのビデオ録音機能の継続的な進化によっても促進された。オーストリアのmikme社が提供する新しいデバイスmikme pocket(369ユーロまたは450米ドル弱、日本円で約4万7000円)は、非常にポータブルなパッケージながらきわめて高い柔軟性と品質を実現し、レポーター、ポッドキャスター、ビデオクリエイターたちに究極のポケットサウンドソリューションを提供する。

製品の概要

mikme pocketは小ぶりで、スマートフォンの約半分の大きさだが、スクエア型で厚さはスマートフォンの2倍程度だ。Rode Wireless GOほどコンパクトではないが、オンボードメモリとBluetoothアンテナを内蔵しており、最大3つのmikme pocketから音声をローカルに録音し、接続されたスマートフォンに直接送信することができる。

mikme pocketには、コントロール用のボタンだけでなく、専用の音量ボタン、オーディオをモニターするための3.5mmヘッドフォンジャック、充電および物理的な接続を介してファイルをオフロードするためのマイクロUSBポート、Bluetoothペアリングと電源ボタンが付いている。内蔵のベルトクリップとマイクスタンド用の3/8インチ(約9.53mm)のネジ式マウントがあり、1/4インチ(約6.35mm)の標準的なカメラの三脚接続用アダプターが付属している。

商品の箱の中には、mikme pocket向けのインターフェースであるミニXLRコネクター付きのラベリアマイク、マイク用のクリップと風よけのウィンドスクリーンが2つ入っている。また、付属のラベリアマイクよりも音質とダイナミックレンジの点で優れた性能を発揮する「プロ仕様」のラべリアマイク(mikme lavalier pro microphone)が別売されている(149ユーロまたは約180米ドル、日本円で約1万9000円)。

画像クレジット:mikme

 

mikme pocketの内蔵バッテリーは最大3.5時間の録画時間で、録画の合間のスタンバイモードでは6か月以上持続する。

デザインと性能

mikme pocketはかなり飾り気のない黒いブロックのような姿ではあるが、その控えめなデザインが強みのひとつだ。マットな質感が特徴で、ダークな服装であればほとんど目立たず、ベルトクリップが内蔵されているので声を拾おうとしている対象の人物に容易に固定できる。制御を簡素化するため大きなボタンが1つだけ装備されており、LEDバックライトを使用して接続状態を簡単に確認することが可能だ。

Bluetooth接続やmicro-USBポートなど、より高度な機能のためのコントロールは、録音中に誤って圧力がかかることのないように底部に位置している。マイク用のミニXLRインターフェースは、マイクが差し込まれるとその位置にしっかりとロックされ、セッション中にずれないようになっている。

16GBの内蔵ローカルストレージを備えるmikme pocketはもちろん単独で使用できるが、スマートフォンアプリを使うことでさらにその良さが光る。アプリは最大3つのmikme pocketを同時に接続することができ、内蔵ビデオレコーダーを備えているので、iPhone 12のような最新デバイスの録音機能をフルに活用して、撮影しながらリアルタイムで同期したオーディオを簡単に取り込むことができる。mikme pocketとアプリにはフェイルセーフ機能も内蔵されており、ローカルでの録音バックアップにより、接続が途切れることで生じるギャップを埋めることができる。

音質の面では、セッティングを調整することなく生み出されるサウンドが素晴らしい。他のラベリアマイクと同様、実際のマイクカプセル自体をスピーカーの口元に近づけるほどより良い結果が得られるが、細かい設定を施さなくても、特別に遮音性がない、またはバックグラウンドノイズがない環境であれば、非常にクリーンで高品質なオーディオが生成される。

同梱されているミニXLRラベリアマイクはほとんどのアマチュアや愛好家のニーズに対応しているが、lavalier proは、特にデスクトップオーディオ編集ソフトウェアを介してポスト処理を行うことで録音を最大限に活用したい人にとって、秀逸のアップグレードオプションだ。mikmeアプリにはオーディオの微調整コントロールが内蔵されており、リアルタイムで微調整処理の効果を聞くことができる素晴らしいビジュアルインターフェースを備えている。これは、デバイスからソーシャルネットワークまたは公開プラットフォームに直接クリップやビデオを共有する前に、外出先で音質を最大限高めるのに最適だ 。

総合評価

携帯電話用のショットガンマイクからハンドヘルドレコーダーまで、外出先での録音にはさまざま選択肢が存在する。そうした中でmikme pocketは、高音質なサウンドをすぐに配信できる状態にし、どこへでも持ち運びやすく、耐久性と使い勝手の良さを兼ね備えたパッケージで、初心者にもエキスパートにも適した特性を有している。

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タグ:ガジェット レビュー ポッドキャスト

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(翻訳:Dragonfly)

Virgin Galacticのテスト飛行は宇宙に到達せず中断、フェールセーフが発動

Virgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)は米国時間12月13日土曜日にSpaceShipTwo Unity宇宙船のテスト飛行を試みたが、宇宙船が輸送機から切り離された後に飛行は中断された。これはロケットを監視しているコンピューターがエンジンとの接続を失ったため、フェイルセーフ(安全装置)が発動しロケットエンジンの燃焼を妨いだ結果だと、同社は12月14日月曜日に明らかにした。

フェールセーフの発動はSpaceShipTwo Unityと輸送機、そして搭乗していたパイロット全員が無事に地球に帰還し、着陸に成功したことを意味する。しかしこのテスト飛行は宇宙への飛行を意図していたものであり、ヴァージン・ギャラクティックのニューメキシコ宇宙港から最初の有人商業飛行の道を切り開くための、重要なイベントとなるはずだった。

ヴァージン・ギャラクティックは2018年と2019年の2回、宇宙への飛行を実施している。今回はニューメキシコからの初の軌道宇宙飛行となるはずで、これはこの運用拠点から商業サービスを顧客に提供するために必要な準備のステップだ。

「ヴァージン・ギャラクティックは現在、飛行後の分析を行なっており、現時点では推進システムを監視するオンボードコンピューターが接続を失い、ロケットモーターの点火を意図的に停止させるフェールセーフシナリオを引き起こしたことが報告できます」と、同社はブログ記事でテスト中の出来事を詳しく述べている。「このシステムは宇宙船の他のシステムと同様に、電力またはセンサーとの通信が失われると、常に安全な状態にデフォルト設定されるように設計されています。宇宙船のパイロットだけでなく、ミッションコントロールのエンジニアやパイロットも、輸送船からの離脱後にロケットモーターが発火しないシナリオを含め、飛行前のシミュレーション練習中に多くのシナリオを想定し練習し、どんな異常にも十分に備えています」。

これは明らかに上場済みのヴァージン・ギャラクティックにとって理想的な結果ではなく、市場の反応は公共投資家の失望を反映している。Virgin Galactic社のCEOであるMichael Colglazer(マイケル・コルグレイザー)氏は、このテスト飛行の結論は計画とは異なるが、安全対策が設計どおりに機能していることを示していると説明した。コルグレーザー氏によると、今回の試験をやり直した後にテスト飛行プログラムを継続するという。

カテゴリー:宇宙
タグ:Virgin Galactic

画像クレジット:Virgin Galactic

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter)

ファイザーの新型コロナワクチンが米FDAから緊急使用許可を取得、数日以内に配布開始

米国食品医薬品局(FDA)は、Pfizer(ファイザー)とそのパートナーであるBioNTechが開発した新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチンの緊急使用許可(EUA)を付与したとThe New York Timesが最初に報じ、その後、The Wall Street Journalも続いた。今回の緊急使用許可は、FDAの委託を受けた独立専門家委員会がファイザーの申請を審査し勧告したことを受けたもので、同委員会は今週の初めに全会一致でこれを支持した。

今回の許可後、直ちにワクチンの出荷が始まり、初回分は290万回分となる見込みだ。医療従事者や長期療養施設の高齢者などの患者にはEUAの許可が出てから数日以内にワクチンが届くと予想されている。

この許可は、米国の治療薬規制当局による完全な承認ではない。4万4000人のボランティア参加者を対象にした第III相臨床試験に基づき、ファイザーが提供した情報を包括的に見直す必要がある緊急措置だ。

mRNAをベースとした治療薬であるファイザーのワクチンは、これまでの試験結果を最終的に解析した結果、95%の有効性を示したことがわかっており、ワクチンを接種した患者に重大な安全性の問題はないことも判明している。

最初の290万回分のワクチンに加えて、米国では2020年末までに約2500万回分の配布を行う予定だが、ファイザーのワクチンは最大の効果を得るために2回接種する必要があるため、実際に接種可能な人ははるかに少なくなる可能性がある。同社の生産ペースと米国での注文量を考えると、ほとんどの米国人は2021年第1四半期または第2四半期までワクチンを入手できないと考えるべきだ。

とはいえ、今回の許可は有望な第一歩だ。ファイザーはワクチン候補の研究を始めてから8カ月ほどしか経過しておらず、ワクチン開発期間の短縮という点においては記念碑的な成果だといえるだろう。またModernaはmRNA治療薬(人の細胞に指示を出してウイルスに効果的な対抗策を作り出す)でもあるワクチン候補のEUAも提出している。こちらもすぐに実現する可能性があり、2020年末までには米国内で2種類のワクチンがEUAで接種できるようになるかもしれない。

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:Pfizer新型コロナウイルスCOVID-19ワクチン

画像クレジット:JUSTIN TALLIS/AFP / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

NASAとボーイングが無人軌道飛行テストのやり直しを2021年3月に予定

NASAとBoeing(ボーイング)社は、現在進行中の商業乗員輸送プログラムにおける重要な資格認定実証ミッションである軌道飛行テスト2(OFT-2)について、可能な限り早い日付として2021年3月29日を検討している。ボーイングは、国際宇宙ステーション(ISS)へ宇宙飛行士を輸送する有人宇宙打上げシステムの開発と認可取得を行うためにNASAから選ばれた2社目の企業で、現在も宇宙船の認証に向けて作業を進めている。選ばれたもう1つの企業であるSpaceX(スペースX)は、すでに最初の現行サービスミッションに成功している。

ボーイングは2019年12月にこのミッションの最初のバージョンを打ち上げた。同社のStarliner(スターライナー)CST-100有人宇宙船は、ULAのロケットに搭載されて計画通りに離陸し、ミッションの一部を完璧にこなした。しかし、このカプセル型宇宙船に搭載されていたミッションタイマーにエラーが発生し、地上通信が一瞬途切れたため、修正が間に合わず、今回の実証飛行の最大の目的であった宇宙ステーションにドッキングするための軌道投入に十分な燃料を確保しておくことができなかった。

ボーイングはそれでも、スターライナーカプセルの大気圏再突入、降下、回収を成功させることができた。これらはすべて、他の重要なミッションの目標を達成するための良いテストになった。

しかし、ボーイングとNASAは、最終的な有人飛行による実証ミッションを実施する前に、無人軌道飛行テスト(OFT)を繰り返す必要があるという判断を下した。

長時間にわたる徹底的な調査の後、ボーイングとNASAは双方とも、ソフトウェア開発プロセスとパートナーシップの変更を実施し、ミッションタイマーに影響を与えたようなエラーが将来的に起こらないように対策した。

両社は当初、最初のトライから約1年後の2020年12月中にこのミッションの再打ち上げを望んでいたが、その後スケジュールがずれ込み、最終的には来年の第1四半期が最も早くて実施可能な時期となった。

NASAはボーイング社の宇宙船が認証を取得し、宇宙飛行士の地球低軌道への商業輸送サービスを、1社ではなく2社に頼ることができるようにしたいと望んでいる。そのように多様なプロバイダーの組み合わせが可能になれば、有人宇宙飛行を中心とした地球軌道上における商業活動の増加を促進するのにも役立つはずだ。

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カテゴリー:宇宙
タグ:ボーイングSpaceXNASA宇宙船

画像クレジット:NASA / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

水をベースにした超小型ロボットは光と磁気で動き仕事やダンスをする

ノースウエスタン大学の研究者たち(ノースウエスタン大学リリース)によって開発された新しいロボットは、見た目も動きも小さな水生動物のようで、移動したり、化学反応を触媒したり、治療薬を投与したりといったさまざまな機能を果たすことができる。この新しいソフトロボットは、率直にいってレモンの皮のようだが、柔らかい外側部分が90%が水の素材で、内側には外部の磁場に反応して形状を変化させるニッケルの骨格を持っている。

ロボットは非常に小さく、10セント硬貨ほどのサイズしかないが、平均的な人間と同じ速度で歩いたり、モノを拾って運ぶなど、さまざまなタスクをこなすことができる。柔らかな成分から水を取り込んだり、排出することで動き、正確な分子設計のため光や磁場に反応する。基本的に、その分子構造は光が当たるとそれを構成する分子が水を排出し、ロボットの「脚」が筋肉のように固くなるようになっている。

画像クレジット:Northwestern

強磁性のニッケル骨格が埋め込まれているため、磁場をかけて脚を動かすことが可能。また光と磁場を併用して、高精度な計算により、求める経路の上を非常に正確な移動することもできる。

この小さなロボットを開発した研究者たちは、さらに小型化された将来のバージョンを構想している。顕微鏡レベルのサイズになれば、体内の患部に正確に薬を届けることもできるだろう。また、理論的にはこのロボットを集団で動かすプログラムも可能であり、怪我をした箇所の縫合をロボットが行うといったより大きなタスクの処理へとスケールアップすることもできるだろう。

この種のアプリケーションを実現するには多くの研究と作業が必要だが、現段階でもこのロボットは注目に値する成果であり、今日の生産ロボットのような重くて大量の計算を必要としないソフトロボットとインテリジェントな材料から何が生まれるのか、そのヒントとなる。

カテゴリー:ロボティクス
タグ:ノースウエスタン大学

画像クレジット:Northwestern University

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Blue Originの宇宙産業オールスターチームが人類を月に運ぶ着陸システムを提案

Blue Origin(ブルー・オリジン)が率いる「National Team」は、NASAのアルテミス計画の一環として次の宇宙飛行士を月面に運ぶために使用されるHuman Landing System(HLS)の提案書をNASAに提出(Blue Originリリース)した。ブルー・オリジンはNASAの有人月面着陸ミッションの契約入札に選ばれた3社のうちの1社で、Lockheed Martin(ロッキード・マーチン)やNorthrop Grumman(ノースロップ・グラマン)、Draper(ドレイパー)で構成されるチームを率いている。他の参加企業は、SpaceX(スペースX)とDynetics(ダイネティクス)で、NASAに印象づけるに十分な提案をしていた。

ブルー・オリジンが提出した提案は、NASAのHLS提案のうちOption Aの部分に関するもので、2024年を現在のターゲットとするアルテミス計画で初の有人着陸を行うための適切なタイミングを提供するために設定されている。また、2026年の飛行実証を含む後期ミッションを含んだOption Bの提案もある。NASAは地球から国際宇宙ステーション(ISS)への輸送のための商用輸送プログラムで行ったことと同様に、同宇宙局の顧客として役割を果たし、最終的には宇宙船を製造する着陸システムを構築するための民間のパートナーを求めている。

HLSは月を周回し、月面に到達するためのベースとなるNASAのLunar Gateway(月軌道プラットフォームゲートウェイ)宇宙ステーションとドッキングするように設計されている。NASAの宇宙飛行士は、現在開発中のOrion宇宙船を使って月へと飛行する。この宇宙船はNASAが所有し、契約業者(ロッキード・マーチン、Airbus、Boeing)によって製造されるSpace Launch System(SLS)ロケットに搭載され打ち上げられる。

NASAはLunar Gatewayと月が科学や研究だけでなく、商業活動の拠点として機能する未来を想定しており、HLSは同宇宙局だけでなく、民間企業の顧客にもサービスを提供できるような着陸システムの開発を促進するために設計されている。

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カテゴリー:宇宙
タグ:Blue OriginNASAアルテミス計画

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter)

SpaceXのプロトタイプロケットが着陸時に大爆発、しかし飛行テストは成功

 

現行のロケット「Falcon」の後継機にSpaceXはまた一歩近づいた。同社の宇宙船「Starship」のプロトタイプ「SN8」が米国時間12月10日、テキサス州南部にあるSpaceXの開発施設で、上空12.5kmまで上昇するという、現在進行中の宇宙船開発プログラムの中で重要なマイルストーンを達成したのだ。

離陸から約2分後、スターシップに搭載されている3基のRaptorエンジンのうちの1基は停止したが、このプロトタイプロケットは上昇を続けた。続いて3分後には、もう1つのエンジンが停止。1基のみが点火し稼働している状態となった。ロケットは上を向いたまま上昇を続けていたものの、どのくらいの高さまで上昇したのか、動画フィードからはわからなかった。そして4分30秒を過ぎた頃、3基目のエンジンが炎上し、スターシップは機体を水平にしながら地上に向けて自由落下を始めた。

ロケットが地上に近づくとエンジンが再点火し、再び垂直に姿勢を戻して落下速度を遅めた。しかし、予想よりも少し勢いよく着陸したため、爆発を起こしロケットは炎に包まれた。それでもテストは成功であり、SpaceXや多くの観察者の予想よりも上手くいった。ストリーム上ではSpaceXの管制室からチームの成功を祝福する声が聞かれた。

爆発と宇宙船の全損で終わった飛行は、成功したように見えないかもしれないが、まったく新しい宇宙船を設計しそのテストを行っていることを考えれば、間違いなく成功だ。SpaceXはこの試験飛行ではおそらくその目的のすべてを達成できないだろうと予想していたし、同社のElon Musk(イーロン・マスク)CEOは今週初めにTwitterで、目標高度は達成するかもしれないが、他のことはあまり期待していないと述べていた。だが、目標高度は達成されたようであり、機体を水平にして着陸時に再び正しい向きに戻す「ベリーフロップ」と呼ばれる動きを制御することもできた。ただ、着陸の際に少々スピードが速すぎたのだ。

今回のテストで、チームが多くの貴重なデータを収集したことは間違いなく、現在はそこで学んだことを次の試行の改善に役立てようとしている。SpaceXはすでに「SN9」と「SN10」という2機のプロトタイプを完成させており、実際に次のテストに向けて準備ができているのだ。これらのプロトタイプは、この日飛行したSN8と比較してもすでに改良されており、チームは今回の飛行とテスト中に得られたデータに基づいて、迅速に追加の改良を施す予定だ。

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タグ:SpaceXイーロン・マスク宇宙船ロケット

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(翻訳:TechCrunch Japan)

スペースXがStarshipの高高度飛行を再度ライブ中継

SpaceX(スペースX)のプロトタイプ宇宙船であるStarshipは米国時間12月9日午後(日本時間12月10日早朝)、高度約4万フィート(約12km)に達する初の高高度飛行を行った。12月8日はRaptorエンジンの1基が自動的にシャットダウンし、テストがさらに悪化するのを防ぐために最後の数秒で試験が中止されたため、これは2回目の試行となる。

この宇宙船はスペースXが構築したStarshipの最新プロトタイプの1機であり、高高度飛行のデモンストレーションに挑戦する最初の機体でもある。他のプロトタイプは最大約500フィート(約150m)まで上昇し、その後に制御着陸を達成している。今回のテストでもそれらが試されるが、スペースXのElon Musk(イーロン・マスク)氏は、テストがうまくいかない可能性が非常に高いと述べている。これは、宇宙船開発の現時点での段階では予想の範疇だ。

ロケットはテキサス州にあるSpaceXの開発施設から打ち上げられ、4万フィートの高さまで飛行した後、ベリーフロップ・マヌーバを実行して旋回し、地球に落下して最終的には制御着陸を実行して垂直に降り立つ。

この結果は、スペースXのStarshipの開発に貴重なデータを提供することになる。

【Japan編集部】打ち上げは無事成功。現在、YouTubeで打ち上げの様子を見ることができる。

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カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceX

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter)

アップルが米国時間12月14日からフィットネスサブスク「Apple Fitness+」を提供、日本は未定

Apple(アップル)はフィットネスのサブスクリプションを立ち上げる。主にApple Watchとの併用を想定していて、米国時間12月14日から提供される。2020年9月のiPhoneイベントで発表されていたApple Fitness+は、iPhone、iPad、Apple TVでガイド付きワークアウトを提供する。Apple Watchの健康指標モニタリングによるライブの測定値も表示される。

フィットネスサービス立ち上げ時には高強度インターバルトレーニング(HIIT)、筋力トレーニング、ヨガ、ダンス、コアトレーニング、サイクリング、屋内ウォーキング、屋内ランニング、ボート漕ぎ、クールダウンの10種のワークアウトをカバーする。同社によると、すべてのメニューはインターラクティブなセッションを録画するのにアップルが選んだ本物のトレーナーによるもので、「今日のトップアーティスト」からの音楽が流れる。

インタラクティブな情報はほぼApple Watchで収集される統計情報を活用している。心拍数やカウントダウンのタイマー、ユーザーがApple Watchアクティビティのリングをすべて満たした時にスクリーンに現れる目標達成「セレブレーション」グラフィックスなどが表示される。Peloton(ペロトン)が自社サービスで行っているのと似ている直接統合だが、体を動かすのにコネクテッド固定式の自転車やトレッドミルは不要だ。

他の特徴的な機能としては、ユーザーが以前に受けたFitness+コースのデータや、Apple Watch Workoutアプリのデータ、サードパーティの健康・フィットネスアプリ統合情報などを活用したレコメンデーションエンジンがある。これはユーザーに新しいワークアウト、トレーナー、エクササイズルーティーンを勧めるためのものだ。アップルのサードパーティー統合の活用はここでは特に興味深い。というのも、アップルはサービスのパーソナリゼーションを知らせるのにプラットフォームのアドバンテージを活用しているからだ。

画像クレジット:Apple

アップルはまた、ワークアウト全部門で強度や難易度が異なる新しいコンテンツを毎週投入することを約束している。Fitness+を使用する人は自身のワークアウトを友達や家族と共有することもでき、アプリ内で他人と直接競争することもできる。

加えて、Apple Musicを統合するオプションもある。このオプションではユーザーは好きな曲やプレイリストをワークアウトから直接ライブラリーに追加できる。しかしトレーニングビデオで使用されている音楽にアクセスするのにApple Musicは不要だ。

Apple Fitness+は12月14日から利用でき、料金は月9.99ドル(約1040円)、あるいは年79.99ドル(約8300円)となる。また、Apple Fitness+はアップルの新しい一括サービスApple One Premierの1つとしても提供される。

これはPelotonを含む既存のサブスク型フィットネスプロダクトと競合する大きなサービスの立ち上げだ。アップルの一括サービスは、システムのフレキシビリティとデバイス間の同期でビギナーやまじめなトレーニングを開始したばかりの人にとっては手軽な選択肢となり得る。ただ、一部の人にとってはライブクラスがないことが欠点となりそうだ。

【編集部注】Apple Fitness+はまずオーストラリア、カナダ、アイルランド、ニュージーランド、英国、米国で提供される。日本での提供は未定。

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:AppleApple Fitness+

画像クレジット:Apple

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(翻訳:Mizoguchi

アップルがIntelを上回るコア数のAppleシリコンチップをハイエンドMac用にテスト中との噂

Apple(アップル)が、現在同社のMacBook Pro、MacBook Air、MacBook Pro、Mac miniに使用している独自設計のM1チップに比べて、コア数が大幅に多いAppleシリコンチップを開発していると報じられている。Bloombergによると、新しいチップには将来のiMacやより強力なMacBook Proモデルを対象として16の高性能コアと4つの高効率コアを備えたバージョンと、最終的には最初のAppleシリコン版Mac Proに搭載されるであろう32の高性能コアを備えたトップエンドバージョンがあるという。

現在のM1 Macは4つの高性能コアと4つの高効率コアで構成されている。また、Macのモデルに応じて、7つまたは8つの専用グラフィックコアが使用されている。アップルの次世代チップは、16の高性能コアバージョンへと直接ジャンプする可能性もあるが、Bloombergは製造プロセスの結果を見ながら、8つもしくは12のコアバージョンを使う可能性もあるという。特に新デザインの初期ステージにおけるチップ製造においては、それぞれのチップ上で使えないコアがたくさん発生しがちである。そのような場合、メーカーは歩留まりが向上するまでは、そうしたチップをしばしば脇にどけて、より少ないコア数の設計のものとして市場に供給する。

アップルのM1 SoC(画像クレジット:Apple)

次世代のAppleシリコンMacが、16、12、または8のいずれの高性能コアデザインを採用したとしても、Intel(インテル)の同等製品と十分な競争ができるはずだ。アップルからデビューしたM1ラインのMacモデルたちは、先代モデルだけでなく、よりハイエンドのIntelチップを搭載したより高価でパワフルなMacに比べても大幅に性能が向上したことから、批評家やレビュアーたちの称賛を集めている。

記事はまた、アップルが将来のiMacやProノートブック向けに使うための、16コアと32コアの両方のデザインを含む、新しいグラフィックプロセッサを開発しており、それどころかMac Proのようなハイエンドのプロ用マシンで使用するために、64コアと128コアのデザインも開発中であるとレポートしている。これらは、一部のアプリケーションではNVIDIA(エヌビディア)やAMDの専用GPUデザインにさえ匹敵するパフォーマンスを提供するはずだ。とはいえ記事によれば、2021年後半もしくは2022年になるまでは、いずれも出荷される製品に搭載されることはなさそうだ。

アップルは当初から、2022年までにライン全体を自社のAppleシリコンプロセッサに移行する計画であると述べている。現在販売されているM1 Macは第1世代のもので、アップルは、iPhoneやiPadのラインに組み込まれたトップエンドのAシリーズチップに非常に近いデザインを採用した最も低消費電力のMacから投入を開始した。次世代のMシリーズチップは、アップルのモバイルプロセッサーとの差別化がさらに進み、要求の厳しいプロフェッショナルのワークロードからの要求に対応するための、性能面で大きなアドバンテージを持つようになりそうだ。

関連記事:Apple Siliconファミリー初のチップ「M1」が登場

カテゴリー:ハードウェア
タグ:AppleApple Silicon

画像クレジット:Apple

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(翻訳:sako)

カリフォルニアの新型コロナアプリ「CA Notify」が州全体に露出通知提供へ、アップルとグーグルのAPI利用

カリフォルニア州は2020年11月にカリフォルニア大学バークレー校でアプリのパイロットプログラムを展開し、その後に他のカリフォルニア大学のキャンパスへとプログラムを拡大した後、州内のすべての人にCA Notifyアプリへのアクセスを拡大した。同州知事のGavin Newsom(ギャビン・ニューサム)氏が米国時間12月7日に発表したアプリの州全体への展開は、Apple(アップル)とGoogle(グーグル)の暴露通知APIをベースにしたツールで、12月10日の時点で互換性のあるiPhoneやAndroidデバイスを持っている人なら、誰でもダウンロードしてオプトイン方式で利用できるようになる。

アップルグーグルが共同開発した露出通知APIはBluetoothを利用し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の陽性が確認された個人と他者との接触を判断し、身元や場所に関するデータを保存したり送信したりすることなく、露出の可能性をユーザーに警告する。このシステムでは曝露の可能性を他のデバイスに伝えるために、ランダム化されたローリング識別子を使用しており、カリフォルニア州の保健当局は曝露リスクの正確性を高めるために、どれくらい近くにいたり、どれくらいの時間接触する必要があるかなど、具体的な詳細をカスタマイズできる。

カリフォルニア州の場合、新型コロナウイルス感染症が陽性と確認された個人と6フィート(約1.82m)以内の15分以上接触した場合、曝露通知の対象となる。新型コロナテストで陽性と判定されたユーザーには、同州の公衆衛生局からCA Notifyアプリケーションに入力したコードを含むテキストメッセージが送信され、過去14日間(ウイルスが伝染する期間)に上記の基準を満たしていたすべてのスマートフォンに対してアラートブロードキャストが送信される。

前述のとおり、通知システムを介してユーザーのデバイスから個人情報が送信されることはなく、完全なオプトイン方式となっている。他の州ではすでにアップルやグーグルのAPIに基づいた曝露通知アプリが展開されており、世界中の多くの国で導入されている。これは医療従事者が新型コロナウイルス患者が誰と接触したかを特定し、どのようにしてウイルスに感染したのか、また誰に感染を広げたのかを調べるための接触追跡システムの代替ではないが、包括的な追跡プログラムの有効性と成功率を向上させるための貴重な要素となる。

関連記事:新型コロナの接触者追跡とはどのようなものか?

カテゴリー:ネットサービス
タグ:COVID-19新型コロナウイルスAppleGoogleカリフォルニア

画像クレジット:Aydin Palabiyikoglu / Getty Images (Image has been modified)

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

SpaceXが100回目のFalcon 9打ち上げに成功、新Cargo DragonをISSへ

米国時間12月6日、SpaceXは21回目となるNASAの商用再補給サービス(CRS)ミッションを行い、新しいDragonカプセル宇宙船をISS(国際宇宙ステーション)に打ち上げた。新しいCargo Dragonは前回よりも輸送能力が大きく、ISSと完全に自律してドッキングすることが可能になっている。

今回の打ち上げは、再設計されたCargo Dragonにとって初の打ち上げであり、NASAとの契約を更新したSpaceXの新たなCRSミッションにとっても初のミッションとなる。Cargo Dragonには宇宙ステーションとその乗組員のための物資と、そこで行われている研究のための実験用品や機器の両方を6400ポンド(約2902kg)搭載されている。新バージョンのCargo Dragonは、SpaceXの以前の貨物宇宙船より20%多く物資を運ぶことができ、実験材料の温度管理輸送のための動力付きロッカーの数が倍となっている。

新しいCargo DragonはCrew Dragonの改良版で、5月に行われたDemo-2ミッションと2020年11月のCrew-1フライトの間に宇宙飛行士をISSに運んでいる。搭乗中の宇宙飛行士を守るために早期の中心が必要な場合、Falcon 9からカプセルを迅速に遠ざけるための推進力を与えるCrew Dragonに搭載されていたSuper Dracoエンジンの取り外しなどが改良点となっている。また、これまでのCargo Dragonは3回までしか再利用できなかったが、新バージョンは5回に増えている。

今回の打ち上げは、SpaceXにとって100回目の商業用ロケットであるFalcon 9の離陸成功であり、そのうち43回は回収、改修されたブースターで行われている。日曜日のミッションにはFalcon 9の第1ステージ回収も含まれており、これまでに合計4回飛行している。これはSpaceXにとってこれまでに68回成功したブースター着陸となる。

CRS-21の次のステップは、米国時間12月7日月曜日の夜に予定されているCargo DragonとISSの間のランデブーだ。カプセルは、ISSの新しいドッキングアダプターの1つと自律的にドッキングするよう特別に設計されている。このアダプターは11月にCrew Dragonがドッキングしたときから存在しているため、今回のCargo Dragonは2台目のドッキングとなる。

カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceXNASACargo Dragonロケット

画像クレジット:SpaceX

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(翻訳:TechCrunch Japan)

宇宙スタートアップAevumが世界初の完全自動軌道ロケット打ち上げドローンを公開

大きなロケットを大量の燃料を燃やした噴射力で垂直に打ち上げるだけが、宇宙にモノを送り込む方法ではない。スタートアップ企業のAevum(エイブム)は、水平に離着陸できる無人飛行機と、小さなペイロードを高高度まで運ぶ第2段とを組み合わせ、あとはペイロード自身で宇宙まで飛行させるという画期的なローンチビークルの形式で、その型を多方面から打ち破ろうとしている。

Aevumのモデルは、実際には基盤技術の新分野を大きく切り拓いたというわけでないと、CEOのJay Skylus(ジェイ・スカイラス)氏はいう。米国時間12月3日のRavn Xランチビークルの公式発表に先立ち、私は同氏に話を聞いていた。これまでにNASA、Boeing(ボーイング)、Moon Express(ムーン・エクスプレス)、Firefly(ファイヤーフライ)など宇宙産業の数々の有名企業やスタートアップで働いてきたスカイラス氏は、Aevumは、ほとんど既存の技術で成立する、ほぼ再利用可能な完全自動の小型ペイロード放出システムに特化した企業だと私に話した。

彼がいうように、Raven Xは現在あるジェット機とそうかけ離れた形状をしているわけでもなく、明らかにPredator(プレデター)などの地球上ですでに運用されている無人航空機とよく似た印象がある。このローンチビークルは、全長が80フィート(約24m)、翼幅は60フィート(約18m)、ペイロードを含めた最大総重量は5万5000ポンド(約25トン)。 いまのところ、このシステムの70%が再利用可能だが、比較的近い将来の目標は、再利用率が95%になるよう改良を重ねていくことだとスカイラス氏は話していた。

画像クレジット:Aevum

Raven Xの放出システムは、即応放出が可能なデザインになっており、小型衛星をわずか180分間で軌道に載せることができる。しかもその後、別の衛星を搭載して再び軌道に放出するための準備を短時間で整える能力も有する。同機は民間航空会社が使っているものと同じ、普通のジェット燃料を使用する。また、「実質的にどんな天候でも」離着陸が可能だとスカイラス氏はいう。離着陸も、普通の1マイル(約1.6km)滑走路を備えた飛行場ならどこでも行えるという。つまり理論上は、世界中で使われているどの空港でも離着陸可能ということだ。

他のロケット打ち上げスタートアップとAevumが決定的に違う点は、彼らが提示しているものは理論ではなく、また開発中のものでもないということだ。Raven Xには、すでに有料顧客がある。米国政府との10億ドル(約1040億円)の契約もその1つだ。最初のミッションは、米空軍のASLON-45小型衛星の打ち上げだ(2021年後半を予定)。さらに、今後9年間に20のミッションを実行する契約を、米空軍宇宙ミサイルシステムセンターと交わしている。事実、Aevumの量産型ローンチビークルの納入はすでに始まっているとスカイラス氏は話していた。

米国防省は、もう長い間、即応可能で短いターンアラウンドで打ち上げができるローンチシステムを懸命に探してきた。それは、Astra(アストラ)などの企業の目標と合致する。Astraは当初、DARPA(米国防高等研究計画局)による同様システムのコンテストに応募し、Rocket(ロケット)小型ランチャーで契約を勝ち取ることを目標にしていた(その後コンテストは勝者を出さずに終了)。Aevumのシステムには、基本的に既存の航空施設で完全に運用できるという付加的な利点もある。しかも、Virgin Orbit(バージン・オービット)が採用している打ち上げモデルと見た目はよく似ているものの、人間のパイロットを搭乗させる必要もパイロットを危険にさらす恐れもまったくない。

Aevumは、Raven Xを提供するだけでもない。打ち上げサービスで端から端までの徹底したロジスティックスを取り仕切ることも目指している。それには、ペイロードの輸送と組み付けも含まれる。これらの作業は既存の打ち上げサービスを提供する企業では見過ごされがちであったり、手薄になっている部分だとスカイラスス氏は話す。その上、ペイロードを製造する企業の多くは、稼動状態の小型衛星を実際に軌道に載せるまでの作業が、費用と時間のかかる複雑な仕事であることを知らないという。同スタートアップはまた、組み付けサービスにおいては「一から作り直す」ことはしない。スカイラス氏によると、同社は幅広い既存企業と提携しており、どこもこの分野で十分な実績を誇っているからだ。ただ、スカイラス氏が公共セクターと民間セクターの両方で想定しているような消費者向けサービスを提供しようという動機も必要性も、これまでなかっただけだ。

もうSpaceX(スペースX)のような企業は必要ないとスカイラス氏はいう。むしろ、SpaceXのおかげで、これでは政府機関との大型契約や、限られた数の大手既存ロケット企業のミッションに協力するという閉鎖的な形でのみ生きてこられた航空宇宙企業が潤うようになった。それらの企業は、費用対効果の高い通信ソリューション、環境観測、輸送、防衛などの目的の小型衛星をはじめとするペイロードを軌道に送り込む市場が大きく拡大し、オープンに仕事ができるようになった。

Aevumのソリューションは明白で確実な需要に対して、リスクプロファイル、再利用性、コスト、柔軟性といった側面に利益をもたらす形で応えるものだと、はっきり聞こえる。同社が実利を得る初めてのミッションは、潜在顧客も競合他社も、しっかり見ておく必要がある。

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(翻訳:金井哲夫)

NASAが月試料収集プロジェクトに日本のiSpaceなど4社を選択、宇宙鉱業のパイオニア育成を目指す

NASAは、月の表土サンプルを収集し地球に持ち帰るプロジェクトへの参加企業を募集していた。多数の民間企業が応募した中からispace Japanなど4社が選択された。

選定された4社はNASAの月着陸ロケットへの機器の搭載をすでに予約している。NASAはペイロードに民間企業を加えることでプロジェクトのコストの大幅削減ができることを実証しようと考えている。またNASAは、月試料採集にあたって民間企業に支払いを行う。企業は取得した物質の一時的な所有権を持ち、独自の目的に使用した後でNASAに譲渡することとなる。今回のプロジェクトこうした方式の前例となるだろう。

選定は簡単な基準に基づいて評価された。つまり、まず技術的に実現可能かどうか、次にどれほどの費用がかかるかという2点だ。4社はそれぞれが異なる手法でNASAの要求条件を満たそうとしている。プロジェクトは50〜500g程度の月のレゴリス(要するに月の土だ)を採集して地球に持ち帰ることだ。地球での回収作業はNASA自身が実施する。2024年までにサンプルの取得を実現できるという点が要求仕様に含まれていた。これはNASAのアルテミスミッションに間に合うようにするためだ。NASAは実際にサンプルを購入する義務はないが、必要なら購入できるようオプションが設定されている。

選定された4社は以下のとおり。

Lunar Outpost:米国・コロラド州ゴールデン。契約金額はわずか1ドル(約104円)。2023年に完成予定のBlue Originの月着陸船を利用する。

ispace Japan:日本、東京。契約金額5000ドル(約52万円)。現在、2022年に設定されている最初のミッションでHakuto-R着陸船を利用して収集を行う。

ispace Europe:ルクセンブルグ。ispace Japanと同一のグローバル宇宙企業グループに属する。契約金額5000ドルで2023年の2回目のHakuto-Rミッションに参加予定。

Masten Space Systems:米国・カリフォルニア州モハベ。契約金額は1万5000ドル(約156万円)。2023年に自社開発のMastenXL着陸船を使用する予定。

NASAには16ないし17社から22の応募があった。このプロジェクトはNASAが官民パートナーシップという手法のメリットを実証することも重要な目的で、月のような地球外天体から試料を収集するための方式に1つの先例を作れるよう意図している。

NASAの国際関係・省庁間関係担当副長官代行のMike Gold(マイク・ゴールド)氏はこう述べている。

これが内部的にも外部的にも先例となり、民間企業とのパートナーシップというNASAのパラダイムを今後も前進させていくことと信じています。NASAはこれまでのようにシステム開発自体の資金を負担するのではなく、民間企業の事業に対して顧客として料金を支払う役割となります。

具体的にいえば、今回の契約は月試料の収集に関して民間企業が主導的役割を果たすこと、また試料の所有権を収集した企業が持つことについて重要な先例となるだろう。ゴールド氏はこう述べている。

宇宙開発においてロケット工学はむしろやさしい部分だと私は常々いっています。政府の政策、各種の法的規制、予算などの課題には対処することは非常に困難な課題です。こうした問題を事前に解決しておかないと公的部門と民間部門の協力によって生じる素晴らしい進歩がひどい遅延に見舞われかねません。民間セクターの能力を利用する先例を確立することは重要です。企業のリソースを使ってNASAがその成果物を購入利用できるようにすることはNASAの活動だけでなく、官民協力による宇宙開発、探査に新しいダイナミックな時代を開くでしょう。我々はまず月にやがて火星にたどり着くでしょう。

NASAは民間企業が月(将来は火星)に行き試料を収集し所有権を保持し後に、公的および民間の顧客に試料を売却することができるというビジネスモデルを確立することを望んでいる。

今回の選定にあたって入札価格が非常に低かったのはこれが理由の1つだ。ispaceやLunar Outpostのような企業は地球外天体の宇宙鉱業を含む未来的ビジネスモデルを持っていいる。さらに月着陸ミッションはすでに計画されており、NASAが今回の提案要項に明示したとおり、NASAは月着陸船の開発費を支払うことを考えていない点だ。 NASAは月に実際に収集された試料の料金だけを支払うというモデルとなっている。

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カテゴリー:宇宙
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(翻訳:滑川海彦@Facebook

​Loonの成層圏気球はGoogle AIの力で自ら最適なナビを行い飛行する

​Alphabet(アルファベット)のLoonは、数年前からアルゴリズムを使って成層圏気球の飛行を最適化しており、その結果として上空で過ごした時間の記録を作っている。​しかし、同社は現在、はるかに優れた可能性を秘める新たなナビゲーションシステムを展開しており、真の強化学習AIを使ってナビゲーションを、人ではできなかったほど最適化する方法を自らに教えている。

同社によると、Loonが開発した新しい強化学習システムが、実際の航空宇宙分野の製品で使われるのは航空機で使われるのはこれが初めてだという。開発したのはAlphabetのモントリオールにあるGoogle AIの部門で、2年以上前のことだ。これまでのアルゴリズムによる航行ソフトウェアと違い、これは航路を完全にマシンが決定する。マシンは人が作ったシステムよりもはるかに速く、効率的に気球にとって最適な飛行経路を計算する。気球が以前よりも同じ距離、またはより長い距離を移動するために消費する電力が大幅に削減される。

どうやってLoonは、それがより良い航路であることを知るのか?実は彼らは新しいAIナビを、人間のアルゴリズムを使う前のシステムと競争させて、太平洋上で39日間テスト飛行をした。その結果、強化学習モデルは、従来のシステムよりも少ないエネルギーで、Loon気球をより長時間連続的に目標エリアの上空に浮かせ続け、チームがこれまでに見たことも考えついたこともない新しいナビゲーションの動きを考え出した。

​このテストや他のテストで目覚ましい成功が証明された後、Loonは実際にすべての成層圏気球にそれを展開し、現在、ケニアの商業顧客にサービスを提供するためにアフリカの一部に展開している。

​これは強化学習を使用して、実際の環境で使用されるより良いパフォーマンスを積極的に学習、生産能力で動作し、有料顧客にサービスを提供する実際のハードウェアのパフォーマンスを制御するAIシステムの数少ない実際の例の1つです。​これは目覚ましい成果であり、間違いなく航空宇宙やその他の分野で注目されるだろう。

関連記事:Alphabet傘下のLoonがケニアで気球によるインターネットの提供を開始

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:​AlphabetLoon

画像クレジット:Loon

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa