Google Analyticsは無味乾燥なデータだけでなく、有意義なインサイトも自動生成する

DUBLIN, IRELAND - APRIL 19:  (FRANCE OUT) A general view outside the Google European headquarters, on April 19, 2016 in Dublin, Ireland.  (Photo by Vincent Isore/IP3/Getty Images)

GoogleはGoogle Analyticsをアップデートして、そのデータの中にユーザーが、重要なトレンドを見つけやすいようにした。

この変化はiOSとAndroid用のGoogle Analyticsアプリではすでに実装されていて、ユーザーはAssistant画面で、自動的に生成されたインサイトを見ることができる。

たとえばあなたのWebサイトやアプリのユーザー数が急に増えたら、Google Analyticsはそれを高輝度表示し、その新しいユーザーの特性(どこから来たかなど)を教える。ユーザーがeコマースの企業なら、売上がいちばん増えた製品を教える。

Google Analyticsはこれらの情報を前から調べていたが、今度初めて、読みやすいカード形式でユーザーに提供することになった。これからは、いろんなページへ言ったり来たりして情報を探さなくてもよいから、重要な変化を見落とすことも少ないだろう。

担当ディレクターのBabak Pahlavanによると、専門のアナリストがいる大企業では、これらのインサイトが“スケールアップ”の参考になるだろう。アナリストを雇えない小企業でも、この分かりやすいユーザーインタフェイスなら、重要なインサイトを見逃すことなく十分に理解できるだろう、と。

プロマネのAjay Nainaniによると、今回のアップデートのねらいは、“データ分析のエキスパートがやっていることを一般ユーザーにも提供すること。異状の検出もあるし、トレンドを浮き彫りにするためのテクニックの組み合わせもある”、ということだ。

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今後このシステムは徐々に、いろんな企業のニーズに対応してよりスマートになっていくそうだ。個々のインサイトのカードの下部には、“親指上げ下げ”のボタンがあるので、そのデータが役に立ったか否かをGoogleに教えてやれる。またインサイトのカードをユーザーが他と共有したかどうかもGoogleはチェックして、その有用性の判断の参考にしている。

Pahlavanによると、Google Analyticsは今後、“インサイトが多くてデータは少ない”という方向へ進化していくので、これはその第一歩だそうだ。このツールを重要な部品として擁する総合マーケティングツールAnalytics 360も、今はある。

そしてインサイトは今後、モバイルだけでなく、デスクトップにも登場する。Nainaniによると、Googleは今すでに、それを開発中だ。もっと詳しいことは、Googleのブログ記事に載っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

モバイル・アナリティクスのスタートアップ、Amplitudeが1500万ドル調達

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今朝(米国時間6/8)、サンフランシスコのスタートアップ、AmplitudeはシリーズBのラウンドで1500万ドルを調達したことを発表した。

Amplitudeはウェブとモバイルのアナリティクスを専門とし、 手頃な料金でMixpanelのライバルとなることを目指している。

共同ファウンダー、CEOのSpenser SkatesはY Combinatorの出身で、最近、「われわれの大きなビジョンは、アナリティクスの成果を単にデータ・サイエンティストだけのものにせず、クライアント企業の全員が共有できるようにすることだ」と述べている。

「ウェブ上にある情報ならGoogleその他の検索エンジンを利用して探し出すことは簡単だ。しかし現在のユーザーベースに関する情報を見つけるのは非常に難しい。われわれはこの状態を変えたい」とSkatesはいう。

たとえば、Amplitudeの顧客であるSquareの場合、 Skatesによれば、毎月100人程度がAmplitudeのデータにアクセスしているという。その大部分はプロダクト・マネージャーとマーケティング部門の社員で、Amplitudeの基本的な機能を「高度なダッシュボード」として使う一方、成長とデータ・サイエンスを担当するチームはさらに高度な機能を利用しているという。

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こうした機能に関連して、AmplitudeはPathfinderという新しいプロダクトをスタートさせることを発表した。これはユーザーがサイトやアプリを利用するにあたってどのようにナビゲートしているかを明らかにするものだという。Skatesによれば新しいプロダクトは、どのようなアクションが訪問者を料金を支払う顧客に変えるか、あるいは逆にプロダクトを購入しないきっかけを作るかを企業が理解することを助けるという。

Skatesは企業が通常コンバージョンを検討するよりも高度な方法が用いられることを強調する。Pathfinderはコンバージョンを単独で検討するのではなく、そこに至る過程に複数の「じょうご」を考える。つまりユーザーはAというアクションによって「じょうごA」に集められ、そのユーザーはさらにアクションBによって「じょうごB」に入り、さらにアクションCによって「じょうごC」に入るというような一連の過程だ。Pathfinderはそれぞれでのステップを分析し、どのアクションによってどれほどの人々が通過するかを明らかにする。しかしこの分析が役に立つのは「事前にこうした過程があること知り、特定のイベントを探している場合に限られる」という。

「多くのアプリでは何百種類ものイベントが生起しうる。そのうちのどのイベントがコンバージョンに直接結びつくか事前にはわからない」 とSkatesは言う。

Amplitudeは今回のラウンドを含めて、総額で2600万ドルを調達した。新ラウンドはBattery Venturesがリードし、Benchmark Capitalが参加した。BatteryのNeeraj AgrawalはAmplitudeの取締役に就任する。

Amplitudeによれば、同社のクライアントはSquareの他にLogMeIn、Instacart、Thumbtackなど150社となっているという。また売上も対前年比で300%の成長を示している。

画像: Amplitude

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SalesforceがDemandwareを28億ドルで買収、Eコマースに参入

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Salesforceは、セールス人員が見込み顧客や案件のクロージングを管理するためのクラウドベース・ソフトウェアとして名を上げた企業だ。同社は本日、セールスのビジネスそのものに足を踏み入れたことを発表した。本日、SalesforceはDemandwareを28億ドルで買収すると発表した。Demandwareは中小から大手企業にまで、クラウドベースのEコマースサービスを提供している。この買収で、Salesforceは新しい事業部門「Salesforce Commerce Cloud」を立ち上げる。

Demandwareは2012年に上場し、SalesforceはキャッシュでDemadwareの全ての発行済株式を1株あたり75ドルで買い取ると発表した。これはDemandwareの現在の評価額を考えると大幅なプレミアムがついている。昨日の大引け後の評価額は18億7000万ドルだった。買収は、SalesforceのQ2内、2016年7月31日頃までに完了する予定だという。

「Demandwareは素晴らしい企業です。数百億ドルのデジタルコマース市場で世界的なクラウドサービスのリーダーです」とSalesforceの会長でCEOのMarc Benioffは声明で伝える。「Demandwareと共にSalesforceは、Customer Success Platformの一部として未来のコマースを実現し、新たに数十億ドル規模のクラウドビジネスを構築していきます」。

Demandwareのもう一つ素晴らしい点は、その出世具合だろう。Demandwareはまだスタートアップだった頃、主に3社の投資家から、たった5400万ドルしか調達していない。前四半期の収益も謙虚なものだ。4月末の決算報告によると前四半期の売上はわずか6700万ドルで、純損失が1200万ドル弱だった。しかし売上は伸びていて、損失も縮小し続けている。

「DemandwareとSalesorceは共通してカスタマーの成功にフォーカスし、熱意があります」とDemandwareのCEOであるTom Eblingも声明で伝える。「私たちの最も革新的なデジタルコマースのソリューションで、ブランドがいかなるチャネルからでもカスタマーと1対1で接することを可能にします。Salesforceに参加することで、世界の優秀なブランドを支援するという私たちのビジョンに向かって邁進することができます」。

これは、Salesforceにとって大きな買収であるのには、金額面以外にもいくつか理由がある。

一つは、この買収によりSalesforceは自社の「ファネル」を成長させることができる。つまり、既存カスタマーとの契約関係を拡張する手立てとなる(Marketing CloudやCRMのカスタマーには、コマースサービスを含むより広範なプランにアップセルすることが可能になる)。

他にもSalesforceはこれまで提供していたマーケティング、オンライン・アナリティクス、営業向けバックオフィス・ソフトウェアなどのサービスをアップセルすることのできる新しいカスタマーグループを獲得することになる。Demandwareのカスタマーには、Design Within Reach、Lands’ End、L’Oreal、Marks & Spencerなどがいるとしている。

さらに興味深いことは、SalesforceがShopify、Amazon、eBayとeBayが以前手がけていたMagentoといった企業と競合することだ。これらの企業はサードパーティー企業にコマースソフトウェアを提供するだけでなく、数社(特にAmazonとeBay)は売買取引の筆頭プラットフォームになるために競っている。

Eコマースは巨大な市場で、人々が初めてウェブを使用し始めた時からトラクションを生み、巨大ビジネスへと成長した分野の一つだ。現在も、ウェブ上でお金を使うという習慣が普及するほどに成長し、ユーザーにオムニチャネルならぬ「オムニコマース」体験を提供している。Eコマースはますます身近なものになっている。

Gartnerは、デジタルコマースのプラットフォームでの世界的な利用額は年間で14%成長することが見込まれおり、2020年には85億4400万ドルに届くと予想している。この数値はSalesforceが出しているものだ。

Salesforceは新しいCommerce Cloudについて「SalesforceのCustomer Success Platformに必要不可欠な部分となり、企業がカスタマーと全く新しい方法でつながることができるようになります。Salesforceのカスタマーは業界を牽引するクラウドコマースのプラットフォームにアクセスすることができます。そして、DemandwareのカスタマーもSalesforceの見込み販売管理、サービス、マーケティング、コミュニティー、アナリティクス、IoTとプラットフォームソリューションを活用し、包括的でパーソナライズしたカスタマー体験を提供することができるようになります」と伝えている。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

Instagramのアナリティクスで閲覧者属性、投稿インプレッション、リーチなど様々なデータが分析可能になる

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Instagramが、同社のプラットフォームを利用する企業やブランド向けに新しいツールを発表する準備をしている。企業のプロフィールや問い合わせボタン、地図などへのアクセス機能に加え、ポスト関連の数値や広告経由の購買実績などを計測する分析ツールだ。リリース前テストを行った誰かから情報のリークがあったおかげで、Instagramの分析ツールが実際にどのような内容なのかを見ることができた。

新しい分析機能の詳細については、一番始めにInstagramの予約投稿機能についてLater.comのブログに投稿された。このブログは、発表間近の企業プロフィール機能の画像を暴露したのを同じサイトだ。

しかしながら、これらのスクリーンショットは、Instagramのユーザーインターフェースが青と白のデザインから白黒に変わったUI変更よりも前に撮影されている。つまり、この機能が広くローンチする時には、このスクリーンショットから見た目が少し変わっているかもしれない。しかし内容はそこまで大きくは変わらないだろう。

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スクリーンショットから分かるのは、Instagramの分析ツールは「インサイト」と呼ばれるものを提供してくれるようだ。そして、フォロワーの属性とポスト分析といった2つの大きなエリアにフォーカスしているということだ。

フォロワー分析のセクションでは、フォロワーの位置情報や年齢、性別などを含む詳細な属性を見ることができる。位置情報は国別、都市別で見ることができ、メジャーブランドから小さなローカルビジネスに至るまで有意義なデータとなる。ユーザーの大半がどの地域にいるのか知ることで、投稿するタイミングを決めやすくなる。しかしながらInstagramの新しいタイムライン表示アルゴリズムで、表示方法は時系列ではなくパーソナライズされた順序になるので、あまりこの役目は意味がないのだが。

このアップデート後のタイムラインは、多くのユーザーがすでに利用しているという話も聞いているが、Instagramによるとまだ徐々に公開範囲を広げている段階のようだ。

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性別や年齢のような詳細なデータを円グラフや棒グラフで見られることに加えて、フォロワー分析のセクションでは時間別、日別での新規フォロワー数の推移も見ることが出来る。これにより、例えばどのポストがフォロワー数増加にピンポイントで効果があったのかや、どのポストが広く拡散されたか、などを知ることができる。

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ポスト分析のセクションでは、投稿の内容とそのパフォーマンスにフォーカスしている。想像できるだろうが、ここではインプレッション数やリーチ数、ウェブサイトのクリック数などフォロワーの行動を見ることができる。インプレッション数は投稿が計何回閲覧されたかの数字で、リーチ数はその投稿を見たユニークユーザーの数といった具合だ。ウェブサイトのクリック数はプロフィールに載せてあるリンクをどれだけの人がクリックしたか、という数字で、企業のアカウントだと多くの場合はその会社のウェブサイトへのクリック数ということになるだろう。

「フォロワーアクティビティ」ではフォロワーが最も良くInstagramを使う時間帯を表示してくれるので、投稿するタイミングを決める時に役立つ。

別のパートでは、過去の週や月ごとにインプレッションの多い順にポストを見ることができる。ここは特に面白い。なぜなら、これがシンプルなチャートではなく、ポストのサムネイル画像の上にインプレッション数がそのまま表示されているからだ。これにより、どのポストがよかったのかを計測できるだけでなく、全ての画像を一度に見ることで実際にどんな内容のポストがよかったのかを視覚的に見ることができる。

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また、これによりそのポストの長期的なパフォーマンスも見ていくことができる。つまり、フォロワーやそれ以外のユーザーは一度戻って昔のポストも見直したのか、それとも最近の新しい投稿だけを見ているのか、ということだ。

私たちは、Instagramが企業プロフィールの開発と同様に分析ツールの開発も行っていることを知っていた。しかし実際にどのような項目が見られるのか、どういった動きになるのか、というのは今まで見たことがなかった。

数ヶ月以内と言われているInstagramの分析ツール正式ローンチによって、企業や広告主に対して提供する機能という点でInstagramがFacebookに近づいていくのが分かるだろう。

同社は最近になって動画の閲覧数カウントや長時間動画(例えば60秒動画など)の広告分野に力を入れている。これらの機能は、広告主がデジタルに移行していく中で、TV広告に費やされる広告予算を4億人のユーザーを持つInstagramのプラットフォームに移管することを目的としている。

しかしながらInstagramには、企業、言い換えれば将来の広告主が、Instagram上で会社情報などをシェアする公式アカウントとして利用したり、ツールを使ってフォロワーや投稿内容、リーチや伸び率などを分析するなどの分野で、サポートが足りていなかった。しかしそれも近い将来変わるだろう。

Instagramはこの新しい分析ツールを現在利用できるようになったユーザーは全体の何%かといったことは開示しなかったが、分析ツールの存在については認めた。「私たちは、数ヶ月以内にInstagramに登場する新しいビジネスツールをテスト中です」とInstagramの広報担当者は話した。

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(翻訳:Kana Shiina)

アプリ解析・マーケティングツール「Repro」運営元が3億円の資金調達で米国進出へ

Repro代表取締役の平田祐介氏

Repro代表取締役の平田祐介氏

モバイルアプリ向けのアナリティクス・マーケティングツール「Repro(リプロ)」を提供しているReproは3月7日、ジャフコ、VOYAGE VENTURESおよび個人投資家などを引受先とした総額3億円の第三者割当増資を実施したことをあきらかにした。アプリ開発に向けた人材獲得を進めるほか、米国進出に向けてテストマーケティングなどを進める。

TechCrunchでも何度かご紹介しているRepro。2015年4月の正式版リリース時点では、スマートフォンアプリ上でタップされた位置や離脱した画面などの行動を動画で取得する「モバイルアプリ解析サービス」の色が強かったサービスだったが、最近ではアプリの解析にとどまらず、プッシュ通知やアプリ内メッセージの送信といったマーケティング向けの機能を充実させている。

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「アプリの数字を読み取り、解析までできる人は少ない。社内向けのレポートを作成するためにアナリティクスツールを使っても、数字からアプリの改善までを実現するのは難しい。であればそれを支援できるようにと思った」(Repro代表取締役の平田祐介氏)

現在のReproであれば、アナリティクスとマーケティング向けの機能を組み合わせることで——例えばファネル分析でユーザーの離脱率が高い画面を特定し、そこで離脱したユーザーを抽出してプッシュ通知を送り、アプリの再利用を促すというようなことを実現できる。

サービスは現在、18カ国・1400アプリで利用されている。特にEC関連のアプリでの導入が進んでいるという。同社は2015年9月に招待制イベント「B Dash Camp」内のピッチコンテストで優勝したが、そういった露出を契機にして引き合いが大幅に増えたという。

導入の9割以上は国内のアプリだが、「海外でもMixpanelAppboyといった競合製品から乗り換えてくれるユーザーも出てきた。アナリティクスデータを活用しながらマーケティングができるツールとして、いよいよ世界で戦える準備ができたと思っている」(平田氏)。Reproの開発と並行してアプリ向けのコンサルティング事業も展開。業績も順調に積み上げており、今夏にも単月黒字化できる状態にあるという。また今後はReproをMA(マーケティングオートメーション)向けのツールと定義して機能追加を進めるとしている。

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SNSで見た商品を即購入できるEコマースの実現に向けCuralateが2750万ドルを調達

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PinterestにInstagramにTumblr。ウェブの未来は画像にかかっているのは自明だが、どうやってそれで稼げるのだろうか?ユーザーが投稿する画像に何が写っているかを理解し、ユーザーを画像の商品を購入できる場所とつなげることだ。 Curalateは正にそれに取り組んでいる。この画像認識でマーケティングを行うスタートアップは、NEAがリードする資金調達ラウンドで2750万ドルを調達した。合計調達金額はこれで4000万ドルとなった。

もし、写真が何千語の説明に匹敵すると言うなら、Cralateはブランドがユーザーにストーリーを伝えることを可能にする。

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Curalateは1つのプロダクトを提供しているのではなく、複数のビジュアル・コマースのツールを用意しているため、彼らが何をしているかを理解するのは少しむずかしい。Curalateが用意しているツールの説明を噛み砕くと以下のようになる。

  • Like2Buy_home_cardLike2Buy
    ブランドのInstagramプロフィールのリンクを商品購入のゲートウェイにする。Instagramのどの投稿からでも商品購入が可能となる。
  • Fanreel
    ユーザーが投稿した画像をブランドのウェブサイトに掲載し、画像認識で写っている商品をタグ付けすることで商品購入を容易にする。
  • Visual Insights
    アナリティクスデータを生成し、どのブランドの商品がInstagram、Pinterest、Tumblr、他のSNSで拡散されているかを知ることできる。ブランドは注目されている商品が分かる。
  • Reveal
    ブランドのウェブサイトに掲載されている商品画像にタグ付けして、商品の詳細ページや購入ページにリンクする。
  • Ads
    ブランドがInstagramとPinterestの専用のターゲティング選択ができる広告を購入できる。

ブランドはソーシャル・メディアが上手く機能するように期待して待つだけではなく、Curalateを使うことで自分たちから動いて、計測し、活用し、効果を高めることができるようになる。

画像への転換

共同ファウンダーでCEOのApu Guptaは最初からCuralateの構想があったわけではないという。最初は「駐車と保管場所のAirbnbアプリ」のアイディアでY Combinatorを訪れた。しかし、彼は「これは取るに足らないアイディアであることに気付き、閉鎖することにしました。投資家に資金を返すことを話したのですが、投資家はまた考えて新しいことを試しては、と言いました」と語る。

2011年からCuralateは、大手小売ブランドとソーシャルメディアの有力企業をカスタマーとして迎えてきた。Refinery29、Nasty Gal、Gap、Nordstrom、Neiman Marcus、Sephora、Urban Outfitters、J.Crew、True Religion、BuzzFeedらが含まれている。この成功がNEAを惹き付け、今回のシリーズCの投資ラウンドにつながった。前回から投資しているFirst Round CapitalとMentorTech Venturesも今回のラウンドに参加している。

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「現在ソーシャルチャネルはそれぞれ『購入ボタン』の実装を検証しています。それは、今後ユーザーが商品を発見した時点とユーザーが実際に商品を購入する時点が近づくことを示しています」とGuptaは説明する。「これを実現するための課題は、画像に写っている商品が何かを知ることです」。

ソーシャルプラットフォームは自社サービス経由の購入を簡単にするための取り組みを行っているが、大手ブランドはサポートを必要としている。First Roundのファウンディング・パートナーで有名投資家のJosh Kopelmanは「Curalateはコンシューマーの行動を再構築しているトレンドに沿っていて、名だたるクライアントを惹きつける革新的なプラットフォームを構築しています」。

トレンドの最前線へ

ビジュアル・コマースを実現するために必要な部分を担うツールはたくさんあるが、Curalateの戦略は、それらをまとめて簡単に利用できる月額のSaaSサブスクリプションとして提供している。他の動きの早い競合他社が市場で最良のプロダクトを制作し、追いくリスクはある。今回の2750万ドルの資金調達でそれを防ぐために採用とプロダクト開発に注力する考えだ。

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マーケティングはこれまで、ブランドがカスタマーに購入を強引に勧めるようなトップダウンのものだった。しかし、未来はよりボトムアップの形に近づくだろう。ソーシャルメディアのインフルエンサーはSNSで大量のフォロワーを集めていて、つまらないブランドは敵わない。インフルエンサーがこの商品が好きと言ったり、商品を着たりすると、多大な売上につながる。

Curalateのプロダクトはこの大きな転換に合致するものだろう。ブランドは自社のどの商品がビジュアルのトレンドになっているかを知ることができ、分析結果からソーシャルメディアのスターを採用して、スポンサードコンテンツの制作を依頼することができる。そして、ユーザーをそれらのコンテンツから自社サイトでの商品購入につなげることができるだろう。

スクリーンの大型化、カメラの改良、インターネット接続が早くなったことでソーシャルネットワークはマーケティングの力学を変えた。ブランドの説明書きは必要ない。カスタマー自身が撮影した写真や動画が台頭する。これはビジネスがコントロールすることができない自然な転換だ。しかし、ビジネスはその転換に乗ることはできる。そしてCuralateはそれらブランドの転換をもたらす中継地点になろうとしている。

[写真はBill Leveyから。商品はMikaela Holmes Designsのもので、こちらから購入できる]

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

Instagram、マーケティングのパートナーズ・プログラムで収益拡大を狙う

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どんよりした目に時折広告の差し込まれるきれいな画像が映る。まるでテレビの話だ。マーケターがInstagramの成熟を待ちわびている理由が分かるだろう。Instagramが最初に広告商品を販売したのはまだ2年前のことだが、すでに彼らが保有する4億人のユーザーから収益を上げることに真剣に取り組んでいる。それは、広告主がテレビのコマーシャルにかける費用を世界で一番の写真アプリに移すための施策を実行するということだ。

今日、InstagramはMarketing Partner Programを発表し、ブランド企業の助けとなる広告、アナリティクス、コミュニティーマネジメントに関連する40社を取り上げ、推薦している。

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これらの企業は、大手ブランドや広告主に技術的な支援を提供する。パートナー企業は広告主が最適化した広告キャンペーンを大体的に展開したり、フォロワーにどのコンテンツが人気かを正確にトラックしたり、スパムやカスタマーサービスの問い合わせ内容のコメントを適切に管理したりすることを手伝う。これと引き換えに、広告主はより多くの金額を費やすることになり、また投稿が部分的にスポンサー広告だとしてもInstagramにより良いコンテンツの供給につながるだろう。

Instagramは2013年の秋に最初の広告商品を発表した。それは美しい画像のブランド広告を軸としたもので、ユーザーの目に触れ、記憶に残れば良いものだった。ユーザー体験に焦点を当てた長い検証が終わり(共同ファウンダーのKevin Systromが当初、彼自身が全ての広告を精査していると言うほどユーザー体験を追究していた)、広告プログラムは加速する。

今年の始めから、 Instagramはクリックできる広告(ダイレクトマーケターにとって便利な広告)、小売業向けの「購入」ボタン、そして大々的な広告キャンペーンをプログラマティック・コントロールするための広告APIをローンチした。そして9月には 世界規模の広告 をローンチした。

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そうする中で、ブランド企業がInstagramにより費用をかけることを促し、自分たちもその一部を得るInstagramのマーケティングパートナーのエコシステムが誕生した。しかし、ブランド企業にとってどのツールが効果的なのかを判断することは難しかった。

「Instagram Partnersを作ったのは、広告主が簡単にどのような規模でも、最適なテクノロジーパートナーを見つけ、私たちのプラットフォームで最良の結果が得られるようにするためです」とInstagramはブログ記事に記している。

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Instagramは、彼らのオーナーであるFacebookと同じ道筋を辿っている。Facebookも広告パートナーの巨大なエコシステムを構築した。また、これは広告を購入するためだけのパートナーではない。Instagramのパートナー企業は大きく3つの分類があるという。広告テクノロジー、コミュニティー管理、そしてコンテンツ・マーケティングだ。

パートナーのラインアップ には、ソーシャルアドバタイジング業界で見慣れた名前の企業が並んでいる。Adobe、Brand Networks、Marin Software、Nanigans、SalesforceやSprinklrなどだ。SocialCodeもその内の一社で、彼らはInstagram Partnerになってから、クライアントの40%とInstagramのキャンペーンをローンチしたと伝えている。

Instagramは多くのブランドと手をつなぎ、マーケティングのチャンスを切り開こうとしている。この調子でいけば、Facebookの収支報告でInstagramの収益の話を近いうちに聞くことになるかもしれない。そして、Facebookが費やした10億ドル規模の買収額に見合う働きを見せるだろう。

Anthony Haもこの記事の作成に貢献した。

画像クレジット:Dan Bilzerianのridiculouslifestyles 

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

Twitterがブランドを主軸とする新たなアナリティクスツールBrand Hubをローンチ

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Twitterは Twitter Brand Hubローンチし、アナリティクス関連のプロダクトを増強した。

Twitterの広告主向けのツールだが、Brand Hubは特定の広告やキャンペーンではなく、ブランドや商品のコンバージョンと他社との違いを広く見ることに焦点を当てている。これらのデータを持って、企業はどの広告の露出を高めるべきかが分かるだろう。

例えば、Twitterは新たに「TrueVoice」指標を追加した。これは、特定のブランドのソーシャルメディア上のコンバージョンを競合他社と比較するためのものだ。Twitterはこの指数の算出方法について次のように述べている。「ブランドのTrueVoice指数の算出には、ユーザーのブランドに関するツイートと競合他社のツイートを分析します。その後、ユーザーのブランドが保有するインプレッションの割合を算出します」。

Twitter Brand Hub

Brand Hubではデモグラフィックデータも見ることができる。ブランドについてツイートしている人の性別、地域、収入レベルなどを見ることができ、コンバージョンの上位「インフルエンサー」を表示する。(Twitterはこのデモグラフィックデータは集団としてのもので、個別のユーザーの情報は守られているという。)また、人々が話している内容も見ることができる。例えば、上位のコメントやブランドへのロイヤリティを示すツイートなどだ。

TwitterやFacebookはこれまで広告がどの程度販売やコンバージョンに貢献しているかをトラックするための機能開発に取り組んできたが、Brand Hubでは従来のブランド広告指標を提供している。また、ツイートやエンゲージメントではなく、インプレッション数を強調している。これにより、Twitterは広告主に対して、たった一つのツイートでも十分な人数に届き、大きな影響を与えることができると改めて強調することができるだろう。

Twitterは、英語圏でない地域の大手や中小の広告主にもBrand Hubを提供できるよう開発を進めているという。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

GoogleがPlay Gamesのプレーヤー分析機能をアップデート、iOSサポートを改良、より詳細なユーザ実態報告

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数か月前Googleは、Play Gamesのプレーヤー分析機能(Player Analytics)をローンチして、ゲームデベロッパが、自分のゲームをプレイしているユーザの実態を、もっとよく把握できるようにした。

今日(米国時間9/9)同社はこのサービスをアップデートして、ゲームプレイの最初の2分間のユーザの状況レポートや、デベロッパがユーザの状態に合わせてゲームの流れを変えられるために分析機能のAPIを公開、iOSのサポートを改良、などの新機軸を導入した。

とくに、ユーザの状態を時系列でチェックできるPlayer Time Series Explorer機能を使うと、ゲームの重要な時点でプレイヤーが何をしているかを理解できる。とくに重要なのが、プレイの最初の数分だ。その間(かん)にユーザは、そのゲームが難しすぎるか、やさしすぎるか、ちょうど良いかを判断する。この、今度導入された時系列レポートにより、デベロッパはその最初の時間帯に何が起きているかを知ることができ、ユーザの引き止め率(retention)を高めるためにゲームを改作したりできる。最初の数分間だけでなく、ほかの時点のレポートも得られる。

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また、このユーザ分析レポートのAPI、Player Stats APIによりデベロッパは、プレーヤーのタイプに合わせてゲームの流れを調整できる。たとえば、そのゲームをよく理解できないユーザに対しては、彼/彼女が迷う箇所で説明をポップアップできる。また、アイテムのゲーム内購入を勧めるために、アイテム無視で頑張る熱心なプレーヤーに無料のギフトを進呈してもよい。

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つねにAndroidに力を入れているGoogleだが、Player Analyticsは前からiOSをサポートしていた。今回同社はCocoaPodsのサポートを改良して、PlayのゲームサービスをXcodeで構成できるようにした。その新しいSDKはGoogleのサインイン・フレームワークをサポートし、GmailやYouTubeなどGoogleの人気アプリのアカウントからも認証できるようにした。これらのGoogleアプリをインストールしていないユーザには、SafariにスイッチせずにWebViewを立ち上げる。

SDKの新しい機能は明らかに、プレーヤーのエンゲージメントに力を入れている。今やゲームに対するプレーヤーの期待も、そしてゲームのビジネスモデルも変わりつつあり、プレーヤーの再訪率を高めることが前にも増して重要になっている。飽きさせないゲーム内ナビゲーションが、何よりも重要なのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Microsoftが組織分析サービスのVoloMetrixを買収

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Microsoftは本日、VoloMetrixを買収したことを発表した。VoloMetrixは企業の使用しているコミュニケーションシステムから匿名化した情報を集めて法人組織のパフォーマンスを分析するという専門的なサービスを提供している。

組織分析はMicrosoftも研究している分野だ。MicrosoftのDelveの組織分析サービスは現在プレビュー段階にあり、今年の年末に一般リリースする予定だ。

VoloMetrixは2011年にローンチし、これまでSplit Rock Partners Shasta Venturesが牽引した資金調達ラウンドで 合計1700万ドルほどを調達している。

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VoloMetrixは、昨年の10月にSplit Rockが牽引したシリーズBのラウンドで1200万ドルを調達した。当時、VoloMetrixのCEOであるRyan Fullerは、私に「大変多くのカスタマーの注目を集めています。カスタマーは、VoloMetrixで営業活動やカスタマーとの関係性をより深く理解し、営業活動の生産性の向上につなげています。また、ビジネスにとってコストのかかるプロセス、ミーティング、官僚的な管理を理解することで、組織の単純化を行っています」と話していた。

今日の発表でFullerは、Microsoftに参画することについて「カスタマーにとって有益なことです。これから更に良いソリューションを彼らに提供することができます」と伝えた。同様にMicrosoftも「買収により、VoloMetrixの経験、テクノロジー、成功実績をOffice 365と弊社が発表しているDelve Organizational Analyticsと組み合わせていきます」と伝えた。

Microsoftが完全にVoloMetrixをDelve製品に統合するのか、あるいはスタンドアローンのプロダクトとして維持するかは定かではない。Microsoftに詳細を尋ねているところだ。

更新情報:Microsoftのスポークスマンは私たちに同社のVoloMetrixに関する計画を伝えた。「MicrosoftはVoloMetrixのソリューションをIgniteで発表したDelve Organizational Analyticsのサービスに統合する予定です。Delve Organizational Analyticsは現在開発中です。Delve Organizational Analyticsの早期プレビュープログラムを数ヶ月内にローンチする予定で、Office 365に統合した最初の一般リリースを年末に行う予定です」。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

動画広告とテレビCMの効果を統合的に分析、メタップスが新サービス

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8月28日に上場したメタップスが、上場後初となる新サービス「Metaps Video Analytics」を発表した。

Metaps Video Analyticsは動画広告のアナリティクスサービスだ。最大の特徴は動画広告の効果測定と、テレビCMの効果測定を統合して分析できる点。メタップスでは広告代理店からテレビ視聴率データの提供を受けており、これとスマートフォン向け動画広告の効果分析を統合的に分析することで、例えばスマホ向けの動画広告とテレビCMの効果を比較したり、その相乗効果を調べたりということが可能になるという。

Metaps Video Analyticsではこの動画広告とテレビCMの統合分析の機能のほか、主要動画メディアへの広告配信データの管理、主要動画メディアでの人気動画の統計データの閲覧、動画広告配信後のソーシャルメディア上でのクチコミデータの可視化といった機能を備える。料金は利用条件により異なるため応相談となっている。

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先日、元DeNA執行役員で同社のテレビCM制作にも携わっていた彌野泰弘氏による「『ハイパフォーマンスなテレビCM』がスタートアップの成長を加速させる」という寄稿を掲載したとおりで、スマートフォンアプリやウェブサービスのグロースにおいてテレビCMは無視できない存在になっている。だが莫大な費用のかかるテレビCMの効果を正確に、かつ1つのツールでウェブにおける広告効果と比較するようなことは難しい。メタップスはこういった課題を解決すべくこのサービスを開発したという。

「ツール上でアプリ、広告、動画広告、テレビCMが一元管理できるようになるので、効果測定がシャープになり、投資対効果が測れるようになるので、『次の一手』が打ちやすくなる。大きなタイトル持ってるアプリデベロッパーや海外アプリデベロッパーにも求められるツール」(メタップス)

 

経験や直感よりデータ、人材採用に広がるデータ・ドリブンなアプローチ

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編集部注:この原稿は鈴木仁志氏による寄稿である。鈴木氏は人事・採用のコンサルティング・アウトソーシングのレジェンダ・グループのシンガポール法人の代表取締役社長を務めていて、シンガポールを拠点にクラウド採用管理システム「ACCUUM」(アキューム)をシンガポールと日本向けに提供している。

企業の人材採用活動において経験値や感覚値に頼るだけでなく、データ分析に基づいて採用を行う企業が増えてきている。アメリカでは、データ分析に基づいて採用活動のPDCAを回す「データ・ドリブン・リクルーティング」という概念が確立されていてソリューションも多く存在する。私自身がデータ・ドリブン・リクルーティングについて話す際に例として使う、映画「マネーボール」を交えながら、アメリカのソリューションを中心に紹介したい。

「マネーボール」は米国メジャーリーグベースボールでの実話を基にしている。主役であるオークランド・アスレチックスのGMビリー・ビーンが、データに基づく選手分析手法「セイバーメトリクス」を用いて、当時資金もない弱小チームを2002年にはア・リーグ記録の20連勝を達成するチームに育てるというストーリーだ。TechCrunch Japan読者でこの映画を観た人は、「データ分析 x ベースボール」という部分に少なからず興味をひかれたのではないだろうか。

「マネーボール」の舞台となったアメリカでは、様々な領域においてビッグデータ活用が謳われており、ここ数年は人事にもビッグデータを活用するのは当たり前という風潮になってきている。それに伴い、データ・ドリブン・リクルーティングという言葉も頻繁に使われるようになってきた。

採用プロセスは細分化すればきりがないのだが、一番シンプルにするとこんな感じだろうか。

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上記の採用プロセスの順に、データ・ドリブン・リクルーティングについて説明したい。

必要な人を決める

「探す/集める」という行為の前には、必要な人を決める(リクルーターたちは”求める人物像の策定”と呼んだりする)必要がある。社内のハイパフォーマーを特定して共通する特徴を分析したり、成功するために必要なスキルや経験を明文化したりすることだ。カルチャーフィットなど含め、社内ディスカッションなどで定性的に行われる部分もあれば、人事システムのタレントマネジメントモジュールやアセスメントツールなどを活用して定量的に行われることも多い。

「マネーボール」では、「セイバーメトリクス」という選手をデータで分析する手法が用いられる。これはアメリカ人野球ライター・野球史研究家・野球統計家であるビル・ジェームズらによって提唱された分析手法で、主観的・伝統的な評価軸ではなく客観的・統計的に選手を評価するものだ。例えば投手の評価においては、当時は伝統的に重要とされていた防御率は野手の守備力の影響をうけるため純粋な投手の力ではないとし、被ホームラン数、奪三振数、与四球数などを重要視する。ビル・ジェームズがこのような指標をもとに上原浩治投手を高く評価し、アドバイザーを務めるボストン・レッドソックスに獲得を強く勧めた話は有名だ。

例えば「マネーボール」では、資金難を理由に放出せざるをえないジェイソン・ジアンビやジョニー・デイモンといった2001年シーズンのスター選手の穴をどう埋めるかについて、ブラッド・ピット演ずるGMビリー・ビーンが「セイバーメトリクス」を信じない古株のスカウトマン達と議論しているシーンがある。2001年のオークランド・アスレチックス選手の年俸総額は約3380万ドル(30チーム中29位)、選手一人当たり平均にしても125万ドルと、総額・選手平均ともにダントツ1位のヤンキースの3分の1だった。その中で、超主力選手だったジアンビ(年俸710万ドル)とデイモン(同410万ドル)は、2人だけでチーム年俸総額の3分の1をしめていたのだ。

2001年に38本のホームランを打ったジアンビの代わりに同じタイプの選手を探しているスカウトマン対して、GMビリーは主要3選手の出塁率を平均すると3割6分4厘(0.364)であることから、出塁率が0.364の選手を3人探して穴を埋めろと指示を出した。スカウトの勘・経験やプレイヤーの体格といった定性的な視点はもちろん、ホームラン数や打率といった従来信じられていたKPIに頼ることを否定し、チームが勝つために必要なプレイヤーは出塁率や長打率などの高い選手であるという結論を導き出し、それに基づいてトレードやドラフトリスト作成の基準を決めたのだ。

探す/集める

求める人物像が決まったら、それを集めるのはリクルーターだ。リクルーティングにおいて、求人サイトやソーシャル・リクルーティング・サービスなどに代表される「探す/集める」領域は、サービスプロバイダーが一番多い部分といえるだろう。探す/集めるの領域のプレイヤー数が多い理由の1つは、1社につき1システムしか導入することのない採用管理システムなどの業務サポートシステムとは違い、メディアとして1社が複数利用することが多く、市場が大きいということがあるのだろう。全国求人情報協会発表のデータによると、2014年は年間540万件の求人がネット求人サイトに掲載された。求人サイト利用による1人当たりの採用コストは幅が広く(中途正社員採用:20万円〜150万円程度、新卒採用:100万円〜300万円程度、パート・アルバイト採用:2万円〜100万円程度)、掲載無料&成功報酬モデルもある。仮に平均単価が10万円としても5000億円を超える市場規模がある。

掲載型の求人広告とは少し異なるアプローチで、ダイレクト・ソーシングとも呼ばれる「探す」という行為もある。このアプローチでは、Linkedinのようなデータベースを活用することも可能だが、アメリカでは「People Aggregator(人の情報収集システム)」なども注目されており、EnteloやMonsterに買収されたTalentBinなどが有名だ。「Google for Jobs」(求人版のGoogle)と言われるIndeedがあれば、このようなサービスは「Google for Talent」(タレント版のGoogle)と呼ばれたりする。Enteloのサービスは検索した個人のEmail、Facebook、Twitter、LinkedIn、あるいはエンジニア向けサイトで個々人の技術スキルも分かるGitHub、StackOverflowなどの様々なサービスのアカウントをEntelo上でまとめるだけでなく、「現職への転職から24カ月目の節目は転職率が高い」とか「LinkedInのプロフィールを更新してから一定期間は転職率が高い」といったソーシャルシグナルの分析に基づく独自アルゴリズムによりターゲット人物をランキングしたり、その個人の各種サービス利用頻度などから直接連絡を取るのにベストな手段をサジェストしたりする。この辺りは「マネーボール」の中で、GMビリーが他球団と電話でトレード交渉を進める横で、GM補佐であるイェール大学卒業のピーター・ブランドが、ラップトップでデータを見ながらトレードで取得すべき選手の名前を次々に挙げていくシーンなどが思い浮かぶだろう。

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そして「集める」という行為をデータ・ドリブンで行うには、現状のチャネル分析や候補者行動分析などの小さなPDCAを常に繰り返し実行する必要がある。エクセルやグーグルフォームでなく、 採用管理システムを上手く活用してリアルタイムにデータ分析を行うことが重要となる。チャネル毎の応募数や採用数だけでなく、利用デバイスやブラウザなども分析することでポジション毎に最適なチャネルを選ぶことができる。この領域にはJobviteを中心に、JibeGreenhouseSmartRecruitersなど2500万〜5500万ドルを調達して注目されているアメリカ発のサービスが多く、当社が提供するクラウド採用管理システム「ACCUUM(アキューム)」もこの領域でサービスを提供している。これらの採用システムに共通するコア機能としてはATS(Applicant Tracking System)と呼ばれる応募者管理機能があり、ウェブサイトや人材紹介会社からの候補者を一元管理しチャネル分析などを行えるが、それ以外のマネタイズの方法は各社異なる。例えばJobviteは後述するビデオ面接機能を最近強化して選考側を強化している一方、SmartRecruitersは管理画面からIndeedやLinkedInなど外部求人サイトへ簡単に掲載させる機能により母集団形成側を強化している。OracleのTaleoやSAPのSuccessfactorsなど大規模人事管理システムではこのような機能は、MultiPostingなどとAPIで連携しているケースが多いが、採用管理システムではこのような機能も自前で持つところが増えてきている。こういったサービスを活用すれば、採用企業は、いくつもの外部サービスにログインして一つひとつ求人情報の掲載をしなくて済む。のみならず、今後は外部サイトに簡単に掲載できるだけでなく、ビッグデータ分析によって職種毎に使うべき求人サービスをサジェストする機能なども強化されていくことだろう。

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前述の求人サイトの掲載価格は、アメリカの求人サイトMonsterが1職種月額5万円以下(375米ドル)、東南アジアで強いJobStreetが1職種月額1万円以下(100シンガポールドル)であることを考えると、日本の求人掲載料はまだまだ高い。無料掲載のビズリーチのスタンバイや、月額3万円から職種数無制限で掲載できるウォンテッドリーなどが市場に変化を与えているが、自社の応募データを分析して、データ・ドリブン・リクルーティングで自社に合ったチャネル戦略を立てることにより、採用単価や採用スピードを改善できる余地は大きい。

選ぶ

「探す/集める」の次は「選ぶ」ステップになる。この領域において注目されているリクルーティングサービスの1つがビデオインタビュープラットフォームのHireVueだ。既述の通りJobviteなどが追加機能として提供するだけでなく、GreenJobInterviewSparkHireなどスタンドアローンのサービスも多いが、9200万ドルを調達しているHireVueがプロダクトとしてもクライアントベースとしても抜きん出ている印象だ。サービスがスタートした当初の質の低いSkypeといった印象から大きく進化を続け、今では総合的な採用プラットフォームになっている。その強みのコアは、やはりビデオインタビュー部分だ。Fortune 500 企業などを含む500社以上のユーザー企業を誇るHireVueによると、平均して1ポジションに約100名の応募があるが、そのうち面接の機会を与えられるのはたったの6人だという。ビデオ録画機能を使ってより多くの候補者に質問に答えさせ、面接での質問に対する300万件以上の候補者の発言などの分析をもとにしたHireVue独自のアルゴリズムで、やる気・情熱・感情・性格などを予測する。履歴書や職務経歴書だけで100名から6名に絞り込むよりも、より正確に企業やポジションに合った候補者を選ぶことが可能という。

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GMのビリーがニューヨーク・ヤンキースからデイビット・ジャスティスという選手の獲得を提案した時、年齢による衰えから2001年シーズンでは打率はピーク時の0.329から0.241まで落ち、ホームラン数は41本から18本に落ちていること、そして足の故障や守備のまずさなどを理由にスカウト達は猛反対をした。ただし、既述の出塁率が0.333と目標値に近く、また、年俸700万ドルの半分をヤンキースが負担するという好条件もあり、アスレチックはジャスティスを獲得した。従来のKPIだけで見ていたら獲得リストにも載っていなかった選手だが、GMビリーとGM補佐ピーターのアプローチによって選ばれた選手の一人だ。

口説く

最後は当然「口説く」ことが必要になる。私の知人が経営する会社では、本年度は特に採用が最重要課題であるという理由から、会社のトップセールスを1年間限定でリクルーティングの責任者においた。最近は日本でもこのようなケースが見られるが、アメリカではマーケティングや営業のスーパースターをリクルーティングチームに移すことは珍しいことではなくなってきている。もちろんただ単にコミュニケーション能力があるというだけの話ではない。口説く相手が100人いれば100通りの異なるストーリーを考えることが必要になるからだ。

映画の最終的な脚本ではカットされてしまっているが、出回っている英語版の脚本ドラフトで印象に残るシーンがあった。GMのビリーとGM補佐のピーターが、一塁手のスコット・ハッテバーグと話しているシーンだ。ハッテバーグは怪我によりキャッチャーとしてのキャリアを捨てざるを得なくなり、スカウト達が獲得を反対した選手の一人だ。この選手を一塁手にコンバートして獲得するというオファーを出したのだが、 実はハッテバーグ本人ですら何故アスレチックスがそこまで興味を示したのか、分からずにいた。入団後になるが、本人の過去のバッティングデータからストライクやヒットの多いゾーンについての傾向を教えると、本人はなるほどという反応を示す。次に、打席平均の相手ピッチャー投球数の4球という数字は、バリー・ボンズやジェイソン・ジアンビといった超一流打者の5球という数字には及ばないものの非常に良い数字であり、相手ピッチャーを疲れさせるためには非常に重要であるという根拠とともに「One of the reasons why we love you.(僕たちが君を高く評価する理由のひとつだ。)」と伝えると、この数字の重要性に気付いていなかったハッテバーグも、驚きをもって興味を示す。

情熱やフィーリングはもちろん重要だが、ビリー・ビーンの様にリサーチデータを基に候補者一人ひとりに合わせたストーリーで口説けるようになることもリクルーターとして重要なスキルの1つであり、そのためにはいくつかのソリューションを使いこなすことも必要だろう。

オペレータや管理者の次の行動に結びつくネットワークデータ分析を行うKentikが$12.1Mを調達

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顧客企業のネットワークの稼働状況をクラウドから調べて報告するKentik(元CloudHelix)が今日(米国時間6/30)、1210万ドルのシリーズAラウンドを完了したことと、メインのSaaSプロダクトKentik Detectを、ステルスを脱して一般公開したことを発表した。そのSaaSは、“ネットワークのトラフィックをリアルタイムで分析して、ユーザの対応行動に結びつくようなインサイトを与える”、とされている。複数のネットワークにまたがる分析もでき、その数やサイズを問わない。

このラウンドはAugust Capitalがリードし、First Round Capital、Data Collective、Webb Investment Network、Tahoma Ventures、Engineering Capital、そして多くのエンジェル投資家たちが参加した。同社のこの前の資金調達は、2014年9月に獲得した310万ドルのシード資金だった。

ユーザにはYelp、Box、Netflix、Facebookなどの大物が顔を揃え、Kentikのネットワーク分析サービスは毎日、数百億件のデータレコードを処理する。同社のサービスは、インターネット上の非常に多様なデータから有意な情報を得たい、と願う企業からの支持を得つつある。

“ネットワークオペレータの最大の痛点が、具体的な対応行動に結びつくような可視性(actionable visibility)を得ることだった”、と、Kentikの投資者でNetflixのグローバルネットワーク担当ディレクターDave Temkinは述べる。“これまでは、超大規模なWeb企業しか、それに関して進展できるための十分なリソースを持ち得なかった。Kentikは、ネットワークを運営している者なら誰でもアクセスできる、手頃なソリューションを作った”。

Kentikのプレスリリースは、同社のプロダクトが企業の活性化に寄与する、と述べている:

“Kentik Detectは大量の原始データからクェリの答を高速に得ることによって、つねに先読み的なアラートをリアルタイムで行う。それによりネットワークの制御を担当しているオペレータは、ネットワークのその時点における状況を正しく理解し、問題の根本原因を解き明かし、推測ではなく現実に基づいて成長のための計画を樹立実行できる”。

“ネットワークが大きさと複雑さを日に日に増していくにつれて、データの取り扱いと、必要とされる分析も複雑性を増し、規模だけでなく対応を要する問題も、従来のネットワーク管理ツールでは対応できないものになっていく”、そう語るのはKentikの協同ファウンダでCEOのAvi Freedmanだ。彼は曰く、“弊社は、インフラストラクチャのすべてのデータに対するワンストップの総合的なインテリジェンス・ショップを目指したい”。

インターネットのトラフィックはますますグローバル化して、それと同時に量も膨大になっているから、Kentikはその分析をできるかぎり簡素化しようとしている。企業が大量のネットワークデータを処理しようとするとき、Kentikがそれを助ける。そのデータの総量は、2016年にはゼタバイト(一兆ギガバイト)を超える、と予想されている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

[寄稿]年間予算は1000万円未満?調査で明らかになったBtoB企業のWebマーケティングの実態

はじめに はじめまして、ガイアックスの中村です。BtoB企業にインバウンドマーケティングの導入を支援したり、「INBOUND marketing blog」の編集長をしたり、自社サービスのマーケティングを担当したりしてい […]

MashapeがAPIアナリティクスサービスのAPIを一般公開…デベロッパやDevOpsが自由に使える

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APIのマーケットプレースMashape(世界最大を自称)が今日(米国時間6/24)、そのアナリティクスサービスのAPIを一般公開する、と発表した

同社は13000あまりのAPIをサーブしているが、それらをモニタするためのアナリティクスサービスも同社が作って提供してきた。今回はこのサービスのAPIをデベロッパやDevOpsたちに提供し、MashapeがホストしていないAPIでもそのパフォーマンスを理解できるようにした。

MashapeのCEO Augusto Mariettiによると、APIの公開を決めたのは数か月前だ。つまり同社のAPIアナリティクスサービスの機能には、普遍的な価値がある、と気づいたのだ。アナリティクスは同社の比較的新しいサービスだが、すでにMashapeのマーケットプレースの重要な機能だ。“でもそれのAPIがあれば、必ずしもマーケットプレースは要らない。独立のAPIサービスになったことによって、誰もが自分のところのAPIとマイクロサービスアーキテクチャを(Mashapeを経由せず)モニタできる”。

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たとえばMashape AnalyticsのAPIを使うと、どのAPIやエンドポイントがもっとも頻繁に利用されているか分かる。内部クライアントと外部クライアントの、内わけもわかる。それらのパフォーマンスも分かる。まあそれは、APIのためのGoogle Analyticsだね、と Mariettiは言う。得られるAPIパフォーマンスデータは、リアルタイムだ。でも不具合が生じたら、個々のAPI呼び出しをリプレイして問題をデバッグできる。

Mashapeによると、いまどきの企業は自分たちのアプリケーションにマイクロサービスアーキテクチャを採用し始めているので、デベロッパが扱い、そしてモニタするAPIの数も必然的に増加する。New RelicやSplunkのような既存のツールは主にサーバのモニタリングツールだから、APIのモニタリングには使えない。その大きなギャップを、Mashape Analyticsのような専門的ツールが填めるのだ。

Mashape Analyticsを使いはじめるためには、まずエージェントをダウンロードする。するとそれが、トラフィックのモニタを開始する。

料金はNeww Relicなどと同じく時間制だ。24時間までなら無料、2週間のデータ保持なら月額149ドル、90日なら月額495ドルだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

YouTubeの新アナリティクス、Music Insightsはアーティストにツアーに行くべき場所を教えてくれる

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いくらYouTubeのユーザーが10億人を超えるとはいえ、ミュージシャンはYouTubeから分配される広告収入では食っていけない。 今のミュージシャンの主要な収入源はコンサートツアーだ。だがYouTubeのおかげでミュージシャンは世界中で名前を知られることが可能になった。そこでミュージシャンのファンがどこにたくさんいるのか正確に知ることができれば、適切なコンサートツアーの計画を立てて、ビデオを無料で見ていたファンに30ドルのチケットを買わせることができるだろう。.

Music Insightsは、アーティストを手助けするGoogleのYouTube For Artistsプログラムの一環となる新しいアナリティクス・ツールだ。このツールは、それぞれのアーティストが人気がある都市、人気がある曲、ビデオの再生回数、ファンによる曲のアップロード回数(Content IDによって自動的に認識される)などの情報を総合的に提供してくれる。

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YouTubeでMusic Insightsを担当しているプロダクト・マネージャー、David King は私の取材に対して、「YouTubeは世界中に膨大なオーディエンスがいる。われわれはアーティストに自分たちの音楽がどこでどれほど再生されているかという情報を提供して手助けをしたい」と語った。

Music Insightsからは次のような情報が得られる。

Top Cities:コンサートを開催する候補地を選ぶのに役立つ。もしかすると遠く離れた外国に思いがけず多数のファンがいることを発見するかもしれない。あるいはオークランドのような小さな町に隣のサンフランシスコよりも大勢のファンがいると分かるかもしれない。またこの情報は現地のラジオにその局をかけるよう説得する材料にもなる。

Top Songs: どの曲がどれほど人気があるかを判断できる。これはラジオ局へのシングルの売り込み、レーベルとの交渉、テレビ番組やCMへのライセンス、アルバム作成時の選曲などに役立つ。

総合再生回数: アーティストが自分たちの人気度を示すのに用いることができる。YouTubeはアカウントごとのトータル再生回数は以前から集計、提供していたが、総合再生回数はファンがアップロードしたミュージック・ビデオの再生回数も含めてカウントする。これによってアーティストは、たとえばレーベルやラジオ局に対して「われわれのバンドは公式ビデオの再生回数が1000万回あるだけでなく、ファンがアップロードしたビデオの再生回数も1000万回ある。われわれの草の根の支持はっきわめて強い」というように主張できるわけだ。

ただし、アーティストにアナリティクスを提供するのはYouTubeが初めてというわけではない。PandoraにはArtist Marketing Platformがあり、Spotify For Artists も似たような機能をもっている。

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Kingはライバルの同様のサービスに対してYouTubeのデータが優位であるとして次のように述べた。「YouTubeは世界中であらゆる層のユーザーに利用されているという点で他のサービスの追随を許さない。〔PandoraやSpotifyは〕大規模なサービスではあるが、YouTubeのように世界中でくまなく利用できるわけではない」と述べた。たしかにPandoraの8000万、Spotifyの6000万というユーザー数はYouTubeの10億以上という数字の前にはかすんでみえる。

Kingによれば、YouTubeは将来このデータをAPI経由でアクセスできるようにしたいという。そうなればアーティストのチームはデータをリアルタイムで継続的に取得し、 他の統計アプリと連動させるなど一層高度な利用が可能になる。it with other analytics.

「われわれのマーケティング活動は大小を問わず、オンラインでもオフラインでもデータに基づいて行われている」とCrush Managementのデジタル戦略責任者のDan Kruchkowは言う(Crush Managementはニューヨークの大手音楽マネジメント会社で、Fall Out BoyやTrainなどの有名ミュージシャンのマネージメントを行っている)。

今回のアナリティクスの提供は最近のトラブルでYouTubeが失ったアーティストからの信頼を取り戻そうとする意味もあるだろう。YouTubeは有料サブスクリプション・モデルを準備中だが、その過程でアーティストに強引に新契約を結ばせようとして一部から強い反発を受けた

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SXSW 2015でYouTubeが公開したMusic Insightsのプレビュー

YouTubeの提供するアナリティクスが実際にアーティストの役に立つなら、アーティストは主要なプロモーションの場としてYouTubeを選ぶだろう。そうなればYouTubeのチャンネルにファンが集まることになる。音楽ストリーミング・サービスの競争はますます激しさを増す中、アナリティクス・ツールはYouTubeの強力な武器になるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

解析ツールのユーザーローカル、YJキャピタルとEast Venturesから約2億6000万円の資金調達

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ヒートマップに対応したアクセス解析ツール「User Insight」やソーシャルメディア解析ツール「Social Insight」などを提供するユーザーローカルが5月25日、YJキャピタル、East Ventures引受先として約2億6000万円の第三者割当増資を実施したことを明らかにした。同社は今回調達した資金をもとに、ビッグデータ分析事業強化進める。

ユーザーローカルは2007年の設立。代表取締役を務める伊藤将雄氏は、もともと楽天のエンジニア・プロデューサーで、「みんなの就職活動日記」を事業化、法人化した人物。その後早稲田大学大学院にウェブ上の行動解析を研究し、その成果をベースにした製品を提供すべく、ユーザーローカルを設立した。これまで国内外25万サイト以上への無料解析ツールを提供しているほか、国内700社以上へ商用アクセス解析ツールを導入。月間70億PV以上のデータを分析しているという。

同社によると、顧客増による分析対象となるデータ量増大、スマートフォン・マルチデバイス領域やO2O分野での分析ニーズの高まりを受けて資金調達を実施したという。今後は大規模なインフラ投資のほか、業種に特化の解析サービスも提供していくという。すでに4月から、メディア業界に特化した「Media Insight」なども提供している。

comScoreの対抗馬Verto Analyticsはモバイルなど“全デバイス”を対象にユーザデータを提供

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老舗のcomScoreに対抗して、今のマルチデバイスの時代に対応したインターネットのアクセス分析/ユーザ分析を提供するVerto Analyticsが、そのサービスを今日(米国時間5/15)から一般公開する。Verto Content Watchと呼ばれるその測定サービスは、スマートフォンやタブレット、PC、eリーダーなどさまざまなプラットホーム上のアプリ、ゲーム、Webサイト、そして広告などの利用状況を、詳細に調べる。

ヘルシンキとニューヨークとサンフランシスコにオフィスのあるVerto Analyticsは三年前に、メディア測定業界で長年の経験のある人たちが集まって創業された。これまではConor Venture PartnersとOpen Ocean Capitalから800万ドルの外部資金を調達しており、今日は有名企業の顧客としてYahoo、Cisco、EA、Johnson & Johnsonなどの名前が紹介された。

Ventoはさまざまなパネルを構築し、消費者たちに“メーター”アプリをインストールしてもらうことにより、データを集める。またモバイルアプリの利用状況を知るために、消費者向けアプリから直接、データを収集する。

今では一人の消費者の各種デバイスから一日あたり3000あまりのデータポイントを収集し、毎月合計5億近いデバイスからのデータを取り込んでいる。それらをもとに、ユーザであるパブリッシャーや広告主に対しては、一日あたり100件以上の測値が提供される。ユーザはそれらを、Webアプリケーションvs.モバイルアプリ、各カテゴリ別、ユーザ特性別(性、年齢、地域等)、市場別、行動パターン別などに分類して分析できる。その結果をユーザ企業は、製品開発や、マーケティング、オーディエンス開拓などに活用するのだ。

データはすべてWeb上のダッシュボードから提供され、ユーザは自分が必要とする測度を簡単にマウスクリックで指定できる。

Verto AnalyticsのCEO Hannu Verkasaloは、データはうちの方が正しい、なぜならcomScoreはPCとWebサイトしか調べないからだ、と主張する。Vertoは、モバイルデバイスとその上のアプリも重視している。“Yahooなどは長年、comScoreに苦汁を飲まされてきた。報告される数字が、‘こんなに低いはずはない’と思うぐらい、いつも低いからだ。その主な原因は、comScoreがモバイルをカバーしていないためだ”、とVerkasaloは述べる。

そのモバイルアプリの方面では、最近App Annieなどのコンペティタたちがアプリのユーザデータにまで手を出してきた。しかしVerkasaloによると、彼らはアプリストアやいろんなSDKからデータを取ってくるだけで、Vertoのように消費者パネルの設営はやっていない。

同社のContent Watchサービスによって顧客企業は初めて、デスクトップに限定されない全体的なオーディエンス数を知ることになる。この新サービスは5か月のベータ期間を終えて、これから一般公開される。そのSaaSの利用料金は年額5万〜15万ドル、標準セット以外の特殊なデータも求める場合は、年額500万〜1000万ドルとなる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

[寄稿] SEO担当者が知らないと恥ずかしいGoogleアナリティクスの基礎指標

みなさん、こんにちは。カグア!というブログを運営しています、吉田といいます。 私は、ふだんGoogleアナリティクスとヒートマップをメインに使い、サイトの改善やグロースを一人で行っています。リソースが限られていますので、アクセス解析をつかい、効率的かつ無駄打ちの少ない施策を是として、日々運営にいそしんでいます。 今回SEO HACKSさんに寄稿の提案を受けまして、投稿させていただきます。

[寄稿] 何のために数値化するのか?「ユーザエクスペリエンスの測定」読書会レポート

こんにちは、わかさ分析塾の若狹です。 先月1/11(日)ヴォラーレさんにて、「Measuring the User Experience(訳:ユーザエクスペリエンスの測定)」という洋書を対象に読書会を行いましたので、その時のことを書こうと思います。これまで、主にUXリサーチ系の本を題材として会を開いており、内容説明だけでなく事例をもとにディスカッションするような進め方をしています。