ジャスティン・ビーバーも出資する、自分撮り写真交流アプリケーションの「Shots Of Me」

夕焼け? 風景写真? それともラテアート? これまでに撮った写真を見なおしてみると、誰も人物が写っていないことで、退屈に感じてしまうことも多いようだ。素人写真を満足気に公開して、コメント欄がひどいことになっているティーンたちも多い。そのような状況を変えようと、RockLiveはジャスティン・ビーバーからの出資を受けて、自分撮り写真をシェアするためのiOSアプリケーションであるShots of Meの提供を開始した。

スマートフォンの液晶画面側についたカメラで自分の写真を撮ったものを一般に「自分撮り写真」(selfie)と言うが、Shots of Meは、まさにこの「自分撮り写真」を扱うためのアプリケーションだ。Instagramで撮った写真のように、自分撮り写真を自分の友だちに公開したり、あるいはTwitterに投稿するようなことができる(Instagramへの投稿機能も実装予定)。他の人の自分撮り写真を眺めて愉しむこともできる。

すなわち、目指すところは「自分撮り写真のソーシャルネットワーク」なのだ。それだけかと思われるかもしれないが、うまく機能させるためにさまざまな工夫も凝らされている。

「狙い通りに若者たちが多く参加してくれていますよ。もちろん若者感覚を持つ年長者も使ってくれています」とRockLiveのCEOであるJohn Shahidiは言う。「女子高校生たちをターゲットにしたマーケティングには知識もありましたので、それを活かして大きな仕掛けを作りたいと考えたのです」とのこと。

頻繁に写真投稿を行う人たちを見ていてShahidiは気付いた。「人々は自分撮りを愉しむだけでなく、他の人の自分撮りを見ることも大いに楽しんでいるのです。これは昔からある楽しみのひとつで、いつまでも続く現象だといえます。一時は食べ物の写真などを交換するのも流行りましたが…」。Shahidiは語尾を濁したが、しかし言わんとするところは明らかだ。Instagramは食べ物など、無生物の写真をシェアして愉しむ目的で大ヒットした。フィルタを使って実物以上に面白く見せることが流行したりもした。しかし徐々に飽きられてしまいつつあるのではないかと言いたいわけだ。

しかし、もしその分析が正しいとしても、写真関連アプリケーションの世界は既に飽和状態なのではなかろうかと、疑問を持つ人も多いはずだ。確かにそうも言える。しかし友だちの笑顔を見る機会を増やすことには、多くの人が興味を持つのではないかと考えているわけだ。

自分撮り写真用Instagram

5人で運営しているRockLiveは、5月にShots of Meの開発にとりかかった。ついにそれが完成したというわけだ。iOS専用のアプリケーションを立ち上げると、Shots of Meでの友だちや、Twitterのコンタクトリスト経由で繋がっている人の自分撮り写真が画面いっぱいに流れてくることとなる。

カメレオンデザインと言うのだろうか、名前や場所、キャプションなどの情報は、スクロールするに連れて写真の色と同化していくようになっている。曇りガラスを通してみるような感じだ。アプリケーションについてShahidiはかなり強気の発言をしている。「私たちは一級のプロダクトを提供していきたいと考えています。スマートフォンに500ドルもつぎ込んでいるのです。その高級スマートフォンに似合うアプリケーションでありたいと考えています。メルセデスやフェラーリのような雰囲気を身につけたいのです」。これは少々言い過ぎであるようには思う。ただ、ナビゲーション部の色選択を行えるような工夫も随所に凝らして入る。

自分撮りのみを投稿するというルールを守ってもらうため、画面側にあるカメラしか利用できないようにもなっている。また、Snapchatと同様に、投稿する写真はShots of Meで撮影したものしか使えない。他で撮った写真をアップロードできなくすることで、今、現在の写真を共有して愉しむという効果も生んでいる。

Shots of Meの機能的なユニークさは、通常のソーシャルネットワークでは大切だと考えられている機能を省いている点にある。すなわち、コメントを付けることができないのだ。「誰もが、面白いと思って写真を投稿するのです。それについてあれこれ言うのは、せっかくの楽しさを台無しにしてしまうことも多いのです」と、Shahidiは説明している。

風景写真を投稿して、それをコメントで貶されるのも、もちろん悲しい出来事だ。しかし自分撮り写真というのは、どうも悪口を言われやすいものでもある。顔が悪いだのなんだのと、とくに感受性の強い10代の頃に言われたりすれば、相当に傷つくことは間違いない。したがってShots of Meでは、利用者間の交流にはダイレクトメッセージを用いることとしているのだ。初期のTwitterと同様に、フォローしている人とのみダイレクトメッセージで話をすることができるようになっている。おかげで交わされる意見はプライベートなものとなり、通りすがりの見知らぬ人から突然悪口を浴びるというようなことはないようになっているわけだ。

ジャスティン・ビーバーも認めるサービス

ジャスティン・ビーバーがShots of Meを気に入ったらしいことも大いにプラスに作用している。RockLiveおよびShots of Meを紹介されて、取り敢えずShahidiが言うところでは、「すごく気に入ってくれました。他の写真共有サイトにはいろいろ注文もあったようですが、ここについては本当に気に入ってくれたのです」とのこと。これはもちろんTwitterやFacebookなどのソーシャルネットワーク上で「気持ち悪いゲイ野郎」などと叩かれていることをふまえての発言だ。

「ジャスティン・ビーバーも、一般のソーシャルネットワークに存在するコメントシステムのことをすごく気にしているのです。自分が不快に思うというようなことだけでなく、それを読むティーンのことを考えているわけです。彼は、ファンのみんなが酷いコメントなどを読まなくても済むところで活動をしたいと思うと言っています。私たちは彼に出資を依頼したりはしませんでした。しかし、彼の方からぜひにと話をもちかけてくれたのです」とのこと。

RockLiveは既にShervin Pishevar、ボクサーのFloyd Mayweather、初期の頃のAppleで働いた経験を持つTom McInerney、およびNALA Investmentsから出資を受けていた。そしてNALAは、さらに多くの額を出資する方向で話を進めていた。しかしRockLiveは最終段階でBieberの出資を受けることを決めたのだった。110万ドルのセカンドラウンドのほとんどはジャスティン・ビーバーの出資であるようだ。

ちなみにこのRockLiveへの出資は、マネージャーであるScooter Braunを介さないものとしては初めてのものである様子。マネージャーとの共同でということであれば、いくつかのスタートアップに出資してきている。Shahidi曰く、ビーバーは「デューディリジェンスにも気を使っていて、何度も電話をかけてきて、数多くの質問をしてきた」のだそうだ。もちろんビーバーがさまざまな調査を経て出資したとは言っても、事業が間違いなくうまくいくというわけでもない。サービスの成長は、利用者の拡大にかかっている面があり、これがかなり難しいことであるのは他のサービスからもわかることだ。

あるいは、ビーバーにテック企業に投資する才覚があるわけはないという人もいるだろう。しかしこれは一方的にすぎると思われる。膨大なCDやコンサートチケットを売りさばいたということは、つまり若者の心とどこかで通じているとも考えることができるのだ。

他のフォトアプリケーションとの関係

いろいろな見方があるだろうが、自分撮り写真の多くは非常に楽しそうな表情をしていて、見ている側をも楽しくする作用がありそうだ。アートぶった見るに耐えない写真でフィードが汚されてしまうことも少ない。誰の心にもある、ちょっとした見栄を表現するためのプラットフォームとして、成長していくことになるかもしれない。自分撮りなどつまらないとか、失敗するに決っているという人も多いだろう。しかし大勢が自分撮り写真を撮って、どこかで公開しているという事実はある。自分撮りなど短命な流行に過ぎないという人もいるだろうが、しかし絵画および写真の分野で、ポートレートは長い長い歴史を持っているものでもあるのだ。

そのような観点からも、成長の可能性があるのは確かであろうと思われる。ただ、自分撮りに注力して、そしてコメントなどで場が荒れてしまうことを防止し、さらにジャスティン・ビーバーのお墨付きを得たということで、これが即ち他アプリケーションからも利用者を奪い取って成長していくことができることを意味するわけではない。

Shots of Meはまず、1億5000万もの利用者を抱えるInstagramを意識している。このInstagramは、今後の利用者獲得ということを考えると、非常に難しいライバルであると言える。さらに「普通」の写真を共有するにはFacebookやTwitterしか使わないという人もいて、自分撮り写真などを共有するにはSnapchatが最適だと考えている人もいる。そうした人の意識も変えていかなければならない。さらには、どういうサービスになるのかすらよくわからないSelfieというスタートアップも準備中であるようだ。

おまけに最近話題になっているFrontbackも強大なライバルとなり得る。これは背面カメラと前面カメラの双方を同時に使った写真を作って公開しようというサービスだ。8月にアプリケーションを提供し始めて以来30万ダウンロードを獲得し、さらに300万ドルの資金を新たに調達している。Frontbackは両面カメラを使った写真にその特徴がある。これまでに見たことのない写真が生み出されることになる。さらにはこちらのサービスでもコメント機能は排除されていている。こうしたサービスをすべて乗り越えていかなければならないとすると、Shots of Meの将来もなかなか厳しいものであると言わざるを得ないだろう。

但しShahidiは自信を持っているようだ。「写真は1枚撮るだけでもなかなか大変な作業なのです。Frontbackで撮影する自分撮りの部分以外を面白くするのはなかなか難しいことです。たとえばオフィスにいるとすれば、Frontbackで撮影しても風景部分は退屈なオフィスシーンになってしまうわけです」。

Shots of Meはビーバーの自分撮り写真を独占的に配信するようなチャネルになる可能性もないわけではないのだろう。そうなればTwitter上の4700万ものフォロワーや、Facebookの5700万人のファンの注目を集める可能性もある。そうした人のうち、1%の人を利用者として獲得できれば、あっという間にFrontbackを抜き去ることにもなる。

「Instagram以前から、フィルタ機能を備えた写真アプリケーションは数多く存在していました。しかしInstagramはフィルタを使った写真の共有についての第一人者としての地位を獲得しました。フィルタを使って面白い写真を投稿する人が大勢集まる場所だったからです」。Shots Of Meは自分撮り写真について、Instagram同様のきっかけを掴んで行きたい考えだ。「写真を見て、いろいろな出来事を思い出して楽しめるアプリケーションになるはずです。自分が何を感じていたのかを思い出すことができます。これは、自分の写っていない写真を眺めていても味わえない魅力であると思うのです」。

Shots of Meは、無料アプリケーションとしてiTunesストアに登録されている。

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(翻訳:Maeda, H


メッセージングアプリのLINE、四半期売上ほぼ1億ドル。IPOについては言及せず

過去2年半日本を席巻しているメッセージングアプリ、Lineは、四半期売上を1億ドル近くへと伸ばした。

今年2月に親会社のNHNから独立した同アプリは、9月末締四半期の純売上を99億円(0.999億ドル)とした。アプリストアやデベロッパーへの支払いを含めた総売上は、過去6ヵ月間で2倍以上に増え、156億円(1.576億ドル)を記録した。

来年にもIPOするのではないかとの報道について、同社は先週金曜日の会見で明言を避けた。しかし、同社に近い筋からの情報によると、2014年中頃の上場を検討しているという。

「もちろんIPOについて聞かれると思っています」と、Lineの元の親会社、NHN Japanの事業戦略・マーケティング責任者で現在同アプリの最高責任者である舛田淳氏は語る。「それはわれわれが考えている戦略の一つであり、Twitterなどのサービスを見れば特にそうだろう。しかし現時点では、今すぐやるべきだとは考えていない。現在われわれには十分な現金があり、IPOを行う切迫した必要性はない」

Lineは、韓国の検索最大手Naver傘下のNHNにおいて、社内の秘密プロジェクトとして生まれ驚くべき成長を遂げた。2011年に福島原発を崩壊させた大震災直後にスタートしたLineは、現在世界で2.8億人の登録ユーザーを持つ。月間アクティブユーザー数を公表したことはない。

同アプリは日本で4900万人の登録ユーザーを獲得して完全な飽和状態にすると同時に、日本のモバイルゲーム市場を一気にひっくり返し、古参のゲーミングプラットフォームであるDeNAのモバゲーとGREEを脅かしている。この2社は多機能電話時代を支配してきたが、現在DeNAのシェアは32.5%、GREEは41.5%と昨年から減少している。Lineに加え、TencentのWeixin(月間アクティブ数2.36億人)等のアプリの躍進は、モバイルSNS分野がいかに気まぐれであるかを象徴している。

今やLineは、ゲーム分野でも勢いを得て、39タイトルを提供し、海外のサードパーティーゲームの日本への導入にも取組んでいる。最近では、元Angry Birds開発チーム率いる、フィンランドのBoomlagoonとの契約を締結した。

ゲームプラットフォームに転じる以前、Lineはスタンプおよびスポンサー・アカウントを積極的に推進して売上を伸ばした(特にスタンプは、Facebook、Pathを始めとする欧米の多くのライバルたちが模倣した)。

しかし、現在Lineの巨大な売上成長を支えているのはゲームだ。Lineのゲーム事業は全売上の60%を占め、スタンプの20%がこれに続いている。スポンサー付アカウントおよび商品販売の売上はごくわずかだ。このゲーム中心戦略は、隣国韓国のメッセージアプリ、KakaoがGoogle Playのランキングを支配したやり方に近い。KakaoはGoogle Playの国内ランキングトップ10中全10アプリを提供しているApp Annieは伝えている

次に彼らは、ある種のEコマースあるいはマーケットプレイスを構築し、消費者対消費者、企業対消費者、両方の取引を扱おうとしている。これによって、楽天等の巨人やその他日本の中小Eコマーススタートアップとの戦いが始まる可能性がある。

日本の飽和後、同社の大型成長市場は台湾やタイ等の国々だ。その後はメキシコ、スペイン、ブラジル等、スペイン語圏あるいは中南米の市場に成長を求めるだろう。

米国に関して、同社は現地経営陣を雇用し、Snoop Doggなどのアーティストと提携を結び、ユーザー数の成長をはかっているものの、未だにこの国は困難で驚くほど競争の激しい市場だ。

「アメリカに進出する戦略も考えてきたが、現時点では非常に難しい市場だ」と舛田氏は語り、米国でのユーザー数は公表しなかった。

同氏は、WeixinやWeChatなどの新興勢力もいるが、最大のライバルは古参のWhatsAppであり、インドのような成長市場においては特にそうだと語った。

「あのアプリは、ネット環境の貧弱な地域や、あまり機能の高くないスマートフォンでも利用できる」と彼は言った。

Lineは非常に早く成長したがすぐに落ち込むことはないと舛田氏は言う ― GREEとDeNAが昨年来急落したのは違って。

「われわれと、モバゲー(DeNA)、GREEとの間には根本的な違いがある」と彼は言う、「彼らのSNS(social networking services)はゲームを中心にしているので、ユーザーは容易にサービスを離れられる。しかしLineはコミュニケーションが中心だ。ユーザーは毎日無料通話やメッセージのためにこれを使っているので、ゲームSNSより寿命は長いと考えている」

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(翻訳:Nob Takahashi)


Gmailの受信トレイにGoogleドライブが統合―添付ファイルを直接ドライブに保存できるようになった

今日(米国時間11/12)、Gmailがさらにアップデートされ、メールとGoogleドライブの連携がまた一歩進められた。今後はいちいちメールの添付ファイルをダウンロードしてからドライブにアップロードするというステップを踏む必要がない。添付ファイルを表示すると同時に受信トレイの中から直接Googleドライブにファイルを保存することが可能になった。

Googleは昨日、受信トレイでメールを開かずに直接YouTubeを視聴したりできる“Quick Actionsボタンを追加したばかりだ。今日のドライブとの統合も狙いたはメール処理のスピードアップだろう。

この機能はユーザーに順次公開されている。機能が有効になると受信したメールに添付ファイルがある場合、メールの末尾に画像、動画、MS Office文書、PDF、表計算シートなど、そのサムネールが表示される。サムネールをクリックすると全画面モードで画像としてプレビューできる。

その後Googleドライブ・ボタンを押してGoogleドライブに保存すれば、いちいちローカルにダウンロードする必要なしに閲覧、編集などが自由にできる。保存の際にはフォルダも選択できる。ローカルに保存したい場合は、矢印ボタンをクリックすれば従来通りダウンロードができる。

今回のGmailとドライブの連携は、メール処理のスピードアップと同時にドライブの利用を促進しDropboxやBoxのようなライバルに対抗するのが当面の目的だろうが、同時にデスクトップのソフトウェアをウェブベースのOSであるChromeOSに一元化するというのがGoogleの長期的な目標に違いない。

またデスクトップ・ソフトウェアをモバイル体験に近づけることも目的の一つだ。現在、モバイル・アプリでメールの添付ファイルを表示、保存するためのステップはデスクトップ版より少ない。【中略】

Googleによれば、このアップデートは当初デスクトップ版のみサポートし、来週中に順次公開されるという。今回Googleは初めてGoogleドライブのアクティブ・ユーザー数を1億2000万人と明かした。Dropboxには1億7500万人の登録ユーザー(アクティブユーザーではない)がありAppleのiCloudは3億2500万SkyDriveには2億5000万、Boxには2000万以上のアカウントがあるという。これでみるとGoogleドライブはアクティブユーザー数としては世界最大か最大にごく近いものと思われる。

サードパーティーのデベロッパー

標準的な添付ファイルの処理に加えて、サードパーティーのデベロッパー向けのGoogle Drive SDKには、独自アプリとGoogleドライブを連携するためのさまざまなツールがサポートされており、Gmail添付ファイルをアプリと連携して利用するにようできる。

Gmailの新しいプレビュー機能を利用するとGmailのメッセージには添付ファイルの関連アプリの候補が表示され、開くアプリを選択できる。ユーザーが望むアプリが表示されない場合も、受信トレイ内から新たなアプリへの関連づけを行える。

詳細はGoogle Developersブログを参照のこと。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


口コミで急成長するFrontback。Twitterからのアプローチを退け、数百万ドルの資金調達を実施

Frontbackは、iPhoneの前面カメラと背面カメラの双方を使って撮影した写真を合成して、そしてシェアするためのアプリケーションだ。サービスの開始は8月だが、マーケティング費用を全くかけないまま、30万ダウンロードを達成してしまった。これはアシュトン・カッチャージャック・ドーシー、それに、ベルギーの首相らがFrontbacksを使った写真をTwitterなどに投稿して話題になったからだ。このFrontbackが、さらに次のステップに進んでいる。新たな調達ラウンドで300万ドルほどの資金を調達したのだ。また、このラウンドの前には、Twitterからの買収提案もあったのだとのこと。

Frontbackの共同ファウンダーであるFrederic della Failleは、調達額などを明らかにしていない(300万ドルほどというのは情報筋からの話だ)但し出資者はこれまでも出資してきたLerer Ventures、Index Ventures、そしてSV Angelで、ここに新たにCrunchFundのMichael Arrington(ファウンダー兼以前はTechCrunchの編集長も務めていた)、Fuel CapitalのChris Howard、Michael Birch、Charlie Cheever、そしてInitialized CapitalのHarj Tagger、Garry Tan、およびAlexis Ohanianなどのエンジェル投資家が加わっているそうだ。今回の資金調達は2012年6月に行われた91万ドルのシードラウンドに続くものだ。当時della Failleはソーシャルパブリッシングを提供するCheckthisを本業としていた。

Twitterでdella Failleにコメントを申し込んだが、断られてしまった。

「とくにお話することはありません」と、彼は言っている。「Aクラスの仲間たちと、素晴らしいプロダクトの開発に邁進しているところです」とのこと。

アプリケーションは、さらなる進化を遂げようと、数日前にアップデートされたところだ。アドレスブックを利用して友だちを探すことができるし、作成した写真はTwitterおよびFacebookに加えて、Tumblr、メール、およびSMSでも共有できるようになった。

友人からの最近のフィードのみ(スタッフのおすすめも下に表示される)を表示するパーソナライズド・フィードの機能も取り入れられている。フロントカメラと背面カメラのどちらが上にくるのかも設定でき、どちらのカメラで撮影するかの選択ができるようになった(すなわち両方共自分撮り写真にすることもできる)。また、未送信のデータを保存しておく機能も実装された。

機能追加により、利用者がより多くの時間をFrontbackとともに過ごし、そして投稿される写真の数が増えることを狙っているわけだ。

「無」からの急成長

Frontbackは、人気が急上昇するアプリケーションの特徴をすべて備えていたと言えそうだ。ファウンダーが従来の目的とは異なる道を選択して、そこでスタートアップの運命が大きく変わることの好例ともいえる。Frontbackのファウンダーは、もともとは写真とちょっとした投稿を簡単にシェアするためのCheckthisというサービスを運営していこうと考えていた。ベルギーで立ち上げられ、91万ドルのシード資金を手に、大きく成長するためにニューヨークに進出してきていた。

サービスがなかなか起動に乗らなかったからなのか(サービスはまだ提供されている)、それともdella Failleが勝負を賭けたいと願ったからなのか、della Faille自身による2013年3月のCheckthis投稿をきっかけに、Frontbackのサービスに注力していくこととなった。投稿された写真は、Williamsburgの住居兼共同作業スペースであったアパートで撮られたもので、ここからFrontbackが生まれることとなった。

#frontbackのアイデアはとてもシンプルなものです。それでいて、その瞬間をシェアするのにとても良いやり方だと思うのです。普通に撮った写真と、そしてそれを撮っている自分。今この瞬間に存在するすべてをみんなとシェアすることができるのです。何かしらの面白さが生まれるに違いありません。

この写真に説明などいらないとは思うけれど、敢えて書くならこんな感じ。「オレオレ。今はWilliamsburgのアパートにいるよ。ソファで寛いでいるところだ。オレの後ろにいるのは(よく探せば見つかるはず)PoutschのEtienne。何か仕事をしているらしい。

Frontbackを実現するためのアプリケーションを世に出すのに4ヵ月。資金も底を尽きかけていた。しかしアプリケーションは最初の一週間で20万ダウンロードを稼ぎ出し、拠点をサンフランシスコに移すこととなった。そしてFrontbackは次のInstagramなのかと言われるまでになった。

Frontbackを巡る状況は、サンフランシスコのDisruptでも大きく変わることとなった。ここでdella Failleは20万ダウンロード達成の事実と、瀕死の状況からの復活劇を報告した。そしてバックステージではどこかの部屋(きっとMike Arringtonの控室ではなかろうか)に閉じ込められ、そこでVCによる引っ切り無しの面会を受けることとなった。「誰もが何としてでも会おうとするという状況でしたよ」と言う人もいる。

こうした中でTwitterもFrontbackに興味を持ったというのも面白い話だ。IPOを成功させ、そしてエンゲージメントを高めたいと努力しているTwitterは、サービス開発や買収を矢継ぎ早に行うことで知られている。たとえばVineなども一例だ。またTwitterはメッセージング関連にも力を入れたがっているというもあり、Frontbackはこの面でもTwitterに寄与するものと考えられたのだろう。SMS経由ないし将来的に機能を拡張するDMにて、Frontbackの持つ仕組みを活用できると考えたに違いない。

またdella Failleと他のメンバーたちが、母国であるベルギーからわざわざ外国に出てきているというのも興味深い点だ。テック産業の隆盛はシリコンバレーに限るものではなくなりつつあるが(TechCrunchがベルリンでDisruptイベントを開催した理由もそこにある)、della Failleは「旧世界でチャンスをつかむのは、相変わらずとても難しいことなのですよ」と述べている。

「ヨーロッパでは、大きな夢は大言壮語として忌避されるような傾向もあります」とのこと。「誰もまじめに受け取ってくれないのです」。また、ヨーロッパでは細かい機能の開発が軽視されるようなところがあると思うとも話している。「Frontbackの機能を実現するのにいろいろと検討を行っていました。ヨーロッパにいれば、投資家からは写真が撮れれば良いのだから、さっさとリリースしろなどと言われたに違いないと思います」と話していた。

今後の成長を見据えて、iPad用およびAndroid用のアプリケーションも出てくるだろうと思われる。ただ、すぐにというわけではないようだ。今後もますますカメラ関連アプリケーションが登場してくる中で、Frontbackはベストでありたいと願っている。そして多くのユーザーを掴みたいと考えているのだ。「プロダクトのデザインが非常に重要になってくると思います。現在、デザイン面の検討に懸命に取り組んでいるところなのです」とのことだった。

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(翻訳:Maeda, H


Instagramの広告投入は成功か?! 閲覧数中5%以上が「いいね」と評価

取り扱いを開始したInstagramの広告は、まずまず順調なスタートを切ったようだ。CEOのKevin Systromは「広告が表示された際、5%以上の割合で『いいね』がクリックされる傾向が見られる。インターネット上の広告はほとんどが無視される中、これは驚くべき成果だと言える」と述べていた。

舞台は先週行われたGigaOm Roadmapカンファレンスで、どこでマイケル・コース(Michael Kors)の腕時計を買うことができるのかというコメントが多く寄せられたとも述べていた。

Instagram上のデータ分析を行っているNitrogramも、11月1日のデータを分析して、615万人が目にして、21万8000件の「いいね」を受け取ったとしている。ちなみに同様の分析はSocialFreshでも行われている。このデータを見ると、閲覧数の3.57%の「いいね」数となっており、集計のタイミングなどにより、確かにSystromの言う5%以上という数値が出ていたのだろう。

さらにSystromはOm Malikとのセッションの中でInstagramが世界に大きな影響を与え得る企業になっていく第一歩だと述べていた。「現在のところは1億5000万のアクティブユーザーを抱えています。シリコンバレーの中でのみ有名な『クール』なスタートアップという立場から、メインストリームユーザーに対して影響力をもつ組織へと変わりつつあるのです」とのこと。また、今や1日に5500万枚以上が投稿されるのだそうだ。

広告投入の開始を先月にアナウンスして、そして最初の広告投入と推移してきた。セッションの中でOmは、すべてがうまくいっていると見て良いのかと問うていた。Systromは応えて曰く「1日に何億ドルも稼いでいるのかといえば、そのようなことはありません。しかしそういうことを目指しているのではないのです。じっくりと着実な成長をしていくための第一歩といったところです。広告の露出回数などのデータを見ながら、今後の方針などを考えています」とのことだった。

たくさんの「いいね」を得ている理由としては、物珍しさもあるのだろう。最初の広告が、なかなか美しい腕時計のものであったことも「いいね」獲得に利することとなったと思われる。利用者が「フィードが汚された」などと考えることのないように、今後も質の面では充分に考慮していく必要があるだろう。一般利用者が投稿している写真などよりも「良い」ものであることが望ましい。

Instagramの今後についてもSystromは言及していた。ライバルや、あるいは自身の親会社についても触れている。「FacebookやTwitterなどは、利用者の間にしっかりと根づいたサービスになっているように思います。その点はInstagramも同様であると感じています。これらのサービスが全く使われなくなったり、あるいは利用者が激減するということがすぐに起こるようなことはないと考えています。但し、利用者のモバイルデバイス利用時間の奪い合いはますます激化していくことになります」とのこと。

Instagramの今後は「イベント関連」および「検索の強化」か

現在のInstagramに足りない点についてもSystromは率直に言及していた。その点にこそ、今後の成長可能性があるとも考えているのだろう。

「注目される海外のライブイベントを利用者に知ってもらうにはどうすれば良いでしょうか。あるいはロンドンで暴動が起こっているといったことを、画面上でどのように提示すれば良いでしょうか。ワールドシリーズで盛り上がっている人たちに、交流を楽しんでもらうのに良い方法があるでしょうか。興味を持つできごとが、たった今、世界のどこかで起こっている最中なのだということをうまく伝えられれば、Instagramは一層魅力的なものとなるでしょう」。疑問文の形で述べていたが、すなわち、Instagramとして、イベント関連の機能を追加していきたいという意味だ。

「ハッシュタグを使ったり、ハッシュタグを検索することができます。あるいは興味のある人をフォローしておいたり、ユーザーを検索することもできます。しかし検索ノウハウがないと、面白そうなコンテンツも見つけられずに通りすぎてしまうことも多いはずです」とSystromは言う。そもそもハッシュタグが何なのかを知らない人も多く、ましてやハッシュタグを検索して面白いものを見つけることなど、想像もしない人も多いのだそうだ。

成長には、そうした人たちを巻き込んでいく必要がある。キーワードを入力して検索結果を表示するような、従来型、あるいはFacebookのグラフ検索のようなものを超える検索機能の必要性を意識しているものと思われる。

ひとつの方向として考えられるのは、メタデータを積極的活用だ。写真を撮った場所や時間帯の近接性に基いて、利用者同士の関係性を構築する方法もあるだろう。Systromもこうした可能性に言及している。但し、まだサービスではすべての写真をジオタグを使って分類・提示するというようなことは行なっていない。

昨年の記事にも書いたように、位置情報を積極的に活用できれば、利用者に身の回りの世界と「繋がっている」感覚を提供することができる。現在のところは、自分の撮った写真をフォトマップで表示するような機能しかない。将来的に、この部分を強化していく考えなのだろう。

ところでSystromの考えでは、スタートアップを運営するには何かしら特徴のあるサービスを提供すべきであるとのこと。成り行き任せでいろいろなものを取り込んでいくというようなやり方はよくないと考えているのだそうだ。どのようなものを提供するのかをじっくりと考え、自信を持って自らのサービス価値を提供していくべきだとする。見方によれば、FacebookはTwitterのようにソーシャルな関係性の拡大を意図していて、そしてTwitterはFacebookのようにビジュアルコンテンツを重視し始めているとも言える。そのような中、Instagramは自らの提供するサービスに集中し、そしてますます深化させていこうとしていると見ることもできる。

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(翻訳:Maeda, H


Windows版Chrome、1月よりWeb Store外サイトからの拡張機能インストールを禁止

GoogleのChromeブラウザは、1月よりChrome Web Storeで扱っていない拡張機能のインストールをできなくするのだそうだ。

Googleは最近、ブラウザからの警告を増やしたり通知なしのインストールを不能にするなどの手段で、悪意のある拡張機能を排除しようと努力中ではあるが、徹底的な排除のためには、さらなる規制強化が必要であると判断したようだ。また、Googleによれば、Windows利用者からの不満の第一は、あやしい拡張機能がインストールされてしまって、ブラウザの設定が上書きされてしまったり、思った通りの動作をしなくなってしまうということであるとのこと。そうした声にも対応しようとしているわけだ。悪意ある拡張機能はChrome Web Storeを経由せずにインストールされるのがほとんどであるとして、外部サイトからの拡張機能インストールを禁止してしまうのが早道であると判断したのだ。

開発中の拡張機能をローカルからインストールすることは、これからも行える。またグループポリシーを活用して、社内利用者のブラウザに拡張機能をインストールするようなことも行える。また、今回の変更はChrome Appsには影響しない。

開発者の方には何か問題があるだろうか。今回の方針変更でWeb Storeへの登録が必要となってしまった人もいるだろう。しかしこれはGoogleのそもそもの方針でもあったことだ。それに、拡張機能開発者のほとんどは、既にWeb Storeを利用していることだろう。開発者のほとんどには、さほど深刻な影響はないものと思われる。面倒があるとすれば、サインアップ時に5ドルの費用がかかる程度のことだ。

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(翻訳:Maeda, H


Googleマップがアップデート―デスクトップ版にストリートビュー表示のペグマンが復帰、Wazeの道路情報も

今日(米国時間11/6)、GoogleはGoogleマップのアップデートをリリースした。今回、デスクトップ版に初めてソーシャルマップのWazeの交通情報が追加された(モバイル・アプリには追加ずみ)。今年に入って買収したソーシャル・マップのWazeとの統合により、Googleマップに交通事故、工事、一時閉鎖などの道路情報が表示されるようになった。

このアップデートではストリートビューの画像を表示させるのが簡単になった。最近のGoogleマップではストリートビュー機能はデフォールトでは隠されており、ユーザーはストリートビューを見るためには地図上の道路をクリックする必要があった。新バージョンではペグマンが復活した。以前のGoogleマップと同様、ユーザーはペグマンを地図にドラグ&ドロップしてストリートビューを表示させることができる。以前のペグマンは画面左上隅にあったが、新バージョンでは左下隅に表示される。

Googleマップでズームインすると、店舗や施設の屋内写真やユーザーがアップロードした写真を見ることができる。

ストリートビューにも改良があった。経路案内では曲がり角ごとにストリートビュー写真を添付し、あらかじめ参考にすることができる。

またモバイル版のツアーガイド機能”がEarth Toursと改名された。自動生成される3D画像によるバーチャル・ツアーを体験することができる。従来Tour Guideという名称をEarth Toursに変更した理由はよくわからない。デスクトップ版にもこの機能はあるが、WebGLをサポートしているブラウザでのみ作動する。

〔日本版〕11/7朝の時点では訳者の日本版Googleマップはアップデートされていない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


強制的にメディアプレビューを表示するTwitterのやり方には大反対(但し理屈にはあっている)

いよいよ時が近づきつつある。Twitterは上場に焦点をあてて活動を行っている。そしてもちろんマネタイズについても真剣に取り組んでいる。たとえば、最近投入された新機能も、まず広告主のことを念頭において実現されたものだ。それに加えて、いわゆるメインストリームユーザー(さほどテック系に詳しくない一般の人)の気持も掴みたいと考えている様子。

今回の記事でまず注目しておきたいのは、ビジュアルコンテンツをタイムラインに表示するようになったことだ。ウェブ版、Android版、そしてiOS版のいずれにおいても、ストリーム内で写真および動画プレビューが見られるようになった。

(ハロウィーンの時期と重なったことは、全くの偶然というわけでもなかろう。新機能を強くアピールするのに、ハロウィーンコスチュームの投稿による盛り上がりはうってつけの機会だ。またフロントカメラとリアカメラの写真を合成して投稿できるFrontbackなどでも、ハロウィーン関連投稿は多く見られた)

そもそもTwitterとは、140文字の中につめ込まれた、密度の濃い情報伝達行うというところにオリジナリティを持つものであった。しかしビジュアルメディアとの連携を深めるに連れて、そのオリジナリティも変容しつつもあるようだ。

非常に多くの写真共有アプリケーションが世に登場していることからもわかるように、写真というのは非常に魅力的な素材で、利用者の目をひくものだ。別の言葉で言えば、文字コンテンツを押しのけて自己主張をする面もある。こうした素材をタイムラインに投入することで、情報消費のやり方は大きく変わっていくことになる。

写真があると、どうしても視線はそちらに引かれる。広告主はとしては、ぜひとも使いたいコンテンツだろう。興味のないプロダクトであっても、派手な写真にはどうしても目がいってしまう。写真素材にはそういう性質があるのだ。

しかし文字情報のやり取りを主とするところにビジュアル要素を持ち込むと、どうしても文字情報の伝達能力を落ちてしまうこととなる。

単純に物理的な要素もある。ビジュアルメディアを埋め込んだツイートは、文字だけのツイートよりも大きな場所を占めることになる(もちろん改行があれば話は別だが)。よってタイムラインの見た目は投稿された写真やVineのビデオが大きな面積を占めることとなっていく。

さらに、ビジュアルを多用した広告投稿が数多く見られるようになるのだろう。ビジュアルを活用することで、文字情報中心のやり取りの中で「目立つ」広告を配信することができるわけだ。

こうした流れはつまり、コミュニケーションの密度を希釈化してしまうということもできるだろう。タイムライン上でビジュアルコンテンツが広いエリアを消費することで、情報量が減じてしまうことになるのだ(今でもノイズだらけになってしまうと感じる人もいるかもしれないが、人気のテレビ番組やスポーツなどのリアルタイムイベントが、ますますTwitterを耐え難いものとしてしまう危険性もあると思う)。

もちろん、流される写真やビデオは邪魔にしかならないと言っているわけではない。しかし見るか見ないかの判断が利用者の手から奪われることにはなってしまったわけだ(これまではテキストを読んで、面白そうだと思ったらリンクをクリックしてメディアファイルを表示するという流れだった)。

たとえばTwitterのウェブにも、ビジュアル情報が流れてくるのを止める方法はない。強制的に視線を持っていかれるという意味で、Google+やFacebookでのコンテンツ消費スタイルに近づいたということが言えるかもしれない。

Twitterによるモバイルアプリケーションではビジュアルメディアの表示をオフにすることもできる(おそらく速度とデータ量を気にする人が多いからだろう)。しかしウェブ版には、これをオフにする機能はつけていないとTwitterが言っている。

オプトアウト機能を実装しない理由があるのかという質問に対しては、今のところまだ返信はない。

すなわち、もしTwitterの魅力が迅速な情報伝達にあると考えている(ビジュアル情報などは余計なものだと考えている)場合、たとえばTweetbot(Mac App Storeにて2000円で販売されている)などのサードパーティー製クライアントを使う必要があるわけだ。

(Twitterは提供APIの機能を制限することにより、サードパーティーの動きをコントロールしてきた実績がある。ビジュアル系をオプトアウトする仕組みも、そのうちに制限されてしまう可能性はあるだろう)

個人的には、強制的にメディアプレビューを表示する今のやり方は、とても「クール」とは言えないものだと思う。サービスのクオリティが下がったようにも感じてしまう。但し、もちろん逆の見方もあるのだろう。ビジュアル情報というのは、情報をわかりやすく伝えることもできる。また、メインストリームユーザーを取り込むのにも役立つだろう。全ての情報がテキストの中に埋め込まれている状態が、誰にでもわかりやすいものだとは言えないのだ。つまり、今回のTwitterの判断にも合理的意味があるわけだ。

文字情報のみで構成されるタイムラインは、使い慣れた人にとっては便利なものだろう。しかし、いったいどういうものなのかとTwitterを使いはじめる人にとっては、とっつきにくい面があったことも事実だ。Twitterの狙いとしては、より広いそうにアピールして、そしてメインストリームユーザーを獲得していくことが大事なのだ。巷間言われる成長の課題に対応しようとしているとも言える。

つまりTwitterはテック系以外の人にも、より多く使ってもらうようにしていきたいと考えているわけだ。そうした方向性を示すのは、ビジュアルコンテンツのプレビューを行うようになったことのみに現れているわけではない。

たとえば8月には、@リプライによる会話の流れを示す会話ビューにおける表示順の変更を行っている。但し、物理的な表示幅が広がってしまったことと、通常のタイムラインと別の考え方で接する必要が出てしまったことで、既存の形式に馴れた利用者からは、むしろ改悪であるとの声も聞かれた。

しかし新しくTwitterの世界に入ってきた人にとっては、会話の流れがわかりやすくなり、どういうサービスなのかを理解する助けになったのではないかと思われる。

Twitterがこうした「一般化」の方向性を目指す中、ちょうど母親のTwitterアカウント開設を手伝う機会があった。設定するうちに、誰もフォローしていない状態からTwitterを役立つものにしていくのは、なかなか大変であることを思い知らされた。

自分のタイムラインに表示する人を探すのもなかなか苦労する。自分が興味を持っていることを呟いている人を探すのも簡単なことではないのだ。Facebookは知り合いとのネットワークを構築するというのが第一の目的だ。しかしTwitterについては、母の周辺では使っている人もほとんどいないという状況なのだ。こうした状況もあって、Twitterは新加入者に対して有名アカウントのフォローを推奨しているのだ。多くをフォローする中で、Twitterの愉しみを理解して欲しいと考えているわけだ。

TwitterのIPOが間近に迫り、投資家たちの注目も改めて集まることとなっている。そうした中でTwitterは、サービスを一般の人の中で広げていく方法を多く提示していく必要があるのだ。そうした中で本質部分にもいろいろと手を加える必要があり、それは時にベテラン利用者の気持ちを逆撫ですることになったりもしている。

また、多くのサービスが写真共有や、Instagramなどのようなビジュアル要素を活かしたソーシャルネットワークの開発に注力していて、また注目も集めている。Twitterとしてもそうした流れにのるために、テキストだけの世界から抜け出す必要性を感じていたりもするのだろう。

タイムラインに写真などを表示して見栄えをよくしてみるというのは、Twitterの今後の方向性の沿った改良だということだ。ただ、ずっとTwitterを使っていて、文字情報による伝達密度の高さを気に入っていた人たちに対し、オプトアウトの手段を与えていないことには不満を感じる。

対象とするメインストリームユーザーがオプトアウトしてしまうような間違いを防ぎたいという気持ちもあるのだろう。ならば設定画面を非常に深いところに置いてもらっても結構だ。これまで使い慣れていて、そして気に入っているTwitterを奪い取らないで欲しいと思うのだ。

視線をあちこちに彷徨わせて、面白そうなものをうろうろと眺めていたいということなら、もうとっくにGoogle+などのサービスに移っていたと思うのだが…。

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(翻訳:Maeda, H


ブラで悩む女性のためにSizemは独自のアルゴリズムで正しいサイズを教えてくれる

すべての女性読者よ、今あなたが着けているブラのサイズは(たぶん)正しくない。とっても残念ね。女性誌やランジェリーメーカーはいつも言う: 正しいブラはあなたのおっぱいにとって、毎日欠かさずピラティスのクラスに通(かよ)ってるのと同じ効果をもたらす、と。

クロアチアのSizemは、この問題を解決するためにサイズ計算システムを作った。それは、ユーザがメジャー(巻尺)を使って、自分について計測したいくつかの測定値を使用する。たとえば、息をいっぱい吸った状態と、吐いた状態で胸囲を測る。Sizemのアルゴリズムは、それらの値から、あなたのブラの正しいサイズを求める。

Sizemは、消費者サービスであると同時に、B2Bのプロダクトでもある。消費者は自分のサイズを知るために使うが、メーカー企業はこれを製造工程を助けるSaaSとして利用できる。

それに、Sizemのサイトには、ほとんどの女性がブラの正しい着け方を知らない、と主張するガイドブックがある。その正しい方法のことを同社は、”Scoop and Swoop”(すくい上げて急降下)と呼んでいる。そのお話は、また別の機会に。

実は、ブラ関連のオンラインサービスがこのところ増えている。みんな、わずか26ドルの下着のために知らない人(店員)に触られるのは、いやなのよ。たとえばThirdLoveというサービスは、正面と横からの写真から胸を3Dでとらえ、表示する。人気のTrue & Coは、いくつかの質問に答えると試着用のブラを送ってくる。

Sizemのやり方は、これらに比べるとちょっと面倒だが、日常の体の動きを定量化する点が新しい。もちろん、ユーザの計測の仕方が正しいことと、アルゴリズムが良質であることが前提だけど。でも、正しくないブラと永遠におさらばするためには、誰もいないところで自分一人でできる測定をベースとする、このような計算アルゴリズムが、正しい道への第一歩かもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Twitter、エクスペリエンス充実のために各種実験を継続中(MagicRecsにDMメニューを導入)

Twitterが自ら運営するレコメンドサービスの@magicrecsで、ちょっと面白い試みを実施中だ。レコメンド機能の設定のために、テキストベースのメニューシステムを導入しているのだ。メニューへのアクセスにはDMを使う。これによりプッシュ通知ないしDM経由で受け取るレコメンデーションについての調整を行う。

たとえば、@magicrecsアカウントに「hi」ないし「hello」とメッセージを送って、システムの内容を説明するDMを受け取ることができる。主な機能として用意されているコマンドは以下の通りだ。

  • tweets on/off
  • users on/off
  • help

コマンドをDM経由で送信することにより、MagicRecsからのツイートレコメンドを受け取るか受け取らないかを設定することができる。ちなみにツイートのレコメンド基準は、リツイート発生の頻度や、リツイートした人との関連性の強さなどにある。また、アカウントのレコメンドもオン/オフの設定をすることができる。こちらの方は、自分と既に繋がっている人たちがフォローするようになった利用者などをレコメンドしてくるものだ。

レコメンドについてのフィードバックも送信できる。

  • Provide feedback:
  • good
  • bad

Twitterのbotによると、フィードバックはMagicRecsの進化に役立つものであるそうだ。ちなみにMagicRecsの稼働が開始したのは今年の初めだ。個々の利用者が興味を持ちそうなアカウントやツイートのレコメンドをするためのサービスだ。MagicRecsの機能は現在クライアントプロダクトに組み込まれ(訳注:但し、少なくとも日本語のAndroid版には、まだ導入されていないようです)、オンオフ可能のプッシュ通知でレコメンドが送られるようになっている。

今回新たに導入されたDMメニューにより、レコメンド機能をある程度まで調整できるようになったわけだ。DMメニューが多く使われるようになれば、そのうちにDM経由で提供されているメニューがアプリケーションに導入されることになるかもしれない。

Twitterは、この@magicrecs系以外にも、パーソナライズしたニュース速報を通知するための@eventparrotの運用も行っている。MagicRecsは、アプリケーションに組み込まれたにも関わらず、さらに調整の方法を模索しているわけだ。これはすなわち、レコメンデーションなどを通じて、新たなバリューを提供していこうとするTwitterの試みが継続中であることを意味するわけだ。

Image Credit: John Greenaway/Flickr CC

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(翻訳:Maeda, H


SalesforceがAppExchangeのプライベートバージョンをローンチ, 企業が自分のアプリストアを持てるようになった

Salesforce.comが、同社のアプリマーケットプレースAppExchangeのプライベートバージョンを顧客のためにインストールできることになった。その”Private AppExchange”は金曜日(米国時間11/1)に可利用になり、顧客企業のSalesforce SaaS環境上のインスタンスとして実装され、今では一般公開されているSalesforce Identityプラットホームと組み合わさる設計になっている。

顧客は自分のアプリやサードパーティのアプリをPrivate AppExchangeにインストールできる。そしてその際、ブランドを独自化できる。AppExchangeはモバイルアプリ、Webアプリケーション、デスクトップアプリケーションをサポートし、ユーザはSalesforce Chatterを利用できる。

Private AppExchangeにはさらに、ページビューなど各種のデータソースを見るためのダッシュボードが提供される。

Salesforceの役員たちによると、このサービスの立ち上げはSalesforce Identityのそれとタイミングを合わせるよう努めた。Identityは、複数のアプリケーションを単一の(一回だけの)認証の下(もと)に統合するサービスだ。

Salesforce Identityにより、クラウドからオンプレミスのアプリケーションやクラウドベースのアプリケーションを連携できるようになる。顧客は既存のシステムから持ってきた自分のアイデンティティをSalesforce IdentityとPrivate AppExchangeで使えるようになるが、そのために何らかのソフトウェアをインストールする必要はまったくない。SaaSアイデンティティプラットホームOktaなどのサービスを利用すれば、顧客のエンタプライズアイデンティティ環境をプライベートなアプリマーケットプレースに完全に統合できる。ただし現時点でOktaそのものは、SalesforceのPrivate AppExchangeと統合していない。

AppExchange、Bitnami、それにSnapLogicなどのサービスは、それぞれ独自のやり方でプライベートなアプリストアを提供する*。SalesforceにはパブリックなAppExchangeの統合でアドバンテージがあるが、プライベートはまだ生まれたばかりのサービスだ。Private AppExchangeはアイデンティティ機能があるので有利かもしれないが、しかしそれでもなお、ユーザ企業は、クラウドサービスのアドバンテージを得るためにソフトウェアを自分のサーバにインストールする必要がある。

〔*: これなども。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


本日公開のndroid 4.4 KitKat詳細レビュー―すべてのデバイスで動作可能、Googleの野心はフラグメンテーションの抜本的解消

今日(米国時間10/31)、Googleは長らく待たれていたAndroid 4.4 KitKatをリリースし、詳細を発表した。これまでKitKatについてはネスレと提携し、有名なチョコレート菓子をOS名に採用したということしか分かっていなかった。TechCrunchの取材に対し、Googleは「これは次の10億人のユーザーを目指す(Androidユーザーが10億人に達したと以前に発表している)OSだ。Googleの先進的機能をモバイル体験全体に行き渡らせつつ、次世代デバイスのプラットフォームを築くベースとなる」と述べた。

GoogleによればAndroidの成長は途上国で著しく、先進国の3倍のスピードにもなっているという。しかし途上国市場で主に利用されているAndroidOSはGingerbreadで、これは何世代も前のバージョンだが、途上国で一般的なメモリー512MBデバイスでも動くからだ。

Googleはこうした低スペックの古いデバイスでもKitKatを作動させようと決意したが、これは困難な挑戦だった。そのためにはOSが必要とする資源を大幅に減らすと同時に、各種のアプリもを新たな制限内で作動するようにアップデートさせる必要がある。

GoogleはトップデベロッパーだけでなくAndroidにアプリを提供しているすべてのデベロッパーを助けるために、KitKatに新しいAPIを導入した。これは対象デバイスでどれほどのメモリーが利用できるかをデベロッパーに知らせ、それに応じて適切なバージョンを選択してインストールできるようにするものだ。最初期の低スペックのAndroidデバイスでも最新のアプリケーションを動作させることができるようにすることが狙いだ。

Androidのボス、Sundar Pichaiは今日のプレスイベントで「通常OSの新バージョンは以前より多くのメモリーを必要とする。しかしKitKatはそうではない。われわれはエントリーレベルの古い製品を含めてすべてのAndroidデバイスでKitKatが作動するようにした。2014年にはたったひとつのAndroidOSがすべてのAndroidスマートフォンで作動するようになる」と述べた。”

KitKatの最大のセールスポイントがすべてのAndroidで動作可能という点にあることが明らかになった。KitKatはフラグメンテーションの抜本的な解消を目指すOSであるようだ。1年でOSのバージョンを一本化するというのはおそろしく野心的なプログラムだが、Googleが主張するとおりになるなら、その影響するところは甚大だろう。ただしKitKatを導入するかどうかはあくまでデバイスのメーカーの判断によるということなので、古いデバイスの相当の部分はKitKatにバージョンアップされずに取り残されるだろう。

以下にNexus 5向けに本日リリースされたバージョンのKitKatを詳しく紹介する。

ロック、ホーム画面

指輪物語ではないが、KitKatは「一つのOSが全てを統べる」ことを最大の目的として開発され。しかしGoogleはそれ以外にいくつもの新機能をもりこんでいる。たとえば、音楽を演奏しているときにはアルバムのジャケットがロック画面にフルスクリーンで表示され、いちいちアンロックしなくても曲を選択できる。アプリ・ランチャーも新しいデザインになり、ナビゲーション・バーとトップの通知バーが透明になった。

ホーム画面の空白部分を長押しするとランチャー画面が縮小表示され自由に順番を入れ替えることができる。フルスクリーン・モードをサポートしているアプリの場合、ナビゲーションと通知は隠され、完全なフルスクリーン表示状態になる。

新ランチャーは当面Nexus専用だが、今後各メーカーのOEM版にも採用されていくだろう。

ダイヤラー

KitKatの新ダイヤラーは検索機能を内蔵している。つまりユーザーが店舗や施設の電話番号を知らない場合でも、名称を入力するとダイヤラーがGoogleマップのデータベスを検索して電話番号の候補を表示してくれる。また受信の場合には、電話番号から発信者情報を検索する。また通信履歴から自動的に「お気入り」リストを作る機能も追加された。

ハングアウト

Googleはテキスト、音声、ビデオすべてのメッセージ・サービスをハングアウトに統合した。ハングアウトが今後はデフォールトのメッセージ・アプリとなる。ユーザーは特定の番号や相手先リストに今まで同様にSMSを発信できる。またワンタッチで自分の位置をマップ上に表示して送信できるPlacesボタンの追加、キーボードへの絵文字の採用なども行われた。

これらはiMessageに相当する機能で、Googleが熱い視線を送っているBlackBerryユーザーのAndroidへの取り込みにはことに有効だろう。

また写真の添付もデバイス内やGoogleドライブの写真だけでなく、Boxもサポートされる。さらにGoogleによればサードパーティーのストレージ・プロバイダーは誰でも写真添付用のフックを提供できる仕組みだという。

カメラ

KitKatの新しいHDR+アプリは、ユーザー体験として従来と変わりない。ただシャッターボタンを押せばよいだけだ。しかしその背後でKitKatは設定を変えながら何枚も写真を撮り、それぞれのもっともよく写った部分をシームレスに統合する。逆光で撮影しても人物の表情がはっきりと写るし、動いている物体さえ、より鮮明になる。

HDR+も当面Nexus 5専用だが、これも将来は他のデバイスに拡張される。

ワイヤレス印刷

デベロッパーは、アプリに印刷機能を(Googleによれば、簡単に)追加できるようになった。HPのワイヤレス・プリンター全機種とGoogle CloudPrintをサポートするプリンターからワイヤレス出力できる。

Google検索

言うまでもなく検索はGoogleのすべてのプロダクトの核心だ。KitKatでは検索がさらに全面に押し出されている。すべてのホーム画面でデフォールトで検索窓が用意され、同時にGoogle Glassと同様の「ホット起動」もサポートされた。ユーザーがOkay, Googleと呼びかけると即座に音声検索が起動する。

Google Now

Google Nowは従来下から上への画面スワイプでアクセスできたが、今回は左から右へのスワイプに変更された。また新しいタイプのカードも追加されている。

新しいNowは知識ベースが大きく拡充され、たとえばユーザーのお気に入りのテレビ番組が「ウォーキング・デッド」だなどということを認識できるようになった。この場合、この番組の関連情報が表示されるカードが用意される。GoogleNowは位置情報、カレンダー情報だけでなく、ユーザーが関心を持ちそうなコンテンツも認識して有益な情報を提供する。たとえばユーザーがどのブログを頻繁に読んでいるかを記憶し、新しい記事が投稿されると通知する。ある意味でGoogleはしばらく前に終了させたGoogle ReaderをもっとスマートなかたちでNowに移植しつつあるいえるかもしれない。

またNowはクラウド・ソースによって関連ある情報を選び出す。たとえばイエローストーン国立公園について検索するユーザーの多くが間欠泉の噴出時刻を検索していると知ると、デバイスの持ち主がイエローストーン国立公園にいる場合、噴出時刻のカードを表示するといったぐあいだ。また映画館の近くにいる場合は上映時刻とチケット購入サイトへのリンクが表示される。

Google検索とアプリの連携強化

ユーザーがGoogle検索を実行した場合、結果がアプリへのリンクが含まれる。それもアプリのトップページではなく、アプリ中の特定のコンテンツに直接リンクされるようになった。検索結果にOpen in App Xと表示された場合、リンクをたどるとXというアプリの特定のセクションが表示される。 たとえば料理アプリなら検索した料理のレシピのページが開くわけだ。現在のパートナーはExpedia、Moviefone、 OpenTableなどだ。これも現在はNexusのみの機能だがやがて拡張されるはずだ。

入手可能時期

Android 4.4 KitKatは今日、Android Open Source Projectを通じて公開された。同時に世界10カ国で発売されたNexus 5ではただちに利用可能だ。数週間のうちにNexus 4、Nexus 7、Nexus 10向け及びGoogle Play上でSamsung Galaxy S4とHTC One向けのバージョンが公開されるという。

Googleによれば、「このアップデートはスマートフォンだけでなく、すべてのレベルと種類のデバイスで利用可能になる」と強調している。果たして最近話題のGoogleの各種ウェアラブルデバイスにも搭載されることになるか注目だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


他利用者の写真とランダムに組み合わせた「二重露出」写真を共有するDubble

写真共有サービス界に、さらに新しいプレイヤーが登場してきた。今回登場してきたサービスは、名前をDubbleという。iOS 7用のアプリケーションでイギリスのスタートアップが提供しているものだ。

撮った写真をランダムに別の人が撮ったものと組み合わせるという仕組みになっている。すなわち、異なる写真をオーバーレイ処理して1枚の写真にしてしまうのだ。仕上がりはフィルム写真で二重露光処理したような感じになる(一度撮影して、フィルムを撮影済みの場所に巻き戻し、そして再度撮影を行うような感じだ。二度目に撮影したシーンは、一度目に撮影したものの上に投影される)。

Dubbleの共同ファウンダー兼CEOであるAdam Scott(元Lomography UKのMDでもある)は、無料公開中のDubble(iOS版)を思いついた理由につき、以下のように述べている。

「これまでも、深く写真に関係する仕事をしてきました。個人的にはフィルム写真を扱うのが大好きです。まだまだデジタルにはないアナログの魅力というのがあると思うのです。たとえばフィルムが現像されるときのわくわく感というのは何物にも代えがたいものだと思います。あるいは時間的にはごくわずかながら、ポラロイドの画像が浮かび上がってくるのを待つのもどきどきして楽しいものです」。話はこんな具合に続いた。

「二重露出にも、そういった類のワクワク感があります。どのようなものが仕上がってくるのかはまるで予想もつかないのです。仕上がりはいつも驚きの対象となります。そういう楽しみがあるので、フィルムカメラに夢中な人は二重露出を試してみたくなるのです。たとえば35mmフィルムを全部撮影して、そして巻き戻します。それを誰か他の人に渡して、上から(二重露出で)撮影してもらうというやり方もあります。写真自体も楽しみですが、ペアを組む人ととのある種の「共同作業」も大いに楽しめます。写真を通じて生まれる、そうした「関係性」がとても好きなのです。Dubbleで目指したのも、そういう「関係性」をデジタルで再現しようということなのです」。

Dubbleを試してみたので、写真を載せておこう。

 

写真を登録して数秒経つと、他の写真とリミックスされて(Dubbleされて)表示された。

複数の写真を合成して提示するというのは、最近の新しい動向であると言えるかもしれない。Frontbackもフロントカメラに写る画像と、リアカメラに写る画像を合成して保存するものだ。「写真」のみを保存するのではなく、「コンテクスト」を保存しようとするものだと言っても良いかもしれない。

こうした「新しい写真共有」(photo-sharing+)の動きはRandoにも見られる。こちらはDubbleにも似て、共有の際に「ランダム」な要素を盛り込むものだ。撮影した写真を、ランダムに選ばれた相手と共有し、そしてまたランダムな相手から写真が送られてくるという仕組みになっている。

また、Seeneというものもある。今月初めにリリースされたもので2次元写真をコンピュータ処理によって3D化して表示するというものだ。

このように写真共有の世界では、他の写真と組み合わせてみせたり、あるいはこれまでにない加工処理を行って興味をひこうとするアプリケーションが登場してきている。Instagram風のフィルター処理から進化した「何か」を提供するのが、最近のアプリケーションの流行であるとも言えそうだ。

Dubbleは、あまりにも巨大な写真共有サービスであるInstagramと直接に競合するものではない。Scott曰く、DubbleはInstagram風の正当路線とは少々違う利用者層を狙っているものなのだ。2つの写真をランダムに組み合わせるというところからも、狙う利用者層や想定される利用シーンが異なることは明らかだろう。

双方のアプリケーションが提供するサービスは、確かに「写真共有」という一語に集約するものではある。しかしScott曰くInstagramはDubbleよりも「セルフィッシュ」なサービスであると述べている。すなわちInstagramは自らの写真に「いいね」してもらったり、コメントを投稿してもらうことが目的のものだ。一方でDubbleの方は自らの写真を完全に他者に提供して、他の人との共同作業で全く新しいものを生み出そうという試みを提供しているものなのだとのこと。

Dubbleの画面には、自分で撮ったオリジナルの写真と、リミックスされた写真の双方が表示される。すなわち、オリジナルの写真が失われてしまうわけではないのだ。また、自分の写真とリミックスされた写真のオーナーに関する情報も表示されるようになっている。

さらに生成されたDubble写真には、合成された2枚の写真双方の説明文が表示される。「写真をクリックすると、説明文についてもj『多重露出』されることになるわけです」とScottは説明している。「これもまた偶然の、ランダムな体験というわけです」。

Dubbleで合成された写真の数々については履歴も残るようになっている。すなわち過去において、いったい誰と合成されたのかという記録が残るわけだ。こうした履歴に基いて、将来的にはメッセージのやり取りを行う機能も加えたいのだそうだ。実現すれば、合成写真をともに生み出した人に、簡単にメッセージを送ることが出来るようになる。

確かに、写真共有アプリケーションというのはありふれたものだ。ただ、利用者が数多くの写真共有アプリケーションを目的に応じて使い分けているのも事実だ。Flickrをバックアップ用途に用い、Instagramを他の人とのコミュニケーション目的で使うという人は多い。すなわち、従来とは違う用途を提供すれば、まだまだ多くの人に使ってもらえる可能性はあるというわけだ。

「FlickrやInstagramなど、他の写真関連サービスと競合するという意識はないのです。それぞれの場所に登録している写真を利用して、新たなものを生み出すといった使い方をしてくれれば良いと考えているのです。Instagramの写真を取り込んで、Dubbleで使うといった使い方をして欲しいと考えているのです」と、Scottは言う。

「共存共栄の世界を作りたいというのが第一の望みです。利用者数などで競っていきたいとは考えていないのです。それぞれに、別々のタイプのコミュニティを構築していくことができると考えています」とのこと。

Dubbleは友人や家族からの資金にて運営している。運営にあてている資金は10万ポンドといったところだ。対応プラットフォームがiOS 7のみであるというのは、資金面から、いずれかのプラットフォームを優先せざるを得なかったためという意味もある。Android版は現在開発中なのだそうだ。

利用者グループの中で、二重露出写真を生成していくというサービスだが、果たしてどのようなビジネスモデルが考えられるだろうか。Scottによれば、将来的にどのような収益手段を求めていくべきなのか、まだ思いつかずにいるそうだ。取り敢えず現在のところは、利用者の人気を集める、創造的コミュニティの確立に注力していきたいのだとのこと。今後12ヵ月ないし18ヵ月間のロードマップは策定済みなのだそうだ。

まだ先のことなのだろうが、ある一定の機能に関してアプリケーション内販売を行うことも考えられるだろう。また、印刷プロダクトを製品化できるかどうかについても考えているところなのだそうだ。30cm x 30cm程度に出力して、自宅に飾ることのできるようなものを提供しても良いのではないかと考えている。あるいは写真関連アクセサリーを販売するショップを運営するというのも考えられるかもしれない。アフィリエイト展開などというのもあり得るかもしれませんと、Scottは述べていた。

「まずサービスをしっかり波に乗せることが目標です。潤沢というわけではありませんが、4月くらいまでの運営資金はあります。その中でしっかりと地歩を固めてから、収益面について考えて行きたいと思っています」とのことだった。

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(翻訳:Maeda, H


ウェブとiOS、AndroidアプリのTwitterがストリーム内ビデオ再生、画像プレビューをサポート

今日(米国時間10/29)、TwitterはiOS、Android、ウェブの各アプリのアップデートを行い、ストリーム内でのビデオ再生と画像のプレビュー機能をサポートした。

従来は画像のリンクをタップしてTwiterかVineを呼び出す必要があった。今回、ストリーム内で直接表示されるようになった。記事末のアップデート参照

現時点でストリーム内プレビューが有効なのはTwitter自体にアップロードされた写真とVineのビデオだけだ。しかし将来は他のサイトのコンテンツにも拡大される可能性がある。誰もが歓迎する動きではないかもしれないが、私が昨年の記事で指摘したとおり、Twitterがしばらく前から向かっているのはこの方向だ。

今回のアップデートではこれ以外にも、お気に入り、リツイート、返信などをタイムライン中から直接実行できるようになった。もしすでにこれらが有効になっているなら、そのユーザーはTwitterからテストグループのメンバーとして選ばれている。Twtterは数週間前から限定公開でテストを行ってきた

タイムライン中にビデオと画像が表示され、見た目が派手になった一方で、タイムラインのテキストの情報密度が低下するという副作用をもたらしている。もっとも「百聞は一見にしかず」という点では必ずしも情報密度が減ったともいえないのだろうが。Twitterのユーザー数の増加ペースは鈍化傾向にある。株式上場を控えて自己の有用性を改めてアピールする必要に迫られているようだ。最近の@eventparrotという実験もその一環だろう。

今回のアップデートは噂されていたテレビ番組との連動などを含む大掛かりなものではなかった。なおインラインでのプレビュー機能は設定でオフにできる(ウェブ版ではオフにできない)。

なお各アプリは、AndroidアプリiOSアプリ、Twitter.comで入手できる。

アップデート: Twitterの広告主への影響について、Van Slembrouckは「Twitterは実質的にディスプレイ広告をスタートさせた」とツイートしている。

今回のストリーム内ビデオと画像のサポートについて読者の感想は?

Image Credit: Alexandre Dulaunoy/Flickr CC

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


TechCrunch Disruptヨーロッパの最優秀賞はスマート自転車ロックのLock8に決定!

今日(米国時間10/29)、2日にわたって開催された最初のTechCrunch Disruptヨーロッパが無事閉幕した。ハッカソン、数々の著名人による講演、スタートアップの劇的なプレゼンの後、最優勝賞の最終候補が4チーム残った(Import.ioLock8VoicesphereAsap54)。

今回のDisruptでは数百もの応募チームから厳正な審査の結果14チームが選定された。さらに聴衆の投票と編集部の推薦により、2日目に幸運な1チーム、Integreightが選ばれ、合わせて15チームとなった。最終候補の4チームはTechCrunchのファウンダー、元編集長のMichael Arrington、Index VenturesのNeil Rimer、Lakestarのファウンダー、Klaus Hommels、 500 StartupsのDave McClure、Silicon Valley BankのBindi Kariaによって審査された。

長い真剣な討議の末、審査の結果は以下のとおりとなった。

最優勝賞: Lock8

ロンドンとベルリンに本拠を置くLock8は自転車のスマート盗難防止デバイスを開発している。アメリカでもヨーロッパでも自転車の盗難は大問題だ。このデバイスには各種のセンサーが内蔵され、ワイヤを切断しようとしたりするとアラームを鳴らす。振動センサーだけでなく、温度センサーも内蔵されており、冷却スプレーやトーチによる攻撃も感知する。それでも自転車が盗まれた場合、GPSによって所有者に位置を通報する機能もある。

開発チームはクラウド資金調達を開始して市場投入の準備を進めている。 CTOのDaniel Zajarlas-Fainsodによれば、アメリカ市場での予定価格は199ドル、ヨーロッパでは69ポンドだという。Lock8では、自転車シェアリングを進めようとする自治体にも売り込みを図る計画だ。盗難を防止することによって大幅なコスト削減が可能になるという。


最優秀賞次点: Asap54

Asap54はファッション・テクノロジーのスタートアップだ。これは最近の急成長分野だ。このチームは画像認識技術と人工知能による推薦アルゴリズムを利用してユーザーのファション選びを助ける。ユーザーが自分が関心をもったファッション・アイテムを写真に撮ってAsap8に送ると、システムはそのアイテム、ないしそれとよく似たアイテムへのリンクを送り返してくれる。

Asap54はある面でPinterestとInstagramに似ているが、即座に購入行動につなげることができるのが大きなセールスポイントだ。現在200人のベータテスターに限定公開中で、ユーザーからのフィードバックをベースにさらに改良を加えていくという。現在、2万件のファッション・アイテムがこのシステムで識別可能だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ダイレクトメッセージの将来は?! Twitter.comではDM用アイコンをトップバーに配置

どうやらTwitterは、最近になって「ダイレクトメッセージ」についていろいろと再考しているところであるようだ。きっかけはもちろんWatsApp、Line、Snapchatなどといったメッセージングアプリケーションが数多く登場してきていることにある。そうした流れの中、TwitterはTwitter.comのトップバーにDM用リンクの埋め込みを行った。ワンタッチでダイレクトメッセージの受信箱を見ることもできるようになったわけだ。

以前にも取り上げたが、All Things Dの記事によれば、Twitterは何かメッセージング系のアプリケーションを開発しているとの話だった。今回の変更を見ると、どうやら大掛かりな開発作業というのはメッセージング関連ではなく、主機能についてのものなのかもしれない。もちろん記事の通りに、単独のメッセージングアプリケーションが出てくる可能性もある。DMについて廃止の方向で検討されたこともあるようだが、どうやらその可能性はなくなったと見てよさそうだ。

TwitterのDMを使う人は、完全にプライベートな用途として利用しているケースがほとんどだろう。DMの仕組みを改変するとして、どのような方向性で行ってくるのかは非常に興味深いところだ。TechCrunchのライターであるJordan Crookはスタンドアロンのメッセージングアプリケーションなど作るべきではないとしている。確かにそうであるように思う。TwitterはDMではなく本体機能についてのリニューアルについて作業中なのではないかと思う。ただ、実際のところはまだどうなるのかわからない。

いずれにせよ、これまではTwitter.comでDMを使おうとすると、プロフィール画面に移ってから、ないしは設定アイコンをクリックしてから使うようになっていた。今回の変更により、手間は大いに減ったことになる。

これまで入ってきた情報によると、Twitterは次のバージョンに向けた作業をもう何ヶ月も行ってきているのだそうだ。方向性についての意見が一致せずに作業が遅れているのだそうだ。その主な内容がDM関連なのかどうかはわからないが、これまで放置してきていたDM関連機能を捨て去るつもりではなかったことだけはわかった。Twitterでスワイプインタフェースが実装されるのではないかという話もあるが、これもDM関連なのか、それとも全く違う部分での話なのかについては、まだわかっていない。

Image Credit: Christopher Schmidt/CC Flickr

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(翻訳:Maeda, H


「シリア電子軍」が今度はオバマ大統領のTwitterのURL短縮アプリをハック―急遽Google2段階認証採用へ

「オバマ大統領のTwitterのアカウント自体は乗っ取られていない。乗っ取られたのはツイート中の一部のリンクだけだ」とオバマ大統領の支援政治キャンペーン組織、Organizngfor Action(OFA)の幹部が認めた

OFAも他の大きな組織と同様、Twiterの提供するものではなく独自のURL短縮アプリを使っていた(ユーザーのモニタがしやすいため)。このリンク短縮アプリがハックされたものとみられる。 Quartzの記事によれば、OFAはこの攻撃の後、急遽Googleの2段階認証を導入したという。

上のスクリーンショットに示した乗っ取られたリンクは修正されている。

SEA(シリア電子軍)がオバマ大統領を狙って攻撃を仕掛けたのはこれが最初ではない。この春、SEAはAP通信のTwitterアカウントをハックして、「ホワイトハウスで爆弾が爆発した」というデマを流し、株式市場を一瞬ではあるが混乱に陥れた。

今日(米国時間10/28)の攻撃は巧みだった。しかし、なぜOFAがGoogleの2段階認証のような基本的なセキュリティー策を当初から取っていなかったのかという疑問は残る。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


“挫折しない”家計簿サービス「マネーフォワード」が5億円調達、クラウド会計に参入へ

家計簿に挫折してしまう要因の最たるものは「面倒臭さ」だろう。最近では「Zaim」や「ReceReco」など、スマホでレシートを撮影するだけで内容を読み取る家計簿アプリが流行っているのもうなずける。「マネーフォワード」は複数の口座情報を一括管理し、入出金情報を自動で入力してくれる家計簿・資産管理サービスだ。その運営元のマネーフォワードが28日、第三者割当増資でジャフコから5億円を調達したことを明らかにした。

マネーフォワードの特徴は、銀行や証券、クレジットカードなどのサイトにログインするIDとパスワードを登録するだけで、あとは自動的に入出金情報が入力されること。入出金情報は「食費」「日用品」「交通費」といった項目に自動で分類される。現金払いの際は手入力が必要になるけれども、対応している金融機関1322社の口座やサービスの入出金履歴がマネーフォワード上で一括管理できるので、お金の管理のわずらわしさを解消してくれる。

マネーフォワードの辻庸介社長によれば、利用者の6割は男性、平均年齢は36歳だといい、主に「家計簿に挫折したり、日ごろ忙しくて家計簿が付けられなかった人」に使われているとのだという。自動や手動でマネーフォワードに入力されたデータの件数は月次平均43%増のペースで伸びていて、2013年10月には1億2600万件に到達。年内には30万ユーザーに達する見込みらしい。

マネーフォワードの辻庸介社長

今回の資金調達では、従来の資産や家計の「現状把握」だけでなく、ユーザーの「生活改善」を提案する機能を強化する。すでに、自分の支出額をもとに、今よりもポイント・マイル・キャッシュバックが増えるクレジットカードをおすすめする機能はリリースしているけれど、今後はユーザーごとに適した生命保険や自動車・住宅ローンなどを「人力」ではなく「アルゴリズム」で提案する機能を開発していく。

2013年11月末には、個人事業主や法人向けのクラウド会計サービス「マネーフォワード(青色申告・法人決算)」をリリースする。金融機関のデータを取得して仕訳を自動で行うため、「手作業はほとんどなく、会計・経理の知識がない人でも簡単に使える」(辻社長)。レシートだけでなく領収書を撮影するだけで、データを取り込める「日本初」のアプリも開発している。

個人事業主や法人を対象とする会計ソフトといえば、弥生の「弥生会計」や「青空申告」が多くのシェアを占めている。マネーフォワード(青色申告・法人決算)と同様のクラウド会計サービスとしては、2012年の「TechCrunch Tokyo」でデビューを果たした「freee」が順調に成長している。

マネーフォワード(青色申告・法人決算)は、月額課金で提供する予定。料金は検討中だが、「業界最低水準の価格」を予定しているといい、個人向けサービスで対応している1322社の金融機関から自動で明細を取得したり、アプリで領収書を読み取れるなどの優位点を打ち出して、既存の会計ソフトに不満があるユーザーなどを取り込んでいきたいという。


Zynga、損失が予想を下回って株価は12%高

Zyngaの株価が時間外取引で12%近く上昇した。損失が〈予測を下回った〉ためだ。

Zyngaは、売上2.03億ドル、純損失6万8000ドルを計上した。即ち収支はほぼトントンだった。売上は対前年比36%減で、ZyngaはFacebookプラットフォーム上での壊滅的なユーザーベース減少と戦わねばならなかった。加えて、モバイルゲームプラットフォームへの移行も他社と比べて出遅れた。

日間アクティブユーザー数は3000万人と、1年前の半分に落ち込んだ。月間アクティブも同じく昨年の半分以下の1.33億人だった。

現在同社は、Facebookプラットフォーム上で日間アクティブベースのトップゲームリストに3本しか入っていない。かつてヒットチャートを独占した頃の影もない。

しかし、新CEOのDon Mattrickは株主に向けて、Zyngaをかつての栄光に戻すために必要な変更を行うと宣言した。

「われわれは未来の成長への準備が整っていると信じている」と彼は収支会見で語った。「私は、Zyngaが中核事業を強化し、さらなる成長と進歩を達成して再び軌道に乗るべく、自らを修正していけることを確信している」

Mattrickは今日(米国時間10/24)、元Electronic Artsで現在DeNAのClive Downieを、COOとして採用した。Mattrickは、Zynga再編のために経営構造を平板化する言った。クリエイティブ製品部門は、Mattrick直属になる。

「エンターテイメントは理想的なビジネスだ」とMattrickは言い、Zyngaは「大衆市場を真に捕えられる適合性、完成度、洗練性を持つ」ゲームを作ることを目標としていると付け加えた。

昨四半期、同社はFairy Tale Twist、Ninja Kingdom、Hit it Richなど数々の新タイトルを公開した。モバイルゲームでは、1 Word(KiK Messengerアプリに内蔵)とCastleVille Legendsを公開した。他に、New Scramble with Friends、Baseball Slam(3P)、およびCityVille KRE-Oも公開した。

月間有償ユーザーは、1年前の300万人から、第3四半期に160万人まで減少したが、日間アクティブユーザー当たりの平均ブッキング(*)は4.7セントから5.5セントに増えた。四半期ベースでも4%の増加だった(* 日間アクティブユーザーがZyngaゲーム内のバーチャル取引で使う平均金額)。

Zyngaは、第4四半期の売上をさらに下がって1.75~1.85億ドルになると見積っている ― 通常は裕福なホリデー四半期なのに。損失は2100~3100万ドルになると同社は予想している。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Android専用ロックスクリーン、Coverは状況に応じて最適アプリを起動―コンテキスト・コンピューティングへの第一歩か

われわれはとかく必要以上にアプリをインストールしてわけがわからなくなってしまうものだが、Coverがこの問題を解決してくれるかもしれない。これはAndroid専用ロックスクリーン・アプリで、今日(米国時間10/24)、招待オンリーで発表された。

Coverはユーザーの位置情報にもとづいて家庭、車内、会社などコンテキストに応じて最適のアプリをロックスクリーンに表示し、スワイプで即座にそのアプリを立ち上げるなど優れた機能を満載している。First Round Capitalからの170万ドルの資金を得て、CoverはiOSに対するAndroidのカスタマイズ性の優位を最大限に生かしたAndroid専用アプリとなっている。

Coverではコンテクストが王様、スピードが女王様

Coverに登録して招待をもらうと、Google Play Storeにアプリが表示され、ベータテスターの仲間入りができる。インストールするとCoverは既存のロックスクリーンを代替する。ただしロックスクリーン以外のランチャーやカスタム設定はいっさいそのままで変更はない。Coverの設定に必要なのは自宅と仕事場の住所だけだ。

Coverには位置情報に基づいたジオフェンス機能が内蔵されており、ユーザーが登録された領域に入ると、それに応じてロックスクリーンに表示されるアプリが変化する。ロックスクリーンの左側には6つのアプリが表示される。デフォールトの設定は他のユーザーの利用する人気度合いによって選択される。つまり仕事場ではGoogle Drive、Dropbox、LinkedIn、Asanaが表示され、自宅ではNetflix、Kindle、Facebookなどが表示されるという具合だ。Coverはユーザーのアプリ利用パターンを学習するし、ユーザーが自分でカスタマイズすることもできる。

自宅と仕事場以外の場所にいるばあいは「外出中」と判断され、たとえばヘッドフォンをプラグに挿しこむと音楽アプリが自動的に立ち上がったりする。加速度計からの情報で自動車を運転中だと判断するとクラウドソース・カーナビのWazeとGoogleマップが起動する。

Coverのもう一つの重要な機能はPeekといい、ロックスクリーンに表示されているアプリのアイコンを右にスワイプすると直接そのアプリが起動する。アプリのアイコンが右にずれていくとその下からアプリのトップ画面が現れる。FacebookやTwitterなどのアップデートを驚くほど速くチェックできるすぐれものの機能だ。

またCoverにはアプリのクィック・スイッチ機能がある。他のアプリを使っているときに、いつでも右上隅をからCoverのスイッチ・メニューをドラグダウンできる。ここには最近利用したアプリと現在利用しているアプリに関連の深いアプリへのショートカットが表示されて、クリックするとそのアプリが立ち上がる。メールを書いている最中に地図を参照する必要が出てきても、いちいちホームボタンを押してランチャーを表示し、ランチャーから目的のアプリを起動して、またその手順を繰り返して元のアプリに戻るなどという手間をかける必要がない。

スマート設定機能では自宅で夜12時以降は着信音を鳴らさないなどさまざまなカスタム設定が可能だ。

正直、私はCoverの機能に感心した。私はiPhoneユーザーなのでAndroidユーザーに少々嫉妬を覚えたほどだ。

【中略】

Coverは本格的コンテクスト・コンピューティングへの第一歩になるか

Coverはユーザーにとってすばらしいアプリであるだけでなく、他のデベロッパーにも大きなメリットをもたらしそうだ。ユーザーは後の管理が面倒なので新しいアプリをあまり気軽にダウンロードしなくなっている。Coverはその管理をユーザーに代わって引き受けてくれるのでアプリのダウンロードに対する心理的な抵抗を軽減してくれそうだ。

またCoverはアプリのディスカバリーによって収益化を図ることができるかもしれない。Jacksonは「当面Coverは優れたプロダクトを作り、ユーザーベースを拡大することに専心する」と語っていたが、最終的にはマネタイズを考えねばならない。その場合、「コンテキストを判断して適切なアプリの利用を推薦する」というCoverの能力が収益化に結びつくかもしれない。たとえばユーザーがまだインストールしていない新たなアプリを推薦するなどが考えられる。

たとえば大きなカンファレンスの会場に到着したとき、Coverは付近のCoverユーザーが使っているアプリを検索し、カンファレンスのスケジュール・アプリが多くのユーザーに使われているとわかれば、それをダウンロードするよう勧めることができるだろう。

将来、Coverは単なるアプリのランチャー以上の本格的コンテキスト・コンピューティングを実行できるようになるべきだとJacksonは考えている。各種センサー、カレンダー、メールなどから情報を収集してユーザーの置かれているコンテキストを認識し、それに応じた処理を行うわけだ。たとえばFab(ショッピング・アプリ)が私にプッシュ通知を送りつけてきた場合、オフィスで仕事をしているときだったら開きはしないが、家でくつろいでいるときだったらおそらく開いて読むだおる。将来、Coverはメッセージの内容を判断してFabのメッセージを表示するのは私が家に帰るまで待つなどという高度な処理ができるようになるかもしれない、とJacksonは夢想している。

Coverからの招待を受け取るにはこちらを訪問すること。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+