Google、モバイル検索にタップ可能なショートカットを多数追加

今朝(米国時間3/21)、GoogleはiOS版とAndroid版の新しい検索アプリをリリースしたと発表した。 同時にモバイル・ブラウザのGoogle.com siteサイトもリニューアルされた。これによりスポーツ、天気、食べ物、飲み物、エンタテインメントなどポピュラーな分野については、タップして検索できるショートカットが表示されるようになった。テキストあるいは音声で検索したい語句を入力するこれまで方式に加えてユーザーは新たなオプションが使えるようになる。

新機能の発表にともなってGoogleは「現在のGoogleの検索窓は特定の情報を得ようとしている場合には便利だが、あるジャンルについて最新の情報を得たいという場合もよくある」と説明している。

新しいデザインでは、検索アプリ(ないしモバイル・サイト)の画面上部、検索窓の直下に天気、スポーツなどのアイコンが表示される。たとえばエンタテインメントのアイコンをタップすると、新曲の紹介、映画の予告編、各種レビュー、付近での上演、公演情報などが表示される。 別のショートカットでは近くのレストランなど食べ物を提供する店が分かる。

Androidの場合、メインのショートカットの右矢印をタップすると全画面にタップ可能なショートカットが配置された画面にジャンプする。付近の重要な場所、ライフスタイル、ツール、天気、旅行、私の情報(My Stuff)等々のカテゴリーに分かれている。 最後のカテゴリーはユーザー自身に関係ある情報で、メール、カレンダーなどのイベント、フライト、ホテル予約などにジャンプできる。

AndroidのユーザーはここからGoogle翻訳のようなサービスにアクセスしたり、付近のアトラクション情報を得たりできる。フライトやホテルの情報、通貨の換算、ネットの接続スピードテスト、ソリテアその他もプレイもできるし、サイコロを振ったり、動物の音を立てたりできる。昨年Googleが加えた“I’m Feeling Curious”オプションをタップしてトリビアを仕入れることもできる。

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念のため断っておけば、これまでもGoogleはこうした検索機能を個別には備えていた。今朝のリニューアルはタップ可能なアイコンというユーザー・インタフェースを導入した点が新しい。Googleはこのインターフェースによって、検索に慣れていないユーザーでも各種の情報を簡単に得られるようにした。これはユーザーが別の専用アプリに流れるのを防ごうとしたものだろう。

こうした新機能は有力インターネット企業がポータル志向に回帰するというトレンドに歩調を合せたものだ。インターネットの初期には、ユーザーはお気に入りのサイトをホームページとして天気、スポーツ、最新の話題など最新の情報を得ていた。その後こうした機能は多数のアプリに分割された。Facebookもこうしたトレンドに一貫して対抗してきたサイトの一つだ。Facebookがさまざまな機能を付け加えてきたのは、ユーザーがFacebookを出て別のアプリを使う必要を減らすのが狙いだった。つまりFaqcebookを離れずに天気を調べたり、ショッピングしたりできるようにしたのだろう。

Googleは将来「重要な瞬間やイベント(big moments and events)」を検索できるショートカットをサポートする予定だと述べている。これは大量の検索が集中する出来事、たとえばオリンピック競技や選挙などについて、タップするだけで検索できるワンオフのショートカットを導入するということのようだ。

新機能は最新のGoogleモバイル・アプリで順次公開されている。

〔日本版〕訳者のAndroid環境ではタップ可能なショートカットを備えたGoogle検索はまだ確認できない。GoogleのPlay Storeで「Google検索」アプリを呼び出せば最新版にアップデートできる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Instagram Liveのストリーミング映像を、カメラロールに保存することが可能に

Instagram Liveのユニークな点の1つは、ストリーミングされたビデオは常に消されて来たということだ。ライブストリームが終了すると、コンテンツは完全に消去される。この動作は、ライブの後にビデオを保存して、後から再視聴できるFacebook LiveやPeriscopeとは異なったやりかただ。

但し、それはこれまでの話だ。

同社はそのライブストリーミング機能に、終了後に携帯電話へ保存するオプションを加えたことを発表した。それはとてもシンプルなものだ。ストリーミングが終了すると右上に保存(Save)ボタンが表示されて、タップすればビデオはカメラロールに保存される。

注意しなければならないのは、このビデオはこれまで同様に、Instagram上には保存されないということだ。なので、視聴する側は引き続きチャンスを見逃さないように注意しなければならない。

とは言え、ライブストリーム機能に保存オプションが付くことは、人びとにライブ配信を行わせる機会を増やすことになるだろう。これまでユーザーは、大切な瞬間のInstagramによるストリーミングを躊躇いがちだった(その代わりにカメラアプリで録画したり、Snapchatを使っていた)。なぜなら、その映像が永遠に失われてしまうことを知っていたからだ。今やユーザーは両者の長所を手にすることができた。興味深いライブコンテンツを視聴者と共有しつつ、一方では貴重な瞬間をずっと保存しておくオプションも得たことになる。

この更新は今日(米国時間3月20日)iOSとAndroidに対して行われる。

(日本版:訳者の iOS 端末では翻訳時点で既に更新されていた)

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(翻訳:Sako)

スーパーマリオラン、Android版登場は3月23日

Android版スーパーマリオランのリリース日が決定した。Android版を出すというは以前からあったが、それがようやく具体化したわけだ。その日にちは3月23日とのことだ。算数が苦手だったり、手元にカレンダーがなくて困っている人のために言っておくと、もう今週の話ということになる。結局、iOS版は3ヵ月先行したことになるわけだ。

ところで、あっという間に流行が盛衰するモバイル界の話であるので、スーパーマリオランについて少しだけ説明しておこう。これは任天堂が自社の知的財産をモバイル界に展開したものだ。操作はとてもシンプルだ。ゲームの世界を走り抜けるマリオのタイミングをみて画面をタップして、それによって得られる得点を競うというものだ。

無料版は試用版的なものとなっている。1度支払いをすることで、ゲームの全レベルをプレイすることができるようになっている。マリオのマッシュルームワールドを楽しみながら、ともだちと得点を競ったり、また新しいレベルにチャレンジしたりすることができるようになる。

スーパーマリオランは、iOS版がリリースされて多くの人がダウンロードした。モバイルゲームの中では、有料版に移行する人も多かった様子。ただしAndroid利用者の方が財布の紐が硬いともいわれている。その中で、どの程度の売り上げをあげることができるのか、注目したいところだ。

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(翻訳:Maeda, H

ローンチから半年でiMessage App Storeの成長率が急降下―、使いづらいUIが一因か

ローンチ当初、iMessage App Storeは次の大型アプリプラットフォームになると謳われており、ディベロッパーの間では、同アプリストアが新たなユーザーと収益源獲得の場として期待され、ローンチ直後はiMessageアプリのダウンロード数が急増した。しかし、アプリストアの成長の鈍化と共に、今ではその盛り上がりも落ち着き始めたようだ。公開されているアプリの数を見てみると、iMessage App Storeのローンチからの数ヶ月間は、毎月100%以上の伸びを見せていたが、今年の1月から2月の結果を見ると、その数はたった9%まで落ち込んでいる。

アプリ調査会社のSensor Towerが新たに発行したレポートによれば、iMessageに対応したアプリの数は現在5000個に及ぶ。この数は、App Storeの初年度にリリースされたiOSアプリの数と同じだ。その後App Storeが成長を続け、2017年1月時点で220万個ものiOSアプリが公開されているというAppleの情報を考えると、iMessage App Storeの状況も悪くないように思える。

しかしiOS App Storeとは違い、ディベロッパーのiMessage App Storeに対する興味や盛り上がりには、既に陰りが見え始めているのだ。

iMessage App Storeがローンチされた昨年9月から10月の終わりまでに、iMeesageに対応したアプリの数は1100個へと約116%増加した。11月の終わりまでには、さらに108%増加し登録アプリ数は2250個に達した。しかし、多くの消費者が新たなiPhoneを手に入れ、アプリのインストール数の増加が期待された12月には、増加率が65%に落ちこみ、昨年末時点でのiMessage対応アプリ数は3700個にとどまった。

今年に入ってからもアプリ数の増加率は下落し続け、昨年12月から1月の増加率は18%、そして1月から2月はさらに9%へと下がっていった。

エンターテインメントやユーティリティ、ソーシャルネットワーク、写真・動画をおさえ、iMassageアプリの中では、ゲームが引き続き1番人気のカテゴリーだった。しかし、各カテゴリーに含まれるアプリの多くは、人気ゲームキャラクターを使ったものなど、ステッカーアプリが中心だ。

新しいプラットフォームの登場直後には、ディベロッパーが新規ユーザーを獲得するために、こぞって新しいアプリをリリースするので、ローンチからしばらくして成長率が落ちるというのは当然のことだ。しかし、ここまで早い段階で成長率が横ばい近い状態になったこということは、まだ多くのユーザーがiMessageアプリを受け入れていないということを示唆しており、AppleやiOSディベロッパーのコミュニティはiMessage App Storeの存続を心配していることだろう。

成長率鈍化の原因と思われるものはいくつかある。使いづらいユーザーインターフェースや、配信されているiMessageアプリの選択肢の少なさ(革新的なアプリの不在)、さらにはそもそもiOSアプリが多すぎるという可能性もある。

アプリ中毒の私でさえ、iMessageアプリはUIのせいで使うのが面倒だと感じている。iMessageアプリへのアプリストアの統合の仕方もあり、ユーザーの多くは、キーボードの下にアプリストアが隠されていることにさえ気付いていないかもしれないのだ。

さらにインストールしたiMessageアプリの数が増えてくると、小さなアイコンをスワイプして、自分が使いたいアプリを見つけるのが難しくなってくる。

また、ステッカー人気がここまで高まっているのであれば、他のアプリと並べて置くのではなく、インストールされたステッカーはキーボードから直接アクセスできるようにするべきだろう。

現状のUIだと、ステッカーにたどり着くだけでも一苦労だ。まず、テキストボックスの隣りにある矢印をタップし、アプリストアのボタンを押すと、前回使ったアプリが表示される。そして左下にある4つの点が記されたボタンをタップすると、インストール済みのアプリのリストが表示されるので、そこからさらにページをスワイプして友だちに送りたいステッカーを探さなければならない。

iMessageアプリを使うためには、会話の途中でこのようなプロセスを経なければいけないため、アプリによって新たな価値が加わるどころか、やりとりのスピードが落ちてしまう。

対照的に、Facebook Messengerや他のメッセージアプリを見てみれば、ワンタップでステッカーを使えるようになっていることがわかる。もしもAppleが、真剣にiMessageでメッセージアプリトップの座に上り詰めたいのであれば、他のプレイヤーの様子を注視し、何がうまくいっているのかということを理解して、必要な調整を加えなければいけない。そうすれば、もしかしたら次のiOSの大型アップデート時には、この問題が解決されているかもしれない。

もしもAppleにその気がないのであれば、ディベロッパーがiMessage App Storeに完全に見切りをつけて、自分達のアプリをもっと目立せられ、トラクションを稼ぐことができる他のプラットフォームに移っていったとしても、なんら驚きではない。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

心臓発作防止プラットホームのAliveCorが製品をAI化、Omronなどから$30Mを調達

心電図のデータを利用して心臓発作を防止するアプリKardiaを作っているAliveCorが、Omron HealthcareとMayo Clinicから3000万ドルの資金を調達し、また、Kardiaの医師用バージョンKardiaProを発表した。

すでにFDAの承認を得ているAliveCorのモバイルアプリKardiaは、99ドルの心電図読み取り機と併用するが、昨年Mayo Clinicとのパートナーシップにより、4500名の患者に対して心臓発作に関する大規模な調査を行い、その結果として新しいプラットホームの開発を迫られた。今度のKardiaProは、発作など心臓の諸症状のリスクを抱える患者の心電図をモニタしたい、と願う医師向けの高度な製品だ。

KardiaProは、リスクを抱える患者の体重、活動、血圧など複数の要素を調べて、それらのデータをAliceCorのAIに分析させ、医師が気づかないかもしれない兆候を見つける。そしてAliveCorのCEO Vic Gundotraが患者の“パーソナル・ハート・プロフィール”(personal heart profile)と呼ぶものを作り、そのデータを元に、医師が次の診療内容/方針を決めるための注意情報(アラート)を送る。

AliveCorはこの前、Khosla Ventures, Qualcomm, そしてBurrill and Companyから1350万ドルを調達した。今回の資金と合わせると、調達総額は4540万ドルになる。しかしより重要なのは、今回、Mayo Clinicという、数百万の患者を対象としている大手のヘルスケア企業とパートナーしたことだ。またOmronも、血圧計などのヘルスケア製品を世界中に提供している企業なので、貴重な情報が得られるだろう。

[循環器疾患による死亡率(人口10万人あたり)]

心臓疾患は世界の死因のトップであり、血圧計や心電図などを定期的にチェックすることは、心臓病の早期発見と有効な症状管理に寄与する。その部分でKardiaProのAI成分は、不規則な心電図などの異状を、ほとんどリアルタイムで医師に伝えることができるだろう。

KardiaProはAliveCorの新製品だが、同社はApple Watch用の心電図読み取りバンドAliveCorのKardiaバンドも発売した。すでにヨーロッパでは使われているが、アメリカではFDAの承認待ちだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

FacebookのSnapchatクローン計画、着々と進行中

Facebookは、Snapchat Storiesクローン機能、Facebook Storiesの公開範囲をチリ、ギリシャ、およびベトナムにも広げた。

Facebook Storiesは、Facebookのモバイルアプリのトップに写真を載せて24時間後に消してしまう機能だ。ただしまだ全ユーザーには公開されていない。1月にアイルランドの一部ユーザーを対象に最初のテストが行われた。最近Facebookは傘下のモバイルサービスに次々とSnapchatの主要機能を導入している。

先週にはMessengerアプリにMessenger Dayを追加した。月間10億人をターゲットにしたこの新機能は、アプリ画面に居座ることから、多くのユーザーを苛立たせた。類似の機能は今年2月にWhatsAppに、Instagramには昨年導入済みだが、Facebookはモバイルの月間アクティブユーザー17億人の大部分が使っているメインアプリにもSnapchatクローンの導入を進めようとしている。

先週私はSnapchatのメイン機能をWhatsAppやMessengerに取り込むことについてFacebookは少々やりすぎたと書いた。いずれのサービスとも利用場面やアピール点が一致していないからだ。Facebookのモバイルアプリは違っていていいはずだ。ユーザーは写真はFacebookの中で見るものだと思っているので、24時間で消える写真というコンセプトは、17億人のモバイルユーザーの大半を占めるSnapchatやInstagra Storiesを知らない人たちににとっては初めての体験だ。

Instagramに関して言えば、FacebookはSnapchat対抗のInstagram Storiesの成功をことのほか喜んでいるようだ。Facebookによるとこの機能のデイリーユーザー数は1.5億人でSnapchatと同じ規模だ。さらにSnapchatからユーザーや著名なインフルエンサーも奪ったらしい。

Instagramの焦点はビジュアルなコンテンツにあり、ユーザーの大部分は若者なのでSnapchatのユーザーとの重なりも成長の可能性も大きい。しかし、WhatsAppとMessengerのSnapクローンがFacebookにとってプラスなのかについては多くの人々が疑問に思っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

“仕事用のWhatsApp”を目指すVentureAppが400万ドルを調達

ボストンに拠点を置くVentureAppは、オンライン・モバイルチャットのハブとして、ユーザーの仕事関連の連絡先やビジネスニーズをまとめ上げることで、仕事上のメッセージのやりとりをより簡単にしようとしている。この度同社は、Accompliceがリードインベスターを務め、Fullstack VenturesやBoston Seed Capital、さらに多数のエンジェル投資家が参加したラウンドで400万ドルを調達した。

実は私は1年以上前に、VentureAppが小規模企業(特にスタートアップ)に向けてサービスを提供している企業のマーケットプレイスを運営していた頃に彼らの名前を聞き、知人の紹介を通じて、共同ファウンダーのChase Garbarinoと知り合っていた。

当時のVentureAppのプラットフォームは、弁護士などの専門家を探している企業に利用されていた一方で、最も人気のあったサービスはプラットフォームに埋め込まれたメッセージ機能だった。そこから彼らのビジネスは大きく変化することになる。

仕事関係の人とのチャットに使える良いアプリが現在ないことから、彼らはVentureAppのメッセージ機能を、プラットフォームのいち機能として留めておくのではなく、単独のプロダクトとして開発することに決めたのだ。

今まで私たちは、人と連絡を取るときに利用するサービスを大きくプライベート用(Facebook)と仕事用(LinkedIn)に分けてきた。しかし、FacebookのMessengerやWhatsAppといったソーシャルメッセージングアプリが急速に成長している一方、LinkedInのメッセージ機能は以前からほとんど変わっていない。さらに、LinkedIn上のやりとりの大半が、勝手に送られてくるリクルーターからのメッセージやスパムであるため、ユーザーはほとんどのメッセージを読まずに無視してしまっている。

そこでVentureAppは、仕事関連のやりとりをまとめられるような、新しいメッセージプラットフォームを提供しようとしているのだ。VentureAppにログインすると、ユーザーはGmailやGoogle Apps、Outlookの連絡先とVentureAppを接続でき、LinkedInのコンタクト情報もアップロードできるようになっている。連絡先のインポートが完了すれば、ユーザーはどのサービス上にいる人に対しても、メッセージを送れるようになる。

企業が日常的にスパムメッセージを送ってくるLinkedInとは違い、VentureAppはユーザーに対して勝手にメッセージが送られないような対策を講じている。ユーザーは自分の連絡先に含まれている個人や企業に対してメッセージを送れるが、企業から個人のユーザーへはメッセージを送れないようになっているのだ。さらに全てのチャットにオプトイン方式を採用しているため、ユーザーはやりとりを始める前に、他のユーザーから送られてきたメッセージを受け取るかどうかを選択できる。

またLinkedInは、ユーザーが直接知らない人と繋がったり、知らない人にInMailを送れるようにしたりすることで収益をあげているが、VentureAppは全く逆のアプローチをとっている。彼らはプラットフォームに登録したい企業から利用料を徴収し、企業からではなく、必要に応じてユーザーが企業にコンタクトできるような仕組みをとっているのだ。

CEOのGarbarinoは、Streetwise Mediaを一緒に立ち上げたKevin McCarthyとGreg Gomer、さらにはDailybreakの共同ファウンダーであるBoris RevsinやJared Stenquistと共にVentureAppを設立した。同社はひそかに30人規模の企業へと成長し、現在では200社もの企業を顧客に抱え、VentureAppのプラットフォーム上に顧客企業のプロフィールを掲載している。なお今回の調達資金は、モバイルアプリ(現在ベータ版)を含めた、プラットフォームの機能拡充に充てられる予定だ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

ふるさと起業の典型Skuidがプログラミング不要アプリケーション開発ツールで$25Mを調達

ユーザーインタフェイスを“コードレス”で作れるので、一般社員でもBI(business intelligence, ビジネスインテリジェンス)アプリケーションを作れる、というSkuidが、新たに2500万ドルの資金を調達した。

テネシー州チャタヌーガに本社を置くSkuidは、シリコンバレーやサンフランシスコ、ボストン、ロサンゼルス、ニューヨークなど従来のイノベーションハブ以外の場所で生まれつつあるスタートアップの、ひとつの典型だ。

本誌TechCrunchは3年前に、投資家たちが予言している“逆ゴールドラッシュ”〔Uターン起業、ふるさと起業〕を取り上げたが、同社はある意味でその代表的な例でもある。

アパラチア山脈の内陸側山麓丘陵地帯がテネシー川で区切られるあたりに位置するチャタヌーガは、西半球で最速のインターネット接続を誇り、ガス・水道などと同じ公共サービスとして提供されるギガビットアクセスは、この都市(まち)を “救った”と言われる。

名曲チャタヌーガ・チュー・チューを産んだこのSouthern Railway鉄道沿いの工業都市は、もはやチャタヌーガの今の姿ではない。今やヘルスケア産業を中心に脱工業化を図るとともに、Volkswagenがこの小さな南部の都市に10億ドルを投じた大工場も抱えている。

SkuidのCEOでファウンダーのKen McElrathにとって、競争の激しいシリコンバレーではなく、のどかな田舎で起業することのメリットの大きさは、計り知れない。また1ギガのインターネットサービスに毎月250ドル払うことと、ウェストコーストで数千ドル払うことを比べれば、その違いは自明だ。

今回の25万ドルはMcElrath一家の資産管理会社Iconiq(Mark Zuckerbergにもそんな会社がある)と、前からの投資家K1 Investment Managementからだ。その主な用途は、今後の技術開発、企業のふつうの社員が、ツールバーやデータの視覚化を駆使したビジネスインテリジェンスアプリケーションを作れるようになるための、Skuidを作ることだ。

ユーザーがSkuidで作るアプリケーションは、もっぱらRest APIを駆使して、その会社が使っているBI用アプリケーション、すなわちOracle, Microsoft, Salesforce, Slackなどなどを統合する。

この、McElrathが“Skuid Model”と呼ぶ方式では、ユーザーがそのアプリケーションを一二箇所クリックするだけで、目的のデータソースを呼び出せる。そして目的のデータオブジェクトをさまざまな視覚化タブへドラッグ&ドロップすると、会社のデータを見ることができる。

McElrathによると、Skuidの次のバージョンでは、AmazonのAlexaやAppleのSiriに似た技術を導入して、音声によるインタフェイスが可能になる。

McElrathは語る: “まるでそれは、Alexaに表を作らせたり、何かの基準でデータをフィルタさせたりするような、アプリケーションになるだろうね。たとえば自動車販売店の営業なら、車を運転しながらSkuidのアプリケーションに、‘これから行くお客さんの会社のホームページを見せてくれ’、なんて…音声で…言えるだろう。そして、‘そこの担当者のXXXさんに電話をかけてくれ’、とかね”。

こうやって誰でもアプリケーションを作れるのが、プログラミングの未来だ、とMcElrathは語る。“それは、そんなに遠い未来ではない。こういったいろんな機能を統合するのは、今ならきわめて容易だ。音声機能は、来年の製品に実装できるだろう”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

オースチンの町はUberとLyftなしでやっていけ・・・なかった

約1年前にUberとLyftがいなくなったオースチンで数日間過ごしたあと、私はこの街が相乗りの両巨人なしでも問題なくやっていることについて記事を書こうとアイデアを練り始めた。

昨年5月にUberとLyftが去って以来、様々な代役が登場した。例えばRide AustinFastenFareなどは事実上Uber、Lyftと同じ体験を提供している。地図で場所を指定すれば車がやってくる。どの会社もオースチンの身元調査法を遵守しており、中にはドライバーや乗客から徴収する金額の低い会社もある。

UberとLyftがオースチンの指紋採取に基づく身元調査の要求を、頑なに拒否してきたのは間違いだったのではないかと私は思い始めた。実際、米国の一主要都市が、こうして両社がいなくても困らないことを示しているではないか。

それも困るまでのことだった。

SXSW最大の夜ともいえる昨夜は雨だった。そして誰もが車に乗りたかった。ちょうどその時、アプリは次々とダウンした。多すぎる要求に耐えられずRide AustinとFastenは事実上文鎮化した。読み込み中画面のままになるか利用できる車はないとしか言わなかった。実際には車は走っていた。

乗客は足止めを喰らい、ドライバーは客と結びつく術もなく街を走り回った。

私は何人かの(タクシー以外の)ドライバーが現金か[デジタルキャッシュの]Venmoを受け取って客を乗せているという話を聞いた。それは、UberとLyftがいなくなった直後、規制に沿ったライバルたちが取って代わるまでの間を彷彿とさせる光景だった。当時はメンバー3万人のFacebookグループで、ドライバーが現金と引き換えに乗客を誘っていた。

Ride AustinはFacebookの投稿に、午後7:15から深夜まで断続的にダウンを繰り返し、「データベースに発見されていなかった問題があり、スケールテストの際に発覚しなかった」ことが理由だと書いた。またFastenもオースチンの地元紙に、雨とSXSWが重なったためアプリに「通常の12倍のアクセスがあった」ことがクラッシュにつながったと伝えた。

会社はSXSWを犯人扱いしているが、ドライバーによれば、大晦日やAustin City Limitsのイベントなど需要の高い夜にはしょっちゅうアプリがオフラインになっているという。

UberとLyftの二社寡占に不満を言う人々はいるが、両社が技術的問題によって乗車できなくなることのない安定したプラットフォームを提供していることは認めざるを得ないだろう。

今日は何事もなく過ぎているようだが、UberとLyftがいなくても都市は問題なく機能する、ということを証明する機会をオースチンが逃したことは間違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、24時間でコンテンツが消える「Messenger Day」を公開

FacebookはSnapchat Storiesに対抗するMessengerアプリの新機能、”Messenger Day” を全世界で公開した。(例によって順次導入されるため全ユーザーが利用できるまでには時間がかかる)

ポーランドオーストラリア等での数百万人のユーザーによるテストを終え、iOSAndroidおよびデスクトップのメッセージ画面で木曜日(米国時間3/9)に公開された。新機能を使うとデコレーションを施した写真やビデオを友達や全ユーザーに公開することが可能で、内容は24時間後に消滅する。

Messenger Dayが軌道に乗ればMessengerが最近強化したカメラ機能と共に ビジュアル・コミュニケーションの推進にも拍車がかかるだろう。Facebookのメッセージング担当VP、David Marcusは、Dayには将来「おそらく」広告が挿入されMessengerで最大の収入源になるだろうと話した。

WhatsApp Status Instagram StoriesFacebook Storiesに続き、Messenger DayはSnapchatと競合する。IPOを果たしたSnapchatにとってユーザー成長が弱点だ。Messengerは既に10億人が使っている。Messenger Dayが発表された日にはSnapの株価がわずかに下がった。

今回の発表は、SnapchatはStoriesを発明したかもしれないが、コンテンツメディアとして自分たちはどこよりも大きいというFacebookの哲学が表われている。Facebookはコピーすることを恐れない。たとえどんなに批判されようと。重要なのはユーザーにとって価値があるかどうかだけだ。

なぜこれ以上シェアする場所が必要なのか、というのは当然の疑問でありおそらく必要はない。しかしもしMessengerがStoriesのスタイルに楽しみだけでなく利便性を加えることができれば、昔の思い出を消費するだけでなく新しい思い出を作るきっかけになるかもしれない。

Messenger Dayを使ってみる

Dayを見る

Messenger DayはMessengerのホーム画面のチャットスレッドの上方に表れる。 Instagram Storiesが5ヵ月に1.5億人のデイリーユーザーを獲得したのと同じスタイルだ。そこには名前とプロフィール写真だけでなく、友達の写真が並んでいる。

いいね!の数は表示されないが、Dayに対しては定型メッセージや絵文字で返信できる。

Snapchatにない特殊な機能がActive Now(オンライン中)だ。グリーンのドットが表示されているMessenger Dayは相手とすぐチャットできることを意味している。こうしてMessengerは孤独を解消するという、Down To LunchやFreeやFoursquareが失敗した目的を果たせるかもしれない。

シェアする

昨年12月に導入された大きなカメラボタンは、Dayの利用の促進するためだった。画面下の大きなシャッターボタンを押せばすぐに画像やビデオを追加できる。

デフォルトでは投稿は「全員」に公開される。しかしFacebookによると、アプリのトップにDayが表示されるのは、メッセージを送ってこられる相手だけだ。公開範囲を設定しておけば毎回指定する必要はない。友達に直接送信することもできる。送ったDayを見た人は投稿の下に表示される。

コンテンツにはお絵描きやテキスト、セルフィーレンズ等の効果を加えることができる。

カテゴリー別フィルターを使えば、「一緒にコーヒーでもどう?」「今晩映画に行く?」「一杯飲もう」「走りに行こう」等のアクションを付加できる。簡単にオフラインで友達を招待することができる。しかもFacebookで「誰か一緒にディナーを食べに行く人」を誘って誰も返信しないと悲しい思いをするが、Messenger Dayでは投稿はすぐに消滅し、返信はプライベートなメッセージで送られてくるので孤独だと思われる心配はない。

ちょうどいいフィルターがなければ、自由にテキストから作ることができる。

足りないもの

全体的に見てMessenger Dayは思っていたよりスムーズで反応も早い。Instagram Storiesと同じく、興味がなければ無視するのは簡単だ。友達がたまにしかDayを投稿しなくても問題ない。

それでも私が今すぐ欲しいと思った機能で欠けているものを以下に挙げる。

  • Dayの投稿全体をビデオとして保存してFacebookのフィードに流す(Snapchat)
  • スワイプで使えるカラーとライトのフィルター (Snapchat, Instagram)
  • 写真の表示される時間の指定
  • モノにピン止めできる3Dスタンプ(Snapchat)
  • フェイス・スワップ (Snapchat)
  • Bitmojiのようなカスタマイズ可能なアバタースタンプ (Snapchat)
  • 絵文字をスタンプとして簡単に使える (Snapchat)
  • キャプションの背景色 (Instagram)
  • 簡単なGIF作成 (Instagram)
  • お絵描きのブラシ (Instagram)
  • 友達を参照して、返信すればグループチャットを始められる(Instagram)

時間と共に上記のいくつかは実現されるだろう。世界展開のバージョン1としては十分よくできていてすぐに使えると感じた。

今のところDayのビジネス利用は許されておらず広告もないが、Marcusに尋ねたところ、「おそらく。今後テストしていくつもりだが、高速でやりとりされるメッセージの邪魔はしたくない。それが守られる範囲で良い広告の方法があれば効果は大きいだろう」という返事だった。

Snapchatを攻撃する包囲網

Messenger Dayの “Who’s Up For?” フィルターを使えば友達と会う約束をするのも簡単だ。

ビジュアル・コミュニケーションは未来だ。これに乗り遅れたチャットアプリの将来は暗い。しかし、MessengerはDayをスレッドの上に被せることによって従来の表示件数を減らすリスクを負っている。通常のチャットアプリとしてMessengerが成長するのを妨げてまで、積極的にソーシャルメディアへと参入する価値はない。Facebookは一般公開後に各地域のメッセージ件数が減らないかどうかを慎重に見極める必要があるだろう。

FacebookのStoriesスタイルへの参入は遅かったが、これで全アプリでSnapchatと戦う体制が整った。成功すればSnapchatの成長をさらに食い止めることができる。特に、MessengerやWhatsAppやInstagramをこれまで使っていなかった海外のティーン・ユーザーの取り込みも期待できる。Snapchatの熱心な既存ユーザーを乗り替えさせることはできないだろうが、新しいソーシャルネットワークに登録する必要がないことは説得材料になる。

手加減は一切ない。Facebookは臆面もなくSnapchatの良いところを盗み前面に押し出している。これはイノベーションに逆行しているようにも思える。少なくてもスポーツマンシップに反する。しかしFacebookのイデオロギーは常にスケーリングが中心でありオリジナリティーではない。最初のソーシャルネットワークではなかったが、誰もが使うようになった。Storiesは発明していないが、最初に作った者が報われるとは限らない。報われるのは誰もが使えるようにした者だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

PlanetのExplorer Betaサービスは衛星が撮った画像からいろんな場所の経時変化が分かる

地球の画像を提供しているPlanetは最近、Googleの衛星画像事業Terra Bellaを買収したが、今日(米国時間3/10)はPlanet Explorer Betaと呼ばれる新しいツールを紹介した。このツールは、地表の経時変化を見せてくれる。それらの画像はログイン不要で、一般公開されており、誰もが自分の関心のある場所の1か月あるいは四半期ごとの変化を見ることができる。

Planetの協同ファウンダーでCEOの Will Marshallのブログ記事では、同じ場所を何度も撮っていると、目で見て分かるほどの変化があることに気づいた、と言っている。Planetの衛星は顧客やユーザーに提供する以上の大量の画像を、しかも頻繁に撮っている。同社の149個の軌道衛星全体では、一箇所を一日に一枚は撮っている。そして、ほとんどの場所に、経時変化が見られるのだ。

Explore Betaのログイン不要の一般公開(ただし商用利用は不可)にはもちろん、企業としてのねらいがある。まず、無料ユーザーが登録ユーザーになってくれることだ。登録ユーザーになると、「月」とか「四半期」だけでなく、毎日の画像も見られる。 そしてさらに有料の登録ユーザーになれば、商用利用もOKになる。

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またPlanetの基本的な考え方としても、地球の画像は大企業や政府機関だけでなく、NGOや小企業や個人など、誰もが無料でアクセスできるべきだ、という。それはすばらしい暇つぶしにもなるし、それらの経時画像を刻々見ていると、時間というものの見方ががらりと変わるかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Gmailのアドオンを誰でも作れる、マーケットプレースで売れる

Gmailのユーザーにとって、嬉しいニュースだ。Gmailが、サードパーティ製のアドオンをサポートする。つまり、あなたが作った新しい機能が、Gmailにダイレクトに統合される。Gmailに新しい機能を加えるサービスはすでに山のようにあるが、それらはGmailのというより、ブラウザーのエクステンションである場合が多い。

今日(米国時間3/9)サンフランシスコで行われたCloud Nextカンファレンスで発表されたこの新規軸により、ユーザーはG Suite Marketplaceからアドオンをインストールできる。そこはすでに生産性ツールDocsやSheetsのためのマーケットプレースである場所だ。ただしアドオンを実際に扱うのは、今年後半からとなる。

アドオンは、Web上のGmailとモバイルのGmailアプリの両方で使える。ただしGoogleの次世代メールクライアントと言われるInboxについては、何ら言及がない。

デベロッパーは、アドオンをひとつだけ書けば、それが上記の両プラットホームで動く。GoogleはIntuitやSalesforce、ProsperWorksなどと協働してこの機能をテストしてきたが、トライしてみたいデベロッパーはここのDeveloper Previewに登録する。

アドオンは主に企業ユーザーがねらいだが、G Suiteの有料ユーザーでない一般消費者もアドオンをインストールできる。ただしデベロッパーは、自分の作品に、‘G Suiteの有料ユーザーのみ’という指定ができる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Googleが、開発プラットフォームのFirebaseをCloud Platformへより深く統合

Googleが2014年に買収したモバイルアプリ開発プラットフォームFirebaseの大規模なアップデートが、 サンフランシスコで開催中のGoogle Cloud Nextで今日(米国時間3月9日)発表された。このアップデートの基調となるテーマは、Firebaseをより一層Google Cloud Platformと統合されたものにすることだ。例えば、AWS Lambdaに対抗する「サーバーレス」プラットフォーム機能であるGoogle Cloud Functions(現在公式ベータテスト中)へのサポートの追加などが挙げられる。Firebaseはまた、Google Cloud Platformが現在提供する全てのストレージオプションへのサポートを提供する。

Firebaseの共同創業者であるJames Tamplinが私に語ったように、Firebaseは常に、Googleのクラウドエコシステムへの簡単な入口としての役割を果たしてきた。基本的に、サービスの背後にあるアイデアは、開発者たちにシンプルなBaaS(backend-as-a-service)プラットフォームを提供し、開発者たちを独自のインフラの構築とサーバーの保守作業から解放するというものだ。しかしアプリのユーザーが増え、機能が成長するに従い、開発者たちは必然的により進んだユースケースをサポートするサーバーをセットアップしなければならなくなる。

Googleは、当然のことながら、そうした開発者たちにCloud Platformへの簡単な移行を提供したいと思っているが、Firebaseもまたこうした先進機能をサポートするように拡大している。このステップにおいてCloud Functionsのサポートは自然な流れだ、その利用により開発者たちはサーバーを保守することなく、より複雑なプログラムを運用することができるのだ。実際、Cloud Functionsのサポートが、Firebase開発者から1番要求の寄せられていた機能だと、Googleは言っている。Firebase SDK向けの新しいCloud Functionsは、Firebase Analytics、リアルタイムデータベース、そして認証並びにストレージサービスからのイベントを受け取ることが可能で、それに対応するCloud Functionsを起動することができる。

Firebase Storage(今回Cloud Storage for Firebaseと呼ばれるようになった)もアップデートされて、Googleの他のクラウドストレージソリューションと足並みが揃った。それが意味するのは、例えば、(あまり定期的にアクセスされないデータを保存するためのGoogleのソリューションである)NearlineとColdlineへのサポートが提供されるということだ。また開発者は、どのリージョンにデータを保管したいかを選べるようになった。これはデータの統治問題を気にしなければならない開発者たちにとって、特に重要である。

これに加えて、Googleは、Google Cloud Platformのサービス利用規約を拡張してFirebaseをカバーするようにしている。Tamplinが指摘したように、これは企業にとってとても関心が持たれる部分だ。何故ならこのことによって、彼らの弁護士たちが、Cloud PlatformとFirebaseの双方を1箇所でチェックすれば良いだけになるからだ。Google Cloud Platformのサービス利用規約はFirebaseのサービスを、認証、ホスティング、ストレージ、Functions、そしてFirebase Test Labに関するものとしてカバーする。Firebase Analyticsサービスは、近い将来に、Google Analyticsのサービス利用規約の下に移動する。

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(翻訳:Sako)

Facebookの不公平なインスタント記事、掲載広告数を緩和へ

Facebookのインスタント記事(Instant Articles)はニュース提供元にとって常に損な取引 だった。読み込みが早くなり多くの読者を得られるのはよいが、Facebookのモバイルフォーマットのためにデザインは画一化され広告の掲載数も厳しく制限されている。パブリッシャーとしては有料購読者やイベント参加者や日々の固定読者も必要なのに、Facebookから有利な条件と参照トラフィックを引き出すためにそれを犠牲にしている。そうしなければライバルに負けてしまうからだ。

このたびFacebookは、パブリッシャーの条件を少しだけ改善した。インスタント記事に掲載できる広告件数を少し増やした。これからは本文記事250ワードにつき1件広告をのせられるようになる。これまでは350ワード毎だった。

これは新たに立ち上げられたFacebook Journalism Projectの第一弾だ。このブロジェクトは、Facebookがパブリッシャーと密に協力することで最大のトラフィック提供元となり、同時にそれまでパブリッシャーに入っていた広告費をたっぶり吸い取ろうという目論見だ。

Facebookの名誉のために言うなら、インスタント記事はニュース提供者に手を差し伸べるものではある。それでもなお、アンフェアに感じるのだ。

ちなみにFacebook Journalism Projectは以下のようなことを約束している。

  • 記事パッケージ
  • ローカルニュースへの投資
  • 購読トライアル
  • Facebookとパブリッシャーとの共同ハッカソン
  • Liveの使用方法など、記者向けFacebookのジャーナリズム機能の研修
  • FacebookページからLive配信を使用するための権限管理機能。寄稿者など非管理者でも機能を使用できるようにする
  • Live動画APIをユーザープロフィールにも適用
  • CrowdTangleへの無料アクセス
  • First Draft Partner Networkとの拡張的なパートナーシップで目撃者の特定を可能にする
  • ニュースリテラシー促進のための公共広告
  • 偽造ニュースへの対抗措置

Facebookは2016年にも機能追加を実施しており、サイトが直接販売した広告キャンペーンをインスタント記事に載せて収益はそのまま確保できるようにしたほか、記事のスタイルがこれまでより自由になり、ビデオ広告やカルーセル広告の利用、縦スワイプによるパブリッシャー提供記事の循環表示などが可能になった。また、メールアドレスリストやFacebookページの「いいね!」によるサインアップユニットをテストしている。

それでもインスタント記事で一番潤うのはやはりFacebookだ。コンテンツが高速でニュースフィードに読み込まれればユーザーはFacebookアプリを離れる理由がないのでFacebookの広告を見る回数が増える。会社としてはインスタント記事のクリーンな閲覧体験を強調しているが、陰ではパブリッシャーのアイデンティティが犠牲になっている。

もしFacebookがニュース業界の真のパートナーになりたいのなら、インスタント記事の読み込み時間を著しく遅くするもの以外は何でも許して、収益化やサーキュレーションやサインアップの方法はパブリッシャーに任せるべきだろう。広告が多すぎたり少なかったりの評価は市場に委ねればよい。今回の変更の後でも、Facebookのパブリッシャーに対する力は強すぎる。

下に貼ったビデオでは、FacebookとTwitterがパブリッシャーをすげ替え可能なゴーストライターにしようとしていることについて私がぶちまけている。ソーシャルネットワークの賢いパイプの中を無能なコンテンツが流れていくという図式だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アプリの収益、世界一はテンセント――App Annieがランキングを発表

アプリ市場データを提供するApp Annie(アップアニー)は3月7日、2016年の1年間におけるアプリの収益額ランキング上位52社を発表した。アプリで世界一収益を上げているのはTencentだという。

このランキングは同社の法人向けアプリ市場データサービス「App Annie Intelligence」の収益、ダウンロード、MAUといった指標に基づいて決定したもの。今年で6回目の発表となる。

アプリの収益額ランキング、トップ10

ランキングを発表する前、App AnnieのCEOバートランド・シュミット氏はこう語った。「現在1日に2時間はアプリを使い、1ヶ月で40個のアプリを使う、という結果があります。年々、アプリの利用時間は伸びていて、生活には欠かせないものになっているのです」。そのような状況の中、アプリビジネスを成功させている企業はどこなのだろうか?早速、ランキングを見ていこう。

1位 Tencent 中国
2位 Supercell フィンランド
3位 NetEase 中国
4位 Machine Zone 米国
5位 Activision Blizzard 米国
6位 ミクシィ 日本
7位 LINE 日本
8位 バンダイナムコ 日本
9位 ネットマーブル 韓国
10位 Niantic 日本

 

トップ10の順位はあまり変動しないものだが、今年はTencentが6位から1位に。そしてNetEaseが9位から3位に順位を押し上げるなど、昨年とは大きく異なる結果となった。

「この1年間でApp StoreとGoogle Palyの両アプリストアからパブリッシャーに支払われた収益は40%増加しました。特にアジア市場の成長は顕著で、中国がApp Storeの収益で最大の国になっただけでなく、アジア全体で189億ドルの収益をあげるほどになっているのです」とバートランド・シュミット氏が語るように、アジア勢の躍進が目立つ結果に。

また、52位までのランキングを確認すると、アジア市場の割合が大きいことがわかる。中でも日本の企業のランクイン数は最も多く、下記の17社が選出された。

ミクシィLINEバンダイナムコガンホー・オンライン・エンターテイメントSQUARE ENIXSONYコロプラサイバーエージェントディー・エヌ・エーコナミセガ・サミーNEXON(ネクソン)グリーgumi.、マーベラスKLabエイチーム

今年は、収益額ランキング以外にも、日本国内での収益(非ゲーム)、ダウンロード数、MAUに基づいたランキングも発表された。そちらも併せて紹介しておく。

国内収益ランキング(非ゲーム)、トップ10

順位 企業名
1位 LINE
2位 ココネ
3位 SQUARE ENIX
4位 集英社
5位 サイバーエージェント
6位 ディー・エヌ・エー
7位 LINE MUSIC
8位 小学館
9位 ボルテージ
10位 AWA

 

非ゲームアプリのランキングでは、コミッアプリ事業を展開する集英社と小学館、音楽ストリーミングアプリを展開するLINE MUSIC、AWAがランクインした。

国内ダウンロードランキング、トップ10

順位 企業名
1位 Yahoo Japan
2位 LINE
3位 サイバーエージェント
4位 バンダイナムコ
5位 SQUARE ENIX
6位 セガ・サミー
7位 リクルートホールディングス
8位 楽天
9位 KDDI
10位 ディー・エヌ・エー

 

ダウンロードランキングでは、Yahoo Japanを筆頭にリクルートや楽天、KDDIなど幅広い領域でアプリを展開している企業のランクインが目立った。

国内MAUランキング、トップ10

順位 アプリ名(iOS) アプリ名(Android)
1位 LINE LINE
2位 Yahoo!天気 Yahoo! Japan
3位 Yahoo!乗換案内 Yahoo!天気
4位 マクドナルド Yahoo!乗換案内
5位 Yahoo! Japan マクドナルド
6位 SmartNews LINE:ディズニーツムツム
7位 Yahoo!防災速報 楽天市場 ショッピングアプリ
8位 LINE:ディズニーツムツム ジョルテ
9位 楽天市場 ショッピング・通販アプリ SmartNews
10位 Yahoo!ニュース クックパッド

 

MAUランキングは収益ランキングとは打って変わって、ゲームアプリがほとんどランクインしていないのが印象的だ。

目まぐるしいスピードで変化していくアプリ市場。来年は一体、どのような企業がランクインするのだろうか?

Snap、公開3日でつまずく。値上がり分帳消し

Snapchatの親会社、Snap Inc.は先週木曜日(米国時間3/2)に市場デビューを果たし、最初の2日間でいきなり大きく値を上げた。しかし、興奮の波はすでに去っている。3日目には12%以上暴落落した。

金曜日に27.09ドルで引けたSnapの月曜日の終値は23.77ドルと取引初日の始値24ドルを下回った。これでもまだIPO価格の17ドルより高いが、その価格で買うことができたのは選ばれた一部の投資家と資産価値の高い個人だけだ。

「この銘柄は少々しぼみ始めている」とRenaissance Capitalの代表、Kathleen Smithは言う。「株価はすでに本質を見ている人々の期待を超えている」と言ってSnapの水準以下の財務状態を指摘した。

IPO向けETFの管理もしているSmithは、Snapのすでに350億ドル(希薄化後)という時価総額に驚いたという。「この会社はアプリでガンでも治さない限り」評価額を正当化できない、と皮肉った。

Snapの空前の時価総額は既にAmerican AirlinesとHershey’sとHilton Hotelsを上回っている。今日の値下がりを見る限り、一部の投資家はSnapのアプリがこれに値するかどうか不安視していると思われる(同社にはSpectaclesというハードウェア製品もある)。

それでも全体的に見てIPOは成功と言えるだろう。株式発行により会社には34億ドルが入った。投資家の関心が強かったことを考えると、IPO価格をさらに上げて40億ドル以上調達することも可能だったかもしれない。

今回Snapがこれだけ熱意をもって迎えられたことは、他のテク系IPO候補にとって良い兆候と言える。AirbnbやUberを始めとする高い評価額の「ユニコーン」が何社も列をなしている。

数多くのIPO候補が上場をためらっているのは、最後の調達ラウンドよりも低い評価額になる恐れがあるからだ。Squareはその典型例だが、最終的には非公開時の評価額である時価総額60億ドルで取引された。

果たしてSnapがFacebookのように公開市場で大躍進するのか、それともTwitterのように乱高下するのかは時が教えてくれるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

写真フィルターのPrismaに便利な‘ストア’ができた、スタイルの自作機能も新設

写真のフィルターを提供しているPrismaが、今週のアップデートで、同サイトの新しい閲覧方法を発表している。また一部のユーザーは、自分独自のスタイルを作ることができる。

新しい閲覧インタフェイスのことを同社は“ストア”と呼んでいるが、ユーザーがそこでお金を払うわけではない。このストアはむしろ、新しい閲覧方法のことで、とくにPrismaが次々の新たに加えていくスタイルが、分かりやすい。

同社によると、“今あるスタイルは44種だけど、これを全部スクロールして見ていくのはユーザーにとって、ちょっときつい。好きなのを見つけるために、嫌いなのをたくさん見なければならない。でもこれからは、本当に好きなスタイルだけをダウンロードできる”、のだ。

また、非常にアクティブなユーザーには、自分独自のスタイルを作るためのデスクトップツールを提供する。使い方は、まず新しいスタイルにしたい写真をアップロードし、それからそこに、コンテンツやスタイルのさまざまな“重み”を加えていく。本誌TechCrunchのライターNatasha Lomasの体験によると、アップロードして処理して結果を検討する過程は、けっこう時間がかかるそうだ。でも同社は、“まあ1時間ぐらいだよ”、と軽く言っている。

上のビデオで、Prismaの新しい機能を見ることができる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebook Messengerがリアクションをテスト中。「イヤだね」ボタンも!?

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ついにFacebookがイヤだねボタンを作った。ただしみんなの思っていた場所にではない。

みなさんはマシンガンのような高速チャットの中で、どうやって個々のメッセージに返信しているだろうか? Facebookは、友達のメッセージにもニュースフィードの投稿と同じように絵文字を付けて欲しいと思っている。

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メッセージの上に指を置き絵文字をタップしてリアクションを送る

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リアクション・カウンター

TechCrunch読者のHoan Doのタレコミによると、一部のユーザーのFacebook Messengerにはリアクション・オプションが表示されている。友達が送ったメッセージに指を置くと吹き出しが表れて絵文字を選べる。小さなサムアップ(↑)のいいね!とサムダウン(↓)のイヤだねの他、目がハートや、うけるね、すごいね、悲しいね、ひどいねがある。スレッドに参加している全員が各メッセージの下のリアクション数を見ることができる。タップすれば誰がどのリアクションをしたかがわかる全リストも表示される。

Facebookはこの新機能について「われわれはMessengerをもっと楽しくしてずっと使い続けてもらうためにテストを続けている。これはメッセージに対する思いをいちばんよく表している絵文字を付けられるようにするちょっとしたテストだ」と本誌に伝えた。つまり今は全員が使えるわけではないが、もし評判がよければ全ユーザーにMessengerリアクションが公開されるかもしれない。

ちなみに、Messengerのリアクションがニュースフィードとは少々異なっていることに注目されたい。再三要望されては常に却下されてきた「イヤだね」ボタンが加わっている。これはFacebookでもっとも望まれてきた機能として知られているが、会社はニュースフィードにネガティブな感情が入りすぎることを嫌い導入しなかった。代わりに様々なリアクションによってユーザーはすばやく気持ちを表現できるようになり、イヤだねはコメント欄に任された。

Facebookはこれを、むしろ「ノー」ボタンだと考えていると本誌に告げた。Messengerをスケジュール調整等に使う人は多く、すぐに反応を見たり決を取るためにリアクションが使えるかどうかを実験しているという。Yes/Noボタンがあるのはそのためだが、当然のことながらイヤだねボタンにも見えてしまう。

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Messengerのリアクションは、最近iMessegeに追加されたTapback絵文字にも似ている。これはSlackが最初に導入した方式で、特に返信する間もなく次々とメッセージが送られてくる高速グループチャットで有効であることが証明されている。

例えばこんなスレッドを想像してみてほしい。

ボス – みんなランチはピザでいいかな?

同僚 1 – 移動屋台の方がいいという人はいる?

同僚 2 – 一緒に行く人がいれば寿司がいいんだけど。

あなた – はい。

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Slack offers a similar Emoji Reactions menu and emoji counter on messages

これではどのメッセージに反応したのか全くわからないが、「はい、屋台の方がいいです」と言うのも面倒だ。Slackは最終的にスレッド機能を導入する前、絵文字リアクションでこの問題に対応しようとした。Messengerのように気軽なソーシャルチャット・アプリに会話スレッドは必要ないかもしれないが、ニュースフィードのリアクションを転用するのは十分に理にかなったやり方だ。

Facebookがリアクションを導入したのはちょうど1年前で、それ以来3000億回以上使われ確実に人気を博している。もっともよく使われているのが「超いいね」で、リアクションの半分以上を占めている。メキシコ、チリ、スリナムはユーザー当たりのリアクション数が特に多い国々だ。そして今Facebookは、どの投稿が面白いか、どれをニュースフィードで目立たせるかの判定に、通常のいいね!よりもリアクションにやや重きを置くようになっている。

Slackの絵文字リアクションが成功していることを踏まえると、Facebookの企業向けコラボレーション・スイートであるWorkplaceのメッセージングシステム、Work Chatの強力な付加機能になるだろう。またこれはチャットボットとの会話にも有効だ。Facebookは今週、チャットボットにどう返信していいかわからない人のために常駐メニューを追加している。

FacebookはMessengerを便利にすればするほど、SnapchatやLineやGoogleの雑多なメッセージングアプリとの競争で優位に立てる。簡単に返信する方法を提供することで、たとえソーシャルメディアでのシェア習慣が他のアプリに流れたとしても、ユーザーをFacebookエコシステムに囲っておくことができる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

米国でのモバイルアプリ利用時間は1日5時間を突破

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© Uwe Umstätter
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Young woman sitting inside car and looking at cell phone, on overcast day, Germany

調査分析ファームのFlurryによれば、アメリカ国内の利用者によるモバイルアプリケーションの利用時間は増加の一途をたどっているようだ。利用時間は1日に5時間に及んでいるとのこと。ちなみにFlurryは1月、モバイルアプリケーションの利用時間は昨年比で11%の伸びを示しているという調査結果も公表している。

5時間の利用時間というと、2015年の第4四半期比で20%の増加となる数値だ。一方で、モバイルブラウザーの利用時間の方は減少を続けている。

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ブラウザ利用時間の割合はいまや8%となっている。ちなみに2015年Q4は9%、そして2014年Q1においては14%、2013年Q1には20%を占めていた。

もちろん、モバイルアプリケーションの利用時間が伸びた原因はそれだけではない。使えるアプリケーションも増えたし、またWi-Fi環境が大きく広まったことも影響しているだろう。モバイルでの通信速度も速くなったし、またテキストメッセージや会話などといった電話の主要機能をアプリケーションが代替するようになったことにもよるのだろう。

ところでFlurryは以前、アプリケーションの利用時間がテレビ視聴を上回るまでになっていると報告していた。これはすなわち、モバイルアプリケーションが「ユーティリティ」の範疇を超えて成長していることを意味するものだ。

アプリケーション利用時間がテレビ視聴時間を超えたと報告されたのは2015年のことだった。暇な時間にも、漫然と受身的に放送される番組を視聴するのでなく、アプリケーションを利用した積極的なやり取りを行うようになっているのだ。さらにNetflixやAmazon Video、Huluなどの普及により、アプリケーション依存が一層深まっているわけだ。

メディアならびにエンターテインメント系アプリケーションの利用時間が15%を占めるようになっていることからも、テレビの役割がアプリケーションに移りつつあることがわかると思う。

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なお、Flurryの調査によれば、ソーシャルメディア、Snapchat(単独で2%の割合を占める)などのメッセージングアプリケーション、メディアおよびエンターテインメントなどをあわせると、利用時間の51%に達するのだとのこと。

Snapchatの人気は相変わらず高いようではあるが、WhatsAppやInstagramを傘下におくFacebookが、やはり19%と大きな割合を占めている。Facebookとの差は大きいとはいえ、しかしSnapchatはYouTubeの3%に迫る利用時間割合を占めるまでにはなってきている。

FacebookやSnapchatを除いた、その他のメッセージングおよびソーシャルアプリケーションの利用時間は12%の割合となっている。

もちろん、こうして利用時間を増やしつつあるアプリケーションもあれば、減らしているものもある。たとえば「ゲーム」アプリケーションだ。

ゲームアプリケーションは、当たれば金になりやすいのは間違いのないところだ。しかし、ゲームアプリケーションの利用時間割合は減りつつある様子。たとえば、Appleによれば2017年の1月1日は、過去最高の売り上げを達成した日であった。

しかしゲームジャンルについてみると、2年連続で割合を減らしてしまっているのだ。いまでは、アプリケーション利用時間の11%程度になっているとのこと。

アプリケーション利用時間の増加にともない、広告業界ももちろん影響を受けている。すなわちテレビ広告が、アプリケーション内広告にシフトするようなことも起きているのだ。アプリケーション方向へのシフトは、DirecTV Now、Sling TV、YouTube TVなどのサービスが広まるにつれて加速している。Flurryは、こうした動きはますます進むこととなり、テレビ視聴時間はさらに減少することになるだろうと予測している。

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(翻訳:Maeda, H

バーコードから商品の持続可能性をチェック―、HowGoodが420万ドルを調達

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ミレニアル世代の消費者は、これまでのどの世代よりも購入する商品の持続可能性を気にしている。この傾向は、ピュー研究所クレムゾン大学ニールセンを筆頭に、さまざまな機関の調査からも明らかだ。ニューヨークに拠点を置き、消費者関連データを研究しているHowGoodは、この度シリーズAで420万ドルを調達し、小売企業が持続可能性を心配している顧客の質問に答える手助けをしようとしている。

HowGoodは、食品やパーソナルケア用品といった日用品に関する情報の収集・解析を行っているスタートアップだ。同社は環境や健康への配慮、商流などに基いて商品を評価し、算出されたスコアは小売店の値札やHowGoodのウェブサイト、モバイルアプリなどを通じて消費者のもとに届くようになっている。彼らのモバイルアプリを使えば、消費者は商品のバーコードをスキャンしてスコアを確認することができる。

HowGoodはこれまでに、食品や飲料品を中心に約20万点の商品を分析しており、独自のソースから入手した情報のほか、政府や第三者機関からの情報を総合して各商品のレーティングを行っている。評価対象となっている項目には、原料の調達方法や、含まれている化学品、加工方法、パッケージ、輸送手段、生産に関わっている労働者の状況など、商品に関わるあらゆる面が含まれている。

A HowGood users scans the barcode on a yogurt to learn its sustainability rating.

HowGoodのアプリでバーコードを読み取って、ヨーグルトの持続可能性スコアをチェックしている様子。

HowGoodとライセンス契約を結んでいる小売店であれば、商品のスコアを店頭で表示したり、逆に店頭にはデータを表示せず、どの商品をストックするかの判断を下すためにデータを参照したりできる。メーカーであれば、持続可能性という観点から自社の商品と業界平均を比較することもできる。

共同ファウンダーでCEOのAlexander Gillettは、これまでにHowGoodが分析した商品の5%しか満点を出せていないが、2007年に彼らが自前の資金でHowGoodを設立した頃に比べると、多くの商品のスコアが改善したと話す。つまり、持続可能性の向上が、商品の売上増加につながっているかもしれないのだ。「他社に製造を委託している商品が良いスコアを叩き出すことはよくあります。持続可能な商品ほど予算に限りがある消費者には手が届かない、というのはもはや過去の話です」と彼は付け加える。

FirstMark Capitalがリードインベスターを務めた今回のラウンドには、Contour Venturesや労働者権利擁護団体のHumanity UnitedSerious Change LPGreat Oaks Venture CapitalHigh Line Venture Partnersのほか、エンジェル投資家のJake LodwickとJoanne R. Wilsonが参加していた。

FirstMark Capitalのファウンダーでマネージング・ディレクターを務めるRick Heitzmannは、HowGoodへの投資を決めた理由について、同社のデータが一部のメーカーや小売店の大幅な売上増加に貢献しながら、消費者が自分の選択に満足できるような仕組みを提供していると話す。さらに彼は、持続可能性を重視するトレンドは今後も続いていくと考えている。

Searching for eco-friendly foods on the HowGood ratings app.

HowGoodのアプリで、環境にやさしい食品を探している様子。

「消費者には全ての情報が開示されていないため、彼らは無添加、ヘルシー、脂肪ゼロといったラベルを見て『もうよくわかんないから、とりあえず1番安いのを買おう!』と考えてしまいます。しかしそこで、あなたが気にしている点ではこの商品が1番良いですよ、と伝えてあげれば、消費者はその商品を購入し、自分の選択にも満足することができます」とHeitzmannは話す。

さらに、HowGoodは消費者を導く以外にも、メーカーやスーパーに対して、業界全体と比較した自社の商品の持続可能性や、売上と持続可能性の関係性などを、よりわかりやすい形で提示していると彼は言う。

HowGood CEOのGillettは、今回の調達資金を使ってもっと多くの商品を分析し、顧客となる小売企業やスーパーの数を増やしていきたいと話しており、化粧品や身だしなみ用品のスコアも間もなく公開される予定だ。同社のサービスの導入を予定している企業の名前は明かされなかったが、少なくとも化粧品小売企業1社と契約を締結したと彼は語った。

調達資金の一部は、技術的な研究開発にも使われる予定だ。ウェアラブルやヘルスアプリ、新しい店内用のディスプレイや、Google Home・Amazon Echoといった音声システムなど、消費者にデータを提供するための新たなチャンネルをHowGoodは常に探し求めている。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter