日本のリクルート、アウトソーシングのオンライン市場Freelancer.comを4億ドルで買収か?

〔この記事はMahesh Sharmaの執筆〕

日本の人材紹介とメディアの大手、リクルートは このところ上場準備に忙しかったようだが、最近、再び企業買収に積極的になっている。昨年のIndeed.comの買収から1年後、先月はインドのNuGridを買収した。人材募集のポータル、Indeed.comの買収金額は公表されていないが、11億ドルだったとされてる。

事情を知る情報源によれば、リクルートは短期業務をアウトソースするオンライン・マーケットのFreelancer.comに対し、4億ドルで買収する申し出をしたという。Freelancer.comの買収は、Indeed.com買収の際と同様、Morgan Stanleyがアドバイザーを務めているという。Freelancer.comはこの申し出を考慮中ということだ。

Freelancer.comは、ウェブサイトのデザイン、アプリの開発、情報収集、記事の執筆といったプロフェッショナルな業務を入札方式でアウトソースすることができるオンライン市場だ。業務請負の登録者880万人で、これまでに完了した業務は総額12億ドルにもなると発表されている。

Feelancer.comはオーストラリアのスタートアップだが、そのネットワークは世界に広がっており、特に北米、東南アジア、インドに多数のアウトソース先を持っている。また昨年はカナダのScriptlanceを買収し、デベロッパーのアウトソース市場のvCoderに数百万ドル分の業務を発注している。.

Freelancerは売上など財務内容を公表していない。リクルートの売上は100億ドル前後とみられる。この買収が成功すればリクルートはアウトソース市場、特にアメリカなど英語圏の市場で大きな足場を築くことになる。

リクルートは海外での売上を全売上高の50%にまで高めることを目標としている(Indeed.comの買収以前の海外売上は4%だった)。また近い将来株式を上場する計画だ。リクルート・グループの傘下には人材募集、eコマースから旅行、美容、教育など多分野にわたる出版社など80の企業が存在する。

上でも述べたようにリクルートは最近M&Aを活発化させている。8月にはインド最大のエグゼクティブ転職サービスのNuGridを買収(金額は不明)、4月にはアジア最大のエクゼクティブ転職サービス、Bo Leを完全子会社化した。Indeed.comの買収を発表したのは昨年の9月25日だった。

われわれはリクルートとFreelancer.comの両方にコメントを求めている。新たな情報が得られたらアップデートする。

〔日本版〕Freelancer.comでテープ起こし業務をアウトソースした体験がこのブログ記事に詳しく載っている。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


AmazonのAWSがコマンドラインツールを提供, スクリプトを書いて日常ルーチンを自動化しよう

グラフィカル(な)ユーザインタフェイス(GUI)はすてきだが、ときには古き良き日のコマンドラインをどうしても使いたいことがある。Amazonは今日(米国時間9/3)、AWSのコマンドラインインタフェイスを一般公開する、と発表した

ただしこのコマンドラインツールは当面、デベロッパ向けのプレビューである。このツールを使ってデベロッパは、AWSの23のサービスを、あの少々複雑なWebインタフェイスを使わずに、コマンドラインからコントロールできる。自分のAWSアカウントをコマンドラインから管理する人はあまりいないと思うが、しかしコマンドやその引数を羅列~組み合わせることによってデベロッパは、日常のプロセスの多くを自動化できるのだ。

今日のリリースには、S3クラウドストレージのためのファイルコマンドのアップデートも含まれている。ファイルシステムに対するこれらのコマンドによってデベロッパは、“バケットの中身をリストアップしたり、多数のファイルのあるフォルダをアップロードしたり、ローカルファイルとS3上のオブジェクトをシンクしたりできる”、とAmazonは言っている。

AWSでは何でもそうだが、このツールも構成があまり簡単ではない。しかし、Amazonが提供しているインストールガイドは親切でわかりやすいし、ドキュメンテーションも豊富だから、初心者もびびる必要はない。対応OSはWindowsとMacとLinuxで、EC2専用にビルドされたLinuxパッケージAmazon Linux AMIの、最新バージョンにはすでにプレインストールされている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


楽天がGoogle、Yahooを押しのけてビデオサイトのVikiを2億ドルで買収した理由―クラウドソース字幕翻訳をeコマースにも利用へ(三木谷浩史インタビュー)

日本のeコマースの巨人、楽天はシンガポールのビデオストリーミング・サービス、Vikiを2億ドルで買収した。Vikiは世界各地のユーザーコミュニティーがビデオコンテンツの字幕を翻訳するというユニークな国際化手法を取っているのが特長だ。

楽天のファウンダー、CEOの三木谷浩史にインタビューした結果、楽天はVikiのビデオコンテンツだけでなく、eコマース市場での世界制覇に向けてクラウドソース翻訳というシステムの利用も視野に入れていることが明らかになった。

当然ながらこの買収契約の締結までにはさまざまな曲折があったようだ。Vikiの共同ファウンダー、CEOのRazmig Hovaghimianが私の取材に答えて語ったところによると、楽天との交渉が本格化する前に、VikiはシリーズCの資金調達ラウンドの準備を進めていたところだったという(VikiはそれまでにAndreessenHorowitz、Greylock、Charles River Venturesに加えて個人投資家から総額2430万ドルを調達していた)。また別の情報源によると、Vikiに興味を示していたのはベンチャー投資家ばかりではなく、GoogleとYahooも買収を望んでいたという。

楽天のCEOの“Mickey”こと三木谷浩史もHovaghimianもVikiの買収を他にどんな会社が試みたかについては明らかにしていないが、GoogleはYouTubeを持ち、Yahooは長年にわたって、ビデオコンテンツの強化策を模索してきたから、この両社が含まれているのは意外ではない。また両社のビデオサービスはVikiと同様、広告ベースのビジネスモデルであり、海外での事業拡大を目指していたからVikiは魅力的なターゲットだったはずだ。

一方で、両CEOは、楽天がVikiがどのように出会ったのか、楽天の大戦略におけるVikiの位置づけ、また楽天が単なる投資ではなく直接買収に踏み切ったのか、その理由についても語ってくれた。

Vikiと楽天の出会い:. しばらく前にVikiはBlake Krikorian(Slingのファウンダー、現在Microsoft副社長)、Dave Goldberg(Survey MonkeyのCEO)という2人の戦略的投資家を取締役に加えた。 私は就任のタイミングからしてこの2人が今回の買収に何らかの役割を果たしたのではないかとHovaghimianに尋ねたところ、実は最初の出会いをもたらしたのはMITメディア・ラボの所長、Joiこと伊藤穣一であることが判明した。伊藤はVikiの最初期の投資家であり、以前からの取締役である。「JoiはVikiの日本市場進出を助けてくれた。Mickeyを紹介してくれたのもJoiだ」とHovaghimianは語った。その頃、Hovaghimianはシリコンバレーで投資家を探しており、買収については考えていなかったという。「よそ者がシリコンバレーで資金調達しようとするのは非常に疲れる経験だった」とHovaghimianは認めた。

「VikiはアジアでYahooと密接に協力しているし、YouTubeからもマルチチャンネル・ネットワークとして認められている。しかし楽天は企業文化からも相乗効果からもVikiによりよくフィットすると考えた。われわれがアジアをベースにした企業であることも大きかった」という。

「1ヶ月で10回ほど会った。最初から良い雰囲気で、交渉は非常に速く進んだ。私は〔三木谷浩史という〕人物が気に入ったし、楽天のビジョンにも共感した。彼らは全力でホームランを打ちに来ている。Vikiはさまざまな方面から関心を持たれてきたが、楽天がもっとも魅力的な相手だった」という。

Vikiは当面独立して事業を継続: Hovaghimianによれば、Yahoo、YouTubeとの提携関係には当面変化はないという。またNetflixその他、楽天の潜在的ライバルとの関係も継続される。「楽天はVikiに長期的な効果を期待しており、当面、大きな自由を認めている」とHovaghimianは言う。【中略】

投資でなく買収に踏み切った理由は? 私は三木谷に「なぜ楽天は単なる投資ではなくVikiの完全買収を決断したのか?」と尋ねた。事実、2012年に楽天はPinterestに1億ドルの戦略的投資を実施している。「Pinterestは(当時ブームの絶頂で)高すぎて買収できなかったからね」と三木谷はジョークを飛ばした。実際にはPinterestは楽天の事業にとってVikiほど直接の影響がなかったからだという。三木谷によれば、Pinterestは楽天のLinkshareアフィリエイト市場に大量のトラフィックを送り込んでくるという点が重要だった。ただし、Pinterestが公式な日本版の運用を開始していないので、日本の楽天はまだこのメリットを享受していないという。

ビデオストリーミングを超えた長期的視野:. 三木谷によれば、もっと重要だったのはVikiが楽天がこれまでビデオコンテンツで努力していた分野を強力に補完する存在だったことだという。楽天はNetflix式のOTTビデオストリーミング会社Wuakiをヨーロッパで運営している。また 楽天が買収したKoboデバイス向けにビデオコンテンツを拡充する計画 もある。こうした分野でVikiは直接的に役立つが、三木谷は「Vikiの買収はビデオだけを考えてのことではない」と語った。

三木谷によれば、PinterestとVikiの最大の差は、Pinterestはアメリカに重点を置くアメリカ企業であるのに対して、Vikiはグローバル化を目指す企業だという点にある。「われわれは世界の数多くの国に進出中だ。楽天のビジョンは楽天市場を全世界に広げることだ。そのためには多数の言語への翻訳がきわめて重要な課題になる。Vikiのクラウド翻訳テクノロジーは、字幕だけでなく、eコマースでも利用価値が高い。それが楽天がVikiを買収した大きな理由だ。われわれはビデオのことだけ考えていたわけではない」と三木谷は語った。

〔VikiのサービスについてはこちらのTechCrunch Japan記事参照。〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Flickr、リニューアル後は成長を加速。参照元の7.2%はTumblr

YahooはFlickrについて新たな料金プランを導入、買収により関連サービスを強化、ウェブページのリニューアル、あるいはモバイルエクスペリエンスの改善などを行ってきており、どうやらそれが実を結びつつあるようだ。SimilarWebのレポートによれば、Flickrの訪問者数は着実に伸びており、4月比で38%の伸びを示すまでになっているのだとのこと。

統計データは4月比ということになっているが、Flickrが大規模なデザイン変更や、あるいはこれまでの料金体系を変更して広告なしのメンバーシップや、1テラバイトの追加(年間500ドル)といった料金プランを導入したのは5月末のことだった。マリッサ・メイヤー(Marissa Mayer)指揮のもと、ビジュアル面での変更や、モバイル版のアップデートなどを強力に推し進めてきている。

4月と5月を比較すると、訪問者数は8600万から9000万へと伸びていた。これはすなわち、サイトの外見や機能面での改善がなくても、利用者は増加傾向にはあったということだ。但し、サイトの各種リニューアルを経た6月には、訪問者数が1億700万となり、7月には1億1000万へと伸びを加速させている。

さらに、平均のサイト滞在時間も6月には4月(4.5分だった)比で11%伸びて4.9%となり、7月には5分となった。ソーシャルトラフィックも増加し、4月に970万だったものが6月には1200万、そして7月には1370万へと伸びている。つまるところ、Flickrのリニューアルは、「ソーシャル」という視点からみても成功だったということを意味するのだろう。

尚、同じくYahooが買収したTumblrが、Flickrの成長に寄与している点も興味深いところだ。検索エンジンおよびソーシャルネットワークを除いて、Flickrにとって最大の参照元となっているのだ。この3ヵ月のトラフィックのうち7.2%がTumblrからのものなのだ(訪問者数になおすと475万人ということになる)。Yahooが傘下に収めたがったのも当然ということなのだろう。SimilarWebによると、この関係はTumblrの買収前と後にて特に変化はないそうだ。Flickr利用者の多くも、Tumblrとの親和性が高いことは以前から感じていたようだ。プロの写真家兼ブロガーであるThomas Hawkは、FlickrがTumblrを買収して、種々のリニューアルを行い始めた時点で「Flickrに投稿した写真の最大の参照元はTumblrだ」という旨を発言している。

FlickrおよびTumblrは、今後ますますシナジー効果を高めていくということがあるかもしれない。Tumblrの買収がアナウンスされてから、Flickr利用者たちは、Flickrの写真を簡単にTumblrに登録する方法だとか、あるいはTumblrに投稿した写真をすぐにFlickrにバックアップする方法などについてブレインストーミングを行っている様子だ。

もちろん、SimlarWebのトラフィックっ解析は(他のサービスと同様に)一部の利用者の行動に基づいたものではある。しかしSimilarWebは、自社ブランドプラグインなどからのみではなく、自社名を冠していない利用者向けプラグインなどからも情報を収集している。調査報告に出てくる数字が全く正確なものではないにしても、時期毎の変化などについてはきちんと読み取ることができる。もちろん、他のトラフィック計測サービスでも、Flickrはリニューアル以来トラフィックを伸ばしているという報告を行っているようだ。

たとえば、アメリカ国内での状況は、QuantcastやCompeteなどでも見ることができる。ちなみにQuantcastの予測では、利用者像がリニューアル後の一時的な現象で、また減っていく可能性もあるとはしている(一番下に掲載したGoogle Trendsのデータとも比較して考えてみたいところだ)。

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(翻訳:Maeda, H)


容量無制限のクラウドストレージBitcasaが日本での展開を本格的に開始

2011年の本家TechCrunch Disruptに出場し、実現可能なのか!?と話題になったスタートアップBitcasaが本日から完全に日本語にも対応した上、東京にローカルキャッシュ機能を持ちファイルアップロードのスピードを向上させるなど日本展開を本格的に開始した。

Bitcasaは月額10ドル(年間99ドル)で無制限の容量を手に入れられるクラウドストレージサービスだ。Dropboxの容量が年間99ドルで100GBということを考えると、Bitcasaの気前の良さに驚く。

しかしながら、普段使っているパソコンやスマートフォンの容量を見てみるとパソコンで数百GB、スマートフォンで数十GB程度で(もちろん、職種によっては数TBの人も居ると思うが)、そのうち、クラウドストレージに保存するのは数GBで十分というユーザーも多いだろう。

だが、米国の調査会社ガートナーによると一般世帯のデジタルコンテンツの保存料は2016年までに3.3TBにまで増加すると予想されており、そのデータ量をデバイスを買い替えるごとに転送することは非効率的だと言える。このような将来的な需要も見越してBitcasaは無制限ストレージを構築しているのだろう。

では実際にどのような技術を用いて無制限の容量を実現しているのだろうか。TechCrunch Disrupt出場時にCEOのTony Gaudaが語ったところによれば、参考にしているのはConvergent Encryptionと呼ばれる論文だという(暗号化界では有名らしい)。

(僕を含め)素人には到底理解できない論文であるが、いくつか重要なポイントを抑えておこう。例えば、Bticasaフォルダに映画を保存するとクライアント側でデータを暗号化しクラウドへデータを送る。この時にBticasaは他のユーザーがアップロードしているデータの中で重複したものが無いかをチェックする。もし、重複したものがあれば映画はBticasa上にアップロードされることはなく、重複したものが無ければアップロードされるという仕組みだ(もう少し詳しく知りたい方はこちらの記事を参照していただきたい[1] [2])。

このように重複したデータを排除するとユーザーごとの固有データは25GB程度だとTony Gaudaはいう。彼によるとユーザーのデータの60%は複製であるから、月額10ドルで無制限ストレージを提供できるそうだ。これが低価格の理由というわけだ。

なお、本日から日本、およびアジアでの発売を記念して年間79ドルで利用できるプロモーションコードも用意されている「ASIA20」。Bitcasaはブラウザ、iOS、Android、Windoowsで利用できる。


VMwareのクラウド戦略: Cloud FoundryにもOpenStackにも良い顔を(ただしAWSはノー)

VMwareが今日(米国時間8/26)行われたVMworldカンファレンスで、VMware vSphere 5.5とVMware vCloud Suiteの一般公開を発表した。同社の仮想化技術のこれら新バージョンは、Cloud Foundryを統合している。そしてこのPaaSは今では、VMwareの親会社EMCからのスピンオフPivotalの一部だ。

Cloud FoundryはVMwareを代表する製品だったが、これからはそれは、PivotalがVMwareのために構築するプラットホームとなり、新たなクラウドプロダクトvCloud Hybrid Servicesに統合される。それはPivotal CFと通称され、今年の終頃にVMware vSphereとvCloud Hybrid Servicesの上で可利用となる。vSphereは、クラウドコンピューティングのための仮想化管理ツールの、従来よりも強化された集合だ。vCloud SuiteはvSphereを管理して、企業がエラスティシティ(伸縮自在性)を確保するために行うリソースのプール(保蔵)を助ける。

VMwareのCEO Pat GelsingerはとくにvSphere 5.5の戦略的な重要性を強調し、同社はこれを軸に“ソフトウェア定義デザインセンター(software defined data center)”におけるリーダー的な存在になる、と述べた。vSphere 5は、そのようなアーキテクチャのコンピューティングの側面を表す。その仮想化ストレージは、“仮想SAN(virtual SAN)”と呼ばれるストレージサービスへラップされ、またネットワーキングは今日ローンチしたネットワークハイパーバイザーNSXに体現される。以上の全体として、基本的な概念は、必要に応じ、リソースをプールしクラウドをレバレッジすることだ。

新バージョンのvSphere SuiteとvCloudはVMwareのvCloud Hybrid Servicesに統合される。vCloud Hybrid Servicesは、新たな投資の対象となった新データセンター(カリフォルニア、バージニア、やがてダラス)からサーブされるIaaSだ。マネージドホスティングサービスSavvisも、やはりvCloud Hybrid Servicesからサーブされることになる。

VMwareが今後とくに注力するのは、顧客のデータセンターとVMwareのハイブリッドサービスとの密接な統合だ。そしてすべてが、同社の仮想化技術の上で動く。AWSとの互換性は提供しないので、利用者として、VMwareとAWSの使い分けをするのは難しい。VMwareへの一本化を、ほぼ強制されることになる。単純にVMwareの外向きサービスに接続するだけだから、簡便でもある。ただし、その利用料の“お安さ”ではAWSにかなわないだろう(VMwareはまだ料金体系を発表していないがAWSのような低価格にはならない、とすでに言っている)。

VMwareの、OpenStackへの賭け高は、vSphereがそれを統合することによって一層増した。オープンクラウド運動の旗手Niciraにも手厚く投資をしているので、今後の統合も考えられる。

VMwareの役員の一人が記者会見で、OpenStackを、ホームシアターシステムを買うことと比較した。VMwareをワンパッケージとして買えば、 vSphereとハイブリッド化vCloudがついてくる。しかし顧客は、そうせずにVMwareの技術でOpenStackを使うこともできる。どっちにするか、だ。

すでにOpenStackでクラウドの構築を始めている顧客も少なくない。Cloud Foundryも市場ではわりと広く受け入れられているが、しかしどのソリューションもまだ、コンサルタントが仕事をしやすいプラグアンドプレイタイプではない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


スティーブ・バルマー以後のMicrosoftは何をなすべきか?

編集部:この記事はBoxの共同ファウンダー、CEOのAaron Levieの寄稿。Twitter:@levie.

スティーブ・バルマーがMicrosoftのCEOを退任すると発表したことはテクノロジー企業の歴史でも10年に一度の出来事だ。ビル・ゲイツが基礎を築き、続いてゲイツとバルマーが、やがてバルマーが単独で拡大した帝国のひとつの章が終わったことを象徴している。

バルマーのMicrosoftについては対照的な2つの見方が存在する。マスコミにお馴染みのより広く知られた見方は否定的なものだ。いわく、バルマーのMicrosoftはGoogle AppsやAmazon Web Servicesのようなクラウド化の波に対応が遅れた。AppleとGoogleが開始したモバイル化への対応にも失敗し、Microsoftの独占的地位を大きく弱めた。Zune、Windows Vistaその他でも大失敗した…。

もうひとつの見方はそれほど広く知られていない。実はMicrosoftはバルマーの下で売上を220億ドルから780億ドルへと3倍以上に伸ばしている。

Office 365とAzureというクラウド・プラットフォームを開発し、成功させたのもバルマーの時代だった。またSkypeやYammerといったキー・テクノロジーを持つ企業の買収にも成功している。 またYahooとFacebookの検索エンジンとなるなどの巧妙な戦略によってMicrosoftの検索シェアをゼロ同然から30%に成長させた。またMicrosoftは創成期のFacebookに巨額の投資をして有力株主となった。Microsoftがオープンソースやサードパーティーのプラットフォームを採用するようになったのもバルマーの時代だ。

しかし白でなければ黒と決めつけずにはおかないテクノロジー市場にあっては、こうした数々の成功にもかかわらずMicrosoftは「敗者」とみなされている。

Microsoftは世界が以前に比べてはるかに多様化し、ユーザーの選好がはるかに重要になっていることを認識する必要がある

そういうことになったのはなぜだろうか? 答えは市場のあり方が劇的に変わったことを認めようとしない旧態依然たる戦略にある。今や司法省反トラスト局はMicrosoftに対して国務省がカナダに対するほどの注意も向けていない。Appleはより優れたデバイスを作っているし、Googleはより優れた検索サービス、クラウド・サービスを提供している。Microsoftは世界が以前に比べてはるかに多様化し、ユーザーの選好がはるかに重要になっていることを認識すると同時に、それに対応した戦略を採用しなければならない。

最近バルマーが実施した改革は組織の再編成という社内向けのものだった。それはそれで重要だが、社外の現実への対応はさらに重要だ。現在のソフトウェア産業もハードウェア産業もゼロサムゲームではない。こうした新たな現実を踏まえてバルマーの後継者が何をなすべきか、いくつかヒントを上げてみよう。

アプリのアンバンドル MicrosoftはOSの圧倒的成功によってアプリケーション産業を支配した。Lotus、Word Perfect、Netscape、Real Networks等々、競争相手はOSと密着したMicrosoftのアプリケーションによって踏み潰されていった。しかし現在では事情は変わった。今や「尻尾が犬を振る」時代だ。ユーザーは好みのアプリを使うために必要ならMicrosoftのOSから離れていく。

今やインターネットに接続しているデバイスのOSは圧倒的に非Windowsだ。だからMicrosoftはアプリケーションをWindowsという母艦から切り離なければならない。ところが依然としてMicrosoft Officeなどの主要アプリケーションはAppleやAndroidデバイスでは利用できないか、機能が限定されているかしている。数年後にはタブレットの出荷台数がパソコンを上回ることが確実な時代だ。Microsoftはぜひともアプリケーションを自立させ、それ自身で競争に耐えるものにしなければならない。

オープン化 クラウド化の最大のメリットの一つは、異なるベンダーのアプリケーションでもシームレスに協調動作できるようになったことだ。 以前のように、単一のベンダーからすべてのアプリケーションを買うのでなければ統合環境が整備できないなどということはない。APIを利用した連携によって、ユーザーは好みのアプリケーションを自由に組み合わせて使うことができる。NetsuiteやWorkdayのERP〔企業資源計画〕システムはZendeskの顧客サポートシステムと連携できる。ZendeskはJiveのソーシャル・ストリームと連携可能だ。クラウド・アプリケーションを相互に連携動作させるクラウド・スタックはソフトウェアのオープン化を強力に推進し、ユーザーのメリットを増大させる。しかし、現在Microsoftはこうしたクラウド・スタックで利用できるような新しいアプリケーションをまったく持っていない。

たとえばウェブ版Officeをサードパーティーのアプリ(たとえばBoxとか)と連携させようとしても、議会に法律を変えてもらえば別だが、APIをいじるだけではどうにもならない。こうしたクローズドなアプリケーションはOS独占が成立していた時代ならユーザーに選択肢がない以上合理的だったかもしれないが、IT資源が過剰なまでに溢れている現在では意味を失っている。Microsoftの新しい経営陣は、かつて「敵」とみなしていた企業のソフトウェアとオープンに協調動作していくことが決定的に重要だということを認識する必要がある。

プロダクト! プロダクト! プロダクト! (それにデベロッパーも) 全体としてみると、Microsoftのソフトウェア・プロダクトは過去の栄光にあぐらをかいていると言わざるを得ない。 ライバルがここ何年かで開発してきたiPhone、Android、Chrome、iPad、自動走行車、GoogleGlassといったプロダクトに比べると、Microsoftの成功しているプロダクトはすべてパソコン全盛時代にそのルーツがあるものばかりだ。

なんとかしてMicrosoftはサードパティーが次世代のスーパー・アプリ、スーパー・サービスを生み出せるようなプラットフォームを創設する方法を考えださねばならない

Microsoftが復活するためには、(再び)プラットフォーム企業となることが必要だ。Googleは検索をベースとした巨大なトラフィック、Chromeというブラウザの新たな標準、Androidによるアプリ市場などを提供することでいわば「善意の独占者」となっている。AppleもiOSによって巨大なアプリ市場を創設し、すでに多数の10億ドル級スタートアップを生み出している(Uber、Instagram、Angry Birds、Super Cell、Spotify等々)。なんとかしてMicrosoftはサードパティーが次世代のスーパー・アプリ、スーパー・サービスを生み出せるようなプラットフォームを創設する方法を考え出す必要がある。今回は成功したスタートアップをライバル視して片端から踏み潰すようなことをせず、エコシステムの育成に務めねばならない。

ビジョン 最近Microsoftが公にしている自社の定義は「Microsoftはデバイスとサービスの企業だ」というものだ。これはまるでディズニーが「われわれはテーマパークと映画の企業だ」と言うようなもので意味がない。「すべての家、すべてのデスクにパソコンを」というMicrosoftの創成期のビジョンは、当時としては「月に人間を送る」くらいの壮大なスケールの使命だった。株主やアナリスト向けの戦略を立案するだけでは十分ではない。消費者一般が理解し、共感できるようなユニークなビジョンを掲げることがぜひとも必要だ。

いくつか希望をもたせる兆候も現れている。Satya Nadella Qi LuTony Batesらの新しい幹部は従来とははっきり違うオープンなスタイルをMicrosoftにもたらしている。たとえば、今年のBuildデベロッパー・カンファレンスでデモ機にMacが使われた。10年前なら神聖冒涜行為と考えられただろうが、今ではMicrosoftも新しい現実を理解するようになってきた。ウェブやプラットフォーム・プロダクトについても従来よりアップデートnペースが早まり、四半期に数回もアップデートされることが珍しくない。数年前までの「アップデートは3年に1度」という体制から比べれば大きな進歩だ。

誰がレッドモンドの巨大タンカーの指揮を取ることになるのか分からないが、Microsoftを新しい現実に適応させるよう適切に舵取りができる人物であることを祈りたい。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


OpenStackインフラサービスとしてアジアで伸びるMorphlabsが新たに$10Mを調達

OpenStackの管理コンソールを提供し、Flashを使った視覚化により、クラウドインフラのハードウェアとソフトウェアのスピードとパフォーマンスを最適化するMorphlabsが、このほど1000万ドルの資金を調達した。このラウンドを仕切ったのはTallwood ManagementとEntropy Research Labで、既存の投資家G2iGも参加した。Morphlabsの資金総額は2250万ドルになった。

サービスの部門で成長しているMorphlabsは、とくにアジアで伸びていて、ソフトウェアのターンキーソリューションを主にハードウェアのベンダに提供している。たとえば、DellのハードウェアはMorphlabsで最適化されている。Media Templeは、このDell-Morphlabsの統合を利用して小企業の顧客にクラウドサービスを提供している。

OpenStackがクラウド構築プラットホームと呼ばれるのには理由がある。企業はそれを使って独自のインフラストラクチャを構築し、そのエラスティックなインフラはほかのOpenStackシステムと連携できる。つまりそれは、大量のサーバの上にソフトウェアをインストールする、という単純な話ではない。それは総合的なシステムであり、その各部がデータセンターのさまざまな層に接続して、あらゆるものを一つの仮想化環境にプールする。いったん動き出したそのシステムは、同じくOpenStackを使っているほかのインフラストラクチャに接続できる。

今週の初めにVMwareのCEO Pat Gelsingerが、OpenStackはエンタプライズ方面では伸びない、と言った。私はその理由について考察してみたが、結局彼が言いたいのは、OpenStackはサービスプロバイダにとってのよりベターな選択である、ということなのだ。

たしかにそれは本当だが、今では複数のクラウドシステムの連携~連邦化が、とりわけフィリピンやインドネシア、シンガポールなどのアジア各国で台頭している。とくにそれらの地域の通信企業のクラウド採用形態は、OpenStackは公共サービスの分野と大企業の企業環境を支配するのだろうな、と思わせる初期的な兆候を示している。そして連邦化によって、彼らの拡張のためのスペースに制約がなくなる。そういう分散化によって、SaaSツールの利用から先進的なデータ分析に至るまでの、さまざまな利益がもたらされる。分散インフラストラクチャが良質であればあるほど、より多くのサービスや企業が成長し、雇用を増やしていける。

Morphlabsが競合する戦場は、今とても混み合っている。たとえばNebulaは、やはり同じような統合化方式により、カスタムメイドのOpenStackボックスを開発している。またHPやIBMは、そのインフラの何でも屋的な特性を生かそうとしている。

しかしそれでも、Morphlabsが見つけた環太平洋地域というクラウド処女地は、これからさまざまな企業や消費者市場がクラウドインフラストラクチャを積極的に導入していく地域なのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


子供のアート作品をクラウドに残せば、Kiipを使った「ご褒美」を受け取れるるCanvsly

iPhone用に、Canvslyというアプリケーションが登場してきた。これは、子供の「アート作品」を写真に撮って保存およびシェアしようという目的に利用するアプリケーションだ。既にママブロガーたちの注目を集めつつあるArtkiveと、直接の競合となるサービスだ。しかしサービスの内容をよく見ると、大きく異なる部分もあることがわかる。子供アート作品を登録していって、一定のマイルストーンに達する度にリアルないしバーチャルな「ご褒美」(リワード)がもらえるのだ。

そもそもの発想はArtkiveと同じだと言ってよかろう。子供の「作品」を捨ててしまうことに罪悪感やもったいなさを感じる人は多いが、そういう人たちにデジタルアルバムで思い出を残してもらおうとしているわけだ。Artkive同様に子供ごとにプロフィールページを作成して、そこにお気に入りの作品を登録していって、ギャラリーを作成することができるようになっている。

スタートアップ企業の技術コンサルタントとしての経歴ももつファウンダーのAmit Murumkarは、子供時代に自分でいろいろな「作品」を生み出していた経験から、このアプリケーションを考えだしたのだそうだ。「学校の発表会レベルではありますが、何度も賞をもらいました。ただその頃の『作品』は何も残っていないのです」とのこと。

大人になってみて、そうした子供時代の「作品」をすべてとっておくことは不可能なのだと理解した。しかし3歳の子供の父親として、娘の思い出を一瞬のものとして消してしまいたくはないと考えるようにもなった。

そうして立ち上げたCanvslyには、同じようなターゲットを狙うArtkiveとは大きく異なる点がある。たとえばCanvslyは「ソーシャル」面により重点を置いている。シェアすることで家族や友人の注目を集める仕掛けに力点が置かれ、コメント機能や「いいね」機能(Canvslyでは「high-five」という名前になっている)も実装されている。

また、長く使い続ける中でさまざまな「ご褒美」獲得の機会も用意されている(最もたくさん投稿した人や、最も多く「high-five」と獲得した人には「artist of the month」の称号が与えられる)。「ご褒美」には、アプリケーションの世界に存在する「バッジ」のようなものもあるし、またKiipを使った「リアル」世界で通用するものもある。実のところCanvslyは2013 Kiip Build Fund Creationアワードも獲得している(Kiipをご存じない方のために説明しておくと、無料の製品サンプルなどをご褒美としてアプリケーションの利用者に対して提供する仕組みを構築するサービスだ。提供しているプロダクトにはギフトカード、MP3のダウンロード権など。何らかを「達成」するためのアプリケーションにおいて、褒賞システムとして多く利用されている)。

尚、Artkiveの方はフォトブック機能も実装するようになった。Canvslyは、今のところはフォトブック機能を提供していない。その代わりに写真を使った25種類に及ぶ小物類の提供を行っている。マグネット、マウスパッド、コーヒーマグ、ウォーターボトル、ポストカードなどといったものに「作品」写真を貼り付けて提供しているのだ。

アプリケーションが登場してきたのは1週間ほど前のことだ。宣伝もFacebookを使ってほんの少しだけ行なったにすぎない。したがって、まださほど多くの注目を集めるにはいたっていない。しかし地元の幼稚園や絵画教室などで紹介するといった地道な活動を通じて、口コミによる利用者拡大をはかろうとしているところだ。

私自身、3歳の子供の親である立場から、双方のアプリケーションを使ってみた。ただ、以前ArtKiveを試したときに感じたのと同じ不満をCanvslyに対しても感じてしまった。双方ともに、「作品」の登録に手間が掛かり過ぎるのだ。

たとえば、Canvslyでは登録作品にタイトルを付けることが必須となっている。ときに、子供の作品がいったい何を描いたものなのかわからず、タイトルに困ることもある。これは改善点ではなかろうか。また、双方ともに過去の写真を登録して、それをタイムスタンプにしたがって整理するという使い方ができない。

現在では、子供の「作品」とっておこうと考えるママ(ないしパパ)は、まずスマートフォンで写真を撮っておき、しかる後にFacebook、Google+、Flickr、Shutterflyといった一般的なクラウド環境に保存しておくというのが一般的スタイルになっている。こうしたソーシャルサイトが簡単に使える中、Canvslyのような「ニッチ」サービスが生き残っていくためには、「ご褒美」の仕組み以外にも、利用者を惹きつけるアイデアがより多く必要になってくると思う。

Canvslyはニュージャージー州プリンストンにて、個人提供のサービスとして成長を目指しているところだ。試してみようという方はこちらからダウンロードできる。

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(翻訳:Maeda, H)


Pinterest、利用者獲得のきっかけとして「Pinterest For Teachers」のハブサイトを提供開始

Pinterestが、特定のジャンルに応じた「ハブ」サイトを作成・運営するためのの実験として、「Pinterest for Teachers」を立ち上げた。URLもそのままpinterest.com/teachersとなる。もちろん9月からの新学期を意識してタイミングをあわせたものだ。Pinterest側も、他の関心分野についてもハブ化を推進する意味があるかどうかをテストする意味もあるのだと述べている。

この教師向けのハブサイトは数週間前に立ち上げられた。公式アナウンスやプロモーション以前に1300人が利用を開始したのだそうだ。8月13日のPinterestブログの記事により、公式デビューを果たしたと考えて良いのだろう。

ちなみに、このハブサイトを開設するにあたり、Edutopiaの協力も仰いだとのこと。Edutopiaというのは教育者向けのオンラインリソースを集めたサイトだ。ハブサイトには開設時点で19のボードがあり、プレスクールないしエレメンタリースクール(K-6)の教師向けのボードもある。またアート、科学、算数などといった科目毎のボードや、教室の装飾方法やおすすめブログなどを集めたボードもある。それぞれのボードのメンテナンスは、教職についているPinterestユーザーによって行われる。管理者のほとんどは、自前の教育関連サイトやブログも運営しているようだ。Pinterestによれば、この教師用ハブは、分野についても対象学年についても拡大していきたいと考えているとのこと。

分野別ハブ構築の様子をみるのに、まず教師用ハブの構築からスタートしたのは、ちょうど新学期間近の季節だからというだけではない。Pinterestの利用者には、Pinterestのサービスを利用して教育関連ツールや各種TIPS、教育プラン、図画工作素材などの情報交換を行っている教師たちがたくさんいるのだ。Edutopiaも、Pinterestは教師たちの情報交換の場所としてトップ5に入るサービスであると述べている。その言葉を裏付けるように、教育関連pin数は日々50万以上にのぼるのだそうだ。

尚、今回アナウンスされたハブサイト化への動きも、一連のコンテンツ・レコメンデーション機能のひとつとして理解することができる。6月以来、Pinterestはさまざまなレコメンド機能を実装しつつある。また、それにあわせてオプトアウト(do not track)のための仕組みも提供し始めている。サービス全体を「パーソナライズ」しようとする動きとしてとらえることができよう。こうした機能はモバイルアプリケーションでも実装されてきている。

もちろん、「Pinterest for Teachers」ハブがすなわち「パーソナライズ」の動きとイコールであるわけではない。ただ、「パーソナライズ」した情報を提供するための「きっかけ」としてハブを機能させたいと考えているわけだ。どのようなサービスなのだろうとアクセスしてきた人を受け入れるのがハブの役割のひとつだ。アクセスしてきた人の中には、誰をフォローしてどのようなページを見れば良いのかとレコメンドを欲しがる人もいるだろうし、また気の向くままにページを見て回りたいという人もいるだろう。そうした利用者のとっかかりとしてハブサイトを提供することにより(ハブサイトを見て回るだけならばアカウント登録も必要ない)、ちょっと訪問してみただけという利用者にも、サービスを一層深く利用してもらえるきっかけになればと考えているわけだ。

ハブを提供するという考えがうまくいくのかどうか、Pinterestは実験をしているところだ。pin数がどうこうというのではなく、エンゲージメントの具合やフィードバックの様子、ブログ記事への反応、あるいはFacebookページへの投稿などを総合して判断したい考えだ。

他ジャンルのハブについては、まだ何のアナウンスもない。しかしグルメ、ファッション、デザイン、テクノロジー、およびアウトドアといったジャンルに興味のある利用者は非常に多い模様だ。ハブ化というアイデアがうまくいきそうだとなれば、きっとそうしたジャンルでハブサイトを提供してくるに違いない。

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(翻訳:Maeda, H)


仮想デスクトップで使うブラウザSpikes, 企業のセキュリティをより確実に

企業のネットワークのマルウェアは、その大半がブラウザから来るSpikesのCEO Branden Spikesは、ブラウザを仮想化し、リアルのデスクトップから分離して使えば、それらのほとんどを防げる、と考えている。その、WebKitを使っているブラウザは、オンプレミスまたはクラウド上の仮想化環境で動くが、外見はGoogleのChromeによく似ている(ただしURLバーがタブの上にある)。

以前はSpaceXやPayPalのCIOだったSpikesは、ユーザはこんなツールを待望していたのではないか、と語る。今のユーザはたしかに、リモートアプリケーションという概念には慣れている。しかし現状では、ブラウザをリモートデスクトップで使うことは、とくに対話性の濃厚なサイトの場合、快適な体験とは言えない。

Spikesのチームによると、同社はブラウザの使用感をネイティブのアプリケーションと変わらぬものにすることに、とくに力を入れている。そのためにSpikesはテキストをPNGにエンコードし、ビデオはH.264に切り替える。これによってレイテンシが最小になり、YouTubeのビデオだけでなくブラウザ上のゲームでも遅れを感じずにプレイできるという。

Spikesを使うためには、まずソフトウェアをダウンロードしてから自分のアカウントでサインインする。するとブラウザが自分のデスクトップで立ち上がる。ブックマークなどの個人化データは、当然恒久保存される。タブのコンテンツのメニューや、立ち上げ時に複数のタブを開くなど、これまでのブラウザにない機能もある(後者は今のブラウザでもできるが、機能として強調されていない)。そして、Spikesを使おうと決めた企業は、自社用のSpikesを心ゆくまでカスタマイズしてもらえる。

今はOS X用クライアントを準備中だが、そのあとはモバイルアプリをローンチする。“Windowsマシンだけでネットワークのセキュリティを確保することは不可能”、とSpikesは言う。

当面Spikesは企業顧客の開拓に力を入れるが、長期的には消費者分野への進出も考えている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


なくしてしまった鍵のコピーを作成するKeyMe。ハードウェアとの連動で業界を革新?!

将来的には、さまざまな「鍵」は虹彩や指紋認証に置き換えられていくのだろう。しかし今のところはまだ、たとえば真鍮製の鍵などを持ち歩いていることが多い。ということはすなわち、鍵をなくして閉めだされてしまうこともあるわけだ。

この「締め出される不幸」を解決しようとするのが、ニューヨークのKeyMeだ。KeyMeは安全性を担保したクラウド型キーホルダーを提供しようとするサービスだ。但し、キーホルダーに保管されるのは鍵そのものではなく、鍵屋が鍵の複製に利用するための情報だ。この情報を持って錠前屋に行けば、簡単に鍵を複製してもらえる。iOSアプリケーション(日本では公開されていません)を利用して、鍵をスキャンして複製のための情報を保存しておくようになっている。

サービスのスタートは2012年で、Battery Venturesなどから230万ドルをシードラウンドにて調達している。またCoinstarのファウンダーであるJens Molbak(KeyMeの取締役にも就任している)などの投資家も出資している。ファウンダー兼CEOのGreg Marshによれば、今のところ、追加の資金調達の予定はないとのこと。

KeyMeの仕組みは、実のところ非常にシンプルなものだ。鍵を白い紙の上に置いて、表側と裏側を1度ずつスキャンする。するとアプリケーション側でデータを解析して鍵のタイプを判別し、削り出すための数値情報を記録する。この情報がデジタル・キーホルダーに保存される。鍵をなくしてしまった際には、9ドル99セントでこの情報を引き出し、そして錠前屋にデータを渡すことが出来るようになっている。

「錠前屋に特別な準備やソフトウェアなどは必要ありません。ただアプリケーションの画面を提示すればOKなのです。そこに表示される種別情報および数字群が、錠前屋にとっての共通言語として機能するのです。錠前屋にとっては普段の作業と何も変わること無く、機械を使って鍵を削り出すことができるようになります」。Marshはこのように説明している。

アプリケーションは無料で、登録したアカウントにいくつでも鍵情報を登録しておくことができる。

データの取り出しに費用がかかるわけだが、これは錠前屋を呼んで、データを取ってもらい、そして鍵を削りだしてもらうという手間とのバランスで考えるべきものだ。そうした作業を依頼すると、数時間の時間と、ときによっては150ドルほどの費用が請求されるのだそうだ。ちなみにこの情報は、Marshのフィアンセが経験によって教えてくれたものなのだそうだ。頻繁に鍵をなくしてしまう人で、それがためにMarshはスタートアップの設立を思い立ったのだという。

ニューヨーク在住の方は、あるいは既にKeyMeを目にしたことがあるかもしれない。マンハッタンのセブン-イレブン5件にはセルフサービス型のKeyMe搭載デバイスが設置されているのだそうだ。この機械では、鍵の複製もできるし、また将来に備えてデータを採っておくこともできるのだそうだ。この機械は既に数千回利用されたとのことだが、正確な数字については教えてもらえなかった。

KeyMeはネット型サービスであるので、友だちや家族とも鍵データを共有しておくことが出来る。友だちがやってきて家に泊まることになっているけれど、何かの都合で鍵を渡しておくことができないような場合にも、鍵のコピーを簡単に作ることができるわけだ。もちろん鍵のコピーが生まれれば、それに伴ってリスクも増えることにはなるだろう。ただ、信頼出来る相手となら情報共有をしておく利便性が上回るケースもあるに違いない。

StickNFindTileは、Bluetoothを使って鍵をなくさないようにするサービスを提供している。KeyMeは別の角度から鍵紛失問題に取り組み、なくしてしまった場合の対処法を提供しているわけだ。

利用が広がっていくかどうかについて、Marshはとくに心配していないようだ。と、いうか、かなりの需要があると見込んでいるようだ。

「こうしたサービスを必要としている人は、家屋に居住する人のほぼ全員であるというのが大きな強みです。鍵をスキャンしておくだけで、なくしてしまったときのコストをものすごく安価に抑えることができるようになるのです。わざわざうちに錠前屋に来てもらう必要もなくなります。鍵を間違って紛失してしまっても、ただちに対処できるようになるわけです」。

セブン-イレブンに設置した自動機械は、さらに設置場所を拡大する予定であるとのことだ。アプリケーションのみならず、削り出すためのハードウェアも統合することにより、一層簡単かつ便利に使ってもらおうと考えているわけだ。プライバシー面で不安を感じる人もいることだろう。しかしこのKeyMeが安全なものであると認知されるならば、家庭用錠前サービスの仕組みが大きく変わることにもなるかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H)


ProfitBricksが料金を下げてAWSは高すぎると主張

クラウドプロバイダのProfitBricksがCPUコアとRAMの料金を50%値下げして、うちのサービスはAmazon Web Services(AWS)に比べて大幅に安い、と主張している。

彼らはいろんな要素を取り上げてAWSと比較しているので、私の頭の中も散漫になってくる。たとえばAWSの一時的ストレージの要件とか、AWSの料金プランの体系など。AWSはインスタンスのサイズに柔軟性がない、とも言っている。まだまだある。

ProfitBricksには好感を持っているが、それはAWSより安いからでも、AWSが高すぎるからでもない。同社の良いところは、そのプラットホームの力と、市場への接近の仕方だ。数か月前に同社を取り上げた記事でこんなことを書いた:

ProfitBricksは1950万ドルを調達し、総資金量は3830万ドルになった。ファウンダのAchim WeissとAndreas Gaugerが作った1&1 Internetは、世界最大のWebホスティングプロバイダの一つで、70000台のサーバが1000万の顧客にサービスを提供している。同社は資金量だけでなく、顧客のスケールアップ/スケールアウトニーズへの対応力でも優れている。スケールアップではAWSと似た環境で新しいアプリケーションを展開でき、一つのスタックが最大で62コアまで大きくなれる。

ProfitBricksは、計算とストレージにのみ課金する。しかも従量制なので、AWSより安いと彼らは言いたいのだ。InfiniBandネットワーキングのピュアプレイを志向しているので、同社のサービスはとても高速だ。

しかしAWSの価値は、まさにProfitBricksがバカにするそこんところにある。AWSには幅広い料金体系があり、顧客のニーズにきめ細かく応じられるサービス群を擁している。

結局のところProfitBricksもAWSの料金体系の真似をして、そのうえで、高速で柔軟性に富むサービスを売り物にしたいのだ。それはそれで良い。しかし、そこにはおそらく、AWSの顧客がAWSを捨ててまでProfitBricksになびくほどの、要素はない。AWSを使うのは、料金が理由ではなくて、AWSのすべてがその理由だ。トータルコスト、コミュニティ、そして多様なサービスと機能。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


居間の大画面に動画をストリーミングできるGoogle Chromecast―試用してみたが、圧倒的にオススメだ

「十分に進歩したテクノロジーは魔法と見分けがつかない」というアーサー・C・クラークの名言を思い出した。

GoogleのChromecastの使い方はこの上なんく簡単だ。テレビのHDMI端子に挿しこむだけでよい。すると手持ちの各種スマートフォン、タブレット、パソコンからビデオや音楽をストリーミング再生できる。Chromecastには専用リモコンはない。何であれストリーミングできるデバイスならすべてリモコンとしても利用できる。Chromecastには独自のユーザー・インタフェースさえない。ユーザー・インタフェースもストリーミングを開始したデバイスに任されている。ChromecastはテレビをWiFi経由でクラウドのコンテンツに接続させるポータルに過ぎない。

驚きが詰まった小さなデバイス:

これほどいろいろな意味で驚かされたデバイスは最近記憶にない。

値段が驚きだ。わずか35ドルである。冗談だろう? Googleによれば、これでも赤字販売ではないという。 WiFiチップ、CPU、2GBのフラッシュメモリ、RAM、HDMIライセンス料、組立て、包装、送料等々を支払ってもまだ利益が出るのだそうだ。もちろん利益といっての4セントかそこらだろうが、ともかく35ドルでも赤字ではないそうだ。

設定? HDMI端子に挿す。あとはパソコン、スマートフォンのChromecastアプリからWiFiに接続させるだけ。 以上で終了。これも驚きのシンプルさだ。

アプリがサポートするコンテンツの幅も驚くほど広い。YouTubeやNetflixがすでにサポートされている。しかもいちいち個別のアプリを起動したり、設定したりする必要がない。スマートフォンでYouTubeを訪問するとすでにChromecastボタンが表示されているので、押すだけだ。

Chromecastの発表自体、なかなか驚きの演出だった。Googleは発表のまさにその瞬間までほぼ完全にChromecastの秘密を守ることに成功した。Googleの開発チームに加えてNetflix、Pandora、OEMメーカーなど数多くのサードパーティが加わっているのに見事な情報管理だ。

もちろんChromecastはまだ完全な製品ではない。しかしほとんどは容易に修正可能だろう。それに35ドルでは機能に多少の限定があっても強い批判の対象にはなるまい。

良い点、悪い点:

ストリーミングの画質は良い。少なくともXbox 360やApple TVに劣ることはない。Chromecastに最適化されているNetflix、Youtube、GooglePlayのコンテンツについては非常に良い。再生、停止などはストリーミングを開始したデバイスだけでなくChromecastアプリをインストールしたあらゆるデバイスから自由にできる。

ただし、パソコンのChromeブラウザにChromecastエクステンションをインストールしてHuluやHBOGOのようなChromecastに最適化されていないチャンネルを再生すると画質はかなり落ちる。これはYoutubeなどの場合、サイト側でChromecast向けに直接ストリーミングを行うのに対して、Huluなどの場合、パソコンでChromecast向けにエンコードし直してストリーミングを行わねばならないためだ。パソコンが間に入るため、その能力によって画質に大きな差が出ることなる。

Chromeエクステンションの話が出たついでに紹介しておくと、 パソコンにローカルに保存されたコンテンツをこのエクステンションを通じてChromecastにストリーミングすることもできる。AVI、MOV、MKVなどのフォーマットを試してみたがうまくいった(ただし2012年のMac Book Airと802.11nではかなりフレームレートが落ちた)。

さらに改善されるはず:

AppleTV、正確にいえばAppleTVのAirPlayストリーミング機能と比較してChromecastの最大のセールスポイントはクロスプラットフォームの互換性だ。AirPlayが基本的にiOS、Mac、WindowsのiTunesに限定されるのに対してChromecastアプリはiOS、Android、Mac、Windowsのすべてで作動する。いまのところChromecastのCastプロトコルはAirPlayほどサードパーティのメーカーに広まっていない(なにしろ今登場したばかりだ)が、状況はすぐに変わるだろう。スマートテレビへの内蔵、スピーカーその他のガジェットのサポートなどが近く実現しそうだ。そうなればAirPlayの有力なライバルとなる。

結論:

これほど自信をもって推薦できるデバイスも珍しい。多少でも興味を持ったらともかく買ってみるようお勧めする。35ドル以上の価値があることは保証する。またその機能は近いうちに大きく改良、拡張されるはずだ。多少のバグもすぐに修正されるだろう。

[情報開示:GoogleはChomecastを1台評価用に貸してくれた。この記事を書き終わったら返却しなければならない。大いに気に入ったので私は1台注文ずみだ。]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


家にあるハードディスクがそのままクラウドファイルサーバになるYounity

今年の初めに休暇旅行でアイスランドへ行き、たくさん写真を撮った。とても美しい国で、とくに光(真夜中の太陽)がすごく独特だ。でもこれまでは、それらの写真を誰にも見せなかった。私のアイスランドの写真は自分のコンピュータのハードディスクの上にあって、忙しい(or怠け者の)私には、Webにアップロードするひまがなかったのだ。だから、友だちや家族に“アイスランドはどうだった?”と聞かれると、いつも、“すばらしかったわ。そのうち、すごい写真をアップロードするからね”、と答えていた。

でも今度出たYounityというアプリケーションは、こんな状況を過去のものにしてくれる。YounityはロサンゼルスのスタートアップアクセラレータMuckerLabの今期生だが、自称“パーソナルクラウド”というものを作って、ユーザのいろんなデバイス上にあるすべてのファイルに、いつでもどこからでもアクセスできるようにしてくれる。

今月初めにL.A.へ行ってMuckerLabを取材したとき、Younityの協同ファウンダErik Casoに会った。彼のピッチ(pitch, 売り込みトーク)はとてもおもしろくて、これなら家のコンピュータにあるアイスランドの写真に自分の携帯からアクセスできそうだ、と感じた(おっと、今クライアントアプリはiPhoneのみ)。要するにそれは、クラウド体験があなたの身近にやってくること…あなたの方がクラウドへ行くんじゃなくて。

まだ初期的な段階のアプリケーションのようだが、将来性は大いにありそうだ。今後の成熟が楽しみ。では、上のビデオでCasoのインタビューをご覧いただこう。

〔余計な訳注: 調べるひまがなくて読者には申し訳ないが、Android(==Linux)上にはとっくにこんなアプリ/アプリケーションありそう。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Amazonのクラウド・ドライブ・アプリがビデオのアップロードをサポート―Androidデバイスで再生もできる

モバイル・デバイスから写真をAmazonのクラウド・ストレージにアップロードするアプリ、Amazon Cloud Drive Photosが新たに動画もサポートした。ビデオはマニュアルでファイルごとにアップロードすることも可能だが、デバイスにオートセーブを設定すれば、自動的にアップロードが行われる。

写真の自動アップロードは今年初めのアップデートで可能になっていたが、ビデオのアップロードはマニュアルだろうと自動だろうとこれまでサポートされていなかった。Amazonによればアップロード/ダウンロード可能なビデオは1ファイル最大2GB、最長20分だという。

これはYouTubeのデフォールトの設定である15分よりやや長い(ただしYouTubeでもアカウント認証を受ければこれより長いビデオがアップロードできる)。いずれにせよ20分というのはペットや子供、パーティー、旅行記録などほとんどの個人ユーザーの目的には十分な長さだろう。

ひとたびファイルがAmazonのクラウドに保存されると、Kindle Fire HDを始めとしてAndroidデバイスで再生可能となる。Amazon’s Web Servicesブログによれば、ファイルの保存にあたってはAmazon’s Elastic Transcoderサービスが用いられ、20種類のファイル・フォーマットと40種類のビデオ・コーデックがサポートされる。Amazonは「あらゆるビデオをアップロード後15分以内にコード変換処理を終えるのが目標だったが、さいわい、多くのファイルはアップロード後、1、2分で再生できる」としている。

AmazonはAmazon Cloud Drive PhotosアプリのiOS版も提供しているが、今回ビデオのアップロード機能がサポートされたのはAndroid版だけだ。AmazonのKindleタブレットがAndroidベースであるし、Androidアプリの方がいち早く2012年11月にローンチされていることから考えてもこれは順当だろう。

iOS版はやっと今年の5月に登場した。手頃な利用料金でAppleのiCloud同期サービスに対するライバルとなりつつある。5GBまで無料、 10ドル/年で20 GB、25ドル/年で50GB、等々で最大は500/年で1TBだ。ただしこうした大量nストレージ容量を提供しているのは、Amazon Cloud Storageが単に写真(と今回はビデオも加わったが)だけを対象としたサービスではないからだ。これはGoogleDriveや Dropboxのライバルであり、音楽やドキュメントなどを保存し、ユーザーはAmazon Cloud Playerを通じてストリーミング表示させることができる。

つまり今まもユーザーはAmazon Cloud Storageにビデオをアップロードすることはできた。ただCloud Drive Photosアプリからのアップロードが初めて可能になったわけだ。

Cloud DriveアプリはGoogle PlayとAmazon Appstoreですでに公開されている

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


MegaやDropboxに挑戦するShared.Com, 無料で100GBまで

四人の自己資金だけの会社Share Mediaは、Kim Dotcomに勝つことをねらっている。そのサービスはファイルをドラッグ&ドロップしてそれらをたちまち、ほかの人たちと共有可能にする、それだけだが、無料で100GBまで利用でき、ファイルサイズの制限は2GBだ。ぼくがこの記事を書いている時点では、Kim DotcomのMegaは50GB、そのほかの類似サイトもだいたいその程度だ。

ありがたいことに、このサービス上で共有されるファイルは、もっともらしくダウンロードキューに入れられて待たされたり、また“プロ対無料”のスピード差もない。ファイルをダウンロードするとき、希望すれば広告が出ない。同社はすでに、5億ファイルを共有している。UIはCrateみたいにシンプルで、デベロッパやたまにファイルを共有したい人などが、簡単単純迅速に使えるようになっている。

トラフィックはまだ遅いが、徐々に速くなっている。“すこし時間をかけて、アーリーアドプターたちの特有のニーズを理解したい。また初期のユーザからの提案を受け入れて変更もしたい”、とプロジェクトのCTO Florian Cervenkaは言っている。

彼曰く、“Shared.comは、これから作っていくロバストなAPIのプロトタイプだ。デベロッパはそのAPIを使って、自分独自のクラウドストレージサービスを展開できるし、また、クラウドストレージアプリケーションを素早く開発できる”。彼らはホスティング企業で長年働いた経験があり、flixya.comなどの大規模ストレージシステムをいくつか作ってきた。

“今でもそれらのサイトの一部は運用している。その収益で、今回のプロジェクトのための安いハードウェアや帯域を買うことができた”。

このページから登録すると、6か月の試用ができる。彼らはフィードバックを求めているから、じゃんじゃん送ろう。ぼくはその期間に、19世紀の絵葉書のスキャンを共有しよう。木彫りのセミヌードの妖精ちゃんなんかも、いるよ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


OpenStackをAPIレベルでAWS互換にせよ, という切実なる公開書簡

CloudscalingのCTO Randy Biasが今日(米国時間7/24)、OpenStackに宛てた公開書簡を書いた。その中で彼は、オープンなクラウドを目指す各種の取り組みは、Amazon Web Services(AWS)のデファクトスタンダード性を素直に認めて、それと互換性のあるAPIを整備しなければ勝利できない、と述べている。

彼は、AWSは事実上のリーダーだ、と主張する。だから正しい対応は: OpenStackは独自のAPIを作って自己を差別化する努力をやめて、AWSがパブリッククラウドにおける勝者であるという現実を受け入れることだ。そうすればOpenStackは、AWS的なパブリッククラウドと現代的なデータセンターが交わる“ハイブリッドな”クラウドの分野で勝てる。OpenStackが伸びる場所は、そこだ。その顧客は、それなりの伸縮自在性を持つクラウドオペレーティングシステムを必要とするが、何万何十万もの一般ユーザにサービスを提供する必要はない企業ユーザだ。

とりわけBiasは、OpenStackを使う場合の、スタンダードとなるAPIを作ることを、Rackspaceに呼びかけている。彼は、OpenStackがこれまでRackspaceのオープンクラウド寄りのAPIを作ってきた経緯を、詳しく述べている。Biasによれば、RackspacはOpenStackのAPIを自分のために作ってきた*。同社はOpenStackを利用して、自己のサービスを差別化しようとしてきた。〔*: RackspaceはOpenStackの最有力の創設メンバーの一人。〕

たしかに、それは事実だ。明らかにRackspaceは、OpenStackという公共的な性格の団体を作るという機に乗じて、自分自身をより大きくしようとした。当時の同社は、クラウドの今後の方向性について模索し迷っていた。同社は、ホスティング企業からソフトウェアデベロッパへという、重要な曲がり角にさしかかっていた。そのことを、Rackspace自身も理解していたのか? 理解していたと思う。同社はOpenSackのリーダー役を買って出ることによって、それをコントロールしようとし、自社のクラウドとそのAPIをOpenStackの“ネイティブの”APIと呼ばせようとした。

しかしRackspaceには、世界初の大規模で本格的なオープンクラウド運動の口火を切った、という功績がある。今ではそこに、250社あまりが参加し、何千ものデベロッパが120万行を超えるコードを書いている。IBMもRed HatもHPも、みなOpenStackに加わった。そしてBiasはCloudscalingの新しい市場を開拓でき、そこに対し、クラウドインフラを構築するためのシステムサービスを提供していった。

しかし、ここにきてBiasがAWSを持ち上げるのには、理由がある。それは、彼自身の利害だ。彼の会社はAWSとGoogle Compute Engineを重視している。だからAWSとOpenStackが重なるようなAPIがあれば、彼の若い会社の大きな助けになる。こういった問題に関しては、クラウドコメンテーターのBen Kepesが良い記事を書いているので、一読をおすすめしたい。

それは、奇妙な状況でもある。OpenStackに参加している企業は、強きも弱きも、大きな市場圧力にさらされている。そしてそのプレッシャーを増幅しているのがAWSと、その疑問の余地なきイノベーションだ。OpenStackの創設から今日までの3年間で、AWSはクラウド宇宙を支配してしまった。

しかし、HP、IBM、Red Hat、AT&Tなどなど多くの企業は、AWSをそう簡単にパブリッククラウドのデファクトスタンダードとして受け入れるわけにはいかない、それぞれの事情を抱えている。彼らは、AWSに勝たせたくない。彼らから見ると、Amazonの、自分がコントロールを握ろうとするときのやり方は、あまりにも苛烈で非情だ。そのAPIはクローズドだし、いつでも勝手に変えることができる。独自の理由で、一部のサービスを一方的に切り詰めることすらありえる。

だから、Rackspaceがこれまで我が道を行くでやってきたように、誰もがそうしてきたのだ。

Biasは、OpenStackの将来性に疑問を投げかけている。最終的にそれは、誰の役に立つものになるのか、と。この、AWSのAPIとの互換性、という問題について、RedMonkのアナリストDonnie Berkholzに話を聞いてみた。彼は、結局それは将来性の問題だ、と言った。APIのプロバイダには、それを将来にわたってメンテする義務がある。そのAPIは、今後もずっと動くもの、使えるものでなければならない。その点に関しては、Amazonには疑念の余地がない。しかしOpenStackは、大きなクェスチョンマークだ。OpenStackには今すでに変種が相当多くて、統合を難しくしている。たとえば、Dreamhostはストレージに(分散並列ストレージ)Cephを使い、RackspaceはSwiftを使っている。Dellは、自社製を使っている。

OpenStackは、こういった複雑性を解消すべきである。しかし参加企業が多くてそれぞれが独自の利害を抱えているから、その課題は、言うは易く行うは難しの典型となる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、Chromecastを35ドルで今日から発売―居間のテレビに取り付けるとビデオコンテンツをストリーミング受信できる

GoogleからChromecastが登場した。名前でも推測できるとおり、GoogleのChromeブラウザ/OSをベースにして家庭の大型テレビにクラウドからコンテンツをストリーミングするデバイスだ。

Googleによれば「ChromecastはYouTube、Google Play、Netflix、Pandora、クラウド上の写真をHDTVにストリーミングするもっとも簡単な方法だ」という。コンセプトはApple TVに近い。Google TVと呼ばれなかったのは、残念ながらGoogleはすでにそういう製品を作ってしまったからだ。.

ChromecastはChrome OSが通常のコンピュータ以外の消費者向けデバイスに利用された最初の例となる。これまでChrome OSはデスクトップ、ノートなどのデバイスでのみ作動していた。今回Googleは居間のテレビに取り付けて、コンピュータだけでなくモバイル・デバイスからもストリーミングを受け取れるデバイスをChrome OSベースで開発した。

ChromecastはストリーミングにAirPlayタイプの方式を採用している。たとえばYouTubeの場合、AndroidないしiOSでサイトを訪問し、「他のスクリーンにキャストする」ボタンを押すだけでよい。とても簡単だ。

Chromecastは要するにAirPlayに対するGoogleの回答だ。ただしマルチプラットフォームをサポートしているところが違う。またいったんストリーミングを開始すればスマートフォンなどのデバイスは別の作業に移ることができる。それどこころかデバイスはスリープモードになっていてもかまわない〔注〕。これに対して欠点は(少なくとも現在のところ)、ChromecastデバイスはAirPlayほど多様なコンテンツをサポートしていないことだろう。

一方、良い点はどんなデバイスでもリモコンに使えることだ。あるデバイスでビデオのストリーミングをスタートし、そのデバイスをシャットダウンし、別のデバイスでコントロールを引き継ぐことがシームレスにできる。

同一のLANに接続しているデスクトップ・コンピュータもコントローラーに使える。キャスト・ボタンをクリックすればビデオのストリーミングが始まる。コンピュータはすぐに別の作業を始めてよい。

ChromecastデバイスそのものはテレビのHDMI端子に取り付ける小型のスティックでRoku Steaming Stickに似ている。Google TV担当副社長Mario Queirozは「セットアップがまったく簡単なことが特長だ」と述べた。

Chromecastは35ドルでアメリカで本日から発売されている。

〔日本版注:Apple TVの場合、iTunesをインストールしたデバイスからストリーミングされるコンテンツを受信してテレビに出力するのに対して、 Chromecastは無線LAN経由で自らウェブに接続し、コンテンツのストリーミングを受信してテレビに出力する。スマートフォンやコンピュータはどのコンテンツをストリーミングするかChromecastに指示するリモコンの役割だけを受け持つ。〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


容量無限大のクラウドストレージを提供するBitcasaがアプリのバージョン2.0をローンチ, 保存データ総量は30ペタバイトに

TechCrunch Disrupt出身のBitcasaは、このところ5か月ほど、新規ユーザの獲得やフィードバックに耳を傾けるなど、ベータからの脱出のための成長を続けていた。そして今日(米国時間7/23)やっと繭から孵化したBitcasaは、そのデスクトップiOSAndroid用アプリケーションのバージョン2.0をローンチした。

Bitcasaは、ユーザに容量無限大のストレージを提供すると宣言して注目を集めたソフトウェアサービスだ。そのために同社は、重複排除という特殊な圧縮アルゴリズムを使う…一つのコンテンツのワンバージョンしか保存してくれないのだが、(多くのユーザによる寄ってたかっての)改版に関しては“前と変わってる部分だけ”が保存される。だからBitcasaは、多くの人が使えば使うほど高速になる。

今日、協同ファウンダでCEOのTony Gaudaは曰く、“まったく新しい段階に入った。バージョン1.0は、こんなものがあるよ、という見本みたいなものだったが、バージョン2.0は製品として磨かれ完成している”。

バージョン2.0は、両モバイルアプリのUIが新しい。ほしいコンテンツがすぐ見られるようになった。コンテンツの旧バージョンを削除せずに改版を重ねていくと、下手(へた)すると、検索が地獄になりがちなのだが。

Bitcasaは、スマートサーチ(頭の良い検索)というものを用いる。つまり、各ページの名前や日付で検索でき(Androidももうすぐ対応)、また最近のファイルには容易にアクセスできる(‘最近見た’と‘最近加えた’の切り替えもできる)。

アプリにPINコードを加えてセキュリティを高め、クライアントサイドの暗号化をデフォルトにした。また、アプリ内から無限容量プランを購入できるようになった(月10ドル、年99ドル)。

“難しいのは、ユーザ数は国際的に急増しているのに、製品が英語版しかないことだった。でも今日からは、アメリカ英語、イギリス英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、ブラジルポルトガル語、繁体中国語、簡体中国語、日本語、韓国語をサポートする”、とGaudaは言う。

おっと、忘れてならないほど重要なのは、ファイルのアップロードや管理がブラウザ内でできることだ。Gaudaによると、ハードディスクとFlashのあるところならどこでもBitcasaを使えるようにしたいそうだ。

このサービスはベータ中にもユーザ数が急伸し、保存されているデータ総量は3月の18ペタバイトから今では30ペタバイト以上になっている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))