Facebook Messengerに簡単に遊べるインスタントゲーム17種が登場

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メッセージの返信を待っている時間は手持ち無沙汰になる。でもこれからは、Facebook Messengerでパックマン、スペースインベーダー、Words With Friends Frenzyなどのインスタントゲームで遊べて、友人と得点を競えるようになった。ゲームはメッセージのスレッド内から直接遊ぶことができる。HTML5のモバイルウェブ規格で構築されているので、やぼったいネイティブアプリをダウンロードせずとも瞬時にロードするのが魅力だ。

Facebookはユーザーと友人にちょっとした競争心を持たせることで、Messengerの利用時間を伸ばしたい考えだ。2人で同時に遊ぶのではなく、非同期的に得点を競う。いつでも、隙間時間に遊べるものだ。最終的にインスタントゲームはゲームを宣伝したい開発者からの広告収入をFacebookにもたらすかもしれない。アプリ内購入機能はまだないが、将来的にそれが実装されるのなら、それも収益源になるだろう。

インスタントゲームは本日アメリカを始めとする30の国でローンチした。バンダイナムコ、コナミ、タイトーといった昔からあるゲーム会社からZyngaやKingといった若いゲームスタジオのゲーム17種類がある。インスタントゲームはiOSとAndroidの最新バージョンで利用可能だ。ゲームは、Facebook Messengerのスレッドの電話とスタンプのボタンの隣にあるゲームコントローラーのアイコンをタップすると出てくる。Facebookのデスクトップアプリでも、モバイル画面が上に出てきて遊ぶことができる。

どのゲームで遊ぼうか? ゲームのレビューはこちらの記事を参照してほしい。

ハンズオン:ゲームの操作は難しいが、スムーズで中毒性が高い

17種類のゲーム全てを試してみた。ゲームの画質も動作も良い。どのゲームも3秒から10秒程度ですぐにロードするのには驚いた。得点やランキングも自動でスレッドに共有されるので、友人を誘うのがとても簡単だ。ほとんどのゲームはわかりやすくシンプルで、1回のゲームは30秒ほどで終わる。これなら誰でも隙間時間に遊ぶことができるだろう。

 

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ただ、コントローラーの動作がぎこちなく、それにはストレスを感じた。パックマンやアルカノイドといったゲームでは致命的だ。しかし、Messengerのインスタントゲームが大成功することの方が大問題だ。すんなりとゲームを進められるため、友人より高得点を取ろうとゲームにはまって、仕事より長い時間ゲームをしてしまいかねない。

FacebookでMessengerを率いるDavid Marcusは「ソーシャルゲームはデスクトップで大成功しました。しかしモバイルゲームでは、ソーシャルな要素は後付けでしかありませんでした」という。Facebookはすぐに遊べて、非同期的に友人と競う要素のあるゲームを作り直すことで、親しみやすいゲームの新時代を切り開けるのではないかと考えている。

HTML5でFacebookがゲーム領域に再挑戦

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Draw on your high score sheets and share them with friends to talk trash

Facebookは2008年頃、デスクトップアプリのソーシャルゲーム領域を席巻していた。便利なツールアプリより、ゲームが人気だった。ピーク時にはアプリ内購入の30%を得ることで、四半期に2億5000ドルもの収益を上げた。ゲームの中毒性とバイラルな特性により、Facebookはユーザー数とエンゲージメントを伸ばすことができた。今でもFacebook.comの滞在時間の15%はゲームに費やされている。ただ、最近の四半期のゲームの収益は1億9600万ドルに減速している。

ユーザーがモバイルに移行するほど、 Facebookはゲームを声高に宣伝しなければならなくなった。iOSとAndroidしかネイティブアプリストアを持っておらず、アプリ内購入から割り前が得られるのも彼らだけだ。2011年、Facebookも必死になってHTML5のゲームプラットフォーム「Project Spartan」を開発した。しかしこれが頓挫したのは、当時のモバイルウェブ規格は、ダウンロードして使う豪華なネイティブアプリに対抗できるほど強力なものでなかったからだ。

月日は流れ、開発者はHTML5で画質が高く、さくさく動くゲームを作る方法を見つけた。Messengerで Infinity Bladeのような3D長編ゲームを見ることはないだろうが、80年代のクラシック・アーケードゲームや簡単なパズルゲーム、 Flappy Birdのようなレトロゲームなら支障はない。

FacebookはMessengerゲームのアイデアを試すのに、自分たちでもゲームを作った。バスケットボールをシュートするゲームで、ユーザーは累計12億回、このゲームで遊んでいる。これはFacebookの予想以上だった。Messengerにゲームがあればユーザーは遊ぶことがわかった。もちろん、LINEやKakao Talkなどのチャットアプリも、チャットゲームプラットフォームを先駆けて開発している。

今月の初め、Facebookがインスタントゲームのプラットフォームを構築しているという情報が入った。TechCrunchは、このゲームがどのように使えるかやCandy Crushを制作したゲーム会社Kingがこのプラットフォームのために開発していることを他に先駆けて伝えた。

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MessengerのHTML5ベースのゲームの画質は他のゲームより劣るかもしれないが、エンゲージメントに関しては引けを取らないだろう。Gameeによるゲームネットワークの調査によると、チャットゲームではユーザーは毎日平均で2セッションにわたり、34回、21分間遊んでいる。ネイティブアプリのゲームでは平均2.5セッション、43回、33分間だ。

このチャットゲームのエンゲージメント率と気軽にゲームを始められる手軽さを持ち合わせたMessengerのインスタントゲームは広いオーディエンスに受け入れられるかもしれない。

You can play Messenger Instant Games like EverWing on Facebook's web site thanks to an overlaid phone screen plus your mouse and keyboard

FacebookのウェブサイトでもMessengerのインスタントゲームで遊べる

これはFacebookのゲーム領域の2軸の戦略の一環だ。モバイルにはMessengerのインスタントゲームを据えた。デスクトップでは新たにダウンロード可能なFacebook Gameroomを展開する。これはSteamのような高価で本格的なデスクトップゲームプラットフォーム以外の選択肢をとして、安価で手軽、そしてソーシャルなプラットフォームとして打ち出している。

インスタントゲーム

インスタントゲームの最大の魅力は、素早くゲームを始められることにある。メッセージスレッドにあるゲームコントローラーのアイコンをタップして、一覧からゲームを選ぶとすぐにゲームがロードする。一回のゲームは短く、獲得した点数はプライベート、あるいはグループのスレッドに自動で投稿される。

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高得点を獲得したスクリーンショットには、対戦相手を煽る文言など、Snapchat風に書き足すことができる。ニュースフィードにゲームをシェアすると、それを見た友人はFacebookアプリでもウェブサイトでもすぐにゲームに飛ぶことが可能だ。

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ここにゲームの一覧と簡単な説明を載せた。ゲームを試して、良かった順に並べている。

  • ギャラガ (バンダイナムコ)–クラシック・アーケードゲーム。宇宙船でシューティングする縦型ゲーム。ゲームセッション1回につきライフは1。
  • スペースインベーダー (タイトー)
    クラシック・アーケードゲーム。宇宙空間でシューティング。
  • EverWing (Blackstorm) – 1942年版縦型スクロール式ゲーム。画質とスピードに秀でた宇宙船シューティングゲーム。
  • Endless Lake (Spilgames) – 美麗なTemple RunとMonument Valleyを合わせたような、アート調アドベンチャーゲーム
  • アルカノイド (タイトー) – クラシックなブロック崩しゲーム。モバイルの操作感が良い。
    • Words With Friends Frenzy (Zynga) – 高速なScrabble(言葉並べ)ゲーム。少し練習が必要。
    • Hex FRVR (FRVR) – テトリスとCandy Cushを合わせたパズルゲーム。手が詰まるまで、列を消していく。
  • パックマン (バンダイナムコ): クラシック・アーケードゲーム。モバイルのスワイプコントロールが難しく、すぐに捕まってしまう。
  • Shuffle Cats Mini (King) – 画面スワイプの速度と方角でカードを飛ばす射撃ゲーム
  • Wordalot (MAG Interactive) –Scarabbleとクロスワードパズルを合わせたゲーム。解く速さを競う。他とは趣が違って面白いが、難しい。
  • ZooKeeper (Kiteretsu) – 時間制限つきCandy Crush風ゲーム。8ビットの画像はかわいいが、1回のゲームセッションが長い。
  • Track & Field 100M (コナミ) – ボタンを連打するスピードトライアルゲーム。コンピューターの対戦相手が速すぎる。
  • Brick Pop (Gamee) – ドットスタイルのパズルゲームで、ルールの要領を得ない。
  • Bust-A-Move Blitz (タイトー / Blackstorm) – バブルを合わせて消していくパズルゲーム。1回のゲームに時間がかかる。
  • 2020 Connect (Softgames) – Candy CrushとThreesのパズルを合わせたゲーム。Messengerで遊ぶにはやや退屈。
  • Templar 2048 (Vonvon) – Threesスタイルの時間制限つきパズル。遊び方が難解。
  • The Tribez: Puzzle Rush (Game Insight) – 恐竜版Candy Crushのクローン。

現在プラットフォームはクローズドベータ版だが、インスタントゲームを開発したい場合はここから登録することができる。

今日からインスタントゲームから利用できる国は以下の通りだ。ノルウェー、デンマーク、スイス、スウェーデン、英国、カナダ、米国、日本、オランダ、オーストラリア、オーストリア、ラトビア、ドイツ、アイルランド、ベルギー、ニュージーランド、フランス、シンガポール、フィンランド、香港、ロシア、エストニア、台湾、スロベニア、プエルトリコ、キプロス、イスラエル、リトアニア、スペイン、イタリア。

ギャラガやスペースインベーダーといったクラシックゲームがこのプラットフォームに最適だ。EverWingやEndlress Lakeも、新しい手法で短く楽しいゲームを確立している。

Facebook:次の開発者エコシステム

開発者にFacebookで引き続き開発を続けてもらうには、彼れらが収益を得られるプラットフォームにしなければならない。今のところ、これらのゲームには広告もなく、アプリ内購入もない。自分の裁量で課金や広告表示ができるネイティブアプリの代わりにインスタントゲームを作ってトラフィックをそちらに送っても、開発者は損をすることになりうる。

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Marcusは「ゲーム開発者がマネタイズする方法は見つけます。私たちは彼らと約束していますから、来年にもとりかかります」と話す。ただインスタントゲームではバイラルな広がりとトラクションが期待できる。スレッド内でチャット相手と自動で競ったり、ニュースフィードの投稿でゲームをシェアすることができる。開発者はオーディエンスを獲得してから、マネタイズを行うことも十分にできるだろう。

iMessageのゲームストアはアプリの奥にあり、ゲームもパッとしない。それに比べるとFacebook Messengerは魅力的だ。Kakao Talkでは別のネイティブアプリをダウンロードする必要があり、チャットアプリ自体はログインとゲームの競争の時に使用する仕組みだ。Messengerのインスタントゲームは、友人とのコミュニケーションにも自然と馴染む体験だと言える。また、TelegramもHTML5のゲームを提供しているが、ゲームはチャットボットにしかなく、見つけるまで時間がかかる。

また、Facebookはスパム対策をしなければならない。デスクトップでは、ソーシャルゲームはスパムの温床となっていた。Zyngaなどの開発者は、ゲームで友人に助けを求めるのにコミュニケーションチャンネルを乱用していたのだ。Facebookのプロダクトマネージャーを務めるAndrea Vaccariは、過去の間違いから学んだと話す。「現在、すべてのアプリ内コミュニケーションは私たちが管理しています」と言う。

Facebookの10億人のユーザーにリーチできることを引きに、最高の開発者にメッセンジャーを招き入れることができるかが鍵だろう。彼らがメッセンジャーから2タップで遊べるゲームを開発するのなら、Messengerは友人と話すのと同じくらいやみつきになるコンテンツを手に入れたも同然と言えるかもしれない。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

RedditのCEO、トランプ支持派のコメントを密かに書き直していたと認める

Reddit mascots are displayed at the company's headquarters in San Francisco, California April 15, 2014. Reddit, a website with a retro-'90s look and space-alien mascot that tracks everything from online news to celebrity Q&As, is going after more eyeballs, and advertising, by allowing members of its passionate community to post their own news more quickly and easily. REUTERS/Robert Galbraith  (UNITED STATES - Tags: BUSINESS SCIENCE TECHNOLOGY)

RedditのCEO、スティーブ・ハフマンはドナルド・トランプ支持派がサイト上でハフマンについて書いたコメントを密かに書き直していたことを認めた。

ハフマンはredditでも最大級のフォーラム、「次期大統領(President-elect)」のスレッド上に残されたハフマンに関するコメントを書き直していた。ただしメッセージそのものを削除したわけではなかった。しかしこのことでRedditはユーザー・コミュニティーと協調していないという懸念を復活させることになった。

2005年にアレクシス・オハニアンと共同でredditを始めたハフマンは、「イェス、“fuck u/spez”を書き直した。コメントの“spez”を“r/the_donald mods”と直し〔てドナルド・トランプ支持派のスレッドのモデレーターにリダイレクト〕した」と書いている。

この問題は#pizzagate事件に関連している。 これはワシントンを本拠とするピザ・チェーンが児童売買のネットワークの中心で、ヒラリー・クリントンと選対委員長のジョン・ポデスタが運営者だったというフェイク・ニュースだ。もちろんこのストーリーは捏造だがソーシャルメディアでは注目を集め、New York Timesが記事を書くほどだった。

それほど話題になれば当然だが、この噂はRedditにも投稿された。しかしredditではPizzagate関連のスレッドを特定の個人に関する情報であり利用約款違反だとして次々に閉鎖した。

ハフマンはredditの共同創業者だが、2010年に旅行サイトのHipmunkを立ち上げるためにredditを去った。しかし昨年 エレン・パオの失脚でCEOに復帰していた。ハフマンの主張によれば、コメントを書き換えたのはスレッドの閉鎖に伴ってハフマンに対する暴言が書き込まれたことに対処したのだという。

コメントを編集したことを公けに認めた文章でハフマンは謝罪はしていないが、印象はそれに近い。

「ユーザーとは良好な関係を保っていきたいが、ペドファイルと罵られ続ければ頭に来る。CEOとしてこういうことはすべきでなかったかもしれない。ともかく全部修復した。コミュニティー・チームにはひどく怒られてしまった。もうこういうことはしないと約束する」とハフマンは書いている。

ハフマンは別のユーザーのコメントへの返事に「トロルに少しばかりトロルし返してやったのだが」 と 書いている

昨年エレン・パオがredditを去った事情も不透明だった。 これにはスレッドの閉鎖やユーザーに人気があったコミュニティー・マネージャー、ビクトリア・テイラーの解雇という問題も関連していた。エレン・パオに反対するユーザーの一部は人種差別的、性差別的投稿をするまでになっていた。

パオ事件は過去のものかもしれないが、ハフマンの率直なメッセージ書き直しの自認は再び多くのユーザーの注目を集めている。現経営陣に不満なユーザーははどんな理由であれ密かに投稿を書き直すのはサイトの信頼性を破壊するものだと感じるかもしれない。

画像: Robert Galbraith/REUTERS

〔日本版〕エレン・パオは有力ベンチャーキャピタル、KPCBの元パートナーだったがredditのCEOに就任後、KPCBをセクハラと性差別的昇進の妨害などで訴え、敗訴している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook、フェイク記事追放には人力よりも機械学習アルゴリズムを重視する方針

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Facebookにはフェイク・ニュースを拡散してドナルド・トランプの大統領当選を助けたという非難が殺到している。Gizmodoの記事によるとFacebookは右派メディア多数に対する影響が大きすぎるという理由でフェイク・ニュースを探知するアップデートを延期したという。

Facebookはこの報道を直接に否定し、TechCrunchに対して「記事の主張は真実ではない。われわれは特定の政治的立場への影響を考慮してニュースフィードへの変更を行ったり、延期したりしたことはない」と語った。

TechCrunchはコンテンツの中立性に関してFacebookから直接詳しいアップデートを得る機会があった。

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2015年の1月にFacebookは捏造ニュース記事を追放するためのアップデートを発表した。これはユーザーによって多数の「報告」フラグが付けられた記事の表示ランクを下げるものだった。こうして降格された記事の多くは後で投稿者自身が削除している。このシステムは現在も作動中だ。

その後2016年8月にFacebookはさらにニュースフィードのアップデートを行った。 これは クリックベイトと呼ばれる記事を抑止することを目的としたもので、 Facebookは人間が選んだ典型的なクリックベイト的記事タイトルを資料として機械学習システムに学習させた。機械学習はクリックベイト的タイトルを認識し、そのような記事の表示ランクを自動的に下げることが期待された。

Facebookによると、 今年のクリックベイト対策アップデートで、開発チームは2種類のオプションを用意した。一つは2015年のユーザー報告にもとづくフェイク検出システムで、他方はもっぱら機械学習のアルゴリズムに頼るコンピューター・システムだった。

Facebookによれば、機械学習を利用したクリックベイト探知システムは間違った陽性反応(クリックベイトでないものをクリックベイトと判定すること)もその逆のエラーも人間の場合より少なく良好な実績だったという。そこでFacebookはこのシステムをリリースした。もちろん開発過程でリリースされなかったバージョンをGizmodoが取り上げている可能性はある。Facebookの担当者に対するインタビューでは、「右派の言論の降格が適切であるかどうかはクリックベイト抑止策を実際に選択するにあたって全く考慮されなかった」ということだ。しか政治的バイアスの有無はやはり懸念事項だろう。

Facebookの決断は ユーザーの「報告」に基づく人間のキュレーションより機械学習アルゴリズムに重きを置くというものだった。これは「人間の介入によるバイアスの可能性を減らす」というFacebookの最近の方針にも一致する。ただしこの立場自体がさまざまな問題を含んでいる。

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今年に入ってGizmodoに掲載された記事には「Facebookのトレンドをチェックする人間のキュレーターは編集権の一環として主観によって保守派の傾向の記事を排除している」という主張が紹介されていた。Facebookはこの主張を否定したが、同時にキュレーション・チームを解雇し、人力に頼らずアルゴリズムによってトレンドを設定する方向に舵を切った。すると今度はFacebookはフェイク記事をトレンドとして表示したとして非難された。New York Timesの記事は「トレンドの記事選定方法はFacebookの客観性を麻痺させるもの」と激しく攻撃した。

仮に Facebookが保留されているクリックベイト対策版をリリースしていたとするなら、フェイク記事の選択はユーザーからの報告を検討する担当スタッフの主観に依存することになっていただろう。しかしクリックベイトを選び出すにあたって、あからさまなデタラメと巧妙なトリックとの間の線引は非常に難しい。一方、政治活動家やトロルはFacebookの記事報告機能を乱用して、自分たちに不利であれば正確な記事に対しても組織的に報告フラグを立てるという攻撃をしかけるだろう。

この難しい状況はソーシャル・フィードの掲載ランク付けにあたってユーザー・エンゲージメントをベースとしていること必然的な結果だ。国民を2分するような政治的状況における選挙活動やどんな記事であろうと閲覧されれば広告収入が得られるということがフェイク記事の氾濫の大きな動機となっている。

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誰が真実の審判者となるのか?

Facebookとともに大きなニュースのチャンネルであるTwitter、Googleも前途に難関が予想される。事実によって簡単にそれと見分けられるフェイクは問題の一部に過ぎず、対処も比較的簡単だろう。誇張が極端な記事、あからさまなテクニックを用いた釣り(クリックベイト)記事への対応はもっと難しい。

というのも、Facebookなどのプラットフォームはユーザー・エンゲージメントに比例する報酬システムを用いているため、ニュース媒体にはセンセーショナリズムによってページビューを稼ごうとする動機が存在するかだらだ。政治的立場が明らかな伝統あるニュース媒体の場合、不当な誇張がないよう責任を持つことが求められる。しかしFacebookのようなネットワーク上である目的のために特別に設定され、口コミのパワーだけ頼ろうとするニュースサイトの責任を問うのは難しい。こうした媒体はその場限りのトラフィックと収入を目的としているので、読者が誇張やフェイクにうんざりしても、単にそのサイトを閉鎖して新しい名前で別のサイトを立ち上げればすむ。

誇張ないしフェイク記事を報告する手順をシンプルにする、実否が疑わしい記事にはファクトチェック・サイトへのリンクを追加する、正確性が立証されていないサイトの記事の拡散を保留する、などはそれぞれ有効だろう。しかしフェイク記事がマネタイズに有効だという構造そのものを再検討するのがフェイクの追放にあたって最優先されるべき事項だ。

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しかしFacebookのようなネットワークに真実の警察となるよう求めるのは危険過ぎる。どのニュースを削除しろという圧力は現在よりはるかに増え、それに伴って非難のボルテージが上がるのは必然的だ。少なくともテクノロジー・プラットホームがユーザー・エンゲージメントによって記事のランキングを行うならば、仮にフェイク・ニュースの検出で誤りがあったとしても、それは個々のユーザーが誇張やフェイクであるかどうかを判断すればよいことだ。FacebookのCEO、マーク・ザッカーバーグはこの立場を強調し、「われわれ自身が真理の審判者であるかのような立場に立つことにはこの上なく慎重でなければならない」と書いている。

現在 Facebookは難しい立場に置かれている。ユーザーの判断を信頼するとしてフェイク・ニュースが拡散するに任されば非難されるだろう。しかしフェイク・ニュースを発見して削除する立場を取れば、それは検閲と同じでありユーザーから選択の自由を奪うことなるとして非難されるはずだ。世界最大のソーシャル・ネットワークは次の行動を慎重に選ばねばならないだろう。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebookには広告主の信頼を取り戻すための説明責任がある

Man standing with fingers crossed behind back

【本稿の執筆者、James G. Brooks, Jr.はソーシャルビデオ配信会社、 GlassViewのファウンダー・CEO。】

9月にFacebookのデータに「相違」がありユーザーの平均ビデオ視聴時間を過大に報告していたことを同社が認めたとき、広告業界全体が不満に包まれた。

誤差は膨大であり ― 数値は2年間にわたり最大60~80%水増しされていた ― Facebookに有利なものだったため、邪悪な動機を指摘する向きもあった。少なくともそれは、メディア会社が提供する自社データを信じる愚かさを浮き彫りにする出来事だった。

「FacebookやGoogleのようなメディアオーナーがなすべき努力を怠り、comScoreにデータを渡して独立した評価を可能にしていないことも、長年指摘してきた」と、大手広告会社、WPPの最高責任者、Martin SorrellがBloombergに語った。「審判と選手は同一人物であってはならない」(ちなみにWPPはcomScoreの調査に多大な投資をしている)。

広告主はFacebookビデオをビュー単価で購入し、3秒以上見られたものがカウントされる。しかし問題のデータは、Facebookビデオが実際以上に効果的である印象を与え、マーケターに予定より多くの出費を強いる結果になった。

マーケターにとっては、またもやFacebookとGoogleの独占状態を実感する出来事だった。Microsoftのような政府の介入がない中、今はFaceGoogleの世界であり、誰もがそれを受け入るしかない。しかし、Facebookが市場に善意をもたらす気持ちを持っているのであれば、事態を改善するべくマーケターにできることが5つある。

  • 内部監査を要求する:理想的には、Facebookが第三者機関に依頼して内部監査を実施し、今回何が間違っていたかを明らかにし、二度と同じことが起きないよう安全対策がなされたことを確認する。これがマーケターの信頼を取り戻すための第一歩だ。
  • Facebookに第三者による検証を義務づける:ANA(全米広告協会)はすでに、Facebookがメディア評価協議会(MRC)に依頼して、独立の第三者による検証を実施すべきであると提言している。「ANAは、メディア企業が認定機関や監査の基準を遵守しなくてもよい実利的理由などないと信じている」とANAのCEO Bob Liodiceは9月末のブログ記事に書いている。これまでのところFacebookはMRCの利用についてコメントを拒んでいる。
  • 将来に向けた透明性を要求する:Facebookは塀に囲まれた庭園であり、マーケターは中で起きていることをほとんど見ることができない。Facebookの水増し疑惑が尾を引く理由の一つは、同社の性能ダッシュボードに一部のデータや方式の説明が欠けていることだ。Facebookのビュー回数の基準は、ビデオの総視聴時間を視聴者数で割ることで算出すべきだった。実際には「ビュー」(3秒以上の再生)の回数で割っていた。もしFacebookがビュー回数と視聴者数を分けて表示していれば、こうした不作為の誤りは避けられたはずだ。
  • 小規模な業者とつきあう:独立のアドテック会社は、 利用できる限りの第三者機関データを使って自らのROI事例をマーケターに提示する。ブランドが独自の基準を使いたければそれも可能だ。大会社は利用できるデータがはるかに多いので、都合のよいものを選んで「宿題を自己採点」できる。
  • 当局に圧力をかけて介入させる:1990年代にMicrosoftがデスクトップPCを独占していたとき、米国司法省は同社を訴え、最終的に合意に致った。懲罰は軽微なものだったが、Microsoftは悪評の集中砲火を浴びブランドは永久に傷ついた。この種の対立は今はまだ起きていないかもしれないが、以前Facebookがデータプライバシーに関してユーザーに嘘をついたことが発覚したとき FTCの介入があった。企業に対する嘘も(それが事実であれば)同様の介入の理由になる。

現実はといえば、果たしてFacebookに悪意があったのか、単にずさんだったのかは誰にもわからない。どちらであれ、多くのブランドは自分の広告が実際より効果を上げていたかのように欺かれた。決して起きてはならないことだ。誰が真実を言い、誰が不正を働いているかを知ろうとすること以外にも、マーケターには心配の種が山ほどある。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookが突然、大量のユーザーを故人にした。でも、問題は解決したからパニクらないで。

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今日(米国時間11/11)のお昼前ごろから、Facebookユーザーからの報告が殺到してきて、自分のページが“故人の追悼ページ”になってしまった、という。つまり、誰がそのページを見ても、もう自分は死んでいるのだ、と。

上のプロフィールは、本誌のライターDarrell Etheringtonのページだが、彼は明らかに、まだ死んでいない。ぼくは今、彼と話をしているし、それは、ぼくがブルース・ウィリスではないことと同じぐらい確実だ。

“Darrellを愛する人は彼の思い出の品に慰めを見い出し、生前の彼を偲びましょう”、とある。

この現象はかなりランダムで、誰のプロフィールでもこうなるわけではないが、やられた人は相当多い。FacebookのファウンダーMark Zuckerberg自身も、今や故人だ:

Facebookにとっては、まずいタイミングだったかもしれない。〔選挙に影響を及ぼした、という批判〕

一体、何がどうなってるのか、Facebookに問い合わせてみた。

アップデート: Facebookからの回答によると、問題は修復された、すみませんでした、ということだ。

“本日の短い時間、追悼プロフィールを指すメッセージが、誤ってほかの複数のアカウントにポストされました。このとんでもないエラーは、今では修復されております。深くお詫び申し上げるとともに、できるかぎり迅速に修復いたしましたことを、ご報告申し上げます。”

[“死者からの”報告ツイート集(3例):]

//platform.twitter.com/widgets.js

//platform.twitter.com/widgets.js

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

求人機能でLinkedInを脅かすFacebook

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Facebookはビジネスページに求人情報を掲載することによって、LinkedInの人材紹介事業に強引に割り込もうとしているのかもしれない。この新しいJobs(仕事)機能は、企業がニュースフィードの中で製品のマーケティングを行うこと以外でも、Facebookページへのトラフィックを引き起こせる別の力になるかもしれない。

今日TechCrunchは、そのFacebookページ上にJobsという名前のタブを発見し、Facebookに問い合わせたところ、現在多くの人材募集機能を実験中であることが確認できた。Facebookの広報担当者が筆者に語ったことによれば「私たちがFacebookで観察したところでは、既に多くの小さな企業が求人情報をFacebookページに掲載しています、そこで私たちはFacebooページ管理者が求人情報を投稿し、応募者からの申込みを受け付けることができるようにする機能のテストを行っている最中なのです」とのことだ。

新機能は、LinkedInと競合するだけでなく、Work4、Workable、そしてJobscoreといった、Facebookページに「Jobs」タブアプリケーションを埋め込んでいる開発者たちとも競合する可能性がある。おそらくFacebookは、昨年LinkedInの推薦機能を真似たProfile Tagsをテストしたときに、これらの新しい機能の準備もしたのだろう。

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Facebookの新しいオプションを使って、ステータス投稿機能の中で、Facebookページで正式に求人を行えるようになっている、そこでは詳細な役職、給与、或いはフルタイムなのか、パートタイムなのかといった記述も可能だ。特殊なフォーマットによって、求人投稿は他のコンテンツとは差別化され、混み合うニュースフィードの中で注目を浴びやすいようになっている。

これらの求人情報はまた、FacebookページのJobsタブの中に現れて、企業は求職者向けに専用のアクセスページを作ることができる。企業は、これまでの会社のウェブサイト上の静的なCareers(求人)ページに比べれば、たとえ求人に対する応募者であろうとなかろうと、潜在的に新しいフォロワーを獲得するチャンスを得ることができる。

求人情報投稿には、標準的な応募フローを開始する「Apply Now(今すぐ応募)」ボタンが置かれるが、応募に際しては、ユーザーの公開プロファイル情報でフォームが事前に埋められることになる。これによって、人びとが冗長な情報を入力することなく、素早く複数のジョブに応募することを助けることができる。

提出された応募内容は、FacebookメッセージとしてFacebookページによって受信される。これは、Facebbokのチャット機能をビジネスに使わせたいという希望を後押しすることになるだろうが、求人への応募メッセージと、通常Facebookメッセージで受け取っているカスタマーサポートリクエストが混ざってしまうことは、おそらく扱い難いことだろう。こうした応募を企業の採用担当者のメールアドレスへと転送するオプションがおそらく有効だろう。

企業はまた、ニュースフィード上で彼らの求人情報がより多くの人々に表示されるようにお金を払うこともできるだろう。これはLinkedInの広告が提供する内容と直接競合する。Facebookの強みは、その幅広い到達力、個人情報、そして関わり合いを組み合わせたものになる。

Facebookのプロファイルタグ

昨年FacebookはLinkedInの推薦に類似しているProfile Tagsを追加した。

ほとんど誰もが、Facebookプロフィールを持っていて、しばしば沢山の過去の役職名、雇用主、学歴、そして興味などで埋められている。求人者はこうした情報を利用して求人広告を出稿し、適切な資格を持つ人たちにリーチできる。そして、多くの人は定常的にFacebookをブラウズしているので、そうしたユーザーは、いつかは広告を目にするチャンスがある。

比較してみると、必ずしもすべての人はLinkedInのプロフィールを持っているわけではない。Facebookのもつ17億9000万に比べると、LinkedInが所有するプロフィールは4億6700万に留まる。そして多くのLinkedInユーザーは、新しい仕事に就いて自分のプロフィールを更新するときか、あるいは熱心に求職している場合にのみ訪問を行う。しかし、Facebookの場合は、人々が仕事について考えていない時でも見る可能性があり、より高い給与のチャンスへ応募する機会だと考えさせることができるかもしれない。

それは、FacebookがGoogleの伝統的な優位性にもかかわらず、巨大なブランドとパフォーマンスの広告ビジネスを構築することができたことと同じ理由である。自分が何を買いたいのかを知っているときには、おそらくGoogleを検索するだろう、あるいは求職している場合にはLinkedInを検索することだろう、そして彼らの広告はあなたの要求を満たしてくれる。これに対して、Facebookは需要の創出を行い、人びとに自分でも気がついていなかった関心を引き出すのだ。

Microsoftによる、262億ドルのLinkedIn買収が、もうすぐ行われる。Facebookは移行時の混乱や停滞を狙っているのかもしれない。

(訳注:Profile TagsもJobs機能もいずれも日本ではまだ提供されていない)。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

YouTubeがコメント機能をアップグレード、コメント管理がさらに効率化

A picture shows a You Tube logo on December 4, 2012 during LeWeb Paris 2012 in Saint-Denis near Paris. Le Web is Europe's largest tech conference, bringing together the entrepreneurs, leaders and influencers who shape the future of the internet. AFP PHOTO ERIC PIERMONT        (Photo credit should read ERIC PIERMONT/AFP/Getty Images)

本日YouTubeは、コメント機能のアップグレードを行った。アップグレードの目的は、フィード内のどのコメントを目立たせるかに関して、クリエイターにもっとコントロールを与えること、そしてクリエイターと視聴者やファンとの交流をさらに促進させることだ。フィードのトップにコメントを固定表示(ピン)する機能や、不適切なコメントをレビューされるまで非表示にする機能が新たに盛り込まれたほか、今後はコメントへの返信時にクリエイターのユーザーネームがハイライトされるほか、クリエイターが目立たせたいコメントにハート(お気に入り)マークをつけて、視聴者の目を向けさせることができる。

YouTubeによれば、今回のアップグレードの背景には、クリエイターと彼らのコミュニティの繋がりを強化することや、クリエイターがもっと近い距離でファンと交流できるようにするという考えがある。

YouTubeは、成長を続ける同社のビデオ共有プラットフォームにソーシャル性を加えようと、9月にYouTube Communityをローンチした。これによって、チャンネル画面に新たなタブが追加追加され、クリエイターは画像やGIFと共にニュースなどのテキストベースのコンテンツを投稿することで、ファンとの交流を深めることができるようになったのだ。しかし、ファンとクリエイター間の交流には、依然主にコメント欄が使われている。

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YouTubeの発表によれば、クリエイターは固定表示機能を使うことで、視聴者に見て欲しいコメントをフィードの1番上に固定できるようになる。しかし、固定表示できるのはひとつの動画につきひとつのコメントのみだとYouTubeは話す。

近年コメント機能の評判が悪化する中での今回のアップグレードは、YouTubeがコメント機能の改善のために行っている施策のひとつに過ぎない。これも9月のことだが、同社はコメント内容を精査するため、モデレーター向けに、彼らが不適切なコメントのフラグ立てやその他のタスクをこなすことで、ポイントを稼いで新しい機能を優先的に使えるようにする新たなプログラムを開始した

しかし、それ以前にもYouTubeは、ビデオに付いている公開コメントの削除を含む、チャンネルのコメント欄の管理を行うモデレーターを直接選ぶ権限をクリエイターに付与していた

さらに2013年以降はブラックリスト機能も準備されており、クリエイターは特定の単語やフレーズを含むコメントを公開前にチェックすることができる。

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そして本日、YouTubeは新しいコメントレビュー機能のベータ版を導入し、希望者は新機能をテストすることができる。この機能を使えば、新たなアルゴリズムが自動的に不適切な可能性があるコメントを選び出し、クリエイターがそのコメントをレビューするまで公開が保留される。クリエイターは、選び出されたコメントをチェックした後に、そのコメントを承認したり、隠したり、必要に応じて通報したりすることもできる。

YouTubeはまだ開発段階にあるこのシステムについて、問題のないコメントが不適切なコメントとして選ばれたり、その逆に不適切なコメントが探知されずに公開されてしまう可能性もあると注意を呼びかけている。しかし時間が経つにつれて、レビュー結果が反映され、アルゴリズムの性能は向上していくだろう。

ハート機能とユーザーネームのハイライト機能

その他に本日からローンチされた、ハート機能とユーザーネームをハイライトする機能には、コメントを介してクリエイターと彼らのコミュニティの交流を促進する狙いがある。ハート機能は世界中の人が理解できるようなシンプルな機能で、クリエイターは視聴者に感謝の気持ちを表現することができる。そして、ユーザーネームのハイライト機能は、クリエイターからのコメントを目立たせるだけのものだ。

ハイライト機能によって、クリエイターのユーザーネームが色付けされ、視聴者はスレッドにクリエイターが参加しているかどうかがひと目で分かるようになる。尚、現在YouTubeは、チャンネルのイメージカラーにハイライトの色を合わせられるようカスタマイズ機能を開発中だが、まだこちらは公開されていない。一方で、TwitterやFacebookといった他のSNSのように、認証済みアカウントには名前の横にチェクマークが記載されるようになる。

youtube-google-plus-tran上記のような機能は、実質的に今日のウェブ上にあるほぼ全てのSNSやコミュニティサイトに備えられているということを考えると、YouTubeが同様の機能を導入するのに、これほどまでに時間がかかったというのはいささか驚きだ。しかしソーシャルな分野は、Googleが最も得意とするものではない。

過去にGoogleは、ソーシャル機能をメインとするGoogle+とYouTubeを連携すれば、ユーザーは実名でコメントを投稿しなければならず、結果的に不適切な行動が減るのではないかと考えていた。

しかし、このシステムは反発を受けることとなった。その理由として、Google+にYouTubeが強制的に統合されてしまうということのほかに、Googleアカウントやウェブ上で公になっている自分の情報とは切り離された別のアイデンティティを持っていたい、と考える人がYouTubeのユーザーには多くいたということが挙げられる。

本日発表された新機能は、Google+への統合ほどびっくりするようなものではなかったが、コメント管理に関するYouTubeのもっと現実的な見解が反映されていると言える。どのウェブサービスでも言われている通り、システムによる自動化と人間による管理が組み合わさったものこそ1番上手く機能するようだ。

原文へ

(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Instagramが写真投稿から買い物ができるタグ機能の検証を開始

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Instagramは、ユーザーが商品を見るために毎回ブラウザに移行しなくても、アプリ内で買い物をできるようにする。今回InstagramはKate SpadeやJackThreadsといった20の小売ブランドと協力し、写真投稿にショピングのためのタグ機能の提供を開始する。まずはアメリカ国内のiOSユーザーが利用できる。

小売ブランドはプロダクトの写真にタグをつけることができるようになる。「タップしてプロダクトを見る」ボタンをタップすると表示される機能だ。ユーザーが気になるプロダクトを選択すると詳細ページを見ることができる。そこには価格、説明、プロダクトの別の写真、ウェブで購入するための「いますぐ購入」ボタンがある。

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このショッピングと連携する投稿はFacebookのインスタント記事の商品版といった印象だ。Instagram内でプロダクトページをロードし、ブラウザに遷移するよりも早く情報を見ることができる。購入が決まらないようなら、ユーザーはすぐにタップして元のフィードに戻ることができる。

Instagramは、アプリ内で販売した商品毎に手数料を得るモデルにはしない。その代り、ブランドがフォローしていない人たちにもショッピングと連動する投稿を見せるための広告を販売することでマネタイズを図るとInstagramのマネタイズ部門のVPを務めるJames Quarlesは話す。Instagramはすでに50万の広告主を獲得し、Facebookが10億ドル近い価格でInstagramを買収してから4年経った今、ようやく十分な収益を得るようになった。

Facebookがチャットボットで行っている施策のように、Instagram内で商品の購入が完結できる仕組みの開発はまだ行っていないという。Pinterestではすでに購入可能なピン(Buyable Pins)を検証していて、決済機能もつけているので、この点に関しては少し出遅れていると言える。ただ、どちらのサービスもまだ何がほしいか決まってなく、そのためAmazonで特定の商品を探せないユーザーが目当ての商品を見つける強力なツールになりつつある。

最終的にInstagramは「保存」機能をつけ、フィードを見ている途中でもプロダクトの投稿をブックマークし、後で確認できるようにする予定だ。ユーザーがいつも衝動買いするとは限らない。Instagramの既存の広告は決済サイトにすぐ飛ぶ仕組みだが、これらのショッピングと連携するプロダクトの写真投稿は、例えば違う色の商品や価格の違う商品と比べる時間の余裕をユーザーに与えることができ、本当に購入したい時に購入できるようになる仕組みだ。

FacebookのマネタイズVP、James Quarlesはショッピングと連携するタグは将来的に動画投稿、カルーセル写真にも実装し、他の国にも展開する予定という。Instagramはより多くのブランドのプロダクトがこの機能を利用できるようにするという。また、現在はInstagramのチームが素材を受け取り個々のブランドのプロダクトページを手作業で制作しているが、将来的にはブランド自身がプロダクトページを作成できるようになるという。

ショッピング連携タグのおかげで、ブランドは「プロフィールのリンクをチェック」という分かりづらいキャプションを写真に付けなくてもすむようになる。Instagramは、投稿そのものにリンクを付けることを許可していない。また、プロフィールには1つしかURLを設定できないために、これまではこのようなやり方を取るしかなかった。この機能のローンチ・パートナーは以下の通りだ。Abercombie&Fitch、BaubleBar、Coach、Hollister、 JackThreads、J.Crew、Kate Spade、Levi’s Brand、Lulus、 Macy’s、Michael Kors、MVMT Watches、Tory Burch、Warby Parker、Shopbop.

[更新情報:今朝Instagramが落ち 、サービスが一時的に利用できなくなったことをこれらのブランドは良く思わないだろう。Instagramの信頼性に対していくらか不満を持つかもしれない。]

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ショッピングができる投稿は、邪魔にならないのがいいところだ。プロダクトタグが最初に目に入ることはなく、小さなタグのボタンをタップした時に現れる。そのため投稿された写真の美しさを損なうことはない。FacebookやTwitterが試している購入ボタンほど押し付けがましくもない。この機能は、セレブが持っている商品にスポンサーがタグ付けする行動が元になっている。

ショッピングと連携する投稿は、ユーザー行動とも合致する。Instagramの調査によると、インスタグラマーの60%はアプリでプロダクトやサービスについて知るという。また、Instagramの投稿を見て75%がそれらのサイトを訪問したり、検索したり、友人にそれを話したりとした行動を取っているそうだ。

今回の機能でアプリを閉じてブラウザを開き、プロダクトの詳細を探す手間がなくなる。Instagramはロサンゼルスとシカゴでフォーカスグループによる検証を行った時、Instagramで買い物したいユーザーの多くは「プロダクトについてもっと知りたいが、別アプリを開いてウェブで商品情報を検索するのが難しい。プロダクトの詳細を見つけられない」と不満を持っていたという。

Instagramのユーザーに買い物の付加価値を提供することで、このアプリがユーザーのホームスクリーンにあり続けることになるかもしれません。また、ブランド側はショッピングと連携する写真投稿をより多くのユーザーに見せるために多くお金を払ったり、フィードでオーガニックにプロダクトの写真を見るフォロワーを獲得するために広告を購入するようになるだろう。しばらく前からInstagramはショッピング体験の構築に取り組んできた。Instagramはコミュニティーの成長を維持するため、整ったユーザー体験を最優先していることが分かる機能の内容だった。

Facebook、NaverのSnapchatクローン、Snowの買収を試みるも失敗していた

BERLIN, GERMANY - FEBRUARY 24:  The Facebook logo is displayed at the Facebook Innovation Hub on February 24, 2016 in Berlin, Germany. The Facebook Innovation Hub is a temporary exhibition space where the company is showcasing some of its newest technologies and projects.  (Photo by Sean Gallup/Getty Images)

FacebookはSnapchatのように動き、臭い、似ている存在はすべて買収しようとしているという噂の火に油を注ぐような出来事があったもようだ。事情に通じた情報源がTechCrunchに語ったところによると、この夏FacebookはSnowの買収を試みたが不成功に終わったという。このサービスはSnapchatによく似ており、運営しているNaverは時価総額250億ドルの巨大韓国企業で、有名なチャット・アプリ、Lineの背後の存在でもある。

われわれが接触した情報源によれば、Snowにはすでに8000万のダウンロードがあり、さらに毎月1000万ずつダウンロードを増やしているという。この急成長ぶりにひかれたのはFacebookだけではなく、Tencent(巨大チャット・アプリWeChatを運営)やAlibabaも買収を試みたことをTechCrunchはつかんでいる。

Naverはわれわれに対し「Snowが多数の企業からラブコールを受けたのは事実だ」と声明を送ってきた。ただしSnowが買収攻勢を受けたことは確認したものの、買収を試みた会社について具体的な社名は明かさなかった。

Facebookにはコメントを求めたが回答はなかった。

Snowはこの夏、韓国、日本、中国でAndroid、iOS双方のアプリがそれぞれの公式ストアでランキング入りし、合計3000万ダウンロードを集めたときにときにまず注目を集めた。7月にはNew York Timesに長文記事が掲載され、Snow(とNaver)はSnapchatがアジア市場への関心が低いことを好機としていると説明された。これも結果としてSnowへの関心を高めた。

この記事が出た後、Facebookのファウンダー、CEOのマーク・ザッカーバーグがSnowの存在に気づき、Naverのファウンダー、会長のHae-Jin Lee(イ・ヘジン)に電話して買収の希望を伝えた。Naverは7月にLineを日米で同時に上場させ、10億ドル以上の資金を得ることに成功している。しかしイ会長はSnowにはLineなみの将来性があると信じていたためFacebookの申し出を断った。

実際、9月に入ってLineが4500万ドルをSnowに投資するなどしてLineとSnowの連携は強化されている。この際のSnowの会社評価額は1億8000万ドルだったが、誕生わずか1年後の企業にしては悪くない額だ。Lineは日本、タイ、台湾という主要市場以外でのユーザー獲得に苦労している。そこでSnowとの連携が海外市場でのLineの事業拡張に有益だと考えられたのだろう。

SnowにはSnapchatクローン的な性格があるものの、内容には異なる点も多い。

まず第一に、Naverは各地域でサービスのローカライズに真剣に取り組んでいる。これは2011年から2012年にかけてLineが実行した戦略で、このときは韓国と日本でセレブを動員してサービス内に目立つように記事を載せることでサービスの立ち上げに役立てた。【略】

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Snapchat — 現在は‘Snap’に改名 —は来年の株式上場に向けて準備中だと広く報じられている。上場されれば同社の時価総額は250億ドル前後になり、40億ドルの資金を調達できるものとみられている。

こうした数字は3年前にFacebookからの30億ドルでの買収の申し出を断ったCEOのEvan Spiegelの決定を強く支持するものになりそうだ。 当時、この決定は間違いだと強く批判されたものだが。

Snowは誕生後、日が浅いため、Facebookが買収失敗を悔やむような巨大な存在に成長するかどうかはまだ不明だ。

現在のところFacebookは自社サービスにリアルタイム・チャット的性格を盛り込むために全力を挙げている。これにはSnapchatからの「インスピレーション」が多数含まれているという。

具体的に見ていくと、Instagram StoriesはFacebook自身がSnapchatの影響を認めている。Facebookのこのサービスは2ヶ月で1億人のユーザーを獲得するという成績を挙げた。これより規模は小さいがFacebookからはティーンエージャー向けのビデオ・アプリSnapchat風のカメラ機能、ポーランドでテストされた MessengerのSnapchatクローン的機能なども出ている。

〔日本版〕Naver会長Hae-Jin Leeに関する日本語記事では「李海珍」という漢字表記がある。ただし本人に対する直接インタビューの記事では「李ヘジン」の表記だった。この記事では姓名ともカタカナ表記にとどめた。

画像: Sean Gallup/Getty Images

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebookが「選挙ガイド」とも呼べる新しい機能をリリース 

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本日、Facebookは大統領選挙から上下院議員や州知事の選挙まで、あらゆるタイプの選挙をカバーした選挙ガイドとも言える新機能をリリースした。「投票への参加を促す」ことが目的だ。この機能では、ユーザーは候補者や法案を「お気に入り」に登録することができ、実際の投票のときに後から自分のお気に入りを確認することが可能だ。

Facebookが注意喚起するように、この機能はインターネット投票ツールではない。そのため、Facebook上の投票結果が実際の選挙での投票数にカウントされるわけではない。しかし、大統領選挙の候補者や法案などのことをよく知るきっかけにはなるだろう。

この新機能はFacebookがこれまで導入してきた選挙関連機能のなかでも最新のものとなる。今年初めに同社がリリースした「投票に登録」機能は200万ものユーザーに利用されただけでなく、最近では政治家がFacebookページに自身の政治スタンスを表示したり、ユーザーがFacebookページを通じてその政治家を支持できる機能などを導入している。しかし、Facebookが本格的な政治関連の機能をリリースしたのはこれが初めてだ。今日からこの機能を利用することができるが、それがニュースフィードにも表示されるのは来週以降になる。

ユーザーはこの機能を利用して候補者の政治スタンスを確認したり、彼らを支持するコメントを確認したり、お気に入りの政治家を選んだり、投票した結果を自分自身にメールすることで後から確認したりすることが可能だ。Facebookが先週リリースした機能によって集められた候補者を支持するコメントや政治スタンスは、この新機能でも確認することができる。

大統領選挙は連日新聞の一面を飾っており、多くのユーザーはすでに自分が支持する候補者を心に決めているとは思うが、地方の議員選挙や法案のことまで良く知るユーザーは少ないだろう。また、誰を支持するか決めかねているとすれば、友達が支持する候補者を確認して参考にすることもできる。

現在のところ、この機能で確認できるのは大統領選や州議員選挙に関する情報だけだ。ローカルの選挙に関する情報も確認したい場合には住所を入力する必要がある。Facebookによれば、投票に関する情報は60日間保存された後に破棄され、このツールによって集められたデータを公表することはないという。

自分の投票内容の公開範囲をそれぞれの項目ごとに選択することも可能だ。つまり、ある法案を支持するコメントを公開する一方で、大統領選でどの候補者に投票するのかは秘密にしておくこともできる。

新機能を発表したブログのポストのなかで、Facebookのスポークスパーソンは「投票に参加したいと思っている人々がより簡単に参加できるような仕組みをつくり、政治について発言する場を提供したいと思っています」と話している。

Trending Topicsのリリース後、それがもつ保守的なニュースに対するバイアスを指摘されたFacebookにとって、この新機能に対する異議申し立てや、それが不公正ではないかという批判は避けたいところだろう。そのため、候補者や彼らの政治スタンスに関する情報はFacebook自身が集めたものではない。より公平な機関であるCenter for Technology & Civic LifeがFacebookの代わりに全米の選挙情報を集め、そのデータを提供しているのだ。そのデータの中に誤りを見つけた場合、Facebookにレポートすることが可能だ。

この新機能について動画にまとめたので見てほしい:

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

 

Facebook、「民族親和性」に基づく広告ターゲティングに批判

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米国の非営利報道機関、ProPublicaは今日(米国時間10/28)、Facebookの広告機能に潜在的問題があると指摘した ― 具体的には、「民族親和性」に基づいてユーザーを広告の対象に加えたり外したりする機能だ。

この機能は以前から存在しており(FacebookはProPublicのJullia AngwinとTerry Parriss Jr. に、「多文化広告」の一環として2年前から提供していると話した)、利用する広告主は、これを年齢、性別、地域によるターゲティング等、従来からの一般的慣行の自然な拡張と感じているかもしれない。

しかしAngwinとParrisは、住居および雇用に関する差別的広告を禁止する連邦法があると指摘する。実際、市民権利弁護士のJohn Relmanにこの広告ターゲティングオプションを見せたところ、「これは恐ろしい。完全な違法行為だ。国が定める公正住宅法にあからさまに違反している」と語った。

Facebookはこれに対して、多文化対応の責任者、Christian Martinezがブログ記事で回答した。Martinezは、民族親和性は正確にはユーザーの民族性に基づくものではなく、「Facebook上で特定の民族コミュニティーに関連するコンテンツに『いいね!』等の行動をとった」かどうかに基づいている ― そしてユーザーは自分の広告ターゲティング設定を調整することができる ― と指摘している(法律家っぽい区別だと感じるかもしれないが、これは法的問題の可能性に関する議論だ)。

Martinezは、この種のターゲティングの利点を説明している。

例えば、ラテン系コミュニティーのための求人求職フェアを開催する非営利団体は、コミュニティー内で興味のある人たちにFacebook広告を使って連絡できる。あるいは、黒人女性向けのヘアケア製品を売る業者は、自社製品を欲しがる可能性の最も高い人たちにリーチできる

また、このターゲティング機能で起こり得る、より差別的な行動についてMartinezはこう言っている:

「当社の広告ポリシーは、この種の広告を厳重に禁止している。それは違法な広告である。Facebook上でこの種の差別広告を見つけた場合、当社は直ちに強制行動をとる。また、ウェブサイトという性格上、当社はアパート賃貸や求職の詳細を知る立場にないことが多い ― このため、広告に違法な差別性があると関係当局から通知をを受けた際には、その広告を削除する」

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Twitterが誰にもVineを助けさせない理由

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Vineを見捨てて、売却ではなく埋葬を選ぶなら、Twitter自身が馬鹿みたいに見える結末に辿り着くシナリオは山ほど考えられる。得るものは少なく、失うものは多い。そこで、Vineの精神に従い、TwitterがそれでもVineを埋葬したい理由を6秒のテキスト断片で考察してみよう:

  • Twitterはツイートや埋め込みが死なないように、既存のすべてのVineを保全しておくことができる。一方他の誰かがそれを手に入れた場合には、新しいオーナーは既存のリソースを破壊したり削除するかもしれない。

  • 皆がTwitterに関連付けていたプロダクトを誰かが所有してしまう場合の、ブランドリスクが大きすぎる。例えばもし新しいオーナーが、それをPornHubに転売したら?Vineが猥褻の巣窟になってしまう。

  • 最後の日々を迎えたVineの少ないトラフィックでは、Twitterにとってわずかばかりのキャッシュを手に入れるための売却プロセスは、かつての価値を考えると、コストがかかりすぎて悩ましいものである。

  • もしそれを低価格で売却してしまっては、世間はTwitterが明かりを点ける金にも難儀しているという印象を持つだろう。

  • VineのアカウントシステムはTwitterのものから派生したものなので、もしそれを売却してしまうと、新しいオーナーにTwitterのコアユーザーグラフを模倣し、競合製品を開発するための過剰な能力を与えてしまう。

  • もし他の誰かがそれを買って、より多くの成功を成し遂げた場合、それはTwitterのリーダーシップの愚かさと、Vineの潜在能力を活用することができなかったことの証明になってしまう。

これらは、みな立派な理由ではあるだろう。

しかし…

もし誰かに新しい命を吹き込むことを許すか、必要最小限の保守要員を残す代わりに、Vineを殺してしまうなら:

  • Twitterは、数百万のユーザー、特にスターコンテンツクリエイターとの間に築いた信頼と関係を焼き捨ててしまう。もしこれがTwitterがそのコミュニティを扱うやりかたならば、この先クリエイターたちはPeriscope(Twitterが2015年に買収した配信アプリ)の視聴者たちのために投資しようと思うだろうか。

  • 呆れたビデオ作家たちは、Twitterのソーシャル競合他社へと逃亡し、Instagram、Snapchat、Musical.ly、そしてYouTubeの支持者になるだろう。

  • 最後に。おそらくTwitterはニュースに焦点を当てたいのだろう、そしてVineの大部分はニュースではなかった。しかしこの先人びとが、ディベートやスポーツイベント、あるいは抗議行動などの短いクリップを見たいと思うときは、他の話題性に富んだ野心家たちの成長を支援することだろう。なぜならTwitterはVineを途中で枯らしてしまうのだから。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

Facebookのインスタント記事でも360度コンテンツが掲載可能に

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Facebookのインスタント記事は、Facebookをモバイルから利用するユーザーに対し、パブリッシャーが素早くロードして邪魔の少ないコンテンツを提供するための形式だ。今後さらにインタラクティブなものになるという。本日、このソーシャルネットワークは、インスタント記事も360度動画と写真に対応すると発表した 。パブリッシャーは記事内に360度コンテンツを挿入することができ、ユーザーはモバイル端末を動かしたり、タップしたり、ドラッグしたりすることでコンテンツを操作できるようになる。

Facebookのニュースフィードは昨年360度動画機能に対応し、360度写真も今年6月に対応している。どちらのテクノロジーも、より没入的にその場面を体験することができる方法で、これはモバイルでもウェブでも視聴可能だ。この機能のローンチ以降、ユーザーのフィードにはVRに似たこの360度コンテンツが登場するようになった。モバイル端末を傾けたり、回したりすることで場面の様子をもっと見ることができる。デスクトップではウェブからクリックやドラッグすることで同じことができる。

360度写真と動画はすでに大手パブリッシャーやニュースメディアが報道や他にシェアしているコンテンツを充実させるために使用している。例えば、NBCの番組Saturday Night Liveやミレニアル向けニュース媒体VICEは早くから360度動画を展開している。また、The New York Timesなどのパブリッシャーや政府機関NASAは360度写真をいくつか公開している。

今後、ジューナリストや他のコンテンツクリエイターは360度動画や写真を直接インスタント記事に挿入することが可能となる。このコンテンツを含む記事を開くと、すぐにユーザーはモバイル端末を傾けたり、クリックやドラッグをして360度写真や動画を楽しむことができるようになる。

USA Today NetworkとBILDとは公式ローンチ前から、インスタント記事に360度コンテンツを入れる検証を行ってきたとFacebookは伝える。USA Today Networkでは、Ken Burnsがナレーションを務め、アメリカの国立公園を巡る360度動画を作成した。BILDは空母ハリー・S・トルーマンのツアーが視聴できる動画を作成している。

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読者もこれらの記事を見ることができる。承認されたインスタント記事の検索結果から、パブリッシャーが投稿した記事を見てみよう。

ニュース記事のマルチメディア化が進み、帯域幅が必要なメディアが使われるようになるほど、 早くロードするインスタント記事で360度写真や動画が利用できるのはパブリッシャーにとって魅力になるかもしれない。

しかし一方でパブリッシャーは、Facebookからではなく、通常のウェブブラウザからコンテンツを視聴する読者にどう対応していくべきかを考える必要があるだろう。パブリッシャーが利用している既存のCMSより、インスタント記事の方が技術的に上回ってきたように見える。パブリッシャーが自社サイトに360度写真を挿入し、全てのサイト訪問者に対してそれが正常に表示されないのなら、問題になりかねない。

パブリッシャーは他で使用している360度写真や動画をFacebookの投稿に埋め込むことができるが、そういったコンテンツを通常のウェブサイトやモバイルで表示させるには時間がかかる場合もあるかもしれない。

Facebookのインスタント記事では表示の遅さの問題はあまりない。 それが良いかどうかに関わらず、多くの人はFacebookで毎日のニュースを見るようになっているが、それでもウェブサイトのパフォーマンスを維持し、多くのオーディエンスが使えるようにする責任がパブリッシャーにはあるだろう。

[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website

新しい報告ツールで自傷行為や自殺問題に取り組むInstagram

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Twitterが蔓延するいじめや虐待と格闘し続けているのを横目に、Instagramはユーザーの安全を守るという仕事の階段を一段上った。Facebookが所有するこの写真共有ネットワークは、今週新しい報告ツールのロールアウトを開始した、友人の自傷行為投稿に匿名でフラグを立てる機能だ。これにより、Instagramから対象のユーザーへの問い合わせメッセージが促され、サポートの提供が行われる。そこではヘルプラインへのアクセスを含む、アプリの中からアクセス可能な手段が示される。

システム自体の利用は極めて簡単だが、多数の10代や若い成人の利用が続く、ソーシャルネットワーク上の真剣な必要性にアプローチするものだ。

友人が自傷行為や自殺に言及し苦しむ投稿を見たとき、そのことを相手との話題として持ち出すことに躊躇いを感じることもあるだろう。あるいは、掛けるべき言葉が見つからないかもしれない。また、あまり良く知っているわけではない(あるいは全く知らない)人のアカウントをフォローしている場合もあるだろう、そこでは自分が何か言う立場ではないと感じるような場合だ。

このときInstagramが代わりに別のオプションを提供してくれる。匿名でその投稿にフラグを付けることで、友人は以下のようなサポートメッセージを受け取る、「あなたの投稿の1つをみて、あなたが苦しんでいるのではないかと考えた人がいます。もしサポートが必要ならば、私たちがお手伝いしたいと思います」。

そして受信者は、クリックしてサポートオプションのリストを見ることができる。たとえば以下のようなアドバイスだ:友人の1人にメッセージをおくったり電話をしてみる、より一般的なヒントまたはサポートへのアクセスを試みる、あるいはヘルプラインへ連絡するなど ‐ これはユーザーのいる場所によって変化するが、世界中の40の組織がシステムのヘルプライン側にパートナーとして控えている。

同社はまた、新しいツールのために、National Eating Disorders Association(全国摂食障害協会)、Nancy Zucker博士(デューク大学の心理学ならびに神経科学の准教授)、そしてForefront(ワシントン大学のアカデミック研究者たちに率いられている)と協力している。そして他の組織、例えば米国のThe National Suicide Prevention Lifeline(全国自殺予防ライフライン)とSave.org、英国のSamaritans、豪州のbeyond blue and headspaceなども協力している。

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Instagramのツールで興味深いのは、トリガーするのは匿名の報告だけではないということだ。Instagramアプリは、ユーザーがある種のハッシュタグを検索したとき、例えば検索禁止語である#thinspo(thinspiration : 摂食障害に関連している言葉)を検索した際にも、ユーザーをサポートメッセージへ導く。

虐待(そして自傷行為)への対処

この動きは、Instagramがそのネットワーク上での虐待行為を制限するために、最近行ったいくつかの変更の1つだ。9月には 誰でもコメント欄をカスタマイズ可能なブロックリストでフィルターすることができるようにしている ‐ すなわち、Instagramのコメント欄に露骨な言葉や、イジメのフレーズが並ぶことを禁止することができるようになったのだ。

このような手順は、コミュニティの雰囲気を確立するために重要なことだ。規制のない自由な発言は、匿名のイジメにつながっていく可能性がある – いまやTwitterの上ではそれが猛威をふるっていて、少なくともそれが買収企業を見つけるための妨げの一部になっている(伝えられるところによれば、その問題が原因でディズニーは買収をあきらめたようだ)。

自傷行為についての投稿はもちろん、いじめとは異なる問題だが、ユーザーの保護と安全という意味では大きな傘の下に収まるものである。

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彼らが確立しようとしているのは安心して共有ができるコミュニティだが、同時にある種の共有が潜在的な問題として取り扱われる場所でもある ‐ 誰かが他の誰かに向けて有害なコメントをしたり、誰かが自分自身に対して有害なコメントをするような場合だ。

この種のものに対する規制や方針を持っていないことは、危険な結果に繋がる可能性がある。例えば、10代のQ&Aネットワークは、かつてはイジメの巣窟として知られるようになり、連続する10代の自殺の要因の1つとみなされるようになった。

長年にわたり、主要なソーシャルメディア企業は、ユーザーを保護するためのより良い方法を提供するために、過去の悲劇から学んできた。支援機関の協力の下に、ユーザーが有害な用語を検索した際にPSA(Public Service Announcement:啓蒙広告の類)を流すメディアは多い ‐ Tumblr、Pinterest、そしてInstagramは皆そのような対処をしている 。そして今日では、ほとんどのメディアが自動化システムと人間のモデレーターそしてフラグツールの組み合わせを使って、ユーザーによるある種の用語やタグの検索(たとえば thinspoや自殺のような)から、ユーザーの投稿自身よってトリガーされる問題群までに対処している。

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Instagramの新しいフラグツールは、親会社のFacebookによって既に開発されていたものに倣ってデザインされているが、それはこの小さな会社が、Facebookが既に構築している自傷行為に関連した問題にアプローチするためのインフラによって、どのように助けられたかの例になっている。

昨年、 Facebookは、ほとんど同じツールを米国ユーザーのために立ち上げている。2016年の前半には世界中のユーザーに対しても展開された。

新しいツールの立ち上げに伴い、National Body Confidence Day(全国的に身体に信頼を寄せる日)に、Instagramは、身体イメージと自己自信に焦点を当てたキャンペーンのためにSeventeenと提携した。これは、現在ハッシュタグ#PerfectlyMeを使って運用されている。Seventeenの11月号には、身体への信頼と#PerfectlyMeを応援するための16ページの記事が掲載される。

*Instagramのこの報告機能は投稿の右上の「…」メニューから「報告する>不適切である>自傷行為」というメニューをたどればアクセスできる。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

Facebook、現実のユーティリティーへ―料理配達、チケット購入などが簡単に

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今日(米国時間10/19)、Facebookはいくつかの新機能を発表した。Facebookはユーザーが単にテキストや写真を投稿するだけでなく、現実の場面でもこのソーシャルメディアを使ってもらいたいようだ。Facebookページでは、ユーザーはDelivery.comとSliceを通じて宅配で料理注文することができる。また MyTimeを通じて専門的サービスの見積もりを取ったり、 Facebookを離れることなくTicketmasterとEventBriteで映画やコンサートのチケットを購入したりできる。

Facebookはイェローページの復活に向けて努力をしているが、これらの新機能はその最新の成果といえるだろう。特に月間で6億5000万人がFacebookのイベント機能を利用していることを考えるとFacebook内からチケット購入ができるようになることの影響は大きい。現在はFacebookでイベントを知っても実際に参加するためには別のサービスにログインしてチケットを買う必要があった。このフリクションを取り除くことができれば、Facebookのイベント機能は各種イベントの主催者にとって対話性の高い広告媒体としての魅力を大きく増すことになる。

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友達があなたの知っている都市や地域を旅行している場合、新しいRecommendations(お勧め)機能を利用して何をしたらいいか提案することができる。ユーザーが不案内な町にやって来て「私は何をしたらいい?」と投稿するとFacebookの人工知能が自動的にそのことを探知する。ユーザーがRecommendations機能をオンにしている場合、友達の「お勧め提案を求む」という投稿がニュースフィードに目立つように表示される。この投稿への友達のコメントには地図が含まれ、後で利用するのが簡単なようにブックマークもできる。つまり「東京に来たけど寿司はどこで食べたらいい?」とか「サンフランシスコでブリトーがおいしいのはどこ?」といった質問に答える(そして提案を利用する)のが大幅に簡単になる。

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Facebookは今月、スタンドアローのイベント・アプリをリリースしたが、このアプリの優れた機能を本体アプリのイベント・タブにも移植した。ユーザーはデフォールトで友達からのRSVP(参加の可否連絡待つ)を含めてイベント発見のためのフィードを見ることができる。このフィードでは今日、明日、あるいは今週末にどんなイベントがあったかを簡単に調べることができる。もっと詳しく日程を知りたい場合は伝統的なカレンダー表示に切り替えることができる。ユーザーは新しいイベント機能を利用することで、地域のパーティー、展覧会、コンサート、カンファレンス、飲み会などの情報を最大漏らさず知ることができる。

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これらの新機能は当面アメリカを対象として今日から公開が始まる。反応が良ければ他の地域にも拡張される可能性がある。

FacebookはGoogle、Yelp、Fandango、ローカル情報サイト、料理宅配アプリなどに流れているトラフィックの一部を自サービス内に取り込もうとしているようだ。Facebookのタイムランはユーザーが慣れており、UIとしても使いやすい。ここに友達からの提案が表示されるのはユーザーにとって便利であり、使いにくく、身元不明の記事が多数ヒットするモバイル検索に十分勝てるとFacebookでは考えている。

ユーザーの習慣は一朝一夕に変わるものではないからモバイル・トラフィックに大きな影響を与えるような変化がすぐに起きるかどうかは分からない。しかしFacebookがユーザーが何をどこで買うのかについて今より豊富な情報を入手できるようになるのは間違いなさそうだ。ユーザーが特定のコンサート会場によく行く、あるいはタイ料理をよく注文するなどの情報が得られば、ターゲット広告の精度を改善するために役立つのはもちろんだ。

ユーザーがFacebook上で、友達だけでなく各種のビジネスとも相互作用をするチャンスが増えれば、ビジネス側でもFacebookにおける自社の露出を重視せざるを得ない。広告予算をFacebookにさらに振り向けることが必要になるわけだ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook、現実のユーティリティーへ―料理配達、チケット購入などが簡単に

2016-10-20-facebook-utility

今日(米国時間10/19)、Facebookはいくつかの新機能を発表した。Facebookはユーザーが単にテキストや写真を投稿するだけでなく、現実の場面でもこのソーシャルメディアを使ってもらいたいようだ。Facebookページでは、ユーザーはDelivery.comとSliceを通じて宅配で料理注文することができる。また MyTimeを通じて専門的サービスの見積もりを取ったり、 Facebookを離れることなくTicketmasterとEventBriteで映画やコンサートのチケットを購入したりできる。

Facebookはイェローページの復活に向けて努力をしているが、これらの新機能はその最新の成果といえるだろう。特に月間で6億5000万人がFacebookのイベント機能を利用していることを考えるとFacebook内からチケット購入ができるようになることの影響は大きい。現在はFacebookでイベントを知っても実際に参加するためには別のサービスにログインしてチケットを買う必要があった。このフリクションを取り除くことができれば、Facebookのイベント機能は各種イベントの主催者にとって対話性の高い広告媒体としての魅力を大きく増すことになる。

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友達があなたの知っている都市や地域を旅行している場合、新しいRecommendations(お勧め)機能を利用して何をしたらいいか提案することができる。ユーザーが不案内な町にやって来て「私は何をしたらいい?」と投稿するとFacebookの人工知能が自動的にそのことを探知する。ユーザーがRecommendations機能をオンにしている場合、友達の「お勧め提案を求む」という投稿がニュースフィードに目立つように表示される。この投稿への友達のコメントには地図が含まれ、後で利用するのが簡単なようにブックマークもできる。つまり「東京に来たけど寿司はどこで食べたらいい?」とか「サンフランシスコでブリトーがおいしいのはどこ?」といった質問に答える(そして提案を利用する)のが大幅に簡単になる。

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Facebookは今月、スタンドアローのイベント・アプリをリリースしたが、このアプリの優れた機能を本体アプリのイベント・タブにも移植した。ユーザーはデフォールトで友達からのRSVP(参加の可否連絡待つ)を含めてイベント発見のためのフィードを見ることができる。このフィードでは今日、明日、あるいは今週末にどんなイベントがあったかを簡単に調べることができる。もっと詳しく日程を知りたい場合は伝統的なカレンダー表示に切り替えることができる。ユーザーは新しいイベント機能を利用することで、地域のパーティー、展覧会、コンサート、カンファレンス、飲み会などの情報を最大漏らさず知ることができる。

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これらの新機能は当面アメリカを対象として今日から公開が始まる。反応が良ければ他の地域にも拡張される可能性がある。

FacebookはGoogle、Yelp、Fandango、ローカル情報サイト、料理宅配アプリなどに流れているトラフィックの一部を自サービス内に取り込もうとしているようだ。Facebookのタイムランはユーザーが慣れており、UIとしても使いやすい。ここに友達からの提案が表示されるのはユーザーにとって便利であり、使いにくく、身元不明の記事が多数ヒットするモバイル検索に十分勝てるとFacebookでは考えている。

ユーザーの習慣は一朝一夕に変わるものではないからモバイル・トラフィックに大きな影響を与えるような変化がすぐに起きるかどうかは分からない。しかしFacebookがユーザーが何をどこで買うのかについて今より豊富な情報を入手できるようになるのは間違いなさそうだ。ユーザーが特定のコンサート会場によく行く、あるいはタイ料理をよく注文するなどの情報が得られば、ターゲット広告の精度を改善するために役立つのはもちろんだ。

ユーザーがFacebook上で、友達だけでなく各種のビジネスとも相互作用をするチャンスが増えれば、ビジネス側でもFacebookにおける自社の露出を重視せざるを得ない。広告予算をFacebookにさらに振り向けることが必要になるわけだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook Messengerの新機能は友達の動静を表示―「会話の話題」が発見される

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Facebook Messengerは昨年夏にすでに10億人のユーザーを得ているが、Facebookはユーザーのエンゲージメントを増やすために新機能追加の手を緩めていないようだ。

最新の機能は「会話の話題(Conversation Topics)」の提供だ。これはMessengerで友達と話すときに会話のきっかけを提供するものだ。MessengerはFacebookの傘下にあることを利してソーシャルメディアの本体から会話のテーマを収集してくる。つまり、Facebook投稿から、友達が最近どこに行ったか、何を計画しているか、どんな音楽を聞いているか、などの動静を収集して知らせてくれる。

iOSアプリを使うChris Messinaが先週末、この機能を最初に発見し、Twitterに投稿した

この機能は正式なものではなく、Facebookが実施中のテストの一環なのだろう。そのため新機能は一部のユーザーにしか発見されていない。

「会話の話題」はスクリーンショットでもわかるとおり、Messengerのスクリーン上で独自のセクションが用意されている。

「会話の話題」セクションでは友達の名前の下にその人物に関係する話題、右端には相手がオンラインであるか、あるいは最後にオンラインだったのがいつかが表示される。

上の例では Messengerは友達が最近グランドキャニオンを訪れたことが表示されている。

別のサンプルでは友達が最近音楽ストリーミング・サービスで聞いた曲、Facebook Eventsで興味を示したイベントが表示されている。

「話題の候補」機能の考え方は単純だ。ユーザーがFacebookの新しい友達(それともここしばらく接触がなかった古い友達)と会話を始める場合には、きっかけとなる話題を探しているはずだというものだ。そこでMessangegerがその話題を提供するわけだ。

それに加えて、新機能はある種の簡単なニュースフィードとしても役立つというメリットもある。Faceboook本体をスクロールしたり検索したりしなくても友達の最近の動静が即座に分かる。Facebookページや「いいね!」した広告やその他ごたごたしたリンクを追うなどの手間が省けるのは便利だ。

また友達の動静を伝える「会話の話題」はFacebookがMessengerの価値をアップさせるために行っている努力の一つに過ぎない。今回新機能を発見したChris Messinaは9月にはMessengerのソースコードに埋め込まれたRoomsという機能を発見している。

RoomsはどうやらMessengerのプラットフォームを利用した公開チャットルームのようだ。ユーザーは共通の話題、関心を持つ相手とここでチャットができる。以前、FacebookはRoomsというプロジェクトでFacebookのユーザー同士が匿名でチャットできるような仕組みを実験したことがあるが、現在は終了している。新しいRoomsはこれに関連があるかもしれない。

今回発見された「会話の話題」がMessengerに(今のところ)隠された公開チャットルーム機能と関係があるのかどうかはまだ不明だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Googleは事実確認タグを導入した、Facebookよ次は君の番だ

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先日Googleは、Google Newsにfact check(事実確認)タグを導入すると発表した。ニュースアイテムの隣に、事実に基づいた情報を含む記事を表示することが目的である。ということで、いまやFacebookにとっても、事実確認は真剣に取り組むべき課題になった。

Facebookは、現代の新聞であるという役割に足を踏み入れている:つまり、そこはサイトを訪れる人たちに膨大なニュースを選択して表示する目的地の1つなのだ。その通り。そうしたニュースは、個人的な写真、動画、ステータスの更新、および広告に埋もれて表示されているが、それでもFacebookは米国成人の約半数がニュースを得る場所なのだ。

ということで、Facebookには、このオーディエンスに対して何が本当にニュースなのかを知らせる際に、もの事をより良く行う責務がある:噂やデマ、そして陰謀説とは対照的に、何が事実確認済みなのか、報告されたのか、検証されたのか、正当なニュースなのかを伝える責務が。

Facebookが、公平性を保つ努力の中で、読者に何がトレンド(現在「トレンド」機能は英語インターフェイスの場合のみに表示されている)かをサイト上で知らせる基準を、アルゴリズムだけに従うことを決めて、人間のニュース編集者を解雇したことは解決になっていない。それ以来、週の初めにリリースされたワシントンポストのレポートによれば、Facebookは繰り返し偽のニュース記事をトレンドとして表示するようになっている。

同報道機関が、8月31日から9月22日までの平日に4アカウント全体にわたって全てのニュース記事を追跡したところ、Facebookは5本の「議論の余地なく偽物の記事」と「あまりにも不正確な記事」をトレンドとして掲載した。そしてそれは恒常的に、プレスリリース、ブログ投稿、およびiTunesなどのオンラインストアへのリンクも掲載していた – 言い換えれば、ニュースサイトを指していない「トレンド」だったということだ。

Facebookが9月に発表したのは、トレンドトピックの中の偽のストーリーに対する対抗技術を展開するというものだったが、明らかにそれはまだ展開されてはいないようだ ‐ あるいはそのテクノロジーは、やるべき仕事をこなせるレベルには達していないということか。

いずれにしても、Facebookはより良く行う必要がある。

同社にとってそのニュースフィードへの明らかなデマの出現を単に減らすだけでは十分ではない – サイト上で回覧される友人や家族による他の人達による沢山の投稿が、タイムラインを直接訪れれば見ることが出来るからだ。

さらに、より多くのアイテムが共有されるほど、それらが口コミ(バイラル)として広まってしまう可能性が増える。そして口コミのニュースは、トレンドニュースとなり、その地域内のすべてのFacebookのユーザーに表示されることになる。

これは重要なことだ。Facebookは、爆弾の敷設も含み9/11は内部犯行だったという説を、タブロイドニュースソースからトレンドへ取り込んだ。またFox NewsアンカーのMegyn Kellyについての偽ストーリーも流した。彼女が解雇されたというニュースである。これらはミスではない:意図的な虚偽なのだ。

Facebookは、上記の件について謝罪したが、偽のニュースのプラットフォームへの掲載が続いているという、ワシントンポストの新しい発見に関してはコメントを拒否した。

それに加えて、Facebookはそのトレンドニュースリンクの検証で失敗しているだけでなく、そのサイトを埋めているリンクに警告を設定する方法も持っていない。

トレンドニュースの外では、Facebookは相変わらず、不正確で不十分なソースの、あるいは完全に偽であるニュース、噂そしてデマで埋め続けられている。たぶん、ニュースフィードではそうしたものを見ることは少ないかもしれないが、イカれた友人があなたの投稿に、良く知られたデマサイトへのリンクをまるでニュースのようにコメントとして貼り付けることを防ぐことはできない。何のタグやラベルもなく、彼らは事実を共有しているつもりなのだ。

一方、自分自身の投稿に対してコメントを禁止する手段も提供されていない、たとえその中に「性的暴行の被害者は嘘つきである」といったものが含まれていたとしても(例えば、最近のこうしたストーリーとか)。

なぜならば、たとえそれがユーザーのトラウマの記憶を呼び起こすものだということを意味しているとしても、Facebookはサイトへの再訪を促す1つのメカニズムを変えるという考えを放棄しているからだ。

事実確認済み記事に基づいた記事と、擁護団体が資金を提供しているウェブサイトからの記事の間には違いがあるPolitifact(有名な事実確認サイト)と無名の個人ブログの間には違いがあるのだ。それでもFacebookは両者を公平に表示する:ヘッドライン、写真、概要テキストといった具合だ。

もちろん、こうした対処は単にソーシャルネットワーキングに注力してメディアビジネスに参入するために広告を売りたいだけの1企業にとっては難しいことだろう ‐ それが、Facebookが大声で「自分たちはメディア企業ではない」と言い立てる理由なのだが。

しかしもうそれは「メディア」なのだ。それが望んでいるかどうかにかかわらず、もうその役割を提供している。

少なくともGoogleは打席に立ち、解決策の発見に務めている。今度はFacebookの番だ。

Facebookは意図することなくメディアになっただけなのだろう、しかしそれはもうメディアそのものなのだ。そして、今は酷い仕事をしている。

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(翻訳:Sako)

Twitterが独自の経営を続けていくには?(Googleによる買収もMBOもされないとして)

編集部注:この記事はKeith Teareによる。Keith TeareはTechCrunch のコーファウンダーであり、現在はPalo Alto Incubator Archimedes Labsを運営し、Chat CenterのCEOだ。

すでに広く知られているように、Twitter は迷走劇を続けている。とても残念でならない。現経営陣は、Twitterを売却すべきか否かで割れている。Twitterを取り巻く状況は、Google、Disney、Appleのいずれもが同社の買収に名乗りを上げないという報道により、さらに悪化したようだ。筆者がこのポストを書いている時点(米国カリフォルニア時間:2016年10月7日)で、株価は20%下落し、19.79ドルになった。

Twitterは誰が経営しているのか?ボードメンバーによる集合体か、それとも現経営陣なのか?

Twitterのボード(取締役会)は、輝かしいメンバーで構成されているが、今こそ会社を売却すべきとして、同社CEOのジャック・ドーシーに反対している。

筆者には、今日に至るまでにTwitterが決定した、戦略変更、経営メンバーの入れ替え、そしてIPOの決定をも含む全てが経営陣による決定ではなく、「経営陣とは逆の立場を取る」ボードによるものに見えてしまう。

一度でも会社を経営したことのある人間なら分かることだが、ボードと経営陣による勢力争いが起きると、会社が良い方向性に進むことはまずない、と言っていい。

以前は、Fred Wilson(New York にあるVC、Union Square Ventures パートナー)という非常にしっかりした考え方を持つメンバーがボードにいた。戦略や戦術に関するボードの意見は、心もとない経営陣に対して、会社の方向性を示し、Exitを求めたり、日々の意思決定の助けをするなど貢献していたかもしれない。しかし困難な時に重要なことは、そうではないだろう。むしろ、現場を知らないセレブリティの意見は毒にこそなれ、患者を救う特効薬にはならない。実際のところは内部の人間にしか分からないが、筆者はそう思う。

ひとつだけ確かなことは、経営陣が本当の意味で会社を経営して行かなければ、Twitterの未来は悲しい結果にしかならない、ということだ。

今、問われなければならないのは、本質的な議論が為されているのか?ということである。Twitter は売却されるべきなのか?

言い方を換えれば、TwitterYahoo!のような事業なのか?と訊くのでもいい。成長仕切った、過去のビジネスモデルの事業なのか?もういっそのこと月間アクティグユーザー3億という事業を高値で買い取ってくれる大金持ちに売却されるべきなのか?

これに対して筆者はYESのケースもNOのケースも想定してみた。

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No と考えた場合

どうしてNOと考えるか?まず最初に、Twitterは、世界中の人々の「コミュニケーション・プラットフォーム」「手軽な乗り物」「乗り合いバス」だったのだ。

推測するに、毎月20〜30億人の人たちが、テレビ、ラジオ、映画、印刷媒体で、Twitterを通じて発信された情報、人々の意見やコメントなどの引用を見ているはずだ。Twitterは、イベントの告知をしたい人、何らかの意見を言いたい人、広く世の中に知られるべきと思うことを拡散したい人たちにとって、いつでも、どこでも、思い立った時に情報発信することができる唯一のユビキタスなプラットフォームになっている。その機能において、Twitterと比肩される存在はない(筆者加筆:事実として、3.11の際、Twitterほど機能したツールはなかった。そのことは記憶に新しい)。

初期のマニフェストを読むと、Twitterは、そのポジションを理解していたことが分かる。API(ソフトウエア同士と繋ぐ仕様)を経由して、他のメディアがTwitterでつぶやかれたメッセージを広く社会に伝播していくことは望むべきことだった。

Twitterから発信される情報は、twitter.com を訪問する人たちに加えて、サードパーティが提供するソフトウエアを使って情報を拡散する人たちによるものも含まれていた。他社によるTweets のインデックスや、あるトピックや興味に関連するTweetをフィルターして見せることは許可されていた。Twitterは、オープンで広範に情報拡散できるプラットフォームであり、ある意味、インターネットそのものとも言えた。たしかに、検索エンジンは情報をインデックスし、人々が見たいウェブページに誘導してくれたかもしれないが、Twitterは各コンテンツを人々の興味関心に則って整理し、発信することができた。

Twitter のポテンシャルを最大限具現化するとしたら?

初期のTwitterは、上述のとおり、いつでも、どこでも、思い立った時に情報発信することができる「ユビキタスなプラットフォーム」を目指して、それを具現化するための機能開発を行っていたし、マニフェストにあるとおり、大きなビジョンのもとに進んでいた。「今、この瞬間重要なすべての情報を『拡散』するために、インデックスと検索機能を持ち、開発者にオープンであり、誰もがあらゆる状況で使える情報インフラ」を目指して。

このステージのビジネスモデルは明らかだった。どのような状況かに関わらず、発信され、消費されるTweetをもとにした「AdSense」であり「AdWords」である。それは、Googleがウェブページでのそれらの機能によって獲得しているレベルの収入を短期間で創造できる可能性があった。

Twitter として最も簡単に実現できる価値(モデル)は?

しかし、その当時、Twitterには「目的地(Destination Site)」にならなければならない、という信念というか思い込みがあった。

それは、サードパーティによる別のアプリやサイトでTwitterの情報が拡散されることを良しとしないことを暗に意味していた。Twitterで流される情報をインデックスしたり検索したりすることはブロックされるべきだし、Twitterを「みんなが使える情報拡散ツール(手軽な乗り物、乗り合いバス)」とすることへの抵抗でもあった。しかし、そのことによって、Twitterユーザーの定義を twitter.comへ「ログイン」する人、twitter.com上で情報を発信したり読んだりする人に限定することになった。

これは、Twitterがなり得る最も簡単なビジネスモデルだった。取締役会の大半はTwitterを「目的地(Destination Site)」にしたかったということだ。もし、なれるとしたらYahoo!のように。

そして、その領域に興味を持っている聴衆を惹き付けるコンテンツの「チャンネル」を創りたい。そして、他の手段ではリーチできないようにしたいと。

そのビジョンは、ここ3、4年でTwitterをブランド化された「ディスティネーション」にしたと共に、広告プラットフォームとしてのポジションを確立した。そして、その成功を計るKPIは、他のメディアを含めて、世の中で「どれだけのTweetsを計測できたか?」ではなく、Twitterに「ログイン」しているユーザー数になってしまった……。

20億ドルという広告収入は、たしかに素晴らしい。しかし、Twitterが本来持っている、世界中の誰もがいつでも使える「情報拡散ツール(手軽な乗り物、乗り合いバス)」というポテンシャルと比較すると、極めて小さい成果でしかない。

TwitterはコンテンツのディスティネーションとしてのYahoo!をリプレイスしたかもしれないが、Twiter本来のビジョンを追求していれば、コンテンツ探索におけるGoogle をリプレイスできたかもしれない。

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IPOは時期尚早だったか?

TwitterのIPOは、初期のマニフェストから試行錯誤を経て、Twitterがコンテンツリッチな「目的地(Destination Site)」への転換への途上で行われた。IPOは、取締役会の意思であり、経営陣の意思ではなかったのではないか?

Dick Costoloは、嵐の中、本来の半分のナビゲーション機能しか持っていない船をとても見事に操縦していたが、株価は最終的に2つのことを反映した。

1つは、会社が収入を正確に予測できなかったこと。2つ目は、KPIを「ログインユーザー数」にしか設定できなかったこと。その結果、株式市場は、Twitterの取締役会および経営陣の方針、つまり、Twitterを広告収入によって成立させるポータルサイトにするという方針を受け取り、結果として、それに則った評価をした。

2013年から2016年にかけてのTwitter病は、このチープなプロダクトデザインとそれがきちんと機能する前の早過ぎるIPOによってもたらされたと言える。マネジメントの変更、株価の低調な推移、会社を売却したいという願望等など……。

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Yesと考えた場合

Twitterは「(経営陣に)干渉し過ぎる取締役会による機能しない会社」であり、離婚すべき状態に陥っている家族のようだ。買い手は、内部のつまらない争いごとのない「白紙の状態」を創り、本来のTwitterが持っている最大限の可能性を実現できるかもしれない。

それは、Twitterにとって理想的なシナリオである。もし、この構想の実現を望むとした場合、誰が最も相応しい買い手だろうか?その相手はふたり(2社)しかいない。Googleか、PEファンドによるバイアウトだ。

Googleは疑いようのない理想的な買い手と言える。彼らであればTwitterを、世界中の誰もがいつでも使える「情報拡散ツール(手軽な乗り物、乗り合いバス)」に育てることができるし、最終的にはウェブ検索(広告)から得ている収入を上回るだろうと思われる。

ライブ映像配信の勃興―YouTubeが抜きん出ている領域、このインパクトはビデオ広告の市場機会によってより一層推し進められるだろう。そして、Googleの “organize the World’s Information, and make it Accessible(世界中の情報を整理し、人々がアクセスできるようにする)”というビジョンとTwitterの本来的なビジョンは整合する。もし、GoogleがTwitter買収から身を退くのであれば、LarryもしくはSergey、あるいは David Drummondに対して、「何故、GoogleはTwitter買収を再考すべきか?」を私に説明させて欲しい。私はいつでも https://chat.center/keith で連絡がつく。

Googleの次に望ましい買い手はプライベート・エクイティ・ファンド(PE)だ。SilverLake、KKRもしくはBalckrockなどがどのようにSkypeと仕事をしたかを思い出して欲しい。Twitterを短期的な思考から自由にし、Twitterが成し得る最大のビジョンを実現させるために非上場化させることを検討すべきである。そうすれば、この先10年間に渡って、デジタル広告とユーザーの支持を手中にすることができるだろう。

そのシナリオを実現するのであれば、Twitterをプライベート化(非上場化)すべきである。Qihoo360やDELLが行ったように。ファイナンスの心配はない。銀行はそのビジョンに興味を示すはずだ。

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What’s Next for Twitter?

取締役会はTwitterをメディアやコンテンツに興味のある相手に売却するべきではない。もし、そのような相手に売却するのなら、彼らは「40億人のスマートフォンユーザーが望むニュース、娯楽情報、ライブ映像配信等のデータとメッセージの『情報拡散プラットフォーム』になる!」という壮大なチャレンジに挑むことなく、極めて平凡で陳腐な結果に甘んじることになるだろう。

経営陣は、Twitterの創業の理念に立ち戻り、「ユニバーサル(誰もがいつでもどこでも使える)であり、オープンであり、壮大でエキサイティングなビジョン」の実現を目指すべきである。

そして、我々はTwitterにそのような転換をするための時間を提供すべきである。

Twitterは Yahoo! ではない。まだまだ成長を模索している子供である。幼児の成長を殺してしまうことは間違っている。可能性のある少年を成長させるべきだ。

[原文へ]

翻訳:平石郁生(サンブリッジ グローバルベンチャーズ代表取締役社長)

 

NFL、各チームによるビデオやGIF投稿を大幅に制限

FOXBORO, MA - SEPTEMBER 21: Julian Edelman #11 of the New England Patriots is tackled during the fourth quarter against the Oakland Raiders at Gillette Stadium on September 21, 2014 in Foxboro, Massachusetts. (Photo by Darren McCollester/Getty Images)

NFLが、新しいソーシャルメディア・ポリシーを発表した。ファンの期待を裏切るものとなっているように思うがどうだろうか。

ESPNが入手した新ポリシーに関するメモ(新ポリシーは直ちに発行することとなる)によれば、ゲーム中に映像関連コンテンツをソーシャルメディアに投稿することを一切禁止することとしたのだそうだ。

ゲーム中にFacebook LiveやPeriscopeなどに投稿することはできないし、またゲーム後でも一定の制限を課すこととなった。これまでは、チームはファンのために自由に投稿を行うことができていたのだ。こうした面でのファンとの交流が禁じられることになるわけだ。

ゲーム後も60分を経過するまでは、ハイライト(ビデオやGIF)を投稿することが禁じられた。

ちなみに、NFLの公式アカウントによるビデオ投稿ならばゲーム中でも行うことができる。チーム側がこれをリツイートしたりリポストすることは自由に行うことができる。

違反したチームに対しては、最初の違反に対して2万5000ドル、2度目には5万ドル、そして3度目となると10万ドルを科すこととなっている。

すなわち、どういう状況になるのだろうか?たとえばパンサーズがタッチダウンを決めたシーンはこんな感じだ。まずはパンサーズの投稿から。

一方でNFLの公式ツイートはこんな感じだ。

ファンにとって、どちらが魅力的であるかは言うまでもないだろう。パンサーズはこのNFL公式投稿をリツイートすることもできるわけだが、チームとして他にやりたいこともあるケースも多いはずだ。

また、このパンサーズのゲームが行われた日は、ただこの1試合だけが行われていた。そこでNFLのソーシャルメディアチームも、このゲームにのみ注力することができた。しかし同時に7試合が行われる日曜日などにはどうなるだろう。チームの魅力を伝えるハイライトシーンをすべて取り上げる体制はあるのだろうか。情報が新鮮なうちに各チームが再利用(リツイート)できるようなタイミングで情報を公開することはできるのだろうか。

間違った決断なのではないだろうか

今回の決定は、NFLの視聴率が昨年比で14%の落ち込みを示していることをうけてのものと思われる。大統領選の影響を指摘する人もいる。スター選手が怪我をしていたり、出場停止になっているせいだとする人もいる。最初の5週間については組み合わせも選手のパフォーマンスもひどいからだと主張する人もいる。

つまり、視聴率低下をソーシャルメディアのせいであると考える人はいないのだ。そのような中でのNFLの決定には疑問を感じる。ビデオ投稿を規制すれば、ファンはテレビで見るしかなくなるはずだというのがNFLの考えだ。しかしソーシャルメディアは視聴率向上にこそ役立つものなのだ。Twitterでリアルタイムにスーパープレイを見て、それで試合に興味をもってテレビを見るという人は多いのだ。

証拠もある。昨シーズン、NBAの視聴率は10%の伸びを示した。そのNBAっはソーシャルメディアの使い方については完全にリベラルでかつイノベーティブでもあるのだ。ともかくチームのビデオ投稿を規制するようなことは一切行なっていない。各チームはGIFやVine、あるいはビデオ投稿などを次々に繰り出し、とても面白いゲームがいままさに行われていることを視聴者に訴えることになっているのだ。

NFLの決定は、少なくともソーシャルメディア上におけるフットボールの魅力を減じるものになるだろう。

原文へ

(翻訳:Maeda, H