Google、Chromecastを35ドルで今日から発売―居間のテレビに取り付けるとビデオコンテンツをストリーミング受信できる

GoogleからChromecastが登場した。名前でも推測できるとおり、GoogleのChromeブラウザ/OSをベースにして家庭の大型テレビにクラウドからコンテンツをストリーミングするデバイスだ。

Googleによれば「ChromecastはYouTube、Google Play、Netflix、Pandora、クラウド上の写真をHDTVにストリーミングするもっとも簡単な方法だ」という。コンセプトはApple TVに近い。Google TVと呼ばれなかったのは、残念ながらGoogleはすでにそういう製品を作ってしまったからだ。.

ChromecastはChrome OSが通常のコンピュータ以外の消費者向けデバイスに利用された最初の例となる。これまでChrome OSはデスクトップ、ノートなどのデバイスでのみ作動していた。今回Googleは居間のテレビに取り付けて、コンピュータだけでなくモバイル・デバイスからもストリーミングを受け取れるデバイスをChrome OSベースで開発した。

ChromecastはストリーミングにAirPlayタイプの方式を採用している。たとえばYouTubeの場合、AndroidないしiOSでサイトを訪問し、「他のスクリーンにキャストする」ボタンを押すだけでよい。とても簡単だ。

Chromecastは要するにAirPlayに対するGoogleの回答だ。ただしマルチプラットフォームをサポートしているところが違う。またいったんストリーミングを開始すればスマートフォンなどのデバイスは別の作業に移ることができる。それどこころかデバイスはスリープモードになっていてもかまわない〔注〕。これに対して欠点は(少なくとも現在のところ)、ChromecastデバイスはAirPlayほど多様なコンテンツをサポートしていないことだろう。

一方、良い点はどんなデバイスでもリモコンに使えることだ。あるデバイスでビデオのストリーミングをスタートし、そのデバイスをシャットダウンし、別のデバイスでコントロールを引き継ぐことがシームレスにできる。

同一のLANに接続しているデスクトップ・コンピュータもコントローラーに使える。キャスト・ボタンをクリックすればビデオのストリーミングが始まる。コンピュータはすぐに別の作業を始めてよい。

ChromecastデバイスそのものはテレビのHDMI端子に取り付ける小型のスティックでRoku Steaming Stickに似ている。Google TV担当副社長Mario Queirozは「セットアップがまったく簡単なことが特長だ」と述べた。

Chromecastは35ドルでアメリカで本日から発売されている。

〔日本版注:Apple TVの場合、iTunesをインストールしたデバイスからストリーミングされるコンテンツを受信してテレビに出力するのに対して、 Chromecastは無線LAN経由で自らウェブに接続し、コンテンツのストリーミングを受信してテレビに出力する。スマートフォンやコンピュータはどのコンテンツをストリーミングするかChromecastに指示するリモコンの役割だけを受け持つ。〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


YouTubeがサイトに埋め込めるチャンネル登録ボタンをリリース

この数年、YouTubeはチャンネル、ことにチャンネル登録の強化に力を入れてきた。しかしこれまではチャンネルはYouTubeサイト内でしか登録できなかった。しかし今日(米国時間7/23)、YouTubeはエンベッド可能な登録ボタンを公開した。ビデオのクリエーターは、このボタンを自分のウェブサイトに表示させて、訪問者にチェンネル登録を促すことができる。無料、有料どちらのチェンネルもこのボタンを利用できる。

YouTubeはこのエンベッド・ボタンによってチェンネルを登録するユーザー一般の増加を図ると同時に、いささか低調なスタートを切った有料チャンネルの登録が増えることも期待しているのだろう。.

このボタンを設置するにはほんの数秒ですむ。ここに自分のチャンネルの名称を書き込み、エンベッド・コードを自分のウェブサイトのソースにコピー&ペーストするだけでよい。ボタンのデザインはベーシックなものと自分のサイトのロゴを含めたもののいずれかが選択できる(背景は白または黒)。

下はわれわれのTechCrunchチャンネルのロゴ入り登録ボタンだ(よろしければ登録してください)。

ただし、YouTubeはこのボタンの利用にあたっていくつかのルールを設けている。たとえば、このボタンで懸賞や報酬など、ボタンクリックに対してなんらかの見返りを提供してはならない。私の取材に対してGoogleの担当者は「これはチャンネル運営者が人為的に登録者数を水増しすることを防ぐためだ」と説明した。

またYouTubeはこのボタンを「明瞭かつ完全な状態」で表示するよう求めている。ユーザーはこのボタンを利用して閲覧履歴その他訪問者に関する情報を収集することも禁止されている。

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YouTubeネットワークは明日の大型メディア企業だ

ここ数年で、YouTube上にはマルチチャネルネットワーク(MCN)がものすごく増えた。彼らは、チャネルを多くし、オーディエンスを増やすことによって、ビデオ作品からの収益を上げようとしている。これら、YouTubeをベースとする収益目的のビデオネットワーキングのことを、通常は“YouTubeネットワーク”と呼んでいる。しかし目標は同じでも、その達成方法は各ネットワークによりまちまちだ。

ぼくは先週いっぱい何をやっていたかというと、ロサンゼルスにオフィスのあるこれらYouTubeネットワーク各社を訪ね回っていたのだ。Big Frame、Fullscreen、Machinima、Maker Studios、Tastemade、ZEFRなどなどは、それぞれ、どこがどう違っているのか。ビデオの作者たちへの待遇は、どうなっているのか。

コラボレーションとコーディネーション

YouTuberでビジネスをしようとする者たちはまず、コラボレーションによってオーディエンスを増やそうとする。つまりAさんとBさんがコラボレーションして、それぞれ相手のオーディエンスを自分のオーディエンスにもする。彼らのチャネルにサブスクライブしているオーディエンスの多くが、とくに嫌いでもないかぎり、新たに増えたBさんAさんのビデオも視聴するだろう。

Big FrameとMaker Studiosは、この方法で人気クリエイターたちの作品をたくさん集めて成績を上げている。視聴者が増え、会員も増え、そして結果的に広告収入の源泉である視聴数(ビュー数)も増える。

コラボレーションを広めようとしているのは、MCNだけではない。YouTube自身が、多くのクリエイターを傘下に集めるために、本格的で大規模なプロダクション施設YouTube Space LAを開設した。スタジオがあり、撮影機材があり、ビデオのクォリティを上げるためのポストプロダクションの施設や機材もある。またこの施設はコミュニティセンターとしても利用され、いろんなソーシャルなイベントや教育訓練のためのワークショップに、年間を通じ多くのクリエイターを集めている。

古き良き日のハリウッド的プロダクション

ハリウッドをハリウッドたらしめているものは、大作の商業コンテンツを作る意志だ。そしてYouTube上のMCNたちも、単純にクリエイターを集めてコラボレーションさせ、彼らにベストプラクティスのリストを与えるだけでなく、視聴者を満足させる、価値の高いオリジナルコンテンツを作らなければだめだ、と気づきつつある。

これまでYouTubeでは、視聴者がカジュアルな見方しかしないので、ビデオはなるべく短くすべし、とされていた。でも最近では、時間をかけて複数のビデオをじっくり見るタイプのオーディエンスが増えつつある。そのため、長時間ビデオが徐々に増え、またそのためのプロダクション投資も増えている。

その方面でいちばん意欲的なのが、たぶんMachinimaだ。同社はMortal Kombat: Legacy(今では第二シーズン)やBattlestar Galactica: Blood & Chromeなどに投資して、YouTube上の長時間ビデオの限界を模索している。そして今のところ同社は、視聴者の熱心な視聴態度から、“これで行ける!”という前向きの感触をつかみつつある。

またMakerやTastemadeなどは、Machinimaのようにシリーズもののコンテンツを作るのではなく、作品の質の向上に力を入れている。両社とも、クリエイターたちに使わせる専用のスタジオがあり、そこで彼らのコンテンツを作らせる。Makerでは、クリエイターたちはスタジオのセットを再利用できる。一方Tastemadeは、キッチンのセットを何種類も作ってクリエイターたちに使わせている。

特定ニッチや業種に焦点

最近では、オーディエンスを特定のニッチや消費者特性、あるいは特定の業種業態に絞ったビデオ制作が増えている。この路線を最初にやり始めたのMachinimaだが、同社は最初、ビデオゲームのファンの男の子、という層に着目した。しかし最近では、そういうニッチ路線を行くYouTubeネットワークが増えている。

たとえばTastemadeの場合は、最初から“グルメ指向”でスタートした。食べ物に関心のある人たちは、相当な視聴数、ひいては広告収入を、期待できる層なのだ。またDanceOnは、その名のとおりダンスファンを対象としている。

オーディエンスの層を特定しないネットワークも、個々の企画では層化のきざしがある。たとえばBig Frameは、都市住民のためのForefront、ファッションと美容に絞ったPolished、女性クリエイターのためのWonderly、性的少数者層のためのOutlandish、などを作っている。

技術の向上

商用プロダクションとなると、ビデオの高品質化が重要だ。しかし視聴者増に欠かせないのは、チャネルそのものの技術的管理だ。そのために、FullscreenやZEFRはYouTubeネットワークが自分のチャネルの視聴率や広告収入の動向などをチェックするためのダッシュボードを提供している。

Fullscreenが最近作ったCreator Platformは、ビデオチャネルを管理するためのツールだ。最初はアクセス分析と広告収入を見るためのダッシュボードだったが、今ではクリエイターたちが自分のチャネルを良くしていくためのいろんな情報を提供している。

一方ZEFRは、YouTubeにアップロードされた、大手メディア企業に著作権のあるコンテンツを見つける。昔は、ファンが勝手にアップロードしたそんなコンテンツは無条件で取り下げられたが、今では著作権保有者にとってお金を稼ぐ手段だ。今やZEFRは、このサービスの対象をメディア企業だけでなく一般企業にも拡大し、悪質ビデオの発見などに役立てている。

FullscreenとZEFRはどちらも、自社でコンテンツを制作しているわけではないけれども、YouTubeネットワークとそのコンテンツをビジネスとする企業であることには変わりない。

次にやってくるメディア企業とは

今私たちは、ビデオの未来へ向かう曲がり角にいる。次世代の大型メディア企業はYouTube(など)の上に生まれる。テクノロジと伝統的なプロダクション技術の両方を身につけた彼らが、今の大手メディア企業の敵にもなりパートナーにもなる。しかしそこまで昇りつめるYouTubeネットワーク企業は、アートにおいても、サイエンスにおいても、プロダクションにおいても、コンテンツにおいても、そして運においても、大きく恵まれた企業でなければならない。

写真クレジット: chelsea(:, Compfight ccより。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Kinectからのライブ3Dデータで作るZ Vectorの美麗なるビデオアート

これはちょいとニッチなプロダクトだけど、でもおもしろいことはおもしろい。

アーチストのJulius Tuomistoは、これからはDJ(disk jockey)ではなくVJ(video jockey)の時代だ、と信じている。DJがよく考え抜かれた選曲で音楽ファンのお世話をするように、ビデオアーチストは音楽に合わせたライブの視覚化でオーディエンスを引っ張るのだ。

彼がヘルシンキに作った会社Delicodeは、このほどZ Vectorという名前のソフトウェアプラットホームを開発した。それは、KinectやPrimeSense Carmineからデータを取り出してライブのビデオフィードと視覚化を作り出すが、その中ではカメラがとらえた人の形などが3Dで回転するのだ。これはライブのパフォーマンスの見せ方の技法であり、プログラミングによる作品ではない。

下のビデオは、彼がPhantomというバンドのために作った音楽ビデオだ。

Z VectorはKinektから3Dの生データをもらい、それにエフェクトやフィルタをかけて様々なテクスチャやラインを作り出す(上の例のように)。

また、下のビデオのようにディストーションをかけることもできる(パーティクルトレイルやグラデーションも)。この技法は、ダンスグループのライブパフォーマンスの放送で、背景として使われた(ベニス・ビエンナーレ、バルセロナにおける世界モバイル会議、そしてSXSW)。

ベータは無料だが、今後は有料になるかもしれない。Z Vectorからのフィードも、ほかのデバイスにブロードキャストしてよい。ハードコアのゲーマーたちがよだれをたらしている仮想現実バーチャルリアリティヘッドセットOculus RiftなんかでもOK(最近Spark Capitalらから資金を調達した)。

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YouTubeネットワークFullscreenがオーディエンスの調査と成長を助けるプラットホームをローンチ

YouTubeネットワークと呼ばれるサービスは、クリエイターたちに制作支援を提供したり、ビデオに関してコラボレーションできる人たちを結びつけたりする。しかしここでご紹介するFullscreenは、クリエイターたちにいくつかの技術的なツールを提供する点で独特な存在だ。

それらのツールを組み合わせた同社のCreator Platformは、自分のネットワークからビデオを配布するクリエイターたちに、視聴者数を調べたりビデオを管理するためのより良い方法を提供する。ユーザにはダッシュボードが提供され、そこからチャネルのアクセス分析や収益報告を見ることができる。つまりクリエイターは、一つ一つの自分のビデオについて、そのYouTube上の‘成績’を知ることができる。また、視聴のパターンや、トラフィックのソース(起源)、FacebookやTwitterなどソーシャルネットワーク上の共有の広がり、なども分かる。

さらに、ビデオの発表時期のスケジューリングなど、ビデオライブラリの管理方法も提供される。クリエイターが自分のビデオ用に音楽のライセンスを取得するためのツールもある。それに、ビデオクリエイターの多くがミュージシャンでもあるので、このプラットホームから自分の音楽のライセンスを提供することもできる。

そしてFullscreen Gorillaと呼ばれるツールを使うと、企業や製品の広告キャンペーンに自分のビデオを参加させられる(下図)。つまりFullscreenは、クリエイターたちの収益化(monetize, マネタイズ)も助けるのだ。

FullscreenのCEO George Strompolosの説では、“今日のクリエイターは、自分自身のためのメディア企業でもある”。つまり、ビデオを撮影し編集しアップロードするだけでなく、広告主たちとの交渉や、自分とコラボレーションできるほかのクリエイターの発見など、経営管理的な仕事も多い。Creator Platformは、そういう方面の仕事を手伝ってくれる。

しかしFullscreenのネットワークを利用するのは、クリエイターだけではない。たとえば、企業のビデオのマーケティング効果の測定を代行するスタートアップもある。彼らは、視聴者とコンテンツとの対話の様相を調べて、消費者の好感度などを判定するのだ。また企業自身もこのプラットホームを利用して、自分のビデオチャネルのパフォーマンスを競合他社のそれと比較できるし、YouTube上の影響力の大きいカリスマ的人物を見つけて自社のメッセージを広めてもらう、といったこともできる。

そのため、NBCUniversalやRyan Seacrest Productionsなどもビデオの管理と視聴分析のためにFullscreenを利用している。2011年にローンチした同社はその後急速に成長し、今では同社のプラットホーム上に15000あまりのチャネルがある。視聴数や会員数でも同社は最大のネットワークで、月間のビデオ視聴数が25億あまり、クリエイターたち全員が抱える会員総数は2億を超えている。

Fullscreenは最近、The Chernin Groupが仕切りComcast VenturesとWPPの投資部門WPP Digitalが参加した投資ラウンドにより、約3000万ドルを調達した、と推測されている。社員数は150名あまりで、主にロサンゼルスのオフィスに勤務する。

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Facebook、ビデオ中の全フレームを認識し、音声を把握する特許を取得(Instagramのカバーフレーム自動選択にも活用)

顔認識、位置情報認識、そしてビデオ撮影の際に録音した音声を認識する技術まで実用に供される時代となりつつあるそうだ。そうしてFacebookは、収集したデータをもとに短編ビデオ(Instagram)で「カバーフレーム」にすべきシーンのサジェスションを行ったり、タグ情報の提案を行ったりするという特許を取得した。映っている人それぞれに通知を出す等、多くの写真やビデオの中で注目してもらえるようにする技術をいろいろと実現しているようだ。

実のところ、1ヵ月前にこの特許をみたときは、何のためのものであるのかがよくわからなかった。それまでFacebookはビデオ関連にはあまり注力してこなかったからだ。特許書類の図表によれば、撮影したビデオからカバーフレームをセレクトするようなことが書いてあったが、これは当時のFacebookではサポートされていない機能だった。ビデオからカバーフレームを選ぶのに、スマートフォンの全機能を総動員するものらしいとはわかったが、どのような形で実装するつもりなのかがよくわからなかったのだ。

しかしInstagram Videoの発表で、いろいろなことが腑に落ちた。

カバーフレームの重要性

現在、Instagramで動画を撮ると、撮影シーンの中からカバーフレームにするシーンを選択することができるようになっている。これはVineに比べても少々面倒な作業手順追加となっていて、ビデオ投稿を面倒がらせる一因ともなっているようだ。

但し、面倒であるかどうかには関わらず、カバーフレームを選択するというのは非常に重要なステップだ。ビデオの閲覧には、写真を見るよりもより多くの「投資」が必要となるからだ。以前までのInstagramであれば、望みのままの速度で全体を見渡して面白そうなものを見つけ出すことができた。しかしビデオについては、実際に見てみるまで、それが面白いものなのかどうかよくわからないのだ。見ると決断するということは即ち、時間を「投資」することになる。ほんの15秒程度のことではある。しかしモバイル環境でわざわざビデオを再生し、そしてそれがつまらないものであるとなると、多くの時間を損したように感じてしまうものだ。

閲覧者として、事前に「投資効果」をはかるのは、投稿者の人気度合い、ビデオの説明、そしてカバーフレームしかないのだ。

ビデオに含まれる全てのフレームが、ビデオ自体の魅力を伝え得るものでないことは明らかだ。そこで現在のところFacebookは、自動的にビデオの中から15フレームを抜き出し、その中からカバーフレームとして適していそうなものを選ばせるという形をとっている。そのうちのどれがベストなのかを判定する機能は持たず、時系列的に並べて投稿者に選ばせる形となっているのだ。

しかし、新しい特許技術を実装することにより、FacebookないしInstagramではビデオ中から最も面白そうな瞬間を抜き出すことができるようになる。映っている人などから判断し、カバーフレームに適した瞬間を選び出し、また注目を集めるのに適したタグの提案までをも行なってくれる。

笑顔のみならず、笑い声からも「最高の瞬間」を判定

特許が認められたのは2013年4月で、申請されたのは2011年10月のことだ。申請者はFacebookおよび従業員であるAndrew “Boz” BosworthDavid Garcia、およびSoleio Cuervoとなっている。申請タイトルはAutomatic Photo Capture Based on Social Components and Identity Recognition (’80)、Preferred images from captured video sequence (’00)、およびImage selection from captured video sequence based on social components (’65)となっている。

申請技術の基本にあるのは、ビデオフレームをひとつひとつ写真のような分析対象とするというものだ。ここで顔認識やパターン認識などの技術を用いて、映っている人々や文字情報、ブランド、風景などを把握する。

画像キャプチャプロセスにおいて、ビデオフレームを順次走査して…場所(エッフェル塔、金門橋、ヨセミテ国立公園、ハリウッド等)やショップや企業(コーヒーショップ、サンフランシスコ・ジャイアンツ等)、さらにはブランド商品(コカ・コーラ、ルイ・ヴィトンなど)を認識します。

認証プロセスを経て、映っている人物や場所、そしてブランドに対する適格なタグがサジェストされることになる。あるいは誰のニュースフィードに表示すべきかということを判定するために、収集したデータを活用していくこともできる。つまりビデオ中に映っている場所の近くにいる人に対して集中的に配信したり、あるいは場所やブランドないし映っている人と親しい関係にある人に配信するということが自動的に行える。Instagramでは5月から写真に対するタグ付けをサポートしているが、新しい特許技術と結びつくことにより、一層効果的に機能するようになる。

人やプロダクトがタグ付けされることにより、そうした人ないしモノをフィーチャーしたビデオでも、自動的に魅力的なカバーフレーム選択が行われることになる。また特許には、明るさやコントラストを判断してベストフレームを選択したり、また人の表情すら読み取って最適なカバーフレーム選択に利用すると記載されている。大勢が並んで映っているビデオを撮影したようなときは、みんなが晴れやかに笑っている瞬間のフレームがカバーフレームとして選択される。また加速度センサーからの情報も判断して、手振れのないシーンを選択するというようなことも行うそうだ。

いろいろと面白そうな機能が書かれているが、マイクで拾う音声さえも、ビデオの中のベストフレームを選ぶのに利用されるというのが面白い。

フレーム選択プロセスでは、ビデオ中の音声データも分析します(音声認識プログラムなども利用します)。そして重要な瞬間をセレクトするのです(「チーズ!」、「すごい!」、「素晴らしい!」等)

Instagramが「聴覚」を持つというようなことだ。美しい日没の風景などを見て驚嘆の声をあげたり、あるいは笑い声をあげた瞬間をInstagramはキーフレームとして選択することができるようになるわけだ。

Instagram、Vine、その他のサービスの間で争われている主力ビデオサービスの座を巡っての戦いの中、こうした技術要員が地位獲得のためのキーとなっていくのだろう。アプリケーションには軽快さと簡単さが求められ、公開までの手順は少なければ少ないほど良い。種々の機能追加はパワーユーザーに歓迎されるだろう。但し、コア部分については機能を絞込み、シンプルに使えるようにしておくことが重要だ。

Facebookは、ずっと写真などの投稿をスムーズかつシンプルに行えるように研究開発を進めてきた。Boz、Garcia、そしてSoleioは、ビデオの扱いも写真と同じようにシンプルにすることを目指して研究をすすめてきたのだろう。特許の成果がInstagramで結実すれば、投稿ビデオの世界に新たな地平が生まれることにもなるかもしれない。投稿される写真にも面白いものが増え、友人たちの撮影したビデオを閲覧する機会も増えることになるだろう。

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(翻訳:Maeda, H)


独立記念日は、InstagramおよびVineにとっても史上最良の日(歴史はほんの短いものなれど)

7月4日は、InstagramとVineにとっては「新記録樹立の日」であった。この日にはオンラインコンテンツが多くシェアされる日であり、今年はInstagramおよびVineを使った動画も多く投稿されたせいだ。

独立記念日となるこの日、多くアメリカ人はバーベキューをしながらホリデーを楽しんだ。しかし楽しむだけではなく、「自由か死か」とイギリスに独立のための戦いを挑んだパトリック・ヘンリーのような選択を強いられることにもなった。強いられたその選択とは6秒か、それとも15秒かというものだ。

記念日に打ち上がられた花火をフィルター加工して公開したいと考えた人もいたし、ループ形式のビデオが面白いだろうと考えた人もいた。

こうした記念日を経たあとでは、コンシューマー向けサービスを提供している企業は、「成果」を発表しなければならないと決まっているのかもしれない。たとえばVineは「re-vine」回数が過去最高になったとアナウンスした。「re-vine」が可能になって2日目の数値であることは、積極的にはアナウンスされていないが、記憶しておくべきだろう。Instagramの方は、ビデオの投稿数が過去最高であったとアナウンスしている。但しビデオ機能がアナウンスされたのが、2週間前であることは、やはり記憶しておいて良いと思う。

これまでの感謝祭NBAファイナルを見てもわかるように、面白そうなイベントがあれば、数多くの写真やビデオが投稿される。

モバイルデバイスの普及により、写真やビデオの共有件数は飛躍的に増大してきている。友達の多くがオンラインに生息するようになってきている。両者の主張する「新記録」も、こうした時代の流れの一環ではあるわけだ。

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(翻訳:Maeda, H)


Vine、過去最大規模のアップデートで自らの魅力を顕示

Twitterが提供する6秒間ループビデオ共有ツールのVineが新しいバージョンを投入してきた。カメラ機能を新たにし、さまざまなジャンルのカテゴリが用意された。また他の人のVine投稿を「revine」する機能も搭載された。

今回のアップデートは利用者からの要求に応えるアップデートであり、またフォロワー獲得にも便利になり、注目を浴びやすくなったと言えよう。

変更点の中で、まずカメラの変更が大きなものだと言えるだろう。とくに静止映像を連続させてアニメーションを作るの(Vineの中でも人気の手法だ)が便利になり、プロフェッショナルからも歓迎の声が聞こえる。カメラ画面中にグリッドやフォーカスツール、また直前の画像を薄く表示させるGhostツールというものも導入された。但し、Instagram Videoにあるような編集機能は導入されなかった

閲覧時にも便利だし、また、自分のビデオをより多くの人にみてもらうため、15個のチャンネルが用意された。これによりビデオに撮った対象に興味がある人に見てもらいやすくもなったわけだ。現段階では音楽、自然、コメディなどのカテゴリが用意されている。それぞれのテーマや人気フィードを見ることができるようになっている。こうした仕掛けにより、面白いビデオを作成すれば、より多くの人に見てもらえるようになったと言えるだろう。

ところで、Vine使いのプロであるMeagan Cignoliと少し前に話をした。彼女はさまざまなブランド向けに静止画合成ビデオを作成して収入を得ている。その彼女は、ともかく「カテゴリ」の導入を強く訴えかけていた。それによりVineコミュニティが活性化すると考えているわけだ。彼女は現在、Vine上では200,000のフォロワーを獲得している(Instagramでのフォロワーは10,000人だ)。Instagramでも、注目を浴びるための仕組みが不足していると彼女は主張していた。

尚、カテゴリ毎にわけるだけでは、せっかく多くの人に訴えかけるものであっても、十分な注目を浴びることができないかもしれない。しかしそのようなときのために「On the Rise」(人気上昇中)というカテゴリもある。これによっても注目を浴びるチャンスを与えられているわけだ。

また、拡大を続けるVineコミュニティでは、「Re-vine」機能の実現を求める声も大きかった。Vineを運営するTwitterに「Re-tweet」(リツイート)機能があるのだから、これは当然のリクエストであったと言って良いだろう。今回のリニューアルを経て、気に入ったVineビデオをボタンクリックによりシェアできるようになった。

さらに、Vineはビデオの共有範囲について細かく設定するための機能も追加した。Vineのデビュー当初からは、プライバシー関連の設定メニューは用意されていなかった。ビデオを投稿すると、それは全体に公開されるという仕組みになっていたのだ。Profile > Settingsのページから、フォロワーのみの公開するオプションを設定することができるようになった。

InstagramがInstagram Videoをスタートして、Vine危うしという声もある。しかしVineはこの6ヶ月で見ても、コミュニティを大いに拡大してきていて、現在の利用者は1300万以上となっている。最大6秒までといった制限や、編集不可といった制約も、むしろ「味わい」として受けいられている様子でもある。これにより製作者側からも、閲覧者側からも人気を集めている理由のひとつとすらなっているようだ。

Instagram VideoがVineの成長を阻害するのかどうか、それはもう少し見てみないとわからない。しかしどうやら双方ともに生き残っていくマーケット規模があるのかもしれない。少なくともVineが今回のように利用者の声に迅速に対応する限り、人気を失うことはないのではないかと思われる。

Vineは単純な機能をもってデビューしたが、利用者の求めに応じてフロントカメラの利用を可能とし、そしてAndroidアプリケーションもリリースしてきた。そうした反応のよさは、やはりVineの魅力といって良いだろう。

今回のアップデートはTwitterないしVineが自信を持って送り出したもののようだ。iOS利用者の方は、ぜひともアップデートしてみてはいかがだろうか。

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(翻訳:Maeda, H)


メディア・ストリーミングのBoxeeをSamsungが買収―スマートテレビにクラウド・ストリーミング機能がやってくる

イスラエル生まれでニューヨークにもオフィスを持つメディア・ストリーミングのスターアップ、Boxeeが韓国のエレクトロニクスの巨人、Samsungに買収されたもようだ〔Samsungが公式確認ずみ〕。

テルアビブに本拠を置くBoxeeはBoxee Cloud DVR(当初はBoxee TV)というセットトップボックスを販売している。ユーザーはこのデバイスを利用して地上波HDTVをBoxeeの提供するクラウドに録画し、ストリーミングによってさまざまなデバイスで自由に再生することができる。Samsungはインターネット接続機能を備えたスマートテレビの主要メーカーの一つであり、同社のメディア・エコシステムの拡張のために理にかなった買収といえるだろう。

イスラエルのメディア、The MarkerThe Calcalistがこの買収を報じているが、買収価格については一致しない。われわれの独自の取材によれば3000万ドル以下だったようだ。 この価格はBoxeeがハードウェア・メーカーでありこれまでに2650万ドルの資金を調達していることを考えると安すぎるようにも思える。SamsungはBoxeeの全資産と45人の社員を傘下に収めることに成功した。Boxeeは相当数のユーザーを獲得していたとはいえ、ストリーミング・ハードウェアの販売を主な収入源として維持可能なビジネスに育てるためにはさらに巨額の資金を必要とすることが明らかになっていたのかもしれない。

現在Boxeeのハードウェアは初代のBoxee Boxも最新のCloud DVRもD-LinkがOEMしている。BoxeeのCloud DVRは、昨年10月にBoxee TVとして99ドルでWalmart独占で発売された。録画機能は月額10ドルの料金で提供された(最新のCloud DVRでは月額料金は廃止されて無料となった)。サービス対象地域は当初主要都市に限定され、段階的に拡大された。

Boxeeの容量無制限のクラウドDVR機能がSamsungのテレビに組み込まれることになれば、スタンドアローンのBoxee製品がいつまでサポートされるのか、その将来には疑問符がつく。もちろんSamsungはスマートテレビに組み込むだけでなく、セットトップボックスのBoxeeも独立の製品として残す可能性はある。そうなればAndroid携帯でクラウドDVRを楽しめることになる。

アップデート: SamsungはNew York Timesの取材に対してBoxeeの買収を確認した。BoxeeもTechCrunchに対して買収が事実であると認めた。

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トルコ警察、抗議運動を空撮中のドローンを撃墜

小型のリモコン無人ヘリ(ドローン)が普及するにつれてこうした事件は今後もくりかえし起きそうだ。 –トルコのイスタンブールでJenkKoseという反政府運動の参加者がカメラを搭載したクアドコプターで抗議活動を撮影をしていたところ、警察が銃で機体を撃ち落とした。Jenkは撮影したビデオの一部を回収することができた。

Jenkはこう書いている。

6月11日の午後、警察は平和的な抗議活動に暴力的攻撃を加えた。警察はタクシム広場の上空で撮影中だったリモコンのドローンに発砲し、カメラと機体を破壊した。衝撃のせいで最後の瞬間はSDカードに保存されなかったが、壊れたカメラからSDカードを回収することはできた。次に公開するビデオは撃墜の数分前のものだ。

私の取材に対し、Jenkは「私はこのドローンを過去4週間、毎日飛ばしてきた。今になってなぜ警察が発砲してきたのかわからない」と語った。彼は今週中にもっとビデオを公開するという。

警察に撃墜される直前にドローンから撮影された動画/ Polis Tarafindan Dusurulen Helikopter [HD] 撮影:Jenk KVimeo

群衆の上空にドローンを飛行させるのはたしかに多少の危険があることは間違いないが、銃撃して撃墜するという警察の反応は少々行き過ぎではないだろうか?

トルコ警察がドローンを撃墜した瞬間/ Polisin Ucan Kamerayi Vurma Ani [HD] 撮影:Jenk KVimeo

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誰もが思い当たる「スマホ・フォトグラファー」の振る舞いを歌にしてみた

何か、人と出会ったときの話題を探しているのなら、このページがまさにそれだ。もう他をあたる必要はない。

CollegeHumorの投稿した有名ロックバンドのパロディ曲(NickelbackによるPhotographのパロディ)があまりに秀逸なのだ。元の曲でモチーフとして使われていた「写真」を「Instagram」にすることで、非常に「オモシロイ」曲になっている。

注意:後半の方に、いくつか仕事中には相応しくない単語が出てくるところがある。それは困るという人のために、College Humorが字幕をつけてくれている部分もあるので、音声なしでも映像と字幕で楽しめるのではないかと思う。

と、このまま書いていると内容の説明もしてしまいそうだが、それはやめておこう。動画をレビューすることが目的というわけではないのだ。とりあえずメインテーマだけを言っておくと、登場する男女(ボビーとスージーとでも名付けよう)2人が、音楽の力を借りてInstagramの魅力をアピールするものだ。

出てくるスージーはInstagramファンらしく猫写真や自分撮りを楽しむ。ボブの方もやはりモバイルフォトグラフのファンらしく、食べ物や足写真、あるいは飛行機の写真などを撮りまくっている。

スージーについてもボブについても、きっと「あの人がモデルなのでは?」と思う人物がいるかもしれない。

とりあえずはムービーを見て笑ってしまおう(訳注:ムービーがうまく読み込めないことがあるようです。下のムービー画面に「Loading」が表示されている際はリロードしてみてください)。

CollegeHumor’s Favorite Funny Videos

(訳注:去年の記事ですが、ムービーがあまりに面白いので、今頃になって訳出してみました)。

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(翻訳:Maeda, H)


動画をサポートしたInstagram、現在の登録写真数160億、利用者数は1億3000万人

InstagramのKevin Systromは、世界中の情報をリアルタイムに共有していくためのツールをアナウンスした。Instagramの対象をビデオにまで拡げることとしたのだ。結局、プレスイベントの内容は、TechCrunchで最初に伝えた通りのものであったわけだ。

尚、新機能のアナウンスと同時に、現在のInstagramに関わる数値についても報告があった。曰く、利用者数は1億3000万を数え、共有されている写真は160億にのぼるのだそうだ。また「いいね」の数も10億に達するのだとのこと。利用者については4月のアナウンス時点では1億に到達したとなっていた。すなわちほんのしばらくのうちに3000万の利用者を上積みしたことになる。

ちなみに、今回のアナウンスも「発表数値」に加えておこう。Instagramでは「15秒間」のビデオが利用できるようになり、ビデオには「13種類」のフィルタが適用可能となっている。思い起こせば、Instagramは当初よりフィルタ機能により人気を集めてきた面もあった。すなわち、Instagramは相変わらず私たちに馴染み深いInstagramであり続け、そして面白いものを見せてくれる存在であるわけだ。「コンテンツが動く点が従来と少し変わるところです」とSystromは言っている。

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(翻訳:Maeda, H)


スクープ! Facebook、6/20のイベントでInstagramにVine風のショート・ビデオ共有機能を追加との情報

Facebookが今週予定しているプレスイベントの内容についてわれわれは取材を続けている。ニュースリーダー・アプリが発表されるという噂を聞いたが、どうやらこの情報は間違っていたようだ。情報源によれば「6月20日〔日本時間21日〕のイベントでFacebookは人気の写真共有サービス、Instagramに短いビデオを投稿できるようにする」という。Twitterの6秒のビデオ共有機能、Vineに触発されたものに違いない。

Facebookの20日のイベントについては、なぜかコーヒーカップの底のシミの模様を印刷した招待状が郵便で送られてきた。これもある種の煙幕だったのかもしれない。

もっとも、3週間ほど前に、Matthew Keysが「Instagramで5秒から10秒程度のビデオ共有機能が社内テストされている」という記事を書いていた。ただしその時点では一般公開のスケジュールについてはまったく不明だった。

TwitterのVineを始め、Viddy、Cinemagram、Socialcamなどソーシャル・ビデオ共有サービスが急速に人気を得ている点から、Facebookもビデオ機能をサポートするする必要があるのは明らかだった。

6秒のビデオを独自のサイトとTwitter、Facebookに投稿できるVineアプリはこの1月のリリース以来急速に普及している。当初はiOSアプリだけだったが、今月に入ってAndroid版が登場したのを機にVinのトラフィックは劇的に増加し、TwitterではInstagramの写真を抜くまでなっている(下のグラフ)。

もちろんこの点については、VineのビデオがTwitterのサイト内で表示されるのに対してInstagramの写真はインラインで表示されなくなったことも影響しているだろう。

一方で、Instagramにビデオ機能を取り入れるのはビデオが広告媒体としてきわめて魅力的だという理由もあるだろう。もちろんInstagramは現在広告を表示していない。実際Facebookは去る12月にサービス約款を改定した際、強い反発を受けて改定を取り下げて謝罪する破目になった。Facebookの最近の四半期決算の電話記者発表lで、CEOのマーク・ザッカーバーグは「大手広告主はInstagramでの広告に強い関心を示しているが、当面このサービスに広告を掲載する計画はない」と述べた(ただしInstagram自身はすでにブランドにとって重要なPRプラットフォームとなっている)。

また現在の1億人というInstagramのユーザー数は、Facebookが本格的な収益化を図るにはまだ規模が十分でないのだという考えも成り立つ。ビデオ機能の追加は将来の収益化を可能にするレベルに新規をユーザーを獲得するにも有効だろう。

われわれの取材に対しFacebookはコメントを控えた。

写真ripleyb、Instagram

取材協力: Josh Constine

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Android版デビューから1週間。VineがGoogle PlayにてInstagram超え

Vineの利用者拡大のペースが非常に速いことはあちこちで言われていることだ。Twitterのアナウンスでも、Android版をリリースする時点で、既に1300万ダウンロードを記録していたとのことだった。ちなみにそのアナウンスがあったのは1週間ほど前のことだった。それからVineは、さらに普及速度をあげてGoogle Playにてソーシャルアプリケーション部門でトップとなり、無料アプリケーション部門でNo.4となった。ちなみにInstagramはNo.5だ。

尚、スマートフォンを使わず、動画GIFや、あるいは人々の注目を集めているものが、そもそも気に入らないという人に説明しておこう。Vineは今年の1月にTwitterがリリースしたアプリケーションだ。ビデオ版Instagramと呼ぶ人もいる。録画-一時停止をしながら6秒間のビデオを撮影してアップロードすると、その動画がループ再生されるというものだ。登録したムービーはメールやソーシャルネットワークでシェアすることができる。

短期間における広がり方はまさに注目に値するものだ。リリース後数日でApp StoreのNo.1となり、1週間のうちにSocialCamの2倍も普及して、いろいろなビデオ共有アプリケーションを圧倒することとなった。

以来、開発チームは、フロントカメラも利用できるようにするなどの機能アップに努め、新機能の追加を行なってきた。そして今の隆盛を迎えているわけだ。

NYTのNick Biltonが数日前にツイートしたところによれば、VineのTwitter上での共有数がInstagramを上回るというような自体もあったとのこと。データのソースはTopsyによる分析データだ。

これには、Instagramが自らのInstagram.comのサイトへの訪問者を増やそうとして、Twitter Cardの利用を停止したことの影響もあるものと思われる。但し、Instagramの利用者が、Twitterでどのように表示されるかということを考えてTwitterへの公開を控えているということもないと思われ、そればかりがVine躍進の理由というわけではないだろう。

Instagram云々というよりも、Vineのエコシステムが今まさに生まれようとしているときであり、Vine利用者が自分のコンテンツを見てもらう舞台を整えようとして、積極的にTwitter上での投稿共有を行なっているという理由の方が説得力がある。そして徐々に市民権を得始めた段階で、Android版がリリースされたというのももちろん大きい。それでTwitter上での共有数がついにInstagramを上回り、そしてさらに多くの利用者を獲得し始めているというわけだ。

VineはApple App StoreおよびGoogle Playからダウンロードすることができる。

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(翻訳:Maeda, H)


ゲーム録画のKamcordに音声機能が実装–これでやっとゲームプレイビデオがおもしろくなる

Y Combinatorが支援するKamcordがローンチしてからまだ1年足らず、これまで同社は 資金の調達と、iOSゲーム用のSDKの開発に、黙々と努めてきた。

同社の、ゲームの進行をリアルタイムで録画する技術は100あまりのゲームに実装され、これまで記録されたビデオは累計5億に達するが、同社は、ゲーマーたちが自分の妙技をなお一層共有したくなるような、二つの新しい機能を作っていた。そして今日(米国時間6/6)からKamcordでは、録画中のビデオを切り詰めたり、ビデオに音声を加えたりすることができるようになった。…ゲームのデベロッパがそれらを有効にしていれば。

ゲームの録画を編集する機能は単純明快だ。ゲームプレイを録画したビデオの見どころはせいぜい30秒前後だから、長いクリップを共有するのは無駄だ。一方、音声をダビングする機能は魅力的だ。これまでの人気の高いゲームビデオは、必ず音声付きだから。

この機能が有効になっていると、マイクが生きているから、タッチ画面を狂ったようにひっかきながら、あなたの熱烈なるおしゃべりを録音できる。でも、ゲームのうるさいサウンドが、人の声なんかかき消してしまうのではないか? KamcordのCEO Matt Zitzmannは、その心配はないができれば外付けのマイクを使った方がよい、と言っている。

そもそも、YouTubeやTwitchに多いゲームプレイビデオは、寡黙なものが多い。しかしそんな、まったく未編集のゲーム録画ビデオをえんえん見ていても、そんなに楽しくはない。しかしそこにプレーヤーの生の声が加わると、とたんにおもしろくなる。YouTubeのLet’s Playシリーズが大人気なのも、そのためだ。

“声があると、ずっと見続ける気になるんだよ”、とZitzmannは言う。だからデベロッパたちがKamcordとそのSDKをシリアスなマーケティングツールとして採用するためにも、声は必須だ。プレーヤーが夢中になって楽しんでいることが伝われば、そのゲームを買いたくなる人も当然増える。もちろんデベロッパがこの機能を有効にする必要があるが、しかし同社は早くも、数社への売り込みを開始している。営業担当社員も、増やしているようだ。


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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Twitter、6秒ビデオのVineのAndroid版をリリース―iOS版ユーザーは1300万人を超える

今日(米国時間6/3)、Twitterは6秒間のビデオを簡単に作成して共有するサービス、VineのAndroid版をリリースした。 VineアプリGoogle Playストアから無料ダウンロードできる。Android 4.0以降が必要。

Android版VineアプリはiPhone版から5ヶ月遅れで発表された。iPhone版はTwitterがVineを開発したスタートアップを買収した後、今年1月にリリースされた。この間、VineはiOS版だけで1300万人という大量のユーザーを獲得するのに成功している。

ただしAndroid版はiOS版と完全に同じではない。Vineの公式サイトによれば、近々いくつかの新機能が追加されるとしている。これにはフロント・カメラのサポート、プッシュ通知、ハッシュタグ、ユーザーとハッシュタグの検索などが含まれている。すでにAndroid版Vineアプリ特有の機能も存在する。例えばGalaxy S4とHTC Oneの場合、ズーミングができる。

iPhoneアプリの場合、フロントカメラのサポート、ユーザーとメンションの検索などの機能が4月末のメジャーアップデートで追加ずみだ。 TwitterのVineチームはiOSの場合と同様、Android版でも基本的機能だけを先にローンチして段階的に機能を追加していく手法を取った。

テクノロジー業界はVineのAndroid版リリースの影響に注目している。InstagramはiOS版で3000万人のユーザーを集めた後、2012年4月にAndroid版を開発した。するAndroidユーザーが殺到し、12時間で100万人の新ユーザーを獲得することに成功した。Vineの場合はどういう結果になるだろうか?

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GIFアニメ的な無限繰り返し短編ビデオ投稿サイトが, 抑圧体制のロシアで大人気

消え去ったファイルフォーマットは多いが、どちらかというと低級なGifは、頑固に25年以上も生き延び、今でもTumblrなどの上で健在だ。VineやCinemagramなど新進のアプリケーションも、その短い繰り返しアニメ(ループビデオ)をサポートしている。

Coubもまさにその一つだが、ここは本物の人気サイトになりつつある。YouTubeやVimeoのビデオを10秒にクリップして、音楽を付けてループする、というサイトだが、今年まったくの無から始まったにもかかわらず、ここ数か月では毎日最大で100万のビジターがある(下図)。モスクワのサイトなので、トラフィックの大半はロシア国内からだ。

Coubという名前はCobbのもじりで、CobbはChristopher Nolanの映画Inceptionの中の、Leonardo DiCaprioが演じる役の人物だ。Cobbはすでに既存のドメイン名なので、Coubにした。

このサイトを作ったGladkoborodov兄弟、AntonとIgorは、モスクワで長年いろんなメディアプロジェクトを作ったり売ったりしてきた。彼らの最新プロジェクトLookatme.ruは、ロシアのたくさんのヒップスターが集まるハブになり、もう一つのプロジェクトはこの都市の公開講義の目録作りだった。

Lookatme.ruを売ってしまったあと二人は、次のプロジェクトに関してブレインストーミングをした。そして昨年、とりあえず自費でCoubを立ち上げ、それがやっと今年の1月から軌道に乗り始めた。今の月間ユニークビジター数は550万だ。

VineやCinemagramと違ってCoubはWebファースト(notモバイルファースト)、そしてユーザが自分の携帯でビデオを作るのではなく、既存のビデオをいじることが主体だ。そうやってGifを作るサイトは前からいくつかあるが、兄弟によると、どこも使いづらくて、しかもロードに長時間を要するファイルフォーマットを使用し、Coubのループビデオに比べると画質が悪すぎる(粗(あら)すぎる)。

ロシアの人たちはCoubを使って有名人や政治家をからかう。下の二つは、高名な映画監督Nikita Mikhalkovとロシア大統領Vladimir Putinを料理している。ロシアは、昨年のPutin再選以降、さらに抑圧的な政治体制になりつつあるという兆候がある。今年初めには、ロシアのトップのソーシャルネットワークVKontakteのファウンダの内の二人、Vyacheslav MirilashviliとLev Levievが、不可解にも突然、同社の株の48%をUCPに売却した。そこは、Putinに近い筋の金融業者が経営している投資ファンドだ。

Coubの人気を、これでますますロシアではインターネット上で政治批判をすることが規制される、と危惧する人たちもいる。

しかしループビデオやGif自体は無害であり、おかしくて笑えるだけだ。兄弟は数年前に近くのサンクトペテルブルグと白海からモスクワに移り住んだが、Coubについて、それは9gagやRedditのようなヒップやニッチのサイトではなくて、YouTube的な大衆的サイトだ、と言う。

最近では海外でも人気が出始め、合衆国ではポートランドやオレゴンにユーザが密集している地区がある。Gladkoborodovs兄弟は、Coubを合衆国などの外国でも離陸させたいと願っている。

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インターネットストリーミング|テレビ放送|録画番組|オンデマンド…すべてを単一のストリームに一体化する”テレビ視聴の革命”Fan TV

ビデオを見つけてくれるサービスFanhattanが、テレビの見方を変えようとしている。同社のストリーミング専用セットトップボックスは、テレビとDVRとVOD(オンデマンド)の良いとこ取り+インターネット上で人気のストリーミングサービス、という何でもありの製品。ブランドをFanと変え、独自のイノベーションをひっさげて、ライブTV*とストリーミングサービスの世界へ船出する。〔*: live TV, 今放送中のテレビ放送/番組のこと。〕

そのFan TVボックスは、今日のD11カンファレンスで披露されたが、売りはコンテンツの多様さよりもむしろ、Yves Beharデザインの、トラックパッドに似たビューティフルなコントローラ(リモコン)だ。また、便利な検索発見画面で、テレビ放送、録画、そしてストリーミングの各コンテンツを一体的にナビできる。

数年前にFanは、iPad用の検索発見アプリをローンチした。これもテレビ番組とストリーミングを一体的に検索できるツールだった。そのアプリでは、今見られるコンテンツの名前などが高輝度表示された。

ストリーミングからライブTVを見つける逆転の発想

今回の、テレビ用セットトップボックスでも、やはりテレビ放送とストリーミングサービス、とVOD(ケーブルや衛星)および録画済みのコンテンツを、一体的に検索発見できる。

そう、Apple TVやRokuやWDTVなどと違うのは、Fanがあくまでもストリーミングデバイスであり、それが、お宅に前から来ているケーブルテレビにも接続される、という点だ。Fanの、最大の差別化要因がそれだ。しかもNetflixやHulu Plusなどの、インターネット上のストリーミングサービスをテレビ受像機に送り込むだけでなく、このデバイスの検索発見ツール/画面を使ってライブTVの番組も見つけることができるのだ。

Fanは大手のペイTV(pay TV, 有料テレビ==ケーブル会社)と契約して、彼らの顧客にもFan TVを使わせようとしている。同社はセットトップボックスの値段を明かさないが、ビジネスモデルとしてはサービスのプロバイダがデバイスの代金を助成する方式…携帯やワイヤレスのこれまでの常套手法…になるようだ。

ではFan TVは、ライブTVの受け入れは同軸ケーブルで行うのか? ノー。テレビ放送も、WiFiまたは背面のイーサネット(Ethernet)ポートへストリーミングされるのだ。その点では、RokuのボックスやApple TVによく似ている。

ケーブルや衛星のテレビ配給会社から見ると、Fan TVのある家庭にはもう、Ciscoなどの古くさくて格好悪いセットトップボックスを置かなくてもよい。Fanの方がユーザ体験が優れているだけでなく、お値段が従来のセットトップボックスよりも大幅に安い。まだパートナー企業は発表されていないが、この夏の終わりまでにはFanを採用するケーブルや衛星企業が決まるだろう。CEOのGilles BianRosaによると、年内に合衆国の既存のケーブルテレビユーザのうち6000万世帯にFan TVが提供されるだろう、という。〔訳注: アメリカではケーブルテレビ会社と契約するのが、いちばんふつうの、いちばん多いテレビの見方。〕

リモコンがビューティフル

ありとあらゆるテレビ/ストリーミングソースを一体化してしまうこともかっこいいが、さらにすばらしいのがトラックパッドふうのリモコンだ。これまでの、ボタンだらけの醜い使いづらいリモコンとは大違い。

Fan TVのデザインは、工業デザイナーのYves Beharにお願いした。売れっ子の彼は、このカンファレンスにも製品が二つ出ている。そしてその結果は、非常に画期的なテレビリモコンだ。片手でタッチ〜スワイプするだけでチャンネルの切り換えやメニューの指定、音量調整などができる。

自分でも使ってみたが、このリモコンにわずかでも似たものは過去にないと思う。携帯をタッチで使っているときと、同じ感覚だ。おっと、携帯用のテレビリモコンアプリが、今ではあるけど。でもFanのはもっとシンプルで、そのほかのデバイスを必要としない。

テレビファンにもコードカッターにも

Fan TVは、今のテレビに満足している人にもモアベターなユーザ体験を与える…検索が容易にできるから、録画も見つけやすい。今のふつうのケーブルテレビ視聴者にも、テレビの見方の革命をもたらすだろう。

また、Fanとパートナーするケーブル/衛星側から見ると、このプロダクトはコードカッターや“コードネバー族”*を呼び戻せるかもしれない。Fan TVでは、インターネットのストリーミングサービスを見られると同時に、同じ検索画面からライブTVにも行ける。ケーブル会社はぜひ、若者向けの安いプランを提供すべきだ。いずれにしてもそうなれば、ケーブル事業者にとってはすばらしいことだ。Fan TVの、経営的未来のためにも。〔*: cord cutter, ケーブルテレビのコードを切った人、cord never, 最初からケーブルテレビと契約しない人。〕

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2005年にスタートしたYouTubeは8歳へ。毎分100時間分のビデオを加えて成長中

YouTubeが8歳になった。もうそんなになるのかと思う人もいれば、もっと昔からあったんじゃないのかと驚く人もいることだろう。サービスがスタートしたのは2005年のことだった。マイケル・ジャクソンの児童に対する性的虐待疑惑について無罪が言い渡され、ランス・アームストロングがツール・ド・フランスで7度目の勝利を収め、そして人気テレビドラマのArrested Developmentが放送されていた時代のことだ。

振り返ってみれば、多くのことが当時とは異なったものとなっている。しかしYouTube成長の勢いというのは当時のまま、変わらないようでもある。YouTubeのアナウンスによれば、YouTubeへの動画アップロードの規模は、毎分100時間分以上となっているそうなのだ。書き間違いではない。毎分100時間分以上がアップロードされているのだ。60秒毎に4日分の動画がアップロードされているということだ。

もちろん、アップロードされているというだけでは、サービスの人気が高まっているということもできまい。供給に応じた需要があるのかどうかも重要な視点だ。YouTubeによれば、月毎の全世界からの閲覧者数は10億人を超えるのだそうだ。これはすなわちインターネットにアクセスできる人の半数程度にもなる数字だ。

成長の様子を示す数値を見ておこう。2年前、YouTubeは毎分48時間分のビデオがアップロードされていると言っていた。そして昨年はこれが72時間になった。そして、今回の数字だ。つまりYouTubeは誕生から8年を経て、未だに成長を続けるプラットフォームであると言うことができる。たとえば若年層が離れ始めているとか、ニッチを目指す新たなサービスに利用者を食われつつあると言われているのとは対照的だと言えるのかもしれない。

またYouTubeは、そのサービスが抱える膨大なアクティブユーザーやコンテンツを活用しようとするスタートアップにとっても注目に値するサービスとなっている。たとえば、Betaworksが展開しようとしている、膨大なビデオをキュレーティングして、モバイル環境における効率的な閲覧環境を提供するTelecastなどが良い例となるだろう。

本稿最後に、YouTubeの公式ブログでの投稿を如何に掲載しておくことにする。

8度目の誕生日を迎えることとなりました。YouTubeを使い、育ててくださったことに深く感謝いたします。投稿していただいたビデオが人々を繋げ、また国境を超えて広がっていき、新しいものを生み出していくのを見るのは、非常に面白い経験でもありました。YouTube上にあるもの全てが皆さんの好みに合致するわけでもないし、あるいは何を意味しているのかわからないものも多くあると思います。しかしそうしたこともありながら、大勢の方がYouTubeを楽しんでくださっています。世界規模で見ても、あるいは個々人の観点から見ても、YouTubeが面白い場所として育つことができたのは、利用者のみなさんのおかげです。皆さん自らが繰り広げる、YouTube上での新しい創造的行為を楽しみにしています。

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(翻訳:Maeda, H)


Google+のハングアウトがリニューアル―GmailやG+のチャットを統合したクロスプラットフォームのビデオチャットサービスが誕生

今日(米国時間5/15)、サンフランシスコで開催中のI/O 2013カンファレンスで, Googleはハングアウトをリニューアルし、クロスプラットフォームの統合メッセージ・サービスに生まれ変わらると発表した。

ユーザーはAndroidとiOSのハングアウト・アプリ、Gmail、Google+サイトのすべてからテキストやグループ・ビデオ・メッセージをやり取りできるようになる。新しいハングアウトは今日中に公開され、GoogleTalk(GChat)、G+メッセンジャーを置き換える。現在まだSMSはサポートしていないが、やがてFacebookメッセージやAppleのiMessageに対する有力ライバルとなりそうだ。

1年以上前から、Googleはばらばらなメッセージ・サービスを統合するリニューアルに踏み切るだろうという観測がGigaOmDroid Lifeなどに現れていた。今日、Googleは新しいiOSおよびAndroid版のハングアウト・アプリ(無料)を公開し、Google+との統合、GoogleTalkの置き換えを実施する。 Windows PhoneとBlackberryに対する対応については情報がない。

GoogleのVic Gundotra副社長は今日、 I/Oカンファレンスで「テクノロジーはユーザーの生活、学び、愛を邪魔しない目立たぬ存在であるべきだ。OSもデバイスもそれ自身が目立ってはならない。愛する人と会話をする手助けに徹すべきだ。」と述べた。今回のハングアウトのリニューアルもそこを重視した。ユーザーとユーザーの会話そのものに焦点を当てている」と述べた。

ハングアウトはさまざまなメッセージを入れるキッチン・シンクになる

プレゼンス、サークル、配信

新しいハングアウトを少し詳しく検討してみよう。まずプレゼンスというか、誰が現在オンラインになっていてチャット可能なのかが簡単に見てとれるようになった。友だちがログインしている、現在入力中か、自分のメッセージをすでに読んだか(開封通知)がわかる。またGoogle+のサークルを利用すると特定の相手だけでなくグループ全体を相手にチャットが開始できる。

さらにメッセージを送られた相手がどんなデバイス、OS、アプリを使っていてもハングアウトがそれぞれの環境に合わせて適切に表示を行う。ユーザーがオフラインの場合はハングアウトのメッセージを一時保管し、オンラインになると同時に配信する。またオフライン中のユーザーに対しメッセージが着信したことをメールで通知する。通知を完全にオフにすることもできる。

したがって、ユーザーはデスクトップ、Androidデバイス、iOSデバイスの間で自由にプラットフォームを切り替えながらチャットを始め、中断し、再開することができる。

テキスト、絵文字、写真、ビデオ

テキスト・メッセージがやり取りできるのはもちろんだが、ハングアウトの強みはなんといってもビデオを始めとするマルチメディア・コミュニケーションだ。またテキストには850種類の手描き絵文字を埋め込み、Google+のアルバムにアップロードした写真を送ることもできる。チャットの相手に写真の編集や共有の許可を与えることも可能だ。

そしてもちろんハングアウトのスタート当初からのセールスポイントであるビデオ・チャットの機能も強化された。まず10人までの友だちと同時にビデオ会話ができる。複数の相手とビデオチャットをしている場合、発言中のユーザーのビデオが自動的に拡大表示される。友だちに対してHangoutのビデオチャットをスタートさせると相手側で着信音がなる。

しかしハングアウトは単なる複数ユーザーをサポートするFaceTimeではない。Googleはこれに多様な拡張機能を付け加えている。たとえばビジュアル・エフェクトで海賊の帽子を被ったり、バーチャル花火を打ち上げたりできる。また友だちといっしょに同じYouTubeビデオを見てがやがや騒ぐこともできる。スクリーンショットを撮り、保存することも可能だ。

SMSは未実装

ただし現在、ハングアウトには重要な機能がひとつ欠けている。SMSによるメッセージ機能がないのだ。これでは Hangoutは本当にユニバーサルなサービスとはいえない。Apple’siMessageやFacebook’のAndroid版MessengerにはSMS機能がある(iOS版にはない)。

そこでハングアウトアプリをインストールしていない相手とハングアウトでやり取りしたかったらまずSMSやメールでハングアウト・アプリをインストールするよう頼む必要がある。これは大きな障害だ。しかし近くこの機能もサポートされるようだ。

あと、ボイスチャットやVoIPもサポートされていない。またハングアウトのビデオを直接YouTubeに公開するHangouts On Air機能の実装も今後の課題だ。

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