NFTカードゲームとウォレットのHorizon Blockchain Gamesはブロックチェーンの大衆化を目指す

Horizon Blockchain Gamesは、その名のとおりブロックチェーン上にゲームを開発している企業であり、そのためのツールも提供している。

同社は米国時間7月29日、新たに450万ドル(約4億9000万円)を調達したことを発表し、調達総額は1300万ドル(約14億3000万円)強になった。

Horizonの最初のゲーム「Skyweaver」は、デジタルトレカのゲームで、ブロックチェーンを利用してプレイヤーに、バーチャルカードのリアルな所有権を与える。他のプレイヤーに勝ったら、そのカードは売ったり交換したりシステムから取り去ったり、ストレージに置いたりできる。

以前、Horizonについてこう書いたことがある。

Horizonは2つの事業に並行して取り組んでいる。1つ目は「Arcadeum」というイーサリアムベースのプラットフォームを構築してゲーム内のアイテムを扱うことだ。アイテムのインスタンスを取得したら、そのアイテムを実証できるかたちでプレイヤー間で交換、販売、贈与できるようにする。プレイヤーが所有したアイテムはそのプレイヤーのもので、使用、交換、販売をすることができる。Horizonが取り上げることはできない。ゆくゆくはこのプラットフォームを他のデベロッパーが利用できるように公開する計画だ。

もう1つは、自社でのゲーム開発だ。「SkyWeaver」というデジタルトレーディングカードゲームは、同社を成長させるものであるのと同時にプラットフォームの見本でもある。

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上の「Arcadeum」では「Sequence」と改名され、統合を簡単に行えるウォレットシステムとして、ブロックチェーンの複雑さにおさらばすることを狙っている。同社は、ユーザーがそれを使ってブロックチェーン上でデジタルグッズを買ったり保存したりすること、その際ユーザーやアプリのデベロッパーはブロックチェーンについて何も考えないことを期待している。Horizonの共同創業者であるMichael Sanders(マイケル・サンダース)氏によると、改名は全体的なフォーカスを広げるために行った。「Arcadeum」内の「Arcade」は、ゲーム関連であることを示すが、同時に、デジタルゲームのバーチャルグッズからNFTアートなど、あらゆる種類のデジタルアートの管理を助ける。

Horizonのチームは「Web3」をサポートするために開発したとよくいう。最近この言葉を何度も聞かされた。私の理解力の範囲内で手短にいうと「Web3」はオンラインでしかも分散化されたアプリやサービスやゲームがブロックチェーン(この場合はEthereum)を軸に構築され、個々のユーザーが自分のデータをより完全にコントロールできるようになる、という新しいカテゴリーのことだ。イーサリアム財団のウェブサイトに、そのコンセプトの解説がある。

Skyweaverの対戦(画像クレジット:Horizon Blockchain Games)

Horizonは当初、2020年にはSkyweaverをさらにオープンにするつもりだった。しかし、それは今朝ですら非公開ベータで、オープンになるのは2021年後期の予定だ。サンダース氏によると、現状でプレイヤーは6万6000人ほどいる。

今回のラウンド(「プレシリーズAラウンドSAFE」)には、CMT Digital、The Xchange Company、BITKRAFT Ventures、Khaled Verjee(ハレド・ヴェルジー)氏、Zyshan Kaba(ザイシャン・カバ)氏などが出資しているとのこと。

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(文:Greg Kumparak、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ShopifyでストアによるNFTの直接販売が可能に

Shopifyは、認定を受けた売り手がNFT(非代替性トークン)を同プラットフォーム経由で販売することを可能にした。これはeコマースの売り手にまったく新しい世界を提供することになる。

米国時間7月26日、NBAのシカゴ・ブルズは、NBAのチャンピオンリングのデジタルアートを含む、初のNFTの販売をShopifyのオンラインストアで開始した。ブルズファンは、NFTマーケットプレイスに行かなくても、チームのオンラインストアで、クレジットカードやデビットカードを使って直接デジタルアートを購入することができる。Shopifyのマーチャントサービス担当副社長であるKaz Nejatian(カズ・ネジャティアン)氏によると、NBAチームは販売開始初日に、わずか90秒でNFTを完売したという。

彼は「これまでもクレジットカードでNFTを購入することはできましたが、正直なところShopify以外での場所でのNFT購入体験は、誰にとってもすばらしいものではありませんでした」とTechCrunchに語った。「だからこそ、このサービスを行うことにしたのです。売り手も買い手も、気になるものを売買するために、暗号資産を扱う必要はないのです」。

また、消費者がNFTを購入する際に多くの選択肢が与えられることになる。特に暗号資産に精通していない人にとって恩恵が大きい。

売り手がShopifyのストアフロントで直接NFTを販売できるようにすることで、NFTを販売したい売り手のアクセスが増えているのだという。また、ネジャティアン氏は、いずれは製品や顧客層に応じて、どのブロックチェーンで販売するかを選択できるようになるだろうという。これはShopifyが複数のブロックチェーンに対応しているからだ。

さらに彼は「これとは対照的に、売り手が他のNFTマーケットプレイスで販売したい場合は、そのマーケットプレイスがサポートするブロックチェーンに基づいて選択を行う必要があるのです」と付け加えた。

たとえばシカゴ・ブルズは、自身のNFTにはFlow(フロー)ブロックチェーンを採用した。現段階では、Shopifyの売り手は、FlowとEthereum(イーサリアム)から選択することができるが、近いうちに「Shopify上で他のブロックチェーンを選択できるようになるでしょう」とネジャティアン氏はいう。

加盟店から「NFTを販売できるようにして欲しい」という要望が出されて、またクリエイターやアーティストにプロとして成長するための新たな場を提供したいという思いも、この動きを後押しした。

彼はさらに「多くのクリエイターは、すでにファンにNFTを販売する価値を見出していますが、私たちはクリエイターと買い手の間の摩擦を取り除き、作品のより良い収益化と、ファンたちとのより良い関係が可能になるようにします」と付け加えた。「私たちは、ファンがブランドとの有意義なつながりを感じ、NFTがオンラインでの売買の一部になるような世界を切り開いていきます」。

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(文: Mary Ann Azevedo、翻訳:sako)

自らを「爆弾探知犬」と呼ぶ、暗号資産取引プラットフォーム間不正操作検出ソフトのSolidus Labs

写真左から右へ、前方に座っているのはCTOのPraveen Kumar(プラヴィーン・クマール)氏とCEOのAsaf Meir(アサフ・メイル)氏、立っているのはCOOのChen Arad(チェン・アラド)氏。

自社の監視およびリスクモニタリングソフトウェアが暗号資産取引プラットフォーム間の不正操作を検出できるとするSolidus Labsは2021年5月下旬、シリーズAラウンドで2000万ドル(約21億9660万円)を調達したことを発表した。ちょうどその前週に、米国政府から暗号監視の取り組みを改善する意向があるという種々のシグナルが送られてきたことを考えると、タイミングはかなり良い。例えば、米国財務省はIRSに対する暗号資産コンプライアンスの強化を求めている。

もちろん、Solidusは先週突然生まれたわけではない。同社は2017年、Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)の元従業員数人によって設立された。当時、ビットコインは流行り始めたばかりだったが、エンジニアたちがビットコインの多様なユースケースを予想していた一方で、コンプライアンスツールがないことが大手金融機関による導入の障害になることも認識していたため、その開発に着手した。

Solidusは現在、従業員30人、資金調達額は2375万ドル(約26億860万円)で、需要の増加に対応するために人員を倍増しようと計画している。金曜日にTechCrunchは、ニューヨークに拠点を置く同社の協同創設者兼CEOで、ゴールドマンのエンジニア出身であるAsaf Meir(アサフ・メイア)氏に、今回の新しい資金調達ラウンドについて話を聞いた。ラウンドを主導したのはEquity Partnersで、Hanaco Ventures、Avon Ventures、645 Ventures、Exchange FTXの他、元CFTC会長のChris Giancarlo(クリス・ジャンカルロ)氏、元SECコミッショナーのTroy Paredes(トロイ・パレデス)氏など、政府関係者数名が参加している。私たちはまた、増加傾向にある暗号犯罪の種類についても言及した。以下に、その対談の抜粋を紹介しよう。

TechCrunch(以下、TC):どのような顧客をお持ちですか?

アサフ・メイア氏(以下、AM):暗号資産、暗号資産、デジタル資産など呼び方はいくつかありますが、その売買のリスクにさらされている、取引所、ブローカーディーラー、OTCデスク、流動性プロバイダー、規制当局を始め、幅広い関係者と協働しています。

TC:具体的に何を明らかにすると約束していますか?

AM:私たちが検出するのは、主に数量と価格の操作です。それはウォッシュトレーディング、スプーフィング、レイヤリング、ポンプアンドダンプ、および独自の市場にのみ存在する暗号ネイティブ警告の追加ライブラリの増加に関係しています。

2020年に比べてインバウンド需要が400%増加したのは、主に2つの要因によるものだと思います。1つは、規制の精査です。世界的に見て、規制当局は市場参加者に、寛容ではなく許可を求めなければならないと伝えています。2つ目の理由は、この資産クラスのエクスポージャーに対する機関投資家の意欲が急激に高まっていることです。あらゆる機関が、実行プラットフォームについて次のような内容を尋ねます。「リスク軽減ツールはどんなものがあるか?市場の整合性をどのように確保しているか?」。

TC:数カ月前にも話を伺いましたが、シアトルの取引プラットフォームBittrexのように、顧客のパイプラインが増えているとおっしゃっていましたね。需要は主に米国からですか?

AM:アジアやヨーロッパにも需要がありますので、そちらにもオフィスを開設する予定です。

TC:あなたの元雇用主、ゴールドマンも顧客ですか?

AM:それについてコメントすることはできませんが、現時点では、暗号資産へのエクスポージャーをどのように取得するかを考えていない銀行はないと言えます。安全で準拠した堅牢な方法でそれを行うには、暗号専用のソリューションを採用する必要があります。

現時点で新しいフロンティアが存在しています。私たちが現在取り組んでいるクライアントは、暗号資産のみの取引所、ブローカーディーラー、流動性プロバイダー、さらには従来の金融機関で、暗号資産に参入し、暗号化オペレーションや暗号デスクを開設しようとしている企業です。そして、さらに進化する新たなフロンティアが広がっています。NFT、ステーブルコイン、インデックス、レンディングプラットフォーム、分散プロトコルなど、あらゆることを知る神が突然私たちに手を差し伸べ、正しいことをしたいのだと告げてきたかのようです。プラットフォーム上のユーザーが十分に保護されていること、トレーディング活動が監査されていることを確認し、不正操作を防ぐものです。

TC:サブスクリプションサービスはどのように機能していますか?誰が技術を構築していますか?

AM:顧客からの個人的なデータ(顧客のトレーニングデータ)を利用して、それを検知モデルに組み込んでいます。最終的には、顧客がアクセスできるダッシュボード上の洞察と警告を通じて、検知モデルを提示するようにしています。

誰がそれを構築しているのかに関しては、ゴールドマンやMorgan Stanley(モルガン・スタンレー)、Citi(シティ)から多くのフィンテックエンジニアが参加しており、大規模なトレーディングシステムに関する伝統的な知識を持ち込んでいます。また、イスラエル出身のすばらしいデータサイエンティストも揃っており、その専門知識を金融犯罪に応用しています。

TC:その犯罪はどのようなものでしょうか?

AM:立ち上げ当初は、ウォッシュ取引やポンプアンドダンプなど、実行しやすいものを使ったホールセール的な操作が多く行われていました。今日私たちが目にしているのは、悪意のある者が異なる実行プラットフォームを利用することができる非常に洗練された操作スキームです。私たちは文字通り、新しい警告を提示しています。ルールベースのレガシーシステムを使用する場合、何を探しているのかがはっきりしないため、それを表示することはできません。多くの場合、まだ名前が付けられていないという警告が表示されます。このタイプの動作は本質的に操作性が高いと考えられているため、クライアントはそれを調査する必要があります。

TC:その新しい異常について、もう少し詳しく説明していただけますか?

AM:顧客のプライベートデータをどこまで共有できるかについて葛藤しています。しかし、今まさに直面している問題は「急増する」アカウント抽出攻撃です。これは、悪意のある攻撃者がさまざまな方法でアカウントの資金にアクセスし、洗練された手段で取引所、ブローカーディーラー、カストディアンからトレードできるようにするものです。これはソーシャルエンジニアリング関連の異なった方法で起こっていますが、私たちはアカウントの逸脱やプロファイリングを通じて、その回避のために協働している取引所やブローカーディーラー、金融機関に警告することができます。

私たちが問題としているのは検出と未然防止であって、「何がどこで起きたのか」事後に追跡することではありません。そして、そのアカウントについての個人識別可能な情報さえ知っていれば、それを行うことができます。名前やIPアドレスではなく、トレーディングの属性がすべてです。実際、香港で取引所が特定のコインペアを出し入れするようなことがあれば、他の顧客に先手を打って警告することができます。そうすれば、顧客は準備して身を守るための手段を講じることができます。

TC:防止の面で、香港取引所での活動を止めることもできますか?何か異常を検出した場合、クライアントから介入する権限を与えられていますか?

AM:私たちはいわば爆弾探知犬であり、ボットを無効にするつもりはありません。データを入手して不正操作を指摘する方法はわかっていますが、その場合は金融機関に任せます。

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カテゴリー:ブロックチェーン
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(文:Connie Loizos、翻訳:Dragonfly)

インドが中央銀行によるデジタル通貨の段階的導入を検討中

インドの中央銀行がデジタル通貨の導入を検討していることが、幹部の発言により明らかになった。これまで調査中としていた中央銀行の意向が初めて明確に示された。

同国の中央銀行であるインド準備銀行(Reserve Bank of India)のT Rabi Sankar(T・ラビ・シャンカール)副総裁は、現地時間7月22日に行われた会合で、インドの中央銀行は、同国で外国為替規則とIT法の改正が行われる間に、国のデジタル通貨を「段階的」に導入することを検討していると語った。

国家に裏づけられたデジタル通貨は、経済の現金への依存度を下げ、より低コストでスムーズな国際決済を可能にし、民間の暗号資産の変動性から人々を守ることができると、副総裁は述べている。

「すべてのアイデアはその時を待たなければなりません。そしてCBDC(中央銀行デジタル通貨)の時は近づいています。我々はリスクを慎重に評価してきました」と、シャンカル氏はシンクタンクのVidhi Centre for Legal Policy(ビディ法政策センター)が開催した会合で聴衆に語った。

シャンカル氏は、インドのデジタル通貨が「世界の決済システムで主導的な地位を繰り返し主張できるように、(計画を)前進させることが中央銀行の努めです」と述べた。

このインド中央銀行トップの発言は、欧州中央銀行が7月中旬に、デジタルユーロの創設につながる24カ月の「段階的調査」を開始し、順調に進めば2025年までに導入すると発表したことを受けてのものだ。

また、同時期に中国の中央銀行は、実証実験を行っているデジタル人民元の取引金額が6月末までに345億元(約5870億円)に達したと発表した。

「各国の中央銀行はデジタル通貨への関心を高めています」と、シャンカル氏は語った。「CBDCは、世界のすべてとまではいかなくとも、ほとんどの中央銀行の武器になるでしょう。そのためには、よく調整された微妙なアプローチが、計画段階でも、ステークホルダーとの協議でも、検討されることになるでしょう」と同氏は述べ、インドの中央銀行は「かなり長い間」国家に裏づけられたCBDCを発行することのメリットとリスクを調査してきたと付け加えた。

「私たちは、世界各国の中央銀行が提案している、卸売および小売市場向けの特定目的CBDCについて調査してきました。人口規模の汎用CBDCの起ち上げも検討しており、インド準備銀行は段階的な導入戦略に向けて取り組み、インドの銀行・金融システムにほとんど影響を与えないユースケースを調査しています」と、シャンカル氏は語った。「しかし、近い将来、卸売および小売市場で試験導入を実施する可能性もあります」。

シャンカル氏は発言の中で、インドの中央銀行がBitcoin(ビットコイン)などの民間暗号資産(仮想通貨)に対する立場を変えていないことも示唆した。

2018年、インド政府の委員会はすべての民間の暗号資産の取引を禁止するよう提言し、違反者には最大10年の懲役を提案した。同委員会はまた、不換紙幣のデジタル版とその導入方法を検討するようにも政府に提案した。

当時、インド準備銀行では、この動きは国内の金融システムの「リングフェンシング(隔離)」を抑制するために必要だと述べていた。また、ビットコインをはじめとする暗号資産は、金属でできているわけでもなく、物理的な形で存在しているわけでもなく、政府によって刻印されているわけでもないので、通貨として扱うことはできないとも主張していた。

「それらは本質的な価値を持たないため、コモディティやコモディティに対する請求権ではありません。金に似ているという一部の主張は明らかに日和見的に思われます」と、シャンカル氏は今回の会合で語った。

2018年の中央銀行による通達は、暗号資産を取引するためのサービスを提供している国内のスタートアップや企業に混乱をもたらした。その後、それらのほぼすべてが、廃業したりあるいは他の市場にサービスを提供するために転業した。

この提案に対し、いくつかの取引所やトレーダーは異議を唱え、最高裁に訴訟を起こした。インドの最高裁は2020年、この禁止令が違憲であると判断し、彼らを支持する判決を下した。この判決は「歴史的」と捉えられたものの、まだ政策レベルでは先の通達に影響を与えていない。その間、インドは民間の暗号資産を禁止する法律を導入する計画があることを示唆している。

2021年初めに下院のウェブサイトで公開された議題では「インドにおけるすべての民間の暗号資産を禁止する」が「暗号資産の基礎技術(ブロックチェーン)とその利用を促進するために、一定の例外を認める」ことを求める法案が提出されている。

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(文:Manish Singh、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

NFTコレクターズマーケットプレイスの立ち上げ計画をDraftKingsが発表

DraftKings(ドラフトキングス)が、ファンたちに向けてスポーツやエンターテインメントをテーマにしたデジタルコレクターズアイテムを集めたマーケットプレイスでNFT(非代替性トークン)ゲームへ参入することを発表した。このプラットフォームは「2021年の夏の終わりにデビューする」とのことで、ファンタジースポーツ企業であるDraftKingsにとって、新たな利益をもたらす可能性のある拡張となるだろう。

DraftKingsは、混雑し始めているものの同時にまだ空きも多い市場に参入することになる。今日のニッチなコレクターたち向けには、NFTマーケットプレイスの選択肢がたくさんあるものの、2021年の最初の数カ月間のうちに何十億ドル(何千億円)もの資金が流れ込んだことを考えると、提供されているものはまだ少ないと言えるだろう。今週投資家たちは、NFTマーケットプレイスのOpenSea(オープンシー)に15億ドル(約1659億円)の評価を与えた。NBA Top Shot(NBAトップショット、有名なNFTの一種)を生み出しているDapper Labs(ダッパーラボ)は、最近75億ドル(約8293億円)の評価額の下で調達を行ったと伝えられている。

Dapperの既存の支配によって、DraftKingsは独占的なリーグ提携以外の機会を追求することになるだろう。NBA Top Shotでは、NBAの歴史の中の「Moments」(モーメント)を購入することができる。これは、リーグや選手会とのパートナーシップを通じてアクセス可能な、実際の試合や選手の映像クリップだ。すでにDapperは、NBAに加えて、他のリーグとも提携を行っている。

DraftKingsのこのスペースへの参入の足掛かりは、クオーターバックのTom Brady(トム・ブレイディ)氏が創業したNFTスタートアップAutograph(オートグラフ)との、独占的なパートナーシップだ。同社はすでに、タイガー・ウッズ、ウェイン・グレツキー、デレク・ジーター、大坂なおみ、トニー・ホークといったトップアスリートたちと独占的なNFT契約を結んでいて、スポーツパーソナリティグッズのハブとして機能するプラットフォームを構築していきたいと考えている。

こうしたパートナーシップ以外にも、DraftKingsはユーザーのオンボーディングプロセスをさらに簡素化することで、この分野で一歩リードしたいと考えている。具体的にはユーザーにウォレットに暗号資産を入れる作業を強いることなく、代わりに米ドルでNFTを購入できるようにするのだ。このプラットフォームが開始されれば、ユーザーはプラットフォーム上でDraftKingsからNFTを購入したり、転売や取引を行うことができるようになる。

2012年の創業以来約7億2000万ドル(約796億円)の資金を調達してきたDraftKingsにとって、NFTの拡大は既存のユーザーを新たな分野に取り込む機会となるだろう。多くの宣伝文句や投資家の関心にもかかわらず、NFTの世界へ目立った展開をしている既存の技術系スタートアップは多くない

DraftKingsの共同創業者であるMatt Kalish(マット・ケイリッシュ)氏は、TechCrunchに対して、同社の熱心なコミュニティが、新興市場で勝つための最大の資産であると語っている。

「DraftKingsのコミュニティには、毎日、毎週、何百万人もの人々が参加しています」とケイリッシュ氏はいう。「私たちの最大の強みは、コミュニティの強さと大きさだと思います【略】このことで多くの人の目を引きつけることができるでしょう」。

カテゴリー:ブロックチェーン
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(文:Lucas Matney、翻訳:sako)

ビットコインは将来、Twitterの「大きな部分」を占めるとジャック・ドーシー氏

Twitter(ツイッター)のCEOであるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は投資家に対し、ビットコインが同社の将来の「大きな部分」を占めることになるとの認識を示した。ドーシー氏は、商取引、サブスクリプション、Twitter Tip JarSuper Followsなどの新機能を含む、Twitterの既存の製品やサービスに暗号資産を統合する機会があると考えているからだ。

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ドーシー氏は何年も前からビットコインを熱心に支持してきたが、Twitterのプラットフォーム上でビットコインをどう活用するかについては、まだ詳細に説明していなかった。しかし、同氏はこれまでにも公の場でたびたび暗号資産に言及し「インターネットの初期」を思い起こさせ、自分が生涯をかけて取り組むべき「これ以上に重要なこと」はなかったと話してきた

最近では、ドーシー氏はJay Z(ジェイ・Z)と共同で2360万ドル(約26億円)のビットコインファンドを立ち上げ、ドーシー氏の別の会社であるSquare(スクエア)をビットコインによる分散型金融サービス市場に導く計画を発表した。また、Squareは2021年、ブロックチェーン技術や暗号資産が音楽ビジネスを変える可能性を視野に入れ、ジェイ・Zの音楽サービス「TIDAL」の株式の過半数を取得している

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ドーシー氏は本日、ビットコインを、AIと分散化(後者はTwitterが「Bluesky」イニシアチブにより推進している)と並んで、Twitterの将来にとって重要な3つのトレンドの1つと位置づけた。

ドーシー氏は、ツイッターの第2四半期の決算発表の場で、投資家に向けてビットコインをアピールし、同社のプロダクトの拡大を迅速に進めることができると述べ、インターネットの「ネイティブ通貨」になるための「最良の候補」であると説明した。(ちなみに、Squareが2020年に購入した5000万ドル[約55億円]のビットコインは、2021年2月には2億5300万ドル[約278億円]の価値があり、2021年初めにはさらに1億7000万ドル[約187億円]を購入した)。

「インターネットにネイテイブ通貨、グローバル通貨があれば、Super Follows、商取引、サブスクリプション、Tip Jarなどのプロダクトとともに迅速に動くことができ、市場ごとにアプローチするのではなく、地球上のすべての人にリーチすることができます」とドーシー氏は語る。「これは、私たちの未来に大きな影響を与えるものだと思います。特に、ソーシャルメディアの分散化や経済的なインセンティブの提供を考えると、通貨以外にも多くのイノベーションが期待できると思います。ですから、TwitterやTwitterの株主にとって、この分野に目を向け、積極的に投資を続けることは非常に重要なことだと思います」と付け加えた。

Twitterの担当者によると、ドーシー氏がビットコインを同社のプロダクトラインアップに統合する方法について公に語ったのは今回が初めてとのことだ。

ドーシー氏はまた、Twitterだけが暗号資産戦略を追求しているわけではないと指摘し、Facebook(フェイスブック)がデジタル通貨Diemを支援していることに触れた。

「これには明らかにニーズがあり、評価されています。私は、インターネット上に存在するオープンスタンダードこそが正しい道であると考えています。だからこそ、私も、私たちも、最終的にはビットコインに注力するになるでしょう」と述べた。

CNBCによると、Twitterは全体的にパンデミックの反動で好調な業績を上げ、2014年以来の最速の売上高の成長を記録し、同社の株価は時間外取引で9%上昇した。第2四半期の売上高は、ウォール街が予想していた10億7000万ドル(約1177億円)に対して11億9000万ドル(約1309億円)となり、その大部分(10億5000万ドル、約1155億円)が広告事業によるものだった。また、1株当たり利益は、予想の7セント(約8円)に対し、20セント(約22円)となった。

しかし、Twitterが独自に開発した指標である収益化可能な1日当たりのアクティブユーザー数(mDAU)は、アナリストが予想していた2億620万人に対して、前年同期比で11%増の2億600万人にとどまった。これは、ニュースサイクルが遅くなったことと、米国の多くのコミュニティで屋内退避勧告が終了したことが、当四半期のTwitterの利用に影響を与えた可能性があるためだ。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:ジャック・ドーシーTwitterBitcoin

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

イーロン・マスク氏がテスラはビットコインが環境に優しくなれば受け入れを再開する「可能性が高い」と発言

Tesla(テスラ)のElon Musk(イーロン・マスク)CEOは米国時間7月21日、Crypto Council for Innovation(クリプト・カウンシル・フォー・イノベーション)が主催したオンラインのパネルディスカッションにおいて、暗号資産の採掘に使用される電力の50%が再生可能エネルギーになった時点で、Bitcoin(ビットコイン)による支払いの受付を再開する「可能性が高い」と述べた。これは、先月のTwitter(ツイッター)における同氏の発言と合致するものだ。

テスラは、2021年2月にビットコインによる支払いの受け入れを始めた。同時期に同社は、歴史的な15億ドル(約1650億円)分のビットコインを購入している。だが、そのわずか3カ月後には、環境問題を理由にこの決定を撤回した。

暗号資産はエネルギー使用の点で悪評を受けている。それは確かに非常に多くのエネルギーを消費するからだ。少なくとも、暗号資産の多くはそうである。世界の2大暗号資産のビットコインとEthereum(イーサリアム)は、Proof of Work(プルーフ・オブ・ワーク)と呼ばれる仕組みを使ってネットワークを動かし、それぞれの暗号資産の新しいブロックを「鋳造」している。この「Work(作業)」は、複雑な暗号の問題を解くことであり、マイナー(採掘者)はこれに取り組むためにハイエンドのグラフィックカードを組み合わせて作業を行う。大規模なマイニングセンター(採掘工場)では、何千ものGPUが24時間稼働している。

イーサリアムは、プルーフ・オブ・ワークからプルーフ・オブ・ステーク(proof-of-stake)と呼ばれるエネルギー使用量を大幅に削減する方法に移行することをすでに表明しているが、ビットコインはこの移行の可能性が低いようだ。だから「環境にやさしく」なるということは、ビットコインの根本的な部分を大きく変えるのではなく、マイニングセンターを動かすエネルギー源を変えることになる。

ビットコインのグローバルなマイニングネットワークは、明らかに再生可能エネルギーに依存しているものの、グリッドがどれほど分散化されているかを考えると、再生可能エネルギーの使用率について正確な洞察を得ることは非常に困難だ。明らかなのは、マスク氏がビットコインの現在または将来の「環境への優しさ」を判断する出発点には、グローバルネットワークからの前例のない透明性が必要だということ。そしてマスク氏はおそらく、個人の見解によるデータに基づいて、いつでもこの判断を下せるように、多くの余裕を持とうとしているだろうということだ。

マスク氏の今回のコメントは意外ではない。同氏は6月に「採掘者による適正な(~50%)なクリーンエネルギーの使用が確認され、将来的に前向きの傾向が見られるようになれば、テスラはビットコインによる決済の受け入れを再開します」とツイートしている。

コインテレグラフ

ご覧になりましたか?

イーロン・マスクがまた非難されていますが、今回は何のためでしょうか? Sygnia(シグニア)のCEOであるMagda Wierzycka(マグダ・ウィアジッカ)氏は「ビットコインで見られるのは、1人の非常に強力で影響力のある個人による価格操作です」と彼を非難しました。

イーロン・マスク

これは正確ではありません。テスラは市場を動かすことなく簡単にBTCを清算できることを確認するために、保有資産の10%以下を売却しただけです。採掘者による適正な(~50%)なクリーンエネルギーの使用が確認され、将来的に前向きの傾向が見られるようになれば、テスラはビットコインによる決済の受け入れを再開します。

しかし、マスク氏はコメントに十分な余裕を持たせている。「ビットコインの採掘者を再生可能エネルギーに移行させようとする意識的な努力があるなら、テスラはそれをサポートできます」と、同氏は会談の後半で付け加えた。ビットコインの採掘の大部分は中国で行われていた。中国では安価な石炭と水力発電により、わずかながら経済的な採掘ができたからだ。しかし、マスク氏はこれらの石炭発電所の一部が閉鎖されていることを指摘した(中国の採掘者の大部分は、中国政府による採掘の取り締まりを受けて国外へ移住し始めている)。

ビットコインの環境への影響に関するマスク氏の懸念は、ビットコインのコミュニティで議論を巻き起こしていることにも留意しておくべきだろう。ビットコインは、その実際のエネルギー消費量に比べて、過剰な監視を受けている、という意見もある。今回のオンライン討論に参加したTwitter(ツイッター)のJack Dorsey(ジャック・ドーシー)CEOは、ビットコインの再生可能エネルギーへの移行を促すことはできると実際に主張を続けている。決済企業のSquare(スクエア)の「Bitcoin Clean Energy Initiative(ビットコイン・クリーン・エナジー・イニシアティブ)」プログラムが発表した報告書では、ビットコインの採掘によって、再生可能エネルギーが現在よりもさらに安価で経済的に実現可能になると主張している。

今回のマスク氏のコメントは、これまでと同様にあいまいな表現ではあるものの、同氏が依然として暗号資産市場に大きな影響力を持っていることを示している。ビットコインの価格は、4月に6万3000ドル(約694万円)以上の史上最高値を記録した後、7月19日には3万ドル(約330万円)を下回った。しかし、この億万長者の創業者がオンライン討論会で、自分や会社の保有量をより詳細に明らかにしたところ、ビットコインの価格は反発した。

マスク氏個人やテスラのビットコイン保有に加えて、同氏の航空宇宙企業であるSpaceX(スペースX)もビットコインを保有している。マスク氏は、個人的にイーサリアムと(もちろん)Dogecoin(ドージコイン)も保有していると付け加えた。彼のコメントを受けて、3つの暗号資産の価格は上昇した。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:TeslaElon Muskビットコイン暗号資産

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(文:Aria Alamalhodaei, Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

NFTマーケットプレイスのOpenSeaが「ガス代」排除に向け、複数のブロックチェーンに対応を計画

NFT(非代替性トークン)オークションのマーケットプレイスであるOpenSea(オープンシー)にとって、この2021年は激動の年となっている。2021年初めにNFTがどこからともなく爆発した時、このスタートアップ企業はニッチな分野で非常に有利な立場にあった。それ以来、OpenSeaはユーザーベースを拡大し、売上総額を急増させ、さらに多くの投資家から資金を提供されている。

OpenSeaは2021年3月に、資金調達額2300万ドル(約25億3000万円)でシリーズAラウンドを完了したことを発表したが、それから約4カ月後、アンドリーセン・ホロウィッツが主導するシリーズBラウンドでさらに1億ドル(約110億円)を調達し、評価額は15億ドル(約1650億円)に達したとTechCrunchに語った。今回のラウンドには、Cootue(クートゥー)、CAA、Michael Ovitz(マイケル・オーヴィッツ)氏、Kevin Hartz(ケヴィン・ハーツ)氏、Kevin Durant(ケヴィン・デュラント)氏、Ashton Kutcher(アシュトン・カッチャー)氏などが参加した。

夏の初めに成層圏から下落したにもかかわらず、広範なNFT市場はまだ活気に満ちており、OpenSeaは引き続き活発な動きを見せている。2021年6月の売上高は1億6000万ドル(約176億円)で、7月はこの数字を超える勢いだと、CEOのDevin Finzer(デビン・フィンザー)氏はTechCrunchに語っている。

同社の成長を阻む障害となった1つの要因は、そのマーケットプレイスの基盤となっているEthereum(イーサリアム)ブロックチェーンに特有のインフラ問題だった。イーサリアムブロックチェーンは、間もなくネットワークの大型アップグレードが予定されているが、NFTブームに追いつくのに苦労しており、時に高額な「ガス代」をユーザーに負担させることがある。アイテムの生成や取引に必要なこれらの手数料は、この数週間に大きく下落したが、OpenSeaは長期的なスケーラビリティを目指すため、さらにいくつかのブロックチェーンをプラットフォームでサポートすると発表した。

同社はまず、人気の高いレイヤー2のイーサリアムブロックチェーンであるPolygon(ポリゴン)に対応する。Polygonは、よりエネルギー効率の高い構造を持っているため、OpenSeaはこのブロックチェーン上のクリエイター、バイヤー、セラーのガス代を完全に排除することができる。ガス代がなくなれば、OpenSeaにとっては、ゲームやイベントの分野でNFTの将来性を見出すなど、野望を拡大できる勝算が高くなると、フィンザー氏は語っている。

OpenSeaは、Polygon以外にも、Dapper Labs(ダッパーラボ)のFlowブロックチェーンや、Tezos(テゾス)との統合を計画しているという。

複数のブロックチェーンにまたがって運用するということは、各ネットワークのサポートレベルが異なるプラットフォーム間で運用する消費者にとって、いくつか頭痛の種となる可能性がある。また、NFTの投資家の中には、イーサリアムよりも実績の乏しいブロックチェーンで商品を購入することに躊躇する人もいる。新しいブロックチェーンは、長年の間にサポートを失うかもしれないと心配だからだ。

しかし、全体としては、今回のユーザーフレンドリーな変更は、より広くNFTのコミュニティに受け入れられるのではないかと思われる。NFTコミュニティでは、新たな関心が爆発的に高まったことでシステムがストレスを受けており、ユーザーインターフェースやユーザーエクスペリエンスの改善が必要であることを認識しているからだ。

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

【コラム】アフリカ諸国政府にブロックチェーンサービスを売って学んだこと

編集部注:本稿の著者Mohammed Ibrahim Jega(モハメド・イブラハム・ジェガ)氏は、Domineum Blockchain Solutionsの共同ファウンダー。連続テック起業家、スタートアップアドバイザー、フィンテック専門家でブロッチェーン推進者。

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アフリカ大陸の大きな魅力の1つは12億という人口であり、そこに獲得可能な巨大市場があることを意味している。しかし、ターゲット顧客が54カ国の政府だと何が起きるのか?

我々のケースがそれだ。Domineum Blockchain Solutions(ドミニエム・ブロックチェーン・ソリューションズ)を設立したのは、アフリカ諸国政府が貨物の出荷と記録管理に関わる問題を解決するのを手助けするためだった。

大変な仕事になることはわかっていたが、最初の顧客を獲得するのが最難関になるとは予想していなかった。

当社の最初のプロダクトは、貨物の出荷元と移動経路を追跡し、あらゆる国との輸出入製品の内容を特定する貨物サービスだった。我々は、貨物が非公式な裏経路を通ることによる収入減少問題を解決するためにこれを開発した。

サハラ以南アフリカに焦点を合わせていた我々は、2019年に4つの国に打診した。母国ナイジェリアとケニア、ガンビア、ギニア共和国の各国だ。

最初に話を持ちかけた時、どの政府からも期待した反応を得られなかった。我々のソリューションを試す準備が整っていなかった。提案は新奇であり、彼らがブロックチェーン技術に馴染みがなかったためだ。動揺した我々は、ターゲットに小国を加えた、シエラレオネだ。

首都フリータウンの港湾は、シエラレオネの貿易の主たる玄関口として貿易量の80%がここを通過している。同港には貿易中継地としての長い歴史があり、ヨーロッパとアメリカ大陸の中間という戦略的に重要な位置の恩恵を受けてきた。

しかし、フリータウンはアフリカはもちろん、サハラ以南アフリカの中でも主要な港湾都市とはいえない。この港を通過するのは、全世界の輸送取扱量の1%にも満たない。世界人口のおよそ0.1%が住むアフリカの小国はダイヤモンド、カカオ、コーヒーなどを輸出し、食糧、機械、化学薬品などを輸入している。

ある時この国は、一連の製品の輸出入に関して大きな課題に直面した。シエラレオネのあるサプライチェーンマネージャーが状況を説明した。「私たちは輸出手続きで大きな課題に直面しました。港で長期に渡る遅延が起きていたのです。深夜前に到着した私たちのトラックは、何時間、時には何日間も順番を待たせられました。書類手続きが非常に複雑でした」。

世界銀行によると、シエラレオネの「貿易問題はいくつかの要因に起因する。貿易情報の欠如、高レベルな現物検査、さまざまな手数料、ライセンス、許可証、証明書。手作業による手続き。当局部署間の連携の欠如など」。Domineumはこれを解決することを目指した。

シエラレオネ政府との最初の話し合いは順調に進んだ。幸運なことに、シエラレオネは国境を越える物品の移動に必要な時間とコストを減らすために、世界銀行グループの支援を受けて5年計画(2018~2023年)を展開していた。目標は、貿易コストの10%削減だ。3カ月に渡る検討の結果、当社の貨物追跡システムが導入された。

当社は2019年の終わりにこの提携事業を開始し、さもなければ失われていた200万ドル(約2億2000万円)の収益を獲得することに成功した。ビジネスモデルはシンプルだ。当社の貨物追跡システムによってシエラレオネ政府が獲得した追加収益の40%を手数料として我々が受け取る。

アフリカに参入する際、ナイジェリアや南アフリカ、ケニアなどの大きくて人気のある市場に焦点を当てたがるのが一般的だ。しかし、これまでに我々が学んだのは、この国々は会社にとって最初の参入国ではない可能性が高いということだ。ビジネス-政府モデルは一筋縄ではいかない。政府と仕事をするためには実にさまざまな政治活動が必要だ。

これまでうまくいっているのが、まずいくつかの国に接触して足がかりを得て、それをコンセプトが通用する検証として使うやり方だ。シエラレオネでの成功を受け、我々は他の国々に戻って、よりよい反応を得られることを期待している。

シエラレオネの成功は、我々が提供していたサービスを考え直すきっかけになった。当初の話し合いは貨物追跡サービスから始まったが、やがて我々は、始めにノーと言った国に別のサービスを提案すべきなのではないかと考えた。

アフリカでは土地登記が共通の問題であることがわかった。アフリカの農村部の90%以上が未登記であり、土地収奪の温床になっている。このことが農業その他の産業の成長を阻んでいる。紛争時に土地が他者に略奪されたり、政府に強制収用されるからだ。

我々は再び各国を訪れ、ブロックチェーンを用いた土地所有登記などのサービスを提案した。ナイジェリア政府から肯定的反応があり、パイロットプログラムを実施することになった。このパイロットフェーズが終わった暁には次のビジネス契約を獲得できることを楽観している。

アフリカ諸国政府とのビジネスはどんな感じだったか?小さくて獲得可能な市場である。もしあなたが、アフリカの国の政府に製品やサービスを売り込むつもりなら、最初の顧客は小さな国にいることを念頭に置くのがよいだろう。

その他のチャンスをつかむために、我々はこの発想に基づいて今後も他のアフリカ諸国への拡大計画を続けていくつもりだ。

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(文:Mohammed Ibrahim Jega、翻訳:Nob Takahashi / facebook

暗号資産VCは約165億円コミットするほどTerraform Labsの「エコシステム」に期待している

現在、多くのブロックチェーンプラットフォームが投資家や開発者の注目を集めようとしのぎを削っており、その中には大手のEthereum(イーサリアム)から、2021年5月にご紹介したSolana(ソラナ)のようないわゆる「Ethereumキラー」も含まれている。

多くの場合これらの技術は非常に有望であると考えられており、投資家はブロックチェーンだけでなく、そのブロックチェーンネットワーク上に構築される製品やプロジェクトのエコシステムにも資金を提供したいと考えている。例えば米国時間7月14日には、Solanaブロックチェーンネットワーク上に存在するデジタルウォレットのPhantom(ファントム)が、Andreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ、a16z / 2021年6月にはSolanaのデジタルトークンにも多額の資金を投じている)がリードするシリーズAで900万ドル(約10億円)の資金調達を発表した。

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同様に、投資家のシンジケートが米国時間7月16日、Terraform Labsに票を投じた。Terraform Labsは3年前に設立されたプラットフォームで、当初はさまざまなフィアット通貨の価値に連動した、いわゆるステーブルコインをeコマース向けに鋳造することを目的としていたが、その後、提供するサービスを拡大してきた。

実際、このプラットフォームから構築される可能性があるものは非常に多く、Pantera CapitalやArrington XRPなどの支援者は、Terraエコシステムに関連する製品に1億5000万ドル(約165億円)を投資することをコミットしているが、これは数年かけて展開されるコミットメントであり、それが実を結べば、Terraformの実質的な成長を後押しする一種の好循環になると同社は述べている。

なぜ彼らはTerraformにそこまで期待しているのか?シンガポールを拠点とするこの企業は、決済時間を数日から数秒に短縮することで韓国のマーチャントユーザーの間で急速に人気を集めているが、その際、eコマースの顧客はオンライン(時にはオフライン)の取引にブロックチェーンが関わっていると知らないことが多いようだ。

投資家のMike Arrington(マイク・アーリントン)氏によると、この会社は非常に好調で、Chaiというeコマース用ウォレットを立ち上げ、アジアで人気を博しているという。また、現実世界の資産の価格を追跡するファンジブルトークン(代替可能な資産)、すなわち「シンセティック」を作成するMirror Protocolも立ち上げた(Mirrorの最初のラウンドはArrington XRPが主導した)。

確かに、Terraformのトークン(LUNAと呼ばれる)の時価総額は2021年1月の3億ドル(約330億円)から26億ドル(約2861億円)へと急上昇しているが、これは興奮した買い手たちによるものだ。

これらの投資家が先走っているかどうかはまだ答えの出ていない問いだが、Coinbase VenturesやGalaxy DigitalのMike Novogratz(マイク・ノヴォグラッツ)氏などを含む出資者たちは、Terraformがまだまだ成長すると確信している。

2021年1月にGalaxy DigitalがTerraformの2500万ドル(約27億5000万円)のラウンドを共同で主導した際、ノヴォグラッツ氏はBloombergの取材に応じ、この投資について次のように述べている。「Terraformのすばらしい点は、サンドボックスの外に出ていく最初のサンドボックス型実験の1つであることです。当社は常にそうしたプロジェクトに注目しています。なぜなら、これらのプロジェクトはこれから他に何が起こるかを示す炭鉱のカナリアだからです」。

カテゴリー:ブロックチェーン
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(文:Connie Loizos、翻訳:Aya Nakazato)

暗号通貨スタートアップのPhantomがマルチチェーンウォレット拡大のためa16zから資金調達

2021年、個人投資家がビットコインやイーサリアムなどの暗号資産(仮想通貨)を購入することに慣れてきた一方で、分散型アプリケーションの世界では、主流のユーザーベースを取り込むことに関してまだ多くの仕事が残っている。

Phantom(ファントム)は、暗号資産スタートアップの新しい層の1つだ。ブロックチェーンベースのアプリケーションを合理化するインフラを構築し、暗号通貨の世界をナビゲートするための、よりユーザーフレンドリーなUXを提供することを目指す。開発者ではなく、利用者にとって空間全体をより親しみやすいものにしようとしている。ユーザーは、Phantomウォレットをブラウザにダウンロードすると、アプリケーションとのやりとりやトークンの交換、NFTの収集などができる。

この暗号通貨ウォレットメーカーはシリーズAラウンドで900万ドル(約10億円)を調達した。ラウンドはAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ、a16z)がリードし、Variant Fund、Jump Capital、DeFi Alliance、Solana Foundation、Garry Tanも参加した。今年の夏の初めにクローズしたこのラウンドは、市場全体の不安定な状態が続いているにもかかわらず、暗号資産の未来を受け入れるベンチャーキャピタルが出てきたことを意味する。a16zは先月、22億ドル(約2420億円)の暗号通貨ファンドを発表した。これは業界に特化した同社の投資ビークルとして最大だ。

画像:Phantom提供

CEOのBrandon Millman(ブランドン・ミルマン)氏、CPOのChris Kalani(クリス・カラニ)氏、CTOのFrancesco Agosti(フランセスコ・アゴスティ)氏の共同創業チームは、いずれも暗号資産インフラのスタートアップである0xから移った。

Phantomは現在、Solanaコミュニティーで最もよく知られており、そのブロックチェーン上のアプリケーションとして最適なウォレットとなっている。ミルマン氏がTechCrunchに語ったところによると、同社はより広範なネットワークとのインターフェースに取り組んでおり、現在、イーサリアムとの互換性を構築している。また、他のブロックチェーンの準備もしており、「マルチチェーンの世界」のための製品を目指している。

Phantomは、他のネットワークへの対応を進めると同時に、より洗練されたDeFiメカニズムをウォレットに組み込み、ユーザーが暗号資産に賭けたり、ウォレット内でより多くのトークンを交換したりできるようにしたいと考えている。

Phantom社によると、既存のウォレット製品のユーザー数は約4万人とのことだ。

人気の高いイーサリアムのブロックチェーン上で存在感を示すのは難しいことだが、Phantomの最も大きな課題は、新しい種類の暗号資産に興味のあるユーザーが、主流になるにはまだ長い道のりを必要とするアプリのネットワークにアクセスできるようにすることだ。

「この分野全体が『開発者が他の開発者のために作ったもの』という状態に陥っています」とミルマン氏は話す。「ハードルの高さはそのまま放置されていました。より高いハードルを目指す人はいませんでした」。

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画像クレジット:Phantom

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(文:Lucas Matney、翻訳:Nariko Mizoguchi

キエフのアパートが収集可能なNFTとして初オークション、ブロックチェーンスタートアップPropyが企画

TechCrunchは以前、スマートコントラクトのコンセプトの下、ブロックチェーン技術を使用して実際の不動産販売をスムーズにする企業であるPropyを記事で取り上げた。Propyは、こうした機能を最初に実現したブロックチェーンスタートアップだ。現在同社は、実際の物件をNFTとしてオークションにかけることで、その境界線を再び押し広げようとしている。これを単なる人目を引くための行為だと片付けたい人もいるかもしれないが、同イベントは合法的に行うことができることを強調するために企画されたものだ。そしてもちろん、Propyは間違いなく挑戦に向かうだろう。

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今回オークションにかけられているNFTは、ウクライナのキエフにあるワンベッドルームの近代的な新築アパートメントに付随するものとなっている。Propyが初のブロックチェーンベースの不動産販売で歴史を築いた物件だ。

Propyが作成したNFTは、不動産の実際の所有権を移転するという。あまり詳しくないという人のために説明すると、NFT(非代替性トークン)は、芸術作品、音楽、その他の収集物など、固有の資産を表現する暗号化された「トークン」で、所有権をデジタルで証明する。NFTは、Banksy(バンクシー)のアート作品を焼却したものをはじめ、あらゆるものに応用できる可能性を秘めた暗号の世界に光を当てた。

オークションでアパートメントのNFTを落札すると、所有権譲渡書類へのアクセス権、キエフの人気グラフィティアーティストChizzによるデジタルアート作品のNFT(デジタルアートの物理的な絵が物件の部屋の壁に描かれている)、アパートメントの写真を獲得する。しかし、明らかにここではアパートメントが主要資産である。

オークション自体は24時間かけて行われ、開始価格は2万ドル(約218万円)からとなっている。NFTによる売却の詳細はこちらで確認できる。

当該アパートメントは、まさに本ニュースサイトTechCrunchの創設者であり、現在Arrington XRP Capitalの暗号投資家であるMichael Arrington(マイケル・アーリントン)氏が現在所有している。

Propyはこれまでに10億ドル(約1091億円)相当の取引を処理したとしており、その投資家にはアーリントン氏の他、DFJの元創業者Tim Draper(ティム・ドレイパー)氏も名を連ねる。

PropyのCEOであるNatalia Karayaneva(ナタリア・カラヤネバ)氏は次のように述べている。「このNFTは歴史に残るでしょう。ブロックチェーン技術と非代替性トークン(NFT)の将来性を活用し、分権化された金融経済における『自動運転型』不動産取引と不動産参加を実現する上で、Propyにとって大きなマイルストーンとなります」。

今回の取引の概要を説明しよう。アーリントン氏は、NFTの弁護士が作成した、将来の買い手に所有権を譲渡するための法的書類に署名済みである。PropyはNFTオークションを行い、暗号資産で支払いを受ける。オークションの落札者は、KYCの詳細を入力後、1分以内に物件の所有者となる。

キエフの不動産は米国を拠点とする事業体が所有している。オークションが完了すると、NFTの新しい所有者は事業体の所有者となり、不動産自体の所有者となる。このプロセスは、不動産にアタッチされたNFTが再販売されるたびに繰り返される。

筆者とのインタビューで、カラヤネバ氏は次のように語った。「私たちはブレーンストーミングを行ってきました。今回のことは2017年のホワイトペーパーの自然な展開のように思えます。私たちは実際、不動産、不動産を経由するもの、そしてすでにNFTに着手し始めていますが、独自のスマートコントラクトを活用してそれらの取引を行っています。しかしこのNFTのコンセプトは、2つのウォレット間で不動産をピア・ツー・ピアで転送できる、異なるアプローチを提供します」。

「登記簿上の所有者名を変更する必要はありません。これは米国だけでなく多くの国にも当てはまります。米国では、所有者のプライバシーを保護するためにLLCを通じて不動産を購入するという考え方があります。このモデルは米国でうまく機能し、全体に広がっていくでしょう」。

同じインタビューの中でアーリントン氏は次のように付け加えた。「これを暗号の観点からとらえると、DeFiがどのようにしてクレジット市場に接続されるかを私たちは見てきました。NFTやDeFiの資産を持っていれば、仲介人なしで借りることが可能です。実物の不動産の場合は、今のところ仲介人なしでは借りる方法がありません。銀行を経由して、住宅ローンなどを取得する必要があるからです。それはまた、速度と所要時間の面でのあらゆるコストにも影響します」。

「不動産やその他の実際の資産をDeFiにつなぐ方法が見つかれば、その周りに創出されるクレジットの量は、最終的には数兆ドル(約数百兆円)に達するでしょう。それは実現されるべきだと私は考えます。これを取り巻く問題は、法律と規制です【略】これをめぐる法的な問題は難しく、Propyはそのために多くの取り組みを重ねています。それでも、実際の資産をNFTで表現するというアイデアは、純粋に取引の容易さとクレジット市場へのアクセスの容易さという観点から考えると、すばらしいアイデアだと言えるでしょう」。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Propy不動産NFT

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(文:Mike Butcher、翻訳:Dragonfly)

分散型金融投資を多くの人にわかりやすく提供するプラットフォームZerionが好調

暗号資産取引所は、一部のメジャーな暗号資産を個人投資家にとって親しみやすいものにしてくれたが、分散型金融(DeFi)がたくさん抱えている込み入った複雑性はその提供実体があまりにも多様なせいもあり、ベテランの投資家すらよくわかっていないことがある。

分散型金融の「インターフェイス」で暗号資産の投資家に提供するZerionが、最近の成長によりVCたちの関心を集めている。暗号資産の新たなゴールドラッシュの中、同社は2021年に行われたこれまでの取引量で約6億ドル(約660億円)を処理し、今や月間アクティブユーザーは20万を超えているとCEOのEvgeny Yurtaev(エフゲニー・ユルタエフ)氏はいう。

同社はまた、Mosaic VenturesがリードするシリーズAのラウンドで820万ドル(約9億円)を調達した。これに参加した投資家は、Placeholder、DCG、Lightspeed、そしてBlockchain.com Venturesなどとなる。Zerionによると、MosaicのToby Coppel(トビー・コッペル)氏とPlaceholderのBrad Burnham(ブラッド・バーナム)氏が同社の取締役会に加わった。

Zerionは同社のアプリを通じて顧客に、Ethereum(イーサリアム)のブロックチェーン上の5万件あまりのデジタル資産と60のプロトコルへのアクセスを提供し、それによってDeFiのUIを簡素化している。ユーザーはそのアプリから、CoinbaseやGeminiなどの取引所と同じ感覚でトークンにアクセスして投資するが、そこで使うのはMetaMaskのような自分のパーソナルなウォレットだ。そのため、ユーザーの資金と秘密鍵をZerionがコントロールしたりアクセスすることはない。長年、暗号資産の普及に努め、その作者でもあるユルタエフ氏が、最もこだわるのはその点だ。

画像クレジット:Zerion

ユルタエフ氏は「DeFiの世界は、トークンやプロトコルの種類が非常にたくさん存在します。理論的には、それらのナビゲートは容易なはずですが、現実はその全体が混乱しています。もっと、わかりやすいものにしていきたいと考えています」という。

イーサリアムとビットコインの価格の大きな成長により、DeFiの扱い額は2021年に急騰し、年初の200億ドル(約2兆1980億円)弱から5月には900億ドル(約9兆8900億円)近くになった。しかしDeFiの市場が全体としてはビットコイン並に不安定であることが立証され、マーケットの大きさは過去2カ月で35%ほど縮み、わずか570億ドル(約6兆2640億円)弱になった。

同社のiOSとAndroidアプリは、暗号資産の投資家たちにとって、マーケットと彼らが支持しているトークンの現状を追跡するための、特に人気の方法になっている。平均的ユーザーは、1日に9回以上アプリを開くと同社は述べている。

2021年の暗号資産の復調により、財貨そのものだけでなく、取引の便宜を提供するプラットフォームにも、投資の対象としての関心が集まった。2021年6月はVCのAndreessen Horowitz(a16z)が、分散型金融も含め、暗号資産分野のプロダクトを開発するスタートアップに投資するための、22億ドル(約2420億円)ほどのファンドを構築している。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Zerion暗号資産分散型金融(DeFi)

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hiroshi Iwatani)

暗号資産のCircleがSPAC合併経由で上場へ、評価額は約4940億円

Circle(サークル)は公開企業となる計画を発表した。暗号資産会社である同社はSPAC(特別買収目的会社)のConcord Acquisition Corpと合併する。CircleはCoinbase(コインベース)のCentreコンソーシアム創設メンバーの1社として知られている。他の暗号資産パートナーとともに、Circleは人気のステーブルコインUSD Coin(USDC)を発行してきた。

SPACは上場している白紙小切手会社だ。SPACとの合併はテック企業にとって上場企業になるための人気の手法となった。

Circleによると、取引での同社の評価額は45億ドル(約4940億円)だ。合併に関与している投資家は4億1500万ドル(約456億円)の私募増資を約束した。同社はまた、このほど4億4000万ドル(約483億円)を調達した。つまり、Circleは合併完了時に多額の資金を手にする。

2013年創業のCircleはもともと、主流のビットコイン決済プラットフォームを作ろうと考えていた。しかし後にソーシャル決済アプリへと方針転換した。同社はブロックチェーンテクノロジーを持ち、一種のVenmoのクローンのようなものになった。そのうち、ビットコインを送ったり受け取ったりする能力を取り除きすらした。

「自社のことをビットコインのスタートアップだと考えたことはありません。そうしたテクノロジーに関与していたため、メディアは確かに当社をビットコイン会社だと分類しました。3年前に会社を興した日から、当社は新しい消費者金融会社を構築することに注力してきました。インターネットが機能するようにお金を動かす会社です」とCircleの共同創業者でCEOのJeremy Allaire(ジェレミー・アレール)氏は2016年にTechCrunchライターのNatasha Lomasに語った。

消費者向けのサービスはまだ展開されていないが、アレール氏がすでにプログラムによってお金を動かすことについて考えているのは興味深い。2017年と2018年にCircleは暗号資産に注力するために再び方針転換した。大手の暗号資産投資家のための店頭取引デスクを立ち上げた。

同社は、当時米国最大の暗号資産取引所の1つだったPoloniex(ポロエニックス)を買収した。また、わずかな暗号資産を売買できる実にシンプルなモバイルアプリCircle Investもリリースした。

しかしCircleの最も有望なプロダクトはステーブルコインであるUSD Coin(短縮するとUSDC)だった。名称からわかるように、1 USDCは常に1 USDの価値がある。従来の暗号資産と異なり、USDCの価値は狂ったようには変動しない。発行社が常に流通しているUSDCと同額を銀行口座に持っていることを監査法人が定期的にチェックしている。

USDCにより、1つのウォレットから他のウォレットへと金を動かすことは標準のAPIコールを使うほどに簡単になった。CircleはCircle Accountsなど、USDCに関するさまざまなインフラプロダクトを追加した。同社はまた、フィアット通貨と暗号資産の間のギャップを橋渡しするものも構築した。

現在250億USDCが流通していて、Circleは2023年末までに1900億USDCが流通すると予想する。そして同社はUSDCを有効利用する金融サービスを構築するのにUSDCの人気を活用するつもりだ。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Circle暗号資産SPAC

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(文:Romain Dillet、翻訳:Nariko Mizoguchi

Gaudiyが体験ミュージアム「約束のネバーランド」GFハウス脱獄編でNFTを活用したキャンペーンを実施

Gaudiyが体験ミュージアム「約束のネバーランド」GFハウス脱獄編でNFTを活用したキャンペーンを実施

ブロックチェーンとエンターテインメントを結び付けてIPコンテンツを中心としたコミュニティサービス事業を展開し、「これまでにないエンタメ体験」を創出するブロックチェーン・スタートアップGaudiy(ガウディ)は7月8日、体験ミュージアム「『約束のネバーランド』GFハウス脱獄編」において、NFT(非代替性トークン)を使ったキャンペーンを実施すると発表した。

東京・六本木ミュージアムにおいて、「少年ジャンプ」で連載されていた漫画「約束のネバーランド」を題材とした体験ミュージアムが7月17日から12月30日まで開催予定となっており、来場者や、SNSでキャンペーンに参加した人たちに、公式コミュニティー内で無料でNFTが配布される。

ミュージアムに来場し会場のQRコードを読み取った人には「エマ」の限定NFTトレカ、SNSキャンペーンに参加した人には、「ノーマン」と「レイ」の2枚の限定NFTトレカ、両方に参加した人には、コンプリートを証明する限定NFTがそれぞれ配布される。

3枚のNFTトレカをコンプリートしたことを証明する限定NFTを持っていると、Gaudiyと集英社の共同プロジェクト「約束のネバーランド」公式ファンコミュニティー「みんなのネバーランド」において、限定デジタルイラスト集を閲覧したり、イベント期間終了後にはミュージアムの記念動画コンテンツを視聴できたりなど、単にトレカを持っているだけでなく、そこから新たな価値が広がっていくという仕組みだ。

さらに、コミュニティ内で受け取ったNFTは、イベント期間終了後にパブリックチェーン上のNFTに書き出すことも可能。これらパブリックチェーンチェーンは、複数(Ethereum、Polygon、Flowなど)の中から選択できることを予定しているという。なお、持ち出す際にかかるガス代(ブロックチェーンのシステムを動かすのに必要な手数料)は、ユーザー負担。

NFTは、ブロックチェーンを活用することで、アート作品などのIPコンテンツにも固有の価値をもたせるための技術。Gaudiyは、そうした技術を活用して「総合エンタメ業界のDX」を推進し、ファンとIPコンテンツが共創する「ファン国家」の創造を目指し、現在「トークンエコノミー」事業に取り組んでいる。つまり、NFTなどのブロックチェーン技術を使って、ファンやクリエイターなどコミュニティーで活動する人たちの貢献が正当に評価され報酬が得られる経済圏の構築だ。

さらには、トークンの保有量(ステーキング量)や貢献度合いにより投票への影響力が決まるガバナンスの仕組みなどを用いることで、IP経済圏の民主的な意思決定のもとファンに還元するDAO(Decentralized Autonomous Organization)のスキームを実現するとしている。DAOは、共感するものに人々が自律分散的に集い、その実現や価値向上のために活動し、個々の価値貢献に対してフェアにインセンティブが還元される仕組みという。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:NFT / 非代替性トークン / クリプトアート(用語)エンターテインメント(用語)Gaudiy(企業)集英社(企業)少年ジャンプDAO / 自律分散型組織(用語)日本(国・地域)

国内初IEOの「Palette Token」が開始から6分で調達目標金額9.3億円を突破、コインチェック「Coincheck IEO」発表

国内初IEOの「Palette Token」が購入申し込み開始から6分で調達目標金額9.3億円を突破、コインチェック「Coincheck IEO」発表

コインチェックは7月2日、日本初のIEO(Initial Exchange Offering)プラットフォーム「Coincheck IEO」において、7月1日より購入申し込みを開始した「Palette Token」(PLT)が、開始から6分間で申し込み金額の総額が調達目標金額9億3150万円を突破したと発表した。Palette Tokenは、HashPort子会社Hashpalette(ハッシュパレット)発行によるもの。申し込み金額の総額が調達目標金額を上回ったことから、抽選(申し込みの順番は関係ない)での販売となる。

Hashpalette代表取締役の吉田世博氏は、「Paletteは今回のIEOを起点に、日本発のグローバルなNFT特化ブロックチェーンとして成長しいく所存です」とコメントしている。

「Palette Token」(PLT)関連スケジュール

  • 7月1日 12:00:購入申し込み開始
  • 7月15日 18:00:購入申し込み終了
  • 7月20日 順次:抽選およびPalette Token受渡し
  • 7月27日 12:00:取引所においてPalette Tokenの取扱いを開始

IEOは、トークン発行によるコミュニティの形成・強化や資金調達を暗号資産交換業者(取引所)が支援するという仕組み。企業・プロジェクトなどの発行体がユーティリティ・トークンを電子的に発行することで資金調達を行う仕組み「ICO」(Initial Coin Offering)の中でも、暗号資産取引所が主体となって発行体のトークンの販売を行うモデルとなっている。

コインチェックのCoincheck IEOでは、企業やプロジェクトなどが発行したユーティリティ・トークンの審査・販売をコインチェックが行う。

HashpaletteのPalette(ホワイトペーパー)は、オープンソースの「Quorum」(GoQuorum。GitHub)を基盤とするコンソーシアム型プライベートチェーン。Quorumは、ブロックチェーン企業Consensys(コンセンシス)が手がけているもので、ブロックチェーンネットワークへのアクセス権限を管理可能なほか、許可を得た特定の企業によって運営できるようになっている。

Palette Token(PLT)は、Ethereum上で発行するERC-20規格準拠の暗号資産。クロスチェーン技術(他ブロックチェーンとの接続機能)を用いてPaletteチェーン上でも利用できるようにしているという。同社は、Paletteについてエンターテインメント領域に特化したNFTプラットフォームとしており、PLTは「コンセンサスノード運営報酬」「スマートコントラクトの発行手数料(GAS)」「NFT売買の決済」といった用途の支払いに使用できるユーティリティ性の高いトークンと位置付けている。なおNFTの発行には、EthereumのERC-721規格と同様の仕様として実装した「PRC721」規格を用いるという。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:IEO(用語)暗号資産 / 仮想通貨(用語)ERC-20(用語)Ethereum / イーサリアム(製品・サービス)NFT / 非代替性トークン / クリプトアート(用語)オープンソース / Open Source(用語)Quorumコインチェック(企業・サービス)Hashpaletteブロックチェーン(用語)資金調達(用語)日本(国・地域)

暗号資産投資家が自信を持って分散型金融の世界を航海できるようにする分析会社Nansenが約13.3億円調達

ここ数カ月、暗号投資家がその野心を市場よりも大きく膨らませている一方で、機関投資家は山のようなブロックチェーンデータを抱え、熟成された分析製品を使わずに、その意味を理解しようと躍起になっている。

ブロックチェーン分析のスタートアップ企業であるNansen(ナンセン)は、暗号トレーダーやヘッジファンドが、より自信を持って分散型金融の世界を航海できるようにするための製品を開発している。同社の製品は、約9000万個のイーサリアムウォレットにまたがるパブリックブロックチェーン情報を分析し、ユーザーに発展しつつある好機へ導く手がかりを提供する。

「Nansenの高品質なデータにより、投資家はスマートマネーがどこに移動しているのか、影響力のある投資家がどのポジションを取っているのかを追うことができます。また、投資する新しいプロジェクトを発見して、デューデリジェンスを行うことができます」と、NansenのCEOであるAlex Svanevik(アレックス・スヴァネヴィク)氏は、TechCrunchにメールで語っている。

このスタートアップは、Andreessen Horowitz(a16z、アンドリーセン・​ホロウィッツ)が主導する1200万ドル(約13億3000万円)のシリーズAラウンドをクローズしたばかりだ。a16zは最近、暗号資産市場を収奪するための22億ドル(約2430億円)もの巨大な暗号投資ファンドを発表している。今回の投資ラウンドには、Coinbase Ventures(コインベース・ベンチャーズ)、Skyfall Ventures(スカイフォール・ベンチャーズ)、imToken Ventures(イムトークン・ベンチャーズ)、Mechanism Capital(メカニズム・キャピタル)、QCP Capital(QCPキャピタル)などが参加した。

Nansenの主な製品は、暗号資産の特定の階層を中心に設計されたダッシュボードのネットワークだ。

非常にホットなDeFi(分散型金融)の分野以外にも、Nansenはラベル付けされたデータベースを活用して、イールドファーミング、リクイディティプール、DEXデータにおける投資機会を見出し、さらにはトレーダーが特にホットなNFTコレクションを探し出すのを支援する。人気のあるダッシュボードの1つである「Token God Mode(トークン・ゴッド・モード)」では、投資家が特定のERC20準拠トークンのブロックチェーンデータを利用し、取引所における長期的な動きや、個々のウォレットでの注目すべき取引を見ることができる。

画像クレジット:Nansen

暗号資産業界は主に個人投資家を増やすことを目指しているため、Nansenの価格設定には、幅広い層の顧客を取り込むための努力が反映されている。同社は、トレーダーがさまざまな市場指標のリアルタイム分析を利用できるように意図された月額116ドル(約12800円)のパッケージを販売している他、週1回の電話相談、専用チャットグループ、業種別説明会など、より細やかなサポートを受けることができる月額2500ドル(約27万6000円)のプランも用意している。

チームは高レベルのデータの一部を同社のサイトで公開しているが、より詳細な最新のデータは有料顧客のネットワークのために取ってある。Nansenの顧客には、Polychain(ポリチェーン)、Three Arrows(スリー・アローズ)、Pantera(パンテラ)、Defiance Capital(デファイアンス・キャピタル)などの暗号資産中心の投資ファンドが含まれている。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Nansen資金調達暗号資産投資

画像クレジット:Nansen

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ツイッターがNFTを作り始めたらしい、140点のNFTをユーザーに1日限り無料で配布

今日はエイプリルフールではない。しかし、Twitter(ツイッター)のアカウント全体がNFTに占拠されてしまった。新しいヘッダーには「NFTのことをツイートして若さを保てるから、保湿はやめちゃいました」とある。

もしそれが本当なら、Twitterの鳥は、今日中に小さなアヒルの子のように若返りそうだ。米国時間6月30日朝、Twitterは「140人のみなさんに140の無料のNFTを、友情のしるしに」と投稿し、Twitterの初期の140文字制限をなぞっている。

振り返ってみると、Twitterの共同創業者兼CEOであるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏が2021年初めに、Twitterとは関連のない、ツイートのNFTを鋳造して販売するオプションを提供する「Valuables by Cent」というウェブサイトを通じて、同氏による初めてのツイートをNFTとして販売したことから、これを予想すべきだった。NFT分野に投資しているMark Cuban(マーク・キューバン)氏でさえ、Valuablesでツイートを0.56ETH(当時のレートで953ドル、約10万6000円)で販売した。ドーシー氏のNFTは1630ETHで売却され、売却時には約290万ドル(約3億2000万円)の価値があったとされる。ドーシー氏はその収益をアフリカの新型コロナ対策のためにGiveDirectlyに寄付したが、NFTは環境への悪影響が指摘されることも多く、NFT市場が単なる一過性のものになるのではないかと懸念する声もある。しかし、Twitterのような主要なプラットフォームがNFTを発行していることからすると、その流行はまだ終わっていないのかもしれない。あるいは、TwitterはNFTの提供を拡大する前に、即席の無料NFTドロップに対するユーザーの反応を見るためのテストを行っているのかもしれない。

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画像クレジット:Twitter

ただし、今日のTwitterのNFTドロップは、誰も買うことはできない。Twitterユーザーはこのツイートに返信することで、NFTマーケットプレイスであるRaribleで鋳造された7つのNFT(それぞれ20点発行)のうちの1つを手に入れるチャンスを得られる(合計140点のNFT)。

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Twitterによると、NFTに関するツイート数は2900万件を超えているという。TwitterにおけるNFTの今後の展開は?それはわからない。しかし、TwitterはSpaces、Super Follows、Twitter Blueなどの新機能を急速に開発しており、Twitterが暗号を利用したコレクターズアイテムに乗り出したというニュースは、これが最後ではないかもしれない。

【更新 TechCrunch Japan編集部】同社の日本アカウント@TwitterJPでは、7月1日9時頃に詳細がツイートされる予定。1日9時に投稿される@TwitterJPのツイートに返信した人の中から、抽選で20人に日本向けデザインのNFTを配布。また、同日9時から1日限定で@TwitterJPのプロフィールやヘッダー画像がNFT仕様に変更される。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:TwitterNFT

画像クレジット:Twitter

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Aya Nakazato)

暗号資産取引所コインチェックが国内初IEOを7月1日から開始

日本の暗号資産業界の歴史に、新たなページが加わる。Coincheck(コインチェック)は、2021年7月1日に国内初のIEOプラットフォーム「Coincheck IEO」を開始。第1弾として、Hashpaletteの発行する「Palette Token(PLT)」の購入受付を同日より実施する。

NFT特化型のブロックチェーン「パレット」

そもそもIEOとは「Initial Exchange Offering」の略で、暗号資産取引所が事前にプロジェクトの審査を行った上で、投資家にトークン販売を行うというもの。2017年頃に話題となったICO(Initial Coin Offering)では、投資家がプロジェクトから直接スマートコントラクトを通じてトークンを購入するため、その危険性が度々が指摘されていた。一方でIEOの場合は、暗号資産取引所が設ける一定の審査基準をクリアしたプロジェクトのみが実施できるため、ICOと比較するとプロジェクトの「スクリーニング」がある程度行われているというメリットがある。

今回、国内初のIEOによる資金調達を実施する「Palette(パレット)」は、日本発のマンガやアニメ、スポーツ、音楽といったさまざまなコンテンツをNFTとしてデジタル化して売買できるようにするブロックチェーンだ。現在主流であるEthereumブロックチェーン上では、DeFiやNFTなど多種多様なdAppsが展開されているので「ガス代(手数料)」が乱高下しがちだ。しかしNFT特化型のPaletteであれば、比較的ガス代は安定しやすく、ユーザーにとって利便性が高くなるという。

このPalette上でのガス代を支払うために使われるのが、Palette Token(PLT)だ。ERC20準拠のPLTは、ガバナンストークンとしての側面も持ち、ホルダーはコンソーシアムメンバーにより分散的に運営されるPaletteの運営プロセスに関わることができる。

今回のIEOでは、Palette Tokenの総発行数10億枚のうち2億3000万枚をコインチェックを通じて投資家に販売する。販売価格は1PLTにつき4.05円で、1口1000PLT(4050円)から、最大2400口(972万円)まで申込可能だ。コインチェックによると、売出総額を超える申込みが行われた場合には、抽選により購入者を決定するという。申込期間は7月1日から同月15日で、上場日は7月27日。

Hashpaletteは、東証1部上場で計1000万MAUのマンガアプリ群を運営するLink-Uと、暗号資産交換業向けウォレットシステムなどを提供するHashPortの合弁会社として2020年に設立された。HashPort代表取締役の吉田世博氏は「日本が誇るコンテンツを世界に発信していくために、NFTは強力な武器になる。今回のIEOをきっかけに、NFT専用ブロックチェーンのPaletteをさらに発展させていきたい」と意気込みを語った。

HashPort代表取締役の吉田世博氏

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Coincheck暗号資産日本NFT

画像クレジット:コインチェック

暗号通貨のCircleが企業のDeFi貸付市場へのアクセスを支援する新しいAPIを導入

暗号資産(仮想通貨)企業のCircle(サークル)は、Circleアカウントを使用して暗号資産、特にステーブルコインのUSDCを管理する企業向けに、新しいAPIを導入予定であることを発表した。この新しいAPIを使って、企業はCompound(コンパウンド)のレンディングプールをはじめとする分散型金融(DeFi)プロトコルにアクセスできるようになる。

Circleは、Coinbase(コインベース)とともにCENTRE(センター)コンソーシアムの創設メンバーの1社としてよく知られている。両社は他の暗号パートナーとともに、人気の高いステーブルコインであるUSDC(米ドルステーブルコイン)を発行している。

ステーブルコインはその名の通り、価格が固定されている暗号資産だ。1USDCは常に1米ドルの価値がある。発行者は流通しているUSDCと同数の米ドルをその銀行口座に保持している必要があり、監査法人から定期的にチェックを受けている。

USDCの背景には、より簡単にお金を操作できるようにしようという考え方がある。USDCの支持者によると、ある人から別の人へ送金することは、あるウォレットから別のウォレットへビットコインを送るのと同じくらい簡単であるべきだという。Circleは、Circleアカウントによる独自のソリューションを持っており、アカウント所有者は標準的なAPIコールを使用して、プログラム的にUSDCを送信、受信、保有することができる。

特に、Circleは不換紙幣と暗号資産の間のギャップを埋めるためのスロープを構築してきた。同社のAPIサービス「Payments(ペイメンツ)」を利用すれば、カード決済、銀行送金、USDC取引を受け入れることができ、すべての取引はUSDCとして顧客のCircleアカウントに届く。同様に「Payouts(ペイアウツ)」では、Circleアカウントから銀行送金を行うことができる。

そして今、Circleは顧客がCircleアカウントに現在保有しているUSDCを使って、より多くの機能にアクセスできるようにしたいと考えている。近日公開予定のDeFi APIでは、USDCトークンを別のウォレットに手動で送信することなく、DeFiプロトコルにアクセスできるようになる。同社はまず、Compoundプロトコルから始める予定だ。

Compoundは、暗号ベースのレンディングサービスを提供している。あるユーザーは暗号資産を提供し、流動性プールに貢献する。別のユーザーは暗号資産を借りるわけだが、それにはまず、別の種類の暗号資産を担保として提供する必要がある。

Compoundでお金を貸し出すユーザーには、金利が支払われる。例えば、Compoundのプロトコルを使ってUSDCを提供すると、1.74%の年率利回り(APY)が得られる。USDCはCompoundプロトコルの一般的な担保であり、Circleがビジネスアカウントでこのプロトコルを採用することは理に適っている。Circleの財務インフラに興味深い機能が加わることになる。

2. 金融市場インフラの未来は、パブリックチェーンと新しい金融プロトコルにかかっています。開発者や企業がこれを安全かつ容易に利用できるようにすることは、非常に大きな好機となります。

3. 私たちは、企業がフィアットフローやUSDCアカウントフロー、利回りのカストディとガバナンストークンの直接統合を自動化するための新しいAPIサービスを作りました。最初のプロトコルはCompoundプロトコルです。さらに多くの他のプロトコルもそれに続く予定です。

ジェレミー・アレール

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Circle暗号資産分散型金融

画像クレジット:Chaitanya Tvs / Unsplash

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(文:Romain Dillet、翻訳:Hirokazu Kusakabe)