元Googleのプロマネが作ったエンゲージメント・プラットホームMavin Motionは、ナウい話題でユーザーの心をつかむ

モバイルのデベロッパーやパブリッシャーたちがユーザーのエンゲージメントの確保で日々苦労している中で、Mavin Motionの協同ファウンダーでCEOのShailesh Nalawadiは、そろそろやり方を変えるべき、と主張する。

同社のエンゲージメント製品は最初インドで立ち上がったが、今日(米国時間5/22)はアメリカへの進出を果たし、同時にMousse PartnersとMontane Venturesからの300万ドルのシード資金調達を発表した。

プッシュ通知やメール、SMSのメッセージなどでアプリのエンゲージメントを助けるサービスはこれまでいろいろあったが、しかしNalawadiによると、アプリのエンゲージメントキャンペーンの多くは、“サイクルが長過ぎる”、しかもそのメッセージなどは、相当前に起草されたものばかりだ。

それに対してMavinは、“今ホットな話題”を軸にメッセージを組み立てる。以前GoogleのプロダクトマネージャーだったNalawadiは、Oreoなどのソーシャルメディアのマーケターたちがその日の最新ニュースをネタにユーザーを釣ろうとするのとまさに同じように、モバイルのマーケターも“今”にこだわることによって、自分たちのアプリへの関心を高めることができる、と主張する。

アプリのマーケターたちはMavinのダッシュボードから、ドラッグ&ドロップのインタフェイスを使ってプッシュキャンペーンを作り出す。そのツールは、エンゲージメントを釣るための100種類近くのインセンティブを用意している(サービス券、割引など)。

“ご覧のように、ソーシャルメディアのマーケティングテクニックは、モバイル上でとても効果的だ。マーケターたちが今起きているできごとに、リアルタイムで反応しているからだ”、とNalawadiは語る。

たとえば調査会社のNielsenは、Mavinを利用してユーザーを“その場で”調査に動員している。またインドの音楽スタートアップSaavnは、最新の映画やアルバムの話題でユーザーの気を引き、インセンティブを提供している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Apple App Storeのアフィリエイトのコミッション引き下げはアプリ内購入だけがターゲットだ

Appleは2週間前に、App Storeの全品目のアフィリエイトのコミッションを7%から2.5%に下げる、と発表した。Appleはこのほど、この変更を明確化して、コミッションのカットはアプリ内購入にのみ適用される、と述べた。

これがAppleの発表声明だ:

アフィリエイト事業に対して行った変更について、明らかにしたい。iOSのアプリ内購入はすべてコミッションがグローバルに7%から2.5%に下げられ、そのほかのコンテンツタイプ(音楽、ムービー、本、有料のiOSアプリ、TVなど)は現状の7%のままである。

Appleのこの心変わりに最初に気づいたのはMac Gamer HQだ。たぶん、予想以上に大きな反発があったのだろう。AppleのコミュニティのWebサイトは、その多くが収益をこのコミッションに依存している。

だれかがその商品やサービスのリンクをクリックすると、Appleは売上のごく一部を、その売上に導いたパートナーに支払う。デベロッパーは今でもアプリの売上の70%を取る。残りがAppleの取り分だ。

だからAppleがなぜアプリ内購入のコミッションを下げたいのか、よく分からない。たぶん同社は、アフィリエイト事業を利用してユーザーがアプリ内購入をタップしたらお金が入る、という方式をあまりにも多くのデベロッパーが利用していることに、気づいたのだろう。それは、最初にWebブラウザーにリダイレクトされるから、ユーザーにとっても愉快な体験ではない。

あるいはそれとも、今後さらなる変更があるのかもしれない。来月行われるWWDCで、App Storeのいろんな再調整が発表される、その前兆かもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

モバイル広告が初めて全デジタル広告支出の過半に達す…今や‘モバイルオンリー’がマーケティングのトレンド

アメリカのデジタル広告の売上は2016年に725ドルに達し、前年比で22%増加した。

この数字は、PricewaterhouseCoopersとInteractive Advertising Bureauが発表した最新の報告書、Internet Advertising Revenue Reportによるものだ。Interactive Advertising Bureau(IAB)は、オンラインのパブリッシャーとアドバタイザーズたちの業界団体だ。

またこの報告書は初めて、モバイル広告について特記し、それが全広告費支出の半分以上になった、と言っている…366億ドル、総額の51%。ビデオ広告は53%増加して91億ドル、ソーシャルメディアへの支出は50%以上伸びて160億ドル、検索広告は19%増の350億ドル弱となった。

同報告書は同じく初めてデジタルオーディオについても触れ、2016年の総売上が11億ドル、と言っている。

IABのCEO Randall Rothenbergがプレスリリースで述べている: “モバイルが2016年のインターネット経済の活況をもたらした。アドバタイザーズは、デジタルがマーケティングの目標の達成に寄与貢献することへの確信を示した。今なお衰えることのない、このような確信の成長は、マーケティングが、つねに何らかの活動をしている今日の消費者に追随するために、‘モバイルファースト’から‘モバイルオンリー’へ移行しつつあることの反映である”。

IAB Quarterly Growth Trends

投資家たちはいまだに、アドテックに対して懐疑的だが、しかしそれでも、アドバタイザーズ自身はきわめて積極的に支出をしている。

でも、FacebookとGoogle以外のどこが、この成長の恩恵を享受しているのだろうか? アナリストたちによると、この二つの巨人がデジタル広告の全支出の大半を獲得し、しかも彼らの優勢は今なお増加する一方だ。

報告書はFacebookとGoogleについて個別には触れていないが、“広告収入の集中化”については述べている。すなわち現状では、上位10社の広告販売者が総収入の73%を獲得している。しかしこの数字は過去10年間、69%と75%の間で変動しているから、その意味では異常ではない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

オンラインでのカスタマージャーニーはカスタマー体験のほんの一部に過ぎない

ここ何年もカスタマー体験を管理することで企業が得られる利点について聞いてきた。カスタマーについて詳しく理解するほど、適切なコンテンツ、プロダクト、サービス、さらにはカスタマーに関連する(少なくとも理解できる)広告を提供できるという話だ。

現代のマーケティングソフトウェアは、そうした理想を現実のものに近づけている。

しかしブランドとコンシューマーのストーリーにおいて、テクノロジーはほんの一部にしか過ぎない。オンライン上の行動からカスタマーのことが分かったからと言って、企業がその人との対面する場でもスマートに価値がある関係性を築けるとは限らないのだ。企業はオンラインで得た知見を、カスタマージャーニーの全ての過程に適用する必要がある。しかし残念ながら、必ずしもどの企業もそれができているとは言えない。

信頼の問題

ユナイテッド航空での出来事とそれに続いたPRの失敗を例に挙げよう。ユナイテッド航空はカスタマーを飛行機から引きずり下ろしただけでなく、既存のロイヤルカスタマーや潜在的なカスタマーとの信頼関係までも壊してしまった。

ユナイテッド航空の例は、テクノロジーの力でオンラインの文脈でのカスタマーのウォンツやニーズを知るだけでは足りないということを示している。企業は、オンラインで得た知見を対面でのエンゲージメントにも応用しなければならない(もちろん、常識的に考えて行動することも良いことだ)。

成功している企業を見ると、企業がどこでカスタマーと接点を持つかに関わらず、企業の活動や選択の中心にあるのはカスタマーであることが分かる。アマゾンのCEOであるJeff Bezosは株主に宛てた手紙で「執拗なカスタマーフォーカス」が会社とブランドに付いて回る衰退の道とを分ける唯一の要素と記した。

セールスフォースもカスタマー満足に固執する企業だ。セールスフォースの会長でCEOのMarc Benioffは定期的に会社のコアバリューについて話をしている。コアバリューの内の1つは信頼で、信頼がなければビジネスを行うことは不可能だと彼は述べている。

カスタマーとの間で起きた一連の不名誉な出来事から、ユナイテッド航空はそのように考えていなかったのは明らかだろう。今回の一件は特に目立つものだったが、どの企業も教訓として捉え、オンラインでも対面の場でも、すべてのカスタマーとの接点で、すでに得たユーザーに関する知見を活用できるようにすべきだと言える。

テクノロジーは答えの一部に過ぎない

マーケティングテクノロジー企業は、企業がカスタマーのことをより詳しく理解するためのサービスを提供している。セールスフォースは、セールスからマーケティング、サービスに至る企業とカスタマーとの全ての接点におけるあらゆる要素を洗い出すソフトウエアを提供している。同社はカスタマーに最良の体験を届ける重要性について度々発信している。

今月初旬、セールスフォースのBenioffがワシントンDCで行ったプレゼンで、彼は増加傾向にあるインターネット接続端末からのシグナルをブランドがいかにカスタマーの理解に役立てることができるかについて話した。「全てのものがインターネットにつながる時、それらは全て中心にあるカスタマーに帰着します」。

彼が言っていることは正しいし、彼の会社やその他の会社もブランドがそのような状態になることを後押しをしている。しかし、毎回そうして集めたデータをうまく活用し、従業員がカスタマーと接するその瞬間に必要なデータが手元にある状態とは限らないだろう。テクノロジーはパズルを解くピースの1つに過ぎないのだ。

企業がより多く、詳細な情報を持ってカスタマー対応ができるようにするソフトウェアを販売している企業はセールスフォースだけではない。ちょうど今週、カスタマーのソーシャル上のシグナルを理解するサービスを展開するSprinklrは、新しくExperience Cloudというプラットフォームをローンチした。

数週間前には、 Adobeが同名のマーケティングプラットフォームをリリースしている。この2つのプロダクトがそれぞれ焦点としている分野はやや異なるものの、どちらもユーザーが彼らにとって重要なカスタマー体験を管理するためのプロダクトという点で共通している。つまりカスタマーが要望を表明していなくても、それを理解し、サービスを提供できるようにしている。

従業員に裁量を与える

ユナイテッド航空の出来事から学んだように、テクノロジーはスタート地点に過ぎず、データベースに膨大なデータがあるだけでは、ある程度しか役に立たない。カスタマーはどこかのタイミングで店舗に来店したり、飛行機に搭乗したりするだろう。その時、対面での対応でもカスタマー中心の体験を届けられるようにする必要がある。オンラインで得た知見を従業員と共有し、彼らが大事なカスタマーに対応をする時、適切な判断ができるよう裁量を与えなければならない。

アマゾンやセールスフォースがカスタマーを中心とするアプローチに固執するのは、それぞれのCEOは、ブランドとカスタマーとの関係性が自然に発生するものではないということを深く理解しているからだ。ユナイテッド航空のようにその関係を傷つけることは、これまで多大な労力をかけて築いた信頼関係を一瞬で壊すことに直結しかねない。

カスタマー満足のためにコミットすることが重要だ。マーケティングテクノロジー企業がそれを良く理解しているのは、それが彼らの販売するプロダクトと深く関っているからだろう。とりあえずテクノロジーを使ってみるだけでは課題は解決しない。従業員に知見を共有したり、研修を実施したりすることで、それを現場の仕事に活かすことが重要なのだ。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

マーケッターとコンテンツクリエイターをつなげる ― Popular Paysが310万ドルを調達

多くの競合がひしめくインフルエンサー・マーケティング業界で、Popular Paysが一歩抜きん出るための策とはなんだろうか?共同創業者のCorvett Drummey氏によれば、それはコンテンツに集中することだという。

そのアプローチは投資家たちを納得させたようだ。Popular Paysは米国時間10日、新たに310万ドルを調達したと発表した。同社は過去に行なわれたシリーズAでY Combinatorなどから520万ドルを調達している。今回の調達ラウンドをリードしたのはGoAhead VCで、Pallasite VenturesとHyde Park Angelsも本ラウンドに参加した。

Drummy氏によれば、創業当初に彼が考えていた同社の主要なビジネスバリューとは、ブランドやプロダクトのプロモーションのためにマーケッターとソーシャルメディア上のインフルエンサーたちをつなぐことだったという。それはあながち間違いではなかったものの、彼は「私たちのビジネスが提供する本当のバリューとは、コンテンツそのものなのです。企業もそのことに気がついています ― 彼らもインプレッションを欲しがっていますが、コンテンツが中心であることに変わりはありません」と話す。

結局のところ、企業はオンライン上のエンゲージメントを維持するために、より多くのビデオ、写真、ブログポストを必要としている。そして、Snapchat Stories式のフォーマットが主流になるにつれて、この流れはますます加速している。

誤解のないように言うと、Popular Paysはインフルエンサー・マーケティングというビジネスモデルを完全に放棄したわけではない。Drummy氏によれば、企業が手がけるキャンペーンの多くは今でも、コンテンツ、そしてユーザーに訴えかけるメッセージを製作するものだからだ。しかし、同社は彼らをインフルエンサーと呼ぶのをやめ、代わりにクリエイターと呼ぶようになった。彼らの本質を表すためだ。「彼らの価値とは、必ずしも有名であること、セレブリティであることではありません。彼らはコンテンツ製作のプロなのです」。

Drummey氏によれば、同社は複数のクリエイターを1か所で管理するためのマーケッター向けツールも提供している(何百ものキャンペーンをまとめて管理できる)。また、コンテンツのA/Bテストツールも同様だ。同社はマネタイズ方法も拡大していて、技術のライセンスを他社に与えたり、リセラーと共同してビジネスを行ったりしている ― 実際、リセラーから得る収益は全体の1/3にものぼるという。

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(翻訳: 木村拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Axonに名前を変えたTaserが警察に対して無償でボディカメラを提供

スタンガンメーカーのTaserはAxonになった。旧来のブランド名は、(テイザー銃などで)長年親しまれてきていたが、同社はそのイメージを離れて、ボディカメラとエビデンスマネジメンへビジネスを注力すべきときだと感じたのだ。その動きの一環として同社は、問い合わせがあった警察署にはどこにでも、ボディカメラとソフトウェアを無料提供することにした。そのとおり。奢りのビールのように無料で、「どこにでも」という言葉通りどこに対してもだ。

この同社を動かした、ポリシーとテクノロジーの大きな変化について、私は創業者のRick Smithに話を聞いた。

「私たちは弾丸を時代遅れのものにするために23年前にガレージで創業しました」と彼は言う。「しかし、Taserブランドの力はひとつのものに注がれます。私たちはこの力を、カメラに注ぐことにしました。ノスタルジーもあり、社内には大きな抵抗がありました。しかし、組織はいつか変化しなければなりません」。

Taserのブランドは私たちのよく知るスタンガンとして残るが、親会社はAxonとなる。株式取引所のティッカーシンボルはAAXNだ。

覚えているひともいると思うが、AxonはTaserが数年前にウェアラブルカメラに力を注ぐために立ち上げた部門だ。当時テクノロジーが使えるようになってきていて、Taserはそれを警察などに持ち込むことのできる絶好のポジションにいた。それは大きな成功を収めてきたが、導入の利点(いくつかは明白で、議論の余地のあるものもある)に照らすと、普及は皆が考えるほどには急速には進んでこなかった。現在警察の20%ほどがボディカメラを利用している。

「それは単に慣習の問題なのです」とSmithは言う。法整備の遅れ、予算の制約、ならびに単なる懐疑的な見方が物事の進み方を遅くしている。なので、Axonのソリューションは、ストレートに製品を提供することになった。少なくとも期間限定で。

手続きはとても簡単だ、申請すればAxon Body 2カメラを全ての警官のために入手することができて、同時にソフトウェアやそれを扱うインフラ、そして使用法に関するオンライントレーニングも提供される。1年間無償で全てを義務なしに利用することができる。

「1年後に物品を返せば、ダイム(10セント硬貨)1枚すら払う必要もありません」とSmithは言う。「これは双方に益のあるやり方だと思います」。

需要をさばくことは本当に可能なのだろうか?会社は「何十万台もの在庫を持っています」と彼は答えた。「私たちはこの計画をそれなりの期間温めてきましたし、昨年多くのサポートスタッフも追加しています」。

さて、これがAxonの企業としての良心のもとに行われているわけではないことを、わざわざ指摘する必要はないだろう。同社は警察のカメラシステムのデファクトであることで、多大な利益を得る立場にある。そして無償の提供は個々の警察にとって抗うことは難しく、1度そのメリットが広く知られるようになれば、それを止めることはさらに難しくなる、ということは指摘しておくことにしよう。

こうした状況から私はこれをトロイの木馬の一種として形容することもできるが、ボディカメラは、警察活動の質を高めるために、私たちがとることのできるおそらくとても有益な1歩だというのが、私個人の(そして明らかにSmithの)意見だ。

ボディカメラはすべてのやり取りの貴重な記録を提供するだけではなく、膨大な時間とお金を節約してくれる。

「警官はその3分の2の時間を、データ登録職員として過ごしています」とSmithは言う。「そしてデータが入力されたとしても、誰もその報告を信じていないのです!カメラからははるかに良い情報を得ることができます。それは報告書に書かれるような内容を全て含んでいるのです」。

「私たちはそうした官僚的負荷を削減できると考えています、そしてもしそれが実現されたなら、私たちは世界の警察力を3倍にすることができるのです」。

まあ大言壮語だが、少なくともその口には自分の金を詰め込んでいる。このプログラムはAxonにとって当初はとてもコストのかかるものになるが、どうなるにせよ長期的には良い方向に進むこと以外は想像できない。そしてその一方で、多くの警察署が、予算のせいで長年持つことのできなかった彼らに役立つテクノロジーを手にすることになる。もしそのためのコストが、1つの会社をその領域で優位なものにするというものならば、私はそれは合理的なトレードオフだと思う。

もちろん、現在の報告書の代わりに使われるようになるには、Axonのソフトウェアはもっと洗練される必要がある。現段階ではボディカメラは一種の補完証拠であり、苦労の多い報告書書きが一般的である。しかし、物事を迅速化するために、情報をビデオから抽出することの自動化が計画されている。

例えば、システムはGPSや他の統計情報と共にイベントにタグ付けを行い、ビデオ内の任意の会話をテキスト化することが可能だろう。そうすれば、警察官がある人物が通行止めの最中に何を言ったかをチェックするために、2時間のビデオを舐め回す必要はなくなる。単に会話やナンバープレートを検索すれば良いだけだ。またAIシステムを用いて、画像にボカシを入れたり、見物人の顔を不明瞭化することができるだろう。これによってビデオを公開したり公判に提供することも可能になる。

データの発掘は不気味なほど迅速に行うことができるようになる、SmithはAxonが何百万時間もの映像の集積と考察によって、一種のメタ監視データベースとして用いられるのではという考えは即座に否定した。

「私たちは、社外の専門家とAIの倫理委員会を形成しています」と彼は言う。「テクノロジーを正しい考慮のもとに構築することは重要ですから」。

新しい名前を得た会社には大いなる1年となることだろう。そしてそれが装備に向かう警察にとっても大いなるものになることを祈ろう。

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(翻訳:Sako)

企業がアーティストのパトロンに―、伝説のCMの立役者が考える新しい音楽PRの仕組み

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Volkswagenは1990年代の後半に、Rykodiscというレコード会社にある提案を持ちかけた。彼らは、Rykodiscが版権を持っていた当時無名のシンガーソングライターの曲を、新しいカブリオレのCMに使いたいと考えていたのだ。

そのシンガーソングライターの名はNick Drake。結局カブリオレがどのくらい売れたかはわからないが、このCM(VWにとっては初のオンラインCM)は大きな話題となり、Nick Drakeの音楽は、彼の死からかなり時間をおいて再び注目されはじめた。さらにこのCMは、ヒット曲に頼り切るのではなく新しい(そして知られていない)音楽を消費者に届けるという、音楽と広告の新しい組み合わせ方のモデルとなった。

このCMの成功に関わっていた人物のひとりで、当時Rykodiscの社長を務めていたGeorge Howardは、オンラインマーケティング会社ReachLocalの共同ファウンダーでチーフ・レベニュー・オフィサーのNathan Hanksと一緒に、現在ブランドとアーティストをシステマティックに結びつける手段を作り出そうとしている。

ふたりがダラスで設立したMusic Audience Exchange(MAX)は、この度MATH Venture PartnersKDWC Venturesが中心となったラウンドで、600万ドルを調達したと発表した。他にもG-Bar VenturesやAware RecordsのファウンダーでCEOのGregg Lattermanがこのラウンドに参加していた。

彼らの狙いは、まだ一般に知られていない才能あふれるアーティストを、特定のターゲット層にリーチしたいと考えている国内もしくは国内外で有名なブランドの目に触れさせることだ。

著名なアーティストは考えられないくらいの大金持ちになることができる一方で、地元のバーで演奏するバンド売れっ子になるために必要な露出を得るのは、段々難しくなってきている。作曲ツールやオンライン流通網が一般に広がる中、音楽業界では細分化が進んでいるのだ。

実際のところ、Spotifyでは一回も再生されたことがない曲の方が、再生されたことがある曲よりも多いとHanksは話す(Forgotifyを試せばその雰囲気がわかるだろう)。

またCDビジネスの落ち込みやストリーミングサービスの興隆が、アーティストやレコード会社に違った形で影響を与えている。スタートアップの幹部の中には、レコード会社はA&Rよりも一定数のファンがいるバンドやアーティストにマーケティング力を投入していると主張している人もいる。

さらにアーティストの中には、スタジオでの録音というプロセスさえすっとばして成功を勝ち取った人もいる。3枚の(素晴らしい)ミックステープでキャリアを築き上げたChance the Rapperがその好例だ。

Chance the RapperやG Eazyのようなアーティストは、これまでの業界の常識から外れながらもキャリアとファンベースを築きあげることができたが、全てのミュージシャンがそこまで恵まれているとは限らない。

実際に、40歳間近の現在まで何度も起業を経験し、多数のミュージシャンの面倒を見てきてたHanksは、音楽業界の恐ろしさを知っている。「私はずっと音楽業界を観察してきましたが、業界で門番のような役割を担っている人たちの行動を理解できずにいました」。

アーティストが大事なチャンスを逃してしまっているという思いはHanksの中に残り続け、彼がマーケティング会社を立ち上げた後に確固たるものへと変わった。「当時(インターネット)検索やディスプレイ(広告)がデジタルの世界を支配していましたが、ブランドはもっと物語を伝えられるような場所を必要としていて、しかも(彼らには)昔発表されたコンテンツを探す手立てがありませんでした」。

ミュージシャンは成り上がりや忍耐力に関する物語など、ブランドが伝えようとしている思いに沿ったストーリーを作り上げることができるとHanksは語る。

その後、彼が立ち上げたReachLocalが上場しGannettに買収されると、Hanksは新たな挑戦をはじめる準備ができたと感じ、翌年MAXを設立した。

Hanksや共同ファウンダーのHowardの目から見ると、MAXは3つの大きなトレンドが交わる場所にいる。ひとつめは、コンテンツの中に散りばめられた、製品を宣伝するだけの広告に飽き飽きしている消費者の思い。ふたつめは、レコード会社の売上を侵食しているデジタル音楽プラットフォーム。そして最後が、音楽の制作・流通に素晴らしいチャンスを持たらすと同時に、音楽ファンが困惑するくらい楽曲数が増える原因となった音楽出版用ツールの普及だ。

HanksがReachLocalで開発していたツールと似たようなものを使い、MAXは765ジャンルにわたる240万人のアーティストをもとに、音楽ファンを200種類以上もの層に分類することができる。

FordやTwix、Dr. Pepperといったブランドは、MAXのサービスを使えば、特定の消費者層(皮肉屋で厭世的な考えに浸っている40歳前後の毒舌記者といった感じで)にリーチするような広告キャンペーンを打つことができる。MAXは彼らのターゲット層に人気のアーティストを特定し、ブランドの予算を考慮しながら両者をマッチさせるのだ。

ブランドのスポンサー契約の中には、アーティストをCMに出演させたり、地元や国内でのツアーの支援をしたり、スポンサーした曲を一定回数かけたりといった内容が含まれているのが一般的だ。

ミュージシャンが内容に合意した後に実際の契約が結ばれるが、中には合意に至らないケースもある。ある有名アーティストは、MAXがアレンジしたスポンサーシップ契約を、同じカテゴリーの競合製品の方が好きだという理由で断ったこともあった。これまでにMAXを通じてスポンサー契約を獲得したアーティストの中には、EEDTOBREATHEやLeela James、Aaron Watson、さらに2017年のグラミー賞にノミネートされたLa Maquinaria Norteñaなどがいる。

ブランドとアーティストのペアリングの中には、下のミュージックビデオのように全くの偶然で生まれるものもある。

「私はこれまでずっと、音楽業界でアーティストとファンの間にいる人たちを省こうとしてきました」とHowardは自身のキャリアを振り返りながら話す。

ブラウン大学在学中にミュージシャン兼Slow River Records(私の青春時代のサウンドトラックのひとつであるVivadixiesubmarinetransmissionplotをリリースしたレコード会社)のファウンダーとしてキャリアをスタートさせた彼は、その後Rykodiscの社長とバークリー音楽大学の講師を務めており、キャリア全体を通してミュージシャンとお金の間に立ちはだかる障害を取り除く努力を続けてきた。

「コンテンツをつくる人と、それを消費する人の間にあるものは、少なければ少ないほど良いと考えています」とHowardは言う。「MAXはコーディネートエージェントであって、中間業者ではありません。私たちの狙いはアーティストとブランドの結びつけて、両者の目的を揃えることにあります」。

さらにHanksは、ミュージシャンだけでなく、映画スターやユーチューバー、俳優など、さまざまなジャンルのインフルーエンサーにもMAXの戦略が応用できると考えている。

Facebook上に500万人ものフォロワーを抱えているインフルーエンサーが、自分を売り込むのにお金を払わなければいけないというのは確かにおかしな話だ。

「ブランドにはファンを構築するお金があり、メディアにはコンテンツをファンに届ける力があり、アーティストにはファンに物語を伝える力があります」とMAXのシステムについてHanksは説明する。

彼らのやり方こそが未来の音楽業界のあり方かつ、アーティストに収益をもたらす方法なのかもしれない。「アーティストの後ろにブランドがいるという形こそ、新時代のパトロンの在り方です」とHanksは言う。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

ボタンを押せば電話がかかってきて会話から脱出―、BreatherのChrome用プラグイン

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仕事用スペースのレンタルサービスを提供しているBreatherは、少し変わったマーケティング戦略の一環として「Nope Button(いいえボタン)」と呼ばれるChromeのプラグインをリリースした。

このプラグインの目的は、Breatherの貸切スペースを使っていない人にも、仕事を邪魔されないような手立てを提供することだと彼らは話す。オープンスペース型のオフィスというのはスタートアップ(そしてスタートアップ以外の企業でも)一般的になってきており、一日の業務の中でさまざまな会話に引っ張り出されてしまうことがよくある。

Nope Buttonは、そんな状況から人を救い出すためのプラグインだ。

このプラグインの使い方は次の通りだ。

ユーザーはNope ButtonをChromeにインストールすると、携帯電話の番号を入力するよう求められ、その後「N」と書かれた大きなNope Buttonがブラウザの右側に現れる。あとは、オフィスで誰かが新しいタスクをお願いするため、もしくは単にあなたに話かけるために近づいてきたら、そのボタンを押すだけで良い。

ボタンを押すと、自動的に携帯に電話がかかってくるので、ユーザーはその会話から「脱出」して仕事に戻ることができるようになっているのだ。

電話の内容は、映画「マトリックス」の印象的なシーンにインスパイアされているという。こちらがその内容だ。

こんにちは。3つ数えたら、手を口にやって何か悪いニュースを聞いたように驚いた表情を作ってください。悲しい顔ではなく、心配しているような感じです。それでは、1、2、3。

恐らく同僚は、あなたの顔を見つめていることでしょう。そうしたら、同僚に向かって手を降って、携帯電話を指し示してください。きっとその人は立ち去るでしょう。まだあなたのことを見てるんですか?しょうがないですね。軽く笑い声をあげて目を回し、肩をすくめながらその人に向かって微笑みかけてみてください。そろそろ何が起きているかその人もわかるでしょう。

まだいるんですか?そうですか。それでは、今から私が言うことを真剣にちょっと心配したトーンで繰り返してください。「うん、もちろん今話せるよ。どうしたの?」これできっとうまくいくはずです。

どうやらあなたは職場でなかなか業務に集中できないようですね。もしもそうなら、いい場所を知っています。でも、まずこれだけ聞かせてください。本当にあなたは集中できる環境を求めていますか?Breatherは、オープンオフィスの問題点や気が散るような日頃の出来事からあなたを解放する、安全で静かな執務スペースです。

割引コードもありますが、これを使うかどうかはあなた次第です。コードはNOPE。この割引コードはBreather.comで使えます。それでは。

このプラグインにはいくつか問題がある。

あなたの上司や先輩が、何かを聞きにデスクの後ろから近づいてきたとして、もしもあなたがブラウザのボタンをクリックしまくっていたら、失礼な印象を与えてしまうだろう。

さらに上司や先輩が話そうとしているのに、電話を優先するというのもちょっと問題だ。

そして最後に、誰かが話しかけるたびにあなたの携帯電話が鳴っていれば、さすがに同僚もあなたがChromeのプラグインを使って何かしていると感づくだろう。

そうは言っても、このプラグインからはBreatherのマーケティング戦略の独創性が伺える。Breatherのサービスを知ってもらうという意味では面白い試みだし、開発にそこまでお金やリソースを割いていないとすれば、地下鉄広告のような既存のマーケティング施策よりもよっぽど良いかもしれない。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

今や無視率の高いネット広告、フィジカルな郵便物を併用して消費者のエンゲージを高めるPebblePostがシリーズBで$15Mを調達する好成績

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PebblePostは、印刷物のはがきやカタログにマーケティングの大きな機会がある、と信じている。

しかも同社は今日(米国時間2/27)、シリーズBで1500万ドルを調達した。このラウンドはRRE Venturesがリードし、Greycroft PartnersとTribeca Venturesが参加した。RREのJim Robinsonが、PebblePostの取締役会に加わる。

PebblePostは自分たちのサービスを、“プログラミングされたダイレクトメール(DM)”と呼ぶ。見込み客のネット上のアクティビティに基づいて特製されたフォローアップを送るのだ。たとえばあなたがどこかのお店のWebサイトを見ていたら、数日後にはそこの商品を紹介するはがきが来る。たぶんディスカウントもあるだろう。

CEOのLewis Gershは以前、シード投資専門のVC Metamorphic Ventures(今の名はCompound)のファウンダーだった。彼によるとそこでは、ターゲティング広告のこの国最大のポートフォリオを作った。つまりユーザーのネット上のビヘイビアを使って広告のターゲティングを行う企業だ。広告企業はiSocket, Mass Relevance, Movable Inkなどに投資していた。でも彼が悟ったのは、デジタル広告が今では“ジャンクメールの一種”になっていることだ。マーケターたちの競争激化で、広告が多すぎるのだ。

PebblePost

Gershが気づいた問題点は、“今はそれどころじゃない”という状況の人たちにも勝手に広告が表示されることだ。当然、それらは無視される。一方、フィジカルな郵便物は、どこかに重ねておいて、ひまなときに見る、というアクセスをされる。すなわち、意思が見る人の側にある。だから、ブランドのメッセージに目を留めて、実際に買い物をする確率も高い。勝手で一方的なネット広告よりは、断然良いメディアだ。

ただし、ユーザーがネットで見ていた品目を、はがきでまた念押しする必要はない。むしろ関連商品を紹介した方が、好感を持たれる。フィジカルな郵便物でも、しつこいのは嫌われる。同じ品目が来ると、気味悪いと思う人もいる。

Gershは曰く、“ユーザーが製品に関心を持ってくれたら、そこは到達点ではなくてむしろ、そこから対話が始まる。PebblePostでは、ブランドが消費者とのそういう対話を継続することができる”。

また印刷物の郵便物には、ネットで問題になる詐欺などのトラブルがない。郵便物はネット広告と違って誰もが一応見てチェックするし、ボットが郵便受けに侵入することはない。そう、彼は主張する。

PebblePostのフィジカルな郵便物はその7〜10%が購買に結びついているそうだから、たいへん好成績だ(上で述べたように、品目の選定が重要だが)。同社はこの前800万ドルを調達し、また顧客はBoxed, Saatchi Art, ModClothなどのショッピングサイトが主だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

広告効果測定から自閉症の診断まで―、アイトラッキングテクノロジーの可能性

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【編集部注】執筆者のBen DicksonはTechTalksを立ち上げたソフトウェアエンジニア。

人間の目の動きを測定したり、目の動きに反応したりするテクノロジーは以前から存在するが、最近テック業界ではアイトラッキングテクノロジーに注目が集まっている。大企業アイトラッキング関連のスタートアップを買収する動きは至るところで見られ、同テクノロジーを搭載したデバイスやソフトもいくつかリリースされている。

「アイトラッキングセンサーを使うことには、主にふたつの利点があります」とアイトラッキング企業Tobii Techでヴァイスプレジデントを務めるOscar Wernerは話す。「まず最初に、アイトラッキングデバイスは常にユーザーが何に興味を持っているかというのを把握することができます。そしてふたつめに、アイトラッキングテクノロジーによって、他のものは何も変化させずに、コンテンツとの新しいふれあい方が生まれます。つまりユーザーとデバイス間でやりとりする情報の量が増加するんです」

近いうちに、アイトラッキングが新しい世代のスマートフォンやノートパソコン、デスクトップモニターの標準機能として導入され、ユーザーとデバイスのコミュニケーションの形が変わってくるかもしれない。

「アイトラッキングテクノロジーはここ1年で、将来有望な技術という存在からさまざまな分野のコンシューマー向け製品に採用されるまでになりました」とWernerは付け加える。

デジタル広告会社Impax MediaのCEOのDominic Porcoは、安くて高機能なハードウェア、オープンソースの新しいソフトウェアプラットフォーム、そして以前よりも簡単に速くデータを収集してアルゴリズムを訓練できるような方法が誕生したことで、アイトラッキングテクノロジーが進歩したと語る。

「NVIDIAのような企業が、強力なGPUを搭載した製品を競争力のある価格で販売し、画像認識のスピードアップに貢献しています」と彼は言う。

さらにPorcoは、Amazon Mechanical Turkのような人気のクラウドソースサービスが登場したことで、これまでよりも大量で広範なデータを使って画像認識アルゴリズムを訓練できるようになったと言う。「このような技術の進歩のおかげで、アイトラッキングテクノロジーの進化の速度は大幅に向上し、研究者やディベロッパーは実験から実装までにかかる時間を短縮することができています」

特定のニーズやユースケースを満たさない限り、どんなテクノロジーも成長することはできないが、アイトラッキングに関して言えばそんな心配は無用のようだ。

仮想現実(VR)

Businessman in virtual computer room.

ユーザーがより没入できるプロダクトを開発するために、VRヘッドセットメーカーはアイトラッキングテクノロジーの分野で大規模な投資を行っている。アイトラッキングテクノロジーは、さまざま観点から見てVRを補完するような存在だと考えられているのだ。

「VRは没入感が全てです」とTobiiのWernerは語る。「しかしVRヘッドセットにアイトラッキング機能がなければ、システムが勝手にユーザーはおでこの向いている方向に立っているキャラクターへ話しかけようとしていると判断してしまいます。つまり、ユーザーの注意はおでこと同じ方向に向けられていると理解されてしまうんです。でもそうではないですよね。私たちは目で見ているものに注意を向けていて、顔の方向と目で見ているところが一致しないというのはよくあることです。そのため、没入感を高めるためには、ユーザーの目の動きを計算に入れないといけないんです」

さらにアイトラッキングはフォビエイテッドレンダリング(Foveated Rendering)に欠かせない技術だ。フォビエイテッドレンダリングとは、中心窩(細かなものを認識する網膜の一部)で認識される箇所だけを高画質でレンダリングする手法のことを指す。

フォビエイテッドレンダリングを使えば、描画しなければならないピクセル数が30〜70%減少し、処理能力を節約することができるため、フレームレートを上げることができ、人間の視界を再現するには24Kくらいの画質が必要とされる中、4K対応のヘッドセットでも高画質な映像を楽しむことができるようになるとWernerは言う。

またWernerいわく、VRグラフィックをレンダリングするときに目の動きを勘案していないと、画像に歪みが発生することがあるが、これもアイトラッキングテクノロジーを使えば抑えることができる。

KickstarterプロジェクトのFoveは、初めてアイトラッキングを標準装備したVRヘッドセットだ。他社も彼らに追いつこうとしており、ここ数ヶ月のうちにGoogleとFacebookが、アイトラッキングスタートアップのEyefluenceEye Tribeをそれぞれ買収し、今後彼らの製品にアイトラッキングテクノロジーが搭載されるようになると考えられている。

さらに、アイトラッキングテクノロジーの分野においてはリーダー的な存在にあるSMIも、スタンドアローンのVRヘッドセットやスマートフォンを挿入できるVRゴーグルに同テクノロジーを搭載するため、さまざまなプロジェクトや他社との協業に取り組んでいる。

またアイトラッキング機能は、現在開発中のKhoronos VR APIと呼ばれるオープンな規格にも含まれる予定で、OculusやGoogle、NVIDIAといった企業がこの動きを支援している。

「アイトラッキング機能が第2世代VRヘッドセットの重要な要素になる、と多くのメーカーが考えており、その結果、同テクノロジーの開発やイノベーションが促進されています」とWernerは言う。

PCゲーム

Another successful VR demo, at HTC, that showed room scale gaming that actually worked.

HTCはまた新たに、部屋全体を使ったゲームが上手く機能することを証明するようなVRデモを実施した。

何十年にもわたって、私たちはゲームパッドやジョイスティック、キーボード、マウスといった周辺機器を使って、ゲームのキャラクターの向きを変えてきた。ここでもアイトラッキングが使われれば、ゲーム機が勝手にプレイヤーの向いている方向を感知し、反応できるようになる。

「気になるモノがあれば、目を向けてボタンを押すだけでよくなります」とWernerは言う。「コンピューターはアイトラッキングテクノロジーを利用して、プレイヤーが気になっているモノが何なのかわかるので、プレイヤーはマウスやコントローラーを使ってわざわざ目で見ているものを指し示さなくてもよくなります」

気になるモノを調べるときや狙いを定めるとき、キャラクターの進む方向を決めるときや、単にカメラ位置を切り替えるときにも、アイトラッキング機能が備わっていれば、プレイヤーの操作はもっと楽になるかもしれない。マウスやコントローラーの高度な操作が必要になるゲームは、特に大きな影響を受けるだろう。

その結果、これまで難しいと思われていたゲームが急に簡単になってしまう可能性がある一方で、もっと動きの速いゲームが誕生する可能性もある。

また、UIもこれまでよりクリーンで邪魔にならなくなるだろう。

「グラフィックアーティストは、長い時間をかけて美しいゲームの世界をつくりあげていきます。その一方で、UIデザイナーは彼らの作品の上に没入感を損なってしまうようなUI要素を設置しなければいけないため、両者の間には常に争いが起きています」とWernerは語る。

しかしアイトラッキングを導入すれば、普段はUIを隠したり透明にしたりして、プレイヤーがUIの方を見たときだけ表示する、といったことが可能になるとWernerは説明する。「そうすれば没入感はさらに高まり、グラフィックアーティストとUIデザイナーの争いもなくなります」と彼は言う。

さらにゲーム内でのシミュレーションや仮想世界に関し、アイトラッキングテクノロジーを使えば、視線を感知するオブジェクトをつくることができるので、ゲーム内のアイテムやキャラクターがプレイヤーの視線に反応し、やりとりがもっとリアルになるとWernerは話す。そうなれば、お気に入りのRPGをプレイするときに、酒場で傭兵のカバンをジッと見ないように気をつけないといけない。

Tobii Techは、拡張型のアイトラッキングデバイスや、アイトラッキング機能が搭載されたノートパソコンなどを販売しているほか、ゲーム会社と協同でRise of the Tomb Raider、Deus ExWatch Dogs 2といった人気ゲームにアイトラッキング機能が追加されたバージョンをリリースしてきた。

アイトラッキングがすぐにコントローラーに取って代わることはなさそうだが、Wernerいわく、この技術のおかげで、「PCゲームは人間の目という、情報をやりとりする上で最も強力な手段を使えるようになり、プレイヤーは、マウスやコントローラーの補助として自分の目を使えるようになります。その結果、他の要素はそのままに、もっと自然にゲームをプレイできるようになるでしょう」

医学とアクセシビリティ

Medicine doctor hand working with modern computer interface as medical concept

アイトラッキングテクノロジーの長所は、コンシューマー向けプロダクトの世界を超えて、データを解析したり調査結果を得たりするのに目の動きの測定が欠かせないような分野にまでおよぶ。

「アイトラッキングを神経発達症の診断、さらには治療に使っていこうという考えが広まってきています」とバイオメトリクス関連の調査会社iMotionsでサイエンスエディターを務めるBryn Farnsworthは話す。「例えば、赤ん坊は一般的に、人の顔が大きく映ったソーシャルな要素のある画像を好む傾向にあります」

彼によれば、将来的に自閉症になる可能性の高い赤ん坊は、幾何学的図形が中心の画像を好む傾向にある一方、ウィリアムズ症候群の子どもの状況は全く逆で、通常よりもソーシャルな画像を好む傾向にある。

つまり、「目の動きを解析することで、神経発達症の初期段階での診断が可能になるかもしれない」とFarnsworthは言う。

カリフォルニア大学サンディエゴ校の生徒が発表した研究では、目の動きは年齢や発達レベルに関係なく計測することができるため、アイトラッキングテクノロジーが自閉症の初期症状を見つけるための客観的な手法になり得るとされている。

iMotionsのような企業は、効率的かつ正確に患者の状態を判断・理解するため、研究者がアイトラッキングデバイスを通じてデータを収集するサポートを行っている。

RightEyeという企業は、アイトラッキングテクノロジーを使って、単純な脳震とうからアルツハイマーや失読症まで、内科医がさまざまな疾患の検査をする際や、その兆候を見つける際のサポートをするとともに、自閉症の子どもの治療にも助力している。

さらにアイトラッキングは、身体的な障害を持つ人の生活にも大きな変化をもたらす可能性があり、特に安価なコンシューマー向けデバイスが市場に出回ればその可能性はさらに広がる。「これはアイトラッキングの発展的な使われ方で、現在も研究が進められています」とTobiiのWernerは話す。さらに彼は、目線を感知するキーボードや、アイトラッキング機能を備えたコントローラーが誕生すれば、脳性麻痺の患者や脊髄を損傷してしまった人が新たなコミュニケーション手段を手に入れることができ、彼らは身の回りのものを操作できるようになるほか、セラピーを通じて色んなスキルを伸ばせるようにもなると指摘する。

広告

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現状では、インプレッション数やクリック数が広告効果に関する最良の指標とされているが、このような数字は、広告キャンペーンの効果を正確には反映できていない。というのも、インプレッション数としてカウントされるものの多くは、人間の手によるものではないのだ。しかしこの状況も、アイトラッキングテクノロジーの導入で変わってくるだろう。

「広告効果を測定する世界共通の指標について、広告業界では現在大きな混乱が起きています」とImpax Media CEOのPorcoは言う。「広告ブロッカーが広まり、ボットによるトラフィックが増加する中、時代に合った形で広告効果が測定できるよう『可視性(Viewability)』のコンセプト全体が現在見直されています」

ここでもアイトラッキングテクノロジーを使えば、オンライン広告企業は、ウェブページに表示された広告を何人が実際にその目で見たかというのを測定できるようになる。現実的には、全てのコンピューターとモバイルデバイスにアイトラッキング機能が搭載されるまで、本当の意味で正確なデータを集めることはできないが、同技術を使うことで、少なくともユーザーと広告の関わり方についての洞察を得ることはできる。

しかし、オフラインでは既にアイトラッキングを使った仕組みが効果を見せはじめている。

「市場調査会社は、消費者調査を目的に、小売店内の広告のような家の外にある広告に触れている人から直接生体データを計測し、その人たちについて分析しようとしています」とPorcoは言う。

彼がCEOを務めるImpax Mediaは、自社で開発した屋内用の広告スクリーンからお店を訪れたお客さんの注目度を測定するために、最近アイトラッキングテクノロジーをはじめとしたコンピュータビジョンの分野に重点的に投資している。「そのうち広告業界は、インプレッションではなく注目度に関する指標を重視するようになると私たちは考えています。そして注目度を測定する上では、アイトラッキングが1番有効な手段であることは間違いありません」とPorcoは話す。

彼によれば、広告主や広告の掲載場所を提供しているお店は、アイトラッキングから得られたデータをもとに、さまざまな角度からお客さんが興味を持っていることについて知ることができる上、場所や時間、デモグラフィックといった別のデータとお客さんの関心事の相関関係も導き出すことができるようになる。「限られた予算で最大限の効果を得ようとしている広告主も、在庫やスタッフのシフトを管理しなければならない店舗のマネージャーも、アイトラッキングを使って有益な情報を得ることができます」とPorcoは話す。

小売企業は顧客情報を集めることで常に何かを得ることができるものの、顧客情報を集めること自体はグレーエリアでたびたび物議を醸しており、個人情報に関する法規制の対象となり得る。しかし個人と結びついた情報を集めなくても、年齢、性別、視点、どのくらいの間広告を眺めていたかといった匿名データを入手できれば、十分有用な洞察が得られるとPorcoは強調する。

市場調査

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マーケットリサーチャーにとっては、「全ての販路とタッチポイントで、製品やサービスに対する消費者の思いや関わり方を評価すること」が大事だとイタリアの市場調査会社TSWでUXリサーチャーを務めるSimone Benedettoは話す。

さらに彼は、最近のアイトラッキングテクノロジーの進歩によって、ニューロマーケティングの実験に(研究所内外どちらで行われる実験についても)新たな可能性が出てきたと説明する。

「製品やサービスの設計・評価にあたって、ユーザーの意見は欠かせません」とBenedettoは話す。「しかしこの意見という言葉には、ただユーザーが質問に答えた内容だけでなく、製品やサービスに触れたときの彼らの目や脳から得られる客観的なデータも含まれています」

TSWはモバイルアイトラッキング機器やその他のウェアラブルデバイスを使って、デジタル(オンライン広告、モバイルアプリ、ウェブサイト、ソフトウェアやデバイスの操作画面など)とフィジカル(印刷物、製品パッケージ、車、家具、小売店舗など)の両方で、さまざまな製品やサービスに対するユーザーや顧客の反応を正確に計測しようとしている。

ユーザーと製品・サービスの自然な触れ合いの様子を測定することができれば、ユーザビリティ上の本当の問題点や、ユーザーのフラストレーションがたまりやすい箇所を特定できるようになり、顧客満足度やエンゲージメントの向上にむけた施策や、設計に関する判断を下す根拠となるような情報を集められるようになる。

「この業界における昨年の動きで最もインパクトがあるのが、モバイルアイトラッカーから収集したデータの解析に、オブジェクトトラッキングが導入されたことです」とiMotionsのFarnsworthは話す。ここで彼が言っているのは、人の目が向いた先にあるモノを背景とは切り離して認識し、それぞれのモノがどのように観察されていたかという情報を記録するプロセスのことだ。

「例えば、ある被験者が小型のアイトラッキングメガネをかけていつも通り過ごした場合、身の回りにあるものにどのように注意を向けていたか――外を歩いているときにどのくらい地図を眺めていたかや、通り過ぎた広告に気づいたか――ということを、自動的に分析することができるんです」とFarnsworthは語る。「どこに、どのように注意が向けられているかということが自動的に分析できれば、人間についての理解が深まるだけでなく、もっとさまざまな可能性が広がっていくでしょう」

「個人的には、UXやニューロマケティングの調査にアイトラッキングテクノロジーを利用したいというニーズはかなりあると思っています」とBenedettoは言う。「アイトラッキングを使えば、バイアスをできるだけ排除した形でユーザーの行動を測定できる上、その測定結果を客観的かつ量的なデータに変換することができます。これまで長い間、私たちは主観的なデータに頼ってきましたが、この状況を変えるときがきました」

アイトラッキングテクノロジーの未来

Close Up of blue eye with computer circuit board lines, digital composite

回路が埋め込まれた青眼の拡大写真(デジタル合成)

TobiiのWernerは、この先コンピューターの使い方が大きく変化すると言う。タッチスクリーンやマウス・タッチパッド、声、キーボードに続く5つめの入力手段として目が使われるようになり、他の入力手段と目を組合せて使うことで、生産性や直感的な使いやすさがさらに向上していくと彼は考えているのだ。「マウスやキーボード、声などを使ったどんな操作にも視線は先んじるため、今後アイトラッキングを利用したもっとスマートなインターフェースが誕生すると思います」とWernerは話す。

視覚は五感の中でもっとも情報摂取量が多いため、目の動きをデジタルにトラックして測定できるようになれば、意識的かそうでないかはさておき、コンピューターへの意思の伝え方が大きく変わってくるだろう。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Conductorの新しいモバイルアプリは、顧客の探しているものを教えてくれる

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SEOプラットフォームと企業コンテンツマーケティングツールを提供するConductorが新しいモバイルアプリをローンチした。共同創業者兼CEOのSeth Besmertnikによれば、それは「顧客の声」に素早くアクセスする手段を提供するものだ。

ニューヨークを拠点とするConductorは、広い範囲のマーケティングツールを提供する前は、SEOに焦点を当てていた。Besmertnikは言う、「私たちがやっていることの中心は、顧客を理解することと、皆が望んでいることを理解することです。皆が望んでいるものを知れば、それを使ってより良いコンテンツを作り、良いマーケティングを行い、より良いメッセージを送ることができます」。

モバイル版では、既存のConductorのデータを使い、それを簡単に検索し理解することが可能になるということだ。アプリを使用すれば、マーケティングの基礎として利用を考えている用語を検索することができる。例えば、と言ってBesmertnikはアプリ上で「online therapy(オンラインセラピー)」という言葉を検索してみせた、その結果この用語に関連して顧客たちが検索している用語が表示された。

顧客の状況に応じた様々な段階でのフィルタリングも可能だ(よって、人びとが購入の決心をする直前に何を検索しているかを知ることができる)、そして企業がそのデータに対する理解を得ることを助ける洞察のフィードも届けられる。

Besmertnikは、Conductorアプリを使うのが、マーケティング担当者だけでなければ良いと考えている。その代わり「会社の中の誰もが、コンテンツのどんな一部でも変更する前に、顧客の声をわずか2分でチェックすることができるのです」と彼は述べた。

小さな変更でも大きな違いを生むことができる。Conductorによれば、そのツールを使うことで、AAAはその顧客が「savings」ではなく「discounts」を検索していることに気が付いた(savingsもdiscountsも、どちらも「値引」や「割引」という意味がある)。そこでウェブサイト全体の「savings」を「discounts」に置き換えてみたところ、トラフィックが30%増加したのだ。

新しいアプリは、Conductorの顧客全員から利用可能になっている。

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(翻訳:Sako)

新築のワールド・トレード・センターのモールにFordが交通の未来をテーマに展示スペースをオープン

Fordが、新しいワールド・トレード・センターのショッピング・モール、Westfield World Trade Centerに、FordHubと呼ばれる区画をオープンした。でもそこでは、車を一台も買えない。

その代わりこの区画には、ニューヨークの観光名所へ行くためのいろんな方法(自転車、地下鉄、ほか)を紹介する巨大なスクリーンや、交通渋滞の発生原因を説明する簡単な力学モデル、未来の交通を表すいくつかのコンセプトの展示などがある。なんと、未来には、道路が自分で自分を修復するのだ。

Fordのかんじんのビジネスである自動車に関しては、このハブの壁に5000台のミニチュア・モデルが埋め込まれているだけだ。FordのAndrew Birkicによると、この展示施設は“消費者と接するための機会”であり、“自動車会社から自動車と移動に関する企業への”Fordの変身を強調することが目的だ。

たしかに、とくにニューヨークのような大都市では、移動手段は車だけではない。そしてFordは、交通のそのほかの形でも、役割を発揮したいのだ。たとえば昨年の秋には、Ford Smart MobilityがシャトルとライドシェアのスタートアップChariotを買収した

Birkicによると、FordHubはほかの都市にも開設したい。次は、サンフランシスコが候補だ。ではとりあえず、上のビデオでその概要をご覧いただこう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

モバイルファーストな調査会社Daliaが700万ドルを調達

Dalia founders: Nico Jaspers and Fernando Guillen

Dalia共同ファウンダーのNico JaspersとFernando Guillen

ベルリンに拠点を置くDaliaは、スマートフォン向けのマイクロサーベイを使って、リアルタイムで市場動向や消費者の意見を収集するサービスを提供している。この度同社はシリーズAで700万ドルを調達したと発表した。Balderton Capitalがリードインベスターとなった今回のラウンドには、既存投資家のWellington PartnersとIBB-Betも参加していた。

世論調査の意義が問われている今、Daliaはモバイルテクノロジーを利用して、市場や消費者に関する調査の精度を高めようとしている。

サードパーティーのアプリや、モバイル出版社のウェブサイトに掲載された広告を主なチャンネルとして利用し、同社は従来の調査サービスよりも母数が多く、調査範囲の広いサービスを提供している。さらにスマートUXを使うことで、対象者がアンケートを途中でやめそうになったときは、内容が縮小されたり変更されたりするようになっている。

Balderton CapitalのSuranga Chandratillakeは、消費者が何を考え、なぜ特定の行動をとるのかを理解するという、現代社会が抱えている「根本的な問題」をDaliaは解決しようとしていると電話インタビューの中で語った。

「2016年に起きた事件を見ると、私たちがどのくらい消費者のことを理解できていないかということがよくわかります」と彼は言う。「イギリスのEU脱退に関する国民投票やアメリカ大統領選の結果を、世論調査は予測することができず、今年行われるフランスやドイツの大統領選でも同じような間違いを繰り返す可能性があります」

従来の市場調査会社や世論調査会社が使っている調査方法では、十分な数の意見を取り入れられず、質問の内容も不適切で、人々の判断のもととなる考えを明らかにすることができていない、とChandratillakeはその理由を説明する。

一方Daliaは、スマートフォンを利用し、モバイルに特化した調査方法を採用することで、前述のような問題を乗り越え、若者や新興国の人々など一般的にはリーチしづらい人の声も反映することができ、さらにDaliaのユーザーインターフェースは「調査対象者が楽しみながら、素直に、素早く質問に答えられるようにできている」と彼は話す。

Daliaによれば、同社は2013年のローンチ以降、96カ国に住む人々から10億以上の回答を集めることに成功しており、そのトピックはブランドイメージから「マクロ経済に関する市場心理」まで多岐にわたる。

彼らの顧客には、NielsenやIpsos、Kantar/WPPなど有名な調査会社や調査団体のほか、シンクタンクやUNICEFのようなNGO、スタンフォード大学、Bertelsmann Foundation、欧州外構評議会(ECFR)などが含まれている。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

ソーシャルメディアでお小遣い稼ぎ ー UGCマーケットプレイスのLobsterが100万ポンドを調達中

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ユーザーが生成したコンテンツ(UGC)のマーケットプレイスを運営しているLobsterが、スケールアップに向けてシリーズAで100万ポンドを調達しようとしている。既に目標額の85%が集まっており、残りの投資家の意向も来週中にはまとまる予定だ。

既に投資を決定している投資家には、現在Lobsterの開発チームが拠点を置くモスクワでコーワーキングスペースを運営しているKL10CH(”The Key”という名でも知られている)や、Otkritie Capitalの前CEOで50万ポンドの出資を決めたNikolay Katorzhnovのほか、少額出資を予定している複数の投資家が含まれている。現在足りていない資金は、イギリスや海外のエンジェル投資家、そして以前のラウンドに参加していた投資家から調達される予定だ。

2014年のTechCrunch Disrupt EuropeでBattlefield決勝に出場していたLobsterは、先日行われたシードラウンドで、Wayra UKやイギリスのエンジェル投資家、そしてクラウドファンディングプラットフォームから70万ポンドを調達していた。

同社は、ブランドや広告代理店をターゲットとして、UGCを簡単に広告で使えるようなライセンシングプラットフォームを運営している。Lobsterの顧客は、同社のプラットフォーム上でソーシャルメディアで使えそうな(使い古されたストック写真ではなく)オーガニックな素材を簡単にみつけ、そのライセンスを購入することができる。同社はサブスクリプション制を採用しており、顧客は複数のプランから自分にあったものを選べるほか、1ヶ月のお試し期間も準備されている。

ソーシャルメディアユーザー(=Lobsterのコンテンツクリエイター)側のメリットは、いつものようにソーシャルメディアを利用するだけで、お小遣い稼ぎができるということだ。

共同ファウンダー兼CEOのOlga Egorshevaは、アメリカとアジアに開設予定のオフィスとともに、シリーズAで調達した資金を利用して海外でのマーケティングやパートナーシップ締結に力を入れていくと話す。また同社は、昨年ローンチしたAI検索エンジンを強化し、コンテンツのランク付けの精度を上げるとともに、関連コンテンツをもっとみつけやすくしようとしている。

「今回のラウンドは、私たちが次のステップに進む上で大きな意味を持っています。私たちは今ちょうど、クリエイターだけでなくコンテンツを利用する顧客の規模を拡大していく上での岐路に立っており、今後重要な市場でビジネスを成長させるために資金が必要なんです」と彼女はTechCrunchに対して語った。

「現在アメリカに顧客企業が数社、そしてアメリカを含む世界中にLobsterを利用しているクリエイターがいますが、私たちはAPIを利用してもっとアメリカの広告代理店やメディア企業などの法人顧客を重点的に攻めていきたいと考えています」

先週Lobsterは、イギリスのウェブサイトビルダーMoonfruitと初となるAPI統合を行ったと発表したが、今後さらにこの分野に力を入れようとしているようだ。Lobsterは10社以上とのAPI統合をQ1・Q2を通しての目標にしており、将来的にはPhotoshopと同社のプラットフォームを連携させようとAdobeとも話を進めている。

コンテンツに関し、Lobsterは今のところInstagram、Flickr、Facebook、Vk、YouTube、Vimeoをサポートしているほか、クリエイターはDropboxやVerizon Cloudなどのクラウドストレージサービス経由でも、コンテンツをLobster上で公開できるようになっている。

コンテンツの公開にあたり、クリエイターは全ての写真や動画を自動でLobsterと同期するか、自分で同期したいファイルやフォルダをピックアップするか選択することができる。ファイル公開後は、プラットフォームがハッシュタグや位置情報、タイトル、画素数などの情報をファイルから抽出し、検索にひっかかりやすいようにメタデータをインデックス化する。Egorshevaによれば、新しいメタデータが追加されても自動で情報が抽出されるようになっているため、クリエイターは既にLobster上で公開したファイルをアップデートしなくてもいい。

さらにLobsterのAI検索エンジンには、検索精度を上げるための自動タグ付け機能や、コンテンツの色に基いたフィルター機能(ブランドカラーに合ったフコンテンツをみつけるのに便利)、顧客がアップロードした画像と似たコンテンツを表示する機能などが搭載されている。

また同社のAIには顔認識機能も備わっているので、例えば人が含まれているかいないかでコンテンツをフィルリングできるほか、性別や民族、年齢、表情や感情表現のように、もっと細かな条件でコンテンツを絞り込むこともできる。

AI検索エンジンは動画コンテンツにも対応しているが、Lobsterは今回の調達資金を使って、理想的には既に動画検索テクノロジーを開発したことがあるようなAIスタートアップと提携し、この機能をパワーアップさせたいと考えている。

「(現在の)AIの一部は、スタンフォード大学が開発したテクノロジーを、Lobsterの開発チームが改変し、ソーシャルメディアフィードや私たちが保有するソーシャルメディアのデータベースに対応させたものです。今後はAI業界の企業とも協業していきたいです」とEgorshevaは話す。

現在Lobsterに登録している約1万7000人のクリエイターは、InstagramやFacebook、Flickr、Youtubeなどを通してコンテンツをライセンスしており、顧客が利用できるコンテンツの数は500万点以上にのぼる。

さらに顧客はプラットフォーム上で公開されているコンテンツを利用するだけでなく、(上位のプランに登録すれば)Lobsterがサポートしているソーシャルメディアの一般ユーザーから自分たちが求めているコンテンツを募集することもできるため、コンテンツ数は最大300〜400億点に達する。

またLobsterは、(Egorshevaいわく)ライセンシングのプロセスを簡素化するため、一般的な非独占契約を使っているが、これまでにプラットフォームを経由せずに独占契約もいくつか結んでおり、もしも需要が増えれば独占契約をオプションに含めることも検討していくとEgorshevaは話す。

コンテンツの価格はソースや画質、既に他の顧客が使ったことがあるかといった情報をもとに、プラットフォームが自動で設定している。ライセンシングにあたっては、100万ビュー/再生以下のコンテンツ用と100万を超えるビュー/再生数のコンテンツ用(こちらの方が高い)の2種類の価格が準備されている。

Lobsterはライセンス料の25%を手数料として受け取り、残りの75%がPayPal経由でクリエイターに支払われる。

クリエイターにとってのもうひとつのメリットが、モデルリリース(写真に写っている人から、商業利用に関する許諾をもらうこと)に関する機能だ。Lobsterは署名済みの紙やPDFのフォームを回収する代わりにリンクを生成し、クリエイターがFacebook経由で利用許可を貰えるような仕組みを提供している。

単なるレポジトリではなく、積極的にコンテンツをかき集めて販売する同社のアプローチこそ、Lobsterの”戦略的な強み”だとEgorshevaは考えている。

「他のサービスにも登録しているファイルをLobsterへ再度アップロードさせるのではなく、私たちは既にオンライン上にたくさんあるコンテンツを探し出すというやり方をとっています」と彼女は語る。

「そうすることで、私たちのプラットフォームもほぼ際限なくスケールすることができるんです」と彼女は付け加える、「というのも、私たちはコンテンツ自体を保管するのではなく、データを引っ張ってきて保存し、検索アルゴリズムがそのデータを解析するようにしていますからね」

さらに、Lobsterはコンテンツの収集元をソーシャルメディアに絞っており、金銭的なメリットによってクリエイターのソーシャルメディアへのエンゲージメントが高まる可能性もあることから、各ソーシャルメディアも同社のアプローチを気に入っているとEgorshevaは主張する。

「私はソーシャルメディア各社に対して何度も売上を分け合う提案をしてきましたが、彼らはLobsterから得られる(または得ようとしている)エンゲージメントの方がずっと価値があると話していました」

現在LobsterはHills PetsやColgate Palmolive、さらにColgate Palmolive傘下の広告代理店Red Fuse/WPPを含む30社と契約を結んでいる(Hills Petsが可愛い犬の写真を求めているのは容易に想像がつく)。

そして同社は今のところビジュアルコンテンツにフォーカスしているが、将来的にはSoundCloudのようなプラットフォームを使って、ユーザーがつくった音楽のライセンシングをしていくことも検討したいとEgorshevaは話す。

ところでクリエイターはLobsterでどのくらい稼げるのだろうか?広告代理店が気に入るようなスタイルのコンテンツを提供しているユーザーであれば、数百ポンド稼ぐこともできるとEgorshevaは言っているが、実際のところは(少なくとも欧米のユーザーにとっては)お小遣い程度(”数ポンドから数十ポンド”)のようだ。

一方で、いずれにしろどこかにアップロードするであろうコンテンツから収入を得られるという意味では、Lobsterは”パッシブワーク”用のプラットフォームであり、少なくともソーシャルサイトにメディアを頻繁にアップロードする人にとってのLobsterの本当の魅力は、”無料のお金”を受け取れるチャンスだと言える。

「ただアカウントを連携して、いつも通りソーシャルメディアを使うだけで、コーヒーやビール分のお金が浮くと考えれば、なかなかのインセンティブではないでしょうか」とEgorshevaも話している。

「ヨーロッパやアメリカなどの先進国では、広告キャンペーンにコンテンツが利用されるということや、どこかにあるコンテンツを勝手に使ったり、画像のスクリーンショットを使うのではなく、きちんとクリエイターから許可をとる文化を育むという金銭面以外でのインセンティブが機能しているように見受けられます」と彼女は付け加える。

「例えばインドや東欧のユーザーの状況は全く違います。新興国では物価の違いもあり、Lobsterからの収入が大きなインパクトを持っているので、彼らは報酬にも魅力を感じているとわかっています」

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

ソーシャルメディアのスターJake Paulが100万ドルを調達

Processed with VSCOcam with hb2 preset

Jake Paulはオンラインで育った。ディズニーチャンネルのスターである19歳の彼は、InstagramやVine、Snapchat、YouTubeといったソーシャルメディア上に100万人以上いるミレニアム世代のフォロワーベースを、テレビや広告契約を勝ち取る小さな帝国へと変化させ、次はビジネス界での躍進を狙っている。

巨大なフォロワーベース(とCameron Dallasのような彼の有名人の友だち)と100万ドルの調達資金をテコに、JakeはTeamDomを立ち上げ、新しいタイプの芸能事務所兼クリエイティブエージェンシーを作ろうとしている。

ロサンゼルスにあるTeamDomの本社(ウェスト・ハリウッドにあるJakeと彼の兄のLogan、そして仲間のインフルエンサーが住む家)は、JakeとLoganが幼い頃に映像を撮りはじめた故郷のオハイオ州クリーブランドからはかなり距離がある。

「僕が10歳の時に、お父さんが僕たちにカメラをくれて、そこから兄と一緒に僕たちの生活や面白いことを撮影しだしました」とJakeは話す。

高校ではアメリカンフットボールのラインバッカー兼ランニングバックとして活躍していたJakeは、カメラの前で兄とふざけ合っていた当時から、YouTube上で小さいながらもフォロワーベースを築きはじめ、2013年にVineがローンチされると彼の名は一気に広まった。

以前はTwitterが運営し、最近閉鎖してしまったショートビデオプラットフォームのVineからは、Paul以外にもたくさんの若いスターが生まれた。

「(Vine上で)人気が出だした……2014年当時、僕が16歳で間もなく17歳になろうとしていたときに……投稿した動画のひとつがバイラルヒットして……ちょっとした成功を味わいました。僕たちはファンが何を欲しているかを感じ取っていて、その後は気づく間もなくフォロワー数が1万、そして2万へと増えていきました。そしてフォロワー数が50万人に達した頃、あるアプリの会社が僕に電話してきて、200ドルでその会社のアプリを宣伝しないかと持ちかけてきたんです」とJakeは話す。

その後も仕事の依頼が入り続けると、JakeはInstagramやSnapchatといった他のプラットフォームへ彼のネットワークを拡大していく。「気づけばソーシャルメディア経由で大金を手にしていて、どこに行っても声をかけられるようになりました」とJakeは言う。

しかしソーシャルメディアのスターの座は、ハリウッドのそれとは違う。しばらくするとPaul兄弟は両方を追い求める準備ができたと感じ、Jakeはアメリカ海軍特殊部隊に入るという夢を一旦保留して、ハリウッドに向かった。

その後彼はハリウッドで演劇の授業を受けながら、オーディションに参加しだした。Fox Digitalのオーディションに受かり、YouTube Redの仕事もはじめたJakeだったが、もっと何かできるのではないかと感じていた。そして彼は、他のインフルーエンサーの影響力を拡大させるサポートをしつつ、彼らのマーケティング力を束ねる(そして彼らのファンにリーチしたいと考える企業から大金を受け取る)というアイディアを思いついた。

これがTeamDomのはじまりだった。

「まだVineが人気だった1年半前くらいに、Team 10というチームでの活動を開始しました。当時僕はDr. Dreが音楽業界でやったことは、ソーシャルメディアビジネスにも応用できると思っていたんです。だから実際に試してみようと……オンライン上でみつけた子供達がいて……彼らには3万人ほどのフォロワーがいたんですが、僕は彼らにロサンゼルスまで来てもらって、ソーシャルメディアのノウハウを教え込みました。その後たった2週間で彼らのフォロワー数が3万から40万へと増え、今では1600万人にまで達しました」と彼は話す。

JakeはTeamDomのことを”ソーシャルメディアインキュベーター”だと考えている。現在彼のポートフォリオには、何人もの若いタレントと映画が一本含まれている(これは映画『Airplane』にソーシャルメディアの要素を加えたリメイク作品で『Airplane Mode』という題名がついている)。ちなみに最近Jakeは、兄のLoganと映画の版権を探し回っている。

「この映画はソーシャルメディア版の『エクスペンダブルズ』のような感じです。ソーシャルメディアへの投稿をやめられない飛行機の乗客が、なかなか機内モードに切り替えられなくて……パイロットが殺されて……Loganが飛行機を着陸させることになるいう内容です」とJakeは説明する。

彼自身も出演する予定だったが、映画がR指定(17歳未満の鑑賞には保護者の同伴が必要)されたため、Disney(Jakeの新しい番組Bizaardvarkを売り出し中)が彼の出演を許可しなかった。

どうやらJakeは彼を有名にしたプラットフォームの死を乗り越えようとしているようだ。さらに彼には、中国の投資会社Danhuaを中心にEdward Lando(Horizons Alpha)、Gary Vaynerchuk(Vayner Capital)、Abe Burns(Sound Ventures & A-Grade Investments)、Adam Zeplainなどから調達した100万ドルがある。

現在TeamDomには13人のインフルエンサーが所属しており、彼らの合計フォロワー数は毎月400万人増えているほか、1日の合計視聴回数は平均1500万回を記録している。

「TeamDomは将来有望な若いソーシャルメディアスターの拠点として、既に4000万人のフォロワーを獲得し、再生回数は70億回を記録しています」とJakeは声明の中で語っている。

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このような数字が投資家の注目を集めるのは当然で、実際にDanhuaのマネージングディレクターであるDovey WanがTeamDomへの投資を行った。

「ブランドの70%が、ジェネレーションZ(1990年代半ば〜2000年台前半生まれで、幼いころからインターネットに触れてきた世代)へリーチするために、最近ソーシャルメディア広告への支出を増やしています。一般人に近いインフルエンサーを求めている企業はまだまだたくさん存在する一方で、マーケティングの世界にはTeamDom以外にこの新たなターゲットを主眼においたプライヤーはいません。さらにTeamDomは若いインフルエンサーを囲うだけでなく、彼らが有名になるためのサポートも行っています」とWanは声明の中で語った。「Papi Jiangと呼ばれる中国のインフルエンサーが、ある動画の広告スペースを300万ドルで販売したことからも、彼らが狙っている市場の規模の大きさがわかります。私たちはTeamDomのチームに参加し、彼らがソーシャルメディアインフルエンサーにとってのインキュベーターやネットワークを築くとともに、このビジネスを世界中に展開していくサポートができることを光栄に思っています」

さらにJakeは、同世代のインフルエンサーのために別のアイディアを隠し持っている。彼はCameron Dallasとともに、ソーシャルメディアスター使ったファンドを組成しようとしているのだ。

「僕たちは世界初のインフルエンサーファンドを立ち上げました。巷に溢れるインフルエンサーは資金を調達できたとしても……結局小切手の金額以上の仕事はしません。(しかし)僕たちはソーシャルメディア戦略のサポートや、Team 10のネットワークを使って、プロダクトを世の中に売り出すことができるんです」と彼は話す。

CameronとJakeは、TGZキャピタル(Team Gen Z:チームジェネレーションZ)と名付けられたファンドを一ヶ月前に立ち上げ、Jakeは第1号ファンドで1000万ドルを集めようとしていると話す。

「僕たちのネットワークは消費者を中心に構成されているので、ファンドでも消費者向けのプロダクトに投資したいと考えています。スタートアップもインフルエンサーの力を借りたいと考えているところが多いですしね」とJakeは語る。「投資後はTeamDomに所属するインフルエンサーのソーシャルメディアを利用して、プロダクトを宣伝していきます。この戦略でかなりの契約を結べると思います」

Vineについて彼らはどう思っているのだろうか?そもそも彼らの多くはVineのプラットフォームを利用して、最初の資金を手に入れたはずだ。

「Vineで活躍していた人全員が、閉鎖の1年前からこうなると気づいていました。ほとんどの人はFacebookに500万人、Instagramに300万人といった感じで、他のプラットフォームのフォロワー数の方が多かったですしね」と彼は言う。

Jake自身も最近はInstagramとYouTubeに力を入れており「他のソーシャルメディアはちょっとたるんでいるというか、クリエイターを大事にしていないんですよ」と話す。

TeamDom所属のインフルエンサー

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

「AIを搭載」は「全て自然」同様の技術的ナンセンスだ

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人工知能と卵の値段の共通点は何だろうか?

さて、今あなたはお店で9から10種類の卵からどれかを選ぼうとしている。ある1つがあなたの目を捕える「全て自然(All natural)」。まあ、いいんじゃないかな、自然であることは良いことだし、30セントばかり高いだけだし。ということであなたはそれを買う。さて、そうして選んだ鶏や卵は他のものよりも、より「自然」であるかもしれないし、そうではないかもしれない。なぜなら公式には、それどころか一般的な合意としても、自然に対する定義は存在していないからだ。それは何でもないもののために、あなたに30セント余計に支払わせるための戦略だ。全く同じことが技術でも問題になりつつある…そこにAIを伴って。

公式には、あるいは一般的に合意された人工知能の定義は存在しない。どうしてそうなのかについて興味が湧いたのなら、WTF is AI(いまさら聞けないAI入門【英語】)という記事を投稿してあるので、楽しんで貰いたい。しかし、こうしたコンセンサスが欠如しているからといって、大小様々な企業がAIを革新的な機能として取り込むことを止めるわけではない。そのスマートテレビ、スマートプラグ、スマートヘッドフォン、その他のスマートなガジェットに対しての取り込みを(ここで言う「スマート」とは、もちろんもっとも緩い意味で使われている。多くのコンピューターのように、彼らは岩のように使えない代物なのだ)。

ここには2つの問題がある。

それはおそらくAIではない

最初の問題はこれだ。AIは非常に曖昧に定義されているため、あなたのデバイスなりサービスなりがそれを持っていると言うのは本当に簡単だ。そしてテレビ番組や水利用パターンの膨大なデータをニューラルネットワークを供給するから、どうしたこうしたというもっともらしい響きを持つちんぷんかんぷんで、それをバックアップするのだ。

「それは完全にデタラメな用語です」と言うのは、名前は明かさないがある有名ロボット会社のCEOだ。とはいえそのロボットの中には多くの人がAIと呼んでもおかしくはないものが採用されている。それは有能さの認識を生み出すために用いられるマーケティング用語なのである。何故ならほとんどの人は無能なAIを想像することができないからだ。邪悪なことはあり得ても(「申し訳ありません、デイブ、私にはそれはできません」)、無能なことはありえない。

最近機能リストに詰め込まれている、こうしたバズワードとしてのAIの大活躍は、部分的には人工知能と結びついたニューラルネットにその原因がある。深入りしてみなくとも、この2つは同じものではないのだが、マーケティング担当者達はまるで両者が同じようなものであるような扱いをする。

最近私たちが耳にするニューラルネットワークとは、数学的分析を通じてデータのパターンを解きほぐすことによって、大量のデータを処理する斬新な方法である。この方法は、脳がデータを処理する方法に触発されているので、人工知能という用語が当てはまる1つの文脈に沿っているとは言える。しかし他のより重要な文脈では、とても誤解を招きやすいものでもある。

人工知能は、独自の意味や含意を持つ用語であり、それらはニューラルネットワークが実際に行うものとは一致しない。私たちはAIを十分には定義できていないかもしれないが、いくつかのアイデアは持っている。そして、これらのソフトウェアは興味深く、汎用性があり、作成に当たって人間の思考プロセスからインスピレーションを得てはいるものの、それらは知的ではないと言っても過言ではない。

また開発のどこかの時点で、畳み込みニューラルネットワークだろうが、ディープラーニングシステムだろうが、手持ちの何かが使われた場合には、そのソフトウェアは「AIを搭載」の類であると謳われることになる。

何しろ専門家でもAIが何かを言うことができないのだ、消費者に何を期待できるというのだろうか?それは単なる機能リストの1項目に過ぎず、他の部分同様に、読む人にとっては不透明なものである可能性が高い。しかし、彼らはAIがハイテクの産物だと知っているし、大企業によって採用が続いていることも知っている。なのでAIを搭載する機器は良いものに違いない。ちょうど「自然」卵を他のブランドに優先して選ぶ人のようだ。たいした正当性もないままに安易にラベルが箱に貼られただけかも知れないものを。

そして、もしそれがあったとしても…

第2の問題は、何がAIであり何がそうでないかを決めるような、ある程度の基準が仮にあったとして、私たちがあるシステムがその基準に合致すると認めたとしても、AIによるソリューションが適さない種類の問題が存在するということだ。

例えばある企業は、テレビ番組を推薦するAI搭載エンジンを売り込んでいる。それについて考えてみよう。そうした主観的なトピック周辺で得られる限られたデータセットに、ディープラーニングシステムを適用することで、一体どんな洞察が得られるのだろうか?「CSI:マイアミ」を好きな人への推薦を決めることは難しいことではない。彼らは「PERSON of INTEREST 犯罪予知ユニット」やその類のものを好むだろう。これらは、精査の後にやっと明らかになったり、把握のためにはスーパーコンピュータを何時間も使ったりしなければならないような、微妙で隠れたパターンではない。

そして実際、Jaron LanierがThe Myth of AI(AIの神話【英語】)で適切に説明したように、データは人間に由来するので(例えば「これを見たひとは、こちらも見ています」といったもの)、人工知能は、それが下す全ての判断に関して完全に人間の知性に依存しているのだ。嗜好の発見、何を好み何を好まないかの選択、エピソード・演技・演出の品質の判断といった難しい部分は、人間が既に済ませている。そしてコンピューターがしていることといえば、人間の知性を検索して関連性の高い結果を返していることだけなのだ。

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同様のことは、あなたの使用状況をモニターして何かを推薦したり、あなたがそこにいないことを知ったときにエネルギーを節約する、サーモスタットやシャワーヘッドのようなIoTデバイスにも当てはまる。AIをあなたの家庭にもどうぞ!牛乳が少なくなっていることを教えます!誰がドアの前にいるのかを識別します!これらも、同様に見せかけのものだ。データセットはまばらでシンプル、出力は2値、または非常に限られたものに過ぎない。そして、あるデバイスが、あなたが過去30年間使用してきたものほどは無能ではないという理由だけで、それがスマートだということにはならない。逆に、知能に対するこれらの主張は実に… 人工的だ

AIが多くのものを有意義に改善できるというのは、ハイテクカンパニーが作り上げたフィクションなのである、ついでに言うならばそもそもAIそのものがフィクションなのだ。こうしたモデルが結論に到達する方法はしばしば不明瞭であるため、機械学習に依存することは彼らの目的にとって有害である可能性すらある。

これもまた、しばしば卵の容器に見られるようなマーケティングトリックの1つなのだが…これまでに、この卵を産んだ鶏は皆菜食主義で育成されている、という主張を見たことがあるだろうか?さあ思慮深くなろう!問題は鶏は菜食主義者ではないということだ、彼らは何百万年もの間ミミズや虫を食べて生きて来た。そして、実際には、生来の食生活を奪うことは、生活と卵の質に悪影響を及ぼす可能性が高い。(ついでに言えば「放牧で育てられた(pasture-raised)」も類似の宣伝文句だ)。

多分今あなたはこう考えていることだろう、よしわかったミスターAIエキスパート殿、もしこれらのどれもがAIではないというなら、何がそうなのか?それに私が、クリックを誘うような見出しを書く段になると、AIという用語にうるさく言わないのは何故なのか?

まあ、これはすべて私の意見に過ぎないのだが、私たちが大企業や大学によって研究開発されている、概念としてAIの話をしているときには、少々定義を拡大してみても構わないと思う。そこで私たちが話題にするのは本当に芽生えつつある段階のソフトウェアなので、多くの人がAIとして理解するような傘の下に収まるアイデアに対して、細かくあげつらうことには意味がない。しかし企業がその本質的な曖昧さを目眩ましの宣伝文句に使うときには、私は反対の声を挙げるべきだと考えている。だからそうしたのだ。

誤解を招き、誇張され、あるいは完全にでっちあげられた機能リストは、ハイテク業界における神聖なる伝統なので、こうした動きも目新しいものではない。しかし、新しい胡散臭い言葉が、トレンドを血眼で追うマーケティング担当者の語彙に加わろうとするときに、きちんと指摘しておくことは良いことだ。おそらくいつかは冷蔵庫の中に本当にAIを見出す日も来るだろう。しかしそれは今日ではない。

 

(訳注:「申し訳ありません、デイブ、私にはそれはできません」というのは「2001年宇宙の旅」に出てくるAIの台詞)

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(翻訳:Sako)

FEATURED IMAGE: BRYCE DURBIN / TECHCRUNCH

PR分析のスタートアップTrendKiteが1630万ドルを調達

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TrendKiteはシリーズDファンディングによって1630万ドルを調達したことを発表した。

同社は、企業がニュースでの言及や広報戦略の影響度を知るための支援を提供している – 例えばどの記事がもっともブランドの認知度を高めたかとか、実際に届いた受け手の数はどれほどなのかとか、広告の受け止められ方はどうだったのかといったものだ。

TrendKiteはまた、あなたとあなたの競合他者のそれぞれが、どれくらいある話題の中で支配的な役割を果たしたのかも示してくれる。(競合他社といえば:また別のPR分析のスタートアップ、AirPRが、今週の初めに500万ドルの資金調達ラウンドを発表した)。

同社は現在、Nike、Campbell’s Soup、Hershey’s、Asana、そしてSquarespaceといった企業と提携し、そして、通年の経常収益は、数千万ドルまで増えたと述べている。

今回のラウンドは、Battery、Noro-Moseley、そしてMercuryファンドの協力の下に、Adams Street Partnersが主導した。TrendKiteの調達額はこれで、計3500万ドルになった。

「収益は当然、私たちがビジネスに対するPRの影響度を数値化することによって現在成し遂げている、驚くべき成長を続けるために使われることになります」と、CEOのErik Huddlestonは私への電子メールの中で語った。「しかしながら、私たちはPRをしっかりと他のマーケティング部分に組み込むところに、大きなチャンスを感じています。私たちはそれを、PRを統合マーケティング戦略におけるアーンドメディア(ブログなどの第3者が発信するメディア)の軸足として再定義するための鍵とみなしているのです」。

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(翻訳:Sako)

YouTubeのクリエイターと企業のマーケターたちをスポンサー関係で結びつけるマーケットプレースFameBitをGoogleが買収

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Googleが今日(米国時間10/11)、ビデオの作者と彼/彼女のスポンサーになりたいマーケターを結びつけるマーケットプレースFameBitを買収したことを発表した

このところ収益化が重大な関心事になりつつあるYouTubeにとって、これは重要な一歩だ。収益化はYouTube自身だけでなく、個々のクリエイターにとっても気になる問題だから、YouTubeはこれまでもパートナー事業などで彼らの支援を徐々に手厚くしてきたが、しかし今では、クリエイターが広告の売上やビジネスリソースの形で参加するマルチチャネルネットワーク(MCN)の成長が著しい。

FameBitを買収したことによってYouTubeはそういうMCNたちと競合関係になるのか、と思ったが、でもYouTubeのAriel Bardinは、そうではない、と言っている:

クリエイターは企業との関係を自分で選択できるし、また今では多くの優れた企業がクリエイターへのサービスを提供している。今回の買収によっても、そのことは変わらない。弊社が期待するのは、FameBitの自由で民主的なマーケットプレース上で、大小さまざまなクリエイターたちが直接、企業との関係を築き、MCNのように優れた技術的ソリューションを提供していくこと、そしてまた、エージェンシーが、クリエイターたちと企業パートナーとの有意義なマッチングをみつけることだ。

FameBitは、ロサンゼルスのスタートアップスタジオScience, Inc.が支援していた。FameBitのCEO David Kierzkowskiから昨年聞いた話によると、このマーケットプレースが対象にするのは主に“ロングテイルからミッドテイルにかけてのクリエイターたち”で、MCNたちの関心を集めているYouTubeの大物スターだけを相手にするわけではない、という。

今日の発表声明でKierzkowskiと彼の協同ファウンダーAgnes Kozeraは、彼らのプラットホームがこれまで25000の企業スポンサーつきビデオで利用されたことと、FameBitは買収後も今後当分、独立企業としてやっていく、と述べている。買収の価額等は、公表されていない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

オンライン食品デリバリー市場には2100億ドルの可能性

A day's worth of meals from a raw-vegan delivery service, ready for a cleanse or detox. Includes: crepes, berries, collard green wraps, sushi, salad and pizza.

編集部注著者のEric Kim氏は、LA拠点のモバイル食品オーダースタートアップRushOrderの、共同創業者兼CEOである

昨年私は、広範囲にわたるオンライン食品オーダリングへの長期的シフトについての記事を書いた。その時には、対象領域に大量の資金が流入しているのを目撃した。それから1年が経ち、私たちは今や、非常に異なる資金調達環境を目にしている。調査会社のCB Insightsによれば、食品デリバリーカテゴリーへの国際的な資金の流入は、16年第1四半期に69パーセント減少し、そして更に第2四半期には49パーセント減少している。

Source: CB Insights

出典:CB Insights

ファイナンスの視点からは流れは間違いなく後退している一方で、オンライン食品デリバリー業界が示すマーケットの可能性は、相変わらずの大きさを誇っている。実際、今年6月の最新業界レポートのMorgan Stanley Researchの指摘によれば、(デリバリー業界からの)アプローチ可能なコアとなるレストランは年間2100億ドルを売り上げているのに対し、オンライン食品デリバリーはわずか100億ドルを計上しているのに過ぎない。5%以下である(Morgan Stanley Research: Restaurants and U.S. Internet)。この金額は「電子商取引の2分の1、オンライントラベルの8分の1」に過ぎない。これらのメトリクスが示しているのは、オンライン食品デリバリーは明らかに「いまだに成長待ち段階」ということだ。

Source: Public Company Filings, AlphaWise, PhocusWright, US Census Bureau, ComScore, Forrester, Euromonitor, Morgan Stanley, and Wall Street Research Reports

出典:Public Company Filings、AlphaWise, PhocusWright、U.S. Census Bureau、ComScore、Forrester、Euromonitor、Morgan Stanley、そしてWall Street Research Reports

あまり頻繁に議論されていない統計は、この2100億ドルのアプローチ可能なマーケットの60パーセントがピザだと見積もられていることだ。これ自身は興味深いデータであるが、一方AlphaWiseが4月に行ったサーベイの結果が示すのは、消費者はピザ以外のデリバリーオプションを欲しているという事実である。

5000人以上の米国の消費者を対象とした彼らの調査では、回答者のほぼ3分の2がそれ以前の半年の間にレストランでテイクアウトの注文を行っている;こうした、容易にデリバリー注文に置き換え可能なテイクアウト注文が、ピザの代わりに頼めるオプションとして使われているのだ。調査ではさらに、こうした需要の高まりが「都市や、郊外、そして農村のマーケットを問わず」一貫して起きていると述べている(Morgan Stanley Research: Restaurants and U.S. Internet2016年4月のAlphaWiseの調査)。

そしてオンライン食品デリバリーサービスが急速に拡大し続けるにつれ、これまでデリバリーを提供できなかったレストランが、ますます多くデリバリー向けにアクセス可能になって来ている。以上のことが意味することは、これまで歴史的にピザの領域であったパイの一部の1260億ドルが、急速に手に入れやすくなってきたということだ。

Source: Morgan Stanley, AlphaWise

出典:Morgan Stanley、AlphaWise

この考慮すべき2100億ドルマーケットの可能性が、固定された数字ではないということも忘れないようにしよう。もし消費者たちが全体としてレストランでの外食時間を減らし、より多くの時間をオーダーに使ったならば、全体のパイは大きくなる。実際に、市場調査会社のThe NPD Groupは、次の10年間の店外フードサービスの成長は、レストラン業界全体の成長の速度を上回るだろうと予測している。

もし私たちが外食産業全体を広く眺めれば、そのマーケット規模は4900億ドルとなり、食品デリバリーの可能性(アプローチ可能な部分)はそのうちのちょうど43パーセントとなる。この角度から眺めれば、このマーケットの半分以上はまだ技術的に追求可能である。そこでは、ただの1パーセントの成長が、ほぼ50億ドルのデリバリーマーケットの機会拡大につながる(Wall Street Research Reports)。

Source: Public Company Filings, Morgan Stanley, Technomic

出典:Public Company Filings、Morgan Stanley、Technomic

とは言ったものの、メディアから流される膨大なノイズのために、ここで追加された視点は容易に見過ごされてしまう。長期的傾向は時間をかけて生まれるものであることを忘れてはならない ‐ しばしば、かなりの数の上下する投資サイクルを経て。そして、これらのサイクルを通じて、歴史上常にそうであったように、企業は栄えたり没落したりしていく。覚えておくべき重要なことは、発生の頻度は低いものの、広範で長期的なシフトは、それを活用できた幸運な者たちには並外れた機会を与えてくれるということである。

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(翻訳:Sako)

コーヒーショップのWi-Fiで長居するお客を一人々々個別に管理できるシステムGoGoGuest

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正直に答えて。一日中、コーヒーショップで仕事をしたことある? もちろんコーヒー一杯だけで。

ぼくは確実にその常習犯だけど、お店が対策としてコンセントを取り去ったり、Wi-Fiを切ったり、ラップトップ禁止席を設けたりしていることもある。しかしここでご紹介するGoGoGuestは、もっと良いタダ乗り客対策をお店に提供し、またちゃんとお金を払ったお客はちゃんと優遇する。

GoGoGuestはコーヒーショップに特別なプリンターを使っていただく。お客が金を払うとレシートをプリントするのだが、それにユニークな(一回かぎりの)コードが印刷されている。そのコードの意味付けはお店の工夫次第だが、一般的にはお客は、そのコードで一定時間Wi-Fiを利用できる。あるいはそのコードの保有者に、特別の高速ネットワークの利用を提供してもよい。一時間とか二時間とかの設定時間が経過すると、コーヒーをもう一杯買わなければネットへの接続を継続できない。

GoGoGuestの最初のユーザーは、サンフランシスコのChai Barだ。チャイをオーダーするとコードをもらえるので、店内で高速インターネットをすぐに利用開始できる。ちゃんと二杯目以上を注文して長時間ねばる客は、約30%だそうだ。残る70%は、追加オーダーをお願いすると店を去る。

協同ファウンダーのChristopher O’Connorによると、こんな工夫(個別コードによるユーザー管理)は既存のWi-Fi技術で十分可能だけど、やり方がやや面倒なので忙しいお店では採用できない。ぼくの経験でも、単一のパスワードでWi-Fiを利用できるお店が多くて、個人別のコード(Wi-Fiのセキュリティコード)を割り当てているところはとても少ない。そこで、GoGoGuestは、個人別コードの発行を容易化するのだ。システムの管理はダッシュボード上でできる。

さらにGoGoGuestは、顧客のアクティビティに関する詳細な分析データをお店に提供する。それにより、いろんな売り出し企画の効果を判定したり、また“優秀客”には特別待遇を提供したりできる。コーヒー一杯で一日中YouTubeを見ているお客と、毎日律儀に追加コーヒーをオーダーするお客が、同じ待遇なのはまずいかもしれない。

GoGoGuestにはお客が使うiPhoneアプリがあり、近くの良質なコーヒーショップの所在を表示してくれる。同社のシステムを採用した店が増えれば、その地域の推奨店の数も増える。アプリは、お店が今やっている売り出し企画も紹介できる。顧客分析データにより、広告等のターゲティングも可能だ。

O’ConnorによるとGoGoGuestは、モバイルやソーシャルの仕事をしている人たちが、確実に良質なインターネット接続を見つけるための方法だ。また、彼の協同ファウンダーJessica Valenzuelaによると、チェーンではない単独店のコーヒーショップにとって、GoGoGuestは格好の宣伝媒体だ。アプリで店を見つけてもらえるから、“大型チェーン店に十分対抗できる”、と彼女は言う。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))