企業のPR活動を評価するTrendKiteがソーシャルメディアとインフルエンサーに強い同業二社を買収

企業のPR活動の効果分析などを行うTrendKiteが、初めての買収を、しかも二件も行う。CEOのErik Huddlestonによれば、これによって、完全なPR分析プラットホームが必要とする最後の二つの部品が揃う。

これまで、TrendKiteの主な売りは、企業について書かれた記事を見て、その到達オーディエンスやブランド知名度への影響などを測る能力だった。

しかし、確かにそういうジャーナリスティックな視点は今後も重要だが、Huddlestonによると、“今の世界は前よりも複雑なので、誰が大衆に影響を与えているのか、簡単に判断できない”。そこで、Insightpoolと、その、ソーシャルメディアインフルエンサーたちのデータベースが役に立つことになり、企業のストーリーを広めることのできるインフルエンサーを見つけて売り込むことが、企業のPRの仕事になる。

一方Union Metricsは、ソーシャルメディアのアナリティクスを提供する。Huddlestonによると、“われわれがメディアのカバレッジを分析するように、彼らはストーリーをめぐる会話について分析をする”。

彼によると、両社を買収することによって、これまですでに利用していた彼らのプロダクトをより深くTrendKiteに統合できる。Union Metricsとはすでにパートナーシップがあり、Insightpoolについては、顧客がTrendKiteとInsightpoolを併用しているのを見て、統合すべきと考えた。

InsightpoolとUnion Metricsが加わったTrendKiteがどんな料金体系になるのか、それはまだ未定だ。それにまた、Huddlestonによると、今後も両者をスタンドアローンのプロダクトとしてもサポートしていく。

両社のチームと、InsightpoolのCEO Devon Wijesinghe、そしてUnion MetricsのCEO Hayes DavisはTrendKiteに加わり、InsightpoolはオースチンのTrendKiteにアトランタの拠点を与える。

買収の価額等は公表されていない。Crunchbaseによると、InsightpoolはTDF Venturesとシリコンバレーの銀行などから、750万ドルを調達している。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

WebサイトビルダーSquarespaceがユーザーのビジネスツールの一環としてメールマーケティングを提供

Webサイトビルダーの今や老舗Squarespaceが、初めてメールマーケティングツールを顧客に提供する。CEOのAnthony Casalenaとプロダクト担当ディレクターNatalie Gibralterによると、Squarespaceというプラットホームは徐々にシンプルなWebサイトビルダーであることを超えて、eコマースアナリティクスなどの機能を加えてきた。

Gibralterによると、目標はSquarespaceをWebでビジネスをしたい人の“オールインワンのプラットホーム”にすることだ。“マーケティングツールのもっと幅広いスイートを構想しているが、メールはその最初の出だしだ”、という。

しかしeメールマーケティングツールは昔からいろいろある。スタンドアローンのツールだけでなく、Weeblyなど競合するWebサイトビルダーにも、メールマーケティング機能がある。しかしCasalenaとGibralterによると、主なアドバンテージはSquarespaceがメールマーケティングをもっと大きなプラットホームに統合していることだ。

大きなプラットホームというのは、Casalenaによると、“eコマース機能は前からあるので、各サイトにはその顧客に関する情報(購入履歴など)の蓄積がある。ユーザーがブログを併設していれば、顧客との優れた接点がすでにある。それらはいずれも、シンプルで使いやすいし、最初から的(まと)を得ている”、のだそうだ。つまり、メールマーケティングを展開するための情報リソースとしてのインフラがすでにある、と言いたいのだ。

[eメールエディター]
Squarespace Email Editor

またSquarespaceは長年のWebサイト制作から学んで、メールビルダーも単純明快ですっきりとしたプロフェッショナルなツールを提供できているようだ。Gibralterがやってくれたデモからは、そう感じた。

そのメールビルダーは、テンプレートがあるのでそれをカスタマイズすることから始める。コンテンツはWebサイトやブログからインポートでき、応答性の良いレイアウトにより、デスクトップでもモバイルでも見栄えが良い。スマートフォン上でもメールの作成やエディットがやりやすい。ダッシュボードからマーケティングの全体を概観でき、過去のキャンペーンとその成果も分かる。古いレイアウトの再利用もできる。

また、Squarespaceのアナリティクスツールと統合されているので、メールがオープンされたことだけでなく、それがそのユーザーのWebサイトへのその後のトラフィックや購入アクションを生成したかも分かる。

GibralterによるとSquarespaceは、必要な情報開示をちゃんとやっているかなど、法的なコンプライアンスでもユーザーのビジネスを助けている。ユーザーが使っている色も保存して、今後の一貫したブランド構築を助ける。この、使用色の統一という機能はとても役に立つので、Webサイトビルダーの機能にもしたい、と言っている。

でもGibralterはさらに曰く、これはマーケティング機能の始まりに過ぎない。顧客のセグメンテーションやドリップキャンペーンも今後の予定に載っている。

メールマーケティングはまず既存の顧客への無料の展開からスタートする。本格的な開始は秋からで、料金は月額8ドルだ。

画像クレジット: Squarespace

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Facebookのストーリーズ機能が1億5000万DAUを突破ーー広告の試験運用をスタート

ローンチから14か月が経ち、FacebookはSnapchat Storiesに酷似した同社のストーリーズ機能のDAU(デイリーアクティブユーザー数)がようやく1億5000万人に達したと発表した。そしてストーリーズから収益を生み出すための次のステップとして、同社はアメリカ・メキシコ・ブラジルの3か国で、現地時間の5月17日からストーリーズへの広告掲載をスタートさせた。

ストーリーズ広告は5〜15秒程度の動画で、ユーザーはスキップすることもできる。クリックスルーやコールトゥアクションは今のところ備わっていないが、Facebookは向こう数か月のうちにこういった機能も盛り込む計画だという。広告主はInstagramストーリーズに展開している広告を簡単にFacebookへと移植できる上、ニュースフィードの広告にマッチした枠と文章を追加して自動的にストーリーズ広告化することもできる。さらにFacebookはストーリーズ広告の費用対効果を示すため、今後さらなる指標を追加していく予定とのこと。

広告主はInstagramストーリーズに展開する広告を簡単にFacebookへと移植できる(上図左)上、ニュースフィードの広告に枠線と文章を追加して自動的にストーリーズ広告化することもできる(上図右)。

先月、Facebook CPOのChris Coxが2019年中にはストーリーズがフィードを追い抜き、Facebookの情報発信チャンネルとしては最大になると語っていたことから、同社は生き残りのためにもストーリーズ広告の価値を今後高めていかなければならない。CEOのマーク・ザッカーバーグも「ストーリーズ広告をニュースフィード広告と同じレベルにまで引き上げていかなければならない。情報共有の場がストーリーズへと移行するなか、これが上手くいかなければ、ビジネスに大きな影響が出るだろう」と自分たちへの警告ともとれる発言を残している。Facebookのストーリーズ機能については、Instagramのストーリーズ機能とオーバーラップしていることや、やたらと目立つ見た目から批判もあるが、Facebookはこの短時間で消える動画フォーマットからの撤退は考えていないようだ。また同社は膨大なユーザー情報を保有していることから、現在Snapchatに注ぎ込まれている広告主の予算が、今後Facebookへと流れていく可能性もある。

ストーリーテラーをめぐる戦い

筆者が最初に疑問に感じたのは、Facebookがどのようにストーリーズ機能のDAUを割り出しているかという点だ。その答えは、Facebookのアプリかサイトでストーリー動画を見たユーザーの数だった。つまりInstagramやFacebook Messengerのストーリー動画をFacebook上にクロス投稿したユーザーの数は含まれていないため、これは良心的な算出方法だと言える。さらにこの数字は、InstagramにはじまりFacebookにも導入され、ニュースフィードのトップに固定されることになったストーリー動画の力を物語っている(大きなプレビュータイルのテストもすでに始まっている)。

背景知識として、主要サービスにおける類似機能のデイリーユーザー数および月間ユーザー数は以下の通りだ(ユーザー数の多いものから順に掲載)。

  1. WhatsApp Status:月間ユーザー数15億人、デイリーユーザー数4億5000万人(2018年5月時点)
  2. Instagram Stories:月間ユーザー数8億人、デイリーユーザー数3億人(2017年11月時点)
  3. Snapchat(アプリ全体):デイリーユーザー数1億9100万人(2018年5月時点)
  4. Facebook Stories:月間ユーザー数22億人、デイリーユーザー数1億5000万人(2018年5月時点)
  5. Messenger Day/Stories:月間ユーザー数13億人、デイリーユーザー数7000万人(2017年9月時点)

Instagramでもストーリーズ機能のDAUが1億5000万人に達した段階で広告掲載がスタートしたが、Instagramはストーリーズ機能のローンチから5か月でこれだけユーザー数を伸ばしたのに対し、Facebookは同じレベルに達するまでに14か月かかった。

今後Facebookがさらにエンゲージメントを高めるためのカギは、ストーリーズ機能の海外展開だ。Snapchatは4年ものあいだ海外市場をないがしろにし続け、最近になってようやく本格的にAndroidアプリのテコ入れを開始した。他方WhatsAppは、Snapがアメリカのティーン層に注力するスキを狙い、世界中の若者にアピールした結果、ストーリーズ機能のユーザー数でトップに躍り出た。そしてFacebookは、母国語以外のキーボードを使うユーザーのための音声投稿機能や、スマートフォンの容量に限りがあるユーザーでも写真や動画を保管できるクラウドストレージ機能など、インドをはじめとする新興市場を想定してストーリーズ機能の開発を進めている。

Facebookストーリーズには、360度カメラがなくても360度写真が撮れる「paint with the lens(レンズでペイント)」インターフェースが搭載されている。

2017年1月のテスト、そして2017年3月のローンチ以後も、Facebookはストーリーズ機能に次々と手を加えながら、他サービスとの差別化やユーザーの取り込みを図ってきた。その結果、現在ユーザーはFacebookが提供するアプリからのクロス投稿デスクトップ向けのインターフェースBoomerangのような動画フォーマット、さらに3次元空間に落書きできる機能や、特定の場所でARコンテンツを呼び出すためのQRコードや画像といったAR機能も利用できる。

ちなみに公式にはアナウンスされていない隠れ機能がひとつある。Facebookストーリーズのカメラを使うと、360度カメラがなくても360度画像が撮影できるのだ。周囲の環境をカメラのレンズで”描く”ようなクールなインターフェースで、一回ですべてを上手く撮影しなければいけないパノラマ写真とは違い、撮り逃がしたスペースがあれば後からそこを埋めることもできる。

打倒Snapの次はマネタイズ

上記のようなFacebookの取り組みがようやく実を結び始めたようだ。2018年第1四半期のSnapchatのDAU伸び率は過去最低の2.13%に落ち込んだ一方、Facebookは3.42%伸び率を記録。さらに3月にはSnapchatのアクティブユーザー数は純減していた。

これはFacebookがストーリーズ機能に広告を掲載すべきだというサインなのかもしれない。実質的にSnapchatを打ち破り、競合と呼べるようなサービスが存在しないため、Facebookは余裕を持ってストーリーズ広告をローンチできるだろう。そして皮肉なことに、Snapchatは第1四半期の収益目標を達成できず、3億8500万ドルの赤字を記録して以降、広告売上の拡大にやっきになっている。

「Instagramのストーリー広告は顧客に大きな価値を提供しており、Facebookでも同じことができると考えている。とは言っても、私たちの最優先事項はユーザーエクスペリエンスを損なわないことだ」とFacebookのプロダクト・マネージャーZoheb Hajiyaniは言う。ストーリーズ広告のテストには何社もの企業(企業名は非公開)が参加するようだが、Facebook自体もOculusの広告をストーリー動画として展開するとのこと。

すでにFacebookやInstagramの広告サービスを利用している企業であれば、簡単にFacebookのストーリーズ広告へ移行できる上、リーチできるユーザーの総数も増えるため、ティーン層を狙わない限りはわざわざSnapchatで広告を打つインセンティブは生まれないかもしれない。そう考えると、すでにニュースフィードはいっぱいで、サイドバーへの広告掲載もとりやめたFacebookにしてみれば、ストーリー広告こそが広告スペースの問題への解決策となり得る。つまりストーリーズ機能が広告在庫の増加につながり、Facebook上でのマーケティング活動が促進される可能性もあるということだ。

ストーリーズ機能は避けて通れない道だった。2013年10月にSnapchatが初めて導入して以降、Facebookが同機能の脅威に気づくまでには約3年を要した。しかしFacebookはプライドを捨て、Instagramに導入した類似機能でSnapchatの後を追うことで、この新しいビジュアル・コミュニケーションのスタイルに順応していったのだ。デスクトップからモバイルへの変化で遅れをとったFacebookは、失敗から学びソーシャルメディア界における支配的な地位を維持したと見ることもできる。

ストーリーズ機能の詳細については、以下の記事を参照してほしい。

Stories are about to surpass feed sharing. Now what?

原文へ

(翻訳:Atsushi Yukutake

AIでロゴを自動的にデザインしてくれるTailor Brandsが$15.5Mを調達

中小企業にブランド戦略とマーケティングサービスを提供するTailor Brandsが今朝(米国時間5/9)、シリーズBで1550万ドルを調達したことを発表した。

CEOのYali Saarによると、同社はデザインと機械学習が交わるところに位置している。というのは同社が、ロゴのデザインとコピーライティングとソーシャルメディア戦略を理解する技術を作っている、という意味だ。

同社の自動的に作られるロゴデザインは、すぐに人の目を引く。Tailor BrandsのWebサイトで、それを体験できる。有料で高品質な画像ファイルにもアクセスできるが、文字だけのロゴなら、あなたの会社に関する情報をいくつか入力すると、1分足らずで無料で作ってくれる。〔日本語文字はまだサポートされていない。〕

下図は、そうやって作ってもらった本誌TechCrunchの新しいロゴだけど、どうかな?

techcrunch tailor brands

Tailor Brandsは2014年の本誌TechCrunchのStartup Battlefieldでローンチし、これまでにロゴを4500万個作った、という。昨年の顧客数は386万で、毎月50万社ずつ増えているそうだ。

今回の投資ラウンドをリードしたのはPitango Venture CapitalのGrowth FundとBritish Armat Group、これにDisruptive TechnologiesとMangrove Capital Partnersが参加した。これで同社の調達総額は2060万ドルになる。今度の資金の主な用途は、グローバル展開と、多言語化、そしてブランド戦略のためのツールをもっと増やすことだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

中小企業や商店にAI利用のターゲットマーケティングをお安く提供するClearBrain

ClearBrainの目標は大きい: “われわれのミッションはAIをマーケターのために民主化することだ”。

とCEOのBilal Mahmoodは言うのだが、しかしOptimizelyのプロダクトマネージャーだったMahmoodと彼の協同ファウンダー、Googleの広告部門の技術者だったEric Pollmannは、すべての民主化が一度で実現するとは考えていない。具体的な課題を一つ一つ解決していくことが必要だ…まず第一にそれは、広告をもっと有望性の高いユーザーにターゲットすること。言い換えると、ターゲティングの打率を上げることだ。

Mahmoodによると、そのようなターゲティングは大企業がすでに行っているが、中小企業や一般商店などにとっては、買うにしても作るにしても費用が高すぎる。しかしClearBrainに頼めば、月額499ドルからですべてをやってくれる。それだけ安上がりにできるのは、Segment, Optimizely, Heapなど既存のさまざまなツールのAPIを組み合わせて使っているからだ。それにより、さまざまなデータの有効利用ができる、とMahmoodは言う。

“それらのデータレイヤの上にインテリジェンスレイヤ(AI層)を置くことができる”、と彼は語る。

つまりClearBrainは、企業がすでに使っているツールからデータを取り出して、その上に人工知能を適用して分析し、ユーザーを特性別にグループ化する。そしてClearBrainの顧客企業は、それに基づいて、Facebookの広告や、メールマーケティングや、そのほかのメッセージング提供をターゲティングする。

clearbrain screenshot

“うちはAIのスイス(中立国)みたいなもんだ”、とMahmoodは言う。ClearBrainはデータレイヤとアクションレイヤ(消費者のアクション)の両者間を中立的に調停して、企業が利用できるようにする。今後もっと機能を増やして、“企業のマーケティングチームのための中枢神経系”になりたい、と彼は語る。

今の顧客には、InVisionやtheSkimmなどがいる。一方はデザイン用のソフトウェアのメーカーだし、後者はニューズレター専門のメディア企業だ。この、一見性格の異なる二社にClearBrainのツールが有益なのは、どちらもユーザーが会員制(サブスクリプション型)で、特性などが明確で分かりやすいユーザーデータがあるからだ。つまり、AI利用による効果の高いターゲティングをやりやすい。

ClearBrainは、Y Combinatorの現在のクラスの生徒でもある。そしてすでに120万ドルの資金を、YC, Pear VC, Industry Ventures, Dan Hua Capital, OptimizelyのファウンダーDan SirokerとPete Koomenから調達している。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

GoogleとSalesforceの提携、第一弾登場――顧客データの統合ツール各種発表

昨年秋のDreamforceカンファレンスでSalesforceとGoogleは提携を発表した。今日(米国時間1/17)、両社はこの提携の第一弾を公開した。手始めとして、Google Analytics 360のユーザーはSalesforceのCRM〔顧客関係管理〕ツールからリード、売り込みチャンスなどのデータをインポートできるようになる。

これにより企業のマーケティング部門は有望顧客の発見、コンタクトからセールスの実現までの顧客関係をAnalytics 360で簡単に展望し、管理できる。これは顧客関係における成功を助けるために大きな効果があるだろう。もちろんSalesforce自身はMarketing CloudにSalesforce WaveやEinstein Analyticsなど独自の分析ツールをを持っている。

しかし今回の提携で、Googleのアナリティクス・ツールを利用しているユーザーはSalesforceのアナリティクスのデータを統合して処理できる。多くのユーザーは複数のアナリティクス・ツールを併用しており、これがそもそも両社の提携をもたらした背景だった。つまり複数のアナリティクスを比較することでさらに広い視野から顧客関係を見渡すことができる。

両社は提携の効果をアップするために、SalesforceのデータをGoogleののデータ・ウェアハウス・サービス、BigQueryで利用するためのコネクター・ツールを提供する。ユーザーは顧客関係データをBigQueryにアップして他のエンタープライズ・データと比較することが可能になる。

最後にSalesforceとGoogleの広告システムを結びつけ、適切な広告を適時に表示してセールスの完結を助けるツールも発表された。Googleの公式ブログではこれをAdvertising Linkと呼んで紹介している。【略】

今回発表されたいくつかのサービスはGoogleとSalseforceの広汎な提携の第一弾であり、今年は両社のシステムをさらに密接に深いレベルで統合するプロダクトが各種続くものとみられる。これにはユーザーが販売する特定のプロダクト別のデータの統合、リードが実際の販売に結びつく可能性やトータルでの顧客価値を算定するツールが含まれるはずだ。

画像;Andy Ryan/Getty Images

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ネット広告のレポート作成を自動化、AIが運用を支援する「Roboma」ベータ版リリース——運営会社が4000万円を資金調達

GoogleやFacebook、Twitterといったインターネット広告の出現で、小さな企業や事業部門、スタートアップなどでも比較的低価格で“それなりに”効果的な広告出稿が可能になった今。一方で、マーケティング担当者は広告レポートの作成や、GoogleやFacebook広告の運用の最適化などに追われ、特に小規模な組織では兼務でこうした作業に時間を費やさなければならないことから、本来やるべき分析やマーケティング戦略立案に手が回らない、といったケースも増えている。

こうしたネットマーケティング業務の負荷を、AIの活用によって自動化しようというサービスが始まった。RoboMarketerが1月16日、提供を開始した「Roboma(ロボマ)」ベータ版は、AIによりネット広告のマーケティング業務を支援するクラウドサービスだ。

Robomaは、Facebook、Instagram、Google Adwords、Twitterといったプラットフォームの広告アカウントを連携。連携した広告アカウントのレポートを自動し、費用やCPA(Cost Per Acquisition:ユーザー獲得コスト)などの指標をグラフ化できる。管理画面の閲覧権限を広告代理店やチームに付与することで、レポートの共有も容易に行える。これまでクローズドベータ版として一部企業に限定してサービスを提供してきた。

「Roboma」のスクリーンショット

現状はいわゆるダッシュボードとしての機能が中心だが、今後はデータに基づいてAIアシスタントが運用型広告の最適化をアドバイス。経験やノウハウがない担当者でも最適な運用ができるようになることを目指す。一部のテストユーザーに関してはすでに広告の運用の自動化を行っており、CPAベースで20%の改善が実現した事例もあるという。

「マーケティングの部署は慢性的にリソース不足で、コストセンターとみられることが多い。企業の成長に連れてやることは増える一方だが、その割には人材が全然増えないということもあり、効率化や自動化は絶対に求められる。だが(自社製品と比較すると、マーケティング向けの自社ツールの)開発は後回しになってしまうし、(運用を担当する)代理店も深くは関わらない。(Robomaにより)本来的なブランディング、マーケティング戦略といった『頭を使う』というところに集中できれば」(RoboMarketer 代表取締役の岡崎哲朗氏)

利用料金は、広告アカウント数が1アカウント・広告数100までは月額無料で利用可。3アカウント・広告数500までのベーシックプランが月額9800円、10アカウント・広告数2000までのプロプランが月額2万9800円だ。

またRoboMarketerはRobomaベータ版リリースと同時に、総額約4000万円の第三者割当増資の実施も発表している。引受先はエウレカ創業者の赤坂優氏など、個人投資家だという。

RoboMarketerは、2017年6月の設立。岡崎氏はグリーでマーケティングプロモーションを担当し、海外プロモーションの責任者を務めたのち、スタートアップでのマーケティング責任者を経て起業した人物だ。同社には元ミクシィのマーケターなども参画し、サービスを開発。インターネットマーケティングの最新のトレンドを取り入れ、専門知識がなくても使えるサービスを目指すとしている。

RoboMarketerは今回の調達資金をもとに開発体制の強化を進める。また、将来的には海外でのサービス展開についても検討している。

企業のPR事業の分析プラットホームTrendKiteが新たに$11Mを調達、アーンドメディアの価値を強調

企業のPR業務を助けるTrendKiteが、新たに1100万ドルの資金を調達して、2017年を終えようとしている。

テキサス州オースチンに本社を置く同社によると、現在同社は毎日420万件の記事を分析して、企業や広告/マーケティング代理店が行っているPR努力の効果を測定している。たとえば、その会社名が登場する記事が何人の人の目にとまっているか、ブランド認知度のアップにいちばん貢献した記事はどれか、などなど。

TrendKiteの売上は前年比100%増以上の増加率で成長している。顧客には、Mondeléz International, Nike, Deltaなどが名を連ねる。同社によると、今回の資金は主に新たな製品開発に向けられる。同社の目標は、“CMOやCRM、およびマーケティング自動化ソフトウェアにとって必須のPRソフトウェアになること”だ。

しかし昨今のマーケティングの世界では、広告や自己メディアに比べて“アーンドメディア(earned media)”(得られたメディア==他のメディアに載ること)の効果がもてはやされるけれど、現アメリカ大統領による執拗なメディア攻撃や、各人が自分の殻や偏見の中に閉じこもる傾向の中では、その説も怪しくなっている。

こんな逆風の中でTrendKiteはどうやって生き延びていくのか。CEOのErik Huddlestonによると、上の二つの問題は、主に政治の領域に限られている。彼は曰く、“日頃から人気と信頼のあるライターや個人などによる、よく考えぬかれたレビューの方が、バナー広告やマーケティング的コピーよりもずっと強力だ”。

でも、偏見やいわれなき攻撃が、政治の世界以外にも広がったら、どうするのか?

Huddlestonの見解は: “もしそうなれば、TrendKiteのようなプラットホームの、より正しい記事やジャーナリストを見つけ出す能力が、ますます重要になる。メディアの世界は、何らかの偏向によって汚染されればされるほど、ターゲットにフォーカスした正しい清流の価値が目立ってくるんだ。これからのマーケティングは、そんなメディアを見つけ出し、味方につけていく努力がブランドイメージの向上のためにも重要だ。それは、企業のマーケティング部には手に負えない仕事だろう”。

今回のラウンドでTrendKiteの総調達額は4600万ドルあまりになる。ラウンドをリードした投資家Harmony Partnersは、ほかにもChartbeat, mParticle, Postmatesなどをそのポートフォリオに擁している。

Harmony Partnersのファウンダーで常勤役員パートナーのMark Lotkeは、声明文でこう述べている: “TrendKiteの高成長と優れた能力、そしてアーンドメディアが購買の意思決定者にとってますます重要になっている現在の市場機会を見れば、それ〔rendKiteへの投資〕はHarmony Venture Partnersにとって自明の選択である”。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

独自技術のベッド用マットレスで勝負するPurpleが小売大手Mattress Firmに卸す契約へ

マットレスやベッドまわりなど、ベッド関連のスタートアップは昨年、その売り方が多様化してきた。たとえばCasperやTuft、Needleなどは、自己ブランドの実店舗を立ち上げた。

しかし、最近ニューヨークのシェル・カンパニーと合併したユタ出身のマットレスのスタートアップPurpleは別の道を選び、マットレスの小売大手Mattress Firmと流通に関して契約を結んだ。

なお、CasperもWest Elmや大手スーパーTargetと流通契約を結んでいる。

Mattress Firmは、全国に3500の店舗があるが、Purpleは当面ワシントンD.C.の13店舗のみとし、首都で成功したら今後はテキサス州オースチンやサクラメントにも展開するつもりだ。

Purpleによると、最初に選んだ地域は、市場調査が目的だ。Purpleの次世代製品の試販を行い、とくに同社のHyper-Elastic Polymer®技術のテストマーケティングを目指す。この新製品は、同社によると、“圧力分散が適正化され、ヒップや肩に優しく、しかも体の支持が優れている”。

Purpleの53000平方メートルの倉庫に同社のマットレスが数千個積まれている。

これまでの製品との違いがよく分からないのだが、Purpleは実際に試させてくれるそうだから、その日が来るのを待とう。

PurpleのCEO Sam Bernardsはこう語る: “Purpleは最初から、市場でもっとも快適で支持性の良いマットレスを目指している。快適さを増し、不快な圧力を減らすための改良にはこれからも終わりはなく、弊社で実証された睡眠の科学に基づいて、マットレス産業の革命を推進していきたい”。

発表のタイミングは、ブラックフライデーと合っている。同社の売り出し企画では、マットレスを買った人におまけで枕がつく。でも市場には、いろんな売り出し企画がひしめいているから、戦いは楽ではないだろう。

マットレスのレビューサイトとして人気のあるSleepopolisによると、オンラインのマットレス企業の多くが、ブラックフライデー特売として100〜300ドルの値引きをしている。マットレスのスタートアップLeesaは、125ドルの値引きプラス無料の枕だ。今私が使ってるマットレスのBrooklyn Beddingは、同社のAuroraマットレスが300ドル安だ。とにかく、今日はいろいろ調べてから買い物しようね。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Spotifyが化粧品販売にも乗り出す、主催音楽イベントWho We Beのチケットは完売

IPOに向けて熱い注目を集める160億ドルのデジタルミュージック「スタートアップ」Spotifyは、基本とするストリーミングサービスを超えて、プラットフォームの多様化の努力を続けている。最新の動きとしては、美容製品の販売を開始する予定だ。

その通り、目にした通りだ。今やSpotifyを通して美容製品を購入することができるようになった。

この新しいサービスは、SpotifyとMerchbarの提携による最新の拡張サービスだ。Spotifyは昨年からプロフィールページでアーティストの作品を販売するようになっていた。

人気のメイクアップアーティストPat McGrathやミュージシャンMaggie Lindemannと協力してきたMerchbarは、直販に近い領域に参入しようとしている。そのことによって、ファンたちは特定のアーティストの「作品を買う」ことができるようになる。Instagramのような他のソーシャルメディアでもどのように商品が売られるかは大きなテーマだ。

「ファンたちが、うっとりすような美の喜びをすぐにでも手に入れたいと渇望している、このメイクアップのデジタル時代に、私は常にファンたちが最も関心のある場所で交流したいと思っていました。これがSpotifyとの関係が大切な理由なのです、なぜならそれによって美と音楽が、これまでになかった全く新しいやり方で、融合することになるからです」とMcGrathは述べている。「私はそれがやっと実現することに強い喜びを感じています」。

McGrath——ソーシャルメディア上で圧倒的な存在感を示す、スターたちのメイクアップアーティスト——は彼女自身のビジネスであるPat McGrath Labsを経営している。そして、パートナーシップの皮切りに、3色の口紅の販売を開始する。それぞれの価格は22ドル。またアイペンシルは18.95ポンド(英国価格)だ。その他のアイテムも同時に販売される。

Lindemannはその発売に合わせて、新しいシングルをリリースする。

はっきりさせておくが、これはSpotifyにとっては新しい収益源ではない。プラットフォームを介して行われた売上からの手数料徴収は行わないのだ。ここでの狙いは、手数料を受け取る代わりに、アーティストたちのための取引を楽なものにして、ストリーミングを超えて彼らにSpotify上でお金を稼ぐ機会を増やすことである。

これは重要な取り組みだ。なぜならSpotifyは音楽によってお金を稼ぐという意味で、苦労している人たちから非難されて続けているからだ。彼らが集めたロイヤリティーは、一部のしかも最も人気のあるアーティストたちにしか分配されていない(そしてそうした人気アーティトでさえも不平を述べている)。

そうしたことから、同社はそのイメージを好転させるための長いキャンペーンを続けてきた。(また、アーティストたち自身による、ビジネスの可能性を高めるためのマーケティングを助けることを狙って、買収も行なっている)。

Spotifyはまた、他の方法でもアーティトを支援している。それはより多くの投資を要するが、(物品の販売よりも)より多くの見返りを得ることになるだろう。

今年の初め、Spotifyはロンドンで、新しいコンサートイベントを始めた。イベント名は(人気のプレイリストの名前でもある)Who We Beだ。そして本日(米国時間11月13日)には遂に、イベントチケットが完売したことを発表した。同様に、プラットフォームに関連付けられた、6都市でのヒップホップツアーであるRapCaviar Liveのチケットも、米国内で販売されている。

チケット販売は、例えばPandoraのような企業にとっては重荷だった(買収したTicketflyは最終的にEventbriteに売却されている)。しかしSpotifyによるイベント事業への参入は、商品販売と並んで、同社が如何にこの隣接領域を優先して、コミュニティ構築の手段として追求しているかを示すサインだ。

Spotifyは、McGrathの美容商品に続いて、さらに多くのパートナーシップが控えているのかについてはコメントしていない。またMcGrathもしくはMerchbarが、その品揃を拡張していくのかに関しても言及していない。

さらに注目すべき点は、現在6000万人以上の有料ユーザーと、全体で1億4000万人を超えるユーザー(無料で広告付き音楽を聴いているユーザーを含む)を抱えているSpotifyが、その利用者層を活用して、コミュニティ内のビジネスパーソン(すなわちSpotify上ではミュージシャン)たちに対して訴求しようとしていることだ。

「Maggie Lindemannは非常にエキサイティングな若手アーティストです。毎月700万人以上の世界中のファンたちが、Spotify上で彼女の音楽を聴いています」と声明で述べるのは、Spotifyのアーティストアンドファン獲得責任者のJordan Gremliだ。「美容製品を革新的な方法で提供する、Pat McGrathとのこのパートナーシップによって、LindemannはダイレクトにSpotifyで彼女の音楽を聴くファンたちとつながることになります」。

Spotifyはこうした売り上げから利益を得ることはないが、アーティストたちに同プラットフォームをマーケティング活動に利用し続けてもらうための手助けとなる。そして利用者たちも、単に音楽を聴くため以外の目的でもプラットフォームを訪れるようになる。こうしてアーティストとユーザーの両者が引き付けられることになるだろう。

[原文へ]
(翻訳:Sako)

チャットやメッセージングを営業とマーケティングのツールにしたいHubSpotがチャットボット制作のMotion AIを買収

営業支援とインバウンドマーケティングの今や古参で大手HubSpot日本)が、チャットボット制作のスタートアップMotion AIを買収したことを、今朝(米国時間9/20)発表した。

Motion AIは2015にローンチし、チャットボットを作るためのエディターを提供している。そのチャットボットは、WebサイトやFacebook Messenger、SMS、Slackなどで動作し、ユーザーはコーディング不要で作成できる。実は、HubSpotのFree CRMにはMotion AIがすでに統合されている。

Motion AIのファウンダーでCEOのDavid Nelsonを含め、全員がHubSpotに加わる。さらに詳細は、来週(9/26)行われるHubSpotのイベントINBOUNDで発表するそうだ。

買収の発表声明の中でHubSpotのCEO Brian Halliganはこう述べている: “今やチャットとメッセージングのインパクトを無視することはできない。それはB2Bで重要なだけでなく、社会全体として重要だ。今はどの企業も大きな転換期にあり、それを好機として乗り切るためには、このような新しいプラットホームを積極的に導入して、ブランドからのより密接で常時つながってる状態のコミュニケーションを求める消費者を、前向きに受け入れて行かなければならない”。

数か月前にAIのKemviを買収したHubSpot は、そのときと同じく、買収の条件等を公表していない。Motion AIはCharge VenturesやCrush Venturesなどから資金を調達している。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Amazonのインフルエンサープログラムにユーチューバーも応募できるように

商品のキュレーション・宣伝を通じてアフィリエイト収入を得ることができるAmazon独自のインフルエンサープログラムで、ユーチューバーの応募受付がスタートした。3月のベータ版ローンチからしばらくが経ち、先週の木曜日にはユーチューバーからの参加申請を受け付け始めていたことがこの度わかった。

「Amazon Influencer Program」と名付けられた同プログラムでは、これまでクローズドベータテストが行われており、インフルエンサーは所定のフォームを記入することで、参加申請できるようになっていた。

また、申請フォームはフォロワー数、コンテンツの質やエンゲージメント、Amazonとの親和性などをもとに審査されていた。

このプログラムの狙いは、ソーシャルメディアの力を利用した収益拡大だ。YouTube動画を含む各種オンラインコンテンツでは、インフルエンサーが気に入った商品をオススメする様子をよく見かける。これは企業から依頼を受けている場合もあれば、アフィリエイト収益を狙ったものもある。Amazonは独自のプログラムを通じて、この商流にもっと直接的に関わろうとしているのだ。

本件についてAmazonの広報担当者に確認をとったところ、「YouTube上のインフルエンサーに対しても、最近セルフサービスツールの公開を始めた。現時点ではAmazon Influencer Programへの登録しかできないようになっている」とインフルエンタープログラムの対象者を拡大したことを認めた。

同プログラムに参加したいユーチューバーは、専用のセルフサービスツールを使って参加申請できる。画面下部の「Get Started」と書かれたボタンをクリックすると、YouTubeアカウントの情報や参加資格があるかどうかについてのチェックが数ステップにわたって行われる。現状ではYouTubeアカウントが必須になっているが、今後は別の方法で参加資格をチェックする手段も追加されるようだ。

これに合わせて、Amazon Influencer Program用のウェブサイトも一新され、基本情報やプログラムの仕組みが新たに記載されている。

ウェブサイトの情報によると、参加が許可されたインフルエンサーにはカスタマイズ可能なAmazon上の専用ページが与えられ、そこにオススメ商品を登録できるとのこと。そして、バニティURLがサポートされたこのページで訪問者が商品を購入すると、インフルエンサーにコミッションが入るという仕組みだ。

さらに、このプログラムは従来のアソシエイトプログラムをインフルエンサー向けに拡張したもので、収益拡大を目的にAmazonへの新しい流入経路を提供するものだともサイトには記されている。

人気YouTubeチャンネルの「What’s Up Moms」「Mark Cuban」「Felicia Day」は既に参加が許可されたようで、Amazon上ではこれらのチャンネルのページが確認できる(なおベータ版の参加者数は公表されていない)。

しかしインフルエンサープログラムは、あくまでアフィリエイトプログラムの一環という位置づけのため、必ずしも紹介料が従来のプログラムに比べて高いというわけではない。つまり同プログラムは、インフルエンサーがオススメする商品を購入しやすくするための仕組みなのだ。

インフルエンサープログラム成功のカギを握っているのが、短くて覚えやすいURLを付けられるバニティURLのサポートだ。

バニティURLは「口頭でURLを伝える際や、直接リンクが貼れない環境では特に便利」だとAmazonは言う。具体的には、商品紹介動画などの中でURLを伝えるといった使い方が考えられる。

Amazonが動画関連の施策を打ち出したのは今回は初めてではない。同社は昨年「Style Code」というテレビショッピングスタイルのオンライン番組をローンチしたが、思ったような成果が得られなかったのか今年の5月には番組がキャンセルされてしまった。しかしインフルエンサープログラムの導入により、今後Amazonはユーチューバーを売り手に見立てた、HSNやQVCのような番組を作ることもできるだろう。

セルフサービスツールが公開されたことで、インフルエンサープログラムが本格的に始動したようにも感じられるが、そうではないようだ。申請内容はAmazonのスタッフによって手作業でチェックされるため、ほとんどの参加希望者にとって同サービスはまだベータ版の域を出ないと言える。

AmazonはYouTube以外のソーシャルサイト上で活躍するインフルエンサーも取り込もうとしており、Facebook、Twitter、Instagramなどが次なるターゲットになるだろう。

しかし先日ローンチされた「Amazon Spark」というInstagram風のサービスと、インフルエンサープログラムがどのように関わっていくのかはまだわかっていない。Amazon Spark上では、プライムメンバーがお気に入りの商品や感想を投稿できるようになっており、ここにインフルエンサーが自分のAmazonページのURLをリンクするといった使い方が考えられる。

Amazon Influencer Programはまだ実験段階にあるため、今後同社が対象者を拡大するにつれて、プログラムの内容も変わる可能性がある。

原文へ

(翻訳:Atsushi Yukutake

SalesforceのAIがソーシャルメディア上に自社製品が写ってる画像を見つけてくれる

企業が自分の社名やブランド名、製品名などへの言及をソーシャルメディア上に探すことは前から行われているが、画像中にロゴや製品が写っているのを見つけることは、当時はできなかった。しかしSalesforceの人工知能Einsteinは最近、そんな能力を持つに至った。

同社が今日発表したEinsteinのVision for Social Studio機能はマーケターに、言葉を探す場合と同じやり方で、ソーシャルメディア上に製品等の関連画像を探す方法を提供する。そのためにこのプロダクトは、Einsteinのとくに二つのアルゴリズム、画像分類アルゴリズムとオブジェクト検出アルゴリズムを利用する。前者はビジュアルサーチにより、製品やブランド名を画像中に見つける。そして後者は、それらが載っていた品目を同定する(例: 雑誌のページの上)。

最近のAIはとりわけ、感知や認識の能力が優れている。それは、画像の認識能力を訓練するアルゴリズムが進歩したためだ。最近では電子計算機の計算能力のコストは大幅に下がっており、そこに大量の画像をネット経由で放り込んでもそれほどの費用にはならない。そのために、大量の画像データでAIを教育訓練することが、誰にでもできるようになったのだ。

Salesforceのマーケティング担当VP Rob Beggによると、それ(画像認識とそのための訓練)は、人間よりもマシンに適した仕事でもある。“企業のマーケティングという視点から見ると、今のソーシャルメディア上のツイートやポストはものすごく多い。しかしAIは、その大量の情報の中にわれわれが求めるものを見つけることが得意だ”、と彼は語る。

彼によるとたとえば、ネット上に車に関するポストは山ほどあるが、でも今やっている広告キャンペーンと関連性のあるものは、ほんのわずかしかない。AIは、その、わずかしかないものを、簡単に見つけてくれる。

Beggが挙げるユースケースは三つある。まず、自分たちの製品を人びとがどのように使っているかが、分かること。第二に、画像中に隠れている自社製品やブランドを見つけ出すこと。そして三つめは、俳優やスポーツ選手など有名人が自社製品を使っているシーンを見つけること。

EinsteinのVision for Social Studioは、訓練により、今では200万のロゴと、60のシーン(空港など)、200種の食品、そして1000種のオブジェクトを認識できる。どの企業にとっても、はじめはこんなもので十分だ。ユーザーがカスタマイズすることは現状ではできないから、特定のロゴやオブジェクトを認識しないときは、今後の、カスタマイズ可能バージョンを待つべきだ。

Beggによると、Vision for Social Studioはマーケターのような技術者でない者でも容易に利用でき、彼/彼女にビジュアル認識ツールという新しいレパートリーが加わる。この新しい機能は、Salesforce Social Studioのユーザーなら今すぐ利用できる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ネットマーケティングのHubSpotがAIによる営業トークの効果アップを目指してKemviを買収

マーケティング・テクノロジー*のHubSpotが、人工知能と機械学習で営業を支援するKemviを買収した。〔*: たとえばソーシャルメディアへのパブリシティ活動を代行する。〕

数か月前にKemviが立ち上げたDeepGraphは、一般公開されているデータから営業のベストタイミングを見つけるデータ分析ツールだ。売り込み先の企業の、業務の変化とか、何かの記事の発表、などのタイミングに合わせて、売り込みを仕掛ける。また、今後起きることを見越して、先取り的に営業を展開することもできる。

KemviのファウンダーでCEOのVedant Misraはこう説明する: “インターネット上の膨大な量のテキスト情報から、業界や世界の最新の動向を取り出し、営業やマーケティングの能力を高めることが、うちの仕事だ”。

そしてHubSpotの側としては、同社の戦略担当常務Brad Coffeyによると、同社はそのプラットホームへのAIの導入を志向していた。彼曰く、AIや機械学習は今安易に使われているバズワードだが、Kemviは営業の人たちの現実的なニーズに対応しているので、魅力を感じた。

“重要なのは、顧客に具体的な価値を提供することだ”、とCoffeyは語る。“彼らにはそれがある。顧客が事業の成長のために必要としている情報、彼らのお客さんの心をつかむ情報、そういう情報をマーケティング部門や営業に提供できる。機械学習やAIは情報を精選するために利用するのであり、単に勉強のために導入するのではない”。

Kemviのチームは、Misraを含めて二名だ。彼らがHubSpotに入って、その技術をHubSpotのプラットホームに統合する。同時にそれと併せて、既存のKemvi/DeepGraphの顧客に対する移行プランもある。“彼らも、HubSpotとの合体を喜んでくれるだろう”、とMisraは語る。

この買収の財務的条件は公表されていない。Kemviは過去に、 Seabed VC, Neotribe Ventures, Kepha Partnersなどから100万ドルを調達している。

関連記事

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

マーケティングオートメーションのZeta Globalが、機械学習テクノロジーを下支えするためにBoomtrainを買収

David A. Steinbergと、元Apple CEOのJohn Sculleyによって設立された、マーケティングオートメーションプラットフォームのZeta Globalは、本日(米国時間7月18日)、機械学習を中心に置いたマーケティングプラットフォームであるBoomtrainを買収したと発表した。同社に近い消息筋によれば、買収価格は3500万ドルから4000万ドルの間だということだ。Boomtrainは本日の買収以前に、総額1477万ドルを調達していた。

これは創業から10年が経ったZetaにとって10件目の買収であり、本日のニュースは4月に公表された同社の1億4000万ドルのシリーズFラウンドに続くものだ。このときには同社は約13億ドルと評価されていた。

Zetaの共同創業者でCEOのSteinbergが語ったように、チームは機械学習分野を用いた自社の取り組み(既に多数の特許を所持している)の活性化を手助けできる、機械学習中心のマーケティング会社を買収することを検討していた。AdobeとMarketing Cloudのような、Zetaの競合相手たちは、明らかに同じ方向へ進もうとしている。出版業界に重点を置いていたBoomtrainを手に入れることで、Zetaはそのサービスを先に推し進めるための中核をなす企業を発見したのだ。

現在のBoomtrain製品ポートフォリオは暫くの間継続される予定だが、Steinbergが最も興奮しているのは、Boomtrainの機械学習の知見をZetaプロダクトポートフォリオ全体に使用する計画に対してだ。「私たちは、その機械学習、意思決定、マーケティングオートメーションを私たちのマーケティングクラウド全域に100%統合します」と彼は言う。「私たちにとっては大きな技術的挑戦です。私たちはこれを見たときに、これは買収なのか開発なのか?と自問しました」。

最後には、チームはスピードを十分に上げるためには、そのテクノロジーと相手チームを手に入れるしかないという結論に達した。「これまでの私たちのチームはとても素晴らしい者たちです」とSteinbergは言う。「しかし私たちは、新しいチームが、AI /機械学習の視点から、業界がどこに向かうのかという点に対する新たなビジョンを真にもたらしてくれたように感じたのです。私たちにとっては、疑問の余地なく、これはすべて時間に関わることなのです。私たちだけでは、それを進めるためには長い時間がかかり、結局のところChris(Chris Monberg。BoomtrainのCTO兼共同創業者)のような人材を雇う必要があったでしょう」。

米国とバンガロールにいる約60人のBoomtrainの従業員たちが、Zetaに合流する。現在のBoomtrainのバンガロール事務所は、Zetaのインド第3の拠点として維持される。Boomtrain自身はその顧客に代理店サービスを提供しているものの、Zeta自身はこれに焦点を当てないということをSteinbergは明言した。「私たちは代理店ではありませんし、代理店ビジネスを行いたいとも思っていません」と彼は言う。「私たちはソフトウェア企業なのです」。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

FEATURED IMAGE: OLIVER BURSTON/GETTY IMAGES

マーケティング・データのスタートアップ、SegmentがラウンドCで6400万ドル調達

SegmentがシリーズCのラウンドで6400万ドルを調達した。Y Combinator Continuity FundとGVがこのラウンドをリードした。

Continuity Fundは元TwitterのCOO、Ali Rowghaniが設立した7億ドルのファンドで、Y Combinator出身の有望なスタートアップが大きな資金調達を行う際に出資する。

出資の条件の一環としてRowghaniはSegmentの取締役に就任する。資金調達の発表の際にRowghaniは「〔Segmantは〕Y Combinator出身企業の中でも最大の成功企業の一つへと成長する道を歩んでいる」と期待を述べている。

CEOのPeter Reinhardtを含めSegmentの3人の共同ファウンダーは MITのドロップアウトでYCの2011年の夏学期を卒業したチームだ。同社のプロダクトはアクセス分析系のツールで、企業はオンラインデータをSegmentのAPIを利用して外部のマーケティングおよびアナリティクス・ツールにエクスポートし、さらに顧客データをStripe、Salesforce、Mailchimp、Zendeskなどのサービスに統合できる。

Reinhardtはこの種のマーケティング・データのインフラに対する需要は高まる一方だして次のように述べている。

「この5年間、マーケティング関連の機能を統合したツールが必要とされていると多くの投資家が主張してきた。メールやマーケティング・ツールの数は加速度的に増え続けているが、こんなことは続くはずがない。しかし実際には統合ツールよりも、それぞれの分野でベストのツールを企業側で統合的に運用できるツールの方がはるかに現実的だ。…ツールはますます個別化、細分化され、業種、地域、企業規模など特定のニッチの要求にぴったり応えるプロダクトが生まれている」

企業がますます多様なアナリティクスやマーケティングのツールを採用する状況に対して、anReinhardtは「Segmentは企業のマーケティング活動のハブとなり、顧客データ処理のプラットフォームとなること目指す」としている。

SegmentのプロダクトにはIntuit、Atlassian、Gapなどの有名企業を含め、すでに1万5000社以上のカスタマーがある。Reinhardtは「Segmentのユーザーは当初はスタートアップが多かったが、このテクノロジーを大企業に売り込むことにも大きなビジネスチャンスがあると気づいた」と語った。

ReinhardtはSegmentをサードパーティーが自社のデータを自由に利用できるマーケティング・プラットフォームに成長させたいと考えている。Segmentにはすでに200種類のツールが用意されており、そのうちの30%は社外のパートナー企業によって開発されたものだという。

今回のラウンドでSegmentの資金調達総額は1億900万ドルとなった。このラウンドには既存の投資家、Accel、Thrive Capital、SV Angel、NEAが引き続き参加した。

Featured Image: Segment

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Web全域に拡散する製品や商品の画像を企業が追跡できマーケティング貢献度も分かるShareIQのサービス

製品や商品の画像がInstagramやPinterest、Tumblrなどなどの上で今やたくさん共有されている。そこでShareIQは、そんな状況を理解し利用しようと企業やお店に呼びかける。

ShareIQのファウンダーでCEOのBrian Killenは、マーケティング企業Acxiomの企画部長だったが、ある日、某小売企業のマーケティング担当役員にこう言われた: “Pinterestや世界中のWebサイトの至るところでうちの商品の写真を見るが、その商品や製品の情報はどこにもない。消費者はその品物を、どこでどうやって見つければいいんだ?”、彼のその質問に答えるべく、KillenはShareIQを立ち上げた。

マーケティングツールとしてのソーシャル・フォト・シェアリングはCuralateOlapicもやっているが、Killenの言うShareIQのユニークさは、商品/製品の画像のWeb上の拡散状況と、それらの画像の売上への貢献具合が分かることだ。

ShareIQ dashboard

ShareIQのアナリティクス機能により、そのブランドの人気コンテンツや、そのコンテンツが獲得したオーディエンス数などが分かる。また“シェアツリー”と呼ぶ視覚化により、コンテンツの拡散に貢献しているユーザーやパブリッシャーたちが分かる。そして、競合他社や競合ブランドとの比較もできる。

製品/商品の画像を見たりシェアした人を“カスタムオーディエンス”に仕立てると、その人が今後クールな製品の写真を見たとき、それをどこで買えるかという広告ないしリンクも表示される。

KillenによるとShareIQのキモは、それが、画像と関連データを保存する新しい方法であることだ。企業ユーザーは、大規模に、高い精度と速度で、そしてとても低い費用で、ShareIQのサーバーを利用できる。その結果、毎日Web上に登場する新しいコンテンツに企業が遅れないための、インフラストラクチャになる。

これまで同社が処理した画像は、約7500億点だ。

ShareIQが公式にローンチしたのは今週だが、顧客の中にはすでに、Tommy Hilfigerがいる。ベルリン発のShareIQは、ニューヨークに初めてのアメリカ事務所を開く。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

中小企業のメールによるターゲット・マーケティングを助けるAutopilotが$12Mを調達

これまでのお客さんからもっと稼げるのに、なんで新しいお客さんを追うの?、とAutopilotはあなたに問う。同社は企業の、既存の顧客へのマーケティングを助ける。

同社はこのほど、Blackbird VenturesやSalesforce Venturesなどから成る投資団から、1200万ドルを調達した。そのほかの投資家として、Rembrandt Venture PartnersやSouthern Cross Venture Partnersも投資に参加した。同社の調達総額は、これで3200万ドルになる

CEOのMike Sharkeyはこう語る: “中小企業のお役に立ちたい。こんなターゲティング技術は、これまで費用が高すぎて中小企業は手が出なかったからね”。

しかしユーザーは、中小企業ばかりではない。およそ2300の顧客の中には、最近契約したMicrosoftやAtlassian、Lyftなどもいる。なお、同社の料金は年会費制だ。

Autopilotは、選んだターゲットに新製品やディスカウントを案内するメールを送る。その基本方針は、送るメールをなるべく少なくすることだ。Sharkeyはこう言う、“信号の強いメッセージを少なめに送ることが、集客のコツだ”。送るべき相手とタイミングは、同社のアルゴリズムが決めている。

熱心なユーザーを対象とするウェビナーやイベントも開催している。またInsightsと名付けたサービスで、顧客のマーケティング目標の追跡〜達成管理を提供している。

Rembrandt VenturesのゼネラルパートナーScott Irwinが、Autopilotに投資した理由を語る: “マーケティングにデータをどう生かすか、という大きな問題に挑戦しているからね。そして中小企業の市場は、なんといっても数が多い”。

ファウンダーはすでにスタートアップ経営の経験者で、Sharkeyはオーストラリア出身だが、スタートアップを創業してそれをHomeAwayに売ったこともある。オーストラリアのテクノロジーコミュニティと縁は深いが、兄弟たちと一緒にサンフランシスコに移ったのは、Autopilotにとって良い市場を選びたかったからだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ネット広告の効果としての物理店来店者数予測にGoogleはディープラーニングを利用

Googleは、今日行われたMarketing Nextカンファレンスで、来店計測ツールのアップデートを発表した。Googleは2014年以来、ユーザー名を取り去った位置データと状況的データを利用して、ネット広告に刺激されて物理店に来る人の数を推計してきた。今回同社は、そのツールを機械学習で強化して、考慮する要素を増やし、推計の精度を上げた。

オムニチャネルマーケティングは、今大流行のバズワードだ〔IBMにはOmni-channelという製品まである〕。これは、目立ちすぎて目ざわりな言葉であるだけでなく、マーケターにとっての重要な問題も示唆している。物理的な小売店という古い世界と、オンラインショッピングという新しい世界、この二つの世界のデータをうまく組み合わせて、今後の経営意思決定のために利用したいのだが、具体的にはどうやるのか? それがまさに、オムニチャネル(omnichannel, 全方向的な)マーケティングの課題なのだ。

Googleはこれまで、Wi-Fiの信号や位置データ、地図、計測データなどを利用して来店数を巧みに推計してきたが、でも過密都市や中高層のモールなどでは顧客の動きを掴みかねていた。そういうところのロングテールは、従来の推計テクニックになじまないのだ。

この不確実性を解決するために、Googleはディープラーニングに着目した。大量かつ多様な訓練データをディープラーニングに注ぎ込めば、もっと多様なユースケースを扱えるようになり、データの精度は上がるのではないか。

AdWrodsのプロマネVP Jerry Dsichlerはこう言う: “今は、コアの部分で機械学習を利用している。機械学習がなければ、来店数を計算できなかっただろう”。

Googleによると、わずか3年で、計算した来店者数は50億に達した。この数をもっと大きくしたい同社は、同様のキャンペーンにYouTubeやTrueViewを含めようとしている。今、ますますビデオ広告の効果が大きいから、その動きも当然だ。

YouTubeの利用を告知するにあたってGoogleはマーケターたちに、店舗売上の管理機能をデバイスとキャンペーンの両方に含める、と発表した。店頭データをAdWordsに統合すると、コンバージョンからの来客がさらに目立つようになるだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

購入決定の要因(アトリビューション)を多様なキャンペーン構成要素から–機械学習で–分析するGoogle Attribution

GoogleのMarketing Nextカンファレンスで、同社はGoogle Attributionの新たなベータを発表した。これは、さまざまなマーケティング戦略の、顧客の購入決定成果(パフォーマンス)の違いと、その寄与要因(アトリビューション)を知るための無料のツールだ。

Googleは、デバイスやマーケティングチャネルの違いを超えて、Attributionがマーケティングキャンペーンを評価するためのホームになってほしい、と期待している。そのために、戦略と広告費とフィードバックという三つの要素を結ぶ緊密なループを作り、マーケターたちにより魅力的なツールを提供したい、と同社は考えている。最近のマーケターの多くが、ラストクリックモデル(last-click models, 買う直前==最後にどこを何をクリックしたか?)という単純な分析では満足しなくなっているのだ。

アトリビューションの特効薬は、マーケティングの世界では古くからある。Adobeのような大企業だけでなく、BrightFunnel、Bizibleなどのスタートアップもかなり前から、マーケターたちが古いラストクリック・パラダイムを打破できるためのツールを開発している。

最近までは、企業と顧客との最後の接点、ラストタッチポイントを、購入決定の要因とする説が、マーケターたちのあいだで有力だった。マーケターは、この欠陥のある説に基づいて、マーケティングキャンペーンを定量的に評価していたが、でもそれは、顧客の現場の実態というよりむしろ、ヒューリスティックな推論過程だ。

しかしマーケティングの分析に機械学習を利用するようになってからは、一見互いに関連性/共通性のなさそうなさまざまなマーケティング努力の、購入決定への相対的寄与貢献をモデル化できるようになった。それは、評価の方法として従来よりずっと、提供される情報量が多い。現場の実態というものは、ビデオ広告やバナー広告、メール、そのほかのいろいろな素材や情報が共鳴し合って、顧客をコンバージョン(購入決定)へ導くのだ。すべてをソーシャルメディア上の最後の広告のせいにするのは、おかど違いである。

Googleの分析測定担当シニアディレクターBabak Pahlavanはこう説明する: “クリックがあればクリックを数えるけど、どれだけの数のコンバージョンがそのソーシャルチャネルから来ているか〔==それがどれだけのアトリビューションか〕、そっちの方が重要だ。われわれはその測度を提供する”。

[Google Attributionの仕事: 各種データの総合化→パフォーマンスの分析(異なるアトリビューションモデルの比較)→アクション(分析結果による戦略最適化)]

Google Attributionはマーケターに、彼らの努力の明確な像を提供して、より正確な費用利益分析ができるようにする。ぼく自身はまだGoogle Attributionを使ったことがないので、パフォーマンスの向上を類似ツールと比較することはできないが、Googleの優位性はパフォーマンス云々よりもむしろ、多様なアトリビューションの相乗的な効果比較にあるようだ。

Googleが強調しているのは、このツールの使いやすさと、さまざまなアトリビューション要素の統合化、そして無料であることだ。大企業向けに有料バージョンを出す計画もあるが、Google製品のスケーラビリティはそこでも強いだろう。

Googleがアトリビューションの分析評価に本腰を入れ始めたのは2014年、同社が、マーケティングの効果を測定するAdometryを買収してからだ。AdometryはただちにAttribution 360に変身して、GoogleのAnalytics 360スイートの一部になった。それから2年、ツールの再構築と単純化に努力していた、とPahlavanは語る。

Google Attributionはまだベータだが、しかし同社によると、近い将来、さらに深い展開を行うから広告主たちはお楽しみに、ということだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))