ストリーミングだけでプラチナ・アルバムになる新時代、カニエ・ウェストのThe Life of Pabloがその先頭を切った

カニエ・ウェスト(Kanye West)の最新アルバムが、ストリーミングの歴史を作った

1年あまり前にリリースされたThe Life of Pabloが、のべ15億曲以上ストリーミングされ、プラチナアルバムになった。

人気アルバムがプラチナになるのは珍しくないが、カニエのアルバムがすごいのは、有料ダウンロードなし、ストリーミングだけでこの数に達したことだ。

では、説明しよう:

アルバムはふつう、100万枚売れるとプラチナになる。しかし昨年のRIAAのガイドラインでは、その数にストリーミングの数も含む、となった。その数え方は、1曲が150回ダウンロードされたら1曲ダウンロードと等しく、そして10曲ダウンロードが1アルバムのダウンロードに等しい、となる。つまり、アルバムが1枚売れた、と数えられるためには、それの曲が1500回ストリーミングされなければならない。

そこで、ストリーミング1500回がアルバム1枚の売上に等しいわけだから、アルバム100万の売れ行きは、15億回のストリーミングと等しいことになる。それが、プラチナ評価の条件だ。

ふつう、アルバムがプラチナになるのは、ストリーミングと有料ダウンロードの組み合わせによってそうなる。有料ダウンロードが混じれば、15億回ストリーミングされなくても、プラチナになる。でもカニエは、The Life of PabloをiTunesなどで売らずに、最初はTidalに限定、その後SpotifyやApple Musicなどストリーミング-オンリーのプラットホームへ広げた

このアルバムは彼のサイトで買ってダウンロードできるが、それは最初の週の総数の1%にも達しなかった。そしてアルバムは、この売上を含めなくてもプラチナに達した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Netflixからミニシリーズ、Defendersの予告編―4人のMarvel ヒーローがこの夏ニューヨークを救う

NetflixオリジナルにMarvel Defendersが登場する。これは4人のスーパーヒーロー、デアデビル、ジェシカ・ジョーンズ、アイアン・フィスト、ルーク・ケイジがチームを組んでニューヨークを救うというミニシリーズだ。ヒーローたちはMarvelですでにそれぞれ独自のシリーズを持っているがタッグを組むのはこれが初めてだ。

公開された予告編はモノクロの監視カメラの映像仕立てなのであまり情報が豊富ではない。しかし番組の雰囲気は感じとれる。

Defendersの4人のスーパーヒーロー(残念ながらダニー・ランドのアイアン・フィストが加わっている)は力を合せて謎の悪の力からニューヨークを救うために立ち上がる。Netflixによれば8月18日からストリーミングで公開されるという。

アイアン・フィストが不評なのはこのシリーズの弱点かもしれない。特にこのミニシリーズが始まる直前にバッシングを浴びたのは不運だった。それでも他のシリーズの好調さから考えればDefendersは注目だ。予告編は短いが内容に期待させるものがあった。

〔日本版〕Netflix日本版でもDefendersは公開が予定されている。スケジュールについては情報がない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ShopifyのBurstは無料の素材写真サイト、ネット・ショップの内外装用に無難できれいな画像を集める

写真を見て、たとえば、“おっ、こいつはミレニアル世代の手作りショップのヘッダーにぴったりだね”、なんて思うことがあるだろう。誰もがネット・ショップを開けるサービスShopifyがこのほど立ち上げた素材写真サイトBurstには、そんな写真が揃っている。しかも画像はすべて使用料無料で、Creative Commons Zeroのライセンスで提供される。とにかく、自由に使える写真ばかり、ということ。

Burstにある写真は、何かの分野に偏っているわけではなく、上質で完全に無料の、クレジットなしで使える画像を大量に揃えている。写真の変更や編集も自由にできる。どの写真にも、それを撮ったアーチストのリンクがあるから、有料のサイトに使って稼ぐ気なら、ひとことご挨拶するのも悪くない。

Burstは、誰もが気軽にネット・ショップを開けるサービスShopifyの関連サービスだから、写真もそんなショップをより魅力的に見せることがねらいだ。良質な写真を簡単に見つけられてそれを無料で自由に使えることも、Shopifyのサービスの使いやすさ、使い勝手を増大させる。”horse”(馬)で検索するとなにもなかったりだから、何でもある写真集サイトではないけど、Instagramの“あこがれのライフスタイル”的な写真なら、それ的なキーワード検索でたくさん見つかる。

この写真ライブラリの真価は、なにしろ完全に無料で使い方に制約がないことだ。ユーザーの制限もない。ブロガーが自分の記事のアイキャッチに使ってもよいし、ネット・ショップが使ってもよい。こういう、個性臭や芸術臭のない、きれいで一般性のある写真は、通常の素材写真(stock photo)サイトにはなかなかない。このサイトの、見てて気持ちの良い写真を活用して、インターネットをより賑やかにしましょう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

この夏、『スパイダーマン:ホームカミング』が公開される―予告編#2公開

『スパイダーマン:ホームカミング』は7月7日〔日本では8/11〕に公開される。予告編#2が公開され、われわれはスパイダーマンの内面をさらに知ることができるようになった。マイケル・キートン演ずる悪役ヴァルチャー(アイアンマンのトニー・スタークが大富豪スーパーヒーローならヴァルチャーはそのブルーカラー版といったところ)その他の登場人物はこの映画のダークなユーモアを感じさせる。

この映画は私が考えるコミック・ヒーローの精神を巧みにスクリーンに現実化していると思う。映画は原作のキャラクターを非常によく理解している。公開が楽しみだ。それにスパイダーマンの友達がコスプレしている。

〔日本版〕スパイダーマン:ホームカミングの予告編日本語版はこちら。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Mediumが有償購読制を開始

Mediumが新しいビジネスモデルをローンチした。有償購読制(paid subscriptions)だ、これは同社が既に2月上旬のUpfront Summitでこの四半期にデビューすると発表していたものだ。今年のMediumは厳しいスタートを切った、その中にはレイオフや方針の変更なども含まれる。なので多くの有償会員を集められるかどうかが勝負ということだ。

Mediumの有償購読モデルは、独占コンテンツに対して喜んで支払いをする読者のためのもので、コンテンツに力を入れるサイトによく見られるタイプのものだ。これがMediumの有償購読制が、読者からの直接の収入を望む他のサイトとある程度共通している点だ。だが実のところ、他のコンテンツビジネスであるポッドキャストなどの方が似通っているかもしれない、こうしたモデルでは大部分のコンテンツは無償で提供し、ほんの1部の独占コンテンツだけを有償会員に提供している。

他にMediumの有償購読に参加する利点としては、新しい機能にいち早くアクセスできるというものがある。また製品の方向性に対する助言も可能だ、有償会員からの入力を、無償会員からの入力よりも重要視するのは当然だろう。

そして、有償会員はオフライン読書を行うことも可能だ、例えばどのようなデバイスにも持って行けるMedium専用Pocketなどがそれに当たる。

Mediumの創業者兼CEOのEv Williamsは、有償購読制の目的とデザインについての詳細をMedium の投稿で(!)語っている。最初に提供される新しいコンテンツは「私たちが着目するトピックの専門家たちによって、注意深く選ばれた限定ストーリー集」の読書体験だ。WilliamsはこれだけでもMediumが設定する月5ドルの価値があると言う(これは最初だけの特別価格であることに注意)。

更に、独占コンテンツもあり、Mediumは「最初の数ヶ月」の間にサインアップした人から受け取った収入は100%ライターに手渡という。その理由は、Mediumの有償メンバーシップ計画は、同プラットフォームが、クリックを追求するためではない、高い品質のコンテンツの作成に、資金を供給し続けることができることを確実にすることを意図しているからだ、とWilliamsは書いている。

ちなみに、私もサインアップしようとしたものの、メンバーシッププログラムは「現在は限定リリース」であるというメッセージが表示され、本当に利用可能になったときに通知を受け取るオプションが示された。

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(翻訳:Sako)

難解なテック用語を、比喩を用いて翻訳するSideways Dictionary

テクノロジー系の記事を理解したり、あるいは自ら執筆するような場合、もっとも大変なのは内輪でのみ通じるような言葉を理解することかもしれない。通常の生活ではまず用いることのない用語が広く用いられているのだ。

そうした状況をなんとかしようと、AlphabetのインキュベーターであるJigsawが、The Washington PostとともにSideways Dictionaryというサービスを立ち上げた。よくある辞書とは違い、徹底的に「比喩」による説明を試みているのが新しい。たとえばBitCoinをみると、「デジタル版金鉱」というような説明もある(限りある資源を掘り出して、他の資産との交換に用いることができる)。また「ゼロデイ」については「発見されたばかりの新ウイルス」という説明がある。

もちろん、比喩に頼りすぎれば意味を単純化しすぎてしまうこともある。Sideways Dictionaryもそのことを意識しており、比喩を通じて理解へのきっかけを作ろうとするのが、この辞書の目的となっている。比喩表現には、なかなか丁寧な説明もついている。さらにいくつもの比喩が列記されていることもあり、それらを通じて理解が深まることは確かにあるのだろう。

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さらに、ウェブサイトで利用するだけでなく、Google Chrome用の拡張機能も用意されている。さらにThe Washington Postのサイトにも、このSideways Dictionaryの機能が組み込まれている。

ちなみに、紹介した比喩はいずれもNick Asburyが記したものとなっている。これをみてすでにおわかりかもしれないが、利用者も自ら作った比喩表現による定義を投稿することができるようになっている。また、閲覧者はそれぞれの記述について投票することができるようにもなっている。

「技術系の用語をきちんと理解することで、身の回りで活用されているテクノロジーをより深く理解することができるようになります」と、Jigsawのマーケティング部門のヘッドであるAlfred Malmrosは言っている。「テクノロジーが生み出す素晴らしいイノベーションについても、仲間内だけで通じる用語を使って説明してしまうことで、本来の魅力を十分に伝えられないということが多くあります。そうした状況を変えるのに、Sidewaysが役に立てればと思っているのです」。

ちなみにJigsawは先月、コメント欄にあふれるゴミを浄化するためのPerspectiveなるプロジェクトも発表している。

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(翻訳:Maeda, H

Google主導のAccelerated Mobile Pages(AMP)プロジェクトをBaiduなどアジア太平洋地区の検索大手がサポート

Googleが今日(米国時間3/7)、BaiduとSogouとYahoo Japanの検索結果は直接、Accelerated Mobile Pages(AMP)へ接続される、と発表した。

2015年に発表されたAMPは、Webページの高速ロードを可能にするGoogle主導のオープンなフレームワークだ。これは通常のWebページが、Facebook Instant Articlesのような高速ロードの配布チャネルに対抗できるための手段、と考えられる。

Googleは今それを、アジア太平洋地域に普及させようとしているようだ。とくに、同社によると、BaiduとSogouを合わせて中国の検索市場の90%を握っている、という。

今朝はニューヨークで、Google主催による初めてのAMPデベロッパーカンファレンスが行われ、この発表はそのステージ上で行われた。Googleのエンジニアリング担当VP David Besbrisが行ったキーノートによると、上記のパートナーシップによって“AMPページのリーチがものすごく増加”し、一つのファイルがどの配布プラットホーム上でも同じように振る舞うというパブリッシャーへの約束が満たされることになる、という。

Besbrisは曰く、 “AMPページもWebも均質な規格だが、配布プラットホームは違いが大きい”。

すでに、Bing, Pinterest, LinkedInなどもAMPをサポートしている。Besbrisによると、LinkedInでは、AMP化した記事ページは、読者がそこで過ごす時間が通常ページに比べて10%増えた、という。またYahoo傘下のTumblrは、そのすべてのブログをAMP化する予定だ。

Besbrisによると、AMPはもともと、ニュース記事の高速ロードをねらっていたが、今ではeコマースなどそのほかの分野に拡大している。彼は、すべての表示をAMP化したメッセージングアプリまで見せたが、それもやはりAMPの本来のターゲットではなかった。彼は、“アプリケーションが利用することは考えていなかった。あくまでもコンテンツのための規格だった”、と述べた。しかし言うまでもなく、メッセージングアプリの表示出力もコンテンツの一種だ。だから、静的な記事だけでなく、いろんなコンテンツでAMPを利用できるのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

米国でのモバイルアプリ利用時間は1日5時間を突破

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© Uwe Umstätter
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Property Release: No
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調査分析ファームのFlurryによれば、アメリカ国内の利用者によるモバイルアプリケーションの利用時間は増加の一途をたどっているようだ。利用時間は1日に5時間に及んでいるとのこと。ちなみにFlurryは1月、モバイルアプリケーションの利用時間は昨年比で11%の伸びを示しているという調査結果も公表している。

5時間の利用時間というと、2015年の第4四半期比で20%の増加となる数値だ。一方で、モバイルブラウザーの利用時間の方は減少を続けている。

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ブラウザ利用時間の割合はいまや8%となっている。ちなみに2015年Q4は9%、そして2014年Q1においては14%、2013年Q1には20%を占めていた。

もちろん、モバイルアプリケーションの利用時間が伸びた原因はそれだけではない。使えるアプリケーションも増えたし、またWi-Fi環境が大きく広まったことも影響しているだろう。モバイルでの通信速度も速くなったし、またテキストメッセージや会話などといった電話の主要機能をアプリケーションが代替するようになったことにもよるのだろう。

ところでFlurryは以前、アプリケーションの利用時間がテレビ視聴を上回るまでになっていると報告していた。これはすなわち、モバイルアプリケーションが「ユーティリティ」の範疇を超えて成長していることを意味するものだ。

アプリケーション利用時間がテレビ視聴時間を超えたと報告されたのは2015年のことだった。暇な時間にも、漫然と受身的に放送される番組を視聴するのでなく、アプリケーションを利用した積極的なやり取りを行うようになっているのだ。さらにNetflixやAmazon Video、Huluなどの普及により、アプリケーション依存が一層深まっているわけだ。

メディアならびにエンターテインメント系アプリケーションの利用時間が15%を占めるようになっていることからも、テレビの役割がアプリケーションに移りつつあることがわかると思う。

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なお、Flurryの調査によれば、ソーシャルメディア、Snapchat(単独で2%の割合を占める)などのメッセージングアプリケーション、メディアおよびエンターテインメントなどをあわせると、利用時間の51%に達するのだとのこと。

Snapchatの人気は相変わらず高いようではあるが、WhatsAppやInstagramを傘下におくFacebookが、やはり19%と大きな割合を占めている。Facebookとの差は大きいとはいえ、しかしSnapchatはYouTubeの3%に迫る利用時間割合を占めるまでにはなってきている。

FacebookやSnapchatを除いた、その他のメッセージングおよびソーシャルアプリケーションの利用時間は12%の割合となっている。

もちろん、こうして利用時間を増やしつつあるアプリケーションもあれば、減らしているものもある。たとえば「ゲーム」アプリケーションだ。

ゲームアプリケーションは、当たれば金になりやすいのは間違いのないところだ。しかし、ゲームアプリケーションの利用時間割合は減りつつある様子。たとえば、Appleによれば2017年の1月1日は、過去最高の売り上げを達成した日であった。

しかしゲームジャンルについてみると、2年連続で割合を減らしてしまっているのだ。いまでは、アプリケーション利用時間の11%程度になっているとのこと。

アプリケーション利用時間の増加にともない、広告業界ももちろん影響を受けている。すなわちテレビ広告が、アプリケーション内広告にシフトするようなことも起きているのだ。アプリケーション方向へのシフトは、DirecTV Now、Sling TV、YouTube TVなどのサービスが広まるにつれて加速している。Flurryは、こうした動きはますます進むこととなり、テレビ視聴時間はさらに減少することになるだろうと予測している。

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(翻訳:Maeda, H

AIが作曲をするAmperが$4Mを調達、訓練次第でAIも本物の創造力を持つ、とファウンダーは主張

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AIで作曲をするAmperが、400万ドルの資金調達を発表した。

このラウンドはTwo Sigma Venturesがリードし、Foundry Group, Kiwi Venture Partners, および Advancit Capitalが参加した。Amperはこの前、Brooklyn Bridge Venturesから資金を調達している。

このスタートアップを作ったDrew Silversteinは映画音楽の作曲家だから(ほかにSam EstesとMichael Hobeが協同ファウンダー)、自分の仕事を奪いそうなプロダクトを作るはずがない、と思うかもしれないけど、Silversteinの考え方は違う。

彼によるとAmperは、コマーシャルやネット上の短編ビデオなどにつける“実用的な”音楽を、はやく、安価に、そして無権利で作る方法だ。これまで、そういう種類の音楽は、既存の権利切れの曲を利用していた。Silversteinは以前、そういう方面から作曲を頼まれたこともあったが、あまりにもギャラの提示額が小さすぎた、と言う。

“弊社の会社としての信条は、未来の音楽が人間とAIのコラボレーションで作られる、ということだ”、と彼は語る。“しかもそのコラボレーションによって、創造性は一層強化される。コンピューター自身も、訓練次第で本物の創造力を持つだろう”。

1年前の本誌主催Startup Battlefieldで優勝したJukedeckをはじめ、AIを利用する作曲システムはほかにもいろいろある。しかしSilversteinが唱えるAmperの差別化要因は、創造性なのだ。

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彼は、“コンピューターが新しい画期的なアイデアを生み出したという例はまだないけど、人間とコラボレーションできるAmperはそれにいちばん近いだろう”、と言う。

Amperで曲を作るときには、まず、ムードと長さとジャンルを指定する。最初の作品は、数秒で返ってくる(その時間は曲の長さにもよる)。次は、人間がその曲を磨く。たとえば、特定の楽器をなくしたり、あるいは新たに加えたりする。

AmperはAPIを公開しているので、デベロッパーや企業は自分のアプリに作曲機能をもたせられる。もっと大規模な作曲も、やらせることができる。Amperの創造性はそうやって世界中に感染が広まる、とSilversteinは比喩的に言う。

でもそれは、一体どんな音楽なのだろう? 下にそのサンプルがある。SoundCloudには、もっとたくさんサンプルがある

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

YouTubeの1日当たり視聴時間、10億時間の大台に

A picture shows a You Tube logo on December 4, 2012 during LeWeb Paris 2012 in Saint-Denis near Paris. Le Web is Europe's largest tech conference, bringing together the entrepreneurs, leaders and influencers who shape the future of the internet. AFP PHOTO ERIC PIERMONT        (Photo credit should read ERIC PIERMONT/AFP/Getty Images)

数十秒、数分といった短いビデオでも積み上げればたいへんな時間になる。YouTubeにアップされたビデオは平均的には短い。しかしトータルの1日当たり視聴時間は10億時間の大台に乗ったという。これはユーザー1人当たりYouTubeを毎日8.4分間見ている計算になる。

これを実感と比較してみるとこういうことが言えそうだ。鍵穴から部屋を覗くようなせせこましいYouTubeのビデオを何時間にもわたって視聴する「スーパーユーザー」は決して珍しい存在ではない。われわれ平均的ユーザーはあちこち数分ずつしか見ていないが、それらを合算するととてつもない時間になるらしい。ともあれ友達がFacebookでYouTube動画をシェアすることはよくある。アカデミー賞のセレモニーで大しくじりがあったと皆が話していれば話題に遅れないために見に行ってしまうことになる。

Googleによれば、10億時間のビデオを1人で見ようとすればプレイリストの再生時間は10万年になるという。しかし―上の計算のように―世界がますますインターネットでつながるようになっているため平均的なユーザーの視聴時間はそれほど長くはならない。とはいえ、YouTubeがメディアのメインストリームに確固たる地位を占めていることを示す大きな数字であることは間違いない。Facebook始め、ビデオ市場でそれぞれ分け前を得ようとしてるプラットフォームはいっそう努力する必要があるだろう。

画像: ERIC PIERMONT/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Amazonの‘Manchester by the Sea’と‘The Salesman’が三つのアカデミー賞を獲得

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今年のアカデミー賞授賞式は異例ずくめだったようだが、ビッグニュースもある。Manchester by the SeaThe Salesmanという、どちらもAmazon Studiosが配給した二作が、三つのアカデミー賞を取ったのだ。

授賞式のホストJimmy KimmelがMCの冒頭で、AmazonのCEO Jeff Bezosに関するジョークで笑いを取ったぐらいだから、一般的にもそれはビッグニュースだったのだ。

Manchester by the SeaではCasey Affleckが(セクハラの疑惑にもかかわらず)主演男優賞を取り、さらにKenneth Lonerganが脚本賞を取った。Amazonが作品賞にノミネートされたのも、これが初めてだ

The Salesmanは、外国語映画賞を取った。イランのAsghar Fahadi監督は、ドナルド・トランプ大統領の入国禁止令に抗議して、授賞式を欠席した。賞は代わりに宇宙飛行士のAnousheh Ansariが受け取り、彼は、“アメリカへの移民の入国を禁ずる非人間的な法”を非難するFahadiの声明を代読した。

Netflixも、手ぶらでは帰らなかった。同社のThe White Helmetsが、短編ドキュメンタリー賞を取った。

受賞者受賞作一覧

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

「偽ニュース」とは一体何で、何が問題なのか

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アメリカ新大統領を含め、誰もが「偽ニュース」について話しているような気がしないだろうか。過去数ヶ月のGoogle検索のデータを見れば、その様子は一目瞭然だ。しかし、そもそも偽ニュースとは一体何を指しているのだろうか?

読んで字の通り、偽ニュースとは全くの作り話で、通常トラフィックや広告収入、または政治的思想の拡散(もしくはその両方)を目的につくられている。

ニュースの捏造自体は昔からあるが、Facebookを筆頭としたソーシャルメディアの登場以降、偽ニュースが拡散力を持ち、ある種のビジネスモデルとして成立してしまったと考えられている(一体誰が偽ニュースを拡散しているのかというのは、未だにハッキリわかっていない)。

BuzzSumoの調査によれば、2016年最大の偽ニュースは、オバマ前大統領が学校での「忠誠の誓い」を禁じたというもので、この偽ニュースにはFacebook上で200万件以上ものリアクション(シェア・コメント含)があった。そのほかにも、ローマ法王フランシスコがドナルド・トランプを支持しているというものや、トランプがアフリカとメキシコ行きの片道チケットを無料配布するといった偽ニュースに対して、何十万という数のリアクションがあった。

偽ニュースの影響

上記のような偽ニュースが拡散するのをFacebokが放置していたため、ドナルド・トランプが大統領選で勝利をおさめたという議論もなされていた。その対策として、Facebookはユーザーが偽ニュースをみつけた際に、フラグを立てたり、削除したりしやすくなるような仕組みを新たに導入した。

誤解のないように念のため記載しておくと、スタンフォード大学に勤める経済学者のMattew Grentzkowとニューヨーク大学のHunt Allcottが共同で行った研究の結果、ソーシャルメディアが大統領選に及ぼした影響は騒がれている程ではなく、未だにテレビの影響力の方が大きいということがわかっている。

とはいっても、偽ニュースが実際に問題を引き起こしたケースもある。ワシントンDCのレストランComet Ping Pongの地下に存在するとされた児童買春組織と、ヒラリー・クリントンを結びつけるような都市伝説が広まった結果、アサルトライフルを持った男がComet Ping Pongに現れたのだ。

それでは、偽ニュースを止めることはできるのだろうか?それとも、本当の話と嘘の見分けがつかなくなるくらい、偽ニュースは今後も広まり続けてしまうのだろうか?ひとつ良いニュースとして、問題が大きくなったことで、Facebook以外にも発言力を持った人や企業が解決策を模索しはじめた。

Interactive Advertising Bureau(オンライン出版・広告企業の業界団体)で社長兼CEOを勤めるRandall Rothenbergは、テック企業やメディアに対して「積極的に嘘や不正、犯罪行為、憎悪に関する記載を削除していこう」と呼びかけた。既にこの波に乗り始めた企業もいて、Googleは偽ニュースサイトの撲滅に向け、2016年Q4だけで200社ものオンライン出版社を同社の広告ネットワークから締め出した

Truman Waving "Dewey Defeats Truman" Headline

トランプ大統領の登場

そんな中、偽ニュースという言葉自体が変化を遂げ(もっと率直に言うとまく利用され)、トランプ大統領がThe New York TimesCNNのことを「偽ニュース」だと表現した頃に、このトレンドはピークを迎えた。

The New York TimesやCNN、そのほかの出版社や報道機関も批判の余地がないわけではないが、トランプが言っているのはそういうことではない。彼は、もともと読者を騙すような怪しいウェブサイトを指すのに使われていた「偽ニュース」というラベルを、乱暴にも長いジャーナリズムの歴史を持つ組織に無理やり貼り付けようとしたのだ。

「偽ニュース」という彼の叫び(そして対照的なKellyanne Conwayの「Alternative Facts」という発言)を利用して、トランプ政権はアメリカ国民に極めてシンプルなメッセージを伝えようとしている。それは、彼がこれまでに何度も繰り返している、メディアではなく「私を信じてくれ」ということだ。

トロールたちへ:あるポストの内容に同意できないからといって、そのポストは「偽ニュース」にはならない。

次第に「偽ニュース」は「クリックベイト/釣り記事」と同義化し、「自分が気に入らないニュース」とほぼ変わらないような存在へと成り下がろうとしている。実際にWashington PostのMargaret Sullivanは、「偽ニュース」という言葉があまりにも間違った用法で「汚染されて」いるため、いっそのこと使うのをやめて「その代わりに嘘は嘘、捏造は捏造、陰謀論は陰謀論とそれぞれの名前で読んではどうでしょう」と提案していた。

(過去にSullivanがパブリックエディターを務めていた)The New York Timesは彼女のアドバイスに従っているようで、他のメディアも恐らく追従していくだろう。しかしこの動きに効果はあるのか?もしかしたらさらに分断化が進み、パルチザンとしての目線でニュースを読むことになるかもしれない。しかし、もしそうなったとしても、嘘が嘘であることに変わりはない。

読者全員がファクトチェッカー

何を信じれば良いのか分からなくなってしまったニュースの読者には、この記事の議論を通して、ニュースは人がつくっている、という単純かつ不変の真実を理解してもらいたい。誠実で信用できるメディアもあれば、そうでないものも存在し、誰もが間違いを犯す可能性がある(TechCrunchの読者であればよくお分かりだろう)。さらにリベラル派もその影響を受けやすいのだ。

だからこそ、いつもどこか疑いながらニュースを読むべきなのだ。言い換えれば、反射的に全てのメディアを拒否するのではなく、批判の精神を持って、間違いやバイアスや嘘が含まれている可能性を認識しつつ、自分の主義に沿わないような事実や理論にもオープンであり続けることが重要なのだ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

あくまでもパブリッシャープラットホームにこだわり続けるEv Williams、新装Mediumで有料購読制に挑戦

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MediumのCEO Ev Williamsが今日(米国時間2/2)Upfront Summitで、今四半期中に消費者向けの有料購読制プロダクトを立ち上げる、と発表した。つまり、広告にプラスしてそのほかの収益源を得たい、という意味だ。Mediumは50名のレイオフを決定、ニューヨークのオフィスを閉鎖、そして先月は新しい方向性を発表したから、強力な収益源を見つけることが急務だ。

Evはそのプロダクトを“Medium体験のアップグレード”と呼び、ローンチしたらぜひ購読を、と呼びかけている。彼によるとレイオフはこの有料購読制への移行の一環であり、その前には大手のパブリッシャーたちに広告込みでの参加を働きかけていた。レイオフの時点でEvは、新しい方向性について、“それがどんな形のものになるのかを言うのは時期尚早”、と言っていた。しかし今や、それが徐々に見えてきたようだ。

彼の発表と説明に対して、拍手が起きた。下の短いビデオをご覧いただきたい:

新装開店したMediumが十分な数の有料購読者を獲得できれば、彼の最初の目標であった、パブリッシャーの新しいビジネスモデルの構築も、夢ではなくなるだろう。読者は昨年300%増えたから、購読制に向けての下地は十分にある。既存の読者は有料制に戸惑うかもしれないが、複数のパブリッシャーを集積したプラットホームなら、進んで購読するかもしれない。

2011年に創業されたMediumはこれまで1億3200万ドルを調達し、そして今度こそ、その投資を前向きに活かそうとしている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

KickstarterがライブビデオストリーミングのHuzzaを買収して募金者と支援者のリアルタイム対話を推進

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今朝(米国時間2/1)はKickstarterから二つのニュースが飛び込んできた。最初のは、このクラウドファンディングサービスがカナダのビデオストリーミングサービスHuzza買収したという発表。昨年11月には両社共同で、ライブのストリーミングKickstarter Liveをローンチした。それは、クリエイターたちが彼らのコミュニティとダイレクトにコミュニケーションするチャネルを築き、リアルタイムでフィードバックを得る、という仕組みだ。

Kickstarterによると、このように、ライブのストリーミングビデオ(+リアルタイムの会話)を併用すると、資金募集キャンペーンの平均成功率が従来の倍の74%にアップした。まあ、ライブの対話的ビデオストリーミングに多くの人が参加するのは、それだけそのクリエイターへの関心が高い、ということだけどね。それはともかく、HuzzaはKickstarterにとって二度目の買収だ。最初のは昨年3月に、音楽コミュニティサービスDripを買収した。

この買収によってHuzzaのファウンダーJustin WomersleyとNick Smitがスタッフに加わり、Kickstarter Liveを運営していく。そしてもうひとつのニュースは、Kickstarterは初めての国際的なオフィスを地元のバンクーバーに開き、今後多くの技術者とデザイナーを雇用してそこにもチームを作っていく。同社はすでにバンクーバーでの求人広告を、そのサイトに載せている。

Huzzaの既存のサービスは今月末で終了し、チームは全員がLiveに注力していく。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

女子のトレンド発信源にーーC Channelがリアルイベント「SUPER C CHANNEL」を今春開催

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スマホで情報がすぐ手に入るようになったが、実際に手に触れたり、体験したりすることで楽しめるものも多いだろう。10代や20代女子向けにファッションやメイク情報などを発信するC Channelも、オフラインで「体験」を提供する場を用意するようだ。C Channelは4月1日、2日に東京国際フォーラムで「SUPER C CHANNEL」を開催する。

ご存知の方も多いかと思うが、C ChannelはLINE元代表取締役の森川亮氏が立ち上げた動画ファッションマガジンだ。C Channelの動画はアプリの他に、FacebookやLINE、Instagramなどでも配信する分散型メディアの形を取っている。現在C Channelは、台湾、タイ、インドネシア、韓国、中国にも進出し、月間の動画視聴者数は約2億5000人、月間再生数は5億回に上るという。

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「SUPER C CHANNEL」は、C Channelで流行ったコンテンツをユーザーが実際に体験できるイベントと森川氏は説明する。イベントでは、C Channelで動画を配信している個人ユーザーの「クリッパー」やタレントと直接会えたり、ヘアメイクを体験したり、恋愛講座を受けたり、企業の最新商品などを試したりできる体験型のコンテンツを多数用意している。

イベントに先駆け、C Channelのアプリにはイベントでも使用できるポイント機能を追加する予定と森川氏は話す。ユーザーはブースを訪れたりすることでポイントを集めることができ、そのポイントを他のコンテンツを視聴したり、体験したりするのに利用できる。例えば、ポイントで視聴できるイケメン動画やオリジナルドラマなどを準備しているそうだ。また、C Channelからスターとなる人材を発掘し、応援できるコンテンツも用意し、4月のイベントではそうしたC Channel発のスターが登場するステージなども企画しているという。

またC Channelは、企業にとってもオンラインとオフラインの双方で、10代や20代女子との接点になるプラットフォームを目指すという。これまで多くの企業は、10代や20代女子にリーチするのにテレビや雑誌広告を使用してきたが、C Channelではこのデモグラフィックに向けた的確なターゲティングが可能という。C Channelでは企業に動画広告とコマースの商品を提供しているが、そのどちらも順調に伸びていると森川氏は説明する。C Channelの動画広告は、YouTubeのように見たい動画の前に広告が流れるというのではなく、広告自体をコンテンツとして楽しめるため回遊率が高く、ブランドリフトの効果があるという。すでに50社近くの動画広告を手がけたそうだ。また、昨年末から「ショッピング」の専用カテゴリー内で商品を動画で紹介し、購入から決済までがアプリ内で完結するコマースの仕組みを取り入れた。このコマースも、事業の柱として確立しつつあるという。

イベントでは企業と協力し、ブースやワークショップを用意すると森川氏は話す。企業は出展することで10代、20代女子に商品を訴求したり、テストマーケティングを行って意見を取り入れることができる。「これまではアナログからデジタルに行くという流れでしたが、今は、デジタルで先に知って、そこからアナログな場で、より深く浸透するという流れに変わってきています」と森川氏は話す。イベントはそうしたユーザーがアナログに企業のサービスやプロダクトを「体験」できる場にしたい考えだ。

イベントの様子はC Channelでも配信する。「C Channelの動画を見て、イベントで実際に体験し、それをまたC Channelで配信して楽しむという流れが生まれるよう準備しています」と森川氏は話す。C Channelはオンラインにとどまらず、オフラインでも新たなトレンドやムーブメントの発信源となることを目指すと森川氏は話している。

トランプの就任式、ビデオストリーミングの新記録を達成

WASHINGTON, DC - JANUARY 20:  Supreme Court Justice John Roberts (2L) administers the oath of office to U.S. President Donald Trump (L) as his wife Melania Trump holds the Bible and son Barron Trump looks on, on the West Front of the U.S. Capitol on January 20, 2017 in Washington, DC. In today's inauguration ceremony Donald J. Trump becomes the 45th president of the United States.  (Photo by Drew Angerer/Getty Images)

泣いた人も喝采を送った人もいるだろうが、どちらの側も多くの人々がトランプ大統領の就任演説を見たようだ。事実、これまでの記録を更新した。このイベントは、コンテンツ配信ネットワークのAakamaiがこれまでに配信した単独ニュースイベントとして最大だったと、ライブビデオデータを分析した結果同社が発表した。

Akamaiによると、就任式のビデオストリーミングは、トランプ大統領の演説が始まった12:04 ETにピークとなる8.7 Tbps[テラビット毎秒]を記録し、就任宣誓開始時の7.9 Tbpsを上回った。これまでの記録は先の大統領選挙投票日(2016年11月8日)夜の7.5 Tbosだった。

もちろんこれは何ら驚きではない。トランプの就任式は昼間のイベントであり、多くの人が職場のパソコンやモバイル端末でライブストリーミングを見たに違いない。投票日のライブストリーミングのピークは夜だったが、その時多くの人が家のテレビで見ていたので、それも数字に影響を与えた可能性がある。

Akamaiはこの新記録を歴代の出来事と比較すべく、2009年の就任式の1.1 Tbpsと、ロイヤルウェディングの1.3 Tbpsとい数値を挙げた。しかし、何年も前のライブビデオデータを見ることは意味のある比較とは言えない。、

shutterstock mobileあれ以来すべてが変わった。例えばHDビデオストリーミングが普及したことで要求されるデータ転送量が増え、ライブビデオの視聴者も急増した。

後者には多くの要因がある。モバイル端末をほぼ誰もが持つようになり、ブロードバンドやモバイル通信の速度も上昇した。例えば米国の平均接続速度は2009年の就任式当時は4.1 Mbpsだった。Akamaiの2016年Q3のインターネット状況レポートでは15.2 Mbpsだった。

加えて、この種のコンテンツを見られるビデオサイトやサービスも増えた。このことは、従来のテレビ視聴を離れ、オンラインで過ごす時間が増えている「コードカッティング」と呼ばれる現象とも一致している。

それでも、今回の就任式は最近の他のイベントと比較しても抜きんでている。例えば2016年のユーロサッカー大会決勝は、ピークが7.3 Tbps、リオオリンピックの体操女子団体決勝が4.5 Tbpsだった。

「今回の大統領就任式は、昨年来当社が配信するオンラインビデオストリーミングが記録更新を続ける中でも最高の記録だった」とAkamaiの執行副社長・メディア担当ジェネラルマネージャー、Bill Wheatonが声明で述べた。「オンラインでビデオを見る人が今までになく多くなり、使われるデバイスの質も向上している」。

世界最大級のコンテンツ配信ネットワーク(CDN)サービスプロバイダーとして、Akamaiにはこの種のライブビデオトレンドの先を見る目がある。同社の顧客には世界トップクラスの放送局15社がいて、ライブストリーミングにAkamaiのサービスを使っている。言い換えれば、このネットワークで新記録を出したということは、重要なイベントだったと言ってよい。

またAkamaiによると、大統領就任式の間、米国ユーザーへのメディア、エンターテイメントのトラフィックは、直前の2日間に比べて6.4倍にも増えた。

しかし、Wheatonが声明でも指摘しているように、トランプ就任演説の数字は、ビデオ消費の成長トレンドによるところが大きく、他の大統領と比べた人気を表わすものではない。それでもこの記録的な視聴者数は、トランプ支持者だけでなく、両方の側の人たちがライブストリーミングしたことを意味しており、このイベント自身のニュース価値を表している。

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AmazonがAmazon Channelsに自主チャネルを創設(最初はアニメ専門チャネル)…テレビビジネスをディスラプトか

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Amazonが、HBOやShowtimeなどのパートナーのビデオコンテンツをオンデマンドで提供していたAmazon Channelsに、初めての自己ブランドによる会員制のチャネルを加える。これまで同社はAmazon Prime Videoのライブラリやビデオオンデマンドの提供物の充実に力を入れてきたが、今回初めてそのための自社チャネルを作るのだ。

Varietyの記事によると、Amazonは今後、このような独自チャネルを増やしていくそうだが、しかし今回のAnime Strikeは、Amazon ChannelsでアメリカのPrime会員に提供される唯一のAmazon自身によるビデオ選集だ。会費は月額4ドル99セントだが、最初の一週間は無料、広告はなく、その豊富なライブラリには現在放送中の連載アニメ“Scum’s Wish”や“Blue Exorcist: Kyoto Saga”などの同時公開ビデオも含まれている。

ライブラリは毎週アップデートされ、アニメを選んだのは、AmazonのVP Michael PaullがVarietyに語っているところによると、ファンが多いわりにはアメリカでは提供サイトが少ないからだ。Netflixにもアニメの大きなライブラリがあるが、しかし既存のテレビプロバイダーの多くが、あまり経済性(費用対利益)が良くないとして、無視しがちなジャンルだ。

Amazonは今後数か月で、このような自主チャネルを増やし、さまざまなジャンルをカバーしていく。その詳細はまだ発表されていないが、ケーブルテレビのような(見たくないものも多くある)抱き合わせ配信ではなく、単品を中心とする新しいテレビビジネスを作り、その会費売上を伸ばしていくつもりのようだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

映画見放題のHuluに『ラマになった王様』などディズニー作品50本がやってくる

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Huluは動画配信サービスでNetflixと激しくシェアを奪い合っているが、このほどディズニーと新たなライセンス契約を結んだことを発表した

新しい契約によりHuluはユーザーに対して相当数のディズニー映画の新作を独占配信する権利を得た。 今後数ヶ月の間に公開されるディズニー映画は合計50本に上る。これには『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』、『ムーラン』、『ポカホンタス』、『ヘラクレス』、『リロ・アンド・スティッチ』、『ターザン』などの人気作品が含まれる。

『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』、『ムーラン』、『ポカホンタス』、『ヘラクレス』に加えて『天使にラブ・ソングを…』、『Air Bud』はすでに公開されている。

2017年に公開が予定されているのは『コン・エアー』、『ステップアップ』、 『60セカンズ』、『パール・ハーバー』、『ロミーとミシェルの場合』、『飛べないアヒル』、『リロ・アンド・スティッチ』、『ターザン』、『ラマになった王様』、『マペットの宝島』、『プリンセスと魔法のキス』などだ。

ディズニーはHuluの30%の株主であり、ディズニー・ABCテレビが権利を持つコンテンツの一部はすでにHuluで配信されている。これにはDisneyのテレビ向けチャンネルのコンテンツも含まれる。

今回のHulu-ディズニーの独占ライセンス契約により、Disneyのコンテンツは複数のサービスに分割されることになる。今回の契約に先立って、2012年にNetflixはディズニー、ウォルト・ディズニー・アニメーション、マーベル、ピクサー、ルーカスフィルムなどのディズニー・グループの製作になる映画を配信する権利を得たことを発表している。 配信の期間、内容はケーブルテレビのHBOと同様。

Netflixは今年5月にこの契約をユーザーに告知した。コンテンツのストリーミングはこの秋から開始されている。【略】

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

動物専門のビデオサイトThe Dodoは1か月で10億ビューを稼ぐ、テレビ用コンテンツにも進出

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動物のビデオが好きな人って、すごく多いよね。

動物ビデオ専門のサイトThe Dodoによると、11月の視聴回数は10億回、1月(8000万)に比べると10倍以上の成長だ。

The Dodoは、配信(distribution)メディアに徹している。つまり同サイトのビデオの大半は同社のWebサイトからオリジナルとして送信されるのではなく、Facebookなどのソーシャルメディア上にある。社長のYuJung Kimによると、今月はSnapchatも加えた。だから12月はビュー数がさらに増えるだろう。

Kimはこう語る: “うちのビデオ一本の平均ビュー数は260万だ。だからうちは、平均で10万ぐらいしか行かない動物面白話(ストーリー)やGIFの画像は扱わない。ビュー数2億ぐらいの、ヴァイラルなヒットが数本発生した月は、総ビュー数が軽く10億にはなる。ビデオは、ビュー数を効率的にそして安定的に稼げる”。

“効率的で安定的”とは、どういう意味だろう? Kimはこれまで、ソーシャルメディア上のパブリッシャーの多くが、同じ間違いを犯している、と感じた。たとえば、“冒頭にすごいショットを置いて惹きつける”、とか。でも彼女が言うには、重要なのは人びとの心に共鳴するような動物のお話を見つけることなのだ。

“うちのビデオは最初から、共有されることをねらっている”、とファウンダーのIzzie Lerer〔Buzfeedの会長の娘〕が付け加える。“そのためにはパンチが必要だし、もっと重要なのは、見る人にとっての‘意味’が何かあること。自分が飼った犬によく似た犬のビデオとか、孤児になった象の赤ちゃんとか、人が動物に感情移入できるビデオが重要ね”。

The Dodoはしかし、時流ネタも無視しない。たとえば最近6600万ビューを稼いだビデオは、“Donald Trumpが嫌いなペット”だ。

しかしThe Dodoのビデオはほとんどがよそにあるから、収益化は難しい。Kimは、今は収益化よりも成長を重視、と言うが、でもいずれは、独自の何かうまい方法を装備する必要があるだろう。

今では、Group Nineという大きな組織にも属している。それは、Thrillist, NowThis Media, Discoveryのネットワーク版であるSeeker, The Dodoなどの合併により最近できた企業だ。Group Nine全体で10月のビューが35億だった。The Dodoは今でも独立ブランドだが、この合併の結果、テレビのためのコンテンツも企画するようになっている。

https://www.facebook.com/92ca266a-d79b-4221-ac1d-e57f8f41d2da

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

『ブレードランナー 2049』予告編ついに公開―ゴズリングがフォードと対決する

映画『ブレードランナー』の続編の公開が次第に近づいている。いよいよ公式予告編の発表となった。 ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の新作は今やSF映画の古典となった1982年製作のオリジナルの雰囲気をよく再現しているようだ。加えてライアン・ゴズリングとハリソン・フォードの対決も見られる。

『ブレードランナー 2049』(Blade Runner 2049)のアメリカ公開は2017年10月6日が予定されており、ライアン・ゴズリング、ハリソン・フォード、アナ・デ・アルマス、ロビン・ライト、ジャレッド・レトらが出演する。舞台はオリジナルが描いた事件が起きた30年後。ゴズリングが演じるブレードランナーがハリソン・フォードを追って長く隠されていた謎に挑む。

オリジナル作品は強い実存的不安をかき立てるエンディングだった。続編がこの点をどう扱っているのか興味がもたれるところだ(予告編ではまったく見当がつかない)。そもそも続編がこれに答えるような映画になるのかどうかも含めてわからないことだらけだ。しかし一瞬ではあるものの、予告編に映るシーンから察すると、われわれの期待を裏切らない作品になっていそうな予感がする。

〔日本版〕製作者、出演者以外の内容についての情報はまだ非常に少ないが、日本での公開は2017年11月予定という。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+