ポルシェ初の電気自動車Taycanのインテリアは911を彷彿させる

Porsche(ポルシェ)が完全な電動自動車であるTaycan(タイカン)の9月4日デビューを前に、インテリアを公開した。ボタン類などごちゃつくものはすべてなくなっている。現代デジタル時代にふさわしい、こざっぱりとしたインテリアだ。

同社は8月22日、インテリアのいくつかの画像を公開した。今週初めに、TechCrunchは他の多くのメディアとともにインテリアを間近にし(まだ明らかにできないことも含め)、インフォテイメントシステムを触る機会を得た。

ポルシェはたくさんのスクリーンを搭載してそれで終わりとはしなかった。以下に詳細と、何が抜きん出ているかを挙げる。

911デザインを踏襲

一見すると、ダッシュボードではデジャブ感があるかもしれない。それは間違っていない。

デザイナーは1963 Porsche 911にダッシュボードのインスピレーションを得ている。下の図を見れば、それは明らかだろう。

このインテリアにおける911のDNAは明白だ。しかし単にリバイバルさせただけではない。上部と下部のダッシュの間にあり、シート側に向かって伸びる水平なデジタルスクリーンを含む、独自のデザインストーリーを持った現代的な車両だ。

中央に位置するコンソールは水平方向に置かれた中央のスクリーンまで伸び、そこからさらに2つの送風口まで続く。メカニカル的にはルーバーは動かない。その代わり、送風は中央スクリーンの下にある8.4インチのタッチパネルを介してデジタルでコントロールされる。このタッチパネルには空調コントロールシステムが搭載され、タッチに反応するトラックパッドも備える。

タッチパネルの下には財布やスマホを置ける平らなスペースがある。2つのカップホルダー、そしてワイヤレス充電とUSBポート2つが装備されたストレージが中央コンソールにくる。

Porscheのデザインチームはドライバーを重要視していると繰り返しTechCrunchに語ってきた。それが実際に形になった格好だ(デザインチームはインターフェースに3年半費やした)。しかし、乗車する人向けの機能も数多く搭載されている。運転席からは全てが手の届く範囲にあり、絶えず中央のディスプレイを見る必要はない。Nuanceによる音声機能では、「Hey Porsche」というトリガー、または単純に中央ディスプレイの音声ボタンやハンドルについている専用ボタンを押して起動できる。

デジタル計器類のすべてはミニマリストなデザインとなっている。計器類を有するこの独立したパネルは少しカーブしている。興味深いことに、反射を防ぐためによく使用される標準のカウルリップはない。代わりにPorscheは偏光フィルターでコーティングされたガラスを採用した。

16.8インチの計器ディスプレイの中には情報を表示する3つの丸い計器がある。運転者は、情報をどの計器で表示するかカスタマイズできる。運転者はまた「ピュアモード」で流線的な外観にするために情報の表示をしないこともできる。

このピュアモードでは、速度やナビゲーション、交通標識認識(最高速度がわかる)といった必須情報が表示される。インテリアをよりミニマリストな外観にするピュアモードは、すでにTaycanを予約しているような人にとっては便利で楽しめる機能かもしれない。

おそらく最も実用的な機能の1つが地図モードだろう。このモードでは中央のパワーメーターが地図に変わる。そして「フルマップモード」にすると本当に使えるものになる。TechCrunchがポルシェの北米本社を訪れた時、インテリアの写真を撮るのは許可されなかったので、読者は計器のところの大半をデジタル地図が占めている様子を想像してほしい。

最後に、メインの計器の左右にライトやキャシー機能を操作するスクリーンの端に小さなタッチコントロールの部分がある。これらのボタンの一つは運転者が操作をカスタマイズできるトリガーキーだ。

Porsche 918と同じシフトスイッチ

インテリアをざっと見ると、クラシックなトランスミッションシフトのセレクターレバーが中央コンソールにないのにすぐに気づくだろう。ハンドルの右側と計器の方を見ると、そこにコンパクトなトランスミッションのシフトスイッチがある。これはPorsche 918と同じ作りだ。

Taycanにはいくつかのスクリーンが搭載されている。デジタル計器類の部分が10.9インチの中央ディスプレイになっているだけではない。その下には空調やデジタルトラックパッドを備える傾斜したスクリーンもある。

中央のスクリーンから右側にいくとそこには助手席に座る人向けのディスプレイがある。PorscheのディレクターOliver Fritz(オリバー・フリッツ)氏によると、助手席用ディスプレイは運転手1人のみの乗車のときにはオンにすることはできない。

ポルシェは助手席用ディスプレイにビデオをストリーミングすることを試みている。この機能は、納車が始まる年末前に利用できるようにはならないが、将来ソフトウェアのアップデートで提供されるかもしれない。さしあたって同社は、運転者がスクリーンを見ることができないようにする技術をテストしている。フリッツ氏は、ビデオストリーミングはまだテスト中であり、運転者がスクリーンを見ることができないことを確かめてからでなければ展開しない、と強調した。

ダークモード

ポルシェのデザイナーは、計器部分やインフォテイメントシステムでダークモードをデフォルトにした。白いバックグラウンドにも変えられるとしている。ただ、TechCrunchとしてはそれはオススメしない。ダークモード、そして中央の10.9インチディスプレイを消せることで、運転する人はドライブを楽しみ、最近では多くの車両から出される煩わしい「ブルーライト」から逃れることができる。

インテリアカラーと皮不使用のオプション

ポルシェは、すべてマットな黒という外観を含め、インテリアで多くのカラーコンビネーションを提供する。デザインチームはカラーコンビネーションの総数を明らかにしなかったが、いくつかリストアップした。Taycanのための4つの特別カラーが用意される見込みだ。ブラックライムベージュ、ブラックベリー、アタカマベージュ、メランチブラウンだ。オプショナルのインテリアアクセントパッケージには、ブラックマット、ダークシルバー、シャンパンの黄金色のようなネオダイムが含まれる。

ドアと中央のコンソールは木製かカーボン、アルミニウム、ファブリックだ。

また、ハンドルを含むレザーなしのインテリアも提供する。「Race-Tex」と呼ばれる部分的にリサイクルのポリエステル繊維を使っているマイクロファイバーもある。フロアのカバーにはリサイクルの漁網からできている「Econyl」という繊維が使われている。

ポルシェデザイナーのThorsten Klein(ソルステン・クライン)氏は注意深くビーガンと呼ばなかった。彼はTechCrunchに対し、人工的な素材を動物性のプロダクトのように扱うことができると語った。ポルシェはこうしたプロセスを経ない素材の供給を推進している。しかしそれまではビーガンという言葉は使わない見込みだ。

同社はTaycanに使われる皮をなめすのに「OLEA」というプロセスを踏んでいて、このプロセスにはオリーブの葉を使っている。

Apple Musicなど

今週初め、ポルシェはTaycanにApple Musicを搭載すると発表した。このストリーミングサービスが独立したアプリとして車両で提供されるのは初めてだ。

しかしApple Musicはインフォテイメーテントシステムで提供される数多くの機能の1つにすぎない。ユーザーインターフェースは、ホーム、車両、メッセージと常に3つのメインボタンが展開されている。メッセージ機能ではノーティフィケーションを表示する。音声機能はこうしたメッセージを読み上げるのに使われる。

中央スクリーンにある他のボタンとしては、ナビゲーション、電話、設定、空調、ニュース、カレンダー、充電情報、天気、そしてオーナーの車庫のドアを開けるのに使われるホームリンクが含まれる。

画像クレジット:Porsche

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

Waymoが研究コミュニティが無償で津かっる自動運転のオープンデータセットをリリース

Waymo(ウェイモ)は、その重要な自動運転の蓄積データを、新しいOpen Data Setとして開放し、研究目的での利用を可能にする。このデータセットは商用利用向けではないものの、その「研究」の定義は極めて広く、大学はもちろん、他の企業の研究者も対象になっている。

昨年Waymoに入社する前に、ZooxとGoogleの両社に勤めていたこともある、Waymoの主任科学者兼研究責任者であるDrago Anguelov(ドラゴ・アンゲロフ)氏によれば、このデータセットは「これまで研究向けにリリースされた自動運転データセットの中で、最大かつリッチで、最も多様なものの1つ」だということだ。アンゲロフ氏は、ブリーフィングの中で、このデータ提供を推進し始めた理由を、この分野で仕事を進めているWaymoやその他の企業たちが「適切なデータセットが不足しているために、現在動きが鈍くなっているから」だと述べた。

「私たちは、最終的に学界の研究者たちが適切な質問を発することができるように、私たちのできる寄与を行うことを決断しました。そのためには研究者たちは適切なデータを必要としているのです」とアンゲロフ氏は語る。「そして私は、このことはこの分野にいるすべての人を助けることになると思います。私たち自身がこうした課題を解決できないと言っているわけではありません。しかし、効率、拡張性、必要なラベルの量に関しては、改善の余地が常にあります。これは発展途上の分野なのです。現状を考えると、あまりインパクトのない仕事を行うのではなく、主に他者を巻き込んで、私たちの問題を考えてもらい、私たちと一緒に仕事をしてもらおうとしているのです」。

labels 2d

WaymoのOpen Data Setは、路上の自動運転車によって収集された1000個の運転セグメントを研究者たちに提供することで、ギャップを埋めようとしている。それぞれのセグメントは20秒の連続運転のデータを表したものだ。含まれる運転データには、アリゾナ州フェニックスで行われたもの、ワシントン州カークランドのもの、カリフォルニア州マウンテンビューのものが含まれる、そしてまた夜間や雨天、夕暮れ時などの様々な運転条件のものも提供されている。セグメントには、Waymo製の5つのライダーから収集されたデータと、正面および側面を向く5つの標準カメラのもの(高解像度でキャプチャされた360度のビューを提供)、そしてWaymoがライダーと画像データを融合するために使う同期データが含まれる。車両、歩行者、自転車、そして標識などの対象物にはすべてラベルが付けられている。

これまでのWaymoは、特にその収集されたデータに関してはより閉鎖的な企業の1つであり、その長い経験こそが競争上の優位性であることをしばしば口にするプレイヤーでもあった(Waymoは、当初GoogleのX Labとして、2009年に公式に産声を挙げた)。同社はまた、自動運転技術のライバルであるUberが、Waymoの元チームメンバーを雇用した際には、Uberとの間で知的財産権に関する有名な法廷闘争を行った。当然のことながら、このデータが実際にどのくらい「オープン」に利用できるかについて、懐疑的な人もいるだろう。

pasted image 0 2

Waymoの製品リーダーであるVijaysai Patnaik(ビジェイサイ・パトナイク)氏によれば、「研究」利用は多くの分野をカバーしていると説明する。ご想像のとおり、データセットには特定のライセンス契約が伴うがが、パトナイクは、ブリーフィング中に、誰がデータをどのような目的で利用するのかについて、彼らがどのように想定しているのかも説明した。

「想定されているのは、例えば学部やPhDの学生たちや、この分野に興味を持っている様々な大学の教授たちです、そして独立研究機関や、ロボット研究所なども含まれるでしょう」とパトナイク氏は語った。「ベイエリアにはそうした人たちがたくさんいます。【中略】企業は、ライセンス契約に準拠している限り、このデータセットを使用できます。あるいはドラゴ(アンゲロフ)のような個人や、他の組織内の彼のチームなども対象に含まれるでしょう」。

自動運転に取り組む他の企業も似たようなアプローチを採用しており、最近の例としてはLyftArgo AIの2つが挙げられる。とはいえWaymoは路上の実際の走行時間と走行距離に関して、この分野では圧倒的な優位を誇っている。このため自動運転と関連するロボット分野(コンピュータービジョンを含む)の研究者たちは、おそらく彼らのリリースするものを見たいと熱望するだろう。

[原文へ]

(翻訳:sako)

Volocopterが初の商業エアタクシー「VoloCity」を公開

どの企業が垂直離着陸できる電動航空機による、オンデマンドなエアタクシーサービスを展開できるかというレースが激化しているが、ドイツのスタートアップのVolocopter(ヴォロコプター)は初の商用機となるVoloCity(ヴォロシティ)を発表したことで、重要なステップを迎えた。

VoloCityはVolocopterが開発した第4世代の電動VTOL(Vertical Take-Off and Landing Aircraft、垂直離着陸機)だが、最初の3機はデモンストレーション目的で作られ、1000回以上の飛行を実施した。VoloCityは18ローターのVTOLで、航続距離は約35kmかつ最高飛行速度は約70マイル(約110km)、バックパックやブリーフケース、ハンドバッグなど少量の荷物を持った2名を輸送できる。

Volocopterはデザインにおける安全性と快適性に細心の注意を払っており、欧州航空安全機関が定めた安全基準に適合している。また飛行中の安定性を高めるために、テスト機には搭載されていないスタビライザーが採用されている。

現在、Volocopterは離着陸のための「VoloPorts」の設置や、航空交通管制に関する都市との協力など、インフラとエコシステムの開発に注力している。同社によると、フランクフルト国際空港を運営するFraportなど、この目標に必要な世界的なオペレーターとすでに会合をこなしているという。

VoloCityがレンダリングから現実になるにともない、Volocopterは今年の第4四半期にシンガポールにて初の公開テスト飛行を実施し、また下のコンセプト画像のようなVoloPortのプロトタイプを初披露する予定だ。

[原文]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

今まで誰もやってなかった自律運転車から車酔いを追放するための研究

私ばかりでなく、ほとんどの人がそうだと思うが、人が運転する車に乗るときは、車酔いがとても心配になる。ということは、自律運転車に乗るときは、どうすればよいのだろうか? この疑問を解決するために、ようやく研究者たちが動き出した。なぜ人は車酔いをするのかを解明する実験が始まったのだ。

ミシガン大学がこの研究を開始した理由は、自律運転車の中で読書も仕事もできない人たちが何百万人もいるとしたら、そもそも自律運転車を使いたいという気持ちが大きく削がれてしまうと、研究者たちが気付いたからだ。さらに、特定の人が車酔いをする原因、何が効いて何が悪いのかなどを、自律運転車開発の流れの中で突き止める研究には、ほとんど投資がなされていないこともわかった。

「船酔いや飛行機酔いの研究は多く行われているのに対して、車を使った研究はほとんど行われておらず、ドライブシミュレーターや動くプラットフォームなどが使われています」と、このプロジェクトの研究主任Monica Jones(モニカ・ジョーンズ)氏は同大学のニュースリリースで述べている。「文献には数々の尺度が登場しますが、吐き気を測るものがほとんどです。吐き気の反応に合わせて設計を行ってしまうと、自律運転車の場合は、まったく的外れな結果を招きます」。

基本的に自動車は、乗っている人の快適性を重視したデザインになっている。昼食をもどすギリギリのところで停止できても意味がない。では車酔いとは、そもそも何なのか?彼らの最初の実験は、そこを探るものだった。

研究チームは、さまざまな社会層から52人を募り、車に乗ってもらい、こうした実験のためにキャンパス内に作られた模擬市街環境「Mcity Test Facility」の中を走行した。運転者は、本当の街の中を走るときと同じように、普通に角を曲がったり、停止や加速を行った。被験者には車内でiPadを使った簡単な作業をしてもらう。そして車内で研究者からの質問に答えてもらった。私などは、この実験に参加することを想像しただけでも、気持ちが悪くなる。

被験者は不快感の表れを観察される。また、気分が悪くなったら報告するように言われている。もちろん、中止して欲しくなったら、研究者に伝えることになっている。体温の変化や発汗の状態などを調べるセンサーも取り付けられている。

最初の実験の結果(PDF)には意外性はまったくなかったが、まだ始まったばかりだ。自律運転車の中でガジェットを使うと車酔いがひどくなるという話は、一面のトップを飾るようなネタではない。しかし、これを実際に検証した人は今までにいなかった。いずれにせよ、車酔いに真剣に取り組もうとすれば、直接、観察するのが一番だ。その結果、その他の要因も発見できた。たとえば、若い人ほど車酔いのレベルが高い。でもなぜ?いつ?

「乗客の反応は複雑で、いろいろな側面があります」とジョーンズ氏は言う。その反応を測るために、研究チームは何千もの測定値と観察結果をデータベースにまとめた。これには、単純な悲惨さの度合いだけでなく、背景の状況やその他のタイプの苦痛や不快感も含まれている。

これは自律運転車を、できるだけ多くの人が利用できるように、そして魅力的なものにするための息の長い研究の発端に過ぎない。その根底にある原因を究明できたなら、(私のような人間もみな)日常の通勤に自律運転車を利用する可能性が高まるだろう。

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

セグウェイ-ナインボットの新スクーターは充電ステーションに帰ってくる

先週北京で行われたイベントで、中国のスクーター会社Segway-Ninebot(セグウェイ-ナインボット)グループが、新製品を3種類発表した。中でも注目されるのが「KickScooter T60」で、AIを利用して充電ステーションに自動的に帰ってくるスクーターだ。

同社は来四半期にはパイロットテストを開始する予定で、来年中の製品化を目指している。「レンタルスクーター運営者にとっての悩みのタネは低コストで車両を維持することだ」とNinebotのガオ・ルーフェン(Gao Lufeng)会長はReutersのインタビューで語った

この「スマート」スクーターの価格が1400ドル前後と、一般的モデルよりずっと高いことを考えると、コストは興味深いポイントだ。しかし、同会長は声明で、充電のためにスクーターを回収するコスト要因を強調した。

さまざまな都市の議会で、配達ロボットが注目の話題となっている今、歩道における自動運転車両の合法性も問題になっている。本件のような比較的短距離の移動も同様だ。

同社は詳細を明らかにしていないが、YouTubeで公開された動画には、実際に走行、自走するT60が登場する。

同イベントでNinebotは、室内および室外向けの配達ロボットも発表した。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

石油メジャーのシェルが電気自動車充電ビジネスに忍び寄る

化石燃料の生産とガソリンスタンドで知られるエネルギー大企業Royal Dutch Shell(ロイヤル・ダッチ・シェル)が電気自動車(EV)充電ビジネスに忍び寄っている。

Shellが1月に新たに買収したGreenlots(グリーンロッツ)による初のDC急速チャージャーが8月19日、シンガポールにあるShellのガソリンスタンドに登場した。これは、Greenlotsが今後数カ月かけてシンガポールのShellサービスステーションに設置する計10基のDC急速チャージャーの1基目だ。

シンガポールをターゲットとしたのは、アジアと北米で全アプリケーションのEV充電ソリューションを提供するための広域戦略の一環だとGreenlotsは表明している。Shell、そしてGreenlotsもシンガポールに足がかりを持つ。ロサンゼルスに本拠を構えるGreenlotsは、もともとはシンガポールで設立された。そしてShellはシンガポールの最大の外国投資企業の1社だ。

小さな島の都市国家であるシンガポールは、EV、特にカーシェアリングや配車プラットフォームの活用を促進してきた。具体的には、配車サービスのドライバーや商用車のEVへの切り替え需要に対応できるようEVインフラを構築している。

GreenlotsはShellに買収される前は、クリーンテック投資会社Energy Impact Partnersの支援を受けていた。管理ソフトウェアとEV充電ハードウェアを組み合わせて展開しているGreenlotsは近年、大企業と契約を結んでいて、中でも著名なのがVolkswagen(フォルクスワーゲン)だ。Greenlotsは、ディーゼル排出不正スキャンダルをめぐる米当局との和解の一環としてVolkswagenが設立したElectrify Americaにソフトウェアを提供する唯一の企業でもある。

補足:Shellは他にもEVチャージャーを展開している。今回のものは新たに買収したGreenlotsによる初のチャージャーとなる。

画像クレジット:Shell

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

羽田空港や観光スポットへオンデマンド型相乗りシャトルカーでゴー、NearMeや京急が実証実験

NearMeは8月19日、京浜急行電鉄とサムライインキュベートともにオンデマンド型シャトルサービスの実証実験を行うことを発表した。NearMeは、同じ方向に向かうタクシー利用客を事前にマッチングすることで合法的なタクシー相乗りを実現する「nearMe.」サービスを提供している2017年7月設立のスタートアップ。最近では、タクシー配車サービスを提供している「JapanTaxi」との協業により、nearMe.アプリからJapanTaxiの配車が可能になっている。

関連記事:タクシー相乗りアプリのnearMe.でJapanTaxiの配車が可能に

8月21日〜27日の1週間限定で、品川、高輪、東銀座、秋葉原にある京急EXホテルの宿泊客を対象に、最大9人乗りのシャトルカーを使った相乗り乗車を検証する。降車場所は、港区、中央区、千代田区、台東区内の任意スポット、羽田空港(第1ターミナル、第2ターミナル、国際線ターミナル)となっている。相乗りにはNearMeが開発した配車AIを利用し、複数の利用者からのリクエストに基づいて、シャトルカーが最適なルートで運行する。利用料は無料だが、利用するにはアンケートへの回答が必須となる。

シャトルバス車内にはタブレットが設置されており、観光情報などのPR動画などを再生。そのほか、Wi-Fiサービスや東京電力エナジーパートナーのモバイルバッテリーのレンタルサービス「充レン」を無料で利用できる。本サービスは多言語対応のため、訪日外国人旅行客も利用できるとしている。

同サービスを利用するには、専用ウェブサイトにアクセスして配車をリクエストすればいい。配車確定メールが届いたら予約完了となる。なお、初回利用時のみアカウントが必要だ。

NearMeは、京急グループとサムライインキュベートが主催する「KEIKYU ACCELERATOR PROGRAM」(京急アクセラレータープログラム)第2期の採択企業で、今回のシャトルサービスはKEIKYU ACCELERATOR PROGRAM第2期の実証実験として進められる。

ティアフォーがクアンタ・コンピュータから10億円調達、Autowareを搭載したECU開発が加速

ティアフォーは8月19日、台湾クアンタ・コンピュータを引受先とする第三者割当増資によって10億円の調達を発表した。ティアフォーは、オープンソースの自動運転ソフトウェアである「Autoware」など開発する、名古屋市拠点で2015年12月設立のスタートアップ。クアンタ・コンピュータは、パソコンのOEM、ODM製造大手で、Apple(アップル)のMacBookシリーズやMac Pro、Dell(デル)のPCなどを製造していることで有名だ。

今回の資本業務提携により、両社は自動運転システムを支える電子制御ユニット(ECU、Electronic Control Unit)の開発と商用化に共同で取り組む。Autowareを基に、自動運転システムに最適なECUの要求仕様を業界に提唱していくという。すでにクアンタ・コンピュータはティアフォーの協力のもと、Autowareを搭載したECUの開発を進め、実験車両を用いた実走行試験を実施しているとのこと。

ティアフォーは7月にシリーズAラウンドでの113億円の資金調達を発表したばかり。前回に比べると調達額は少ないが、OEM、ODM製造大手のクアンタ・コンピュータと組むことで、高性能かつ高品質なECUの開発が加速することに期待したい。

関連記事:自動運転技術開発のティアフォーが累計113億円の資金調達、本格的な商用化目指す

キティ・ホークの一人乗り垂直離着陸飛行機が2万5000回以上の飛行に成功

空飛ぶクルマ、あるいは機能的に同等なものは、ますます現実に近づいている。そしてスタートアップのKitty Hawk(キティ・ホーク)は、それが事実であることを私達に教えてくれる。Google(グーグル)の自動運転車の先駆者であるSebastian Thrun(セバスチャン・スラン)氏が率いる同社は、初の一人乗り航空機「Flyer」を2万5000回以上飛行させた。これには、飛行するオートバイやATVに似たプロトタイプ機による飛行や、現在のより洗礼されたコックピットを備えたデザインのものが含まれる。

Flyerは現在、Kitty Hawkが市場に提供しようとしている2機の航空機のうちの1機であり、その他にもボーイングと共同で開発した2人乗りの自律飛行タクシー 「Cora」 が存在する。Flyerは主にレクリエーション用に設計された一人乗りの航空機で、Kitty Hawkによれば初めての人でも15分で操縦できるように設計されている。同社は現在、コミュニティにて航空機を展開するパートナーを募集しており、旅行用途やリゾート地での導入が想定されている

価格や発売時期についての情報はまだないが、富裕層向けに限定されたFounder Seriesの予約注文がスタートした。この航空機はフロートを備え水上で運用されるように設計されており、垂直離着陸能力(VTOL)を備え、水面から3〜10フィート(0.9〜3m)の高さで飛行することができる。

個人的には、バケーションの乗り物としてはパラグライダーやジェットスキーを選ぶだろう。だが、FlyerやKitty Hawkが商用化への道筋を早く見つけることを願っている。

[原文]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

Spotifyが北米のテスラ車両にやってくる

米国とカナダのTesla(テスラ)オーナーは、これまで要求してた無料でのSpotify Premiumの統合の恩恵を受けられるかもしれない。

TeslaでCEOを務めるElon Musk(イーロン・マスク)氏は米国時間8月14日の夜遅く、Spotify Premiumの統合が「もうすぐくる」とツイートした。彼は以前にも北米地域へのSpotifyの導入について語ったことがあるが、その時期については触れていなかった。言い換えれば、Spotifyの統合は来週か、あるいは6カ月後という可能性もあるわけだ。

それでも、米国とカナダのすべてのTesla車両に統合されている音楽ストリーミングサービスのSlacker Radioに満足していない多くのユーザーにとっては朗報だ。ヨーロッパやオーストラリア、香港のオーナー向けには2015年後半からSpotify Premiumが統合されている。

2007年にローンチされたSlacker Radioは、リスナーの好みにあわせてカスタマイズ可能なラジオステーションを提供している。無料購読が可能なこのサービスは、DJを使ってプログラムをキュレートすることでSpotifyやPandoraとの差別化を図り、一時は音楽プレーヤーまで発売した。しかしその努力もかなわず、Slackerは2019年6月末時点の月間アクティブユーザー数が2億3200万人、有料購読者が1億800万人のSpotifyの影に隠れている。

Slackerは2017年に、エンターテイメントとライブミュージック・パフォーマンスにフォーカスしたストリーミングサービスを展開するLiveXLiveによって、5000万ドル(約53億円)と株式で買収された。

LiveXLiveは昨年、80局以上のオリジナルラジオ局をもつデジタルラジオ放送プラットフォームのDash Radioとの提携を発表した。この契約により、DashがSlacker Radioで利用できるようになり、そのラジオ放送をストリーミングサービスにて幅広く展開することになる。

[原文]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

Boschが車載ディスプレイをグラス不要で3D化

ドイツの自動車産業を支える製造業大手のBosch(ボッシュ)が、未来のダッシュボードディスプレイの3D化を、専用グラス(眼鏡)不要、しかもアイトラッキング(目線追跡)不要で実現しようとしている。後者のアイトラッキングはこれまで、グラス不要の3Dディスプレイでは絶対に必要と見なされていた。

しかし、グラス不要でしかも、ユーザーが特定の位置からディスプレイを見ることも不要という2大特性は、車に3Dディスプレイを持ち込むための重要な条件だ。それも当然で、ドライバーはディスプレイではなく道路を見ていなければならないし、ディスプレイ上の重要な情報はどれもさっと見るだけで把握可能でなければならない。運転中のドライバーの関心が、ディスプレイにあってはならないのだ。

だからと言って車の計器盤やインフォテインメントのディスプレイが3Dでなければならない理由はあるだろうか?ボッシュに言わせると、そこには複数の重要な理由がある。まず、重要な警告情報は実際に目の前に「飛び出す」ことによって注意を喚起すべきである。また駐車時には回りのスペースの状況を正確な3D画像で見せることによって安全で素早い駐車ができる。そしてナビなどは、右折左折など方向を変えるべき状況をよりリアルな画像で見せて正しい運転をガイドすべきだ。

  1. bosch_3d_display

  2. iaa_2019_4x

  3. audi_tt_em2_1205_zentral_groesser_map

  4. em3_7258_perspektive_stuttgart

  5. 0108_bosch_ces_tg_0025

  6. bosch_hmi_solutions_haptic_feedback

しかし、これらの説がすべて正しいとしても、それは自動運転がある程度実装された車の話ではないか。しかも車載ディスプレイがそこまで没入的になるのは、人間運転者にそれだけの時間的気分的な余裕が必要だ。

ボッシュはそれをあえて今やる理由として、モバイルコンピューティングの高度化を挙げる。これまでの自動車技術のコンピューター化といえば、小さな非力なコンピューターがコントローラーとして各所に散在していた。しかしこれからは1台の強力な中央的コンピューターが集中的に全システムを管理し、それらのアップデートもインターネットから容易かつ迅速にできるようになる。

同社は、そのようなシステムが実際に発売される実車に搭載される日程を明らかにしないが、他社製品との差別化がより重要になる高級車では、早いもの勝ちのような競争状況になるのではないだろうか。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ポルシェ・カイエンの最新プラグインハイブリッド車はパワー満載

Porsche(ポルシェ)はハイブリッド分野での戦力を強化すべく新たな車種をラインアップに加える。その1つが2020 Cayenne Turbo S E-Hybrid(2020・カイエン・ターボS・Eハイブリッド)だ。

このフラグシップSUVのプラグインバージョンは、14.1kW時のバッテリーと134馬力電動モーターを、従来のガソリンエンジンであるCayenne Turboと同じ4.0LのツインターボチャージV8エンジンとともに搭載している。電動モーターは、V8エンジンと標準8速トランスミッションとの間に位置している。

その結果生まれた670馬力のプラグインは、663ボンド・フィート(899ニュートンメートル)のトルクを生み出し、0〜60MPH(96km/h)を3.6秒で加速する。SUVには悪くない数字だ。

しかし、見どころはパワーだけではない。ポルシェはバッテリー容量も増やし、前世代のCayenne
プラグインハイブリッドモデルで使われていたものより30%大きい。EPA燃料消費率は公表されていないが、他のポルシェハイブリッド車と同等であれは20mpg(マイルパーガロン)前後だろう。

ポルシェは、Cayenne Turbo S E-Hybrid(およびCayenne Coupéの新プラグイン2車種)に、7.2kW内蔵充電器、21インチAeroDesignホイールなどいくつもの魅力的なアイテムを標準搭載している。改定された充電器は、240V、50 Aの電源を使い最低2.4時間で完全充電できるとのこと。

プラグインバージョンのCayenne TurboおよびCayenne Turbo Coupéには、セラミックコンポジットブレーキ、ダイナミックシャシーコントロール、18ウェイアダプティブスポーツシートなども標準搭載されている。

価格がそれなりなのはもちろんだ。2020 Cayenne Turbo S E-Hybridの基本価格は16万1900ドル(約1790万円)。

porsche cayenne plgu in

2020 Porsche Cayenne Turbo S E-Hybrid

ポルシェは、Cayenneの小さくて少し派手なバージョンとして新しいCayenne Coupéのプラグイン2車種も披露した。どちらのCayenne Coupéもリアウィンドウの上部に固定スポイラーがあり、その下に設置された新しいアダプティブ・スポイラーとともに空気力学的安定性を強化する。

Cayenne Turbo S E-Hybrid Coupéの基本価格は16万4400ドル(1733万円)と、SUV車よりやや高価だが、これは20インチ合金ホイールやガラス製パノラマルーフなどが追加されているためだ。

しかし、これらのハイエンド車2車種は、多くの標準装備や性能が共通している。いずれも、0〜60mph加速は3.6秒、最高速度183mphで、最高速度は電子的に制限されている。

ポルシェは低価格低パワー 455馬力のCayenne E-Hybrid Coupéも披露した。V6エンジン搭載で基本価格8万6400ドル(910万円)。Cayenne E-Hybridと同じパワートレインを持つ同車の最高速度は157 mph、0〜60mph加速は4.7秒。

原文へ

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ロシアの高速道路で事故ったテスラが爆発

モスクワ近郊の高速道路で衝突したテスラ車が炎に包まれ爆発したと、地元のメディアは伝えている。乗員は比較的軽い怪我で済んだが、車は黒焦げになった。

車のモデルは、報道からは明らかではないが、モデルSかモデル3のようだ。車を運転していたのは41歳のロシア人男性で、子供も同乗していた。運転者は、ドライブアシスト機能を使っていたと伝えられるが、それがオートパイロットなのかどうかは不明だ。左車線のレッカー車に衝突したとき、両手でハンドルを握っていた。

運転者は足を骨折したが、子供たちは打撲を負っただけで避難することができたと、ロイターは伝えている。ただし、車はそれどころではなかった。衝突後しばらくして車から出火し、その後すぐに車体内で2回ほど続けて爆発が起こった。投稿者に直接確認は取れなかったが、対向車線を通過中の人が、その様子を写したと思われるビデオが投稿されている。

消防士もすぐに到着し、火は消し止められた。今回の衝突についての詳しい状況はまだ不明だが、かなり重大な事故なので、調査が行われることは間違いない。テスラにも詳細を確認中であり、返答があれば、記事を更新する予定だ。

衝突した車が発火することは、それほど珍しいことではない。テスラ車も、数は少ないながら、衝突後に火災を起こしたことは何度かあるし、場合によっては自然発火した例もある。バッテリー駆動の車両に特有の危険性は、人々の関心を引きがちだが、それを大げさに報道することは、そうした危険性に対して誤った考えを植え付けることもある。テスラ車も、他の車と同じくらいの頻度で衝突事故を起こすが、火災はまれだ。

オートパイロットが関与していたかどうかについても、明らかにはなっていない。運転者が使用していたドライブアシスト機能は、単なるクルーズコントロールの類であった可能性もあり、運転者はレッカー車に気付かなかったと、記者に明かしたという。よりはっきりした事実が明らかになるまで、憶測は禁物だろう。

画像クレジット:Spencer Platt/Getty Imagesのライセンスによる

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

RFIDチップを自分の腕に埋め込んでキー代わりにするテスラ車オーナー

キーカードやスマホアプリは、もういらない? あるソフトウェアエンジニアが、Tesla Model 3のロックを解除して始動する新しい方法を開拓した。

ゲームシミュレーションとプログラミングの分野に明るいAmie DDは、彼女自身の体を「バイオハッキング」する様子を写したビデオを最近リリースした。彼女は、まずアセトンを使用してTesla Model 3のキーカードを溶かし、そこからRFIDチップを取り外した。それをバイオポリマーで包み、中空針を使って左腕の内部に挿入した。もちろん、この挿入処理自体は、身体改造の専門家に依頼した。

以下のビデオで、そのプロセスを観ることができる。ただし、血を見るのが怖い、という人はやめておいたほうがいいかもしれない。Amie DDは、このプロジェクトとプロセスを説明するページを、Hackaday.ioにも掲載している。

このビデオには、極めて重要なポイントが欠如している。はたして、今回の方法がうまく機能したかどうかだ。TechCrunchは、それに関して新しいビデオがリリースされたら、記事を更新するつもりだ。

Amie DDがバイオハッキングに手を出したのは、今回が初めてではない。最初のアイデアでは、すでに彼女の腕の中に埋めてあったインプラント用のRFIDチップを使って、Model 3を始動しようと考えていた。この方法では、Javaアプレットを書いて、彼女の腕の中のチップにインストールすることになる。しかし、これはTeslaのセキュリティのため、うまくいかなかった。そこで彼女は、チップをもう1つ埋め込むことにしたのだ。

Amie DDは、以下のより長いビデオで、今回の動機と方法を、さらに詳しく説明している。その中で彼女は、以前に左手に埋め込んだRFIDチップについても、少し話している。彼女によれば、それは「アクセスコントロール」に使うためだという。たとえば、自宅のドアのロックを解除するすことができるそうだ。

画像クレジット:スクリーンショット/AmieDD

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

自動操縦エアタクシーよる公共交通ネットワークでEHangと広州市が協力

自動操縦の旅客用および貨物用低空飛行航空機、貨客積載ドローンを作っているEHangが、そのエアタクシーの初の実用ネットワークを広州市に構築する。同社の発表によると広州市は、その全市的展開パイロット事業の主催団体になる。

パイロット事業は、低空を回転翼で飛ぶ航空機が都市の交通機関としてふさわしいことを示すだけでなく、そのネットワーク全体を中央的な交通管制ハブから自動的に運用管理できることを実証する。その交通管制ハブは、EHangと広州市の共同開発になる。

EHangは今年の初めに中国の民間航空局から自動操縦旅客航空機サービスの唯一のパイロット企業として認められ、すでに今年初めウィーンでEHang 184に乗客を乗せて飛行をデモし、また2018年には広州市でも数回の飛行を行った。

交通管制システムにより自動操縦航空機ネットワークの安全な運用を確保するだけでなく、EHangは広州市と共同で、そのネットワークの運用に必要なインフラストラクチャも構築している。たとえば自動操縦は、その初期的段階だけでなく、その運用をサポートする垂直離着陸場Vertiportの使用についても試験される。また都市交通機関として定着するために必要な、商用パートナーとの協働も行われる。

都市の公共交通機関のこのような新しい技術によるネットワークは、成長著しく交通量の増大も激しい広州市のような都市にふさわしい。しかもこの低空飛行航空機のネットワークは、過密都市において自動運転車などの陸上車に比べてアドバンテージが大きいだろう。自動運転車は、従来の一般車両や歩行者、自転車などとの争いや折り合いが運用の難点だが、都市上空の低空域は完全に空いている。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a.hiwa

神戸メリケンパークで電動キックボードの実証実験、国内導入の弾みとなるか

神戸市mobby rideは8月9日、神戸市中央区の神戸港に面する公園「メリケンパーク」にて、電動キックボードの実証実験を開催した。mobby rideは、Gunosyの創業などに関わった木村新司氏が創業したAnyPayの新規事業で、電動キックボードのシェアリングサービス「mobby」の運営会社。mobby rideは福岡市の実証実験フルサポート事業に採択され、同市での実証実験も進められてきた。

今回の実証実験に使われたのは、mobby rideが海外で展開しているセグウェイ製の電動キックボード。GPSとLTE通信機能が備わっており、アプリの設定によって最高時速や使用範囲を変更できる。この電動キックボードの最高時速は25kmだが、今回は最高時速を10kmに制限したうえで、メリケンパークの一部地域を有効エリアに設定、指定エリアから出るとエンジンがかからないようにしたうえで実証実験が行われた。

というのも、時速10〜25km程度で走行できる電動キックボードは、国内では現在のところ原付(原動機付き自転車)に分類されており、そのままでは公道を走行できない。現在でもネット通販を中心に手軽に購入できるが、私有地以外ので利用は道路交通法違反になるので注意してほしい。どうしても公道で走りたいなら、バックミラーなど原付の走行に必要な装備を施したうえで車両登録を済ませ、キックボードにナンバープレートを装着しなければならない。もちろん、公道を走るには原付免許が必要で無免許では乗れない。

実証実験は10〜16時に開催され、100名程度が集まった。キックボードは赤信号での急発進といった誤操作を回避するため、停止状態からはエンジンがかからないようになっている。手動でキックボードを強く前に蹴り出したあとにエンジンがかかる仕組みだ。この感覚を掴むまで少し時間がかかった参加者もいたが、多くの参加者はスタッフの説明を受けただけですぐに乗りこなせていた。

実際に乗車してみたところ、見通しのいい場所での時速10km程度の走行であれば安全性はある程度確保できると感じた。急停止にはブレーキレバーを使う必要があるが、通常はエンジンレバーの調整で速度を落とせるし、片足を地面につけてキックボードを駐めることも簡単だ。自転車に乗り慣れていない人は、乗車時にバランス配分に慣れる必要があるので少しの練習が必要だが、シニアでも十分に乗りこなせるのではないか。

写真に向かって左側の赤いレバーがブレーキ、右側の緑のレバーがエンジン( アクセル)。レバーを押し込み強弱でスピードを調整可能だ

市関係者によると、神戸では市が所有している大きな公園や施設を数多くあり、電動キックボードなどのマイクロモビリティを広範囲で実証実験するには便利な場所とのこと。神戸市は坂道も多いので、利用範囲が広がれば市内移動の利便性は高まる。一方で、今回の時速10km制限の電動キックボードであっても下り坂ではそれ以上のスピードが出てしまうし、大きな荷物を持った状態で運転すると事故になる確率も上がる。

LTE通信やGPSなどを内蔵

自転車より速くて原付より遅い、この乗り物を国内で普及させるには、現在は自転車用として都市部を中心に整備されている車道脇のスペースを活用するか、交通量の少ない特定地域の移動に限定するといった落とし所になるかもしれない。

市関係者は、電動キックボードをシニアの移動手段としても考えているとのこと。時速6km以下に制限しつつ、転倒の確率が下がる三輪仕様として、免許やナンバープレートなしで利用できる電動自転車として活用方法もあるのではないかと語る。スマートフォンを活用するシェアリングモビリティをシニアが使いこなせるかという問題はあるが、高齢ドライバーの自動車事故が大きな社会問題になっている中、新たな移動手段の開発は急務だ。

欧米では、まずはサービスを開始し、そのあとに発生した問題について法整備を進めて行くスタイルだが、日本ではさまざまな規制をクリアにしてからでないとサービスを開始できない難しさがある。一方で、米国などで大きなシェアをもつLimeが、デジタルガレージと共同で日本市場に参入することを発表。今後各社がのような形態で電動キックボードを国内導入していくのが注目だ。

なお8月下旬から9月上旬にかけて、福岡市では住友商事やKDDI、デジタルガレージが主体となって、LimeとBirdの電動キックボードの実証実験を開催予定だ。西鉄バスを中心に政令指定都市ではバスにいる公共交通網が群を抜いて発達している福岡では、市内の道路の交通渋滞が大きな問題。実証実験を重ねることで、こういった問題の解決策が生まれるかどうか期待したい。

  1. mobby07

  2. mobby03

  3. mobby04

  4. IMG_6791

  5. IMG_5716

  6. mobby01

  7. IMG_7271

  8. mobby05

  9. IMG_3986

  10. mobby06

  11. IMG_2829

ヤマハが台湾の電動バイクメーカーのパートナーに、交換バッテリー採用のスクーターを発売へ

台湾の電動バイクメーカーのGogoroが、最初の製造パートナーを発表した。ヤマハとAeon Motor、PGOは今夏に、Gogoroの交換可能バッテリーと充電インフラを利用する新型スクーターを発売する。

つまり、Gogoroのバッテリーシステムを気に入っている消費者は、Gogoroのスクーターか、あるいはこれらのパートナーのスクーターを購入することができる。Gogoroのバッテリーネットワークを利用するすべてのスクーターは、現在台湾にある1300カ所のGoStationでバッテリーが交換できる。

交通量の多い都市部で排気ガスを減らすために、Gogoroは電動スクーター以外にもほぼ自社開発をした電動スクーターを、オープンプラットフォーム化することを見越している。最近同社は、独自の電動スクーターシェアプログラム(GogoroのスクーターはすでにヨーロッパのライドシェアスタートアップのCoupで使われている)をローンチしたい企業が、ホワイトレーベルのソリューションとして使えるライドシェアプラットフォームをローンチした。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

メルセデスやレクサスを実質ゼロ円で自家用車に、Anyca Officialシェアカー始まる

DeNA SOMPO Mobilityは8月7日、個人間カーシェアサービス「Anyca」(エニカ)に「Anyca Officialシェアカー」のサービスを追加した。同サービスは、シェアリング(レンタカー)利用を前提とした新しい自動車所有の仕組み。同社は、ディー・エヌ・エー(DeNA)とSOMPOホールディングスの合弁会社。

自動車の所有権はDeNA SOMPO Mobilityにあるが、管理者は駐車場の確保と、洗車や清掃、ガソリンの補給といったの管理を請け負うことで、実質0円で自動車をマイカーのように所有できるというもの。実際には自分が管理を請け負っている自動車を、他のドライバーが利用した際にカーシェア料金の10%ぶんがポイントとして付与され、このポイントを使って同じカーシェアサービス上で自動車を予約・利用が可能となる。自動車にはカーシェア受け渡し用の機器が取り付けられており、アプリ上で登録した免許証をかざすことで開錠できるため、鍵の受け渡しなどは不要だ。なお管理者は、一般利用者よりも1週間先の期間までその自動車を予約できるというメリットがある。

サービス開始にあたり、5000円のクーポン券がもらえるキャンペーンを実施する。対象者は、Anycaでの個人間および「Anyca Officialシェアカー」のカーシェアを初めて予約する人。キャンペーン期間は9月30日まで。

日産とEVgoが急速充電器200台を米国で追加設置

日産とEVgoは米国時間8月6日、今年初めに発売された日産のLeaf e+を含め、電気自動車購入者の増加に対応しようと、追加でDC急速充電器200台を米国に設置すると発表した。

100kWのDC急速充電ステーションは、より多くのEVドライバーが利用しやすいよう、CHAdeMOとCCSの両コネクターを搭載する。どちらのコネクターも備えているというのはなんら不思議ではない。というのも日産はCHAdeMOチャージャー推進において中心的存在だからだ。

今回の発表は、東海岸の州間高速道路95号線沿いやカリフォルニア州モントレーとタホ湖を結ぶ道路沿いなどでのEV充電街道の構築を含む、両社の6年にわたって展開してきたパートナーシップの一部だ。

日産は2010年以来、これまでに全米で2000台超の急速充電コネクターを導入したとしている。

急速充電をさらに200台設置するこの計画は、2019 Nissan Leaf e+の投入を受けたものだ。今春、米国とカナダで発売されたNissan Leaf e+の航続距離は226マイル(約363km)で、急速充電に対応する。

全電動ハッチバックLeafの新バージョンは搭載する62Kwhバッテリーパックのおかげで、航続距離が他のバージョンより40%長い。226マイルというのは、Tesla Model 3スタンダードレンジプラスの240マイル、起亜のNiro EVの239マイル、Chevy Bolt EVの238マイルに続くものだ。

「2019年長距離タイプの全電動LEAFの受けがいいことから、日産とEVgoは複数年にまたがる充電器設置プログラムに注力し、展開を加速させる。これは米国のEVドライバーのための急速充電のオプションを拡大し続けることになる」と日産北米の販売・マーケティング担当ディレクターであるAditya Jairaj(アディティ・ジャイラージ)氏は発表文で述べている。

両社はまた、消費者にEVのメリットを売り込むマーケティングキャンペーンでも提携する計画だ。日産にとってはLeaf Plusの売り込みにつながることが期待される。日産の7月の販売台数は昨年同月に比べて落ち込み、スランプはLeafの販売にも影響している。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

アウディの電動スクーターは片手運転で手信号を出せる

電動スクーターがどんどん普及しているのはうなずける。扱いが簡単で利用しやすく安価で、しかも短い距離の移動なら楽しい。しかしまだスクーターは完璧ではない。

欠点のひとつは、手信号を出すのがほぼ不可能ということだ。スクーターが人気になり台数が増えてくると危険を招く。アウディはこの問題を解決するかもしれない電動スクーターを、米国時間7月5日に発表した。

アウディは電動SUVに「e-tron」という名前を付けている。今回発表されたのは、この名前を冠したe-tronスクーターで、これまでの電動スクーターとスケートボードのようなしくみを組み合わせている。このスクーターは2000ユーロ(約24万円)と、安くはない。そして使い方はやや複雑なようだ。スケートボードのように体重移動をして足でスクーターをコントロールする。

スクーターの重量は約12kgで、折り畳んだりキャスター付きバッグのように引いて転がしたりすることができる。小回りが利くように車軸が動く4つの車輪が付いている。

このスクーターはサーフィンのようなものだとアウディは説明している。この説明が大げさかどうかはさておき、このスクーターは片手で安全に乗れる。そのため、停止、左折、右折の際に、ほかの車や歩行者、自転車に手信号を出すことができる。

片手で乗れるスクーターはこの製品だけではない。TechCrunchでは先日、Boostedのスクーターが片手で操作できることを紹介した。とはいえ、このような設計は例外的で、スクーターの世界での決まりではない。

ハンドルがあるので、スケートボードに乗れなくてもこのスクーターには乗れる。ハンドルの柄にはバッテリーと電子部品が格納され、加速とブレーキの操作にも使う。ハンドルの下にはバッテリー残量を示すディスプレイがある。

e-tronスクーターはおそらく操作しやすく安全性も高いが、最高時速は20kmと速くはないので興味がわかない人もいるかもしれない。

回生ブレーキを備え、走行距離は20km。油圧式のフットブレーキと、LEDのヘッドライト、日中用の走行ライト、テールライト、ブレーキライトも付いている。

生産と個人顧客への販売は2020年後半の予定だ。アウディはこのスクーターについて、事業用車両として使われたり、e-tronの電気自動車を購入した顧客に提供したりすることを示唆している。専用のコンセントを使って車のトランク内で充電できるようになる予定だ。

画像:audi

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)