トランプ新大統領が以前発表した、就任から100日間のアクションリストの進捗具合をモニタリングするTrack Trumpというウェブサイトがローンチした。昨年の10月末に彼は、”ドナルド・トランプの有権者との契約書(Donald Trump’s Contract With The American Voter)”と題されたプランを発表し、クリーンな政府、アメリカ国内の雇用の保護、法治の復興を約束していた。Track Trumpの目的は、プランに記載されていたアクションリストの進捗具合をモニタリングし、新政権に公約を守らせることにある。
共同作成者の1人であるY Combinator社長のSam Altmanによれば、サイトはここ数週間の間に設計・作成された。
Altman以外にも、ヒラリー・クリントンの2016年大統領選キャンペーンに関わっていたAlec Baumや、博士課程で行政学を学んでいるPeter Federman、Mozilla Corpの元社員でReadMeファウンダーのディベロッパーGregory KobergerがTrack Trumpの作成に関わっていた。BaumとFedermanはフルタイムでサイトの作成にあたり、彼らの給与はY Combinatorからではなく、Altmanのポケットマネーから支払われた。
新プロジェクト:http://track-trump.com トランプ自身が明言した就任から100日間のゴールに関する毎日のアップデートと、全体の情報がまとまったダッシュボード
Track Trumpの説明文には、生活に影響を与える政策の変化を、市民がリアルタイムで追って理解することが重要だと作成者は考えているという内容が記載されている。
「新たな政府が今後何をしだすか分からない状況で、多くの人が自分たちの時間やリソースをどのように使うべきか考えあぐねているのではないかと感じたのが、このプロジェクトをはじめたきっかけのひとつです」とAltmanは話し「私たちはただ、新政権の動きをモニタリングする方法をつくろうとしていただけなんです。ダッシュボードを毎日見ていれば、往々にしてトレンドに気づきますからね」と付け加えた。
トランプ政権に責任を果たさせること以外にも、Track Trumpには実際の政策変更と「美辞麗句で飾り付けられた政治劇」をはっきり別けるという目的がある。
既に知られている通り、トランプは現状から何を変えなければいけないかや、彼が何をしようとしているかということをTwitter上で勢い良く公言していたが、言うは易し行うは難しだ。
そこでTrack Trumpは、彼のツイートや発言内容がうやむやにされてしまわないよう、政策変更という点に注目することで、文書に残された彼の公約と実際のアクションを比較しようとしている。
そしてその進捗具合をダッシュボード上で確認することができるのだ。
「スタートアップの評価に限らず、私はダッシュボードを使った進捗管理がずっと好きでした」とAltmanは説明し、Track Trumpの作成中にはニュースフィードなど他のモデルも検討されていたと話した。
サイト上には、Track Trumpがモニタリングしようとしている8つの政策カテゴリーが、それぞれに対応するアイコンで表示されている。移民、貿易、エネルギーと気候変動、連邦政府、経済政策、教育、健康保険、安全保障がその8つのカテゴリーだ。
そしてセクションごとに、トランプの就任後100日間の約束で触れられていた個別のアクションアイテムが記載されている。ひとつひとつの内容は元の内容からほとんど編集されておらず、トランプ自身の言葉をほぼそのままコピーしているか、ものによっては同文書からまるまる引用されている。
さらに何か起きるごとに、それぞれの項目の横に設置されたトラッカーの色がグレー(アクション無し)から、イエロー(何かしらのアクションがとられた)、グリーン(政策が施行された)へと変化するようになっている。また、政策が施行されなかったり、その内容が公式に変更されると、トラッカーの色が赤くなる。
個別の項目をクリックすると、現状がポップアップウィンドウ内に表示されるようにもなっている。
今朝の就任演説の通り、全ての項目はグレーの状態でスタートした。
各項目に関するアップデートや政策に関するニュースのまとめは、これから毎日ブログポストとしてTrack-Trump.comに掲載される予定だ。
作成者たちの政治的思想は左派寄りではあるものの、レポートの形式や、特定の政策変更に関する各メディアの報道の仕方を考えると、バイアスが入る余地はほぼないと言える。むしろTrack Trumpは、単純に何かアクションがとられたり、政策が施行されたり、取り消されたりすればそれを記録するだけだ。つまりこのサイトは行政命令と可決された法律にしか注目していない。
「政治的な思想に関わらず、新政府の活動を偏見なくモニタリングしたいと考えている人たち全員が便利だと感じられるようなリソースを作るというのが私たちの目的でした」とサイトには記載されている。
既に多くの報道機関がTrack Trumpのダッシュボードをニュースで引用していいかと問合せているようで、サイトが今日ローンチされたことを考えると、これはすごいことだ。もしもこの人気が続けば、トランプの就任から100日を過ぎてもサイトを継続するかもしれないとAltmanは話している。
その頃には他のスピーチや文書の内容にも触れるかもしれないと彼は言う。
ツイートはどうだろうか?
「ツイート内容は無視しようと思っています。その話はやめておきましょう」とAltmanは笑いながら言った。
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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter)