元Googlerによるプログラミング学習用目玉ロボット、クラウドファンディングにて資金調達中

来年のホリデーギフトとして流行るかもしれない。Play-iが、クラウドファンディングにて教育用ロボットの資金調達を開始したのだ。このロボットは、子供たちにコーディングの概念を教えることを目的に活用するものだ。

開発したのは、2010年に自ら設立したJamboolをGoogleに対して7000万ドルで売却し、そしてConsumer Payments部門の長を務めていたVikas Guptaだ。Play-iは募集開始から24時間で148,085ドルを集めており、さらに今年の春にはGoogle Ventures、Madrona Venture Group、その他の投資家より100万ドルの資金も調達している。

今回市場に出そうとしているロボットはBoとYanaという名前だ。それぞれ専用のアプリケーション経由で操作する。アクションボタンを入れ替えることにより、ロボットへの命令セットを作成できるわけだ。たとえば手を叩いて前進するようにさせたり、その場で回転させたりすることができる。他にも木琴を演奏させたり、誰かに試験管に入った花を捧げたりすることもできる。一般のプログラミング言語によるプログラミングとは違った感じだが、子供たちにロボットによるフィードバックを見ながら、ロジック(論理)を学ばせることができる。

BoとYanaはお互いを認識して行動することもできる。Boには車輪がついていて、その場でぐるぐるまわったり、どこかに走って行くことができる。Yanaには車輪はなく自分の力で移動することはできない。

子供にゲーム感覚でコーディングを教えるツールというのはいろいろと出てきている。たとえばMove the TurtleCargo-Botなども有名だ。したがってゲーム感覚でプログラミングを行ったり、あるいはプログラミングにより相互作用的なキャラクターを動かすなどというのも別に新しい試みではない。また、おもちゃを動かすということでいえばBee-Botなどの商品も世に出ている。Play-iのプロダクトが独創的なものであるというわけではないわけだ。

ただ、YanaとBoは(少なくとも大人の目で見た限り)とてもチャーミングで、プレゼントにも適しているように思う。プログラムに応じて大きな目を光らせ、何かを訴えかけてくる様子は「くすぐりエルモ」(Tickle Me Elmo)風でもあり非常に可愛らしい。Guptaによれば可愛さをアピールしようとデザインしたわけではないが、ペット風の外見は採用しないようにと意図してデザインしたのだそうだ。

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(翻訳:Maeda, H


モバイル時代の英語教育サービスを目指し、東京でサービスインを準備中のOKpanda

モバイル時代となり、外国語学習はどこにいてもできるようになり、また外出先で見つけた気になる外国語を翻訳するサービスなども数多く登場してきている。メジャーなDuolingoをはじめ、英語やドイツ語、あるいはロマンス語系を学ぶためのサービスが非常に多く登場してきている。しかしそのような中、学習者としてアジアや、とくに日本をメインターゲットとしたサービスというのはほとんど見当たらない。

そこにビジネスチャンスを見つけようとするのがOKpandaだ。シリアル・アントレプレナー兼アプリケーション開発者であるAdam Griesと、マルチプレイヤーゲーム系スタートアップのPlayerDuelの共同ファウンダー兼CTOだったNir Markusが設立した。アジア圏での英語学習サービスを提供しようと考えており、日本を最初のターゲットとして位置付けている。

事業展開のため、OKpandaはResolute Venturesが主導し、Innovation Endeavors、Kapor Capital、そして500 Startupsなども参加したラウンドで140万ドルの資金を調達している。尚、Karma、TapjoyのファウンダーであるLee Lindenや、APAX Asiaの前チェアマンだったMax Burger、ProdcteevのファウンダーであるIlan Abehassera、そしてMafia Warsの共同ファウンダーであるRoger Dickeyなど、数多くのエンジェル投資家も出資している。

もちろん、日本市場でのサービス展開を目指すのはOKpandaが最初というわけではない。しかし日本にはまだまだ掘り起こされていない市場価値があるはずだというのがOKpandaの考えだ。たとえばGriesは、たいていのサービスでは現代の口語英語による会話レッスンに力を入れていないと分析している。すなわち、英語を「学んだ」人でなく、ネイティブの使う英語表現などの部分で、まだまだサービスを提供する余地があると考えているわけだ。

また、アジアにおけるさまざまな市場条件も、新規参入を支援するものと考えることができるのだそうだ。たとえば日本はアジア最大規模の語学学習マーケット(首位の中国に僅かな差で2位)で、語学学習の市場規模は50億ドルほどとなっている。ここには電子辞書やテスト準備のためのデバイス類は含まれておらず、これを入れればほぼ80億ドルの市場規模になっている。

さらに、多国籍展開を目指す楽天やユニクロなどのトップ企業が、英語を公用語として用い始めていることも、英語学習熱を更に高める効果があるとふんでいる。ビジネスの世界において、英語が「標準言語」としての地位を高めつつあるわけだ。日本の企業の多くが、グローバルマーケットに打って出て成長を成し遂げようとしている。しかし日本では英語を苦手だと考える人も多い。そこに大きなチャンスがあるのだとGriesは述べている。

OKpandaのアプリケーションはまだリリースされておらず、Griesの話では12月までにはリリースしたいという考えであるそうだ。最初はまずiPhone版を展開していく。ちなみにこれまでは44%のシェアを握るNTT DocomoがiPhoneを扱っていなかった。しかし最近になってiPhoneの取り扱いを開始した(但し、Docomo自体は苦戦しているようではある)。これによって、日本でもiPhoneがさらに普及していくと考えられ、これまたOKpandaにとっての追い風だと言えるのかもしれない。

先にも述べたように、日本人はこれまでに膨大な金額を英語教育のために使ってきた。しかし英語が得意な国民というわけではなく、2012年におけるTOEFLの結果では、スピーキング能力はアジア内で下から3番めというランキングになっている。Gries曰く、こういう状況も見据えて、OKpandaではまずリスニングとスピーキングに重点をおいていくことにしているのだという。そしてそれこそが、アジア諸国における「主要ニーズ」(key needs)であると意識しているのだとのこと。

学習には、いつも手元に持ち歩いているスマートフォンを使う。数多くのアバターと、現実的なシチュエーションを想定した「会話」を行っていくことで、英語の学習を進めていくことになる。これにより何十万もの英語の自然な言い回しを身につけていこうという狙いだ。

OKpandaの拠点はニューヨークにある。しかし東京オフィスも準備した。東京でのサービスインを控え、これからしばらくはほとんどのメンバーが東京で活動することになるそうだ。12月までにまず日本向けの英語学習モバイル教材をリリースし、それからアジア各国に展開していく考えだ。ビジネス展開を見据えつつ、2014年ないし2015年のアジア各国展開を目指している。

世界には20億の英語学習者がいて、また500 StartupsのDave McClureが言うように「英語が世界の事実上の標準言語となっていて、みんなのポケットにはモバイルデバイスが入っている」と言っていた。「英語」と「モバイル」、そして「教育」の親和性は高いはずなのだ。

OKpandaは、まず楽しく、かつ簡単な英語学習プログラムの提供を目指している。なかなか成果の出ない英語学習を続けさせられてきた日本人に「楽しく」、そして「簡単な」方法を提供しようと考えているのだ。

効率的で魅力的なサービスを展開するため、OKpandaは優秀な人材をアドバイザリーボードのメンバーとして確保するためにも獲得資金を活用している。たとえばHarvard English Teachers’ Programの元Associate DirectorであるKaren Price教授や、LearnistのファウンダーであるFarbood Nivi、そしてFarmvilleおよびRed Hot Labsの共同ファウンダーであるAmitt Mahajanなどの名前も見える。

興味のある人はOKpandaのホームページにてメンバー登録をしておくことができる。登録したメールアドレスにサービス開始時期などの情報が届くようになるわけだ。

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(翻訳:Maeda, H


Wolfram Alphaがランダムに数学の問題を出して、解き方を一歩々々教えてくれる

数学や科学を勉強している人は、複雑な方程式を解くツールとしてWolfram Alphaをよくご存知だろう。でもそれは、カンニングのためには便利でも、必ずしも学習を助けてはくれない。そこで今日(米国時間10/18)Wolfram Alphaは、学習者のための新しいサービスWolfram Problem Generator立ち上げた。それはこの“計算機処理による知識エンジン(computational knowledge engine) ”が、逆立ちをしたようなサービスだ。

Problem Generator(問題生成機)はWolfram Alpha Proの正規ユーザが利用でき、ランダムな練習問題を作って、その解き方をWolfram Alphaが一歩々々支援する。

今現在Generatorは、6つの科目をカバーする: 算術、整数論、代数、微積分、線形代数、統計学。問題の難度は、小学生レベルから大学の微積分のレベルまでの数段階、指定できる。同社の今日の発表声明によると、小中学校レベルの問題はCommon Core Standards*に準拠している。〔*: 全国共通学力基準, 英文Wikipedia日本語参考記事。〕

ツールの使い方は単純だ。ユーザ(児童生徒学生、教師、…)が科目と難度(初等、中等、高等)を指定すると、システムが問題を生成する。

Wolfram Alphaによると、解答を読むにあたって同社の自然言語処理システムを利用し、どんな書き方でも理解に努める。だから“すべての学習者が自分なりのやり方で学習し自分を表現できる”、ということだ。これがたぶん、このサービスのキモだろう。これまでにも類似のツールはいろいろあったが、答えを書く形式が厳しすぎるので、不正解になっても、本当に間違えたのか、書き方のシンタックスが不正だったのか、どっちか分からないことが多い。

答えを三回提出して不正解だったら、Wolfram Alphaが解き方をステップバイステップで教えてくれる。またProblem Generatorは、教師が多項選択式の試験問題(そのままプリント可)を作るためにも使える。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


LinkedInのリード・ホフマン、子どもたち全員にプログラミング教育が必要な理由について現実的な説明をする

最近テクノロジー業界ではコンピュータ科学の教育を拡大する大掛かりな運動がいくつも動き出している。マーク・ザッカーバーグとビル・ゲイツは1000万人の新しいプログラマーを養成するCode.orgaのプロジェクトにサインした。その翌日に教育スタートアップのGeneral Assemblyがプログラミングを自習するツールを公開した。また数週間前にはSquareのCEO、ジャック・ドーシーがアメリカ下院民主党院内総務ナンシー・ペロシと少女のためのプログラミング・キャンプについて話し合った。

しかし誰もがIf… Thenループが書けるようになったとしたら、どういう影響があるのだろう? 大学でプログラミングの教育を受けながら一度もコードを書く機会がない人間の数は多い。コンピュータ科学科の卒業生の大部分はシリコンバレーで職を得られない。

われわれはCode.orgの「1000万人のプログラマー」運動のローンチ・イベントでLinkedInの共同ファウンダーでナイスガイ・ベンチャー・キャピタリストリード・ホフマンにこの運動に協力する理由についてインタビューすることができた。 ホフマンは「誰もがプログラミングできるようになったらどうなるか?」について、以下のような極めて冷静かつ現実的な見解を話してくれた。

1. 社員が誰でもテクノロジー面での問題解決能力を持つようになる:全員が高度なプログラミング能力を持つ必要はない。ソフトウェア作成能力は別にLinkedInの社員でなくても、あらゆる業種の従業員に必要だ。

自分でコードが書ける人間が増えれば、それだけ多様な優れたソリューションが登場する可能性が増える。たとえば、テクノロジーに関しては未開の地であるアメリカ議会でさえ、Darrell Issa下院議員は立法過程をクラウドソース化するツール、Project Madisonを作ることができた。これはIssa議員自身とそのスタッフが外部のデベロッパーに頼らず自分たちでプロトタイプのコードを書けたからだ。発案者自身がプログラミングできず、プロトタイプを作れなかったために埋もれてしまった良いアイディアの数は無数だろう。

「誰もがプログラミングできる」ようになっても優秀なプログラマーの不足というシリコンバレーの悩みが解決されるわけではない。しかし社会全体のイノベーションは大きく加速されるだろう。

2. 社会的に価値あるテクノロジーになる:私〔ホフマン〕がスタンフォード大学に行かなかったら、おそらくソフトウェア起業家にはなっていなかっただろう。以前から世界を変えるような仕事がしたいと願ってはいたが、テクノロジーにそれほどの力があるとは考えていなかった。しかしXerox PARC研究所でひとつの啓示を受けた。テクノロジーは、たとえばイースト・パロアルトで教えている友だちがもっと多くの生徒を教育することを可能にするかもしれない。私自身は教育ソフトを開発しなかったが、社会的価値のある大規模なプロジェクトに関わっていく契機になった。こうしたことは他の投資家の場合も同様だ。

最近17歳のBrittany Wengerが人工知能とデータベースを利用してガンの検査精度を劇的に改良する非常に経済的な方法を発見した。「私は人工知能というもの知って感動しました。私は翌日、本を買って家でプログラミングを独習し始めました」と彼女は言っている

テクノロジーを学ぶチャンスがなければこうしたすばらしいアイディアが日の目をみることは決してなかっただろう。

しかしシリコンバレーは平均的アメリカ人の数学能力についてあまり買いかぶりをしないようにすべきだ。アメリカの大学生の47%は簡単な分数の計算さえできない。ましてプログラミングに必要な複雑な論理演算にいたってはとうてい無理だろう。

小学校から高校までの教育カリキュラムを改革するという困難きわまる事業に成功したとしても、プログラミングをマスターできる生徒はやはりごく一部にとどまるだろう。しかし、ほんの一握りの生徒が優秀なプログラマーになるだけでも数多くのスーパー・クールなプロダクトが作られるには十分だ。そして、それはこの改革に注ぐ努力に見合う価値があると私は考える。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


子供たちのアート作品などを保存するKeepy。サービス拡張を狙って110万ドルの資金を調達

Keepyは、子供のアート作品や通知表などをデジタル化してスクラップしておくためのサービスだ。各データには、いろいろとインタラクティブな要素を付け加えて保存しておくこともできる。このKeepyが、システムの拡充などを目的としてシリコンバレー、ニューヨークk、およびイスラエルの投資家たちから110万ドルの資金を調達した。投資したのはBen Ling、Eyal Goldwerger、Eyal Gura、Magma VenturesのModi Rosen、Petra VenturesのNadav Peres、Winklevoss Capital、Yair Goldfinger、およびYaron Galaiとなっている。

Keepyは、子を持つすべての両親がいずれ直面する問題に対して解決策を提供しようとする。すなわち、子供が幼い頃に生み出すアート作品をどうやってすべて保存しておくのか、そしてまた、そうして保存した作品をどのような方法で祖父母や親戚たちと共有しようかという問題だ。Keepyはそうした「作品」をアップロードする場を提供し、またコメントなども登録できるようにした。Keepyでは、それぞれの登録アイテムを「Memory Playlist」と呼んでいる。

サービスがスタートしたのは1ヵ月と少々前のことだ。しかし提供開始以来、既に5万人以上の会員が利用登録を行っている。登録した人は写真やビデオなどを登録してシェアするだけでなく、寄せられる反応などをきっかけにコミュニケーションも行っている。

「寄せられる反応」というのは、登録されたアイテムに対する、声ないしビデオによるコメントなどのことだ。両親は、子供が自らの「作品」の説明をしている様子を撮影して登録できるし、また閲覧した親族などもそれぞれいろいろなコンテンツを使ってレスポンスを送ることができるようになっているのだ。

また、KeepyにはFacebookと対応し得る要素もある。すなわち全ての登録データがプライベートなものとして扱われるのだ。自分では何の意思表示もできないうちに、両親が一般公開してしまったいろいろなもののおかげで、将来において馬鹿にされるだとかいうこともあり得ないわけだ。

創立者はOffir Gutelzonだ。以前設立したPicScoutは2011年にGetty Imagesに売却している。Keepyを通じて、世界中の子供たちの思い出を管理する役目を担おうと考えている。他にもこうしたサービスが存在する中、集めた資金を使ってどのような展開を見せるのか、今後を楽しみにしてみたい。

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(翻訳:Maeda, H


Amazonがオンラインで算数を教えるTenMarksを買収, いよいよ教育アプリ/コンテンツに本腰

Amazonが、オンライン教育のTenMarksを買収する、と発表した。後者は現在、算数のカリキュラムを提供しているが、AmazonのKindle担当VP Dave Limpの声明では、“ AmazonとTenMarksは共に、リッチでマルチプラットホームな、そして先生たちと親たちと児童生徒に愛される、教育コンテンツとアプリケーションを開発していきたい”、ということだ。

TenMarksは2008年に創業され、これまで何度か、投資ではなく融資を得てきたが、至近の2011年9月には、Catamount VenturesとBirchmereから300万ドルの投資を獲得した。

TenMarksのサービスTenMarks Mathは、教師が指定した難度とコンセプトに基づいて、‘プレイリスト’と呼ばれる個人化されたカリキュラムを作る。教師はこのサービスを無料で利用でき、今では全国数万校で採用されているという。

TenMarksの協同ファウンダRohit Agarwalは今日(米国時間10/10)の声明の中で、“AmazonとTenMarksは、学校や家族が実装しやすいソリューションを誠意をもって真剣に開発していく”、と述べている。“弊社は現在、教師と児童生徒と親に、算数の全国標準必修カリキュラムの効果的な履修を助けるリソースを提供している。それらによって、大規模でプロフェッショナルな授業展開や、親とのコミュニケーションが可能になっている。弊社のビジネスモデルはこの信念を反映して、先生たちの登録と利用は無料、ほかに必要に応じて有料の機能も利用できる、という形になっている。今後は、AmazonとTenMarksが協力して、K-12の分野に重要なイノベーションを作り出せると信じている”。

しかしTenMarksのこれまでのビジネスモデルは、Amazonの一翼となる今後は意味のないものになるだろう。買収の完了は2013年の第四四半期内とされ、金額条件等は公表されていない。

Amazonは教育コンテンツと教育アプリ/アプリケーションを‘マルチプラットホーム’向けに制作提供していく、と言ってるのだから、それらがKindle向けに限定されないことは明らかだ。Kindleそのものも今では、iOSと‘ふつうの’Android用にアプリがあり、またKindleコンテンツをブラウザ上で読むことのできるWebアプリケーションもある〔日本はまだのよう〕。いわばAmazonは伝統的に、マルチプラットホームだ。

また、タブレットの教育利用では、教科書なども含めてApple iPadがダントツに強いが、当然Amazonは、Kindleと今回のような内製コンテンツで、食い込みをねらうだろう。今あるKindle Textbook Rental(教科書レンタル)も、今後はそういったアプリと連携して、より魅力的なパッケージを提供していくだろう。

現在のAmazonは、アプリの量ではGoogleやAppleに大きく差をつけられている。しかしそのことは、今後の教育市場開拓とは無関係だ。重要なのは、学校と親がとても気に入るような、魅力的なコアカリキュラムを、今回のように教育テクノロジ企業とのパートナーシップで作っていくことだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


国際ガールズデー特別寄稿:小4女子ですがTechCrunch Disruptに参加しました!

編集部:先日のTechCrunch Disruptハッカソンではカリフォルニア州サニーベールから来た小学校4年生のAlexandra Jordanが聴衆のお気に入り賞を獲得した。

JordanはSuper Fun Kid Timeという友だちと遊ぶ時間を予約するサービスを自分で考案し、コードを書き、プレゼンをした。ローンチは11月になる予定だ。10月11日は昨年国連によって正式に国際ガールズデーと定めれられた。そこでわれわれはこの日を記念してJordanにガール・ハッカーとしてDisruptに参加した体験を寄稿してもらった。

1月ほど前、パパと私はサンフランシスコに行ってTechCrunch Disruptのハッカソンに参加しました。とても楽しかったのですが、それはこういうわけです。

会場にはたくさんブースやお店が作られていて、私はあちこち見て歩きました。ものすごく広々とした会場で少しも狭くるしい感じはしませんでした。ほんとにたくさんの種類のコンピュータがありました。ハッカソンはプログラミングするのに最高の雰囲気でした。プログラミングするときは集中できる環境がとても大事です。たくさんのプロのプログラマーといっしょになれたのも素晴らしい経験でした。

あんなに大勢の聴衆の前でプレゼンをしたことでとても自信ができました。たくさんの人が私のSuper Fun Kid Timeというプロジェクトを気に入ってくれました。これは子どもたちが友だちと遊ぶ時間を調整するサービスです。私がこのプロジェクトを思いついたのは夏休みに入る前に遊びのスケジュールをきちんと調整するのを親はよく忘れるからです。私がTechCrunch Disruptでプレゼンをした後、まだローンチ前だというのに5000人もの人がSuper Fun Kid Timeに登録してくれました!

ブラジルとオーストラリアでは現地の人がその国のバージョンを立ち上げようとしています。

イベントの後、たくさんの人が私に連絡してきました。みんなとても親切に助けてくれようとしました。とても素晴らしかったです。コロラド大学の全国IT女性センター(National Center for Women in Information Technology)はコロラドを襲った洪水のさなかだったというのに、私にTシャツなどの記念品を贈ってくれました。Microsoftのダグはなんと新しいコンピュータをくれました。Good Morning Americaなどマスコミの人にもたくさんインタビューされました。.

1週間前にパパと私はニューヨークに行って別のハッカソンに参加しました。TechCrunch Disruptで知り合ったooVooという会社の人が招待してくれたのです。ooVooはSuper Fun Kid Timeに12まで同時に参加できるビデオ・チャット機能を追加するのを手伝ってくれました。このハッカソンは昼間の時間だけだったので私も始めから終わりまで参加できました。フロアが4つもあって、それぞれ違うことをやるのです。私はBBCの人にインタビューされました。私のお祖父ちゃんはBBCのファンなのでとても喜んでくれました。

私はプログラミングが好きです。じーっと座って考えるのが好きだからです。それとパパといっしょにプログラミングするのが好きです。 私は読書、作文、図画、数学、テレビ、言葉パズルも好きです。

私がプログラミングする動機は、立派な人になりたいからです。世界を良くすることを助け、新しい発見をし、女の子や女性が何でもできることを証明したいのです。私のインスピレーションの源は、パパ、家族、お友だち、そして女性のプログラマーです。私はテクノロジーの分野で活躍する女性にあこがれていますが、TechCrunchDisruptとooVooなどでそういう人たちにたくさん会うことができました。.

Super Fun Kid Timeの他にも将来とりくみたいアイディアがいくつかあります。その一つはSafe Tubeというものです。私のきょうだいは自閉症なのですが、ときどきYouTubeで不適当な動画を見ることがあります。

SafeTubeはこの問題に取り組みます。実はハッカソンでは最初こちらのプロジェクトを考えていました。それからRaspberry Piのプログラミングを学びたいです。私は動物が好きなので将来は獣医学に役立つようなテクノロジーを開発したいです。でも今はSuper Fun Kid Timeを一日も早くローンチすることに集中しなければいけないと思っています。なぜならとてもたくさんの人が待っているからです。

無事にローンチがすんだら、次に女の子のための放課後のテクノロジー・クラブのようなものを作りたいです。毎週1時間くらい女の子にコードの書き方を教えるものです。女の子が小さいうちにプログラミングを学んでおけば、後になってテクノロジーにくじけることがなくなると思います。

今まで女性はテクノロジー分野で遅れていました。これからは女性がテクノロジーで活躍することはとても大切だと思います。今まで参加をはばんできた障害を乗り越える方法を見つけなければなりません。それに女性は女性が作ったものが好きです。会社に女性のプログラマーがいなかったら女性の考えををプロダクトに生かすことができないでしょう。それでは成功でlきないと思います。

国際ガールズデー運動は今年の戦略的目標を女の子の教育の拡充に定めている。国際ガールズデーについてはこちらに詳しい

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Twitter世代向けに、数分間単位のごく短い教育ビデオを提供するCoursmos

Dave McClureのみならず、シード投資家に売り込みをかけるときは、相手を惹きつけることのできる内容から始めるべきだ」。

これを実践してまずCoursmosというiOSアプリケーションをリリースして、少なからぬ人の注目を集めることに成功したスタートアップがある。

そのスタートアップは、ロシアに拠点をおいている。彼らは、既存Eラーニングの問題点を突いて、より効果的な学習環境を提供するのだと主張している。長い時間(最低でも数週間)をかけて学習を行う従来型MOOCと異なり、Coursmosはレッスンをより細かい、把握しやすい規模に分解する。たいていは数分程度のビデオにまとめられていて、たとえば職場に向かうバスの中などでの利用を想定しているわけだ。

これは言うならば「Twitter世代に向けたEラーニング」といったところだ。マイクロブロギングサービスのように、教育コースを短い制限時間内で提供しようという試みだ。気を散らしやすい世代(Generation Distracted)向けの教育環境とも言えるのかもしれない。

「人々は学びたいと思っています。ただ、現在のMOOCは従来型のオフライン教育のやり方に拘り過ぎていると思うのです。もちろん、オンラインコースでも従来と同じクオリティを保とうと考えてのことなのでしょう。しかしひとまとまりの長さを小さくすることで、レッスンを受ける前に時間についてあれこれと悩む必要もなくなるでしょう。世に広がっているMOOCでは、受講前にかなりの覚悟が必要となってしまうのです」と、共同ファウンダーのPavel Dmitrievは言っている。

「Coursmosのマイクロコースフォーマットは、さほど時間をとることなく、簡単に内容を把握できるようになっています。3分間を確保できるのなら、レッスンをひとつ受けることができます。繰り返しておきますが、30分でなく3分でワンレッスンを完了することができるのです」。

ワンレッスンの長さを短くしようとする狙いを実現する意味もあって、CoursmosはモバイルファーストでまずはiOSアプリケーションをリリースすることとした。Androidアプリケーションも現在準備中だ。Dmitrievによれば、ウェブプラットフォームも構築する予定であるとのこと。6月の設立以来、これまでにシード資金として15万ドルを調達している。出資しているのはロシアのエンジェル投資家の他、ウクライナのテック系インキュベーターであるHappy Farmなどだ。

Coursmosはレッスン自体をどこから入手するのか。それはクラウドからだ。今のところ、講座の数はまだまだ非常に少ない。そして大方の予想通り、品質的にもばらつきが大きい。しかしこれは、新たなプラットフォームを開拓しようとする際にはよくあることだとも言える。

しかし、実はこの記事自体、500 StartupsのメンターであるVitaly Golombの作成したマイクロコースをきっかけに執筆にいたっているのだ。但しぱらぱらと他のコースを見てみたところでは、それほど面白いと思うものには出会えなかった。短いのだから全てのコースが簡潔にまとめられているというわけでもないようだ。

UGC(User Generated Content)というのが広く受け入れられるようになっており、Coursmosとしては「レッスン」についてもクラウドから良いものが出てくるはずだという信念を持っているのだろう。アプリケーションの中でも「フィーチャードコンテンツ」として、品質の高いコンテンツをまとめて提示することができるようになっている。そうした形で紹介できるほどに、たくさんのコンテンツが生まれてくるのであれば、なるほど面白いプラットフォームとして機能することになるのだろう。

また、アプリケーションには講義をカテゴリ毎に分類して表示する機能もある。カテゴリはアートや料理からコンピューター、工芸、健康、ビジネスなどの多岐にわたっている。購読するコースは「Your classes」タブにまとめておくことができ、簡単に見なおしてみることもできる。さらにすべてのレッスンには「mark completed」(完了マークを付ける)ボタンが用意されていて、「Your classes」タブ内のレッスンを全て受講したかどうかなど、簡単にチェックすることができる。

仕組みとしてはきちんとしていると思う。ただ、こうした仕組みの「中身」を埋めるのは、講義ビデオと同じような「短い間の苦労」では済まないかもしれない。今のところはコンテンツが登録されていないカテゴリもかなり存在するのだ。

確かに、YouTubeなどでも、シナモンパウダーにむせ返らない方法など、さまざまな知識を無償(ないしはほんの少しではあれ、ネット上でのウケを獲得するために、それとももしかすると広告収入でリッチになるという実現可能性の低い目的)で公開してくれる人がいる。そういう意味でCoursmosも、クラウド経由によるコンテンツの充実を願っているのだろう。ただ、YouTubeは多くのオーディエンスの獲得を期待できる大きなプラットフォームであり、また何ら「教育的」でなくてもコンテンツをアップロードすることができる。そういう意味でみるとCoursmosのハードルは少々高めに設定されていると言うこともできよう。

もちろんCoursmosも、ただ手をこまねいてコンテンツの充実を願っているわけではない。講座を有料にするオプションも提供して、口座開設のモチベーションをあげようと努力もしている。ちなみに有料化した場合は9%がCoursmosの取り分となり、それによりマネタイズの途も確保しようという考えだ。但し、同時に有料化する講座は少ないだろうとも予測しているようだ。既存MOOCでも大学レベルの教育プログラムを無料で提供しているわけで、3分の講座を有料で提供するには、相当に特殊かつ充実した内容でなければ難しいはずだと考えているわけだ。また、気を散らしやすい世代は、なかなか財布の紐を緩めないものだという認識もある。実際問題として、さくらんぼの柄を口の中で結ぶという難しい技も、YouTubeで無料公開されたりしているのだ。

無料で学ぶための方法として、MOOCが最大の関心を集めているのは間違いのないところだ。しかしCoursmosも、YouTubeで公開されているチュートリアルなどとは充分に競合していけるという目論見をもっている。誰もが自由にコンテンツをアップロードするのではなく、組織的な管理を行って、利用者側も体系だって閲覧できる仕組みを提供することにより、変わった猫のビデオなどよりは人気がでるはずだと考えているのだ。

「Coursmosは組織的に、教育分野に注力することで、より多くの人に学習環境を提供していきたいと考えているのです」とDmitrievは述べている。

本稿の執筆にはTechCrunchのSteve O’Hearも協力している。

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(翻訳:Maeda, H


遊びながらハードウェア製作を学べるブロック玩具littleBits, もうLEGOは古い?

全世界がLEGOとK’NexとMeccanoと子どもたちの無限の想像力でできていた。でも、世界は変わり、そして玩具も変わる。ニューヨークの意欲的なハードウェアスタートアップlittleBitsも、その変化の波に乗って、LEGOに代わる新世代の組み立て玩具(ブロック玩具)を作ろうとしている。

同社が最近ローンチしたニューモデルのExploration Kitsは、子どもたちが遊びながらハードウェアを勉強できる知育組み立て玩具だ。今日はファウンダでCEOのAyah Bdeirが本誌のスタジオに来てくれて、その‘遊び方’を見せてくれた。

そもそも、littleBitsとは何かというと、色分けされた部品の集まりだ。モーターがあり、ライトがあり、ブザー、センサ、電池などなどがある。それらを積み木のように組み立てると、回路やシステムができあがる(表面が磁石になっているので互いにくっつく)。電気/電子回路に関する事前の専門知識は要らないし、めくらめっぽうにいろんな実験をしてもよい。ぼくも、上のビデオを撮ってるとき、いろんなものを組み立ててみたが、たぶん一日中やってても飽きないだろう。

たとえば、電池とライトをくっつけるとどうなるかな? モーターと車輪を組み合わせて、自動車のようなものを作り、それに光センサをつけるとどうなるか? どんなことでも、素朴なデザインの部品ブロックを互いにくっつけたり、組み合わせるだけでできる。しかもオープンソース派の彼らは、すべての部品ブロックの回路図をGithub上で公開しているから、変更も自由にできる。

部品ブロック(“bits”と呼ぶ)の種類は、いまどんどん増えている。昨年シリーズAで365万ドルを獲得した同社は、新しいキットの開発にも熱心だ。Bdeirは、現在開発中のものの一部も、ちらっと見せてくれた。その中には、無線通信のためのブロックもある。

本誌のJohn Biggsが、うんと初期のlittleBits kitで遊んでみたとき言っていたように、お値段があまり安くない。最小セットの10ブロックのExploration Kitが99ドル、14ブロックのが149ドル、その上に199ドルのデラックスセット(18ブロック)がある。でも、遊びながら実際のハードウェアについて学べるのだから、高いとは言えないかもしれない(各ブロックが専用の…オリジナル開発の…プリント基板を使っていたりして、かなり本格的)。

〔余計な訳注: LEGOまでの“形状実現組み立て玩具”に対して、これからは、このような“機能実現組み立て玩具”が重要だと思う。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


調査報告:子供の読書週間は更に失われつつあるらしい(2012年比で8%減)

「ハリー・ポッター」シリーズを楽しんだ人は多いことだろう。しかしAngry Birdsもやはり楽しいし、Snapchatも面白い。Facebookを四六時中見ている人も多いし、ステージで観たJustin BierberをYouTubeで再度楽しむのも普通のやり方だ。メッセージのやり取りやHalo、Disneyチャンネルを見ていてとまらなくなることもあるだろうし、Transformerを何度も観てしまうひともいる。あるいは外でドローンを飛ばすのに夢中という人だっているはずだ。

つまり現在、「本」にはあまりに多くのライバルが存在する時代になっている。Nielson Booksの調査でも、「たまに読書する」(occasional readers)人たちの時間は、徐々に「デジタル」に奪われつつあるようなのだ。Bookseller Children Conferenceでとくに、0歳から17歳の間では「本を読まない」人と「たまに読書する」という層を合わせた割合が、2012年調査時には20%であったのが、今回の調査では28%に増えているのだそうだ。つまり、いつでも本を読むという率が下がっているのだ。

依然として「読書」というのが「人気のある」アクティビティであるのは、本好きにとっても良い話だろう。子供たちのうちの32%が、毎日本を読んでいるのだそうだ。人気アクティビティの第2位で、1位のテレビ(36%)に少し負けているだけだ。「読書」が少なくとも今のところは21世紀のエンターテインメントであるソーシャルネットワーク(20%)、YouTube(17%)、あるいはモバイルゲームないしモバイルアプリケーション(16%)を上回っている。

1週間の幅で見ると、60%の子供たちが本を読んでいるというのも良い話なのだろう。しかし、実はここに読書習慣の「衰え」が観られるのだとNielson BooksのJo Henryは言っている。

1日に45分以上本を読む「本の虫」ないし「大の本好き」といった人種は、巷に溢れるガジェットの影響などなく、相変わらず本に夢中だ。しかし「ほとんど読まない」子供や「たまに読書する」子供たちは、これまで以上に本から遠ざかりつつあるようなのだ。

たとえば上のグラフは1週間単位のアクティビティについてまとめたものだが、2012年から2013年にかけて伸びたのは「ゲーム」(Play games apps)、「YouTube」(Visit YouTube)、「メッセージのやりとり」(Text)だけなのだ。読書週間は非常な勢いで減じつつあると見ることもできる。

これはすなわち、さらなる「自己啓発デバイド」を招いているのではないかと心配するむきもある。下に載せた1990年台風カラフルグラフが、年代ごとの読書週間を示すものだ。

確かに、この手の調査というのは少々割り引いて考えるべきものなのかもしれない。数値は平均データを取り上げただけに過ぎず、また調査も公平なものとは言えなさそうだ。

ただ、読書習慣は少なくとも2005年辺りから徐々に失われつつあるというのは他の調査でも指摘されている[PDF]。さらに、National Literacy Trustの調査によるとウェブ上で文章を読むということも2005年比で減少しているのだそうだ(64%から50%)。すなわち、読書習慣に変わって、電子的読書が進んでいるというわけでもないようなのだ。

読書が知育に役立つものであるのは間違いのないことなのだろう。ただ、文字を読むことに抵抗を感じる人もいる。新しい時代に適合する方法を考えて、例えば『蝿の王』Snapchat版などというものを考慮する時期にきているのかもしれない。

[Image Credit]

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(翻訳:Maeda, H)


ネイティブの人と対話しながら言葉を学ぶBusuuがユーザ数3500万ダウンロード数2000万に達す

ネイティブの人と直接対話する外国語学習サイトBusuuは、自己資金だけでスタートし、多くのユーザを獲得してきた。同社は昨年、PROfounders Capitalほか数社の投資家から、350万ユーロのシリーズA資金を調達した(その前にシード資金の調達もある)。現在のユーザ数は3500万に達し、昨年は対応言語が11に増えた。アプリのダウンロード数はiOSとAndroid合わせて2000万に達する(スマートフォン+タブレット)。言語や教育のアプリとしては、相当大きな数字だ。

世界全体で、ダウンロード数の62%がiOS、38%がAndroidだ。ダウンロード数の多い上位国は合衆国とドイツとロシアだが、ブラジル、トルコ、中国などの途上国市場が急進している。人気言語の上位三つは、英語、フランス語、そしてスペイン語だ。

Busuuは、コミュニティが大きくて活発なことも重要な戦略要素だ。そのコミュニティの中で、学習者はネイティブの人に練習問題の答えを書いて送る。すると相手がそれを修正する。学習者は相手に対して同じことをし、今度は自分の国の言葉を相手に教える者として振る舞う。

オンライン教育サービスとして有名なCourseraでもユーザ数は500万だから、Busuuの成績は相当良い。言語学習の老舗Rosetta Stoneはこの春、シアトルのオンライン言語学習コミュニティLivemochaをキャッシュ850万ドルで買収した。出口時点でLivemochaのコミュニティメンバーは1600万名だった。そして6年間で1900万ドルを調達している。これに対しBusuuのこれまでの調達資金は456万ドル、メンバー数は3500万だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ネイティブの人と対話しながら言葉を学ぶBusuuがユーザ数3500万ダウンロード数2000万に達す

ネイティブの人と直接対話する外国語学習サイトBusuuは、自己資金だけでスタートし、多くのユーザを獲得してきた。同社は昨年、PROfounders Capitalほか数社の投資家から、350万ユーロのシリーズA資金を調達した(その前にシード資金の調達もある)。現在のユーザ数は3500万に達し、昨年は対応言語が11に増えた。アプリのダウンロード数はiOSとAndroid合わせて2000万に達する(スマートフォン+タブレット)。言語や教育のアプリとしては、相当大きな数字だ。

世界全体で、ダウンロード数の62%がiOS、38%がAndroidだ。ダウンロード数の多い上位国は合衆国とドイツとロシアだが、ブラジル、トルコ、中国などの途上国市場が急進している。人気言語の上位三つは、英語、フランス語、そしてスペイン語だ。

Busuuは、コミュニティが大きくて活発なことも重要な戦略要素だ。そのコミュニティの中で、学習者はネイティブの人に練習問題の答えを書いて送る。すると相手がそれを修正する。学習者は相手に対して同じことをし、今度は自分の国の言葉を相手に教える者として振る舞う。

オンライン教育サービスとして有名なCourseraでもユーザ数は500万だから、Busuuの成績は相当良い。言語学習の老舗Rosetta Stoneはこの春、シアトルのオンライン言語学習コミュニティLivemochaをキャッシュ850万ドルで買収した。出口時点でLivemochaのコミュニティメンバーは1600万名だった。そして6年間で1900万ドルを調達している。これに対しBusuuのこれまでの調達資金は456万ドル、メンバー数は3500万だ。

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反転授業の効果は試験の点で5%アップ…それが”大きな成功”と言える理由

今、全国の学校で、テクノロジを部分的に利用する授業形式“反転授業”が普及しつつある。それは、児童生徒が講義のビデオを家で見て、教室ではそれについてディスカッションをする、という方式だ*。3年前にKhan AcademyのSalman KhanがYouTubeで行ったビデオ講義で世の中の関心が盛り上がり、研究者たちがそれを研究している間もないぐらい急速に、賛同者が増えていった。〔*: flipped classroom, 日本語Wikipedia日経記事。〕

そしてこのたびやっと、反転授業の複数年にわたる研究の報告書が出て、それによると、講義を家で見た生徒の方が試験の点が5.1%高かったという。ぼくは教師経験があるから分かるのだが、試験の平均点が100点満点で5点上がるということは、相当すごいことなのだ(後述)。だからこの研究結果は、講義を捨てて教室では体験学習を重視したいと考えている先生たちを勇気づけるだろう。

この研究報告はAcademic Medicine誌とThe American Journal of Pharmaceutical Educationに載る予定だが、薬学部の学生の場合、反転授業を受けた者の方が講義型の学生よりもやや結果が良かった。高校生や大学生の多くが今ではタブレットを持っているから、講義は家で自分のペースで見ろ、というタイプの先生が増えている。そして教室では、質疑応答や、そのほかの対話型プロジェクトに時間を割くのだ。

5%という数字に感動しなかった人に申し上げたいが、ぼくが集めた1980年代以降の研究報告…高校での授業科目や教え方と大学での成績の関係…のどれを見ても、その差は最大でせいぜい2~4%なのだ。

公共政策のシンクタンクMDRCの調査研究によると、学習者の年齢が上がるにつれて、教育方法の変化や“親の教育参加”(Intervention)がもたらす効果は急激に小さくなる。1学年の場合は、親の教育参加によって落ちこぼれ(授業についていけない子、試験の結果が落第点の子)はほぼなくなるが、高校生になるとその効果は半分ぐらいに落ちる。年長の子では、改良効果が(試験の点のアップで)6%よりも高くなることはない。

子どもの声が甲高くなくなる年齢ごろから、教育そのものの学習に及ぼす効果は相対的に低くなる。そして、IQや子育ての質、本人のモチベーションなどが、より重要な要素になる。

カリフォルニア州立大学機構サンノゼ州立大学で行われた実験的なオンライン課程に関するNational Science Foundation(米国科学財団)の報告書も、いちばん重要なのは学生自身の努力だ、と言っている。

少なくとも今の形では、教育は奇跡を起こさない。すべての学生をアインシュタインにする方法を、われわれは知らない。しかし、試験ですこしでも多く正解を書けるようにはできる。教師は、学生の将来をコントロールできない。…そしてこういった限界の中で見るかぎり、反転授業がもたらした結果はとても大きな成功だと言える。しかし教育それ自体には、学生自身の資質や関心やモチベーションほどの、大きな力はない。

[画像クレジット: Flickr User Intelfreepress]

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Webの画面上で電子回路を設計/試運転できる123D Circuits, あのAutoDeskが提供

ハードウェアハッキングには、初心者をびびらせる要素がいろいろある。そこで、123D Circuitsが真価を発揮する。仮想のArduinoボードとブレッドボードを使って電子回路を勉強するから、コンデンサが爆発することもなければ、作業台の上のはんだごてで火傷(やけど)することもない。

CADソフトの老舗AutoDeskが作った123D Circuitsは、同社の“sandbox”シリーズの一環で、ほかにも、シンプルな3Dシミュレータや3Dプリントアプリケーションなどのツールを初心者やベテランユーザに提供して、同社の、メーカー運動への参加と支援の姿勢を表明している。

ぼく自身は、ブレッドボードを使って回路を作った経験がほとんどないし、Arduinoもまだ身近な存在ではない(Raspberry Piには慣れたが)。でも、回路を作ったり電子回路の設計をコラボするための入門用システムとしては、これはかなりよくできているようだ。このアプリケーションで設計したPCBを実際にプリントすることもできるし、Arduinoをプログラミングするためのエディタまである。

このサービスは無料だが、月額12ドルや25ドルの上級プランもある。低料金のプランでは、PCBのお値段が5%引き、公開回路は無限、非公開回路は5つまでだ。25ドルのプランでは、非公開回路も無制限になる。

このアプリケーションはブラウザの中で動き、さまざまな部品や既製の設計やチップを使える。部品をライブラリからドラッグ&ドロップしてきて回路を構成し、それらを動かしたり、自分が設計した回路中の電気の流れを見ることもできる。簡単に言うとこれは、自分のラップトップの上にRadioShackがあるようなものだ。公開回路は、誰もがそれらを試してみることができる。

2012年にできたCircuits.ioも、類似サイトの一つだが、こういう仮想的なArduinoツールを使って電子工学に入門すると、感電のおそれもなくハードウェアハッキングに挑戦することができるから、とても便利だ。

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女性にプログラミングパワーを!, Squareが女子高校生対象のコンピュータ科学教育を開始

企業の社会的責任をつねに意識しているSquareは、未来のシリコンバレーの人口に多様性というか多彩性をもたらすべく、同社のコンピュータ科学教育事業をカレッジやハイスクールの女の子たちにも広げている。20のカレッジと8つのハイスクールの女生徒たちが、Squareの技術者やそのほかの教師からアートとしてのコンピュータプログラミングを教わる。カレッジの学生は4日間のキャンプを楽しみ、ハイスクール向けの教育事業は8か月にわたって展開される。

San Franciscoのハイスクールには、高校在学時に大学の単位が取れるコンピュータ科学のAP(Advanced Placement)クラスがない。だから生徒は高校終了時に標準テストによる大学初等課程の単位を取得できない。Squareの8か月の事業は、その欠落を補い、生徒達を標準テストに備えさせる。

Squareが今後この事業をサンフランシスコの全校数千名の女子学生女子生徒にまで拡大するのか、それは現時点では不明だが、Squareの広報は、受講者を拡大する方法を検討中だ、と言った。今回の発表のあとには、民主党の女性人種問題担当議員Nancy Pelosiを囲む懇親会が行われ、10名あまりの女性起業家が出席して性差別にまつわる苦労や対策を語った(集まった全員がSquareの支払いシステムのファンのようだった)。

女子学生生徒のためのコンピュータ科学キャンプは、SquareのCEO Jack Dorseyが行う二度目の女性プログラミング振興事業だ。この前はGirls Who Codeに、Twitterの協同ファウンダBiz StoneやEv Williamsと一緒に寄付をした。今度の事業の詳細は、ここで見られる。

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Google社員が世に問う、子供にプログラミングの基礎を体感させるためのボードゲーム

子供たちにプログラミングを教えようとするオンラインリソースは数多く見つけることができる。ここで紹介するのは、そうしたものとはちょっと違って、言わば「昔ふう」に家族ゲーム(1980年代には、家族で遊ぶといえばボードゲームが多かった)を楽しみながら、プログラミングの基礎を身につけさせようとするものだ。名前はRobot Turtlesで、ゲームの作者は、アントレプレナーであり、かつGoogle ComparisonのCEOを務めるDan Shapiroだ。現在は日々の業務からは距離をおいていて、こうして自分の気に入ったプロジェクトに時間を割くことができるようだ。

プレイヤーは自分の駒(亀)を、何種類かの命令カードを使って動かす。この「命令」に従った動作を行わせることで、プログラミングの基礎を学ばせようとするわけだ。ゲームの観点からするボード上を動き回る目的は、迷路を抜けて宝石をゲットすることだ。しかし真の目的は、プログラムとは何なのかを感じさせることなのだ。たとえば命令カードの種類は限られていて、そのカードを使って思ったとおりに動かそうとすれば、各命令をうまく組み合わせる必要がある。動作の順序にも気を配る必要がある。また失敗に気づいた時には命令を組み替えるという動作を通じて、デバッグ能力も身につけさせようとする。これもまた、プログラミングにはなくてはならないスキルだ。

ゲームに慣れてくれば、一度に1枚の命令カードを使うのではなく、3枚のカードを適切に組み合わせて一回の指示とするといった使い方もできる。最終的には目的達成のための手順をすべてまとめて「プログラム」として提示するレベルまでいけば素晴らしい。もちろん(必ず発生する)バグを潰す練習も将来に向けて重要なものとなる。ゲームに慣れてくれば、「Function Frog」というカードを使えるようにする。このカードはプログラムにおける「関数」のように使い、あわせてなるべく少ないカード枚数で迷路を抜け出せるようにする。

「プログラミングというのは、子供に身につけさせてあげることのできる素晴らしい能力のひとつだと思うのです。将来的に経験するさまざまなイノベーションにも対応する力を身に付けることになるでしょう」とShapiroは言っている。Shapiroは、自身の4歳になる双子の子供にコーディングの楽しさを伝えようと、このゲームを発案したのだそうだ。

ところでShapiroは本プレジェクトをKickstarterプロジェクトとして登録した。そこでRobot Turtlesを世に出す資金を集めようとしたわけだ。資金はすぐに集まり、登録後わずか一日で、目標としていた2万5000ドルのほぼ倍額が集まることとなった。そこで彼は面白いことを言っている。「Kickstarterは本当に面白い仕組みだと思います。『プロジェクト』を外部の人々が支えてくれることというのは、これまでに経験したことのない体験でした。私は人生のほとんどを企業人として活動してきました。OntelaではVCから3000万ドルの資金を預かっていました。Sparkbuyは、最終的にGoogleによって買収されました。そうした中で私は、日々戦略やビジョン、今後の進むべき方法などに頭を悩まし続けてきたのでした。当時は世の中に出すべきものは『プロダクト』であり、『プロジェクト』は自らの力のみで実行すべきものでした」とのこと。

Robot Turtlesは3歳から8歳を対象とするもので、Kickstarterでの支援者は29ドルで入手できる。支援者に対する商品の発想は12月を予定している。すなわちホリデーにはゲームを楽しめるというわけだ。

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(翻訳:Maeda, H)


Raspberry Piならアフリカの貧村の小学校にも立派なコンピュータ教室を作れる

$35/$25の汎用マイコンボードRaspberry Piはすでに100万台あまり売れているが、しかしそのユーザの大半は、合衆国やイギリスの電子工作マニアたちだ。でもファウンダがこのプロジェクトに対し最初に抱(いだ)いたミッション: “次世代のプログラマを啓発し育てることは、まだ強く生きている。たとえばここでご紹介する、Indiegogoのプロジェクトは、アフリカの農村の小学校にPiを使ったコンピュータ-教室を作ろうとしている。

今年の初めにRaspberry Pi Foundationが紹介したベルギーのボランティア団体は、大量のPiをカメルーンに持ち込んで、農村の学校にコンピュータ教室を作ろうとしていた。Piは低価格で消費エネルギーも少なく、またオープンソースソフトウェアへの世界中からのサポートもあるため(特定の専門家を要せず)、開発途上国の児童生徒達が使う最初のコンピュータとして大々的に普及してもおかしくない。ただし最初のきっかけとしては、ハードウェアの無償提供があることが、望ましい。そんなボランティアプロジェクトの一つが今、IndiegogoでPiの大量購入のための資金を募集している。

今回は対象国がカメルーンではなくてスワジランドだが、ボランティアたちはSidvokodvo Nazarane Primary Schoolという小学校にコンピュータ教室を作ろうとしている。求めている資金の総額は2550ドルだが、それは10台のRaspberry Piと、それらをラップトップ的に使うためのMotorola製Atrixドックだ。この組み合わせなら、別途モニタやキーボードを買わなくてもPiをスタンドアロンのマシンとして使える。もちろん、コネクタやスペアパーツの類も、最初から買っておかなければならない。

資金集めは順調で、〔日本時間8月22日お昼の12時現在〕まだ締切りまで20日あるがすでに2660ドルの協力出資が約束され、目標額を上回っている。たくさん集まれば、そのぶん、買えるPiの台数が増える。スイスで活動しているアメリカ人のボランティアPiers Duffellによれば、Piを使用するそのコンピュータ教室で子どもたちがまず経験するのは、キーボードを使用するテキスト入力、ワープロソフトの利用、オフラインバージョンのWikipediaにアクセス、Khan Academyで算数/数学を勉強、などなどだ。そのあと、プログラミングの浅瀬で裸足で遊んでもらう。こうして、世界中の子どもたちがプログラミングの技能を身につける。それこそが、Piのオリジナル作者たちが最初に願い、彼らの組織Pi Foundationが今でも願っていることなのだ。

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子供のアート作品をクラウドに残せば、Kiipを使った「ご褒美」を受け取れるるCanvsly

iPhone用に、Canvslyというアプリケーションが登場してきた。これは、子供の「アート作品」を写真に撮って保存およびシェアしようという目的に利用するアプリケーションだ。既にママブロガーたちの注目を集めつつあるArtkiveと、直接の競合となるサービスだ。しかしサービスの内容をよく見ると、大きく異なる部分もあることがわかる。子供アート作品を登録していって、一定のマイルストーンに達する度にリアルないしバーチャルな「ご褒美」(リワード)がもらえるのだ。

そもそもの発想はArtkiveと同じだと言ってよかろう。子供の「作品」を捨ててしまうことに罪悪感やもったいなさを感じる人は多いが、そういう人たちにデジタルアルバムで思い出を残してもらおうとしているわけだ。Artkive同様に子供ごとにプロフィールページを作成して、そこにお気に入りの作品を登録していって、ギャラリーを作成することができるようになっている。

スタートアップ企業の技術コンサルタントとしての経歴ももつファウンダーのAmit Murumkarは、子供時代に自分でいろいろな「作品」を生み出していた経験から、このアプリケーションを考えだしたのだそうだ。「学校の発表会レベルではありますが、何度も賞をもらいました。ただその頃の『作品』は何も残っていないのです」とのこと。

大人になってみて、そうした子供時代の「作品」をすべてとっておくことは不可能なのだと理解した。しかし3歳の子供の父親として、娘の思い出を一瞬のものとして消してしまいたくはないと考えるようにもなった。

そうして立ち上げたCanvslyには、同じようなターゲットを狙うArtkiveとは大きく異なる点がある。たとえばCanvslyは「ソーシャル」面により重点を置いている。シェアすることで家族や友人の注目を集める仕掛けに力点が置かれ、コメント機能や「いいね」機能(Canvslyでは「high-five」という名前になっている)も実装されている。

また、長く使い続ける中でさまざまな「ご褒美」獲得の機会も用意されている(最もたくさん投稿した人や、最も多く「high-five」と獲得した人には「artist of the month」の称号が与えられる)。「ご褒美」には、アプリケーションの世界に存在する「バッジ」のようなものもあるし、またKiipを使った「リアル」世界で通用するものもある。実のところCanvslyは2013 Kiip Build Fund Creationアワードも獲得している(Kiipをご存じない方のために説明しておくと、無料の製品サンプルなどをご褒美としてアプリケーションの利用者に対して提供する仕組みを構築するサービスだ。提供しているプロダクトにはギフトカード、MP3のダウンロード権など。何らかを「達成」するためのアプリケーションにおいて、褒賞システムとして多く利用されている)。

尚、Artkiveの方はフォトブック機能も実装するようになった。Canvslyは、今のところはフォトブック機能を提供していない。その代わりに写真を使った25種類に及ぶ小物類の提供を行っている。マグネット、マウスパッド、コーヒーマグ、ウォーターボトル、ポストカードなどといったものに「作品」写真を貼り付けて提供しているのだ。

アプリケーションが登場してきたのは1週間ほど前のことだ。宣伝もFacebookを使ってほんの少しだけ行なったにすぎない。したがって、まださほど多くの注目を集めるにはいたっていない。しかし地元の幼稚園や絵画教室などで紹介するといった地道な活動を通じて、口コミによる利用者拡大をはかろうとしているところだ。

私自身、3歳の子供の親である立場から、双方のアプリケーションを使ってみた。ただ、以前ArtKiveを試したときに感じたのと同じ不満をCanvslyに対しても感じてしまった。双方ともに、「作品」の登録に手間が掛かり過ぎるのだ。

たとえば、Canvslyでは登録作品にタイトルを付けることが必須となっている。ときに、子供の作品がいったい何を描いたものなのかわからず、タイトルに困ることもある。これは改善点ではなかろうか。また、双方ともに過去の写真を登録して、それをタイムスタンプにしたがって整理するという使い方ができない。

現在では、子供の「作品」とっておこうと考えるママ(ないしパパ)は、まずスマートフォンで写真を撮っておき、しかる後にFacebook、Google+、Flickr、Shutterflyといった一般的なクラウド環境に保存しておくというのが一般的スタイルになっている。こうしたソーシャルサイトが簡単に使える中、Canvslyのような「ニッチ」サービスが生き残っていくためには、「ご褒美」の仕組み以外にも、利用者を惹きつけるアイデアがより多く必要になってくると思う。

Canvslyはニュージャージー州プリンストンにて、個人提供のサービスとして成長を目指しているところだ。試してみようという方はこちらからダウンロードできる。

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(翻訳:Maeda, H)


Pinterest、利用者獲得のきっかけとして「Pinterest For Teachers」のハブサイトを提供開始

Pinterestが、特定のジャンルに応じた「ハブ」サイトを作成・運営するためのの実験として、「Pinterest for Teachers」を立ち上げた。URLもそのままpinterest.com/teachersとなる。もちろん9月からの新学期を意識してタイミングをあわせたものだ。Pinterest側も、他の関心分野についてもハブ化を推進する意味があるかどうかをテストする意味もあるのだと述べている。

この教師向けのハブサイトは数週間前に立ち上げられた。公式アナウンスやプロモーション以前に1300人が利用を開始したのだそうだ。8月13日のPinterestブログの記事により、公式デビューを果たしたと考えて良いのだろう。

ちなみに、このハブサイトを開設するにあたり、Edutopiaの協力も仰いだとのこと。Edutopiaというのは教育者向けのオンラインリソースを集めたサイトだ。ハブサイトには開設時点で19のボードがあり、プレスクールないしエレメンタリースクール(K-6)の教師向けのボードもある。またアート、科学、算数などといった科目毎のボードや、教室の装飾方法やおすすめブログなどを集めたボードもある。それぞれのボードのメンテナンスは、教職についているPinterestユーザーによって行われる。管理者のほとんどは、自前の教育関連サイトやブログも運営しているようだ。Pinterestによれば、この教師用ハブは、分野についても対象学年についても拡大していきたいと考えているとのこと。

分野別ハブ構築の様子をみるのに、まず教師用ハブの構築からスタートしたのは、ちょうど新学期間近の季節だからというだけではない。Pinterestの利用者には、Pinterestのサービスを利用して教育関連ツールや各種TIPS、教育プラン、図画工作素材などの情報交換を行っている教師たちがたくさんいるのだ。Edutopiaも、Pinterestは教師たちの情報交換の場所としてトップ5に入るサービスであると述べている。その言葉を裏付けるように、教育関連pin数は日々50万以上にのぼるのだそうだ。

尚、今回アナウンスされたハブサイト化への動きも、一連のコンテンツ・レコメンデーション機能のひとつとして理解することができる。6月以来、Pinterestはさまざまなレコメンド機能を実装しつつある。また、それにあわせてオプトアウト(do not track)のための仕組みも提供し始めている。サービス全体を「パーソナライズ」しようとする動きとしてとらえることができよう。こうした機能はモバイルアプリケーションでも実装されてきている。

もちろん、「Pinterest for Teachers」ハブがすなわち「パーソナライズ」の動きとイコールであるわけではない。ただ、「パーソナライズ」した情報を提供するための「きっかけ」としてハブを機能させたいと考えているわけだ。どのようなサービスなのだろうとアクセスしてきた人を受け入れるのがハブの役割のひとつだ。アクセスしてきた人の中には、誰をフォローしてどのようなページを見れば良いのかとレコメンドを欲しがる人もいるだろうし、また気の向くままにページを見て回りたいという人もいるだろう。そうした利用者のとっかかりとしてハブサイトを提供することにより(ハブサイトを見て回るだけならばアカウント登録も必要ない)、ちょっと訪問してみただけという利用者にも、サービスを一層深く利用してもらえるきっかけになればと考えているわけだ。

ハブを提供するという考えがうまくいくのかどうか、Pinterestは実験をしているところだ。pin数がどうこうというのではなく、エンゲージメントの具合やフィードバックの様子、ブログ記事への反応、あるいはFacebookページへの投稿などを総合して判断したい考えだ。

他ジャンルのハブについては、まだ何のアナウンスもない。しかしグルメ、ファッション、デザイン、テクノロジー、およびアウトドアといったジャンルに興味のある利用者は非常に多い模様だ。ハブ化というアイデアがうまくいきそうだとなれば、きっとそうしたジャンルでハブサイトを提供してくるに違いない。

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(翻訳:Maeda, H)


デベロッパ教育訓練企業もMicrosoft/Windows偏重から脱出して現代化未来化へ転身

プロのデベロッパに対する教育訓練のための各種リソースを提供するPluralsightは、今年の初めにInsight Venture Partnersからの2750万ドルの資金調達を発表したが、このほどそのお金を、実際に当初の目的どおりに使うことになった。MicrosoftやSalesforce、Twitter、Facebook、Dell、HP、Intel、Disney、EMCなどが利用している同社は、同じくデベロッパ教育のためのリソース、とりわけビデオによるチュートリアルを提供しているPeepCodeを買収した。ここには、Ruby、Node.js、JavaScript、Unix、Git、CSS、RSpec、データベースなどなど、さまざまな技術を対象とする教材が揃っている。

全額キャッシュによる買収だが、その額は公表されていない。しかしこの買収によってPluralsightのオンラインライブラリには新たにおよそ100の新しいコースが加わることになり、とりわけ、相当量のオープンソースコンテンツが増加する。今では、プロのデベロッパの多くが、オープンソースの技術およびツールと親しい仲になりたいと願っているから、絶好の買収だったと言える。

“PeepCodeはオープンソース界隈でもっとも尊敬されている名前の一つだ。そのクライアントにはGitHub、AT&T、Yammerなどが顔を揃えている”、とPluralsightのCEO Aaron Skonnardは語る。“これまでのPluralsightの顧客ベースは、顔をもっぱらMicrosoftの方に向けているエンタプライズが中心だった。今回の買収はPluralsightに、本格的なオープンソースプログラマの学習リソースとなっているコンテンツを与える。また、それらを支えている人材も得られる”、と彼は述べた。

2004年に創業されたPluralsightは最初の3年間、物理的な教室を使うデベロッパ教育を提供していたが、その後オンラインに方向転換した。今日の同社は数百ものコースを抱え、プランは個人、モバイルユーザ、企業、エンタプライズなどに分かれている。これまではMicrosoftの技術に強い教育企業だったが、そのほかSalesforce、Java、Android、iOSなどのプラットホームのための教材や教程も提供している。

今年の初めにSkonnardは、新たに得られた資金を教材/教程の一層の多様化に充てていきたい、と言っていた。そのとき具体的に構想していた開発プラットホームは、TwitterやFacebookのようなソーシャルプラットホーム、Java、Android、Ruby、PHP、Python、そしてAmazonのAWS、Google App Engine、Windows Azureなどのクラウドプラットホームだ。

PeepCodeには、それらのコンテンツが部分的にあり、またそのビデオコースの有料ユーザが数千人いる(ビデオ5本で55ドル、10本で99ドル、無制限で199ドル)。それらのビデオは、デスクトップからモバイルまでどんなデバイスからでも見ることができ、またオフラインで見ることもできる。

これらの顧客が、これからはPluralsightのユーザベースに加わる。その総数は、150か国30万名におよぶ。

さらにPeepCodeは、ビデオ教材/教程コースを作る数十名の教材制作者を抱え、彼らに指導料とロイヤリティを払っている。その点はPluralsightも同じで、Peepの数十名がこれからはPluralの150名の教材制作者の仲間に加わることになる。またPeepCodeのファウンダGeoffrey Grosenbachは、Pluralsightにおいてオープンソース開発を担当するVPになる。

Skonnardの予定では、両社の教材ライブラリの統合に数か月を要する。その後はコース数が650あまりになり、受講の方式は一本化される。

また、経過措置として、PeepCodeの既存のユーザに対し、Pluralsightの料金体系に対する“両替システム”が提供される。たとえばPeepのビデオ教材5本プランを買っていたユーザは、Pluralで一定時間のコースを受講できることになる。

向こう数か月は両サイトとも現状のまま運用されるが、そのあとは、PeepCode.comがPluralsight.comへリダイレクトされる。

今回の新コースの追加により、来年以降のPluralsightの売上の成長は三桁ペース(伸び率数百パーセント==倍増、倍々増)を維持する、とSkonnardは豪語している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))