GDPR発効後初となる中止命令を受けたグーグルの音声AIレビュー

ドイツのプライバシー監視機関は、音声AIによって録音されたオーディオクリップの人間によるレビューを停止するよう、Google(グーグル)に命じた。

これは先月、Googleアシスタントサービスから、かなりの数のオーディオクリップがリークしたことを受けたもの。オランダ語の評価を担当する契約社員が、1000点以上の録音をベルギーのニュースサイト、VRTに提供した。VRTではそこから何人かの個人を特定することができた。ユーザーの住所、病状に関する会話、打ちひしがれている女性の肉声、などを聞くことができたと報告している。

ハンブルグのDPA(データ保護当局)は、GDPR(一般データ保護規則)の第66条に基づく権限を行使し、同条項が定める「緊急手続き」を開始すると、先月グーグルに通達した。

第66条は、「データの対象者の権利と自由を保護するために行動を起こす緊急の必要性」があると確信できる場合には、DPAがデータの処理を停止するよう命令することを認めている。

昨年5月にGDPRが欧州圏全域で発効されて以来、この事例が同権限の最初の適用例と考えられる。

Googleによれば、7月26日にDPAに回答し、すでにヨーロッパ全域で、Googleアシスタントの人間による音声レビューを停止することを決定したという。データのリークが判明した後、7月10日には対応したとのことだ。

また先月には、ヨーロッパにおける主幹プライバシー規制機関であるアイルランドのデータ保護委員会(DPC)に、その違反について報告した。DPCは、ハンブルグのDPAによる命令によって明らかになった問題を現在「調査中」であるとしている。

アイルランドDPCの広報責任者、Graham Doyle(グラハム・ドイル)氏は、Googleアイルランドが「2、3週間前」に、Googleアシスタントのデータに関して第33条に違反していたという告知を提出したと述べた。「われわれの認識では、7月10日に、Googleアイルランドは、問題となっている処理を中止し、本日(8月1日)を起点として、少なくとも3ヶ月間は、処理の停止状態を維持すると約束しました。それはともかくとして、われわれは現在その問題について調査中です」と付け加えた。

Googleが、ヨーロッパで、現地のプライバシールールに準拠した方法で、人間による音声レビューを再開できるかどうかは不透明だ。ハンブルグのDPAは、GoogleアシスタントがEUのデータ保護法を遵守しているかどうか、「重大な疑念」を抱いていると、ウェブサイトに掲載した声明(ドイツ語)で述べている。

「ハンブルグのデータ保護当局とは連絡を取り合っています。音声レビューをどのように実施すればよいのか、データがどのように使われているかをユーザーに理解してもらうにはどうすればよいのか、検討中です」と、Googleの広報担当者は私たちに明かした。

リークが明らかになった後、先月掲載されたブログ記事の中で、Googleの検索担当のプロダクトマネージャー、David Monsees(デビッド・モンシーズ)氏は、Googleアシスタントのクエリの人間によるレビューは、「音声認識技術を開発するプロセスの中で非常に重要な要素」であると断言している。そうした製品の開発には「不可欠」だとも表現している。

「そうしたレビューは、音声認識システムが、さまざまな言語において、異なったアクセントや方言に対応できるようにするのに役立ちます。レビューの過程で、オーディオクリップをユーザーアカウントに関連付けるようなことはしていません。そしてレビューを実施するのは、すべてのクリップの0.2%程度に過ぎません」と、Googleの広報担当者は説明している。

しかし、現在市場に出回っている無数の常に稼働している音声AI製品、サービスによって録音された音声の人間によるレビューが、ヨーロッパ人の基本的なプライバシーに関する権利と両立できるものなのか、かなり疑わしい。

通常こうしたAIでは、録音を開始してクラウドに送信するためのトリガーとなる単語が決められている。しかし、現在の技術では、何かのはずみでトリガーがかかってしまうことも避けられない。そして、今回のリークによって明らかになったように、そうした機器の所有者だけでなく、その周囲にいる人も含めて、秘密の、あるいは私的な個人データが収集されてしまうことになる。しかも、機器の至近距離にまで近付かなくても、音声は記録されてしまう。

ハンブルグのDPAのウェブサイトには、Googleに対して行使された法的手続きは、ただちに影響を受ける可能性のあるユーザーのプライバシー権を保護することを目的としたものだ、と記されている。またGDPRは、EU加盟国の関係する当局に対して、最大3ヶ月間の効力を持つ命令の発効を許可していることも書いてある。

ハンブルグのデータ保護担当のコミッショナー、Johannes Caspar(ヨハネス・キャスパー)氏は、次のように述べている。「EUにおける言語アシスタントシステムの使用は、GDPRのデータ保護要件に準拠している必要があります。Googleアシスタントの場合、現状ではかなりの疑いがあります。言語によるアシスタントシステムの使用は、ユーザーに対するインフォームドコンセントが可能なよう、透明性の高い方法で実行されなければなりません。特に、ユーザーに十分な情報を提供し、音声コマンドの処理に関する懸念についても、はっきりと通知しなければならないのです。さらに、音声AIが誤動作によって起動してしまう頻度と、それによるリスクも説明する必要があります。最後に、録音の影響を受ける第三者を保護する必要性についても、十分に考慮しなければなりません。まず何より、音声分析システムの機能に関する、いろいろな疑問について明確にする必要があります。そうしてから、データ保護当局は、プライバシーを尊重した運用のために必要な、確固たる方策を決定する必要があるでしょう」。

またハンブルグのDPAは、他の地域のプライバシー監視機関に、言語によるアシスタントシステムを提供する他のプロバイダーに対するチェックも、優先的に実施すること、そして「適切な手段を実行に移す」ことを呼びかけている。そこに挙げらている音声APIのプロバイダーとは、Apple(アップル)とAmazon(アマゾン)だ。

今回、第66条による命令が下ったという事実は、ヨーロッパで音声AIを運営している他の大手IT企業にも、広く影響が及ぶ可能性があることを示唆している。

GDPRが繰り出した法的執行がもたらす本当の衝撃は、ニュースの見出しになるような罰金にあるのではない。もっとも、それはGoogleの世界規模の年間売上の4%に相当する金額にまで膨れ上がる可能性がある。しかし、それより重要なのは、ヨーロッパのDPAが、データの流れを止めさせるほどの力を持った命令を発行するという規制手段を手に入れたことなのだ。

「これはほんの始まりに過ぎません」と、ヨーロッパのデータ保護法に詳しい専門家が、匿名を条件に私たちに述べた。「第66条には、いろいろな引き出しがあり、いつでも開くことができるのです」。

音声AIのプライバシー問題が、だんだん深刻化してくる可能性を示すものかもしれないが、Appleも米国時間の8月2日、Siriの音声アシスタント機能のための人間による同様のレビュー、「品質管理プログラム」を一時停止中であると明らかにした。

この動きは、規制当局の指示によるものではなさそうだ。これは先週のGuardianの記事が、Appleの請負業者による内部告発を詳細に報じたことを受けたもの。それによると、その業者は「日常的に機密性の高い詳細な」Siriの録音を聞いていたという。たとえば、セックスをしている音、身元の特定につながる財務情報の詳細、などが含まれていた。Appleでは、録音を匿名化するプロセスを経たものだとしていたにもかかわらずだ。

AppleのSiriの録音の人間によるレビューの停止は、全世界規模のものとなっている。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

アップルはプライバシー上の懸念に応えてSiriの応答評価を停止中

先週、Guardian誌の記事が提起した懸念に応えるかたちで、Apple(アップル)は世界中で、Siriの品質管理のプログラムを停止している。その記事は、Siri(シリ)への質問を録音したものが、品質管理のために他所で使われていることを報じたもの。Appleによれば、同社が見直そうとしているのはグレーディング(格付け)と呼ばれるプロセスで、Siriが質問を正しく受け付けたのか、あるいは誤動作によって起動してしまったのかを調べるものだという。

それに加えて同社は、今後ユーザー自身が、Siriのグレーディングのプロセスに参加するかどうかを選択できるよう、iOSのアップデートを実施するつもりだという。

Alex Hern(アレックス。ハーン)氏によるGuardianの記事は、Appleと契約して、グレーディングと呼ぶSiriの品質管理のプロセスの一部を請け負う業者の話を大々的に引用したもの。このプロセスでは、個人の名前やIDとの関連を除外した音声データの断片が契約業者に渡される。業者は、それを耳で聴いて、Siriが正しく音声を認識したか、あるいは誤って起動してしまったのかを判断する。

「私たちは素晴らしいSiriのエクスペリエンスを提供することに尽力しています。もちろんユーザーのプライバシーは保護したうえで」と、AppleはTechCrunch宛てに表明している。「このプロセスを徹底的に見直していますが、その間はSiriのグレーディングを世界的に停止しています。さらに、将来のソフトウェアアップデートには、ユーザーがグレーディングに参加するかどうかを選べるようにする機能を組み込む予定です」。

契約業者によると、Appleは録音を匿名化するプロセスを踏んでいるはずなのに、録音データには、個人情報、セックスに勤しんでいる音、識別が可能な財務情報の詳細などが含まれていることもあるという。

Siriの動作を向上させるために、そうした生の録音データを業者に渡して評価することを、ユーザーはどの程度認識しているのか、業者自身が疑問に思っているという。今回の問題が明らかになってから、私は自分でAppleのサービス利用規約をよく読んでみた。確かに、Siriの品質管理や、データの共有についての記述はある。しかし、実際の録音データが、いくら短いものだとしても、評価プロセスの中で利用され、しかも第三者に送信されて聴取される可能性があるということを、はっきりとわかりやすく説明できてはいないことがわかった。

Appleが示した数字によれば、グレーディングのためにピックアップされている質問の量は、日常的にSiriが受け取っている質問の1%にも満たないという。

実を言うと、数秒間の録音データを取得・送信して評価することは、それを社内でやるか外部の業者に委託するかは別として、この業界では標準的に行われていることだ。AmazonやGoogleの音声アシスタント機能が録音したリクエストの音声も、人間の耳で評価されている。

録音データが、このような目的のために利用されることを、はっきりとユーザーに了解してもらうことは、こうしたビジネスにとって、もはや不可欠だ。Appleが、それを表明したことは朗報と言える。

そのようにユーザーの意思を確認することは、すでにAppleも他の種類のデータを扱う際には行っている。例えば、デベロッパーがソフトウェアのバグを修正したりする際に役立つ、アプリのパフォーマンスデータがそうだ。現状でも、iPhoneをセットアップする際には、パフォーマンスに関するデータをAppleに送信することを許可するかどうか、必ず設定しているはずだ。

Appleは、自らを大手IT企業の中で最もプライバシーを重視する会社として位置付けるため、長年にわたって取り組んできた。そのため、道徳規範という話になるとかえって重い負担を背負うことになる。ユーザーのデータを、品質管理やサービス向上のために利用するような場合には、他の大手企業となるべく同じように行動するというだけでは、Appleにとって不十分なのだ。それだけでは、プライバシーを重視する会社というスタンスと、それによって培ってきたこの市場における優位性を維持することは難しいのだから。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

アップルは新宿を含む世界の主要都市でARアートイベントを開催

Apple(アップル)は、長年にわたる2つの大きな取り組みを結合させて、新たな推進力を生み出そうとしている。1つは、AR(拡張現実)を誰にとっても親しみやすいものにすること。もう1つは、Apple Store(アップルストア)を、市民センターのように仕立てて、コミュニティの集いの場にすることだ。

今回のプロジェクトは、[AR]T Walkと名付けられた。世界中のさまざまな都市の中心地を歩き回り、現実の空間の中で、多くのアーティストのデジタルアート作品に命を吹き込もうというものだ。このツアーは、香港、ロンドン、ニューヨーク、パリ、サンフランシスコ、東京で8月中旬まで開催される。なお新宿では8月11日となる。

地理的に特定の場所でデジタルアートを展示すること自体は、新しい発想というわけではない。たとえばSnapchat(スナップチャット)は、2017年に、セントラルパークでJeff Koons(ジェフ・クーノス)との提携を発表した。ただしその際には、技術的な問題によってうまく機能しなかった。

ARウォーキングツアーに参加したい人は、Appleのサイトで参加を申し込むことができる。ただし、新宿はすでに満員だ。今回のツアーは、2時間の行程で、1.5マイル(約2.4km)を歩くようだ。作品を提供しているアーティストとしては、Nick Cave、Nathalie Djurberg、Hans Berg、Cao Fei、John Giorno、CarstenHöller、Pipilotti Ristの各氏がいる。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Apple Cardは8月前半に登場か

Apple Cardの登場が間近に迫っていると、ブルームバーグが伝えている。米国の顧客は8月前半に新しいクレジットカードを申し込めるようになりそうだ。

iOSの最新アップデートのiOS 12.4で、Apple Cardを利用する準備は整ったと言われている。アップルがサーバーの設定を変えればカードを使えるようになる。

ブルームバーグは米国時間6月20日、正式リリースに先立ってアップルリテールのスタッフがApple Cardにサインアップし、テストをしていると報じていた。

おさらいをしておこう。アップルはゴールドマン・サックスと提携して米国の顧客向けにクレジットカードを提供する。ゴールドマン・サックスがバンキングのインフラを管理し、アップルがユーザーエクスペリエンスをコントロールする。ユーザーはiPhoneのWalletアプリから直接サインアップできる。Apple CardはApple Payで利用できるほか、マスターカード加盟店で使えるチタン製のカードも発行される。

最近の取引一覧に加え、購入をカテゴリーごとに見ることもできる。Apple Cardの会費や海外取引手数料は発生しない。物理カードでの支払いで1%、Apple Payでの支払いで2%、アップルからの購入で3%のキャッシュバックが受けられる。

キャッシュバックはApple Cashカードに直接付与される。付与された金額はApple Payを利用して、Apple Cardで支払いをしたり銀行口座に振り込んだりすることができる。

セキュリティに関しては、カードにクレジットカード番号が記載されていない。Apple Payに対応していないWebサイトで買い物をするときは、Walletアプリでバーチャルカード番号が発行される。

Apple Cardは3月に発表された。その時点でアップルは、今年の夏に提供を開始する予定と説明していた。

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

MacBook Air/Proの新モデルが値下げ登場、ProはTouch Barなしモデルがなくなる

アップルは7月9日、ノートPCのMacBook Air、13インチMacBook Proの新モデルをリリースした。

MacBook Airは、True Toneテクノロジーを採用したRetinaディスプレイを新搭載。ストレージ容量128GBのモデルの価格は税別で11万9800円と従来モデルに比べて1万5000円の値下げとなる。主な仕様は、True Tone対応Retinaディスプレイ、第8世代 Core i5 プロセッサ(2コア1.6GHz、最大3.6GHz)、8GBメモリー、128GBストレージ(SSD)、Intel UHD Graphics 617など。

13インチMacBook Proは、Touch Bar非搭載モデルがなくなった。新たに加わった最下位モデルは、第8世代Core i5(4コア1.4GHz、最大3.9GHz)、Intel Iris Plus Graphics 645。メモリー8GB、ストレージはSSDで128/256GB。税別価格はそれぞれ、13万9800円と15万9800円。

今回は教職員ならさらに安くなるという情報も盛り込み、大学などでの利用を訴求しているのが特徴だ。国内では9月ごろまでに大学生協の推奨PCが決まるので、絶妙のタイミングでのリリースだ。

今夏ようやく発売のアップル製スマートスピーカー「HomePod」に勝機はあるのか

アップルは音声アシスタントのSiriを内蔵するスマートスピーカー「HomePod」を今夏に発売することをウェブサイトなどで発表した。税別価格は3万2800円で、カラバリはホワイトとスペースグレイの2種。

iPhoneやiPad、MacとBluetoothで接続できるワイヤレススピーカーとして使えるほか、対応する家電などを一元管理・制御できるHomeKitのハブとして使える、音声アシスタントのSiriを内蔵しており音声でさまざまな情報を得られるという特徴もある。2台をペアリングしてのステレオ再生も可能だ。

国内でメジャーなスマートスピーカーといえば、Google Home、Amazon Echo、LINE Clovaなどがあり、アップルは相当遅れての参入だ。HomePod以外は音声アシスタントに磨きをかけており、アップルのSIriが存在感を示せるかは少し不安を感じる。税込みで3.5万円超える価格設定もスマートスピーカーとして正直言ってかなり高い。また、制御する機器にBluetoothやWi-Fiが必要なHomeKitは日本国内ではあまり普及しておらず、この点での国内での訴求は難しいだろう。

差別化できるポイントといえば、同社がアピールする音質の良さとiOSデバイスとのシームレスな連携しかない。OSとハードウェアを一体化して開発・販売しているアップルの強みを出せる半面、スマートスピーカーと認識されてしまうとなかなか険しい道なのではないか。

アップルが15インチMacBook Proのバッテリーをリコール、異常加熱の可能性

アップルは6月20日、2015年9月から2017年2月までに発売された15インチMacBook Pro(Retina, 15-inch, Mid 2015)の一部で、内蔵のリチウムイオンバッテリーが異常に高温になる問題があることを公表し、同日からリコールを受け付けている。

同モデルのすべてがリコール対象ではなく、一部のロットに利用されたリチウムイオンバッテリーが原因。アップルではシリアル番号を入力することで該当するモデルかどうかを判別できるページを用意している。

アップル製品のリコールは、4月25日に明らかになった「AC電源プラグ(3芯)」に続いて今年2回目。2003年1月~2015年1月に販売された同製品が破損する可能性があり、破損した場合は感電の危険性があるというものだった。日本国内でこの製品を入手するには「Appleワールドトラベルアダプタキット」を購入する必要があるため、多くのユーザーには無関係のリコールだったが、今回のリコールは注意が必要だ。

リチウムイオンバッテリーの異常加熱は他メーカーでも発生しているが、環境によっては発火する恐れもある。熱が外に逃げない密閉されたカバンなどに入れて持ち運ぶ場合は特に注意が必要だ。

6月21日午前11時現在のアップルのトップページ(左)。スクロールしてもリコールについての記載は見当たらない。プレスリリースサイトやサポートサイトで情報を入手できる(右)

なおアップルはニュースリリースで「お客様の安全は最優先事項です。Appleは、お客様に対して、本件に該当する15インチMacBook Proユニットの使用を中止していただくことをお願い申し上げます」と記載しているが、リコールについての情報は同社のサポートサイトもしくはニュースルームにしか記載されていない。

トップページは相変わらず「対象となるあなたのiPhoneを下取りに出すと、新しいiPhoneが最大31,120円割引になります」という、同社らしからぬ安さをアピールする文言が最初に現れる。

TechCrunch Japanは本日25時30分よりWWDC19解説生放送を放映、その見どころは?

アップルは太平洋標準時の6月3日午前10時(日本時間6月4日午前2時)に、毎年恒例の開発者向けイベント「WWDC」を開催する。今年のWWDC19の開催場所も、昨年と同様に米国カリフォルニア州サンノゼにあるMcEnery Convention Center(マッケンナリー・コンベンション・センター)。会期は7日までの5日間。

プログラムを見てみると、詳細は未定(To Be Announced)ながらタイトルが日本語や簡体字、ハングルで記載されたセッションが用意されているので、もしかすると各国に特化した発表があるのかもしれない。しかし、太平洋標準時6月3日午前10時からの基調講演以外はNDA(守秘義務契約)が前提なので、残念ながら一般メディアでは各セッションの詳細を伝えられない。

TechCrunch Japanでは、3月のiPad発表会に引き続きWWDC19のライブ中継を見ながらその内容を解説するニコニコ生放送を放映する。放送開始時間は本日25時30分(6月4日午前1時30分)。終了時間はWWDC19の基調講演が終わり次第。放送中には、姉妹サイトであるEngadget日本版の速報記事も適宜紹介・解説する予定だ。

【iOS13?新Mac Pro発表!?】アップルWWDC2019 発表イベント実況~Engadget日本版 & TechCrunch Japan

さて、TechCrunch Japanでは、すでにWWDC19で発表される内容を予想した記事を公開しているが、実際にどこに注目すべきかを改めてまとめておく。

関連記事:週明け開幕のWWDC 2019でアップルが発表するモノ

 

■iOS

iOS 13がプレビューされる予定。新機能としてウワサされているのは、昨年リリースのmacOS Mojaveで搭載されたダークモード。UIの基調色を黒系にすることで落ち着いた印象になるが、個人的には正直いってどうでもいい。一方で話題の5Gやアップルが注力しているARについて大きな発表があるのは来年に登場予定のiOS 14になるという。このタイミングで5Gについてまったく触れないとなると、かなりの出遅れ感はある。

個人的にずっと前から期待しているのが「メッセージ」アプリのオープン化だ。現在、米国では送金などにも対応している同アプリだが、いまのところiOSデバイスやMacとしかやり取りできないため使用範囲がかなり限られてしまう。LINEのようにiOSとAndroidに両対応、もしくはFacebookメッセンジャーのようにスマホやタブレット端末、PCで同じアカウントを共有できるようにして、ユーザーの拡大を目指すべきではないか。Goolgeと協力してデフォルトのメッセージアプリの共通化を進めてもいいかもしれない。

米中の貿易摩擦によってファーウェイ製品を閉め出している米国だが、一方で中国でのiPhoneは人気に陰りが見える。仮にG20で米国と中国が妥協点を見い出して和解しても、ハードウェア性能でファーウェイ端末を圧倒できなくなっているiPhoneが、中国で再びシェアを伸ばすことは考えにくい。となるとアップルは大幅な戦略の練り直しが必要だ。

iPhoneのシェアが高い米国や日本を重視したサービスや機能をiOSに組み込むべきだろう。PayPayとLINE Payの壮絶な殴り合いでキャシュレス決済やユーザー間送金が身近になってきた日本なら、メッセージアプリの送金機能やマルチプラットフォーム化は歓迎されるかもしれない。アニ文字の種類を増やしている場合ではないのだ。

 

■macOS

最近のmacOSは、iOSに先行導入された機能を取り込む傾向が強いが、昨年登場したmacOS Mojaveでは、iOSの機能ではなくアプリごと取り込んだことで話題になった。もちろん、WWDC19で期待するのはMarzipan(マジパン)だ。

Marzipanとは、iOSとmacOSのソースコード共通化できるアプリ開発環境のこと。WWDC18でこの開発環境のβ版を利用して、株価、ボイスメモ、ホームなどのiPadアプリがmacOSアプリに移植された。とはいえ、タッチパネル操作が前提のiOSデバイスと、キーボードとマウス(トラックパッド)の操作が前提のMacではアプリのUI/UX設計が大きく異なる。従って実際にはまったく同じソースコードを使うことは難しいが、果たしてどこまで少ない手間でmacOSに最適化できるのか注目だ。

いっそのこと、Apple AシリーズのSoCで動作するmacOS、もしくはタッチパネル操作が可能なMacをリリースしてほしいところだ。特に後者が登場すれば、Marzipanによる単一コード化はさらに容易になるほか、iOSとmacOSの融合による新たなユーザー体験を生み出せるかもしれない。

 

■watchOS

アップルの数少ない成長分野であるApple Watchは、健康をより重視する機能の搭載を期待したい。既存機能の拡張としては、ユーザーの動きに応じて自動的にエクササイズの種類を判別する機能の精度向上、計測できるバイタルデータの種類を増やすといった内容もうれしいところ。WWDCでは、おそらく米国の大手医療機関の要人がゲスト登壇していろいろ話すのだろう。日本在住のユーザーとしては、心電図機能を早く使えるようにしてほしいところ。

 

■tvOS

ソフトウェアのApple TVの登場で、先行きがよくわからないハードウェアのApple TV用のtvOS。個人的には、Apple TVアプリが予定どおりAmazonのFireTVに対応すれば、ハードウェアのApple TVの必要性はかなり下がると感じている。サブスクリプションなどをサービス事業を柱とするならば、ハードウェアとそれにともなうOSの開発はこの際きっぱり中止して、アプリ開発に注力する手もあるのではないか。

 

■ハードウェア

ウワサされているのは、もちろんMac Pro。2013年以来6年ほど新モデルが登場しておらず、待たせるにもほどがある。これまでのアップルの発表では、新Mac Proはモジュール形式のマシンになるとのこと。CPUやGPU、そしてロジックボードまでを適宜取り替えたり、増設したりできる仕様になるのか期待して待ちたい。スペック的には、CPUにXeonプロセッサ、GPUにRadeon Pro Vegaの最新版が採用されるのだろう。できればGeForceも使いたいが。

とはいえ、いまどきMac Pro級のパワフルなマシンが必要なユーザーは限られている。本体価格が高価すぎると、iMac Pro同様一部のプロフェッショナルなユーザーだけのマシンとなり、先行きがまた不安になってくる。モジュール形式を生かして最小構成は10万円台の手頃な価格設定にし、オプションでいろいろ追加していくと100万円超になるといった夢のある設計にしてほしい。もちろん、LEDでピカピカ光るようなギミックはいらない。

そして、アップルがいま提案すべきなのはAR/VRコンテンツの開発・視聴環境としてMac。Facebookからは、6DOF対応VRヘッドマウントディスプレイの最高峰であるOcurus Rift Sが出荷されたばかりなので、少なくとももRift Sへの完全対応を果たしてほしいところ。AR/VRの開発環境についてはWWDC18でも概要が発表されたが、VR/AR市場を本気で獲りに行くという力強いメッセージをアップルから聞きたいものだ。

2倍高速な新iPod touch登場、Apple A10 Fusion搭載で価格は2万円前半から

アップルは5月28日、約4年ぶりとなるiPod touchの新モデルを発表した。オンラインでは本日から購入可能で、アップル直営店などの店頭に並ぶのは今週後半となる。

内蔵ストレージ容量のが異なる32/128/256GBの3モデルが用意され、税別価格はそれぞれ2万1800円、3万2800円、4万3800円。本体色は、スペースグレイ、ホワイト、ゴールド、ブルー、ピンク、(PRODUCT)REDの6色。

心臓部のSoCには、Apple A10 Fusionを搭載。2016年に発売されたiPhone 7シリーズに搭載されていたSoCで、最新のA12 Bionicに比べると2世代古いものだが、従来モデルと第6世代のApple A8に比べると2世代新しく、アップルによると2倍の処理速度とのこと。

また描画性能は3倍に向上しており、ゲームをより快適にプレイできるという。もちろん、今秋に始まるゲームのサブスクリプションサービス「Apple Arcade」に対応する。Apple Arcadeは、100本以上の新作ゲームが独占配信される定額サービスだ。

アップル、子供の喘息モニター開発のスタートアップを買収

アップルが、スマホと呼気センサーを使い子供の喘息をモニタリングするソリューションを開発するTueo Healthを買収した。CNBCが米国時間5月24日、報じた。買収額は明かされていない。

Tueo Healthは2015創立のスタートアップ。Crunchbaseによるとこれまでに累計で1.1Mドル調達している。共同創業者でCEOのBronwyn HarrisとCOOのAnura PatilのLinkedInページでは、所属先が2018よりアップルとなっている。そのため、この時期に買収が完了した可能性が高い。

アップルのCEO、Tim Cookは5月上旬、同社は2〜3週間に1社のペースで企業を買収していると明かしている。

CNBCによると、アップルはこれまでにTueo Healthに加えてもう2社のヘルスケア領域の企業を買収してきたことが明らかになっている。2016年には健康・診療データの管理プラットフォームを手掛けるスタートアップのGliimpse、2017年には睡眠モニターのBedditを買収している。

アップルがMacBookシリーズのキーボードを無償修理へ

アップルは、12インチMacBook、13インチMacBook Air、13/15インチMacBook Proが搭載するキーボードの不具合を無償修理する「MacBook、MacBook Air、MacBook Pro キーボード修理プログラム」を発表した。

対象となるのは、文字が勝手に反復入力される、文字が表示されない。押したキーがスムーズに跳ね返ってこない、キーを押した時の反応が一定しない、といった問題が発生しているモデル。製造ロット単位の不具合ではなく製造上の問題のため、シリアル番号などでは該当機種かどうかは確認できない。

不具合を感じた場合は、アップル直営店のジーニアスバー、もしくはアップルの正規サービスプロバイダーへ持ち込む必要がある。時間が惜しいといういう場合は、Appleリペアセンターへ配送する手もある。

対象のモデルは下記のとおりだ。

  • 12インチMacBook
    MacBook(Retina, 12-­inch, Early 2015)
    MacBook(Retina, 12­-inch, Early 2016)
    MacBook(Retina, 12-­inch, 2017)
  • MacBook Air
    MacBook Air(Retina, 13-inch, 2018)
  • 13インチMacBook Pro
    MacBook Pro(13­-inch, 2016, Two Thunderbolt 3 Ports)
    MacBook Pro(13-­inch, 2017, Two Thunderbolt 3 Ports)
    MacBook Pro(13-­inch, 2016, Four Thunderbolt 3 Ports)
    MacBook Pro(13-­inch, 2017, Four Thunderbolt 3 Ports)
    MacBook Pro(13-inch, 2019, Four Thunderbolt 3 Ports)
  • 15インチMacBook Pro
    MacBook Pro(15-­inch, 2016)
    MacBook Pro(15-­inch, 2017)
    MacBook Pro(13-inch, 2018, Four Thunderbolt 3 Ports)
    MacBook Pro(15-­inch, 2018)
    MacBook Pro(15-­inch, 2019)

なお、上記に該当するMacBookをすでに有償修理している場合は、アップルのサポートに連絡することで返金が受けられることがある。

そのほか、13インチのMacBook Proの一部で発生しているディスプレイの不具合を無償修理する「13 インチMacBook Pro ディスプレイバックライト修理プログラム」も発表されている。ディスプレイのバックライトが画面の底部に沿って明るい縦方向の領域を継続的または断続的に表示する、ディスプレイのバックライトがまったく機能しなくなる、という問題が発生している場合は本プログラムによって無償修理となる。

該当するモデルは、2016年10月から2018年2月までの間に販売された13インチMacBook Pro 13インチで、具体的には以下の2モデル。

  • MacBook Pro(13-­inch, 2016, Four Thunderbolt 3 Ports)
  • MacBook Pro(13-­inch, 2016, Two Thunderbolt 3 Ports)

こちらも、アップル直営店のジーニアスバー、もしくはアップルの正規サービスプロバイダーへ持ち込む必要がある。もちろん、Appleリペアセンターへ配送することもできる。同様の症状ですでに有償修理した場合は、アップルのサポートに連絡することで返金が受けられることがある。

ちなみに、私が使っているMacBook Air(Retina, 13-inch, 2018)では、いまのところ不具合は出ていない。とはいえ、最近のMacBookのキーボードは何度改良しても不具合がなくならない印象だ。薄さを追求したデザインと製造品質維持の両立が難しくなっているのではないか。

アップルがMacBook Proをテコ入れ、8コアモデルを初投入し問題続きのキーボードを改良

アップルは5月22日、第9世代の8コアCoreプロセッサーを搭載した15インチMacBook Proを発表した。さらに13インチMacBook ProのTouch Bar搭載モデルもプロセッサーを強化している。

15インチの上位モデルは、2.3GHz(最大4.8GHz)の8コアCore i9プロセッサーを採用。アップルストアなどでは8コア2.4GHz(最大5.0GHz)のより高速なプロセッサーも選べるようになっている。税別価格は30万2800円と前モデルと変わらず。

CPUを2.4GHzにアップグレードした場合はプラス2万2000円で税別価格は32万4800円。そのほか、メモリーを16GBから32GBに変更するとプラス4万4000円、GPUをRadeon Pro 560X(4GB)からRadeon Pro Vega 16(4GB)に変更するとプラス2万7500円、Radeon Pro Vega 20(4GB)に変更するとプラス3万8500円。内蔵SSDを512GBから1TBに変更するとプラス4万4000円、2TBに変更するとプラス11万円、4TBに変更するとプラス30万8000円となる。

新モデルの投入に伴い、従来の上位だった6コアCore i7 2.6GHzを搭載するモデルは税別価格が30万2800円から25万8800円に引き下げられた。そして、下位だった6コアCore i7 2.2GHzモデルはラインアップから消えている。

そのほか、特定のキーが反応しない、二重に入力されるといったトラブルが頻発していたバタフライキーボードは、スイッチに新素材を採用した新世代のものに改良されているとのこと。このあたりは、実際に実機をチェックして報告したい。

Touch Bar搭載の13インチMacBook Pro モデルもプロセッサーを強化。4コアCore i5 2.3GHz(最大3.8GHz)が、4コアCore i5 2.4GHz(最大4.1GHz)に変更されている。オプションで変更できるCPUも、4コアCore i7 2.7GHz(最大4.5GHz)から4コアCore i7 2.8GHz(最大4.7GHz)となった。13インチモデルの価格は、Copre i7 2.4GHz モデルが税別19万8800円からとなる。

iPhoneやMacもようやく「令和」表示可能に、アップデーター配布

アップルは5月14日、iOSやmacOSのマイナーアップデートを実施した。バージョンはiOSが12.3、macOSが10.14.5となる。このアップデートによる、日本の新元号「令和」の表示が可能になる。

iOSは「設定」アプリの「一般」→「ソフトウェア・アップデート」から、macOSは「システム環境設定」アプリの「ソフトウェア・アップデート」から実行できる。

iOSアップデータの容量はiPhone Xの場合で460MB程度

 

macOSのアップデータは、MacBook Air(2019)の場合で、2.8GB程度

アップルは2期連続の減収減益、iPhone売上大幅減でサービス強化打ち出す

現在のアップルのトップページ。お得感を打ち出すメッセージをトップページに出すのは、これまでの同社で見られなかった戦略だ。それだけiPhoneの需要が低下していることを示している

アップルは米国時間4月30日、2019年1〜3月期の業績を発表した。報告書のタイトルは「サービス収入が史上最高の1150億ドルに達する」としているように、iPhoneなどのハードウェアの売り上げは落ち込んだが、サービスやソフトウェアの収入が増えたことをアピールする内容だった。

売上高は、前年同期比5%減の580億1500万ドル(約6兆4630億円)のの減収で、内訳は製品465億6500万ドル(約5兆1890億円)、サービスが114億5000万ドル(約1兆2760億円)。純利益は、前年同期16%減の115億6100万(約1兆2880億円)ドルで2四半期連続の減益だ。iPhoneの販売不振が続いたことが主な原因と考えられる。

製品別の売上高は、iPhoneが310億5100万ドル(約3兆4600億円)と前年同期17%減、Apple Watchなどのウェアラブル端末などは30%増、iPadも22%増、Macは5%減となった。アプリ販売や音楽配信などのサービス部門は114億5000万ドル(約1兆2760億円)で16%増と、四半期ベースで過去最高を更新している。Apple Watch系は堅調な伸びを示しており、iPadは新モデルの投入により売上を伸ばしたと考えられる。

地域別の売上高は、北米と日本は依然好調で、それぞれ255億9600万ドル(約2兆8513億円)で前年同期3%増、55億3200万ドル(約6162億円)で前年同期1%増とプラスを維持したが、グレートチャイナ(中国や台湾など中華圏)では102億1800万ドル(約1兆1382億円)で前年同期22%減、中国・台湾を除くアジア地域が36億1500万ドル(約4027億円)で8.6%減、欧州も130億5400万ドル(約1兆4542億円)で21.5%減となった。

iPhone売り上げの大幅減は市場の予想どおりだが、純利益がアナリストの予想より伸びたことや自社株買いの効果などにより同社の株価は上昇した。iPhoneが売れないのでアップルの株価が下がるという現象は、もはや底を打ったのかもしれない。

iPhoneの買い換えサイクルが長期化する中、iPhoneの売り上げが落ちるのはいわば当たり前。ハードウェアのテクノロジーではここ数年、ファーウェイやサムスンの二番煎じになっている現状を考えると、ハードウェア依存から脱却するいいタイミングかもしれない。

決算の数字から想像すると、先日の発表会で北米や英語圏を中心とするサービスの発表が目立つ印象だったのは、大幅なテコ入れが必要だが、もはやテコ入れしても改善しない確率が高い中華圏よりも、堅調な北米の業績を維持・伸長させる戦略を採ったからだろう。

個人的に気になるのは、今後アップルがライバルひしめくアジアでどう戦っていくか。日本はかろうじて1%増の売上となったが、ほかの地域に比べると金額が1桁少ない。日本を中国・台湾を除くアジア地域に入れてしまうと2.9%減の減収だ。日本を除くアジア全体でiPhoneの需要が急速にしぼんでいる現状で、他言語に比べてローカライズやカルチャライズの手間のかかる日本向けのサービスをどれだけ充実させていく気があるのだろうか。日本国内も4月1日〜7日のBCNの売上ランキングでファーウェイ端末が1位になるなど、決してiPhoneが盤石なわけではない。

Powerbeats Proは5月10日に発送開始、AirPods 2と同様にH1チップ搭載

Beatsは4月、彼らのAirPodsに対するアンサーを発表した。Powerbeats Proは、長いバッテリー寿命、優れたサウンド、そしてより心地よいフィット感が特徴的。アップルの子会社であるBeats(ビーツ)は5月のリリースを約束していたが、今度はより確かな情報が発表された。

完全にワイヤレスなこのイヤホンは、5月3日の朝に米国とカナダで予約注文が開始されされ、5月10日に発売される予定。

僕はしばらくこのイヤホンを試してきたが、とても気に入っている。硬いプラスチックで作られたAirPodsは誰の耳にでも合うわけじゃないから、Powerbeats Proの「つけ心地のよさ」は評価すべき非常に重要なポイント。加えて、アップルブランドのイヤホンと同じH1チップを搭載しているのも大きな特徴だ。9時間使用できるというバッテリーに関しては色々と言いたいが、詳細はレビューで。

マイナス点を挙げるならば、デカい充電ケースだ。ジョギングに行くのであれば、家に置きっ放しにするだろう。そしてAirPods 2より50ドル高い250ドル(約2.8万円)という値段も、疑問に思う。まあ、結局、アップルにとってはウィンウィンな状況だ。Powerbeats Proは黒が先行的に発売され、白やグリーンは夏に発売予定となっている。

Apple TV+の「セサミストリート」っぽい番組は子供たちにコーディングを教育する

「セサミストリート」は未就学児たちに数字や文字を教えてきたが、アップルのセサミストリートっぽい新たな番組では子供達にコーディングの基礎を教育する。アップルの発表会で人気キャラクターのビッグバードが発表した。

セサミワークショップが制作を担当するこの番組はアップルが発表した、Netflixのライバルとなる「Apple TV+」のコンテンツのうちの一つだ。

なぜコーディングに特化した番組を制作するに至ったのか。アップルはCodyと名付けられたPRクサいセリフを言う人形を通し「コーディングは共同作業を促進し、批判的思考を育む、子供達も学べる重要な言語なんだ」と話した。

「未就学児たちにコーディングを教える事で、彼らに世界を帰るチャンスを与えることができる!」(Cody)

Codyいわく、同番組では「カッコいい音楽」や「ファンキーなダンス」も期待できるそうだ。

もちろんのこと、次世代コーダーを育てるのはアップルにとって大きな利益となる。数十億ドルもの利益を生む同社のアプリのエコシステムには膨大な人数のサード・パーティー開発者が貢献しているからだ。

アップルはこれまで、Apple Storeでの教育セッション学校NPOの支援、教育者への資料提供、そしてSwiftを学べるアプリなどを通じて、自社の言語Swiftを推進してきた。だが、この新たな番組では更に幼い子供たちをターゲットとしている。

アップルは発表会にて同番組のトレイラーを公開しなかった。そのため、コーディングのチュートリアルがどのような形で放送されるのかは定かではない。

アップルとセサミワークショップのパートナーシップは2018年に発表されていた。当時の発表によると、両社は実写およびアニメコンテンツの制作に合意している。しかし、これまで作品は発表されてこなかった。

加えて、その契約に「セサミストリート」自体は含まれていない。HBOが2015年に、セサミワークショップと同タイトルの利用に関して5年契約を結んでいるからだ。

(本稿は米国版TechCrunchの記事を翻訳・編集したものです)

[米国版TechCrunchの記事はこちら]

アップルスペシャルイベントと並行生中継、TCライブ配信は26日午前1時30分から

TechCrunch Japanでは、日本時間3月26日午前2時から開催されるアップルのスペシャルイベントに併せて、その内容を実況・解説するライブ配信を実施する。前回同様、ドワンゴとの共同で、配信プラットフォームはニコニコ生放送。出演は、TechCrunch Japan編集統括の吉田博英と、女優兼エンジニアの池澤あやかさん。

TechCrunchでも、イベント前にさまざまな噂記事が上がっているが、キーワードはやはり「サブスクリプション」。動画はもちろん、新聞・雑誌、ゲームなどのさまざまな定額配信サービスの登場が予想されている。

アップル新サービスはHBOやShowTimeなどを月額9.99ドルで提供か
26日午前2時開始のアップルイベントのテーマはサブスク、アップルクレカの発表も?
明日のアップルイベントの目玉はオンラインゲームサブスクの可能性
Netflixは3月25日発表のアップルのビデオストリーミングサービスに加わらないとCEOが声明
日本時間3月26日未明のアップルイベントを前に無人のスティーブ・ジョブズ・シアターを覗いてみた

Google、Apple、Facebook、AmazonはGAFAとしてまとめられることも増えたが、GAFAの中でハードウェアの依存度が高いアップルが、ソフトウェアで収益の大きな柱を構築できるのか、早朝の発表に注目したい。

アップルのドラマ版「バンデットQ」監督は「マイティ・ソー バトルロイヤル」のタイカ・ワイティティ

「マイティ・ソー バトルロイヤル」や「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」などで知られる映画監督のタイカ・ワイティティが、アップルのドラマ版「バンデットQ」の監督を務める。Deadlineが3月11日、報じた

このバンデットQはアノニマス・コンテント、パラマウント・テレビジョン、そしてメディア・ライツ・キャピタルによる共同制作。同シリーズの存在は去年、明らかになった

原作はテリー・ギリアム監督による、同タイトルのファンタジー映画だ。製物語は一人っ子の少年ケビンと小人たちによる時空を移動する旅について。ショーン・コネリー扮するアガメムノンやロビン・フッド役のジョン・クリーズが登場する。

ワイティティはバンデットQ以外にもシェアハウス・ウィズ・ヴァンパイアのテレビドラマ版、スター・ウォーズシリーズ初のドラマ版「The Mandalorian」にも関わっていて、自身の最新作「Jojo Rabbit」は2019年秋に公開される予定だ。

僕たちは1年以上もアップル関連の映画やドラマについて追ってきたが、3月25日のイベントで、ようやく同社のストリーミングに関するオフィシャルな情報を聞けるかもしれない。

【原文へ】

(翻訳:Daisuke Kikuchi)

アメリカでは成人の1/4以上がスマートスピーカーを所有、日本では?

スマートスピーカーやAIに特化したメディアのVoicebotは3月7日、「Voicebot Smart Speaker Consumer Adoption Report Jan 2019」と題された、アメリカにおけるスマートスピーカーの普及率などに関する調査の結果をリリースした。

VoicebotとVoicifyが共同で行なった同調査によると、アメリカの成人6640万人ほどがスマートスピーカーを所有している。成人における普及率は同国の成人人口の1/4強に値する26.2パーセントまで成長し、所有者数は前年同時期に発表された前回調査と比較すると約40パーセント増加した。

アマゾンとグーグルのシェア争い

そしてこの調査によるとアマゾンが市場をリードしていることは鮮明だ。アマゾンの「Amazon Echo」のシェアは61.1%、 グーグルの「Google Home」は23.9%となっている。だが昨年の調査結果ではアマゾン71.9%に対しグーグルは18.4%。グーグルが徐々に差を縮めてきているのがわかる。

アップルの「HomePod」や「Sonos One」を含む「その他」のブランドに関しても9.7%から15%に伸びたが、Sonos OneはAlexa搭載だ。

同調査はアメリカの成人1038人を対象に2019年1月に行われた。

なおStrategy Analyticsが2018年10月に発表したレポートによると、アメリカで使われているスマートスピーカーのブランド別シェアは、アマゾン63%、グーグル17%、アップル4%。その他の同類の調査においても、やはりアマゾンのブランド別シェアの高さが目立つ。

スマートスピーカーの普及率、日本では?

電通デジタルが2月に発表した調査によると、スマートスピーカーの認知率は約76%だが、普及率は約6%に止まっている。「スマートスピーカーの所有状況」はGoogle Homeが2.9%、Amazon Echoは2.4%、そして94.1%は所有していなかった。

所有者の約4割が「音楽スピーカーの代わりになる」ことをスマートスピーカーの購入理由として挙げており、実際に74.5%以上の所有者が音楽聴取のために利用している。あとは天気予報を聞いたり、アラームをセットしたり、といった使い方が多い。

電通デジタルは「音楽以外のさらなる機能の拡張や、サードパーティー・アプリケーションの拡大が普及のカギとなる」「サードパーティー・アプリケーションの利用者は一部を除きまだ多くはないが、利用している場合はエンゲージメント形成に役立っていることが伺える」と説明している。

同インターネット調査は2018年12月、全国の15から69歳の男女1万人を対象に実施された。

MMD研究所が2018年10月に発表した「スマートホーム関連製品に関する調査」においても、スマートスピーカーの利用経験者が4.2%と低いのが目立つ。利用したことがある製品の順は、AmazonEchoがトップで56.3%、Google Homeが47.2%、LINE Clovaが14.1%だった。

この調査は15歳から69歳の男女5000人を対象に、2018年7月31日から8月1日の期間、インターネット上で行われた。

新しいiPad Proが1位、2位を独占(2018年11月ランキング)

2018年にアクセス数の多かった記事を月別に紹介していく年末企画。11月は、iPad Pro記事が1位と2位にランクインした。

2018年にはiPad Proがフルモデルチェンジ。マイクロソフトのSurfaceのようなスレートデザインとなり、純正キーボードのデザインも改良。もはや本体とキーボードをセットで使うことが前提といえるスタイルとなった。しかも、新iPad Proが搭載するプロセッサー(SoC)であるApple A12 Bionicは、同時期に発売されたMacBook Airが搭載するインテル社の第8世代Coreプロセッサーを凌駕するなど、すでに性能面ではノートPC超えだ。ちなみに純正キーボード(iPad Pro用Smart Keyboard Folio)やスタイラス(Apple Pencil)オプションをそろえると、価格もMacBook Airや13インチMacBook Proを超える。

2位もiPad Proの記事だが、こちらは日本のマジシャンが超絶テクニックをTwitter上で披露しているという動画。しかも、Apple表参道の前で。

1位 新iPad Proは成熟の予兆を見せ始めた
2位 日本のマジシャンがiPad Proで超絶トリックを披露
3位 ラズベリーパイより簡単にIoT電子工作ができる「obniz」
4位 MacBook Airは12インチMacBookよりいい買い物
5位 Amazonが社内エンジニア教育に使っている機械学習コースを無料提供