MetaMoJi、最大100端末から同時に手書き文字を書き込めるアプリ「Share Anytime」

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手書き文字入力機能を搭載するアプリ「7notes」や「Note Anytime」を開発するMetaMoJiが9日、最大100人規模のユーザーがリアルタイムに手書きの文字や図形を同じ文書に書き込めるアプリ「Share Anytime」を公開した。

Share Anytimeで共有できるドキュメントはPDFやWord、Excel、PowerPointのほか、2012年9月に公開した手書きノートアプリ「Note Anytime」の文書形式にも対応。1画面だけでなく、複数枚からなるドキュメントも共有できる。

利用方法としてはまず、会議の開催者が共有するドキュメントをShare Anytimeで読み込み、会議情報を設定した「シェアノート」を作成する。これをメールやクラウドストレージなどで会議の参加者に配布し、参加者は端末にインストールしたアプリで開く。

「司会者」の権限を与えられたユーザーは会議の進行にあわせてシェアノートの表示を進めると、参加者の端末にも反映される。ユーザーがシェアノートに手書きの文字や図形を書き込むと、リアルタイムに全ユーザーのシェアノートに反映される仕組み。

シェアノートへの書き込みは、会議の参加者全員と共有する「シェアモード」と、自分だけのメモとして保存する「プライベートモード」を選べる。プライベートモードで下書きしたメモを後から共有することも可能だ。

リアルタイムにドキュメントを共有するにあたっては、シェアノートへの書き込みだけを差分データとしてサーバーに送信する技術を開発。これにより、「リアルタイムな応答性を実現した」とMetaMoJiの浮川和宣社長は説明する。

主な利用シーンとしては、グループミーティングやセミナー、学校の授業などを想定。例えば、会議で参加者全員にシェアノートを配布すれば、ペーパーレスで会議を進められ、参加者はどこからでも文字や図形を自由に書き込める。

実際にMetaMoJiでは、開発拠点のある徳島県と、本社の東京間での会議に活用。それまではSkypeのビデオチャットで手書きの文字や図形を書き込んだ文書をカメラに映していたというが、Share Anytimeを導入したことで会議の効率が劇的に上がったという。

「会議の『ここが大事』というポイントは、言葉だけでは伝えきれないこともある。Share Anytimeではそんなポイントを言葉や矢印、イラストで記入すれば、もっと意図が伝わるだろう。」(浮川社長)

9日に開催された記者説明会では、出席者約40人でプレゼン資料に同時に書き込むデモを実施。その際は、各人があまりに自由に書き込んだせいか、本来のプレゼン資料が書き込みで隠れてしまう想定外の展開となったが、実際の会議では有用な使い方ができそうだ。

製品構成は、1カ月に無制限回の会議が開催できる「Share Anytime」が700円(発売記念セール期間は170円)のほか、1カ月に10回までの会議、同時利用ユーザーが10人までの制限がある無料版の「Share Anytime Free」を用意。どちらもデータ転送料は1カ月あたり1GBまで。

データ転送料の目安としては、「20〜30人が参加する1時間の会議で1回20MB程度。1GBであれば、1カ月に20〜30回は会議ができる」(浮川社長)。1GB以上のデータを転送する場合は、100MBの容量(当日のみ有効)を85円で購入できる。

現時点ではiPad版のみだが、年内にはiPhone版、Windows版、Android版を順次公開する予定。来春には、ユーザー管理やセキュリティ機能を強化した「Share Anytime法人パック(仮称)」も販売する予定だ。

MetaMoJiでは、Share Anytimeの公開にあわせて、同アプリに搭載される日本語手書き変換エンジン「mazec」をバージョンアップ。最新版の「mazec 3」では、くせ字認識や略字登録を搭載し、認識されない文字を登録することで、認識率が向上するという。


Google App EngineでのPHP利用がオープン化

Google App EngineにおけるPHPの扱いが「プレビュー」となった。招待制であったのが、完全にオープンとなったのだ。これにともなってPHPアプリケーションについても直ちに公開できるようになる。

Googleが4番めのランタイム限後としてPHPに対応したのは今年のGoogle I/Oにおいてのことだった。PHPは世界中で広く利用されており、Facebook、WordPress、そしてDrupalなどでも利用されている言語だ。

PHPへの対応を初めて以来、Googleではplug-in for WordPressや、またPHPを使ったファイルの読み書きの機能などを追加してきている。

PHP対応がオープンになったことで、開発者はGoogle App Engineを通じてPHPアプリケーションの開発、テスト、デプロイができるようになる。別の選択しとしては、これまでも使っていた人がいるであろうDevTableCodeEnvyを使い続けるという手もある。どちらも統合開発環境だ。また自前の開発環境があるのなら、ビルド、実行、デバッグまでを行ったのち、JetBrainのPHPStorm IDEを使ってGAEへのデプロイを行うこともできる。

Google I/OでPHPへの対応が発表されるまで、このPHP対応が最も多くリクエストされる機能だった。今回の「プレビュー」化も多くの人から歓迎されるアップデートとなるに違いない。

Web Technology Surveysによると、全ウェブサイトの81.2%でPHPが用いられているのだそうだ。但し、現在は急速な「モバイル化」ないし「クラウド化」などへ、さらなる真価を遂げつつある時期だとも言える。最近行われたZend PHP ConferenceにおいてもAPIモデル、ダイナミックなデータ構造、モバイル対応、クラウド内で完結する動作するアプリケーションについてに注目が集まっていた。

PHPに対応している他のPaaS環境としてはZendのPHP CloudJelastic、およびEngineYardなどがある。

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(翻訳:Maeda, H


Amazon IDでサードパーティのサイトで支払ができる‘Login and Pay with Amazon’ がスタート

今日(米国時間10/8)、AmazonはMoney 2020カンファレンスでLogin and Pay with Amazonというサービスを発表した。このサービスのパートナーとなったウェブサイトの訪問者はPay with Amazonというボタンを」クリックするだけで一切の支払手続きが済んでしまう。クレジットカード情報を入力したりPayPalサイトに移動したりする必要がない。ライバルの支払サービスには大きな打撃となるかもしれない。

Amazon Payments担当副社長のTom Taylorは今日発表されたプレスリリースで次のように述べている。「Amazonには2億1500万人の活動中の顧客アカウントがある。eコマース企業はLogin and Pay with Amazonを利用することによってAmazonの何百万という顧客を自らの顧客に変えることができる。顧客はAmazonのパスワードと支払情報を利用してパートナーサイトで支払いができる。つまりAmazonへの単一のログインで安全、確実、スピーディーなショッピングが可能となる」

これからは多くのオンライン・ショップの画面の下部にクレジットカードやPayPalと並んでPay with Amazonのボタンが表示されることになりそうだ。

Amazonはしばらく前から支払サービスを提供している。たとえばKickstarterなどが良い例だが、ユーザーがAmazonにログインして支払を行うと約束のプロダクトが発送された時点で引き落としが行われる。またAmazonは最近デベロッパー向けにオンラインゲームやコンテンツなどのサイトでのユーザー認証にあたってAmazon IDが利用できる‘Login with Amazon‘というサービスを開始した。Login and Pay with Amazonはこの2つのサービスを巧みに結合したものといえる。Amazonの支払システムとシンプルなoAuth認証の組み合わせはデベロッパーにもユーザーにも大いに魅力的だろう。

Pay with Amazonのローンチ・パートナーの一つはGogoで、同社すでに航空機内でのWiFiサービスの課金にAmazon Paymentsを利用している。Pay with Amazonボタンの導入も年内に行われる計画だ。Amazonでは「この支払システムを利用した購入者はAmazon.comでの購入者と同様のA-to-z保証によって保護される」としている。

オンライン支払にあたってはサービスに対する信用が極めて大きな要素となる。PayPalが現在の地位を築いたのもクレジットカード情報を入力するより安全性が高いという信用を得たからに他ならない。

Squareも‘デジタル支払サービスの主流になることを狙っている。PayPalに先を越されてしまったが、Squareもクロスサイト支払テクノロジーを持つBrainTreeの買収に関心を持っていた。現在Squareはあらかじめ定型化されたストアとSquareによる支払機能を組み込んだオンライン・ショッピング機能を開発中だといわれる。われわれがSquareに取材したところ11月には何か発表があるだろうということだった。

AmazonはAppleに次ぐ規模の巨大な顧客情報を持っている。Appleは5億7500万のアカウントを持っている。これまでAmazonは顧客アカウントの数を発表してこなかったが、上記のとおりTaylorは2億1500万という数字を挙げた。ちなみにAppleは今年のWWDCで「われわれが知る限りAppleが最大の顧客情報を持つオンラインストアだ」と述べている。Amazonの顧客ベースがサードパーティーのサイトでも利用できることになれば影響は巨大だ。

技術的な面ではこのサービスはウェブ、Kindle、iOS、Androidのいずれでもシームレスに作動するという。料金体系はごくシンプルで、2.9%プラス1件ごとに0.30ドル、ただし取引量に応じて減額される。Login and Pay with Amazonに関心があるデベロッパーはこちらでAPIの詳細をチェックできる

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Instagramはダイエットにも効果あり?!(あるいは人類の進化について)

ダイエットを考えている人にはぜひ読んでもらいたい。

ご存じのようにInstagramには、食べ物の写真が数多く登録されている。そしてJournal of Consumer Psychologyで発表されたBYU(ブリガムヤング大学)の最新の研究によると、食べ物写真を見ることは、その写真の食べ物に対する食欲を減退させる効果があるのだそうだ。

発表によれば、実際には食べなくても、食べ物の写真を見るだけで、その食べ物に対する欲求が抑えられるとのこと。すなわち実際に目の前に出された時、あまり魅力的に感じなくなってしまうのだそうだ。

今回の実験が行われた方法を見ておこう。BYUのRyan Elder教授とJeff Larsonは232人の被験者を集めて、料理写真の評価を行わせた。被験者の半分には塩味の効いた食べ物の写真を扱わせ、あとの半分には甘いものの写真を見せた。そしてそれぞれが写真を見てレーティング作業を終えた段階で、ピーナツを供したのだ。

すると塩味の食べ物を見ていたグループは、ピーナツ自体は写真になかったにも関わらず、ピーナツに興味を示さなかったのだ。塩味の料理写真を数多く見ることにより、十分な塩を味わった感じがしてしまったのだ。実際に口には入れていないのに、感覚的には充分であると感じてしまったわけだ。

もちろん、ほんの数枚の写真では効果は現れない。店で食べ物の写真を撮って共有したからといって、営業妨害に問われることはなさそうだ。

「効果が現れるのは相当数の写真を見たあとのことです」とElderは言っている。「2、3枚の写真を見てもう十分だと感じるようなことはありません」。

さて、本題は以上だが、この調査レポートから得るべき内容とは何か。

もちろん「大いなる希望」を読み取るべきだ。動物世界の一員であるにも関わらず、私たちの食生活というのはずいぶんと奇妙なものとなってしまっている。動物たちは、基本的には生きるために食べる。そしてその生きるための食べ物こそ、彼らにとって美味であるわけだ。生きるのに必要なだけ食べ、そして食べた分はしっかりと消化して、エネルギーに変える。

一方で私たちは、素材をいろいろと料理してさまざまな化学調味料を加えてから食すようになっている。そして、アメリカ人はあきれるほどの肥満大国になってしまったのだ。美味しそうなものを見かけると、まるでその時こそが最期のチャンスになるとばかりにむさぼり食う食事習慣を持ってしまっている。そうしておいて、またしばらくすると食事の時間だと、レストランに向かうのだ。

ところで現在の私たちは、美味しそうなものを見ると写真に撮って共有しないと気が済まない状態になりつつある。これはすなわち、食べ物との付き合い方を考え直せという神の啓示なのではないだろうか。別の言い方をすれば、人類は進化しようとしているのだ。食べ物の写真を見れば食欲を抑制できる。近々、Instagramの#foodpornハッシュタグは、新しい「治療方法」としてメディカルジャーナルに掲載されることになるに違いない(めでたしめでたし、と、話を終えておきたい)。

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(翻訳:Maeda, H


Google Glassに乗り換え案内機能が追加―これを着けてバスに乗るのはまだちょっと目立つ

今日(米国時間10/7)、Google GlassにXE10アップデートで乗り換え案内が追加された。ただしこの機能を利用するにはAndroidデバイスとペアリングする必要がある。これまでGlassには徒歩とカーナビの機能はあったが、公共交通機関はカバーしていなかった。

今回のアップデートで、バス、路面電車その他の交通機関が案内されるようになった。目的地を告げるとGlassが望みの交通手段による正確な経路と所要時間を教えてくれる。ナビゲーション・システム事態は接続されたAndroidデバイスにインストールされているのでGlass単独、あるいはiOSとの接続では機能しない。現在のところAndroid版のMyGlassアプリだけがGlassに位置情報サービスを提供できる。

Glassの開発チームによれば使い方はこうだ。ホームスクリーンから“Ok glass, get directions to…”と音声で命じる。Glassはユーザーが前回利用した交通手段による経路案内を表示する。乗り換え案内を見るにはカードをタップし、スワイプしTransitを表示させればよい。

なるほど操作は簡単だ。しかし私としてはいささか気がかりな点ががある。サンフランシスコのような新しもの好きの都会でもGlassはまだ物珍しい。Glassを着用して公共交通機関に乗るのはまだいささか周囲の視線が気になる。私は町中と郊外の両方でGlassを着けて電車やバスに乗ってみたが、居心地がいいとはいえなかった。なにしろ1500ドルもする製品だから盗られやしないかと心配だった。

もっともそんなことでGlassチームが開発の手を緩めることはない。Google I/Oでの約束のとおり、毎月1回のアップデートを続けるに違いない。

今回のアップデートではその他に2つの機能が追加された。一つはカードをタップしてツイートやメールの中のリンク先を開く機能だ。もう一つは、メッセージを送信するときに相手のプロフィール画像が表示される機能だ。テキストは画像の上にスーパーインポーズされる。

まだお気に入りのアプリが見つからない? 最近公開されたGDK (Glass Developer Kit)を使えば、現在のウェブベースのアプリではなく、ネーティブのGlassアプリが開発できる。その登場を期待しよう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebook、ロックスクリーン・アプリにFlickr、Pinterest、Tumblr、Instagramのコンテンツを追加

9月のTC DisruptでFacebookのCEO、Mark ZuckerbergはAndroidのロックスクリーン・アプリ、Facebook Homeの改良について「Facebook以外にInstagramその他サードパーティーのコンテンツが近く表示されるようになる」と述べた。

そして今日(米国時間10/3)、Flickr、Pinterest、TumblrそしてFacebook傘下のInstagramの写真がFacebook Homeに表示されるようになった。このアップデートはまず最初にAndroid版のベータテスター向けに公開された。Facebookはベータテスターの数については明らかにしなかったが、広報担当者は「なるべく早く一般公開したい」と語った。

Homeアプリをもっと便利にすることでユーザーを増やしたいといのがFacebookの狙いだろう。Google Playストアの表示では、今のところこのアプリのインストール数は100万から500万の間となっている。TC DisruptでZuckerbergも「普及が期待しほど速くない」と認めた。

Homeは4月にローンチされてすぐに100万ダウンロードを記録したが、その後は伸び悩んでいる。またAT&TがHomeをプレインストールしたHTCのAndroidスマートフォンを発売する計画を取りやめるなど、キャリヤの関心も薄れた。

しかしZuckerbergはHomeの普及に関しては依然強気で、機能を拡充すればFacebookの「壁に囲まれた庭」を確立するのに役立つと考えているようだ。

今回のHomeアプリの使い方はこうだ。ユーザーはHomeの設定メニューからコンテンツを取り入れたいサービスを選び、それぞれのパスワードで一度ログインする。すると以後、それらのサービスはFacebookの一部のように機能する。つまり投稿を見るのはもちろん、「いいね!」をつけたり、リンクから直接サイトを訪問したりできる。

こちらからFacebook Homeの紹介ビデオがダウンロードできる

今回のアップデートで追加されたコンテンツはYahooから2種類、Facebookから1種類、それにPinterestの4種類だったが、将来Facebookはさらに多くのサイトを追加する計画だろう。これはHomeのロックスクリーンをFacebookのタイムラインよりもビジュアル性の高い一種のデフォール・ホームページにしようとする試みと考えると興味深い。一時大騒ぎされたFacebookフォンはどこかに消えてしまったようだが、毎日使われる人気アプリ以上のもの―モバイル・プロットフォームそのものに成長しようとする野心をFacebookは捨てていない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Chrome 31ベータにデベロッパー向け新機能―ウェブ支払、モバイルアプリのフルスクリーン・モードなど

今日(米国時間10/3)、GoogleはChromeブラウザのデスクトップ、モバイルの最新ベータを公開した。ユーザーに直接見える部分には目立った変更はないが、デベロッパーにとっては重要な機能がいくつも追加されている。やがてChromeのユーザー体験が大きく拡張されることになるだろう。

たとえばAndroid版ではデベロッパーは簡単にフルスクリーン・モードでアプリを起動するショートカットが作れるようになった。このモードでは通常のChromeのUIはまったく表示されず、アプリが画面全体を利用することができる。

デベロッパー側の作業はごく簡単で、ウェブサイトのソースコードにメタタグを一つ追加するだけでよい(<meta name=”mobile-web-app-capable” content=”yes”>)。

Android版、Windows版、Chrome OS版ではユーザーに支払情報を簡単に求めることができるようになった。新しく提供された requestAutocomplete()機能を用いると、ブラウザ付属のインタフェースを通じて支払情報を得ることができる。ユーザーはブラウザに記録された既存の支払い情報を自動補完で入力することができる。モバイルでのクレジットカード情報の入力は特にエラーが起こりやすいので、これはデベロッパーにとってもオンラインストアにとってもありがたい機能だ。

またデスクトップ版ChromeとChrome OS向けのPNaCl(ポータブル・ネーティブコード・クライアント)URLハンドラー、アプリのディレクトリ・アクセスなどがある。PNaClはC/C++のソースコードをコンパイルしてChrome内で実行可能モジュールを作成する。URLハンドラーはChromeアプリを自動的に起動するURLを生成する。デベロッパーはたとえば文書をChromeベースのドキュメント・エディタでを開くように設定することができる。ディレクトリ・アクセスはその名のとおり、ユーザーが承認した場合、Chromeアプリがローカル・ドライブの特定のディレクトリにアクセスすることを許す。これはChromeアプリとネーティブ・アプリの間でファイルをやりとりするのを容易にする。

その他、WebMビデオにアルファ・チャンネルが追加され、新しい2Dキャンバスが提供されている。

新機能の詳細はこちら

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


有料アプリは終わった, わずかな例外を除いては

モバイルの有料アプリはもう終わったのか? 最近では一般的にそう考えられており、アプリストアには“十分に良質な”無料アプリがあふれている。またメジャーなパブリッシャーたちも無料のアプリでチャートを賑わし、それらがアプリ内購入などで何百万ドルも稼ぐことによって、その後のユーザ獲得努力に惜しみなくお金を注ぎ込んでいる。このところ新顔のパブリッシャーたちにとって、Apple App Storeの上位進出が相当な難関になっているのも、そんなサイクルが定着しているせいだ。

今週末に掲載された一連のブログ記事やオンラインのディスカッションも、アプリの無料化という傾向を再び明らかにしている。これらの議論はすべて、事態を何とかしようとあがいている現役のデベロッパからのものだ。でも彼らが使っているデータは、かなり恣意的だ。アプリデベロッパのDavid Smithと彼の妻も、そのことを語っている。別のところでは、InstapaperのファウンダMarco Armentが、自分の新作アプリOvercastの適切なビジネスモデルを決めようとしたときの苦労について、書いている。

でもこれらの談話は、これまで何か月も連綿と報告されている客観的なデータが示していることを、個人的な体験として語っているにすぎない。そしてそのデータの方には、見過ごせない細かいニュアンスがいくつかある。とくにそれは、競争のゆるいニッチで利益を上げようと努力している有料アプリのデベロッパにとって、見逃せないだろう。たしかに、アプリは全体として無料化の傾向にあり、App Storeで多数を占めるのは無料アプリだが、しかしそれでも、少なくとも今のところは、有料アプリが成り立つ分野がいくつかある。

無料への移行

数か月前を振り返ると、分析企業Flurryの7月の報告書が、そのころにおけるアプリの無料化の様相を記述している。2010年から2012年にかけて、App Storeの無料アプリの比率は80%から84%に増えたが、しかし2013年の初めにはそれが90%に成長した(下図水色の部分)。そして有料アプリ10%の内の6%は、価格が99セント以下だった(下図こげ茶の部分)。

その報告書の中でFlurryは、人びとは(有料アプリを買って)広告を避けるよりも無料のコンテンツを求めることに熱心だ、と書いている。また、コンテンツが高品質であることよりも、無料であることが優先する、と。

Flurryの調査部長Mary Ellen Gordon, PhD.によると、無料への移行が決定的であることを示す最強の証拠は、デベロッパが行うA/Bテストの結果だ。彼らは数か月かけて、いろんな価格レベルでA/Bテストを行い、そして最終的に、無料という結論に達するのだ。アプリを無料にして、アプリ内購入で稼ぐ、という道を彼らは選ぶ。

彼女が本誌に語ったところによると、“デベロッパは、誰もがそうしているから、あるいは、そうすべきだから、アプリを無料にしているのではない。自分でいろんな価格設定をA/Bテストしてみて、無料しかないという結論に達しているのだ”、ということ(下図)。“このままいくと、来年の無料アプリの比率は91から93%ぐらいになり、今よりは大きいけど100%にはならない。有料化できる特殊なアプリが、必ずあるからだ”。

有料アプリで行けるのはどこ?

では、有料アプリが今でも通用するのはどこだろう? 言い換えると、有料アプリが今でも売れているカテゴリーは何か? アプリ分析企業のDistimoに話を聞いてみた。同社はApp Storeのダウンロード数のランク表を集計し分析して、有料アプリが健在な分野を調べた。

そして同社の発見によると、以下のカテゴリーでは、ダウンロードされているアプリのトップテンの、少なくとも半数が有料アプリだ: 生産性(OA)、医療、ビジネス(仕事)、健康とフィットネス、ナビ、カタログ、ライフスタイル、写真とビデオ、旅行、天気予報。一部の有料アプリは、アプリ内購入を併用して売上を上げようとしている。

[ビジネス(仕事)10位まで]

[天気予報 10位まで]

これらのリストを見ておもしろいのは、有料アプリのほとんどが、いわゆる「実用ソフト」であることだ。これらのアプリは、特定の仕事をちゃんとやってくれる…旅の予約、健康対策、明日の天気を知る、仕事をする、写真を編集する…いずれも、ユーザが毎日のようにする仕事なので、お金を払っても機能や性能が優秀な方がよい。無料アプリを、不満を感じながら使い続けるよりは。

逆に不在が目立つのは、App Storeの常連ビッグカテゴリーであるゲームやソーシャルネットワーキングだ。上位の中では、Minecraftが唯一の有料ゲームアプリ、Grindr Xtraが唯一のソーシャルアプリだ。また、収益の大きい本やニューススタンドのカテゴリーも、無料アプリの世界だ。

しかし一般的にDistimoのデータは、多くのカテゴリーで無料アプリケーションが優勢というFlurryのデータを再確認している。そこではアプリ内購入が主な収益源であり、とりわけゲームでその傾向が著しい。さらに、すべてのカテゴリーのトップテンを全部集めたものの67%が、今ではアプリ内購入を利用している。

有料アプリはまだ生き残っている、とDistimoは言うが、有料アプリが売れるためにはいくつかの条件に依存する…ターゲットとするオーディエンスのタイプ、カテゴリー、競合の状態など。ほかのビジネスと同じだ。

でもDistimoの分析対象は各カテゴリーのトップテンだけだから、もっと下の方の状態は分からない。上位進出は往々にしてマーケティング努力の結果だったりするから、データとしても偏りがあるだろう。

しかし少なくともApp Storeのチャートの上位の分析は、ダウンロード数を見るためには有意義だ。この夏の別のデータによると、トップテンに入るためには有料アプリで4000、無料アプリで70000のダウンロードが必要だ。トップ50に入るためなら、有料アプリは950ダウンロードでよい。無料アプリは23000だ。これらの数字の一部は今月再確認され、よく知られているデベロッパReaddleの報告によれば、3500から3800ダウンロードぐらいでApp Storeの有料アプリのトップテンに入ることができたという。

有料アプリはますます狭き門に直面しつつあるが、でも、あくまでも有料で行くと決めたデベロッパの参考になるような、サクセスストーリーがわずかながらある。ただし、途中のアップグレードで有料化を導入する際には、それまでのユーザベースを疎外しない努力が重要だ。Clearはそれをやろうとしたが、あとから方針を変えざるをえなくなった。

今後も有料アプリは、競争のあまりないニッチで、独自性の高い優れた製品を提供しているかぎり、ビジネスとして成立し持続するだろう。平凡な製品なら、消費者は無料アプリに向かう。

デベロッパたちはこの傾向を嘆き、“認めたくない事実ではあるが”有料アプリもそのほとんどはがらくただ、と言う。デベロッパのFlorian Kuglerが最近書いたこの嘆き節は、Hacker Newsの上で広く共有された。

しかしユーザにとって、アプリにお金を払うだけの価値があるか否かは問題ではない。問題なのは、長期的に、その支払額が巨額になることだ。今消費者は、ほとんど100万近くのアプリから選ばなければならない。お金を払ったけどがらくただった、という経験を毎日繰り返すわけにはいかない。だからモバイルアプリの主流が無料アプリになってきたのも、この‘あまりにも多すぎるアプリ’の時代における、当然、というか、必然的な流れなのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Internet Explorer 6の市場シェアが5%未満に。但しレガシー問題は続く

Internet Explorer 6は、まだ世の中に生き残っている。しかしいよいよ最期の時が迫っているようだ。実際のところ、未だにIE6に苦しめられているウェブ開発者も多いが、しかしNet Applicationsの最新データによれば、全世界での市場シェアは5%未満に低下している。

これによってある程度はサポートの手間を減らすことにも繋がり、Microsoft自身も喜ばしく感じているかもしれない。と、いうのも先月の数値を見ると、他のブラウザの市場シェアが伸びていない中で、全バージョンのInternet Explorerをあわせたシェアが57.79%となっているそうなのだ。これは今年に入って最大のシェアとなる。

但し、IEのシェアを引っ張っているのは、Net Applicationのデータでも21.39%を占めるIE 8となっている。ダウンロード数でも全ファミリー中、IE 8が最も多くなっている様子。これはWindwos XPではIE 8以降にアップグレードすることはできないという事実によるものだ。XPもしばらくは使い続けられるだろうから、今しばらくはこの状況が続くこととなろう。

そのような状況の中、Windows 7および8用には、まもなくIE 11が登場してくる。もちろんIEファミリー内ベストの機能を搭載して出てくることになるだろうが、しかしIE 8などの旧ブラウザによるレガシー問題は続くことになる。旧ブラウザは独自仕様に依存している部分もあるし、またMicrosoftが旧システムで利用できる新しいブラウザを用意せずに放置してしまうということも問題の原因だ。

確かにIE8や9では、HTML5の機能に対応しているところも多少はある。IE6ではドラッグ&ドロップや@font-faceに対応しているだけで、その他のHTML5機能を使うことができなかったことに比べれば、かなりの進歩と見ることもできる。

IE6のシェアが5%未満になったことにより、いよいよウェブ開発者としてもIE6を切り捨てることが可能になってきたのかもしれない。しかしIE6問題が片付いても、IE8でやはり同様のレガシー問題を抱えることとなりそうだ。アップデートパスもなく、いまさら最新の言語仕様に対応する予定もないブラウザが、またしても開発者を苦しめることとなる。

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(翻訳:Maeda, H


Facebookで大いなる成長を経験したAli Rosenthal。MessageMe参画の理由とは?

Ali Rosenthalは2006年初頭にFacebookに入社している。当時の従業員数は50名で、ユーザー数は400万人だった。そして2011年に退社することとなったが、そのときには従業員3500人、ユーザー数は10億人になろうとしていた。彼女はビジネス創設チームの一員として、モバイル分野でのサービス拡充に努めた。10万人程度だったモバイルユーザーは、退社時には2億5000万人にも拡大していた。ちなみに退社時にはモバイルビジネス開発部門のトップを務めていた。

その後RosenthalはGreylockでExecutive-in-Residenceとしての1年間を過ごした後、再度小規模なスタートアップに籍を移すこととなった。7月よりMessageMeのCOOとして働くことになったのだ。5月に1000万ドルのシリーズA資金を調達してリアルタイム・モバイル・コミュニケーションを手がける同社は、従業員数17名という規模だ。

上のビデオに収録されているインタビューでは、なぜMessageMeを選んだのかということについても質問している。彼女のような大物が、小さなスタートアップを選択するからには、そこに強い動機があるはずだと考えられるからだ。

「優秀な人材がいることも理由のひとつです」と彼女は応えてくれた。共同ファウンダーのAlex CheeやArjun Sethiの名前が挙がった。また、当然のことながらプロダクト自体にも可能性を感じたのだとのこと。Rosenthalの言葉を借りるなら、MessageMeは「マルチモデル・メッセージング」(multi-model messaging)システムなのだそうだ。「スピード」を重視し、実際に会話をするような感覚で利用することができる。Facebookはその出自からしても「ウェブプロダクト」としての特徴を持っていて、その辺りがMessageMeと大きく異なるところであるらしい。「スマートフォンに特化して生まれてきたMessageMeは、将来のリアルタイム・リッチコミュニケーションのための仕組みとして大きな可能性を持っています」と彼女は言っている。

本格的なアスリートでもあるRosenthalは、「タイミング」の大切さも強く意識している。2006年にFacebookを選んだのも良いタイミングだった。今、このタイミングでMessageMeを選んだのも、将来に振り返ってみると、なるほどベストであったと思わせることになるのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H


調査報告:子供の読書週間は更に失われつつあるらしい(2012年比で8%減)

「ハリー・ポッター」シリーズを楽しんだ人は多いことだろう。しかしAngry Birdsもやはり楽しいし、Snapchatも面白い。Facebookを四六時中見ている人も多いし、ステージで観たJustin BierberをYouTubeで再度楽しむのも普通のやり方だ。メッセージのやり取りやHalo、Disneyチャンネルを見ていてとまらなくなることもあるだろうし、Transformerを何度も観てしまうひともいる。あるいは外でドローンを飛ばすのに夢中という人だっているはずだ。

つまり現在、「本」にはあまりに多くのライバルが存在する時代になっている。Nielson Booksの調査でも、「たまに読書する」(occasional readers)人たちの時間は、徐々に「デジタル」に奪われつつあるようなのだ。Bookseller Children Conferenceでとくに、0歳から17歳の間では「本を読まない」人と「たまに読書する」という層を合わせた割合が、2012年調査時には20%であったのが、今回の調査では28%に増えているのだそうだ。つまり、いつでも本を読むという率が下がっているのだ。

依然として「読書」というのが「人気のある」アクティビティであるのは、本好きにとっても良い話だろう。子供たちのうちの32%が、毎日本を読んでいるのだそうだ。人気アクティビティの第2位で、1位のテレビ(36%)に少し負けているだけだ。「読書」が少なくとも今のところは21世紀のエンターテインメントであるソーシャルネットワーク(20%)、YouTube(17%)、あるいはモバイルゲームないしモバイルアプリケーション(16%)を上回っている。

1週間の幅で見ると、60%の子供たちが本を読んでいるというのも良い話なのだろう。しかし、実はここに読書習慣の「衰え」が観られるのだとNielson BooksのJo Henryは言っている。

1日に45分以上本を読む「本の虫」ないし「大の本好き」といった人種は、巷に溢れるガジェットの影響などなく、相変わらず本に夢中だ。しかし「ほとんど読まない」子供や「たまに読書する」子供たちは、これまで以上に本から遠ざかりつつあるようなのだ。

たとえば上のグラフは1週間単位のアクティビティについてまとめたものだが、2012年から2013年にかけて伸びたのは「ゲーム」(Play games apps)、「YouTube」(Visit YouTube)、「メッセージのやりとり」(Text)だけなのだ。読書週間は非常な勢いで減じつつあると見ることもできる。

これはすなわち、さらなる「自己啓発デバイド」を招いているのではないかと心配するむきもある。下に載せた1990年台風カラフルグラフが、年代ごとの読書週間を示すものだ。

確かに、この手の調査というのは少々割り引いて考えるべきものなのかもしれない。数値は平均データを取り上げただけに過ぎず、また調査も公平なものとは言えなさそうだ。

ただ、読書習慣は少なくとも2005年辺りから徐々に失われつつあるというのは他の調査でも指摘されている[PDF]。さらに、National Literacy Trustの調査によるとウェブ上で文章を読むということも2005年比で減少しているのだそうだ(64%から50%)。すなわち、読書習慣に変わって、電子的読書が進んでいるというわけでもないようなのだ。

読書が知育に役立つものであるのは間違いのないことなのだろう。ただ、文字を読むことに抵抗を感じる人もいる。新しい時代に適合する方法を考えて、例えば『蝿の王』Snapchat版などというものを考慮する時期にきているのかもしれない。

[Image Credit]

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(翻訳:Maeda, H)


使い捨て電話番号のBurner; ベーシックな電話で何ができるか, 可能性の氷山の一角

【抄訳】

NSAいくつかの国家が、世界中の一般市民に対する大規模なスパイ行為を行っていることを、世界が知る前から、モバイルアプリBurnerは、ユーザに使い捨ての電話番号を提供してきた。そういう電話番号は、プライバシーの保護やそのほかの目的に利用できる。たとえばCraigslist(オンライン三行広告)にポストするときやオンラインデートでは匿名が便利だし、旅行中や誰かに嘘をつきたいときにも、ニセの番号を利用できる。そのBurnerが今日(米国時間9/26)、Founder CollectiveとVenrockが仕切る投資ラウンドにより、200万ドルの資金を調達した。またこれと並行して、iOSアプリのデザイン変更と機能のアップデートも発表した。

Ad Hoc Labsというスタートアップが開発したこのアプリは、今ではiOSとAndroid用があり、使い方はとても簡単だ。まず、自分の本物の電話番号をBurnerに教える。代わりにBurnerがくれる電話番号は、入呼も起呼もOKで、SMSもできる。そのほかボイスメールによるあいさつとか、呼び出し音の指定、SMSの通知なども指定できる。複数のBurner番号を使うときは、番号ごとにあいさつや呼び出し音を変えられる。複数のニセ番号を目的別・相手別に使い分けるユーザが、けっこう多い。

協同ファウンダのGreg Cohnによると、Burnerはロングテイルのユースケースがおもしろい。“ありとあらゆる使い方があるね。デートやCraigslistなどありふれたものから、教師、弁護士、ミュージシャン、産婆さん、いなくなった犬を探している人、それにセレブたちも、Burner番号を利用している”、という。Cohnの説明でおもしろいのは、“人びとが使い捨て番号を使うのは、実際にそれを捨てるためというよりむしろ、いざとなったら捨てられるという安心感のためだ”、というあたりだ。実際に、最初短期間(3~5日)の無料サービスを利用したユーザの多くが、その後、長期の有料ユーザに変わる例が多いそうだ。

今では、電話とSMSというベーシックに代わって、独自の機能やサービスを提供するモバイルメッセージングアプリがたくさん雨後の筍している。それらの中には、消費者向けのソーシャルアプリ(Whatsapp、LINE、Snapchat、Viber、WeChat、Pathなどなど)もあれば企業用(SendHub、Ansaなどなど)もあり、その中間(Voxer、GroupMe、Google Hangoutsなどなど)もある。Burnerはこれらの混雑の中で、伝統的な携帯電話によるコミュニケーションを、より便利にしようとする。Burnerがあれば、友だちでも家族でも会社の同僚でもない人たちと、安心してコミュニケーションできるのだ(ただし今は合衆国とカナダのみ、TwilioのSDKを使っている競合サービスHushedは多くの国で使える)。

“うちはまだまだ、モバイル上のプライバシーと本人性という問題の、表面をかすっているだけだ。しかしキャリアは、あれほどバカでかい市場を抱えているにもかかわらず、この問題に関しては何もイノベーションしない”、とCohnは言う。“だからこの分野には大きな機会があり、しかも音声とテキストによる伝統的な電話コミュニケーションは、昔からの原始的な状態のままで、キャリアもソーシャルネットワークも魅力的なプロダクトを作り上げていない…うちなんかが多くの人から利用されるのも、そのためだ”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Gunosyがソーシャル化 – フォローやリアルタイムの話題表示機能が登場

 

ユーザーのソーシャルメディアアカウントを分析し、ひとりひとりの好みに合った記事を配信してくれるGunosyがiOSアプリに大きな変更を加えている。今回のアップデートにより新たに友人をフォローしたり、周りで話題になっている記事をリアルタイムに表示したり、記事にコメントを残せるようになった。

Gunosyは当初の1日1回のニュース配信から、朝刊・夕刊の2回に分けて配信回数を増やすなどユーザーがアプリに触れる回数・時間を増やして来た。しかし、朝と夕方(設定にもよるが)のみの配信ではリアルタイムな話題となると他のニュースアプリに比べて劣っていた。

これまでのGunosyユーザーは朝刊と夕刊配信のタイミングでプッシュ通知を受け取ってアプリを起動するという、受動的なアクションが多かっただろう。だから、今回のアップデートではユーザーがアプリを自発的に利用するような仕組みを取り入れたと言える。

また、ソーシャル化に加えて、気になるキーワードが登録できるようになっている。これでソーシャルアカウントの分析と合わせて更にユーザーの欲しいニュースが集まるようになるとしている。このキーワードの登録というのはGunosyの競合でもあるVingowで以前から利用されている機能だ。

このVingowも6月に自動要約機能を加えて話題になり、さらにユーザー数を伸ばしているようだ。同じくニュースアプリのSmartNewsを運営するゴクロは8月に4.2億円を調達し、開発体制を強化するなどこの業界の競争は激化している。


Gmail、Android版アプリケーションに「カードスタイル」を導入してアップデートを提供中

GoogleのAndroid版Gmailアプリケーションのアップデートが始まっているようだ。カンバセーション・ビュー(Conversation View)に、Googleが最近あちこちに導入を進めている「カードスタイル」を適用するというのが目玉であるらしい。「カードスタイル」はGoogle Nowにて広がることとなり、Googleの各種プロダクトやサービスにて利用されるようになっている。たとえばGoogle Drive、新しいGoogle Wallet、Maps、Google+等々に導入されている。

Fast Companyも記事に取り上げているように、昔ながらのインデックカードを彷彿とさせる使い勝手が、ミニマリズム(minimalism)とスキューモーフィズム(skeumorphism)の中間をいくものとして採用されている意味もありそうだ。

Google+への投稿によれば、Gmailの「カンバセーション・ビュー」へのカードレイアウト投入は、複数人によるスレッド表示をわかりやすく表示するため(投稿分中での表現は「new, cleaner design」)ということらしい。

今回のアップデートでは、他にもデザイン面での変更が加えられている。デスクトップ版には前からあったが、アプリケーション版でも移動、削除、アーカイブなどのために複数のメッセージを選択した際、チェックマークが表示されるようにもなる。また、受信箱の同期がオフになっている場合には、アラートも表示されるようになった。これにより、本当は届いているメッセージを届いていないと誤認することも減るだろう。

一部の利用者は既にGoogle Play経由でアップデートできるようになっている。但し、最新版は徐々に広めていっているようで、新デザインが見られるようになるタイミングについては個人差があるようだ。

ところで今回のアップデートに先立っては、終日に渡るメール配送遅延が発生していた。発生した障害によりGmailに対して不信感を持った人もいるようで、障害以来、いつもよりもはるかに電話着信が多くなっている。たびたび電話に出るのはなかなかの手間で、それもあってGmailにとって「良い記事」を書いてみたという意図もある。もちろんカードスタイルのレイアウトが嫌いという人にとっては、さらに悪いニュースではあるわけだが…。

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(翻訳:Maeda, H)


Twitter、@magicrecs経由での実験成果を踏まえ、真に役立つレコメンド機能を提供開始

TwitterがAndroidおよびiPhoneにて、フォロー推奨アカウントや興味を惹きそうなツイートのレコメンドをプッシュ形式で行うための仕組みを導入したようだ。この仕組は、しばらくの間、実験的に運用してきた@magicrecsアカウントを通じて構築されてきたものだ。Twitterは、このアカウントをフォローしている人がフォローしている人のツイートを見て、どういった層にフォローされていて、またその関係性の中でどのようなツイートがリツイートされているのかなどを分析してきた。

この実験を通してTwitterは、これまでに蓄積されたデータを活用するためのノティフィケーション機能の強化を行ってきたわけだ。少なくともこの@magicrecsアカウントを通じた実験結果を見る限り、新たに搭載される機能も非常に素晴らしいものとなりそうだ。個人的には、ここしばらくの間@magicrecsをフォローしてきた。Twitterの専任チームにより運営されていて、今回の新機能を生み出すために各種実験および機能開発を行ってきたわけだ。実験中に得たツイートおよびアカウントのレコメンドはまさにぴったりとくるもので、レコメンド機能の素晴らしさを大いに吹聴してまわったものだった。Twitterからのアナウンス以前から、この機能は間違いなく公式機能として取り込まれるはずだと信じていた。レコメンドされてフォローを開始したアカウントは、以来変わらずタイムラインを楽しくしてくれている。

@magicrecsアカウント経由で有益な情報が送られて来る中、この通知機能がTwitterアプリケーション自体に組み込まれるのはいつだろうと考えてきていた。ようやくそれが実現したわけだ。

「長らく行ってきた実験結果に基づき、今回ご紹介している新機能を実現しました。実験は@magicrecsを通じて行ったもので、アカウントのプロフィールにあるように、人物ないしツイートのレコメンド情報をダイレクトメッセージの形で送信するものでした」と、開発チームのVenu Satuluriは述べる。「運用中にも、利用者の方のエンゲージメント率やフィードバックに基づいてアルゴリズムの改善を行いました。そうして、真に役立つ情報のみを流すようにしていったのです」。

今回実装された新しい通知機能は、各アプリケーションの利用者に対して徐々に導入されるようになるとのこと。もちろん導入された場合も「設定」メニューの「通知設定」から、機能をオフにすることもできる。

フォローしている人々の振舞いや、あるいは自分自身の関わり方のデータに基づいた実験というのは、まさにTwitterが今後も行っていくべきことだろう。成果に基づいて実装した機能により、Twitter利用者に対してサービスの魅力を伝えていくことが重要だからだ。とくにIPOを控えた今、これまで以上に利用者数や成長率などにシビアな注目が集まることになる。

Twitterの7年間を振り返ってみる記事にも書いたように、Twitterの魅力は、サービス内でどのような人と関わるかに大きく左右される。面白いアカウントをフォローしていれば、タイムラインは非常に面白いものとなるだろうし、逆につまらないツイートばかりが流れてくることになれば、Twitterなどすぐにやめたくなってしまうことだろう。

しかしながら、Twitterの「おすすめユーザー」はモバイルアプリケーション上では、かなり目につきにくいところにおいやられている。そのせいもあって、新たに人をフォローするという動きがなかなか生まれにくくなっていたのだ。

「おすすめユーザー」を(とくにモバイル版で)もっと見やすいところに移動させてはどうかと提案もしてみた。何かの機会にすぐに表示されるような仕組みを作ってもいい。利用状態(コンテクスト)に応じたレコメンドが表示されるのは(少なくとも私にとっては)面白いコンテンツを発見するために非常に有益なことだと思えるのだ。

そうした提案に対してTwitterのプロダクト部門VPであるSippeyは「それは素晴らしいですね」と応じてくれた。

もちろんSippeyが礼儀正しかっただけだ。私の提案など全く取るに足らないものだった。@magicrecsによるレコメンドがあれば、従来の(ランダムにすら見える)レコメンドなど不必要とも言えそうなほどだ。パーソナライズされた、インテリジェントなレコメンド情報を提供する仕組みを実装中であったわけだ。

レコメンドの重要性について、Sippeyは補足も行ってくれた。もう一か所、前回の記事から引いておこう。

Twitterの魅力というのは「友達との繋がり」のみにあるわけではないのですとSippeyは言っている。最高のエクスペリエンスは、ある種の「バランス」から生まれてくるのです、とのこと。

「笑ってしまうような話もあれば楽しいでしょうし、興味対象についての知識も得たいと考えているはずです。もちろん友達の近況などもチェックしたいと考えていることでしょう。Twitter上でこうしたそれぞれのバランスをとることによって、自分のタイムラインがさらに魅力的なものとなっていくのです」。

こうした面からも@magicrecsを通じて提供していたレコメンデーションは、うまく機能していたと言えるだろう。それを引き継いで実装されることになる新機能も、利用者が「バランス」を実現するために、大いに役立つものとなるはずだ。

Image Credit: William Andrus/Flickr CC

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(翻訳:Maeda, H)


人体のGoogle EarthがシリーズAの資金調達―BioDigitalはブラウザ・ベースの精密な3D人体図鑑

ニューヨークに本拠を置く画像処理のスタートアップ、Biodigitalが野心的なプロジェクトを開始したのは昨年だった。精密な3Dのアニメーション人体図鑑をブラウザを通じて提供しようというのだ。共同ファウンダーのFrankSculliとJohn QualterはCAD、HTML5、WebGLなどのテクノロジーを駆使して印刷版の解剖学教科書を時代遅れの存在にしようという試みをスタートさせた。

昨年のローンチ以来、Human Biodigitalと名付けれられた3Dバーチャル人体には病気や妊娠など医学的に正確な何千もの画像が追加されている。このバーチャル人体はGoogle Earthによく似た方式で回転させたり傾けたりズームインしたりできる。ユーザーはすでに100万人に上っている。Sculliがわれわれに語ったところによると、Bioditalは2500以上の学校で解剖学の授業に活用されているという。また一般ユーザーも健康に関する知識を得るために利用し始めている。

また病院やクリニックで医師が患者に症状を説明する際にもBiodigitalのバーチャル人体が利用されている。しかし共同ファウンダーたちの長期的な野心は、強力なAPIを提供し、サードパーティーのデベロッパーがアプリやサービスを開発できるようにして、Biodigitalを人体画像のプラットフォーム化することだ。

サービスの拡大にともなって、Biodigitalは今日(米国時間9/24)、400万ドルのシリーズAの資金調達を行ったことを発表した。今回のラウンドはFirstMark Capitalがリードし、NYU Venture Fund、数人のエンジェル投資家が参加している。

Sculliは今日発表したブログ記事で「3D画像処理テクノロジーはゲームや映画のあり方を根本的に変えただけなく、Google Earthのようなサービスを通じて今や一般ユーザーにも馴染み深いものになりつつある。バーチャル人体以上にこの3Dテクノロジーの建設的な応用場面は少ない」と書いている。これには私もまったく同感だ。ブラウザが3D画像処理をネーティブにサポートし、APIベースのビジネスが爆発的に拡大している現在、Sculliの意見では、バーチャル人体は医療やヘルスケアにとどまらず、ウェブ一般にあらゆる応用が考えられるという。

今回の資金調達でBiodigitalは本格的にAPIの開発に乗り出すことができる。現在バーチャル人体は無料で利用できるが、同時に有料のプレミアム版も提供している。

われわれのJohn Biggs記者のファウンダーに対するインタビューと初期のプロダクトのデモのビデオを下にエンベッドした。オリジナル記事はこちら


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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Driven Apps、NFL MVPのエイドリアン・ピーターソンと組んでフィットネスアプリケーションをリリース

Driven Appsは、NFLのランニングバックであるエイドリアン・ピーターソンがと組んで、熱心にフィットネスないしスポーツトレーニングに取り組む人々に向けて、アプリケーションをリリースした。同社がプロアスリートと組んでアプリケーションを出すのは3度めのことだ。今年初めにはNBAのスター選手であるドウェイン・ウェイドや、プロゴルファーのアーニー・エルスとタイアップしたアプリケーションもリリースしている。

Driven Appsの発端となったのは8年前のことだ。兄弟のDonおよびJoe SaladinoがマンハッタンにDrive 495というパーソナルトレーニングジムを開設した。これをスカーレット・ヨハンソンやライアン・ゴズリング等の超有名セレブも利用するようになった。もちろんセレブたちは忙しい人種であり、マンハッタンにいないことも多い。そのような中で、外出先でもきちんとワークアウトを行う方法はないかという話になり、そこでSaladino兄弟はアプリケーションを作成し、そこで各会員用のワークアウトプログラムを管理することとしたのだ。

そして1年半ほど前、アプリケーションにはより大きな可能性があることを認識するにいたった。そこでDriven Appsを設立したのだ。トップアスリートと提携することにより、一般の利用者向けにスポーツトレーニングに用いるアプリケーションを開発している。アプリケーションを使って日々のワークアウトを管理したり、またはプロフェッショナルアスリートの推奨するトレーニングメニューを試すことができる。トレーニング内容は、利用者の進捗具合によって変化するようになっている。したがって、エイドリアン・ピーターソンの提示するワークアウトは徐々に厳しいものとなっていくわけだ。

ピーターソン曰く「前十字靭帯断裂から、より強くなって復帰するまでに行ったトレーニングなども見てもらいたい」とのこと。アプリケーションの製作にはかなり真剣に取り組んだのだとのこと。多くの人に使ってもらいたいと述べている。

ピーターソンが前十字靭帯を断裂してしまったのは、2011年12月24日のゲーム中のことだった。しかし8ヵ月後には再びグラウンドに立った。そしてNFLのシーズン最多ラッシングヤード記録更新までわずか9ヤードの活躍を見せ、バイキングスのプレイオフ進出の立役者となった。このシーズンはMVPにも選ばれている。

かくも迅速に復帰出来たのは、絶対に復帰するという「確信」があったからだとピーターソンは述べる。そしてそこにむけて着実に、効果のあるトレーニングを積み上げていったのだ。そうした経験も踏まえて「各エクササイズをどのように実行して、そしてどういったことを目指していくべきなのか」を示すためにトレーニングを開発したとのこと。多くの人々に、そしてとくにフットボールでの成功を目指す学生たちに試してみて欲しいと述べている。

「個人的にはアプリケーションとのタイアップなどに興味はなかった。ただDrivenのアプリケーションは、なかなかよくできていると思ったんだ。たとえば、今のゴルフの腕前は、バンカーから抜け出せない程度のもの。もうちょっと上達したいと思ったときには、アーニー・エルスのアプリケーションを使ってみようと思っているよ」と、ピーターソンは述べている。

Driven AppsのCEOであるJake Edwardsは、メジャースポーツの全てをカバーしたいと考えているのだそうだ。また、ウェアラブルデバイスと連携して、ワークアウトのリアルタイムで正確な記録機能なども付け加えていきたいと考えているらしい。エルス、ピーターソン、そしてウェイドのアプリケーションは、それぞれ450円、250円、そして350円で販売中だ。

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(翻訳:Maeda, H)


GoogleもiOS版Chromeをアップデート―リンクからYouTubeなどのネーティブ・アプリが立ち上がる

今日のiOS版Chromeのアップデートではいくつか重要な機能の追加があった。

音声検索jに関するかぎり、Googleは依然としてライバルに大差をつけてトップを走っているが、今回さらに代名詞の解析という新たな人工知能レイヤーが追加された。Googleはこの機能を数ヶ月前に発表し、ただちにデスクトップとAndroid版に実装している。 たとえば、「アメリカの大統領は誰か?」と質問した後で次の質問をするときには「バラク・オバマ」といちいちフルネームを言わなくても「彼は何歳か?」のように表現することができる。

これはこれで便利な機能だが、ユーザーにとってずっと重要なアップデートは、ワンクリックで各種Googleアプリを呼び出すことができるようになったことだろう(ユーザーが複数のGoogleアカウントを持っている場合、それらをChromeに登録しておけば、アカウントを自由に選択できる)。

YouTube、Google Maps、Gmail、Google Drive、Google+などのGoogleのサービスへのリンクをChromeで開くと自動的に対応するGoogleのネーティブ・アプリが立ち上がる(インストールされている場合)。ユーザーはまたChromeの「設定」メニューからリンクの種類ごとに開くアプリを選択することができる。

他の多くのアプリと歩調を合わせて」、GoogleもまたChromeのデザインを簡素でフラットなiOS 7の新デザインにマッチするものとした。ただしChromeは以前からそっけないほどシンプルなデザインだったため、その違いは一見しては大きくない。また変更を受けた要素も比較的少ないようだ。

Chromeの新バージョンはApp Storeのこちらからインストールできる。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Apple AppStoreの「アプリ復活」機能は、ユーザーにとってはすばらしいが、デベロッパーには災難

今日(米国時間9/17)、あるRedditユーザーが、App StoreでiOSの旧バージョンを使っているユーザーが、互換性のある最後のバージョンのアプリをダウンロードできるようになったことを発見した。これはすばらしい機能で hwj、古いiOSしか動かないデバイスの所有者には朗報だ。

しかし、同機能の実現方法がデベロッパーにとって不透明であることが疑問を呼んでおり、ユーザーにとっても問題になる可能性がある。

実際しくみは極めて単純で、ユーザーにとってもわかりやすい。もしユーザーが旧バージョンのiOSしかサポートしていないデバイス ― 例えばiPhone 3GSとiOS 6 ― を持っていて、iOS 7でしか動作しない最新版アプリをダウンロードしようとすると、〈最後に互換だったバージョン〉がダウンロードされる。そこには面倒もなく、ユーザーは動作可能なバージョンが手に入るだけだ。

これは実に賢明なやり方であり、iOS 7の技術を今すぐ導入するかどうか、という一部デベロッパーのためらいを軽減させるだろう。私が話したデベロッパーの多くは、iOS 7専用バージョンのアプリも出荷する計画だ。新機能はそうしたデベロッパーにとっても、古いハードウェアのユーザーが自社アプリの旧バージョンを使ってくれるので有難い。

皮相的な見方をする人もいる。これがAppleのリスクヘッジだという考えだ ― 万が一、iOS 7への移行が遅れた時のために。先を急いだデベロッパーたちが取り残されずに済む。

このやり方のデベロッパーにとっての問題は、Dragon ForgedのKyle Richterらが早速指摘している。

「あらゆる複雑なアプリ、特にAPI駆動のアプリは、何年も放置された後に動作する可能性は稀少だ。動くとしてもひどく不安定でバグも多いだろう」とRichterは言う。「その結果は? ユーザーは水準以下の製品を公開したとデベロッパーを責める、なぜなら平均的ユーザーはソフトウェア開発の事情を理解していないから。これがアプリのレビュー評価を下げ、デベロッパーのサポート負荷を増やすことになる」

簡単な例を挙げると、お気に入りのTwitterクライアントの新しいV1.1 APIをサポートしていない旧バージョンを旧iOSにダウンロードすれば、バグが多発するか全く動かないかのどちらかだ。

デベロッパーコミュニティーの複数の情報源によると、AppleのiTunes Connectダッシュボードには、デベロッパーが自分のアプリのどのバージョンがどのiOSバージョンに配信されるかを見るオプションがない。この不透明さだけでも、カスタマーサポートを混乱させる原因になる。

しかも、デベロッパーには旧バージョンの問題を修正して再アップロードする手段もない。要するに、旧iOSユーザーは、デベロッパーが永久に修正できない問題を抱えたアプリをダウンロードすることになるかもしれない。これは多くのデベロッパーにとって悪夢だ。

また、この「アプリ復活」機能のシステムに詳しい情報源は、システムがそのように作られていることを確認している。デベロッパーは旧バージョンを修正して新しいバイナリーをアップロードすることも、古いバグ有バージョンを「消し去る」こともできない。

恐らくAppleは、デベロッパーが申請した旧バージョンアプリをすべて保存しているに違いないので、この機能を実現することが可能だったのだろう。

しかし、いくつかの要素によって問題の対象が絞られる可能性があることは指摘しておくべきだろう。第一に、iOSの移行率は常に極めて高い。(それが可能な)iOSユーザーの80~90%は、1~2週間のうちにiOS 6に移行している。もしiOS 7が問題なく立ち上がれば、iPhone 4以降のデバイスの殆どは、非常に早く新OSに移行し、こうした復活アプリの必要もなくなるだろう。

それでも、アップデートしない、あるいはできないユーザーが一定の割合存在する。そこにはiPhone(まだ存在している)、iPhone 3G、iPhone 3GS、iPod touch 1~4世代、および初代iPad等のユーザーも含まれる。

新機能の恩恵を一番受けるのはiPod touchユーザーだろうが、古いiPhone、iPadユーザーも使い勝手が上がるだろう。そのための複雑な操作も不要だ。ただApp Storeで新しいアプリをダウンロードすれば、自分のiOSで動くバージョンが手に入る。

残念ながら、それらのアプリのデベロッパーは同じ恩恵を受けることがなく、少々ひどい仕打ちを受ける。iTunes Connectのダッシュボードにちょっとした変更を加えるだけで、デベロッパーはどのバージョンのアプリが問題を起こしているのかがわかるし、さらには旧デバイス用のバージョンのアップロードもできるようになるのだが。

現時点でそれは起こりそうにないが、望みを持ち続けることはできる。

「デベロッパーが序列の一番下にいることは衆知の事実だ。Appleが何より第一に気にかけるのはAppleであり、次がユーザー、最後がデベロッパーだ」とRichterは言う。この言葉は、今回のケースにも正確にあてはまりそうだ。新システムはAppleのためにダウンロード数を増やし、ユーザーのために顧客体験を向上するが、デベロッパーには大きなサポート問題を残す。

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(翻訳:Nob Takahashi)


モバツイ開発者のえふしん氏が新アプリ「ShopCard.me」をローンチ – 友達同士で店舗情報をカード形式で交換

藤川真一(通称えふしん)氏は2007年、まだ日本でiPhoneが発売されていなかった時代にフィーチャーフォン向けのTwitterクライアント「モバツイ(当初はモバツイッター)」を開発し、その後会社を設立、ユーザー数が160万人に達した昨年5月にjig.jpへ会社ごと売却した。

このような経緯を持つえふしん氏が本日新たなiOSアプリ「ShopCard.me」をローンチした。このアプリは訪れたレストランやカフェといった店舗情報をカードとして保存したり、共有したりできる。このカードは「ショップカード」と呼ばれ、表面と裏面が用意されており、表はアプリ利用者全員で共有される店舗名、住所、電話番号といった情報が、裏はプライベートなもので自分が何を食べたか、店に何回訪れたかといった情報が記録される。

もちろん店を記録するだけではなく、店を発見するために近場の店舗情報を一覧で表示してくれる機能なども備えられている。だが、えふしん氏がこだわるのはリアルでの行動のようだ。

例えばこのアプリでユーザーに何を体験してもらいのかというと、「お気に入りの店を友達に教える時に使えること」だという。会話の中でオススメの店名を思い出せなかったり、調べようとしても店舗内で電波が繋がらなかったりする時*に、このアプリで簡単にその店の情報を取り出し共有してもらいたいそうだ(*: ショップカードはオフラインでも閲覧できる)。えふしん氏はこのようなリアルでのコミュニケーションを取ることに価値を見いだしている。

実はえふしん氏は前社を売却後、今年4月から慶應義塾大学メディアデザイン研究科に入学し、このようなモバイルを活用した近距離コミュニケーションメディアをテーマに研究をしている。具体的には飲み屋に入った時に知らない人と会話することは難しいけど、3.11震災時には話したこともない近隣住民とコミュニケーションを取れたのはなぜかといった具合だ。それは共通の不安な気持ちが互いに話しかけても良いという状態を産み出したからで、こうした状況を作りリアルでのコミュニケーションをもっと豊かにできないかという研究をしているという。ShopCard.meは友達などすでに面識のあるユーザー同士が使うアプリではあるが、リアルでのコミュニケーションを豊かにするという点ではこのような研究が活かされてくるのだろう。

また、冒頭で述べたモバツイもその頃から同じ思想で開発されていたようだ。モバツイを作ろうと思った理由はTwitterを「持ち歩ける」ようにしたいという気持ちだった。今でこそ皆がスマートフォンを使ってリアルタイムにTwitterを利用しているが、2007年の当時はPCからの利用が多かった。そこでモバツイが登場し、リアルタイムの情報を持ち歩けるようになった。今回のShopCard.meも同様にショップの情報を「持ち歩く」ことで新しい価値を産み出せればとえふしん氏は語る。

今後はユーザー数の拡大とともに店舗側からプッシュ通知を送れる機能や、モバイルに特化したサービスならではの機能 — 移動販売の店舗情報をリアルタイムで更新 — などの追加を検討しているとのこと。なお、Androidアプリは今後開発予定だ。