Facebookがタイで検閲、政府の要請に応じて一部投稿をブロック

Facebook CEO Mark Zuckerberg speaks at the company's headquarters in Menlo Park, Calif., Thursday, April 4, 2013. Zuckerberg says the company is not building a phone or an operating system. Rather, Facebook is introducing  a new experience for Android phones. The idea behind the new Home service is to bring content right to you, rather than require people to check apps on the device.   (AP Photo/Marcio Jose Sanchez)

何百万人もの人にとって、Facebookはインターネットの全てだ。しかしFacebookを使ってニュースや物事への見解を得ようとしている人の多くは、Facebook上でも検閲が行われているということに気付いていないかもしれない。

タイではそのような状況が明らかになりつつあり、どうやら政府の要請に応じてFacebookが数多くのユーザーの投稿をブロックしているようなのだ。タイの不敬罪は王族の批判を禁じており、この法律がジャーナリストのAndrew MacGregor Marshallをはじめとした、王位継承問題に関する投稿を行っている著名ユーザーの投稿内容を封じ込めるのに利用されているようだ。以前はロイター通信の特派員を務め、現在はEdinburgh Napier Universityで教鞭をとるMacGregor Marshallは、タイ当局からは既によく知られた存在だ。彼が2014年に発表したタイ王室に関する本は、発売禁止となり「国歌の安全そして平和で規律ある社会を脅かすもの」との烙印をおされてしまっていた。

TechCrunchでは、MacGregor Marshallの主張通り、彼の投稿のうち少なくともひとつがタイ国内では読めなくなっている一方、国外では問題なく読めることを情報筋を通して確認した。Marshall McGregorのプロフィールや、残りの投稿内容はタイ国内でも問題なく表示されている。問題となっている投稿は12月末のもので、いつ頃ブロックされてたのかはハッキリしないが、今週再度投稿された内容は本記事の執筆時点ではタイ国内でも読むことができる。

Facebookは本件に関してコメントを拒否している。

Facebookがタイの法律に則った対応をとったのは今回が初めてではない。同社が公開しているデータからも、2016年の上半期に10個のコンテンツがタイでブロックされていることがわかっている。なお、下半期のプライバシーレポートも近日中に公開される予定だ。

世界中の自由に関する問題をモニタリングしているアメリカのシンクタンクFreedom Houseが発行した2016年のレポートでは、タイのインターネットとメディアは「自由ではない(not free)」とされている。実際にタイの軍事政権は2015年のクーデター(クーデター中Facebookは30分間ブロックされていた)で実権を握って以降、オンライン上での批判を封じ込め続けている。

「軍事政権が検閲や監視の権利を成文化しようとする中、タイのインターネットの自由度は2016年中に低下しました」とFreedom Houseはレポートに記載している。

国民の尊敬を集めていたBhumibol Adulyadej前国王が昨年10月に崩御し、息子のMaha Vajiralongkorn新国王が王位を継承すると状況は激化した。先月にも、新国王に関するBBCの記事を受けて、タイ当局が首都バンコクにある同社のオフィスを訪れたばかりだ。

Facebookは最近偽ニュースの対処に失敗し、特にアメリカ大統領選ではこれが大きな問題となっていた。さらにベトナム戦争中にナパーム弾の爆撃から逃げる少女の様子をとらえた写真をブロックするなど、いくつもの検閲に関する事件が明るみになり、Facebookがメディアとしての責任と影響力を果たせていないことが話題になっている。

しかし今回のケースに関して言えば、タイの不敬罪に従うということはFacebookの意図的な判断である。CEOのMark Zuckerbergは、中国など言論の自由が制限されている国では妥協も必要だと話している一方で、「世界をつなぐ」というビジョンのもと同社を率いており、Facebook上のコメントや、単にメッセージを受け取ったことを理由に逮捕者がでているようなタイの法律に追従するというのは、そのビジョンに沿ったアクションだとは言い難い。

さらに、Facebookはタイ最大のプラットフォームだが、検閲の対象となっているのは彼らだけではない。タイ政府はこれまでにもYoutubeDaily MailチャットアプリのLINEといったオンラインプラットフォーム上のコンテンツに対して法的な処置をとっているほか、タイに2000万人以上のユーザーがいるLINE上の会話を監視することができると主張する大臣までいる。なおニューヨーク証券取引所に上場している日本企業のLINEは、この話を事実無根だと否定している。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Google HangoutsのAPIが消滅へ、メッセージングに関するGoogleの無能の犠牲者

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顔に絵を描きたい? 電話会議でピンポンする? でもそんなアプリケーションはもう書けない。Googleが今日ひっそりと、HangoutsのAPIを閉鎖することを明かしたのだ。もう新しいアプリケーションを作ることはできないし、既存のアプリケーションは4月25日をもって、使えなくなる。それはGoogleのブログで発表されたのではなく、FAQのアップデートと、そのAPIを使っているデベロッパーへのメールによる通知で知らされた。本誌はデベロッパーの一人から、その話を聞いた。

このAPIでできることは、自撮り写真(セルフィー)に拡張現実(AR)でマスクをつけたり、あるいはScoot & Doodleアプリのようにポーリングや共同お絵かきをやること、などだ。でもGoogleが消費者向けビデオチャットにはDuoを推し、Hangoutsをエンタープライズ向けと位置づけたため、デベロッパーがいろんなことをできる自由度もなくなった。

メールはこう述べている:

“弊社のさらなる合理化努力の一環として、Google+ HangoutsのAPIを撤収し、今後デベロッパーは、Hangoutsを利用するビデオ会議を実装できなくなります。最初このAPIは、Google+の一部として、消費者向けソーシャル機能のサポートを意図していましたが、今ではHangoutsはエンタープライズのユースケースがメインになりつつあります。

弊社のプラットホームに開発努力を投資されたデベロッパーのみなさまにご迷惑をおかけすることは、十分理解しております。この変更については、慎重に検討いたしました。そして今回の措置によって、よりターゲットの絞られたHangoutsデスクトップビデオ体験を、今後ユーザーにご提供できるものと信じております。”

〔“よりターゲットの絞られた”とは、企業用、ということ。〕

FAQによると、例外として残るAPIは、DialPadやRingCentralからHangoutにダイヤルできる能力、Slackなどのエンタープライズチャットツールとの統合、そしてGoogle自身のHangouts on Airのツール(Toolbox, Control Room, Cameraman)だ。

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Google Hangouts APIは、メッセージングアプリに関するGoogleの方針に一貫性がなかったことと、Hangoutsそのものをほったらかしにしていたことの、犠牲者だ。それは初めての完全なビデオチャットアプリのひとつであり、Snapchatがティーンの人気をさらったARによるセルフィーマスクも、Hangoutsが元祖だ。でも次々と、ばらばらに立ち上げるメッセージングアプリはすべてサイロ(silo, 孤立・閉鎖系)と化し、お互いの会話の行き来もできず、かくしてHangoutsが提供するGoogle+のソーシャルレイヤ(ソーシャル層)は、忘れられた存在になった。

こんどAPIが閉鎖されたことによって、それは、企業向けのビデオつき電話会議にすぎないものへと、さらに一歩近づいた。それはGoogleにとっては“合理化”かもしれないが、ユーザーはますます、Hangoutsに見向きもしなくなるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ザッカーバーグの「今年の決意」は政治―Facebook CEOのままでの公職就任期間に2年の縛りはない

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マーク・ザッカーバーグがFacebookの経営者でありながら公職に就ける期間は2年間に限られていない(この点について当初誤った解釈が報道されたが、われわれは記事を訂正した)。SEC〔証券取引委員会〕に提出された文書を精査すれば、ザッカーバーグは十分なパーセンテージの株式を保有しているかあるいは取締役会の承認を得るかすれば無期限に公職に就くことができる。

昨日(米国時間1/3)、ザッカーバーグは「今年の決意」を発表した。それによると2017年のザッカーバーグの目標は全米50州すべてを回って人々の声を直接聞くことだという。先のSEC提出文書とこの決意の発表によって「ザッカーバーグは真剣に政治に取り組もうとしている」という観測がメディアに一気に広まった。

2年間という期限がないのであれば、ザッカーバーグはこれまで考えられていたよりはるかに重要性の高い公職に任命、あるいは選出されることが可能になる。任期が2年未満と限定されていては、たとえ閣僚に任命されても表面的な影響しか与えることができない。

もちろん選出されるためには有権者の信頼が欠かせない。最近のフェイク・ニュース事件はこの点について信頼を揺るがすものだった。一部にはザッカーバーグの政治への関心を―慈善活動への巨額の出資にも関わらず―権力の利己的な追求だと考えるものもいるだろう。また一部の公職は歴史的に営利活動から隔離される必要がある。つまりザッカーバーグはFacebookの経営から手を引かねばならない。しかしドナルド・トランプ次期大統領は大統領の地位にあって保持可能な営利企業の持ち分について制限を緩和しようとしている。

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ザッカーバーグとブラジル大統領(上)、イスラエル大統領(左)、メキシコ大統領(右)

訴訟文書が明らかにしたザッカーバーグとFacebookの取締役であるマーク・アンドリーセンとのやり取りについての解釈の混乱はBloombergの記事に端を発しているようだ。株主総会で投票権のないクラスC株を新設する(つまりザッカーバーグがほぼすべての持ち株を慈善事業に移管してもなおかつFacebookの議決権を握り続けることができる)という案に取締役会メンバーを賛成させるためにはどうすればよいかをザッカーバーグとアンドリーセンは密かにテキスト・メッセージで話し合ったとされる。結局、ザッカーバーグはFacebook株のほとんどをザッカーバーグ夫妻が創立した慈善団体Chan Zuckerberg Initiativeに寄付した。

この過程でZuckerbergは 「経営者交代に基づく混乱を最小限に止める」ためのいくつかの施策に同意した。簡単にいえば、万一ザッカーバーグが死亡しあるいはCEOとして経営が継続できない障害を負い、解雇され、自発的に辞職した場合、現在1株につき10議決権のクラスB株にもとづくザッカーバーグのFacebookに対する絶対的支配権をどう取り扱うかを決めたものだ。こうした事態が生じた場合、ザッカーバーグ本人はすでにFacebookを支配していないので、前述のクラスB株は1株につき議決権1票のクラスA株に転換される。これは高い経営能力を持った人物にとってFacebookのCEOの地位の魅力を高めるためだ。

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ザッカーバーグ、サンドバーグとインドのナレンドラ・モディ首相

しかしザッカーバーグはこの「日没自動発動条項(sunset trigger)」に大きな例外を設けることを認めさせた。つまりザッカーバーグは公職に就く場合にはCEOを自発的に辞職ないし休職してもFacebookの議決権を失わないといいうものだ。この条項に付随する条件は次の2項目のいずれかの場合だ。

  • (2016n年)6月にザッカーバーグが公職に就く場合についてFacebookの社外取締役と話し合い、この合意に署名した際に所有していたFacebook株式の30%以上を彼が引き続き所有していること

あるいは

  • ザッカーバーグが所有する株式が30%未満であって、Facebookの社外取締役の過半数の承認を得るかあるいは公職に就く期間が2年未満である場合

Facebookの広報担当者はこの解釈が正しいことを認めた。法律用語で書かれた原文は以下のとおり【略】

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簡単にまとめればこうだ。もしザッカーバーグが十分なFacebook議決権を握っているなら、自由に公職に就くことができる。議決権を持っていない場合は取締役会の承認を必要とする。訴訟で明らかになったザッカーバーグとアンドリーセンのやり取りで言及された「2年間のしばり」はたしかに議論はされたが、実際に署名された文書の条件には含まれなかった。

Bloombergの先月の記事はザッカーバーグの公職就任に2年間という限度があると紹介はしたものの、その限度が適用されない場合については述べていない。Fortune、Vanity Fair、The Guardianを含め他の記事はすべてBloomberg記事の引用、再掲だった。TechCrunchも昨日同様の記事を掲載したが、われわれは不整合に気づいて修正した。

この混乱が正されれば、ザッカーバーグが単にソフトウェア・サービスだけでなく、政府の公職を通じて世界を変えようとしていることの真剣さが分かってくる。ザッカーバーグはたびたびFacebookを「町の広場」、つまり良識を保ちながら多様な声に耳を傾けることができるプラットフォームとして語ってきた。

Zuckerberg leads a town hall meeting at Facebook's headquarters with President Obama in 2011

2011年にFacebook本社にオバマ大統領を迎えて「タウンホール・ミーティング」を主催するザッカーバーグ。

ある意味で、Facebookはすでに国だ。ザッカーバーグはアメリカ全土をめぐり、人々から直かに声を聞き取る共感のツアーを計画している。ザッカーバーグは「私の仕事は世界を結びつけ、すべての人々に声を与えることだ。今年、私はこうした声をもっと直かに聞き取りたい」と昨日書いた。。これは支援者と握手したり赤ちゃんにキスしたりするお馴染みの選挙キャンペーンを思い起こさせる。過去数年、ザッカーバーグは世界を旅し、インド、ブラジル、日本などの重要な国の指導者と会談してきた。今年はアメリカ国内を重点とするのは理にかなっている。

FacebookのCOO、シェリル・サンドバーグは結局政府の職に戻るのではないかという観測が流れている。その一方で、ザッカーバーグの政治を通じて「世界を変える」という野心は2年間という制限の枠に収まるものではないこともはっきりした。ザッカーバーグは波乱も多いが繁栄している18億人のオンライン国の事実上の大統領だ。3億2000万人の現実の国の政治でも大きな成果を収めることができるのではないか?

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ザッカーバーグの2017年個人プロジェクトは、米国全州を訪れそこに住む人々と話すこと

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FacebookのCEO、マーク・ザッカーバーグは、偽のニュース、検閲、偏見に関する批判を受け続けた1年の後で、今年の個人通年チャレンジを米国中の彼のユーザーの要求と問題を知ることに充てることに決めた。

このことはFacebookを、技術者や東西沿岸部の住人だけではなく、全ての人びとの声とアイデアを載せるためのより良いプラットフォームにする可能性がある。これは技術が低熟練労働者を置き換えようとし、大統領選挙が民意を2分した今こそ重要なことである。

ザッカーバーグはこう書いている「私の仕事は世界を接続し、皆に声を与えることです。私は今年そうした声をもっと個人的に聴きたいと思っています」。

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過去の通年チャレンジでは、ザッカーバーグは365マイルを走り、中国語を学んで本を25冊読み、そして彼の家のための個人的なAIを構築した

ここで彼の完全なFacebookのポストを読むことができる。一部を引用してみよう:

「私の2017年通年チャレンジは、年末までに米国の全州を訪れ、そこに住む方々と会うことです。激動の昨年の後、このチャレンジに対する私の希望は、外に出てより多くの人びとと、その生活や働き方、そして未来への思いなどをお話しすることです。

何十年もの間、技術とグローバル化が、私たちをより生産的にし接続してきました。これは、多くの利便性を生み出しましたが、多くの人びとにとって人生をより困難なものにもしました。これは私がこれまでの自分の人生の中で感じてきたものよりも、さらに大きな分裂の感覚を引き起こしています。私たちは、それが皆のためになるような、ゲームを変える方法を見つける必要があるのです」。

最近のホワイトハウスの報告書によれば、ロボット、AI、自動運転車などの技術は生産性と効率性の向上につながるが、同時に何百万という低熟練労働ポジションの喪失につながる可能性もある。そうした仕事は、ザッカーバーグのようなハイテクリーダーが個人的にあまり行ったり多くの人を知ったりしていないアメリカ中央部の州に、より集中している。

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ザッカーバーグはFacebookを町の広場にしたいと思っているだけでなく、伝統的なメディアやハイテク企業とも一線を画するものにしたいと願っている、それが全ての利用者の声を聴くという行動に繋がるのだ。人びとが見るものとそのコンテンツポリシーを選択するアルゴリズムを有するFacebook固有のメディア特性により、同社は丁寧さを保ちながらアイデアが交わされる偏りのない場を保つために、より一層の努力が求められる。

キャンペーンツアーと同時に提出された誓約書も、ザッカーバーグが政治の世界に踏み込むことを真剣に考えているのではないかという憶測を呼ぶだろう。CEOは、Facebookのオーナーの地位に留まりながら、最大2年間政府のために働くことを潜在的に可能にすることを求める書類をFacebookの取締役会に提出した

ザッカーバーグは、全国の人びととのつながりを通して自分自身の共感力を高めることに挑戦することで、未来への適応に役立つソーシャルネットワークの構築を望んでいる。

ザッカーバーグ自身の投稿は以下の通り:

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(翻訳:sako)

外国語学習のDuolingoがソーシャルな機能を加えてモチベーションの持続と進捗アップをねらう

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今やユーザー数が1億5000万を超えているDuolingoは長年、コンピューターやスマートフォンから誰もが気軽に外国語を勉強できるサービスとして人気があった。でも、教室のような環境と違ってDuolingoで勉強することは孤独な営みだ。そこで同社は今日(米国時間12/29)、言葉を勉強する体験にソーシャルな要素を加えるDuolingo Language Clubsというオプションを導入した。

この機能はiOSAndroidの両方で使えるが、同社はこれを“ジム友だち”になぞらえる。そう、体ではなく、脳を鍛えるジムの。このクラブでユーザーは、自分の成績のニューズフィードを友だちとシェアできる。そして競争性を持たせるために、毎週のハイスコアボードがある。

Duolingoの協同ファウンダーでCEOのLuis von Ahnは、今日の発表声明でこう言っている: “言葉を勉強することは本質的にソーシャルな体験だ。言葉の勉強の大きな難関のひとつがモチベーションの維持だが、今度の新しい機能で友だちや家族と目標をシェアできれば、ユーザーは勉強の進捗がもっと早くなるだろう”。

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このソーシャルな機能は、母国語が次の言葉の人たちが今日から使える: 英語, スペイン語, ポルトガル語, フランス語, ドイツ語, イタリア語, ロシア語, オランダ語, ハンガリー語, ウクライナ語, トルコ語, 韓国語, 中国語, 日本語, ベトナム語, インドネシア語, ギリシャ語, ルーマニア語, チェコ語, ポーランド語, タイ語, そしてヒンズー語。

Duolingoがこの新しい機能を今日発表するのは、偶然ではない。数日後の1月1日には世界中の多くの人たちが、“新しい外国語をおぼえること”を新年の誓いに加えるからだ。たいがい、一週間後にはそのことを忘れてしまうのだけどね。しかも12月にはスマートフォンの新規ユーザーが(ギフトの結果として)どっと増えるから、Duolingoとしては販促の機会として絶対に無視できないのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

新しい成長の道を探り続けるTwitterが今度は360度ビデオのライブストリーミングを導入

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Twitterが、このところ力を入れているライブビデオの次の一歩として、Periscopeからの360度ライブストリームを導入する。

TwitterやPeriscopeから誰もが360度ライブビデオを見られるが、それを提供できるのは今のところ一部のパートナーだけだ、と同社のブログ記事が言っている。Facebookなどの上では今やライブのストリーミングが大人気だから、出だしは提供者が限られていても、なにしろTwitterがこれを始めること自体は、たいへん有意義だ。

[フロリダの夕日を360度で。]

2017年に自分の新しい未来を見つけなければならないTwitterは、新しいプロダクトのリリースに今努めているところだ。今年はTwitterにとって、厳しい登山のような年だった。どっかの大企業が買収するという話があり、そしてそれはポシャった。そしてその後のTwitterは、新しい成長路線を探り当てることに苦労し、少しずつ少しずつ、新しいプロダクトや機能を加えてきた。

ライブのストリーミングをやるためには、カメラをスマートフォンの底につけてビデオの録画やブロードキャストを開始するようだ(下図)。下の画像はビデオから取ったスクリーンショットだけど、画質が悪くてごめんなさい。

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ライブの360度ビデオなら、自分の周りで起きていることをすべて撮らえてブロードキャストできる。今の限られたパートナーたちも、今回の経験をもとに、その新しいユースケースを見つけようと躍起になるだろう。360度ビデオそのものがあまり多くないのも、今の内だけだ。そしてまたこれは、ほかのプラットホームに群がっているかもしれないインフルエンサーたちをTwitterが取り戻す契機にもなる。彼らはTwitterの上でこの新しいツール、というか遊具を使って、新しいオーディエンスの構築に努めるだろう。

360度ライブビデオストリーミングの開始を告げるブログ記事を書いたのは、TwitterでARとVRを担当しているディレクターAlessandro Sabatelliだが、このことから一体、何が占えるだろうか。Twitterは、“この分野におけるいろんな機会の探究を始めたい”、という漠然とした言い方をしているが、具体的にその機会とは何か、いろいろ想像を膨らませてみるのもおもしろい。

幅広いオーディエンスを抱えるプラットホームが、大きな変化を導入しようとしている。成長率はFacebookほどではなくても、ユーザー数は3億を超えている。難しい挑戦であることは確かだが、同社は次々と大きな賭けをやっていく必要がある。Periscopeを買収したのも、そのためだ。それをしなくては、次の新たな成長路線も見つからない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Snapchatがイスラエルのスタートアップを3000万から4000万ドルで密かに買収

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Calcalist Newsによれば、Snapchatは今週イスラエルでの最初の買収を行った。買収したのは設立して4年のCimagineである、その拡張現実プラットフォームを使えば、消費者は買いたい製品を希望する場所で簡単に視覚化することができる。Catalistによれば買収金額は3000万から4000万ドルの間である。

そのLinkedInのページによると、Cimagineは現在、南カリフォルニアの家具フランチャイズのJerome’s;英国のデジタル小売店のShop Direct;そして世界企業であるコカコーラなどのブランドと協業している。そのモバイルプラットフォームはこれらの企業のサイトやモバイルアプリの拡張や、オンラインコンバージョン率の引き上げ、店内販売の向上などを目指している。

おそらく、Snapchatはこの技術を使ってキャンペーンを強化するつもりだ、私たちがこれまでに見た、例えばStarbucksと一緒に行ったものでは、昨年の夏にSnapchatはサマードリンクキャンペーンを行い、そこではStarbucksを飲む人たちがアイスフラペチーノの写真を合成して友人たちに送る機能を提供していた。

これはまた、Cimagineの4人の共同創業者である、Ozi Egri、Amiram Avraham、Nir Daube、そしてCEOのYoni Nevoという才能を獲得するための動きにも見える(全員がコンピュータビジョンと画像処理専門家である)。

この動きはまた、Snapchatに、必要に応じてイスラエルの開発センターを設立する手段を与えるようにも見える。

Crunchbaseでは、Cimagineが、iVentures Asia、OurCrowd、およびPLUS Venturesからの非公開のシード資金を調達したことが示されている。

また伝えられるところによれば、Snapchatは、同社を200億〜250億ドルの価値にするであろうIPOを進めているらしく、早ければそれは3月に行われる予定だ。

最近Snap社として改名したSnapchatは、今年約半ダースのより小規模な買収を行ったことが知られている(他の案件がメディアのレーダーの下を飛んでいる可能性もあるが)。これらに含まれるのは、アドテック企業のFlite(この契約は雇用のための買収(acquihire)だったと言われている); Snapchatが1億1100万ドルを支払った言われているモバイル検索アプリのVurb;利用者に3次元のセルフィー写真を撮らせるコンピュータービジョンのスタートアップSeene(買収条件は非公表);そしてbitmojiという名で知られるパーソナライズド絵文字メーカーのBitstripsなどである。Snapは最後の会社に1億ドルを支払ったと言われている。

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(翻訳:Sako)

Twitterの2016年を振り返る

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大規模レイオフ、買収取り止め、ユーザー数伸び悩みというのがTwitterの2016年だったようだ。こうした要素がTwitterの将来を不透明にしている。これがTwitterがウォールストリートで歓迎されていない理由だろう。

ジャック・ドーシーのCEOとしての1年を要約するなら、やはり株価の下落ということになる。ドーシーはTwitterに活力を吹き込むためにありとあらゆる努力を払ってきたが、それでも十分ではなかった。

少なくともTwitterの最新の四半期決算は、ここしばらくで初めて経営陣がサービスの立て直しを図る努力を始めたことをうかがわせる。Twitterは社員の9%をレイオフした。主なターゲットはセールス、マーケティング、事業開発の各部門だった。財務内容とユーザー数を嫌気してTwitterを買収する話が立ち消えになった後、緊急に必要とされていた立て直し策としてウォールストリートには多少の意味があったようだ。それでも株価は意味あるほどの反発を示さなかった。要するに市場は改善策の小出しなどは求めていない。Twitterが確信をもって立て直しを実行することを求めている。

そこでまずジャック・ドーシーの1年を株価で確認してみよう。

Twitterの株価は―驚くべし―1年で29%も下落している。Salesforceその他の大企業がTwitterの買収を考えているというニュースが浮上したときはこれこそ株主が待ち望んでいた(ノアの方舟でハトがくわえて戻ってきたという)オリーブの小枝かと思われた。Twitterの成長が止まったなら、さらに大きな企業の一部になるのが適切なのでは? このニュースに他社も買収に興味を持ったし、なによりTwitterの株価は大きく上昇した。

しかし長く続かなかった。Twitterで ハラスメントやトロルが野放し状態だとしてディズニーが買収から撤退した。Saleseforceも買収の可能性を否定し、他社も続いた。Twitterはいじめ、トロル、ハラスメントなどを抑える努力があまり成功してない。新規のユーザーにとってサービスがわかりにくく フォロワーを得る上でも不利に働くという問題については事実樹手付かずだった。その代わりにツイートの文字数制限からユーザー名を外すといったアップデートがあっただけだった。それはそれでいいことだが、Twitterに成長を取り戻すにはそういうことでは足りない。

Twitterの2017年は不透明性が増しそうだ。同社ではセールスのリストラを実施するので売上のガイダンスを発表しないとしている。 レイオフに加えてセールスのチャンネルの再編成によってビジネスのコアとなる広告事業を活性化しようとしているのは確かだ。しかし最近の決算の数字は以前の成長ぶりに比べてさほどバラ色にはみえない。投資家はユーザー数の伸びに加えて広告収入の伸びも期待している(ただし同社はデータ事業に比べると広告事業の割合は小さい)。

株式市場の認識は厳しさを増している。そもそも買収の噂であれほど株価が上昇したということが市場におけるTwitterの将来に対する信頼が失われたことを意味している。Twitterは最近、コンテンツのライブ・ストリーミングをサービスに導入するなど刷新を図っている。Twitterは現在でもあらゆるニュースが一番早くアップされるプラットフォームだ。

大統領選挙いくぶんかTwitterの第4四半期の助けになったようだ。ビッグ・ニュースが飛び交う空気はTwitterのビジネスにとってある種の緩衝材の役割を果たした。ガイダンスを発表しないことに決めたのも、良い数字を発表できれば投資家を驚かせるのに役立つだろう。ともかく次の四半期決算はTwitterがウォールストリートの信頼を回復できるかどうかで非常に重要な瞬間となる。【略】

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2017年を迎えるにあたってTwtterはリセットボタンを押そうとしているなどいくつか明るいニュースもある。 Twitterの株価は下落を続けているが、これは買収対象として魅力を増すという効果もあるだろう。小出しの改良であれ、Twitterが進路を修正することはいったんは手を引いた企業に買収を再考させるきっかけになるかもしれない。

しかしこれは「諸刃の剣」でもある。Twitterの株価が下がり続け、失敗が続けばTwitterは「もの言う株主」を引き寄せることになり、彼らは直ちにTwitterの根本的なリストラを要求することになるだろう。2016年にTwitterは株式市場に対してビジネスが順調に運営されいる証拠を見せることができなかった。Twitterが株価の低落を止めることができないなら2017年にはそのツケが回ってくるかもしれない。

Twitterが市場の信頼をつなぎ止め、独自の企業として進むためにはビジネスだけでなく、プロダクトそのものの変革も必要だ。FacebookとSnapchatがユーザーの伸びでも広告収入の伸びでもロケットの勢いで先行を続けている。Twitterはプロダクト・レベルでオンラインでの会話の第3のチャンネルであることをユーザーに納得させると同時に、ビジネスでも広告主の企業の会議室で第3のプレイヤーの地位を確保する必要がある(ビジネス面ではSnapchatはまだスタートしたばかりだが)。

2016年は失敗だった。ウォールストリートはTwitterの進む方向に満足してない。2017年はさらに不確定な要素が増える。ジャック・ドーシーは投資家の不満をなだめるためにすることが山積している。

画像: TechCrunch / Matthew Lynley

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ザッカーバーグ、Facebookはメディアだと認める―ビデオ対談でフェイク・ニュース対策を約束

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今日(米国時間12/21)、マーク・ザッカーバーグはCOOのシェリル・サンドバーグとライブビデオで対話し、Facebookの役割についての考えを語った。ザッカーバーグはフェイク(捏造)ニュースと戦うチームの努力を全面的にバックアップすることを約束した。Facebookでは当初、フェイク・ニュースに関するザッカーバーグの反応を物足りないと感じた社員もいたようだ。

「Facebookは新しいタイプのプラットフォームだ。われわれは伝統的な意味のテクノロジー企業ではない」とザッカーバーグは先週自分が述べた言葉を繰り返した。これはFacebookがサードパーティーの力を借りて フェイク・ニュースをチェックするできるようプロダクトのアップデートを発表したときに語った言葉だ。しかし今回はさらに一歩進んで、「われわれは伝統的な意味でのメディア企業でもない。われわれは新しいテクノロジーを開発するが、同時にそのテクノロジーの使われ方についても責任を持たねばならないと感じている」と述べた。

これはザッカーバーグがFacebookはやはりある種のメディア企業であることを示唆したことになるだろう。ただし伝統的なメディア企業と異なるのはコンテンツを自ら作成するわけではないという点だ。

Facebookを伝統的なニュースメディアと比較するなら、記事を投稿するユーザーは記者にあたり、どの記事が表示されるか、どのような扱いを受けるかを決めるニュースフィードのアルゴリズムが編集部にあたる。一方で記事を書く基準やコミュニティーのあり方を決めるFacebookのトップも編集部だろう。警察が人を射った記事とかヌードが写っていても歴史的に価値がある写真など議論を呼びそうな記事の扱い方を決め、場合によっては記事に対して掲載を拒否することもある。

Facebookはある面ではテクノロジー企業としてアルゴリズムを決定するが、他方ではメディア企業として編集方針の策定から個別記事の掲載の可否まで編集権を行使しなければならない。

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ビデオの後の方で、ザッカーバーグは「2016年を振り返って、社員の真剣さを誇りに思う」と述べているが、フェイク・ニュースという問題が表面化した当初、ザッカーバーグは重視にさほど乗り気でないように見えた。

そのためBuzzFeedの11月14日のSheera Frenkelの記事にあるように、「反乱軍」的な社員のグループが結成された。11月18日になるとザッカーバーグもスタンスを変え、フェイク・ニュース対策に本腰を入れるようになった。ザッカーバーグはフェイク・ニュースをFacebookに対する重大な脅威とみなし、先週になって、いくつかの対策をl実行に移した

ザッカーバーグの発言の関連部分は下記のとおり。 【略】

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook、近況投稿の背景の着色をテスト中―オリジナル・コンテンツ推奨の一環

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Facebookの魅力の本質はニュース(それならどこででも見つけることができる)にあるのではなく、身近な友達の投稿にある。Facebookが投稿の背景に好みの色を付けられるオプションをテストしているのも個人的な親密性の強調というところににあるのだろう。

この機能は近況の投稿のテキストの背景に着色できるというものだ。普通はなんの変哲もない白地だが、Instagramのロゴに似たカラーピッカーで色彩やグラデーションが設定でき、投稿は大いに個人化される。

これは週末に読者のHoan DoからTechCrunchに情報提供があったもので、われわれの取材に対してFacebookも背景着色機能を実験中であることを確認した。テストはアメリカ以外の地域で一部のユーザーを対象に行われているようだ。カスタマイズされた背景色はテストに参加してないユーザーには表示されない(白地に見える)。しかしFacebookがテスト範囲を拡大すれば誰でも背景色を見ることができるようになるだろう。

色付き背景の導入はFacebookが強く推奨する「オリジナル情報の投稿」を後押しするものだろう。Facebookではインターネットにあふれている記事やビデオクリップの口コミ拡散ではなく、個人の体験を共有することをユーザーに求めている。

実はThe Informationの4月の記事によれば、Facebookの投稿におけるオリジナルの情報の割合は低下の傾向にあった。「オリジナル・コンテンツの公開」が全投稿に占める割合は2015年4月には対前年比15%のダウン、2015年半ばには21%のダウンだった。

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Facebookでは「オリジナル・コンテンツの共有は堅調だ」として低下傾向を重視しない姿勢を見せていた。しかしニュースフィード担当副社長、Adam Mosseriは9月にサンフランシスコで開催されたTechCrunch Disrupt SFで、「メディアのコンテンツ共有の伸びがオリジナル・コンテンツの伸びを上回っている」ことを認めた。そうであれば当然オリジナル・コンテンツの割合は低下していくことになる。Facebookでは9月以降、家族や友達の投稿を優先するよう表示の優先順位を変えた。これはニュースフィードにおけるパブリッシャー(メディア)のコンテンツとオリジナルのコンテンツの間のバランスを回復することを意図したものだろう。

Facebookではオリジナル・コンテンツの推奨の一環として「文字を大きくする」機能を導入している。この機能は短いテキストの文字を大きなフォントで表示するもので、オリジナル・コンテンツを目立たせようとするものだ。こうした機能はライバルのTwitterからテキスト情報の表示での優位性を奪おうとする試みだろう。Twitterは間違いなくもっとも普及したテキスト情報の共有プラットフォームだが、メンバー数ではFacebookの足元にも及ばない状態だ。

Facebookが当初ニュースフィードを立ち上げたとき、この機能は完全にテキスト・ベースだった。古いユーザーなら“Josh Constine
is…”のように、自分の名前の後に自動的に “is” が挿入されていたのを覚えているかもしれない。つまりニュースフィードは文字通りユーザーが「現在なにをしているか」という情報を共有する場だった。

よく知られているように、CEOのマーク・ザッカーバーグは写真、ビデオ、 360°の写真やビデオ、拡張現実などによってFacebookはリッチ・メディア化すると繰り返し説いている。しかし依然としてある種のことがらは短い文章で表現するのがいちばん有効だ。投稿の背景が着色できるようになれば、プロのパブリッシャーのコンテンツで混雑してきたニュースフィード中で、オリジナル情報を目立たせる効果があるだろうと思う。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook Messengerのグループ音声通話はSkypeの地位を脅かす

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私たちはデスクトップで提供される新しいFacebookグループの音声通話のテストのおかげで、そのうちに「待って、あなたのSkypeの名前は?」と尋ねることをやめてしまうかもしれない。 Facebookは4月にモバイルメッセンジャーアプリ上でグループ音声通話を開始して、いまや家庭やオフィスでその機能が使えるようになっている。FacebookのユビキタスIDプラットフォームと抱き合わせることで、従来の電話会議の代用として役立つ可能性がある。

Facebookは私に、これは現在、小規模なテストであると説明した。アクセス権のあるメンバーにはグループチャットの電話アイコンが表示され、それをクリックすれば即座にメンバーを電話会議に招待することができる。

メッセージングがテキストを超えてリッチメディアに向けて進化するのに伴って、チャットアプリは音声と動画を盛り上げようとしている。

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Oculusは本日(日本時間で17日)、Partiesと呼ばれる機能を使ってVRからVRへの音声通話を行うサービスをローンチした。Snapchatは3月に音声通話とビデオ通話を追加した。Googleは最近、新しいDuoビデオチャット製品にオーディオ専用の電話を追加すると発表した。 Slackは音声通話を3月に追加デスクトップに追加し、ほどなくビデオを追加する予定だ 。先月、WhatsAppはビデオ通話を開始したが、2015年に音声通話を開始したあと今年6月の時点で1日に1億回の通話が行われていた。

Facebookは、2013年にデスクトップで音声通話を開始したが、今やVoIPをより社会的なものにしている。最近、Housepartyの登場により、グループチャットが注目されている。先月私たちは、Meerkatのメーカーが作ったこのグループビデオチャットアプリを紹介した、そのとき私たちはこのアプリをFacebook Liveのような疲れるソロパフォーマンス用のサービスではなく、10代の若者たちが一緒に寛ぐ場所だと呼んだ。その後先週には、HousepartyはiOSのアプリチャート全体で4位になり、Sequoiaの主導で5000万ドルを調達した。

なお私たちは、Facebook Messengerは独自のグループビデオチャット機能を立ち上げなければならないと長い間考えてきたが、それがいつ起こるのかは予想できない。

[写真クレジット:Andrew Bales]

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(翻訳:Sako)

VineはVine Cameraに生まれ変わる、Vineコミュニティは消滅

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Twitterは10月、ユーザーが6秒間のループ動画を作成して共有できるアプリVineをシャットダウンすると発表した。本日(日本時間では17日)、同社は以前に示唆していたようにVineアプリを完全にアプリストアから削除するのではなく、代わりにVine Cameraという保守に手のかからない新しいアプリに移行すると発表した。この新しいアプリを使って、この先もVineビデオを録画することはできるが、大きなVineコミュニティは消滅する。

Vine Cameraは1月にローンチし、今日利用されているVineアプリに取って代わる。

Twitterによれば、新しいアプリを使って録画されたビデオは、カメラロールに保存することも、Twitterに直接投稿することもできるという。これは、Facebookが所有するInstagramが、そのアプリケーションのエコシステムで採っている戦略と同様のものだ。Instagramの関連アプリであるHyperlapse、Boomerang、およびLayoutは、それぞれを独自のソーシャルメディアブランドに組み込もうと努力する代わりに、主であるInstagramアプリケーションにコンテンツを戻すだけのものである。

Vine Cameraも同じことを狙っている。

さらに、TwitterはVineユーザーベースをTwitterに移動しようとしている。

同社は、今後あなたのお気に入りのVineスターをTwitter上でフォローする新しい方法を導入すると発表している。「程なくお伝えする予定の『Twitter上でフォロー』というお知らせに着目していて下さい」と、同社はブログ記事でニュースを発表したが、移行のこの部分に関する更なる詳細は提供していない。

Twitterの初期の約束どおり、Vineのウェブサイトは引き続き稼働する。これは、何年もの間に作られてきたVineビデオをブラウズして視聴することができる場所として残される。

Vineの常連の多くがシャットダウンについて動揺していたが、Twitterによるこのような状況の処理は、同様の立場にあるほとんどの企業が進めたであろう方法よりも優れているものだ。それは買収の入札を断り、実際には、その代わりに閉鎖を自分自身で処理している。

残念ながら、人気の低迷しているプロダクトが、(望むらくは短期間の「データエクスポート」期間を経て)指定された日に、部分的にも残されることなく、完全に閉鎖されるのは、とてもありふれた事態である。

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もちろん、Vineを完全に離れる準備ができているのなら、それも良いだろう。Twitterは、現在Vine.coのWebサイトにVineユーザーがビデオをエクスポートできる方法を提供していると述べている。また、Vine Cameraへの移行に先んじて、iOSやAndroidアプリからのエクスポートツールも引き続き提供する予定である。

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(翻訳:Sako)

Facebookが子供たちの安全に焦点を当てた「保護者向けポータル」をローンチ

世界で18億人が利用しているソーシャルネットワーキングアプリFacebookは、18歳未満(かつ理論的には13歳以上)の未成年者がどのくらいの割合を占めているかの数値を公表していない。しかし、Facebookからの発表を思えば、いまやそれが相当な数に上っていることは間違いない:このたびFacebookは新しい「保護者ポータル」を立ち上げた。その目的は大人たちがFacebookのソーシャルメディアの風景の中で子供たちをナビゲートすることを助けることである。

はっきりさせておきたいが、これは親たちに若者言葉を教えたり、子供たちが世界やFacebookに何を望んでいるのかに関する洞察を与えたりするようなガイドラインではない。ましてや子供たちのアカウントを監視したり削除したりする方法を指南するものでもない(Facebookがかつて述べたように、プライバシー関連法はそれを禁じている)。

そうではなく、これは初めてのFacebookユーザー、特にサインアップしてFacebookを使い始めたいと思っている若いユーザーを支援するための安全ガイドラインとリソースだ。

「Facebookでの安全」セクション(それ自身10月に更新されている )の中のいじめ防止のためのガイドラインの直下に「保護者ポータル」は置かれている。

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ここにはFacebookにはじめて登録する方法、連絡先をインポートする方法、タイムラインに投稿する方法などの基本的な情報が含まれている。また、安全なパスワードを作成する方法、コンテンツをブロックする方法、およびコンテンツを報告する方法など、いくつかの基本的な安全上のヒントも提供する。13歳未満のユーザーのアカウントを報告するためのリンクも用意されている。

さらに、親たちがFacebookを育児の世界で扱うためのヒントとなる、べしべからず(dos and don’ts)をまとめ、一般的なオンラインの安全性について触れた保護者向けのポイントセクションもある。また提供されるリンクの中には、子供のオンラインアクセスに関するポリシーの策定と実施に焦点を当てているインターネットセキュリティ団体へのものも含まれている。

保護者向けポータルは50の言語で展開されている、そしてFacebookはこの取り組みの一環として、世界中の支援団体に参加して貰おうとしているように見える。

保護者向けポータルをオープンする動きは、同社にとっては興味深い時期と重なっている。

Facebookは利用している若者の数について公表していないが、最近の調査では、Facebookは10代の若者の中で最も人気のあるアプリではないことがわかった。

しかし、それは明らかにFacebookが(すべての広告ベースのオンラインメディア同様に)より多くのユーザーと利用を求めて取り込みたい年齢層である。

Lifestageアプリ(Facebookが作った10代専用アプリ)のような、Facebookが若いユーザーにすり寄ろうとする他の試みは、失敗に終わっている。今年初めにローンチしたそのiOSパージョンは、App Annieによれば全米で945位にランキングされていて、一方Androidバージョンは、ランキングにかすりもしないままだ。一方、SensorTowerによれば、アプリ全体のダウンロード数は1万5000回に満たないという。

Facebookの主な目的は、未成年者のためのガイドラインをすべて1か所に集めることである(これまでFacebookは、サポートとヘルプページのさまざまな場所でいくつかのアドバイスを提供していて、参照すべき中心となる場所は提供されていなかった)。しかし、保護者向けポータルは間接的に、より若いユーザーを招く別の手段でもある:親たちに対して、13歳以上の子供をどのようにソーシャルネットワークに触れさせれば良いかを教えることで、それは恐れるべきものではないということを示す。その結果、Facebookはプラットフォームにより多くの若者たちを招き入れる扉を開けることができるのだ。

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(翻訳:Sako)

Hopeは友人たちと程よい距離の関係を保ちたい都会の女性向けアプリ

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世の中にはあなたの「安全」を守ると称するアプリが沢山存在している。あなたが脅かされたり攻撃されたときに、すぐにあなたのメインの連絡先に電話をかけるアプリ。メインの連絡先とあなたの居場所を共有できるアプリ。しかし、現代の女性、特にニューヨークやロンドンのような大都市では、文字通り何から何まで共有するほどは気にすることはないと思う人にとって、自分のライフスタイルに本当に合ったものは存在していない。なので、この新しいアプリは、友人たちと近しい関係を保ちながらも、あまりにも近づきすぎることは望まない若い女性たちに訴求することを狙ったものだ。

「仮想BFF(Best Friend Forever=親友)兼コンシェルジュ」という売り文句が与えられているこのHopeアプリは、「ミレニアム時代の女性たちをつなぐソーシャルグルー(社会的な接着剤)」になることを望んでいる。アプリはiOS向けに出荷されたばかりだ。

表面的には、Hopeはユーザーが夜間の外出やデートの後、無事に家に帰ったことを自動的に知らせるスタンプベースのメッセージングアプリだ。だが、重要なことは正確な位置を知らせるわけではない点だ。

このようなことをする他のアプリには、レストランのを予約するチャットボット(Luka)や、あるいは場所を通知するためのアプリ(Google Trusted Contacts、Find My Friends、Zenlyなど)がある。しかし、メッセージングと位置情報共有を兼ねたものはない。

画面、4月1日

ジオフェンシングを使用して「家」や「仕事場」、あるいはお気に入りのバーやクラブなどをマークすると、アプリは単純にユーザーがどこにいるかではなく、そうした登録場所に「in」か「out」なのかだけを表示する。

創業者の Victoria Haynesは、ロンドンで豊かで多様な社会生活を送る女性として、自分のライフスタイルに合わせてアプリを制作したことを認めながら、こう語る「私たちは、ユーザーが快適だと思う方法で位置情報を利用します」。

Hopeは相手の携帯電話のバッテリー残量が、少ない、充電中、充電切れのいずれかを知らせ、同時にどの位の時間相手が「out」なのかを知らせる。これをオフにして、ユーザーが完全に制御できるようにすることもできる。

メッセージングサービス内のAI搭載のチャットボットには、レストランを予約したり、Uberを呼んだりするものもある。将来的には、ユーザーが美容院の予約をしたり、友だちと一緒に計画を立てたりできるようにすることが計画されている。メッセージのためのグループを設定することもできる、そうBFFたちのためなどに。

アプリはこれまでのところ「家族と友人」だけから資金を調達していたが、2017年初頭にはファンドレイジングを行う予定だ。

チーム

Haynes(創業者兼CEO)は以前、MEST(ガーナのMeltwaterにある非営利技術学校、シードファンド、インキュベーター)でアフリカの16社の新興企業に助言を提供して2年を過ごした。CTOのBadu Boahenは、以前はBeep AppとSaya Mobileの共同創業者兼CTOを務めていた。Sayaは、新興市場で数100万のデバイスにモバイルメッセージングをもたらし、2012年にはSFのTechCrunch Disrupt Finalistとなり、後に2014年に米国のKirusa社に買収された。残りのチームメンバーはOmar SeiduとKweku Gharteyだ。

アプリの動作する様子は以下の動画を参照:

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(翻訳:Sako)

Facebook、コメントのチャットウィンドウ表示をテスト中

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Facebookのコメントは時としてチャット状態になる。そこでFacebookは対応策を考えた。一部のユーザーのところでは、デスクトップ版Facebookでコメントスレッドがチャットウィンドウとして常時表示されるようになった。メッセージアプリでよく見られる形式だ。

TechCrunch読者のRussell Smithがこのスクリーンショットを送ってくれた。Facebookは、少数のユーザーでこの新機能をテストしていることを認めた。

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Facebookのコメントが、メッセージのスレッド形式で表示されているところのスクリーンショット。名前と顔のぼかしはTechCrunchによる。

Facebookの広報担当者から以下のコメントが寄せられた:

「ニュースフィードを見ながら、会話に参加しやすくする方法が欲しいという要望をユーザーから受けている。そこで、自分の投稿にコメントが付いたり、コメントに返信やタグが付けられたときに、別ウィンドウがポップアップする新機能をテストしている。会話ウィンドウは投稿のドロップダウンメニューから、いつでも非表示にできる。

新たなポップアップがうるさくなりすぎないように、以前コメントしたスレッドに誰かがコメントを付けただけの場合は、コメントウィンドウが最小化表示され画面を占有しない。それでも、ニュースフィードの閲覧に専念したい人はうるさく感じるかもしれない。

一方で、この巧みなグロースハックによって、Facebookのライブ感が増しユーザーを引き付けるる効果が期待できる。チャットウィンドウなら次々とコメントしやすいので、その結果通知を送られた同じスレッドにいる友達も誘われてやってくる。この機能を使えばSMS等のメッセージングアプリを使っていないユーザーでも、Facebook Messengerと同じ形式の会話が可能になるため、チャット分野でのFacebookのポシションが強化されるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

車マニアをナンバープレートでつなげるアプリTread

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車好きのコミュニティでは、互いの車を褒め合うというのはよくあることだ。しかし、これまで赤の他人の車を褒めるには、すれ違いざまにサムズアップするか、停めてある車のフロントガラスにメモを残すくらいしか方法はなかった。それが2016年の今、変わろうとしている。本日ローンチされたTreadアプリを使えば、車マニアはナンバープレートを使ってお互いと交流できるようになる。

このようなアプリの話を聞くと、さまざまな疑問が浮かんでくる人もいるだろう。まず、このアプリはドライバーが運転中に利用することを想定しているのだろうか?「ドライバーの皆さんには、運転中に携帯電話は使わないでもらいたいです。私たちは、ユーザーが目の前にいるドライバーについてTread上で話すことを狙っているわけではありません」とTreadのCEO兼ファウンダーであるJason Bosnakは話す。つまり、もしも誰かが車に乗っていれば、同乗者にアプリを操作してもらうことをTreadは想定しているのだ。また、ドライバーしか車内にいない場合には、ドライバー自身が気に入った車のナンバーを覚えておくか、運転を終えた後に、ドライブレコーダーの画像からナンバーをみつけて、Treadを通じて所有者にコンタクトするという使い方も考えられる。

同アプリに関するメディア向けの資料には、ユーザーがメッセージ機能を使って他のユーザーに対してレースを申し込むことができると書かれているが、Bosnakはこの言い回しがまずかったと認めている。「ユーザーは似たような車を持っている人にコンタクトして、車のパーツや問題について尋ねられるほか、その人がレースをしているかどうかも聞くことができます。ただ、レースとは公道でのレースを指しているわけではなく、私たちは違法行為を促すつもりはありません」と彼は話す。

Treadは車好きの人に対して、特定の車メーカーやモデルに関する掲示板・Facebookファンページよりも、本アプリの方が効率的に交流ができると宣伝している。「車に関するコミュニティでは細分化が進んでいます」とBosnakは話す。もしもあなたが車好きであれば、自分の車のことを本当に愛しているとしても、恐らく他の車にも興味があるだろう。そのような人同士を結びつけ、イベント情報や路上でみつけたカッコいい車、バーチャルガレージなどを共有できる機能がTreadには備わっているのだ。

これまでにBosnakは、バーチャルガレージ、Faceook・Twitterとの連携機能などを備えたウェブサイトや、出先で使えるシンプルなアプリを開発してきた。Treadに関しては、現在はiOS版のみが配信されており、Android版は1、2ヶ月以内に公開される予定だ。同アプリは今後も無料で提供していくものの、Bosnakはユーザーをターゲットとした広告商品の販売を行っていきたいと考えている。「私たちはユーザーが運転している、もしくは興味を持っている車と広告主を結びつけることができるかもしれません」と彼は語る。例えば、ユーザーがTread上でフロントブレーキディスクを買い換えたいという投稿をすれば、ユーザーの住所の近くのAutoZoneでブレーキディスクがセールになったときに、アプリが自動的に通知を送ることができるかもしれないのだ。

最後の心配事がプライバシーで、これはBosnakも気にしている点だ。「情報管理はとても重要な問題で、かなりの時間をかけて対策を考えてきました」と彼は話す。さらにBosnakが弁護士と、プライバシーに関する無理のない期待についての議論を進めた結果、公道に停めてある車は問題ないだろうが、誰かの敷地内に停めてある車はプライバシー違反につながるだろうという話になった。「私たちはプライベートな情報が公開されてしまわないよう、車の所有者を保護したいと考えています。これはインターネット全体が抱えている問題でもあります」と彼は話す。なお、Treadのユーザーは自分たちの車に関する情報を全て管理できるようになっており、気に入らないポストは削除することができる。「Treadのネットワークをどのように管理していくかについて、まだまだ学ぶことがあるかと思いますが、私たちは何よりも、ユーザー全員が安全に楽しくTreadを利用できるような環境を作っていきたいと考えています」とBosnakは語った。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Jason Goldbergが次に仕掛けるソーシャル・アプリの「Pepo」がシードラウンドで235万ドルを調達

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人々から注目を浴びた数々のスタートアップ(Fab.comFabulisJobster)の創業、そして、事業の失敗やピボット(HemFab.comFabulisJobster)などで有名なJason Goldbergは、今年初めにPepoを創業してもう一度闘いの舞台に立つことになった。ソーシャル・メッセージングアプリのPepoでは、特定の興味に関する情報を掲載したり、その情報を読んでリアクションを残すことができる。そして今日(現地時間6日)、Pepoはシードラウンドで235万ドルを調達したと発表した。

起業家が一度でも失敗すれば、投資家に必ず悪い印象を残すことになると考えている読者がいれば、Goldbergのストーリーによく耳を傾けてみてほしい。

今回のラウンドに参加した投資家たちは、かつてGoldbergが創業したデザイン・マーケットプレイスのFab.comに、合計で約3億ドルもの資金を出資した者たちだ(Fab.comはその後PCHに投げ売りされることになる)。今回のラウンドでリード投資家を務めたのはTencentで、この他にもGreycroft、Vectr、Correlationなども本ラウンドに参加している。Goldberg自身も今回の出資に加わっている。

かつてFab.comに出資していた投資家や、同社の取締役だった者のなかで、今回のラウンドに参加しているのは、TencentのJames Mitchell、OrienteのGeoff Prentice(前職はAtomico)、Allen Morgan、David Bohnett、Howard Morgan、Nishith Shahなどの投資家たちだ。先週TechCrunchが実施した取材によれば、10名いたFab.comの元取締役のうち7名が今回のラウンドに参加していることになる。

彼らがもう一度Goldbergを支援しようと決断しただけでも驚くべきことだが、実際には、彼らから最初に提示された金額は、最終的に合意に達した金額よりも高かったそうだ。(Pepoのチームメンバーは、かつてGoldbergと共にFab.com、Jobster、Socialmedianなどのスタートアップを運営していた)。

「より大きな金額での出資も提案されましたが、ゆっくりとしたペースで進めていくことにしました」とGoldbergは話す ― 彼が今日登壇していたTechCrunch Disrupt Londonでの会話だ。同社がアプリを最初に公開したのは今年2月で、それ以降の運営資金はGoldberg自身が負担していたという。

なぜ投資家たちは、3億ドルもの資金を燃やし尽くした張本人であるGoldbergにもう一度賭けてみる気になったのだろうか。考えられる理由の1つは、逆境にも負けないGoldbergの精神力だろう。彼は、自分が犯した失敗をとてもフランクに、そしてオープンに語る人物だ。

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また、ソーシャルの要素を加えたデザイン・マーケットプレイスであるFab.comと、(少なくも今は)ソーシャルにEコマースの要素を少し加えたPepoは、まったく異なる分野のプロダクトだということも理由の1つとして考えられるだろう。

そして、少なくとも今のところはPepoが順当な成長を続けているというのが3つ目の理由だ。

Goldbergによれば、同社はマーケティング活動をほとんど行っていないにもかかわらず、「Cooking」カテゴリーでは1万2000ビュー、「food food food」では4000ビュー、「Global Gay Travelers」では1万8000ビューを記録しているという。Pepoを新しく利用するユーザーの50%が、その後毎週Pepoを利用するようになるそうだ。加えて彼は、多くのダウンロード数よりもエンゲージメントの方が重要なのだと語っている(多くの場合、ダウンロード数はユーザーからの興味を継続的に惹きつけていることを表す指標ではない)。

Pepoのコンテンツは数種類のカテゴリーに分けられている。Pepo側が設定したカテゴリーもあれば、ユーザーが作ったカテゴリーもある。

Pepoでは、観光地、ホテルに備え付けのジム(創業者のJason自身が作成)、料理、食べ物関連、ファッション、テクノロジーなど様々なカテゴリーがカバーされている。それぞれのカテゴリー内では、Pinterestのような形で、テーマに関連する写真や動画、リンクなどが流れてくる。ユーザーはアイコンなどを利用してコンテンツに反応したり、質問をすることができる仕組みだ。

アプリの完成度について聞かれれば、「まだアーリーステージの段階だ」と私は答えるだろう:料理カテゴリーを例にすると、アプリには様々なユーザーから投稿された料理の写真が並んでいるが、レシピや作り方についての情報はほとんどない。また、そのような情報をユーザーが簡単に加えられるようなツールも不足している。

このアプリにはPinterest、Facebook、Instagramなどの強力な競合がおり、特定のグループ向けのコミュニケーションツールを構築して失敗した企業もいる(Snapguideの失敗は、そのような例のほんの一部だ)。それについてGoldbergは、Pepoは「自分が情熱を捧げるプロジェクト」なのだと話す。何か新しいことに挑戦するための理由付けは数多くあるが、そのどれにも劣らない強力な理由だ。

Goldbergは技術的な挑戦やチャンスへの対応の仕方に関して、人情味にあふれる意見を持っている。Pepoを創業したきっかけについて聞かれた彼は、自分のお気に入りのスナックを見つけようとインターネットで検索したときの経験がきっかけだったと話す。

「Pepoのアイデアは、私が情熱を捧げるものの1つを追い求めていた時に生まれました。アボカドトーストです」と彼は語る。

「昨年のクリスマス、私は夫と一緒にシドニーに旅行に行きました。その時、私たちはアボカドトーストが食べたくて仕方がありませんでした。Googleで検索してみましたが、そこで見つけたスタティックな情報に私たちは満足することができませんでした。Facebookでも美味しいアボカドトーストを食べられる場所を教えてほしいという投稿をしましたが、投稿はどんどん下に流れていってしまい、情報を知っている人にそのポストがリーチすることはありませんでした。その経験から私が思ったのは、自分たちと同じようにアボカドトーストが大好きな人と即座につながることができ、世界中にいるアボカドトースト愛好者とメッセージのやり取りもできるような場所があるべきだということでした。つまり、自分の友達や、そのまた友達、近くにいる人たち、ユニークなものに対する情熱や専門知識を持つ人たちなどと、即座につながることができ、情報が消えることがなく、いつでも検索可能なメッセージング・プラットフォームです。そのようなサービスにおいて、美味しいアボカドトーストを探すことは、無数に存在する使い方の1つでしかないのです」。

今後、無料アプリのPepoはスポンサーチャンネルを開設したり、「ネイティブ広告」などを利用したマネタイズ方法を検討していく。Pepoのスポンサーチャンネルを開設するため、Goldbergは様々なブランドと話を進めている最中であり(ブランド名は明かさなかった)、これが実現すればPepoのコンテンツ強化につながるだろう。また、Pinterestなどと同様に、ブランドにモバイルメディアへ露出する機会を提供することにもなる。

Goldbergが好んで話に取り上げるのが、Twitterの共同創業者がローンチしたMediumだ。「Mediumはパブリッシャーやライターたちにフォーカスしており、それが上手くいっているおかげで、パブリッシング分野においてはFacebookなどの動向を気にする必要がありません」と彼は話す。「私たちは、ユーザーが特定の分野に関わるコンテンツを書いたり、写真を投稿したりすることができるベストな場所を提供していきます。特定の話題について話したり、ユーザーが情熱を捧げるものについて話しあったりする際に、ユーザーから最も選ばれるプラットフォームになりたいと思っています」。

彼がDisrupt Londonに登壇したときの様子は、この動画で観ることができる:

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

次のSnapchatを狙うZenlyの成長戦略

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フランスの位置情報共有アプリケーションZenlyは、次のSnapchatになることを願っている。共同創業者のAntoine MartinがTechCrunch Disrupt Londonに出演して、そこへ向かう戦略について話した。

元のアイデアはFoursquareのチェックインから得たものだったが、Zenlyではユーザーがチェックインして有人や家族と場所を共有することができる。Martinは、2〜3年を費やして、元GoogleやAppleのエンジニアたちと一緒に製品を完成させ、プライバシーを確保した。

アプリは約200万ダウンロードが行われている。私たちがこのアプリについて9月に書いたときには、大部分は10代のユーザーだったが、家族ユーザーや、ブランドにも利用されていた。Martinによれば、Zenlyは最も重要な10個のアプリの1つになることを目指しているが、明らかにそこに到達するためには大きく成長する必要がある。

ほとんどのソーシャルメディアプラットフォームと同様に、鍵は10代の若者が握っているのだろう。ティーンエイジャーは、Martinによれば、彼らの場所を共有することに対するプライバシーの怖れがないために、最大のユーザーなのだということだ。10代の若者たちは、友人たちがどこにいるかを知りたがる。

Martinが1年間プライバシー問題に取り組んでわかったことは、10代は本当にそうしたことを気にしないということだ。

「Zenlyはあなたの友人が何をしているのかを見ることで、信頼を育む最良の表現手段なのです」とMartinは語った。

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しかし、親たちはどう考えているのだろうか?Martinはそのことを考えていると語った。最初のUX / UIでは、共有は少ない人数の間で行うことが想定されていたが、今では成長とともに、10代の若者は一度に50人もの友人たちと共有を行っている。だからZenlyは、親たちは自分の10代の子供の安全を保つために、誰と位置を共有しているかを知ることができるようになったと言っている。

BenchmarkのPeter Fentonとソーシャルメディアアプリの著名な投資家が、スタートアップの9月の資金調達でボードに加わった。しかし、ここは混雑しているフィールドであり、Martinはそれが理由で申し込まれた金額を全ては受け入れなかったと語った、必要以上のものを取ることによって進歩を妨げられたくなかったからだ。

しかし、これまでに3000万ドル以上を調達したことで、Martinはビジネスを成長させ、より多くのチームメンバーを雇うことができると確信していると言う。

成長戦略はどのようなものだろう?「ある程度の転換点に達すると、おそらく20から25パーセントが使うようになると、学校の中で残りに広がるのは1週間以内だということがわかりました」とMartinは語った。

Zenlyはマーケティング活動にも少々資金を費やす予定だ、彼はこの混雑したスペースにソーシャルメディアアプリを構築する余地があると確信している。

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(翻訳:Sako)

Facebookがユーザーに「誤解を招く」記事か否かのレーティングを委ね始めた

President Harry Truman holds up a copy of the Chicago Daily Tribune declaring his defeat to Thomas Dewey in the presidential election, St Louis, MIssouri, November 1948. (Photo by Underwood Archives/Getty Images)

投稿に対して「誤解を招く」かどうかをユーザに尋ねる調査は、多くの人が偽のニュース状況に対処するのはFacebookの責任だとみなしていることに、同社が向き合い始めた最新の兆候である。そのソリューションの少なくとも一部は、ユーザーにユーザー自身が偽物であると思うものを尋ねることのようだ。

フィラデルフィアのニュースサイトBilly Pennの編集者Chris Krewsonが気が付いた、この「Facebookサーベイ」は、白人ナショナリストの見解を公然と支持していた有名なナッツ販売員の解雇に関するフィラデルフィア・インクワイアーの記事に、付随していたものだ(そこは小さな町で、皆が皆を知っている)。

「このリンクのタイトルは、どの程度誤解を招くと思いますか?」。記事の下に直接、このような「調査」が出現する。ユーザーはそれを無視したり、単にスクロールしてやり過ごすこともできるが、示される選択の範囲は「全くそうは思わない(Not at all)」から「完全にそう思う(Completely)」の5段階に渡っている。

FacebookはTechCrunchに対して、これが正式な試みであることは認めたが、それがどのように機能するのか、データがどのように使用され、保持されるのかなどの、いくつかの突っ込んだ質問には答えなかった。同社はニュースフィードの一般的な品質をテストするためにこのような調査を利用たり、クリックベイトや偽の記事を見つけるためのルールを定義するために他の指標を利用したりしてきた。これは、そうした2つの手法を直接的に組み合わせた最初の試みであるように見える:古い仕組みで新しい仕事を行うのだ。

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この機能は、誤解を招くような見出しを検出するためのアルゴリズムを習得するやり方に対して、Facebookが透明であると見なすこともできるが、同時に同社が望めば独自のやり方でユーザーベースを基本的に無料のデータの豊富な井戸として使用し、バスケットを浸すことができることを示す事例でもある。そしてそのバスケットの中身で、Facebookが何をするのかは、推測の域を出ない。

また、ユーザーはそもそも偽のニュースを伝搬する側でもあるため、その分類をユーザーに委託するのは興味深い決断である。囚人が刑務所を運営するように請われているようにも見えるが、少なくともA/Bテストは行われるようだ。

Facebookは、偽の、誤解を招きやすい、クリックベイトの拡散を行うことが、批判の対象になってきた。CEOのMark Zuckerbergはこの話題に対して個人的な投稿を行なったが、最初の防衛的で否定的な姿勢は問題を分かりにくくして、批判者を怒らせるだけのものだったようだ。1週間後の別のポストは、より建設的だったが、誰も何がなされるべきかを知っていないのが実態だ — Zuckerbergも何かがが変わらなければならないことには同意しているように思えるのだが。

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(翻訳:Sako)

NFL、各チームによるSNS投稿ポリシーを緩和

OAKLAND, CA - NOVEMBER 27:  Derek Carr #4 of the Oakland Raiders celebrates after a touchdown by Latavius Murray #28 against the Carolina Panthers during their NFL game on November 27, 2016 in Oakland, California.  (Photo by Lachlan Cunningham/Getty Images)

2ヵ月ほど前、NFLはチームによるゲーム中のソーシャルメディア投稿を厳しく制限するルールを定めた。当然のことながら、反対意見が相次いだ。チームはもちろんファンも、ソーシャルメディアの有効性を否定するかのような決定に不満をつのらせていた。NFLとしては、視聴率の低迷をなんとかしたいという判断で行ったものだった。

しかしどうやら、NFLは制限を緩和する方向に転換することとしたようだ。Yahoo Financeが入手した各チーム宛のメモには、ファンとの交流にソーシャルメディアを使うことを制限付きで認める旨が記されている。

以下にNFLのソーシャルメディア・ポリシーの変更点を記しておこう。これも先述のYahoo Financeが入手した情報によるものだ。

  • 各チームは試合中にも「non-highlight」ビデオをソーシャルメディアに投稿することができる。これまでは、試合中にはいかなるビデオ投稿も行うことができなかった。「non-highlight」とは、プレイの様子を映したものはNGであるという意味だ。ただ、ハーフタイムショーの様子や、ファンの姿などは投稿できるようになったわけだ。
  • 試合中に投稿できるビデオは、各ソーシャルメディア・プラットフォーム毎に16件ずつとなった。これまでは最大8投稿までとなっていたのが倍増したことになる。
  • 試合中であっても、独自のGIF画像を投稿できるようになった(プレイの様子を映したものは投稿できない)。これまではゲーム中の様子を示すいかなるGIFも投稿することができなかった。どうしてもGIFを投稿したい場合には、特定の試合に関連しないGIFを投稿することになっていた。
  • Snapchatへの投稿は、試合中5件まで認められることとなった。これまでは、ゲーム中の投稿は一切認められていなかったのが緩和されることとなる。これにどのような意味があるのかはまだわからないが、テレビおよびNFLの公式投稿以外では、Snapchatが唯一ゲームの様子を見られるメディアということになる。
  • ルール違反に対する巨額の罰金は継続される。すなわちプレイの様子をライブでソーシャルメディアに投稿するようなケースでは、10万ドルもの罰金を課される可能性がある。

なお、Yahoo Financeが入手したというメモにはGiphyとの「試験運用の同意」についても触れられている。NFLゲームの公式や、過去の名シーンのGIFなどを提供していく予定なのだとのこと。

この件についてはGiphyに詳細を確認しているところだ。NFLが制作したGIFを公開するプラットフォームとなるようで、新たにゲーム中の様子をGIF化して公開/保存するというわけではないようだ。

今回の新しいルールでも、各チームは試合中の様子をGIF化して公開するようなことはできない。ゲームの様子をソーシャルメディアに投稿するには、NFLが制作したものを投稿するしかない。NFLが「公式」コンテンツを投稿するまで各チームは何のアクションも取れないわけで、これは依然としてチームの不満をよぶ要素ではある。

NFLも1試合しかないような場合には、即座にゲームの様子をGIF化する努力を行なってはいる。しかし試合が8つも重なるような場合にはGIF動画をつくるのにも時間がかかる。また、チームが公開したいと思う場面が、NFLの意向と一致しないケースも多い。そのような場合には、NFLに依頼して作ってもらう必要がある。当然ながら時間がかかることとなるわけだ。

とにもかくにも、ルール変更により各チームはこれまでより多くの情報をソーシャルメディアに投稿できるようになった。今後の話し合い次第では、プレイの様子を投稿できるようにもなるのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H