著名なデザイン思想家Christian Villumが明日のインテリジェント・シティのデザインを語る

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今週のTechnotopiaは、Christian Villumと対話した。彼はDanish Design Center(デンマークデザインセンター)のデザイナーで思想家だ。彼の未来のビジョンは単純で、正しい教育と正しいツールがあれば、都市はデザイン思考で生まれ変わる。活動家で、ハッカーで、メイカーでもある彼は、学校と都市における3Dプリントの未来についても語った。

彼は文化的・アート的ハードウェアのデザインを目指すデンマークのデザイナー集団Science Frictionの創始者で、現在は主にDesign Centerですばらしいものを作り、いくつもの小グループを指導している。彼へのアクセスはここからできる。

彼の話のMP3はここでダウンロードできる。あるいはStitcheriTunesでもよい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Web上(クラウド+ブラウザー上)で多芸なWebサイトを作れるWebサイトビルダーの新人PageCloudが$4Mを調達

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ブラウザー上でWebサイトを作るサービスPageCloudが、400万ドルのシリーズAを完了し、同社の調達資金トータルが850万ドルになった。このラウンドには、創業初期段階向けVCのAccomplice、商業金融のExport Development Canada、そしてShopifyのCEO Tobi Lutkeや元SalesForceのVP Avanish Sahai、、元LinkedInのVP Ellen Levyなどのエンジェル投資家たちが参加した。

PageCloudはDisrupt NY 2015のStartup Battlefieldのファイナリストとして幸先の良いデビューを飾り、2015年11月に、クラウドベースのコンテンツ管理システム(content management system, CMS)プラットホームとしてローンチした。

今でもPageCloudのやることはCMS的で、サービスはクラウド上で動き、強力なデザインエディティングツールをユーザーに提供して、ユーザーが自分の望むサイトを作れるようにしている。同社のもっとも高度な特長のひとつが、他の類似ツールよりもレベルの高い、多芸なドラッグ&ドロップ機能だ。

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また60あまりのよく使われるWebウィジェットを組み込んでおり、その中にはeコマース、ソーシャル、フォーラム、ギャラリー、アプリ内ドメイン購入などがある。そしてもうすぐ、ブランド化されたGmailサービスも提供される。

たくさんのテーマもあるから、デザインの能力のないユーザーでも簡単に美しいWebページを作れる。またユーザーは、自分の選んだテーマを、このサービスのエディターを使って細部までカスタマイズできる。

本誌TechCrunchは2016年の初めにPageCloudのアップデートを記事にしたが、そのとき有料ユーザー数はわずか2か月で70か国12000名から100か国14000名へと急速に増えていた。そして今では、130か国の15000名のユーザーが、PageCloudを使って自分のオンラインプレゼンスを構築している。

PageCloudのファウンダーでCEOのCraig Fitzpatrickによると、マーケットにはわりと大きなROIを提供しているにもかかわらず、顧客の多くがDIY派の一般大衆であることが驚きだ、と言う。

PageCloudの究極の目標は、ペンと紙でスケッチを描くように、簡単にWebサイトを作れるようになることだ。WixやSquarespaceなど、この分野は競合他社が多いけど、同社のUXは、それらの中でもいちばんすっきりしてる、と筆者は感じた。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

なぜデザインマインドセットが大切なのか?

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【編集部注】著者のGian Paolo Bassi氏はSolidWorksのCEO(この投稿者による他の投稿:デザインベース学習が子供たちに主体性を獲得させる

エンジニアがエンジニアになるのは、物同士が文字通りあるいは比喩的に、一緒に収まる方法を見出すことを彼らが好きだからだ。これは常に当てはまる真実であるというわけではないが、多くの場合に成り立つことだ。今や、これまでの「デザインを実現するエンジニア」と、「エンジニアとして振る舞うデザイナー」の間を隔てる線はぼやけている。いまやデザインマインドセットを持つ人なら誰でも、ソリューションを巧みに生み出せることを、テクノロジーが可能にしている。

多くの組織が、問題解決を考える際に、デザイン思考あるいはそのバリエーションを取り込もうとしている。スタンフォード大学のd.schoolでは、共感で始まり進化し続けるサイクルが取り入れられている;共感し、定義し、想像し、そしてプロトタイプを作りテストする(そしてそのサイクルを繰り返し続ける)。

私がここで述べたいのは、デザイン思考手法だけに特に焦点を当てようということではなく、デザインはエンジニアリング、あるいはプロダクト開発、そしてマーケティングよりも遥かに大切なものであることを認識しようということである。大企業から政府機関に至るまで、或いはスタートアップビジネス(そしてその支え手であるVC)から学校(小中高から大学レベル)までの多くの組織が、デザインマインドセットに移行しつつある。

スタンフォード大学d.schoolのディレクター兼共同創設者のGeorge Kembleは、起業家兼投資家から、教育者へと転身した人物だ。TEDxのSemesterAtSeaにおける、There is No Leader(リーダーはいない) 、という講演の中で、創発的システム(emergent system)はリーダーなしでやっていること;魚や鳥の群れがただ一匹に従うわけでないことなどを説明した。彼らは、観察と小さな変化に基づいて反応しているのだ。彼の話の中心はデザイン思考(design thinking)である。デザイン思考は、スタンフォード大学のデザインのハッソープラットナーデザイン研究所(Hasso Plattner Institute of Design:通称d.school)でメソッドの中核が形作られた。

デザインの達人

デザイン思考という用語が生み出される前は、世界で最も革新的な建築家の一人、Frank Gehryがその実践者だった。彼が手がけたものとして、シアトルのユニークな形状のExperience Music Projectや、オーストラリアのシドニー工科大学の「paper bag」ビジネススクールビルディングなどの名を挙げることができる。何年も前に、私は彼に会いに行った。彼は段ボールブロック、木製ブロック、プラスチックや発泡材などが置かれた倉庫に私を案内した;彼は実際の素材を使いながら、発明とプロトタイピングを行っていた。しかし、彼が私に語ってくれたのは、ソフトウェアを使う前にアイデアを生み出す必要があるということだ。

Gehryにとって、アイデアは(ときに多くのアイデアは)、何らかの秩序を保ちながらも様々な思考を経てやってきていた。彼は、構想段階でははコンピューターによって支援されていないことを私に示した(当時の話だが)。段ボールでモデルを作成することには、多くの時間がかかり、創造性を発揮するための柔軟性がない。例えば、何平方フィートなのか、底面積は、体積は、何人の人がここに入れるのか、ハリケーンのシミュレートができるのか、照明はどのように見えるのか、などの問いかけに対して、段ボールモデルからは簡単に答えを取り出すことができない。なので、物理からデジタルに移動することができなければならないし、その逆もまた真なのだ。

私は毛糸玉と戯れる猫のようなものだ。玉があちらに転がると、猫もそちらへジャンプする。玉が床に落ちれば、猫もそこへ降りる。私は柔軟に対応する。一旦問題を理解したら、私はそれを試してみる。何が上手く行き、何が上手く行かないのかを観察し、そして再び試してみる。前にやったもののように見えたなら、私はそれを棄てる。私は自分の直感を信頼することを学んだ – Frank Gehry

多くの人びとが、デザインが始まるのは、ペンを紙にあてた時、段ボールで何かを作った時、あるいは、ありがちなのはデジタルモデルが3Dデザインソフトウェアの中で形をとる時だけだと思っている。もちろんこれらは皆大切かもしれない。

しかし、デザインが真に始まるのは、私たちが人びとの心をいかなるプログラムの制約からも解き放ったときなのだ ‐ ユーザーが創造プロセスを思慮深く進んでいけるように、ソフトウェアが補助として働き邪魔をしないように。このタイプの自由が実現されたとき、革新が起こりやすくなるのだ。デジタルツールが邪魔をせず、助力と支援を行ってくれるときに、素晴らしいデザインが可能になる。

工学専攻からやってくる技術デザイナーの数が増加している。90年代を振り返ってみると、MITで電気工学とコンピュータサイエンスを学んだ卒業生として、エンジニアリングのバックグラウンドを持つデザイナーは珍しかった。私は変わり者だったのだ。ここ10年ほどは、私たちはより多くのエンジニアリングの背景をもつデザイナーに出会っている… – John Maeda:ベンチャー企業Kleiner Perkins Caufield and Byersのデザインパートナー。

d.schoolやデザイン会社が、問題を解決するためのこうした新しい方向へ向かうのに従って、多くの企業も課題に対処するための新しい方法が必要であることに気付き始めた。あなたが属しているビジネスのタイプは問題ではない、人びとが直面している問題を理解して、それを解決するための創造的な手法を見付けなければならないのだ。私たちが今生きている、このモバイルの席巻する世界では、デザインツールは身につける服のようなものだ ‐ それがどのように作られているかは気にせず、ただ着るだけだ。

こうしたエンジニアリングとデザインの境界の曖昧さは、クラウドとモバイルがもたらす強力なテクノロジーツールで可能になった。ここに、より洗練された手法、例えばデザイン思考を加えてやれば、おなじみの「デザインの未来」への転換点に立つことになるだろう。John Maedaの言葉が示唆するように、デザインマインドセットを持つことは、どんな学位を持っているかには関係なく可能である。それがテクニカルであろうとなかろうと。デザインの未来は、限界を意識せず考え創造することを許す、まるで身につけている服のような、空気のようなツールにかかっている。

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(翻訳:Sako)

これがSurface Studioだ―MicrosoftがWindowsイベントでオール・イン・ワンPCと新入力ツールを発表

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今日(米国時間10/26)、開催されたWindowsイベントでMicrosoftは新しいオール・イン・ワンPC、Surface Studioを発表した。28インチ、3対2のPixelSenseディスプレイはMicrosoftによればこのサイズで史上最薄だという。CPUはIntel Core、NVIDIA GPU、 2TBのハイブリッドHDD、2.1スピーカーを内蔵する他、ハプティック・フィードバックを内蔵したホッケーパック型のツール、Dialが発表された。

MicrosoftのSurface責任者、Panoss Panayは「ディスプレイのヒンジには独自のメカニズムが採用されており、自由に角度を調節できる。これはコンピューター上でクリエーティブな処理を必要とするユーザーを満足させるはず」と述べた。Panayによればコンピューター操作上の「根本的な変革」だという。

Studioは11点タッチスクリーン、32GB RAM、メカニカルなハードディスクとSSDを組み合わせた2TBのハイブリッドHDDを備え、入出力としては4基のUSB 3.0ポート、イーサーネット、オーディオ、SDスロット、Mini DisplayPortが利用できる(Thunderboltポートはない)。同時に発表されたホッケーパック型の入力デバイス、Surface Dialにはユーザーの手に振動を伝えるハプティック・フィードバックが組み込まれている。クローム製のパンタグラフ状の支持部でディスプレイと連結された長方形の箱型の本体にはスピーカーやHDDが内蔵される。

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Surface Studioのディスプレイは「可能な限りの没入感を与える」とPanayは述べた。画素数は1350万ピクセル、解像度は192 PPIでどの位置から見ても個々のピクセルが判別できることはないという。MicrosoftはこのディスプレイをTrueColorと名付けており、Panayによれば「(クリエーターが)世界を見るとおりに…レンダリングできる」ということだ。

このディスプレイは作業中にカラースペースを切り替えることができる。たとえばDCI-P3カラースペースで作業している映画の製作者はその場でsRGBカラースペースに切り替えてP3をサポートしていない一般ユーザーのテレビで作品がどう見えるか確認することができる。

またこのディスプレイはTrue Scaleという実物大表示を備えている。「このディスプレイは現実世界で1インチのものを1インチに表示できる」とPanayは述べた。つまりA4サイズの紙の印刷物が同サイズでスクリーンに表示される。

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ディスプレイと下部の本体を接続するのは2本のクロームのパンタグラフ式アームで、ヒンジのメカニズムは独特だ。クリエーターはディスプレイを水平近くまで倒すことができる。Panayは「背景に溶け込ませることもできる」と述べたが、kこのディスプレイの大きささを考えるとむしろマーケティングのレトリックに近いだろう。

Studioには「リニア・マイク・アレイ」(linear mic array)が組み込まれており、ユーザーが部屋の反対側にいても音声を拾う。Windows 10のCortanaアシスタントのおかげでStudioはAmazonの人工知能スピーカー、 Echoのような便利さを備えた。

Surface StudioはSurface Penをサポートする。ディスプレイをほぼ水平に倒せるヒンジと組み合わせればグラフィックスのプロには極めて大きな効果が期待できるだろう。後述する円筒形のSurface Dialデバイスも巧妙なツールで、多くのアプリで利用できる。

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ヒンジのユニークなデザインはディスプレイを垂直から水平まで抵抗なく動かすことができる。Surface Pen、実物大表示のTrue Scale機能を組み合わせるとデザイナーなどのクリエーターには理想的なツールとなるという。レイテンシーはほぼゼロでペンはフルスピード動かせる。つまり実物大のバーチャル・ペーパーに自由に絵や文字を描けるわけだ。

ステージ上でPanayはSurface Dialを披露し、使い方をデモした。このホッケーパック式の新しいデバイスは要するにマイクやキーボード同様、入力ツールだが機能はまったく新しい。Dialはキーボードやマウスと同様、グローバル・コントロールだ。つまりWindowsのシステム・レベルで作動する。Dialはマウスと同じようにデスク上に置いて使うこともできるし、上の写真のようにディスプレイにタッチさせて使うこともできる。Dialはそれぞれのシチュエーションに応じて異なる機能を発揮する。スクリーンに載せた場合、周囲にカラースケールをダイアル状に表示し、ユーザーに描画色を選択させる能力もある。オフスクリーンで使う場合Surface DiaはSurface Book、Surface Pro 3、Surface Pro 4で利用できる。

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電子コミックのプラットフォーム、Madefireのファウンダー、Ben Wolstenholmeが壇上でSurface Studioのクリエーティブな能力をデモした。WolstenholmeはStudioを使ってその場でコミックの動くサムネールを描いてみせた。Wolstenholmeによれば「これまでこの作業を紙でやっており多くのステップが必要だった。今は同じワークフローを完全にデジタル化し、すべてSurface
Studioに移行した」ということだ。イラストの細部に細部に微妙な彩色をするためにズームアップする操作をDialのショートカットに設定できるという。

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デベロッパーは自由にSurface Dialの機能を設定できる。イベントではオンスクリーンのユースケースがデモされた。これには画面で絵を描きながら、Dialでリアルタイムで描画色を変えたり、表示倍率やツールをその場で変更するところが含まれていた。

Surface Studioは今日から予約を受け付けが開始された。Microsoft Storesに実機が登場して実際に触れてみることができるのは明日(米国時間10/27)からだという。クリスマス商戦には台数限定で出荷される予定だ。価格は2999からとなっている。

〔日本版〕 Surface Studioの日本での取扱計画に関してはまだ情報がない。Surface Dialの価格は99.99ドル。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

3DプリントやVRのための3Dデザインを簡易化大衆化したいVectaryがシードで$2.5Mを獲得しニューヨークへ引っ越し

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3Dプリンターが気軽に買えるお値段になり、ユーザー人口が大きくなったことによって、新しい起業機会が出現している。それは、シンプルな3Dデザインツールだ。またVRが普及の端緒についたことも、そんなツールのニーズを拡大している。そこでもやはり、オブジェクトや環境を3Dでデザインしなければならない。

3Dプリントのネット上の大きなコミュニティとしてThingiverseがあるが、そこには3Dのモデルを作る機能はない。Autodeskの123dはプロのユーザーが対象だが、同社には子ども向けの無料のアプリケーションBlenderもある。しかしそれは、プラットホームとそのユーザーコミュニティではない。だからここには、コミュニティと3Dモデリングツールを合わせたプラットホームでもって、より広いオーディエンスを獲得できそうな機会がある。

Vectaryがねらっているのが、まさにそれだ。シンプルで使いやすいと同時に、プロが短時間でデザインできるために必要とする機能も揃っている。そして、デザインの共有や議論、カスタム化などのベースとなるコミュニティ機能も。

今回同社はシードラウンドで250万ドルを調達した。ラウンドをリードしたのは、ベルリンのBlueYard Capitalだ。シード前の段階でも投資をしたブラティスラヴァのNeulogy Venturesと、数名のエンジェル投資家も参加した。

CEOで協同ファウンダーのMichal Koorはこう語る: “工業デザインの仕事をしながら、デザインをもっと効果的にやりたいと考えていた。そこで余暇時間には、デザインをパラメータで制御できるツールを開発していた。たとえばスライダーをちょっと動かすだけで形状を変えたり、またそれに対する対話的なフィードバックが得られるようなやつだ。さらにその後、この方式にコミュニティが組み合わされば、誰もが容易に3Dモデリングを始められるようになる、と悟った”。そこで、もう一人の協同ファウンダーPavol Sovisとともに、Vectaryを立ち上げた。

Vectaryは、ブラウザー上で使えるWebアプリケーションである。いちいちゼロからデザインしなくても、コミュニティのページへ行って既存のモデルをカスタマイズすれば、たいがいのデザインは作れる。3Dモデリングという仕事が、これで一挙に易しくなり早くなる。今なら誰でも、ベータユーザーとして登録できる。

今はブラティスラヴァ在籍だが、今回得られた資金により、本社をニューヨークに移す予定だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

テンプレートを廃しブロック方式で自由度を高めた、一般人のためのWebデザインツールTilda

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メイカーに代表されるような、いろんなプロジェクトに次から次と手を出すタイプの起業家は、Webサイトも次から次とたくさん作らなければならない。そのための便利なツールとして、Bootstrap(これはやめた方がよい)やSquarespace、WordPressのクールなプラグイン、などなどがかねてからある。ここでご紹介するTildaも、そのひとつだ。

Tildaは使いやすくて応答性の良いページビルダーで、ふつうのランディングページだけなら月額15ドルで利用できる。FunkyPunkyというデザインスタジオをやっているロシアのWebデザイナーNikita Obukhovが、自分たちで使うためにTildaを作り、最近それを一般公開した。画像やテキストのレイアウトはドラッグ&ドロップ方式だから、何かを貼り付けるのは数秒で終わる。

その差別化要因のひとつが、Zero Blockと呼ばれる“Webエディター内のWebエディター”的なツールで、文字やフォントの管理(タイポグラフィー)、図形を描く、アニメーションを作る、などの作業ができる。いわばこれは、Tildaの秘密兵器だ。

Obukhovはこう説明する: “ユーザーは、予(あらかじ)めデザインされているブロックを組み合わせてWebサイトを作る。テンプレートはない。その方が柔軟性があり、ユーザーの自由度も大きい。ブロックは、わが社のプロたちの作品だから、ルックスがよろしい”。

試してみたら、こんなプロジェクトを15分で作れた。既存の写真とテキストを、ちょっと使っただけだ。終わったらすぐにそれをアップできるし、公開できる。ドメインを割り当てるのも簡単だ。とにかく、使用体験はとても快適だ。

Tildaはまだ自己資本のみで、今リピーターの顧客が約4000名いる。

あなたはまだ、Bootstrapから完全に抜け出せないかもしれないし、Tildaの月額15ドルは高いと感じるかもしれない。でも、ぼく自身の証言としては、とても使いやすいから捨てられないツールだね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Shopifyがカナダのデザイン/開発会社Boltmadeを買収、Shopify Plusを強化

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Shopifyはカナダのウォータールーに拠点を置くBoltmadeを買収したことを発表した。これによってデジタルコンサルティングとプロダクト開発チームを社内に抱えることになる。買収によってBoltmadeの21名のチームが加わるが、その大部分はエンジニアとデザイナーで構成されていて、ウォータールーではShopify Plusに焦点をしぼったオペレーションが加えられる。

Shopify PlusはShopifyが提供する「高級」サービスである。専任のアカウント担当者、カスタマイズ可能な販売プロセス、そしてShopifyによって提供される他のアドオンサービスに対する割引などの追加サービスが含まれている。このサービスは同社のプラットフォームを利用する、より大きくて取扱量の非常に多い販売企業を狙ったものだ。現在のPlusの顧客には、主要なところとしてReddit、Wikipedia、Tesla、そしてWWFが含まれている。

Boltmadeは顧客企業のためにデザインとソフトウェア開発を行っているが、その顧客にはXerox Parc、Shopify自身、Kirk、その他が含まれている。買収は、ウォータールーにおけるShopifyの既存のPlusの存在感を高めるだろう。最近の記事では「主に営業チーム」と書かれたが、この先Plusの顧客の要求に対応するために、相当数の技術的タレントが加わるに違いない。

この買収は2013年にShopifyが行ったトロントに拠点を置くユーザーエクスペリエンスとデザインエージェンシーJetCooperの買収にとても似た側面がある。このときの買収でも、現在はSpotifyのトロントの最高のタレントになっている者たちを集めることになったのだ。Shopifyは、契約条件を明らかにしていない。

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(翻訳:Sako)

スマート素材はどのように世界を作り変えるのか

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【編集部注】著者のMax Moruzzi氏はAutodeskのシニア主任リサーチサイエンティスト。

過去数年にわたり、モノのインターネット(IoT)は、激しい活動の白熱した中心になっている。物理的なもののための組み込みセンサーを製造するスタートアップは、より大きな企業に急速なペースで買収され、過去4年でIoTスタートアップをめぐる取引は合計300億ドルを越えている。

確かに、IoTは「次に来る凄いもの」かもしれないが、おそらくセンサー周辺への注目は見当違いかもしれない…

もし私たちが物体にその周辺の環境からデータを収集させるのに、センサーを埋め込む必要がないとしたらどうだろう?もし素材がセンサーを内蔵し、そのものがセンサーであったならば?

知覚素材は、まるでサイエンスフィクションのように聞こえるかもしれないが、それは急速に現実のものとなってきている。温度、圧力、衝撃、その他の変動値を感知することができる、新世代の素材が開発されていて、センサーの必要性が完全になくなる。

これらの材料はデータを取り込み、クラウドにデータを送り込むだけでなく、環境条件の変化に対応して、動的に自分自身を再構成することができる。それはまるで材料がただスマートになるというだけではなく、「生きて」いるかのようなものになることであり、物のデザインと使われ方を驚くような方向へ変化させる

等方性の時代を抜け出して

私たちはどうやってここに至ったのか?これまでのデザインとエンジニアリングは素材の「等方性(isotropic)」に注目してきた、すなわち均一的かつ予測可能であるということだ。等方性の時代には、まずデザインを行い、そのデザインの中で特定の役割を果すように素材を割り当てた。

しかし、その反対に、もし素材が設計を決定するために使えるとしたらどうだろうか?私たちはこれを常に自然の中で見ている。例えば種子は、特定の環境と連動して木を生み出す。

それはまるで材料がただスマートになるというだけではなく、「生きて」いるかのようなものになることだ。

これは、異方性(anisotropic)素材の働きを示す一例だ。等方性材料とは異なり、それらの振舞は事前には決まっていない、そのためその性能を環境に合わせて調整することができる。

異方性デザインの時代へようこそ。

輸送のための変革

以下のような飛行機の外壁を想像して欲しい、自己治癒で傷やへこみを取り除き、それによって最適なエアロダイナミクスを維持しすることができるといった外壁を。等方性の時代には、こうしたデザインは実質的に不可能だった、しかし異方性の時代には、これが可能になるのだ。

それがうまくいくのは以下のような理由だ:飛行機の部品(例えば翼)が薄いナノセンサーの層でコーティングされた複合材料から作られているとする。このコーティングは「神経系」のように働き、部品がその周囲で起きることを「感知する」ことを可能にする。圧力、温度、といったものが対象だ。

翼の神経系が損傷を感知すると、それは、ナノ結晶のコーティング中の未硬化材料の高分子微粒子に信号を送る。この信号は、高分子微粒子に素材を損傷エリアに放出するように伝え、修復が始まる。ちょうど亀裂に接着剤を埋めてそれを硬化させるようなものだ。

エアバスはすでに、ブリストル大学のNational Composites Centreでこの分野における重要な研究を行い、スマート素材によって形作られる航空業界に私たちを向かわせている。

一方、自動車業界は、損傷の感知や自己治癒だけではなく、デザインとエンジニアリング工程へフィードバックできるパフォーマンスデータを収集できるスマート素材の利用を進めている。

Hack Rodプロジェクト – 南カリフォルニアの自動車愛好家のチームと組んだ技術パートナーたち ‐ は、スマート素材を使い、人工知能でエンジニアリングを行った、史上初めての車をデザインした。

これらの材料は、私たちの周囲の世界を形作る上で、ますます重要な役割を担っている。

別の例では、EUが資金提供を行うHARKENプロジェクトのコーディネーターであり、ポルトガルの自動車テキスタイルサプライヤーBorgstenaのR&DマネージャーでもあるPaulo Gameiroが、センサーが埋められたスマートテキスタイルを使ってドライバーの呼吸ならびに心拍を計測し、ドライバーに眠気の兆候があることを警告できる、シートとシートベルトのプロトタイプを開発している。

インフラストラクチャのメンテナンスが容易になる

輸送に関するもの以外でも、多くの機会が建築や土木エンジニアリングの領域にも待ち構えている。そこではスマート素材が、構造のヘルスモニタリングを大いに助けることになる。

今日、 世界には要素の消耗や、断裂、そして経年劣化によって徐々に崩落の進んでいる道路や橋、その他のインフラが沢山存在している。多くの場合、 最も緊急に注意を必要とする項目がどれであるかが、私たちにはわからない

しかし、もしこうしたことがわかる構造を「 スマートコンクリート」で作ることができるなら?コンクリート内の「神経系」は、インフラストラクチャの状態を絶えず監視して評価し、何らかの損傷が発生した場合には即座に自己修復を発動させることができる。

マサチューセッツ工科大学(MIT)で現在進行中の、ZERO +という名のプロジェクトは、まさにこのタイプの先進複合素材を用いて、建築業界を再構成することを狙っている。

機能性織物

MITの研究者たちはまた、新たに設置されたAdvanced Functional Fabrics of America (AFFOA:米国先進機能性織物) 研究所で、日夜研究に励んでいる。彼らの目標は、新世代の機能性織物と繊維の開発である。周囲を見て、聴いて、感じる能力を持ち;コミュニケーションを行い;エネルギーを蓄積して変換し;健康をモニターし;温度を制御し;そしてその色を変化させるようなものだ。

これはハリウッド映画ではない ‐ 現実のことだ。

機能性織物は、衣服がもはや単なる衣服である必要がないことを意味している。健康と良い生活のためのエージェントであり、非侵襲的な方法で体温を測定し、さまざまな要素を対象にして汗を分析することができる。またそれらをポータブルなパワー源として使うことも可能だ、例えば太陽のような外部のソースからエネルギーを取り込み、それを保持し続けるなど。また、より迅速的かつ効率的に異なる環境に適応するために、兵士たちによって使用されることも可能だ。

そして、もし誤って衣服に穴をあけてしまったら?当然のことながら、織物内のナノセンサーはツギをあてるために、自己修復プロセスを起動する – 航空機の翼やスマートコンクリートが自身を修復したように。

素材の世界で生きる

これはハリウッド映画ではない ‐ 現実のことだ。そして如何にスマート素材が迅速に近付いて来ているかを明確に示すものだ。

これらの材料は、私たちの周囲の世界を形作る上で、ますます重要な役割を担っている。それが飛行機であろうと、建築インフラストラクチャであろうと、私たちの着る服であろうと。自分の環境に関するデータを取り込むだけでなく、そのデータに基づいて、それらのパフォーマンスを調整することができるものを作ることにより、素材はデザインの中で能動的な役割を果たし始めるようになる。

これが スマート素材の持つ可能性だ、そして私たちの周囲により良いデザインの世界を生み出すため鍵の一つなのだ。

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(翻訳:Sako)

プロダクトデザインのコラボレーションツールInVisionがシリーズDで5500万ドルを調達

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プロトタイプ制作やデザインを複数人で協力して行うためのツールInVisionがシリーズDで5500万ドルを調達した。リード投資家はMark ZuckerbergやJack Dorseyなどの投資で有名なIconiq Capitalが務め、既存投資家のAccel PartnersFirstMark Capitalも今回のラウンドに参加した。

シリーズCで4500万ドルを調達してから1年弱での調達だ。InVisionはすぐに資金調達を行う必要があったわけではないが、企業内のコラボレーションを助けるツールに注目が高まっていて、投資に関心のある企業からのインバウンドの問い合わせが多くあったと共同ファウンダーでCEOのClark Valbergは話す。

InVisionは調達した資金の使い道に関して具体的な計画を決めていないが、引き続き適切であれば、戦略的な買収を行うつもりだという。InVisionは昨年、小さなデザインツールを5つほど買収し、そのほとんどは「アクハイヤー」目的だった。

InVisionは特定の人たち(デザイナー)が毎日使うことを想定したツールを構築しているため、最適なプロダクトマネージャーはデザイナー出身のファウンダーであるとValbergは説明する。何回かプロダクトマネージャーをデザイナーに転身させようと試みたがうまくいかなかったため、InVisionはすでに会社を設立し、プロジェクトのマネジメント経験のあるデザイナーを採用することが彼らにとって有益と考えるようになったという。

InVisionは200万人以上の登録ユーザーを抱え、Fortune 100の会社の70%で利用されているそうだ。 Facebook、Apple、Disneyといった有名なテクノロジー企業も含まれている。

Valbergはほぼ全ての企業において、デザインチームがInVisionを使い始めるという。けれど、多くの場合、組織の他の部署でもプロトタイプツールを使い始め、デザインプロセスとは直接関係のない人も利用するようになるという。例えば、ある会社のCFOは、このツールで、始めに開発者が構築した特定の決済フローに関してフィードバックするのに使っていたりしているという。

InVisionでユーザーが自然にコラボレーションできるようにすることは、InVisionの実際のデザインツールと同じくらい重要であるという。彼らのツールは講堂のようなもので、いくつかのチームがそれぞれ壇上でプロジェクトに取り組んでいるのに似ていると話す。その企業の他の何千という社員は観客席から壇上にあるプロジェクトを見たり、デザインの過程でフィードバックをしたりしているイメージという。

Slackが一般的な組織内のコミュニケーションツールであり、AtlassianやGitHubがエンジニア向けコミュニケーションツールであるように、InVisionの最終的な目標はプロダクトベースのコミュニケーションツールになることだ。今回の資金調達はその目標に早く到達するための助けとなるだろう。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

Microsoftの新アプリSprightlyを使ってスマホでプロ級デザイン

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Microsoftが、Adobe Spark PostやスタートアップのCanvaに対抗してつくった新アプリSprightlyが、本日(米国時間6月7日)からiOS上でもリリースされた。競合他者のサービスのように、Sprightlyを使えばスモールビジネスであっても、チラシやクーポン、カタログや料金表、e-cardなどをすぐに作ることができ、ソーシャルメディア上での共有も簡単にできる。

Sprightlyは、Microsoft Garageと呼ばれる、Microsoft社内のインキュベーター兼R&Dチームのプロジェクトから生まれた。

今年の初めからこれまでに、SprightlyはAndroid上でのみ公開されていた。しかしMicrosoftは、iOS上でのリリースをうけ、今後アプリ内のテンプレート、色、スタイルの数を増やしていくと明言している。

アプリの使い方は極めてシンプル。スマホで写真を撮るか、既に保存されている画像をアップロードした後に、テンプレートカタログから好みのものを選択し、デザインをカスタマイズすれば完成。その後、完成したデザインをメールで送ることができるだけでなく、ソーシャルメディア上で共有したり、すぐに印刷可能なPDFに変換することもできる。

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アプリのコンセプト自体は、Adobe SparkやCanvaに酷似しているものの、Sprightlyのコアとなるターゲットは他サービスに比べて少し絞られている。

Adobe SparkやCanvaは、様々な画像サイズが要求されるソーシャルメディア上で使える画像をすぐに作れることから、ソーシャルメディアマネージャーの間で人気となった。また、中小企業が、プロデザイナーの料金は払えないけどプロっぽいデザインが必要、という際にも使われている。

Sprightlyも、デザインを身近なものにすることを使命としているものの、顧客とソーシャルメディア上での交流がある、小さなお店を特にそのターゲットとしている。そのため、Sprightly上には、小規模小売店で特に必要になりそうな、料金表やカタログ、クーポンのテンプレートがあったり、商品のコラージュ画像を作れるようなツールが用意されているのだ。

さらにSprightlyは、簡単な画像作成という忙しい人たちの問題を解決するだけでなく、スマホやその他のモバイルデバイスを、(唯一とは言わずとも)メインで仕事に使う人々のためのツールにもなり得る。つまり、Sprightlyは発展途上国にもその照準を合わせているのだ。

その例として、Sprightlyのリリースに関する発表の中でマイクロソフトは、インドのハイデラバードでFanzartのフランチャイズを運営する、Sanjana Shah氏の推薦ビデオを公開している。(Fanzartはデザイナーシーリングファンの製造を行う企業)

「どの画像やカタログも本社から送られてきていて、新しいものが届くのに1ヶ月もかかっていました」とShah氏は言う。「でも、今はSprightlyがあるおかげで、私でも店頭に並んでいるシーリングファンの写真を撮って料金表やカタログを作り、お客さんに商品の情報を送ることができるので、とても助かっています」

Microsoft Garageは、ユーザーの反応を測定するため、Sprightlyのように様々な実験的アプリを公開している。しかし、新しいタイピングの方法を取り入れたWord Flow keyboardのように、革新的なアプリが発表されている一方で、既存アプリのコピーと思えるようなものもある。例えば、News ProはApple NewsやSmartNewsに似ているし、PlumbagoはMicrosoft自身のOneNoteと競合している。Sprighlyは、既存のデザイン関連サービスとコンセプトが似ていることから、後者のカテゴリーに入るアプリだと言える。

だからといってSprightlyは試す価値がないということではなく、どれが自分のニーズに一番合っているかを調べるため、競合アプリもあわせて試してみると良いかもしれない。

Sprightlyは、App StoreGoogle Playから無料でダウンロード可能。

 

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(翻訳:Atsushi Yukutake

日本の90年代テレビゲームからUXデザインについて学ぶ

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編集部記:Benjamin BrandallはProcess Streetでコンテンツ制作を行っている。

私の大好きなスーパーファミコンのRPGを再度プレイしてみて気づいたことがある。この記事はやや切ない気分で、そのことについて書いていきたい。

こんなにモダンなUXデザインに甘やかされていたなんて知らなかった。

この感覚は世界共通なようだ。Quater to ThreeのフォーラムでHuginはこう書いている

「『コンソールゲームのRPG』と聞いて思い浮かぶのは、意図が不明なキャラクター情報やナビゲーションが雑な冊子くらいだ。基本アイテムの比較表があると嬉しくて涙が出るよ」。

「良いUX」だったということだ。

過去、私はゲームは取るに足らないものだと思っていた。昔、父が運転する車の後部座席で、蛇が自分の尻尾を食べないように動き回るゲームをNokiaのキーパッドで必死に打ち込んでいたことを思い出す。「やった」「すごい」「あー、残念」以上深く考えたことはなかった。

しかし、昔の定番ゲームをまた試すのは思ったほど悪くなかった。誰もデザインをしたがらないということの他に、現在最も人気があるアプリにも引き継がれている要素がいくつかあることを発見した。

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この記事はUXの進化について書いた。今でこそUXは ユーザーがサービスを使い続ける方法として知られるようになったが、この記事で取り上げる時代にはそれは一番重要なことではなかった。

多種多様なゲームをプレイして、画面を録画した。そうする中で、テレビゲームのUXを新たな観点から見ることができた。日本の90年代のテレビゲームの良い部分と悪い部分について書き出し、そこから現在でも適応すべき部分とそうでない部分を考えたい。

チュートリアルの一部として活躍する「明滅する円」

「ファイナルファンタジーVI」(英語名: Final Fantasy III)の最初の10分を過ぎた頃、プレーヤーは小さく瞬く光を見つける。価値あるものを探すゲーマーを魅了する光だ。ただそこで得るのは操作方法のレッスンだ。誰も読まない冊子にではなく、ゲーム内にレッスンを埋め込んでいる。

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以前、Microsoftがオンボーディングのレッスンをマインスイーパーに忍び込ませ、ユーザーがGUI(マインスイーパーでは右クリックの動作)に慣れるように仕向けた方法も見てきた。これは、古典的な手法のようだ。

ファイナルファンタジーのこの要素が興味深いのは、Slackが最近まで同じことをしていたこと、そして他の多くのSaaSアプリも現在使っているからだ。

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RPGの洞窟の地面で瞬く光と同じだ

 

ただ、Slackのユーザー・オンボーディングのプロセスは変わっていたので、Process Streetが採用している動きのあるgif画像も掲載しよう。

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同じ考え方だ。一時的に、ユーザーの興味を引く。そう、洞窟の中で瞬く光と同じだ。UIの中にちょっとした情報が隠れていて、ぶ厚いユーザーマニュアルを持ち出さなくてもユーザーはサービス内を進みながら使い方を学ぶことができる。

操作マニュアルを撤廃し、実践しながら学ぶ方法は、さまざまなオンボーディングに共通するようになった。他に教える方法がある今、ユーザーがコンセプトの理解がない状態から自分で習得していくことは必要不可欠なことでもユーザーに期待するものでもなくなった。

マイクロインタラクションは、デザインに時間と手間を惜しんでいない証拠

Nick Babichは、マイクロインタラクションに関する記事にこう書いている。

「最良のプロダクトは2つのことを上手く仕上げている。機能とディテールだ。機能は、人をプロダクトに惹きつける。ディテールは、プロダクトから人を離さない。そしてディテールこそが、私たちのアプリが他の競合アプリから際立つ理由だ」。

Twitter のハートは、「楽しい」マイクロインタラクションの1つだ。以前は、星をクリックすると灰色から黄色に変わるだけだったが、誰もが知っている通り、今はこういうことが起きる。

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マイクロインタラクションに時間をかけるべきか否かについては議論もあるが、テレビゲームの場合、マイクロインタラクションは没入的な体験の一部分だ。

「クロノ・トリガー」は、ありふれた部屋でも色々試す価値のある、スーパーファミコンのRPGゲームの1つだ。ゲームを始めると、母親に起こされ、目覚める最初の部屋がある。ここではカーテンを開けたり閉めたりできる。

ストーリー性の高いゲームで、こういった仕掛けは補足的なものに過ぎないことを考えると、これは結構すごいことだ。見ての通り、5回は試してみたくなる。

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メニューは(ありがたいことに)格段に改良された

90年代の乏しいUIデザインを体験してこなかったのなら、現代の良質なメニューナビゲーションにありがたみを感じることはできないだろう。

RPGゲームにおいてメニュー画面は重要な要素ではない(いずれにしろ最も批判されている要素である)ことは分かっているが、それでも「ブレス オブ ファイア」の最初のメニューシステムは意味不明だ。ゲームが始まる前に提示されることを頭に入れた上でこれを見てほしい。

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大きな問題点:

  • 「Fast(速い)」「Norm(普通)」「Slow(遅い)」に量的な指標が全くない
  • 矢印が何もないところを指しているように見えるため、Y、X、L、Rのキー設定に混乱する
  • 何もない場所を指す矢印で「選択」を押しても、そこで選択できる項目の説明がない。なぜ「魔法(Magic)」をRボタンに設定しようと思うのか?そもそも魔法ってなんだろう?

ゲームを始める前にこの設定を強要するのではなく、ゲーム内の設定メニューにしておいた方が親切だろう。

90年代のゲームとSaaSプロダクトのメニュー画面を比較するのは公平ではないかもしれないが、良いゲームもある。「スーパーマリオRPG 七つの星の伝説」は、優美なデザインで知られたゲームだ。このゲームの断然良いメニュー画面を見てみよう。

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ゲームがどんな画面かを知るより先に登場した「ブレス オブ ファイア」のメニューとは違って、これにはちょっとしたメニュー画面のオンボーディング説明まである。

ユーザー詳細にスマートな初期設定

ソーシャルメディアの発展、スマートに進化したデザイン、そして誰も空白のプロフィール写真や詳細情報を埋めたりするのに時間を使いたくないということへの気づきがあったおかげで、今ではアプリがサインアップした時に自動でサムネイル画像と名前を引っ張ってくるようになった。例えば、Mediumだ。

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Peachのユーザー・オンボーディングの流れを詳細に説明した記事でSamuel Hullickが指摘するように、それはシルエットだけの画像と未入力のユーザー名が並ぶデフォルト画面より遥かに良い。

カーソルを事前に置く「クロノ・トリガー」のアプローチを見てみよう。デフォルト名が入っていて、名前を変更する場合は左から右に上書きが可能なことを示すカーソルがある。

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これで、 最もサービスにとって重要な時間、ユーザーの初使用時における難しさを低減する。

画面のどの部分がインタラクティブかを示す

大枠でいうと、ユーザーインターフェイスは2つに分けられる。インタラクティブな要素とそうでない要素だ。

デザインが未熟なインターフェイスではユーザーは、それがインタラクティブな要素なのか、情報を表示しているだけなのか、飾りなのかを瞬時に判断できない。

スーパーファミコンのゲームの場合、画面のどの部分を操作できるかどうかを知るためには試行錯誤しなければならないかもしれない。ただ、自由度の高い(マウス、タッチスクリーン)操作が可能なアプリと違って、方向キーの操作でカーソルを動かして選択できる項目は限られている。カーソルがその場所に行かないのなら、操作できないということだ。

先ほど見た「ブレス オブ ファイア」のインターフェイスが分かりづらいのはそれが原因でもある。こんなところに選択項目があるなんて分からないだろう。

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これは一体何?

「ファイナルファンタジーⅥ」の画面にもインタラクティブな部分とそうでない部分があるように、現代のアプリでもそれらの要素は共存している。

Peach(左)とBuffer(右)のアプリでインタラクティブなUI要素をどのように表示しているか比べてみよう。

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(左)これはタップできそう(実際はできない) (右)グレーアウトされている。タップできないのが分かる。

タッチやマウスで操作するUIでは、ユーザーは基本的にどこでもクリックすることができる。「ブレス オブ ファイア」の不自然なメニュー画面は、「クリック」可能な場所が限定されていたとしても、ユーザーをミスリードしてしまうことがあるということを示す。Peachの目を引くボタンはタップできそうに見えるが、タップするとエラーメッセージが出る。Bufferは、ボタンをグレーにしておくことで、インタラクションが起きないことを示し、良いバランスのデザインだ。

ストーリーがユーザーの関心を得る

ファイナルファンタジーの定番ゲームはどれも同じ構造を辿る。シェイクスピアの劇のように、ユーザーはすぐにストーリーの中に放り込まれる。「この光はなんなんだろう?」といった最初の画面の語り口調ぐらいでしか何が起きているのか分からない。

辛抱が必要な冒頭の5分から10分のシーンでストーリーが展開する。妖精が飛び回り、全く何のことだか分からない人物や場所の名前がたくさん出てくる。

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けれど、ファンタジーの物語って大体そういうものだろう?

最初から説明があるわけではないし、例えばシンプルな「私は誰々で、どこどこの町から来ました」形式で始まったとしても、それでもユーザーは存在していたことすら知らなかった世界に投げ込まれているのと同じなのだ。(以前書いた記事に、ユーザーを驚かせることは良い方法ではないことに言及している)。

それは新しいアプリを使う時も同じだ。ユーザー・オンボーディングのプロセスには、ユーザーが初めてサービスを使う時、いっぱいいっぱいになってしまわないようにする役割もある。Quartzのアプリは、ユーザーを「テキストのやりとり」という親しみのある環境に置いてチャットするAIを提示することで、この問題にうまく対処している。

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Quartzの初使用時、親しみやすいキャラクターとチャットする。返信もテキストチャットの要領。

90年代のテレビゲームはUXについて考えていたか?

「Dragon Age 6」や「ブレス オブ ファイヤ」など使いづらいゲームは別として、SaaSアプリのユーザー体験には、過去の教訓が活かされているようだ。DuolingoHabiticaといったサービスは、昔ながらのRPGゲームに大きな影響を受けている。

90年代ビデオゲームはUXのことなんて考えていなかったとは言わないが、初のUXの基礎が世に出てから14年が経過した現代とは違い、当時のUXの優先順位は高くはなかっただろう。

スーパーファミコンのテクノロジーでは、それで遊ぶゲームの複雑さや美しさに制限があったが、今使ってみても、単にぎこちない印象しか受けないのは、ゲーム自体が上質で滑らかなインターフェイスと「喜び」を私たちに存分に提供していたからだ。

結局の所、私は一度もファイナルファンタジーのUIに不満を持ったことがない。黙ってゲームに向かい、朝4時までプレイし続けてきたのだから。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

AdobeがAnimate CCをローンチ、Flash Professionalをついに改名; デザインツールMuse CCもアップデート

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Adobeが今日(米国時間2/8)、Animate CCを公式にローンチした。それは同社のWeb用アニメーションツールの最新バージョンだ。Animate CCは前にはFlash Professionalという名前だったが、しかしFlashの重要性は(ありがたいことに)この数年間で下がったから、同社はその一般的な役割を強調する名前に変えよう、と決意したのだ。

Flash Professional、じゃなかったAnimate CCのニューバージョンと、WebデザインツールMuse CCのアップデートは、Creative Cloudの会員なら誰もが使える。

Animate CCは、名前を変えただけでなく、新しい機能もいろいろ加えた。その多くは、Creative Cloudのそのほかのツールと歩調を揃えるためだ。まず、Animate CCはCreative Cloud Librariesをサポートし、それによってたとえば、そのほかのCCアプリケーションや他のユーザーとコンテンツを共有できるようにする。また、Adobe StockTypekitも最初からサポートされている。アニメーターは、自分のビデオを4Kでエクスポートできる。

Animate CC_Stock and CC Libraries integration

Adobeによると、Flash Professionalで作られたプロダクトの1/3は、実際にはHTML5のコンテンツだった。そのことも、旧名が今や場違いである理由のひとつだ。AdobeのエヴァンジェリストPaul Trani曰く、“HTML5がスタンダードになったし、今度の名前の方がツールの役割を正しく表している。ユーザーは、何をどうしても構わない。Flashを使いたいって? おぉ、それもけっこうですよ!”。

Traniの説明では、ほんの少しの例外を除いては、Animate CCのユーザーがやりたい標準的なユースケースのほとんどを、FlashでなくHTML5で実装できる。

今日同時にリリースされるMuse CCのニューバージョンは、ユーザーがコードを1行も書かずにWebサイトをデザインし構築できるツールだが、やはりこちらも最初から、CCのライブラリや、AdobeのCreative Sync機能、Adobe Stockなどをサポートする。

そしてもっと重要なのは、Muse CCのニューバージョンではデザイナーがレスポンシブなサイトをデザインできることだ。これまでのMuseにこの機能がなかったことが、むしろ奇妙だけどね。

Muse CC_setting breakpoint for responsive layout

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

プロが作ったようなグラフィクスを誰もが簡単に作れるAdobe Postが、まずiOS上でデビュー

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Adobeが今日(米国時間12/17)、ソーシャルなグラフィクスアプリAdobe Postを披露した。それはAdobe Slate、Adobe Voice、などなど、今同社で数が増えつつあるモバイルのクリエティビティを高めるアプリの仲間入りをする。ただしほかのアプリと違ってPostは、プロが使うだけでなく、誰でも簡単に自分の写真やテキストを“美しくデザインされたグラフィクス”に収めることができる、と同社は言っている。そうやってできた作品はもちろん、TwitterやFacebook、Instagram、Pinterestなどのソーシャルネットワークで共有できるから、‘ソーシャルなグラフィクスアプリ’なのだ。

このところ、グラフィックデザインというスキルは良いツールがあれば民主化できる、という風潮がある。たとえばモバイルアプリとWebアプリケーションの両方で提供されているCanvaは、シンプルなエディタを使って、バナーや広告、ブログ記事のグラフィクス、ちらしなどを誰もが作れる。

Adobe Postもやはり簡単明瞭な使い方をねらっているが、方向性は既存のプロ用のAdobeアプリケーション、PhotoshopやInDesignなどを引き継いでいて、たとえば、画像にテキストやフィルタを乗せる機能などがある。ただしPostではそれが、ボタンをいくつか押すだけでできる。

このアプリのホーム画面では、既製のテンプレートを選べる。テンプレートを利用すれば、初心者でも早くまともな作品を作れる。さらに、画像にタイポグラフィを加えたり、あるいはAdobe Postの”Design Filters”からフィルタを選んだりする。同社によると、写真のフィルタはInstagramが流行らせたが、Adobe Postのフィルタは写真のフィルタとタイポグラフィとレイアウトと色の組み合わせで、ユーザの画像をワンタップで変貌させる。

  1. design-filters.png

  2. font-shapes.png

  3. magic-text.jpg

  4. free-images-search.png

  5. inspiration-wall.jpg

色の組み合わせも、もちろん指定できるが、このアプリには、色を背景画像の中から選んでユーザに提案する、という機能がある。画像に利用するフォントや切り抜き型なども、プロのデザイナーが選んだものが提供されている。

便利なのは、作ったグラフィクスを保存して再利用できること。それらに手を加えて、別の作品を作ることもできる。

Adobe Postはターゲットを特定しない、ごく一般的なアプリだが、‘Post’の名に見られるように、コミュニティマネージャとか企業のソーシャル担当など、ソーシャルメディアにポストするために簡単なグラフィクスを手早く作りたいニーズが頻繁にある人たちは、とくに重宝するだろう。

このほかAdobeが推奨しているユースケースは、イベントの招待状、メルマガのグラフィックデザイン、企業のパンフレット、アルバムの表紙、などなどだ。

Adobe PostはApp Storeで無料でダウンロードできる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

デザイナーとデベロッパの口論をなくして仕事の流れをスムーズにするZeplinが$1.2Mを調達、トルコから合衆国へ伸展

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Pelin Kenezと彼女の協同ファウンダが前にいた会社では、デザイナーとデベロッパのあいだで多くのファイルが行き来していた。その場合、デザインが記述されたファイルからデベロッパが手作業で成分を取り出すとき、両者の口論が絶えなかった。

そこで二人はデザイナーとデベロッパ間のファイルの移動を改善するソフトウェアZeplinを作り、スタートアップを立ち上げた。同社はElad GilとMike Maples、および数名のトルコの投資家たちから、120万ドルを調達した。

“前にいた会社はモバイルのアプリを作っていたけど、何かをデザインしてそれをデベロッパに渡すとき、いつも同じ問題が起きていた”、とKenezは語る。“デザイナーがデザインを仕上げると、それをデベロッパに手渡す。デベロッパはデザイナーから渡されたPNGの画像やPDFファイルに書かれた注記を見ながら、コードを作る。Zeplinは、そのプロセスを自動化する”。

目標は、デザイナーとエンジニアとのあいだのギクシャクをなくし、工程をスムーズにすることだ。デザイナーとデベロッパは、基本的には一つのワークスペースを共有し、サイズや距離、フォント、アイコンなどの成分(〜要素)がそのスペースの中をスムーズに流れる。そのとき、デザイナーが大量の注記を記入した大きなデザインファイルをデベロッパに渡さなくてもすむようにするのが、Zeplinの仕事だ。Zeplinの料金はプロジェクトの数次第だが、最大の月額100ドルでは、プロジェクト数は無制限になる。

Zeplinを使った場合、デザイナーがエンジニアにファイルを送ると、エンジニアはそこから自動的にさまざまな成分を取り出して、コードに入れることができる。カラーコードの指定なども、自動化される。エンジニアが楽になるだけでなく、デザイナーもデベロッパに読ませるためのこまかい注記を書かないから、仕事が楽になる。仕事全体が速くなり、納期に十分間に合う。Zeplinは、iOSとAndroidの、必要な成分の違いも判断できる。

イスタンブール出身の彼らは、Y Combinatorの最近のクラスに入学した。ユーザの多くが合衆国なので、彼らは合衆国のアクセラレータを探していた。それに彼らは、以前から、YCのトップPaul Grahamのエッセイに感銘を受けていた。

資金は主に、既存チームの成長と、サンフランシスコに新たなチームを作ることに充てられる。イスタンブールとサンフランシスコの両方を維持するか、サンフランシスコに一本化するか、まだ決めかねている。でも複数の国にまたがるやり方としては、Talkdeskのような成功例も過去にある。

“トルコではシードラウンドで2〜3か月かかるけど、サンフランシスコはとても早い。トルコは投資とかスタートアップシーンが、まだとても若い”、とKenezは語る。

今後はたとえば、デザインツールを作っているAdobeのような企業がZeplin的なツールを出すかもしれないし、InVisionのような企業もZeplinのコンペティタになるかもしれない。Zeplinが今後好調なら、新しいスタートアップの参入もあるだろう。今Zeplinのユーザ数は85000、有料ユーザは1800名/社だ。すでにSlackやPinterestもZeplinを使っている。今想像されるZeplinの将来は、前途洋々でもあり、前途多難でもある。

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ついクリックしたくなる!BtoB向けバナー広告31選

DMP(Data Management Platform)との連携によって、今後さらに多様なアプローチが期待されるディスプレイ広告。BtoB業界においても、リスティング広告ではリーチできない潜在層へのアプローチとして、積 […]

ゲームのキャラ、情景、環境などのアートデザインをArtomatixの人工知能が迅速に作ってくれる

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ビデオゲーム産業はなんと、800億ドル産業といわれる。しかもさらにクレージーなのは、ゲームの開発コストの60%が、ゲーム内アートのデザインという骨折り仕事に投じられていることだ。

今日(米国時間9/21)のDisrupt SF Startup Battlefieldに登場したArtomatixは、データからヴィジュアル関連の情報を読み取り、ゲームアートを自動的に描く、という人工知能アプリケーションだ。これを使って、没入型ゲームの(背景、シーン等の)デザインに投じられるお金とマンアワーを大幅に減らす、という。

どういうことかというと、たとえばデベロッパが求めるゾンビーのデザインのラフスケッチをArtomatixに投げ与えると、簡単にゾンビーの何千人〜何万人の大群を作ってくれるのだ。さらにこのプログラムは、それまでに作ったキャラクターの類似性や違いに基づいて、新しいキャラクターを次々と作る。それらの他との違いは、乱数で作られる。

とくに、あまり裕福でないインディーのゲームデベロッパは、広大な情景シーンや個々のキャラクター、さまざまな環境要素などを作るのが、かなりたいへんな作業になる。Artomatixは主なユーザとしてそういうインディーのデベロッパをねらっており、彼らが仕事をもらっている大手のゲーム制作スタジオから干されないように、人工知能に頑張ってもらう。

Artomatixの使用料は、それをスタジオが負担する場合はその規模によって異なる。またこのSaaSをインディーデベロッパ個人が利用する場合は、ArtomatixのCTO Dr. Eric Risserによると、月額30ドルだ。大手のスタジオがArtomatixを自分たちの工程に組み入れる場合には、ライセンス料が年額10万ドルに達することもある。

当面Artomatixの人工知能エンジンはビデオゲームのデザインワークをターゲットにするが、同社によると、それと近い応用が効くのが、仮想現実コンテンツや映画の制作だ。しかもそれらの業界も、ゲーム業界に劣らず市場機会が大きいだろう、と同社は皮算用している。

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Webサイト作成のWixがプロのWebデザイナー(そして小企業の経営者)を育てる教育事業WixEdを開始

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DIYでWebサイトを作れるサービスWixが、今度は、ユーザに本職のWebデザイナーになってもらうための教育訓練サービスを始めることになった。

今日(米国時間7/10)同社が立ち上げたWixEdは、無料のオンライン教育事業で、これまでWixを使うこと==既製のテンプレートを使うことだったユーザに、自分でWebサイトデザインビジネスを立ち上げるまでに必要な知識と技能の一から十までを教える。

コースは三部分から成り、(1)Wix WebmasterクラスではWixが提供するツールを使って行うWebデザインを教える。(2)(3)そしてビジネスクラスとマーケティングクラスでは、小さなネットビジネスを経営するために必要な、あらゆる知識を教える。それには、SEO入門、eコマース、会計経理、そして写真術まで含まれる。

Wixのインストラクタ集団がいつでも質問に答え、宿題の結果を評価する。宿題には、本物のネットビジネスのためのWebサイトの構築、もある。

WixでWixEd事業を担当するYuval Finkelsteinによると、“Webサイトの作り方を学ぶだけではなくて、小企業のオンラインプレゼンスを完全に統括できる人物を育てる”、という。“オンラインのマーケティングは2年前ぐらいから強力になっているが、それを今では小企業も利用できる。必要なのは、それを使いこなせるプロになることだ”。

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WixはWixEdを3年がかりで秘かに作ってきたが、1か月かけて行った小規模なベータでは、ユーザの80%が少なくとも2本のビデオを見ており、またすべてのビデオの30%が、最後まで視られたことがわかった。

ビデオ教材は、著作権の法律なら専門の弁護士、Google AnalyticsならGoogleの社員というように、それぞれその道の専門家を起用した。

Finkelsteinの見通しでは、全コースの終了に要する時間は平均で2〜3週間だが、ベータ期間中には全コースを週末の3日で終了した強者(つわもの)もいた。

Webデザインや小企業の経営について学べるコースは、オンライン教育の先輩格CourseraやUdemyなどにもある。そんな中でトップのユーザ評価を得たいと欲張っているWixは、WixEdの差別化要因として人間インストラクタによるサポートを導入し、また教材コンテンツも細心のキュレーションにより、効率的な学習過程の構成を心がけた。

“理論は、実用知識を理解するための必要最小限にとどめた”、とFinkelsteinは語る。“Webサイトを作って運営するために、Webの歴史や初期のSEOテクニックについて知る必要はないからね”。

合衆国には小企業のオーナーが数百万もいるが、WixEdを卒業した者のクライアントベースとしてとくにFinkelsteinが想定しているのは、6800万もいるWixのユーザの一部だ。彼らの中には、本物のビジネスのためのWebサイトを作ることになったら、自作よりも有資格のWixプロフェッショナルを起用する人が多いだろう、と彼は構想している。

Finkelsteinによると、Wixは、この事業の今後の急速な拡大にあらかじめ備えており、また、今後も永久に無料だ。

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MorpholioのCritはデザインなどヴィジュアルな作品にリアルタイムで書(描)き込みコミュニケーションができる

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Morpholioの新しいiPhone/iPadアプリCritを使うと、デザイナーや建築家、写真家などのクリエイターたちが、文字や言葉ではなくアップロードした画像そのものの上で、ヴィジュアルに、リアルタイムでコミュニケーションできる。

たとえば若手の写真家が作品をどこかのクリエイティブ・ディレクターに送ると、後者はその画像の上に自分の指などでマークアップを入れて、ここをこーしろ、などの伝達ができる(上図中央)。

Critは最初、Morpholioのサービスの部品のような機能だったが、このほど別のアプリとして独立し、それと同時に、描画機能(マークアップ…添削…機能)やコメント機能を充実させた。

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ゆうべMorpholioのチームがデモを見せてくれたが、ぼくも以前はデザイナーだったから、便利なことはわかった。UIはクリーンで分かりやすく、それは同社の言うとおりだ。デザインに関して批評をやりとりするには、iPadバージョンの方が便利そうだが、急ぎのときや旅行中にはiPhoneが便利だろう。どっちもある、というのが良いね。

生産性という点では、これで忙しいアートディレクターやクリエイティブ・ディレクターにデザインのコンセプトを見てもらうのは、ちょっと厳しいかもしれない。むしろ、会話をしながらでもどんどん仕事を進めている、という、動きのある現場環境が合っているのではないか。そんな環境なら、ディレクターからの指示をリアルタイムで生かせるだろう。

スタイラスでマークアップできるのは良いけど、もっと複雑なWebデザインや、精密な青写真、ワイヤフレームなどでは、ちょっと難しいかな。

でも、かなりラフなマークアップでもお互いの意思が十分伝わることもあるから、忙しいときには何もないよりましだ。だから、精度など物理的側面にぜいたくを言わなければ、マークアップツールとして十分使えるのではないか。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

デザインのコード化を代行するSaaSはWebデザインの工程に革命をもたらすか?

[筆者: Dennis Mitzner]

編集者注記: Dennis Mitznerはテルアビブの住人で、スタートアップやテクノロジのトレンド、それに政治について書いているライターだ。

デザイナーがコードを1行も書かないWebデザインプラットホームが、最近はますます多く利用されている。そういうツールを提供している企業はユーザたちに、コーディングのスキルがなくても、それに高価な外部デベロッパを起用しなくても、美麗なWebサイトを作れますよ、と約束している。

そんなDIY Webサイト企業の大手Wix Squarespaceは、誰でも簡単に、ほんの数分でWebサイトのデザインを作れる、と謳っている。またWebydoWebflowなどの新興勢力は、コーディングに時間を割きたくないプロのWebデザイナーをターゲットにしている。

Webydoのユーザは、Adobe Photoshopなどを使って実際にサイトをデザインしたことのある人でないと無理だが、Wixのユーザはまったく無知無経験でも既存のテンプレートに手を加えるだけでサイトを作れる。Webydoはテルアビブのスタートアップだけど、サイトのデザインという工程からデベロッパの仕事を減らしてWebデザイナーを助ける、という目標を持って創業された。

WebydoのCEOで協同ファウンダのShmulik Grizimは次のように語る: “デザイナーは自分が作ったグラフィックデザインをデベロッパに頼んでサイトのコードにしてもらう必要があった。でも、そのやり方はそろそろしんどいな、と感じた。プロたちは90年代からずっとそのやり方だが、遅いし、高くつくし、しかも面倒だ。そこでうちは、数学者とエンジニアとデベロッパを雇って、革命的なコードジェネレータを開発した”。

これまでのやり方では、デザインの予算の大半が、コードを書くデベロッパたちに行っていた。デザイナーがデザインをデベロッパに渡すと、彼らが仕事を始める。時間もかかり、費用も膨張する。

一方WebydoやWebflow、Adobe Museなどなどは、デベロッパを不要にしてくれる。とくにWebydoやWebflowは、サイトの応答性を敏速にすることと、canvas上のいろんな要素の動的な関係を重視する。

WebydoのプロマネNir Barlevは曰く、“応答性の良い(responsive, レスポンシブな)デザインが最大の課題だ。コード不要のWebテンプレートを提供する企業は、「流す(fluid)」か「合わせる(adaptive)」かの、どっちかのやり方を選ぶ必要がある”。

流す、というアプローチでは、要素をデバイスの画面に合わせて自動的に並べていく。一方Webydoなどの、合わせる、というアプローチでは、デザイナーが個々の要素の位置を自分で決めることができる。Webflowは、流し派だ。

Barlevによると、合わせるやり方では要素を応答性を重視しつつ自動的に並べるのが難しい。“デザイナーが手作業で、要素がモバイルやタブレットやデスクトップでそれぞれうまく行くように配置する必要がある(すなわちadaptiveだ)。そういうデザインは、個々の画素レベルで正確だ(ピクセル単位で配置を決めるから)。流すアプローチではすべての要素が互いに直接関連しながらcanvas上で動く。一つ動かすためには全部動かす必要がある”。

WebydoとWebflowではインタフェイスに微妙で重要な違いはあるが、どちらもデベロッパの支配力が大きすぎた従来の傾向を逆転しようとしている。彼らが頑張ればデザイナーの力が徐々に強くなり、デベロッパに依存しないWebデザインがビジネスになり、デザイナーが抱いたビジョンを十分に表現できるようになるだろう。

でもWebydoとWebflowは、デベロッパを失業させるのか?

“いや、それはないよ。デベロッパはすごく重要だ”、とGrizimは言う。“同じことを繰り返すシジフォス的な部分をうちが取り去ったから、デベロッパはますます、ウィジェットやプラグインの開発などクリエイティブなコーディングに力を入れてほしい”。

SaaSのデザインスタートアップたちによってデザインの工程が変わり、そこにデベロッパの姿が見られなくなるかどうか? この問に答を出しうるのは、あくまでもデザイナー自身だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

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